JP7478847B2 - シミュレーション装置 - Google Patents

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Description

本開示は、シミュレーション装置に関する。
近年、自転車等の車両を複数のユーザが共同で使用するシェアリング交通サービスが注目されている。シェアリング交通サービスでは、車両を駐車するための複数のポートが設けられている。各ユーザは、所望のポートから車両を借り、所望のポートに車両を返却する。各ポートにおいて、貸し出される車両の台数と、返却される車両の台数とは、必ずしも一致しないので、ポートに駐車されている車両の台数に偏りが生じ得る。この場合、車両の台数が多いポートから、車両の台数が少ないポートに、車両が再配置される。
各ポートに駐車されている車両の台数は時間の経過とともに変化し得る。したがって、各ポートにおける車両の台数の変化を予測することが求められる。特許文献1には、カーシェアリングシステムにおけるステーションごとの駐車枠数及び初期配置車両数を決定し、状態遷移シミュレーションによって駐車枠数及び初期配置車両数でカーシェアリングシステムを稼働させたときの状態遷移を再現することで事業性を評価する運用計画作成システムが記載されている。
特開2016-151940号公報
特許文献1に記載の運用計画作成システムは、車両の配置が偏った場合に車両を別のステーションに移動させる回送(再配置)、及び再配置を行う人員を考慮している。しかしながら、再配置のシミュレーションには改善の余地がある。
本開示は、車両の移動のシミュレーション精度を向上可能なシミュレーション装置を説明する。
本開示の一側面に係るシミュレーション装置は、シェアリング交通サービスにおける複数のポート間での車両の移動をシミュレートする装置である。このシミュレーション装置は、車両の再配置の対象となるポートである再配置ポートにおける作業時間を算出し、作業時間に基づいて再配置をシミュレートする計算部を備える。
このシミュレーション装置においては、再配置ポートにおける作業時間に基づいて再配置がシミュレートされる。再配置ポートに応じて作業時間が異なり得るので、再配置ポートにおける作業時間が考慮されることによって、再配置のシミュレーションが高精度に実現され得る。その結果、車両の移動のシミュレーション精度を向上させることが可能となる。
本開示によれば、車両の移動のシミュレーション精度を向上させることができる。
図1は、一実施形態に係るシミュレーション装置を含むシミュレーションシステムの概略構成図である。 図2は、分割エリアを説明するための図である。 図3(a)は、ポート情報の一例を示す図である。図3(b)は、車両情報の一例を示す図である。図3(c)は、運搬車情報の一例を示す図である。 図4は、貸出台数情報の一例を示す図である。 図5は、移動情報の一例を示す図である。 図6は、バッテリ使用情報の一例を示す図である。 図7は、利用時間情報の一例を示す図である。 図8は、図1に示されるシミュレーション装置の機能構成を示すブロック図である。 図9は、図1に示されるシミュレーション装置が行うシミュレーション方法の一連の処理を示すフローチャートである。 図10は、対象エリアのシミュレーション処理を詳細に示すフローチャートである。 図11は、再配置処理を詳細に示すフローチャートである。 図12は、貸出処理を詳細に示すフローチャートである。 図13は、対象エリアを選択する処理を説明するための図である。 図14は、対象エリアのシミュレーションにおいて用いられる貸出台数情報の一例を示す図である。 図15は、対象エリアのシミュレーションにおいて用いられる移動情報の一例を示す図である。 図16は、対象エリアのシミュレーションにおいて用いられるバッテリ使用情報の一例を示す図である。 図17は、対象エリアのシミュレーションにおいて用いられる利用時間情報の一例を示す図である。 図18は、利用可能な車両のリストの一例を示す図である。 図19は、図1に示されるシミュレーション装置のハードウェア構成を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1~図7を参照して、一実施形態に係るシミュレーション装置を含むシミュレーションシステムの構成を説明する。図1は、一実施形態に係るシミュレーション装置を含むシミュレーションシステムの概略構成図である。図2は、分割エリアを説明するための図である。図3(a)は、ポート情報の一例を示す図である。図3(b)は、車両情報の一例を示す図である。図3(c)は、運搬車情報の一例を示す図である。図4は、貸出台数情報の一例を示す図である。図5は、移動情報の一例を示す図である。図6は、バッテリ使用情報の一例を示す図である。図7は、利用時間情報の一例を示す図である。
図1に示されるシミュレーションシステム1は、シェアリング交通サービスにおける車両の移動をシミュレート(模倣)するためのシステムである。シェアリング交通サービスは、車両を複数のユーザが共同で使用するシェアリングサービスであって、例えば、ワンウェイ型MEV(Micro Electric Vehicle)シェアリングシステムである。車両の例としては、自転車、自動車、バイク、及びスクータが挙げられる。シェアリング交通サービスでは、複数のポートが設けられている。ポートは、車両を駐車するためのスペース(駐車場)である。ポートは、ステーションとも称される。
各ユーザは、所望のポートにおいて車両を借り、所望のポートにおいて車両を返却する。車両が返却されるポートは、車両が貸し出されたポートと異なっていてもよく、同じであってもよい。したがって、各ポートにおいて、貸し出される車両の台数と返却される車両の台数とは必ずしも一致しないので、ポートに駐車されている車両の台数(駐車台数)に偏りが生じ得る。シミュレーションシステム1では、各ポートにおいて利用可能な車両の台数が不足することがなく、かつ、駐車可能台数を超えることがないように、ポート間での車両の再配置がシミュレートされる。再配置は、例えば、トラック等の運搬車がポート間で車両を運搬することによって行われる。
なお、シェアリング交通サービスにおいて、再配置エリアが設定されている。再配置エリアは、車両の再配置が行われるエリアであり、複数のポートを含む。つまり、再配置エリアに含まれる(設けられている)ポート間で、車両の再配置が行われる。再配置エリアは、複数の分割エリアに分割されている。図2に示される例では、再配置エリアRは、分割エリアRa、分割エリアRb、分割エリアRc、及び分割エリアRdに分割されている。各分割エリアが複数のポートPを含むように、再配置エリアは分割されている。再配置エリアは、任意の手法により分割される。例えば、再配置エリアは、行政区又は事業者ごとに分割される。
シミュレーションシステム1は、シミュレーション装置10と、管理装置20と、を含む。シミュレーション装置10及び管理装置20は、ネットワークNWを介して互いに通信可能に構成されている。ネットワークNWは、有線及び無線のいずれで構成されてもよい。ネットワークNWの例としては、移動体通信網、インターネット、及びWAN(Wide Area Network)が挙げられる。
シミュレーション装置10は、シェアリング交通サービスにおける再配置エリアに含まれる複数のポート間での車両の移動をシミュレートする装置(シミュレータ)である。シミュレーション装置10の例としては、サーバ装置等の情報処理装置が挙げられる。
管理装置20は、シェアリング交通サービスを管理する装置である。管理装置20は、シェアリング交通サービスにおいて使用されているポート及び車両に関する情報を管理している。管理装置20は、例えば、ポート情報、車両情報、及び運搬車情報を記憶している。
図3(a)に示されるように、ポート情報(の各レコード)は、ポートID(identifier)と、エリアIDと、位置情報と、駐車可能台数と、利用可能台数と、を含む。ポートIDは、ポートを一意に識別可能な情報である。エリアIDは、分割エリアを一意に識別可能な情報であって、ポートIDによって示されるポートが属する分割エリアを示す。位置情報は、ポートIDによって示されるポートの位置を示す情報である。位置情報としては、例えば、緯度及び経度が用いられる。駐車可能台数は、ポートIDによって示されるポートに駐車可能な車両の台数を示す。駐車可能台数は、例えば、ラック数と許容率とを乗算することによって得られる値に設定される。許容率は、ラック数に対して駐車を許容できる程度を表す値である。利用可能台数は、ポートIDによって示されるポートにおいて利用可能な車両の台数であり、例えば、ポートに駐車されている車両の台数である。
図3(b)に示されるように、車両情報(の各レコード)は、車両IDと、車両状態と、ポートIDと、バッテリ残量と、を含む。車両IDは、車両を一意に識別可能な情報である。車両状態は、車両IDによって示される車両の状態を示す。車両状態の例としては、「移動中」、「駐車中」、及び「再配置中」が挙げられる。ポートIDは、車両IDによって示される車両が駐車されているポートを示す。バッテリ残量は、車両IDによって示される車両のバッテリ残量を示す。バッテリ残量としては、例えば、SOC(State Of Charge)[%]が用いられ得る。車両情報は、車両の種別を示す種別情報を更に含んでもよい。車両の種別の例としては、自転車、自動車、バイク、及びスクータが挙げられる。
図3(c)に示されるように、運搬車情報(の各レコード)は、運搬車IDと、収容可能台数と、運搬車状態と、位置情報と、回収ポートIDと、配置ポートIDと、再配置台数と、を含む。運搬車IDは、運搬車を一意に識別可能な情報である。収容可能台数は、運搬車IDによって示される運搬車が収容可能な車両の台数である。運搬車状態は、運搬車IDによって示される運搬車の状態を示す。運搬車状態の例としては、「回収中」、「移動中」、及び「配置中」が挙げられる。「回収中」は、車両を回収するために運搬車が回収ポート付近に停車している状態である。回収ポートは、再配置の対象となる車両(対象車両)が回収されるポートである。「配置中」は、車両を配置するために運搬車が配置ポート付近に停車している状態である。配置ポートは、回収された車両が配置されるポートである。
位置情報は、運搬車IDによって示される運搬車の位置を示す情報である。回収ポートIDは、回収ポートのポートIDである。配置ポートIDは、配置ポートのポートIDである。再配置台数は、回収ポートから配置ポートに再配置(移動)される車両の台数であり、運搬車IDによって示される運搬車が再配置する車両の台数である。
管理装置20は、車両の利用実績に関する統計情報を更に記憶している。統計情報の例としては、貸出台数情報、移動情報、バッテリ使用情報、及び利用時間情報が挙げられる。
図4に示されるように、貸出台数情報は、各ポートにおいて同じ種別の利用日の同じ時刻(時間帯)に貸し出された車両の台数の平均値を示す情報である。貸出台数情報(の各レコード)は、ポートIDと、利用日種別と、時刻と、平均貸出台数と、を含む。利用日種別は、利用日の種別を示す。利用日の種別は、例えば、車両の利用状況が類似する利用日ごとに設定される。利用日種別の例としては、平日及び休日が挙げられる。平均貸出台数は、ポートIDによって示されるポートにおいて、利用日種別情報によって示される利用日種別の日の同時刻に、貸し出された車両の台数の平均値である。平均貸出台数は、過去の利用実績から算出される。なお、図4の例では、貸出台数情報のレコードは、3分ごとに生成されている。例えば、時刻が7:00である場合には、平均貸出台数は、7:00~7:03までの間に貸し出された車両の台数の平均値であってもよい。
図5に示されるように、移動情報は、同じ種別の利用日の同じ時刻(時間帯)に、2つのポート間の移動を行った回数を示す情報である。移動情報(の各レコード)は、貸出ポートIDと、利用日種別と、時刻と、返却ポートIDと、移動回数と、を含む。貸出ポートIDは、貸出ポートのポートIDである。貸出ポートは、車両が貸し出されるポートである。返却ポートIDは、返却ポートのポートIDである。返却ポートは、車両が返却されるポートである。移動回数は、同じ利用日種別の日の同時刻(時間帯)に、貸出ポートから返却ポートに車両が移動した回数を示す。車両が移動した時刻とは、車両が貸し出された時刻(貸出時刻)でもよく、車両が返却された時刻(返却時刻)でもよく、貸出時刻と返却時刻との中間の時刻でもよい。移動回数は、過去の利用実績から算出される。移動回数は、累積値でもよく、平均値でもよい。
図5の例では、移動情報のレコードは、1時間ごとに生成されている。例えば、時刻が7:00である場合には、移動回数は、7:00~8:00までの間に、車両が貸出ポートから返却ポートに移動した回数であってもよい。
図6に示されるように、バッテリ使用情報は、2つのポート間の移動におけるバッテリの平均使用量を示す情報である。バッテリ使用情報(の各レコード)は、貸出ポートIDと、返却ポートIDと、バッテリ使用量と、を含む。バッテリ使用量は、貸出ポートIDによって示されるポートにおいて車両が貸し出されてから、返却ポートIDによって示されるポートに車両が返却されるまでに、使用されたバッテリの平均使用量である。バッテリ使用量としては、SOC[%]が用いられ得る。バッテリ使用量は、過去の利用実績から算出される。
図7に示されるように、利用時間情報は、2つのポート間の移動のために、ユーザが車両を利用していた平均時間(利用時間)を示す情報である。言い換えると、利用時間情報は、2つのポート間の移動に要した平均時間を示す。利用時間情報(の各レコード)は、貸出ポートIDと、返却ポートIDと、利用時間と、を含む。利用時間は、貸出ポートIDによって示されるポートにおいて車両が貸し出されてから、返却ポートIDによって示されるポートに車両が返却されるまでの平均時間である。利用時間は、1時間を単位として表され得る。利用時間は、過去の利用実績から算出される。
次に、図8を参照して、シミュレーション装置10の機能構成を説明する。図8は、図1に示されるシミュレーション装置の機能構成を示すブロック図である。図8に示されるように、シミュレーション装置10は、機能的には、取得部11と、選択部12と、調整部13と、計算部14と、評価部15と、を備えている。後述のシミュレーション方法の説明において、各機能部の機能(動作)を詳細に説明するので、ここでは各機能部の機能を簡単に説明する。
取得部11は、各種情報を取得する機能部である。取得部11は、ポート情報、車両情報、運搬車情報、貸出台数情報、移動情報、バッテリ使用情報、及び利用時間情報を管理装置20から取得する。
選択部12は、対象エリアを選択する機能部である。対象エリアは、再配置エリアを分割することによって生成された複数の分割エリアのうちのシミュレーション対象の分割エリアである。
計算部14は、対象外エリアに含まれるすべてのポートを仮想的に1つの仮想ポートとして扱い、複数の対象ポート、及び1つの仮想ポートの間での車両の移動をシミュレートする機能部である。対象外エリアは、複数の分割エリアのうちの対象エリア以外の分割エリアである。対象ポートは、対象エリアに含まれるポートである。シミュレートされる車両の移動には、ユーザによる車両の移動、及び運搬車による車両の再配置が含まれる。
計算部14は、再配置レコメンド処理(レコメンドアルゴリズム)を実施することによって、複数の対象ポート間での車両の再配置をシミュレートする。再配置レコメンド処理は、車両の再配置をレコメンドするための処理である。具体的には、計算部14は、再配置レコメンド処理によって、再配置ポート、及び再配置台数を決定する。再配置ポートは、車両の再配置の対象となるポートであり、回収ポート及び配置ポートを含む。計算部14は、例えば、再配置ポートにおける作業時間を算出し、作業時間に基づいて再配置をシミュレートする。
調整部13は、再配置レコメンド処理に用いられる複数のパラメータのそれぞれに対する重みを調整する機能部である。重みは、例えば、0~1の値である。調整部13は、予め定められた複数の重みパターンの中から、重みパターンを選択する。重みパターンは、各パラメータの重みの組み合わせである。
評価部15は、重みを評価する機能部である。評価部15は、重みパターンに対する評価結果を生成する。
次に、図9~図18を参照して、シミュレーション装置10が行うシミュレーション方法を説明する。図9は、図1に示されるシミュレーション装置が行うシミュレーション方法の一連の処理を示すフローチャートである。図10は、対象エリアのシミュレーション処理を詳細に示すフローチャートである。図11は、再配置処理を詳細に示すフローチャートである。図12は、貸出処理を詳細に示すフローチャートである。図13は、対象エリアを選択する処理を説明するための図である。図14は、対象エリアのシミュレーションにおいて用いられる貸出台数情報の一例を示す図である。図15は、対象エリアのシミュレーションにおいて用いられる移動情報の一例を示す図である。図16は、対象エリアのシミュレーションにおいて用いられるバッテリ使用情報の一例を示す図である。図17は、対象エリアのシミュレーションにおいて用いられる利用時間情報の一例を示す図である。図18は、利用可能な車両のリストの一例を示す図である。図9に示される一連の処理は、例えば、シミュレーション装置10の使用者によって、最適化指令がシミュレーション装置10に送信されることによって開始される。最適化指令は、再配置レコメンド処理に用いられる複数のパラメータのそれぞれに対する重みを最適化するための指令である。
図9に示されるように、まず、取得部11が各種情報を取得する(ステップS11)。ステップS11では、取得部11は、ある時刻におけるポート情報、車両情報、運搬車情報、貸出台数情報、移動情報、バッテリ使用情報、及び利用時間情報を管理装置20から取得する。上記時刻としては、任意の時刻が用いられる。そして、取得部11は、取得した各種情報を計算部14に出力するとともに、選択部12に対象エリアを選択させる。
続いて、選択部12は、対象エリアを選択する(ステップS12)。ステップS12では、選択部12は、再配置エリアを分割することによって生成された複数の分割エリアの中から、未選択の分割エリアを対象エリアとして選択する。図13に示される例では、分割エリアRaが対象エリアとして選択されている。そして、選択部12は、対象エリアを示すエリア情報を計算部14に出力するとともに、調整部13に重みパターンを選択させる。
続いて、調整部13は、重みパターンを選択する(ステップS13)。調整部13は、予め定められた複数の重みパターンの中から、未選択の重みパターンを選択する。そして、調整部13は、選択した重みパターンを計算部14に出力する。
続いて、計算部14は、対象エリアのシミュレーション処理を実施する(ステップS14)。ステップS14の対象エリアのシミュレーション処理においては、図10に示されるように、まず計算部14が、ポート情報、車両情報、運搬車情報、貸出台数情報、移動情報、バッテリ使用情報、及び利用時間情報を取得部11から受け取り、エリア情報を選択部12から受け取ると、初期設定を行う(ステップS21)。
計算部14は、対象エリアのシミュレーションにおいて、対象外エリアに含まれるすべてのポートを仮想的に1つの仮想ポートとして扱う。したがって、計算部14は、初期設定として、取得部11から受け取った貸出台数情報、移動情報、バッテリ使用情報、及び利用時間情報のそれぞれを対象エリアのシミュレーション用の情報に変換する。
貸出台数情報の変換処理について説明する。計算部14は、取得部11から受け取った貸出台数情報から、対象ポートのポートIDを含むレコードを抽出する。そして、計算部14は、貸出台数情報に含まれる残りのレコード(対象外ポートのポートIDを含むレコード)から、仮想ポートのレコードを生成する。例えば、計算部14は、残りのレコードのうちの同じ利用日種別及び同じ時刻のレコードに含まれる平均貸出台数の平均値を、仮想ポートの当該利用日種別及び時刻における平均貸出台数に設定することによって、仮想ポートのレコードを生成する。そして、図14に示されるように、計算部14は、対象ポートのレコードと仮想ポートのレコードとを含む貸出台数情報を、対象エリアのシミュレーション用の貸出台数情報として生成する。
移動情報の変換処理について説明する。計算部14は、取得部11から受け取った移動情報から、貸出ポート及び返却ポートがいずれも対象ポートであるレコードを抽出する。計算部14は、貸出ポートが対象ポートであり、返却ポートが対象外エリアのポートであるレコードを用いて、同じ貸出ポート、同じ利用日種別、及び同じ時刻のレコードに含まれる移動回数の平均値を算出し、算出した平均値を当該利用日種別及び時刻における、当該貸出ポートから仮想ポートへの移動回数に設定する。この処理によって、貸出ポートが対象ポートであり、返却ポートが仮想ポートであるレコードが生成される。
同様に、計算部14は、貸出ポートが対象外エリアのポートであり、返却ポートが対象ポートであるレコードを用いて、同じ返却ポート、同じ利用日種別、及び同じ時刻のレコードに含まれる移動回数の平均値を算出し、算出した平均値を当該利用日種別及び時刻における仮想ポートから当該返却ポートへの移動回数に設定する。この処理によって、貸出ポートが仮想ポートであり、返却ポートが対象ポートであるレコードが生成される。さらに、計算部14は、貸出ポート及び返却ポートがいずれも対象外エリアのポートであるレコードを用いて、同じ利用日種別、及び同じ時刻のレコードに含まれる移動回数の平均値を算出し、算出した平均値を当該利用日種別及び時刻における仮想ポートから仮想ポートへの移動回数に設定する。この処理によって、貸出ポート及び返却ポートがいずれも仮想ポートであるレコードが生成される。
そして、図15に示されるように、計算部14は、貸出ポート及び返却ポートがいずれも対象ポートであるレコードと、貸出ポートが対象ポートであり、返却ポートが仮想ポートであるレコードと、貸出ポートが仮想ポートであり、返却ポートが対象ポートであるレコードと、貸出ポート及び返却ポートがいずれも仮想ポートであるレコードと、を含む移動情報を、対象エリアのシミュレーション用の移動情報として生成する。
バッテリ使用情報の変換処理、及び利用時間情報の変換処理は、移動情報の変換処理と同様である。これらの変換処理によって、図16に示される対象エリアのシミュレーション用のバッテリ使用情報、及び図17に示される対象エリアのシミュレーション用の利用時間情報が生成される。
さらに、計算部14は、初期設定として、取得部11から受け取ったポート情報から、エリア情報によって示される対象エリアに含まれるポート(対象ポート)のレコードを抽出する。そして、計算部14は、時刻tを0(初期値)に設定する。
続いて、計算部14は、各種情報を更新する(ステップS22)。ステップS22では、計算部14は、時刻tに返却される各車両の車両情報に含まれる車両状態を「移動中」から「駐車中」に変更し、ポートIDに当該車両が返却されるポートのポートIDを設定する。そして、計算部14は、車両が返却されたポートのポート情報の利用可能台数を、当該ポートに返却された車両の台数分だけ増加する。
さらに、計算部14は、時刻tに開始される回収作業によって回収される車両の車両情報に含まれる車両状態を「駐車中」から「再配置中」に変更し、ポートIDを回収ポートのポートIDから無効な値に変更する。そして、計算部14は、回収ポートのポート情報の利用可能台数を、時刻tにおいて当該ポートから回収される車両の台数(再配置台数)分だけ減少する。同様に、計算部14は、時刻tに終了する配置作業によって配置される車両の車両情報に含まれる車両状態を「再配置中」から「駐車中」に変更し、ポートIDを配置ポートのポートIDに設定する。そして、計算部14は、配置ポートのポート情報の利用可能台数を、時刻tにおいて当該ポートに配置された車両の台数(再配置台数)分だけ増加する。
続いて、計算部14は、再配置処理を実施する(ステップS23)。ステップS23の再配置処理においては、図11に示されるように、まず計算部14が、再配置を計算するタイミングであるか否かを判定する(ステップS31)。再配置の計算は、例えば、運搬車(作業員)が再配置作業を終えたタイミングで行われる。再配置を計算するタイミングではないと判定された場合(ステップS31;NO)、計算部14は、再配置処理を終了する。一方、ステップS31において、再配置を計算するタイミングであると判定された場合(ステップS31;YES)、計算部14は、再配置を行う運搬車を特定する。例えば、計算部14は、再配置作業を終えた運搬車を、再配置を行う運搬車として特定する。そして、計算部14は、回収ポートを決定する(ステップS32)。
ステップS32では、計算部14は、回収ポートを決定するためのパラメータXi,jを用いて、回収ポートを決定する。変数iは、ポートのインデックス番号を表している。対象ポートには、インデックス番号として1から順に整数値が割り当てられている。対象ポートの総数は、Np個である。したがって、変数iは、1~Npまでの整数値を取り得る。変数jは、回収ポートを決定するためのパラメータのインデックス番号である。回収ポートを決定するためのパラメータには、インデックス番号として1から順に整数値が割り当てられている。本実施形態では、パラメータXi,jとして、積分値Xi,1、優先度Xi,2、正規化値Xi,3、アクセス度Xi,4、増加率Xi,5、車両台数Xi,6、及び車両台数Xi,7が用いられる。
積分値Xi,1は、将来の時刻Taまでに、i番目のポートにおいて生じる余剰台数の合計値である。余剰台数は、ポートの駐車可能台数を超える車両(余剰車両)の台数であり、溢れ台数とも称される。この例では、式(1)に示されるように、積分値Xi,1は、時刻Taのx時間前から時刻Taまでの間に生じた余剰台数の合計値である。式(2)に示されるように、余剰台数は、利用可能台数ct,i、需要台数dt,i、及びラック数Rに基づいて算出される。
利用可能台数ct,iは、時刻tにおいてi番目のポートで利用可能と予測される車両の台数を表す。需要台数dt,iは、時刻tにおけるi番目のポートでの需要台数を表す。需要台数dt,iは、時刻tにおいてi番目のポートから貸し出されると予測される車両の台数(貸出台数)と、時刻tにおいてi番目のポートに返却されると予測される車両の台数(返却台数)との差分である。貸出台数が返却台数よりも大きい場合に、需要台数dt,iは正の値となり、貸出台数が返却台数よりも小さい場合に、需要台数dt,iは負の値となる。なお、利用可能台数ct,i及び需要台数dt,iは、後述の貸出処理と同様の計算を行うことによって求められる。
ラック数Rは、i番目のポートのラック数を表す。許容率αは、ラック数Rに対して駐車を許容できる程度を表す値である。例えば、許容率αが2である場合には、利用可能台数ct,iから需要台数dt,iを減算することで得られる残り台数がラック数Rの2倍を超えた場合に、溢れ(余剰車両)が生じたと判断される。ラック数R及び許容率αは、予め定められている。例えば、ポート情報からラック数Rと許容率αとの乗算結果である駐車可能台数が取得されてもよい。ポート情報が、ラック数R及び許容率αを含んでいてもよい。
優先度Xi,2は、優先的に車両を回収する程度を示す値である。優先度Xi,2の値が大きいほど、優先度が高いことを示す。優先度Xi,2は、例えば、高、中、低、及び無の4段階で設定される。優先度Xi,2は、各ポートに対して予め設定されている。正規化値Xi,3は、式(3)に示されるように、積分値Xi,1をラック数Rで正規化した値である。
アクセス度Xi,4は、運搬車がi番目のポートにアクセスすることの容易さを示す値である。アクセス度Xi,4が大きいほど、運搬車がi番目のポートにアクセスしやすいことを示す。アクセス度Xi,4は、時刻tにおける運搬車の位置からi番目のポートまでの距離が大きいほど小さくなる。アクセス度Xi,4は、例えば、時刻tにおける運搬車の位置からi番目のポートまでの距離に-1を乗じた値である。増加率Xi,5は、時刻tから将来の時刻Taの間にi番目のポートにおいて車両が増加する割合である。増加率Xi,5は、例えば、式(4)によって算出される。
車両台数Xi,6は、時刻tにおいてi番目のポートでバッテリ残量が無くなっている車両の台数である。例えば、バッテリ残量が予め設定された第1閾値以下である場合に、バッテリ残量が無いと判定される。車両台数Xi,7は、時刻tにおいてi番目のポートでバッテリ残量が少なくなっている車両の台数である。例えば、バッテリ残量が予め設定された第2閾値以下であり、第1閾値よりも大きい場合に、バッテリ残量が少ないと判定される。
計算部14は、調整部13によって選択された重みパターンから、各パラメータに対する重みを抽出する。そして、計算部14は、式(5)に示されるように、ポートごとに各パラメータの重み付け和を計算し、計算結果をi番目のポートの回収優先度Xに設定する。そして、計算部14は、回収優先度Xが最も大きいポートを回収ポートとして決定する。
続いて、計算部14は、仮再配置台数を決定する(ステップS33)。ステップS33では、計算部14は、まずステップS32において決定した回収ポートの回収推奨台数を算出する。計算部14は、例えば、時刻Taにおける余剰台数に基づいて、回収推奨台数を算出する。例えば、時刻Taにおける余剰台数が回収推奨台数として算出される。さらに、計算部14は、運搬車情報から再配置を行う運搬車の収容可能台数を抽出する。そして、計算部14は、回収推奨台数と収容可能台数とのうちのいずれか小さい方を仮再配置台数として決定する。
続いて、計算部14は、配置ポートを決定する(ステップS34)。ステップS34では、計算部14は、配置ポートを決定するためのパラメータYi,kを用いて、配置ポートを決定する。変数kは、配置ポートを決定するためのパラメータのインデックス番号である。配置ポートを決定するためのパラメータには、インデックス番号として1から順に整数値が割り当てられている。本実施形態では、パラメータYi,kとして、積分値Yi,1、優先度Yi,2、正規化値Yi,3、アクセス度Yi,4、減少率Yi,5、車両台数Yi,6、車両台数Yi,7、配置可能台数Yi,8、及び機会損失Yi,9が用いられる。
積分値Yi,1は、将来の時刻Taまでに、i番目のポートにおいて生じる不足台数の合計値である。不足台数は、貸出の需要があったが利用できなかった車両(不足車両)の台数である。この例では、式(6)に示されるように、積分値Yi,1は、時刻Taのy時間前から時刻Taまでの間に生じた不足台数の合計値である。式(7)に示されるように、不足台数は、利用可能台数ct,i及び需要台数dt,iに基づいて算出される。
最低台数βは、車両の不足が生じないために、ポートに駐車していることが望まれる車両の最低限の台数を表す値である。この例では、利用可能台数ct,iから需要台数dt,iを減算することで得られる残り台数が最低台数βを下回った場合に、車両の不足が生じたと判断される。なお、需要台数dt,iが利用可能台数ct,iよりも大きいことがあり得るので、残り台数は負の値を取り得る。例えば、最低台数βが3である場合には、残り台数が3台を下回る場合に、不足が生じたと判断される。最低台数βは、予め定められている。ポート情報が最低台数βを含んでいてもよい。
優先度Yi,2は、優先的に車両を配置する程度を示す値である。優先度Yi,2の値が大きいほど、優先度が高いことを示す。優先度Yi,2は、例えば、高、中、低、及び無の4段階で設定される。優先度Yi,2は、各ポートに対して予め設定されている。正規化値Yi,3は、式(8)に示されるように、積分値Yi,1をラック数Rで正規化した値である。
アクセス度Yi,4は、運搬車が回収ポートからi番目のポートにアクセスすることの容易さを示す値である。アクセス度Yi,4が大きいほど、運搬車が回収ポートからi番目のポートにアクセスしやすいことを示す。アクセス度Yi,4は、回収ポートからi番目のポートまでの距離が大きいほど小さくなる。アクセス度Yi,4は、例えば、回収ポートからi番目のポートまでの距離に-1を乗じた値である。減少率Yi,5は、時刻tから将来の時刻Taの間にi番目のポートにおいて車両が減少する割合である。減少率Yi,5は、例えば、式(9)によって算出される。
車両台数Yi,6は、時刻tにおいてi番目のポートでバッテリ残量が無くなっている車両の台数である。車両台数Yi,6は、車両台数Xi,6と同様にして求められる。車両台数Yi,7は、時刻tにおいてi番目のポートでバッテリ残量が少なくなっている車両の台数である。車両台数Yi,7は、車両台数Xi,7と同様にして求められる。配置可能台数Yi,8は、時刻tにおいてi番目のポートに配置可能な車両の台数である。機会損失Yi,9は、車両が貸し出される機会を失う可能性を示す値である。機会損失Yi,9の値が大きいほど、車両が貸し出される機会を失う可能性が高いことを示す。機会損失Yi,9は、例えば、積分値Yi,1、優先度Yi,2、正規化値Yi,3、減少率Yi,5、車両台数Yi,6、及び車両台数Yi,7の合計値である。
計算部14は、調整部13によって選択された重みパターンから、各パラメータに対する重みを抽出する。そして、計算部14は、式(10)に示されるように、ポートごとに各パラメータの重み付け和を計算し、計算結果をi番目のポートの配置優先度Yに設定する。
そして、計算部14は、配置優先度Yが最も大きいポートを配置ポートとして決定する。このとき、計算部14は、配置ポートの配置推奨台数を算出する。計算部14は、例えば、時刻Taにおける不足台数に基づいて、配置推奨台数を算出する。例えば、時刻Taにおける不足台数が配置推奨台数として算出される。そして、計算部14は、仮再配置台数と配置推奨台数とを比較し、配置推奨台数が仮再配置台数以上である場合には、仮再配置台数を再配置台数として決定する。
一方、配置推奨台数が仮再配置台数未満である場合には、計算部14は、配置ポート(1番目の配置ポート)以外の各ポートについて、配置優先度Yを再度計算する。この配置優先度Yの計算方法は、アクセス度Yi,4として運搬車が1番目の配置ポートからi番目のポートにアクセスすることの容易さを示す値が用いられる点を除いて、上述の配置優先度Yの計算方法と同一である。アクセス度Yi,4は、1番目の配置ポートからi番目のポートまでの距離が大きいほど小さくなる。アクセス度Yi,4は、例えば、1番目の配置ポートからi番目のポートまでの距離に-1を乗じた値である。そして、計算部14は、配置優先度Yが最も大きいポートを2番目の配置ポートとして決定する。このとき、計算部14は、1番目の配置ポートと同様にして、2番目の配置ポートの配置推奨台数を算出する。
そして、計算部14は、1番目の配置ポートの配置推奨台数及び2番目の配置ポートの配置推奨台数の和と仮再配置台数とを比較し、当該和が仮再配置台数以上である場合には、仮再配置台数を再配置台数として決定する。この場合、1番目の配置ポートには、1番目の配置ポートの配置推奨台数の車両が配置され、2番目の配置ポートには、再配置台数から1番目の配置ポートの配置推奨台数を減算することによって得られる台数の車両が配置される。
一方、1番目の配置ポートの配置推奨台数及び2番目の配置ポートの配置推奨台数の和が仮再配置台数未満である場合には、計算部14は、当該和を再配置台数として決定する。この場合、1番目の配置ポートには、1番目の配置ポートの配置推奨台数の車両が配置され、2番目の配置ポートには、2番目の配置ポートの配置推奨台数の車両が配置される。
続いて、計算部14は、再配置に要する所要時間を算出する(ステップS35)。ステップS34において、配置ポートとして1つのポートが決定された場合、所要時間は、運搬車の現在地から回収ポートへの移動時間と、回収ポートにおける作業時間(回収時間)と、回収ポートから配置ポートへの移動時間と、配置ポートにおける作業時間(配置時間)と、を含む。配置ポートとして2つのポートが決定された場合、所要時間は、運搬車の現在地から回収ポートへの移動時間と、回収ポートにおける作業時間(回収時間)と、回収ポートから1番目の配置ポートへの移動時間と、1番目の配置ポートにおける作業時間(配置時間)と、1番目の配置ポートから2番目の配置ポートへの移動時間と、2番目の配置ポートにおける作業時間(配置時間)と、を含む。計算部14は、公知の手法により、2つのポート間の移動時間を算出する。例えば、計算部14は、2つのポート間の距離を運搬車の想定時速で除算することによって、2つのポート間の移動時間を算出する。
再配置ポート(回収ポート及び配置ポート)における作業時間の算出方法について説明する。各再配置ポートにおける作業時間は同様の算出方法によって求められるので、再配置ポートとしてi番目のポートにおける作業時間の算出方法を例示する。式(11)に示されるように、ポートにおける作業時間Tpは、基本作業時間Tbと、運搬時間Tcと、維持管理時間Tmと、を含む。
基本作業時間Tbは、i番目のポートにおける基本作業に要する時間である。基本作業の例としては、運搬車の停車作業が挙げられる。基本作業時間Tbは、固定値であって、ポートごとに異なり得る。基本作業時間Tbは、i番目のポートにおける過去の作業実績(基本作業に実際に要した時間)から予め算出され、設定されている。
運搬時間Tcは、i番目のポートにおける作業を行うために停車している運搬車とi番目のポートとの間で再配置対象の車両(対象車両)を作業員が運ぶ運搬作業に要する時間である。式(12)に示されるように、計算部14は、i番目のポートにおける対象車両の台数Nrと、作業員が1回の運搬作業で運ぶことができる台数Nsと、i番目のポートにおいて1回の運搬作業に要する時間f(M)と、に基づいて、運搬時間Tcを算出する。具体的には、計算部14は、台数Nrを台数Nsで除算することによって得られた除算結果と、時間f(M)とを乗算することによって、運搬時間Tcを算出する。
配置ポートとして1つのポートが決定された場合には、回収ポート及び配置ポートにおける台数Nrは、ステップS34において決定された再配置台数である。配置ポートとして2つのポートが決定された場合には、回収ポートにおける台数Nrは、ステップS34において決定された再配置台数であり、各配置ポートにおける台数Nrは、ステップS34において決定された配置台数である。台数Nsは、作業員の人数等に応じて定まる値であり、運搬車ごとに予め設定されている。
時間f(M)は、地図画像データMに基づいて、算出される。地図画像データMは、i番目のポート周辺(i番目のポートを含む一定の範囲内)の地図を示す画像データである。地図画像データMは、i番目のポートを含む一定の範囲内の環境情報を含む。環境情報の例としては、道路の形状、信号機の位置、道路標識、建物の形状、及び建物の種類が挙げられる。言い換えると、計算部14は、地図画像データMに基づいて、運搬時間Tcを算出する。
関数fは、1回の運搬作業に要する時間と地図画像データMとの関係を規定する関数である。このような関数fとして、機械学習モデルが用いられ得る。例えば、ポート周辺(ポートを含む一定の範囲内)の地図画像データを説明変数とし、当該ポートにおける過去の作業実績(1回の運搬作業に要する時間)を目的変数として、複数のポートに関する説明変数と目的変数との組み合わせを用いて、機械学習モデルが学習される。このような機械学習モデルでは、入力された地図画像データがベクトル化されることによって、特徴量が抽出される。
維持管理時間Tmは、i番目のポートを維持管理するために要する時間である。維持管理のための作業の例として、リーフレットの充当作業、及び清掃作業が挙げられる。計算部14は、i番目のポートを再配置の作業員が前回訪れてから経過した経過時間Δtに基づいて、維持管理時間Tmを算出する。具体的には、式(13)に示されるように、計算部14は、関数gを用いて、維持管理時間Tmを算出する。関数gは、維持管理時間Tmと経過時間Δtとの関係を規定する関数である。つまり、維持管理時間Tmは、経過時間Δtに応じて変化する。経過時間Δtが大きくなるにつれて、維持管理時間Tmは大きくなる。関数gは、複数のポートにおける過去の作業実績(維持管理のための作業に実際に要した維持管理時間)から予め求められ、記憶されている。関数gは、例えば、すべてのポートに共通に設定されている。
続いて、計算部14は、再配置を実施する(ステップS36)。ステップS36では、計算部14は、運搬車の運搬車情報に含まれる運搬車状態を「移動中」に変更し、回収ポートIDをステップS32において決定された回収ポートのポートIDに設定し、配置ポートIDをステップS34において決定された配置ポートのポートIDに設定し、再配置台数をステップS34において決定された再配置台数に設定する。そして、計算部14は、運搬車の現在地から回収ポートへの移動時間を時刻tに加算して得られる第1時刻に回収ポートにおいて回収作業が開始されること、回収ポートにおける作業時間を第1時刻に加算して得られる第2時刻に回収ポートにおける回収作業が終了すること、回収ポートから配置ポートへの移動時間を第2時刻に加算して得られる第3時刻に配置ポートにおける配置作業が開始されること、及び、配置ポートにおける作業時間を第3時刻に加算して得られる第4時刻に配置ポートにおける配置作業が終了することを記憶(スタック)しておく。なお、配置ポートとして2つのポートが決定された場合も同様である。以上により、計算部14は、再配置処理を終了する。
続いて、計算部14は、貸出処理を実施する(ステップS24)。ステップS24の貸出処理においては、図12に示されるように、まず計算部14が、各ポートにおける貸出台数を決定する(ステップS41)。具体的には、計算部14は、対象ポート及び仮想ポートのそれぞれについて、時刻tに当該ポートにおいて貸し出される車両の台数(貸出台数)を決定する。以下の説明において、ポートにおいて貸し出される車両を「ポートにおける貸出車両」及び「貸出車両」等と称する場合がある。計算部14は、例えば、対象エリアのシミュレーション用の貸出台数情報を用いて、貸出台数の確率分布に従って各ポートにおける貸出台数を決定する。以下、図14に示される対象エリアのシミュレーション用の貸出台数情報を用いて、貸出台数の決定方法の一例を説明する。
例えば、月曜日の7時00分にポートIDが「Pa1」のポート(以下、「ポートPa1」等という。)において貸し出される貸出車両の貸出台数は、ポートPa1における平日の7時00分の平均貸出台数である「7」をピークとしたポアソン分布に従う乱数(整数値)を生成することによって決定される。つまり、生成された乱数が、貸出台数として決定される。
続いて、計算部14は、各対象ポートにおいて貸し出される車両(貸出車両)を決定する(ステップS42)。ステップS42では、計算部14は、ステップS22において更新された車両情報から、対象ポートに駐車中である車両のレコードを抽出することによって、図18に示されるような利用可能な車両のリスト(車両リスト)を生成する。そして、計算部14は、車両リストから、ステップS41において決定された貸出台数分の車両を貸出車両として選択する。計算部14は、例えば、対象ポートに駐車している各車両のバッテリ残量に基づいて、貸出車両を決定する。具体的には、バッテリ残量が多い車両ほど、選択される確率が高くなるように、各車両の利用確率が算出される。
例えば、残量閾値以上のバッテリ残量を有する車両の利用確率は、台数n、台数n、定数C、及び定数Cを用いて、式(14)によって表される。なお、台数nは、利用可能な車両のうちの残量閾値以上のバッテリ残量を有する車両の台数である。台数nは、利用可能な車両のうちの残量閾値未満のバッテリ残量を有する車両の台数である。定数Cは、残量閾値以上のバッテリ残量を有する車両の利用確率を決定するために用いられる。定数Cは、残量閾値未満のバッテリ残量を有する車両の利用確率を決定するために用いられる。定数Cは、定数Cよりも大きい。定数C、定数C、及び残量閾値は、過去の利用実績等に基づいて、予め設定されている。
同様に、残量閾値未満のバッテリ残量を有する車両の利用確率は、台数n、台数n、定数C、及び定数Cを用いて、式(15)によって表される。
そして、計算部14は、利用可能な各車両の利用確率に基づいて、貸出台数分の貸出車両を選択する。
続いて、計算部14は、仮想ポートにおける貸出車両のバッテリ残量を決定する(ステップS43)。仮想ポートは、対象外エリアに含まれるすべてのポートを仮想的に表したポートであるので、仮想ポートに対しては利用可能な車両リストは生成されない。したがって、仮想ポートにおいて貸出車両が選択されるのではなく、貸出台数分の車両のバッテリ残量が決定される。つまり、仮想ポートでは、決定されたバッテリ残量を有する仮想的な車両が、貸出車両として選択されると仮定している。
ステップS43では、計算部14は、例えば、対象外エリアに存在する車両のバッテリ残量に基づいて、仮想ポートにおける貸出車両のバッテリ残量を決定する。具体的には、計算部14は、ステップS22において更新された車両情報から、対象外エリアに存在する車両の車両情報を抽出する。そして、計算部14は、抽出した車両情報を用いて、バッテリ残量ごとに、対象外エリアに存在するすべての車両のうちの、そのバッテリ残量を有する車両の台数をカウントする。そして、計算部14は、各バッテリ残量を有する車両の台数を、対象外エリアに存在する車両の総台数で除算することによって、各バッテリ残量の利用確率を算出する。そして、計算部14は、各バッテリ残量の利用確率に基づいて、仮想ポートにおける各貸出車両のバッテリ残量を決定する。計算部14は、再配置エリアに存在するすべての車両のバッテリ残量に基づいて、仮想ポートにおける貸出車両のバッテリ残量を計算してもよい。
続いて、計算部14は、各ポートにおける貸出車両が返却される返却ポート(行先)を決定する(ステップS44)。計算部14は、例えば、対象エリアのシミュレーション用の移動情報を用いて、返却ポートの確率分布に従って各貸出車両の返却ポートを決定する。以下、図15に示される対象エリアのシミュレーション用の移動情報を用いて、返却ポートの決定方法の一例を説明する。
図15に示される例では、平日の8時00分にポートPa1において貸し出された車両は、ポートPa1において4台返却され、ポートPa3において1台返却され、ポートPa4において3台返却され、仮想ポートVPaにおいて2台返却されている。この場合、月曜日の8時00分にポートPa1において貸し出された車両の返却ポートとしてポートPa1が選択される確率は、0.4(=4/(4+1+3+2))である。同様に、返却ポートとして、ポートPa3が選択される確率は0.1であり、ポートPa4が選択される確率は0.3であり、仮想ポートVPaが選択される確率は0.2である。計算部14は、上述の確率に基づいて、返却ポートを決定する。つまり、計算部14は、各返却ポートにおいて車両が返却される確率の分布(多項分布)に従い、いずれかの返却ポートを貸出車両が返却される返却ポートとして決定する。
続いて、計算部14は、各ポートにおける貸出車両のバッテリ使用量を決定する(ステップS45)。計算部14は、例えば、各貸出車両の貸出ポート及び返却ポートに基づいて、貸出車両のバッテリ使用量を決定する。計算部14は、対象エリアのシミュレーション用のバッテリ使用情報を用いて、各貸出車両のバッテリ使用量を決定する。以下、図16に示される対象エリアのシミュレーション用のバッテリ使用情報を用いて、バッテリ使用量の決定方法の一例を説明する。例えば、貸出ポートがポートPa1であり、返却ポートがポートPa3である場合、バッテリ使用量は、0.3に決定される。
続いて、計算部14は、各ポートにおける貸出車両の利用時間を決定する(ステップS46)。計算部14は、例えば、各貸出車両の貸出ポート及び返却ポートに基づいて、利用時間を決定する。計算部14は、対象エリアのシミュレーション用の利用時間情報を用いて、利用時間の確率分布に従って各貸出車両の利用時間を決定する。以下、図17に示される対象エリアのシミュレーション用の利用時間情報を用いて、利用時間の決定方法の一例を説明する。
例えば、貸出ポートがポートPa1であり、返却ポートがポートPa3である場合、車両の利用時間は、「0.6」(時間)をピークとしたポアソン分布に従う乱数(整数値)を生成することによって決定される。つまり、生成された乱数が、利用時間として決定される。
続いて、計算部14は、貸出を実施する(ステップS47)。ステップS47では、計算部14は、対象ポートにおいて時刻tに貸し出される各車両の車両情報に含まれる車両状態を「駐車中」から「移動中」に変更し、ポートIDを無効な値に変更するとともに、バッテリ残量を計算されたバッテリ使用量だけ減算する。また、計算部14は、仮想ポートにおける各貸出車両について、新たに車両情報のレコードを生成する。具体的には、計算部14は、各車両に新たな車両IDを割り当て、車両状態を「移動中」に設定し、ポートIDを無効な値に設定し、ステップS43において決定されたバッテリ残量からステップS45において決定されたバッテリ使用量を減算することによって得られる値にバッテリ残量を設定する。
さらに、計算部14は、車両が貸し出された対象ポートのポート情報の利用可能台数を、当該ポートの貸出台数分だけ減少する。そして、計算部14は、各車両の利用時間を時刻tに加算して得られる時刻に、返却ポートに返却されることを記憶(スタック)しておく。なお、対象外エリアに含まれるポートのポート情報は、変更されない。以上により、計算部14は、貸出処理を終了する。
続いて、計算部14は、時刻tが終了時刻Tendに達したか否かを判定する(ステップS25)。終了時刻Tendは、シミュレーションの終了時刻である。終了時刻Tendは、例えば、時刻0から24時間が経過したことを表す値に設定される。時刻tが終了時刻Tendとは異なる値である場合、計算部14は、時刻tが終了時刻Tendに達していないと判定し(ステップS25;NO)、時刻tに1を加算する(ステップS26)。そして、計算部14は、次の時刻tについて、ステップS22~ステップS25の処理を再び行う。一方、時刻tが終了時刻Tendと同じ値である場合、計算部14は、時刻tが終了時刻Tendに達したと判定し(ステップS25;YES)、対象エリアのシミュレーション処理を終了する。
続いて、評価部15は、重みパターンを評価する(ステップS15)。ステップS15では、評価部15は、重みパターンを用いて再配置が行われた場合に、各ポートにおいて生じる余剰台数及び不足台数に基づいて、重み(重みパターン)に対する評価結果を生成する。評価部15は、例えば、式(16)に示されるように、所定の期間において各ポートにおいて生じる余剰台数ai,t及び不足台数bi,tの総和を評価結果Eとして算出する。ポート数Npは、対象ポートの総数である。所定の期間は、時刻0から終了時刻Tendまでの期間である。余剰台数ai,tは、i番目のポートにおいて時刻tに生じた余剰台数である。不足台数bi,tは、i番目のポートにおいて時刻tに生じた不足台数である。そして、評価部15は、評価結果を調整部13に出力する。
続いて、調整部13は、すべての重みパターンが選択されたか否かを判定する(ステップS16)。すべての重みパターンが選択されたわけではないと判定された場合(ステップS16;NO)、調整部13は、未選択の重みパターンを選択する(ステップS13)。そして、ステップS14~ステップS16が再び行われる。ステップS16において、すべての重みパターンが選択されたと判定された場合(ステップS16;YES)、調整部13は、対象エリアに対する最適な重みパターンを決定する(ステップS17)。
ステップS17では、調整部13は、評価結果に基づいて、すべての重みパターンの中から、最適な重みパターンを決定する。言い換えると、調整部13は、評価結果に基づいて、複数のパラメータのそれぞれに対する最適な重みを決定する。例えば、調整部13は、すべての重みパターンのうち、評価結果Eが最も小さい重みパターンを対象エリアに対する最適な重みパターンとして決定する。
続いて、選択部12は、すべての分割エリアが対象エリアとして選択されたか否かを判定する(ステップS18)。すべての分割エリアが対象エリアとして選択されたわけではないと判定された場合(ステップS18;NO)、選択部12は、未選択の分割エリアを対象エリアとして選択する(ステップS12)。そして、ステップS13~ステップS18が再び行われる。ステップS18において、すべての分割エリアが対象エリアとして選択されたと判定された場合(ステップS18;YES)、調整部13は、各対象エリアに対する最適な重みパターンを計算部14に出力する。そして、計算部14は、最適な重みパターンを調整部13から受け取ると、最適な重みパターンを用いて各対象エリアにおける再配置レコメンド処理を実施することにより、再配置をシミュレートする。
以上により、シミュレーション方法の一連の処理が終了する。なお、ステップS24は、ステップS23よりも前に行われてもよく、ステップS23と並行して行われてもよい。ステップS42~S44は、任意の順番で行われてもよく、互いに並行して行われてもよい。ステップS46は、ステップS45よりも前に行われてもよく、ステップS45と並行して行われてもよい。ステップS45,S46は、ステップS44の後に行われればよい。
すべての分割エリアが対象エリアとして選択されなくてもよい。例えば、最適化指令に最適化対象の分割エリアを示すエリア情報が含まれていてもよい。この場合、ステップS18において、選択部12は、最適化対象の分割エリアがすべて選択されたか否かを判定する。
以上説明したシミュレーション装置10においては、再配置ポート(回収ポート及び配置ポート)における作業時間Tpに基づいて車両の再配置がシミュレートされる。例えば、再配置ポートの周辺環境に応じて、運搬時間Tcが変動し得る。具体的には、再配置ポートが大きい道路に隣接している場合には、運搬車を再配置ポートの近くに停車することができるので、運搬車と再配置ポートとの間で車両を運ぶ作業(運搬作業)に時間が掛からないと考えられる。一方、運搬車が進入できないような場所に再配置ポートが位置している場合には、運搬車の停車位置が再配置ポートから離れることがある。このような場合には、運搬作業に時間が掛かるおそれがある。また、再配置ポートの周辺において、人の往来が多い場合には、運搬作業に時間が掛かるおそれがある。これらの例のように、再配置ポートに応じて作業時間Tpが異なり得る。したがって、再配置ポートにおける作業時間Tpが考慮されることによって、車両の再配置のシミュレーションが高精度に実現され得る。その結果、車両の移動のシミュレーション精度を向上させることが可能となる。
計算部14は、再配置ポートの周辺の地図を示す地図画像データMに基づいて、運搬時間Tcを算出する。上述のように、再配置ポートの周辺環境に応じて、運搬時間Tcが変動し得る。したがって、地図画像データMを用いることによって、再配置ポートの周辺環境が考慮され得る。その結果、運搬時間Tcの算出精度を向上させることができ、ひいては作業時間Tpの算出精度を向上させることができる。
計算部14は、ポート周辺の地図画像データを説明変数とし、当該ポートにおける1回の運搬作業に要する時間を目的変数として学習された機械学習モデルを用いて、運搬時間Tcを算出する。1つの再配置ポートにおける過去の運搬時間の実績値を用いて、運搬時間Tcを算出することが考えられる。しかしながら、過去の実績値の数が少ない場合には、運搬時間Tcの算出精度が低下し得る。一方、類似の周辺環境を有する再配置ポートにおける運搬時間は、同様の傾向を有すると考えられる。上記構成によれば、機械学習モデルを用いることによって、類似の周辺環境を有する再配置ポートにおける過去の運搬時間の実績値を考慮して、運搬時間Tcが算出される。したがって、再配置ポートにおける過去の運搬時間の実績値の数が少ない場合でも、運搬時間Tcの算出精度を向上させることができ、ひいては作業時間Tpの算出精度を向上させることができる。
作業員が1回の運搬作業ですべての対象車両を運ぶことができない場合がある。したがって、計算部14は、再配置ポートにおける再配置対象の対象車両の台数Nrと、作業員が1回の運搬作業で運ぶことができる台数Nsと、再配置ポートにおいて1回の運搬作業に要する時間f(M)と、に基づいて、運搬時間Tcを算出する。例えば、台数Nrを台数Nsで除算することによって得られた除算結果と、時間f(M)とを乗算することによって、運搬時間Tcが算出される。この構成によれば、作業員が1回の運搬作業ですべての対象車両を運ぶことができない場合でも、運搬時間Tcを算出することができる。
作業員が再配置ポートを長い間訪れていない場合には、清掃作業等の維持管理に多くの時間を要すると考えられる。一般に、経過時間Δtが大きくなるにつれて、維持管理時間Tmが大きくなる。この傾向を考慮するために、計算部14は、再配置ポートを作業員が前回訪れてから経過した経過時間Δtに基づいて、維持管理時間Tmを算出する。この構成によれば、維持管理時間Tmの算出精度を向上させることができ、ひいては作業時間Tpの算出精度を向上させることができる。
計算部14は、維持管理時間Tmと経過時間Δtとの関係を規定する関数gを用いて、維持管理時間Tmを算出する。関数gは、複数のポートにおける過去の維持管理時間から求められる。1つの再配置ポートにおける過去の維持管理時間の実績値を用いて、維持管理時間Tmを算出することが考えられる。しかしながら、過去の実績値の数が少ない場合には、維持管理時間Tmの算出精度が低下し得る。一方、維持管理時間は、いずれのポートにおいても同様の傾向を有すると考えられる。上記構成によれば、関数gを用いることによって、再配置ポートだけでなく他のポートにおける過去の維持管理時間の実績値を考慮して、維持管理時間Tmが算出される。したがって、再配置ポートにおける過去の維持管理時間の実績値の数が少ない場合でも、維持管理時間Tmの算出精度を向上させることができ、ひいては作業時間Tpの算出精度を向上させることができる。
計算部14は、再配置レコメンド処理(レコメンドアルゴリズム)を用いて、回収ポート、及び配置ポートを決定する。この構成によれば、再配置を効果的に実施するために最適な回収ポート及び配置ポートを決定することができる。
計算部14は、回収ポートにおいて生じる余剰台数と、再配置を行う運搬車の収容可能台数と、配置ポートにおいて生じる不足台数と、に基づいて、再配置台数を決定する。例えば、運搬車の収容可能台数の範囲内で、余剰台数及び不足台数を低減させるように、再配置台数が決定され得る。この構成によれば、運搬車を用いて、各ポートにおける車両の過不足を効果的に抑制することが可能となる。
調整部13は、再配置レコメンド処理に用いられる複数のパラメータのそれぞれに対する重みを調整する。計算部14は、重みを用いて再配置レコメンド処理を実施することにより、再配置をシミュレートする。この構成によれば、各パラメータの影響度を調整しながら、再配置をシミュレートすることが可能となる。
例えば、再配置を行った結果、各ポートにおいて生じる余剰台数及び不足台数の合計が小さいほど、再配置が効果的であると考えられる。したがって、評価部15は、再配置が行われた場合に各ポートにおいて生じる余剰台数及び不足台数に基づいて、各パラメータの重みに対する評価結果を生成する。この構成によれば、再配置の効果に応じて、各パラメータの重みが評価される。したがって、評価結果から、パラメータの重みの妥当性を判断することができる。
評価部15は、評価結果に基づいて、複数のパラメータのそれぞれに対する最適な重みを決定する。計算部14は、最適な重みを用いて再配置レコメンド処理を実施することにより、再配置をシミュレートする。この構成によれば、最も効果的な再配置を実現した重みを用いて、再配置をシミュレートすることができる。言い換えると、効果的な再配置レコメンド処理(レコメンドアルゴリズム)を実現することができる。その結果、シミュレーション精度を向上させることが可能となる。
シミュレーション装置10においては、対象外エリアに含まれるすべてのポートが仮想的に1つの仮想ポートとして扱われ、対象エリアに含まれる複数の対象ポート、及び仮想ポート間での車両の移動がシミュレートされる。具体的には、対象エリアの対象ポートから対象外エリアのポートに移動する車両は、対象ポートにおいて貸し出され、仮想ポートにおいて返却される車両とみなされる。同様に、対象外エリアのポートから対象エリアの対象ポートに移動する車両は、仮想ポートにおいて貸し出され、対象ポートにおいて返却される車両とみなされる。言い換えると、対象外エリアに対する車両の出入りのみがシミュレートされ、対象外エリアにおける車両の移動のシミュレーションは省略される。したがって、再配置エリアに含まれるすべてのポートが考慮される場合と比較して、計算量を削減することが可能となる。その結果、計算時間を短縮し、かつ、計算に要するリソースを削減することができる。
計算部14は、複数の対象ポート及び仮想ポートのそれぞれについて、貸出台数と、各貸出車両が返却される返却ポートと、を決定する。この構成によれば、ユーザによるポート間での車両の移動をシミュレートすることができる。
シェアリング交通サービスでは、一般に、バッテリ残量が多い車両ほど、ユーザによって借りられる可能性が高い。この傾向をシミュレーションに反映させるために、計算部14は、対象ポートに駐車している各車両のバッテリ残量に基づいて、貸出車両を決定する。この構成によれば、バッテリ残量を考慮したシミュレーションを行うことができるので、シミュレーション精度を向上させることが可能となる。
シミュレーション装置10においては、対象外エリアのポートに駐車されている車両は、計算対象から除外されている。つまり、対象外エリアのポートのポート情報及び対象外エリアに存在する車両の車両情報は、対象エリアのシミュレーションには用いられない。したがって、仮想ポートにおける貸出車両は、対象外エリアに存在する車両から選択されるのではなく、仮想的な車両として新たに生成される。この仮想的な車両は、バッテリ残量に関する情報を有していないので、計算部14は、対象外エリアに存在する車両のバッテリ残量に基づいて、仮想ポートにおける貸出車両のバッテリ残量を決定する。この構成により、仮想ポートにおける貸出車両のバッテリ残量を決定することができる。その結果、シミュレーション精度を向上させることが可能となる。
計算部14は、貸出ポート及び返却ポートに基づいて、貸出車両のバッテリ使用量を決定する。貸出車両のバッテリ使用量は、貸出ポートと返却ポートとの組み合わせから予測され得るので、上記構成によれば、バッテリ使用量を精度良く決めることができる。そして、例えば、貸出車両のバッテリ残量からバッテリ使用量を減算することによって、貸出車両が返却された後のバッテリ残量を計算することができる。したがって、各車両のバッテリ残量の経時変化をシミュレートすることができるので、シミュレーション精度を向上させることが可能となる。
以上のように、シミュレーション装置10によれば、シェアリング交通サービスにおける複数のポート間での車両の移動のシミュレーションを、高速に実施でき、より現実に近づけることができる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されない。
シミュレーション装置10は、物理的又は論理的に結合した1つの装置によって構成されていてもよく、互いに物理的又は論理的に分離している複数の装置によって構成されてもよい。例えば、シミュレーション装置10は、クラウドコンピューティングのようにネットワーク上に分散された複数のコンピュータによって実現されてもよい。以上のように、シミュレーション装置10の構成は、シミュレーション装置10の機能を実現し得るいかなる構成をも含み得る。
シミュレーション装置10は、再配置エリアに含まれる複数のポート間での車両の移動をシミュレートすればよく、対象エリアを選択しなくてもよい。この場合、再配置エリアは、分割エリアに分割されていなくてもよく、シミュレーション装置10は、選択部12を備えていなくてもよい。
シミュレーション装置10は、再配置レコメンド処理に用いられる複数のパラメータのそれぞれに対する重みを最適化しなくてもよい。計算部14は、シミュレーション装置10の使用者によって指定された重みを用いて再配置レコメンド処理を行ってもよい。これらの場合、シミュレーション装置10は、調整部13及び評価部15を備えていなくてもよい。
シミュレーション装置10の使用者が重みの評価を行ってもよい。調整部13は、使用者による評価結果に基づいて、各パラメータに対する最適な重みを決定してもよい。この場合、シミュレーション装置10は、評価部15を備えていなくてもよい。
作業時間Tpは、少なくとも運搬時間Tcを含んでいる。作業時間Tpは、基本作業時間Tb及び維持管理時間Tmの少なくともいずれかを含んでいなくてもよい。作業時間Tpは、さらに別の時間を含んでもよい。
計算部14は、地図画像データMに代えて、再配置ポートの周辺環境を示す別の情報に基づいて、1回の運搬作業に要する時間を算出してもよい。
回収ポートを決定するためのパラメータXi,jは、i番目のポートにおける作業時間Tpに関するパラメータを含んでもよい。このパラメータは、例えば、作業時間Tpが小さいほど大きい値を取る。この場合、作業時間Tpを考慮して、効果的に車両を回収できる回収ポートを決定することができる。同様に、配置ポートを決定するためのパラメータYi,kは、i番目のポートにおける作業時間Tpに関するパラメータを含んでもよい。このパラメータは、例えば、作業時間Tpが小さいほど大きい値を取る。この場合、作業時間Tpを考慮して、効果的に車両を配置できる配置ポートを決定することができる。
バッテリ使用情報は、同じ属性のユーザごとに設定されてもよい。ユーザの属性として、例えば、性別及び年代が用いられる。この場合、計算部14は、貸出車両を借りるユーザの属性を、公知の手法により決定する。そして、計算部14は、貸出ポート及び返却ポートに加えてユーザの属性に更に基づいて、貸出車両のバッテリ使用量を決定してもよい。
車両の使用目的に応じて、利用時間が変動し得る。例えば、観光に車両が使用される場合の利用時間と、日常的に車両が使用される場合の利用時間とは、大きく異なることがある。車両の使用目的を考慮するために、計算部14は、利用時間の混合ポアソン分布に従って各貸出車両の利用時間を決定してもよい。例えば、計算部14は、貸出ポートと返却ポートとの組み合わせごとの過去の利用時間から、EM(Expectation-Maximization)アルゴリズム等の手法を用いて、混合ポアソン分布のパラメータを推定する。そして、計算部14は、推定したパラメータを用いた確率モデルから利用時間を算出する。
なお、上記実施形態の説明に用いられたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、及び割り振り(assigning)などがあるが、これらの機能に限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)又は送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施形態におけるシミュレーション装置10は、本開示の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。以下、シミュレーション装置10のハードウェア構成について説明する。図19は、本開示の一実施形態に係るシミュレーション装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のシミュレーション装置10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、及びユニットなどに読み替えられることができる。シミュレーション装置10のハードウェア構成は、図に示された各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
シミュレーション装置10における各機能は、プロセッサ1001及びメモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、及びレジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述のシミュレーション装置10の各機能は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、及びデータなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明された動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、シミュレーション装置10の各機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、及びRAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、又はメインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係るシミュレーション方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、及びソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、及び磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバ、又はその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、又は通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、及び周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の取得部11などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、及びセンサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、及びLEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、例えば、タッチパネルのように一体に構成されてもよい。
プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
シミュレーション装置10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
情報の通知は、本開示において説明された態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。
本開示において説明された各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、及びフローチャートなどにおいては、矛盾の無い限り、処理の順序が入れ替えられてもよい。例えば、本開示において説明された方法は、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示された特定の順序に限定されない。
情報等は、上位レイヤから下位レイヤへ出力されてもよく、又は下位レイヤから上位レイヤへ出力されてもよい。情報等は、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理されてもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本開示において説明された各態様/実施形態は単独で用いられてもよいし、組み合わせて用いられてもよいし、実行に伴って切り替えて用いられてもよい。所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗黙的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明された実施形態に限定されないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に対して何ら制限的な意味を有しない。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
ソフトウェア、命令、及び情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において説明された情報、及び信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明された用語及び本開示の理解に必要な用語は、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えられてもよい。
本開示において使用される「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
本開示において説明された情報、及びパラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
上述したパラメータに使用される名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示された数式等と異なる場合もある。
本開示で使用される「判断(determining)」、及び「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」及び「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、及び確認(ascertaining)とみなされてもよい。「判断」及び「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、及びアクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)とみなされてもよい。「判断」及び「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、及び比較(comparing)などとみなされてもよい。つまり、「判断」及び「決定」は、「判断」及び「決定」に関連する何らかの動作とみなされてもよい。「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、又は「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的に行われてもよく、論理的に行われてもよく、或いはこれらの組み合わせで実現されてもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で「接続」又は「結合」が使用される場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えられてもよく、いくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えられてもよい。
本開示において使用される「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において使用される「第1の」、及び「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、及び何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことのいずれも意味しない。
上記の各装置の構成における「部」は、「回路」、又は「デバイス」等に置き換えられてもよい。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語での「a」,「an」及び「the」のように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、及び「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
1…シミュレーションシステム、10…シミュレーション装置、11…取得部、12…選択部、13…調整部、14…計算部、15…評価部、20…管理装置、P…ポート、VPa…仮想ポート、R…再配置エリア、Ra~Rd…分割エリア。

Claims (7)

  1. シェアリング交通サービスにおける複数のポート間での車両の移動をシミュレートするシミュレーション装置であって、
    車両の再配置の対象となるポートである再配置ポートにおける作業時間を算出し、前記作業時間に基づいて前記再配置をシミュレートする計算部を備え
    前記作業時間は、前記再配置の対象となる車両である対象車両を前記再配置ポートの間で運搬する運搬車と前記再配置ポートとの間で前記対象車両を作業員が運ぶのに要する運搬時間を含み、
    前記計算部は、前記再配置ポートの周辺の地図を示す地図画像データに基づいて、前記運搬時間を算出する、シミュレーション装置。
  2. 前記計算部は、ポート周辺の地図画像データを説明変数とし、当該ポートにおける1回の運搬作業に要する時間を目的変数として学習された機械学習モデルを用いて、前記運搬時間を算出する、請求項に記載のシミュレーション装置。
  3. 前記計算部は、前記対象車両の台数と、1回の運搬作業で運ぶことができる台数と、前記1回の運搬作業に要する時間と、に基づいて、前記運搬時間を算出する、請求項に記載のシミュレーション装置。
  4. 前記作業時間は、前記再配置ポートを維持管理するための維持管理時間を含み、
    前記計算部は、前記再配置ポートを作業員が前回訪れてから経過した経過時間に基づいて、前記維持管理時間を算出する、請求項1~請求項のいずれか一項に記載のシミュレーション装置。
  5. 前記計算部は、前記維持管理時間と前記経過時間との関係を規定する関数を用いて、前記維持管理時間を算出し、
    前記関数は、前記複数のポートにおける過去の維持管理時間から求められる、請求項に記載のシミュレーション装置。
  6. 前記計算部は、再配置をレコメンドするためのレコメンドアルゴリズムを用いて、前記再配置の対象となる対象車両が回収される前記再配置ポートである回収ポート、及び回収された前記対象車両が配置される前記再配置ポートである配置ポートを決定する、請求項1~請求項のいずれか一項に記載のシミュレーション装置。
  7. 前記計算部は、前記回収ポートにおいて生じる余剰台数と、前記再配置を行う運搬車が収容可能な車両の台数である収容可能台数と、前記配置ポートにおいて生じる不足台数と、に基づいて、再配置台数を決定する、請求項に記載のシミュレーション装置。
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