JP7474161B2 - 細胞計測プレート - Google Patents

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Description

本発明は、細胞外電位を計測するための細胞計測プレートに関する。
従来、複数の電極により構成される電極アレイ(Micro-Electrode Array)を備えた細胞計測容器を用いて、細胞の活動により生じる細胞外電位を計測するシステムが知られている。当該システムでは、例えば、神経細胞の細胞外電位を計測することができる。従来の細胞計測容器の構造は、特許文献1などに記載されている。
細胞計測容器の電極アレイは、複数の作用電極と、参照電極とを含む。細胞外電位を計測するときには、まず、細胞を含む培養液(細胞懸濁液)を、複数の作用電極の上に滴下する。その際、滴下された細胞懸濁液が、複数の作用電極を覆うようにする。しばらくすると、細胞懸濁液中の複数の細胞が、作用電極上に沈下して、細胞層を形成する。その後、複数の作用電極および参照電極に接続された計測装置により、細胞層の細胞外電位を計測する。
特表2002-523726号公報
この種の細胞計測容器の計測面のうち、作用電極の付近においては、滴下された細胞懸濁液が、複数の作用電極を覆うように、良好に拡がる必要がある。その一方で、参照電極は、細胞懸濁液と非接触に維持される必要がある。このため、細胞計測容器の計測面は、細胞懸濁液が拡がる範囲を、精密に制御できることが求められる。
また、この種の細胞計測容器では、電極から延びる配線を保護するための絶縁層に、SiOやポリイミドが使用される。SiOは、比較的親水性が高い。このため、作用電極の付近をSiOで覆えば、細胞懸濁液が良好に拡がる。しかしながら、SiOの成膜には、高価な真空成膜設備が必要であり、レジストパターンの形成のために多くの工数がかかる。一方、感光性ポリイミド等の感光性材料を使用すれば、レジストが不要であるため、少ない工数で安価に絶縁層を形成できる可能性がある。
ただし、感光性ポリイミドは、SiOと比べて親水性が低い。このため、作用電極の付近を感光性ポリイミドで覆うと、細胞懸濁液が良好に拡がらない場合がある。感光性ポリイミドの上面に、別途親水化処理を施すことも可能であるが、そうすると、細胞計測容器の製造時の工数が多くなる。また、細胞計測容器を繰り返し使用する場合には、細胞計測容器を洗浄する度に、再度親水化処理が必要となる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、細胞懸濁液に含まれる細胞の細胞外電位を計測するための細胞計測プレートにおいて、親水面を容易に得ることができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、細胞懸濁液が滴下される計測面となる上面を有し、前記細胞懸濁液に含まれる細胞の細胞外電位を計測するための細胞計測プレートであって、ベース層と、前記ベース層の上面に位置する導体層と、前記ベース層および前記導体層の上面の一部分を覆う絶縁層と、を有し、前記ベース層に対する前記細胞懸濁液の接触角は、前記絶縁層に対する前記細胞懸濁液の接触角よりも小さく、前記導体層は、前記絶縁層から露出した作用電極および参照電極を有し、前記計測面は、前記作用電極が配置される作用領域と、前記作用領域の外側に位置し、前記参照電極が配置される参照領域と、前記作用領域よりも外側かつ前記参照領域よりも内側に位置する、疎水領域と、を有し、前記作用領域の少なくとも一部分において、前記ベース層の上面が露出しており、前記導体層は、前記疎水領域において前記作用領域を包囲し、かつ、上面の少なくとも一部が露出する環状の部位をさらに含み、前記疎水領域に対する前記細胞懸濁液の接触角は、前記絶縁層に対する前記細胞懸濁液の接触角よりも大きい。
本願の第2発明は、第1発明の細胞計測プレートであって、前記ベース層の材料はガラスである。
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の細胞計測プレートであって、前記絶縁層の材料は、感光性ポリイミドである。
本願の第4発明は、第1発明から第3発明までのいずれか1発明の細胞計測プレートであって、前記導体層は、前記作用電極から延びる第1配線を有し、前記作用領域のうち、前記第1配線の上面は、前記絶縁層に覆われている。
本願の第5発明は、第1発明から第4発明までのいずれか1発明の細胞計測プレートであって、前記計測面は、前記作用領域よりも外側かつ前記参照領域よりも内側に、疎水領域を有し、前記疎水領域は、前記作用領域を包囲する環状の前記絶縁層を含み、かつ、前記絶縁層の上面が、半径方向に沿って繰り返される凹凸形状を有する。
本願の第発明は、第1発明から第4発明までのいずれか1発明の細胞計測プレートであって、前記絶縁層は、前記疎水領域において前記作用領域を包囲し、かつ、前記導体層を覆う環状の部位を含み、前記絶縁層の前記環状の部位は、上面が半径方向に沿って繰り返される凹凸形状を有し、前記凹凸形状を構成する溝の底部において前記導体層の上面が露出し、前記導体層に対する前記細胞懸濁液の接触角は、前記絶縁層に対する前記細胞懸濁液の接触角よりも大きい。
本願の第1発明~第発明によれば、ベース層の上面を露出させることで、絶縁層よりも親水性が高い親水面を、容易に得ることができる。また、作用領域に滴下された細胞懸濁液が、疎水領域により堰き止められる。これにより、細胞懸濁液が参照領域まで拡がることを抑制できる。
第1実施形態に係る細胞計測容器の斜視図である。 第1実施形態に係る細胞計測容器の上面図である。 図2のA-A線に沿った底部の断面図である。 作用領域の部分上面図である。 細胞計測容器の製造手順を示したフローチャートである。 絶縁層に感光性ポリイミドを使用した場合の、ステップS4の様子を示す断面図である。 細胞懸濁液が滴下された底部の断面図である。 第2実施形態に係る細胞計測容器の上面図である。 図8のB-B線に沿った底部の断面図である。 第3実施形態に係る細胞計測容器の上面図である。 図10のC-C線に沿った底部の断面図である。 第4実施形態に係る細胞計測容器の上面図である。 図12のD-D線に沿った底部の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<1.第1実施形態>
<1-1.細胞計測容器の構成>
図1は、第1実施形態に係る細胞計測容器1の斜視図である。図2は、第1実施形態に係る細胞計測容器1の上面図である。この細胞計測容器1は、内部に細胞懸濁液が滴下され、細胞懸濁液に含まれる複数の細胞の細胞外電位を計測するための容器である。図1および図2に示すように、細胞計測容器1は、底部10と側壁部20とを有する。底部10は、水平面に沿って円板状に広がる。側壁部20は、底部10の周縁部から上方へ向けて円筒状に延びる。本実施形態では、細胞計測容器1の底部10が、「細胞計測プレート」として機能する。底部10の上面は、細胞懸濁液が滴下される計測面30となる。
以下、底部10の詳細な構造について説明する。
図3は、図2のA-A線に沿った底部10の断面図である。ただし、図3では、後述する第1配線123および第2配線124の図示が省略されている。図3に示すように、底部10は、ベース層11、導体層12、および絶縁層13を有する。ベース層11の材料には、例えば、絶縁体である透明なガラスが使用される。導体層12の材料には、例えば、導体である金(Au)などの金属が使用される。絶縁層13の材料には、例えば、絶縁体である感光性ポリイミドなどの樹脂が使用される。
ベース層11は、平板状である。すなわち、ベース層11は、平坦な上面を有する。導体層12は、ベース層11の上面に位置する。導体層12は、細胞外電位を計測するための複数の電極(電極アレイ)を含む。具体的には、導体層12は、複数の作用電極121、複数の参照電極122、複数の第1配線123、および複数の第2配線124を有する。複数の参照電極122は、複数の作用電極121よりも半径方向の外側に位置する。作用電極121と参照電極122とは、互いに電気的に絶縁されている。
複数の第1配線123は、それぞれ、作用電極121から細胞計測容器1の外側へ向けて延びている。すなわち、作用電極121と第1配線123とは、互いに電気的に接続されている。複数の第2配線124は、それぞれ、参照電極122から細胞計測容器1の外側ヘ向けて延びている。すなわち、参照電極122と第2配線124とは、互いに電気的に接続されている。そして、複数の第1配線123および複数の第2配線124の外側の端部は、細胞計測容器1の外部に配置された計測装置(図示省略)と電気的に接続される。これにより、細胞計測容器1と計測装置とを含む計測システムが構成される。
絶縁層13は、ベース層11および導体層12の上面の一部分を覆う。具体的には、導体層12のうち、複数の第1配線123および複数の第2配線124は、絶縁層13に覆われる。また、導体層12のうち、複数の作用電極121および複数の参照電極122は、絶縁層13から露出する。
底部10の上面である計測面30は、作用領域31と参照領域32とを有する。作用領域31は、計測面30の中央に位置する円形の領域である。参照領域32は、作用領域31よりも半径方向の外側に位置する円環状の領域である。複数の作用電極121は、作用領域31に配置される。複数の参照電極122は、参照領域32に配置される。
本実施形態では、作用領域31に、16個の作用電極121が、4行4列のマトリクス状に配置されている。ただし、作用電極121の数および配置は、本実施形態の例には限定されない。複数の作用電極121は、互いに間隔を空けて配置されていればよい。また、本実施形態では、上面視における各作用電極121の形状が、正方形である。しかしながら、上面視における各作用電極121の形状は、長方形、円形などの他の形状であってもよい。
本実施形態では、参照領域32に、4つの参照電極122が配置されている。4つの参照電極122は、計測面30の中央を中心として等角度間隔で配置されている。ただし、参照電極122の数および配置は、本実施形態の例には限定されない。複数の参照電極122は、互いに間隔を空けて配置されていればよい。また、本実施形態では、上面視における各参照電極122の形状が、正方形である。しかしながら、上面視における各参照電極の形状は、長方形、円形などの他の形状であってもよい。
図3に示すように、作用領域31は、その大部分において、ベース層11の上面が露出している。具体的には、作用領域31のうち、複数の作用電極121および複数の第1配線123の付近を除いた領域において、ベース層11の上面が露出している。
ベース層11に対する細胞懸濁液の接触角は、絶縁層13に対する細胞懸濁液の接触角よりも、小さい。例えば、絶縁層13の材料が感光性ポリイミドである場合、絶縁層13に対する細胞懸濁液の接触角は、60~70度程度である。これに対し、ベース層11の材料がガラスである場合、ベース層11に対する細胞懸濁液の接触角は、30度以下となる。したがって、作用領域31のベース層11が露出した面は、絶縁層13の上面よりも親水性が高い面となる。以下では、作用領域31のうち、ベース層11の上面が露出した部分を「親水領域311」と称する。
図4は、作用領域31の部分上面図である。上述の通り、本実施形態の細胞計測容器1では、作用領域31の大部分が、絶縁層13に覆われていない。ただし、図4のように、第1配線123の上面は、絶縁層13に覆われている。これにより、計測対象となる細胞が、第1配線123の上面に接触することが防止される。
<1-2.細胞計測容器の製造方法>
続いて、上述した細胞計測容器1の製造方法について、説明する。図5は、細胞計測容器1の製造手順を示したフローチャートである。図5には、各工程における底部10の断面の様子が、併記されている。
細胞計測容器1の製造時には、まず、ベース層11の上面に導体層12を形成する(ステップS1)。このステップS1では、液相成膜法または気相成膜法により、ベース層11の上面の全面に、導体層12を形成する。次に、フォトリソグラフィ法により、導体層12を、複数の作用電極121、複数の参照電極122、複数の第1配線123、および複数の第2配線124を含む形状に成形する(ステップS2)。
続いて、ベース層11および導体層12の上面に、絶縁層13を形成する(ステップS3)。このステップS3では、真空蒸着法、スパッタリング、またはスピンコーティングにより、ベース層11および導体層12の露出した上面全体に、絶縁層13を形成する。
その後、絶縁層13を部分的に除去する(ステップS4)。これにより、複数の作用電極121の上面と、複数の参照電極122の上面とを、露出させる。また、作用領域31において、ベース層11の上面を露出させて、上述した親水領域311を形成する。
図6は、絶縁層13の材料に感光性ポリイミドを使用した場合の、ステップS4の様子を示す断面図である。ステップS4では、まず、絶縁層13の上面に、マスク14を配置する。マスク14は、透光部141と遮光部142とを有する。作用電極121および参照電極122の上方には、透光部141が配置される。第1配線123および第2配線124(図6では図示省略)の上方には、遮光部142が配置される。また、作用領域31のうち、上述した親水領域311に相当する部分の上方には、透光部141が配置される。また、参照領域32のうち、参照電極122以外の部分の上方には、遮光部142が配置される。
この状態で、マスク14の上部から下方へ向けて、光を照射する。そうすると、透光部141を通過する光により、絶縁層13が部分的に露光される。すなわち、絶縁層13のうち、作用電極121の上面に位置する部分、参照電極122の上面に位置する部分、および親水領域311に相当する部分に、光が照射される。これにより、絶縁層13のこれらの部分が露光される。
その後、細胞計測容器1を現像液に浸漬することにより、絶縁層13の露光した部分を除去する。これにより、複数の作用電極121の上面と、複数の参照電極122の上面とが、露出する。また、作用領域31のうち、上述した親水領域311に相当する部分において、ベース層11の上面が露出する。
<1-3.細胞計測容器の使用方法>
この細胞計測容器1を用いて細胞外電位を計測するときには、まず、作業者が、水平な台の上に細胞計測容器1を載置する。そして、作業者が、細胞計測容器1の計測面30の作用領域31に、細胞懸濁液を滴下する。細胞懸濁液は、複数の細胞を含む培養液等の液体である。細胞懸濁液の滴下量は、例えば、数μL程度とされる。
図7は、細胞懸濁液9が滴下された底部10の断面図である。上述の通り、作用領域31の大部分は、ベース層11の上面が露出した親水領域311となっている。このため、作用領域31に滴下された細胞懸濁液9は、図7のように、作用領域31の全体に良好に拡がる。そして、複数の作用電極121を含む作用領域31の全体が、細胞懸濁液9に覆われる。また、作用領域31の周縁部は、ベース層11よりも親水性が低い絶縁層13によって、円環状に囲まれている。このため、細胞懸濁液9の拡がりは、作用領域31と絶縁層13との境界で停止する。これにより、細胞懸濁液9が、作用領域31よりも外側へ拡がることが抑制される。
細胞懸濁液9を滴下した後、作業者は、細胞計測容器1を水平に載置したまま、所定時間待機する。そうすると、細胞懸濁液9に含まれる複数の細胞が、液中を沈下する。これにより、計測面30の作用領域31上に、シート状の細胞層が形成される。そして、複数の作用電極121が、細胞層に覆われる。この細胞層の厚みは、上面視における細胞懸濁液9の面積が大きいほど薄くなり、上面視における細胞懸濁液9の面積が小さいほど厚くなる。ただし、この細胞計測容器1では、上面視における細胞懸濁液9の面積は、作用領域31の面積と略同一となる。したがって、細胞懸濁液9中の細胞の濃度が一定であれば、作用電極121上に形成される細胞層の厚みを、一定とすることができる。
細胞層が形成された後、作業者は、作用電極121および参照電極122と電気的に接続された計測装置により、細胞層の活動に起因する細胞外電位を計測する。具体的には、複数の作用電極121により検出される電位と、複数の参照電極122により検出される電位との差を、細胞固有の電位として計測する。
<1-4.効果>
以上のように、この細胞計測容器1は、作用領域31において、絶縁層13を除去することにより、ベース層11の上面を露出させている。そして、そのベース層11が露出した面を、親水領域311として利用している。このため、絶縁層13の表面に親水化処理を施したり、親水性の高い材料層を別途形成したりすることなく、親水面を容易に得ることができる。特に、親水領域311は、上述したステップS4で、作用電極121や参照電極122の上面の絶縁層13を除去するのと同時に、作用領域31の絶縁層13を除去することにより、形成される。したがって、細胞計測容器1の製造工程の数を増加させることなく、親水領域311を形成できる。
なお、細胞の種類等により、作用領域31に対する細胞懸濁液9の最適な接触角は異なる場合がある。しかしながら、上述した細胞計測容器1の製造工程において、ステップS4の際に使用するマスク14のパターンを変更すれば、作用領域31の絶縁層13を除去しないことも可能である。その場合、作用領域31は絶縁層13に覆われたままとなる。したがって、作用領域31に対する細胞懸濁液9の接触角を大きくすることができる。すなわち、本実施形態の構造によれば、作用領域31のベース層11を露出させて親水領域311を得る場合と、作用領域31に絶縁層13を残して作用領域の親水性を抑える場合とを、製造時の工程数を変更することなく、容易に選択できる。
<2.第2実施形態>
図8は、第2実施形態に係る細胞計測容器1の上面図である。図9は、図8のB-B線に沿った底部10の断面図である。ただし、図9では、第1配線123および第2配線124の図示が省略されている。この第2実施形態では、計測面30が、作用領域31および参照領域32だけではなく、疎水領域33を有する。疎水領域33は、作用領域31よりも半径方向の外側、かつ、参照領域32よりも半径方向の内側に位置する、円環状の領域である。
本実施形態では、疎水領域33が、ベース層11と絶縁層13の二層構造となっている。すなわち、疎水領域33は、作用領域31を包囲する円環状の絶縁層13を含む。また、疎水領域33の絶縁層13は、複数の溝131を有する。複数の溝131は、計測面30の中央を中心とする同心円環状である。したがって、疎水領域33の絶縁層13は、半径方向に沿って繰り返される凹凸形状を有する。
このように、絶縁層13の上面に凹凸形状を設ければ、絶縁層13の上面に対する細胞懸濁液の接触角を、凹凸形状が無い場合よりも大きくすることができる。これにより、絶縁層13の当該上面の疎水性を高めることができる。したがって、作用領域31に滴下された細胞懸濁液を、疎水領域33において、良好に堰き止めることができる。その結果、細胞懸濁液が参照領域32まで拡がることを、より抑制できる。
複数の溝131は、細胞計測容器1の製造方法の上述したステップS4において、絶縁層13の溝131に相当する部分を除去することにより、形成される。このため、細胞計測容器1の製造工程の数を増加させることなく、疎水領域33を形成できる。
なお、複数の溝131は、図9のように、絶縁層13を貫通してベース層11の上面まで至るものであってもよく、あるいは、絶縁層13を貫通しない浅い溝であってもよい。ただし、絶縁層13を貫通させる場合であっても、第1配線123の上面は、絶縁層13に覆われた状態とする。
また、疎水領域33の溝131の形状は、円環状に限定されるものではない。例えば、絶縁層13に、上面視において格子状の溝を形成し、それにより、半径方向に沿って繰り返される凹凸形状が形成されていてもよい。
<3.第3実施形態>
図10は、第3実施形態に係る細胞計測容器1の上面図である。図11は、図10のC-C線に沿った底部10の断面図である。ただし、図11では、第1配線123および第2配線124の図示が省略されている。この第3実施形態では、計測面30が、作用領域31および参照領域32だけではなく、疎水領域33を有する。疎水領域33は、作用領域31よりも半径方向の外側、かつ、参照領域32よりも半径方向の内側に位置する、円環状の領域である。
本実施形態では、疎水領域33が、ベース層11と導体層12の二層構造となっている。すなわち、疎水領域33は、作用領域31を包囲する円環状の導体層12を含む。また、疎水領域33の導体層12の上面は、絶縁層13に覆われることなく、露出している。
導体層12に対する細胞懸濁液の接触角は、絶縁層13に対する細胞懸濁液の接触角よりも大きい。例えば、絶縁層13の材料が感光性ポリイミドである場合、絶縁層13に対する細胞懸濁液の接触角は、60~70度程度である。これに対し、導体層12の材料が金である場合、導体層12に対する細胞懸濁液の接触角は、約80度となる。したがって、導体層12の上面を露出させれば、絶縁層13に覆われている場合よりも、疎水性を高めることができる。したがって、作用領域31に滴下された細胞懸濁液を、疎水領域33において、良好に堰き止めることができる。その結果、細胞懸濁液が参照領域32まで拡がることを、より抑制できる。
疎水領域33は、細胞計測容器1の製造方法の上述したステップS4において、絶縁層13を除去することにより、形成される。このため、細胞計測容器1の製造工程の数を増加させることなく、疎水領域33を形成できる。
なお、疎水領域33を構成する導体層12は、作用電極121から延びる第1配線123とは、絶縁されていることが望ましい。したがって、導体層12は、全体として円環状に形成されているものの、第1配線123との間には、僅かな隙間が設けられていることが望ましい。また、疎水領域33においても、第1配線123の上面は、絶縁層13に覆われた状態とする。
<4.第4実施形態>
図12は、第4実施形態に係る細胞計測容器1の上面図である。図13は、図12のD-D線に沿った底部10の断面図である。ただし、図13では、第1配線123および第2配線124の図示が省略されている。この第4実施形態では、計測面30が、作用領域31および参照領域32だけではなく、疎水領域33を有する。疎水領域33は、作用領域31よりも半径方向の外側、かつ、参照領域32よりも半径方向の内側に位置する、円環状の領域である。
本実施形態では、疎水領域33が、ベース層11、導体層12、および絶縁層13の三層構造となっている。すなわち、疎水領域33は、作用領域31を包囲する円環状の導体層12と、作用領域31を包囲する円環状の絶縁層13と、を含む。疎水領域33の絶縁層13は、複数の溝131を有する。複数の溝131は、計測面30の中央を中心とする同心円環状である。したがって、疎水領域33の絶縁層13は、半径方向に沿って繰り返される凹凸形状を有する。また、各溝131の底部と、疎水領域33の内周部付近とにおいては、導体層12の上面が、絶縁層13に覆われることなく、露出している。
このように、本実施形態の構造では、疎水領域33において、絶縁層13の上面に凹凸形状が設けられ、かつ、導体層12の上面が露出している。このため、絶縁層13の凹凸形状による疎水効果と、導体層13の上面による疎水効果との、両方を得ることができる。したがって、作用領域31に滴下された細胞懸濁液を、疎水領域33において、より良好に堰き止めることができる。その結果、細胞懸濁液が参照領域32まで拡がることを、より抑制できる。
<5.変形例>
以上、本発明の第1実施形態~第4実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の実施形態では、ベース層11の材料の例としてガラスを挙げ、導体層12の材料の例として金を挙げ、絶縁層13の材料の例として感光性ポリイミドを挙げた。しかしながら、ベース層11の材料は、ガラス以外の絶縁体であってもよい。また、導体層12の材料は、金以外の導体であってもよい。また、絶縁層13の材料は、感光性ポリイミド以外の絶縁体であってもよい。ベース層11の材料は、絶縁層13の材料よりも、細胞懸濁液の接触角が小さいものであればよい。なお、絶縁層13の材料は、製造時にレジストが不要な感光性材料であることが望ましい。
また、上記の実施形態では、計測面30の形状が、上面視において円形であった。しかしながら、計測面30の形状は、上面視において楕円形、正方形の他の形状であってもよい。
また、上記実施形態の細胞計測容器1は、単一の凹部を有するシングルウェルタイプの容器であった。しかしながら、細胞計測容器1は、複数の凹部を有するマルチウェルタイプ状の容器であってもよい。そして、複数の凹部のそれぞれの底部が、上記実施形態の底部10と同等の構造であってもよい。
また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 細胞計測容器
9 細胞懸濁液
10 底部
11 ベース層
12 導体層
13 絶縁層
14 マスク
20 側壁部
30 計測面
31 作用領域
32 参照領域
33 疎水領域
121 作用電極
122 参照電極
123 第1配線
124 第2配線
131 溝
141 透光部
142 遮光部
311 親水領域

Claims (6)

  1. 細胞懸濁液が滴下される計測面となる上面を有し、前記細胞懸濁液に含まれる細胞の細胞外電位を計測するための細胞計測プレートであって、
    ベース層と、
    前記ベース層の上面に位置する導体層と、
    前記ベース層の上面の一部分および前記導体層の上面の一部分を覆う絶縁層と、
    を有し、
    前記ベース層に対する前記細胞懸濁液の接触角は、前記絶縁層に対する前記細胞懸濁液の接触角よりも小さく、
    前記導体層は、前記絶縁層から露出した作用電極および参照電極を有し、
    前記計測面は、
    前記作用電極が配置される作用領域と、
    前記作用領域の外側に位置し、前記参照電極が配置される参照領域と、
    前記作用領域よりも外側かつ前記参照領域よりも内側に位置する、疎水領域と、
    を有し、
    前記作用領域の少なくとも一部分において、前記ベース層の上面が露出しており、
    前記導体層は、前記疎水領域において前記作用領域を包囲し、かつ、上面の少なくとも一部が露出する環状の部位をさらに含み、
    前記疎水領域に対する前記細胞懸濁液の接触角は、前記絶縁層に対する前記細胞懸濁液の接触角よりも大きい、細胞計測プレート。
  2. 請求項1に記載の細胞計測プレートであって、
    前記ベース層の材料はガラスである、細胞計測プレート。
  3. 請求項1または請求項2に記載の細胞計測プレートであって、
    前記絶縁層の材料は、感光性ポリイミドである、細胞計測プレート。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の細胞計測プレートであって、
    前記導体層は、前記作用電極から延びる第1配線を有し、
    前記作用領域のうち、前記第1配線の上面は、前記絶縁層に覆われている、細胞計測プレート。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の細胞計測プレートであって、
    前記計測面は、前記作用領域よりも外側かつ前記参照領域よりも内側に、疎水領域を有し、
    前記疎水領域は、前記作用領域を包囲する環状の前記絶縁層を含み、かつ、前記絶縁層の上面が、半径方向に沿って繰り返される凹凸形状を有する、細胞計測プレート。
  6. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の細胞計測プレートであって、
    前記絶縁層は、前記疎水領域において前記作用領域を包囲し、かつ、前記導体層を覆う環状の部位を含み、
    前記絶縁層の前記環状の部位は、上面が半径方向に沿って繰り返される凹凸形状を有し、前記凹凸形状を構成する溝の底部において前記導体層の上面が露出し、
    前記導体層に対する前記細胞懸濁液の接触角は、前記絶縁層に対する前記細胞懸濁液の接触角よりも大きい、細胞計測プレート。
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