JP7478354B2 - マスク装置の製造方法、マスク装置、有機デバイスの製造方法、有機デバイス - Google Patents

マスク装置の製造方法、マスク装置、有機デバイスの製造方法、有機デバイス Download PDF

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本開示の実施形態は、マスク装置の製造方法、マスク装置、有機デバイスの製造方法、有機デバイスに関する。
スマートフォンやタブレットPC等の持ち運び可能なデバイスで用いられる表示装置の分野において、有機EL表示装置が注目されている。有機EL表示装置などの有機半導体デバイスの製造方法及び製造装置として、所望のパターンで配列された貫通孔が形成されたマスクを用い、所望のパターンで画素を形成する方法及び装置が知られている。例えば、まず、有機EL表示装置用の基板に、フレームに固定された状態のマスクを組み合わせる。続いて、有機材料を含む蒸着材料を、マスクの貫通孔を介して基板に付着させる。このような蒸着工程を実施することにより、マスクの貫通孔のパターンに対応したパターンで、蒸着材料を含む蒸着層を有する画素を基板上に形成することができる。
特許第5382259号公報
フレーム及びマスクを備えるマスク装置においては、マスクの撓みに起因してマスクの貫通孔の位置精度が低くなることを抑制することが求められる。
本開示の一実施形態による、マスク装置の製造方法は、開口を隔てて向かい合う一対の第1辺領域と、第1辺領域とは異なる方向に延び、開口を隔てて第1方向において向かい合う一対の第2辺領域と、を含むフレームと、フレームの第1フレーム面の側において一対の第1辺領域に固定されている第1桟部材と、を備える支持構造体を準備する準備工程と、貫通孔を含むマスクに、第1方向において張力を加えた状態で、第1フレーム面の側においてマスクを一対の前記第2辺領域に固定する固定工程と、を備える。第1方向に直交するマスクの断面の断面積S〔mm〕に対する、マスクに加えられる張力T〔N〕の比T/S〔N/mm〕が、13.0〔N/mm〕以上50.0〔N/mm〕以下である。
本開示によれば、マスクの撓みに起因してマスクの貫通孔の位置精度が低くなることを抑制することができる。
有機デバイスの一例を示す断面図である。 図1の有機デバイスを拡大して示す断面図である。 蒸着装置の一例を示す断面図である。 蒸着装置のマスク装置の一例を示す平面図である。 マスク装置のマスクの中間部の一例を示す平面図である。 マスクの貫通孔の断面形状の一例を示す断面図である。 図4のマスク装置のVII-VII線に沿った断面図である。 図4のマスク装置のVIII-VIII線に沿った断面図である。 図4において符号IXが付された点線で囲まれた範囲におけるマスク装置の一例を拡大して示す平面図。 図4において符号Xが付された点線で囲まれた範囲におけるマスク装置の一例を拡大して示す平面図。 マスク装置を用いて形成した蒸着層の一例を示す断面図である。 マスクに加える張力とマスクに生じるシワとの関係の一例を示す断面図である。 マスクに加える張力とマスクに生じるシワとの関係の一例を示す断面図である。 マスクに加える張力とマスクに生じるシワとの関係の一例を示す断面図である。 マスクに加える張力とマスクに生じるシワとの関係の一例を示す断面図である。 マスクの断面積の算出方法を説明するための図である。 マスク装置の製造方法の一例を示す平面図である。 マスク装置の製造方法の一例を示す平面図である。 マスク装置と基板とを組み合わせる工程の一例を示す断面図である。 マスク装置を用いて形成した蒸着層の一例を示す断面図である。 マスク装置の一例を示す平面図である。 マスク装置の一例を示す平面図である。 図22のマスク装置からマスクを取り除いた状態を示す平面図である。 T/Sとピクセル位置精度との関係の評価結果を示す図である。 T/Sとシワの高さとの関係の評価結果を示す図である。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、「基板」や「基材」や「板」や「シート」や「フィルム」などのある構成の基礎となる物質を意味する用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に」や「下に」、「上側に」や「下側に」、又は「上方に」や「下方に」とする場合、ある構成が他の構成に直接的に接している場合を含む。さらに、ある構成と他の構成との間に別の構成が含まれている場合、つまり間接的に接している場合も含む。また、特別な説明が無い限りは、「上」や「上側」や「上方」、又は、「下」や「下側」や「下方」という語句は、上下方向が逆転してもよい。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上現実の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、本明細書の一実施形態は、矛盾の生じない範囲で、その他の実施形態と組み合わせられ得る。また、その他の実施形態同士も、矛盾の生じない範囲で組み合わせられ得る。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、製造方法などの方法に関して複数の工程を開示する場合に、開示されている工程の間に、開示されていないその他の工程が実施されてもよい。また、開示されている工程の順序は、矛盾の生じない範囲で任意である。
本明細書および本図面において、特別な説明が無い限りは、「~」という記号によって表現される数値範囲は、「~」という符号の前後に置かれた数値を含んでいる。例えば、「34~38質量%」という表現によって画定される数値範囲は、「34質量%以上且つ38質量%以下」という表現によって画定される数値範囲と同一である。
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態のみに限定して解釈されるものではない。
本開示の第1の態様は、マスク装置の製造方法であって、
開口を隔てて向かい合う一対の第1辺領域と、前記第1辺領域とは異なる方向に延び、前記開口を隔てて第1方向において向かい合う一対の第2辺領域と、を含むフレームと、前記フレームの第1フレーム面の側において一対の前記第1辺領域に固定されている第1桟部材と、を備える支持構造体を準備する準備工程と、
貫通孔を含むマスクに、前記第1方向において張力を加えた状態で、前記第1フレーム面の側において前記マスクを一対の前記第2辺領域に固定する固定工程と、を備え、
前記第1方向に直交する前記マスクの断面の断面積S〔mm〕に対する、前記マスクに加えられる前記張力T〔N〕の比T/S〔N/mm〕が、13.0以上50.0以下である、製造方法である。
本開示の第2の態様は、上述した第1の態様による製造方法において、前記固定工程は、前記第1方向に直交する第2方向に沿って並ぶ3以上のマスクを一対の前記第2辺領域に固定する工程を含んでいてもよい。
本開示の第3の態様は、上述した第2の態様による製造方法において、前記固定工程において、前記第2方向において前記フレームの前記第1辺領域に隣接する前記マスクに加えられる前記張力が、前記第2方向の中央に位置する前記マスクに加えられる前記張力よりも大きくてもよい。
本開示の第4の態様は、上述した第1の態様から上述した第3の態様のそれぞれによる製造方法において、前記支持構造体は、前記フレームの第1フレーム面の側において一対の前記第2辺領域に固定されている第2桟部材を備えていてもよい。
本開示の第5の態様は、上述した第1の態様から上述した第4の態様のそれぞれによる製造方法において、前記マスクの厚みが50μm以下であってもよい。
本開示の第6の態様は、上述した第1の態様から上述した第5の態様のそれぞれによる製造方法において、前記第1桟部材の厚みが50μm以上1mm以下であってもよい。
本開示の第7の態様は、上述した第1の態様から上述した第6の態様のそれぞれによる製造方法において、前記第1桟部材の長さが1400mm以上であってもよい。
本開示の第8の態様は、マスク装置であって、
開口を隔てて向かい合う一対の第1辺領域と、前記第1辺領域とは異なる方向に延び、前記開口を隔てて第1方向において向かい合う一対の第2辺領域と、を含むフレームと、
前記フレームの第1フレーム面の側において一対の前記第1辺領域に固定されている第1桟部材と、
貫通孔を含み、前記第1方向において張力を加えられた状態で前記第1フレーム面の側において一対の前記第2辺領域に固定されているマスクと、を備え、
前記第1方向に直交する前記マスクの断面の断面積S〔mm〕に対する、前記マスクに加えられている前記張力T〔N〕の比T/S〔N/mm〕が、13.0以上50.0以下である、マスク装置である。
本開示の第9の態様は、上述した第8の態様によるマスク装置において、前記第1方向に直交する第2方向に沿って並ぶ3以上の前記マスクを備えていてもよい。
本開示の第10の態様は、上述した第9の態様によるマスク装置において、前記第2方向において前記フレームの前記第1辺領域に隣接する前記マスクに加えられている前記張力が、前記第2方向の中央に位置する前記マスクに加えられている前記張力よりも大きくてもよい。
本開示の第11の態様は、マスク装置であって、
開口を隔てて向かい合う一対の第1辺領域と、前記第1辺領域とは異なる方向に延び、前記開口を隔てて第1方向において向かい合う一対の第2辺領域と、を含むフレームと、
前記フレームの第1フレーム面の側において一対の前記第1辺領域に固定されている第1桟部材と、
貫通孔を含み、前記第1方向において張力を加えられた状態で前記第1フレーム面の側において一対の前記第2辺領域に固定されており、前記第1方向に直交する第2方向に沿って並ぶ3以上のマスクと、を備え、
前記第2方向において前記フレームの前記第1辺領域に隣接する前記マスクに生じているシワの高さが、前記第2方向の中央に位置する前記マスクに生じているシワの高さよりも大きい、マスク装置である。
本開示の第12の態様は、上述した第8の態様から上述した第11の態様のそれぞれによるマスク装置において、前記フレームの第1フレーム面の側において一対の前記第2辺領域に固定されている第2桟部材を備えていてもよい。
本開示の第13の態様は、上述した第8の態様から上述した第12の態様のそれぞれによるマスク装置において、前記マスクの厚みが50μm以下であってもよい。
本開示の第14の態様は、上述した第8の態様から上述した第13の態様のそれぞれによるマスク装置において、前記第1桟部材の厚みが50μm以上1mm以下であってもよい。
本開示の第15の態様は、上述した第8の態様から上述した第14の態様のそれぞれによるマスク装置において、前記第1桟部材の長さが1400mm以上であってもよい。
本開示の第16の態様は、有機デバイスの製造方法であって、
上述した第8の態様から上述した第15の態様のいずれかによるマスク装置の前記マスクの前記貫通孔を介して有機材料を基板に蒸着させて前記基板に蒸着層を形成する蒸着工程を備える、有機デバイスの製造方法である。
本開示の第17の態様は、有機デバイスであって、
上述した第16の態様による有機デバイスの製造方法の前記蒸着工程によって前記基板に形成された前記蒸着層を備える、有機デバイスである。
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態のみに限定して解釈されるものではない。
図1は、有機デバイス100の一例を示す断面図である。有機デバイス100は、第1面111及び第1面111の反対側に位置する第2面112を含む基板110と、基板110の第1面111の面内方向に沿って並ぶ複数の素子105と、を備えていてもよい。図示はしないが、素子105は、図1の奥行方向にも並んでいてもよい。例えば、素子105は、第1面111の面内方向における2つの配列方向において周期的に並んでいてもよい。素子105は、第1電極層120と、第1電極層120上に位置する蒸着層130と、蒸着層130上に位置する第2電極層140と、を含んでいてもよい。
図2は、図1の有機デバイスを拡大して示す断面図である。蒸着層130は、第1電極層120上に位置する第1蒸着層131と、第1電極層120上に位置する第2蒸着層132と、を含んでいてもよい。第1蒸着層131と第2蒸着層132とは、平面視において、素子105の配列方向において隣接していてもよい。例えば、平面視において、第1蒸着層131に重なる第1電極層120と、第2蒸着層132に重なる第1電極層120とが、素子105の配列方向において隣接していてもよい。
図示はしないが、蒸着層130は、素子105の配列方向において第1蒸着層131または第2蒸着層132と隣接する第3蒸着層などのその他の蒸着層を含んでいてもよい。
図2に示すように、有機デバイス100は、平面視において隣り合う2つの第1電極層120の間に位置する絶縁層160を備えていてもよい。絶縁層160は、例えばポリイミドを含んでいる。絶縁層160は、第1電極層120の端部に重なっていてもよい。
基板110は、絶縁性を有する板状の部材であってもよい。基板110は、光を透過させる透明性を有していてもよい。基板110は、ガラスを含んでいてもよい。
基板110の厚みは、例えば、0.1mm以上であってもよく、0.3mm以上であってもよく、0.4mm以上であってもよく、0.5mm以上であってもよい。また、基板110の厚みは、例えば、0.6mm以下であってもよく、0.8mm以下であってもよく、1.0mm以下であってもよく、2.0mm以下であってもよい。基板110の厚みの範囲は、0.1mm、0.3mm、0.4mm及び0.5mmからなる第1グループ、及び/又は、0.6mm、0.8mm、1.0mm及び2.0mmからなる第2グループによって定められてもよい。基板110の厚みの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。基板110の厚みの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。基板110の厚みの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、0.1mm以上2.0mm以下であってもよく、0.1mm以上1.0mm以下であってもよく、0.1mm以上0.8mm以下であってもよく、0.1mm以上0.6mm以下であってもよく、0.1mm以上0.5mm以下であってもよく、0.1mm以上0.4mm以下であってもよく、0.1mm以上0.3mm以下であってもよく、0.3mm以上2.0mm以下であってもよく、0.3mm以上1.0mm以下であってもよく、0.3mm以上0.8mm以下であってもよく、0.3mm以上0.6mm以下であってもよく、0.3mm以上0.5mm以下であってもよく、0.3mm以上0.4mm以下であってもよく、0.4mm以上2.0mm以下であってもよく、0.4mm以上1.0mm以下であってもよく、0.4mm以上0.8mm以下であってもよく、0.4mm以上0.6mm以下であってもよく、0.4mm以上0.5mm以下であってもよく、0.5mm以上2.0mm以下であってもよく、0.5mm以上1.0mm以下であってもよく、0.5mm以上0.8mm以下であってもよく、0.5mm以上0.6mm以下であってもよく、0.6mm以上2.0mm以下であってもよく、0.6mm以上1.0mm以下であってもよく、0.6mm以上0.8mm以下であってもよく、0.8mm以上2.0mm以下であってもよく、0.8mm以上1.0mm以下であってもよく、1.0mm以上2.0mm以下であってもよい。
第1電極層120は、導電性を有する材料を含んでいてもよい。例えば、第1電極層120は、金属、導電性を有する金属酸化物や、その他の無機材料などを含んでいてもよい。第1電極層120は、インジウム・スズ酸化物などの、透明性及び導電性を有する金属酸化物を含んでいてもよい。
第1蒸着層131、第2蒸着層132及び第3蒸着層は、有機材料を含む有機層であってもよい。有機デバイス100が有機EL表示装置である場合、第1蒸着層131、第2蒸着層132及び第3蒸着層はそれぞれ、発光層であってもよい。例えば、第1蒸着層131、第2蒸着層132及び第3蒸着層はそれぞれ、赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層であってもよい。
第1蒸着層131、第2蒸着層132及び第3蒸着層はそれぞれ、対応するマスクが設置されている蒸着装置において、マスクの貫通孔を介して有機材料を基板110に蒸着させることによって形成されてもよい。
図示はしないが、素子105は、第1電極層120と蒸着層130との間、または蒸着層130と第2電極層140との間に位置する、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層などを含んでいてもよい。
第2電極層140は、金属などの、導電性を有する材料を含んでいてもよい。第2電極層140を構成する材料の例としては、白金、金、銀、銅、鉄、錫、クロム、アルミニウム、インジウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マ
グネシウム、クロム、炭素等及びこれらの合金を挙げることができる。
図2に示すように、第2電極層140は、平面視において隣り合う2つの蒸着層130に跨るように広がっていてもよい。図示はしないが、第2電極層140は、隣り合う2つの蒸着層130の上に位置する第2電極層140の間に隙間があるように形成されていてもよい。
次に、基板110の第1面111に蒸着層130を形成するための蒸着装置10について説明する。図3は、蒸着装置10の一例を示す縦断面図である。
図3に示すように、蒸着装置10は、その内部に、蒸着源6、ヒータ8、及びマスク装置40を備えていてもよい。また、蒸着装置10は、蒸着装置10の内部を真空雰囲気にするための排気手段を更に備えていてもよい。蒸着源6は、例えばるつぼであり、有機発光材料などの蒸着材料7を収容する。ヒータ8は、蒸着源6を加熱して、真空雰囲気の下で蒸着材料7を蒸発させる。マスク装置40は、るつぼ6と対向するよう配置されている。
図3に示すように、マスク装置40は、少なくとも1つのマスク50と、マスク50を支持するフレーム41と、を備えていてもよい。フレーム41は、マスク50が固定されている第1フレーム面41aと、第1フレーム面41aの反対側に位置する第2フレーム面41bと、を含んでいてもよい。また、フレーム41は、第1フレーム面41aから第2フレーム面41bに貫通する開口42を含んでいてもよい。マスク50は、平面視において開口42を横切るようにフレーム41の第1フレーム面41aに固定されていてもよい。また、フレーム41は、マスク50が撓むことを抑制するように、マスク50をその面方向に引っ張った状態で支持していてもよい。
1つの蒸着装置10のマスク装置40のマスク50は、1種類の蒸着層130に、例えば第1蒸着層131に対応していてもよい。この場合、有機デバイス100の製造装置は、複数の蒸着装置10を備えていてもよい。例えば、有機デバイス100の製造装置は、第1蒸着層131に対応する蒸着装置10と、第2蒸着層132に対応する蒸着装置10と、第3蒸着層に対応する蒸着装置10と、を備えていてもよい。基板110を複数の蒸着装置10に順に投入して蒸着工程を実施することにより、基板110に第1蒸着層131、第2蒸着層132及び第3蒸着層を形成することができる。
マスク装置40は、図3に示すように、蒸着材料7を付着させる対象物である基板110にマスク50が対面するよう、蒸着装置10内に配置されている。マスク50は、蒸着源6から飛来した蒸着材料7を通過させる複数の貫通孔56を含む。以下の説明において、マスク50の面のうち、基板110の側に位置する面を第1面55aと称し、第1面55aの反対側に位置する面を第2面55bと称する。
蒸着装置10は、図3に示すように、基板110を保持する基板ホルダ2を備えていてもよい。基板ホルダ2は、基板110の厚み方向において移動可能であってもよい。また、基板ホルダ2は、基板110の面方向において移動可能であってもよい。また、基板ホルダ2は、基板110の傾きを制御するよう構成されていてもよい。例えば、基板ホルダ2は、基板110の外縁に取り付けられた複数のチャックを含み、各チャックは、基板110の厚み方向や面方向において独立に移動可能であってもよい。
蒸着装置10は、図3に示すように、マスク装置40を保持するマスクホルダ3を備えていてもよい。マスクホルダ3は、マスク50の厚み方向において移動可能であってもよい。また、マスクホルダ3は、マスク50の面方向において移動可能であってもよい。例えば、マスクホルダ3は、フレーム41の外縁に取り付けられた複数のチャックを含み、各チャックは、マスク50の厚み方向や面方向において独立に移動可能であってもよい。
基板ホルダ2又はマスクホルダ3の少なくともいずれか一方を移動させることにより、基板110に対するマスク装置40のマスク50の位置を調整することができる。
蒸着装置10は、図3に示すように、基板110の面のうちマスク装置40とは反対側の面である第2面112側に配置されている冷却板4を備えていてもよい。冷却板4は、冷却板4の内部に冷媒を循環させるための流路を有していてもよい。冷却板4は、蒸着工程の際に基板110の温度が上昇することを抑制することができる。
蒸着装置10は、図3に示すように、基板110の面のうちマスク装置40とは反対側の面である第2面112側に配置されている磁石5を備えていてもよい。磁石5は、図3に示すように、冷却板4の面のうちマスク装置40とは反対の側の面に配置されていてもよい。磁石5は、磁力によってマスク装置40のマスク50を基板110側に引き寄せることができる。これにより、マスク50と基板110との間の隙間を低減したり、隙間をなくしたりすることができる。このことにより、蒸着工程においてシャドーが発生することを抑制することができ、蒸着層130の寸法精度や位置精度を高めることができる。本願において、シャドーとは、マスク50と基板110との間の隙間に蒸着材料7が入り込み、これによって蒸着層130の厚みが不均一になる現象のことである。また、静電気力を利用する静電チャックを用いてマスク50を基板110側に引き寄せてもよい。
次に、マスク装置40について詳細に説明する。図4は、マスク装置40をマスク50の第1面55a側から見た場合を示す平面図である。図4に示すように、マスク装置40は、複数のマスク50を備えていてもよい。本実施の形態において、各マスク50の形状は、第1方向D1に延びる矩形であってもよい。マスク装置40において、複数のマスク50は、マスク50の長手方向である第1方向D1に交差する方向に並んでいる。図4に示すように、複数のマスク50は、マスク50の長手方向に直交するマスク50の幅方向である第2方向D2に並んでいてもよい。各マスク50は、マスク50の長手方向の両端部において、例えば溶接によってフレーム41に固定されていてもよい。
図4において、符号L1は、第1方向D1におけるマスク50の寸法を、すなわちマスク50の長さを表す。寸法L1は、例えば、150mm以上であってもよく、400mm以上であってもよく、600mm以上であってもよく、800mm以上であってもよい。また、寸法L1は、例えば、1000mm以下であってもよく、1250mm以下であってもよく、1500mm以下であってもよく、2000mm以下であってもよい。寸法L1の範囲は、150mm、400mm、600mm及び800mmからなる第1グループ、及び/又は、1000mm、1250mm、1500mm及び2000mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法L1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法L1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法L1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、150mm以上2000mm以下であってもよく、150mm以上1500mm以下であってもよく、150mm以上1250mm以下であってもよく、150mm以上1000mm以下であってもよく、150mm以上800mm以下であってもよく、150mm以上600mm以下であってもよく、150mm以上400mm以下であってもよく、400mm以上2000mm以下であってもよく、400mm以上1500mm以下であってもよく、400mm以上1250mm以下であってもよく、400mm以上1000mm以下であってもよく、400mm以上800mm以下であってもよく、400mm以上600mm以下であってもよく、600mm以上2000mm以下であってもよく、600mm以上1500mm以下であってもよく、600mm以上1250mm以下であってもよく、600mm以上1000mm以下であってもよく、600mm以上800mm以下であってもよく、800mm以上2000mm以下であってもよく、800mm以上1500mm以下であってもよく、800mm以上1250mm以下であってもよく、800mm以上1000mm以下であってもよく、1000mm以上2000mm以下であってもよく、1000mm以上1500mm以下であってもよく、1000mm以上1250mm以下であってもよく、1250mm以上2000mm以下であってもよく、1250mm以上1500mm以下であってもよく、1500mm以上2000mm以下であってもよい。
図4において、符号W1は、第2方向D2におけるマスク50の寸法を、すなわちマスク50の幅を表す。寸法W1は、例えば、50mm以上であってもよく、100mm以上であってもよく、150mm以上であってもよく、200mm以上であってもよい。また、寸法W1は、例えば、250mm以下であってもよく、300mm以下であってもよく、350mm以下であってもよく、400mm以下であってもよい。寸法W1の範囲は、50mm、100mm、150mm及び200mmからなる第1グループ、及び/又は、250mm、300mm、350mm及び400mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法W1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法W1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法W1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、50mm以上400mm以下であってもよく、50mm以上350mm以下であってもよく、50mm以上300mm以下であってもよく、50mm以上250mm以下であってもよく、50mm以上200mm以下であってもよく、50mm以上150mm以下であってもよく、50mm以上100mm以下であってもよく、100mm以上400mm以下であってもよく、100mm以上350mm以下であってもよく、100mm以上300mm以下であってもよく、100mm以上250mm以下であってもよく、100mm以上200mm以下であってもよく、100mm以上150mm以下であってもよく、150mm以上400mm以下であってもよく、150mm以上350mm以下であってもよく、150mm以上300mm以下であってもよく、150mm以上250mm以下であってもよく、150mm以上200mm以下であってもよく、200mm以上400mm以下であってもよく、200mm以上350mm以下であってもよく、200mm以上300mm以下であってもよく、200mm以上250mm以下であってもよく、250mm以上400mm以下であってもよく、250mm以上350mm以下であってもよく、250mm以上300mm以下であってもよく、300mm以上400mm以下であってもよく、300mm以上350mm以下であってもよく、350mm以上400mm以下であってもよい。
図4に示すように、マスク50は、フレーム41に重なっている一対の耳部51と、耳部51の間に位置する中間部52と、を有していてもよい。中間部52は、少なくとも1つの有効領域53と、有効領域53の周囲に位置する周囲領域54と、を有していてもよい。図4に示す例において、中間部52は、第1方向D1に沿って所定の間隔を空けて配列された複数の有効領域53を含む。周囲領域54は、複数の有効領域53を囲んでいる。
図5は、マスク50の中間部52の一例を示す平面図である。中間部52の有効領域53は、複数の貫通孔56を含んでいてもよい。中間部52の各貫通孔56を透過して基板110に付着した蒸着材料が、基板110上の蒸着層130を構成してもよい。
マスク50を用いて有機EL表示装置などの表示装置を作製する場合、1つの有効領域53は、1つの有機EL表示装置の表示領域に対応する。このため、図4に示すマスク装置40によれば、有機EL表示装置の多面付蒸着が可能である。なお、1つの有効領域53が複数の表示領域に対応する場合もある。また、図示はしないが、マスク50の幅方向においても所定の間隔を空けて複数の有効領域53が配列されていてもよい。
有効領域53は、平面視において矩形の輪郭を有してもよい。また、有効領域53は、有機EL表示装置の表示領域の形状に応じて、様々な形状の輪郭を有していてもよい。例えば、有効領域53は、円形の輪郭を有していてもよい。
図6は、マスク50の一例を示す断面図である。図6に示すように、マスク50は、金属板55と、金属板55の第1面55aから第2面55bへ貫通する貫通孔56と、を備える。貫通孔56は、金属板55の第1面55a側に位置する第1凹部561と、第2面55b側に位置し、第1凹部561に接続されている第2凹部562と、を含んでいてもよい。平面視において、第2凹部562の寸法r2は、第1凹部561の寸法r1よりも大きくてもよい。第1凹部561及び第2凹部562は、金属板55を第1面55a側及び第2面55b側からエッチングやレーザーなどによって加工することによって形成され得る。
第1凹部561と第2凹部562とは、周状の接続部563を介して接続されている。接続部563は、マスク50の平面視において貫通孔56の開口面積が最小になる貫通部564を画成していてもよい。
貫通部564の寸法rは、例えば、10μm以上であってもよく、15μm以上であってもよく、20μm以上であってもよく、25μm以上であってもよい。また、貫通部564の寸法rは、例えば、40μm以下であってもよく、45μm以下であってもよく、50μm以下であってもよく、55μm以下であってもよい。貫通部564の寸法rの範囲は、10μm、15μm、20μm及び25μmからなる第1グループ、及び/又は、40μm、45μm、50μm及び55μmからなる第2グループによって定められてもよい。貫通部564の寸法rの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。貫通部564の寸法rの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。貫通部564の寸法rの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、10μm以上55μm以下であってもよく、10μm以上50μm以下であってもよく、10μm以上45μm以下であってもよく、10μm以上40μm以下であってもよく、10μm以上25μm以下であってもよく、10μm以上20μm以下であってもよく、10μm以上15μm以下であってもよく、15μm以上55μm以下であってもよく、15μm以上50μm以下であってもよく、15μm以上45μm以下であってもよく、15μm以上40μm以下であってもよく、15μm以上25μm以下であってもよく、15μm以上20μm以下であってもよく、20μm以上55μm以下であってもよく、20μm以上50μm以下であってもよく、20μm以上45μm以下であってもよく、20μm以上40μm以下であってもよく、20μm以上25μm以下であってもよく、25μm以上55μm以下であってもよく、25μm以上50μm以下であってもよく、25μm以上45μm以下であってもよく、25μm以上40μm以下であってもよく、40μm以上55μm以下であってもよく、40μm以上50μm以下であってもよく、40μm以上45μm以下であってもよく、45μm以上55μm以下であってもよく、45μm以上50μm以下であってもよく、50μm以上55μm以下であってもよい。貫通部564の寸法rを測定する測定器としては、新東Sプレシジョン製AMIC-1710を用いることができる。
なお、図6においては、隣り合う二つの第2凹部562の間に金属板55の第2面55bが残存している例を示したが、これに限られることはない。図示はしないが、隣り合う2つの第2凹部562が接続されるようにエッチングが実施されてもよい。すなわち、隣り合う2つの第2凹部562の間に、金属板55の第2面55bが残存していない場所が存在していてもよい。
次に、フレーム41について説明する。フレーム41は、開口42を隔てて向かい合う一対の第1辺領域411と、開口42を隔てて第1方向D1において向かい合う一対の第2辺領域412と、を含んでいてもよい。第1辺領域411と第2辺領域412とは、異なる方向に延びている。例えば、図4に示すように、第1辺領域411が、マスク50の長手方向である第1方向D1に延び、第2辺領域412が、第1方向D1に直交する第2方向D2に延びていてもよい。図4に示すように、マスク50は第2辺領域412に固定されていてもよい。また、マスク50が固定されている第2辺領域412が、第1辺領域411よりも長くてもよい。フレーム41の開口42は、一対の第1辺領域411及び一対の第2辺領域412によって囲まれていてもよい。
図4に示すように、マスク装置40は、フレーム41の第1フレーム面41aの側において一対の第1辺領域411に固定されている第1桟部材43を備えていてもよい。第1桟部材43は、第2方向D2に延びていてもよい。また、第1方向D1に沿って複数の第1桟部材43が並んでいてもよい。第1桟部材43は、第2方向D2において張力を加えられた状態で第1辺領域411に固定されていてもよい。第1桟部材43は、蒸着工程の際にマスク50を下方から支持してもよい。これにより、マスク50が自重によって撓むことを抑制することができる。
図4において、符号L3は、第2方向D2における第1桟部材43の寸法を、すなわち第1桟部材43の長さを表す。寸法L3は、例えば、800mm以上であってもよく、1000mm以上であってもよく、1200mm以上であってもよく、1400mm以上であってもよい。また、寸法L3は、例えば、1600mm以下であってもよく、1800mm以下であってもよく、2000mm以下であってもよく、2500mm以下であってもよい。寸法L3の範囲は、800mm、1000mm、1200mm及び1400mmからなる第1グループ、及び/又は、1600mm、1800mm、2000mm及び2500mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法L3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法L3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法L3の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、800mm以上2500mm以下であってもよく、800mm以上2000mm以下であってもよく、800mm以上1800mm以下であってもよく、800mm以上1600mm以下であってもよく、800mm以上1400mm以下であってもよく、800mm以上1200mm以下であってもよく、800mm以上1000mm以下であってもよく、1000mm以上2500mm以下であってもよく、1000mm以上2000mm以下であってもよく、1000mm以上1800mm以下であってもよく、1000mm以上1600mm以下であってもよく、1000mm以上1400mm以下であってもよく、1000mm以上1200mm以下であってもよく、1200mm以上2500mm以下であってもよく、1200mm以上2000mm以下であってもよく、1200mm以上1800mm以下であってもよく、1200mm以上1600mm以下であってもよく、1200mm以上1400mm以下であってもよく、1400mm以上2500mm以下であってもよく、1400mm以上2000mm以下であってもよく、1400mm以上1800mm以下であってもよく、1400mm以上1600mm以下であってもよく、1600mm以上2500mm以下であってもよく、1600mm以上2000mm以下であってもよく、1600mm以上1800mm以下であってもよく、1800mm以上2500mm以下であってもよく、1800mm以上2000mm以下であってもよく、2000mm以上2500mm以下であってもよい。
図4において、符号W3は、第1方向D1における第1桟部材43の寸法を、すなわち第1桟部材43の幅を表す。寸法W3は、例えば、1mm以上であってもよく、3mm以上であってもよく、5mm以上であってもよく、7mm以上であってもよい。また、寸法W3は、例えば、10mm以下であってもよく、15mm以下であってもよく、20mm以下であってもよく、30mm以下であってもよい。寸法W3の範囲は、1mm、3mm、5mm及び7mmからなる第1グループ、及び/又は、10mm、15mm、20mm及び30mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法W3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法W3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法W3の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、1mm以上30mm以下であってもよく、1mm以上20mm以下であってもよく、1mm以上15mm以下であってもよく、1mm以上10mm以下であってもよく、1mm以上7mm以下であってもよく、1mm以上5mm以下であってもよく、1mm以上3mm以下であってもよく、3mm以上30mm以下であってもよく、3mm以上20mm以下であってもよく、3mm以上15mm以下であってもよく、3mm以上10mm以下であってもよく、3mm以上7mm以下であってもよく、3mm以上5mm以下であってもよく、5mm以上30mm以下であってもよく、5mm以上20mm以下であってもよく、5mm以上15mm以下であってもよく、5mm以上10mm以下であってもよく、5mm以上7mm以下であってもよく、7mm以上30mm以下であってもよく、7mm以上20mm以下であってもよく、7mm以上15mm以下であってもよく、7mm以上10mm以下であってもよく、10mm以上30mm以下であってもよく、10mm以上20mm以下であってもよく、10mm以上15mm以下であってもよく、15mm以上30mm以下であってもよく、15mm以上20mm以下であってもよく、20mm以上30mm以下であってもよい。
図7は、図4のマスク装置40のVII-VII線に沿った断面図である。図7に示すように、マスク50は、第1方向D1において張力Tを加えられた状態で、第1フレーム面41aの側において第2辺領域412に固定されていてもよい。マスク50に張力を加えることにより、マスク50の自重などに起因してマスク50に生じる下方への撓みの量を低減することができる。
マスク50を下方から支持する第1桟部材43は、図7に示すようにマスク50の第2面55bに接していてもよい。若しくは、第1桟部材43は、その他の部材を介してマスク50を間接的に下方から支持していてもよい。
図8は、図4のマスク装置40のVIII-VIII線に沿った断面図である。図8に示すように、第1桟部材43は、下方に撓んでいてもよい。撓みは、第2方向D2における第1桟部材43の中央において最も大きくなっていてもよい。第1桟部材43のこのような撓みは、第1桟部材43の自重、第1桟部材43がマスク50から受ける力などに起因して生じ得る。
次に、マスク装置40のマスク50、フレーム41及び第1桟部材43の材料について説明する。マスク50、フレーム41及び第1桟部材43の主要な材料としては、ニッケルを含む鉄合金を用いることができる。鉄合金は、ニッケルに加えてコバルトを更に含んでいてもよい。例えば、マスク50の金属板55の材料として、ニッケル及びコバルトの含有量が合計で28質量%以上且つ54質量%以下であり、且つコバルトの含有量が0質量%以上且つ6質量%以下である鉄合金を用いることができる。これにより、マスク50、フレーム41及び第1桟部材43の熱膨張係数と、ガラスを含む基板110の熱膨張係数との差を小さくすることができる。このため、基板110上に形成される蒸着層130の寸法精度や位置精度が、マスク50、フレーム41、第1桟部材43、基板110などの熱膨張に起因して低下することを抑制することができる。
金属板55におけるニッケル及びコバルトの含有量は、合計で28質量%以上且つ38質量%以下であってもよい。この場合、ニッケル若しくはニッケル及びコバルトを含む鉄合金の具体例としては、インバー材、スーパーインバー材、ウルトラインバー材などを挙げることができる。インバー材は、34質量%以上且つ38質量%以下のニッケルと、残部の鉄及び不可避の不純物とを含む鉄合金である。スーパーインバー材は、30質量%以上且つ34質量%以下のニッケルと、コバルトと、残部の鉄及び不可避の不純物と含む鉄合金である。ウルトラインバー材は、28質量%以上且つ34質量%以下のニッケルと、2質量%以上且つ7質量%以下のコバルトと、0.1質量%以上且つ1.0質量%以下のマンガンと、0.10質量%以下のシリコンと、0.01質量%以下の炭素と、残部の鉄及び不可避の不純物とを含む鉄合金である。
金属板55におけるニッケル及びコバルトの含有量は、合計で38質量%以上且つ54質量%以下であってもよい。この場合、ニッケル若しくはニッケル及びコバルトを含む鉄合金の具体例としては、低熱膨張Fe-Ni系めっき合金などを挙げることができる。低熱膨張Fe-Ni系めっき合金は、38質量%以上且つ54質量%以下のニッケルと、残部の鉄及び不可避の不純物とを含む鉄合金である。
なお蒸着処理の際に、マスク50、フレーム41、第1桟部材43および基板110の温度が高温には達しない場合は、マスク50、フレーム41及び第1桟部材43の熱膨張係数を、基板110の熱膨張係数と同等の値にする必要は特にない。この場合、マスク50を構成する材料として、上述の鉄合金以外の材料を用いてもよい。例えば、クロムを含む鉄合金など、上述のニッケルを含む鉄合金以外の鉄合金を用いてもよい。クロムを含む鉄合金としては、例えば、いわゆるステンレスと称される鉄合金を用いることができる。また、ニッケルやニッケル-コバルト合金など、鉄合金以外の合金を用いてもよい。
マスク50の金属板55の厚みT1は、例えば、8μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、13μm以上であってもよく、15μm以上であってもよい。また、金属板55の厚みT1は、例えば、20μm以下であってもよく、30μm以下であってもよく、40μm以下であってもよく、50μm以下であってもよい。金属板55の厚みT1の範囲は、8μm、10μm、13μm及び15μmからなる第1グループ、及び/又は、20μm、30μm、40μm及び50μmからなる第2グループによって定められてもよい。金属板55の厚みT1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。金属板55の厚みT1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。金属板55の厚みT1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、8μm以上50μm以下であってもよく、8μm以上40μm以下であってもよく、8μm以上30μm以下であってもよく、8μm以上20μm以下であってもよく、8μm以上15μm以下であってもよく、8μm以上13μm以下であってもよく、8μm以上10μm以下であってもよく、10μm以上50μm以下であってもよく、10μm以上40μm以下であってもよく、10μm以上30μm以下であってもよく、10μm以上20μm以下であってもよく、10μm以上15μm以下であってもよく、10μm以上13μm以下であってもよく、13μm以上50μm以下であってもよく、13μm以上40μm以下であってもよく、13μm以上30μm以下であってもよく、13μm以上20μm以下であってもよく、13μm以上15μm以下であってもよく、15μm以上50μm以下であってもよく、15μm以上40μm以下であってもよく、15μm以上30μm以下であってもよく、15μm以上20μm以下であってもよく、20μm以上50μm以下であってもよく、20μm以上40μm以下であってもよく、20μm以上30μm以下であってもよく、30μm以上50μm以下であってもよく、30μm以上40μm以下であってもよく、40μm以上50μm以下であってもよい。
金属板55の厚みT1を50μm以下にすることにより、蒸着材料7のうち、貫通孔56を通過する前に貫通孔56の壁面に引っ掛かる蒸着材料7の比率を小さくすることができる。これにより、蒸着材料7の利用効率を高めることができる。また、金属板55の厚みT1を8μm以上にすることにより、マスク50の強度を確保し、マスク50に損傷や変形が生じることを抑制することができる。
フレーム41の厚みT2は、例えば、5mm以上であってもよく、10mm以上であってもよく、15mm以上であってもよく、20mm以上であってもよい。また、フレーム41の厚みT2は、例えば、25mm以下であってもよく、30mm以下であってもよく、35mm以下であってもよく、40mm以下であってもよい。フレーム41の厚みT2の範囲は、5mm、10mm、15mm及び20mmからなる第1グループ、及び/又は、25mm、30mm、35mm及び40mmからなる第2グループによって定められてもよい。フレーム41の厚みT2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。フレーム41の厚みT2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。フレーム41の厚みT2の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、5mm以上40mm以下であってもよく、5mm以上35mm以下であってもよく、5mm以上30mm以下であってもよく、5mm以上25mm以下であってもよく、5mm以上20mm以下であってもよく、5mm以上15mm以下であってもよく、5mm以上10mm以下であってもよく、10mm以上40mm以下であってもよく、10mm以上35mm以下であってもよく、10mm以上30mm以下であってもよく、10mm以上25mm以下であってもよく、10mm以上20mm以下であってもよく、10mm以上15mm以下であってもよく、15mm以上40mm以下であってもよく、15mm以上35mm以下であってもよく、15mm以上30mm以下であってもよく、15mm以上25mm以下であってもよく、15mm以上20mm以下であってもよく、20mm以上40mm以下であってもよく、20mm以上35mm以下であってもよく、20mm以上30mm以下であってもよく、20mm以上25mm以下であってもよく、25mm以上40mm以下であってもよく、25mm以上35mm以下であってもよく、25mm以上30mm以下であってもよく、30mm以上40mm以下であってもよく、30mm以上35mm以下であってもよく、35mm以上40mm以下であってもよい。
フレーム41の厚みT2を5mm以上にすることにより、フレーム41に撓みなどの変形が生じることを抑制することができる。また、フレーム41の厚みT2を40mm以下にすることにより、フレーム41の重量が過剰に大きくなることを抑制することができる。これにより、フレーム41のハンドリング性を高めることができる。例えば、小型のリフターを用いてフレーム41を搬送することができる。
第1桟部材43の厚みT3は、例えば、50μm以上であってもよく、100μm以上であってもよく、200μm以上であってもよく、300μm以上であってもよい。また、第1桟部材43の厚みT3は、例えば、500μm以下であってもよく、700μm以下であってもよく、1mm以下であってもよく、10mm以下であってもよい。第1桟部材43の厚みT3の範囲は、50μm、100μm、200μm及び300μmからなる第1グループ、及び/又は、500μm、700μm、1mm及び10mmからなる第2グループによって定められてもよい。第1桟部材43の厚みT3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。第1桟部材43の厚みT3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。第1桟部材43の厚みT3の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、50μm以上10mm以下であってもよく、50μm以上1mm以下であってもよく、50μm以上700μm以下であってもよく、50μm以上500μm以下であってもよく、50μm以上300μm以下であってもよく、50μm以上200μm以下であってもよく、50μm以上100μm以下であってもよく、100μm以上10mm以下であってもよく、100μm以上1mm以下であってもよく、100μm以上700μm以下であってもよく、100μm以上500μm以下であってもよく、100μm以上300μm以下であってもよく、100μm以上200μm以下であってもよく、200μm以上10mm以下であってもよく、200μm以上1mm以下であってもよく、200μm以上700μm以下であってもよく、200μm以上500μm以下であってもよく、200μm以上300μm以下であってもよく、300μm以上10mm以下であってもよく、300μm以上1mm以下であってもよく、300μm以上700μm以下であってもよく、300μm以上500μm以下であってもよく、500μm以上10mm以下であってもよく、500μm以上1mm以下であってもよく、500μm以上700μm以下であってもよく、700μm以上10mm以下であってもよく、700μm以上1mm以下であってもよく、1mm以上10mm以下であってもよい。
金属板55の厚みT1、フレーム41の厚みT2及び第1桟部材43の厚みT3を測定する方法としては、接触式の測定方法を採用する。接触式の測定方法としては、ボールブッシュガイド式のプランジャーを備える、ハイデンハイン社製の長さゲージHEIDENHAIM-METROの「MT1271」を用いる。
ところで、図8のように第1桟部材43が下方に撓んでいる場合、第1桟部材43の各領域には、水平方向に対する傾斜が生じ得る。水平方向に対する第1桟部材43の傾斜角度θは、図8に示すように、第1辺領域411に近づくにつれて大きくなり易い。
第1桟部材43が水平方向に対して傾斜している場合、第1桟部材43によって下方から支持されているマスク50には、マスク50の自重及び第1桟部材43の傾斜に起因する力が生じ得る。例えば図8において符号F1で示すように、第2方向D2において中央に位置するマスク50と第1辺領域411との間に位置するマスク50には、第1桟部材43に沿って中央の側に向かう力F1が生じ得る。このような力F1は、第1桟部材43の傾斜角度θが大きいほど大きくなり得る。このため、複数のマスク50のうち第2方向D2においてフレーム41の第1辺領域411に隣接するマスク50は、第1桟部材43に沿って中央の側に向かう力F1の影響を受けやすい。
以下の説明において、第2方向D2において一方の第1辺領域411に隣接するマスク50のことを第1マスク50Aとも称する。また、第2方向D2において他方の第1辺領域411に隣接するマスク50のことを第2マスク50Bとも称する。また、第2方向D2において中央に位置するマスク50のことを第3マスク50Cとも称する。
第1マスク50A及び第2マスク50Bは、第3マスク50Cに比べて、第1桟部材43の傾斜に起因する上述の力F1の影響を受けやすい。例えば、第1マスク50A及び第2マスク50Bは、力F1に起因して第1桟部材43に沿って変位し得る。このような変位は、第1マスク50A及び第2マスク50Bのうち、フレーム41に固定されている耳部51から離れている領域において生じ易い。例えば、変位は、第1マスク50A及び第2マスク50Bのうち、第1方向D1における中央に位置する領域において生じ易い。
図9は、図4において符号IXが付された点線で囲まれた範囲におけるマスク装置の一例を拡大して示す平面図である。図9には、第1マスク50Aのうち第1方向D1における中央に位置する領域が拡大して示されている。図9において符号M1で示すように、第1マスク50Aには、第2方向D2における第1桟部材43の中央に向かう方向において、第1桟部材43に沿った変位が生じ得る。変位が生じると、第1マスク50Aの貫通孔56の位置が、蒸着工程の際の貫通孔56の理想的な位置からずれることがある。以下の説明において、貫通孔56の理想的な位置のことを設計位置とも称する。
図10は、図4において符号Xが付された点線で囲まれた範囲におけるマスク装置の一例を拡大して示す平面図である。図10には、第2マスク50Bのうち第1方向D1における中央に位置する領域が拡大して示されている。図10において符号M2で示すように、第2マスク50Bには、第2方向D2における第1桟部材43の中央に向かう方向において、第1桟部材43に沿った変位が生じ得る。このため、第1マスク50Aの場合と同様に、第2マスク50Bの貫通孔56の位置が設計位置からずれることがある。
図11は、図9に示す第1マスク50A及び図10に示す第2マスク50Bを含むマスク装置40を用いて形成した蒸着層130の一例を示す断面図である。図11において右側に位置する蒸着層130は、第1マスク50Aの貫通孔56を通って基板110に付着した蒸着材料によって形成されている。図11において左側に位置する蒸着層130は、第2マスク50Bの貫通孔56を通って基板110に付着した蒸着材料によって形成されている。図11において中央に位置する蒸着層130は、第3マスク50Cの貫通孔56を通って基板110に付着した蒸着材料によって形成されている。
図11において、符号PA、PB及びPCが付された点線はそれぞれ、理想的な位置にある場合の第1マスク50A、第2マスク50B及び第3マスク50Cの貫通孔56の中心を表している。また、符号CA、CB及びCCが付された一点鎖線は、図9及び図10に示すような変位が生じている場合の、第1マスク50A、第2マスク50B及び第3マスク50Cの貫通孔56の中心を表している。また、符号ΔA、ΔB及びΔCは、中心PA、PB及びPCと中心CA、CB及びCCとの間の第2方向D2における距離を表している。
図9に示す変位M1が第1マスク50Aに生じると、図11に示すように、第1マスク50Aの貫通孔56の中心CAが、理想的な中心PAよりも第3マスク50C側にずれる。この結果、第1マスク50Aの貫通孔56に基づいて形成される蒸着層130の位置が、基板110上の第1電極層120や絶縁層160の位置に対してずれることがある。このような蒸着層130の位置のずれのことを、ピクセル位置精度とも称する。第1マスク50Aの貫通孔56の位置が理想からΔAずれると、ピクセル位置精度もΔAだけ低下し得る。
図10に示す変位M2が第2マスク50Bに生じると、図11に示すように、第2マスク50Bの貫通孔56の中心CBが、理想的な中心PBよりも第3マスク50C側にずれる。この結果、第2マスク50Bの貫通孔56に基づいて形成される蒸着層130の位置が、基板110上の第1電極層120や絶縁層160の位置に対してずれることがある。第2マスク50Bの貫通孔56の位置が理想からΔBずれると、ピクセル位置精度もΔBだけ低下し得る。
このような課題を考慮し、本開示の形態においては、図9及び図10に示すような第1桟部材43に沿った変位がマスク50に生じることを抑制するように、第1方向D1においてマスク50に加える張力Tを調整することを提案する。鋭意研究を行ったところ、後述する実施例によってサポートされるように、比T/S〔N/mm〕を適切に調整することが有効であることを見出した。具体的には、比T/S〔N/mm〕を13.0以上にすることにより、第1桟部材43に沿った1.0μm以上の変位がマスク50に生じることを効果的に抑制できることを見出した。Sは、第1方向D1に直交するマスク50の断面の断面積〔mm〕である。Tは、第1方向D1においてマスク50に加えられている張力〔N〕である。一般に、架張溶接機の位置精度は1.0μmである。架張溶接機とは、マスク50に張力を加えた状態でマスク50をフレーム41に溶接する装置である。架張溶接機の位置精度とは、架張溶接機に起因してマスク50の特定の貫通孔56に生じる位置の誤差の最大値である。比T/S〔N/mm〕を13.0以上にすることにより、第1桟部材43に沿ってマスク50に生じる変位が架張溶接機の位置精度を超えることを抑制できる。
上述のように、第1桟部材43に沿ったマスク50の変位は、第2方向D2において中央に位置する第3マスク50Cに比べて、第2方向D2において第1辺領域411に隣接する第1マスク50A及び第2マスク50Bにおいて生じ易い。この点を考慮し、マスク装置40において、第1方向D1において第1マスク50A及び第2マスク50Bに加えられている張力は、第1方向D1において第3マスク50Cに加えられている張力よりも大きくてもよい。また、第1マスク50A及び第2マスク50Bにおける上述の比T/S〔N/mm〕は、第3マスク50Cにおける比T/S〔N/mm〕よりも大きくてもよい。
一方、マスク50に加えられている張力Tが大きくなり過ぎると、基板110と組み合わされていない状態のマスク50において、平面視において第1方向D1に沿って延びるシワが生じることがある。図12~図15は、第1方向D1においてマスク50に加える張力Tと、マスク50に生じるシワ57との関係の一例を示す断面図である。
図12は、第1方向D1において張力Tが加えられていない状態のマスク50の、第2方向D2に沿った断面図の一例である。マスク50の第2面55b側の第2凹部562の寸法r2が第1面55a側の第1凹部561の寸法r1よりも大きい場合、図12に示すように、第2方向D2の全域にわたって第1面55a側に凸となるような変形がマスク50に生じ易い。
図13~図15は、第1方向D1において張力Tが加えられている状態のマスク50の、第2方向D2に沿った断面図の一例である。図14に示すマスク50に加えられている張力Tは、図13に示すマスク50に加えられている張力Tよりも大きい。また、図15に示すマスク50に加えられている張力Tは、図14に示すマスク50に加えられている張力Tよりも大きい。図13~図15に示すように、第1方向D1においてマスク50に張力Tが加えられると、マスク50の第1面55a側に凸となっているシワ57が生じることがある。また、第1方向D1においてマスク50に加えられる張力が増加するにつれて、シワ57の高さHが増加することがある。
張力Tとシワ57の高さHとの関係を考慮すると、後述する実施例によってサポートされるように、比T/S〔N/mm〕を50.0以下にすることが好ましい。これにより、マスク50のシワ57の高さを150μm以下に低減できる。このため、基板110からの押圧力によってシワ57が変形する場合に、マスク50の貫通孔56の位置が設計位置からずれてしまうことを抑制することができる。また、シワ57に起因してマスク50と基板110との間に隙間が形成されることを抑制できるので、蒸着工程においてシャドーが発生することを抑制できる。
第1マスク50A及び第2マスク50Bに加えられている張力が第3マスク50Cに加えられている張力よりも大きい場合、第1マスク50A及び第2マスク50Bに生じているシワ57の高さが、第3マスク50Cに生じているシワ57の高さよりも大きくなり得る。基板110と組み合わされていない状態のマスク50のシワ57の高さは、マスク50の第1面55aの法線方向における第1面55aの各領域の位置を、レーザー変位計を用いて測定することによって算出することができる。レーザー変位計としては、キーエンス社製のLK-G85を用いることができる。
比T/S〔N/mm〕は、例えば、13.0以上であってもよく、16.0以上であってもよく、19.0以上であってもよく、20.0以上であってもよい。また、比T/S〔N/mm〕は、例えば、50.0以下であってもよく、45.0以下であってもよく、25.0以下であってもよく、21.0以下であってもよい。比T/S〔N/mm〕の範囲は、13.0、16.0、19.0及び20.0からなる第1グループ、及び/又は、50.0、45.0、25.0及び21.0からなる第2グループによって定められてもよい。比T/S〔N/mm〕の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。比T/S〔N/mm〕の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。比T/S〔N/mm〕の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、13.0以上21.0以下であってもよく、13.0以上25.0以下であってもよく、13.0以上45.0以下であってもよく、13.0以上50.0以下であってもよく、13.0以上20.0以下であってもよく、13.0以上19.0以下であってもよく、13.0以上16.0以下であってもよく、16.0以上21.0以下であってもよく、16.0以上25.0以下であってもよく、16.0以上45.0以下であってもよく、16.0以上50.0以下であってもよく、16.0以上20.0以下であってもよく、16.0以上19.0以下であってもよく、19.0以上21.0以下であってもよく、19.0以上25.0以下であってもよく、19.0以上45.0以下であってもよく、19.0以上50.0以下であってもよく、19.0以上20.0以下であってもよく、20.0以上21.0以下であってもよく、20.0以上25.0以下であってもよく、20.0以上45.0以下であってもよく、20.0以上50.0以下であってもよく、50.0以上21.0以下であってもよく、50.0以上25.0以下であってもよく、50.0以上45.0以下であってもよく、45.0以上21.0以下であってもよく、45.0以上25.0以下であってもよく、25.0以上21.0以下であってもよい。
第3マスク50Cの張力に対する第1マスク50A及び第2マスク50Bの張力の比は、例えば、1.01以上であってもよく、1.02以上であってもよく、1.03以上であってもよく、1.05以上であってもよい。また、第3マスク50Cの張力に対する第1マスク50A及び第2マスク50Bの張力の比は、例えば、1.10以下であってもよく、1.20以下であってもよく、1.30以下であってもよく、1.50以下であってもよい。第3マスク50Cの張力に対する第1マスク50A及び第2マスク50Bの張力の比の範囲は、1.01、1.02、1.03及び1.05からなる第1グループ、及び/又は、1.10、1.20、1.30及び1.50からなる第2グループによって定められてもよい。第3マスク50Cの張力に対する第1マスク50A及び第2マスク50Bの張力の比の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。第3マスク50Cの張力に対する第1マスク50A及び第2マスク50Bの張力の比の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。第3マスク50Cの張力に対する第1マスク50A及び第2マスク50Bの張力の比の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、1.01以上1.50以下であってもよく、1.01以上1.30以下であってもよく、1.01以上1.20以下であってもよく、1.01以上1.10以下であってもよく、1.01以上1.05以下であってもよく、1.01以上1.03以下であってもよく、1.01以上1.02以下であってもよく、1.02以上1.50以下であってもよく、1.02以上1.30以下であってもよく、1.02以上1.20以下であってもよく、1.02以上1.10以下であってもよく、1.02以上1.05以下であってもよく、1.02以上1.03以下であってもよく、1.03以上1.50以下であってもよく、1.03以上1.30以下であってもよく、1.03以上1.20以下であってもよく、1.03以上1.10以下であってもよく、1.03以上1.05以下であってもよく、1.05以上1.50以下であってもよく、1.05以上1.30以下であってもよく、1.05以上1.20以下であってもよく、1.05以上1.10以下であってもよく、1.10以上1.50以下であってもよく、1.10以上1.30以下であってもよく、1.10以上1.20以下であってもよく、1.20以上1.50以下であってもよく、1.20以上1.30以下であってもよく、1.30以上1.50以下であってもよい。
第3マスク50Cのシワ57の高さに対する第1マスク50A及び第2マスク50Bのシワ57の高さの比は、例えば、1.01以上であってもよく、1.02以上であってもよく、1.03以上であってもよく、1.05以上であってもよい。また、第3マスク50Cのシワ57の高さに対する第1マスク50A及び第2マスク50Bのシワ57の高さの比は、例えば、1.10以下であってもよく、1.20以下であってもよく、1.30以下であってもよく、1.50以下であってもよい。第3マスク50Cのシワ57の高さに対する第1マスク50A及び第2マスク50Bのシワ57の高さの比の範囲は、1.01、1.02、1.03及び1.05からなる第1グループ、及び/又は、1.10、1.20、1.30及び1.50からなる第2グループによって定められてもよい。第3マスク50Cのシワ57の高さに対する第1マスク50A及び第2マスク50Bのシワ57の高さの比の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。第3マスク50Cのシワ57の高さに対する第1マスク50A及び第2マスク50Bのシワ57の高さの比の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。第3マスク50Cのシワ57の高さに対する第1マスク50A及び第2マスク50Bのシワ57の高さの比の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、1.01以上1.50以下であってもよく、1.01以上1.30以下であってもよく、1.01以上1.20以下であってもよく、1.01以上1.10以下であってもよく、1.01以上1.05以下であってもよく、1.01以上1.03以下であってもよく、1.01以上1.02以下であってもよく、1.02以上1.50以下であってもよく、1.02以上1.30以下であってもよく、1.02以上1.20以下であってもよく、1.02以上1.10以下であってもよく、1.02以上1.05以下であってもよく、1.02以上1.03以下であってもよく、1.03以上1.50以下であってもよく、1.03以上1.30以下であってもよく、1.03以上1.20以下であってもよく、1.03以上1.10以下であってもよく、1.03以上1.05以下であってもよく、1.05以上1.50以下であってもよく、1.05以上1.30以下であってもよく、1.05以上1.20以下であってもよく、1.05以上1.10以下であってもよく、1.10以上1.50以下であってもよく、1.10以上1.30以下であってもよく、1.10以上1.20以下であってもよく、1.20以上1.50以下であってもよく、1.20以上1.30以下であってもよく、1.30以上1.50以下であってもよい。
フレーム41の第2辺領域412に固定されている状態のマスク50に第1方向D1において加えられている張力Tを算出する方法について説明する。第1方向D1においてマスク50に張力Tが加えられている場合、第2辺領域412は、張力Tとは反対の方向において反力を受けている。これにより、図4に示すように、第2辺領域412は、開口42に向かって凸となるように弾性的に変形することがある。第2辺領域412が弾性的に変形すると、第2辺領域412には、第1方向D1において開口42から遠ざかる向きにおいて復元力が生じる。第2辺領域412が静止している状態において、第2辺領域412に生じる復元力は、第2辺領域412からマスク50に加えられている張力Tと釣り合うことができる。また、第2辺領域412に生じる復元力は、第2辺領域412に生じている変形に対応している。従って、第2辺領域412に生じている変形に基づいて復元力を算出することにより、第2辺領域412からマスク50に加えられている張力Tを算出することができる。
第2辺領域412に生じている変形に基づいて復元力を算出する方法としては、例えば有限要素法を用いることができる。有限要素法は、フレーム41を複数の小領域に分割し、各領域において応力と変位の関係を近似的に求める方法である。有限要素法を実行するためのソフトウェアとしては、例えばADINA R&D社 (米)製のADINAを用いることができる。
第1方向D1に直交するマスク50の断面の断面積Sを算出する方法について、図16を参照して説明する。断面積Sにおいては、マスク50の断面積が、貫通孔56の分だけ金属板55の断面積よりも小さくなっていることが考慮されている。図16は、マスク50からサンプルを取り出す様子を示す平面図である。
まず、図16に示すように、マスク50の一部を打ち抜くことにより、第1サンプル61及び第2サンプル62を作製する。第1サンプル61は、マスク50のうち貫通孔56が形成されている領域を、例えば有効領域53を打ち抜くことによって作製される。第2サンプル62は、マスク50のうち貫通孔56が形成されていない領域を、例えば耳部51を打ち抜くことによって作製される。第1サンプル61及び第2サンプル62はいずれも、平面視において、20mmの直径を有する円形である。
続いて、第1サンプル61の重量Y1及び第2サンプル62の重量Y2を測定する。また、第2サンプル62の厚みZ2を測定する。また、マスク50の幅W3を測定する。第2サンプル62の厚みZ2を測定する測定器としては、ハイデンハイン社製の長さゲージHEIDENHAIM-METROの「MT1271」を用いることができる。マスク50の幅W3を測定する測定器としては、新東Sプレシジョン株式会社製のAMIC-1100を用いることができる。
図16に示すように、複数の第1サンプル61をマスク50から取り出してもよい。この場合、複数の第1サンプル61の重量を測定し、それらの平均値を重量Y1として採用してもよい。第2サンプル62についても同様である。すなわち、複数の第2サンプル62の測定結果の平均値を、重量Y2、厚みZ2などとして採用してもよい。マスク50の幅W3についても同様である。
第1方向D1に直交するマスク50の断面の断面積Sは、下記の式により算出される。
S=(Y1/Y2)×Z2×W1
次に、上述のマスク装置40を製造する方法について説明する。図17は、マスク装置40を製造する方法の一例を示す平面図である。
まず、フレーム41を準備する。続いて、第2方向D2において第1桟部材43に張力を加えた状態で、第1桟部材43をフレーム41の第1辺領域411に固定してもよい。例えば、第1桟部材43の端部を第1辺領域411に溶接してもよい。これによって、図17に示すように、フレーム41及び第1桟部材43を備える支持構造体48を準備することができる。
続いて、クランプ71によって第1マスク50Aなどのマスク50の耳部51を掴み、クランプ71が第1方向D1においてマスク50に張力Tを加えた状態で、マスク50をフレーム41の第1フレーム面41a上に位置付けてもよい。この時、マスク50は、フレーム41の第1フレーム面41aに接していてもよく、接していなくてもよい。
1つの耳部51に固定されるクランプ71の数は、1であってもよく、2以上であってもよい。例えば図17に示すように、一方の耳部51の第1端501側の領域及び第2端502側の領域にそれぞれクランプ71が固定されていてもよい。第1端501及び第2端502は、第2方向D2におけるマスク50の一方の端及び他方の端である。複数のクランプ71が1つの耳部51に固定されている場合、マスク50に加えられる張力Tは、複数のクランプ71がマスク50に加える張力の合計である。
続いて、フレーム41に対するマスク50の位置を調整する調整工程を実施してもよい。調整工程は、フレーム41の例えばアライメントマーク45に対するマスク50の位置を検出する検出工程を含んでいてもよい。また、調整工程は、マスク50の現実の位置とマスク50の理想的な位置との差が小さくなるようにクランプ71の位置や張力Tを制御する制御工程を含んでいてもよい。
続いて、第1方向D1に張力Tを加えた状態で、第1フレーム面41aの側においてマスク50を第2辺領域412に固定する固定工程を実施してもよい。この際、マスク50の断面積Sに対する、マスク50に加えられる張力Tとの比T/S〔N/mm〕は、4.0以上12.0以下であってもよい。クランプ71がマスク50に加える張力Tは、KPS社製の架張溶接機によって設定される。
固定工程においては、耳部51にレーザー光を照射して耳部51の一部を溶融させることにより、耳部51をフレーム41に溶接してもよい。図17において、符号59は、耳部51のうちフレーム41に溶接されている溶接領域を表している。
固定工程においては、図17において符号Gで示すように、第1方向D1において開口42の側に向かう調整力Gを第2辺領域412に加えてもよい。調整力Gを第2辺領域412に加えることにより、第2辺領域412を第1方向D1において開口42側に変形させることができる。これにより、マスク50が固定される前の状態の第2辺領域412に上述の復元力を生じさせることができる。好ましくは、調整力Gは、第2辺領域412に生じる復元力と、マスク50が第2辺領域412に固定された後に第2辺領域412がマスク50に加える張力Tとが釣り合うように調整される。これにより、マスク50が固定されて調整力Gが取り除かれた後に第2辺領域412が変位することを抑制することができる。
複数のマスク50をフレーム41に固定する順序は任意である。例えば図17に示すように、はじめに、第2方向D2において第1辺領域411に隣接する第1マスク50A及び第2マスク50Bをフレーム41に固定してもよい。その後、第2方向D2において第1マスク50A及び第2マスク50Bよりも中央側に位置するマスク50を順にフレーム41に固定してもよい。最後に、第2方向D2において中央に位置する第3マスク50Cをフレーム41に固定してもよい。
若しくは、はじめに、第2方向D2において中央に位置する第3マスク50Cをフレーム41に固定してもよい。次に、第2方向D2において第3マスク50Cの近くに位置するマスク50を順にフレーム41に固定してもよい。図18に示すように、最後に、第2方向D2において第1辺領域411に隣接する第1マスク50A及び第2マスク50Bをフレーム41に固定してもよい。
固定工程において、第1方向D1において第1マスク50A及び第2マスク50Bに加えられる張力が、第1方向D1において第3マスク50Cに加えられる張力よりも大きくてもよい。これにより、マスク50がフレーム41の第2辺領域412に固定されている状態において、第1マスク50A及び第2マスク50Bに加えられている張力を、第3マスク50Cに加えられている張力よりも大きくすることができる。
マスク50の耳部51をフレーム41の第2辺領域412の第1フレーム面41aに固定した後、耳部51のうち溶接領域59よりも外側に位置する領域を部分的に除去してもよい。「外側」とは、フレーム41の開口42から遠ざかる側である。
本開示のマスク装置40の製造方法においては、上述のとおり、固定工程において、マスク50の断面積Sに対する、マスク50に加えられる張力Tとの比T/S〔N/mm〕を13.0以上50.0以下にする。比T/S〔N/mm〕を13.0以上にすることにより、第1桟部材43に沿った変位に起因してマスク50の貫通孔56の位置が設計位置からずれてしまうことを抑制することができる。また、比T/S〔N/mm〕を50.0以下にすることにより、シワ57に起因してマスク50の貫通孔56の位置が設計位置からずれてしまうことを抑制することができる。
固定工程において、上述の比T/S〔N/mm〕は、全てのマスク50において13.0以上50.0以下になっていてもよく、一部のマスク50において13.0以上50.0以下になっていてもよい。例えば、第1マスク50A及び第2マスク50Bにおいては比T/S〔N/mm〕が13.0以上50.0以下の範囲内であり、第3マスク50Cにおいては比T/S〔N/mm〕が13.0以上50.0以下の範囲外であってもよい。
次に、マスク装置40を備える蒸着装置10を利用して有機デバイス100を製造する方法について説明する。
まず、第1電極層120及び絶縁層160などの層が形成されている基板110を準備する。また、基板110を蒸着装置10の内部に搬入する。基板110を蒸着装置10の内部に搬入する前に、基板110に洗浄などの前処理が施されてもよい。
続いて、マスク装置40のマスク50の貫通孔56を介して有機材料を基板110に蒸着させる蒸着工程を実施する。これにより、基板110上に蒸着層130を形成することができる。
蒸着工程においては、マスク装置40と基板110とを組み合わせる工程を実施してもよい。例えば図19に示すように、基板110をマスク装置40のマスク50に向けて移動させて、基板110の第1面111を部分的にマスク50の第1面55aに接触させてもよい。
マスク50が、第1面55a側に凸となるシワ57を含んでいる場合、シワ57が基板110の第1面111に接触することがある。マスク50のシワ57は、基板110からの押圧力を受ける。この結果、シワ57の高さが減少するようにシワ57が変形することができる。また、蒸着装置10が磁石5を備える場合、磁石5が磁力によってマスク50を基板110側に引き寄せることにより、シワ57の高さが減少するようにシワ57が変形することもできる。シワ57の高さが減少することにより、シワ57に起因してマスク50の貫通孔56の位置が設計位置からずれてしまうことを抑制することができる。
図20は、基板110と組み合わされている状態のマスク装置40の第1マスク50A、第2マスク50B及び第3マスク50Cの一部を示す断面図である。本開示の形態によれば、上述の比T/S〔N/mm〕が13.0以上50.0以下であることにより、マスク50の貫通孔56の位置が設計位置からずれてしまうことを抑制することができる。すなわち、図20に示すように、ΔA、ΔB及びΔCを低減することができる。これにより、貫通孔56を介して基板110に蒸着される蒸着材料によって構成される蒸着層130の位置精度を高くすることができる。
蒸着層130の位置精度が高いことによる利点の例について説明する。図20に示すように有機デバイス100が絶縁層160を備える場合、基板110の面方向における絶縁層160の寸法は、蒸着工程における蒸着層130の位置精度に基づいて設定されてもよい。例えば、蒸着層130の位置精度が高いほど、絶縁層160の寸法が小さく設定されてもよい。有機デバイス100の画素密度が一定である場合、絶縁層160の寸法が小さいほど、第1電極層120や蒸着層130の面積を大きくすることができる。これにより、有機デバイス100の駆動効率を高くすることができ、有機デバイス100の寿命を長くすることができる。
なお、上述した一実施形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、その他の実施形態について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した一実施形態と同様に構成され得る部分について、上述の一実施形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した一実施形態において得られる作用効果がその他の実施形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
上述の実施の形態においては、マスク50の有効領域53を囲む周囲領域54が貫通孔56を含まない例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図21に示すように、周囲領域54が貫通孔56を含んでいてもよい。この場合、有効領域53は、図21に示すように、第1方向D1においてマスク装置40の第1桟部材43の間に位置する貫通孔56を含む領域として画定されてもよい。
図22は、マスク装置40の一例を示す平面図である。図22に示すように、マスク装置40の支持構造体48は、フレーム41の第1フレーム面41aの側において一対の第2辺領域412に固定されている第2桟部材44を備えていてもよい。第2桟部材44は、開口42を横切るように第1方向D1に延びていてもよい。また、第2桟部材44は、平面視において、第2方向D2において隣り合う2つのマスク50の隙間に重なっていてもよい。第2桟部材44を設けることにより、2つのマスク50の間の隙間を通った蒸着材料が基板110に付着することを抑制することができる。
図23は、図22のマスク装置40からマスク50を取り除いた状態を示す平面図である。図23に示すように、第2桟部材44は、フレーム41の厚み方向において、フレーム41と第1桟部材43との間に位置していてもよい。図示はしないが、フレーム41の厚み方向において、第1桟部材43がフレーム41と第2桟部材44との間に位置していてもよい。
次に、本開示の実施形態を実施例により更に具体的に説明するが、本開示の実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(例1)
第1方向D1において張力Tを加えた状態でマスク50をフレーム41の一対の第2辺領域412に固定する固定工程を実施して、図4に示すマスク装置40を作製した。マスク装置40の構成要素の寸法は下記の通りである。
・マスク50の厚みT1:30μm
・マスク50の長さL1:1200mm
・マスク50の幅W1:72mm
・フレーム41の厚みT2:30mm
・第1桟部材43の厚みT3:100μm
・第1桟部材43の長さL3:1800mm
・第1桟部材43の幅W3:5.5mm
固定工程において、第1方向D1に直交するマスク50の断面の断面積S〔mm〕に対する張力T〔N〕の比T/S〔N/mm〕は12.0であった。
マスク装置40を用いて基板110に蒸着層130を形成する蒸着工程を実施した。続いて、第1マスク50Aの貫通孔56を通った蒸着材料によって形成された蒸着層130について、蒸着層130の現実の位置と設計位置との間の第2方向D2における差であるピクセル位置精度を測定した。測定器としては、新東Sプレシジョン株式会社製のAMIC-1100を用いた。結果、ピクセル位置精度は2.5μmであった。
(例2)
固定工程における比T/S〔N/mm〕が12.6であること以外は、例1の場合と同様にして、マスク装置40を作製した。また、マスク装置40を用いて基板110に蒸着層130を形成する蒸着工程を実施した。続いて、第1マスク50Aの貫通孔56を通った蒸着材料によって形成された蒸着層130について、ピクセル位置精度を測定した。結果、ピクセル位置精度は3.1μmであった。
(例3)
固定工程における比T/S〔N/mm〕が13.8であること以外は、例1の場合と同様にして、マスク装置40を作製した。また、マスク装置40を用いて基板110に蒸着層130を形成する蒸着工程を実施した。続いて、第1マスク50Aの貫通孔56を通った蒸着材料によって形成された蒸着層130について、ピクセル位置精度を測定した。結果、ピクセル位置精度は0.3μmであった。
(例4)
固定工程における比T/S〔N/mm〕が19.5であること以外は、例1の場合と同様にして、マスク装置40を作製した。また、マスク装置40を用いて基板110に蒸着層130を形成する蒸着工程を実施した。続いて、第1マスク50Aの貫通孔56を通った蒸着材料によって形成された蒸着層130について、ピクセル位置精度を測定した。結果、ピクセル位置精度は0.6μmであった。
(例5)
固定工程における比T/S〔N/mm〕が20.2であること以外は、例1の場合と同様にして、マスク装置40を作製した。また、マスク装置40を用いて基板110に蒸着層130を形成する蒸着工程を実施した。続いて、第1マスク50Aの貫通孔56を通った蒸着材料によって形成された蒸着層130について、ピクセル位置精度を測定した。結果、ピクセル位置精度は0.5μmであった。
例1~例5におけるT/Sとピクセル位置精度との関係を図24に示す。図24に示すように、固定工程における比T/S〔N/mm〕が13.0以上である例3~例5においては、ピクセル位置精度が1.0μm以下であった。一方、固定工程における比T/S〔N/mm〕が13.0未満である例1及び例2においては、ピクセル位置精度が2.0μm以上であった。
(例6)
固定工程における比T/S〔N/mm〕が20.6であること以外は、例1の場合と同様にして、マスク装置40を作製した。また、マスク装置40の第1マスク50Aに生じているシワの高さを測定した。結果、シワの高さは126μmであった。
(例7)
固定工程における比T/S〔N/mm〕が24.7であること以外は、例1の場合と同様にして、マスク装置40を作製した。また、マスク装置40の第1マスク50Aに生じているシワの高さを測定した。結果、シワの高さは141μmであった。
(例8)
固定工程における比T/S〔N/mm〕が43.9であること以外は、例1の場合と同様にして、マスク装置40を作製した。また、マスク装置40の第1マスク50Aに生じているシワの高さを測定した。結果、シワの高さは148μmであった。
(例9)
固定工程における比T/S〔N/mm〕が121.3であること以外は、例1の場合と同様にして、マスク装置40を作製した。また、マスク装置40の第1マスク50Aに生じているシワの高さを測定した。結果、シワの高さは237μmであった。
例6~例9におけるT/Sとシワの高さとの関係を図25に示す。図25に示すように、固定工程における比T/S〔N/mm〕が50.0以上である例6~例8においては、シワの高さが150μm以下であった。一方、固定工程における比T/S〔N/mm〕が50.0を超える例9においては、シワの高さが200μm以上であった。

Claims (15)

  1. マスク装置の製造方法であって、
    開口を隔てて向かい合う一対の第1辺領域と、前記第1辺領域とは異なる方向に延び、前記開口を隔てて第1方向において向かい合う一対の第2辺領域と、を含むフレームと、前記フレームの第1フレーム面の側において一対の前記第1辺領域に固定されている第1桟部材と、を備える支持構造体を準備する準備工程と、
    貫通孔を含むマスクに、前記第1方向において張力を加えた状態で、前記第1フレーム面の側において前記マスクを一対の前記第2辺領域に固定する固定工程と、を備え、
    前記マスクは、ニッケルを含む鉄合金からなる金属板と、前記金属板の面からなる第1面と、前記金属板の面からなる第2面と、前記第1面から前記第2面へ前記金属板を貫通する複数の貫通孔と、を含み、
    前記マスクは、前記フレームの前記一対の第2辺領域に重なっている一対の耳部と、前記一対の耳部の間に位置する中間部と、を含み、
    前記中間部は、前記複数の貫通孔を含み、
    前記中間部は、平面視において前記フレームの前記開口に重なり、
    前記第1方向に直交する前記マスクの断面の断面積S〔mm〕に対する、前記第1方向において前記マスクに加えられる前記張力T〔N〕の比T/S〔N/mm〕が、13.0〔N/mm〕以上50.0〔N/mm〕以下である、製造方法。
  2. 前記固定工程は、前記第1方向に直交する第2方向に沿って並ぶ3以上のマスクを一対の前記第2辺領域に固定する工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記固定工程において、前記第2方向において前記フレームの前記第1辺領域に隣接する前記マスクに加えられる前記張力が、前記第2方向の中央に位置する前記マスクに加えられる前記張力よりも大きい、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記支持構造体は、前記フレームの第1フレーム面の側において一対の前記第2辺領域に固定されている第2桟部材を備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記マスクの厚みが50μm以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記第1桟部材の厚みが50μm以上1mm以下である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記第1桟部材の長さが1400mm以上である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. マスク装置であって、
    開口を隔てて向かい合う一対の第1辺領域と、前記第1辺領域とは異なる方向に延び、前記開口を隔てて第1方向において向かい合う一対の第2辺領域と、を含むフレームと、
    前記フレームの第1フレーム面の側において一対の前記第1辺領域に固定されている第1桟部材と、
    貫通孔を含み、前記第1方向において張力を加えられた状態で前記第1フレーム面の側において一対の前記第2辺領域に固定されているマスクと、を備え、
    前記マスクは、ニッケルを含む鉄合金からなる金属板と、前記金属板の面からなる第1面と、前記金属板の面からなる第2面と、前記第1面から前記第2面へ前記金属板を貫通する複数の貫通孔と、を含み、
    前記マスクは、前記フレームの前記一対の第2辺領域に重なっている一対の耳部と、前記一対の耳部の間に位置する中間部と、を含み、
    前記中間部は、前記複数の貫通孔を含み、
    前記中間部は、平面視において前記フレームの前記開口に重なり、
    前記第1方向に直交する前記マスクの断面の断面積S〔mm〕に対する、前記第1方向において前記マスクに加えられている前記張力T〔N〕の比T/S〔N/mm〕が、13.0〔N/mm〕以上50.0〔N/mm〕以下である、マスク装置。
  9. 前記第1方向に直交する第2方向に沿って並ぶ3以上の前記マスクを備える、請求項8に記載のマスク装置。
  10. 前記第2方向において前記フレームの前記第1辺領域に隣接する前記マスクに加えられている前記張力が、前記第2方向の中央に位置する前記マスクに加えられている前記張力よりも大きい、請求項9に記載のマスク装置。
  11. 前記フレームの第1フレーム面の側において一対の前記第2辺領域に固定されている第2桟部材を備える、請求項8乃至10のいずれか一項に記載のマスク装置。
  12. 前記マスクの厚みが50μm以下である、請求項8乃至11のいずれか一項に記載のマスク装置。
  13. 前記第1桟部材の厚みが50μm以上1mm以下である、請求項8乃至12のいずれか一項に記載のマスク装置。
  14. 前記第1桟部材の長さが1400mm以上である、請求項8乃至13のいずれか一項に記載のマスク装置。
  15. 有機デバイスの製造方法であって、
    請求項8乃至14のいずれか一項に記載のマスク装置の前記マスクの前記貫通孔を介して有機材料を基板に蒸着させて前記基板に蒸着層を形成する蒸着工程を備える、有機デバイスの製造方法。
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