JP7476164B2 - 組成物及び治療方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炎症及び/又は疼痛の局所治療のための組成物に関する。
医薬処方物において多くの開発がなされてきたが、局所的に施用される抗炎症剤及び鎮痛剤は、浸透の低さ及びそれゆえの有効性の低さという問題をいまだ抱えている。局所医薬の投与量レベルが上昇することは、アレルギー反応を頻繁に引き起こす可能性があり、そして、活性医薬成分(API)のより高い投与量に付随する製造コストの上昇のため、望ましくない。抗炎症剤及び鎮痛剤を局所投与することによって生じる上記問題はあるものの、炎症又は疼痛に罹患している個体の筋肉又は関節に抗炎症剤及び鎮痛剤を送達できるようにAPIの浸透だけを改善することができれば、局所投与は、いまだ、理想的な投与経路を代表する。
炎症及び/又は疼痛の治療並びに管理に関連する上記の問題のうちの1つ以上に対処することが本発明の目的である。炎症及び/又は疼痛の治療を提供することも本発明の目的である。さらに、抗炎症剤及び/又は鎮痛剤のより良好な浸透又は送達を可能にする治療を提供することが本発明の目的である。
本発明の第1の態様によれば、ナノ粒子を形成することができるポリマーと、抗炎症剤及び/又は鎮痛剤とが提供される。
上記ポリマーは、直鎖状及び/若しくは分枝状若しくは環状のポリモノグアニド/ポリグアニジン、ポリビグアニド、それらの類似体又は誘導体を含む。
ポリマー並びに抗炎症剤及び/又は鎮痛剤からナノ粒子を形成することにより、本発明者らは、有利にも、角質層への及び角質層を通る、抗炎症剤及び/又は鎮痛剤の送達を高めることが可能であるということを見出した。
上記ポリマーは、直鎖状及び/若しくは分枝状若しくは環状のポリモノグアニド/ポリグアニジン、ポリビグアニド、それらの類似体又は誘導体を含むことが好ましい。この直鎖状及び/若しくは分枝状若しくは環状のポリモノグアニド/ポリグアニジン、ポリビグアニド、それらの類似体又は誘導体は、下記式1a又は式1bに従うものであってよく、それらの例は下記表A及び表Bに提供されている。
Figure 0007476164000001
上記式中、
「n」は、上記ポリマーにおける繰り返し単位の数を指し、nは、2~1000、例えば2又は5から10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800又は900まで変化することができ、
及びGは、独立に、ビグアニド又はグアニジンを含むカチオン性基を表し、L及びLは、上記グアニドの窒素原子に直接結合されている。従って、上記ビグアニド基又はグアニジン基は、上記ポリマー骨格に不可欠である。このビグアニド基又はグアニジン基は、式1aにおける側鎖部分ではない。
カチオン性基の例:
Figure 0007476164000002
本発明では、L及びLは、上記ポリマー中のG及びGのカチオン性基の間の連結基である。L及びLは、独立に、C~C140個の炭素原子を含有する脂肪族基、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、C、C、C、C、C、C若しくはC10;C~C10、~C20、~C30、~C40、~C50 ~C60、~C70、~C80、~C90、~C100、~C110、~C120、~C130若しくは~C140のアルキル等のアルキル基を表すことができるし、又はL及びLは、(独立に)C~C140(例えばC、C、C、C、C、C、C、C、C若しくはC10;C~C10、~C20、~C30、~C40、~C50 ~C60、~C70、~C80、~C90、~C100、~C110、~C120、~C130若しくは~C140)の、脂環式ラジカル、複素環式ラジカル、芳香族ラジカル、アリールラジカル、アルキルアリールラジカル、アリールアルキルラジカル、オキシアルキレンラジカルであることができるし、又はL及びLは、(独立に)任意に1以上の、好ましくは1個の、酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子、官能基及び飽和若しくは不飽和の環状部分が介在していてもよいポリアルキレンラジカルであることができる。好適なL及びLの例は表Aに列挙されている基である。
、L、G及びGは、脂肪族ラジカル、脂環式ラジカル、複素環式ラジカル、アリールラジカル、アルカリールラジカル、及びオキシアルキレンラジカルを使用して修飾されたものであってもよい。
N及びGは、好ましくは末端基である。典型的には、本発明における使用のポリマーは、末端アミノ(N)及びシアノグアニジン(G)又はグアニジン(G)末端基を有する。このような末端基は、脂肪族ラジカル、脂環式ラジカル、複素環式ラジカル、複素環式ラジカル、アリールラジカル、アルキルアリールラジカル、アリールアルキルラジカル、オキシアルキレンラジカルへの連結によって(例えば1,6-ジアミノヘキサン、1,6ジ(シアノグアニジノ)ヘキサン、1,6-ジグアニジノヘキサン、4-グアニジノ酪酸で)修飾されていてもよい。加えて、末端基は、受容体リガンド、デキストラン、シクロデキストリン、脂肪酸若しくは脂肪酸誘導体、コレステロール若しくはコレステロール誘導体又はポリエチレングリコール(PEG)への連結によって修飾されていてもよい。任意に、上記ポリマーは、N及びGの位置でグアニジン若しくはビグアニド若しくはシアノアミン若しくはアミン又はシアノグアニジンで終わることができるし、又はN位置でシアノアミン及びG位置でシアノグアニジンで終わることができるし、又はN位置でグアニジン及びG位置でシアノグアニドで終わることができるし、又はG3でL1アミン及びNでシアノグアニジンで終わることができる。G3はL-アミン、L-シアノグアニジン又はL-グアニジンであることができる。合成の際の重合の数(n)又はポリマー鎖の切断及び副反応によっては、一例として上に記載したような末端基の不均一な混合物が生じうる。従って、N及びG3の基は、上記のように、不均一な混合物として相互変換/存在することができる。あるいは、N及びGは存在しなくてもよく、上記ポリマーは環状であってもよく、この場合は、それぞれの末端のL基及びG基は互いに直接連結されている。
式1bでは、Xは存在してもよいし存在しなくてもよい。L、L及びXは、「L又はL」について上に記載されたとおりである。従って、L及びL及びXは、上記ポリマー中のG及びGのカチオン性基の間の連結基である。L及びL及びXは、独立に、C~C140個の炭素原子を含有する脂肪族基、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、C、C、C、C、C、C若しくはC10;C~C10、~C20、~C30、~C40、~C50 ~C60、~C70、~C80、~C90、~C100、~C110、~C120、~C130若しくは~C140のアルキル等のアルキル基を表すことができるし、又はL及びL及びXは、独立に、C~C140(例えばC、C、C、C、C、C、C、C、C若しくはC10;C~C10、~C20、~C30、~C40、~C50 ~C60、~C70、~C80、~C90、~C100、~C110、~C120、~C130若しくは~C140)の、脂環式ラジカル、複素環式ラジカル、芳香族ラジカル、アリールラジカル、アルキルアリールラジカル、アリールアルキルラジカル、オキシアルキレンラジカルであることができるし、又はL及びL及びXは、独立に、任意に1以上の、好ましくは1個の、酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子、官能基及び飽和若しくは不飽和の環状部分が介在していてもよいポリアルキレンラジカルであることができる。好適なL及びL及びXの例は表Bに列挙されている基である。
「G」及び「G」はカチオン性部分であり、同一であってもよいし異なっていてもよい。G及びGのうちの少なくとも1つは、ビグアニジン部分又はカルバモイルグアニジンであり、他方の部分は上記のとおり(ビグアニジン若しくはカルバモイルグアニジン)又はアミンであってよい。誤解を避けるために、式1bでは、カチオン性部分G及びGは、ただ1つのグアニジン基しか含有しないわけではない。例えば、G及びGは、典型的には、ただ1つのグアニジン基を含有するわけではない。このような化合物の例は、表Bに列挙されているように、ポリアリルビグアニド、ポリ(アリルビグアニジノ-co-アリルアミン)、ポリ(アリルカルバモイルグアニジノ-co-アリルアミン)、ポリビニルビグアニドである。
ポリアリルビグアニドの例は下に示されているとおりである。
Figure 0007476164000003
ポリアリルビグアニジンの場合、L及びLは同一であり、G及びG5は同様であり、従ってポリアリルビグアニドは、下記のように単純化できる。
Figure 0007476164000004
ポリ(アリルカルバモイルグアニジノ-co-アリルアミン)の例は下に示されているとおりである。
Figure 0007476164000005
本発明において使用するためのポリマーは、一般に、それらと会合した対イオンを有する。好適な対イオンとしては、以下の、ハロゲン化物(例えば塩化物)、リン酸イオン、乳酸イオン、ホスホン酸イオン、スルホン酸イオン、アミノカルボン酸イオン、カルボン酸イオン、ヒドロキシカルボキン酸イオン、有機リン酸イオン、有機ホスホン酸イオン、有機スルホン酸イオン及び有機硫酸イオンが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明において使用するためのポリマーは、異なる「n」数のポリマーの不均一な混合物、又は標準的な精製方法によって精製された特定の「n」数を含む均質な画分のいずれかであることができる。上記のように、上記ポリマーはまた、環状であってもよく、加えて、分岐していてもよい。
「n」についての好ましい数としては、2~250、2~100、2~80及び2~50が挙げられる。
Figure 0007476164000006
Figure 0007476164000007
Figure 0007476164000008
本発明の方法において使用されるポリマーは、直鎖状、分枝状又はデンドリマー状の分子を含んでもよい。このポリマーは、直鎖状、分枝状又はデンドリマー状の分子の組み合わせを含んでもよい。このポリマーは、例えば、上記のように、式1a又は式1bの分子の1つ又は任意の組み合わせを含んでもよい。
例えば、上記ポリマーは、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)、ポリヘキサメチレンモノグアニド(PHMG)、ポリエチレンビグアニド(PEB)、ポリテトラメチレンビグアニド(PTMB)又はポリエチレンヘキサメチレンビグアニド(PEHMB)のうちの1以上を含むことができる。いくつかの例は、表A及び表Bに列挙されている。
従って、上記ポリマーは、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)、ポリヘキサメチレンモノグアニド(PHMG)、ポリエチレンビグアニド(PEB)、ポリテトラメチレンビグアニド(PTMB)、ポリエチレンヘキサメチレンビグアニド(PEHMB)、ポリメチレンビグアニド(PMB)、ポリ(アリルビグアニジノ-co-アリルアミン)、ポリ(N-ビニルビグアニド)、ポリアリルビグアニドのうちの1以上の均一な又は不均一な混合物を含んでもよい。
上記ポリマーがポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)を含むことが最も好ましい。
1つの実施形態では、抗炎症剤及び/又は鎮痛剤は、同じ活性医薬成分を含む。特定の抗炎症剤が鎮痛特性も有すると示されていることは、当業者には明らかであろう。他の実施形態では、当該組成物は、別個の抗炎症剤及び別個の鎮痛剤を含む。
上記抗炎症剤は、ステロイド系抗炎症剤(SAID)及び非ステロイド系抗炎症剤を含めて、いくつかの異なる種類の抗炎症剤を含んでもよい。ある実施形態では、抗炎症剤が非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)を含むことが好ましい。そのようなNSAIDは、以下のもののうちの1以上から選択されてもよい:アスピリン(Anacin、Ascriptin、Bayer、Bufferin(バファリン)、Ecotrin、Excedrin(エキセドリン));コリン及びジサリチル酸マグネシウム(CMT、Tricosal、Trilisate);サリチル酸コリン(Arthropan);セレコキシブ(Celebrex);ジクロフェナクカリウム(Cataflam(カタフラム));ジクロフェナクナトリウム(Voltaren(ボルタレン)、Voltaren XR);ジクロフェナクナトリウム・ミソプロストール合剤(Arthrotec(オルソテック));ジフルニサル(Dolobid);エトドラク(Lodine(ロジン)、Lodine XL);フェノプロフェンカルシウム(Nalfon);フルルビプロフェン(Ansaid);イブプロフェン(Advil(アドビル)、Motrin(モトリン)、Motrin IB、Nuprin);インドメタシン(Indocin、Indocin SR);ケトプロフェン(Actron、Orudis(オルヂス)、Orudis KT、Oruvail);サリチル酸マグネシウム(Arthritab、Bayer Select、Doan’s Pills、Magan、Mobidin、Mobogesic);メクロフェナム酸ナトリウム(Meclomen);メフェナム酸(Ponstel);メロキシカム(Mobic(モービック));ナブメトン(Relafen(レラフェン));ナプロキセン(Naprosyn、Naprelan);ナプロキセンナトリウム(Aleve、Anaprox);オキサプロジン(Daypro);ピロキシカム(Feldene(フェルデン));ロフェコキシブ(Vioxx(バイオックス));サルサラート(Amigesic、Anaflex 750、Disalcid、Marthritic、Mono-Gesic、Salflex、Salsitab);サリチル酸ナトリウム(種々のジェネリック);スリンダク(Clinoril(クリノリル));トルメチンナトリウム(Tolectin);及びバルデコキシブ(Bextra)。
好ましくは、上記抗炎症剤及び/又は鎮痛剤は、以下の、ラパマイシン、タクロリムス、イブプロフェン、シクロスポリン、ジクロフェナク、ナプロキセン並びにこれらの関連する誘導体及び塩から選択される1以上を含む。
上記抗炎症剤及び/又は鎮痛剤がジクロフェナク並びにその関連する誘導体及び塩であることが最も好ましい。このジクロフェナクは、ジクロフェナクカリウム(Cataflam)、ジクロフェナクナトリウム(Voltaren、Voltaren XR)、又はジクロフェナク塩とミソプロストール(Arthrotecブランドで市販されている)等の別の薬学的に活性な成分との合剤の形態であってもよい。
上記抗炎症剤及び/又は鎮痛剤がジクロフェナク並びにこの関連する誘導体及び塩を含む場合、平均直径は、50~250nmのおよその範囲にあってもよい。好ましくは、上記ナノ粒子は100~200nmの範囲の平均直径を有し、より好ましくは上記ナノ粒子は125~175nmの範囲の平均直径を有し、最も好ましくは約150nmの平均直径及び/又は約138nmの平均モード径を有する。
上記ナノ粒子は、抗炎症剤及び/若しくは鎮痛剤と共に、並びに/又はその存在下で形成されてもよい。上記ナノ粒子を形成するために種々の方法が使用されてよく、ナノ粒子は、ポリマーと抗炎症剤及び/又は鎮痛剤との複合体として形成されることが想定される。しかしながら、ポリマーナノ粒子は、独立して形成されて、次いで、抗炎症剤及び/又は鎮痛剤がこのナノ粒子に吸収され又は付着するように、抗炎症剤及び/又は鎮痛剤とインキュベートされてもよい。あるいは、ナノ粒子は、抗炎症剤及び/又は鎮痛剤とのインキュベーション中に形成されてもよい。
当該組成物が以下の成分の1つ以上をさらに含み得ることは、当業者に明らかである:緩衝剤、賦形剤、結合剤、油、水、乳化剤、グリセリン、酸化防止剤、防腐剤及び芳香剤、又は局所クリーム、ゲル、軟膏剤、スプレー、粉末、泡沫若しくはムースに通常見られる任意のさらなる成分。さらには、当該組成物は、スプレー装置と共に使用するためのペースト又は懸濁液などの多くの形態であることもできよう。好ましくは、当該組成物は、局所投与用である。
当該組成物は、医薬として使用するためのものであってもよい。そのような医薬は、局所医薬を含んでもよい。
当該組成物は、炎症及び/若しくは疼痛の治療又は管理において使用するためのものであってもよい。
本発明の関連する態様では、炎症及び/若しくは疼痛の治療又は管理において使用するための組成物であって、ナノ粒子を形成することができるポリマーと、抗炎症剤及び/又は鎮痛剤とを含む組成物が提供される。
本発明の別の関連する態様では、炎症及び/若しくは疼痛の治療又は管理のための組成物であって、ナノ粒子を形成することができるポリマーと、抗炎症剤及び/又は鎮痛剤とを含む組成物が提供される。
本発明の第1の態様にさらに関連して、炎症及び/若しくは疼痛の治療若しくは管理のための医薬の製造又は調製における、ナノ粒子を形成することができるポリマーと、抗炎症剤及び/又は鎮痛剤とを含む組成物の使用が提供される。
このような炎症及び/又は疼痛は、筋肉又は骨格(骨)のものであってもよい。上記組成物は、腱、靱帯、筋肉及び関節の外傷、リウマチ、関節痛若しくは関節炎の治療又は管理において使用するためのものであってもよい。
本発明の別の態様によれば、医薬の調製における、抗炎症剤及び/若しくは鎮痛剤を有する、又は抗炎症剤及び/若しくは鎮痛剤と会合する1以上のナノ粒子を形成するためのポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)の使用が提供される。
上記ナノ粒子は、患部への抗炎症剤及び/又は鎮痛剤のための送達用媒体(ビヒクル)として使用されてもよい。患部は筋肉領域又は骨格領域であってもよい。上記炎症及び/又は疼痛は、腱、靱帯、筋肉及び関節の外傷、リウマチ、関節痛又は関節炎を含んでもよい。
本発明のさらなる態様によれば、炎症及び/若しくは疼痛の治療又は管理のための組成物の製造方法であって、ナノ粒子の形成を可能にするのに好適な条件下で、ナノ粒子を形成することができるポリマーを抗炎症剤及び/又は鎮痛剤と混合する工程を備える方法が提供される。
当該方法は、本明細書において上記したような組成物を製造するために使用されることが好ましい。
本発明のさらなる態様によれば、PHMBと抗炎症剤及び/又は鎮痛剤とから形成されるナノ粒子又はナノ粒子結合体を含む、炎症及び/若しくは疼痛の治療又は管理に使用するための組成物が提供される。
本発明の関連する第1の態様では、炎症及び/若しくは疼痛の治療若しくは管理のための医薬の製造又は調製のための、PHMBと抗炎症剤及び/又は鎮痛剤とから形成されるナノ粒子又はナノ粒子複合体の使用が提供される。
PHMB(ポリヘキサメチレンビグアニド)は安全で有効な殺生物剤として知られており、消毒剤及び防腐剤として使用されている:米国特許第7897553号明細書、米国特許第4758595号明細書、米国特許出願公開第2008261841号明細書;米国特許出願公開第20040009144号明細書。PHMB及び関連分子は、有用な侵入促進剤であることも見出されている。驚くべきことに、PHMB(例えば)自体が、細菌、真菌及び哺乳動物細胞を含む広範囲の細胞に侵入することが観察された。より驚くべきことに、PHMB(例えば)は、広範囲の分子とナノ粒子を形成することができ、これらの分子をそのような細胞中に送達することができる(PCT/GB2012/052526)。最後に、核酸から小分子に及ぶ送達された分子は、細胞内で機能的であることが見出された。さらに、レチノイン酸及びビタミンC等のいくつかの天然物分子を用いて実施された研究により、その天然物に対する増強された安定化効果が実証されているため、この天然物はPHMBと組み合わせた場合に分解しにくい。
ここでは、本発明者らは、全体として、角質層への及び角質層を通る浸透を可能にするナノ粒子を形成するPHMBを用いた抗炎症剤及び/又は鎮痛剤の配合物の発明を記載する。
図1は、例1で説明したような、ジクロフェナク及びNanocinの配合物粒子サイズ(z平均)対多分散性指数(PDI)を示すグラフである。 図2aは、LM10捕捉ジクロフェナク及びPHMB粒子の画像である。 図2bは、例1で説明したような、20%エタノール中のジクロフェナク/Nanocin配合物に関する粒子集団対サイズのLM10プロファイルを示すグラフである。 図3は、例1で説明したような、脱水したジクロフェナクナノ粒子のSEM顕微鏡写真(10kV、10Kx倍率で画像化)を示す。 図4は、例1で説明したような、WETSEMカプセル中のナノ粒子の後方散乱画像(30kV、4.6kx倍率で画像化)を示す。 写真を示す。 写真を示す。 写真を示す。 写真を示す。 グラフを示す。 グラフを示す。 グラフを示す。 グラフを示す。 グラフを示す。 グラフである。 グラフである。 グラフである。 グラフである。 グラフである。 グラフである。 グラフである。 図5は、例1で説明したような、2時間、4時間及び24時間の時間にわたるTNF-α、IL-8及びIL-1α応答について検討したLPS用量(0~1μg/ml)を示すグラフである。 図6は、例1で説明したような、2時間、4時間及び24時間にわたるTHP-1細胞におけるLPSに対するIL-8応答を示すグラフである。 図7は、例1で説明したような、2時間、4時間及び24時間にわたるTHP-1細胞におけるLPS刺激に対するTNF-a応答を示すグラフである。 図8aは、24時間にわたるLPSによるTHP-1細胞に対する刺激の後のすべてのAPIの用量反応を伴うIL-8レベルを示すグラフである。 図8bは、APIの存在下(ここでは試料は1/5に希釈されている)でのTHP-1細胞に対する24時間のLPS曝露後のIL-8刺激を示すグラフである。 図8cは、10μg/ml LPSの存在下での種々の抗炎症剤(30μg/ml)の24時間インキュベーション後のTHP-1細胞におけるIL-8の放出を示すグラフである(IL-8レベルは細胞数で規格化されている)。 図8dは、Nanocinを伴う及び伴わない種々のAPIの存在下でのTHP-1細胞に対する24時間のLPS曝露後のIL-8刺激を示すグラフである。 図8eは、Nanocin(100μg/ml)を伴う及び伴わない30μg/mlの種々のAPIの存在下でのLPS刺激THP-1細胞に対する24時間インキュベーション後の生細胞の数を示すグラフである。 図8fは、2時間及び24時間におけるNanocinを用いた場合の経時的なTHP-1細胞生存率を示すグラフである。 図9は、例1で説明したような、Nanocinを伴う及び伴わないジクロフェナクの存在及び不存在下でのLPS刺激に対するTHP-1応答を示すグラフである(細胞数で規格化した後のIL-8応答)。 図10は、例1で説明したような、IL-8分泌(応答順)を示すグラフである。 図11は、例1で説明したような、Nanocinを伴う及び伴わないジクロフェナクの存在及び不存在下でのLPS刺激に対するTHP-1応答を示すグラフである(細胞数で規格化した後のTNF-a応答)。 図12は、例1で説明したような、TNF-α分泌(応答順)を示すグラフである。 図13は、例1で説明したような、NaCl試料強度を示すグラフである。 図14は、例1で説明したような、平均NaCl試料強度を示すグラフである。 図15は、例1で説明したような、ジクロフェナク+Nanocin及びジクロフェナク単独の角質層への浸透を示す断面画像である。 図16は、例2で利用した化学イメージングのための試料調製の概略図を示す。 図17は、例2で利用した、断面分析対テープストリップ分析を示す。 図18は、例2で説明した、断面画像(H&E染色後)の例を示す。 図19は、例2で説明した、API+NanocinについてのToF-SIMS化学イメージングを使用する断面分析を示す。 図20は、例2で説明した、タクロリムス+NanocinについてのToF-SIMS化学イメージングを使用する断面分析を示す。 図21は、例2で説明した、ジクロフェナク+NanocinについてのToF-SIMS化学イメージングを使用する断面分析を示す。 図22a~図22cは、例2で説明したAPI+テープストリップ分析を示すグラフを示す。図22aは、ポジティブスペクトル及びネガティブスペクトルにおけるシクロスポリン+Nanocinを示す。 図22a~図22cは、例2で説明したAPI+テープストリップ分析を示すグラフを示す。図22bは、ポジティブスペクトル及びネガティブスペクトルにおけるラパマイシン+Nanocinを示す。 図22a~図22cは、例2で説明したAPI+テープストリップ分析を示すグラフを示す。図22cは、ポジティブスペクトル及びネガティブスペクトルにおけるタクロリムス+Nanocinを示す。 図23a~図23cは、例2で説明したAPI+FITC-Nanocinテープストリップ分析の蛍光顕微鏡写真を示す。図23aは、対照TS1及びTS2についての顕微鏡写真を示す。 図23a~図23cは、例2で説明したAPI+FITC-Nanocinテープストリップ分析の蛍光顕微鏡写真を示す。図23bは、TS1及びTS2に対するタクロリムス+FITC-Nanocinについての顕微鏡写真を示す。 図23a~図23cは、例2で説明したAPI+FITC-Nanocinテープストリップ分析の蛍光顕微鏡写真を示す。図23cは、TS1及びTS2に対するジクロフェナク+FITC-Nanocinについての顕微鏡写真を示す。 図24は、例2で説明した、3つのリピートとしてのジクロフェナク+Nanocin TS1についてのToF-SIMS化学イメージングを使用する断面分析を示す。図24は、例2で説明した、3つのリピートとしてのジクロフェナク+Nanocin TS2についてのToF-SIMS化学イメージングを使用する断面分析を示す。 図25は、例2で説明した、3つのリピートとしてのジクロフェナク+Nanocin TS2についてのToF-SIMS化学イメージングを使用する断面分析を示す。 図26は、例2で説明した、3つのリピートとしてのジクロフェナク+Nanocin TS3についてのToF-SIMS化学イメージングを使用する断面分析を示す。 図27は、例2で説明した、3つのリピートとしてのジクロフェナクTS1についてのToF-SIMS化学イメージングを使用する断面分析を示す。 図28は、例2で説明した、3つのリピートとしてのジクロフェナクTS2についてのToF-SIMS化学イメージングを使用する断面分析を示す。 図29は、例2で説明した、3つのリピートとしてのジクロフェナクTS3についてのToF-SIMS化学イメージングを使用する断面分析を示す。 図30は、例2で説明した、a)対照試料(ブランク)1、b)対照試料(ブランク)2、c)ジクロフェナク試料1、d)ジクロフェナク試料2、e)ジクロフェナク+Nanocin1、f)ジクロフェナク+Nanocin2、g)ジクロフェナク+Nanocin3、及びh)ジクロフェナク+Nanocin4についてのToF-SIMS化学イメージングを使用する断面分析を示す。 図30の続きである。 図30の続きである。 図30の続きである。 図31は、ヒト対ブタのジクロフェナク及びnanocinの分布の%によるグラフを示す。試料は、ジクロフェナクの存在について定量LC-MSにより分析された。各試料中で見出された薬物の割合は、フランツセルの上側チャンバーに施用された全量と比べて算出された(%)。 図32は、ヒトの皮膚の研究におけるシクロオキシゲナーゼ1の阻害を示すグラフである。シクロオキシゲナーゼ-1(Cox-1)阻害は、Abcam(アブカム)製のアッセイキットを使用して製造業者の使用説明書に従って決定された。Cox-1の%阻害は、決定されて、平均のビヒクル単独処置に対して規格化された。
本発明の実施形態は、これより以下の実験及び添付の図面を参照して、例としてのみ記載される。
例1 - 治療剤としての抗炎症剤とNanocinとの薬物再配合
背景
炎症及び/又は疼痛の治療並びに管理のための治療剤としてどれを進めるのが最良かを決定するために、研究プログラムを、Nanocin(登録商標)(Tecrea Ltd(テクレア)、英国)(ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB))と配合したいくつかの抗炎症剤をスクリーニングするように選んだ。活性医薬成分(API)/Nanocin選択プロセスを以下の研究プログラムによって決定した。
・水及びエタノールのビヒクルの中での溶解度。
・粒子形成、サイズ及び品質に注目したときの選んだAPIとNanocinとの配合。
・注目する配合物のナノ粒子形成を確認するための電子顕微鏡観察の使用。
・APIの抗炎症活性の測定及びnanocinがこの効果に拮抗しないことの確認。
APIを配合することが皮膚へのAPIの送達を高めるか否かを判定するために、局所的皮膚塗布研究も使用した。
初期スクリーニングのために、異なる分類の5種の抗炎症剤を選んだ。それらを下記表1に詳述する。
Figure 0007476164000009
エタノール及び水の中の各化合物の溶解度を求めた。それを下記表2に示す。
Figure 0007476164000010
この後、Celcoxibはその不溶性のためこのプログラムから脱落したが、イブプロフェン(水及びエタノールの中でより良好な溶解度を持つ非選択的なCOX阻害剤)を代わりのものとして試験した。
配合研究
ジクロフェナク(D)が最も可溶性であったので、ジクロフェナク(D)を最初にNanocinと配合した。Nanocinに対するジクロフェナクの比(D:N)を試験し、比が異なると粒子サイズが変化することが示された。しかしながら、図1に示すように、多分散性指数(混合物中のナノ粒子サイズのばらつきの尺度)は、1:1mg/mlの混合物においてのみ「良好」として報告された。
20%エタノール中のジクロフェナクとNanocinの1:1mg/ml比は不透明な溶液を生成した。これは最初は不溶性によると考えられたが、30%エタノールビヒクルと水でも起こった。
上記複合配合物をNanosight LM10(ナノ粒子検出機)を通して処理したところ、この試料は明るすぎて読み取れなかったが、試料をフラッシュアウトする(流し出す)と多くのナノ粒子の兆候が見られた。この配合物は、走査することができるレベルのナノ粒子を得るために、100対1に希釈する必要があった。この希釈でさえ、粒子の数は、数十億個/mlで測定された(図2a参照)。
LM10及びDLSのデータから、この配合物の平均粒子サイズはおよそ150nmであり、モード(LM10から)は138nmであることが示された。1:1mg/ml溶液の1:100希釈で、粒子の数は7×10粒子/mlであった。多分散性指数はDLSで良好と記載された。個体数プロファイルは、図2bに見ることができる。
ジクロフェナク配合物のEM分析
上記配合物を、EM Support Systems Ltd(イーエム・サポート・システムズ)(英国)によって走査電子顕微鏡(SEM)を用いても調べた。最初に、乾燥試料として金でコーティングし、WET SEMも使用した。
図3に示した電子顕微鏡写真は、粒子が脱水後に100~300nmの間にあったことを示している。脱水過程で起こるナノ粒子間の架橋が存在したが、これは、一部には、ナノ粒子に形成されていない残渣ポリマーによっても引き起こされた可能性もあった。
上記ナノ粒子のWETSEMイメージングは成功裏に完了し、画像が得られた。図4は、溶液中のナノ粒子の後方散乱画像を示す。予想されるように、ナノ粒子がポリマーのみからなり、より大きなコントラストを与えることができるより重い元素がないので、コントラストは非常に低かったが、しかしながら、個々の粒子を見ることができる。加えて、いくつかの凝集又はより密な領域が観察されたが、これは、遊離ポリマーの存在によるものであった可能性がある。この遊離ポリマーもまた帯電しており、カプセルの表面に引き付けられるであろう。
他のAPIとの配合物
他のAPIを0.33:1mg/ml又は1:1mg/ml(API:Nanocin)の濃度でNanocinと配合した場合、両方においてナノ粒子が形成される証拠があった。
下記表3は、0.33:1mg/ml API:NanocinについてのDLSデータを示す。
Figure 0007476164000011
下記表4は、1:1mg/ml API:NanocinについてのDLSデータを示す。
Figure 0007476164000012
PDIはラパマイシンで高く、1:1mg/mlのD:N配合物のみがこれと共に「良好」との報告を与えたが、0.33:1mg/mlでは与えなかった。
炎症アッセイ
図5~図7は、THP-1細胞(ヒト単球細胞株)を用いて確立された抗炎症アッセイの結果を示す。リポ多糖(LPS)で刺激した後のサイトカイン(特に炎症に関連するものであるTNF-α、IL-8、IL-1αに注目)の放出は、化合物がもつ抗炎症作用の潜在的能力を試験するための有効なモデル系である(参考文献1)。
アッセイのための条件を標準化するために、LPS用量(0~1μg/ml)を、2時間、4時間及び24時間の時間にわたって、TNF-α、IL-8及びIL-1α応答について調べた。その結果、IL-1αとIL-8は24時間後に最大の発現を示したが、TNF-αは2~4時間の間でより早期に応答した。このことは炎症カスケードで周知である。IL-8とIL-1αはともに炎症反応の後期を示し、IL-8はより明瞭な応答曲線を示したので、IL-8はスクリーニング過程に進み、IL-1αは中止した。
IL-8による応答に対するAPI用量範囲
各APIの0~30μg/mlの用量範囲をTHP-1細胞アッセイで試験した(図8a参照)。ラパマイシン、ジクロフェナク、シクロスポリン及びタクロリムスは、LPS炎症反応の阻害においてイブプロフェンよりも強力であると思われた。タクロリムス及びシクロスポリンのMICは0.3μg/mlであり、ジクロフェナク及びラパマイシンは1μg/mlであった。
その後、APIを、Nanocin配合を伴う及び伴わずに、30μg/mlのAPI及び100μg/mlのNanocinの濃度で試験した。先に示したように、イブプロフェン(I)はIL-8放出の減少にほとんど影響を及ぼさなかったが、他のAPIは影響を及ぼした(図8b)。
図8bからの結果を各試料の細胞数で規格化し(図8c)、これにより、タクロリムスを30μg/mlでより効果的な抗炎症剤として特定した。
配合した試料及びNanocin単独を用いると、IL-8のレベルはほぼゼロに低下した(図8c)が、これはIL-8の放出を阻害したからではなく、Nanocinによる細胞死(図8d)によるものであった。
THP-1細胞は、Nanocin濃度に敏感であるので、この細胞に対してNanocin用量を実施した(図8e)。2時間後では10μg/mlの濃度で、24時間後では1μg/mlの濃度で、Nanocinは細胞生存率に有意な影響を及ぼした。
図9~図12に示されるように、配合物を、細胞生存率に影響を及ぼさない十分に低い濃度のNanocinで試験した。1:1mg/ml(Nanocin:API)を最初に20%エタノール中で配合し、次いで、ストック配合物を無血清培地で希釈し、1μg/ml又は0.1μg/mlの最終濃度で試験した。
まとめ
両方のサイトカイン測定で、ジクロフェナク単独及びNanocin単独がLPS刺激性炎症反応を低下させることが示された。一緒に処方した場合、分泌されたサイトカインのレベルは、LPS刺激応答よりも依然としてかなり少なかった。このデータは、Nanocinが単独である程度の抗炎症作用を有し得ることを示唆する。
局所的皮膚研究
例2でより詳細に記載されているように、ブタの耳の皮膚を用いて、インビトロ浸透研究を実施した。
実験的研究は、フランツ(Franz)セル中で皮膚に種々の配合物を施用し、無限用量として24時間それを放置することを含んだ。最初の配合物は20%エタノール中の1mg/mlのNanocinと300μg/mlのAPIであった。FITC標識Nanocinを使用する同じ濃度の配合物も使用した。検出方法は、フランツセル方法1:完全OCT包埋方法及び凍結切片化(Full OCT Embedding Method and Cryo-Sectioning);フランツセル方法2:部分OCT包埋及び凍結切片化(Partial OCT Embedding and Cryo-Sectioning);フランツセル方法3:部分OCT包埋及びテープストリッピング(Partial OCT Embedding and Tape Stripping);及び飛行時間型二次イオン質量分析(ToF-SIMS)蛍光顕微鏡法により行った。
簡単に述べると、この濃度では、角質層内に新たな二次イオンを有するNanocinを配合したジクロフェナクを除いて、全ての方法でAPIのいずれも検出できなかった。ジクロフェナクとnanocinとの共配合物が、異なるフィンガープリントをもたらす化合物のイオン化パターンの実質的な変化を引き起こしていると仮定された。
ジクロフェナクはシグナルの徴候を示しているので、既に皮膚治療に使用されている別のクラスの抗炎症剤としてタクロリムスを進行させることを決定し、次いでISACには、ToF SIMSにおけるシグナルを改善するために、1:1mg/ml API:Nanocinとしてより高い用量の配合物を提供した。
3つのジクロフェナク及び3つのジクロフェナク+nanocinからの上から3つのテープストリップのToF-SIMS分析は、上記組み合わせ配合物が、活性物のみでは浸透しない角質層の最上層への活性成分の浸透を誘発することを示唆しているように思われた。
ここでは、CN-(皮膚化学のマーカー)とジクロフェナク(塩)のマーカーとして用いたCl-、NaCl-及びNaCl-の分布を提示する。これらは、2つの試料タイプと対照(ブランク)との間の分散を探すピーク検索に基づいて使用した。
CN-マーカーは、皮膚組織の剥がしが成功し、この組織がそれぞれテープストリップ上に局在化されたことを示すために使用される。Cl-はある程度遍在していると見られ、限定的にしか本来の皮膚化学に関連しないが、NaCl-及びNaCl-のイオンマーカーは、対照試料と比較して強い分散を示し、活性成分と相関しているように見える。それらは上記化合物の塩構造の論理的フラグメントである。
ジクロフェナク+nanocinをジクロフェナク単独の試料と比較すると、前者のすべての試料のテープストリップ1~3にNaCl-イオン及びNaCl-イオンが不均一ではあるが実質的に存在しているが、後者のいずれにも存在しないと簡単に判断できる。Cl-は、両方の試料シリーズからの全てのテープストリップに存在するが、組み合わせ配合物において強度の顕著な増加を示す。
すべての試料からのイオン強度データをプロットし、それぞれの群に結合することで、この主張が支持される。
ジクロフェナクとnanocinの結果の一例を図15に示す。1mg/mlのジクロフェナクと1mg/mlのジクロフェナク+ジクロフェナク+Nanocinを比較したToF-SIMS断面分析は、nanocin配合物が角質層への(不均一に分布した)浸透を促進し、ジクロフェナクのみの配合物に関する浸透の証拠が減少したことを示唆することが分かった。
部分包埋法による試料調製は、より良好な試料安定性(下にある軟骨を残す)を提供するようであり、画像解析に対するOCTの影響を減少させた。
CN-及びPO2-を皮膚化学のマーカーとして使用し、Cl-、NaCl2-及びNa2Cl3-をジクロフェナク(塩)のマーカーとして使用した。
特に、対照試料は、角質層に蓄積されたこれらのマーカーの証拠を示さない。ジクロフェナク単独試料は、角質層領域、及び表皮全般において、これらのイオンの強度のわずかな上昇を示した。しかしながら、ジクロフェナク+nanocin試料は、角質層において有意な上昇を示し、強度において一貫性のない不均一なスパイクとして提示される。これらは、局在を確認するのに役立つPO2-シグナルの抑制としばしば相関する。
例2 - 浸透促進剤を伴う及び伴わない局所的に送達される活性医薬成分のインビトロ浸透評価
背景
これらの実験の目的は、浸透促進剤としてのNanocinを伴う及び伴わない、ブタ皮膚切片上の選択された活性医薬成分(API)の「インビトロ」浸透を評価することであった。
実験中、ラパマイシン、タクロリムス、イブプロフェン、シクロスポリン及びジクロフェナクAPIの局所送達及びその後の透過をモデル化するために、フランツセルプロトコルを開発することを計画した。次いで、これらのAPIを、単独及び同時配合したNanocinの両方でブタ皮膚に局所施用した。次いで、フランツセルから回収した皮膚切片を凍結ブロックし、続いて凍結切片を作製して、組織の断面スライスを得た。次いで、切片を飛行時間型二次イオン質量分析法(ToF-SIMS)及び蛍光顕微鏡法(FM)によって化学的に画像化し、APIの位置を突き止め、それらが皮膚切片に浸透した程度を評価した。純物質としてのAPIを表す二次イオンピークを、本プロジェクトの初期段階で特徴付けることにした。これらは、API分布を特定するために最初に使用された。(追加の)FITC標識nanocin変形体を使用して、蛍光活性浸透促進剤を提供し、この蛍光活性浸透促進剤を、次いで、FMによって検出して、配合物の範囲の浸透及び組織局在を決定することができた。蛍光ワークアップは、本プロジェクトの最初の部分で実施した。
フランツセル方法1:完全OCT包埋方法及び凍結切片化
フランツセル分析に用いたブタの耳は、地元の食肉処理場から入手した。屠殺されたブタの月齢は4~6ケ月齢の間であった。耳を脱イオン水で洗浄し、外側の皮膚を下にある軟骨から注意深く取り外した。次いで、切除した皮膚を、使用するまで-20℃で保存した。浸透実験に使用した全ての耳は、調達後6か月以内であった。
フランツセルを設定する前に、室温及び室内圧力で上記皮膚を放置することによってその皮膚を解凍した。この場合、ブタ皮膚上の過剰な毛は、トリミングしなかった(濾胞送達を特定する能力を促進するために)。この皮膚切片を、直径3cmのより小さな切片サイズに直接切断して、皮膚がフランツ拡散セルのドナーチャンバーとレセプターチャンバーとの間に装着され得ることを確実にした。
レセプターチャンバーは、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の10%エタノール3mlで満たされた。フランツセルを組み立てる際に、皮膚を37℃水浴中で30分間平衡化させた。これは、皮膚が生理的温度(32℃)に到達することを確実にするために実施した。次いで、この皮膚を、所望のAPI配合物で処理した。
23時間後、過剰の配合物を皮膚から取り除き、非引っ掻き性のスポンジを用いて3%Teepol(ティーポール)溶液で洗浄した。次いで、この皮膚切片を1cm×1cmの正方形(処理した皮膚部位の有効面積に対応する)に切断した。次いで、この皮膚切片を、最適切断温度(OCT)樹脂を含有するベースモールドに適合することができるように半分に切断した。この皮膚切片を、切片化したときに垂直断面が得られるように直立して配置した。ベースモールドを液体窒素浴中の冷却したアルミニウムブロック上に置き、OCTを硬化させた。次いで、このモールドを、断面にするまで-80℃で保存した。次いで、画像解析のためにいくつかの断面スライスを生成するために、Leica CM 3050 Sクライオスタットを使用して、連続的断面切片化を行った。
フランツセル方法2:部分OCT包埋及び凍結切片化
ブタの皮膚を入手し、上記の方法1と同じ様式で予備調製を行った。耳を脱イオン水で洗浄し、次いで使用まで-20℃で保存した。浸透実験に使用した全ての耳は、調達後6か月以内であった。この実験設定のために、軟骨に付着した内側皮膚を使用して、安定性が増強された切片を作製した。
フランツセルを設定する前に、室温及び室内圧力で上記皮膚を放置することによってその皮膚を解凍した。ブタ皮膚上の過剰な毛は、(濾胞送達を特定する能力を促進するために)標準プロトコルに従ってここでもトリミングせず、皮膚切片は、フランツ拡散セルのドナーチャンバーとレセプターチャンバーとの間に装着するために、直径3cmのより小さな切片に切断した。レセプターチャンバーは、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の10%エタノール3mlで満たした。
フランツセルを組み立てる際に、皮膚を37℃水浴中で30分間平衡化させた。これは、皮膚が生理的温度(32℃)に到達することを確実にするために実施した。次いで、この皮膚を、選択した配合物で処理した。23時間後、過剰の配合物を皮膚から取り除き、その切片を、非引っ掻き性のスポンジを使用して3% Teepol溶液で洗浄した。
上記皮膚切片を1cm×1cmの正方形(処理した皮膚部位面積に対応する)に切断した。次いで、この小さくした皮膚切片を半分に切断して液体窒素浴中の冷却されたアルミニウムブロック上に置き、皮膚固体を凍結した。次いで、切片化のための皮膚の部分がOCTに埋め込まれないことを確実にする目的で、これらの凍結皮膚切片を、OCTを部分的に満たしたベースモールドに直立して配置した。
次いで、上記皮膚切片を、断面にするまで-80℃で保存した。凍結切片化は、20μmの厚さまでLeica CM 3050 Sクライオスタットを使用して行った。得られた切片をガラス顕微鏡スライド上に移し、画像解析に進んだ。
フランツセル方法3:部分OCT包埋及びテープストリッピング
ブタの皮膚を入手し、処理後にフランツセルから試料を取り出すまで、方法1(上記)に記載したのと同じステップに従って、標準調製及びフランツセル処理を行った。
試料をフランツセル抽出に続いて1cm×1cmに切断したとき、その試料を標準化されたプロトコルに従って連続テープストリッピングに供した。粘着フィルムストリップを処理した皮膚領域に連続的に貼付し除去した。粘着テープをローラーを用いて皮膚上に押し付けて、皮膚表面を伸ばした。この方法に従って調製した各試料について、15本のテープストリップ層を収集した。得られたテープストリップを画像解析に進行させた。
飛行時間型二次イオン質量分析法(ToF-SIMS)
全てのToF-SIMS試料切片分析は、以下のような操作パラメーターを用いて超高真空条件下でToF-SIMS IV機器(ION-TOF GmbH(イオン-トフ)、ミュンスター(Muenster)、ドイツ)上で実施した。
・一次イオンビーム:ビスマス液体金属イオンガン(Bi3+) 25kV(約1.0のパルスターゲット電流)
・スパッタイオンビーム:NA
・分析装置:単段リフレクトロン
・電荷補償:pA。低エネルギー電子(20eV)
・データの取得及び分析:SurfaceLab6ソフトウェア(IONTOF GmbH)を使用して実施した。
イメージングに関する詳細
・分析した面積:500μm×500μmの面積にわたってデータを取得した。
・解像度:256×256画素
・走査数:20スキャン
蛍光顕微鏡法
CoolLED pE-4000蛍光照明、pE-100明視野照明及びニコンプランフルオール(plan Fluor)10x(0.30 NA)対物レンズを装着した倒立型ニコンEclipse T1及びQIMAGING optiMOSカメラを用いて、蛍光顕微鏡法用の試料断面を撮像した。蛍光は、490nmでの励起によって、410~500(露光時間50μs)、500~550(露光時間200μs)、550~650(露光時間200μs)、650~750(露光時間200μs)の発光を収集することで捕捉した。10μsの露光時間で明視野を捕捉した。全ての蛍光画像及び明視野画像を12ビット画像(0~4095)に補正した。
図16は、化学イメージングのための試料調製を概略的に示し、図17は、断面分析対テープストリップ分析を示す。図18は、断面画像(H&E染色後)の例を示す。
実験計画
プロジェクトの開始時の実験計画は、以下の項目を調製し分析することであった。
1. ToF-SIMSのためのAPI+Nanocin断面
> シクロスポリン+Nanocin断面
> イブプロフェン+Nanocin断面
> ラパマイシン+Nanocin断面
> タクロリムス+Nanocin断面
> ジクロフェナク+Nanocin断面
2. ToF-SIMSのためのAPI断面
> シクロスポリン断面
> イブプロフェン断面
> ラパマイシン断面
> タクロリムス断面
> ジクロフェナク断面
3. FMのためのAPI+FITC-Nanocin断面
> シクロスポリン+FITC-Nanocin断面
> イブプロフェン+FITC-Nanocin断面
> ラパマイシン+FITC-Nanocin断面
> タクロリムス+FITC-Nanocin断面
> ジクロフェナク+FITC-Nanocin断面
ToF-SIMS API+Nanocin断面分析
シクロスポリン+Nanocin試料はすべて角質層剥離を伴い不首尾であった。イブプロフェン+Nanocin試料はすべて角質層剥離を伴い不首尾であった。ラパマイシン+Nanocin(2つの試料は成功裏に調製した)の例示的なデータを図19に示す。皮膚表面又は角質層内での活性ワークアップにおいて特定されたラパマイシンマーカーの証拠はなく、これは浸透を暗示し得る。しかしながら、これは、検出アッセイの感度に起因していた可能性がある。ほとんどの空間的分散を示すイオンはOCT及び皮膚化学に関連し、対照試料(ブランク)と一致した。ラパマイシンの完全な欠如(検出不能)が示唆された。
タクロリムス+Nanocin
1つの試料は成功裏に調製され、1つの試料は重度の汚染のため除外した。データを図20に示す。皮膚表面、又は角質層内でのAPIワークアップにおいて、タクロリムスイオンマーカーの証拠は確認されず、これは浸透を暗示する。ほとんどの分散を示すイオンは、ここでも皮膚化学及びOCT媒体に関連しているようであり、対照試料(ブランク)と一致した。タクロリムスの完全な欠如(又は検出不能)が示唆された。
ジクロフェナク+Nanocin
2つの試料を成功裏に調製した。図21にデータを示す。皮膚表面、又は角質層内でのAPIワークアップにおいて特定されたジクロフェナクイオンマーカーの証拠はなく、これは浸透を暗示する。しかしながら、基準ワークアップでは見られなかった他のイオン(C14H27O2-、C16H31O2-、C14H29O8-及びC22H43O2-)を見ることができ、角質層への局在と一致する空間分散を実証する。これらのイオンは(200~400m/z)の質量範囲にあると見られ、対照試料(未処理)には存在しなかった。これは、nanocin-ジクロフェナクの共配合物が化合物化学のイオン化マトリックスに対して、著しく異なった二次イオンフィンガープリントを生成するのに十分な影響を与えるということを示唆している可能性がある。そうであるならば、この分析で見られるイオンは、ジクロフェナク-nanocin複合体の浸透を反映している可能性があるが、これには研究をさらに広げる必要がある。
API+nanocin断面試料のToF-SIMS分析は、いくつかの重要なポイントを強調した。
・この分析のためのブタの皮膚試料の調製の一貫性は不良であった。角質層の剥離は、持続的な問題であることが見出され、これらの処置を受けた試料の構造的完全性が低いことを特定した。従って、データは、全てのAPIについて収集されたわけではない。
・リファレンスから特定された二次イオンマーカーに基づいて、APIの局在化について成功裏に生成された試料について証拠を集めることはできなかった。
・しかしながら、ジクロフェナクの場合、注目する新しい二次イオンが角質層に関連することがコントラストサーチによって見られた。
・ジクロフェナクとnanocinとの共配合物は、上記化合物のイオン化パターンの実質的な変化を引き起こし、これが異なるフィンガープリントをもたらすと仮定した。
・この仮定が妥当であれば、これらの新しいマーカーは、ジクロフェナクの皮膚への浸透を示唆している可能性がある。
・しかしながら、API/nanocinの検出が検出限界を反映しているかどうかも不明である。
ToF-SIMSテープストリップ分析
以下の実験は、API/nanocinが検出可能であるべき分析領域を最大にし、検出の欠如が閾値の問題ではないことを確実にするために使用した。
> シクロスポリン+Nanocinテープストリップ
> イブプロフェン+Nanocinテープストリップ
> ラパマイシン+Nanocinテープストリップ
> タクロリムス+Nanocinテープストリップ
> ジクロフェナク+Nanocinテープストリップ
ToF-SIMS - API+Nanocinテープストリップ分析
図22aは、シクロスポリン+Nanocinの結果を示す。イブプロフェン+Nanocin試料はすべて角質層剥離を伴い不首尾であった。図22bは、ラパマイシン+Nanocinの結果を示す。図22cは、タクロリムス+Nanocinの結果を示す。ジクロフェナク+Nanocin試料では、すべてが角質層剥離を伴い不首尾であった。
API-nanocin処理テープストリップ試料のToF-SIMS分析は、断面データと一致した。
・この分析のためのブタの皮膚試料の調製の一貫性は、ここでも問題であることが見出された。角質層の剥離は持続しており、これらの処置を受けた試料の構造的完全性が低いことを特定した。従って、データは、全てのAPIについて収集されたわけではない。
・シクロスポリン、ラパマイシン及びタクロリムスの配合物(nanocinを伴う)について収集したデータは、S1.1で決定された代表的な二次イオンのイオン強度が、対照(ブランク試料)で見られるものとほぼ変わらないこと(テープストリップ1及び2において)を示した。
・これは、いかなる浸透についての証拠の欠如、及び上面での存在の証拠が限られている/全くないことを支持した。
テープストリップの蛍光顕微鏡法
FMイメージングがToF-SIMSデータと矛盾する明らかな浸透を示すかどうかを評価するために、2つのAPI(ジクロフェナク及びタクロリムス)FITC-nanocin試料を選択した。
> ジクロフェナク+FITC-nanocinテープストリップ
> タクロリムス+FITC nanocinテープストリップ
API+FITC-Nanocinテープストリップ分析のデータを図23a~23cに示す。処理後のAPI/nanocin配合物を検出する能力の検討をサポートするために、FITC標識nanocin-ジクロフェナク及びタクロリムスで処理した皮膚試料を、フランツセル方法3(部分OCT包埋とテープストリッピング)を用いて作製した。対照として作用するために、ブランク試料(処理なし)も調製した。
テープで剥がした試料は、皮膚表面の側面図を提供し、この側面の図は、断面調製物に対して活性物(フルオロフォア)を検出する能力を最大にするはずである。
収集したスタックからの上から3つのテープストリップ層(TS)をFMによってイメージングし、nanocin-API複合体の浸透がフルオロフォアの局在によって推測され評価され得るか否かを評価した。
上記の例示的画像(TS1及びTS2)及び収集された蛍光強度(FI)データは、タクロリムス及びジクロフェナク試料と比較して、対照試料上で見られた固有蛍光間に有意差がないことを示唆した。ジクロフェナク試料はTS1(上面)により多くの蛍光を示すように視覚的には見えたが、これはFIによって統計的に有意であるとは特定されなかった。
このデータは、皮膚表面に浸透又は存在する重要な成分(API/nanocin)の証拠がないというToF-SIMSテープストリップデータを支持した。
ジクロフェナク対ジクロフェナク+Nanocin高濃度濃度ToF-SIMS分析
ジクロフェナクは、浸透の何らかの示唆を特定する(断面分析)ことができる唯一の活性成分であったので、nanocinを伴って及び伴わずに、このAPIのみに焦点を当てることを決めた。検出効力を高めるために配合物中のAPIの高められた濃度(1mg/ml)を使用することも決めた。
さらには、試料調製の問題に対処し、皮膚切片の構造的完全性を改善する(剥離を回避する)ために、調整した調製方法を使用した。部分的包埋技術を使用することを可能にするのに十分な支持を提供するために、下にある軟骨に依然として付着した皮膚切片を使用した。これは、より堅牢な物理的構造を提供し、OCT浸出及び画像解釈の複雑化に関する分析上の問題を低減する追加の利点も有した。
これらの実験は以下のものを調べた。
> ジクロフェナク+Nanocinテープストリップ
> ジクロフェナクテープストリップ
> ジクロフェナク+Nanocin断面
> ジクロフェナク断面
図24はToF-SIMS ジクロフェナク+Nanocin TS1(リピート1~3)を示す。図25はToF-SIMSジクロフェナク+Nanocin TS2(リピート1~3)を示す。図26はToF-SIMSジクロフェナク+Nanocin TS3(リピート1~3)を示す。図27はToF-SIMSジクロフェナクTS1を示す。図28はToF-SIMSジクロフェナクTS2を示す。図29はToF-SIMSジクロフェナクTS3を示す。
図13及び14は、テープストリップ分析実験で使用したToF-SIMSイオン強度比較を示す。
観察
3種類のジクロフェナク及び3種類のジクロフェナク+nanocinから得た上から3つのテープストリップ(テープ片)のToF-SIMS分析は、組み合わせ配合物は、活性成分単独では浸透しない角質層の最上層への活性成分の浸透を誘発したことを示唆しているように思われた。
ここでは、CN-(皮膚化学のマーカー)とジクロフェナク(塩)のマーカーとして用いたCl-、NaCl-及びNaCl-の分布を提示する。これらは、2つの試料タイプと対照(ブランク)との間の分散を探すピーク検索に基づいて使用した。
CN-マーカーは、皮膚組織の剥がしが成功し、この組織がそれぞれテープストリップ上に局在化されたことを示すために使用される。Cl-はある程度遍在していると見られ、限定的にしか本来の皮膚化学に関連しないが、NaCl-及びNaCl-のイオンマーカーは、対照試料と比較して強い分散を示し、活性成分と相関しているように見える。それらは上記化合物の塩構造の論理的フラグメントである。
ジクロフェナク+nanocinをジクロフェナク単独の試料と比較すると、前者のすべての試料のテープストリップ1~3にNaCl-イオン及びNaCl-イオンが不均一ではあるが実質的に存在しているが、後者のいずれにも存在しないと簡単に判断できる。Cl-は、両方の試料シリーズからの全てのテープストリップに存在するが、組み合わせ配合物において強度の顕著な増加を示す。
すべての試料からのイオン強度データをプロットし、それぞれの群に結合することで、この主張が支持される。
図30は、ジクロフェナク対ジクロフェナク+Nanocinの結果を示す。
1mg/mlのジクロフェナクと1mg/mlのジクロフェナク+ジクロフェナク+Nanocinを比較したToF-SIMSの断面分析は、nanocin配合物が角質層への浸透を促進し(不均一に分布させ)、ジクロフェナクのみの配合物に関する浸透の証拠が減少したことを示唆することが分かった。
部分包埋法による試料調製は、より良好な試料安定性(下にある軟骨を残す)を提供するようであり、画像解析に対するOCTの影響を減少させた。
CN-及びPO2-を皮膚化学のマーカーとして使用し、Cl-、NaCl2-及びNa2Cl3-をジクロフェナク(塩)のマーカーとして使用した。
特に、対照試料は、角質層に蓄積されたこれらのマーカーの証拠を示さない。ジクロフェナク単独試料は、角質層領域、及び表皮全般において、これらのイオンの強度のわずかな上昇を示した。しかしながら、ジクロフェナク+nanocin試料は、角質層において有意な上昇を示し、強度において一貫性のない不均一なスパイクとして提示される。これらは、局在を確認するのに役立つPO2-シグナルの抑制と相関することが多い。
Nanocinの有無にかかわらず、シクロスポリン、イブプロフェン、ラパマイシン又はタクロリムスの浸透の証拠が認められなかったということは重要な知見ではあるが、これらのAPIを検出する方法の感度によるものであったことを考慮しないわけにはいかない。テープストリッピング分析及びToF-SIMSイメージングにより、nanocinと共配合した場合のジクロフェナク浸透を示すいくつかの証拠があった。
まとめ
フランツセル実験法により、API処理皮膚試料の全範囲を成功裏に生成した。しかしながら、その後の断面スライスへの試料の進行は、最も一般的には角質層の炎症及び剥離に起因するいくつかの試料の不備を伴い一貫性がないことが判明した。(FITC標識されていない)nanocin-API配合物で処理した試料に対してToF-SIMSを用いて収集した初期データは、特定されたイオンマーカーを用いてAPIもnanocinも検出できないという証拠を提供しなかった。API単独のToF-SIMS及びAPI+FITC-Nanocin FMを調べる実験は実施せず、このデータに基づいて方法調整を開始し、テープストリッピングを介して皮膚表面の何らかの横分析を行い、より大きな予想表面積を見た場合にイオンマーカーが検出され得るかどうかを確認した。
断面スライスについての二次イオンデータセットのより高度なデータ分析も行った。この研究は、ジクロフェナク-Nanocin試料切片が、角質層への(ブランク参照試料と比較して)独特の二次イオン局在のいくつかの証拠を示すことを強調した。これらのマーカー(質量範囲200~400m/z)は、基準ワークアップからリストアップされた基準マーカーと一致しなかった。他のAPI系については、そのような証拠は見出されなかった。これは、NanocinとAPIとの共配合物が、API及びnanocin単独に対して異なる二次イオン構造をもたらす独特のイオン化マトリックスを生成していることを示唆した。
FITC標識のnanocin-APIで処理した試料の蛍光顕微鏡画像は、皮膚の最初の3つのテープストリップ層内のフルオロフォアの証拠を示さなかった。このデータに基づいて追加の方法変更を開始し、ジクロフェナクに専ら焦点を当て、試料調製機構に変形例を使用して試料安定性を改善した。より高濃度(1mg/ml)のジクロフェナクを配合して、検出限界を確実に超えた。処理下の試料生存率を改善し、画像解析及び成分浸出に対するOCTの影響を取り除くという良好な効果を得るために、軟骨に依然として付着した皮膚切片に対して部分包埋プロトコルを用いた。試料生存率は改善され、試料ロスは減少し、化学イメージング能力はOCT化学の影響を除去することによって改善された。断面スライス及びテープストリップの両方を、ジクロフェナク(単独)及びジクロフェナク+nanocinで処理した試料を用いて調製した。
これら2つの系のリピートのテープストリッピング分析は、ToF-SIMS断面分析で特定された同じイオンの局在の差を示したが、ジクロフェナク構造に論理的に対応するより顕著な他のイオンマーカーも示した。テープストリップデータは、nanocin配合変形例におけるAPIの不均一な浸透を示唆し、API単独系では全く浸透しないことを示唆する。これは主にジクロフェナク塩に関連するイオン(Cl-、NaCl-、NaCl-)の使用に基づいていた。上記断面分析はこの主張を支持し、nanocinと同時配合した場合のジクロフェナク(上記に列挙した同じマーカーによる)の角質層への浸透を示唆する。角質層中のこれらのイオンの分布はいくらか不均一であり、強度のスパイクは特定の点に局在している。
例3 - ヒト皮膚研究
ヒト皮膚研究により、健常なヒトの皮膚へのNSAID(ジクロフェナク)の薬物送達増強が確認された(図31及び図32を参照)。ヒトの腹部の皮膚は、健康なヒトドナーから倫理的に入手した。三連の皮膚ディスクを、表皮面を最上にして静的拡散セル(フランツセル)中に配置した。薬物溶液(ジクロフェナク単独、又はナノ粒子を形成するためにポリヘキサニドと配合したジクロフェナク)を、フランツセルの上側チャンバーに添加した。このフランツセルを完全に組み立て、次いで、32℃で24時間インキュベーションした後、分析した。この時点で、フランツセルを分解し、皮膚ディスクを取り出した。このディスクを洗浄し、ティッシュで軽くたたくことによって乾燥させた。次いで、皮膚の上層を、粘着テープを使用して3回連続して剥離した。試料は、フランツセルの上側チャンバー及び下側チャンバーからも採取した。
全ての試料を、Waters ACQUITY QDa質量検出器を使用する定量LC-MSによってジクロフェナクの存在について分析した(図31)。加えて、テープストリップからの試料について、Abcamから購入したインビトロアッセイを用いて、シクロオキシゲナーゼ-1(Cox-1)に対する阻害能を分析した(図32)。
24時間では、レセプター液試料のいずれにおいても、ジクロフェナクはほとんど検出されず、これは、この時間で最小の薬物が皮膚を通過したことを示す。唯一の例外はジクロフェナク/ポリヘキサニド試料の1つについてであり、この試料では、かなりの量の施用した薬物がレセプター液中に見出された。しかしながら、これは、この1つの試料における皮膚ディスクを通過する流体の漏出によるものであった(図31;DN1:1_1)。
ジクロフェナク単独で処理したディスクと比較して、ジクロフェナク/ポリヘキサニドで処理した試料は、ジクロフェナク単独で処理した皮膚と比較して、ジクロフェナク/ポリヘキサニド皮膚テープストリップからのより高い薬物濃度によって示されるように、皮膚の上層への薬物送達が有意に増強されたことを示した(図31)。下記表6に要約するように、個々のテープストリップ中のジクロフェナク/ポリエキサニドで処理した試料:ジクロフェナク単独で処理した試料間の薬物の比は、各連続テープストリップで増加し、これは、皮膚の上層との薬物会合が増強されるだけでなく、皮膚への浸透が増強されることを示す。Cox-1アッセイは、これらの観察を確認し、さらに、ジクロフェナク/ポリヘキサニドで処理した試料からのテープストリップ中のジクロフェナクのレベルは、有意なCox-1阻害を生じるのに十分であるが、ジクロフェナク単独で処理した試料中のレベルはそうではないことを実証した(図32)。上側チャンバー内に残留する薬物の量の分析(図31)も、ジクロフェナク/ポリヘキサニド溶液において、おそらく皮膚への浸透のために、薬物の大部分がチャンバーから失われたことを実証した。対照的に、施用した薬剤の大部分はジクロフェナク単独処理物の上側チャンバーに留まっていた。
Figure 0007476164000013
皮膚のストリッピング後、テープストリップを5mlのメタノールに懸濁し、LC-MSによる分析の前にテープから薬物を可溶化した。
これらの結果は、ジクロフェナクとポリヘキサニドとの配合後のヒト皮膚へのジクロフェナクの明瞭で増強された皮膚送達を実証する。
上記の実施形態は、特許請求の範囲によって与えられる保護の範囲を限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明をどのように実施することができるかの例を記載することを意図する。
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Claims (15)

  1. ナノ粒子を形成することができるポリマーと、抗炎症剤及び/又は鎮痛剤とを含む炎症及び/又は疼痛の局所的な治療に使用するためのナノ粒子組成物であって、前記ポリマーが、直鎖状及び/若しくは分枝状若しくは環状のポリモノグアニド/ポリグアニジン、ポリビグアニドを含み、前記抗炎症剤及び/又は鎮痛剤が、以下の、ラパマイシン、タクロリムス、イブプロフェン、シクロスポリン、ジクロフェナク、及びナプロキセンから選択される1種以上を含む、前記ナノ粒子組成物。
  2. 前記ポリマーがポリヘキサメチレンビグアニドを含む請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ナノ粒子が前記抗炎症剤及び/若しくは鎮痛剤と共に、並びに/又は前記抗炎症剤及び/若しくは鎮痛剤の存在下で形成される請求項1又は請求項2に記載の組成物。
  4. 前記抗炎症剤が、非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)を含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記組成物が、緩衝剤、賦形剤、結合剤、油、水、乳化剤、グリセリン、酸化防止剤、防腐剤及び芳香剤のうちの1種以上の成分をさらに含む請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記炎症及び/又は疼痛が筋肉又は骨格のものである請求項に記載の組成物。
  7. 前記組成物が、腱、靱帯、筋肉及び関節の外傷、リウマチ、関節痛若しくは関節炎の治療において使用するためのものである請求項に記載の組成物。
  8. 前記組成物が、クリーム、ゲル、軟膏剤、スプレー、粉末、泡沫又はムースの形態にある請求項1から請求項のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 炎症及び/又は疼痛の治療に使用するための局所医薬の調製における、ラパマイシン、タクロリムス、イブプロフェン、シクロスポリン、ジクロフェナク、及びナプロキセンから選択される抗炎症剤及び/若しくは鎮痛剤を有する、又はラパマイシン、タクロリムス、イブプロフェン、シクロスポリン、ジクロフェナク、及びナプロキセンから選択される抗炎症剤及び/若しくは鎮痛剤と会合する1以上のナノ粒子を形成するためのポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)の使用。
  10. 前記抗炎症剤及び/又は鎮痛剤が非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)を含む請求項に記載のPHMBの使用。
  11. 前記ナノ粒子が、患部への抗炎症剤及び/又は鎮痛剤のための送達用媒体として使用される請求項に記載のPHMBの使用。
  12. 前記患部が筋肉領域又は骨格領域である請求項11に記載のPHMBの使用。
  13. 前記炎症及び/又は疼痛が、腱、靱帯、筋肉及び関節の外傷、リウマチ、関節痛又は関節炎を含む請求項から請求項12のいずれか1項に記載のPHMBの使用。
  14. 炎症及び/又は疼痛の局所的な治療のためのナノ粒子組成物の製造方法であって、直鎖状及び/若しくは分枝状若しくは環状のポリモノグアニド/ポリグアニジン、ポリビグアニドをラパマイシン、タクロリムス、イブプロフェン、シクロスポリン、ジクロフェナク、及びナプロキセンから選択される1種以上の抗炎症剤及び/又は鎮痛剤と混合する工程を備える方法。
  15. 前記方法が、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の組成物を製造するために使用される請求項14に記載の方法。
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