JP7476832B2 - 飛行装置 - Google Patents

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Description

本発明は複数の推力発生装置を備える飛行装置に関する。
飛行装置に設けられる推力発生装置のプロペラ(回転翼、ブレード)のピッチ角を変更する技術としては、例えば、特許文献1に開示がある。この技術では、推力発生装置の回転主軸が中空状に形成され、この回転主軸内に操作ロッドが軸線方向にのみ移動可能に同心状に配設され、その操作ロッドの下端に固着されたアームが、リンクおよびレバー機構を介して回転翼の各支持軸に連結されている。そして、操作ロッドを軸線方向に往復移動させることによって、リンクおよびレバー機構を介して各回転翼のピッチ角(ブレード角度)が変更・調整される。
特開平5-87037号公報
マルチコプターのように複数の推力発生装置を備える飛行装置の場合、複数の推力発生装置の回転翼が全て同じ方向(例えば、時計回り)に回転するならば、上昇すべき飛行装置が上昇せずに右回転してしまう(あるいは上昇しながら右回転してしまう)。これは推力発生装置が発生するトルク(例えば、右回りのトルク)を打ち消すトルクが存在しないからである。右回りトルクを打ち消すためには、左回りトルク(カウンタトルク)を発生する推力発生装置を飛行装置に設ける必要があるが、右回りトルクを発生する推力発生装置の部品と左回りトルクを発生する推力発生装置の部品が異なると、開発コスト及び製造コストが増大する。
そこで、本発明は、異なる方向に回転トルクを発生する推力発生装置を備えた飛行装置において、推力発生装置の部品の共通化率を向上することを目的とする。
本発明の1つの態様による飛行装置は、モータの回転軸回りに回転翼を回転させることにより推力を発生する推力発生装置を複数備える飛行装置であって、前記複数の推力発生装置の各々は、前記回転翼と、前記回転翼を保持し、前記回転軸に所定の角度で交わる第2の軸回りに回転可能なグリップと、前記回転軸回りに前記回転翼を回転させるモータと、前記モータに取り付けられ、前記モータと共に回転するハブと、前記グリップを前記第2の軸回りに回転させることにより前記回転翼のピッチ角を変更するピッチ角変更機構と、を備え、前記ピッチ角変更機構は、前記ハブ内に設けられて前記回転軸方向に直線運動可能であり且つ前記回転軸方向に平行な面を有する直動体と、当該直動体の前記面に取り付けられたラックと、当該ラックに噛み合うピニオンとを有し、前記ピニオンは前記グリップに取り付けられており、前記複数の推力発生装置のうちの1つの推力発生装置の前記ラックは、前記ピニオンの中心から見て前記面の一方の側に位置し、他の推力発生装置の前記ラックは、前記ピニオンの中心から見て前記面の前記一方の反対側に位置している。
前記1つの推力発生装置の前記ラックは、前記直動体の前記面の一端に取り付けられ、前記他の推力発生装置の前記ラックは、前記直動体の前記面の他端に取り付けられてよい。前記複数は偶数であってよい。また、前記他の推力発生装置の前記ラックは、前記1つの推力発生装置の前記ラックと同じ形状を有してよい。
前記1つの推力発生装置の前記ラックと噛み合う前記ピニオンは、前記他の推力発生装置の前記ラックと噛み合う前記ピニオンと同じ形状を有してよい。
前記1つの推力発生装置と前記他の推力発生装置は、前記回転軸方向において同じ高さに配置されてよい。あるいは、前記1つの推力発生装置と前記他の推力発生装置は、前記回転軸方向において同軸上でタンデム配置されてよい。
本発明によれば、異なる方向に回転トルクを発生する推力発生装置を備えた飛行装置において、推力発生装置の部品の共通化率を向上することができる。
図1(a)は、実施形態に係る推力発生装置に回転翼を取り付けた状態を示す斜視図、図1(b)および図1(c)は、実施形態に係る推力発生装置に取り付けられた回転翼のピッチ角を変化させた状態を示す側面図である。 図2は、図1(a)の推力発生装置を回転軸の一端側から見たときの構成を分解して示す斜視図である。 図3は、図1(a)に示す推力発生装置を回転軸の他端側から見たときの構成を分解して示す斜視図である。 図4(a)は、図2に示す推力発生装置の組み立て後の構成を示す斜視図、図4(b)は、図3に示す推力発生装置の組み立て後の構成を示す斜視図である。 図5(a)は、実施形態に係る推力発生装置の構成を示す平面図、図5(b)は、図5(a)のA-A線に沿って切断した断面図である。 図6(a)は、実施形態に係る推力発生装置の構成を示す平面図、図6(b)は、図6(a)のB-B線に沿って切断した断面図である。 図7(a)は、実施形態に係る推力発生装置の推力発生用モータの構成を示す平面図、図7(b)は、図7(a)のC-C線に沿って切断した断面図である。 図8(a)は、図6のピッチ可変用モータ、垂直伝達部および回転直動変換部の構成を示す斜視図、図8(b)は、図8(a)のピッチ可変用モータ、垂直伝達部および直動案内部を除去した構成を示す斜視図である。 図9(a)は、実施形態に係るラックが取り付けられた直動体の構成を示す平面図、図9(b)は、図9(a)のD-D線に沿って切断した断面図、図9(c)は、図9(a)のE-E線に沿って切断した断面図、図9(d)は、実施形態に係るラックが取り付けられた直動体の構成を示す裏面図である。 図10は、図9(a)のラックが取り付けられた直動体の構成を分解して示す斜視図である。 図11は、図1(b)のハブの構成を分解して示す斜視図である。 図12は、図9(d)のラックが取り付けられた直動体とピニオンとの位置関係を示す裏面図である。 図13(a)は、図1(b)の回転翼のピッチ角に対応した直動体の位置を示す斜視図、図13(b)は、図1(c)の回転翼のピッチ角に対応した直動体の位置を示す斜視図である。 図14は、実施形態に係る直動回転変換部の1つのグリップ部分の構成を示す断面図である。 図15は、図14の直動回転変換部の1つのグリップ部分の構成を分解して示す斜視図である。 図16Aは、回転翼を推力発生装置の回転軸回りの反時計回り方向(CCW方向)に回転させる場合に採用する直動体とラックを示す図である。 図16Bは、回転翼を推力発生装置の回転軸回りの時計回り方向(CW方向)と反時計回り方向(CCW方向)に回転させる場合に採用するラックとピニオンの位置関係を示す概略概略図である。 図17は、反時計回り方向に回転する回転翼を備えた推力発生装置を示す図である。 図18は、本実施形態にかかる飛行装置の概略平面図である。 図19は、他の実施形態にかかる推力発生装置を説明する図である。 図20は、図19の推力発生装置を備える飛行装置の概略平面図である。 図21は、エクステンションの変形例を示す斜視図である。 図22は、図21に示した変形例の断面図である。 図23は、図21に示した変形例の他の断面図である。 図24は、図21に示した変形例の展開斜視図である。 図25は、図21に示した変形例のエクステンションと、ハブケースと、ハブ取り付け用ボルトを示す展開斜視図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の構成に必須のものとは限らない。実施形態の構成は、本発明が適用される装置の仕様や各種条件(使用条件、使用環境等)によって適宜修正または変更され得る。本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定され、以下の個別の実施形態によって限定されない。また、以下の説明に用いる図面は、各構成を分かり易くするため、実際の構造と縮尺および形状などを異ならせることがある。
本実施形態の飛行装置は、複数の推力発生装置を備える飛行装置である。複数の推力発生装置は、モータ回転軸回りの時計回り方向に回転する回転翼を有する推力発生装置と、モータ回転軸回りの反時計回り方向に回転する回転翼を有する推力発生装置とを備える。
まず、推力発生装置の構成及び機能について説明するが、各推力発生装置はほぼ同一の構成及び作用を有するので、以下の説明では、モータ回転軸回りの時計回り方向に回転する回転翼を有する推力発生装置について説明する。尚、推力発生装置が有する回転翼が3枚の場合を例にとるが、推力発生装置で駆動される回転翼は、必ずしも3枚に限定されることなく、N(Nは2以上の整数)枚であればよい。複数の推力発生装置を備える飛行装置は、例えば、マルチコプター、飛行機、回転翼機である。また、複数の推力発生装置を備える飛行装置は、飛行機能を有する自動車でもよい。飛行機能を有する自動車では、例えば、自動車の車体の周囲に複数の推力発生装置1が取り付けられる。
図1(a)は、実施形態に係る複数の推力発生装置のうち、モータ回転軸回りの時計回り方向に回転する回転翼を有する推力発生装置1を示す斜視図である。尚、時計回り方向に回転するとは、推力発生装置1を上方から見た場合に右回りに回転することを意味する。以下の記載において、時計回り方向をCW方向と称する場合がある。CWはClockwiseの略である。また、反時計回り方向をCCW方向と称する場合がある。CCWはCouter Clockwiseの略である。図1(b)および図1(c)は、実施形態に係る推力発生装置1に取り付けられた回転翼のピッチ角θ(回転翼H1のピッチ角はθ1)の変化を説明する側面図である。各回転翼は回転翼回転中心軸回りに回動することができる。図1(b)から分かるように、ピッチ角θは、モータ回転軸S0に垂直な線(水平線)HRから下方に計測した角度である。図1(c)のピッチ角θ1は図1(b)のピッチ角θ1より大きい。図2および図3は、図1(a)の推力発生装置1の構成を分解して示す斜視図、図4(a)および図4(b)は、図2および図3の推力発生装置1の組み立て後の構成を示す斜視図である。
図1(a)、図1(b)および図1(c)において、推力発生装置1は、回転翼H1~H3を電動で駆動する。回転翼H1~H3は、グリップP1~P3をそれぞれ介して推力発生装置1に装着される。グリップP1~P3は、推力発生装置1から水平方向に放射状に延びるように回転翼H1~H3を支持する。推力発生装置1は、装着面1Aを介して飛翔体に装着される。回転翼H1~H3はブレードと称されることもある。
図1(a)、図1(b)、図1(c)、図2、図3、図4(a)および図4(b)に示すように、推力発生装置1は、推力発生用モータ2(第1モータ)、ピッチ可変用モータ5(第2モータ)、回転伝達部6、回転直動変換部7(第1変換部)、直動回転変換部8(第2変換部)、エクステンション9およびハブ10を備える。推力発生用モータ2は、ステータ2A、ロータ2B、外側フレーム2C、内径部2Dおよび内側フレーム2Eを備える。また、ロータ2Bは、内径側にロータ軸4および中空部3A、3Bを備える。ロータ軸4の軸方向端部には、エクステンション9を介してハブ10を装着する装着部4Aが設けられる。
内径部2Dの径方向外側には、内側フレーム2Eが位置し、内側フレーム2Eの径方向外側には、外側フレーム2Cが位置する。内径部2Dは、外側フレーム2C側に固定される。内側フレーム2Eは、ロータ軸4側に固定され、ロータ軸4とともに回転する。ロータ軸4は、内径部2D内に収容される。このとき、装着部4Aは、内径部2Dの軸方向外側に位置する。内側フレーム2Eの外周面に沿ってロータ2Bが位置する。外側フレーム2Cの内周面に沿ってステータ2Aが位置する。このとき、回転軸S0から径方向外側に向かって、ロータ軸4、内径部2D、内側フレーム2E、ロータ2B、ステータ2Aおよび外側フレーム2Cは、同心円状に配置される。
推力発生用モータ2は、回転翼H1~H3を回転させることにより推力Fを発生させる。ステータ2Aは、電磁鋼鈑と巻線により構成され、ロータ2Bの外側に位置する。ステータ2A、内径部2Dおよび装着面1Aは、外側フレーム2Cに固定される。このとき、装着面1Aは、支持部1Cを介して外側フレーム2Cに固定することができる。内径部2Dは、スペーサ2Fを介して装着面1Aの裏側に固定することができる。スペーサ2Fは、推力発生用モータ2内に回転伝達部6を収容するための空間を確保することができる。
装着面1Aは、回転伝達部6を外側フレーム2C内に挿入可能な開口1Bを備える。支持部1Cは、外側フレーム2Cの外枠から内側に向かって放射状に延びる。内径部2Dは、円筒形状であり、軸受U1を介してロータ軸4を回転自在に支持する。内側フレーム2Eは、円環状であり、ロータ2Bを支持する。外側フレーム2Cは、円環状であり、ステータ2Aを支持する。
装着面1A、外側フレーム2C、内径部2D、内側フレーム2Eおよびスペーサ2Fは、例えば、ジュラルミンなどの合金で形成することができる。装着面1A、外側フレーム2C、内径部2D、内側フレーム2Eおよびスペーサ2Fは、例えば、鋳造、鍛造または切削加工などの方法で一体的に形成することができる。
ロータ2Bは、磁石などにより構成され、ロータ軸4の外側に位置する。ロータ2Bおよびロータ軸4は、内側フレーム2Eに固定される。ロータ軸4は、軸受U1を介して、回転軸S0の軸回りに回転する。ロータ軸4の回転に伴ってロータ2Bおよび内側フレーム2Eも回転軸S0の軸回りに回転する。ロータ軸4、装着部4Aおよび内側フレーム2Eは、例えば、ジュラルミンなどの合金で形成することができる。ロータ軸4、装着部4Aおよび内側フレーム2Eは、例えば、鋳造、鍛造または切削加工などの方法で一体的に形成することができる。
中空部3A、3Bは、推力発生用モータ2内に位置する。また、中空部3Aは、ロータ2Bの円周方向に沿ってロータ2Bとロータ軸4の間に位置する。中空部3Bは、ロータ軸4の軸方向に沿ってロータ軸4内径側に位置する。
ピッチ可変用モータ5は、回転翼H1~H3のピッチ角θ1~θ3を変化させる回転運動を発生させる。ピッチ可変用モータ5は、内径部2Dに固定される。ピッチ可変用モータ5の少なくとも一部は、推力発生用モータ2内に収容される。このとき、ピッチ可変用モータ5は、中空部3Aに位置することができる。ピッチ可変用モータ5の回転軸は、推力発生用モータ2の回転軸S0と並列に位置することができる。
回転伝達部6は、ピッチ可変用モータ5で発生された回転運動を推力発生用モータ2の回転軸S0に対して垂直方向に伝える。すなわち、ピッチ可変用モータ5の回転軸と、推力発生用モータ2の回転軸S0は平行な異なる軸であり、回転伝達部6によりピッチ可変用モータ5で発生された回転運動を、推力発生用モータ2の回転軸S0の軸上に伝達する。回転伝達部6は、内径部2Dに固定される。回転伝達部6の少なくとも一部は、推力発生用モータ2内に収容される。
回転直動変換部7は、ピッチ可変用モータ5で発生され、回転伝達部6を介して伝えられた回転運動を、回転軸S0の軸方向の直線運動LMに変換する。回転直動変換部7の少なくとも一部は、推力発生用モータ2内に収容される。このとき、回転直動変換部7の少なくとも一部は、中空部3B内に位置することができる。この場合、回転直動変換部7の少なくとも一部は、回転軸S0の軸方向に沿って中空部3Bから回転翼H1~H3側に突出させることができる。回転直動変換部7は、内径部2Dに固定される。
直動回転変換部8は、回転直動変換部7で変換された直線運動LMを、各支持軸M1~M3の軸回りの回転運動に変換する。直動回転変換部8は、推力発生用モータ2の外部に位置する。
エクステンション9は、回転軸S0の軸方向において、推力発生用モータ2と回転翼H1~H3との間の間隔を保つためのスペーサである。エクステンション9は、回転翼H1~H3が推力発生用モータ2に衝突するのを防止する。エクステンション9は、装着部4Aを介してロータ軸4に固定され、ロータ軸4とともに回転する。
ハブ10は、直動回転変換部8を収容するとともに、グリップP1~P3がハブ10から突出した状態でグリップP1~P3を支持する。ハブ10は、エクステンション9を介して、ロータ軸4に固定される。すなわち、ハブ10は、ロータ軸4を介して回転軸S0の軸回りに回転可能な状態で外側フレーム2Cに支持される。ハブ10は、グリップP1~P3を介し、回転軸S0の軸方向に対して垂直方向に回転翼H1~H3を支持する。
推力発生用モータ2が動作すると、ロータ2Bが回転軸S0を中心に回転することで、回転翼H1~H3が回転する。そして、各回転翼H1~H3の回転R1~R3に伴って回転翼H1~H3の推力Fが発生する。回転R1~R3は、上から見た場合時計回りの回転であるので、回転翼H1~H3は回転軸S0を中心にしてCW方向に回転すると言える。本実施形態の飛行装置は、回転翼H1~H3がCW方向に回転する推力発生装置1と、回転翼H1~H3がCCW方向に回転する推力発生装置99(後述)とを備える。
ピッチ可変用モータ5、回転伝達部6および回転直動変換部7は、外側フレーム2C側に固定される。このため、ロータ2Bが回転しても、ピッチ可変用モータ5、回転伝達部6および回転直動変換部7は、回転軸S0の軸回りに回転しない。
また、ピッチ可変用モータ5が動作すると、各回転翼H1~H3は、各支持軸M1~M3の軸回りに回転し、回転翼H1~H3のピッチ角θ1~θ3が変化する。このとき、ピッチ可変用モータ5の回転運動は、回転伝達部6を介して回転直動変換部7に伝えられる。そして、ピッチ可変用モータ5の回転運動は、回転直動変換部7によって、回転軸S0の軸方向の直線運動LMに変換される。そして、回転直動変換部7で変換された直線運動LMは、直動回転変換部8によって、各支持軸M1~M3の軸回りの3つの回転運動に変換される。そして、各支持軸M1~M3の回転運動は、グリップP1~P3をそれぞれ介し、各回転翼H1~H3に伝えられ、各回転翼H1~H3のピッチ角θ1~θ3が変化される。
ここで、推力発生装置1は、回転翼H1~H3のピッチ角θ1~θ3を可変とすることにより、推力を変化させることができる。また、推力発生装置1は、ピッチ角θ1~θ3を可変とすることにより、推力変化の応答速度を早めることで飛行装置の安定性を向上させることが可能となるとともに、ブレード長(回転翼H1~H3の長さ)を長くすることなく、飛行装置に必要な推力を確保することができ、推力発生装置1の大型化および重量増を抑制することができる。また、各状況で必要な推力は固定ピッチと比較した場合、推力発生用モータ2の低い回転数で発生できるので、回転数に依存する騒音を抑制することができる。
また、推力発生装置1は、回転翼H1~H3のピッチ角θ1~θ3を電動で可変とすることにより、油圧を用いる必要がなくなる。このため、油の給排を制御する油圧制御ユニットおよび回転体に対してオイルシールを行うための複雑な回転シール機構を設ける必要がなくなり、推力発生装置1の大型化を抑制することが可能となるとともに、推力発生装置1のメンテナンス性を向上させることができる。
また、直動回転変換部8は、回転直動変換部7で変換された1つの直線運動LMを、各支持軸M1~M3の軸回りの3つの回転運動に変換することにより、回転直動変換部7で変換された1つの直線運動LMに基づいて、3枚の回転翼H1~H3のピッチ角θ1~θ3を調整することができ、推力発生装置1の大型化を抑制することができる。直動回転変換部8は、ピッチ角変更機構と称することができる。
さらに、回転直動変換部7の少なくとも一部を、推力発生用モータ2内に収容することにより、回転軸S0の軸方向において推力発生用モータ2からの回転直動変換部7の突出量を減らすことができる。このため、推力発生用モータ2で回転翼H1~H3の推力を発生させ、ピッチ可変用モータ5で回転翼H1~H3のピッチ角θ1~θ3を可変とした場合においても、回転軸S0の軸方向に推力発生装置1をコンパクト化することが可能となる。
さらに、回転直動変換部7の少なくとも一部を、中空部3B内に収容することにより、推力発生用モータ2を回転軸S0の軸方向に大型化することなく、回転直動変換部7の少なくとも一部を推力発生用モータ2内に収容することができ、回転軸S0の軸方向に推力発生装置1をコンパクト化することが可能となる。
さらに、ピッチ可変用モータ5で発生された回転運動を、回転伝達部6を介して伝えることにより、推力発生用モータ2の回転軸S0とピッチ可変用モータ5の回転軸を並列に配置することが可能となり、ピッチ可変用モータ5を推力発生用モータ2内に収容することが可能となる。
さらに、直動回転変換部8をハブ10内に収容することにより、回転軸S0の軸方向に推力発生装置1をコンパクト化することが可能となるとともに、直動回転変換部8が外部に露出するのを防止することが可能となる。
ここで、回転翼H1~H3が回転軸4の軸回りに回転すると、各回転翼H1~H3には遠心力F1~F3がそれぞれかかる。各回転翼H1~H3にかかる遠心力F1~F3は、グリップP1~P3をそれぞれ介し、各支持軸M1~M3に伝わる。このとき、各支持軸M1~M3は、各支持軸M1~M3に伝わった各遠心力F1~F3に基づいて、各支持軸M1~M3の回転軸芯を自動調整し、各支持軸M1~M3の軸回りの回転精度を向上させることができる。
以下、回転伝達部6、回転直動変換部7および直動回転変換部8の構成および動作について、より具体的に説明する。
図5(a)および図6(a)は、実施形態に係る推力発生装置の構成を示す平面図、図5(b)は、図5(a)のA-A線に沿って切断した断面図、図6(b)は、図6(a)のB-B線に沿って切断した断面図、図7(a)は、実施形態に係る推力発生装置の推力発生用モータの構成を示す平面図、図7(b)は、図7(a)のC-C線に沿って切断した断面図である。
図7(a)および図7(b)において、ロータ2Bは、軸受U1を介し、回転軸S0の軸回りに回転可能な状態で外側フレーム2Cにて支持される。また、推力発生用モータ2内において、ロータ2Bとロータ軸4の間には中空部3Aが設けられ、ロータ軸4内には中空部3Bが設けられている。
また、図2、図3、図5(a)、図5(b)、図6(a)および図6(b)において、回転伝達部6は、歯車G1~G3および支持部材BJ1~BJ3を備える。歯車G1~G3は、ピッチ可変用モータ5の回転運動を回転直動変換部7に伝える。歯車G1は、ボールねじ軸7Fの一端に取り付けられる。歯車G3は、ピッチ可変用モータ5の回転軸に取り付けられる。歯車G2は、歯車G1と歯車G3の間で歯車G1、G3と噛み合う位置に設けられる。
外側フレーム2Cは、支持部材BJ1を介し、歯車G1およびボールねじ軸7Fが回転可能な状態で歯車G1および回転直動変換部7を支持する。また、外側フレーム2Cは、支持部材BJ3を介し、歯車G3およびピッチ可変用モータ5の回転軸を回転可能な状態で支持する。また、外側フレーム2Cは、支持部材BJ1、BJ2を介し、歯車G2を回転可能な状態で支持する。このとき、歯車G2は、支持部材BJ1、BJ2で挟み込まれた状態で、歯車G1、G3と噛み合う位置に配置される。歯車G1~G3の材料は、例えば、炭素鋼であり、支持部材BJ1~BJ3の材料は、例えば、アルミ合金である。なお、回転伝達部の機構として、歯車の代わりにベルトを用いてもよい。
回転直動変換部7の回転直動変換機構として、ボールねじを用いることができる。回転直動変換部7の回転直動変換機構として、すべりねじを用いるようにしてもよい。回転直動変換部7は、直動伝達軸7D、直動案内部7E、ボールねじ軸7Fおよびボールねじナット7Gを備える。
直動案内部7Eは、回転軸S0に沿って直線運動する方向にボールねじナット7Gおよび直動伝達軸7Dを案内する。このとき、直動案内部7Eは、ボールねじ軸7Fの回転に伴ってボールねじナット7Gが回転運動するのを規制する。直動案内部7Eは、支持部材BJ1から突出する形状である。直動案内部7Eは、支持部材BJ1と一体的に設けることができる。
ボールねじ軸7Fは、軸受U2を介し、回転可能な状態で支持部材BJ1にて支持されている。ボールねじ軸7Fは、転動体を介してボールねじナット7Gと螺合した状態で歯車G1とともに回転し、ボールねじナット7Gを直線運動させる。
ボールねじナット7Gは、ボールねじ軸7Fの回転運動に伴って直線運動し、その直線運動LMを直動伝達軸7Dに伝える。
直動伝達軸7Dは、ボールねじナット7Gの直線運動LMを直動回転変換部8に伝える。直動伝達軸7Dは、ボールねじナット7Gに固定され、直動伝達軸7Dの先端は、軸受U3の内輪に挿入される。直動伝達軸7Dは、ボールねじナット7Gおよびボールねじ軸7Fの一部を内包する形状である。
直動回転変換部8の直動回転変換機構として、ラックとピニオンの組み合わせ(以下、「ラックピニオン」と称する場合がある)を用いることができる。直動回転変換部8は、直動体11、ラックA1~A3、ケース21、支持軸M1~M3、軸受E1~E3、アダプタD1~D3およびピニオンB1~B3を備える。
直動体11は、軸受U3を介し、直動伝達軸7Dの軸回りにロータ軸4、エクステンション9およびハブ10と共に回転可能な状態で支持される。このとき、直動体11は、直動伝達軸7Dとともに、回転軸S0の軸方向に沿って直線運動可能である。
ラックA1~A3は、直動体11にて支持される。各ラックA1~A3は、ピニオンB1~B3とそれぞれ噛み合った状態で直動体11とともに直線運動し、ピニオンB1~B3をそれぞれ回転運動させる。ラックA1~A3は、直動体11に着脱自在に設けられている。直動体11は回転軸S0に平行な面Z1~Z3を有し、ラックA1~A3は面Z1~Z3に取り付けられて、回転軸S0に平行に延びる。このようにラックA1~A3とピニオンB1~B3が配置されると、ラックA1~A3の歯とピニオンB1~B3の歯が正対するので、運動伝達がスムーズに行われる。
各支持軸M1~M3は、推力発生装置1から(より詳しくはハブ10から)水平方向に放射状に突出するようにグリップP1~P3をそれぞれ支持する。各支持軸M1~M3は、軸受E1~E3をそれぞれ介し、各支持軸M1~M3の軸回りに回転可能な状態でケース21にて保持される。グリップP1と支持軸M1は一体的に設け、グリップP2と支持軸M2は一体的に設け、グリップP3と支持軸M3は一体的に設けることができる。グリップP1~P3と支持軸M1~M3の材料は、例えば、ジュラルミンである。グリップP1~P3と支持軸M1~M3の耐久性を増大させるため、グリップP1~P3と支持軸M1~M3の材料として、例えば、チタンを用いてもよい。軸受E1~E3は、ハブ21内に設けられ、グリップP1~P3を支持軸M1~M3(あるいは回転軸JS1~JS3)回りに回転可能に保持する保持機構である。回転軸S0を第1の回転軸と考えた場合、回転軸JS1~JS3は第1の回転軸に所定の角度で交わる第2の軸であると言える。
各ピニオンB1~B3は、各支持軸M1~M3にそれぞれ固定される。各ピニオンB1~B3は、各ラックA1~A3の直線運動LMに伴って回転運動し、その回転運動を各支持軸M1~M3に伝える。ピニオンB1~B3およびラックA1~A3の材料は、例えば、クロムモリブデン鋼である。ピニオンB1~B3は、グリップP1~P3に着脱自在に設けられている。
ケース21は、ハブ10の一部として用いることができる。ケース21は、繋ぎ目のないシームレスケースである。ケース21は、直動体11、ラックA1~A3、支持軸M1~M3、軸受E1~E3、アダプタD1~D3およびピニオンB1~B3を収容する。このとき、ケース21は、ロータ軸4の円周方向に120°の間隔で支持軸M1~M3を収容することができる。ケース21は、エクステンション9を介してロータ2Bの端面に固定される。また、ケース21は、回転軸S0の軸回りの回転時に回転翼H1~H3にかかる遠心力に対抗して各支持軸M1~M3を支持することができる。支持軸M1~M3の支持構造の詳細は後述する。ケース21は、例えば、ジュラルミンなどの切削加工で形成することができる。
各アダプタD1~D3は、支持軸M1~M3と軸受E1~E3との間に設けられ、支持軸M1~M3にてそれぞれ支持される。各アダプタD1~D3の内周面は、支持軸M1~M3の外周面に沿うように形成され、各アダプタD1~D3の外周面は、軸受E1~E3の内周面に沿うように形成される。これにより、各アダプタD1~D3は、各支持軸M1~M3の径の変化に対応しつつ、各軸受E1~E3の内周側で各支持軸M1~M3を支持させることができる。アダプタD1~D3の材料は、例えば、ジュラルミンである。
各軸受U3、E1~E3は、例えば、複列アンギュラ玉軸受を用いることができる。複列アンギュラ玉軸受は、単列アンギュラ玉軸受を背面組合せにし、外輪を一体にしてもよいし、単列アンギュラ玉軸受を正面組合せにし、内輪を一体にしてもよい。複列アンギュラ玉軸受は、ラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重を負荷することができ、背面組合せではモーメント荷重も負荷できる。
エクステンション9は、環状の上端面9Hを有する。エクステンション9の上端面9Hの回りにフランジ9Aが設けられている。フランジ9Aは、エクステンション9と一体的に設けることができる。エクステンション9の内周面には、エクステンション9をロータ2Bに位置決めするための位置決めピンJ12が設けられている。位置決めピンJ12はエクステンション9の上端面9Hから所定量突出しており、当該突出部分がロータ2Bに形成された孔に嵌合することにより、エクステンション9とロータ2Bとの位置決めが行われる。エクステンション9は、フランジ9Aを介し、ロータ軸4の端面に取り付け可能である。ここで、ボルトJ6にてフランジ9Aをロータ軸4にねじ止めすることで、エクステンション9をロータ軸4に固定することができる。エクステンション9およびフランジ9Aの材料は、例えば、ジュラルミンである。フランジ9Aには、ボルトJ6が通過する孔9A1がフランジ9Aの周方向に形成されている。
ピッチ可変用モータ5が回転すると、ピッチ可変用モータ5の回転運動に伴って歯車G1~G3が回転する。そして、歯車G1の回転運動に伴ってボールねじ軸7Fが回転し、ボールねじ軸7Fの回転運動に伴って、ボールねじナット7Gとともに直動伝達軸7Dが直線運動する。このとき、ボールねじナット7Gおよび直動伝達軸7Dの運動は、直動案内部7Eにて案内され、推力発生装置1内において、回転軸S0の軸方向に沿った直線運動に制限される。
直動伝達軸7Dの直線運動LMは、直動体11に伝えられ、直動伝達軸7Dの直線運動LMに伴って、直動体11とともに各ラックA1~A3が直線運動する。このとき、各ラックA1~A3は、ピニオンB1~B3とそれぞれ噛み合った状態で直線運動し、各ピニオンB1~B3を回転させる。各ピニオンB1~B3の回転運動に伴って、各支持軸M1~M3がそれぞれの軸回りに回転する。そして、各支持軸M1~M3の回転運動は、グリップP1~P3をそれぞれ介し、各回転翼H1~H3に伝えられ、各回転翼H1~H3のピッチ角θ1~θ3が変化される。
ここで、回転直動変換部7の回転直動変換機構としてボールねじを用いることにより、すべりねじを用いた場合に比べて、ピッチ角の変更に必要な駆動トルクを低減することができ、ピッチ可変用モータ5の省電力化を図ることができる。
また、回転直動変換部7に直動伝達軸7Dを設けることにより、ボールねじと直動体11を回転軸S0の軸方向に離間して配置することができ、ボールねじを推力発生用モータ2内に収容しつつ、直動体11をハブ10内に収容することができる。
さらに、直動回転変換部8の直動回転変換機構として、ラックピニオンを用いることにより、各ラックA1~A3の長手方向を直動体11の直動方向に揃えることが可能となるとともに、各ピニオンB1~B3の円周方向を各支持軸M1~M3の円周方向に揃えることが可能となる。このため、3個のラックピニオンの配置をコンパクトにまとめることができ、各回転翼H1~H3に対応して3個のラックピニオンを設けた場合においても、ハブ10の大型化を抑制しつつ、直動回転変換部8をハブ10内に収容することが可能となる。
図3及び図5(b)に示すように、本実施形態の推力発生装置1では、可変ピッチ機構である直動回転変換部8がハブ10に内蔵されている。そして、回転翼H1~H3のグリップP1~P3の支持軸M1~M3(直動回転変換部8のピニオンB1~B3と共に回転する軸)もハブ10内に設けられている。支持軸M1~M3は、推力発生用モータ2の回転軸S0(第1の軸)に所定角度で交わる方向に延びる軸(第2の軸)である。好ましくは、支持軸M1~M3は回転軸S0から放射状に延びる。支持軸M1~M3はそれぞれ支持軸M1~M3の軸回りに回転できるように、軸受E1~E3によりハブ10に支持されている。
以下、回転伝達部6および回転直動変換部7の構成および動作について、さらに具体的に説明する。
図8(a)は、図6のピッチ可変用モータ、回転伝達部および回転直動変換部の構成を示す斜視図、図8(b)は、図8(a)の回転直動変換部を支持する支持部材および直動案内部を除去した構成を示す斜視図である。
図8(a)および図8(b)において、支持部材BJ1は、ボルトJ1により推力発生用モータ2の静止部材の一つである外側フレーム2Cに固定することができる。ボルトJ1は、例えば、支持部材BJ1の四隅に配置することができる。支持部材BJ2は、支持部材BJ1との間に歯車G2を挟み込んだ状態で、ボルトJ2と支柱31により支持部材BJ1に固定する。ボルトJ2は、例えば、支持部材BJ2の両端に配置することができる。歯車G2の両軸端は、軸受を介して支持部材BJ1およびBJ2に対し回転自在に支持される。支持部材BJ3は、ボルトJ3により外側フレーム2Cに固定することができる。ボルトJ3は、例えば、支持部材BJ3の端部の2か所に配置することができる。また、支持部材BJ3は、ボルトJ4によりピッチ可変用モータ5を固定することができる。
ボールねじナット7Gは、フランジ7Aを備える。フランジ7Aは、円筒を平行な二平面で切り取った形状であり、直動案内部7Eの開口部にフランジ7Aの突出部が配置される。フランジ7Aは、ボールねじナット7Gと一体的に設けることができる。
直動伝達軸7Dは、フランジ7Bおよび案内面7Cを備える。案内面7Cは、摺動部材7Hを備える。フランジ7Bおよび案内面7Cは、円筒を平行な二平面で切り取った形状であり、直動案内部7Eの開口部にフランジ7Bが配置される。
フランジ7Bの平坦面と案内面7Cは一体の平面であってもよい。この平坦面は、互いに反対方向を向く2つの面であってもよい。フランジ7A、7Bの突出部には、ボルトJ5を挿入可能な領域を設けることができる。フランジ7A、7Bが重なった状態で、ボルトJ5にてフランジ7Aをフランジ7Bに固定することにより、直動伝達軸7Dをボールねじナット7Gに固定することができる。
また、フランジ7Bの平坦面または案内面7Cには、摺動部材7Hを挿入可能な凹部を設けることができる。そして、その凹部に摺動部材7Hを挿入し、接着剤などでフランジ7Bに固定することができる。このとき、摺動部材7Hは、平坦面から突出する。摺動部材7Hの材料は、例えば、樹脂である。
一方、直動案内部7Eの内側には、フランジ7A、7Bおよび案内面7Cの平坦面と対向する平面を設けることができる。そして、直動伝達軸7Dの直線運動LMに伴って摺動部材7Hが直動案内部7Eの平面を摺動することにより、直動伝達軸7Dの運動を回転軸S0の軸方向に制限することができる。
ここで、フランジ7A、7Bの外周部の一部および案内面7Cに平坦面を設けるとともに、ボルトJ5を挿入可能な突出部をフランジ7A、7Bに設け、突出部を直動案内部7Eの開口部に配置することにより、直動案内部7Eの外径を小さくすることができ、推力発生用モータ2内のロータ軸4の径の増大を抑制しつつ、回転直動変換部7をロータ軸4内に収納することが可能となる。
以下、直動回転変換部8の構成および動作について、さらに具体的に説明する。
図9(a)は、実施形態に係るラックが取り付けられた直動体の構成を示す平面図、図9(b)は、図9(a)のD-D線に沿って切断した断面図、図9(c)は、図9(a)のE-E線に沿って切断した断面図、図9(d)は、実施形態に係るラックが取り付けられた直動体の構成を示す裏面図、図10は、図9(a)のラックが取り付けられた直動体の構成を分解して示す斜視図、図11は、図1(b)のハブの構成を分解して示す斜視図、図12は、図9(d)のラックが取り付けられた直動体とピニオンとの位置関係を示す裏面図、図13(a)は、図1(b)の回転翼のピッチ角に対応した直動体の位置を示す斜視図、図13(b)は、図1(c)の回転翼のピッチ角に対応した直動体の位置を示す斜視図である。
図9(a)~図9(d)、図10~図12、図13(a)および図13(b)において、直動体11は、各ラックA1~A3を各面Z1~Z3で支持するため、各面Z1~Z3上に凸部X1~X3を備える。各ラックA1~A3は、各凸部X1~X3を嵌め込み可能な凹部Y1~Y3を備える。各凹部Y1~Y3は、各ラックA1~A3の歯が設けられる面と反対側の面に設けることができる。
各凸部X1~X3および各凹部Y1~Y3には、直動体11の直線運動LMの方向に沿ってピンI1~I3をそれぞれ挿入可能な貫通孔を設けることができる。
そして、各凸部X1~X3を各凹部Y1~Y3に嵌め込む。そして、凸部X1と凹部Y1にピンI1を挿入し、凸部X2と凹部Y2にピンI2を挿入し、凸部X3と凹部Y3にピンI3を挿入することで、各ラックA1~A3を直動体11の各面Z1~Z3に固定することができる。本実施形態では、図9(d)に示すように下から見ると、ラックA1は面Z1の右端に取り付けられ、ラックA2は面Z2の右端に取り付けられ、ラックA3は面Z3の右端に取り付けられている。
直動回転変換部8は、直動体11の直線運動LMの移動範囲を制限するため、ベース13、リフトガイドT1~T3、リニアブッシュL1~L3およびナットS1~S3を備える。ベース13は、直動伝達軸7Dの先端を通過可能な開口14を備える。直動体11は、開口12、開口V1~V3および面Z1~Z3を備える。ハブ10は、ケース21、外蓋22および中蓋23を備える。ケース21は、収容部21A、中空部Q1~Q3、開口21Bおよび開口K1~K3を備える。中蓋23は、貫通孔23Aを備える。外蓋22と中蓋23をまとめて蓋部材と称してもよい。
開口12には軸受U3が挿入され、さらに軸受U3の内輪には直動伝達軸7Dが挿入される。各開口V1~V3は、リフトガイドT1~T3をそれぞれ挿入可能である。開口21Bは、ラックA1~A3が取り付けられた直動体11をベース13とともに収容部21Aに挿入可能である。各開口K1~K3(開口K3は図示を省略)は、各支持軸M1~M3をケース21内に挿入可能である。
各面Z1~Z3は、直動体11が回転軸S0の軸回りに3回の回転対称となる位置に設けられる。3回の回転対称では、回転軸S0の軸回りに直動体11を120°だけ回転させる度に、回転後の形状を回転前の形状に重ねることができる。各面Z1~Z3は、ラックA1~A3をそれぞれ支持可能である。このとき、各面Z1~Z3は、各ラックA1~A3の歯がピニオンB1~B3の歯の方向を向く位置で各ラックA1~A3を支持する。ラックA1の歯がピニオンB1の歯に噛み合い、ラックA2の歯がピニオンB2の歯に噛み合い、ラックA3の歯がピニオンB3の歯に噛み合う。
直動体11は、軸受U3の外輪で支持され、直動伝達軸7Dの先端は、軸受U3の内輪に固定される。軸受U3の外輪は、例えば、C型留め輪16にて直動体11に取り付けることができる。このとき、開口12の内周面には、C型止め輪16を位置決めする溝を設けることができる。また、軸受U3の外輪とC型止め輪16との間にスペーサ18を設け、軸受U3の外輪とC型止め輪16との間の隙間をなくすことができる。
軸受U3の内輪は、例えば、ナット15にて直動伝達軸7Dの先端に取り付けることができる。このとき、直動伝達軸7Dの先端には、図8(a)および図8(b)に示すように、ナット15をねじ止め可能な雄ねじ7Mを設けることができる。また、軸受U3の内輪とナット15との間にスペーサ17を設け、軸受U3の内輪とナット15との間の隙間をなくすことができる。
ベース13は、リフトガイドT1~T3を直立した状態で支持する。リフトガイドT1~T3は、ベース13と一体的に設けることができる。ベース13の平面形状は、直動体11の平面形状と等しくすることができる。各開口V1~V3の位置は、リフトガイドT1~T3の位置に対応させることができる。
各リニアブッシュL1~L3は、各開口V1~V3を介して直動体11内に挿入可能である。このとき、各リニアブッシュL1~L3は、直動体11と各リフトガイドT1~T3との間に介在される。各リニアブッシュL1~L3は、各リフトガイドT1~T3を挿入可能な円筒状とすることができる。各リニアブッシュL1~L3の材料は、例えば、銅または銅合金である。各リニアブッシュL1~L3は、直動体11の直線運動LMの位置決め精度を向上させるとともに、直動体11の直線運動時の低摩擦化を図ることができる。
収容部21Aは、ラックA1~A3が取り付けられた直動体11をベース13とともにケース21内に収容する。収容部21Aは、例えば、ケース21内に設けられた中空部または凹部である。収容部21Aの平面形状は、ベース13の平面形状に対応させることができる。このとき、収容部21Aの平面形状は、回転軸S0の軸回りに3回の回転対称とすることができる。
一方、各支持軸M1~M3を挿入可能な開口K1~K3は、収容部21Aの外側の円周面に沿って配置することができる。このとき、支持軸M1、ピニオンB1、軸受E1およびアダプタD1を挿入可能な中空部Q1と、支持軸M2、ピニオンB2、軸受E2およびアダプタD2を挿入可能な中空部Q2と、支持軸M3、ピニオンB3、軸受E3およびアダプタD3を挿入可能な中空部Q3をケース21に設けることができる。各中空部Q1~Q3には、支持軸M1~M3、ピニオンB1~B3、軸受E1~E3およびアダプタD1~D3をそれぞれ挿入可能である。
各リフトガイドT1~T3は、各開口V1~V3を介して直動体11内に挿入される。このとき、各リフトガイドT1~T3は、各リニアブッシュL1~L3を貫通し、直動体11と各リフトガイドT1~T3との間に介在される。そして、各開口V1~V3の内周面にC型止め輪(第1部材)C1~C3をそれぞれ装着し、各リニアブッシュL1~L3を各開口V1~V3内で保持することができる。このとき、各開口V1~V3の内周面には、C型止め輪C1~C3を支持する溝を設けることができる。また、各リニアブッシュL1~L3と各C型止め輪C1~C3との間にスペーサO1~O3を設け、各リニアブッシュL1~L3と各C型止め輪C1~C3との間の隙間をなくすことができる。
リフトガイドT1~T3の先端は、貫通孔23Aを介して中蓋23の外側に突出する。そして、リフトガイドT1~T3の先端が中蓋23の外側に突出した状態で、ナットS1~S3が各リフトガイドT1~T3の先端に装着されることで、収容部21A内にベース13を配置することができる。
中蓋23は、ケース21にて支持される。中蓋23は、ボルトJ7にてケース21に固定することができる。外蓋22は、中蓋23をカバーする。外蓋22は、中蓋23に固定することができる。中蓋23の材料は、例えば、ジュラルミン、外蓋22の材料は、例えば、樹脂である。外蓋22及び中蓋23材をケース21から外すと、後述する態様で、ラックA1~A3及びピニオンB1~B3へアクセスすることができる。
そして、ラックA1~A3が取り付けられた直動体11は、収容部21Aに収納される。各ピニオンB1~B3が取り付けられた各支持軸M1~M3は、各中空部Q1~Q3に収納される。このとき、図12に示すように、各支持軸M1~M3は、それぞれの回転軸JS1~JS3が直動体11の各面Z1~Z3に対して垂線方向JD1~JD3に向くように配置される。そして、各ラックA1~A3は、各ピニオンB1~B3と噛み合う位置で各面Z1~Z3上でそれぞれ支持される。
そして、直動伝達軸7Dの直線運動LMに伴って、直動体11とともに各ラックA1~A3が直線運動する。このとき、直動体11の直線運動LMは、リフトガイドT1~T3にて案内されるとともに、直動体11の直線運動LMの移動範囲が、ベース13およびナットS1~S3にて制限される。各ラックA1~A3の直線運動LMに伴ってピニオンB1~B3がそれぞれ回転運動し、ピニオンB1~B3の回転運動に伴って、各支持軸M1~M3がそれぞれの軸回りに回転する。そして、各支持軸M1~M3の回転運動に伴って各回転翼H1~H3が回転し、各回転翼H1~H3のピッチ角θ1~θ3が変化される。例えば、直動体11が図13(a)の位置にあるときは、各回転翼H1~H3のピッチ角θ1~θ3が図1(b)に示すように設定され、直動体11が図13(b)の位置にあるときは、各回転翼H1~H3のピッチ角θ1~θ3が図1(c)に示すように設定される。
ここで、回転軸S0の軸回りに3回の回転対称となる位置に各面Z1~Z3を設け、ラックA1~A3を各面Z1~Z3に配置するようにしたので、1個の直動体11を直線運動させることで、3個の各支持軸M1~M3の軸回りの3個の回転運動を発生させることができる。このため、直動回転変換部8をハブ10内に収容することを可能としつつ、3枚の回転翼H1~H3のピッチ角θ1~θ3を可変とすることができる。
また、軸受U3として複列アンギュラ玉軸受を用い、軸受U3の外輪を直動体11の内面側に取り付け、軸受U3の内輪を直動伝達軸7Dに取り付けることにより、回転軸S0の軸回りに直動伝達軸7Dが回転するのを防止しつつ、回転軸S0の軸回りに直動体11を回転可能に支持することが可能となるとともに、ラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重を受けることができる。
さらに、直動体11の各面Z1~Z3に対して垂直方向JD1~JD3に各支持軸M1~M3を配置することにより、直線運動を行う直動体11の各面Z1~Z3と、回転運動を行う各ピニオンB1~B3を、各回転翼H1~H3が延びる方向に直列に配置することができる。このため、直動体11に伝えられた1つの直線運動LMから、各支持軸M1~M3に伝えられる3個の回転運動にそれぞれ変換するための経路の経路長の増大を抑制することができ、直動回転変換部8のコンパクト化を図りつつ、3枚の回転翼H1~H3のピッチ角θ1~θ3を可変とすることができる。
各回転翼H1~H3はモータ2の下方に配置され、推力発生装置1は、例えば、飛行装置の機体の下部に装着される。
以下、ケース21内における各支持軸M1~M3の支持機構の一例について、より具体的に説明する。なお、以下の説明では、支持軸M1の支持機構を例にとるが、各支持軸M2、M3の支持機構についても同様に構成される。
図14は、実施形態に係る直動回転変換部の1つのグリップ部分の構成を示す断面図、図15は、図14の直動回転変換部の1つのグリップ部分の構成を分解して示す斜視図である。
図14および図15において、支持軸M1の外周面は、回転翼H1の方向に向かって支持軸M1の軸方向に傾斜している面M1Aを備える。面M1Aは、支持軸M1の軸回りに回転対称な面とすることができる。面M1Aは、例えば、遠心力F1の方向に向かって先細りになる面である。面M1Aは、例えば、遠心力F1の方向と反対方向に広がるテーパ面である。面M1Aは、必ずしも支持軸M1の外周面全体に設ける必要はなく、支持軸M1の外周面の一部に設けてもよい。面M1Aは、軸受E1の内輪で支持軸M1の周囲が囲まれる位置にあればよい。面M1Aは、回転翼H1の方向に向かって直線状に傾斜してもよいし、曲線状に傾斜してもよい。面M1Aが回転翼H1の方向に向かって曲線状に傾斜する場合、外側に反った形状であってもよいし、内側に反った形状であってもよいし、これらを組み合わせた形状であってもよい。面M1Aが転翼H1の方向に向かって直線状に傾斜する場合、面M1Aは、円錐面状とすることができる。面M1Aが遠心力F1の方向に向かって曲線状に傾斜する場合、例えば、ラッパ状、壺状または鐘状とすることができる。
アダプタD1の内周面D1Aは、支持軸M1の面M1Aに沿うように形成され、遠心力F1の方向に向かう力を支持軸M1の面M1Aから受ける。このとき、支持軸M1の面M1Aは、その反作用として、支持軸M1の回転軸が支持軸M1の回転中心に近づく方向の力をアダプタD1の内周面D1Aから受ける。また、アダプタD1は、フランジD1Bを備える。フランジD1Bは、アダプタD1の末端に位置する。フランジD1Bは、遠心力F1の方向に向かう力を、軸受E1を介して受ける。アダプタD1は、中空部Q1内に挿入された支持軸M1に面M1Aの位置で装着可能とするために、2つに分割可能である。
ケース21は、遠心力F1の方向に支持軸M1が引き抜かれるような力を受ける受面33を備える。受面33は、支持軸M1の回転軸JS1に対して垂直な面とすることができる。開口K1は、受面33に設けられる。
受皿Y1、スラスト軸受L1および受皿X1は、支持軸M1にかかる遠心力F1を、アダプタD1を介して受面33に伝える。このとき、受皿Y1、スラスト軸受L1および受皿X1は、アダプタD1を介して伝えられた遠心力F1の方向の力がケース21にかかるのを緩和する。ここで、フランジD1B、受皿Y1、スラスト軸受L1および受皿X1の外径は、開口K1の径よりも大きくする。これにより、フランジD1B、受皿Y1、スラスト軸受L1、受皿X1および受面33の面を順次押し当て可能とすることができ、フランジD1B、受皿Y1、スラスト軸受L1および受皿X1を順次介し、支持軸M1にかかる遠心力F1をケース21の受面33で受けることができる。
OリングO1は、支持軸M1に対するグリップP1の付け根の位置に装着される。そして、OリングO1が装着された支持軸M1を、開口K1を介して中空部Q1に挿入する。OリングO1は、回転翼H1に遠心力F1がかかった場合においても、軸受E1およびスラスト軸受L1などに用いられるグリースが中空部Q1外に飛び散るのを防止する。
フランジD1B、受皿Y1、スラスト軸受L1および受皿X1の外径は、開口K1の径よりも大きいので、フランジD1B、受皿Y1、スラスト軸受L1および受皿X1は、開口K1を介して中空部Q1に挿入できない。このため、開口21Bを介し、受皿Y1、スラスト軸受L1および受皿X1を中空部Q1に順次挿入する。このとき、支持軸M1を通すようにして、受皿Y1、スラスト軸受L1および受皿X1を受面33の内側に配置する。
次に、開口21Bを介し、アダプタD1を中空部Q1に挿入する。このとき、支持軸M1の面M1Aの位置で支持軸M1を挟み込むようにしてアダプタD1を支持軸M1に装着する。ここで、アダプタD1の各分割片の各端部には凸部と凹部を設けることができる。アダプタD1の一方の分割片の凸部は、アダプタD1の他方の分割片の凹部と対向し、アダプタD1の一方の分割片の凹部は、アダプタD1の他方の分割片の凸部と対向する位置に配置することができる。そして、アダプタD1の一方の分割片の凸部と凹部を、アダプタD1の他方の分割片の凹部と凸部にそれぞれはめ合わせることで、アダプタD1の2つの分割片の位置を揃えることができる。
次に、開口21Bを介し、シムC1を中空部Q1に挿入する。そして、アダプタD1のフランジD1Bの外周にシムC1を装着する。中空部Q1内でアダプタD1を支持軸M1に装着可能とするために、フランジD1Bの外径は、中空部Q1の内径より小さくすることができる。このとき、フランジD1Bの外周にシムC1を装着することにより、中空部Q1内におけるアダプタD1のガタを除去することができる。シムC1が装着されたアダプタD1は、フランジD1Bを受皿X1に押し当て可能な位置に配置することができる。
次に、開口21Bを介し、軸受E1を中空部Q1に挿入する。このとき、軸受E1の外輪は、ケース21側で支持され、支持軸M1は、アダプタD1を介し軸受E1の内輪側で支持される。軸受E1の軸方向の一端は、フランジD1Bに接し、軸受E1の軸方向の他端は、開口21Bに接するように配置することができる。また、ピニオンB1の端面B1Aは、軸受E1の内輪の端面E1Aに対向させることができる。このとき、ピニオンB1の端面B1Aは、軸受E1の内輪の端面E1Aに押し当て可能である。
次に、開口21Bを介し、ピニオンB1を中空部Q1に挿入する。ピニオンB1は、支持軸M1の軸方向の一端に取り付けることができる。次に、開口21Bを介し、C型止め輪I1を中空部Q1に挿入し、支持軸M1に設けられた溝M1Bに嵌め込む。C型止め輪I1は、支持軸M1の軸方向の一端がピニオンB1を貫通した位置で、ピニオンB1を支持軸M1に固定することができる。
回転翼H1は、ボルトP1AとナットP1DでグリップP1に取り付けることができる。このとき、ボルトP1AとグリップP1の間にワッシャP1Bを設け、ナットP1DとグリップP1の間にワッシャP1Cを設けてもよい。
グリップP1には、推力発生用モータ2の回転に伴って常時遠心力F1がかかる。ここで、面M1Aをテーパ形状とすることにより、アダプタD1を押し広げるような方向に力が掛かる。このとき、軸受E1の内輪でアダプタD1の広がり方向が制限されるため、支持軸M1とアダプタD1には楔効果が発生し、遠心力F1の方向に対して支持軸M1の移動の制限が掛かり、支持軸M1がケース21から抜けるのを防止することができ。
推力発生用モータ2の回転数が上がるに従って、アダプタD1が軸受E1の内輪を押し付ける力が大きくなる。このため、この楔効果が増大し、遠心力F1に対して、支持軸M1がケース21からより抜けづらくすることができる。
また、面M1Aをテーパ形状とすることにより、支持軸M1の取り付けのガタツキまたは支持軸M1の加工精度のバラツキなどがある場合においても、支持軸M1の軸芯のガタが減少する方向に支持軸M1の軸芯を自動調整することができる。遠心力F1の大部分は、アダプタD1のフランジD1Bを介し、受皿Y1、スラスト軸受L1、受皿X1およびケース21の順に伝わって、ケース21の受面33で支えられる。
ここで、ケース21としてシームレスケースを用いることにより、ケース21を構成するために、ねじなどの締結部材を不要とすることができる。このため、分割式ケースを使用した場合に対し、ケース21自体の強度を確保するとともに、軸受E1の予圧機構を省きつつ、グリップP1を支えることができ、直動回転変換部8の軽量化が可能となる。
また、ピニオンB1の端面B1Aは、軸受E1の内輪の端面E1Aに押し当て可能とすることにより、ピニオンB1と支持軸M1にC型止め輪I1を嵌めるための隙間がある場合においても、支持軸M1にかかる遠心力F1を利用し、ピニオンB1の端面B1Aが軸受E1の内輪の端面E1Aに押し当てられることで、ピニオンB1を支持軸M1に取り付けた際のガタを除去することが可能となるとともに、軸受E1に予圧をかけることができる。このため、ねじなどの締結部材を用いることなく、ピニオンB1を支持軸M1に固定することができ、ピニオンB1を支持軸M1に固定するための取り付け機構および取り付け作業を簡略化することができる。
なお、受皿Y1、スラスト軸受L1、受皿X1、アダプタD1、シムC1、軸受E1、ピニオンB1およびC型止め輪I1は、中空部Q1内で支持軸M1の周りに組み付けられ後、開口21Bを介して中空部Q1から抜き出し可能である。このため、支持軸M1は、ケース21に脱着可能である。これにより、グリップP1の破損などに応じて、ケース21から支持軸M1を抜き出し、グリップP1を交換することができる。
次に、図16A及び図17を参照して、回転翼H1~H3が回転軸S0回りにCCW方向に回転する推力発生装置99の構成について説明する。推力発生装置99の構造は推力発生装置1とほぼ同じであるので、以下の記載では相違点を中心に説明をする。
図16Aは、回転翼H1~H3を回転軸S0回りにCCW方向に回転させる場合に採用する直動体50とラックA1~A3を示す図である。つまり、図16Aは、推力発生装置99が採用する直動体50とラックA1~A3を示している。図16Aは図9(d)に対応する図である。図17は図1(c)に対応する図であり、推力発生装置99を示している。
推力発生装置99を準備する場合、まず、推力発生用モータ2の回転方向をCCW方向に設定(変更)する。そして、推力発生装置99を構成する部分として、図2~図15で説明した各部品を準備するが、直動体11のみを直動体50に変更する。図9に示したラックA1~A3は、そのまま図16Aに示したラックA1~A3として使用する(但し、後述するように取付位置は異なる)。つまり、図9のラックA1~A3と図16AのラックA1~A3は同一の部品であり、推力発生装置99のラックA1~A3は、推力発生装置1のラックA1~A3と同じ形状を有している。推力発生装置1と比較した場合、部品としては、直動体11を直動体50に交換するだけで、推力発生装置99の回転翼H1~H3の支持軸M1~M3は、回転軸JS1~JS3回りに反対方向に回転できるようにしている(詳細は後述)。
推力発生装置99のグリップP1~P3のピッチ角は、推力発生装置1と比較した場合、支持軸M1~M3方向から見て、回転軸S0を対称軸にして反転する。図1(c)と図17を比較すると分かるように、推力発生装置1の場合(図1(c))、グリップP1の設定ピッチ角θ1は右斜め下60度程度であり、回転翼H1は右下がりに傾斜しているが、推力発生装置99の場合(図17)は、これを回転軸S0を対称軸にして反転している。
上記したように、推力発生用モータ2の回転方向を逆にして、グリップP1~P3のピッチ角θ1を図17のようにして、直動体11を直動体50に変更することにより、推力生装置99は、回転翼H1~H3を回転軸S0回りにCCW方向に回転させて、推力発生装置1と同じように下向きの推力Fを発生できるようになる。
図9(d)と図16Aを比較すると分かるように、回転翼H1~H3の支持軸M1~M3を回転軸JS1~JS3回りに反対方向(推力発生装置1と比べて反対方向)に回転させるために、推力発生装置99では、ラックA1~A3の取り付け位置を変えている。より詳しくは、図9(d)ではラックA1が直動体11の面Z1の右端に取り付けられているが、図16AではラックA1は直動体50の面Z1の左端に取り付けられている。面Z1の中心から見た場合、推力発生装置99のラックA1~A3の位置は、推力発生装置1のラックA1~A3の位置の反対側にある。この配置を、直動体の面Z1に面するピニオンB1を用いて表現すると、次のようになる。すなわち、図12から分かるように、ピニオンB1の中心から見た場合、推力発生装置1の直動体11の面Z1の一方の側(右側)にラックA1~A3が設けられ、推力発生装置99では面Z1の他方の側(左側)にラックA1~A3が設けられることになる。尚、図9(d)と図16Aは直動体11、50を上から見た図であるので、直動体11、50を下から見ると左右が逆になる。図16Bは、推力発生装置1のピニオンB1とラックA1の位置関係と、推力発生装置99のピニオンB1とラックA1の位置関係を模式的に示した図である。図16Bに示すように、ピニオンB1から見て、推力発生装置99のラックA1の位置は、推力発生装置1のラックA1の位置の反対側にある。
同様に、図9(d)ではラックA2が直動体11の面Z2の右端に取り付けられている(面Z2に正対して見た場合)が、図16AではラックA2は直動体50の面Z2の左端に取り付けられている。また、図9(d)ではラックA3が直動体11の面Z3の右端に取り付けられている(面Z3に正対して見た場合)が、図16AではラックA3は直動体50の面Z3の左端に取り付けられている。尚、図9(d)に示したラックA1~A3と図16Aに示したラックA1~A3は同一部品である。図9(d)のラックA1~A3を上下反転すれば、図16AのラックA1~A3になる。ラックA1~A3は図9(c)に示すように、上下対称であるので、上下を反転しても、ピニオンB1~B3に対しては同じように噛み合う。直動体11に使用したピンI1~I3も、直動体50に使用できる。ラックA1~A3と噛み合うピニオンB1~B3も、推力発生装置1と推力発生装置99において、同一の部品を使用する。つまり、推力発生装置99のピニオンB1~B3は推力発生装置1のピニオンB1~B3と同じ形状を有している。
上記したように、直動体の11、50の面Z1上で見ると、推力発生装置99のラックA1~A3の位置は、推力発生装置1のラックA1~A3の位置の反対側にある。この配置を、直動体の面Z1に面するピニオンB1を用いて表現すると、次のようになる。すなわち、図12から分かるように、ピニオンB1の中心から見た場合、推力発生装置1の直動体11の面Z1の一方の側(右側)にラックA1~A3が設けられ、推力発生装置99では面Z1の他方の側(左側)にラックA1~A3が設けられることになる。尚、図9(d)と図16Aは直動体11、50を下から見た図であるので、直動体11、50を上から見ると左右が逆になる。図16Bは、推力発生装置1のピニオンB1とラックA1の位置関係と、推力発生装置99のピニオンB1とラックA1の位置関係を模式的に示した図である。図16Bに示すように、ピニオンB1から見て、推力発生装置99のラックA1の位置は、推力発生装置1のラックA1の位置の反対側にある。
直動体11と直動体50の相違点は、面Z1~Z3に設けられている凸部X1~X3の位置である(図10参照)。図10に示したように、凸部X1~X3はラックA1~A3を支持する部位である。図10と図16Aから分かるように、直動体50の凸部X1~X3はラックA1~A3の配置位置(面Z1~Z3の左端)に形成されている。
ラックA1~A3はピニオンB1~B3に噛み合うので、直動体50が図16Aの紙面垂直方向に移動した場合(図13の符号LMの方向に移動した場合)にピニオンB1~B3が回転する方向は、直動体11が図9(d)の紙面垂直方向に移動した場合にピニオンA1~A3が回転する方向の反対方向になる。例えば、直動体11の直線運動によりピニオンB1~B3がCW方向に回転すると、直動体50の直線運動によりピニオンB1~B3はCCW方向に回転する。
次に、図18を参照して、飛行装置100の概略構造を説明する。図18は、本実施形態にかかる飛行装置100の概略平面図である。
図18に示すように、飛行装置100は、機体101と、機体101から4方向に延びるアーム102と、4本のアーム102の各々の先端に設けられた推力発生装置1FL、99FR、99RL、1RRとを備える。ここでFLはFront-Leftの略で、機体101から見て左前を意味し、FRはFront-Rightの略で、機体101から見て右前を意味する。また、RLはRear-Leftの略で、機体101から見て左後を意味し、RRはRear-Rightの略で、機体101から見て右後を意味する。つまり、推力発生装置1FLは左前側に位置する推力発生装置1であることを示し、推力発生装置99FRは右前側に位置する推力発生装置99であることを示し、推力発生装置99RLは左後側に位置する推力発生装置99であることを示し、推力発生装置1RRは右後側に位置する推力発生装置1であることを示している。4台の推力発生装置1FL、99FR、99RL、1RRは、同一水平面上に位置している。つまり、推力発生装置1(1FL、1RR)と推力発生装置99(99FR、99RL)は、モータ回転軸S0方向を高さ方向とした場合、同じ高さに配置されている。
4台の推力発生装置1FL、99FR、99RL、1RRのうち、2台の推力発生装置1FLと1RRは、回転軸S0回りにCW方向に回転する回転翼H1~H3を有する。他の2台の推力発生装置99FRと99RLは、回転軸S0回りにCCW方向に回転する回転翼H1~H3を有する。従って、推力発生装置1FLと1RRにより生成される右回りトルクが、推力発生装置99FRと99RLにより生成される左回りトルクにより打ち消される。よって、飛行装置100は上昇方向に安定した推力(揚力)を発生することができる。尚、4台の推力発生装置1、1、99、99の配置は図18に示した配置に限定されない。例えば、推力発生装置1RRを推力発生装置99RLの位置に配置し、推力発生装置99RLを推力発生装置1RRの位置に配置してもよい。
上記したように、本実施形態によれば、飛行装置100はCW方向に回転する推力発生装置1FL、1RRとCCW方向に回転する推力発生装置99FR、99RLとを備えるが、ハブケース21、グリップP1~P3、ピッチ可変用モータ(リフトアクチュエータ)5、ラックA1~A3、ピニオンB1~B3は、4台の推力発生装置1(1FL、99FR、99RL、1RR)で共通の部品を使用することができる。部品として異なるのは、直動体11と直動体50だけである。このように、4台の推力発生装置1FL、99FR、99RL、1RRにおいて部品の共通化率を高くしているので、開発コストを低減することができる。
尚、飛行装置100に設けられる推力発生装置1、99の総数は4に限定されない。例えば、飛行装置100は4台以上の推力発生装置1、99を備えてもよい。推力発生装置1、99の総数は、飛行装置100への要求仕様に応じて決定される。
カウンタトルクの相殺を考慮すると、飛行装置100が備える推力発生装置1、99の総数は偶数が好ましい。つまり、飛行装置10が備える推力発生装置1の数と、推力発生装置99の数は等しいことが好ましい。
図19は、他の実施形態にかかる飛行装置を説明する図である。図19では、2台の推力発生装置1、99がタンデム配置されている。つまり、1台の推力発生装置1の下に他の推力発生装置99が配置されている。推力発生装置99は推力発生装置1と同軸上に位置している(回転軸S0は共通している)。推力発生装置1の回転翼H1~H3がCW方向に回転し、推力発生装置99の回転翼H1~H3がCCW方向に回転する。この場合も、推力発生装置1が発生するトルクは、推力発生装置99が発生するトルクにより打ち消されるので、推力発生装置1と推力発生装置99が駆動されると、安定した推力(揚力)が発生することになる。図19に示した2台の推力発生装置1、99は、対で使用される。
図20は、図19に示した一対の推力発生装置1、99を3対備える飛行装置100Aを示している。飛行装置100Aは3台の推力発生装置1と3台の推力発生装置99とを備えている。尚、図20では推力発生装置1と99の対を模式的に描いている。
図20において飛行装置100Aは3対の推力発生装置1、99を有しているが、推力発生装置1、99の対の数は3に限定されず、飛行装置100Aの使用目的等に応じて増減してよい。
尚、図19及び図20において、推力発生装置99の上に推力発生装置1が設けられているが、推力発生装置1の上に推力発生装置99を設けてもよい。
<エクステンションの変形例>
上記した実施形態では、エクステンション9がフランジ9Aを有していたが、エクステンション9はフランジ9Aを有さなくてもよい。つまり、エクステンション9に大きな負荷が作用しない場合には、フランジ9Aを省略することにより、エクステンション9とロータ2Bとの間の固定を上記した実施形態より簡略化してもよい。エクステンションがフランジ9Aを有さない構成について、図21~図25を参照して説明する。図21~図25において、上記した実施形態と同様な部品や構成には同様の符号をつける。本変形例では、エクステンションに符号109を付ける。
図21は図4(b)に対応する図である。図22は図5(b)に対応する図である。図23は図6(b)に対応する図である。
図24は、図3に示した部品のうち、推力発生用モータ2のロータ2Bと、エクステンション109と、ハブ10のケース21と、ハブ取り付け用ボルトJ10とを示している。図24では、ケース21から外蓋22と中蓋23が取り外されている。尚、ボルトJ10は実際には3本あるが、図24には1本しか示されていない。
図24に示すように、ケース21の収容部21Aの底部21Eには、ボルトJ10を通すための孔21Fが形成されている。尚、孔21Fは実際には3つあるが、図24には1つしか示されていない。3つの孔21Fは、エクステンション109の下端面9Cに形成された3つの孔9Dに対応する孔である。3つの孔9Dは、エクステンション109の周方向に等間隔で形成されている(つまり、周方向に120度間隔で形成されている)。3つの孔9Dは、貫通孔である。3本のボルトJ10が3つの孔21Fと3つの孔9Dを通過し、ロータ2Bの端面2B1に形成された3つの雌ネジ孔2B2に螺合することにより、ケース21がエクステンション109を介して推力発生用モータ2(より具体的にはロータ2B)に固定される。
図24に示すように、エクステンション109の下端面9Cには、3つの孔9Dの間に、3つのピン孔9Fが形成されている。ピン孔9Fは貫通孔ではなく、所定の深さを有する孔である。ピン孔9Fには位置決め用ピンJ11(図25)が挿入される。ピン孔9Fに挿入された位置決め用ピンJ11は、エクステンション109の下端面9Cから所定の高さだけ突出する。位置決め用ピンJ11の突出部分は、ケース21に形成された孔(図示せず)に嵌合する。この嵌合により、エクステンション109がケース21に対して位置決めされる。
また、エクステンション109の内周面の略上半分には、図22に示すようにピン溝9Gが形成されている。ピン溝9Gは、エクステンション109の上端面9Hの円周方向に等間隔で、3つ形成されている。3つのピン溝9Gの位置は、ロータ2Bの端面2B1に形成された3つの孔2B5に対応している。ピン溝9Gは、エクステンション109の上端面9H(下端面9Cの反対側の端面)から所定の長さ(深さ)を有する溝である。ピン溝9Gには位置決め用ピンJ12(図25)が嵌合される。ピン溝9Gに嵌合された位置決め用ピンJ12は、エクステンション109の上端面9Hから所定の高さだけ突出する。位置決め用ピンJ12の突出部分は、図24に示すロータ2Bを支持する内側フレーム2Eの端面2B1に形成された孔2B5に嵌合する。この嵌合により、エクステンション109がロータ2Bに対して位置決めされる。
ケース21の収容部21Aは、ケース21の内部に形成された中空空間(中空部)であり、ボルトJ10は収容部21Aから推力発生用モータ2に延びている。図22及び図24から分かるように、ケース21(ハブ10)はボルトJ10により推力発生用モータ2に固定される。尚、推力発生用モータ2はボルトJ10によりハブ10に固定されていると表現することもできる。
ボルトJ10の頭部は、ケース21の内部に位置している。つまりハブ10を固定するボルトJ10は、推力発生装置1の外面に位置していない(外部に露出していない)。従って、ボルトJ10が埃や雨などに晒される可能性は低い。よって、ボルトJ10に対する外部環境の影響を低減できる。
図25は、エクステンション109と、ハブ10のケース21と、ハブ取り付け用ボルトJ10と、位置決めピンJ11と、位置決めピンJ12とを示している。エクステンション109はほぼ円筒形状を有している。尚、図25のエクステンション109とハブケース21の位置関係は、図24のエクステンション109とハブケース21の位置関係と上下が逆である。
図22、図24および図25に示すように、本変形例では、エクステンション109はボルトJ10によりロータ2Bに固定される。本変形例では、エクステンション109はフランジ9Aを有さないので、エクステンション109の形状を簡素化できる。従って、エクステンション109の製造工程も簡素化できる。また、フランジ9Aがないので、フランジ9Aをロータ2Bに固定するためのボルトJ6(図5(b))が不要になる。
本変形例においてもハブ10は、ケース21の内部のボルトJ10によりロータ2Bに固定されている。従って、ボルトJ10が埃や雨などに晒される可能性は低い。よって、ボルトJ10に対する外部環境の影響を低減できる。
尚、上記した実施形態及び変形例では、ロータ2Bとハブ10の間にエクステンション9、109を設けたが、エクステンション9、109を設けなくてもよい場合もある。例えば、回転翼H1~H3の形状や大きさによっては(あるいは、ロータ2Bの端面の形状やケース21の形状によっては)、エクステンション9、109が無くても回転翼H1~H3が推力発生用モータ2に接触・衝突しない場合がある。そのような場合には、エクステンション9、109を省略してもよい。エクステンション9、109が省略された構成であっても、ハブ10をロータ2Bに固定するボルトJ10がケース21の内部に位置する構成は変わらない。
1 推力発生装置、H1~H3 回転翼、P1~P3 グリップ、2 推力発生用モータ、2A ステータ、2B ロータ、2C フレーム、3A、3B 中空部、4 ロータ軸、5 ピッチ可変用モータ、6 回転伝達部、7 回転直動変換部、8 直動回転変換部、9 エクステンション、11 直動体、50 直動体、99 推力発生装置、100 飛行装置、100A 飛行装置

Claims (7)

  1. モータの回転軸回りに回転翼を回転させることにより推力を発生する推力発生装置を複数備える飛行装置であって、
    前記複数の推力発生装置の各々は、
    前記回転翼と、
    前記回転翼を保持し、前記回転軸に所定の角度で交わる第2の軸回りに回転可能なグリップと、
    前記回転軸回りに前記回転翼を回転させるモータと、
    前記モータに取り付けられ、前記モータと共に回転するハブと、
    前記グリップを前記第2の軸回りに回転させることにより前記回転翼のピッチ角を変更するピッチ角変更機構と、
    を備え、
    前記ピッチ角変更機構は、前記ハブ内に設けられて前記回転軸方向に直線運動可能であり且つ前記回転軸方向に平行な面を有する直動体と、当該直動体の前記面に取り付けられたラックと、当該ラックに噛み合うピニオンとを有し、前記ピニオンは前記グリップに取り付けられており、
    前記複数の推力発生装置のうちの1つの推力発生装置の前記ラックは、前記ピニオンの中心から見て前記面の一方の側に位置し、他の推力発生装置の前記ラックは、前記ピニオンの中心から見て前記面の前記一方の反対側に位置していることを特徴とする飛行装置。
  2. 前記1つの推力発生装置の前記ラックは、前記直動体の前記面の一端に取り付けられ、前記他の推力発生装置の前記ラックは、前記直動体の前記面の他端に取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載の飛行装置。
  3. 前記複数は偶数であることを特徴とする請求項1または2に記載の飛行装置。
  4. 前記他の推力発生装置の前記ラックは、前記1つの推力発生装置の前記ラックと同じ形状を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の飛行装置。
  5. 前記1つの推力発生装置の前記ラックと噛み合う前記ピニオンは、前記他の推力発生装置の前記ラックと噛み合う前記ピニオンと同じ形状を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の飛行装置。
  6. 前記1つの推力発生装置と前記他の推力発生装置は、前記回転軸方向において同じ高さに配置されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の飛行装置。
  7. 前記1つの推力発生装置と前記他の推力発生装置は、前記回転軸上でタンデム配置されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の飛行装置。



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KR101772570B1 (ko) 2017-02-13 2017-09-12 이명근 가변피치 프로펠러를 이용한 드론의 추락방지 시스템
JP2020078975A (ja) 2018-11-12 2020-05-28 学校法人静岡理工科大学 プロペラ装置

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