(1)概要
以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
本実施形態に係る配線器具1は、図1Bに示すように、表示部111と、画面情報D1(図2参照)を取得する画面取得部101と、処理部102と、を備える。ここでは一例として、配線器具1は、照明器具21等の機器2(負荷機器:図1A参照)を制御する機器制御装置(スイッチ)であることを想定する。配線器具1は、図5に示すように、その前面に、表示部111として機能する電子ペーパーと、その上に重ねて配置されるタッチパネル11(操作部)とを備えていて、タッチパネル11にてユーザの指又はペン等によるタッチ操作(タップ)を受け付けることで、機器2を制御する。配線器具1は、機器2が例えば照明器具21であれば、点灯、消灯又は調光に関する制御を行う。
配線器具1は、図5に示すように、施設8(図1A参照)における壁等の造営物81に埋め込まれている。ただし、配線器具1は、壁以外にも、例えば天井若しくは床等の造営物、又は机、棚、若しくはカウンタ台等の什器(建具を含む)等に固定されてもよい。
ここで本実施形態に係る配線器具1において、処理部102は、1又は複数のアプリケーション動作に関する処理を実行する。ここでいう「アプリケーション動作に関する処理」は、例えば、機器2(負荷機器、及び負荷機器の動作を制御する(赤外線)リモコン等)の動作制御に関する処理、及び機器2の動作状態に関する情報の取得及び表示に関する処理を含み得る。また「アプリケーション動作に関する処理」は、コントローラ3(図1A参照)、及び負荷機器を制御するリモコン等との通信処理を含み得る。また「アプリケーション動作に関する処理」は、表示部111への画面表示に関する処理、及び表示部111の画面の遷移に関する処理を含み得る。また「アプリケーション動作に関する処理」は、サーバ5から各種の生活情報(外部情報)の取得及び表示に関する処理を含み得る。
画面情報D1は、表示情報D2(図2、図6、図7A及び図7B参照)と、付加情報D3(図2参照)と、を含む。表示情報D2は、表示部111に表示する、文字情報D21及び画像情報D22の少なくとも一方を含む。付加情報D3は、表示情報D2を表示部111に表示する場合における表示様態に関する様態情報D31を含む。処理部102は、付加情報D3に、表示様態と対応付けされていて1又は複数のアプリケーション動作のうち1以上の特定のアプリケーション動作を指定するための指定情報D32が更に含まれるか否かを判定する。処理部102は、指定情報D32が含まれている場合には、指定情報D32に応じて、1以上の特定のアプリケーション動作に関する処理を実行する。
この構成によれば、指定情報D32が表示様態と対応付けされて、付加情報D3に含まれる場合には、指定情報D32に応じて処理を実行するので、画面更新時には付加情報D3を更新すればよく、ファームウェアアップデートが不要となる可能性が高くなる。結果的に、画面更新の容易性の向上を図ることができる。
また本実施形態に係る制御方法は、配線器具1の制御方法である。制御方法は、表示ステップと、画面情報D1を取得する画面取得ステップと、処理ステップと、を含む。処理ステップでは、1又は複数のアプリケーション動作に関する処理を実行する。画面情報D1は、表示ステップにて表示する、文字情報D21及び画像情報D22の少なくとも一方を含む表示情報D2と、表示情報D2を表示する場合における表示様態に関する様態情報D31を含む付加情報D3と、を含む。処理ステップにて、付加情報D3に、表示様態と対応付けされていて1又は複数のアプリケーション動作のうち1以上の特定のアプリケーション動作を指定するための指定情報D32が更に含まれるか否かを判定する。指定情報D32が含まれている場合には、処理ステップにて、指定情報D32に応じて、1以上の特定のアプリケーション動作に関する処理を実行する。この構成によれば、画面更新の容易性の向上を図ることが可能な制御方法を提供できる。制御方法は、コンピュータシステム(ここでは配線器具1)上で用いられる。つまり、制御方法は、プログラムでも具現化可能である。本実施形態に係るプログラムは、本実施形態に係る制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
(2)詳細
以下、本実施形態に係る配線器具1、及び通信システムCS1の構成について、図1A~図7Bを参照しながら詳しく説明する。
(2.1)前提
本実施形態では一例として、配線器具1(機器制御装置)は、上述した通り、施設8の壁等の造営物81に固定される場合について説明する。さらに一例として、配線器具1は、その後部が壁等の造営物81の施工孔内に埋め込まれる「埋込型」である場合について説明する。ただし、配線器具1は、壁等の造営物81の表面に直付けされる「露出型」であってもよいし、「据置型」であってもよい。ここでいう「施設」は、例えば、戸建住宅若しくは集合住宅等の住宅施設、又は事務所、店舗、地下街、ホテル、駅、空港、学校、工場、図書館、美術館、博物館、病院若しくは介護施設等の非住宅施設であり、特に限定されない。
以下、造営物81である壁に配線器具1が固定された状態での、水平面に対して垂直な(直交する)方向を「上下方向」とし、配線器具1を正面から見て下方(鉛直方向)を「下方」として説明する場合がある。また、上下方向と直交し、かつ造営物81の表面に平行な方向を「左右方向」とし、配線器具1を正面から見て右方を「右方」、左方を「左方」として説明する場合がある。さらに、上下方向と左右方向との両方に直交する方向、つまり造営物81の表面に直交する方向を「前後方向」とし、造営物81の裏面側(壁裏側)を「後方」として説明する場合がある。図5では、上下及び左右の方向を矢印で図示するが、これらの矢印は、説明の便宜上、図示されているだけに過ぎず、実体を伴うものではない。またこれらの方向は、配線器具1の使用時の方向を限定する趣旨ではない。
また配線器具1が造営物81である壁に固定された状態において、表示部111は、基本的には、前方を向くことになるが、前方に向けられることを限定する趣旨ではない。
(2.2)全体構成
通信システムCS1の全体構成について説明する。図1Aは、通信システムCS1の概略構成図である。ここでは一例として、通信システムCS1は、施設8内における複数の機器2の監視及び制御、複数の機器2による消費電力の監視、及び外部のサーバ5とのネットワーク通信等の各機能を備えた「管理システム」に相当する。施設8は、電力会社等の電気事業者から電力供給を受けているが、そのような電力供給の代わりに(又は加えて)太陽光発電設備等の自家発電設備から電力供給を受けてもよい。
通信システムCS1は、1又は複数(図1Aでは2つ)の配線器具1と、1又は複数(図1Aでは4つ)の機器2(負荷機器)と、コントローラ3(通信装置)と、ルータ4と、サーバ5と、を備えている。通信システムCS1は、1又は複数の機器2を直接的又は間接的に管理するように構成される。具体的には、通信システムCS1は、施設8で使用されるエネルギーを管理するHEMS(Home Energy Management System)であることを想定する。HEMSは、施設8に設けられた機器2等によるエネルギーの使用状況を計測する機能、及び機器2等を制御する機能等を備える。ここでは一例として、4つの機器2は、2つの照明器具21と、1つの電動シャッター22と、1つの電気錠23とを含む。
コントローラ3は、一例として、HEMSのコントローラである。コントローラ3は、ゲートウェイとしての機能を有している。コントローラ3は、図4に示すように、管理回路31、及び通信部32を有している。コントローラ3は、各機器2の状態を直接的又は間接的に監視する機能、及び、各機器2を直接的又は間接的に制御する機能を有している。本実施形態では、コントローラ3は、配線器具1に対して画面情報D1を送信する機能を有している。
管理回路31は、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上のプログラム(アプリケーション)を実行することで、管理回路31として機能する。プログラムは、ここでは管理回路31のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
通信部32は、例えばイーサネット(登録商標)規格に準拠した通信インタフェースを有しており、屋内ネットワークNT1(図1A及び図4参照)を介して通信することができる。すなわち、コントローラ3は、屋内ネットワークNT1に接続されている。
屋内ネットワークNT1には、2つの配線器具1、及び2つの機器2(電動シャッター22及び電気錠23)もそれぞれ接続されている。コントローラ3は、2つの配線器具1、電動シャッター22、及び電気錠23の各々と、屋内ネットワークNT1を介して通信することができる。屋内ネットワークNT1を介した通信は、例えばイーサネット規格に準拠した通信であるが、特に限定されず、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)規格、又はWi-Fi(登録商標)規格等に準拠した無線通信でもよい。上記の機器2は、単なる一例であって、機器2の種類は、特に限定されず、例えばパソコン等の情報端末、空気清浄機、空気調和機、又は給湯機等を含み得る。
さらに屋内ネットワークNT1には、ルータ4が接続されている。ルータ4は、ブロードバンドルータである。したがって、コントローラ3は、ルータ4を介して、インターネットを含む外部の広域ネットワークNT2に接続されている。広域ネットワークNT2には、外部のサーバ5も接続されている。コントローラ3とサーバ5とは、広域ネットワークNT2を介して双方向に通信することができる。
ルータ4は、例えばBLE規格又はWi-Fi規格等に準拠した無線通信インタフェースも備えていてもよい。この場合、コントローラ3は、ルータ4を介して、無線通信インタフェースを備えるスマートフォン、タブレット端末、又はHEMSの専用モニタ装置等の情報端末と通信可能である。
またコントローラ3は、無線局の免許が不要な小電力無線の通信インタフェースを備えていてもよい。この種の小電力無線については、用途等に応じて使用する周波数帯域又は空中線電力等の仕様が各国で規定されている。日本国においては、920MHz帯又は420MHz帯の電波を使用する小電力無線(特定小電力無線)が規定されている。例えば、施設8には、電力系統からの主幹回路、及び主幹回路から分岐する複数の分岐回路の各々の電流、電力、又は電圧等を計測する電力計測ユニットが設置されており、コントローラ3は、小電力無線の通信により電力計測ユニットから各計測値を受け取る。またコントローラ3は、小電力無線の通信により、図1A中の機器2以外の負荷機器を制御するための制御情報を、その負荷機器に付設される無線アダプタ、或いは、当該負荷機器を制御する配線器具(又は制御装置)等へ送信する。
(2.3)配線器具
以下では、通信システムCS1が、図1Aに示すように、配線器具1を2台備えている場合を想定して説明する。ただし、配線器具1の数は特に限定されない。以下、2台の配線器具1を区別する場合、それぞれ配線器具1A、及び配線器具1Bと呼ぶことがある。また図1Aでは一例として、2台の照明器具21(機器2)を図示しており、2台の照明器具21を区別する場合、それぞれ照明器具21A、及び照明器具21Bと呼ぶことがある。配線器具1Aには照明器具21Aが接続され、配線器具1Bには照明器具21Bが電気的に接続されている。
各配線器具1は、上述したように、「埋込型」の配線器具であるので、例えば、埋込型のスイッチボックス等の取付部材を用いて造営物81(ここでは壁)に取り付けられる。すなわち、造営物81には施工孔が形成されており、造営物81の背面側(壁裏)に配置されたスイッチボックス等の取付部材に対して、配線器具1が施工孔を通して取り付けられる。ここでは、矩形枠状の配線器具用のプレートP1(化粧プレート:図5参照)が、配線器具1の周囲を囲んでいる。
各配線器具1は、2線式の配線器具であり、当該配線器具1の機器2として照明器具21が電気的に接続されている。照明器具21は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源と、光源を点灯させるための点灯回路とを有している。
ユーザは、照明器具21の点灯、消灯、及び調光、電動シャッター22及び電気錠23の制御、並びに画面情報D1の(後述する)表示情報D2の表示等のために、配線器具1を操作する。照明器具21は、配線器具1を通じて調色が可能であってもよい。
図1Aでは、各配線器具1は、100V系又は200V系の商用の交流電源9から交流電力を供給される。各配線器具1は、一対の電力線Wi1、Wi2を介して交流電源9に接続される2線式の配線器具である。配線器具1Aは、一対の電力線Wi1、Wi2に接続されている。配線器具1Aと配線器具1Bとの間は、送り配線されている。さらに、各配線器具1は、当該配線器具1の機器2として照明器具21に一対の電力線Wo1、Wo2を介して接続されている。配線器具1は、交流電源9から一対の電力線Wi1、Wi2を介して入力された交流電圧Va1を位相制御し、位相制御した電圧を位相制御電圧Va2として、一対の電力線Wo1、Wo2を介して照明器具21へ出力する。
各配線器具1は、図1B及び図5に示すように、制御部10と、表示部111と、タッチパネル11と、通信部12と、第1記憶部13Aと、第2記憶部13Bと、補助灯16と、電源部17と、位相制御スイッチ18と、これらを収容又は保持する器体15と、を備えている。
ここでは詳細な説明は省略するが、器体15は、例えば、樹脂製の部材であり、前後方向に扁平な矩形の箱状に形成されている。補助灯16は、例えば、器体15の前面にて露出するように取り付けられていて、更にプレートP1の下部に設けられた孔から露出する。補助灯16は、光源として例えばLEDを含み、LEDが発する光は前方へ照射される。補助灯16が点灯していることで、配線器具1が設置されている空間が夜間等の時間帯で暗い状況下にある場合でも、ユーザは、配線器具1の位置を容易に把握できる。
タッチパネル11は、図5に示すように、器体15の前面に配置されている。タッチパネル11は、表示部111の上に重ねて配置されて、操作部112として機能する。さらに、タッチパネル11は、抵抗膜方式、静電容量方式、又は電磁誘導方式等の周知の方式のタッチパネルであり、ユーザの指又はペン等によるタッチ操作(タップ)が可能である。すなわち、タッチパネル11は、ユーザによる操作を受け付ける操作部112としての機能を備えている。ユーザの指によるタッチパネル11へのピンチ、フリック、及びスワイプ等の各操作が可能であってもよい。また、タッチパネル11は、操作部112の操作時に振動を発生させるアクチュエータを更に備えていることが好ましい。
表示部111は、画面情報D1における表示情報D2を表示する。表示部111は、白及び黒の2色表示が可能な電子ペーパーの表示画面11Aを有し、表示画面11Aは、プレートP1の開口から露出している。電子ペーパーは、表示内容の書き換え時に動作電力を消費し、表示画面11Aに表示された表示内容を保持するための動作電力が不要である自己保持型の表示器(ディスプレイ)である。また、電子ペーパーが表示可能な色は、白及び黒以外でもよく、さらには3色以上であってもよい。
通信部12は、例えばイーサネット規格に準拠した通信インタフェースを有しており、屋内ネットワークNT1を介して、コントローラ3等と通信することができる。通信部12は、BLE、Wi-Fi又は特定小電力無線等に準拠した無線通信インタフェースを有してもよい。
第1記憶部13A及び第2記憶部13Bは、それぞれ読み書き可能なメモリで構成されている。第1記憶部13A及び第2記憶部13Bは、例えばフラッシュメモリである。第1記憶部13A及び第2記憶部13Bは、制御部10の外部に設けられているが、これらの少なくとも一方が、制御部10の内部に設けられていてもよい。すなわち、第1記憶部13A及び第2記憶部13Bの少なくとも一方が、制御部10の内蔵メモリであってもよい。また第1記憶部13A及び第2記憶部13Bは、一つの記憶部により構成されてもよい。
第1記憶部13Aは、画面情報D1を記憶(格納)する。第2記憶部13Bは、グループ情報D4を記憶(格納)する。
制御部10は、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上のプログラム(アプリケーション)を実行することで、制御部10として機能する。プログラムは、ここでは制御部10のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
制御部10は、電源部17を制御するように構成される。電源部17は、表示部111、タッチパネル11、通信部12、及び位相制御スイッチ18等がそれぞれ動作するための制御電圧を生成して、それらに入力する。電源部17は、入力される交流電圧Va1から、所定の大きさの直流電圧を制御電圧として生成する。電源部17は、例えば、交流電圧Va1を整流する整流器と、整流器の出力電圧を制御電圧に変換するスイッチング電源又はリニア電源と、を有している。
また制御部10は、位相制御スイッチ18を制御するように構成される。位相制御スイッチ18は、トライアック、サイリスタ、FET(Field effecttransistor)、バイポーラトランジスタ等の半導体スイッチング素子、又はリレー等である。特に位相制御には、位相制御スイッチ18として、トライアック、又は一対のサイリスタを用いることが好ましい。交流電源9の両端間に、位相制御スイッチ18と照明器具21との直列回路が接続している。位相制御スイッチ18は、交流電源9から照明器具21へ負荷電力を供給する2線式の電路を導通又は遮断することで、負荷電力を調整することができる。
制御部10は、位相制御スイッチ18の導通角を調整するスイッチ制御部としての機能を有している。具体的に、制御部10は、交流電圧Va1の半波毎に、位相制御電圧Va2の導通角(導通期間)を調整する(位相制御)。そして、制御部10が、位相制御電圧Va2の導通角を調整することによって、照明器具21は点灯、消灯、又は調光される。照明器具21は、位相制御電圧Va2の導通角に応じて調色可能な構成であってもよい。
ここで本実施形態の制御部10は、表示部111に表示情報D2を表示するための画像処理機能、及び複数のアプリケーション動作に関する処理を実行する機能等を更に有している。制御部10は、図1Aに示すように、画面取得部101と、処理部102と、グループ取得部103と、設定部104とを有している。画面情報D1については、次の「(2.4)画面情報」の欄で詳しく説明する。
画面取得部101は、画面情報D1を取得するように構成される。本実施形態では一例として、画面取得部101は、第1記憶部13Aに記憶される画面情報D1を読み出す(取得する)。そして、制御部10は、読み出した画面情報D1に基づき、表示部111への画面表示の処理を行う。
また画面取得部101は、必要に応じて、通信部12及びコントローラ3を介して、画面情報D1の少なくとも一部の情報をサーバ5から受信し、その情報を第1記憶部13Aに書き込む。本実施形態ではサーバ5が、画面情報D1を管理する。制御部10は、第1記憶部13Aへ画面情報D1を書き込みして、画面情報D1の更新(新規登録、変更、削除等)を行う。例えば、表示画面11Aに表示させる内容、表示位置、又は表示サイズ等のレイアウト変更が発生した場合には、配線器具1は、サーバ5から、画面情報D1の更新するべき差分情報を受信し、第1記憶部13A内の画面情報D1を更新する。
ここではサーバ5は、施設8の外部に設置されて、広域ネットワークNT2に接続された1台のサーバ装置から構成されることを想定するが、特に限定されない。サーバ5は、複数台のサーバ装置から構成されてもよいし、そのようなサーバ装置が、例えばクラウド(クラウドコンピューティング)を構築してもよい。またサーバ5は、複数の施設8を統合的に管理する管理会社等が運用するサーバを想定し、管理会社の建物内に設置されているものとする。しかし、サーバ5は、各施設8の管理室又は監視室等に設置された下位のサーバ装置を含んでもよい。そして、サーバ5は、複数の施設8の下位のサーバ装置を集中管理する上位のサーバ装置を更に含んでもよい。
処理部102は、1又は複数のアプリケーション動作に関する処理を実行するように構成される。処理部102は、例えばユーザが表示部111の表示画面11Aに表示される、ある表示領域(タッチ領域)へ操作を行った場合に、当該表示領域に対応したアプリケーション動作に関する処理を実行する。タッチ領域は、例えば、(後述する)操作領域R3~R7、R10、R11、R23~R26、R33~R36等(図6、図7A及び図7B参照)に相当し、要するに、タッチ操作を受け付け可能となる領域である。
ここでは一例として、アプリケーション動作とは、機器制御動作、及び種々の情報提供動作を含む。より具体的には、アプリケーション動作に関する処理は、機器2の動作状態を切り替える制御に関する処理、及び機器2の動作状態の監視に関する処理を含む。配線器具1は、機器2の動作状態の監視に関する処理として、例えば「照明器具21Aが点灯中にある」等の機器2の動作状態に関する情報を取得し、表示部111に表示したり、コントローラ3に通知したりする。
アプリケーション動作に関する処理は、コントローラ3等との通信処理を含む。またアプリケーション動作に関する処理は、表示部111に表示する画面の遷移に関する処理を含む。またアプリケーション動作に関する処理は、サーバ5から各種の生活情報(外部情報)の取得及び表示に関する処理を含む。
本実施形態では、処理部102は、後述する指定情報D32が付加情報D3に更に含まれるか否かを判定する。処理部102は、指定情報D32が含まれている場合には、指定情報D32に応じて、1又は複数のアプリケーション動作のうち、1以上の特定のアプリケーション動作に関する処理を実行する。ここでは上述の通り、1以上の特定のアプリケーション動作に関する処理は、1以上の機器2の動作制御に関する処理を含む。処理部102は、指定情報D32が含まれていない場合には、アプリケーション動作に関する処理を実行しない。
グループ取得部103は、1又は複数のアプリケーション動作のうち、一括で実行させる2以上の特定のアプリケーション動作が1つのグループとして紐づけされたグループ情報D4(図3参照)を取得するように構成される。本実施形態では、ユーザが、設定部104を通じて、任意の2以上の特定のアプリケーション動作を1つのグループとして紐づけすることができる。設定部104は、外部(例えばユーザ)からグループ情報D4に関する設定を受け付けるように構成される。例えば、設定部104は、タッチパネル11を通じて、ユーザから設定画面を呼び出す操作入力を受け付けることで、その設定画面を表示する。ユーザは、その設定画面からグループ情報D4の設定変更が可能となる。配線器具1は、ユーザの所有(携帯)するスマートフォン又はタブレット端末等の情報端末と通信可能である場合、設定部104は、当該情報端末を通じて、ユーザからグループ情報D4の設定変更を受け付けることも可能である。
設定部104は、ユーザからグループ情報D4の設定変更を受け付けると、第2記憶部13B内のグループ情報D4の更新(新規登録、変更、削除等)を行う。設定部104が設けられていることで、グループ情報D4の設定を外部から容易に行えるため、利便性が向上する。
図3では一例として、グループ情報D4は、シーン番号1~3と、各シーン番号に紐づけられたアプリケーション動作とを含む。図3の例では、制御部10は、戸締りシーン、起床シーン、及び外出シーン等の「シーン制御」を実行可能である。シーンの数は、特に限定されず、ユーザが任意で変更可能である。
図3では、シーン番号1は、例えば、戸締りシーンのシーン制御が割り振られている。戸締りシーンでは、電気錠23を「施錠」するというアプリケーション動作、電動シャッター22を閉制御するというアプリケーション動作の処理が一括で実行される。
図3では、シーン番号2は、例えば、起床シーンのシーン制御が割り振られている。起床シーンでは、照明器具21を「オン(点灯)」するというアプリケーション動作、電動シャッター22を開制御するというアプリケーション動作の処理が一括で実行される。
図3では、シーン番号3は、例えば、外出シーンのシーン制御が割り振られている。外出シーンでは、照明器具21を「オフ(消灯)」するというアプリケーション動作、電動シャッター22を閉制御するというアプリケーション動作の処理が一括で実行される。
本実施形態では、処理部102は、後述する指定情報D32のグループ指定情報D320から、2以上の特定のアプリケーション動作を特定して一括で処理(ここではシーン制御に関する処理)を実行する。
(2.4)画面情報
画面情報D1は、図2に示すように、表示情報D2と付加情報D3とを含む。表示情報D2は、表示部111に表示する、文字情報D21及び画像情報D22の少なくとも一方(ここでは両方)を含む(図2参照)。画面情報D1は、例えば、文字情報D21、画像情報D22、及び付加情報D3をそれぞれ区別可能な態様で含む。
[表示情報]
以下、表示情報D2の文字情報D21及び画像情報D22について具体的に説明する。
文字情報D21は、表示部111に表示させる文字列(テキスト)データを含む。ここではテキストデータが、日本語のフォントである場合を想定する。文字情報D21は、日本語の文字(ひらがな、カタカナ、漢字)、アルファベット、数字、及び記号等を含み得る。図2では「点灯」、「消灯」、「今日の天気」、及び「曇りのち雨」等というテキストデータの一例を示す。これらのテキストデータは、電子ペーパーの表示画面11Aにおける表示領域(例えば図6の操作領域R7、図7Bの通知領域R32)に表示される。
文字情報D21は、日本語のフォント以外にも、英語、中国語、及び韓国語等のフォントを含んでよい。コントローラ3から受信する文字情報D21は、例えば、ひらがなの1文字(例えば「あ」)に対して割り当てられた2バイトの識別コードを含んでもよい。制御部10は、配線器具1内の記憶部(第1記憶部13A又は第2記憶部13B等)に格納された対応する言語のフォントセットを含む変換情報を用いて、その識別コードからひらがなの1文字(「あ」)に変換して表示画面11Aに表示してもよい。なお、日本語、英語、中国語、及び韓国語等のフォント情報は、後述する付加情報D3の様態情報D31に含まれる。
配線器具1は、タッチパネル11を通じて、設定画面を呼び出す操作入力を受け付けることで、その設定画面を表示し、その設定画面から表示言語を選択できるように構成される。例えば、施工業者又は施設8の管理者は、配線器具1が施設8に新しく導入された施工時のタイミングで、配線器具1の設置環境に応じて、設定画面を通じて表示言語を選択してもよい。或いは、例えば、施設8がホテルや民泊等であれば、外国人利用者(配線器具1のユーザ)の母国語に応じて表示言語を変更することが可能でもよい。
画像情報D22は、ユーザの母国語に関わらず、その情報を見たユーザが、表示内容を直感的に理解できる情報であることを想定する。画像情報D22は、文字情報D21に比べてデータ量が大きくなる可能性が高い情報である。画像情報D22は、図2に示すように、例えば、アイコン等の画像(情報)を含み得る。コントローラ3から受信する画像情報D22は、受信する側(配線器具1側)で展開可能な、所定の圧縮形式で圧縮された状態となっている。言い換えると、サーバ5は、画像情報D22を圧縮して、コントローラ3を介して、配線器具1に送信する。制御部10は、画面取得部101にて画像情報D22を取得すると、表示部111に表示可能な状態へ展開して第1記憶部13Aに書き込む。ただし、画像情報D22が圧縮されていることは、必須ではない。
図6の例では、照明器具21を模式的に表現したアイコンX1の画像が、画像情報D22に相当する。図6の例では、照明器具21が消灯状態であることが直感的に理解できるアイコンX11の画像、及び照明器具21が点灯状態であることが直感的に理解できるアイコンX12の画像が提示されている。画像情報D22は、表示部111に表示されている状態で、直感的に理解可能な情報である。また図7Aの例では、錠を模式的に表現したアイコンX2の画像が、画像情報D22に相当する。さらに図7Bの例では、雲と傘を模式的に表現したアイコンX3の画像(天気予報の画像)が、画像情報D22に相当する。ここではアイコンX1~X3は、例えば、白色と黒色の2色のピクセル(画素)を用いた矩形状のビットマップ画像である。
[付加情報]
以下、付加情報D3について具体的に説明する。
付加情報D3は、文字情報D21及び画像情報D22に関する配置情報(レイアウト)、及び文字情報D21のフォント情報を含む。言い換えると、付加情報D3は、表示情報D2を表示部111に表示する場合における「表示様態」に関する様態情報D31(図2参照)を含む。
図2では一例として、様態情報D31は、「アイコン配置」、「テキスト配置」、「タッチ領域配置」、及び「フォント」等に関する情報を含む。アイコン配置情報は、アイコン(文字情報D21)のサイズ及び位置等を指定するための情報である。テキスト配置情報は、テキスト(文字情報D21)のサイズ及び位置等を指定するための情報である。タッチ領域配置情報は、操作領域R3~R7、R10、R11、R23~R26、R33~R36等(図6、図7A及び図7B参照)の、タッチ操作を受け付け可能となるタッチ領域のサイズ及び位置等を指定するための情報である。言い換えると、本実施形態の様態情報D31は、表示様態として、表示部111の表示画面11A上における表示情報D2を表示する表示領域に関する領域情報D310を含む。
フォント情報は、文字情報D21のテキストデータをどのフォントで出力するかを指定するための情報である。
テキスト(文字情報D21)のサイズ(フォントサイズ)は、図6の例で言えば「メイン照明」、「消灯」、及び「点灯100%」といったテキストデータの単位で指定されるが、1文字の単位で指定されてもよい。サイズの種類は、2種類を想定するが、種類数は特に限定されない。アイコン画像(文字情報D21)のサイズは、図6の例で言えば照明器具21のアイコンX1を含む矩形状の画像の横幅及び縦幅として指定される。
テキスト及びアイコンの位置は、例えば、表示部111における画素位置(X-Y座標)で指定される。アイコン画像の位置は、例えば画像が矩形状であれば、矩形の画像の始点(例えば左上の角)について画素位置で指定され得る。テキストの位置は、テキストの単位で指定される。特にテキスト配置情報は、テキストについて左寄せ、右寄せ、及び中央寄せ(中央揃え)を指定する情報を含んでもよい。
アイコン及びテキストの配置情報は、特定のテキストや画像に対する「高さ」に関する情報を含んでもよい。例えば、図6の例で言えば、照明器具21のアイコンX1に関する配置情報は、「消灯」というテキストに対してアイコンX1を表示する高さ位置を指定する情報を含んでもよい。
様態情報D31は、レイアウトやフォント以外にも、文字情報D21及び画像情報D22に関する色情報を更に含んでもよい。ここでは、上述の通り、表示部111は、白及び黒の2色表示が可能な電子ペーパーの表示画面11Aを有している。ただし、表示部111が3色以上で表示可能であれば、様態情報D31は、色情報として、文字情報D21及び画像情報D22に関する表示色を指定するための情報を更に含んでもよい。
ここで本実施形態では、付加情報D3は、様態情報D31に加えて、指定情報D32を更に含む場合がある。指定情報D32は、表示様態と対応付けされていて、1又は複数のアプリケーション動作のうち、1以上の特定のアプリケーション動作を指定するためのアクション情報である。
指定情報D32は、第1位置及び第1サイズで表示される「表示領域A」が「照明の点灯」というアプリケーション動作に対応するという情報を含む(図2参照)。つまり、この情報は、処理部102に対して、表示領域Aがタッチ操作されると、照明器具21を消灯から点灯へ切り替えるという照明制御動作(アプリケーション動作)に関する処理を実行させるように指定するための情報である。ここでいう「表示領域A」は、例えば、図6中の「消灯」というテキストを表示する操作領域R7に相当する。
また指定情報D32は、第2位置及び第2サイズで表示される「表示領域B」が「照明の消灯」というアプリケーション動作に対応するという情報を含む(図2参照)。つまり、この情報は、処理部102に対して、表示領域Bがタッチ操作されると、照明器具21を点灯から消灯へ切り替えるという照明制御動作(アプリケーション動作)に関する処理を実行させるように指定するための情報である。ここでいう「表示領域B」は、例えば、図6中の、操作領域R7以外の通知領域R2に相当する。
また指定情報D32は、第3位置及び第3サイズで表示される「表示領域C」が「外部情報の要求」というアプリケーション動作に対応するという情報を含む(図2参照)。つまり、この情報は、処理部102に対して、表示領域Cがタッチ操作されるとコントローラ3を介してサーバ5と通信し外部情報を要求して受信し、表示するという一連の動作(アプリケーション動作)に関する処理を実行させるように指定するための情報である。
また指定情報D32は、第4位置及び第4サイズで表示される「表示領域D」が「画面遷移」というアプリケーション動作に対応するという情報を含む(図2参照)。つまり、この情報は、処理部102に対して、表示領域Dがタッチ操作されると特定の画面に遷移させるという画面遷移の制御動作(アプリケーション動作)に関する処理を実行させるように指定するための情報である。ここでいう「表示領域D」は、例えば、図6中の「<」及び「>」のアイコンを示す操作領域R3,R4、並びに「シーン」及び「情報」のテキストを示す操作領域R5,R6等に相当する。
要するに、ここでは一例として、指定情報D32は、表示領域に関する領域情報D310と対応付けされている。上述した指定情報D32は、単なる一例であって特に限定されない。
付加情報D3には、必ずしも指定情報D32が含まれているとは限らない。すなわち、ある表示領域には、実行すべきアプリケーション動作に関する処理が割り振られていない場合がある。例えば、天気予報の傘マークのアイコンX3のような表示領域は、非タッチ領域として規定され、タッチ操作されても実行すべき処理は何も割り振られていない場合がある。そのような表示領域に関する指定情報D32は、付加情報D3に含まれない。
ところで、指定情報D32は、「照明の点灯」、「照明の消灯」、「外部情報の要求」及び「画面遷移」といったアプリケーション動作を個別で指定するための情報だけでなく、2以上の特定のアプリケーション動作をグループ単位で指定するための情報も含む。言い換えると、指定情報D32は、表示様態と対応付けされていて、グループを指定するためのグループ指定情報D320(図2参照)を含む。ここでは一例として、グループ指定情報D320は、上述した戸締りシーン、起床シーン、及び外出シーン等に対応するシーン番号の情報である。
図2の例では、指定情報D32は、第5位置及び第5サイズで表示される「表示領域E」(表示様態)と対応付けされた「シーン番号1」というグループ指定情報D320を含む。このグループ指定情報D320は、処理部102に対して、表示領域Eがタッチ操作されると、「シーン番号1」に関する処理を実行させるように指定するための情報である。なお、「シーン番号1」が、戸締りシーン(電気錠23「解錠」、電動シャッター22「閉」)に対応するという情報は、指定情報D32ではなくて、上述の通り、第2記憶部13B内のグループ情報D4に含まれる。
図示を省略するが、指定情報D32は、第6位置及び第6サイズで表示される「表示領域F」と対応付けされた「シーン番号2」、及び第7位置及び第7サイズで表示される「表示領域G」と対応付けされた「シーン番号3」というグループ指定情報D320を含む。
(2.5)動作の説明
通信システムCS1の動作について図6、図7A及び図7Bを参照しながら説明する。
本実施形態では、各配線器具1は、2つ以上の表示モードのいずれかに属する複数の画面情報D1を表示画面11Aに表示する。本実施形態の2つ以上の表示モードは、少なくともスイッチモード、シーンモード、及び情報提示モードを含む。スイッチモードは、操作部112の操作によって、当該配線器具1に接続されている照明器具21を点灯、消灯、又は調光する個別制御のための表示モードである。シーンモードは、操作部112の操作によって、当該配線器具1に接続されている機器2を予め決められている状態に制御するシーン制御のための表示モードである。情報提示モードは、操作部112の操作によって、各種情報(例えば天気予報等の生活情報)を表示画面11Aに表示させるための表示モードである。表示モードは、上記のモードに限定されず、他のモードを含んでいてもよい。画面情報D1は、現在の表示モードに対応する情報、及び他の表示モードの画面情報に切り替えるための情報をそれぞれ含む。
各配線器具1において、表示画面11A上に重ねて配置される操作部112がユーザから操作入力を受け付けると、制御部10の処理部102は、操作入力に応じた制御を実行する。例えば、処理部102は、スイッチモードにおいて、照明器具21を消灯から点灯に切り替える操作入力を受け付けると、その切替を実行する。この際、処理部102は、付加情報D3の指定情報D32から、ユーザがタッチ操作した操作領域(表示領域)がどの特定のアプリケーション動作(この場合、照明の点灯)に対応するか特定する。そして、処理部102は、例えば自身のメモリ内に記憶される、照明制御に関するプログラムを実行する。その結果、照明器具21が点灯に切り替わる。
また処理部102は、照明器具21以外の機器2(電動シャッター22又は電気錠23等)の制御に関する操作入力を受け付けると、通信部12から、屋内ネットワークNT1を介して、コントローラ3に通知する。コントローラ3は、当該機器2の制御装置に制御信号を送信する。この際、処理部102は、付加情報D3の指定情報D32から、ユーザがタッチ操作した操作領域(表示領域)がどの特定のアプリケーション動作(例えば、電気錠23の施錠)に対応するか特定する。そして、処理部102は、例えば自身のメモリ内に記憶される、電気錠制御に関するプログラムを実行する。その結果、処理部102は、通信部12から、電気錠23の施錠を指示する信号をコントローラ3に送信する。配線器具1が、コントローラ3を介さず直接的に機器2と無線通信を行って、当該機器2の制御装置に制御信号を送信してもよい。
制御部10は、操作部112が受け付けた操作入力の内容、又は操作部112の操作による照明器具21の状態変化を、通信部12から、屋内ネットワークNT1を介して、コントローラ3へ通知してもよい。
制御部10は、ユーザから操作入力を受け付けた際に、現在表示中の画面情報D1を変更(画面遷移)する場合がある。この際、処理部102は、付加情報D3の指定情報D32から、ユーザがタッチ操作した操作領域(表示領域)がどの特定のアプリケーション動作(この場合、ある特定の画面への遷移)に対応するか特定する。そして、処理部102は、例えば自身のメモリ内に記憶される、画面遷移に関するプログラムを実行する。その結果、現在表示中の画面が、指定の画面に遷移する。
[スイッチモード]
以下、表示モードの1つであるスイッチモードについて説明する。
図6は、表示モードがスイッチモードである場合における、配線器具1の表示画面11Aに表示される複数の画面情報D1を示す。ここでは、複数の画面情報D1として、その配線器具1に電気的に接続されている照明器具21の状態を切り替えるための、3つのスイッチ画面(情報)G1~G3を例示する。
まず、制御部10が位相制御スイッチ18の導通角を下限値に制御することで、照明器具21は消灯する。照明器具21が消灯していれば、表示画面11Aにはスイッチ画面G1(図6の左上)が表示されている。スイッチ画面G1の上部の中央領域は、ラベル領域R1であり、ラベル領域R1には、照明器具21の名称である「メイン照明」のテキスト(文字情報D21)が表示されている。なお、ここでは一例として、全てのテキストについて「中央寄せ」が、付加情報D3の様態情報D31内で指定されている。
ラベル領域R1の下にある領域は、照明器具21の状態を示す通知領域R2であり、通知領域R2には、消灯状態を表すアイコンX11(画像情報D22)が表示されている。通知領域R2内には、操作領域R7が設けられている。操作領域R7には、「消灯」のテキスト(文字情報D21)が表示されている。ラベル領域R1の左にある領域は、操作領域R3であり、操作領域R3には左方向を示す「<」のアイコン(画像情報D22)が表示されている。ラベル領域R1の右にある領域は、操作領域R4であり、操作領域R4には右方向を示す「>」のアイコン(画像情報D22)が表示されている。
通知領域R2の下にある領域は、操作領域R5、R6であり、操作領域R5、R6は、左右方向に並んで形成されている。操作領域R5には、「シーン」のテキスト(文字情報D21)が表示されている。操作領域R6には「情報」のテキスト(文字情報D21)が表示されている。
したがって、スイッチ画面G1を見たユーザは、照明器具21が消灯していることを認識できる。このとき、補助灯16が点灯していることが好ましい。
ユーザは、照明器具21を点灯させる場合には、操作領域R7(又は通知領域R2内のいずれかの領域でもよい)をタッチ操作する。操作領域R7がタッチ操作されると、制御部10は、位相制御スイッチ18を制御して、照明器具21を点灯させる。この場合、照明器具21は、全点灯(調光レベル100%での点灯)する。さらに、配線器具1は、点灯状態に対応する画面情報D1が第1記憶部13Aに保存されていれば、スイッチ画面G2として、保存されている点灯状態に対応する画面情報D1を表示画面11Aに表示する。一方、配線器具1は、点灯状態に対応する画面情報D1が第1記憶部13Aに保存されていなければ、要求信号をコントローラ3へ送信して、画面情報D1を取得してもよい。なお、照明器具21の状態が切り替わると、配線器具1は、要求信号の送信の有無に関わらず、切り替わりの旨を、コントローラ3へ通知する。コントローラ3は、画面情報D1の要求信号を受信すれば、その画面情報D1を含む信号を、配線器具1に送信する。
スイッチ画面G2(図6の右上)の通知領域R2には、点灯状態を表すアイコンX12(画像情報D22)が表示されている。通知領域R2内の操作領域R7には、「点灯100%」のテキスト(文字情報D21)が表示されている。ユーザは、照明器具21の調光レベルを変更したい場合、スイッチ画面G2の操作領域R7をタッチ操作する。操作領域R7がタッチ操作されると、配線器具1は、調光レベルの設定用の画面情報D1(スイッチ画面G3)が第1記憶部13Aに保存されていれば、保存されているスイッチ画面G3を表示画面11Aに表示する。一方、配線器具1は、調光レベルの設定用の画面情報D1が第1記憶部13Aに保存されていなければ、要求信号をコントローラ3へ送信して、その画面情報D1を取得する。なお、配線器具1は、要求信号の送信の有無に関わらず、操作領域R7がタッチ操作されたことをコントローラ3へ通知する。
そして、表示部111は、スイッチ画面G3を表示画面11Aに表示する。スイッチ画面G3の上部の中央領域は、ラベル領域R8であり、ラベル領域R8には、照明器具21の名称である「メイン照明」のテキストが表示されている。ラベル領域R8の下にある領域は、照明器具21の調光レベルを示す通知領域R9であり、通知領域R9内には、上下方向に並んで配置された5つの円形状の操作領域R10が表示されている。通知領域R9の下にある領域は、調光レベルの設定完了を受け付ける操作領域R11が表示されている。操作領域R11には、「OK」のテキスト(文字情報D21)が表示される。
5つの操作領域R10は、5段階の調光レベルにそれぞれ対応し、現在の調光レベルに対応する操作領域R10のみが、黒色で表示され、他の操作領域R10は白色で表示される。操作領域R10は、上方に位置するほど、高い調光レベルに対応する。例えば、現在の調光レベルが100%(全点灯)であれば、図6に示すように、最も上に位置する操作領域R10が黒くなる。
ユーザは、スイッチ画面G3の5つの操作領域R10のいずれか1つをタッチ操作して調光レベルを選択する。制御部10は、タッチ操作された操作領域R10に対応する調光レベルになるように、位相制御スイッチ18を制御する。この結果、照明器具21は、スイッチ画面G3で指示された調光レベルで点灯する。配線器具1は、照明器具21の調光レベルが変更された旨をコントローラ3へ通知する。
ユーザは、照明器具21の調光レベルの設定が完了すると、「OK」を示す操作領域R11をタッチ操作する。その結果、配線器具1は、調光レベルの設定が完了したことをコントローラ3へ通知する。そして、表示部111は、スイッチ画面G2を表示画面11Aに表示する。
ユーザは、照明器具21を消灯させる場合には、スイッチ画面G2の、操作領域R7以外の通知領域R2をタッチ操作する。すると、制御部10は、位相制御スイッチ18を制御して、照明器具21を消灯させる。さらに、配線器具1は、照明器具21が消灯された旨をコントローラ3へ通知する。そして、表示部111は、スイッチ画面G1を表示画面11Aに表示する。
スイッチ画面G1又はG2の操作領域R5がタッチ操作されると、表示モードがスイッチモードからシーンモードに切り替わり、後述するシーン画面G4に画面が遷移する。スイッチ画面G1又はG2の操作領域R6がタッチ操作されると、表示モードがスイッチモードから情報提示モードに切り替わり、後述する情報画面G5に画面が遷移する。
表示モードを切り替える際にも、配線器具1は、対応する画面情報D1(シーン画面G4又は情報画面G5)が第1記憶部13Aに保存されているか否かを確認し、記憶部13に保存されていなければ、コントローラ3に要求信号を送信する。
[シーンモード]
以下、表示モードの1つであるシーンモードについて説明する。ここでは一例として、施設8が戸建ての住宅であり、ユーザ(住人)の就寝前における「戸締り」に関するシーン制御について説明する。ただし、シーン制御は、その他にも、「起床」に関するシーン制御、「リラックス(くつろぎ)」に関するシーン制御、「外出」に関するシーン制御、「帰宅」に関するシーン制御といった種々のシーン制御が設定されている。
図7Aは、表示モードがシーンモードである場合における、配線器具1の表示画面11Aに表示される画面情報を示す。ここでは、画面情報D1として、電動シャッター22及び電気錠23の状態を切り替えるためのシーン画面(情報)G4を例示する。
シーン画面G4の上部の中央領域は、ラベル領域R21である。ラベル領域R21には、「シーン」のテキスト(文字情報D21)が表示されている。ラベル領域R21の下にある領域は、シーン制御の名称を示す通知領域R22である。通知領域R22には、戸締りを表すアイコンX2(画像情報D22)が表示されている。通知領域R22内のアイコンX2の下には、「戸締り」のテキスト(文字情報D21)が表示されている。
ラベル領域R21の左にある領域は、操作領域R23であり、操作領域R23には左方向を示す「<」のアイコン(画像情報D22)が表示されている。ラベル領域R21の右にある領域は、操作領域R24であり、操作領域R24には右方向を示す「>」のアイコン(画像情報D22)が表示されている。ここでは詳細な説明は省略するが、操作領域R23又は操作領域R24がタッチ操作される毎に、別のシーン画面に切り替わる(画面遷移)。
通知領域R22の下にある領域は、操作領域R25、R26であり、操作領域R25、R26は、左右方向に並んで形成されている。操作領域R25には、「スイッチ」のテキスト(文字情報D21)が表示されている。操作領域R26には、「情報」のテキスト(文字情報D21)が表示されている。操作領域R25がタッチ操作されると、シーンモードからスイッチモードへ切り替わる。表示部111は、上述したスイッチ画面G1及びG2のいずれかを表示画面11Aに表示する(画面遷移)。操作領域R26がタッチ操作されると、シーンモードから情報提示モードへ切り替わる。表示部111は、図7Bに示す情報画面G5を表示画面11Aに表示する(画面遷移)。
ユーザは、施設8の窓、及び扉等の戸締りをしたい場合、シーン画面G4の通知領域R22をタッチ操作する。通知領域R22がタッチ操作されると、配線器具1は、シーン制御が「戸締り」に設定されたことをコントローラ3へ通知する。
また配線器具1は、「戸締りの実行」に対応する画面情報D1が第1記憶部13Aに保存されていれば、保存されている画面情報D1を表示画面11Aに表示する。一方、配線器具1は、「戸締りの実行」に対応する画面情報D1が第1記憶部13Aに保存されていなければ、要求信号をコントローラ3へ送信して、画面情報D1を取得する。
そして、コントローラ3は、窓に設置されている電動シャッター22を閉めるための制御信号を、電動シャッター22の制御装置へ送信する。またコントローラ3は、電気錠23を施錠するための制御信号を、電気錠23の制御装置に送信する。さらにコントローラ3は、「戸締りの実行」に対応する画面情報D1の要求信号を受信すれば、その画面情報D1を含む信号を、配線器具1に送信する。
結果的に、表示部111は、例えば、通知領域R22に、戸締りを表すアイコンX2(画像情報D22)、「戸締りを実行しました」及び「おやすみなさい」といったテキスト(文字情報D21)を含むシーン画面(ここでは不図示)を表示する。したがって、ユーザは、その表示内容を通じて、「戸締り」が実行された旨を知ることができる。
[情報提示モード]
以下、表示モードの1つである情報提示モードについて説明する。
図7Bは、表示モードが情報提示モードである場合における、配線器具1の表示画面11Aに表示される画面情報D1を示す。ここでは、画面情報D1として、種々の生活情報の1つである「今日の天気」に関する情報画面(情報)G5を例示する。
コントローラ3は、サーバ5から各種の生活情報(外部情報)を取得するように構成される。生活情報は、例えば、天気予報、外出時の傘の要否、洗濯指数、及び今日の天気に適した服装等が挙げられる。コントローラ3は、生活情報をサーバ5から受信して、配線器具1に送信する。
情報画面G5の上部の中央領域は、ラベル領域R31である。ラベル領域R31には、提示する情報の種別を示す「今日の天気」のテキスト(文字情報D21)が表示されている。ラベル領域R31の下にある領域は、提示する情報を示す通知領域R32である。通知領域R32には、今日の天気予報を表すアイコンX3(画像情報D22)、及び、今日の天気予報を表すメッセージ「曇りのち雨」(文字情報D21)が表示されている。さらに今日の天気予報を表すメッセージの下には、今日の最高気温と最低気温とをそれぞれ表す「最高12℃」及び「最低2℃」という情報(文字情報D21)が表示されている。
ラベル領域R31の左にある領域は、操作領域R33であり、操作領域R33には左方向を示す「<」のアイコン(画像情報D22)が表示されている。ラベル領域R31の右にある領域は、操作領域R34であり、操作領域R34には右方向を示す「>」のアイコン(画像情報D22)が表示されている。ここでは詳細な説明は省略するが、操作領域R33又は操作領域R34がタッチ操作される毎に、別の生活情報を提示する情報画面に切り替わる(画面遷移)。
通知領域R32の下にある領域は、操作領域R35、R36であり、操作領域R35、R36は、左右方向に並んで形成されている。操作領域R35には、「スイッチ」のテキスト(文字情報D21)が表示されている。操作領域R36には、「シーン」のテキスト(文字情報D21)が表示されている。操作領域R35がタッチ操作されると、情報提示モードからスイッチモードへ切り替わる。表示部111は、上述したスイッチ画面G1及びG2のいずれかを表示画面11Aに表示する(画面遷移)。操作領域R36がタッチ操作されると、情報提示モードからシーンモードへ切り替わる。表示部111は、シーン画面(例えば図7Aに示すシーン画面G4)を表示画面11Aに表示する(画面遷移)。
[画面更新]
以下に、画面更新を行う場合の動作について説明する。
配線器具1は、施設8に設置された後に、表示部111に表示する表示領域のレイアウトの変更、すなわちアイコン、テキスト、及びタッチ領域の位置やサイズ、内容の変更等の画面更新の実施が望まれる場合がある。或いは、配線器具1は、施設8への設置前(施工前)に、その施設8の種類に適した表示領域のレイアウトとなるように、画面更新の実施が望まれる場合もある。
具体的には、例えば「照明の点灯」に対応していた「表示領域A」(図2参照)が、タッチ操作されると、照明器具21ではなくて別の機器2(電気錠23、電動シャッター22、又は空気調和機等)の制御動作に関する処理が実行されるように変えたい場合がある。
ここで、仮に表示領域がタッチ操作された場合に、どのアプリケーション動作の処理を実行するべきかについての情報が、処理部102が実行するプログラムのソースに固定的に含まれていると、ファームウェアアップデートが必要になる。その結果、配線器具1に対して画面更新を容易に実施しにくい。
一方、本実施形態では、表示様態と対応付けされて1以上の特定のアプリケーション動作を指定するための指定情報D32が、プログラムのソースに固定的に含まれているのではなく、画面情報D1の付加情報D3に含まれ得る。
例えば、サーバ5は、付加情報D3に関する更新用の差分情報を、1以上の施設8のコントローラ3に送信する。コントローラ3の管理回路31は、通信部32を介して外部のサーバから差分情報を受信すると、更新信号を生成し、屋内ネットワークNT1を介して各配線器具1へ送信する。更新信号には、送信先の配線器具1の識別情報(IPアドレス、又はMACアドレス等)として、配線器具1A又は配線器具1Bの少なくとも一方の識別情報が含まれる。更新信号を受け取った配線器具1では、制御部10は、第1記憶部13A内の画面情報D1を更新する。
或いは、サーバ5は、付加情報D3に関する更新用の差分情報を、配線器具1の施工者、又は施設8の管理者等が所有(携帯)するスマートフォン又はタブレット端末等の情報端末に送信する。情報端末は、更新信号を生成して、コントローラ3の代わりに、例えばBLE規格に準拠した無線通信により、配線器具1へ送信する。
このように画面更新時には画面情報D1(付加情報D3)を更新すればよく、配線器具1のファームウェアアップデートが不要となる可能性が高くなる。結果的に、画面更新の容易性の向上を図ることができる。
特に2以上の特定のアプリケーション動作を一括で実行するシーン制御についても、画面更新時には画面情報D1(付加情報D3)を更新すればよく、画面更新の容易性をより向上できる。
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上記実施形態に係る配線器具1、コントローラ3、及び通信システムCS1と同様の機能は、制御方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。以下では、上記実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。
本開示における配線器具1、コントローラ3、及び通信システムCS1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における配線器具1、コントローラ3、及び通信システムCS1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、配線器具1、コントローラ3、及び通信システムCS1の各々における複数の機能が、1つのハウジング内に集約されていることは必須の構成ではない。例えば、配線器具1の構成要素は、複数のハウジングに分散して設けられていてもよい。反対に、基本例のように配線器具1における複数の機能が、1つのハウジング内に集約されてもよい。さらに、配線器具1、コントローラ3、及び通信システムCS1の各々の少なくとも一部の機能、例えば、配線器具1の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
基本例では、配線器具1は、表示部111を備える(壁)スイッチであるが、スイッチに限定されない。配線器具1は、例えば、表示部111を備えるコンセントでもよい。
基本例では、配線器具1は、ユーザのタッチ操作により照明器具21の点灯、消灯、又は調光に関する操作入力を受け付けるタッチパネル11を備えているが、タッチパネル11は、配線器具1にとって必須の構成要素ではない。例えば、配線器具1は、器体の前面に操作ハンドルを備えて、操作ハンドルを押して回転させることで接点をオン又はオフする、ピアノハンドル式(又はシーソー式)のスイッチでもよい。電子ペーパーの表示画面11Aを有した表示部111は、操作ハンドルの前面に設けられてもよい。
基本例では、配線器具1は、ユーザが任意でシーン制御のグループを設定できるように構成され、第2記憶部13Bは、グループ情報D4を記憶する。そして、基本例では、処理部102は、グループ情報D4と、付加情報D3の指定情報D32に含まれるシーン番号というグループ指定情報D320とから、2以上の特定のアプリケーション動作を特定して一括で処理を実行する。
これに対して、指定情報D32は、グループ指定情報D320に加えて又はその代わりに、一括で処理を実行する2以上の特定のアプリケーション動作を1つずつ個別に指定するための情報を含んでもよい。言い換えると、指定情報D32は、表示様態と対応付けされていて、1又は複数のアプリケーション動作のうち、少なくとも2つの特定のアプリケーション動作をそれぞれ指定するための複数の個別指定情報を含んでもよい。処理部102は、複数の個別指定情報から、少なくとも2つの特定のアプリケーション動作を特定して一括で処理を実行してもよい。複数の個別指定情報は、ユーザが任意で設定するための情報というよりは、施設8(設置環境)やユーザに関わらず、一括で処理を実行すべき情報として、固定的に設定される。具体的には、施設8内の複数の照明器具21を一括で点灯(又は消灯)するという「一括照明ボタン」として割り振られた表示領域に対して、各々が所定の照明器具21を点灯(又は消灯)するという個別指定情報が複数で、対応付けされる。この場合も、画面更新時には付加情報D3を更新すればよく、画面更新の容易性をより向上できる。
基本例では、画面情報D1を記憶する第1記憶部13A、及びグループ情報D4を記憶する第2記憶部13Bは、各配線器具1に設けられている。しかし、第1記憶部13A及び第2記憶部13Bは、配線器具1の外部(例えば、コントローラ3等)に設けられてもよい。この場合、配線器具1は、表示部111に画面情報D1を表示する場合、また表示部111に表示中のタッチ領域が操作された場合、その都度、コントローラ3と通信を行って、コントローラ3側に保存された画面情報D1を取得してもよい。自己保持型の電子ペーパーで一度表示された画面情報D1は、配線器具1内に保存せずに消去されてもよい。この場合、画面更新は、配線器具1の単位ではなく、コントローラ3の単位で実行されてもよい。
基本例におけるコントローラ3は、HEMSのコントローラであるが、通信システムCS1は、コントローラ3の代わりに、機器2を管理及び監視する機能等を有さない専用の無線アダプタを備えてもよい。
基本例のサーバ5は、通信システムCS1にとって必須の構成要素ではなく、省略されてもよい。例えば、コントローラ3が、複数の画面情報D1を管理してもよい。
(4)まとめ
以上説明したように、第1の態様に係る配線器具(1)は、表示部(111)と、画面情報(D1)を取得する画面取得部(101)と、処理部(102)と、を備える。処理部(102)は、1又は複数のアプリケーション動作に関する処理を実行する。画面情報(D1)は、表示情報(D2)と、付加情報(D3)と、を含む。表示情報(D2)は、表示部(111)に表示する、文字情報(D21)及び画像情報(D22)の少なくとも一方を含む。付加情報(D3)は、表示情報(D2)を表示部(111)に表示する場合における表示様態に関する様態情報(D31)を含む。処理部(102)は、付加情報(D3)に、表示様態と対応付けされていて1又は複数のアプリケーション動作のうち1以上の特定のアプリケーション動作を指定するための指定情報(D32)が更に含まれるか否かを判定する。処理部(102)は、指定情報(D32)が含まれている場合には、指定情報(D32)に応じて、1以上の特定のアプリケーション動作に関する処理を実行する。
この態様によれば、指定情報(D32)が表示様態と対応付けされて、付加情報(D3)に含まれる場合には、指定情報(D32)に応じて処理を実行するので、画面更新時には付加情報(D3)を更新すればよく、ファームウェアアップデートが不要となる可能性が高くなる。結果的に、画面更新の容易性の向上を図ることができる。
第2の態様に係る配線器具(1)は、第1の態様において、グループ取得部(103)を、更に備える。グループ取得部(103)は、1又は複数のアプリケーション動作のうち、一括で実行させる2以上の特定のアプリケーション動作が1つのグループとして紐づけされたグループ情報(D4)を取得する。指定情報(D32)は、表示様態と対応付けされていて、グループを指定するためのグループ指定情報(D320)を含む。処理部(102)は、グループ指定情報(D320)から、2以上の特定のアプリケーション動作を特定して一括で処理を実行する。
この態様によれば、2以上の特定のアプリケーション動作を一括で実行するための画面情報(D1)について、画面更新時には付加情報(D3)を更新すればよく、画面更新の容易性をより向上できる。
第3の態様に係る配線器具(1)は、第2の態様において、外部からグループ情報(D4)に関する設定を受け付ける設定部(104)を更に備える。
この態様によれば、グループ情報(D4)の設定を外部から容易に行えるため、利便性が向上する。
第4の態様に係る配線器具(1)に関して、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、指定情報(D32)は、複数の個別指定情報を含む。複数の個別指定情報は、表示様態と対応付けされていて、1又は複数のアプリケーション動作のうち、少なくとも2つの特定のアプリケーション動作をそれぞれ指定するための情報である。処理部(102)は、複数の個別指定情報から、少なくとも2つの特定のアプリケーション動作を特定して一括で処理を実行する。
この態様によれば、少なくとも2つの特定のアプリケーション動作を一括で実行するための画面情報(D1)について、画面更新時には付加情報(D3)を更新すればよく、画面更新の容易性をより向上できる。
第5の態様に係る配線器具(1)に関して、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、1以上の特定のアプリケーション動作に関する処理は、1以上の機器(2)の動作制御に関する処理を含む。
この態様によれば、1以上の機器(2)の動作制御に関する処理を実行するための画面情報(D1)について、画面更新時には付加情報(D3)を更新すればよく、画面更新の容易性をより向上できる。
第6の態様に係る配線器具(1)に関して、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、様態情報(D31)は、表示様態として、表示部(111)の表示画面(11A)上における表示情報(D2)を表示する表示領域に関する領域情報(D310)を含む。指定情報(D32)は、領域情報(D310)と対応付けされている。
この態様によれば、指定情報(D32)が領域情報(D310)と対応付けされて、付加情報(D3)に含まれるので、画面更新時には付加情報(D3)を更新すればよく、画面更新の容易性をより向上できる。
第7の態様に係る制御方法は、配線器具(1)の制御方法である。制御方法は、表示ステップと、画面情報(D1)を取得する画面取得ステップと、処理ステップと、を含む。処理ステップでは、1又は複数のアプリケーション動作に関する処理を実行する。画面情報(D1)は、表示ステップにて表示する、文字情報(D21)及び画像情報(D22)の少なくとも一方を含む表示情報(D2)と、表示情報(D2)を表示する場合における表示様態に関する様態情報(D31)を含む付加情報(D3)と、を含む。処理ステップにて、付加情報(D3)に、表示様態と対応付けされていて1又は複数のアプリケーション動作のうち1以上の特定のアプリケーション動作を指定するための指定情報(D32)が更に含まれるか否かを判定する。指定情報(D32)が含まれている場合には、処理ステップにて、指定情報(D32)に応じて、1以上の特定のアプリケーション動作に関する処理を実行する。
この態様によれば、画面更新の容易性の向上を図ることが可能な制御方法を提供できる。
第8の態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに第7の態様における制御方法を実行させるためのプログラムである。
この態様によれば、画面更新の容易性の向上を図ることが可能な機能を提供できる。
第2~6の態様に係る構成については、配線器具(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。