JP2022091468A - 閃絡防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気集塵機が使用される環境においては、電気集塵機における電極間に、塵埃による閃絡が発生することを抑制することが好ましい。【解決手段】支持体により支持され、電源と支持体とを絶縁する碍子と、碍子に絶縁性の液体を供給するポンプと、を備え、ポンプは、碍子に供給された絶縁性の液体を、碍子に供給する、閃絡防止装置を提供する。【選択図】図2
Description
本発明は、閃絡防止装置に関する。
特許文献1には、「好適な碍子汚損防止方法が適用された電気集塵機を提供する」と記載されている(要約書)。
特許文献2には、「碍子室内の碍子及び放電極に粒子状物質が付着するのを防止する」と記載されている(要約書)。
特許文献3には、「碍子の汚れを防止するとともに、気体中に浮遊する塵芥、煙等の塵埃を効率良く除去できる軽量化した電気集塵機を提供する」と記載されている(要約書)。
特許文献4には、「コロナ放電を利用した排ガス処理装置の・・・浄化性能およびエネルギ効率を向上する」と記載されている(要約書)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2017-042751号公報
[特許文献2] 特開2009-142808号公報
[特許文献3] 実用新案登録第3137015号
[特許文献4] 特開2014-118850号公報
特許文献2には、「碍子室内の碍子及び放電極に粒子状物質が付着するのを防止する」と記載されている(要約書)。
特許文献3には、「碍子の汚れを防止するとともに、気体中に浮遊する塵芥、煙等の塵埃を効率良く除去できる軽量化した電気集塵機を提供する」と記載されている(要約書)。
特許文献4には、「コロナ放電を利用した排ガス処理装置の・・・浄化性能およびエネルギ効率を向上する」と記載されている(要約書)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2017-042751号公報
[特許文献2] 特開2009-142808号公報
[特許文献3] 実用新案登録第3137015号
[特許文献4] 特開2014-118850号公報
電気集塵機に電源を供給する電源線に碍子が接続される場合、当該碍子に塵埃による閃絡が発生することを抑制することが好ましい。
本発明の第1の態様においては、閃絡防止装置を提供する。閃絡防止装置は、支持体により支持され、電源と支持体とを絶縁する碍子と、碍子に絶縁性の液体を供給するポンプと、を備える。ポンプは、碍子に供給された絶縁性の液体を、碍子に供給する。
支持体は、底板と、底板に接続され、碍子の周囲を囲うように設けられた第1側壁とを有してよい。絶縁性の液体は、ポンプにより、底板と第1側壁とで囲われる第1空間に導入されてよい。
支持体は、底板に接続され、第1側壁の周囲を囲うように設けられた第2側壁をさらに有してよい。第1空間の外側に流出した絶縁性の液体は、底板と第1側壁と第2側壁とで囲われる第2空間に収容されてよい。
ポンプは、第2空間に収容された絶縁性の液体を、第2空間の外側に導出し、且つ、第2空間の外側に導出した絶縁性の液体を、第1空間に導入してよい。
閃絡防止装置は、絶縁性の液体が通過する導入管をさらに備えてよい。導入管の一端は、ポンプに接続されてよい。導入管の他端は、底板に接続され、且つ、上面視において第1空間と重なる位置に配置されてよい。
碍子は、上面視において、第1空間の中心と重なる位置に配置されてよい。導入管の他端は、上面視において、碍子と第1側壁との距離の1/2よりも第1空間の中心側に配置されてよい。
導入管の他端は、上面視において、碍子と重なる位置に配置されてよい。
第1側壁は、底板に交差する方向に延伸してよい。ポンプにより、底板を通じて第1空間に導入された絶縁性の液体は、第1側壁の上端であって底板に交差する延伸方向において底板とは反対側の上端から、第1空間の外部に流出してよい。
閃絡防止装置は、絶縁性の液体が通過する導出管をさらに備えてよい。導出管の一端は、第2側壁に接続され、且つ、第1側壁の延伸方向における、底板と上端との間に配置されてよい。導出管の他端は、ポンプに接続されてよい。
閃絡防止装置は、絶縁性の液体が通過する導出管をさらに備えてよい。第1側壁は、底板に交差する方向に延伸していてよい。導出管の一端は、第1側壁に接続され、且つ、第1側壁の延伸方向において、碍子と、第1側壁の上端であって底板に交差する延伸方向において底板とは反対側の上端との間に配置されてよい。導出管の他端は、ポンプに接続されてよい。
絶縁性の液体は、ポンプにより、碍子の上方から碍子に供給されてよい。ポンプは、碍子に供給された絶縁性の液体を、第1空間の外部に導出し、且つ、第1空間の外部に導出した絶縁性の液体を、碍子の上方から碍子に供給してよい。
閃絡防止装置は、絶縁性の液体が通過する導出管をさらに備えてよい。導出管の一端は、底板に接続され、且つ、上面視において第1空間と重なる位置に配置されてよい。
閃絡防止装置は、絶縁性の液体を冷却する熱交換器をさらに備えてよい。
閃絡防止装置は、絶縁性の液体の温度を測定する温度測定部と、導出管に並列に設けられ、絶縁性の液体が通過するバイパス管と、絶縁性の液体が導出管に流れるかバイパス管に流れるかを制御する切替制御部と、をさらに備えてよい。切替制御部は、温度測定部により測定された絶縁性の液体の温度に基づいて、絶縁性の液体が導出管に流れるかバイパス管に流れるかを制御してよい。
閃絡防止装置は、バイパス管を通過する絶縁性の液体を加熱する加熱部をさらに備えてよい。
閃絡防止装置は、絶縁性の液体の温度を測定する温度測定部と、ポンプの出力を制御する出力制御部と、をさらに備えてよい。出力制御部は、温度測定部により測定された絶縁性の液体の温度に基づいて、ポンプの出力を制御してよい。
閃絡防止装置は、絶縁性の液体に含まれる塵埃の流量を測定する流量測定部をさらに備えてよい。出力制御部は、流量測定部により測定された塵埃の流量に基づいて、ポンプの出力を制御してよい。
閃絡防止装置は、ポンプの出力を測定する出力測定部と、絶縁性の液体の温度を制御する温度制御部と、をさらに備えてよい。温度制御部は、出力測定部により測定されたポンプの出力に基づいて、絶縁性の液体の温度を制御してよい。
閃絡防止装置は、絶縁性の液体に含まれる塵埃の流量を測定する流量測定部をさらに備えてよい。温度制御部は、流量測定部により測定された塵埃の流量に基づいて、絶縁性の液体の温度を制御してよい。
閃絡防止装置は、絶縁性の液体に含まれる塵埃の少なくとも一部を除去するフィルタをさらに備えてよい。
熱交換器およびフィルタは、導出管に設けられてよい。熱交換器は、導出管を流れる絶縁性の液体の流路における、フィルタとポンプとの間に設けられてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一つの実施形態に係る電気集塵機200の一例を示す図である。電気集塵機200は、船舶、火力発電所、ごみ処理場等に設置される。船舶、火力発電所、ごみ処理場等においては、排ガス230が排出されやすい。電気集塵機200は、排ガス230に含まれる粉塵等を集塵する。
電気集塵機200は、第1電極210、第2電極220および電源線240を備える。第1電極210と第2電極220とは、異なる電位に維持される。本例において、第1電極210は電源線240に接続され、第2電極220は接地されている。第1電極210と第2電極220との間には、排ガス230が導入される。排ガス230は、エンジン等の動力装置から排出される。
電気集塵機200は、複数の第1電極210および複数の第2電極220を備えてよい。本例においては、電気集塵機200は、2つの第1電極210(第1電極210-1および第1電極210-2)および複数の第2電極220(第2電極220-1および第2電極220-2)を備える。
排ガス230は、粉塵等の塵埃を含む。当該塵埃には、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)および粒子状物質(PM:Particle Matter)等の物質が含まれる。粒子状物質(PM)はブラックカーボン(BC)とも称される。粒子状物質(PM)は、化石燃料の不完全燃焼により発生する。粒子状物質(PM)は、炭素を主成分とする微粒子である。
排ガス230に含まれる粒子状物質(PM)は、自然帯電している場合がある。電気集塵機200は、第1電極210と第2電極220との間の電位差により、自然帯電している粒子状物質(PM)を捕集してよい。電気集塵機200は、第1電極210と第2電極220との間の電位差により粒子状物質(PM)を帯電させてもよい。電気集塵機200は、帯電させた当該粒子状物質(PM)を第1電極210と第2電極220との間の電位差により捕集してもよい。
電気集塵機200は、閃絡防止装置100を備える。閃絡防止装置100は、碍子30を備える。碍子30には、絶縁性の液体が供給される。本明細書において、絶縁性の液体を液体40とする。本例の閃絡防止装置100は、電気集塵機200において排ガス230に接触し得る位置に配置されている。
図2は、本発明の一つの実施形態に係る閃絡防止装置100の一例を示す図である。閃絡防止装置100は、支持体10により支持される。本例において、支持体10は底板11、第1側壁13および第2側壁23を有する。第1側壁13および第2側壁23は、底板11に接続されている。底板11は、上面12を含む。
本明細書においては、X軸、Y軸およびZ軸の直交座標軸を用いて技術的事項を説明する場合がある。本明細書においては、上面12に平行な平面をXY面とする。本明細書において、XY面内における所定の方向をX軸方向とし、XY面内においてX軸に直交する方向をY軸方向とする。本明細書において、上面12に直交する方向をZ軸とする。
本明細書において、X軸方向とは、X軸に平行な方向における一方から他方への方向、および、他方から一方への方向を指す。即ち、本明細書において、X軸方向とは、X軸に平行な2つの方向のいずれか一方を指さず、X軸に平行な方向を指す。本明細書において、Y軸方向およびZ軸方向も同様である。
Z軸方向は重力方向に平行であってよい。Z軸方向が重力方向に平行である場合、XY面は水平面であってよい。本明細書において上面視とは、閃絡防止装置100をZ軸に平行、且つ、第1側壁13の上端16(後述)から底板11の上面12への方向に見た場合を指す。
閃絡防止装置100は、碍子30を備える。碍子30は、支持体10により支持される。本例においては、碍子30は上面12に載置されている。図2において、碍子30の輪郭が太線にて示されている。支持体10は、金属であってよく、絶縁体であってもよい。
第1側壁13および第2側壁23は、底板11から、底板11に交差する方向に延伸していてよい。本例においては、第1側壁13および第2側壁23は、Z軸方向に延伸している。第1側壁13は、内側面14および外側面15を含む。第2側壁23は、内側面24および外側面25を含む。第1側壁13は、碍子30の周囲を囲うように設けられてよい。第2側壁23は、第1側壁13の周囲を囲うように設けられてよい。
本例において、第1側壁13および底板11は、内箱19を構成している。図2において、内箱19が太い一点鎖線にて示されている。本例において、第2側壁23および底板11は、外箱29を構成している。図2おいて、外箱29は太い破線にて示されている。本例においては、内箱19の底板11は、外箱29の底板11に含まれている。
内箱19および外箱29は、Z軸方向に平行な中心軸を有する円柱状であってよい。内箱19および外箱29は、角柱であってもよい。
電源20は、電源線240に接続される。電源20は、高圧電源であってよい。高圧電源とは、例えば、接地電位との間に30kV以上の電位差の電圧を発生可能な電源である。電源20が高圧電源であることにより、第1電極210と第2電極220(図1参照)との間にコロナ放電が生じやすくなる。第1電極210と第2電極220との間にコロナ放電が生じることにより、排ガス230に含まれる塵埃が帯電しやすくなる。
碍子30は、電源20と支持体10とを絶縁する。本例において、碍子30の一端は電源線240と接続され、碍子30の他端は底板11に接続されている。碍子30の他端は、接地されてよい。底板11が金属である場合、底板11が接地されていてもよい。
閃絡防止装置100は、ポンプ50を備える。ポンプ50は、碍子30に液体40を供給する。ポンプ50は、碍子30に供給された液体40を、碍子30に供給する。絶縁性の液体40とは、電気伝導度が10-6S/m以下の液体を指してよい。絶縁性の液体40とは、電気伝導度が導体の10-12倍以下の液体を指してもよい。導体とは、電気伝導度が106S/m以上の物質を指してよい。液体40は、例えば油、ジエチレングリコール等である。
上述したとおり、閃絡防止装置100は、電気集塵機200において排ガス230に接触し得る位置に配置されている。このため、閃絡防止装置100は、排ガス230に含まれる塵埃に晒される場合がある。図2において、当該塵埃が塵埃32として示されている。
電源20が高圧電源であり、且つ、閃絡防止装置100が塵埃32に晒された場合、電源20と支持体10との間に、塵埃32による閃絡が発生する場合がある。本例においては、ポンプ50が、碍子30に供給された液体40を碍子30に供給する。本例においては、ポンプ50は、液体40を循環させることにより、碍子30に供給された液体40を碍子30に再供給する。塵埃32は、碍子30の表面に滞留しにくくなる。このため、本例の閃絡防止装置100においては、電源20と支持体10との間に閃絡が発生しにくくなる。
閃絡防止装置100は、液体40が通過する導入管70をさらに備えてよい。導入管70は、一端71および他端72を有する。一端71はポンプ50に接続されてよく、他端72は底板11に接続されてよい。
閃絡防止装置100は、液体40が通過する導出管75をさらに備えてよい。導出管75は、一端76および他端77を有する。本例において、一端76は第2側壁23に接続されている。他端77は、ポンプ50に接続されてよい。
底板11と第1側壁13とで囲われた空間を、第1空間17とする。第1空間17は、上面12および内側面14に囲われている。碍子30は、第1空間17の内部に配置されている。本例において、液体40は、ポンプ50により第1空間17に導入される。本例において、液体40は、導入管70を通過した後、底板11を通じて第1空間17に導入される。図2において、底板11を通じて導入される液体40が矢印にて示されている。
第1側壁13は、上端16を含む。上端16は、第1側壁13の端部であって、第1側壁13の延伸方向(本例においてはZ軸方向)における、底板11とは反対側の端部である。第2側壁23は、上端26を含む。上端26は、第2側壁23の端部であって、第2側壁23の延伸方向(本例においてはZ軸方向)における、底板11とは反対側の端部である。
本例において、ポンプ50により底板11を通じて第1空間17に導入された液体40は、上端16から第1空間17の外側に流出する。本例において、ポンプ50により底板11を通じて第1空間17に導入された液体40は、第1空間17を上端16まで満たした後、上端16から溢れる。本例において、上端16から溢れた液体40は、第1空間17の外側に流出する。図2において、上端16から溢れた液体40が矢印にて示されている。第1空間17の外側とは、外側面15に接する空間を指す。
底板11と第1側壁13と第2側壁23とで囲われた空間を、第2空間27とする。第2空間27は、上面12、外側面15および内側面24に囲われている。本例において、第1空間17の外側に流出した液体40は、第2空間27に収容される。
本例において、ポンプ50は、第2空間27に収容された液体40を第2空間27の外部に導出する。本例において、液体40は、第2側壁23を通じて第2空間27の外側に導出される。本例において、第2空間27の外側に導出された液体40は、導出管75を通過した後、ポンプ50に導入される。第2空間27の外側とは、外側面25に接する空間を指す。
本例において、ポンプ50は、第2空間27の外側に導出した液体40を第1空間17に導入する。ポンプ50は、第2空間27の外側に導出した液体40を第1空間17に導入することにより、液体40を循環させてよい。ポンプ50は、液体40を、導入管70、第1空間17、第2空間27および導出管75の順に循環させてよい。本例においては、ポンプ50が液体40を循環させるので、液体40は上端16から連続的に流出しやすい。このため、塵埃32は、液体40とともに上端16から第2空間27に流出しやすい。このため、塵埃32は、第1空間17の内部に滞留しにくい。このため、塵埃32による閃絡が発生しにくい。
碍子30のX軸方向における幅を、幅W1とする。第1空間17のX軸方向における幅を、幅W2とする。幅W2は、X軸方向における一方の内側面14と他方の内側面14との間の幅である。幅W2は、上面12から上端16までの間における、一方の内側面14と他方の内側面14との間の幅の最大値であってよく、最小値であってもよく、平均値であってもよく、中央値であってもよい。第2空間27のX軸方向における幅を、幅W3とする。幅W3は、X軸方向に第2空間27を挟んで対向する、内側面24と外側面15との間の幅である。幅W3は、上面12から上端16までの間における、当該内側面24と当該外側面15との間の幅の最大値であってよく、最小値であってもよく、平均値であってもよく、中央値であってもよい。
幅W2は、幅W1の1.2倍以上2.4倍以下であってよく、1.6倍以上2.0倍以下であってもよい。幅W1は、例えば150mmである。幅W2は、例えば250mm以上300mm以下である。幅W3は、幅W2の0.1倍以上1.5倍以下であってよく、0.5倍以上1.2倍以下であってもよい。幅W3は、例えば250mmである。
図3は、比較例の閃絡防止装置300を示す図である。閃絡防止装置300は、ポンプ50、導入管70および導出管75を備えない点で、図2に示される閃絡防止装置100と異なる。閃絡防止装置300は、支持体310を備える。支持体310は、底板11および第1側壁13を有する。
閃絡防止装置300はポンプ50を備えないので、液体40は循環しない。閃絡防止装置300において、液体40は第1空間17に滞留する。このため、閃絡防止装置300が排ガス230(図1参照)に含まれる塵埃32に晒された場合、塵埃32は、液体40の表面に蓄積しやすい。このため、支持体310が導体である場合、電源20と支持体310との間に閃絡が発生しやすい。
図4は、図2に示される閃絡防止装置100の上面視における一例を示す図である。ただし、図4において、図2における液体40のハッチングおよびポンプ50は省略されている。本例の閃絡防止装置100において、第1側壁13および第2側壁23は、円周状に配置されている。円周状に配置された第1側壁13の中心の位置を、位置Cとする。第1側壁13および第2側壁23は、位置Cを中心とする同心円状に配置されてよい。なお、図2は、図4に示されるA-A'線における断面図である。なお、第1側壁13および第2側壁23は、上面視において矩形状であってもよく、正方形状であってもよい。
本例において、導入管70の他端72は、上面視において第1空間17と重なる位置に配置されている。他端72からは、液体40が第1空間17に導入される。図4において、第1空間17に導入される液体40が矢印にて示されている。本例において、液体40は第1空間17から上端16を通過した後、第2空間27に流出する。図4において、第2空間27に流出する液体40が、上端16と重なる位置に示されている。本例において、第2空間27に流出した液体40は、導出管75の一端76から導出管75に導出される。
本例の閃絡防止装置100において、碍子30は上面視で円状である。図4において、碍子30の円周上の外周が太線にて示されている。本例の碍子30は、Z軸方向に平行な中心軸を有する円柱状である。碍子30は、上面視において第1空間17の中心の位置Cと重なる位置に配置されてよい。本例においては、碍子30は、碍子30の中心軸の位置が位置Cと一致するように配置されている。
第1空間17における碍子30と内側面14との間の幅を、幅W4とする。上面視における他端72の中心と、碍子との幅を、幅W5とする。上面視における他端72の中心と、内側面14との幅を、幅W6とする。なお、幅W4は、幅W5と幅W6との和に等しい。
他端72は、上面視において、碍子30と第1側壁13との距離の1/2よりも第1空間17の中心の位置C側に配置されてよい。本例においては、幅W5は幅W4の1/2よりも小さく、幅W6は幅W4の1/2よりも大きい。幅W5が幅W4の1/2よりも小さい場合、幅W5が幅W4の1/2以上である場合よりも、他端72から第1空間17に導入される液体40は、碍子30の近傍を流れやすくなる。このため、塵埃32による閃絡が発生しにくくなる。
図5は、本発明の一つの実施形態に係る閃絡防止装置100の他の一例を示す図である。本例においては、碍子30は、底板11の上面12から離間して配置されている。本例において、碍子30と底板11の上面12とは、接続線250により接続されている。接続線250は、導体であってよい。接続線250は、接地されていてよい。本例において、導入管70の他端72は、碍子30の下方に配置されている。本例の閃絡防止装置100は、これらの点において図2に示される閃絡防止装置100と異なる。図5においては、図2における内箱19を示す一点鎖線および外箱29を示す破線は、省略されている。本例の閃絡防止装置100においては、碍子30が上面12から離間して配置されているので、液体40は碍子30の下方にも流入する。
図6は、図5に示される閃絡防止装置100の上面視における一例を示す図である。ただし、図6において、図5における液体40のハッチングおよびポンプ50は省略されている。本例において、導入管70の他端72は、上面視において、碍子30と重なる位置に配置されている。図6において、上面視における他端72の位置が破線にて示されている。本例においては、他端72が碍子30と重なる位置に配置されているので、他端72から導入された液体40は、碍子30の外周を均等に流れやすくなる。このため、塵埃32による閃絡が発生しにくくなる。
図7は、図1における底板11、第1側壁13、第2側壁23および導出管75の近傍の拡大図である。図7において、図1に示される第1空間17における液体40のハッチング、および、塵埃32は、省略されている。
第1側壁13の延伸方向(本例においてはZ軸方向)における底板11の位置、上端16の位置および上端26の位置を、それぞれ位置P0、位置P1および位置P2とする。位置P0は、底板11の上面12の位置であってよい。第1側壁13の延伸方向において、位置P0と位置P1との中央の位置を、位置P3とする。
導出管75の一端76は、第1側壁13の延伸方向(本例においてはZ軸方向)において、位置P0と位置P1との間に配置されてよい。上述したとおり、本例において、液体40は第1空間17から上端16を通過した後、第2空間27に流出する。このため、一端76が位置P0と位置P1との間に配置されることにより、第2空間27に流出した液体40は、導出管75に導出されやすくなる。
位置P0から位置P1までの高さを、高さh1とする。位置P0から位置P2までの高さを、高さh2とする。位置P0から位置P3までの高さは、(1/2)h1である。第2空間27における液体40の液面高さを、高さhsとする。
導入管70、第1空間17、第2空間27および導出管75を循環する液体40の量は、予め定められた量であってよい。液体40の当該予め定められた量を、液量Mとする。液量Mは、液面高さhsが位置P1よりも低くなるように設定されてよく、位置P3よりも低くなるように設定されてもよい。
高さh2は、高さh1よりも大きくてよい。高さh2が高さh1よりも大きいことにより、液体40が上端26を超えて閃絡防止装置100の外部に流出することが、抑制されやすくなる。
図8は、本発明の一つの実施形態に係る閃絡防止装置100の他の一例を示す図である。本例においては、支持体10は第2側壁23を有さない。本例において、導出管75の一端76は、第1側壁13に接続されている。本例の閃絡防止装置100は、これらの点において図2に示される閃絡防止装置100と異なる。
第1側壁13の延伸方向(本例においてはZ軸方向)における碍子30の位置を、位置P4とする。位置P4は、碍子30の上端の位置であってよい。導出管75の一端76は、位置P4と位置P1との間に配置されてよい。本例においては、一端76は位置P1に配置されている。一端76が位置P4と位置P1との間に配置されることにより、液体40の上面は、位置P4と位置P1との間に配置されやすくなる。これにより、碍子30は液体40の中に配置されやすくなる。このため、塵埃32による閃絡が発生しにくくなる。
図9は、本発明の一つの実施形態に係る閃絡防止装置100の他の一例を示す図である。本例においては、支持体10は第2側壁23を有さない。本例において、液体40は、ポンプ50により碍子30の上方から碍子30に供給される。本例の閃絡防止装置100は、これらの点において図2に示される閃絡防止装置100と異なる。
碍子30に供給された液体40は、碍子30の表面に沿って落下した後、上面12に滞留してよい。ポンプ50は、碍子30に供給された液体40を、第1空間17の外部に導出してよい。本例において、導出管75の一端76は、底板11に接続されている。本例においては、ポンプ50は当該液体40を、底板11を通じて第1空間17の外部に導出する。ポンプ50は、第1空間17の外部に導出した液体40を、碍子30の上方から碍子30に供給してよい。
図10は、図9に示される閃絡防止装置100の上面視における一例を示す図である。ただし、図10において、図9における液体40のハッチング、ポンプ50および導入管70は省略されている。なお、図9は、図10に示されるB-B'線における断面図である。
導出管75の一端76は、上面視において第1空間17と重なる位置に配置されてよい。一端76が上面視において第1空間17と重なる位置に配置されることにより、塵埃32は、液体40とともに導出管75に導出されやすくなる。このため、塵埃32は、第1空間17に滞留しにくくなる。これにより、塵埃32による閃絡が発生しにくくなる。
図11は、本発明の一つの実施形態に係る閃絡防止装置100の他の一例を示す図である。本例の閃絡防止装置100は、熱交換器80およびフィルタ82をさらに備える点で、図2に示される閃絡防止装置100と異なる。図11においては、図2における内箱19を示す一点鎖線および外箱29を示す破線は、省略されている。
熱交換器80は、液体40を冷却する。エンジン等の動力装置から排出される排ガス230(図1参照)の温度は、300℃~400℃である場合がある。閃絡防止装置100が、300℃~400℃の排ガス230に接触し得る位置に配置されている場合、液体40の温度が上昇しやすい。液体40の温度を、温度Tとする。液体40の温度Tの上限を、温度Tuとする。温度Tuは、導出管75、導入管70およびポンプ50の少なくとも一つが液体40の熱により損傷し得る、液体40の温度Tであってよい。温度Tuは、例えば200℃である。液体40の温度Tは、温度Tu未満であることが好ましい。本例の閃絡防止装置100は熱交換器80を備えるので、液体40を温度Tu未満にしやすくなる。
熱交換器80は、導出管75に設けられていてよい。ポンプ50には、導出管75を流れた液体40が供給されるので、熱交換器80は、導出管75に設けられることが好ましい。
フィルタ82は、液体40に含まれる塵埃32の少なくとも一部を除去する。フィルタ82は、焼結フィルタであってよく、ガラス繊維およびセルロース繊維の少なくとも一方を固めることにより形成された、所謂プレフィルタであってもよい。フィルタ82が焼結フィルタである場合、フィルタ82は金属を焼結させた金属焼結フィルタであってよい。液体40の温度Tが温度Tuの近傍の温度まで上昇し得る場合、フィルタ82は金属焼結フィルタであることが望ましい。温度Tuの近傍の温度とは、180℃以上200℃未満の範囲であってよい。フィルタ82は、導出管75に設けられていてよい。液体40に含まれる塵埃32の量が多いほど、液体40は導入管70および導出管75を流れにくくなりやすい。本例の閃絡防止装置100はフィルタ82を備えるので、液体40は、導入管70および導出管75を円滑に流れやすくなる。
熱交換器80は、導出管75を流れる液体40の流路における、フィルタ82とポンプ50との間に設けられてよい。フィルタ82は、導出管75を流れる液体40の流路において、熱交換器80よりも上流側に設けられてよい。液体40がフィルタ82を通過することによる液体40の圧力損失を、圧力損失Psとする。
熱交換器80は液体40を冷却するので、熱交換器80よりも上流側の液体40の温度Tは、熱交換器80よりも下流側の液体40の温度Tよりも高くなりやすい。液体40の粘度を、粘度Vとする。液体40が油である場合、粘度Vは、液体40の温度Tが高いほど小さくなりやすい。このため、フィルタ82が熱交換器80よりも上流側に設けられる場合の圧力損失Psは、フィルタ82が熱交換器80よりも下流側に設けられる場合の圧力損失Psよりも小さくなりやすい。このため、液体40は、導入管70および導出管75を円滑に流れやすくなる。
ポンプ50は、導出管75を流れる液体40の流路において、熱交換器80よりも下流側に設けられてよい。上述したとおり、液体40の温度Tが温度Tuである場合、導出管75、導入管70およびポンプ50の少なくとも一つが、液体40の熱により損傷し得る。このため、ポンプ50には、熱交換器80により冷却された液体40が供給されることが好ましい。
図12は、本発明の一つの実施形態に係る閃絡防止装置100の他の一例を示す図である。本例の閃絡防止装置100は、温度測定部90、流量測定部92および出力制御部94をさらに備える点で、図11に示される閃絡防止装置100と異なる。
温度測定部90は、液体40の温度Tを測定する。閃絡防止装置100は、温度センサ91を備えてよい。温度測定部90は、温度センサ91により液体40の温度Tを測定してよい。閃絡防止装置100は、複数の温度センサ91を備えてよい。本例においては、閃絡防止装置100は、2つの温度センサ91(温度センサ91-1および温度センサ91-2)を備える。
温度センサ91-1は、支持体10の内部に設けられていてよい。本例においては、温度センサ91-1は第2空間27に設けられている。温度センサ91-1は、第1空間17に設けられていてもよい。温度センサ91-2は、導出管75に設けられていてよい。温度センサ91-2は、導出管75における液体40の流路において、熱交換器80よりも下流側に設けられていてよい。温度センサ91-2は、導出管75における液体40の流路において、ポンプ50よりも上流側に設けられていてよい。
流量測定部92は、液体40に含まれる塵埃32の流量を測定する。閃絡防止装置100は、流量センサ93を備えてよい。流量測定部92は、流量センサ93により塵埃32の流量を測定してよい。閃絡防止装置100は、複数の流量センサ93を備えてよい。本例においては、閃絡防止装置100は、2つの流量センサ93(流量センサ93-1および流量センサ93-2)を備える。
塵埃32の流量を、流量Fdとする。流量センサ93は、導出管75に設けられてよく、導入管70に設けられていてもよい。本例においては、流量センサ93は、導出管75に設けられている。流量測定部92は、導出管75を流れる塵埃32の流量Fdを測定してよい。導出管75を流れる塵埃32の流量Fdとは、導出管75の断面積であって導出管75における液体40の流路に交差する断面積を、単位時間当たりに通過する塵埃32の量であってよい。
流量センサ93-1は、導出管75における液体40の流路において、フィルタ82よりも上流側に設けられていてよい。流量センサ93-2は、導出管75における液体40の流路において、フィルタ82よりも下流側に設けられていてよい。
出力制御部94は、ポンプ50の出力を制御する。出力制御部94は、ポンプ50の出力を制御することにより、導入管70を流れる液体40の流量を制御してよい。液体40の流量を、流量Fsとする。導入管70を流れる液体40の流量Fsとは、導入管70の断面積であって導入管70における液体40の流路に交差する断面積を、単位時間当たりに通過する液体40の量であってよい。
出力制御部94は、温度測定部90により測定された液体40の温度Tに基づいて、ポンプ50の出力を制御してよい。当該温度Tは、温度測定部90が温度センサ91-1および温度センサ91-2の少なくとも一方により測定した温度であってよい。当該温度Tは、温度測定部90が温度センサ91-1により測定した温度と、温度センサ91-2により測定した温度とのいずれか高い方であってもよく、いずれか低い方であってもよく、平均であってもよい。
液体40の予め定められた温度Tを、温度T0とする。温度T0は、温度Tuよりも低い。温度T0は、閃絡防止装置100における、設計上の液体40の温度Tであってよい。設計上の液体40の温度とは、液体40がポンプ50により、導入管70、第1空間17、第2空間27および導出管75を円滑に流れることにより、碍子30の閃絡を防止可能な液体40の温度Tであってよい。
出力制御部94は、液体40の温度Tが温度T0よりも高い場合、ポンプ50の出力を減少させてよい。液体40の温度Tが予め定められた温度T0(≦温度Tu)である場合における、液体40の粘度Vを、粘度V0とする。液体40が油であり、且つ、液体40の温度Tが温度T0よりも高い場合、液体40の粘度Vは、粘度V0よりも小さくなりやすい。液体40の粘度Vが小さいほど、液体40は導入管70および導出管75を流れやすい。このため、出力制御部94は、液体40の温度Tが温度T0よりも高い場合、ポンプ50の出力を減少させてよい。
出力制御部94は、液体40の温度Tが温度T0よりも低い場合、ポンプ50の出力を増加させてよい。液体40が油であり、且つ、液体40の温度Tが温度T0よりも低い場合、液体40の粘度Vは、粘度V0よりも大きくなりやすい。液体40の粘度Vが大きいほど、液体40は導入管70および導出管75を流れにくい。このため、出力制御部94は、液体40の温度Tが温度T0よりも低い場合、ポンプ50の出力を増加させてよい。
出力制御部94は、流量測定部92により測定された塵埃32の流量Fdに基づいて、ポンプ50の出力を制御してよい。当該流量Fdは、流量測定部92が流量センサ93-1および流量センサ93-2の少なくとも一方により測定した流量であってよい。当該流量Fdは、流量測定部92が流量センサ93-1により測定した流量Fdと、流量センサ93-2により測定した流量Fdとのいずれか大きい方であってもよく、いずれか小さい方であってもよく、平均であってもよい。
塵埃32の予め定められた流量Fdを、流量Fd0とする。出力制御部94は、塵埃32の流量Fdが流量Fd0よりも大きい場合、ポンプ50の出力を増加させてよい。塵埃32の流量Fdが大きいほど、液体40は導入管70および導出管75を流れにくくなりやすい。このため、出力制御部94は、塵埃32の流量Fdが流量Fd0よりも大きい場合、ポンプ50の出力を増加させてよい。出力制御部94は、塵埃32の流量Fdが流量Fd0よりも小さい場合、ポンプ50の出力を減少させてよい。
排ガス230(図1参照)に含まれる塵埃32の量は、排ガス230を排出するエンジン等の動力装置が定格出力で動作している場合よりも、当該動力装置の起動時において大きくなりやすい。このため、出力制御部94は、当該動力装置の起動時におけるポンプ50の出力を、当該動力装置が定格出力で動作している場合におけるポンプ50の出力よりも、大きく制御してよい。
出力制御部94は、温度測定部90により測定された液体40の温度T、および、流量測定部92により測定された塵埃32の流量Fdに基づいて、ポンプ50の出力を制御してもよい。出力制御部94が、温度Tおよび流量Fdに基づいてポンプ50の出力を制御することにより、出力制御部94は、温度Tおよび流量Fdの一方に基づいてポンプ50の出力を制御する場合よりも、ポンプ50の出力をより適切に制御しやすくなる。
図13は、本発明の一つの実施形態に係る閃絡防止装置100の他の一例を示す図である。本例の閃絡防止装置100は、バイパス管78および切替制御部96をさらに備える点で、図12に示される閃絡防止装置100と異なる。ただし、図13においては、図12に示される温度センサ91-2、流量測定部92および流量センサ93の図示が省略されている。
バイパス管78は、導出管75に並列に設けられている。バイパス管78が導出管75に並列に設けられているとは、バイパス管78の一端および他端が、導出管75に接続されている状態を指す。液体40は、バイパス管78を通過する。
閃絡防止装置100は、切替部95を備えてよい。切替部95は、例えば三方弁である。閃絡防止装置100は、複数の切替部95を備えてよい。本例においては、閃絡防止装置100は、2つの切替部95(切替部95-1および切替部95-2)を備える。切替部95は、導出管75に設けられていてよい。本例において、バイパス管78の一端は切替部95-1を介して導出管75に接続され、バイパス管78の他端は切替部95-2を介して導出管75に接続されている。
切替制御部96は、液体40が導出管75に流れるかバイパス管78に流れるかを制御してよい。本例においては、切替制御部96は、切替部95を制御することにより、液体40が導出管75に流れるかバイパス管78に流れるかを制御する。
切替制御部96は、温度測定部90により測定された液体40の温度Tに基づいて、液体40が導出管75に流れるかバイパス管78に流れるかを制御してよい。温度測定部90は、当該温度Tを温度センサ91-1により測定してよい。
導出管75を流れる液体40を、液体40-1とする。バイパス管78を流れる液体40を、液体40-2とする。
切替制御部96は、液体40の温度Tが予め定められた温度T0よりも低い場合、液体40がバイパス管78に流れるように、切替部95を制御してよい。例えば、排ガス230(図1参照)を発生するエンジン等の動力装置を起動する時点においては、液体40の粘度Vが小さいほど、当該動力装置の負荷が低減されやすい。このため、当該動力装置の負荷を緩和したい場合は、切替制御部96は、液体40がバイパス管78を流れるように切替部95を制御してよい。
切替制御部96は、液体40の温度Tが予め定められた温度T0以上である場合、液体40が導出管75に流れるように、切替部95を制御してよい。上述したとおり、液体40の温度Tが、温度Tの上限である温度Tuである場合、導出管75、導入管70およびポンプ50の少なくとも一つが、液体40の熱により損傷し得る。このため、液体40の温度Tが温度T0以上である場合、切替制御部96は、液体40が導出管75に流れるように、切替部95を制御してよい。これにより、ポンプ50には、熱交換器80により冷却された液体40-1が供給される。
閃絡防止装置100は、加熱部84をさらに備えてよい。加熱部84は、バイパス管78に設けられてよい。加熱部84は、バイパス管78を通過する液体40-2を加熱する。液体40の粘度Vは、液体40の温度Tが高いほど、小さくなりやすい。ポンプ50が液体40を導出することによるポンプ50の負荷は、液体40の粘度Vが小さいほど、小さくなりやすい。このため、加熱部84が液体40-2を加熱した場合におけるポンプ50の負荷は、液体40-1を導入管70に導出する場合におけるポンプ50の負荷よりも、小さくなりやすい。このため、ポンプ50は、液体40の温度Tが高いほど、ポンプ50の出力を大きくしやすい。このため、ポンプ50は、液体40の温度Tが高いほど、液体40の流量Fsを大きくしやすい。
上述したとおり、排ガス230(図1参照)に含まれる塵埃32の量は、排ガス230を排出するエンジン等の動力装置が定格出力で動作している場合よりも、当該動力装置の起動時において大きくなりやすい。このため、当該動力装置の起動時における液体40の流量Fsは、当該動力装置が定格出力で動作している場合における液体40の流量Fsよりも、大きいことが好ましい。本例の閃絡防止装置100は、加熱部84を備えるので、当該動力装置の起動時における液体40の流量Fsを、当該動力装置が定格出力で動作している場合における液体40の流量Fsよりも、大きくしやすい。
図14は、本発明の一つの実施形態に係る閃絡防止装置100の他の一例を示す図である。本例の閃絡防止装置100は、出力測定部97、温度制御部98および流量測定部92をさらに備える点で、図11に示される閃絡防止装置100と異なる。
出力測定部97は、ポンプ50の出力を測定する。ポンプ50の出力を、出力Pとする。温度制御部98は、液体40の温度Tを制御する。本例においては、温度制御部98は、熱交換器80を制御することにより液体40の温度Tを制御する。温度制御部98は、熱交換器80に流れる冷却水の流量を制御することにより、液体40の温度Tを制御してよい。温度制御部98は、熱交換器80に供給される冷却水のオンオフを制御することにより、液体40の温度Tを制御してもよい。
温度制御部98は、出力測定部97により測定されたポンプ50の出力Pに基づいて、液体40の温度Tを制御してよい。ポンプ50が液体40を導出することによるポンプ50の負荷は、液体40の粘度Vが大きいほど、大きくなりやすい。ポンプ50の負荷が大きいほど、ポンプ50の出力Pは大きくなりやすい。液体40の粘度Vは、液体40の温度Tが高いほど、小さくなりやすい。このため、温度制御部98がポンプ50の出力Pに基づいて液体40の温度Tを制御することにより、閃絡防止装置100は、ポンプ50の負荷を制御できる。ポンプ50の負荷が制御されることにより、閃絡防止装置100は、ポンプ50の出力Pを、予め定められた範囲の出力Pに制御しやすくなる。
ポンプ50の予め定められた出力Pを、出力P0とする。出力P0は、ポンプ50の定格出力であってよい。温度制御部98は、ポンプ50の出力Pが出力P0よりも大きい場合、液体40の温度Tを上昇させてよい。温度制御部98は、ポンプ50の出力Pが出力P0よりも大きい場合、熱交換器80をオフにすることにより、液体40の温度Tを上昇させてよい。液体40の温度Tが増加することにより、ポンプ50の出力Pは、出力P0未満になりやすくなる。
温度制御部98は、ポンプ50の出力Pが出力P0以下である場合、液体40の温度Tを低下させてよい。温度制御部98は、ポンプ50の出力Pが出力P0以下である場合、熱交換器80をオンにすることにより、液体40の温度Tを低下させてよい。これにより、液体40の温度Tは、温度Tu以下になりやすくなる。温度Tuは、上述したとおり、例えば、導出管75、導入管70およびポンプ50の少なくとも一つが液体40の熱により損傷し得る、液体40の温度Tである。温度制御部98は、液体40の温度Tが温度Tu以下になるように、液体40の温度Tを制御してよい。
流量測定部92は、液体40に含まれる塵埃32の流量Fdを測定する。温度制御部98は、流量測定部92により測定された塵埃32の流量Fdに基づいて、液体40の温度Tを制御してよい。当該流量Fdは、流量測定部92が流量センサ93-1および流量センサ93-2の少なくとも一方により測定した流量であってよい。当該流量Fdは、流量測定部92が流量センサ93-1により測定した流量Fdと、流量センサ93-2により測定した流量Fdとのいずれか大きい方であってもよく、いずれか小さい方であってもよく、平均であってもよい。
温度制御部98は、塵埃32の流量Fdが予め定められた流量Fd0よりも大きい場合、液体40の温度Tを上昇させてよい。塵埃32の流量Fdが大きいほど、液体40は導入管70および導出管75を流れにくくなりやすい。液体40の温度Tが上昇するほど、液体40の粘度Vは小さくなりやすい。このため、液体40の温度Tが上昇するほど、ポンプ50の出力Pは低減されやすい。このため、温度制御部98は、塵埃32の流量Fdが流量Fd0よりも大きい場合、液体40の温度Tを上昇させてよい。温度制御部98は、塵埃32の流量Fdが予め定められた流量Fd0以下である場合、液体40の温度Tを低下させてよい。
温度制御部98は、出力測定部97により測定されたポンプ50の出力P、および、流量測定部92により測定された塵埃32の流量Fdに基づいて、液体40の温度Tを制御してもよい。温度制御部98が、出力Pおよび流量Fdに基づいて液体40の温度Tを制御することにより、温度制御部98は、出力Pおよび流量Fdの一方に基づいて液体40の温度Tを制御する場合よりも、液体40の温度Tをより適切に制御しやすくなる。
図15は、本発明の一つの実施形態に係る閃絡防止装置100の他の一例を示す図である。本例の閃絡防止装置100においては、第1側壁13の上端16を含む上部が、第1空間17側に傾いている。本例の閃絡防止装置100は、係る点で図2に示される閃絡防止装置100と異なる。図15においては、第1空間17および第2空間27の液体40および塵埃32の図示が省略されている。
本例の閃絡防止装置100においては、第1側壁13の上端16を含む上部が第1空間17側に傾いているので、排ガス230(図1参照)は、図2に示される閃絡防止装置100よりも第1空間17に入りにくくなる。このため、本例の閃絡防止装置100においては、塵埃32(図2参照)は、図2に示される閃絡防止装置100よりも第1空間17に入りにくくなる。このため、本例の閃絡防止装置100は、図2に示される閃絡防止装置100よりも、塵埃32(図2参照)による閃絡を抑制しやすくなる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10・・・支持体、11・・・底板、12・・・上面、13・・・第1側壁、14・・・内側面、15・・・外側面、16・・・上端、17・・・第1空間、19・・・内箱、20・・・電源、23・・・第2側壁、24・・・内側面、25・・・外側面、26・・・上端、27・・・第2空間、29・・・外箱、30・・・碍子、32・・・塵埃、40・・・液体、50・・・ポンプ、70・・・導入管、71・・・一端、72・・・他端、75・・・導出管、76・・・一端、77・・・他端、78・・・バイパス管、80・・・熱交換器、82・・・フィルタ、84・・・加熱部、90・・・温度測定部、91・・・温度センサ、92・・・流量測定部、93・・・流量センサ、94・・・出力制御部、95・・・切替部、96・・・切替制御部、97・・・出力測定部、98・・・温度制御部、100・・・閃絡防止装置、200・・・電気集塵機、210・・・第1電極、220・・・第2電極、230・・・排ガス、240・・・電源線、300・・・閃絡防止装置、310・・・支持体
Claims (21)
- 支持体により支持され、電源と前記支持体とを絶縁する碍子と、
前記碍子に絶縁性の液体を供給するポンプと、
を備え、
前記ポンプは、前記碍子に供給された前記絶縁性の液体を、前記碍子に供給する、
閃絡防止装置。 - 前記支持体は、底板と、前記底板に接続され、前記碍子の周囲を囲うように設けられた第1側壁とを有し、
前記絶縁性の液体は、前記ポンプにより、前記底板と前記第1側壁とで囲われる第1空間に導入される、
請求項1に記載の閃絡防止装置。 - 前記支持体は、前記底板に接続され、前記第1側壁の周囲を囲うように設けられた第2側壁をさらに有し、
前記第1空間の外側に流出した前記絶縁性の液体は、前記底板と前記第1側壁と前記第2側壁とで囲われる第2空間に収容される、
請求項2に記載の閃絡防止装置。 - 前記ポンプは、前記第2空間に収容された前記絶縁性の液体を、前記第2空間の外側に導出し、且つ、前記第2空間の外側に導出した前記絶縁性の液体を、前記第1空間に導入する、請求項3に記載の閃絡防止装置。
- 前記絶縁性の液体が通過する導入管をさらに備え、
前記導入管の一端は、前記ポンプに接続され、
前記導入管の他端は、前記底板に接続され、且つ、上面視において前記第1空間と重なる位置に配置される、
請求項3または4に記載の閃絡防止装置。 - 前記碍子は、上面視において、前記第1空間の中心と重なる位置に配置され、
前記導入管の他端は、上面視において、前記碍子と前記第1側壁との距離の1/2よりも前記第1空間の中心側に配置される、
請求項5に記載の閃絡防止装置。 - 前記導入管の他端は、上面視において、前記碍子と重なる位置に配置される、請求項6に記載の閃絡防止装置。
- 前記第1側壁は、前記底板に交差する方向に延伸し、
前記ポンプにより、前記底板を通じて前記第1空間に導入された前記絶縁性の液体は、前記第1側壁の上端であって前記底板に交差する延伸方向において前記底板とは反対側の上端から、前記第1空間の外部に流出する、請求項3から7のいずれか一項に記載の閃絡防止装置。 - 前記絶縁性の液体が通過する導出管をさらに備え、
前記導出管の一端は、前記第2側壁に接続され、且つ、前記第1側壁の延伸方向における、前記底板と前記上端との間に配置され、
前記導出管の他端は、前記ポンプに接続される、
請求項8に記載の閃絡防止装置。 - 前記絶縁性の液体が通過する導出管をさらに備え、
前記第1側壁は、前記底板に交差する方向に延伸し、
前記導出管の一端は、前記第1側壁に接続され、且つ、前記第1側壁の延伸方向において、前記碍子と、前記第1側壁の上端であって前記底板に交差する延伸方向において前記底板とは反対側の上端との間に配置され、
前記導出管の他端は、前記ポンプに接続される、
請求項2に記載の閃絡防止装置。 - 前記絶縁性の液体は、前記ポンプにより、前記碍子の上方から前記碍子に供給され、
前記ポンプは、前記碍子に供給された前記絶縁性の液体を、前記第1空間の外部に導出し、且つ、前記第1空間の外部に導出した前記絶縁性の液体を、前記碍子の上方から前記碍子に供給する、
請求項2に記載の閃絡防止装置。 - 前記絶縁性の液体が通過する導出管をさらに備え、
前記導出管の一端は、前記底板に接続され、且つ、上面視において前記第1空間と重なる位置に配置される、
請求項11に記載の閃絡防止装置。 - 前記絶縁性の液体を冷却する熱交換器をさらに備える、請求項9、10および12のいずれか一項に記載の閃絡防止装置。
- 前記絶縁性の液体の温度を測定する温度測定部と、
前記導出管に並列に設けられ、前記絶縁性の液体が通過するバイパス管と、
前記絶縁性の液体が前記導出管に流れるか前記バイパス管に流れるかを制御する切替制御部と、
をさらに備え、
前記切替制御部は、前記温度測定部により測定された前記絶縁性の液体の温度に基づいて、前記絶縁性の液体が前記導出管に流れるか前記バイパス管に流れるかを制御する、
請求項13に記載の閃絡防止装置。 - 前記バイパス管を通過する前記絶縁性の液体を加熱する加熱部をさらに備える、請求項14に記載の閃絡防止装置。
- 前記絶縁性の液体の温度を測定する温度測定部と、
前記ポンプの出力を制御する出力制御部と、
をさらに備え、
前記出力制御部は、前記温度測定部により測定された前記絶縁性の液体の温度に基づいて、前記ポンプの出力を制御する、
請求項13から15のいずれか一項に記載の閃絡防止装置。 - 前記絶縁性の液体に含まれる塵埃の流量を測定する流量測定部をさらに備え、
前記出力制御部は、前記流量測定部により測定された前記塵埃の流量に基づいて、前記ポンプの出力を制御する、
請求項16に記載の閃絡防止装置。 - 前記ポンプの出力を測定する出力測定部と、
前記絶縁性の液体の温度を制御する温度制御部と、
をさらに備え、
前記温度制御部は、前記出力測定部により測定された前記ポンプの出力に基づいて、前記絶縁性の液体の温度を制御する、
請求項13に記載の閃絡防止装置。 - 前記絶縁性の液体に含まれる塵埃の流量を測定する流量測定部をさらに備え、
前記温度制御部は、前記流量測定部により測定された前記塵埃の流量に基づいて、前記絶縁性の液体の温度を制御する、
請求項18に記載の閃絡防止装置。 - 前記絶縁性の液体に含まれる塵埃の少なくとも一部を除去するフィルタをさらに備える、請求項13から19のいずれか一項に記載の閃絡防止装置。
- 前記熱交換器および前記フィルタは、前記導出管に設けられ、
前記熱交換器は、前記導出管を流れる前記絶縁性の液体の流路における、前記フィルタと前記ポンプとの間に設けられる、請求項20に記載の閃絡防止装置。
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