JP7476547B2 - 電気集塵機 - Google Patents

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Description

本発明は、電気集塵機に関する。
従来、筒状電極と放電電極との間の電圧によってコロナ放電を発生させることにより、ガス中の粒子状物質を除去する電気集塵装置が知られている(例えば、特許文献1)。複数の突起を端面に設けた電極板を用いてコロナ放電を発生させ、気体中の粒子状物質を帯電させて集塵する装置が知られている(例えば、特許文献2)。円筒状アース電極の内部に突起状電極を設けて集塵する装置が知られている(例えば、特許文献3)。
特許文献1 特開2011-245429号公報
特許文献2 実開平5-70654号公報
特許文献3 実開平5-60539号公報
粒子を帯電させるためのコロナ放電を発生させるための放電電極を支持する支持柱と、対向電極との間でスパーク放電が発生してしまう場合がある。スパーク放電が間欠的に繰り返されると、放電電極においてコロナ放電を安定して発生させることができなくなる。電気集塵機においては、コロナ放電を安定して発生させることが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、2つの第1電極、支持柱、および第2電極を備える電気集塵機を提供する。第1電極は、それぞれ第1電位が印加されてよい。支持柱は、2つの第1電極を接続してよい。支持柱には、第1電位が印加されてよい。第2電極は、2つの第1電極の間に配置されてよい。第2電極には、支持柱が通過する貫通開口が設けられてよい。第2電極には、第1電位とは異なる第2電位が印加されてよい。貫通開口の縁部と支持柱との間の空間において、電界利用率が0.55より小さくてよい。
第2電位は第1電位よりも低い電位であってよい。
貫通開口の縁部は、支持柱に向かって突出する突起を有してよい。
第2電極は、縁部よりも外側に配置される外側部を有してよい。外側部は、支持柱が貫通開口を通過する通過方向における厚みが、縁部よりも大きくてよい。
第2電位は第1電位よりも高い電位であってよい。
支持柱の外径Raと、貫通開口の内径Rbとの比Ra/Rbが、1/eより小さくてよい(ただしeは、自然対数の底である)。比Ra/Rbが、1/2eより小さくてよい。
外径Raが、1mm以上、10mm以下であってよい。内径Rbが、10mm以上、100mm以下であってよい。
2つの第1電極の間に、2つの第2電極が配置されてよい。少なくとも1つの第2電極には、貫通開口よりも外側に、貫通開口よりも開口面積の小さい複数の捕集開口が設けられてよい。
電気集塵機は、処理対象ガスが通過する第1処理部と、第1処理部を通過した処理対象ガスが供給される第2処理部とを備えてよい。第1処理部および第2処理部は、それぞれが2つの第1電極と、支持柱と、第2電極とを有してよい。第1処理部における電界利用率は、第2処理部における電界利用率よりも小さくてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本発明の一つの実施形態に係る電気集塵機100の構成例を示す図である。 第2電極の一例を示す平面図である。 第2電極の他例を示す平面図である。 図2のa-a断面に沿った断面図である。 電界利用率とスパーク電圧との関係の一例を示す図である。 第2電極の他例を示す平面図である。 図6のb-b断面に沿った断面図である。 他の例における第2電極と支持柱を示す平面図である。 図8のc-c断面に沿った断面図である。 第1処理部および第2処理部を備える電気集塵機の一例を示す図である。 第1処理部における突起と第2処理部における突起の違いの一例を示す図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一つの実施形態に係る電気集塵機100の構成例を示す図である。電気集塵機100は、処理対象ガスに含まれる粒子状物質(PM)やブラックカーボン(BC)等の粒子を帯電させて捕集する。処理対象ガスは、例えば船舶等のエンジンから排出される排ガスであるが、これに限定されない。電気集塵機100は、処理対象ガスに液体を噴霧することで塵等の粒子を除去するスクラバ装置と組み合わせて用いられてもよい。一例として、電気集塵機100により処理対象ガスの粒子を除去した後に、スクラバ装置において処理対象ガスの粒子を更に除去してよい。または、スクラバ装置において処理対象ガスの粒子を除去した後に、電気集塵機100により処理対象ガスの粒子を更に除去してもよい。
電気集塵機100は、一例において、複数の第1電極10-1、10-2、および10-3と、複数の第2電極20-1、20-2、20-3、および20-4とを備える。第1電極10-1、10-2、および10-3には、それぞれ第1電位が印加される。第2電極20-1、20-2、20-3、および20-4には、それぞれ第1電位とは異なる第2電位が印加される。第1電極10-1、10-2、および10-3は、第1電極10と総称される場合がある。第2電極20-1、20-2、20-3、および20-4は、第2電極20と総称される場合がある。第1電極10および第2電極20はそれぞれ板状の金属電極であってよい。第1電極10および第2電極20の数は、図1に示される場合に限定されない。第1電極10は、少なくとも2つであってよい。第2電極10は、少なくとも1つであってよい。
第1電極10は、処理対象ガスに含まれる塵等の粒子を帯電させるためのコロナ放電を発生させる放電電極である。粒子は、一例において、排ガス中の粒子状物質(PM)である。第1電極10は帯電用電極とも呼ばれる。第2電極20は、対向電極または負電極と称される場合がある。
本例では、第2電極20に印加される第2電位は、第1電極10に印加される第1電位より低い電位である。第1電位が正電位であり、かつ、第2電位が負電位であってよい。この場合、正電位と、負電位の絶対値は同じでもよいし、異なっていてもよい。但し、この場合に限られず、第1電位が正電位であり、第2電位が第1より絶対値の小さい正電位であってもよい。第1電位が負電位であり、第2電位が第1よりも絶対値の大きい負電位であってもよい。
電気集塵機100は、支持柱30を有する。支持柱30は、金属等の導電性材料で構成される。支持柱30は、複数の第1電極10-1、10-2、および10-3を接続する。支持柱30は、少なくとも2つの第1電極10を接続してよい。支持柱30は、第1電極10-1、10-2、および10-3に電気的に接続される。支持柱30に第1電位が印加される。支持柱30を介して各第1電極10-1、10-2、および10-3に第1電位が印加されてよい。支持柱30の両端は、電気集塵機100のハウジング32等に固定部34によって固定されてよい。固定部34は、例えば、貫通プッシングである。
第1電極10-1、10-2、および10-3は、支持柱30の長手方向において予め定められた距離だけ離間されて固定される。本明細書では、支持柱30の長手方向をZ軸方向として、Z軸と垂直な2つの直交軸をX軸およびY軸とする。
第1電極10-1、10-2、および10-3は、XY平面に沿って拡がる平板形状をしていてよい。第1電極10-1、10-2、および10-3のそれぞれは、外周部に沿って複数の突起12を有してよい。突起12は、支持柱30の同心円よりも外側に突出する部分である。同心円は、第1電極10のエッジのうち、支持柱30から最も近い点を通る同心円である。あるいは、突起12は、第1電極10のエッジのうち、支持柱30から最も近い点を通る正多角形よりも外側に突出する部分であってもよい。但し、第1電極10は、突起12が設けられていなくてもよい。
少なくとも1つの第2電極20が、2つの第1電極10-1および10-2の間に配置される。本例では、2つの第2電極20-1および20-2が、Z軸方向において、2つの第1電極10-1および10-2の間に配置される。各第2電極20は、XY平面の沿って拡がる平板形状をしていてよい。各第2電極20には、貫通開口40が設けられる。貫通開口40を支持柱30が通過する。
2つの第2電極20-1および20-2は、側面部22によって連結されて捕集室24を構成してよい。捕集室24は箱形状をしてよい。すなわち、負電極である第2電極20は、捕集室を兼ねてよい。本例では、複数の捕集室24-1および24-2が設けられている。具体的には、3つの第1電極10-1、10-2、および10-3のうち隣り合う第1電極10-1と第1電極10-2の間において、2つの第2電極20-1および20-2が設けられて捕集室24-1を構成する。隣り合う第1電極10-2と第1電極10-3の間において、2つの第2電極20-3および20-4が設けられて捕集室24-2を構成する。2つの第2電極20-1および20-2の少なくとも1つの第2電極20には、貫通開口40よりも外側に、貫通開口40よりも開口面積の小さい複数の捕集開口26が設けられている。捕集開口26は、第1電極10と第2電極20との間の空間と、捕集室24内の捕集空間とを接続する。本例では、捕集開口26は、円形の縁部を有する。但し、この場合に限られない。2つの第2電極20-3および20-4は、2つの第2電極20-1および20-2と同様であってよい。
電気集塵機100は第1電極10と第2電極20との間でコロナ放電を発生させる。処理対象ガスの流れに沿って通過する粒子状物質が、第1電極10と第2電極20との間でのコロナ放電に起因して帯電する。帯電された粒子状物質は、電界から受けるクーロン力による作用と、コロナ放電によって発生するイオン風による作用とによって第1電極10から第2電極20内に向かう方向に移動する。帯電された粒子状物質は、捕集開口26を通過して捕集室24内の捕集空間に捕集される。
本例の電気集塵機100においては、第2電極20の貫通開口40の縁部には、縁部構造が設けられる。縁部構造は、例えば、突起である。縁部構造は、貫通開口40の縁部と支持柱30との間の空間において、電界利用率ηを0.55より小さくする。電界利用率ηは、平均電界Eavg/最大電界Emaxである。突起等の存在により最大電界Emaxが大きくなると電界利用率ηが小さくなる。電界利用率ηについては、後述する。
図2は、第2電極20の一例を示す平面図である。貫通開口40の縁部46は、支持柱30に向かって突出する突起42を有する。突起42は、上面視において、支持柱30の同心円41よりも内側に突出する部分であってよい。同心円41は、貫通開口40のエッジのうち、支持柱30から最も遠い点を通る同心円である。上面視とは、Z軸正方向から見ることを意味する。また、突起42は、支持柱30と中心を共通する正多角形よりも内側に突出する部分であると定義されてもよい。正多角形は、貫通開口40のエッジに対応する正多角形である。
図3は、第2電極の他例を示す平面図である。図3において、支持柱30の同心円41よりも内側に突出する部分44が存在する。しかし、支持柱30と中心を共通する正多角形(図3では正方形)よりも内側に突出する部分がないので、上述の定義によって、図3に示される第2電極は、突起がない形状であると判断されてもよい。
突起42は、図2に示されるように上面視において、三角形状の外形であってもよく四角形状、円形状、または円弧形状の外形であってもよい。突起42の先端は、尖っていてもよく、丸められていてもよい。
図4は、図2のa-a断面に沿った断面図である。支持柱30の外周面と、貫通開口40の縁部46との間の空間における電界の平均値を平均電界Eavgとし、当該空間における電界の最大値を最大電界Emaxとすると、電界利用率ηは、平均電界Eavg/最大電界Emaxで定義される。同心円41の部分よりも内側に突出している突起42の近傍には、電界集中領域45が生じる。この結果、平均電界Eavgに対する最大電界Emaxの比率が大きくなるので、電界利用率ηが小さくなる。
貫通開口40の縁部46に突起42がない場合には、支持柱30から第2電極20の貫通開口40の縁部46まで、電界強度分布が均一になりやすくなる。このような状態を、準平等系と称する。準平等系においては、絶縁破壊は発生しにくくなるが、絶縁破壊した場合にはスパーク放電が直ちに発生し、コロナ放電を発生させることができない。
貫通開口40の縁部46に突起42がある場合には、支持柱30から第2電極20の貫通開口40の縁部46までの電界強度分布が不均一になる。このような状態を、不平等系と称する。不平等系においては、電界集中領域45が生じるので、コロナ放電を安定的に発生させて、スパーク電圧を抑制することができる。本例において、貫通開口40の縁部46と支持柱30との間の空間において、電界利用率ηが0.55より小さい。
図5は、電界利用率とスパーク電圧との関係の一例を示す図である。電界利用率が0.55以下の領域においては、絶対圧力0.1MPa以上0.3MPa以下の条件において、スパーク電圧が高くなり、スパーク放電に移行することを遅らせることができる。特に、負極性電圧印加の場合のスパーク電圧は、正極性電圧印加の場合のスパーク電圧より高くすることができるので、スパーク放電に移行することを効果的に低減することができる。絶対圧力が0.1MPa(大気圧)であっても、電界利用率ηが0.55より小さい条件において、負極性電圧印加の場合のスパーク電圧は、正極性電圧印加の場合のスパーク電圧より高くできる。
負極性電圧印加の場合に、なぜコロナ安定作用によってスパーク電圧が向上するかについては、コロナ放電の電子なだれによって生成された正イオンが負電極に向かって引き寄せられ,負電極周辺に正イオンの層を形成することに起因すると考えらえる。このイオンの層によって空間電荷が形成されることにより、第2電極20と支持柱30との間を橋絡する放電であるスパークに必要な電圧が上昇することとなり、スパークしにくくなる。その結果、コロナ放電が安定に形成できる電圧領域を増やすことができる。
したがって、第2電極20に印加される第2電位が、支持柱30に印加される第1電位より低い場合に、負極に対応する第2電極20の貫通開口40の縁部46の近傍に電界集中領域45を設ける。これにより、コロナ放電安作用によって、スパーク電圧を高くして、第2電極20と支持柱30との間でスパーク放電に移行しにくくすることができる。本例では、貫通開口40の縁部46と支持柱30の表面との間でコロナ放電を安定的に発生させて、スパーク放電を抑制できる。
また、電気集塵機100においては、処理対象ガスが高温の場合がある。一例として、船舶用の電気集塵機100には、最大で400℃の処理対象ガスが導入される場合がある。このような温度条件下においては、集塵に必要となる定常的なコロナ放電を安定的に発生することが難しい。このような温度条件下では、不安定で間欠的なスパーク放電が発生してしまう。特に、第1電極10と接続されている支持柱30と、第2電極20との間でスパーク放電が発生する場合には、第1電極10と第2電極20との間のコロナ放電の発生に影響を与えてしまい、電気集塵機100による粒子状物質の帯電が不十分となる。
スパーク放電は、印加電圧の上昇にともなって発生するので完全な回避は困難である。しかし、本例の電気集塵機100によれば、スパーク放電の前段階において発生するコロナ放電を支持柱30と第2電極20との間で安定に生じさせることで、コロナ放電を支持柱30と第2電極20との間でのスパーク放電が生じにくいように構成することができる。
このように、温度変化が大きくなった場合でも、本例のように、貫通開口40の縁部46と支持柱30との間の空間において、電界利用率を0.55より小さくすることによって、貫通開口40の縁部46と支持柱30の表面との間でコロナ放電を安定的に発生させて、スパーク放電を抑制できる。
貫通開口40の縁部と支持柱30との間の空間において、電界利用率が0.55より小さくするためには、負極に対応する第2電極20の貫通開口40の縁部46に突起42を設けることが有効であるが、これに限定されない。
図6は、第2電極の他例を示す平面図である。図7は、図6のb-b断面に沿った断面図である。第2電極20は、貫通開口40の縁部52と、縁部52よりも外側に配置される外側部54を有する。本例では、同心円53より内側には、縁部52が設けられる。同心円53より外側には外側部54が設けられる。一例において、外側部54と縁部52とが溶接等により接合されて第2電極20が構成されてもよい。たとえば、リング形状の外側部54の内周面に、リング形状の縁部52を嵌め込んで溶接されてよい。
図7に示されるとおり、支持柱30が貫通開口40を通過する通過方向であるZ方向において、外側部54の厚みT1は、縁部52の厚みT2よりも大きい。縁部52は、第2電極20において、支持柱30に最も近い部分51を含む。外側は、支持柱30から離れる側を意味する。縁部52の厚みT2は、500μm以下であってよい。外側部54の厚みT1は、縁部52の厚みT2の2倍以上であってよい。外側部54の厚みT1は、1mm以上であってよい。縁部52の径方向での長さは5mm以上であってよい。
本例において、同心円53よりも内側の縁部52の厚みT2が厚みT1より小さいため、縁部52の近傍には、電界集中領域55が生じる。この結果、平均電界Eavgに対する最大電界Emaxの比率が大きくなるので、電界利用率ηが小さくなる。本例においても、貫通開口40の縁部52と支持柱30との間の空間において、電界利用率ηを0.55より小さくすることができる。これにより、縁部52と支持柱30との間でコロナ放電を安定に生じさせ、縁部52と支持柱30との間でのスパーク放電を抑制できる。
なお、図6および図7において示した第2電極20における縁部52においても、図2および図4に示したような突起42を設けることができる。これにより、電界利用率ηをより小さくすることができる。縁部52と支持柱30との間でコロナ放電を安定に点灯させ、スパーク放電を抑制できる。
図1から図7においては、第2電極20に印加される第2電位が、第1電極10および支持柱30に印加される第1電位より低い場合が示された。しかし、本発明はこの場合に限定されない。
図8は、他の例における第2電極20と支持柱を示す平面図である。図9は、図8のc-c断面に沿った断面図である。図8および図9に示される例では、第2電極20に印加される第2電位は、第1電極10に印加される第1電位より高い電位である。第1電位が負電位であり、かつ、第2電位が正電位であってよい。この場合、負電位の絶対値と、正電位の絶対値は同じでもよいし、異なっていてもよい。但し、この場合に限られず、第1電位が正電位であり、第2電位が第1より絶対値の大きい正電位であってもよい。第1電位が負電位であり、第2電位が第1よりも絶対値の小さい負電位であってもよい。
図8に示すように、支持柱30が貫通開口40の中心と重なっている。支持柱30の中心と支持柱30の中心が一致していることが好ましい。図8に示すように、支持柱30の外径をRaとする。支持柱30の外径とは、XY面における支持柱30の半径である。つまり、支持柱30の外径とは、支持柱30の中心と、支持柱30の外周端との距離である。本例の支持柱30の外周端は、支持柱30の外周に沿った円である。
図8に示すように、貫通開口40の内径をRbとする。貫通開口40の内径をRbとは、XY面における貫通開口40の縁部56の半径である。つまり、貫通開口40の内径Rbとは、貫通開口40の中心と、貫通開口40の縁部56との距離である。
支持柱30の外径Raと、貫通開口40の内径Rbとの比Ra/Rbは、1/eより小さい。ただしeは、自然対数の底であり、e=2.71828である。これにより、支持柱30と貫通開口40の縁部56との間の空間においてコロナ放電を安定して形成できる。
同軸に配置された筒状導体においては、上述した比Ra/Rbが1/eと等しいときが、最も絶縁効率がよいことが知られている(例えば下記文献参照。「高電圧工学」、朝倉書店、河野照哉著、pp.28-29)。例えば、同軸ケーブル等においては、内側配線と外側シールドとの絶縁性が高いことが好ましいので、比Ra/Rbが1/eと等しくなるように設計することが好ましい。
比Ra/Rbが、1/eと等しい場合、支持柱30から第2電極20の貫通開口40の縁部56まで、電界強度分布が均一になりやすくなる。すなわち、電界強度分布が、準平等系の状態となる。準平等系においては、絶縁破壊は発生しにくくなるが、絶縁破壊した場合にはスパーク放電が直ちに発生し、コロナ放電を発生させることができない。
比Ra/Rbを、1/eより小さくすると、支持柱30の近傍に電界が集中し、支持柱30から貫通開口40の縁部56までの電界強度分布が不均一になる。電界強度分布が、不平等系の状態となる。不平等系においては、支持柱30の近傍に電界が集中する電界集中領域58が生じるので、コロナ放電を発生させやすくなる。
本例の電気集塵機100においては、図9に示されるように、支持柱30の周囲360度の空間全体にコロナ放電を均一に発生させることが容易になる。また、Z軸方向においても、支持柱30全体に均一にコロナ放電を発生させることが容易になる。このため、縁部56と支持柱30との間でコロナ放電を安定に生じさせ、縁部56と支持柱30との間でのスパーク放電を抑制できる。特に、第2電極20に印加される第2電位が、支持柱30に印加される第1電位より高い場合に、負極に対応する支持柱30の近傍に電界集中領域58を設けることによって、スパーク電圧を高くして、スパーク放電に移行しにくくすることができる。
比Ra/Rbが、1/eより小さいほど、コロナ放電を安定して発生させることができる。比Ra/Rbは、1/(2e)より小さくてよい。比Ra/Rbは、1/(5e)より小さくてよく、1/(10e)より小さくてもよい。
一例として、支持柱30の外径Raは、1mm以上、10mm以下である。支持柱30の外径Raは、5mm以下であってもよい。貫通開口40の内径Rbは、10mm以上、100mm以下である。貫通開口40の内径Rbは、50mm以上であってよい。
図10は、第1処理部および第2処理部を備える電気集塵機の一例を示す図である。電気集塵機200は、第1処理部110および第2処理部120を備える。第1処理部110は、第2処理部120よりも処理対象ガスの流れの上流に置かれる。
処理対象ガスは、第1処理部110を通過する。第1処理部110を通過した処理対象ガスが第2処理部120に供給される。第1処理部110は、図1から図9において説明したいずれかの電気集塵機100である。第2処理部120も、図1から図9において説明したいずれかの電気集塵機100である。したがって、第1処理部110および第2処理部120は、それぞれが複数の第1電極10-1、10-2、および10-3と、支持柱30と、複数の第2電極20-1、20-2、20-3、および20-4とを有してよい。但し、第1電極10および第2電極20の数は、この場合に限定されない。第1処理部110および第2処理部120は、それぞれが少なくとも2つの第1電極10を有し、少なくとも1つの第2電極10を有する。
第1処理部110における電界利用率ηは、第2処理部120における電界利用率ηよりも小さくてよい。電界利用率ηは、平均電界Eavg/最大電界Emaxである。したがって、一例において、第1処理部110における第2電極20の縁部の突起42を第2処理部120における第2電極20の縁部の突起42よりも大きくしてよい。
図11は、第1処理部110における突起42aと第2処理部120における突起42bの違いの一例を示す図である。図11に示されるように、第1処理部110における突起42aの突出長h1は、第2処理部120における突起42bの突出長h2より大きい。突出長は、突起の同心円41からの最大高さであってよい。なお、第1処理部110における突起42aの個数は、第2処理部120における突起42bの個数より少なくしてもよい。
また、図6および図7に示したように、第1処理部110における縁部52の厚みT2を第2処理部120における縁部52の厚みT2より小さくしてもよい。また、第1処理部110における比Ra/Rbを第2処理部120における比Ra/Rbより小さくしてもよい。このような構成によっても、第1処理部110における電界利用率を第2処理部120における電界利用率よりも小さくすることができる。
上流の処理対象ガスのほうが下流の処理対象ガスよりも温度が高いので、電界利用率をさらに小さくすることによって、スパーク放電に移行することを効果的に遅らせることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
[項目1]
それぞれ第1電位が印加される2つの第1電極と、
前記2つの第1電極を接続し、前記第1電位が印加される支持柱と、
前記2つの第1電極の間に配置され、前記支持柱が通過する貫通開口が設けられ、前記第1電位とは異なる第2電位が印加される第2電極と、
を備え、
前記貫通開口の縁部と前記支持柱との間の空間において、電界利用率が0.55より小さい電気集塵機。
[項目2]
前記第2電位は前記第1電位よりも低い電位である、項目1に記載の電気集塵機。
[項目3]
前記貫通開口の前記縁部は、前記支持柱に向かって突出する突起を有する、項目1または2に記載の電気集塵機。
[項目4]
前記第2電極は、前記縁部よりも外側に配置され、前記支持柱が前記貫通開口を通過する通過方向における厚みが、前記縁部よりも大きい外側部を有する、項目1から3のいずれか一項に記載の電気集塵機。
[項目5]
前記第2電位は前記第1電位よりも高い電位である、項目1に記載の電気集塵機。
[項目6]
前記支持柱の外径Raと、前記貫通開口の内径Rbとの比Ra/Rbが、1/eより小さい(ただしeは、自然対数の底である)、項目5に記載の電気集塵機。
[項目7]
前記比Ra/Rbが、1/2eより小さい、項目6に記載の電気集塵機。
[項目8]
前記外径Raが、1mm以上、10mm以下であり、
前記内径Rbが、10mm以上、100mm以下である、
項目6または7に記載の電気集塵機。
[項目9]
前記2つの第1電極の間に、2つの前記第2電極が配置されており、
少なくとも1つの前記第2電極には、前記貫通開口よりも外側に、前記貫通開口よりも開口面積の小さい複数の捕集開口が設けられている、
項目1から8のいずれか一項に記載の電気集塵機。
[項目10]
処理対象ガスが通過する第1処理部と、
前記第1処理部を通過した前記処理対象ガスが供給される第2処理部と、
を備え、
前記第1処理部および前記第2処理部は、それぞれが前記2つの第1電極と、前記支持柱と、前記第2電極とを有し、
前記第1処理部における前記電界利用率は、前記第2処理部における前記電界利用率よりも小さい、
項目1から9のいずれか一項に記載の電気集塵機。
10・・第1電極、12・・突起、20・・第2電極、22・・側面部、24・・捕集室、26・・捕集開口、30・・支持柱、32・・ハウジング、34・・固定部、40・・貫通開口、41・・同心円、42・・突起、44・・部分、45・・電界集中領域、46・・縁部、51・・部分、52・・縁部、53・・同心円、54・・外側部、55・・電界集中領域、56・・縁部、58・・電界集中領域、100・・電気集塵機、110・・第1処理部、120・・第2処理部、200・・電気集塵機

Claims (8)

  1. それぞれ第1電位が印加される2つの第1電極と、
    前記2つの第1電極を接続し、前記第1電位が印加される支持柱と、
    前記2つの第1電極の間に配置され、処理対象ガスに含まれる粒子状物質を捕集する捕集空間を有する捕集室と、
    を備え、
    前記捕集室は、前記2つの第1電極の間に配置され、前記支持柱が通過する貫通開口が設けられ、前記第1電位よりも低い第2電位が印加される第2電極を含み、
    前記貫通開口の縁部と前記支持柱との間の空間において、電界利用率が0.55より小さい
    電気集塵機。
  2. 前記2つの第1電極の間に、2つの前記第2電極が配置されており、
    前記捕集空間は、2つの前記第2電極に挟まれた空間である、
    請求項1に記載の電気集塵機。
  3. 少なくとも1つの前記第2電極には、前記貫通開口よりも外側に捕集開口が設けられている、請求項2に記載の電気集塵機。
  4. 前記捕集開口の開口面積は、前記貫通開口の開口面積よりも小さい、請求項3に記載の電気集塵機。
  5. それぞれ第1電位が印加される2つの第1電極と、
    前記2つの第1電極を接続し、前記第1電位が印加される支持柱と、
    前記2つの第1電極の間に配置され、前記支持柱が通過する貫通開口が設けられ、前記第1電位よりも低い第2電位が印加される第2電極と、
    処理対象ガスが通過する第1処理部と、
    前記第1処理部を通過した前記処理対象ガスが供給される第2処理部と、
    を備え、
    前記貫通開口の縁部と前記支持柱との間の空間において、電界利用率が0.55より小さく、
    前記第1処理部および前記第2処理部は、それぞれが前記2つの第1電極と、前記支持柱と、前記第2電極とを有し、
    前記第1処理部における前記電界利用率は、前記第2処理部における前記電界利用率よりも小さい、
    電気集塵機。
  6. 前記貫通開口の前記縁部は、前記支持柱に向かって突出する突起であって、上面視における幅が前記縁部から前記支持柱への方向にかけて小さくなる突起を有する
    請求項1から5のいずれか一項に記載の電気集塵機。
  7. それぞれ第1電位が印加される2つの第1電極と、
    前記2つの第1電極を接続し、前記第1電位が印加される支持柱と、
    前記2つの第1電極の間に配置され、前記支持柱が通過する貫通開口が設けられ、前記第1電位よりも低い第2電位が印加される第2電極と、
    処理対象ガスが通過する第1処理部と、
    前記第1処理部を通過した前記処理対象ガスが供給される第2処理部と、
    を備え、
    前記貫通開口の縁部と前記支持柱との間の空間において、電界利用率が0.55より小さく、
    前記貫通開口の前記縁部は、前記支持柱に向かって突出する突起であって、上面視における幅が前記縁部から前記支持柱への方向にかけて小さくなる突起を有し、
    前記第1処理部および前記第2処理部は、それぞれが前記2つの第1電極と、前記支持柱と、前記第2電極とを有し、
    前記第1処理部における前記突起の前記方向への突出長は、前記第2処理部における前記突起の前記方向への突出長よりも大きい、
    電気集塵機。
  8. 前記第2電極は、前記縁部よりも外側に配置され、前記支持柱が前記貫通開口を通過する通過方向における厚みが、前記縁部よりも大きい外側部を有する
    請求項1からのいずれか一項に記載の電気集塵機。
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