(実施例1)
本開示の実施例を具体的に説明する前に、本実施例の概要を説明する。実施例1は、負荷を制御する2線式の配線器具が含まれる配線システムに関する。負荷の一例は照明器具であり、配線器具の操作部をユーザが操作することによって、照明器具の点灯と消灯とが切りかえられる。ユーザの利便性を向上するために、ユーザが配線器具を操作することによって、エアーコンディショナ等の機器も制御できる方が好ましい。このような配線器具の設置および配線を簡易にするために、配線器具は、2本の信号線で供給される電力だけで動作するとともに、無線信号の送信により機器を制御すべきである。低消費電力で動作可能な無線通信として、近距離無線通信が使用される。一方、ユーザによっては、配線器具が設置された部屋とは別の部屋に設置された機器を当該配線器具を操作することによって制御したい場合もある。その際、配線器具から近距離無線通信により送信される信号は別の部屋に届かない可能性がある。
低消費電力で無線通信を実行しながら、さまざまな部屋に設置された機器を別の部屋から制御するために、本実施例に係る配線システムは次の構成を有する。各部屋に配線器具が設置され、配線器具は、同一の部屋に配置された機器を制御するために、近距離無線通信により信号を送信する。一方、配線器具は、近距離無線通信よりも伝送距離の長い別の無線通信システム、例えば小電力無線にも対応しており、別の部屋に配置された別の機器を制御するために、小電力無線により信号を送信する。この信号は別の部屋に設置された別の配線器具に受信され、別の配線器具は、信号を小電力無線により受信すると、近距離無線通信により信号を送信する。つまり、配線器具と機器が同一の部屋に配置されていれば、近距離無線通信が使用されるが、配線器具と機器が別の部屋に配置されていれば、小電力無線と近距離無線通信の中継が使用される。
図1は、配線システム1000の構成を示す図である。配線システム1000は、交流電源10、照明器具20と総称される第1照明器具20a、第2照明器具20b、変換装置30、エアコンディショナ40、電動シャッター42、電気錠44、端末装置50、配線器具100と総称される第1配線器具100a、第2配線器具100bを含む。配線システム1000は、部屋900と総称される第1部屋900a、第2部屋900bを含む施設に設置される。施設に含まれる部屋900の数は「2」に限定されない。施設は、負荷である照明器具20が備え付けられている建物であり、照明器具20のユーザが居住する建物、あるいはユーザが一時的に利用する建物である。部屋900は、施設の内部において、壁、扉等により区切られた空間である。各部屋900は、完全に独立した空間でなくてもよく、隣接した部屋900の一部がつながっていてもよい。
交流電源10は、例えば単相100〔V〕、50あるいは60〔Hz〕の商用電源である。施設は、交流電源10として、電力会社等の電気事業者から電力の供給を受けているが、太陽光発電設備等の自家発電設備から電力の供給を受けてもよい。第1部屋900aには、第1照明器具20aと第1配線器具100aとが設置され、第1配線器具100aには第1照明器具20aが接続される。第2部屋900bには、第2照明器具20bと第2配線器具100bとが設置され、第2配線器具100bには第2照明器具20bが接続される。
配線器具100は、各部屋900の壁等の設置面に設けられた埋込孔に後部が埋め込まれた状態で設置面に固定される。配線器具100は、埋込型の構造に限定されず、設置面に直付けされる露出型の構造を有してもよいし、定位置に固定されず任意の場所において使用される構造でもよい。2線式の配線器具100は、交流電源10に対して照明器具20と電気的に直列に接続された状態で使用される。ユーザは、負荷である照明器具20を点灯、消灯、調光させるために、配線器具100を操作する。そのため、配線器具100は操作装置であるともいえる。配線器具100は、ユーザから受けつけた操作にしたがって、照明器具20に流れる電流を制御することによって、照明器具20を点灯(全点灯または調光点灯)または消灯させる負荷制御機能を有する。照明器具20は通電時に点灯する。照明器具20は、例えばLED(Light Emitting Diode)などの光源と、光源を点灯させるための点灯回路とを含む。
第1部屋900aには、機器として、エアコンディショナ40、電動シャッター42が設置され、第2部屋900bには、機器として、電気錠44が設置される。第1配線器具100aは、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の近距離無線通信の通信規格に準拠した無線通信インターフェースを備え、近距離無線通信により変換装置30、電動シャッター42と通信可能である。変換装置30は、近距離無線通信を実行可能であるとともに、赤外線通信を実行可能であり、近距離無線通信の信号と赤外線通信の信号とを変換する。具体的に説明すると、変換装置30は、配線器具100から近距離無線通信により受信した信号を赤外線通信の信号に変換して、赤外線通信の信号をエアコンディショナ40に送信する。そのため、第1配線器具100aは、変換装置30を介して、近距離無線通信、赤外線通信によりエアコンディショナ40と通信する。変換装置30は、例えば、天井、壁に取り付けられたり、机等の上に置かれたりする。
ユーザは、エアコンディショナ40あるいは電動シャッター42の動作状態を変更させるために、第1配線器具100aを操作する。エアコンディショナ40の動作状態の変更は、エアコンディショナ40のオン、オフ、運転モードの変更、温度の変更、風量の変更を含み、電動シャッター42の動作状態の変更は、電動シャッター42の開放、閉鎖を含む。第1配線器具100aは、エアコンディショナ40の制御に関する操作が示された信号を近距離無線通信により送信する。エアコンディショナ40は、変換装置30を介して第1配線器具100aからの信号を赤外線通信により受信する。エアコンディショナ40は、エアコンディショナ40の制御に関する操作に応じて動作する。また、第1配線器具100aは、電動シャッター42の制御に関する操作が示された信号を近距離無線通信により送信する。電動シャッター42は、第1配線器具100aからの信号を近距離無線通信により受信する。電動シャッター42は、電動シャッター42の制御に関する操作に応じて動作する。
第2配線器具100bは、近距離無線通信により電気錠44と通信可能である。ユーザは、電気錠44の動作状態を変更させるために、第2配線器具100bを操作する。電気錠44の動作状態の変更は、電気錠44の施錠、解錠を含む。第2配線器具100bは、電気錠44の制御に関する操作が示された信号を近距離無線通信により送信する。電気錠44は、第2配線器具100bからの信号を近距離無線通信により受信する。電気錠44は、電気錠44の制御に関する操作に応じて動作する。
このように第1配線器具100aは、第1部屋900aに設置された第1照明器具20aと機器とを制御可能であり、第2配線器具100bは、第2部屋900bに設置された第2照明器具20bと機器とを制御可能である。ユーザの利便性を向上するために、第1部屋900aにいるユーザが第1配線器具100aを操作することによって、第2部屋900bの第2照明器具20bあるいは電気錠44を制御できる方が好ましい。また、第2部屋900bにいるユーザが第2配線器具100bを操作することによって、第1部屋900aの第1照明器具20aあるいはエアコンディショナ40あるいは電動シャッター42を操作できる方が好ましい。しかしながら、第1配線器具100aは第2照明器具20bに流れる電流を制御できず、第2配線器具100bは第1照明器具20aに流れる電流を制御できない。また、近距離無線通信では部屋900を跨いだ信号の伝送が不安定になる。
本実施例に係る配線器具100は、近距離無線通信に加えて、小電力無線も実行可能である。一般的に、小電力無線の伝送距離は、近距離無線通信の伝送距離よりも長い。第1部屋900aにいるユーザは、第2照明器具20bあるいは電気錠44の動作状態を変更させるために、第1配線器具100aを操作する。第1配線器具100aは、第2照明器具20bあるいは電気錠44の制御に関する操作が示された信号を小電力無線により第2配線器具100bに送信する。第2配線器具100bは、第1配線器具100aからの信号を小電力無線により受信する。
第2配線器具100bは、第2照明器具20bの制御に関する操作が示された信号を受信した場合、電流の制御により第2照明器具20bを制御する。一方、第2配線器具100bは、電気錠44の制御に関する操作が示された信号を受信した場合、電気錠44の制御に関する操作が示された信号を近距離無線通信により送信する。電気錠44は、第2配線器具100bからの信号を近距離無線通信により受信する。電気錠44は、電気錠44の制御に関する操作に応じて動作する。
第2部屋900bにいるユーザは、第1照明器具20aあるいはエアコンディショナ40あるいは電動シャッター42の動作状態を変更させるために、第2配線器具100bを操作する。第2配線器具100bは、第1照明器具20aあるいはエアコンディショナ40あるいは電動シャッター42の制御に関する操作が示された信号を小電力無線により第1配線器具100aに送信する。第1配線器具100aは、第2配線器具100bからの信号を小電力無線により受信する。
第1配線器具100aは、第1照明器具20aの制御に関する操作が示された信号を受信した場合、電流の制御により第1照明器具20aを制御する。一方、第1配線器具100aは、エアコンディショナ40あるいは電動シャッター42の制御に関する操作が示された信号を受信した場合、エアコンディショナ40あるいは電動シャッター42の制御に関する操作が示された信号を近距離無線通信により送信する。エアコンディショナ40あるいは電動シャッター42は、これまでと同様に、エアコンディショナ40あるいは電動シャッター42の制御に関する操作に応じて動作する。
第1部屋900aにおける端末装置50は、例えば、スマートフォン、タブレット端末装置、パーソナルコンピュータであり、BLE等の近距離無線通信を実行可能である。端末装置50において実行されるアプリケーションは、照明器具20あるいは機器の動作状態を変更させるための操作をユーザから受けつける。端末装置50は、照明器具20あるいは機器の制御に関する操作が示された信号を近距離無線通信により第1配線器具100aに送信する。第1配線器具100aは、端末装置50からの信号を近距離無線通信により受信する。
第1配線器具100aは、第1照明器具20aの制御に関する操作が示された信号を受信した場合、電流の制御により第1照明器具20aを制御する。第1配線器具100aは、エアコンディショナ40あるいは電動シャッター42の制御に関する操作が示された信号を受信した場合、エアコンディショナ40あるいは電動シャッター42の制御に関する操作が示された信号を近距離無線通信により送信する。これに続く処理はこれまでと同様である。
第1配線器具100aは、第2照明器具20bあるいは電気錠44に関する操作が示された信号を受信した場合、第2照明器具20bあるいは電気錠44に関する操作が示された信号を小電力無線により第2配線器具100bに送信する。第2配線器具100bは、第1配線器具100aからの信号を小電力無線により受信すると、これまでと同様の処理を実行する。
図2は、配線器具100の構成を示す。配線器具100は、接続端子110、接続端子112、負荷制御回路120、位相検出部130、電源部150、ディスプレイ160、操作部170、通信部180と総称される第1通信部180a、第2通信部180b、光源190、制御部400、記憶部410、ダイオードD1、ダイオードD2を含む。負荷制御回路120は、双方向スイッチ200、スイッチ駆動部210を含み、双方向スイッチ200は、スイッチ素子Q1、スイッチ素子Q2を含み、スイッチ駆動部210は、第1駆動部220、第2駆動部222を含む。位相検出部130は、第1検出部300、第2検出部310を含み、電源部150は、電源回路500、DC-DC変換回路520、充電回路530、蓄電素子540、放電回路550を含み、電源回路500は、第1電源部510、第2電源部512、コンデンサC1を含む。
以下では、(1)基本動作、(2)同一部屋内の機器の制御、(3)別の部屋の照明器具20、機器の制御、(4)別の部屋からの制御、(5)追加動作の順に説明する。
(1)基本動作
一対の接続端子110、接続端子112は、交流電源10と照明器具20との間に電気的に接続される。一対の接続端子110、接続端子112には、一対の電線W1、W2を介して交流電源10と照明器具20との直列回路が電気的に接続される。
負荷制御回路120は、一対の接続端子110、接続端子112の間に電気的に接続されて、照明器具20に流れる電流を制御する。負荷制御回路120における双方向スイッチ200は、接続端子110、接続端子112間において、双方向の電流の遮断・通過を切りかえる。双方向スイッチ200は、例えば、接続端子110、接続端子112間に電気的に直列に接続されたスイッチ素子Q1、スイッチ素子Q2の2個の素子を含む。例えば、スイッチ素子Q1、スイッチ素子Q2の各々は、エンハンスメント形のnチャネルMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)を含む半導体スイッチ素子である。
スイッチ駆動部210は、双方向スイッチ200に接続される。スイッチ駆動部210の第1駆動部220は、制御部400から入力される第1制御信号Sb1に応じてスイッチ素子Q1のオン、オフ状態を切りかえる。第2駆動部222は、制御部400から入力される第2制御信号Sb2に応じてスイッチ素子Q2のオン、オフ状態を切りかえる。スイッチ素子Q1、スイッチ素子Q2のオン、オフ状態の組み合わせによって、接続端子110、接続端子112間において双方向に電流が流れるオン状態(導通状態)と、電流を流さないオフ状態(遮断状態)とが切りかえられる。導通状態において照明器具20が点灯し、遮断状態において照明器具20が消灯する。負荷制御回路120が一対の接続端子110、接続端子112の間を導通状態とする場合であっても、電源回路500が交流電源10から電力を取得する期間を確保する必要がある。そのため、負荷制御回路120は例えば一対の接続端子110、接続端子112の間を間欠的に導通状態とする。
位相検出部130は、接続端子110、接続端子112間に印加される交流電源10の交流電圧Vacの位相を検出する。「位相」は、交流電圧Vacのゼロクロス点、交流電圧Vacの極性(正極性、負極性)を含む。位相検出部130は、交流電圧Vacのゼロクロス点を検出すると検出信号を制御部400に出力する。位相検出部130の第1検出部300は接続端子110に電気的に接続され、第2検出部310は接続端子112に電気的に接続される。第1検出部300は、交流電圧Vacが負極性の半周期から正極性の半周期に移行する際のゼロクロス点を検出する。第2検出部310は、交流電圧Vacが正極性の半周期から負極性の半周期に移行する際のゼロクロス点を検出する。
具体的に説明すると、第1検出部300は、接続端子110を正極とする電圧が規定値未満の状態から規定値以上の状態に移行したことを検出すると、ゼロクロス点と判定し、第1検出信号Zc1を制御部400に出力する。第2検出部310は、接続端子112を正極とする電圧が規定値未満の状態から規定値以上の状態に移行したことを検出すると、ゼロクロス点と判定し、第2検出信号Zc2を制御部400に出力する。規定値は0〔V〕付近に設定された値(絶対値)である。例えば、第1検出部300の規定値は、+数〔V〕程度であり、第2検出部310の規定値は、-数〔V〕程度である。
制御部400は、位相検出部130からの検出信号と、後述の操作部170からの検出信号とをもとに双方向スイッチ200を制御する。制御部400は、スイッチ素子Q1、スイッチ素子Q2の各々を別々に制御する。具体的には、制御部400は、第1制御信号Sb1に応じてスイッチ素子Q1を制御し、第2制御信号Sb2に応じてスイッチ素子Q2を制御する。また、制御部400は、後述のコンデンサC1に充電電流を流す充電部を第1電源部510と第2電源部512のいずれかに切りかえる。制御部400は、コンデンサC1に充電電流を流す充電部として、照明器具20を消灯させる消灯モードでは第1電源部510を選択し、照明器具20を調光点灯または全点灯させる点灯モードでは第2電源部512を選択する。
制御部400は、例えばマイクロコンピュータを主構成とする。マイクロコンピュータは、マイクロコンピュータのメモリに記録されているプログラムをCPU(Central Processing Unit)で実行することにより、制御部400としての機能を実現する。プログラムは、予めマイコンのメモリに記録されていてもよいし、メモリカードのような記録媒体に記録されて提供されたり、電気通信回線を通して提供されたりしてもよい。
電源回路500は、間欠的な導通状態において、一対の接続端子110、接続端子112の間が非導通となる期間に、一対の接続端子110、接続端子112を介して、交流電源10から電力を取得する。電源回路500は、交流電源10から接続端子110、接続端子112を介して供給される電力で負荷制御回路120を動作させる電力を生成する。
電源回路500は、ダイオードD1を介して接続端子110に電気的に接続され、ダイオードD2を介して接続端子112に電気的に接続される。また、電源回路500のグランドは、2個のスイッチ素子Q1、スイッチ素子Q2の各々が備える寄生ダイオードの接続点に電気的に接続される。これにより、ダイオードD1、ダイオードD2、スイッチ素子Q1、スイッチ素子Q2の各々が備える寄生ダイオードとで構成されるダイオードブリッジにて、接続端子110、接続端子112間に印加される交流電圧Vacが全波整流されて、電源回路500に供給される。したがって、双方向スイッチ200がオフ状態にある場合、電源回路500には、全波整流された交流電圧Vac(ダイオードブリッジから出力される脈流電圧)が印加される。
電源回路500のコンデンサC1は、第1電源部510または第2電源部512によって充電される。DC-DC変換回路520は、コンデンサC1の両端電圧を所定の電圧値(例えば3V)の直流電圧に変換する。DC-DC変換回路520の出力電圧は制御部400と充電回路530とに供給される。また、電源回路500は、DC-DC変換回路520の出力電圧を例えば9V程度に降圧または昇圧した電圧をスイッチ駆動部210に供給する。電源回路500は、交流電源10から取得した電力で、負荷制御回路120(制御部400、スイッチ駆動部210および双方向スイッチ200)を動作させるための動作電力を生成する。
第1電源部510は、照明器具20を消灯させる消灯モードにおいて、接続端子110、接続端子112からコンデンサC1に電流を流す回路であり、例えばシリーズ・レギュレータ回路のような定電圧回路である。第2電源部512は、照明器具20を点灯(調光点灯または全点灯)させる点灯モードにおいて、接続端子110、接続端子112からコンデンサC1に電流を流す回路である。点灯モードでは、照明器具20の調光レベルに応じた導通期間に双方向スイッチ200が導通するので、交流電圧Vacのゼロクロス点から双方向スイッチ200がオン状態に切り替わるまでのオフ期間(非導通の期間)に、第2電源部512はコンデンサC1を充電する。したがって、消灯モードに比べて、コンデンサC1に充電電流が流れる期間が短く、特に全点灯時には充電電流が流れる期間において交流電圧Vacの大きさ(絶対値)が小さくなるので、第2電源部512はコンデンサC1を短時間で充電する必要がある。そのため、第2電源部512は接続端子110、接続端子112から見たインピーダンスが第1電源部510に比べて低インピーダンスであり、第2電源部512は、第1電源部510に比べて短時間でコンデンサC1を充電する。
配線器具100に備えられるディスプレイ160は、自己保持型の表示器であるので、表示内容を変更するタイミングでは消費電力が大きくなり、電源回路500のコンデンサC1では動作に必要な電力を賄えない可能性がある。そこで、配線器具100には、電源回路500のコンデンサC1に比べて蓄電容量が大きい蓄電素子540がさらに備えられる。蓄電素子540は、例えば、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケル水素電池、全固体電池等の二次電池、電気二重層キャパシタなどの蓄電素子である。充電回路530は、電源回路500から供給される電流の一部で蓄電素子540を充電する。その結果、蓄電素子540は、電源回路500によって充電される。
放電回路550は、蓄電素子540を電源としてディスプレイ160、操作部170、第1通信部180a、第2通信部180b、光源190に電力を供給する。すなわち、放電回路550は、蓄電素子540から放電させ、蓄電素子540の電圧を所定の電圧値の直流電圧に変換(例えば降圧)して、ディスプレイ160、操作部170、第1通信部180a、第2通信部180b、光源190に印加する。また、放電回路550は、給電タイミングでは蓄電素子540から放電させ、給電タイミング以外の給電停止期間においては蓄電素子540からの放電を停止させる。
ディスプレイ160は、例えば、自己保持型の表示器である。自己保持型の表示器は、表示内容を変更する場合の消費電力に比べて、表示内容を保持する場合の消費電力が小さい表示器である。ディスプレイ160は、例えば、白および黒の2色表示が可能な電子ペーパである。電子ペーパが表示可能な色は白黒の2色に限定されず、3色以上であってもよい。ディスプレイ160の表示内容は制御部400によって書き換えられる。
操作部170は、例えば、ディスプレイ160の表面の全体に取り付けられたタッチセンサである。タッチセンサは、抵抗膜方式、静電容量方式、または電磁誘導方式等の周知の方式のタッチセンサであり、ユーザが指またはペンなどでタッチセンサの表面に触れる操作(例えば、タップ、フリック、スワイプ、ドラッグ等の操作)を検出し、操作に応じた検出信号を制御部400に出力する。操作部170は、タッチセンサに限定されず、ユーザの操作を受けて操作に応じた検出信号を制御部400に出力する構成であればよく、例えば押釦スイッチ、可変抵抗器、またはロータリスイッチ等でもよい。操作部170は、第1照明器具20aの制御に関する操作、機器の制御に関する操作を受けつける。
このような配線器具100によって、接続端子110、接続端子112間に照明器具20を介して交流電源10が接続されると、交流電源10から接続端子110、接続端子112間に印加される交流電圧Vacが整流されて電源部150に供給される。起動時は照明器具20が消灯状態であるので、第1電源部510を介してコンデンサC1が充電され、コンデンサC1から制御部400等に動作に必要な電圧が供給されて、制御部400が起動する。また、電源回路500から充電回路530に電流が流れると、充電回路530は蓄電素子540を充電する。
制御部400が起動すると、制御部400は、位相検出部130の検出信号をもとに交流電源10の周波数の判定を行う。制御部400は、判定した周波数に応じて、予めメモリに記憶されている数値テーブルを参照し、各種の時間などのパラメータを設定する。操作部170が照明器具20を点灯させる操作を受けつけていない場合、制御部400は、双方向スイッチ200をオフ状態に制御することで、照明器具20を消灯状態に制御する。
図3(a)-(b)は、配線器具100の外観を示す。図3(a)では、照明器具20が消灯状態であるを示す画像G1がディスプレイ160に表示される。画像G1は、表示対象の照明器具20の動作状態を表示したり変更したりするスイッチモード(以下、「第1スイッチモード」という)の表示画像である。画像G1の上部の中央にはラベル領域R1が配置され、ラベル領域R1には、表示対象の照明器具20の名称である「メイン照明」の文字が表示される。表示対象の照明器具20は、例えば、第1配線器具100aに対する第1照明器具20aであり、第2配線器具100bに対する第2照明器具20bである。ラベル領域R1の下方は、照明器具20の状態を示す通知領域R2が配置され、通知領域R2には、消灯状態を表すシンボルと「消灯」の文字が表示される。ラベル領域R1の左方には、操作領域R3が配置され、操作領域R3には左方向を示す記号「<」が表示される。ラベル領域R1の右方には、操作領域R4が配置され、操作領域R4には右方向を示す記号「>」が表示される。
表示対象の照明器具20を点灯させる場合、ユーザは、ディスプレイ160の下方に設けられた操作部170を押し下げる。操作部170は例えば押釦スイッチである。操作部170は、押し下げ操作に応じた検出信号を制御部400に出力する。また、表示対象の照明器具20を点灯させる場合、ユーザは、画像G1の通知領域R2をタッチ操作してもよい。この場合、通知領域R2のタッチセンサが操作部170に相当する。画像G1の通知領域R2がタッチ操作されると、操作部170がユーザの操作を受けつけ、操作に応じた検出信号を制御部400に出力する。制御部400は、操作部170から入力される検出信号と、位相検出部130の検出結果とに基づいて、双方向スイッチ200の導通期間を制御することによって、照明器具20に流れる電流を制御して照明器具20を点灯させる。
図3(b)では、照明器具20が点灯状態であることを示す画像G2がディスプレイ160に表示される。画像G2の通知領域R2には、点灯状態を表すシンボルおよび「点灯100%」の文字が表示される。表示対象の照明器具20を消灯させる場合、ユーザは、ディスプレイ160の下方に設けられた操作部170を押し下げたり、画像G2の通知領域R2をタッチ操作したりする。制御部400は、操作部170から検出信号が入力すると、電流を遮断して照明器具20を消灯させる。ディスプレイ160に表示される画像は図3(a)-(b)の画像に限定されない。
(2)同一部屋内の機器の制御
ここでは、一例として、図1の第1部屋900aにおける処理を説明する。これは、第1配線器具100aからエアコンディショナ40あるいは電動シャッター42を制御する場合である。第2部屋900bにおける第2配線器具100bから電気錠44を制御する場合も同様になされればよい。
図4(a)-(d)は、配線器具100、特に第1配線器具100aの動作概要を示す。図4(a)は、図3(a)-(b)の操作領域R3あるいは操作領域R4が操作されることによってディスプレイ160に表示される画像G3を示す。画像G3は、機器あるいは別の部屋900の照明器具20の動作状態を表示したり変更したりするスイッチモード(以下、「第2スイッチモード」という)の表示画像である。画像G3の上部の中央にはラベル領域R1が配置され、ラベル領域R1には、「機器」の文字が表示される。ラベル領域R1の下部には、「エアコン」の文字とアイコンが示された選択領域R10、「シャッター」の文字とアイコンが示された選択領域R11、「サブ照明」の文字とアイコンが示された選択領域R12が配置される。「エアコン」はエアコンディショナ40に相当し、「シャッター」は電動シャッター42に相当し、「サブ照明」は第2照明器具20bに相当する。
エアコンディショナ40を制御する場合、ユーザが、選択領域R10をタッチ操作すると、操作部170はエアコンディショナ40の制御モードへの変更の指示を受けつける。制御部400は、操作部170が変更の指示を受けつけた場合、エアコンディショナ40の制御モードの表示画面をディスプレイ160に表示させる。図4(b)は、ディスプレイ160に表示される画像G4を示す。画像G4は、エアコンディショナ40の制御モードの表示画面である。画像G4には、運転モード、風量、風向、温度の情報が表示されており、制御対象となる情報の領域をユーザがタッチ操作すると、操作部170は、エアコンディショナ40の制御に関する操作を受けつける。例えば、ユーザが、風量の情報をタッチ操作すると、操作部170は、エアコンディショナ40の風量変更の制御に関する操作を受けつける。操作部170は、エアコンディショナ40の制御に関する操作を制御部400に出力する。図4(c)-(d)は後述し、図2に戻る。
制御部400は、エアコンディショナ40の制御に関する操作を操作部170から受けつける。制御部400は、受けつけた操作が示された信号の出力先を決定する。その際、制御部400は、記憶部410に記憶されたテーブルを参照する。図5(a)-(c)は、記憶部410に記憶されるテーブルのデータ構造を示す。図5(a)では、制御対象となる照明器具20と機器のそれぞれに対する送信先と、使用すべき通信部180が示される。制御対象がエアコンディショナ40である場合、制御部400は、送信先として図1の変換装置30を選択するとともに、使用すべき通信部180として第1通信部180aを選択する。制御部400は、選択した第1通信部180aに、エアコンディショナ40の制御に関する操作が示された信号を出力する。図5(b)-(c)は後述し、図2に戻る。
第1通信部180aは、BLE等の近距離無線通信の通信規格に準拠した無線通信インターフェースであり、信号を送信するための送信部と、信号を受信するための受信部とを含む。第1通信部180aは、前述のごとく、近距離無線通信により、図1の変換装置30、電動シャッター42と通信可能である。第1通信部180aは、エアコンディショナ40の制御に関する操作が示された信号を近距離無線通信により変換装置30に送信する。これに続く処理は、前述の通りであり、エアコンディショナ40は制御にしたがって動作する。
一方、電動シャッター42を制御する場合、ユーザが、選択領域R11をタッチ操作すると、操作部170は電動シャッター42の制御モードへの変更の指示を受けつける。制御部400は、操作部170が変更の指示を受けつけた場合、電動シャッター42の制御モードの表示画面をディスプレイ160に表示させる。電動シャッター42の制御モードの表示画面は図4(b)と同様に示される。エアコンディショナ40の場合と同様の操作がなされることによって、操作部170は、電動シャッター42の制御に関する操作を受けつける。操作部170は、電動シャッター42の制御に関する操作を制御部400に出力する。
制御部400は、電動シャッター42の制御に関する操作を操作部170から受けつける。制御部400は、記憶部410に記憶されたテーブルを参照しながら、送信先として電動シャッター42を選択するとともに、使用すべき通信部180として第1通信部180aを選択する。制御部400は、選択した第1通信部180aに、電動シャッター42の制御に関する操作が示された信号を出力する。第1通信部180aは、電動シャッター42の制御に関する操作が示された信号を近距離無線通信により電動シャッター42に送信する。これに続く処理は、前述の通りであり、電動シャッター42は制御にしたがって動作する。
(3)別の部屋の照明器具20、機器の制御
ここでは、一例として、図1の第1部屋900aから第2部屋900bの照明器具20、機器を制御する場合を説明する。これは、第1配線器具100aから第2照明器具20bあるいは電気錠44を制御する場合である。
前述のごとく、図4(a)に示された画像G3の「サブ照明」が第2照明器具20bに相当する。第2照明器具20bを制御する場合、ユーザが、選択領域R12をタッチ操作すると、操作部170は第2照明器具20bの制御モードへの変更の指示を受けつける。制御部400は、操作部170が変更の指示を受けつけた場合、第2照明器具20bの制御モードの表示画面をディスプレイ160に表示させる。第2照明器具20bの制御モードの表示画面は、図3(a)-(b)の画像G1あるいは画像G2と同様に示されればよい。その際、ラベル領域R1には、表示対象の第2照明器具20bの名称である「サブ照明」の文字が表示される。第1照明器具20aの場合と同様の操作がなされることによって、操作部170は、第2照明器具20bの制御に関する操作を受けつける。操作部170は、第2照明器具20bの制御に関する操作を制御部400に出力する。
制御部400は、第2照明器具20bの制御に関する操作を操作部170から受けつける。制御部400は、記憶部410に記憶されたテーブルを参照しながら、送信先として第2照明器具20bを選択するとともに、使用すべき通信部180として第2通信部180bを選択する。制御部400は、選択した第2通信部180bに、第2照明器具20bの制御に関する操作が示された信号を出力する。
第2通信部180bは、小電力無線に準拠した無線通信インターフェースであり、信号を送信するための送信部と、信号を受信するための受信部とを含む。小電力無線の周波数は、例えば、900MHz~1000MHzであり、BLEの周波数2.4GHz帯よりも低い。そのため、小電力無線は、近距離無線通信よりも長い距離を伝送可能である。つまり、第1通信部180aから送信される信号は、第2部屋900bに存在する装置に受信されにくいが、第2通信部180bから送信される信号は、第2部屋900bに存在する装置に受信されやすい。ここで、近距離無線通信を「第1通信方式」と呼ぶ場合、小電力無線は、第1通信方式とは異なった「第2通信方式」と呼ばれる。第2通信部180bは、第2照明器具20bの制御に関する操作が示された信号を小電力無線により第2配線器具100bに送信する。
第2配線器具100bの第2通信部180bは、第2照明器具20bの制御に関する操作が示された信号を小電力無線により第1配線器具100aから受信する。記憶部410には、図5(b)に示されるテーブルが記憶される。図5(b)は図5(a)と同様に示される。制御部400は、記憶部410のテーブルを参照することによって、第2通信部180bにおいて受信した信号の制御対象から、送信先と通信部180を特定する。制御対象が第2照明器具20bである場合、制御部400は、第1配線器具100aが第1照明器具20aを制御する場合と同様に、電流を制御することによって第2照明器具20bを制御する。
一方、図4(a)に示された画像G3に「電気錠」が含まれる場合、ユーザは、電気錠44を制御するために、ディスプレイ160のうち、電気錠44のアイコンが表示された領域をタッチ操作する。これに続いてこれまでと同様の操作がなされることによって、操作部170は、電気錠44の制御に関する操作を受けつける。操作部170は、電気錠44の制御に関する操作を制御部400に出力する。制御部400は、電気錠44の制御に関する操作を操作部170から受けつける。制御部400は、記憶部410に記憶されたテーブルを参照しながら、送信先として第2照明器具20bを選択するとともに、使用すべき通信部180として第2通信部180bを選択する。制御部400は、選択した第2通信部180bに、電気錠44の制御に関する操作が示された信号を出力する。第2通信部180bは、電気錠44の制御に関する操作が示された信号を小電力無線により第2配線器具100bに送信する。
第2配線器具100bの第2通信部180bは、電気錠44の制御に関する操作が示された信号を小電力無線により第1配線器具100aから受信する。制御部400は、記憶部410のテーブルを参照することによって、第2通信部180bにおいて受信した信号の制御対象から、送信先と通信部180を特定する。制御対象が電気錠44である場合、制御部400は、送信先として電気錠44を選択し、通信部180として第1通信部180aを選択する。第1通信部180aは、電気錠44の制御に関する操作が示された信号を近距離無線通信により電気錠44に送信する。これに続く処理は、前述の通りであり、電気錠44は制御にしたがって動作する。
(4)別の部屋からの制御
ここでは、一例として、図1の第2部屋900bから第1部屋900aの照明器具20、機器を制御する場合を説明する。これは、第2配線器具100bから、第1照明器具20aあるいはエアコンディショナ40あるいは電動シャッター42を制御する場合である。つまり、これは、(3)別の部屋の照明器具20、機器の制御とは逆方向の制御に相当する。
第2配線器具100bのディスプレイ160には、図4(a)と同様の画像G3が表示される。その際、「エアコン」、「シャッター」、「サブ照明」の代わりに、「電気錠」の文字とアイコンが示されてもよい。「電気錠」は電気錠44に相当し、「サブ照明」は第1照明器具20aに相当する。
第1照明器具20aを制御する場合、ユーザが、第2配線器具100bに対して、これまでと同様の操作を実行することによって、操作部170は、第1照明器具20aの制御に関する操作を受けつける。操作部170は、第1照明器具20aの制御に関する操作を制御部400に出力する。制御部400は、第1照明器具20aの制御に関する操作を操作部170から受けつける。制御部400は、記憶部410に記憶されたテーブルを参照しながら、送信先として第1配線器具100aを選択するとともに、使用すべき通信部180として第2通信部180bを選択する。制御部400は、選択した第2通信部180bに、第1照明器具20aの制御に関する操作が示された信号を出力する。第2通信部180bは、第1照明器具20aの制御に関する操作が示された信号を小電力無線により第1配線器具100aに送信する。
第1配線器具100aの第2通信部180bは、第1照明器具20aの制御に関する操作が示された信号を小電力無線により第2配線器具100bから受信する。制御部400は、記憶部410のテーブルを参照することによって、第2通信部180bにおいて受信した信号の制御対象から、送信先と通信部180を特定する。制御対象が第1照明器具20aである場合、制御部400は、前述のごとく、第1照明器具20aを制御する。
一方、エアコンディショナ40あるいは電動シャッター42を制御する場合、ユーザが、第2配線器具100bに対して、これまでと同様の操作を実行することによって、操作部170は、エアコンディショナ40あるいは電動シャッター42の制御に関する操作を受けつける。操作部170は、エアコンディショナ40あるいは電動シャッター42の制御に関する操作を制御部400に出力する。
制御部400は、エアコンディショナ40あるいは電動シャッター42の制御に関する操作を操作部170から受けつける。制御部400は、記憶部410に記憶されたテーブルを参照しながら、送信先として第1配線器具100aを選択するとともに、使用すべき通信部180として第2通信部180bを選択する。制御部400は、選択した第2通信部180bに、エアコンディショナ40あるいは電動シャッター42の制御に関する操作が示された信号を出力する。第2通信部180bは、エアコンディショナ40あるいは電動シャッター42の制御に関する操作が示された信号を小電力無線により第1配線器具100aに送信する。
第1配線器具100aの第2通信部180bは、エアコンディショナ40あるいは電動シャッター42の制御に関する操作が示された信号を小電力無線により第2配線器具100bから受信する。つまり、第2通信部180bは、機器の制御に関する操作を第2配線器具100bが受けつけた場合に、機器の制御に関する操作が示された信号を第2配線器具100bから受信する。制御部400は、記憶部410のテーブルを参照することによって、第2通信部180bにおいて受信した信号の制御対象から、送信先と通信部180を特定する。制御対象がエアコンディショナ40である場合、制御部400は、送信先として変換装置30を選択するとともに、使用すべき通信部180として第1通信部180aを選択する。第1通信部180aは、エアコンディショナ40の制御に関する操作が示された信号を近距離無線により変換装置30に送信する。これに続く処理は、前述の通りであり、エアコンディショナ40は制御にしたがって動作する。
制御対象が電動シャッター42である場合、制御部400は、送信先として電動シャッター42を選択するとともに、使用すべき通信部180として第1通信部180aを選択する。第1通信部180aは、電動シャッター42の制御に関する操作が示された信号を近距離無線により電動シャッター42に送信する。これに続く処理は、前述の通りであり、電動シャッター42は制御にしたがって動作する。このように、第1通信部180aは、機器の制御に関する操作が示された信号を第2通信部180bが受信した場合に、機器の制御に関する操作が示された信号を機器に送信する。
(5)追加動作
図2の光源190は、ディスプレイ160に光を照射可能であり、例えば、LEDである。制御部400は、接続端子110、接続端子112に接続された照明器具20を点灯させているか否かに応じて、光源190を点灯させるか否かを決定する。この決定のために、制御部400は、記憶部410に記憶されたテーブルを参照する。図5(c)は、記憶部410に記憶されたテーブルのデータ構造を示す。当該テーブルには、照明器具20の点灯/消灯と、光源190の点灯/消灯との関係が示される。図示のごとく、照明器具20が点灯している場合に、光源190の消灯が決定され、照明器具20が消灯している場合に、光源190の点灯が決定される。その結果、光源190は、照明器具20に対して交流電源10からの電力が供給されている場合に消灯し、照明器具20に対して交流電源10からの電力が遮断されている場合に点灯する。ここで、照明器具20が点灯している場合は、接続端子110、接続端子112間が導通状態にされている点灯モードに相当し、照明器具20が消灯している場合は、接続端子110、接続端子112間が遮断状態にされている消灯モードに相当する。
各照明器具20、各機器の制御は、各配線器具100からだけではなく、ユーザが携帯する端末装置50からも可能である。端末装置50は、前述のごとく、例えば、スマートフォン、タブレット端末装置、パーソナルコンピュータであり、BLE等の近距離無線通信を実行可能である。端末装置50を携帯するユーザが例えば第1部屋900aに存在する場合において、ユーザは、照明器具20あるいは機器を制御するためのアプリケーションを端末装置50に実行させる。端末装置50は、照明器具20あるいは機器の動作状態を変更させるための操作をユーザから受けつける。端末装置50は、照明器具20あるいは機器の制御に関する操作が示された信号を近距離無線通信により第1配線器具100aに送信する。
第1配線器具100aの第1通信部180aは、照明器具20あるいは機器の制御に関する操作が示された信号を近距離無線通信により端末装置50から受信する。制御部400は、照明器具20あるいは機器の制御に関する操作を第1通信部180aから受けつける。制御部400は、受けつけた操作が示された信号の出力先を決定する。その際、制御部400は、記憶部410に記憶されたテーブルを参照する。これに続く処理はこれまでと同様であるが、第1照明器具20aの制御に関する操作を受けつけた場合、制御部400は第1照明器具20aを制御する。また、エアコンディショナ40あるいは電動シャッター42の制御に関する操作を受けつけた場合、第1通信部180aは、エアコンディショナ40あるいは電動シャッター42の制御に関する操作が示された信号を近距離無線通信により送信する。さらに、第2照明器具20bあるいは電気錠44の制御に関する操作を受けつけた場合、第2通信部180bは、第2照明器具20bあるいは電気錠44の制御に関する操作が示された信号を小電力無線により送信する。
ユーザの利便性をさらに向上させるために、配線システム1000は次の処理を実行してもよい。これは、第1部屋900aが寝室であると想定し、ユーザが就寝のために第1照明器具20aを消灯させた場合に電気錠44を自動的に施錠させる処理である。
ユーザは、第1照明器具20aを消灯するように第1配線器具100aの操作部170を操作する。操作部170が受けつけた操作に応じて、制御部400は、第1照明器具20aを点灯から消灯に切りかえるように負荷制御回路120を制御する。負荷制御回路120は、制御部400からの制御に応じて、第1照明器具20aを点灯から消灯に切りかえる。これは、接続端子110、接続端子112間を導通状態から遮断状態に切りかえることによって、照明器具20に対して交流電源10からの電力を遮断させることに相当する。制御部400は、第1照明器具20aを消灯すると、電気錠44の制御に関する操作として、電気錠44の施錠の操作を第2通信部180bに出力する。第2通信部180bは、電気錠44の制御、つまり電気錠44の施錠に関する操作が示された信号を小電力無線により第2配線器具100bに送信する。
これに続く、第2配線器具100bの処理は、これまでと同様である。第2配線器具100bの第2通信部180bが、電気錠44の制御に関する操作が示された信号を小電力無線により第1配線器具100aから受信する。これに応じて、第1通信部180aは、電気錠44の制御に関する操作が示された信号を近距離無線通信により電気錠44に送信する。電気錠44は、制御にしたがって施錠する。
ユーザの利便性をさらに向上させるために、配線システム1000は次の処理を実行してもよい。これも、第1部屋900aが寝室であると想定し、ユーザが就寝のために第1照明器具20aを消灯させた場合に電気錠44の施錠あるいは解錠の状態を確認する処理である。
ユーザは、第1照明器具20aを消灯するように第1配線器具100aの操作部170を操作する。操作部170が受けつけた操作に応じて、制御部400は、第1照明器具20aを点灯から消灯に切りかえるように負荷制御回路120を制御する。制御部400は、第1照明器具20aを消灯すると、電気錠44の状態を確認させるための要求信号を第2通信部180bに送信させる。第2通信部180bは、要求信号を小電力無線により第2配線器具100bに送信する。
第2配線器具100bの第2通信部180bは、要求信号を小電力無線により第1配線器具100aから受信する。制御部400は、要求信号を第2通信部180bから受けつけると、第1通信部180aにおける近距離無線通信を使用して、電気錠44の状態を取得する。制御部400は、電気錠44の状態を取得すると、電気錠44の状態が示された応答信号を第2通信部180bに送信させる。第2通信部180bは、応答信号を小電力無線により第1配線器具100aに送信する。
第1配線器具100aの第2通信部180bは、応答信号を小電力無線により第2配線器具100bから受信する。制御部400は、応答信号を第2通信部180bから受けつけると、電気錠44の状態をディスプレイ160に表示させる。図4(c)は、電気錠44が解錠されている場合にディスプレイ160に表示される画像G5を示し、図4(d)は、電気錠44が施錠されている場合にディスプレイ160に表示される画像G6を示す。
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
以上の構成による配線システム1000の動作を説明する。図6は、配線器具100、特に第1配線器具100aによる処理手順を示すフローチャートである。操作部170が操作を受けつけなく(S10のN)、第1通信部180aが操作を受けつけなければ(S12のN)、第2通信部180bが操作を受けつけ(S14)、ステップ16に進む。操作部170が操作を受けつける場合(S10のY)、あるいは第1通信部180aが操作を受けつける場合(S12のY)、ステップ16に進む。
第1照明器具20aを制御する場合(S16のY)、負荷制御回路120は電流を制御する(S18)。第1照明器具20aを制御しない場合(S16のN)、制御対象が第1部屋900aであれば(S20のY)、制御部400は第1通信部180aを使用する(S22)。制御対象が第1部屋900aでなければ(S20のN)、制御部400は第2通信部180bを使用する(S24)。
図7は、配線システム1000による処理手順を示すシーケンス図である。第1配線器具100aは、ユーザによる操作を受けつける(S100)。第1配線器具100aは電流を制御する(S102)。第1照明器具20aは消灯される(S104)。第1配線器具100aは、電気錠44の施錠の操作が示された操作信号を小電力無線により送信する(S106)。第2配線器具100bは、操作信号を小電力無線により受信すると、操作信号を近距離無線通信により送信する(S108)。電気錠44は施錠される(S110)。
図8は、配線システム1000による別の処理手順を示すシーケンス図である。第1配線器具100aは、ユーザによる操作を受けつける(S200)。第1配線器具100aは電流を制御する(S202)。第1照明器具20aは消灯される(S204)。第1配線器具100aは要求信号を小電力無線により送信する(S206)。第2配線器具100bは、要求信号を小電力無線により受信すると、状態要求を近距離通信により電気錠44に送信する(S208)。電気錠44は状態情報を近距離無線通信により第2配線器具100bに送信する(S210)。第2配線器具100bは、状態情報が含まれた応答信号を小電力無線により送信する(S212)。第1配線器具100aは状態情報を表示する(S214)。
以下では、配線システム1000の別の構成を示す。図9は、配線システム1000の構成を示す。配線システム1000は、配線器具100と総称される第1配線器具100aから第3配線器具100c、第1ネットワーク600、コントローラ610、ルータ620、第2ネットワーク630を含む。ここでは、第1配線器具100a、第3配線器具100c、第1ネットワーク600、ルータ620、第2ネットワーク630が施設に既に設置されている場合を想定する。
第1配線器具100aは、これまで説明した構成に加えて通信部(図示せず)を含む。通信部は、例えばイーサネット(登録商標)規格に準拠した通信インターフェースであり、第1ネットワーク600を介して通信可能である。また通信部は、無線LAN(Local Area Network)規格に準拠した通信インターフェースであってもよい。第3配線器具100cは、これまで説明した配線器具100と同様の構成を有するが、第1通信部180aと第2通信部180bを含まず、通信部を含む。第1配線器具100aと第3配線器具100cは、第1ネットワーク600を介してコントローラ610と通信可能である。第1ネットワーク600を介した通信は、例えばイーサネット規格に準拠した通信である。
コントローラ610は、例えばHEMS(Home Energy Management System)のコントローラであり、複数の照明器具20の状態を直接的または間接的に監視する機能、複数の照明器具20を直接的または間接的に制御する機能を有する。コントローラ610は、例えばイーサネット規格に準拠した通信インターフェースを有し、第1ネットワーク600を介して通信可能である。コントローラ610は、配線器具100に表示される複数種類の画面(表示内容)に対応した画像データを予め記憶し、配線器具100の操作部170の操作等に応じた画像データを配線器具100に送信する。
さらに、第1ネットワーク600にはルータ620が接続される。ルータ620は、ブロードバンドルータである。したがって、コントローラ610は、ルータ620を介して、インターネットを含む外部の第2ネットワーク630に接続される。第2ネットワーク630には、外部のサーバ(図示せず)も接続される。コントローラ610とサーバとは、第2ネットワーク630を介して通信可能である。
このような配線システム1000が設置された施設の第2部屋900bには、第2照明器具20bの点灯あるいは消灯を制御するための機能だけを有するが、通信機能を有さない配線器具が設置されている。第2部屋900bに設置された電気錠44を配線システム1000により制御する場合、これまでは、第2部屋900bにも第1ネットワーク600を施設する必要があった。しかしながら、図1と図9のように、第2部屋900bにおける配線器具を第2配線器具100bに置き換えると、第2配線器具100bと第1配線器具100aとが小電力無線により通信され、第2配線器具100bと電気錠44とが近距離無線通信により通信される。その結果、第2部屋900bに第1ネットワーク600を施設しなくても、電気錠44が配線システム1000により制御可能になる。
本実施例によれば、近距離無線通信と小電力無線とを併用して、機器の制御に関する操作が示された信号を伝送するので、ユーザの利便性を向上できる。機器の制御に関する操作を第2配線器具100bが受けつけた場合に、機器の制御に関する操作が示された信号を第2配線器具100bから小電力無線により受信するので、配線器具100間の距離が離れていても第2配線器具100bからの信号を受信できる。また、配線器具100間の距離が離れていても第2配線器具100bからの信号が受信されるので、配線器具100間で信号を転送できる。また、配線器具100間で信号が転送されるので、機器の制御に関する操作が示された信号の伝送距離を長くできる。また、機器の制御に関する操作が示された信号の伝送距離が長くなるので、ユーザの利便性を向上できる。
また、小電力無線は、近距離無線通信よりも長い距離を伝送可能であるので、異なった部屋間においても、機器の制御に関する操作が示された信号を伝送できる。また、異なった部屋間においても、機器の制御に関する操作が示された信号が伝送されるので、ユーザの利便性を向上できる。また、機器に信号を近距離無線通信により送信できなくても、第2配線器具100bに小電力無線により送信してから、第2配線器具100bから機器に近距離無線通信により信号を送信させるので、信号を直接送信できない機器に対して信号を間接的に送信できる。また、信号を直接送信できない機器に対して信号が間接的に送信されるので、ユーザの利便性を向上できる。
また、機器の制御に関する操作が示された信号を近距離無線通信により端末装置50から受信した場合に、当該信号を近距離無線通信により機器に送信するので、端末装置50から機器を制御できる。また、端末装置50から機器が制御されるので、ユーザの利便性を向上できる。また、照明器具20に流すための電流をもとに第1通信部180aと第2通信部180bとを動作させるので、第1通信部180aと第2通信部180bを動作させるための別の電力線を不要にできる。また、第1通信部180aと第2通信部180bを動作させるための別の電力線が不要になるので、配線器具100の設置を容易にできる。また、配線器具100の設置が容易になるので、ユーザの利便性を向上できる。
また、照明器具20を点灯させている場合に光源190を消灯させ、照明器具20を消灯させている場合に光源190を点灯させているので、照明器具20の点灯と消灯に関係なくディスプレイ160の明るさを維持できる。また、照明器具20の点灯と消灯に関係なくディスプレイ160の明るさが維持されるので、ユーザの利便性を向上できる。また、照明器具20を消灯させている場合に光源190を点灯させるので、照明器具20の消灯時でもディスプレイ160の明るさを担保できる。
また、照明器具20に対して交流電源10からの電力が遮断されると、機器の制御に関する操作が示された信号を小電力無線により第2配線器具100bに送信し、第2配線器具100bから機器に信号を近距離無線通信により送信させるので、照明器具20の消灯に合わせて機器を制御できる。また、照明器具20の消灯に合わせて機器が制御されるので、ユーザの利便性を向上できる。また、寝室で照明器具20を消灯した場合に、玄関の電気錠44を自動で施錠するので、施錠を忘れることを防止できる。また、照明器具20に対して交流電源10からの電力が遮断されると、機器の情報を第2配線器具100bを介して取得してからディスプレイ160に表示するので、照明器具20の消灯に合わせて機器の状態を表示できる。また、寝室で照明器具20を消灯した場合に、玄関の電気錠44の施錠状態を自動で表示するので、施錠を忘れることを防止できる。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の操作装置(100a)は、機器の制御に関する操作を受けつける操作部(170)と、機器の制御に関する操作を操作部(170)が受けつけた場合、機器の制御に関する操作が示された信号を第1通信方式により機器に送信する第1通信部(180a)と、第1通信方式とは異なった第2通信方式による通信を実行可能な第2通信部(180b)とを備える。第2通信部(180b)は、機器の制御に関する操作を他の操作装置(100b)が受けつけた場合に、機器の制御に関する操作が示された信号を他の操作装置(100b)から受信し、第1通信部(180a)は、機器の制御に関する操作が示された信号を第2通信部(180b)が受信した場合に、機器の制御に関する操作が示された信号を機器に送信する。
第2通信部(180b)における第2通信方式は、第1通信部(180a)における第1通信方式よりも長い距離を伝送可能であってもよい。
操作部(170)は、機器とは異なった他の機器の制御に関する操作を受けつけ、第1通信部(180a)は、他の機器に信号を送信不可能であり、第2通信部(180b)は、他の機器の制御に関する操作を操作部(170)が受けつけた場合、他の機器の制御に関する操作が示された信号を他の操作装置(100b)に送信し、他の操作装置(100b)は、他の機器の制御に関する操作が示された信号を第2通信方式により本操作装置(100a)から受信した場合、他の機器の制御に関する操作が示された信号を第1通信方式により他の機器に送信してもよい。
第1通信部(180a)は、機器の制御に関する操作が示された信号を第1通信方式により端末装置(50)から受信し、第1通信部(180a)は、機器の制御に関する操作が示された信号を端末装置(50)から受信した場合に、機器の制御に関する操作が示された信号を機器に送信してもよい。
交流電源(10)と負荷との間に電気的に接続される一対の接続端子(110、112)と、一対の接続端子(110、112)の間に電気的に接続されて、負荷に流れる電流を制御する負荷制御回路(120)と、一対の接続端子(110、112)を介して、交流電源(10)から電力を取得する電源回路(500)と、電源回路(500)によって充電される蓄電素子(540)とをさらに備えてもよい。蓄電素子(540)は、第1通信部(180a)と第2通信部(180b)とに電力を供給してもよい。
ディスプレイ(160)と、ディスプレイ(160)に光を照射する光源(190)をさらに備えてもよい。光源(190)は、負荷に対して交流電源(10)からの電力が供給されている場合に消灯し、負荷に対して交流電源(10)からの電力が遮断されている場合に点灯してもよい。
第1通信部(180a)は、機器とは異なった他の機器に信号を送信不可能であり、第2通信部(180b)は、負荷に対して交流電源(10)からの電力が遮断されると、他の機器の制御に関する操作が示された信号を他の操作装置(100b)に送信し、他の操作装置(100b)は、他の機器の制御に関する操作が示された信号を第2通信方式により本操作装置(100a)から受信した場合、他の機器の制御に関する操作が示された信号を第1通信方式により他の機器に送信してもよい。
ディスプレイ(160)をさらに備えてもよい。第1通信部(180a)は、機器とは異なった他の機器に信号を送信不可能であり、第2通信部(180b)は、負荷に対して交流電源(10)からの電力が遮断されると、他の機器の状態を確認させるための要求信号を他の操作装置(100b)に送信し、他の操作装置(100b)は、要求信号を第2通信方式により本操作装置(100a)から受信した場合、第1通信方式を使用して他の機器の状態を取得してから、他の機器の状態が示された応答信号を第2通信方式により本操作装置(100a)に送信し、ディスプレイ(160)は、応答信号を他の操作装置(100b)から第2通信部(180b)が受信すると、他の機器の状態を表示してもよい。
本開示の別の態様は、操作システム(1000)である。この操作システム(1000)は、互いに異なった第1通信方式と第2通信方式による通信を実行可能な第1操作装置(100a)と第2操作装置(100b)とを備える。第1操作装置(100a)は、機器の制御に関する操作を受けつけた場合、機器の制御に関する操作が示された信号を第1通信方式により機器に送信し、第2操作装置(100b)は、機器の制御に関する操作を受けつけた場合に、機器の制御に関する操作が示された信号を第2通信方式により第1操作装置(100a)に送信し、第1操作装置(100a)は、機器の制御に関する操作が示された信号を第2通信方式により第2操作装置(100b)から受信した場合に、機器の制御に関する操作が示された信号を第1通信方式により機器に送信する。
本開示のさらに別の態様は、操作方法である。この方法は、機器の制御に関する操作を受けつけるステップと、機器の制御に関する操作を受けつけた場合、機器の制御に関する操作が示された信号を第1通信方式により機器に送信するステップと、機器の制御に関する操作を他の操作装置(100b)が受けつけた場合に、機器の制御に関する操作が示された信号を、第1通信方式とは異なった第2通信方式により他の操作装置(100b)から受信するステップと、機器の制御に関する操作が示された信号を第2通信方式により他の操作装置(100b)から受信した場合に、機器の制御に関する操作が示された信号を第1通信方式により機器に送信するステップと、を備える。
(実施例2)
次に、実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、負荷を制御する2線式の配線器具100が含まれる配線システム1000に関する。さらに、実施例2は、ユーザの利便性を向上させるために、配線器具100が設置された施設の状況を端末装置50に通知することに関する。実施例2に係る配線システム1000、配線器具100は図1、図2と同様のタイプである。ここでは、実施例1との差異を中心に説明する。
図10は、配線システム1000の構成を示す。配線システム1000は、配線器具100、コントローラ610、ルータ620、ネットワーク640、サーバ700、端末装置50を含む。配線器具100の第1通信部180aは、近距離無線通信によりコントローラ610と通信可能である。コントローラ610は、前述の構成を有するが、近距離無線通信の機能をさらに含む。コントローラ610はルータ620に接続され、ルータ620はネットワーク640に接続される。つまり、ルータ620は、配線器具100をネットワーク640に接続させる。ネットワーク640は、前述の第2ネットワーク630に相当する。ネットワーク640には、ルータ620に加えてサーバ700、端末装置50が接続される。サーバ700は、配線システム1000におけるサービスを配線器具100、端末装置50に提供するための装置であり、端末装置50は実施例1と同様にユーザに携帯される装置である。このような構成により、端末装置50は、施設から離れた場所であっても、ネットワーク640を介して配線器具100に接続可能である。
居住者は、照明器具20を点灯させたり、消灯させたりするために、配線器具100の操作部170を操作する。制御部400は、計時機能を備えており、照明器具20に対する操作を操作部170から受けつけると、照明器具20に対する操作の履歴を記憶部410に記憶する。図11(a)-(b)は、記憶部410に記憶されるテーブルのデータ構造を示し、特に図11(a)は、照明器具20に対する操作の履歴が記憶されたテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、照明器具20を点灯させたタイミングを「点」とし、照明器具20を消灯させたタイミングを「消」として、これらのタイミングの日時が記録される。図11(b)は後述し、図10に戻る。
照明器具20に対する操作の履歴は記憶部410に記憶されずに、サーバ700に記憶されてもよい。その際、制御部400は、照明器具20に対する操作を操作部170から受けつけると、操作のタイミングが示された信号をコントローラ610、ルータ620、ネットワーク640経由でサーバ700に送信する。操作のタイミングが示された信号には、配線器具100が設置された施設を識別するための識別情報が含まれる。サーバ700は、操作のタイミングが示された信号を受信すると、照明器具20に対する操作を識別情報毎に記憶する。そのため、サーバ700は、図11(a)のようなテーブルを施設毎に記憶する。
制御部400は、記憶部410あるいはサーバ700に記憶されたテーブルを取得し、点灯のタイミングが多い時間帯(以下、「点灯時間帯」という)、あるいは消灯のタイミングが多い時間帯(以下、「消灯時間帯」という)を推定する。このような時間帯は、公知の技術、例えば統計処理技術を使用して推定される。また、このような時間帯の推定は、曜日毎になされてもよく、平日と休日とを分けてなされてもよい。さらに、点灯時間帯と消灯時間帯は、1日のうちにおいて複数推定されてもよい。例えば、17時00分から17時59分が点灯時間帯として推定される。これは、施設の居住者が帰宅して、照明器具20を点灯させる時間帯に相当する。制御部400は、推定した点灯時間帯あるいは消灯時間帯を登録する。
居住者は、照明器具20を点灯させたり、消灯させたりするために、配線器具100の操作部170を操作した場合、制御部400は、操作部170から操作を受けつける。制御部400は、設定した時間帯において操作を受けつけたか否かを確認する。点灯時間帯に点灯の操作を受けつけた場合、あるいは消灯時間帯に消灯の操作を受けつけた場合、制御部400は処理を終了する。一方、点灯時間帯に点灯の操作を受けつけない場合、あるいは消灯時間帯に消灯の操作を受けつけない場合、制御部400は、異常状態の発生と判定する。異常状態とは、操作がなされうる時間帯に操作部170が操作を受けつけない状態である。ここでは、点灯時間帯に点灯の操作を受けつけない場合に着目する。制御部400は、異常状態の発生を特定すると、異常状態の発生の通知を送信する前に、通知の送信をディスプレイ160に表示させる。
図12(a)-(e)は、配線システム1000の動作概要を示す。図12(a)は、配線器具100のディスプレイ160に表示される画面であって、かつ通知の送信の予告を知らせるための画面である。通知の送信の予告を知らせるためのメッセージとして「通知を送ります」の文字が示される。また、当該メッセージの下部には「中止」ボタンが示される。「中止」ボタンは、ディスプレイ160が画面を表示してから所定期間内に送信の中止の操作を受けつけるためのインターフェースである。所定期間は、例えば1分間である。
施設の居住者が帰宅していない場合、当該居住者はディスプレイ160の表示を確認できないので、「中止」ボタンをタッチ操作できない。制御部400は、通知の送信をディスプレイ160に表示させてから所定期間にわたって、操作部170が「中止」ボタンのタッチ操作を受けつけない場合、つまり中止の操作を受けつけない場合、通知の送信を決定する。一方、施設の居住者は、帰宅していても点灯の操作をしなかっただけの場合、ディスプレイ160の「中止」ボタンをタッチ操作する。制御部400は、通知の送信をディスプレイ160に表示させてから所定期間において、操作部170が「中止」ボタンのタッチ操作を受けつけた場合、つまり中止の操作を受けつけた場合、通知の送信を中止する。図12(b)-(e)は後述し、図10に戻る。
配線器具100の制御部400が通知の送信を決定した場合、第1通信部180aは、通知を近距離無線通信によりコントローラ610に送信する。通知には、例えば、配線器具100が設置された施設を識別するための識別情報、異常状態の発生、点灯時間帯に点灯の操作なし、通知時刻等の情報が含まれる。通知は、コントローラ610、ルータ620、ネットワーク640を介してサーバ700に受信される。サーバ700と端末装置50では、配線器具100からの通知を知らせるための通知アプリケーションが起動されている。通知アプリケーションは、識別情報と端末装置50のアドレスとの対応関係を記憶する。その状態でサーバ700は、通知を受信すると、通知から識別情報を抽出し、識別情報から端末装置50のアドレスを取得する。サーバ700は、取得したアドレスを宛先として、ネットワーク640経由で端末装置50に通知を送信する。
端末装置50は、通知をサーバ700から受信する。端末装置50は、通知を受信すると、通知の内容をモニタ52に表示する。図2(b)は、モニタ52に表示される画面であって、かつ通知の内容を知らせるための画面である。通知の内容を知らせるためのメッセージとして「予定の時間帯になりましたが、点灯がなされません」の文字が示される。端末装置50のユーザは、モニタ52の表示を確認することによって、居住者が照明器具20を点灯していないこと、あるいは居住者が施設に帰宅していないことを認識する。図12(c)-(e)は後述し、図10に戻る。
配線器具100の制御部400は、第1通信部180aが通知を送信した後に、ディスプレイ160に通知の送信の結果を表示させる。図12(c)は、配線器具100のディスプレイ160に表示される画面であって、かつ通知の送信の結果を知らせるための画面である。通知の送信の結果を知らせるためのメッセージとして「通知を送信しました」の文字が示される。ここでは、一例として、通知を送信する前に図12(a)の画面が表示され、通知を送信した後に図12(c)の画面が表示されている。しかしながら、通知を送信する前の図12(a)の画面と、通知を送信した後の図12(c)の画面とのいずれか一方だけが表示されてもよい。
ディスプレイ160は、通知の送信の結果を表示した後、メッセージの送信の操作を受けつけるための画面を表示する。図12(d)は、配線器具100のディスプレイ160に表示される画面であって、かつメッセージの送信の操作を受けつけるための画面である。ここでは、送信可能なメッセージの一覧として「大丈夫」、「緊急」、「電話してください」が示される。居住者は、メッセージを送信する場合、「大丈夫」、「緊急」、「電話してください」のうちのいずれかのメッセージをタッチ操作により選択する。図12(e)は後述し、図10に戻る。配線器具100の操作部170は、タッチ操作により選択されたメッセージを受けつける。つまり、操作部170は、ディスプレイ160が通知の送信の結果を表示してからメッセージの送信の操作を受付可能である。制御部400は、受けつけたメッセージを第1通信部180aに送信させる。第1通信部180aは、メッセージを近距離無線通信によりコントローラ610に送信する。メッセージは、コントローラ610、ルータ620、ネットワーク640を介してサーバ700に受信される。サーバ700は、メッセージを受信すると、ネットワーク640経由で端末装置50にメッセージを送信する。
端末装置50は、メッセージをサーバ700から受信する。端末装置50は、メッセージを受信すると、メッセージの内容をモニタ52に表示する。図12(e)は、モニタ52に表示される画面であって、かつメッセージの内容を知らせるための画面である。ここでは、図12(d)において「大丈夫」がメッセージとして選択されている場合を想定し、「大丈夫」の文字が示される。
一方、制御部400は、点灯時間帯に点灯の操作を受けつけた場合、あるいは消灯時間帯に消灯の操作を受けつけた場合、通常状態の完了と判定してもよい。通常状態とは、操作がなされうる時間帯に操作部170が操作を受けつけた状態である。ここでは、点灯時間帯に点灯の操作を受けつけた場合に着目する。制御部400は、通常状態の完了を特定すると、通知の送信を決定する。制御部400が通知の送信を決定した場合、第1通信部180aは、通知を近距離無線通信によりコントローラ610に送信する。通知は、コントローラ610、ルータ620、ネットワーク640を介してサーバ700に受信される。サーバ700は、通知を受信すると、ネットワーク640経由で端末装置50に通知を送信する。
端末装置50は、通知をサーバ700から受信する。端末装置50は、通知を受信すると、通知の内容をモニタ52に表示する。図13は、端末装置50の動作概要を示しており、モニタ52に表示される画面であって、かつ通知の内容を知らせるための画面である。通知の内容を知らせるためのメッセージとして「帰宅しました」の文字が示される。端末装置50のユーザは、モニタ52の表示を確認することによって、居住者が施設に帰宅したことを認識する。配線器具100のディスプレイ160には、通知を送信する前における図12(a)の画面と、通知を送信した後における図12(c)の画面との少なくとも1つが表示される。
これまでの説明では、操作の履歴のテーブルをもとに、点灯時間帯と消灯時間帯とが推定されている。しかしながら、点灯時間帯と消灯時間帯とがユーザにより予め登録されてもよい。具体的に説明すると、ユーザが端末装置50を操作することによって点灯時間帯と消灯時間帯とを設定し、設定された点灯時間帯と消灯時間帯が端末装置50からサーバ700あるいは配線器具100に送信されて登録される。図11(b)は、施設の居住者のカレンダのデータ構造を示す。図示のごとく、点灯時間帯が予め登録されている。消灯時間帯も同様に登録されてもよい。図10に戻る。
これに続く処理はこれまでと同様であるので、ここでは説明を省略する。例えば、制御部400は、カレンダから取得された点灯時間帯あるいは消灯時間帯に、操作部170が操作を受けつけない場合に、異常状態の発生と判定したり、カレンダから取得された点灯時間帯あるいは消灯時間帯に、操作部170が操作を受けつけた場合に、通常状態の完了と判定したりする。配線器具100のディスプレイ160には、通知を送信する前における図12(a)の画面と、通知を送信した後における図12(c)の画面との少なくとも1つが表示される。
これまでの説明では、点灯時間帯と消灯時間帯とを使用して、通知を送信するか否かが決定されている。しかしながら、制御部400は、操作部170が操作を受けつけない期間を計測し、一定期間にわたって操作部が操作を受けつけない場合に、異常状態の発生と判定してもよい。これに続く処理はこれまでと同様であるので、ここでは説明を省略する。配線器具100のディスプレイ160には、通知を送信する前における図12(a)の画面と、通知を送信した後における図12(c)の画面との少なくとも1つが表示される。
以上の構成による配線システム1000の動作を説明する。図14は、配線システム1000による処理手順を示すシーケンス図である。配線器具100は、条件を満たすことを確認する(S300)。配線器具100は通知の送信の予告を表示する(S302)。配線器具100は通知をサーバ700に送信する(S304)。サーバ700は通知を端末装置50に送信する(S306)。端末装置50は通知を表示する(S308)。配線器具100は通知の送信の結果を表示する(S310)。
図15は、配線器具100による処理手順を示すフローチャートである。一定期間にわたって操作がない場合(S400のY)、第1通信部180aは通知を送信する(S402)。ディスプレイ160は通知の送信の結果を表示する(S404)。一定期間にわたって操作がある場合(S400のN)、処理は終了される。
本実施例によれば、操作部170に対する操作が所定の条件を満たす場合に通知を送信する状況において、通知を送信する前あるいは通知を送信した後に通知の送信を表示するので、通知の送信を確認させることができる。また、通知の送信が確認されるので、ユーザの利便性を向上できる。また、過去の操作履歴をもとに推定された時間帯であって、かつ操作がなされうる時間帯に、操作部170が操作を受けつけない場合に通知の送信を決めるので、通常とは異なった状態を通知できる。また、過去の操作履歴をもとに推定された時間帯であって、かつ操作がなされうる時間帯に、操作部170が操作を受けつけた場合に通知の送信を決めるので、通常の状態を通知できる。
また、カレンダから取得された時間帯であって、かつ操作がなされうる時間帯に、操作部170が操作を受けつけない場合に通知の送信を決めるので、通常とは異なった状態を通知できる。また、カレンダから取得された時間帯であって、かつ操作がなされうる時間帯に、操作部170が操作を受けつけた場合に通知の送信を決めるので、通常の状態を通知できる。また、一定期間にわたって操作部170が操作を受けつけない場合に通知の送信を決めるので、異常が生じている可能性を通知できる。また、通知を送信する前に通知の送信の予告を表示してから、操作部170が送信の中止の操作を受けつけた場合に、通知の送信を中止するので、不要な送信の発生を抑制できる。また、通知を送信した後に通知の送信の結果を表示してから、操作部170がメッセージの送信の操作を受けつけた場合に、メッセージを送信するので、さらなる情報を通知できる。
また、照明器具20に流すための電流をもとに第1通信部180aとディスプレイ160とを動作させるので、第1通信部180aとディスプレイ160を動作させるための別の電力線を不要にできる。また、第1通信部180aとディスプレイ160を動作させるための別の電力線が不要になるので、配線器具100の設置を容易にできる。また、配線器具100の設置が容易になるので、ユーザの利便性を向上できる。また、所定の条件を設定するとともに、配線器具100からの通知を受信した場合に通知の内容を表示するので、ユーザの利便性を向上できる。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の配線器具(100)は、負荷の制御に関する操作を受けつける操作部(170)と、交流電源(10)と負荷との間に電気的に接続される一対の接続端子(110、112)と、一対の接続端子(110、112)の間に電気的に接続されて、操作部(170)において受けつけた操作をもとに、負荷に流れる電流を制御する負荷制御回路(120)と、操作部(170)に対する操作が所定の条件を満たす場合に通知を送信する通信部(180a)と、通信部(180a)が通知を送信する前あるいは通知を送信した後に、通知の送信を表示する表示部(160)と、を備える。
所定の条件は、過去の操作履歴をもとに推定された時間帯であって、かつ操作がなされうる時間帯に、操作部(170)が操作を受けつけないことであってもよい。
所定の条件は、過去の操作履歴をもとに推定された時間帯であって、かつ操作がなされうる時間帯に、操作部(170)が操作を受けつけたことであってもよい。
所定の条件は、カレンダから取得された時間帯であって、かつ操作がなされうる時間帯に、操作部(170)が操作を受けつけないことであってもよい。
所定の条件は、カレンダから取得された時間帯であって、かつ操作がなされうる時間帯に、操作部(170)が操作を受けつけたことであってもよい。
所定の条件は、一定期間にわたって操作部(170)が操作を受けつけないことであってもよい。
表示部(160)は、通知を送信する前に通知の送信の予告を表示し、操作部(170)は、表示部(160)が表示してから所定期間内に送信の中止の操作を受付可能であり、通信部(180a)は、操作部(170)が送信の中止の操作を受けつけた場合に、通知の送信を中止してもよい。
表示部(160)は、通知を送信した後に通知の送信の結果を表示し、操作部(170)は、表示部(160)が表示してからメッセージの送信の操作を受付可能であり、通信部(180a)は、操作部(170)がメッセージの送信の操作を受けつけた場合に、メッセージを送信してもよい。
一対の接続端子(110、112)を介して、交流電源(10)から電力を取得する電源回路(500)と、電源回路(500)によって充電される蓄電素子(540)とをさらに備えてもよい。蓄電素子(540)は、通信部(180a)と表示部(160)とに電力を供給してもよい。
本開示の別の態様は、配線システムである。この配線システムは、配線器具(100)と、配線器具(100)をネットワークに接続するルータとを備える。配線器具(100)は、負荷の制御に関する操作を受けつける操作部(170)と、交流電源(10)と負荷との間に電気的に接続される一対の接続端子(110、112)と、一対の接続端子(110、112)の間に電気的に接続されて、操作部(170)において受けつけた操作をもとに、負荷に流れる電流を制御する負荷制御回路(120)と、操作部(170)に対する操作が所定の条件を満たす場合に通知をルータを介して端末装置(50)に送信する通信部(180a)と、通信部(180a)が通知を送信する前あるいは通知を送信した後に、通知の送信を表示する表示部(160)と、を備える。
配線器具(100)と通信可能な端末装置(50)において実行されるプログラムであって、所定の条件を設定するステップと、配線器具(100)からの通知を受信した場合に、通知の内容を表示するステップとをコンピュータに実行させる。
(実施例3)
次に、実施例3を説明する。実施例3は、これまでと同様に、負荷を制御する2線式の配線器具100が含まれる配線システム1000に関する。さらに、実施例3は、ユーザの利便性を向上させるために、配線器具100における操作部170を操作した場合の制御対象となる機器を変更することに関する。実施例3に係る配線システム1000、配線器具100は図1、図10、図2と同様のタイプである。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
図16(a)-(b)は、配線器具100の外観を示す。図16(a)は、これまでと同様の構造を有する配線器具100である。これまでは、押釦スイッチと、ディスプレイ160の表面の全体に取り付けられたタッチセンサとを操作部170としてまとめている。一方、図16(a)では、第1操作部170aが、シーソー型または押釦型の物理的なスイッチであり、第2操作部170bが、ディスプレイ160の表面の全体に取り付けられたタッチセンサである。図16(b)は後述する。
図17は、配線器具100の一部の構成を示す。配線器具100は、操作部170と総称される第1操作部170a、第2操作部170b、第1通信部180a、第2通信部180b、制御部400、記憶部410を含む。これ以外の構成は図2と同様であるので、操作部170の代わりに第1操作部170a、第2操作部170bが含まれる。
第1操作部170aは、照明器具20の制御に関する操作を受けつける。配線器具100が第1配線器具100aである場合、第1操作部170aは、第1照明器具20aの制御に関する操作を受けつける。第1操作部170aにおいて受けつけた操作が点灯である場合、制御部400は、接続端子110、接続端子112間を遮断状態から導通状態に切りかえるように負荷制御回路120を制御する。一方、第1操作部170aにおいて受けつけた操作が消灯である場合、制御部400は、接続端子110、接続端子112間を導通状態から遮断状態に切りかえるように負荷制御回路120を制御する。つまり、負荷制御回路120は、第1操作部170aにおいて受けつけた操作をもとに、双方向スイッチ200に流れる電流を制御する。これまで通り、電源回路500は、接続端子110、接続端子112を介して、交流電源10から電力を取得し、蓄電素子540は、電源回路500によって充電される。
第2操作部170bは、機器の制御に関する操作を受けつける。配線器具100が第1配線器具100aであり、かつ第1部屋900aに電動シャッター42が設置されておらず、かつ第2部屋900bに電気錠44が設置されていない場合、第2操作部170bは、エアコンディショナ40あるいは第2照明器具20bの制御に関する操作を受けつける。その際、ディスプレイ160に表示される図4(a)の画像G3に電動シャッター42が含まれない。制御部400は、記憶部410に記憶されたテーブルを参照しながら、受けつけた操作が示された信号の出力先を決定する。これに応じて、第1通信部180aは、エアコンディショナ40の制御に関する操作が示された信号を近距離無線通信により変換装置30に送信し、第2通信部180bは、第2照明器具20bの制御に関する操作が示された信号を近距離無線により第2配線器具100bに送信する。これまで通り、蓄電素子540は、第1通信部180a、第2通信部180bに電力を供給する。
このような状況において、第1部屋900aに電動シャッター42を新たに設置した場合、第1配線器具100aあるいは第2配線器具100bから電動シャッター42を設置させたい場合がある。これに対応するために、配線システム1000は次の処理を実行する。図10のサーバ700には、配線器具100から電動シャッター42を制御するためのプログラム(以下、「電動シャッター用プログラム」という)であって、かつ配線器具100において実行されるべき電動シャッター用プログラムが記憶される。ユーザは、端末装置50を操作することによって、ネットワーク640経由でサーバ700にアクセスする。端末装置50は、ユーザの操作により、電動シャッター用プログラムを配線器具100に送信させる指示をサーバ700に送信する。サーバ700は、指示を受信すると、ネットワーク640、ルータ620、コントローラ610経由で配線器具100に電動シャッター用プログラムを送信する。
配線器具100の第1通信部180aは、電動シャッター用プログラムを近距離無線通信によりコントローラ610から受信する。制御部400は、第1通信部180aにおいて受信した電動シャッター用プログラムを記憶部410に記憶させる。制御部400は、記憶部410に記憶した電動シャッター用プログラムを適用することによって電動シャッター42の制御が追加される。具体的には、ディスプレイ160に表示される図4(a)の画像G3に電動シャッター42が追加される。
その結果、ユーザは、制御対象として電動シャッター42を選択可能になり、第2操作部170bは、電動シャッター42の制御に関する操作も受付可能になる。制御部400は、第2操作部170bが電動シャッター42の制御に関する操作を受けつけた場合、記憶部410のテーブルを参照して、電動シャッター42の制御に関する操作が示された信号を第1通信部180aに送信させる。制御対象に電気錠44を追加する場合も同様である。このように、機器の制御の内容は変更可能である。
図16(b)は、図16(a)とは異なったタイプの配線器具100の外観を示す。配線器具100は、第1操作部170a、第2操作部170bを含む。第1操作部170a、第2操作部170bは、シーソー型または押釦型の物理的なスイッチである。また、配線器具100にはディスプレイ160が含まれていない。
図18は、配線器具100の一部の構成を示す。ここでは、1つの部屋900に第1照明器具20aと第2照明器具20bが設置される場合を想定する。配線器具100は、図2の構成と比較して、接続端子114、接続端子116、負荷制御回路120と総称される第1負荷制御回路120a、第2負荷制御回路120b、操作部170と総称される第1操作部170a、第2操作部170bを含む。また、ディスプレイ160は含まれない。
接続端子110、接続端子112は、交流電源10と第1照明器具20aとの間に電気的に接続され、接続端子114、接続端子116は、交流電源10と第2照明器具20bとの間に電気的に接続される。第1負荷制御回路120aは、接続端子110、接続端子112の間に電気的に接続されて、第1照明器具20aに流れる電流を制御し、第2負荷制御回路120bは、接続端子114、接続端子116の間に電気的に接続されて、第2照明器具20bに流れる電流を制御する。
第1操作部170aにおいて受けつけた操作が点灯である場合、制御部400は、接続端子110、接続端子112間を遮断状態から導通状態に切りかえるように第1負荷制御回路120aを制御する。一方、第1操作部170aにおいて受けつけた操作が消灯である場合、制御部400は、接続端子110、接続端子112間を導通状態から遮断状態に切りかえるように第1負荷制御回路120aを制御する。つまり、第1操作部170aに対する操作によって、第1照明器具20aが点灯したり、消灯したりする。
第2操作部170bにおいて受けつけた操作が点灯である場合、制御部400は、接続端子114、接続端子116間を遮断状態から導通状態に切りかえるように第2負荷制御回路120bを制御する。一方、第2操作部170bにおいて受けつけた操作が消灯である場合、制御部400は、接続端子114、接続端子116間を導通状態から遮断状態に切りかえるように第1負荷制御回路120aを制御する。つまり、第2操作部170bに対する操作によって、第2照明器具20bが点灯したり、消灯したりする。
このような状況において、部屋900に電動シャッター42を新たに設置した場合、配線器具100から電動シャッター42を設置させたい場合がある。これに対応するために、配線システム1000は次の処理を実行する。図10のサーバ700には、電動シャッター用プログラムが記憶される。ユーザは、端末装置50を操作することによって、ネットワーク640経由でサーバ700にアクセスする。端末装置50は、ユーザの操作により、電動シャッター用プログラムを配線器具100に送信させる指示をサーバ700に送信する。サーバ700は、指示を受信すると、ネットワーク640、ルータ620、コントローラ610経由で配線器具100に電動シャッター用プログラムを送信する。
配線器具100の第1通信部180aは、電動シャッター用プログラムを近距離無線通信によりコントローラ610から受信する。制御部400は、第1通信部180aにおいて受信した電動シャッター用プログラムを記憶部410に記憶させる。制御部400は、記憶部410に記憶した電動シャッター用プログラムによる書換を実行することによって、第2操作部170bの操作に応じて制御される機器が電動シャッター42に変えられる。
その結果、第2操作部170bは、第2照明器具20bの制御に関する操作の代わりに、電動シャッター42の制御に関する操作を受付可能になる。制御部400は、第2操作部170bが電動シャッター42の制御に関する操作を受けつけた場合、記憶部410のテーブルを参照して、電動シャッター42の制御に関する操作が示された信号を第1通信部180aに送信させる。制御対象にエアコンディショナ40、電気錠44に変更する場合も同様である。このように、機器の制御の内容は変更可能である。
これまで、第1操作部170aの操作による制御対象は固定であり、第2操作部170bの操作による制御対象は変更可能であるとしている。しかしながら、第1操作部170aの操作による制御対象が追加可能であってもよい。例えば、第1操作部170aの操作によって、第1照明器具20aとエアコンディショナ40が制御されてもよい。その際、第1操作部170aの操作によって、第1照明器具20aが点灯されると、エアコンディショナ40も動作する。また、第1操作部170aの操作によって、第1照明器具20aが消灯されると、エアコンディショナ40も停止する。つまり、第1操作部170aの操作によって、第1照明器具20aと任意の機器が連動して制御される。任意の機器は複数であってもよい。これは第1操作部170aと第2操作部170bが共通に構成されることに相当する。このような機器の追加も、前述のプログラムの適用によって実現される。
以上の構成による配線システム1000の動作を説明する。図19は、配線システム1000による処理手順を示すシーケンス図である。端末装置50は、プログラムを送信させるための指示を入力する(S500)。端末装置50は指示をサーバ700に送信する(S502)。サーバ700はプログラムを送信する(S504)。配線器具100はプログラムの適用あるいは書換を実行する(S506)。
本実施例によれば、照明器具20に流すための電流をもとに充電した蓄電素子540によって通信部を動作させながら、第1操作部170aが操作を受けつければ照明器具20を制御し、第2操作部170bが操作を受けつければ通信部を使用して機器を制御するので、照明器具20に流すための電流だけで、照明器具20に加えて機器を制御できる。また、照明器具20に流すための電流だけで、照明器具20に加えて機器が制御されるので、ユーザの利便性を向上できる。また、機器の制御の内容は変更可能であるので、ユーザに適した機器を制御できる。また、ユーザに適した機器が制御されるので、ユーザの利便性を向上できる。また、機器の制御の内容を変更しても、第1操作部170aは照明器具20を制御するために使用されるので、照明器具20の制御を確実に実行できる。
また、第1操作部170aと第2操作部170bが物理的なスイッチであるので、操作を簡易にできる。また、操作が簡易になるので、ユーザの利便性を向上できる。また、第1操作部170aは物理的なスイッチであり、第2操作部170bは、ディスプレイ160に表示されたスイッチであるので、さまざまな機器を制御できる。また、さまざまな機器が制御されるので、ユーザの利便性を向上できる。
また、本配線器具100のプログラムの適用により、制御対象となる機器が追加されるので、新たな機器を制御できる。また、本配線器具100のプログラムの書換により、制御対象となる機器が変えられるので、必要とする機器を制御できる。また、第1操作部170aと第2操作部170bは共通に構成されるので、1回の操作で照明器具20と機器とを同時に制御できる。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の配線器具(100)は、負荷の制御に関する操作を受けつける第1操作部(170a)と、交流電源(10)と負荷との間に電気的に接続される一対の接続端子(110、112)と、一対の接続端子(110、112)の間に電気的に接続されて、第1操作部(170a)において受けつけた操作をもとに、負荷に流れる電流を制御する負荷制御回路(120)と、一対の接続端子(110、112)を介して、交流電源(10)から電力を取得する電源回路(500)と、電源回路(500)によって充電される蓄電素子(540)と、機器の制御に関する操作を受けつける第2操作部(170b)と、機器の制御に関する操作を第2操作部(170b)が受けつけた場合に、機器の制御に関する操作が示された信号を送信する通信部(180a、180b)とを備える。蓄電素子(540)は、通信部(180a、180b)に電力を供給する。
機器の制御の内容は変更可能であってもよい。
ディスプレイ(160)をさらに備えてもよい。第1操作部(170a)は物理的なスイッチであり、第2操作部(170b)は、ディスプレイ(160)に表示されたスイッチであってもよい。
第1操作部(170a)は物理的なスイッチであり、第2操作部(170b)は物理的なスイッチであってもよい。
機器の制御の内容の変更として、本配線器具(100)のプログラムの適用により、制御対象となる機器が追加されてもよい。
機器の制御の内容の変更として、本配線器具(100)のプログラムの書換により、制御対象となる機器が変えられてもよい。
第1操作部(170a)と第2操作部(170b)は共通に構成されてもよい。
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施例1から3において、機器として、エアコンディショナ40、電動シャッター42、電気錠44が使用される。しかしながらこれに限らず例えば、機器は、テレビ、電動カーテン等の電子機器であってもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
実施例1から3において、第1通信部180aは第1通信方式として近距離無線通信を使用し、第2通信部180bは第2通信方式として小電力無線を使用する。しかしながらこれに限らず、第1通信方式と第2通信方式の少なくとも1つには別の通信方式が使用されてもよい。つまり、第2通信方式による伝送距離が、第1通信方式による伝送距離よりも長ければよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
実施例1において、第1配線器具100aと第2配線器具100bの間において小電力無線を使用して信号が送信される。しかしながらこれに限らず例えば、3つ以上の配線器具100で信号が転送されてもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
実施例2において、配線器具100に対する操作が所定の条件を満たす場合に端末装置50への通知の送信を決定している。しかしながらこれに限らず例えば、配線器具100には近距離無線通信により火災報知器あるいはガス検知器が接続されており、配線器具100は、火災報知器あるいはガス検知器から警報を受けつけた場合に端末装置50への通知の送信を決定してもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
実施例2において、配線器具100に対する操作が所定の条件を満たす場合に端末装置50への通知の送信を決定している。しかしながらこれに限らず例えば、配線器具100には近距離無線通信により温度計が接続されており、配線器具100は、温度計から受信した温度がしきい値よりも高くなった場合に、変換装置30経由でエアコンディショナ40への通知の送信を決定してもよい。エアコンディショナ40は、通知を受信すると冷房の動作を開始する。また、配線器具100は、温度計から受信した温度が別のしきい値よりも低くなった場合に、変換装置30経由でエアコンディショナ40への通知の送信を決定してもよい。エアコンディショナ40は、通知を受信すると暖房の動作を開始する。これらの場合においても、通知の送信の予告と通知の送信の結果の少なくとも1つがディスプレイ160に表示される。温度計の代わりに空気質の計測計であり、エアコンディショナ40の代わりに空気清浄機であってもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
実施例2において、通知の送信の予告と通知の送信の結果の少なくとも1つがディスプレイ160に表示される。しかしながらこれに限らず例えば、配線器具100にはLED等の表示部が備えられており、通知の送信の予告と通知の送信の結果の少なくとも1つに対して表示部が点灯あるいは点滅してもよい。本変形例によれば、配線器具100の消費電力を低減できる。
実施例1から3が任意に組み合わされてもよい。本変形例によれば、実施例1から3の任意の組合せによる効果を得ることができる。