JP7479776B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関し、さらに詳しくは、低湿度条件下及び高湿度条件下のいずれにおいても発電性能の低下が起きにくい燃料電池システムに関する。
固体高分子形燃料電池は、固体高分子電解質からなる電解質膜の両面に電極(触媒層)が接合された膜電極接合体(MEA)を備えている。また、固体高分子形燃料電池において、触媒層の外側には、一般に、ガス拡散層が配置される。ガス拡散層は、触媒層に反応ガス及び電子を供給するためのものであり、カーボンペーパー、カーボンクロス等が用いられる。さらに、ガス拡散層の外側には、ガス流路を備えたセパレータが配置される。固体高分子形燃料電池は、通常、このようなMEA、ガス拡散層及びセパレータからなる単セルが複数個積層された構造(燃料電池スタック)を備えている。
固体高分子形燃料電池において、電解質膜が良好なプロトン伝導度を示すには、適度な含水率が必要である。そのため、発電時の燃料電池の温度が高い場合や供給ガス中に含まれる水分量が少ない場合には、電解質膜が乾燥し、性能が低下する。
一方、固体高分子形燃料電池を用いて発電を行うと、カソード側では電極反応により水が生成する。そのため、燃料電池の温度が低く、供給ガス中の水分量が多い場合には、カソード側のガス拡散層内において液水が発生しやすくなる。過剰の液水は、酸素輸送を阻害し、燃料電池の性能を低下させる原因となる。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、
複数の流路孔が形成され、かつ、波形に湾曲した流路板と、
流路板の一方の面に接合された平板と
を備えた燃料電池用多孔性分離板が開示されている。
同文献には、
(A)流路板の表面をガス拡散層の外側面に密着させ、平板とガス拡散層との間の空間に反応ガスを流すと、反応ガスが乱流を形成してガス拡散層に伝達される点、及び、
(B)これによって、気体拡散量が増加し、燃料電池の性能が向上する点
が記載されている。
特許文献1には、多孔性分離板を用いると、ガス流路内で乱流が発生し、これによってガス拡散層への気体拡散量が増加する点が記載されている。
しかしながら、カソード流路内で乱流を発生させる場合において、気体拡散量が過度に多い時には、酸素輸送は促進されるが、低湿度環境下ではむしろ電解質膜を乾燥させ、性能低下を引き起こす。一方、気体拡散量が過度に少ない時には、高湿度環境下ではカソード側のガス拡散層内で発生した液水の排出が不十分となり、酸素輸送が阻害される。すなわち、単に乱流を発生させるだけでは、両者のバランスを取ることができない。
特開2013-125744号公報
本発明が解決しようとする課題は、低湿度条件下及び高湿度条件下のいずれにおいても発電性能の低下が起きにくい燃料電池システムを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る燃料電池システムは、以下の構成を備えている。
(1)前記燃料電池システムは、
燃料電池と、
前記燃料電池の作動条件を制御する制御手段と
を備え、
前記燃料電池は、
固体高分子電解質からなる電解質膜の両面に、それぞれ、カソード側触媒層及びアノード側触媒層が接合された膜電極接合体と、
前記カソード側触媒層の外側に配置されたカソード側ガス拡散層と、
前記アノード側触媒層の外側に配置されたアノード側ガス拡散層と、
前記カソード側ガス拡散層の外側に配置されたカソード側セパレータと
前記アノード側ガス拡散層の外側に配置されたアノード側セパレータと、
を備えている。
(2)前記カソード側セパレータは、
リブを挟んで第1ガス流路と第2ガス流路とが平行に並んでいる構造と、
前記第1ガス流路又は前記第2ガス流路の一方に供給されたカソードガスの全部又は一部が前記カソード側ガス拡散層を通って他方に流れる構造と
を備えている。
(3)前記制御手段は、セル温度T(K)が273K(0℃)以上373K(100℃)以下の温度にある時に、次の条件(a)~条件(c)のすべてが満たされるように、前記燃料電池の作動条件を制御するための手段を備えている。
Figure 0007479776000001
但し、
ktΔP/μw(cm3/min/cm)は、前記第1ガス流路又は前記第2ガス流路の一方から前記カソード側ガス拡散層を通って他方に流れる前記カソードガスの流路長さ当たりの流量(=対流量)、
k(m2)は、前記カソード側ガス拡散層の面内方向の透過係数、
t(m)は、前記カソード側ガス拡散層の厚さ、
ΔP(Pa)は、前記第1ガス流路内の圧力P1と前記第2ガス流路内の圧力P2との差の絶対値、
μ(Pa・s)は、前記カソードガスの粘度、
w(m)は、前記リブの幅、
ΔPwater(Pa)は、前記セル温度Tにおける飽和蒸気圧から、前記カソードガス中の水蒸気圧を差し引いた蒸気圧差、
I(A/cm2)は、電流密度。
カソード側セパレータが、リブを挟んで第1ガス流路と第2ガス流路とが平行に並んでいる構造を備えている場合において、第1ガス流路内及び第2ガス流路内にカソードガスを流すと、カソードガスの一部が第1ガス流路又は第2ガス流路の一方からカソード側ガス拡散層を通って他方に流れる場合がある。また、この時、ガス拡散層内に滞留している液水が、他方のガス流路に排出される場合がある。
しかしながら、流路構造が不適切である場合、及び/又は、燃料電池の運転条件が不適切である場合には、低湿度条件下において電解質膜が過度に乾燥し、及び/又は、高湿度条件下における過剰の液水の排出が不十分となる。
これに対し、カソード側セパレータが、リブを挟んで第1ガス流路と第2ガス流路とが平行に並んでおり、かつ、第1ガス流路及び第2ガス流路の一方からカソード側ガス拡散層を通って他方に流れる構造を備えている場合において、セル温度Tが273K(0℃)以上373K(100℃)以下の温度にある時に、条件(a)~(c)のすべてが満たされるように、カソード側セパレータの流路構造及びカソード側ガス拡散層の構造に応じて燃料電池の作動条件を制御すると、低湿度条件下における電解質膜の過度の乾燥が抑制され、かつ、高湿度条件下における過剰の液水の排出が促進される。その結果、低湿度条件下及び高湿度条件下のいずれにおいても発電性能の低下を抑制することができる。
ガス流路の入口の断面積比が出口の断面積比とは異なる構造を備えたカソード側セパレータの模式図である。 図2(A)は、対流量が下限以下である時の燃料電池の断面模式図である。図2(B)は、対流量が上限以上である時の燃料電池の断面模式図である。図2(C)は、対流量が下限超上限未満である時の燃料電池の断面模式図である。 セル温度が313K(40℃)である時の対流量とカソード側ガス拡散層内の液水量との関係を示す図である。
セル温度が333K(60℃)である時の対流量とカソード側ガス拡散層内の液水量との関係を示す図である。 セル温度が353K(80℃)である時の対流量とカソード側ガス拡散層内の液水量との関係を示す図である。 ΔPwaterと対流量との関係を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 燃料電池]
本発明に係る燃料電池は、
固体高分子電解質からなる電解質膜の両面に、それぞれ、カソード側触媒層及びアノード側触媒層が接合された膜電極接合体と、
前記カソード側触媒層の外側に配置されたカソード側ガス拡散層と、
前記アノード側触媒層の外側に配置されたアノード側ガス拡散層と、
前記カソード側ガス拡散層の外側に配置されたカソード側セパレータと
前記アノード側ガス拡散層の外側に配置されたアノード側セパレータと、
を備えている。
[1.1. 膜電極接合体]
膜電極接合体(MEA)は、固体高分子電解質からなる電解質膜の両面に、それぞれ、カソード側触媒層及びアノード側触媒層が接合されたものからなる。カソード側触媒層及びアノード側触媒層は、それぞれ、電極触媒と触媒層アイオノマとの複合体からなる。
本発明において、電解質膜を構成する固体高分子電解質の種類は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な材料を選択することができる。
同様に、触媒層に含まれる電極触媒及び触媒層アイオノマの種類は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な材料を選択することができる。
[1.2. カソード側ガス拡散層]
カソード側ガス拡散層は、カソード側触媒層の外側に配置される。本発明において、カソード側ガス拡散層の構造は、後述する条件を満たす限りにおいて特に限定されない。カソードガス拡散層は、特に、
撥水処理された基材と、
前記基材の触媒層側表面に形成された撥水層と
を備えているものが好ましい。
[1.2.1. 基材]
[A. 材料]
本発明において、基材の材料は、後述する条件を満たすものである限りにおいて、特に限定されない。基材の材料としては、例えば、撥水処理されたカーボンペーパー、撥水処理されたカーボンクロスなどがある。
[B. 空隙率]
基材の空隙率は、低湿度条件下及び高湿度条件下における発電性能に影響を与える。一般に、基材の空隙率が小さくなりすぎると、高湿度条件下において過剰の液水が排水されにくくなる場合がある。従って、基材の空隙率は、0.6以上が好ましい。空隙率は、さらに好ましくは、0.65以上である。
一方、基材の空隙率が過剰になると、低湿度条件下において電解質膜が乾燥しやすくなる場合がある。従って、基材の空隙率は、0.85以下が好ましい。
[C. 厚さ]
基材の厚さは、低湿度条件下及び高湿度条件下における発電性能に影響を与える。基材の厚さが薄くなりすぎると、低湿度条件下において水蒸気が拡散しやすくなり、電解質膜が乾燥しやすくなる場合がある。従って、基材の厚さは、70μm以上が好ましい。厚さは、さらに好ましくは、100μm以上、さらに好ましくは、120μm以上である。
一方、基材の厚さが厚くなりすぎると、高湿度条件下において過剰の液水が排水されにくくなる場合がある。従って、基材の厚さは、300μm以下が好ましい。厚さは、さらに好ましくは、250μm以下、さらに好ましくは、200μm以下である。
[D. 繊維径]
カーボンペーパーやカーボンクロスは、通常、繊維の集合体からなる。基材がこのような繊維の集合体からなる場合、基材を構成する繊維の直径は、燃料電池の耐久性や高湿度条件下における発電性能に影響を与える。一般に、繊維径が小さくなりすぎると、機械的強度が低下し、耐久性が低下する場合がある。従って、繊維径は、5μm以上が好ましい。繊維径は、さらに好ましくは、6μm以上である。
一方、繊維径が大きくなりすぎると、高湿度条件下において排水性が低下する場合がある。従って、繊維径は、30μm以下が好ましい。繊維径は、さらに好ましくは、20μm以下である。
[E. 透過係数]
基材の面内の透過係数k(m2)は、参考文献1を基に、基材の空隙率εと、基材の繊維径df(m)から以下の式で算出される。
[参考文献1]G. Inoue et al., "Development of simulated gas diffusion layer of polymer electrolyte fuel cells and evaluation of its structur," J. Power Sources, 175, (2008), 145-158
Figure 0007479776000002
基材の透過係数は、低湿度条件下及び高湿度条件下における発電性能に影響を与える。透過係数が小さくなりすぎると、水がガス拡散層内から排出されにくくなり、基材内に過剰の液水が滞留しやすくなる場合がある。従って、ガス拡散層基材の透過係数は、7×10-122以上が好ましい。透過係数は、さらに好ましくは、1×10-112以上である。
一方、透過係数が大きくなりすぎると、水がガス拡散層内から過剰に排出されやすくなり、電解質膜が乾燥しやすくなる場合がある。従って、透過係数は、8×10-112以下が好ましい。透過係数は、さらに好ましくは、6×10-112以下である。
[1.2.2. 撥水層]
[A. 材料]
撥水層は、基材の触媒層側の表面に形成される。撥水層は、触媒層で生成した水の排出を促進させるためのものである。触媒層の材料は、このような機能を奏するものである限りにおいて、特に限定されない。撥水層は、一般に、導電性材料からなる導電性粒子と、撥水性材料との混合物からなる。
導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、カーボンファイバー、黒鉛、活性炭などがある。また、撥水性材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレンなどがある。
[B. 厚さ]
撥水層の厚さは、低湿度条件下及び高湿度条件下における発電性能や耐久性に影響を与える。撥水層の厚さが薄くなりすぎると、撥水層から基材の繊維が突き出し、突き出した繊維が電解質膜の耐久性を低下させる場合がある。従って、撥水層の厚さは、10μm以上が好ましい。厚さは、さらに好ましくは、20μm以上である。
一方、撥水層の厚さが厚くなりすぎると、水蒸気の拡散性が低下し、高加湿条件下において過剰の液水が滞留しやすくなる場合がある。従って、撥水層の厚さは、60μm以下が好ましい。厚さは、さらに好ましくは、40μm以下である。
[1.3. アノード側ガス拡散層]
アノード側ガス拡散層は、MEAのアノード側触媒層の外側に配置される。本発明において、アノード側ガス拡散層の構造及び材料は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択することができる。
アノードガス拡散層もまた、通常、撥水処理された基材と、基材の触媒層側表面に形成された撥水層とを備えているものが用いられる。アノード側ガス拡散層は、カソードガス拡散層と同一の構造及び/又は同一の材料からなるものでも良く、あるいは、異なる構造及び/又は異なる材料からなるものでも良い。
アノードガス拡散層に関するその他の点については、カソードガス拡散層と同様であるので、説明を省略する。
[1.4. カソード側セパレータ]
[1.4.1. 構造]
カソード側セパレータは、カソード側触媒層に電子及び酸化剤ガスを供給するためのものである。カソード側セパレータは、カソード側ガス拡散層の外側に配置される。本発明において、カソード側セパレータは、
リブを挟んで第1ガス流路と第2ガス流路とが平行に並んでいる構造と、
前記第1ガス流路又は前記第2ガス流路の一方に供給されたカソードガスの全部又は一部が前記カソード側ガス拡散層を通って他方に流れる構造と
を備えている。
「平行に並んでいる」とは、第1ガス流路の中心線と第2ガス流路の中心線が完全に平行であることを意味するものではなく、ガス拡散層を経由した一方のガス流路から他方のガス流路へのカソードガスの移動が可能である限りにおいて、両者の中心線が完全な平行から若干ずれていても良いことを意味する。
カソード側セパレータの構造は、このような機能を奏するものである限りにおいて、特に限定されない。例えば、カソードガスの移動が可能である限りにおいて、第1ガス流路と第2ガス流路の間隔は特に限定されない。
このような機能を奏するカソード側セパレータとしては、具体的には、以下のようなものがある。後述する具体例は、それぞれ、単独で用いても良く、あるいは、物理的に可能な限りにおいて、2種以上を組み合わせて用いても良い。
[A. 流路の狭窄]
カソード側セパレータは、第1ガス流路及び/又は第2ガス流路の流路の一部が狭窄している構造を備えていても良い。第1ガス流路の一部が途中で狭窄している場合において、第1ガス流路にカソードガスを流すと、狭窄部よりも上流側では第1ガス流路内のカソードガスの圧力が上昇する。その結果、カソードガスの一部が第1ガス流路からカソードガス拡散層を通って第2ガス流路に押し出される。この点は、第2ガス流路に狭窄部を形成した場合も同様である。
狭窄部は、第1ガス流路又は第2ガス流路の一方にのみ形成されていても良く、あるいは、双方に形成されていても良い。また、第1ガス流路及び第2ガス流路の双方に狭窄部を形成する場合、狭窄部の位置は同一であっても良く、あるいは、異なっていても良い。
例えば、第1ガス流路及び第2ガス流路の双方に狭窄部を形成する場合において、狭窄部を互い違いに形成すると、第1ガス流路からカソード側ガス拡散層を経由した第2ガス流路へのカソードガスの排出と、第2ガス流路からカソード側ガス拡散層を経由した
第1ガス流路へのカソードガスの排出とを交互に生じさせることができる。
[B. 入口又は出口の閉塞]
カソード側セパレータは、第1ガス流路又は第2ガス流路のいずれか一方は入口が塞がれており、他方は出口が塞がれてる構造を備えていても良い。
例えば、第1ガス流路と第2ガス流路が平行に並んでおり、第1ガス流路の出口及び第2ガス流路の入口が塞がれている場合において、第1ガス流路の入口にカソードガスを流すと、第1ガス流路内のカソードガスの圧力が上昇する。その結果、カソードガスが第1ガス流路からカソードガス拡散層を通って第2ガス流路に押し出される。押し出されたカソードガスは、第2流路の出口に向かって流れる。この点は、第1ガス流路の入口及び第2ガス流路の出口が塞がれており、かつ、第2ガス流路の入口にカソードガスを流す場合も同様である。
第1ガス流路又は第2ガス流路のいずれか一方は入口を閉塞させ、他方は出口を閉塞させる場合、第1ガス流路の開口部(又は、閉塞部)と第2ガス流路の閉塞部(又は開口部)が隣接するように、第1ガス流路及び第2ガス流路を配置しても良い。あるいは、開口部同士又は閉塞部同士が隣接するように、第1ガス流路及び第2ガス流路を配置しても良い。触媒層内の触媒を効率良く利用するためには、一方の流路の閉塞部と他方の流路の閉塞部が隣接するように、第1ガス流路及び第2ガス流路を配置するのが好ましい。
[C. サーペンタイン流路構造]
カソード側セパレータは、サーペンタイン流路構造を備えていても良い。
「サーペンタイン流路構造」とは、ガスの流れが交互に180°反転するように、1本の流路を蛇行させた構造をいう。換言すれば、「サーペンタイン流路構造」とは、複数のガス流路を平行に並べ、上流側にあるガス流路(A)の出口をそれより下流側にあるガス流路(B)の入口に連結させ、かつガス流路(B)の出口をそれより下流側にあるガス流路(C)の入口に連結させた構造が繰り返される構造をいう。
サーペンタイン構造を備えたカソード側セパレータの第1ガス流路にカソードガスを流すと、ガス流路の折り返し部近傍では管路抵抗(曲がり損失)が大きいためにカソードガスの圧力が上昇する。その結果、カソードガスの一部が第1ガス流路からカソード側ガス拡散層を通って第2ガス流路に押し出される。
[D. 断面積比]
カソード側セパレータは、第1ガス流路の入口の断面積(S1in)に対する第2ガス流路の入口の断面積(S2in)の比(=S2in/S1in)が、第1ガス流路の出口の断面積(S1out)に対する第2ガス流路の出口の断面積(S2out)の比(=S2out/S1out)とは異なる構造を備えていても良い。
図1に、ガス流路の入口の断面積比が出口の断面積比とは異なる構造を備えたカソード側セパレータの模式図を示す。図1において、カソード側セパレータ10は、リブ12を挟んで第1ガス流路14と第2ガス流路16とが平行に並んでいる構造を備えている。また、カソード側セパレータ10は、第1ガス流路14又は第2ガス流路16の一方に供給されたカソードガスの一部がカソード側ガス拡散層18を通って他方に流れる構造を備えている。
図1において、第1ガス流路14及び第2ガス流路16は、同一方向にカソードガスが流れるようになっている。
第1ガス流路14の入口には第1ガス導入管14aが接続され、第1ガス流路14の出口には第1ガス排出管14bが接続されている。第1ガス導入管14aの断面積(S1in)は、第1ガス排出管14bの断面積(S1out)より大きくなっている。
一方、第2ガス流路16の入口には第2ガス導入管16aが接続され、第2ガス流路16の出口には第2ガス排出管16bが接続されている。第2ガス導入管16aの断面積(S2in)は、第2ガス導入管16bの断面積(S2out)より小さくなっている。そのため、カソード側セパレータ10は、S2in/S1in<S2out/S1outの関係を満たしている。
このような構造を備えたカソード側セパレータ10の第1ガス流路14及び第2ガス流路16にそれぞれ、カソードガスを供給すると、第1ガス流路14内の圧力は、第2ガス流路16内の圧力より高くなる。その結果、第1ガス流路14に供給されたカソードガスの一部がカソード側ガス拡散層18を通って第2ガス流路16に押し出される。
[1.5. アノード側セパレータ]
アノード側セパレータは、アノード側触媒層から電子を取り出すと同時に、アノード側触媒層に燃料ガスを供給するためのものである。アノード側セパレータは、アノード側ガス拡散層の外側に配置される。本発明において、アノード側セパレータの構造は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な構造を選択することができる。
アノード側セパレータは、カソード側セパレータと同一の構造を備えているものでも良く、あるいは、異なる構造を備えいているものでも良い。
アノード側セパレータに関するその他の点については、カソード側セパレータと同様であるので、説明を省略する。
[2. 燃料電池システム]
本発明に係る燃料電池システムは、
燃料電池と、
前記燃料電池の作動条件を制御する制御手段と
を備えている。
[2.1. 燃料電池]
燃料電池の詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[2.2. 制御手段]
制御手段は、燃料電池の作動条件を制御するための手段である。燃料電池システムは、通常、燃料電池以外にも、
(a)アノードに燃料(アノードガス)を供給するための燃料ガス供給装置、
(b)カソードに酸化剤(カソードガス)を供給するための酸化剤ガス供給装置、
(c)アノードガス及び/又はカソードガスを加湿する加湿器、
(d)燃料電池を冷却するための冷却装置、
(e)アノード及び/又はカソード側の排出ガスから液体を分離する凝縮器、
などを備えている。制御手段は、これらの装置の動作を制御するためのものである。
本発明において、制御手段は、カソード側ガス拡散層内を通過するカソードガスの流量(対流量)が所定の範囲となるように、燃料電池の作動条件を制御するための手段をさらに備えている。この点が従来とは異なる。
対流量は、主として、カソード側セパレータの構造と、カソード側ガス拡散層の構造と、燃料電池の作動条件に依存する。カソード側セパレータの構造及びカソード側ガス拡散層の構造に応じて燃料電池の作動条件を最適化すると、ガス拡散層内に適量のカソードガスを流すことができる。その結果、低加湿条件下における電解質膜の過度の乾燥と、高加湿条件下における過度の液体水の滞留を同時に抑制することができる。
そのためには、制御手段は、セル温度T(K)が273K(0℃)以上373K(100℃)以下の温度にある時に、次の条件(a)~条件(c)のすべてが満たされるように、燃料電池を制御するための手段を備えている必要がある。
カソード側セパレータの構造(例えば、狭窄部の位置や断面積、流路入口や流路出口の断面積比など)及びカソード側ガス拡散層の構造(例えば、厚さ、透過係数など)が最適化されている場合、構造の最適化のみによって、低加湿条件下における電解質膜の過度の乾燥、及び/又は、高加湿条件下における過度の液体水の滞留をある程度抑制することができる。そのため、構造が最適化されているほど、所定の対流量を得るために必要な燃料電池の作動条件の選択の自由度が大きくなる。また、これによって、発電効率を犠牲にすることなく、フラッディング及びドライアップを抑制することができる。
Figure 0007479776000003
但し、
ktΔP/μw(cm3/min/cm)は、前記第1ガス流路又は前記第2ガス流路の一方から前記カソード側ガス拡散層を通って他方に流れる前記カソードガスの流路長さ当たりの流量(=対流量)、
k(m2)は、前記カソード側ガス拡散層の面内方向の透過係数、
t(m)は、前記カソード側ガス拡散層の厚さ、
ΔP(Pa)は、前記第1ガス流路内の圧力P1と前記第2ガス流路内の圧力P2との差の絶対値、
μ(Pa・s)は、前記カソードガスの粘度、
w(m)は、前記リブの幅、
ΔPwater(Pa)は、前記セル温度Tにおける飽和蒸気圧から、前記カソードガス中の水蒸気圧を差し引いた蒸気圧差、
I(A/cm2)は、電流密度。
ここで、「313K(40℃)」は、フラッディングが起きやすいセル温度の代表値を表す。「353K(80℃)」は、ドライアップが起きやすいセル温度の代表値を表す。さらに、「333K(60℃)」は、フラッディング及びドライアップがともに抑制され、高い性能を得やすいセル温度の代表値を表す。
条件(a)は、燃料電池に供給されるカソードガスの湿度が低い場合における対流量の好適な範囲を表す。条件(c)は、燃料電池に供給されるカソードガスの湿度が高い場合における対流量の好適な範囲を表す。さらに、条件(b)は、燃料電池に供給されるカソードガスの湿度が条件(a)と条件(c)の中間にある場合における対流量の好適な範囲を表す。
例えば、ある燃料電池が、セル温度Tが313K(40℃)である時に条件(a)~条件(c)を満たすことは、その燃料電池は、フラッディングが起きやすい条件下で運転されている場合において発電条件が変動しても、電解質膜の過度の乾燥やガス拡散層内における過剰の液体の滞留が生じにくいことを表す。
同様に、ある燃料電池が、セル温度Tが333K(60℃)である時に条件(a)~条件(c)を満たすことは、その燃料電池は、フラッディングやドライアップが起きにくい条件下で運転されている場合において発電条件が変動しても、電解質膜の過度の乾燥やガス拡散層内における過剰の液体の滞留が生じにくいことを表す。
さらに、ある燃料電池が、セル温度Tが353K(80℃)である時に条件(a)~条件(c)を満たすことは、その燃料電池は、ドライアップが起きやすい条件下で運転されている場合において発電条件が変動しても、電解質膜の過度の乾燥やガス拡散層内における過剰の液体の滞留が生じにくいことを表す。
[2. 作用]
燃料電池の発電時には、カソード側において水が生成する。生成水がカソード側ガス拡散層の内部に滞留した場合には、カソード側触媒層への酸素ガスの輸送が阻害され、発電性能が低下する。一方、電解質膜が良好なプロトン伝導度を示すには、適度な含水率が必要である。
液水をガス拡散層から排出するには、カソードガスの全部又は一部をガス拡散層内に流すこと(カソードガス拡散層内においてカソードガスを対流させること)が有効である。このような対流は、燃料電池内部の水を減らすと同時に、カソード側ガス拡散層内部の酸素濃度を上げる効果がある。さらに、対流量を適切な値にすることで、良好なプロトン伝導度と高い酸素濃度の両立が可能となる。但し、対流による水の減少は、燃料電池の温度や、対流するガスの加湿度、発電による水の生成量などに依存する。そのため、これらに応じて、適切な対流量は変化する。
例えば、カソード側セパレータが、リブを挟んで第1ガス流路と第2ガス流路とが平行に並んでいる構造を備えている場合において、第1ガス流路及び/又は第2ガス流路に狭窄部を設けると、カソードガスの全部又は一部がガス拡散層内に流れ込む。しかしながら、流路構造が不適切である場合、及び/又は、燃料電池の運転条件が不適切である場合には、低湿度条件下において電解質膜が過度に乾燥し、及び/又は、高湿度条件下において過剰の液水の排出が不十分となる。
図2(A)に、対流量が下限以下である時の燃料電池の断面模式図を示す。図2(B)に、対流量が上限以上である時の燃料電池の断面模式図を示す。図2(C)に、対流量が下限超上限未満である時の燃料電池の断面模式図を示す。
図2において、燃料電池30は、膜電極接合体(MEA)20と、MEA20のカソード側触媒層の表面に載置されたカソード側ガス拡散層18と、カソード側ガス拡散層18の表面に載置されたカソード側セパレータ10とを備えている。カソード側セパレータ10は、リブ12を挟んで第1ガス流路14と第2ガス流路16とが平行に並んだ構造を備えている。さらに、第1ガス流路14には、狭窄部14cが設けられている。
このような構造を備えた燃料電池30において、リブ12の直下にあるガス拡散層18は、第1ガス流路14直下及び第2ガス流路16直下にあるガス拡散層18に比べて温度が低くなりやすい。そのため、第1ガス流路14から第2ガス流路への対流量が下限以下である時には、図2(A)に示すように、リブ12の直下にあるガス拡散層18内に多量の液水が滞留しやすい。過剰の液水は酸素輸送を阻害し、燃料電池30の性能を低下させる原因となる。
一方、対流量が上限以上である時には、図2(B)に示すように、液水が必要以上に燃料電池30外に排出される。その結果、電解質膜が乾燥し、燃料電池30の性能が低下する。また、燃料電池30の圧力損失も増大する。
これに対し、対流量が下限超上限未満である場合には、図2(C)に示すように、電解質膜が乾燥することはない。また、カソード側ガス拡散層18内の液水が適度に排出されるために、酸素輸送は良好となる。その結果、燃料電池30の性能が向上する。
特に、セル温度Tが273K(0℃)以上373K(100℃)以下の温度にある時に、条件(a)~(c)のすべてが満たされるように、カソード側セパレータの流路構造及びカソード側ガス拡散層の構造に応じて燃料電池の作動条件を制御すると、低湿度条件下における電解質膜の過度の乾燥が抑制され、かつ、高湿度条件下における過剰の液水の排出が促進される。その結果、低湿度条件下及び高湿度条件下のいずれにおいても発電性能の低下を抑制することができる。
さらに、カソード側セパレータの流路構造及び/又はカソード側ガス拡散層の構造が最適化されている場合には、所定の対流量を得るために必要な燃料電池の作動条件の選択の自由度が大きくなる。その結果、発電効率を犠牲にすることなく、フラッディング及びドライアップを抑制することができる。
[1. 燃料電池の作製]
カソード側セパレータには、図1に示すように、ガス流路に繋がる配管の直径を互い違いに狭くしたセパレータを用いた。アノード側セパレータには、ガス流路に繋がる配管の直径が同一であるセパレータを用いた。これらのセパレータの間に、カソード側ガス拡散層、MEA、及びアノード側ガス拡散層を挟み、燃料電池を作製した。カソード側ガス拡散層には、基材厚さが190μm、撥水層厚さが30μm、基材の面内方向の透過係数が1×10-112、基材の空隙率が0.83であるものを用いた。
[2. 試験方法]
この燃料電池を用い、カソード側流量を130cm3/minから500cm3/minまで変化させ、各流量での0.4V保持での電流密度及びカソード側ガス拡散層内の液水量を測定した。表1に、発電時のセル温度、及び、カソードに供給されたガスの相対湿度を示す。なお、発電時の液水分布は、X線ラジオグラフィー法(参考文献2)により定量化した。
[参考文献2]D. Hayashi et al., Synchrotron X-ray Visualization and Simulation for Operating Fuel Cell Diffusion Layers, SAE, 2017-01-1188
Figure 0007479776000004
[3. 結果]
[3.1. 対流量とカソード側ガス拡散層内の液水量との関係]
表2に、セル温度が313K(40℃)である時のΔPwater、電流密度、対流量、及び液水飽和度を示す。図3~図5に、それぞれ、セル温度が313K(40℃)、333K(60℃)、又は、353K(80℃)である時の対流量とカソード側ガス拡散層内の液水量との関係を示す。
なお、「液水飽和度」とは、リブに面したカソード側ガス拡散層内の空隙の体積に対する、カソード側ガス拡散層内に滞留している液水の体積の割合をいう。「カソード側ガス拡散層内の液水量」とは、リブに面したカソード側ガス拡散層内の液水量を流路長手方向に積算した値をいう。さらに、図3~図5中、「60%」等の数値は、カソードに供給されたガスの相対湿度を表す。
液水飽和度が10%より大きい場合、酸素輸送が大きく阻害される。一方、液水飽和度が0%となる対流量よりさらに対流量を増加させると、電解質膜の乾燥が進み、かつ、セルの圧損も高くなりすぎる。そのため、対流量は、液水飽和度が10%以下となる量以上、液水飽和度が0%となる量以下にすることが好ましい。
表2及び図3~図5より、以下のことが分かる。
(a)対流量が多くなるほど、カソード側ガス拡散層内の液水量が低下する。
(b)カソードガスの相対湿度が大きくなるほど、液水飽和度を10%以下にするため必要な対流量が増加する。
(c)セル温度が低くなるほど、液水飽和度を10%以下にするために必要な対流量が増加する。
Figure 0007479776000005
[3.2. 条件(a)~(c)の導出]
表2及び図3~図5より、
(a)セル温度の増加に伴い、飽和蒸気圧が指数関数的に増加するために、水蒸気の液体への凝縮が生じにくくなること、
(b)電流密度が高いほど、生成水量が増加するために、水蒸気の液水への凝縮が生じやすくなること、及び、
(c)カソード供給ガスの相対湿度が低くなるほど、対流するガスにより水蒸気が持ち去られ、液水への凝縮が生じにくくなること
が分かった。
これらを踏まえて、ΔPwaterによらず、液水飽和度が0%以上10%以下になる対流量の条件(すなわち、上述した条件(a)~(c))を数値計算により求めた。
図6に、ΔPwaterと対流量との関係を示す。図6中、「255×I/ΔPwater」等の数式は、上述した条件(a)~(c)の左辺又は右辺の数式を表す。「No.1」等は、表2に示す運転条件を表す。
図6は、対流量が上限の曲線と下限の曲線の間に来るように(すなわち、条件(a)~(c)が満たされるように)、カソード側セパレータの構造及びカソード側ガス拡散層の構造に応じて、燃料電池の作動条件(例えば、電流密度I、セル温度T、カソードガスの圧力P、カソードガス中の水蒸気圧Pwaterなど)を最適化すると、低湿度条件下における電解質膜の過度の乾燥が抑制され、かつ、高湿度条件下における過剰の液水の排出が促進されることを示している。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る燃料電池システムは、車載動力源、定置型小型発電機などに用いることができる。

Claims (3)

  1. 以下の構成を備えた燃料電池システム。
    (1)前記燃料電池システムは、
    燃料電池と、
    前記燃料電池の作動条件を制御する制御手段と
    を備え、
    前記燃料電池は、
    固体高分子電解質からなる電解質膜の両面に、それぞれ、カソード側触媒層及びアノード側触媒層が接合された膜電極接合体と、
    前記カソード側触媒層の外側に配置されたカソード側ガス拡散層と、
    前記アノード側触媒層の外側に配置されたアノード側ガス拡散層と、
    前記カソード側ガス拡散層の外側に配置されたカソード側セパレータと
    前記アノード側ガス拡散層の外側に配置されたアノード側セパレータと、
    を備えている。
    (2)前記カソード側セパレータは、
    リブを挟んで第1ガス流路と第2ガス流路とが平行に並んでいる構造と、
    前記第1ガス流路又は前記第2ガス流路の一方に供給されたカソードガスの全部又は一部が前記カソード側ガス拡散層を通って他方に流れる構造と
    を備えている。
    (3)前記制御手段は、セル温度T(K)が273K(0℃)以上373K(100℃)以下の温度にある時に、次の条件(a)~条件(c)のすべてが満たされるように、前記燃料電池の作動条件を制御するための手段を備えている。
    Figure 0007479776000006
    但し、
    ktΔP/μw(cm3/min/cm)は、前記第1ガス流路又は前記第2ガス流路の一方から前記カソード側ガス拡散層を通って他方に流れる前記カソードガスの流路長さ当たりの流量(=対流量)、
    k(m2)は、前記カソード側ガス拡散層の面内方向の透過係数、
    t(m)は、前記カソード側ガス拡散層の厚さ、
    ΔP(Pa)は、前記第1ガス流路内の圧力P1と前記第2ガス流路内の圧力P2との差の絶対値、
    μ(Pa・s)は、前記カソードガスの粘度、
    w(m)は、前記リブの幅、
    ΔPwater(Pa)は、前記セル温度Tにおける飽和蒸気圧から、前記カソードガス中の水蒸気圧を差し引いた蒸気圧差、
    I(A/cm2)は、電流密度。
  2. 前記カソード側ガス拡散層は、
    撥水処理された基材と、
    前記基材の触媒層側表面に形成された撥水層と
    を備え、
    前記カソード側ガス拡散層は、
    (a)前記基材の空隙率が0.6以上であり、
    (b)前記基材の厚さが70μm以上300μm以下であり、
    (c)前記基材が繊維の集合体からなり、かつ、前記繊維の直径が5μm以上30μm以下であり、及び/又は、
    (d)前記撥水層の厚さが10μm以上60μm以下である
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記カソード側セパレータは、
    (a)前記第1ガス流路及び/又は前記第2ガス流路の流路の一部が狭窄している構造、
    (b)前記第1ガス流路又は前記第2ガス流路のいずれか一方は入口が塞がれており、他方は出口が塞がれてる構造、
    (c)サーペンタイン流路構造、及び/又は、
    (d)前記第1ガス流路の入口の断面積(S1in)に対する前記第2ガス流路の入口の断面積(S2in)の比(=S2in/S1in)が、前記第1ガス流路の出口の断面積(S1out)に対する前記第2ガス流路の出口の断面積(S2out)の比(=S2out/S1out)とは異なる構造
    を備えている請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
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