JP7477820B2 - 微生物解析用の内部標準核酸断片及びその利用 - Google Patents

微生物解析用の内部標準核酸断片及びその利用 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 1.2019年3月1日発行の第53回日本水環境学会年会講演集 第125頁にて公開 2.2019年3月7日開催の第53回日本水環境学会年会にて発表
本発明は、環境中に存在するメタン酸化細菌及び/又はアンモニア酸化細菌といった微生物を同定及び定量解析する際に利用できる内部標準核酸断片に関し、また、当該内部標準核酸断片を用いた環境の解析方法、環境の持つ汚染物質の浄化能評価方法に関する。
水環境や土壌環境などの自然環境、あるいは排水処理装置など人為的に制御された環境に含まれる微生物動態やその役割を把握するためには、これら環境に存在する微生物種の解析(系統分類(種の同定)、定量的解析(存在量計測))が重要である。一般的に、遺伝子を標的とした解析手法において、系統分類にはハイスループットシークエンサーを用いた分析が行われ、定量的解析にはリアルタイムPCRによる計測が行われている。このように、系統分類と定量的解析とは異なるワークフローで行われてきた。しかし、簡便化のため、16SrRNA遺伝子を内部標準遺伝子として利用することで、系統分類と定量的解析とを融合した解析手法が開発されている(非特許文献1)。
また、特許文献1には、微生物の16SrRNA遺伝子を定量するための内部標準遺伝子が開示されている。特許文献1に開示された内部標準遺伝子は、既知の微生物のほとんど全ての16SrRNA遺伝子を増幅することができるユニバーサルプライマーで増幅することができ、且つ、既知の微生物における16SrRNA遺伝子と相同性が低い配列を有するように設計されている。特許文献1によれば、様々な濃度で内部標準遺伝子を含む反応液を準備し、ユニバーサルプライマーを用いた核酸増幅によって内部標準遺伝子を定量し、その結果から作成した検量線を使用することにより、試料に含まれる微生物由来の16SrRNA遺伝子を正確に定量することができる。
特許第6479336号
Smets et al. (2016) Soil Biology & Biochemistry 96: 145-151
しかしながら、16SrRNA遺伝子による系統分類と定量的解析では、その環境の機能解析には至らない場合がある。16SrRNA遺伝子の配列情報からは、例えば、温室効果ガスであるメタンの酸化能を有する微生物や水質汚染物質として知られているアンモニアの酸化能を有する微生物の系統位置を正確に同定できないといった問題がある。換言すれば、16SrRNA遺伝子を内部標準遺伝子として使用しても、所定の環境におけるメタン酸化機能やアンモニア酸化機能を正確に解析できないといった問題があった。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑み、種々の環境に存在するメタン酸化細菌及びアンモニア酸化細菌の系統分類及び定量的解析が可能な内部標準核酸断片を提供し、当該内部標準核酸断片を用いて環境を解析する方法、環境の持つ汚染物質の浄化能評価方法を提供することを目的としている。
上述した目的を達成するために、本発明者らが鋭意検討した結果、メタン酸化酵素(pmoA)遺伝子用内部標準配列とアンモニア酸化酵素(amoA)遺伝子用内部標準配列と16SrRNA遺伝子用内部標準配列とを含む内部標準核酸断片を設計し、これを用いることで環境に存在するメタン酸化細菌及びアンモニア酸化細菌の系統分類及び定量的解析することに成功し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下を包含する。
(1)メタン酸化酵素(pmoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列と、当該一対の部分配列により挟み込まれた第1の核酸領域とを含むpmoA遺伝子用内部標準配列と、アンモニア酸化酵素(amoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列と、当該一対の部分配列により挟み込まれた第2の核酸領域とを含むamoA遺伝子用内部標準配列とのうち少なくとも一方の内部標準配列を含む、内部標準核酸断片。
(2)メタン酸化酵素(pmoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列のうち、一方の部分配列が配列番号1の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列からなり、他方の部分配列が配列番号2又は3の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列からなることを特徴とする(1)記載の内部標準核酸断片。
(3)アンモニア酸化酵素(amoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列のうち、一方の部分配列が配列番号7の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列からなり、他方の部分配列が配列番号8の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列からなることを特徴とする(1)記載の内部標準核酸断片。
(4)更に16SrRNA遺伝子に特異的な一対の部分配列と、当該一対の部分配列により挟み込まれた第3の核酸領域とを含む16SrRNA遺伝子用内部標準配列を含むことを特徴とする(1)の内部標準核酸断片。
(5)16SrRNA遺伝子に特異的な一対の部分配列のうち、一方の部分配列が配列番号11又は12の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列からなり、他方の部分配列が配列番号13の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列からなることを特徴とする(4)記載の内部標準核酸断片。
(6)メタン酸化酵素(pmoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列のうち、一方の部分配列が配列番号4の塩基配列からなり、他方の部分配列が配列番号5又は6の塩基配列からなることを特徴とする(1)記載の内部標準核酸断片。
(7)アンモニア酸化酵素(amoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列のうち、一方の部分配列が配列番号9の塩基配列からなり、他方の部分配列が配列番号10の塩基配列からなることを特徴とする(1)記載の内部標準核酸断片。
(8)16SrRNA遺伝子に特異的な一対の部分配列のうち、一方の部分配列が配列番号14又は15の塩基配列からなり、他方の部分配列が配列番号16の塩基配列からなることを特徴とする(4)記載の内部標準核酸断片。
(9)上記第1の核酸領域及び上記第2の核酸領域は部分的に重複していることを特徴とする(1)記載の内部標準核酸断片。
(10)配列番号17~20からなる群から選ばれる1つの塩基配列からなることを特徴とする(1)記載の内部標準核酸断片。
(11)環境サンプルから抽出した抽出DNAと、上記(1)乃至(10)いずれか記載の内部標準核酸断片と、内部標準核酸断片に含まれるメタン酸化酵素(pmoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列のそれぞれに対応するpmoA遺伝子用プライマーセットとを含む第1反応液、及び/又は、環境サンプルから抽出した抽出DNAと、上記(1)乃至(10)いずれか記載の内部標準核酸断片と、内部標準核酸断片に含まれるアンモニア酸化酵素(amoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列のそれぞれに対応するamoA遺伝子用プライマーセットとを含む第2反応液を準備する工程と、上記第1反応液及び/又は第2反応液を用いて核酸増幅反応及びシークエンシング反応を行い、各プライマーセットで増幅した核酸断片の塩基配列情報及びリード数を解析する工程と、上記工程で得られた塩基配列情報に基づいて上記環境サンプルに含まれる微生物を同定し、上記工程で得られたリード数に基づいて上記環境サンプルに含まれる当該微生物を定量的に解析する工程と、を含む環境の解析方法。
(12)上記第1反応液及び/又は第2反応液を準備する工程では、環境サンプルから抽出した抽出DNAと、上記(4)、(5)及び(8)のいずれか記載の内部標準核酸断片と、内部標準核酸断片に含まれる16SrRNA遺伝子に特異的な一対の部分配列のそれぞれに対応する16SrRNA遺伝子用プライマーセットとを含む第3反応液を更に準備し、上記解析する工程では、上記第1反応液及び/又は上記第2反応液に加えて、上記第3反応液を用いて核酸増幅反応及びシークエンシング反応を行い、各プライマーセットで増幅した核酸断片の塩基配列情報及びリード数を解析することを特徴とする(11)記載の環境の解析方法。
(13)評価対象の環境から抽出した抽出DNAと、上記(1)乃至(10)いずれか記載の内部標準核酸断片と、内部標準核酸断片に含まれるメタン酸化酵素(pmoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列のそれぞれに対応するpmoA遺伝子用プライマーセットとを含む第1反応液、及び/又は、環境サンプルから抽出した抽出DNAと、上記(1)乃至(10)いずれか記載の内部標準核酸断片と、内部標準核酸断片に含まれるアンモニア酸化酵素(amoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列のそれぞれに対応するamoA遺伝子用プライマーセットとを含む第2反応液を準備する工程と、上記第1反応液及び/又は第2反応液を用いて核酸増幅反応及びシークエンシング反応を行い、各プライマーセットで増幅した核酸断片の塩基配列情報及びリード数を解析する工程と、上記工程で得られた塩基配列情報に基づいて、上記環境に含まれる微生物であって汚染物質を浄化しうる微生物を同定し、上記工程で得られたリード数に基づいて上記環境に含まれる当該微生物を定量的に解析する工程とを含む環境の持つ汚染物質の浄化能評価方法。
(14)上記第1反応液及び/又は第2反応液を準備する工程では、環境サンプルから抽出した抽出DNAと、上記(4)、(5)及び(8)のいずれか記載の内部標準核酸断片と、内部標準核酸断片に含まれる16SrRNA遺伝子に特異的な一対の部分配列のそれぞれに対応する16SrRNA遺伝子用プライマーセットとを含む第3反応液を更に準備する工程と、上記解析する工程では、上記第1反応液及び/又は上記第2反応液に加えて、上記第3反応液を用いて核酸増幅反応及びシークエンシング反応を行い、各プライマーセットで増幅した核酸断片の塩基配列情報及びリード数を解析することを特徴とする(13)記載の環境の持つ汚染物質の浄化能評価方法。
本発明に係る内部標準核酸断片を使用することによって、抽出DNAに含まれるメタン酸化酵素(pmoA)遺伝子、アンモニア酸化酵素(amoA)遺伝子の定量に使用できる検量線を作成することができる。したがって、本発明に係る内部標準核酸断片を用いることによって、所定の環境に存在するメタン酸化細菌及びアンモニア酸化細菌を定量的に解析することができる。
また、本発明に係る内部標準核酸断片を使用することによって、メタン酸化細菌及びアンモニア酸化細菌の系統分類及び定量的解析に基づく環境の評価、例えば、環境の持つ汚染物質の浄化能を評価することができる。
本発明に係る内部標準核酸断片の一例を模式的に示す構成図である。 本発明に係る内部標準核酸断片の他の例を模式的に示す構成図である。 鋳型として内部標準核酸断片のみを含む反応液を用いて核酸増幅反応及びシークエンシング反応を行い、各内部標準配列について解析したコピー数及びリード数との関係を示す特性図である。 鋳型として抽出DNA及び内部標準核酸断片のみを含む反応液を用いて核酸増幅反応及びシークエンシング反応を行い、各内部標準配列について解析したコピー数及びリード数との関係を示す特性図である。 抽出DNAに含まれる16SrRNA遺伝子を、内部標準核酸断片を用いて定量した結果及び微生物の種を示す図である。 抽出DNAに含まれるpmoA遺伝子を、内部標準核酸断片を用いて定量した結果及びメタン酸化細菌種を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る内部標準核酸断片は、メタン酸化酵素(pmoA)遺伝子の内部標準となるpmoA遺伝子用内部標準配列と、アンモニア酸化酵素(amoA)の内部標準となるamoA遺伝子用内部標準配列とのうち、少なくとも1つの内部標準配列を含む核酸断片である。また、本発明に係る内部標準核酸断片は、16SrRNA遺伝子の内部標準となる16SrRNA遺伝子用内部標準配列を含むものであっても良い。ここで内部標準とは、核酸増幅反応の反応液に添加され、分析対象の核酸増幅と同時に増幅されることで核酸増幅反応の内部標準となるという意味である。
すなわち、pmoA遺伝子用内部標準配列は、既知の配列を有し、抽出DNA等の分析対象サンプルに含まれるpmoA遺伝子を特異的に増幅するための一対のプライマーによって増幅される。したがって、pmoA遺伝子用内部標準配列は、pmoA遺伝子を増幅するための一対のプライマーがハイブリダイズする一対の部分配列を有する。pmoA遺伝子用内部標準配列におけるこれら一対の部分配列は、pmoA遺伝子に特異的に存在する領域から適宜選択することができる。
同様に、amoA遺伝子用内部標準配列は、既知の配列を有し、抽出DNA等の分析対象サンプルに含まれるamoA遺伝子を増幅するための一対のプライマーによって増幅される。したがって、amoA遺伝子用内部標準配列は、amoA遺伝子を増幅するための一対のプライマーがハイブリダイズする一対の部分配列を有する。amoA遺伝子用内部標準配列におけるこれら一対の部分配列は、amoA遺伝子に特異的に存在する領域から適宜選択することができる。
また同様に、16SrRNA遺伝子用内部標準配列は、既知の配列を有し、抽出DNA等の分析対象サンプルに含まれる16SrRNA遺伝子を増幅するためのプライマーによって増幅される。したがって、16SrRNA遺伝子用内部標準配列は、16SrRNA遺伝子を増幅するための一対のプライマーがハイブリダイズする一対の部分配列を有する。16SrRNA遺伝子用内部標準配列におけるこれら一対の部分配列は、16SrRNA遺伝子に特異的に存在する領域から適宜選択することができる。
本発明に係る内部標準核酸断片の構成例を図1(A)~(D)に模式的に示している。なお、図1(A)~(D)は、簡略化のため二本鎖DNAのうち一方の鎖を示している。図1(A)~(D)に示す内部標準核酸断片においてpmoA遺伝子用内部標準配列は、pmoA遺伝子に特異的な一対の部分配列1A及び1Bと、一対の部分配列1A及び1Bにより挟み込まれた第1の核酸領域1Cとを含んでいる。また、図1(A)~(D)に示す内部標準核酸断片においてamoA遺伝子用内部標準配列は、amoA遺伝子に特異的な一対の部分配列2A及び2Bと、一対の部分配列2A及び2Bにより挟み込まれた第2の核酸領域2Cとを含んでいる。さらに、図1(A)~(D)に示す内部標準核酸断片において16SrRNA遺伝子用内部標準配列は、16SrRNA遺伝子に特異的な一対の部分配列3A及び3Bと、一対の部分配列3A及び3Bにより挟み込まれた第3の核酸領域3Cとを含んでいる。
特に図1(A)に示す内部標準核酸断片は、図示した一方の鎖における5’末端から、pmoA遺伝子に特異的な部分配列1A、amoA遺伝子に特異的な部分配列2A、16SrRNA遺伝子に特異的な部分配列3Aをこの順で有し、所定の間隔の後に続いて16SrRNA遺伝子に特異的な部分配列3B、amoA遺伝子に特異的な部分配列2B、pmoA遺伝子に特異的な部分配列1Bをこの順で有している。図1(A)に示す内部標準核酸断片においては、一対の部分配列1A及び1Bで挟み込まれる第1の核酸領域1Cが、一対の部分配列2A及び2Bで挟み込まれる第2の核酸領域2Cと、一対の部分配列3A及び1Bで挟み込まれる第3の核酸領域3Cとを含むように設計されている。
このように構成された内部標準核酸断片を、pmoA遺伝子用プライマーセットを用いた核酸増幅反応に使用すると、一対の部分配列1A及び1Bに対してpmoA遺伝子用プライマーセットがそれぞれハイブリダイズし、部分配列1A、第1の核酸領域1C及び部分配列1Bからなる領域を増幅することができる。同様に、内部標準核酸断片を、amoA遺伝子用プライマーセットを用いた核酸増幅反応に使用すると、一対の部分配列2A及び2Bに対してamoA遺伝子用プライマーセットがそれぞれハイブリダイズし、部分配列2A、第2の核酸領域2C及び部分配列2Bからなる領域を増幅することができる。また同様に内部標準核酸断片を、16SrRNA遺伝子用プライマーセットを用いた核酸増幅反応に使用すると、一対の部分配列3A及び3Bに対して16SrRNA遺伝子用プライマーセットがそれぞれハイブリダイズし、部分配列3A、第3の核酸領域3C及び部分配列3Bからなる領域を増幅することができる。
ところで、図1(A)に示した内部標準核酸断片は、pmoA遺伝子に特異的な一対の部分配列1A及び1B、その内側にamoA遺伝子に特異的な一対の部分配列2A及び2B、更にその内側に16SrRNA遺伝子に特異的な一対の部分配列3A及び3Bを有する構成である。しかし、本発明に係る内部標準核酸断片は、これらpmoA遺伝子に特異的な一対の部分配列1A及び1B、amoA遺伝子に特異的な一対の部分配列2A及び2B並びに16SrRNA遺伝子に特異的な一対の部分配列3A及び3Bを任意の位置に配しても良い。
例えば、図1(B)に示すように、図示した一方の鎖における5’末端から、pmoA遺伝子に特異的な部分配列1A、16SrRNA遺伝子に特異的な部分配列3A、amoA遺伝子に特異的な部分配列2A、をこの順で有し、所定の間隔の後に続いて16SrRNA遺伝子に特異的な部分配列3B、pmoA遺伝子に特異的な部分配列1B、amoA遺伝子に特異的な部分配列2Bをこの順で有している。この場合でも、図1(B)に示す内部標準核酸断片においては、一対の部分配列1A及び1Bで挟み込まれる部分が第1の核酸領域1Cとなり、一対の部分配列2A及び2Bで挟み込まれる部分が第2の核酸領域2Cとなり、一対の部分配列3A及び1Bで挟み込まれる部分が第3の核酸領域3Cとなる。
図1(B)のように構成された内部標準核酸断片を、pmoA遺伝子用プライマーセットを用いた核酸増幅反応に使用した場合でも、一対の部分配列1A及び1Bに対してpmoA遺伝子用プライマーセットがそれぞれハイブリダイズし、部分配列1A、第1の核酸領域1C及び部分配列1Bからなる領域を増幅することができる。同様に、内部標準核酸断片を、amoA遺伝子用プライマーセットを用いた核酸増幅反応に使用すると、一対の部分配列2A及び2Bに対してamoA遺伝子用プライマーセットがそれぞれハイブリダイズし、部分配列2A、第2の核酸領域2C及び部分配列2Bからなる領域を増幅することができる。また同様に内部標準核酸断片を、16SrRNA遺伝子用プライマーセットを用いた核酸増幅反応に使用すると、一対の部分配列3A及び3Bに対して16SrRNA遺伝子用プライマーセットがそれぞれハイブリダイズし、部分配列3A、第3の核酸領域3C及び部分配列3Bからなる領域を増幅することができる。
図1(A)及び(B)に示す内部標準核酸断片は、第1の核酸領域1C、第2の核酸領域2C及び第3の核酸領域3Cが部分的に重複する構成である。しかし、本発明に係る内部標準核酸断片は、第1の核酸領域1C、第2の核酸領域2C及び第3の核酸領域3Cからなる群から選ばれる少なくとも2つの核酸領域が部分的に重複している構成、言い換えると、第1の核酸領域1C、第2の核酸領域2C及び第3の核酸領域3Cからなる群から選ばれる少なくとも1つの核酸領域が他の核酸領域から独立していても良い。
例えば、本発明に係る内部標準核酸断片は、図1(C)に示すように、第1の核酸領域1C及び第2の核酸領域2Cが部分的に重複し、第3の核酸領域3Cがこれら第1の核酸領域1C及び第2の核酸領域2Cから離間した構成であっても良い。また、本発明に係る内部標準核酸断片は、図1(D)に示すように、第1の核酸領域1C、第2の核酸領域2C及び第3の核酸領域3Cの全てが互いに離間した構成であっても良い。
図1(C)又は(D)のように構成された内部標準核酸断片を、pmoA遺伝子用プライマーセットを用いた核酸増幅反応に使用した場合でも、一対の部分配列1A及び1Bに対してpmoA遺伝子用プライマーセットがそれぞれハイブリダイズし、部分配列1A、第1の核酸領域1C及び部分配列1Bからなる領域を増幅することができる。同様に、内部標準核酸断片を、amoA遺伝子用プライマーセットを用いた核酸増幅反応に使用すると、一対の部分配列2A及び2Bに対してamoA遺伝子用プライマーセットがそれぞれハイブリダイズし、部分配列2A、第2の核酸領域2C及び部分配列2Bからなる領域を増幅することができる。また同様に内部標準核酸断片を、16SrRNA遺伝子用プライマーセットを用いた核酸増幅反応に使用すると、一対の部分配列3A及び3Bに対して16SrRNA遺伝子用プライマーセットがそれぞれハイブリダイズし、部分配列3A、第3の核酸領域3C及び部分配列3Bからなる領域を増幅することができる。
ところで、図1(A)~(D)に示す内部標準核酸断片は、pmoA遺伝子用内部標準配列、amoA遺伝子用内部標準配列及び16SrRNA遺伝子用内部標準配列をそれぞれ1つずつ有する構成であった。しかし、本発明に係る内部標準核酸断片は、これらpmoA遺伝子用内部標準配列、amoA遺伝子用内部標準配列及び16SrRNA遺伝子用内部標準配列からなる群から選ばれる少なくとも1つの標準配列を2以上としても良い。
例えば、図2(A)に示すように、内部標準核酸断片は、2つのpmoA遺伝子用内部標準配列を有する構成とすることができる。図2(A)に示す内部標準核酸断片において、第1のpmoA遺伝子用内部標準配列は、pmoA遺伝子に特異的な一対の部分配列1A及び1Bと、一対の部分配列1A及び1Bにより挟み込まれた第1の核酸領域1Cとを含んでいる。また、図2(A)に示す内部標準核酸断片において、第2のpmoA遺伝子用内部標準配列は、pmoA遺伝子に特異的な一対の部分配列1A及び1Dと、一対の部分配列1A及び1Dにより挟み込まれた第1の核酸領域1Eとを含んでいる。また、図2(A)に示す内部標準核酸断片は、図1(A)~(D)に示した内部標準核酸断片と同じ構成のamoA遺伝子用内部標準配列及び16SrRNA遺伝子用内部標準配列を有している。
図2(A)のように構成された内部標準核酸断片を核酸増幅反応に使用する場合、一対の部分配列1A及び1Bに対応する第1のpmoA遺伝子用プライマーセットと、一対の部分配列1A及び1Dに対応する第2のpmoA遺伝子用プライマーセットとを使用する。第1のpmoA遺伝子用プライマーセットを用いた核酸増幅反応に使用した場合、一対の部分配列1A及び1Bに対して第1のpmoA遺伝子用プライマーセットがそれぞれハイブリダイズし、部分配列1A、第1の核酸領域1C及び部分配列1Bからなる領域を増幅することができる。第2のpmoA遺伝子用プライマーセットを用いた核酸増幅反応に使用した場合、一対の部分配列1A及び1Dに対して第2のpmoA遺伝子用プライマーセットがそれぞれハイブリダイズし、部分配列1A、第1の核酸領域1E及び部分配列1Dからなる領域を増幅することができる。
なお、図2(A)に示す内部標準核酸断片を、amoA遺伝子用プライマーセットを用いた核酸増幅反応に使用する場合でも、一対の部分配列2A及び2Bに対してamoA遺伝子用プライマーセットがそれぞれハイブリダイズし、部分配列2A、第2の核酸領域2C及び部分配列2Bからなる領域を増幅することができる。同様に、図2(A)に示す内部標準核酸断片を、16SrRNA遺伝子用プライマーセットを用いた核酸増幅反応に使用する場合でも、一対の部分配列3A及び3Bに対して16SrRNA遺伝子用プライマーセットがそれぞれハイブリダイズし、部分配列3A、第3の核酸領域3C及び部分配列3Bからなる領域を増幅することができる。
更に他の例として、図2(B)に示すように、内部標準核酸断片は、2つの16SrRNA遺伝子用内部標準配列を有する構成とすることができる。図2(B)に示す内部標準核酸断片において、第1の16SrRNA遺伝子用内部標準配列は、16SrRNA遺伝子に特異的な一対の部分配列3A及び3Bと、一対の部分配列3A及び3Bにより挟み込まれた第3の核酸領域3Cとを含んでいる。また、図2(B)に示す内部標準核酸断片において、第2の16SrRNA遺伝子用内部標準配列は、16SrRNA遺伝子に特異的な一対の部分配列3D及び3Bと、一対の部分配列3D及び3Bにより挟み込まれた第3の核酸領域3Eとを含んでいる。また、図2(B)に示す内部標準核酸断片は、図1(A)~(D)に示した内部標準核酸断片と同じ構成のpmoA遺伝子用内部標準配列及びamoA遺伝子用内部標準配列を有している。
図2(B)のように構成された内部標準核酸断片を核酸増幅反応に使用する場合、一対の部分配列3A及び3Bに対応する第1の16SrRNA遺伝子用プライマーセットと、一対の部分配列3D及び3Bに対応する第2の16SrRNA遺伝子用プライマーセットとを使用する。第1の16SrRNA遺伝子用プライマーセットを用いた核酸増幅反応に使用した場合、一対の部分配列3A及び3Bに対して第1の16SrRNA遺伝子用プライマーセットがそれぞれハイブリダイズし、部分配列3A、第3の核酸領域3C及び部分配列3Bからなる領域を増幅することができる。第2の16SrRNA遺伝子用プライマーセットを用いた核酸増幅反応に使用した場合、一対の部分配列3D及び3Bに対して第2の16SrRNA遺伝子用プライマーセットがそれぞれハイブリダイズし、部分配列3D、第3の核酸領域3E及び部分配列3Bからなる領域を増幅することができる。
なお、図2(B)に示す内部標準核酸断片を、pmoA遺伝子用プライマーセットを用いた核酸増幅反応に使用する場合でも、一対の部分配列1A及び1Bに対してpmoA遺伝子用プライマーセットがそれぞれハイブリダイズし、部分配列1A、第1の核酸領域1C及び部分配列1Bからなる領域を増幅することができる。同様に、図2(B)に示す内部標準核酸断片を、amoA遺伝子用プライマーセットを用いた核酸増幅反応に使用する場合でも、一対の部分配列2A及び2Bに対してamoA遺伝子用プライマーセットがそれぞれハイブリダイズし、部分配列2A、第2の核酸領域2C及び部分配列2Bからなる領域を増幅することができる。
<<pmoA遺伝子用内部標準配列>>
pmoA遺伝子は、メタンモノ酸化酵素のαサブユニットをコードする遺伝子であり、メタン酸化細菌の系統分類解析の指標として利用されている。参考文献(DAVID G. BOURNE et al., APPLIED AND ENVIRONMENTAL MICROBIOLOGY, Sept. 2001, p. 3802‐3809、Holmes et al. FEMS Microbiol Lett. 1995 Oct 15;132(3):203-8)には、メタン酸化細菌の系統分類解析に有効な、pmoA遺伝子に特異的な領域が開示されている。この領域の塩基配列に基づいてpmoA遺伝子を有するメタン酸化細菌の系統分類を行うことができる。よって、pmoA遺伝子に特異的な領域の塩基配列に基づいて、pomA遺伝子を特異的に検出するためのプライマー(pmoA遺伝子用プライマーセット)を設計することができる。
本発明に係る内部標準核酸断片において、pmoA遺伝子用内部標準配列に含まれる、pmoA遺伝子に特異的な一対の部分配列(図1及び2における部分配列1A、1B及び1D)は、下記のように設計したpmoA遺伝子用プライマーの塩基配列に基づいて設計される。具体的には、これら一対のpmoA遺伝子用プライマーのうち、一方が配列番号1の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列からなり、他方が配列番号2又は3の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列とすることができる。
ここで、配列番号1、配列番号2及び3に示す塩基配列は、代表的なメタン酸化細菌に由来するメタン酸化酵素遺伝子の塩基配列に基づいて、当該遺伝子群において高度に保存された領域の塩基配列である。配列番号1の塩基配列は当該領域の上流(センス鎖の5’末端側)に位置する塩基配列(順鎖)であり、配列番号2及び3の塩基配列は当該領域の下流(センス鎖の3’末端側)に位置する塩基配列(逆相補鎖)である。
よって、一方のpmoA遺伝子用プライマーは、配列番号1に示す塩基配列に基づいてその一部分として設計することができ、他方のpmoA遺伝子用プライマーは、配列番号2又は3に示す塩基配列に基づいてその一部分として設計することができる。
具体的に一方のpmoA遺伝子用プライマーは、配列番号1に示す塩基配列のうち連続する15~35塩基の塩基配列として設計することができる。なお、一方のpmoA遺伝子用プライマーの長さは、特に限定されないが、例えば、15~35塩基とすることができ、15~30塩基長とすることが好ましく、18~35塩基とすることが好ましく、18~30塩基長とすることがより好ましい。
特に、一方のpmoA遺伝子用プライマーは、配列番号1に示す塩基配列における特に高度に保存された領域である配列番号4に示す塩基配列を含むように設計されることが好ましい。特に、pmoA遺伝子用プライマーは、配列番号4に示す塩基配列における5’末端から3番目のNをCとした塩基配列を含むように設計されることが好ましい。
また、他方のpmoA遺伝子用プライマーは、配列番号2又は3に示す塩基配列のうち連続する15~35塩基の塩基配列として設計することができる。なお、他方のpmoA遺伝子用プライマーの長さは、特に限定されないが、例えば、15~35塩基とすることができ、15~30塩基長とすることが好ましく、18~35塩基とすることが好ましく、18~30塩基長とすることがより好ましい。
特に、他方のpmoA遺伝子用プライマーは、配列番号2に示す塩基配列における特に高度に保存された領域である配列番号5に示す塩基配列を含むように設計されるか、配列番号3に示す塩基配列における特に高度に保存された領域である配列番号6に示す塩基配列を含むように設計されることが好ましい。特に、pmoA遺伝子用プライマーは、配列番号6に示す塩基配列を含む場合、配列番号6に示す塩基配列における5’末端から4番目のSをCとし、5’末端から7番目のNをTとし、5’末端から16番目のSをCとした塩基配列を含むように設計されることが好ましい。
なお、一対のpmoA遺伝子用プライマーは、上述のように具体的な塩基配列に基づいて設計することができるが、それぞれ逆相補鎖として設計しても良い。一対のpmoA遺伝子用プライマーはそれぞれ逆相補鎖として設計しても、核酸増幅反応で全く同じ領域を増幅することができるためである。
本発明に係る内部標準核酸断片におけるpmoA遺伝子用内部標準配列は、以上のように設計された一対のpmoA遺伝子用プライマーがハイブリダイズする領域として一対の部分配列(図1及び2における部分配列1A、1B及び1D)を有している。部分配列の長さは、pmoA遺伝子用プライマーの長さに対応するため、15塩基以上が好ましく、18塩基以上がより好ましく、20塩基以上とすることが更に好ましい。部分配列の長さの上限は、pmoA遺伝子用プライマーがハイブリダイズできるならば特に限定されない。部分配列は、pmoA遺伝子用プライマーの塩基長とすることもできるし、pmoA遺伝子用プライマーの塩基長よりも長く設計することもできる。
また、本発明に係る内部標準核酸断片において、pmoA遺伝子用内部標準配列に含まれる第1の核酸領域とは、pmoA遺伝子用プライマーセットにより増幅されるのであれば任意の塩基配列とすることができる。第1の核酸領域の塩基配列は、例えば、参考文献(Dieter M. Tourlousse et al., Nucleic Acids Research, Volume 45, Issue 4, 28 February 2017, Page e23)に開示されたSpike-in配列を参考に適宜設計することができる。
<<amoA遺伝子用内部標準配列>>
amoA遺伝子は、アンモニアモノ酸化酵素のサブユニットをコードする遺伝子であり、アルコール酸化細菌の系統分類解析の指標として利用されている。参考文献(JAN-HENRICH ROTTHAUWE et al., APPLIED AND ENVIRONMENTAL MICROBIOLOGY, Dec. 1997, p. 4704‐-4712)には、アルコール酸化細菌の系統分類解析に有効な、amoA遺伝子に特異的な領域が開示されている。この領域の塩基配列に基づいてpmoA遺伝子を有するメタン酸化細菌の系統分類を行うことができる。よって、amoA遺伝子に特異的な領域の塩基配列に基づいて、aomA遺伝子を特異的に検出するためのプライマー(amoA遺伝子用プライマーセット)を設計することができる。
本発明に係る内部標準核酸断片において、amoA遺伝子用内部標準配列に含まれる、amoA遺伝子に特異的な一対の部分配列(図1及び2における部分配列2A及び2B)は、下記のように設計したamoA遺伝子用プライマーの塩基配列に基づいて設計される。具体的には、これら一対のamoA遺伝子用プライマーのうち、一方が配列番号7の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列からなり、他方が配列番号8の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列とすることができる。
ここで、配列番号7及び8に示す塩基配列は、代表的なアンモニア酸化細菌に由来するアンモニア酸化酵素遺伝子の塩基配列に基づいて、当該遺伝子群において高度に保存された領域の塩基配列である。配列番号7の塩基配列は当該領域の上流(センス鎖の5’末端側)に位置する塩基配列(順鎖)であり、配列番号8の塩基配列は当該領域の下流(センス鎖の3’末端側)に位置する塩基配列(逆相補鎖)である。
よって、一方のamoA遺伝子用プライマーは、配列番号7に示す塩基配列に基づいてその一部分として設計することができ、他方のamoA遺伝子用プライマーは、配列番号8に示す塩基配列に基づいてその一部分として設計することができる。
具体的に一方のamoA遺伝子用プライマーは、配列番号7に示す塩基配列のうち連続する15~35塩基の塩基配列として設計することができる。なお、一方のamoA遺伝子用プライマーの長さは、特に限定されないが、例えば、15~35塩基とすることができ、15~30塩基長とすることが好ましく、18~35塩基とすることが好ましく、18~30塩基長とすることがより好ましい。
特に、一方のamoA遺伝子用プライマーは、配列番号7に示す塩基配列における特に高度に保存された領域である配列番号9に示す塩基配列を含むように設計されることが好ましい。
また、他方のamoA遺伝子用プライマーは、配列番号8に示す塩基配列のうち連続する15~35塩基の塩基配列として設計することができる。なお、他方のamoA遺伝子用プライマーの長さは、特に限定されないが、例えば、15~35塩基とすることができ、15~30塩基長とすることが好ましく、18~35塩基とすることが好ましく、18~30塩基長とすることがより好ましい。
特に、他方のamoA遺伝子用プライマーは、配列番号8に示す塩基配列における特に高度に保存された領域である配列番号10に示す塩基配列を含むように設計されることが好ましい。特に、amoA遺伝子用プライマーは、配列番号10に示す塩基配列を含む場合、配列番号10に示す塩基配列における5’末端から7番目のKをTとし、5’末端から9番目のSをGとした塩基配列を含むように設計されることが好ましい。
なお、一対のamoA遺伝子用プライマーは、上述のように具体的な塩基配列に基づいて設計することができるが、それぞれ逆相補鎖として設計しても良い。一対のamoA遺伝子用プライマーはそれぞれ逆相補鎖として設計しても、核酸増幅反応で全く同じ領域を増幅することができるためである。
本発明に係る内部標準核酸断片におけるamoA遺伝子用内部標準配列は、以上のように設計された一対のamoA遺伝子用プライマーがハイブリダイズする領域として一対の部分配列(図1及び2における部分配列2A及び2B)を有している。部分配列の長さは、amoA遺伝子用プライマーの長さに対応するため、15塩基以上が好ましく、18塩基以上がより好ましく、20塩基以上とすることが更に好ましい。部分配列の長さの上限は、amoA遺伝子用プライマーがハイブリダイズできるならば特に限定されない。部分配列は、amoA遺伝子用プライマーの塩基長とすることもできるし、amoA遺伝子用プライマーの塩基長よりも長く設計することもできる。
また、本発明に係る内部標準核酸断片において、amoA遺伝子用内部標準配列に含まれる第2の核酸領域とは、amoA遺伝子用プライマーセットにより増幅されるのであれば任意の塩基配列とすることができる。第2の核酸領域の塩基配列は、第1の核酸領域の塩基配列と同様に、例えば、参考文献(Dieter M. Tourlousse et al., Nucleic Acids Research, Volume 45, Issue 4, 28 February 2017, Page e23)に開示されたSpike-in配列を参考に適宜設計することができる。
<<16SrRNA遺伝子用内部標準配列>>
16SrRNA遺伝子は、リボソームを構成するRNAを構成する遺伝子であり、広く細菌等の微生物の系統分類解析の指標として利用されている。参考文献(Daniel PR Herlemann et al., The ISME Journal volume 5, pages1571-1579 (2011)、J Gregory Caporaso et al., The ISME Journal 6, 1621-1624)には、細菌の系統分類解析に有効な16SrRNA遺伝子に特異的な領域が開示されている。この領域の塩基配列に基づいて細菌の系統分類を行うことができる。よって、16SrRNA遺伝子に特異的な領域の塩基配列に基づいて、16SrRNA遺伝子を特異的に検出するためのプライマー(16SrRNA遺伝子用プライマーセット)を設計することができる。
本発明に係る内部標準核酸断片において、16SrRNA遺伝子用内部標準配列に含まれる、16SrRNA遺伝子に特異的な一対の部分配列(図1及び2における部分配列3A、3B及び3D)は、16SrRNA遺伝子用プライマーの塩基配列に基づいて設計される。また、特許第6479336号(特許文献1)に開示された微生物の16SrRNA遺伝子を定量するための内部標準遺伝子が開示されている。特許文献1に開示された内部標準遺伝子は、既知の微生物のほとんど全ての16SrRNA遺伝子を増幅することができるユニバーサルプライマーで増幅することができ、且つ、既知の微生物における16SrRNA遺伝子と相同性が低い配列を有するように設計されている。したがって、本発明に係る内部標準核酸断片において、16SrRNA遺伝子に特異的な一対の部分配列(図1及び2における部分配列3A、3B及び3D)は、特に限定されず、特許文献1に開示された配列から適宜設計することができる。
具体的には、一対の16SrRNA遺伝子用プライマーのうち、一方が配列番号11又は12の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列とすることができ、他方が配列番号13の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列とすることができる。
ここで、配列番号11、12及び13に示す塩基配列は、16SrRNA遺伝子群において高度に保存された領域の塩基配列である。配列番号11及び12の塩基配列は当該領域の上流(センス鎖の5’末端側)に位置する塩基配列(順鎖)であり、配列番号13の塩基配列は当該領域の下流(センス鎖の3’末端側)に位置する塩基配列(逆相補鎖)である。
よって、一方の16SrRNA遺伝子用プライマーは、配列番号11又は12に示す塩基配列に基づいてその一部分として設計することができ、他方の16SrRNA遺伝子用プライマーは、配列番号13に示す塩基配列に基づいてその一部分として設計することができる。
具体的に一方の16SrRNA遺伝子用プライマーは、配列番号11又は12に示す塩基配列のうち連続する15~35塩基の塩基配列として設計することができる。なお、一方の16SrRNA遺伝子用プライマーの長さは、特に限定されないが、例えば、15~35塩基とすることができ、15~30塩基長とすることが好ましく、18~35塩基とすることが好ましく、18~30塩基長とすることがより好ましい。
特に、一方の16SrRNA遺伝子用プライマーは、配列番号11又は12に示す塩基配列における特に高度に保存された領域である配列番号14又は15に示す塩基配列を含むように設計されることが好ましい。
また、他方の16SrRNA遺伝子用プライマーは、配列番号13に示す塩基配列のうち連続する15~35塩基の塩基配列として設計することができる。なお、他方の16SrRNA遺伝子用プライマーの長さは、特に限定されないが、例えば、15~35塩基とすることができ、15~30塩基長とすることが好ましく、18~35塩基とすることが好ましく、18~30塩基長とすることがより好ましい。
特に、他方の16SrRNA遺伝子用プライマーは、配列番号13に示す塩基配列における特に高度に保存された領域である配列番号16に示す塩基配列を含むように設計されることが好ましい。
なお、一対の16SrRNA遺伝子用プライマーは、上述のように具体的な塩基配列に基づいて設計することができるが、それぞれ逆相補鎖として設計しても良い。一対の16SrRNA遺伝子用プライマーはそれぞれ逆相補鎖として設計しても、核酸増幅反応で全く同じ領域を増幅することができるためである。
本発明に係る内部標準核酸断片における16SrRNA遺伝子用内部標準配列は、以上のように設計された一対の16SrRNA遺伝子用プライマーがハイブリダイズする領域として一対の部分配列(図1及び2における部分配列3A、3B及び3D)を有している。部分配列の長さは、16SrRNA遺伝子用プライマーの長さに対応するため、15塩基以上が好ましく、18塩基以上がより好ましく、20塩基以上とすることが更に好ましい。部分配列の長さの上限は、16SrRNA遺伝子用プライマーがハイブリダイズできるならば特に限定されない。部分配列は、16SrRNA遺伝子用プライマーの塩基長とすることもできるし、16SrRNA遺伝子用プライマーの塩基長よりも長く設計することもできる。
また、本発明に係る内部標準核酸断片において、16SrRNA遺伝子用内部標準配列に含まれる第3の核酸領域とは、16SrRNA遺伝子用プライマーセットにより増幅されるのであれば任意の塩基配列とすることができる。第3の核酸領域の塩基配列は、第1の核酸領域や第2の核酸領域の塩基配列と同様に、例えば、参考文献(Dieter M. Tourlousse et al., Nucleic Acids Research, Volume 45, Issue 4, 28 February 2017, Page e23)に開示されたSpike-in配列を参考に適宜設計することができる。
<<内部標準核酸断片の例示>>
以上のようにpmoA遺伝子用内部標準配列、amoA遺伝子用内部標準配列及び16SrRNA遺伝子用内部標準配列を有する内部標準核酸断片としては、第1の核酸領域、第2の核酸領域及び第3の核酸領域の異なる複数の内部標準核酸断片を準備することが好ましい。複数の内部標準核酸断片とは、2種類の内部標準核酸断片でもよく、3種類の内部標準核酸断片が好ましく、4種類の内部標準核酸断片がより好ましい。内部標準核酸断片としては、5種類以上を準備してもよい。
ここで、n種類の内部標準核酸断片(nは2以上の整数)を準備するとき、第1の核酸領域は、n種類の内部標準核酸断片の全てにおいて異なる配列を有し、互いに区別可能とする。第2の核酸領域及び第3の核酸領域についても同様に、n種類の内部標準核酸断片の全てにおいて異なる配列を有し、互いに区別可能とする。
一例として、4種類の内部標準核酸断片を準備する場合、配列番号17に示す塩基配列からなる内部標準核酸断片、配列番号18に示す塩基配列からなる内部標準核酸断片、配列番号19に示す塩基配列からなる内部標準核酸断片及び配列番号20に示す塩基配列からなる内部標準核酸断片を挙げることができる。ただし、本発明に係る内部標準核酸断片は、これら配列番号17~20に示す塩基配列からなる核酸断片に限定されるものではない。
なお、後述の実施例において、配列番号17~20に示す塩基配列からなる内部標準核酸断片をそれぞれSD01~SD04と呼称する。
<<環境の解析方法>>
上述した内部標準核酸断片を使用することによって、環境に含まれる微生物の解析、特にメタン酸化細菌及びアンモニア酸化細菌の定量的な解析を行うことができる。
本解析では、先ず、環境から得たサンプルからDNA(抽出DNA)を抽出する。具体的には、先ず、水や土壌、排水処理装置の汚泥等の環境試料から核酸成分(主としてDNA)を抽出する。環境試料から核酸を抽出する方法は、特に限定されず、従来公知の手法を適用することができる。例えば、土壌から微生物画分を回収した後に当該画分からDNAを抽出する間接抽出法-菌体回収法、或いは土壌中で溶菌し核酸を回収する直接抽出法-直接溶菌法が挙げられる。なお、環境試料から抽出したDNAを抽出DNAと称する場合もある。
次に、得られた抽出DNAと、コピー数が予め規定された内部標準核酸断片と、pmoA遺伝子用プライマーセットとを含む第1反応液、得られた抽出DNAと、コピー数が予め規定された内部標準核酸断片と、amoA遺伝子用プライマーセットとを含む第2反応液、及び得られた抽出DNAと、コピー数が予め規定された内部標準核酸断片と、16SrRNA遺伝子用プライマーセットとを含む第3反応液を調製する。
このとき、pmoA遺伝子用プライマーセットとして、例えば、配列番号4のpmoA遺伝子用プライマーと配列番号5のpmoA遺伝子用プライマーからなるセットと、配列番号4のpmoA遺伝子用プライマーと配列番号6のpmoA遺伝子用プライマーからなるセットの2つがある場合、それぞれのセットについて反応液を準備する(すなわち、この場合、2種類の第1反応液を準備する)。同様に、16SrRNA遺伝子用プライマーセットとして、配列番号14の16SrRNA遺伝子用プライマーと配列番号16の16SrRNA遺伝子用プライマーとからなるセットと、配列番号15の16SrRNA遺伝子用プライマーと配列番号16の16SrRNA遺伝子用プライマーとからなるセットの2つがある場合、それぞれのセットについて反応液を準備する(すなわち、この場合、2種類の第3反応液を準備する)。
特に、第1反応液、第2反応液及び第3反応液は、それぞれ、第1の核酸領域、第2の核酸領域及び第3の核酸領域の異なる複数の内部標準核酸断片であって、予めコピー数が異なる複数の内部標準核酸断片を含むことが好ましい。例えば、4種類の内部標準核酸断片をそれぞれ希釈倍率の異なる溶液として準備し、第1反応液、第2反応液及び第3反応液のそれぞれに対して4種類の内部標準核酸断片溶液を添加する。これにより、第1反応液、第2反応液及び第3反応液は、コピー数の異なる複数の内部標準核酸断片を含むこととなる。
次に、第1反応液、第2反応液及び第3反応液を用いて核酸増幅反応及びシークエンシング反応を行い、各プライマーセットで増幅した核酸断片の塩基配列情報及びリード数を解析する。このとき、各プライマーセットにより抽出DNAに含まれるpmoA遺伝子の所定の領域、amoA遺伝子の所定の領域及び16SrRNA遺伝子の所定の領域が増幅されるとともに、同プライマーセットにより内部標準核酸断片に含まれるpmoA遺伝子用内部標準配列、amoA遺伝子用内部標準配列及び16SrRNA遺伝子用内部標準配列が増幅される。そしてシークエンシング反応により、各プライマーセットで増幅した核酸断片(pmoA遺伝子の所定の領域、amoA遺伝子の所定の領域、16SrRNA遺伝子の所定の領域、pmoA遺伝子用内部標準配列、amoA遺伝子用内部標準配列及び16SrRNA遺伝子用内部標準配列)の塩基配列及びそのリード数が解析される。
ここで、第1反応液、第2反応液及び第3反応液には、予め規定されたコピー数の内部標準核酸断片を含んでいる。よって、pmoA遺伝子用内部標準配列、amoA遺伝子用内部標準配列及び16SrRNA遺伝子用内部標準配列のリード数と、pmoA遺伝子の所定の領域、amoA遺伝子の所定の領域及び16SrRNA遺伝子の所定の領域のリード数とを比較することで、抽出DNAに含まれるpmoA遺伝子のコピー数、amoA遺伝子のコピー数及び16SrRNA遺伝子のコピー数を内部標準核酸断片のコピー数との相対比として解析することができる。
また、第1反応液が、上述したように、予めコピー数が異なる複数の内部標準核酸断片を含む場合には、各内部標準核酸断片から増幅された複数のpmoA遺伝子用内部標準配列が互いに区別可能に解析される。すなわち、コピー数が異なる複数の内部標準核酸断片から、区別可能な複数のpmoA遺伝子用内部標準配列についてそれぞれリード数が解析される。したがって、この場合、内部標準核酸断片のコピー数と、解析されたリード数とから、pmoA遺伝子についてコピー数とリード数との関係を示す検量線を作成することができる。同様に、第2反応液及び第3反応液が、上述したように、予めコピー数が異なる複数の内部標準核酸断片を含む場合には、amoA遺伝子及び16SrRNA遺伝子についてコピー数とリード数との関係を示す検量線をそれぞれ作成することができる。
なお、pmoA遺伝子用プライマーセットとして、例えば、配列番号4のpmoA遺伝子用プライマーと配列番号5のpmoA遺伝子用プライマーからなるセットと、配列番号4のpmoA遺伝子用プライマーと配列番号6のpmoA遺伝子用プライマーからなるセットの2つについてそれぞれ反応液を準備した場合、これら2つの反応液に応じてそれぞれ検量線を準備する。同様に、16SrRNA遺伝子用プライマーセットとして、配列番号14の16SrRNA遺伝子用プライマーと配列番号16の16SrRNA遺伝子用プライマーとからなるセットと、配列番号15の16SrRNA遺伝子用プライマーと配列番号16の16SrRNA遺伝子用プライマーとからなるセットの2つについてそれぞれ反応液を準備した場合、これら2つの反応液に応じてそれぞれ検量線を準備する。
そして、作成された検量線を利用することで、第1反応液で増幅されたpmoA遺伝子の所定の領域のリード数、第2反応液で増幅されたamoA遺伝子の所定の領域のリード数及び第3反応液で増幅された16SrRNA遺伝子の所定の領域のリード数からpmoA遺伝子、amoA遺伝子及び16SrRNA遺伝子のコピー数を定量的に解析することができる。
また、抽出DNAに含まれるpmoA遺伝子、amoA遺伝子及び/又は16SrRNA遺伝子の塩基配列情報に基づいて、当該環境に含まれる微生物の系統分類、特にメタン酸化細菌及び/又はアンモニア酸化細菌の系統分類を行うことができる。具体的には、取得された塩基配列データをクエリー配列として既知のデータベースを検索し、環境に含まれる微生物、特にメタン酸化細菌及び/又はアンモニア酸化細菌の系統分類を行うことができる。
以上のように、内部標準核酸断片を使用することで、抽出DNAに含まれるpmoA遺伝子、amoA遺伝子及び/又は16SrRNA遺伝子の定量的解析と、環境に含まれるメタン酸化細菌及び/又はアンモニア酸化細菌等の微生物に関する系統分類解析を行うことができる。特に、上述した本発明に係る内部標準核酸断片を使用して作製したpmoA遺伝子、amoA遺伝子及び/又は16SrRNA遺伝子に関する検量線を使用することで、抽出DNAに含まれる各遺伝子を非常に高精度に定量することができる。
なお、pmoA遺伝子用内部標準配列、amoA遺伝子用内部標準配列及び16SrRNA遺伝子用内部標準配列を有する内部標準核酸断片を使用する例を説明したが、pmoA遺伝子用内部標準配列のみを有する内部標準核酸断片、amoA遺伝子用内部標準配列のみを有する内部標準核酸断片、pmoA遺伝子用内部標準配列とamoA遺伝子用内部標準配列を有する内部標準核酸断片、pmoA遺伝子用内部標準配列と16SrRNA遺伝子用内部標準配列を有する内部標準核酸断片、amoA遺伝子用内部標準配列と16SrRNA遺伝子用内部標準配列を有する内部標準核酸断片のいずれを使用してもよい。
例えば、pmoA遺伝子用内部標準配列のみを有する内部標準核酸断片を使用する場合、pmoA遺伝子に関する検量線を作成することができ、抽出DNAに含まれるpmoA遺伝子のコピー数及び環境に含まれるメタン酸化細菌の系統分類を行うことができる。このとき、また、2種類以上のpmoA遺伝子用内部標準配列を有する内部標準核酸断片をすることで、pmoA遺伝子の塩基配列に基づくメタン酸化細菌の系統分類をより精緻に行うことができる。
また、amoA遺伝子用内部標準配列のみを有する内部標準核酸断片を使用する場合、同様にamoA遺伝子に関する検量線を作成することができ、抽出DNAに含まれるamoA遺伝子のコピー数及び環境に含まれるアンモニア酸化細菌の系統分類を行うことができる。
<<環境の持つ汚染物質の浄化能評価方法>>
上述した内部標準核酸断片を使用することによって、環境の持つ汚染物質の浄化能を評価することができる。具体的には、評価対象の環境に含まれる汚染物質を浄化しうる微生物を同定及び定量的解析することで、当該環境が有している汚染物質に対する分解能を評価することができる。なお、以下、本評価方法の説明において、上述した環境の解析方法と同一の手順、構成については詳細な説明を割愛する。
本評価方法においても、先ず、評価対象の環境から得たサンプルからDNA(抽出DNA)を抽出する。そして、得られた抽出DNA及び内部標準核酸断片と用いて、pmoA遺伝子用の第1反応液、amoA遺伝子用の第2反応液、及び16SrRNA遺伝子用の第3反応液を調製する。
本評価方法においても、第1反応液、第2反応液及び第3反応液を用いて核酸増幅反応及びシークエンシング反応を行い、各プライマーセットで増幅した核酸断片の塩基配列情報及びリード数を解析する。本評価方法においても、予め規定されたコピー数の内部標準核酸断片を含んでいるため、pmoA遺伝子用内部標準配列、amoA遺伝子用内部標準配列及び16SrRNA遺伝子用内部標準配列のリード数と、pmoA遺伝子の所定の領域、amoA遺伝子の所定の領域及び16SrRNA遺伝子の所定の領域のリード数とを比較することで、抽出DNAに含まれるpmoA遺伝子のコピー数、amoA遺伝子のコピー数及び16SrRNA遺伝子のコピー数を内部標準核酸断片のコピー数との相対比として解析することができる。
また、本評価方法においても、第1反応液、第2反応液及び第3反応液が、上述したように、予めコピー数が異なる複数の内部標準核酸断片をそれぞれ含む場合には、pmoA遺伝子用内部標準配列、amoA遺伝子用内部標準配列及び16SrRNA遺伝子用内部標準配列に基づいて作成した検量線を使用して、第1反応液、第2反応液及び第3反応液に含まれるpmoA遺伝子、amoA遺伝子及び/又は16SrRNA遺伝子のコピー数を算出することができる。
さらに、本評価方法においても、抽出DNAに含まれるpmoA遺伝子、amoA遺伝子及び/又は16SrRNA遺伝子の塩基配列情報に基づいて、当該環境に含まれる微生物の系統分類、特にメタン酸化細菌及び/又はアンモニア酸化細菌の系統分類を行うことができる。
なお、pmoA遺伝子用内部標準配列、amoA遺伝子用内部標準配列及び16SrRNA遺伝子用内部標準配列を有する内部標準核酸断片を使用する例を説明したが、pmoA遺伝子用内部標準配列のみを有する内部標準核酸断片、amoA遺伝子用内部標準配列のみを有する内部標準核酸断片、pmoA遺伝子用内部標準配列とamoA遺伝子用内部標準配列を有する内部標準核酸断片、pmoA遺伝子用内部標準配列と16SrRNA遺伝子用内部標準配列を有する内部標準核酸断片、amoA遺伝子用内部標準配列と16SrRNA遺伝子用内部標準配列を有する内部標準核酸断片のいずれを使用してもよい。
以上のように、内部標準核酸断片を使用することで、抽出DNAに含まれるpmoA遺伝子、amoA遺伝子及び/又は16SrRNA遺伝子の定量的解析と、環境に含まれるメタン酸化細菌及び/又はアンモニア酸化細菌等の微生物に関する系統分類解析を行うことができる。その結果、評価対象の環境におけるメタン酸化能及び/又はアンモニア酸化能を定量的に評価することができ、また、当該環境に含まれるメタン酸化細菌及び/又はアンモニア酸化細菌の系統分類及びその定量的評価を行うことができる。
メタン酸化細菌等は、トリクロロエチレン(TCE)及びトリクロロエタン(TCA)等の環境汚染物質を分解することが知られている。よって、環境に含まれるメタン酸化細菌を始めとする微生物の系統分類及びその定量的評価を行うことによって、当該環境の持つ汚染物質の浄化能を定性的及び/又は定量的に評価することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
内部標準核酸断片の設計
本実施例では、2つのpmoA遺伝子用内部標準配列、amoA遺伝子用内部標準配列及び2つの16SrRNA遺伝子用内部標準配列を有する内部標準核酸断片を4種類設計した。pmoA遺伝子用内部標準配列としては、一対のpmoA遺伝子用プライマーセット(pmoA189f及びpmoA682r)で増幅される配列と、一対のpmoA遺伝子用プライマーセット(pmoA189f及びpmoA650r)で増幅される配列を設計した。また、amoA遺伝子用内部標準配列としては、一対のamoA遺伝子用プライマーセット(amoA1F及びamoA2R)で増幅される配列を設計した。16SrRNA遺伝子用内部標準配列としては、一対の16SrRNA遺伝子用プライマーセット(341F及び805R)で増幅される配列と、一対の16SrRNA遺伝子用プライマーセット(515F及び805R)で増幅される配列を設計した。
すなわち、これら内部標準核酸断片は、pmoA遺伝子用プライマー(pmoA189f、pmoA682r及びpmoA650r)がハイブリダイズする領域、amoA遺伝子用プライマー(amoA1F及びamoA2R)がハイブリダイズする領域及び16S rRNA遺伝子用プライマー(341F、515F及び805R)がハイブリダイズする領域を含む。また、内部標準核酸断片において、各プライマーセット間の配列は、Dieter M. Tourlousse et al., Nucleic Acids Research, Volume 45, Issue 4, 28 February 2017, Page e23)に開示されたSpike-in配列をプライマーがハイブリダイズしないように一部変更した配列として設計した。さらに、内部標準核酸断片において、プライマーがハイブリダイズする領域間は10塩基以上離間するように配置した。
本実施例で設計した4種類の内部標準核酸断片をSD01~SD04とし、その塩基配列を配列番号17~20に示した。また、プライマー塩基配列を表1に示した。
Figure 0007477820000001
環境サンプル、抽出DNAの調製
本実施例では、土壌サンプルを用いた。0.21gの土壌サンプルから、FastDNA SPIN Kit for Soil(MP Biomedicals社製)を使用してDNAを抽出した。
内部標準核酸断片の調製
全合成した内部標準核酸断片が挿入されたプラスミドに、当該断片の両端に特異的なプライマーセットを用いてPCRすることで、内部標準核酸断片の全長を増幅した。反応終了後、Agencourt AMPure XPシステム(Beckman Coulter社製)を使用して内部標準核酸断片の精製をおこなった。DNA 1000 assay systemと2100 Bioanalyzer(Agilent Technologies社製)を使用して内部標準核酸断片のサイズと濃度を測定した。
本実施例で設計した4種類の内部標準核酸断片SD01~SD04が内部標準として使用可能か検証するために,Illumina MiSeq(Illumina社製)シークエンス用のリンカー付きの各プライマーセットを用いてPCRを実施した。
本実施例では、増幅した内部標準核酸断片を、pH 8.0 Tris-EDTA (TE) buffer(NIPPON GENE社製)で1.0×109 copies/μLになるよう希釈し、毎回のシークエンス用に4.0×107copies/μLの使い捨てストックを作製した。シークエンスでは10倍連続希釈した内部標準核酸断片溶液(4×103~106copies/μL)を準備した。希釈された内部標準核酸断片SD01~SD04をそれぞれ4×106 copies/μL、4×105copies/μL、4×104 copies/μL及び4×103 copies/μLの濃度で段階的に混合し、最終1.111×106copies/μLの内部標準検量線作成用のスタンダードmixを調整した。
内部標準核酸断片の特性評価1
合成した内部標準遺伝子の特性評価のため,各プライマーセット(表1)を用いてPCRを実施した。PCRは、T100 Thermal Cycler (Bio-Rad社製)で実施した。PCR反応液(20μL)の組成は、1×PCR buffer、200nMのフォワード及びリバースプライマー、200μMのdNTP mix、0.5 UnitsのHotStarTaq DNA Polymerase (QIAGEN社製)及び2μLの内部標準核酸断片(最終濃度1×104 copies/reaction)とした。PCRの温度サイクル条件は、HotStarTaq DNA Polymeraseのプロトコールに従った。電気泳動の結果から、表1に示したプライマーセットの全てについて目的とする長さの断片が増幅できることを確認した。
内部標準核酸断片の特性評価2
合成した内部標準遺伝子を用いて検量線を作成できるか検討した。上記で作製した内部標準検量線作成用のスタンダードmixを用いて、内部標準定量ライブラリーを以下のようにして調製した。すなわち、先ず1st PCR反応液(50μL)の組成は、1×PCR buffer、200nMのフォワード及びリバースプライマー、200μMのdNTP mix、0.5 UnitsのHotStarTaq DNA Polymerase (QIAGEN社製)とした。1st PCR産物は、Agencourt AMPure XPシステム(Beckman Coulter社製)を使用して精製した。2nd PCR (25μL)の反応液は、1×KAPA HiFi HotStart ReadyMix(Roche社製)、300 nMのi5及びi7 Nextera XT index adapters (Illumina社製)及び2μLの精製後1st PCR産物とした。PCRの温度サイクル条件は、KAPA HiFi HotStart ReadyMixのプロトコールに従った。得られた2nd PCR産物について、MiSeq Reagent Kit v3 (2×300 bp; Illumina社製)を使用して,Illumina MiSeq (Illumina社製)にて配列決定した。得られた配列の解析は、UPAERSEパイプラインを用いて行った。
PCR反応液に含まれていた内部標準核酸断片のコピー数及びリード数との関係を図3に示した。図3に示すように、表1に示したプライマーセットを用いた場合の決定係数(R2)が1に極めて近い良好な検量線を作成できることが明らかとなった。したがって、本実施例で設計した内部標準核酸断片を内部標準として使用可能であることが確認できた。
環境からの抽出DNAを用いた例
上述のように調製した抽出DNA及びスタンダードmixを3:1の割合で混合しDNAテンプレートとした。PCRの各種条件は、上述した「内部標準核酸断片の特性評価2」と同様にした。シークエンス解析から得られた配列のリード数を基にpmoA遺伝子について作成した検量線に基づいて、抽出DNAに含まれるpmoA遺伝子のコピー数を算出した。本例で作成した各検量線を図4に示した。図4に示すように、環境由来の抽出DNAを含む場合であっても、表1に示したプライマーセット及び各内部標準核酸断片を用いて決定係数(R2)が1に極めて近い良好な検量線を作成できることが明らかとなった。
本解析で得られた抽出DNAに含まれる16S rRNA遺伝子配列に基づく微生物種の同定およびリード数と検量線から定量を行った。結果として作製された微生物の種とその存在量を図5に示した。この結果、土壌には、ChloroplastやNitrospiraが多く存在することがわかった。
次いで、抽出DNAに含まれるpmoA遺伝子の塩基配列に基づくメタン酸化細菌種の分類およびリード数と検量線から定量を行った。結果として作成されたメタン酸化細菌種とその存在量を図6に示した。この結果、土壌には、Methylocystisが多く存在することがわかった。

Claims (8)

  1. メタン酸化酵素(pmoA)遺伝子にハイブリダイズして、それを特異的に検出するための一対のプライマーとしての部分配列と、当該一対の部分配列により挟み込まれた第1の核酸領域とを含むpmoA遺伝子用内部標準配列
    アンモニア酸化酵素(amoA)遺伝子にハイブリダイズして、それを特異的に検出するための一対のプライマーとしての部分配列と、当該一対の部分配列により挟み込まれた第2の核酸領域とを含むamoA遺伝子用内部標準配列、及び
    16SrRNA遺伝子にハイブリダイズして、それを特異的に検出するための一対のプライマーとしての部分配列と、当該一対の部分配列により挟み込まれた第3の核酸領域とを含む16SrRNA遺伝子用内部標準配列
    からなる群から選択される2以上を含む内部標準核酸断片であって、
    上記メタン酸化酵素(pmoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列のうち、一方の部分配列が配列番号1の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列からなり、他方の部分配列が配列番号2又は3の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列からなり、
    上記アンモニア酸化酵素(amoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列のうち、一方の部分配列が配列番号7の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列からなり、他方の部分配列が配列番号8の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列からなり、また
    上記16SrRNA遺伝子に特異的な一対の部分配列のうち、一方の部分配列が配列番号11又は12の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列からなり、他方の部分配列が配列番号13の塩基配列に含まれる連続する15塩基以上の塩基配列からなることを特徴とする部標準核酸断片。
  2. 上記メタン酸化酵素(pmoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列のうち、一方の部分配列が配列番号4の塩基配列からなり、他方の部分配列が配列番号5又は6の塩基配列からなることを特徴とする請求項1記載の内部標準核酸断片。
  3. 上記アンモニア酸化酵素(amoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列のうち、一方の部分配列が配列番号9の塩基配列からなり、他方の部分配列が配列番号10の塩基配列からなることを特徴とする請求項1又は2記載の内部標準核酸断片。
  4. 上記16SrRNA遺伝子に特異的な一対の部分配列のうち、一方の部分配列が配列番号14又は15の塩基配列からなり、他方の部分配列が配列番号16の塩基配列からなることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載の内部標準核酸断片。
  5. 上記第1の核酸領域及び上記第2の核酸領域は部分的に重複していることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項記載の内部標準核酸断片。
  6. 配列番号17~20からなる群から選ばれる1つの塩基配列からなることを特徴とする請求項1記載の内部標準核酸断片。
  7. 環境サンプルから抽出した抽出DNAと、請求項1乃至いずれか一項記載の内部標準核酸断片と、内部標準核酸断片に含まれるメタン酸化酵素(pmoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列のそれぞれに対応するpmoA遺伝子用プライマーセットとを含む第1反応液、
    境サンプルから抽出した抽出DNAと、請求項1乃至いずれか一項記載の内部標準核酸断片と、内部標準核酸断片に含まれるアンモニア酸化酵素(amoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列のそれぞれに対応するamoA遺伝子用プライマーセットとを含む第2反応液、及び
    環境サンプルから抽出した抽出DNAと、請求項1乃至6いずれか一項記載の内部標準核酸断片と、内部標準核酸断片に含まれる16SrRNA遺伝子に特異的な一対の部分配列のそれぞれに対応する16SrRNA遺伝子用プライマーセットとを含む第3反応液
    からなる群から選択される2以上の反応液を準備する工程と、
    上記工程で準備した2以上の反応液を用いて核酸増幅反応及びシークエンシング反応を行い、各プライマーセットで増幅した核酸断片の塩基配列情報及びリード数を解析する工程と、
    上記工程で得られた塩基配列情報に基づいて上記環境サンプルに含まれる微生物を同定し、上記工程で得られたリード数に基づいて上記環境サンプルに含まれる当該微生物を定量的に解析する工程と、
    を含む環境の解析方法。
  8. 評価対象の環境から抽出した抽出DNAと、請求項1乃至いずれか一項記載の内部標準核酸断片と、内部標準核酸断片に含まれるメタン酸化酵素(pmoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列のそれぞれに対応するpmoA遺伝子用プライマーセットとを含む第1反応液、 境サンプルから抽出した抽出DNAと、請求項1乃至いずれか一項記載の内部標準核酸断片と、内部標準核酸断片に含まれるアンモニア酸化酵素(amoA)遺伝子に特異的な一対の部分配列のそれぞれに対応するamoA遺伝子用プライマーセットとを含む第2反応液、及び
    環境サンプルから抽出した抽出DNAと、請求項1乃至6いずれか一項記載の内部標準核酸断片と、内部標準核酸断片に含まれる16SrRNA遺伝子に特異的な一対の部分配列のそれぞれに対応する16SrRNA遺伝子用プライマーセットとを含む第3反応液
    からなる群から選択される2以上の反応液を準備する工程、
    工程で準備した2以上の反応液を用いて核酸増幅反応及びシークエンシング反応を行い、各プライマーセットで増幅した核酸断片の塩基配列情報及びリード数を解析する工程と、
    上記工程で得られた塩基配列情報に基づいて、上記環境に含まれる微生物であって汚染物質を浄化しうる微生物を同定し、上記工程で得られたリード数に基づいて上記環境に含まれる当該微生物を定量的に解析する工程と、
    を含む、環境の持つ汚染物質の浄化能評価方法。
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