JP7472845B2 - X線撮影装置および画像処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、X線撮影装置および画像処理方法に関し、特に、被検体の骨領域を抽出するX線撮影装置および画像処理方法に関する。
従来、大腿骨および骨盤を含む領域(骨領域)を抽出する骨密度計測方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に記載の骨密度計測方法では、DEXA法(Dual Energy x-ray Absorptiometry法:二重エネルギーX線吸収測定法)を用いて大腿骨および骨盤を含む領域の骨密度を測定するために、撮影されたX線画像から、軟部組織と骨の部分とを区別する。上記特許文献1に記載の骨密度計測方法では、軟部組織と骨の部分とを区別するために、予め定められたしきい値に基づいて、X線画像の画素濃度から骨の部分と軟部組織とを区別する2値画像が生成される。この2値画像における軟部組織部分および骨部分にはノイズが含まれるため、2値画像に対して平滑化などのノイズ除去処理が行われる。
特開平07-284020号公報
ここで、取得されたX線画像から骨の部分(骨領域)を抽出するための2値画像(抽出画像)を生成する場合には、骨盤の上部側の腸骨などの骨の薄い部分が、骨ではない軟部組織として処理される場合がある。また、腸骨以外にも、実際には骨が存在する領域が軟部組織の領域(背景領域)として処理される場合がある。その場合には、骨領域の中には、複数の孤立する点または領域(孔部)が含まれる。そのため、生成された抽出画像から孤立する点および領域を除外する必要がある。しかしながら、骨盤の下部には、生理学的な孔部である閉鎖孔が存在するため、上記特許文献1に記載されている骨密度計測方法のような、平滑化などのノイズ除去処理では、骨領域の内部の孔部から閉鎖孔に対応する閉鎖孔領域を区別することができず、実際の骨部に対応する領域を正確に抽出することが困難である。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、骨盤の閉鎖孔を区別しながら、実際の骨部に対応する領域を正確に抽出することが可能なX線撮影装置および画像処理方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるX線撮影装置は、被検体の大腿骨および骨盤を含む診断対象部位にX線を照射するX線照射部と、X線照射部によって照射されたX線を検出するX線検出部と、X線検出部によって検出されたX線によるX線画像から、診断対象部位の骨領域を抽出する処理を行う画像処理部と、を備え、画像処理部は、X線画像から診断対象部位の骨領域を抽出した抽出画像を生成する抽出画像生成部と、抽出画像生成部によって生成された抽出画像から、被検体の骨盤の生理学的な孔部である閉鎖孔に対応する閉鎖孔領域を含む領域を区分することによって、閉鎖孔領域を区別しながら、被検体の骨盤の腸骨の腸骨翼に対応する腸骨翼領域を含む骨領域の孔部を補完する骨領域補完部と、を含む。なお、ここで言う「骨領域の孔部の補完」とは、抽出画像において骨であると判定された骨領域の内部に、骨以外の領域(背景領域)であると判定された領域(孔部)が存在する場合に、孔部を埋めることによって骨領域の内部に含まれる骨以外の領域を除去することを意味する。
この発明の第2の局面における画像処理方法は、被検体の大腿骨および骨盤を含む診断対象部位にX線を照射するステップと、照射されたX線を検出するステップと、検出されたX線によるX線画像から診断対象部位の骨領域を抽出した抽出画像を生成するステップと、生成された抽出画像から、被検体の骨盤の生理学的な孔部である閉鎖孔に対応する閉鎖孔領域を含む領域を区分することによって、閉鎖孔領域を区別しながら、被検体の骨盤の腸骨の腸骨翼に対応する腸骨翼領域を含む骨領域の孔部を補完するステップと、を備える。
上記第1の局面におけるX線撮影装置、および、上記第2の局面における画像処理方法では、生成された抽出画像から、被検体の骨盤の生理学的な孔部である閉鎖孔に対応する閉鎖孔領域を含む領域を区分することによって、閉鎖孔領域を区別しながら、被検体の骨盤の腸骨の腸骨翼に対応する腸骨翼領域を含む骨領域の孔部を補完する。これにより、抽出画像から閉鎖孔領域を含む領域を区分するため、閉鎖孔領域以外の骨の中の孤立する点および領域(孔部)を閉鎖孔領域と区別することができる。そのため、補完される骨領域の孔部と閉鎖孔領域とを区別しながら、骨が薄いために骨領域の中に孔部が発生しやすい腸骨翼領域を含む骨領域の中の孔部を補完することができる。その結果、骨盤の閉鎖孔を区別しながら、実際の骨部に対応する領域を正確に抽出することができる。
第1実施形態によるX線撮影装置の構成を示した図である。 第1実施形態によるX線画像を説明するための図である。 第1実施形態による学習済みモデルに基づく抽出画像の生成について説明するための図である。 第1実施形態による抽出画像および対象画像を説明するための図である。 第1実施形態による骨領域の孔部の補完について説明するための図である。 第1実施形態による部分画像の取得について説明するための図である。 第1実施形態による閉鎖孔領域の識別について説明するための図である。 第1実施形態による識別結果画像の生成について説明するための図である。 第1実施形態による抽出画像に含まれる被検体の手の部分を除去する例を説明するための図である。 第1実施形態による画像処理方法について説明するためのフローチャート図である。 第2実施形態によるX線撮影装置の構成を示した図である。 第2実施形態による抽出画像および対象画像を説明するための図である。 第2実施形態による識別結果画像の生成について説明するための図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(X線撮影装置の構成)
図1~図9を参照して、本発明の第1実施形態によるX線撮影装置100について説明する。
図1に示すように、第1実施形態におけるX線撮影装置100は、X線照射部1と、X線検出部2と、制御部3とを備える。なお、制御部3は、特許請求の範囲における「画像処理部」の一例である。
X線照射部1は、被検体101の大腿骨および骨盤を含む診断対象部位にX線を照射する。X線検出部2は、X線照射部1によって照射されたX線を検出する。X線撮影装置100は、たとえば、被検体101の骨密度の測定に用いられる。第1実施形態では、X線照射部1は、異なる2種類のエネルギーのX線を被検体101の大腿骨および骨盤を含む診断対象部位に照射するように構成されている。そして、骨密度の測定においては、異なる2種類のエネルギーのX線によって、骨成分と他の組織とを区別するDEXA法(Dual Energy X-ray Absorptiometry法:二重エネルギーX線吸収測定法)が用いられる。
X線照射部1は、X線源1aを含んでいる。X線源1aは、図示しない高電圧発生部に接続されており、高電圧が印加されることによりX線を発生させるX線管である。X線源1aは、X線出射方向をX線検出部2の検出面に向けて配置されている。
X線検出部2は、X線照射部1から照射され、被検体101を透過したX線を検出し、検出したX線強度に応じた検出信号を出力する。X線検出部2は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)により構成されている。
制御部3は、機能的な構成として、画像取得部31、抽出画像生成部32、骨領域補完部33、部分画像取得部34、対象画像取得部35、閉鎖孔領域識別部36、および、骨密度測定部37、を含む。すなわち、制御部3は、プログラムを実行することによって、画像取得部31、抽出画像生成部32、骨領域補完部33、部分画像取得部34、対象画像取得部35、閉鎖孔領域識別部36、および、骨密度測定部37として機能する。また、画像取得部31、抽出画像生成部32、骨領域補完部33、部分画像取得部34、対象画像取得部35、閉鎖孔領域識別部36、および、骨密度測定部37は、制御部3の中のソフトウェアとしての機能ブロックであり、ハードウェアとしての制御部3の指令信号に基づいて機能するように構成されている。制御部3は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、および、RAM(Random Access Memory)などを含むコンピュータである。
(制御部による骨密度の測定について)
第1実施形態では、制御部3は、X線検出部2によって検出されたX線によるX線画像10(図2参照)から、診断対象部位の骨領域を抽出する処理を行う。具体的には、制御部3は、診断対象部位の骨密度を測定するために、異なる2種類のエネルギーのX線によるX線画像10から診断対象部位の骨領域を抽出する処理を行う。そして、制御部3は、X線画像10から実際の骨部に対応する領域を抽出する処理を行うとともに、取得されたX線画像10と、抽出された骨領域とに基づいて、X線画像10の画素値からX線画像10に含まれる診断対象部位の骨部全体の骨密度を測定するように構成されている。
画像取得部31(制御部3)は、図2に示すように、X線検出部2により検出されたX線に基づいて被検体101の大腿骨および骨盤を含む診断対象部位のX線画像10を取得する。たとえば、X線画像10は、異なる2つのエネルギーのX線を用いて取得された各々の画像の差分を算出することにより取得されるエネルギ・サブトラクション画像である。X線画像10は、医師または放射線技師などの検査作業者によって、被検体101の位置、および、X線源1aの管電圧などの撮影条件が設定された状態で照射されたX線に基づいて生成される。
抽出画像生成部32(制御部3)は、図3に示すように、X線画像10から診断対象部位の骨領域を抽出した抽出画像11を生成する。具体的には、抽出画像生成部32は、機械学習によって生成された学習済みモデル110に基づいて、X線画像10から抽出画像11を生成する。たとえば、機械学習として、深層学習によるセマンティックセグメンテーションが用いられる。学習済みモデル110は、大腿骨および骨盤を含む診断対象部位のX線画像を含む複数の入力教師用X線画像111と、複数の入力教師用X線画像111の各々に対応するように骨領域と背景領域とを識別可能に構成された二値化画像を含む複数の教師出力用二値化画像112とによって、機械学習によって生成される。深層学習によるセマンティックセグメンテーションは、たとえば、U-netに基づいて深層学習が用いられる。なお、学習済みモデル110の学習はX線撮影装置100とは別個の学習装置によって行われる。また、学習方法としてFCN(Fully Convolutional Network)を用いてもよい。
図4に示すように、抽出画像11は、学習済みモデル110に基づいて、X線画像10のうちから診断対象部位の骨であると推論された骨領域と、骨以外であると推論された背景領域とを識別可能なように構成された二値化画像である。たとえば、抽出画像11では、骨領域であると推論された画素を白、背景領域であると推論された領域を黒によって示されている。学習済みモデル110に基づいて生成された抽出画像11は、白い骨領域の内部に孤立した黒い背景領域が複数含まれる。同様に、黒い背景領域の内部に孤立した白い骨領域が複数含まれる。
また、抽出画像11には、腸骨翼領域11aと閉鎖孔領域11bとが含まれる。腸骨翼領域11aは、被検体101の骨盤の頭部側の部位である腸骨の腸骨翼に対応する領域である。骨盤の腸骨(腸骨翼)の部位は、比較的骨が薄いため、抽出画像11において白い骨領域の中(内部)に黒い孔部が含まれる場合がある。一方、閉鎖孔領域11bは、被検体101の骨盤の脚部側の部位である閉鎖孔に対応する領域である。閉鎖孔は、被検体101の骨盤の生理学的な孔部である。閉鎖孔領域11bは、実際に骨部に孔が開いているため、抽出画像11において白い骨の領域の中(内部)に含まれる黒い孔部となる。すなわち、抽出画像11では、腸骨翼に対応する部分と閉鎖孔に対応する部分との両方において、骨の領域の中(内部)に孔部が含まれる状態となる場合がある。
〈骨領域の補完について〉
第1実施形態では、骨領域補完部33(制御部3)は、抽出画像生成部32によって生成された抽出画像11から、閉鎖孔領域11bを含む領域を区分することによって、閉鎖孔領域11bを区別しながら、腸骨翼領域11aを含む骨領域の孔部を補完する。具体的には、第1実施形態では、骨領域補完部33は、部分画像取得部34によって取得された部分画像14(図6参照)と、対象画像取得部35によって取得された対象画像12とに基づいて、部分画像14における閉鎖孔領域11bを区別しながら、対象画像12における骨領域の孔部を補完するように構成されている。詳細には、骨領域補完部33は、閉鎖孔領域識別部36によって識別された閉鎖孔領域11bに基づいて、部分画像14における閉鎖孔領域11bを区別しながら、対象画像12における骨領域の孔部を補完するように構成されている。なお、部分画像14の取得と、閉鎖孔領域11bの識別についての詳細は後述する。
第1実施形態では、対象画像取得部35(制御部3)は、部分画像14とは別個に、抽出画像生成部32によって生成された抽出画像11から、腸骨翼領域11aを少なくとも含む対象画像12を取得する。具体的には、第1実施形態では、対象画像取得部35は、抽出画像11から、腸骨翼領域11aと閉鎖孔領域11bとの両方を含む対象画像12を取得する。すなわち、対象画像取得部35は、抽出画像11の全体を対象画像12として取得する。言い換えると、第1実施形態では、対象画像取得部35は、生成された抽出画像11をそのまま対象画像12として取得する。対象画像12は、生成された抽出画像11のうちから、骨領域の孔部を補完する(孔部を埋める)処理を行うために取得される画像である。
図5に示すように、第1実施形態では、骨領域補完部33(制御部3)は、対象画像12(抽出画像11)における骨領域13の孔部を補完する。具体的には、骨領域補完部33は、対象画像12における画素値に基づいて輪郭線を抽出する。たとえば、骨領域補完部33は、画像を構成する画素の画素値に基づいて、隣り合う画素と画素値が異なる画素を輪郭として抽出する。そして、骨領域補完部33は、抽出された輪郭線によって囲まれた複数(11個)の領域(領域12a、12b、・・・、12k)すべての面積(画素数)を測定する。骨領域補完部33は、対象画像12の抽出された輪郭線によって囲まれた複数の領域(領域12a~12k)のうちから、最も面積が大きい領域(領域12a)を骨領域13として識別する。そして、識別された骨領域13(領域12a)の内側に含まれる領域(孔部)を除外する(埋める)ことによって、骨領域13の内部の孔部を補完する。すなわち、識別された骨領域13は、内部に背景領域を示す黒い点または領域(孔部)が含まれない領域として取得される。また、識別された骨領域13は、対象画像12における診断対象部位の骨部の最も外側の輪郭を表す領域である。
〈閉鎖孔領域の識別について〉
図6に示すように、第1実施形態では、部分画像取得部34(制御部3)は、抽出画像11から、対象画像12とは別個に、被検体101の骨盤の生理学的な孔部である閉鎖孔に対応する閉鎖孔領域11bを区分するように、閉鎖孔領域11bを含む部分画像14を取得する。
第1実施形態では、部分画像取得部34(制御部3)は、抽出画像11から、被検体101の骨盤の頭部側の部位である腸骨の腸骨翼に対応する腸骨翼領域11aを含まず、被検体101の骨盤の脚部側の部位である閉鎖孔に対応する閉鎖孔領域11bを含むように部分画像14を取得するように構成されている。学習済みモデル110を用いた抽出画像11の生成では、比較的骨の薄い領域である骨盤上部の腸骨の領域に、黒い背景領域が含まれやすい。そこで、部分画像取得部34は、腸骨翼領域11aを除いた部分を部分画像14として取得する。
具体的には、第1実施形態では、部分画像取得部34(制御部3)は、腸骨翼領域11aを含む頭部側の画像と、閉鎖孔領域11bを含む脚部側の画像とに、所定の割合で抽出画像11を分割することによって、脚部側の画像からなる部分画像14を取得する。たとえば、略正方形である抽出画像11のうち、所定の割合として下側(脚部側)の3分の2を分割することによって部分画像14を取得する。すなわち、部分画像取得部34は、抽出画像11のたての長さL1と部分画像14のたての長さL2との比が3:2になるように、部分画像14を取得する。なお、所定の割合(3分の2)は、抽出画像11(X線画像10)の大きさ、および、抽出画像11(X線画像10)における被検体101の位置などに応じて変更されてもよい。
そして、第1実施形態では、図7に示すように、閉鎖孔領域識別部36(制御部3)は、部分画像14における閉鎖孔領域11bを識別する。閉鎖孔領域識別部36は、部分画像14の輪郭を抽出し、部分画像14における骨領域の輪郭線(領域14aの輪郭線)の内側において、輪郭線に囲まれた複数の領域(領域14b、14c、・・・、14e)のうちから、輪郭線に囲まれた領域の内部において輪郭線に囲まれた領域である二重に輪郭線に囲まれた領域(領域14dおよび領域14e)を除外した状態で、閉鎖孔領域11bを識別する。また、第1実施形態では、閉鎖孔領域識別部36は、部分画像14における骨領域の輪郭線(領域14aの輪郭線)の内側において、輪郭線によって囲まれた複数の領域(領域14b~14e)のうちから、最も面積の大きい領域であり、かつ、被検体101の閉鎖孔に対応するように定められた所定のしきい値よりも大きい面積の領域を、閉鎖孔領域11bとして識別するように構成されている。
たとえば、閉鎖孔領域識別部36(制御部3)は、骨領域補完部33による対象画像12における骨領域13の孔部の補完処理と同様に、部分画像14における画素値に基づいて輪郭線を抽出する。そして、閉鎖孔領域識別部36は、抽出された輪郭線に囲まれる複数(5個)の領域(領域14a~14e)の各々の面積(画素数)を測定する。閉鎖孔領域識別部36は、測定された全ての領域(領域14a~14e)のうちから、最も面積の大きい領域を、部分画像14における骨領域として識別する。たとえば、閉鎖孔領域識別部36は、図7の領域14aを部分画像14における骨領域として取得する。
そして、閉鎖孔領域識別部36(制御部3)は、部分画像14における骨領域の輪郭線(領域14aの輪郭線)の内側において、輪郭線に囲まれた領域(領域14b~14e)のうちから、二重に輪郭線に囲まれた領域を除外する。具体的には、図7の領域14bおよび14cは、骨領域(領域14a)に直接(一重に)囲まれる領域である。一方、図7の領域14dおよび14eは、領域14cの内側の領域である。すなわち、図7の領域14dおよび14eは、骨領域(領域14a)の輪郭線の内側において、領域14cのさらに内側に囲まれており、領域14aと領域14cとによって二重に囲まれている領域となる。このように、閉鎖孔領域識別部36は、骨領域(領域14a)の輪郭線の内側において、複数の領域(領域14b~14e)のうちから、二重に囲まれている領域(領域14dおよび領域14e)を除外する。
そして、閉鎖孔領域識別部36(制御部3)は、二重に囲まれる領域(領域14dおよび14e)を除外した状態で、骨領域(領域14a)に囲まれる除外されなかった領域(領域14bおよび14c)のうちから、面積が最大であり、かつ、面積が所定のしきい値よりも大きい領域を閉鎖孔領域11bとして識別する。所定のしきい値は、たとえば、1000ピクセルである。なお、撮影されたX線画像10は、たとえば、一辺がおよそ500ピクセルの正方形である。すなわち、部分画像14は、およそ、たて330ピクセルよこ500ピクセルの長方形となる。なお、所定のしきい値は、たとえば、部分画像14の面積の1%など、所定の割合であってもよい。
上記のような処理を行うことによって、閉鎖孔領域識別部36(制御部3)は、図7の部分画像14における複数の領域14a~14eのうちから、領域14cを閉鎖孔領域11bであるとして識別する。
〈識別結果画像の生成および骨密度の測定について〉
図8に示すように、第1実施形態では、骨領域補完部33(制御部3)は、部分画像14に含まれる閉鎖孔領域11bと、孔部が補完された骨領域13とに基づいて、大腿骨および骨盤を含む診断対象部位の実際の骨部に対応する領域を示す識別結果画像15を生成する。具体的には、骨領域補完部33は、孔部が補完された骨領域13のうちから、閉鎖孔領域識別部36によって識別された閉鎖孔領域11bを除外することによって、識別結果画像15を生成する。すなわち、識別結果画像15を生成することによって、骨領域補完部33は、閉鎖孔領域11bを区別しながら、骨領域の孔部を補完する。なお、識別結果画像15は、被検体101の診断対象部位において、実際の骨部に対応する領域が白、骨以外の軟部組織などを示す背景領域が黒によって、示されている。すなわち、識別結果画像15は、抽出画像11から、閉鎖孔領域11bを除いて、白い骨領域の内部に含まれる孤立した黒い点および領域(孔部)が除外されるとともに、黒い背景領域の内部に含まれる孤立した白い点および領域が除外された画像である。すなわち、識別結果画像15は、抽出画像11から、骨盤の閉鎖孔を区別(識別)しながら、実際の骨部に対応する領域を抽出(識別)した画像である。
なお、図9に示すように、抽出画像11に、たとえば、被検体101の手に対応する領域11cが含まれる場合にも、第1実施形態による制御部3による画像処理によって、抽出画像11から、骨盤の閉鎖孔を識別しながら、実際の骨部(大腿骨および骨盤を含む診断対象部位)に対応する領域を抽出(識別)した画像である識別結果画像15を取得することができる。
そして、制御部3の骨密度測定部37によって、X線画像10と識別結果画像15とに基づいて、被検体101の診断対象部位における骨密度が測定される。たとえば、骨密度測定部37は、識別結果画像15に基づいて、X線画像10における被検体101の実際の骨部に対応する領域を判別しながら、X線画像10の画素値を測定することによって、被検体101の大腿骨および骨盤を含む診断対象部位全体の骨密度を測定する。
(第1実施形態による画像処理方法について)
次に、図10を参照して、第1実施形態によるX線撮影装置100を用いた画像処理方法に関する制御フローについて説明する。また、ステップ301~ステップ309は、制御部3による制御処理を示す。
まず、ステップ301において、被検体101の大腿骨および骨盤を含む診断対象部位にX線が照射される。具体的には、異なる2種類のエネルギーのX線が診断対象部位に照射される。
次に、ステップ302において、照射されたX線が検出される。
次に、ステップ303において、検出されたX線によるX線画像10から診断対象部位の骨領域を抽出した抽出画像11が生成される。具体的には、機械学習によって生成された学習済みモデル110に基づいて、X線画像10から抽出画像11が生成される。そして、ステップ304およびステップ306に進む。
ステップ304では、生成された抽出画像11から、被検体101の骨盤の腸骨の腸骨翼に対応する腸骨翼領域11aを少なくとも含む対象画像12が取得される。具体的には、閉鎖孔領域11bと腸骨翼領域11aとの両方を含む対象画像12が取得される。
次に、ステップ305において、取得された対象画像12における骨領域13の孔部が補完される。具体的には、対象画像12における画素値に基づいて輪郭線が抽出される。そして、抽出された輪郭線に囲まれた複数の領域(領域12a~12k)のうちから、最も面積が大きい領域(領域12a)が骨領域13として識別され、対象画像12における識別された骨領域13の孔部が補完される。そして、ステップ308に進む。
ステップ306では、対象画像12とは別個に、抽出画像11から、被検体101の骨盤の生理学的な孔部である閉鎖孔に対応する閉鎖孔領域11bを含む領域を区分するように、閉鎖孔領域11bを含む部分画像14が取得される。具体的には、被検体101の骨盤の頭部側の部位である腸骨の腸骨翼に対応する腸骨翼領域11aを含まず、被検体101の骨盤の脚部側の部位である閉鎖孔に対応する閉鎖孔領域11bを含むように部分画像14が取得される。たとえば、腸骨翼領域11aを含む頭部側の画像と、閉鎖孔領域11bを含む脚部側の画像とに、所定の割合(3分の2)で抽出画像11を分割することによって、閉鎖孔領域11bを含む脚部側の画像からなる部分画像14が取得される。
次に、ステップ307において、取得された部分画像14に含まれる閉鎖孔領域11bが識別される。具体的には、部分画像14における画素値に基づいて輪郭線が抽出される。そして、抽出された輪郭線に囲まれた複数の領域(領域14a~14e)のうちから、最も面積の大きい領域(領域14a)が部分画像14における骨領域として取得される。そして、部分画像14における骨領域(領域14a)の輪郭線の内側において、輪郭線に囲まれた複数の領域(領域14b~14e)のうちから、二重に輪郭線に囲まれた領域(領域14dおよび14e)を除外した状態で、最も面積の大きい領域であり、かつ、被検体101の閉鎖孔に対応するように定められた所定のしきい値よりも大きい面積の領域である領域14cが、閉鎖孔領域11bとして識別される。そして、ステップ308に進む。
ステップ308では、部分画像14に含まれる閉鎖孔領域11bと、孔部が補完された骨領域13とに基づいて、大腿骨および骨盤を含む診断対象部位の実際の骨部に対応する領域を示す識別結果画像15が生成される。すなわち、抽出画像11から閉鎖孔領域11bを含む領域を区分するように部分画像14が取得されることによって、部分画像14において識別された閉鎖孔領域11bに基づいて、閉鎖孔領域11bを区別しながら、骨領域の孔部を補完するように識別結果画像15が生成される。
次に、ステップ309において、生成された識別結果画像15とX線画像10に基づいて、被検体101の大腿骨および骨盤を含む診断対象部位の骨密度が測定される。
[第1実施形態の効果]
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態のX線撮影装置100では、上記のように、生成された抽出画像11から、被検体101の骨盤の生理学的な孔部である閉鎖孔に対応する閉鎖孔領域11bを含む領域を区分することによって、閉鎖孔領域11bを区別しながら、被検体101の骨盤の腸骨の腸骨翼に対応する腸骨翼領域11aを含む骨領域13の孔部を補完する。これにより、抽出画像11から閉鎖孔領域11bを含む領域を区分するため、閉鎖孔領域11b以外の骨の中の孤立する点および領域(孔部)を閉鎖孔領域11bと区別することができる。そのため、補完される骨領域13の孔部と閉鎖孔領域11bとを区別しながら、骨が薄いために骨領域の中に孔部が発生しやすい腸骨翼領域11aを含む骨領域13の中の孔部を補完することができる。その結果、骨盤の閉鎖孔を区別しながら、実際の骨部に対応する領域を正確に抽出することができる。
また、第1実施形態では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
すなわち、第1実施形態では、制御部3(画像処理部)は、抽出画像11から、閉鎖孔領域11bを含む領域を区分するように、閉鎖孔領域11bを含む部分画像14を取得する部分画像取得部34と、部分画像14とは別個に、腸骨翼領域11aを少なくとも含む対象画像12を取得する対象画像取得部35とをさらに含み、骨領域補完部33(制御部3)は、部分画像取得部34によって取得された部分画像14と対象画像取得部35によって取得された対象画像12とに基づいて、部分画像14における閉鎖孔領域11bを区別しながら、対象画像12における骨領域13の孔部を補完するように構成されている。このように構成すれば、閉鎖孔領域11bを含む部分画像14に基づいて、抽出画像11から閉鎖孔領域11bを含む領域を容易に区分することができる。また、抽出画像11から腸骨翼領域11aを少なくとも含む対象画像12を取得するため、対象画像12の骨領域13の孔部を補完することによって、骨が薄いために骨領域の中に孔部が発生しやすい腸骨翼領域11aを含む骨領域13の中の孔部を容易に補完することができる。その結果、部分画像14における閉鎖孔領域11bを容易に区別しながら、対象画像12における骨領域13の孔部を容易に補完することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、部分画像取得部34(制御部3)は、抽出画像11から、被検体101の骨盤の頭部側の部位である腸骨の腸骨翼に対応する腸骨翼領域11aを含まず、被検体101の骨盤の脚部側の部位である閉鎖孔に対応する閉鎖孔領域11bを含むように部分画像14を取得するように構成されている。ここで、腸骨の腸骨翼に対応する腸骨翼領域11aの部分は、比較的骨の薄い部分であるために抽出画像11の骨領域の中に孤立する点および領域(孔部)が出現しやすくなる。そのため、抽出画像11を生成するための画像処理によって発生した骨領域の中に含まれる孔部に起因して、骨盤に実際に存在する閉鎖孔の識別が困難となる。これに対して、第1実施形態では、部分画像取得部34を、抽出画像11から、被検体101の骨盤の頭部側の部位である腸骨の腸骨翼に対応する腸骨翼領域11aを含まず、被検体101の骨盤の脚部側の部位である閉鎖孔に対応する閉鎖孔領域11bを含むように部分画像14を取得するように構成する。このように構成すれば、取得された部分画像14には、腸骨翼領域11aが含まれていないため、部分画像14の閉鎖孔領域11bと、腸骨翼領域11aに含まれる孔部とを正確に区別することができる。そのため、腸骨翼領域11aを含まないように部分画像14を生成することによって、実際の骨部に対応する領域をより正確に抽出することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、部分画像取得部34(制御部3)は、腸骨翼領域11aを含む頭部側の画像と、閉鎖孔領域11bを含む脚部側の画像とに、所定の割合で抽出画像11を分割することによって、閉鎖孔領域11bを含む脚部側の画像からなる部分画像14を取得するように構成されている。このように構成すれば、所定の割合に基づいて抽出画像11を分割することによって、腸骨翼領域11aを含まず、閉鎖孔領域11bを含むように部分画像14を生成することができる。そのため、部分画像14を生成するために、複雑な演算処理を行う必要がないので、容易に部分画像14を生成することができる。その結果、閉鎖孔領域11bを識別するための制御処理の負担が増加することを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、骨領域補完部33(制御部3)は、対象画像12の輪郭線を抽出し、対象画像12の抽出された輪郭線によって囲まれた複数の領域(領域12a~12k)のうちから、最も面積が大きい領域(領域12a)を骨領域13として識別することによって、対象画像12における骨領域13の孔部を補完するように構成されている。このように構成すれば、最も面積が大きい領域(領域12a)を骨領域13として識別することによって、大腿骨および骨盤を含む骨領域13を容易に識別することができる。そのため、骨盤および大腿骨の大きさおよび形状が被検体101毎に異なる場合にも、最も面積が大きい領域(領域12a)を骨領域13として取得することによって、骨領域13を容易に識別することができる。その結果、骨盤および大腿骨の大きさおよび形状が被検体101毎に異なる場合にも、骨領域13の孔部を容易に補完することができる。また、骨領域13の外側の背景領域に骨領域として判定された小さいノイズまたは被検体101の手などが含まれる場合にも、最も面積が大きい領域(領域12a)を骨領域13として取得することによって、骨領域13(領域12a)よりも外側のノイズなどを容易に除外することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部3(画像処理部)は、部分画像14における閉鎖孔領域11bを識別する閉鎖孔領域識別部36を含み、閉鎖孔領域識別部36(制御部3)は、部分画像14の輪郭線を抽出し、部分画像14における骨領域(領域14a)の輪郭線の内側において、輪郭線によって囲まれた複数の領域(領域14b~14e)のうちから、最も面積の大きい領域を閉鎖孔領域11bとして識別するように構成されており、骨領域補完部33(制御部3)は、閉鎖孔領域識別部36によって識別された閉鎖孔領域11bに基づいて、部分画像14における閉鎖孔領域11bを区別しながら、対象画像12における骨領域13の孔部を補完するように構成されている。このように構成すれば、部分画像14における骨領域(領域14a)の輪郭線の内側において、最も面積の大きい領域を識別することによって、容易に閉鎖孔領域11bを識別することができる。そのため、抽出画像11における閉鎖孔領域11bの大きさおよび形状が異なる場合にも、閉鎖孔領域11bを容易に識別することができる。また、医師などの検査作業者が、抽出画像11を視認しながら、閉鎖孔領域11bに該当する領域を選択する必要がなく自動的に閉鎖孔領域11bを識別することができるので、閉鎖孔領域11bを識別するための検査作業者の作業負担が発生することを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、閉鎖孔領域識別部36(制御部3)は、部分画像14の輪郭線を抽出し、部分画像14における骨領域(領域14a)の輪郭線の内側において、輪郭線によって囲まれた複数の領域(14b~14e)のうちから、被検体101の閉鎖孔に対応するように定められた所定のしきい値よりも大きい面積の領域を閉鎖孔領域11bとして識別するように構成されている。このように構成すれば、所定のしきい値よりも大きい面積の領域を閉鎖孔領域11bとして識別することができるので、所定のしきい値よりも小さい領域が閉鎖孔領域11bとして識別されることを抑制することができる。そのため、閉鎖孔としては小さすぎる領域が閉鎖孔領域11bとして識別されることを抑制することができるので、部分画像14における閉鎖孔領域11bを精度よく識別することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、閉鎖孔領域識別部36(制御部3)は、部分画像14の輪郭線を抽出し、部分画像14における骨領域(領域14a)の輪郭線の内側において、輪郭線によって囲まれた複数の領域(領域14b~14e)のうちから、輪郭線に囲まれた領域の内部において輪郭線に囲まれた領域である二重に輪郭線に囲まれた領域(領域14dおよび14e)を除外した状態で、閉鎖孔領域11bを識別するように構成されている。ここで、抽出画像11において、骨盤の閉鎖孔は、骨領域の中に含まれる背景領域として抽出される。これに対して、第1実施形態では、閉鎖孔領域識別部36を、部分画像14における骨領域(領域14a)の輪郭線の内側において、輪郭線によって囲まれた複数の領域(領域14b~14e)のうちから、輪郭線に囲まれた領域の内部において輪郭線に囲まれた領域である二重に輪郭線に囲まれた領域(領域14dおよび14e)を除外した状態で、閉鎖孔領域11bを識別するように構成する。このように構成すれば、二重に輪郭線に囲まれた領域(領域14dおよび14e)を除外することによって、骨領域(領域14a)の内側に含まれる背景領域に、さらに含まれる骨領域を、閉鎖孔領域11bとして識別することを抑制することができる。そのため、閉鎖孔に対応しない領域を閉鎖孔領域11bとして識別することを抑制することができるので、閉鎖孔に対応する領域をより精度よく閉鎖孔領域11bとして識別することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、対象画像取得部35(制御部3)は、閉鎖孔領域11bと腸骨翼領域11aとの両方を含む対象画像12を取得するように構成されている。このように構成すれば、閉鎖孔領域11bと腸骨翼領域11aとの両方を含む領域に存在する孔部を補完することができる。そのため、腸骨翼領域11aに存在する孔部のみならず、閉鎖孔領域11bの近傍に存在する孔部も補完することができる。その結果、閉鎖孔領域11bの近傍に孔部が存在する場合にも、骨領域補完部33(制御部3)によって、骨領域に含まれる孔部を精度よく補完することができる。なお、ここで言う「閉鎖孔領域11bの近傍」とは、閉鎖孔領域11bそのものと、閉鎖孔領域11bの位置の付近との両方を含む意味である。
また、第1実施形態では、上記のように、抽出画像生成部32(制御部3)は、機械学習によって生成された学習済みモデル110に基づいて、X線画像10から診断対象部位の骨領域を抽出した抽出画像11を生成するように構成されており、骨領域補完部33(制御部3)は対象画像12における画素値に基づいて輪郭線を抽出することによって骨領域13の孔部を補完するように構成されている。このように構成すれば、X線画像10から抽出画像11を生成する場合に機械学習によって生成された学習済みモデル110を用いることによって、より精度よく骨と背景とを区別した抽出画像11を生成することができる。一方で、骨領域補完部33を、画素値に基づいて輪郭線を抽出することによって骨領域13の孔部を補完するように構成するため、予め学習済みモデルを生成するための機械学習を行うことなく骨領域13の孔部を補完することができる。そのため、骨領域13の孔部の補完をルールベースのアルゴリズムによって実行することができるので、学習済みモデルを学習させるための準備に要する手間を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、X線照射部1は、異なる2種類のエネルギーのX線を診断対象部位に照射するように構成されており、制御部3(画像処理部)は、診断対象部位の骨部の骨密度を測定するために、異なる2種類のエネルギーのX線によるX線画像10から、診断対象部位の骨領域を抽出する処理を行うように構成されている。このように構成すれば、骨密度を測定するために、異なる2種類のエネルギーのX線によるX線画像10から骨領域13を抽出する場合にも、自動的に骨領域13の抽出する処理を制御部3に行わせることができる。そのため、骨領域13を抽出する作業を手動で行う場合と異なり、骨領域13を抽出するための医師などの検査作業者の作業負担を軽減することができる。
[第1実施形態による画像処理方法の効果]
第1実施形態のX線撮影装置100による画像処理方法では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態の画像処理方法では、上記のように構成することにより、生成された抽出画像11から、被検体101の骨盤の生理学的な孔部である閉鎖孔に対応する閉鎖孔領域11bを含む領域を区分することによって、閉鎖孔領域11bを区別しながら、被検体101の骨盤の腸骨の腸骨翼に対応する腸骨翼領域11aを含む骨領域13の孔部を補完する。これにより、抽出画像11から閉鎖孔領域11bを含む領域を区分するため、閉鎖孔領域11b以外の骨の中の孤立する点および領域(孔部)を閉鎖孔領域11bと区別することができる。そのため、補完される骨領域13の孔部と閉鎖孔領域11bとを区別しながら、骨が薄いために骨領域の中に孔部が発生しやすい腸骨翼領域11aを含む骨領域13の中の孔部を補完することができる。その結果、骨盤の閉鎖孔を区別しながら、実際の骨部に対応する領域を正確に抽出することが可能な画像処理方法を提供することができる。
[第2実施形態]
次に、図11~13を参照して、本発明の第2実施形態によるX線撮影装置200の構成について説明する。この第2実施形態では、腸骨翼領域11aと閉鎖孔領域11bとの両方を含む対象画像12を取得するように構成した第1実施形態と異なり、閉鎖孔領域11bを含まず腸骨翼領域11aを含む対象画像212を取得するように構成する。
第2実施形態によるX線撮影装置200は、図11に示すように、制御部203を含む。制御部203は、第1実施形態による制御部3と同様に、たとえば、CPU、GPU、ROM、および、RAMなどを含むコンピュータである。また、制御部203は、機能的な構成として、骨領域補完部233および対象画像取得部235を含む。すなわち、制御部203は、プログラムを実行することによって、骨領域補完部233および対象画像取得部235として機能する。また、骨領域補完部233および対象画像取得部235は、ソフトウェアとしての機能ブロックであり、ハードウェアとしての制御部203の指令信号に基づいて機能するように構成されている。なお、制御部203のその他の構成は、第1実施形態による制御部3と同様である。また、制御部203は、特許請求の範囲における「画像処理部」の一例である。
図12に示すように、第2実施形態では、対象画像取得部235(制御部203)は、閉鎖孔領域11bを含まず、腸骨翼領域11aを含む対象画像212を取得するように構成されている。具体的には、対象画像取得部235は、抽出画像11のうち、上側(頭部側)の3分の1を分割することによって対象画像212を取得する。すなわち、第2実施形態によるX線撮影装置200は、抽出画像11を上側(頭部側)と下側(脚部側)とに1:2に分割することによって、上側(頭部側)を対象画像212として取得するとともに、下側(脚部側)を部分画像14として取得するように構成されている。
そして、図13に示すように、骨領域補完部233(制御部203)は、取得された対象画像212に対して、第1実施形態と同様の処理を行うことによって、対象画像212における骨領域213の孔部を補完する。すなわち、骨領域補完部233は、第1実施形態と同様に、対象画像212の輪郭線を抽出し、抽出された輪郭線によって囲まれた複数の領域(領域212a、212b、・・・、212g)のうちから最も面積が大きい領域を骨領域213として識別することによって、骨領域213の内部の孔部を補完する。また、第1実施形態と同様に、部分画像取得部34によって、部分画像14が取得される。
そして、骨領域補完部233(制御部203)は、部分画像14に含まれる閉鎖孔領域11bと、骨領域補完部233によって孔部が補完された骨領域213とに基づいて、大腿骨および骨盤を含む診断対象部位の実際の骨部に対応する領域を示す識別結果画像215を生成する。具体的には、骨領域補完部233は、骨領域213の孔部が補完された対象画像212と、部分画像取得部34によって取得された部分画像14とを合成することによって、識別結果画像215を生成する。すなわち、識別結果画像215は、抽出画像11のうちの対象画像212に対応する領域の孔部が補完されるとともに、抽出画像11のうちの部分画像14に対応する領域の孔部が補完されていない状態の画像となる。なお、部分画像取得部34を、抽出画像11全体を部分画像として取得するように構成するとともに、骨領域213の孔部が補完された対象画像212を、抽出画像11全体である部分画像に重畳させることによって、識別結果画像215を生成するようにしてもよい。
このようにして、第2実施形態では、骨領域補完部233(制御部203)は、閉鎖孔領域11bを含むように取得された部分画像14と孔部が補完された対象画像212とを合成することによって、抽出画像11から閉鎖孔領域11bを含む領域を区分しながら、腸骨翼領域11aを含む骨領域213の孔部を補完するように構成されている。
なお、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、対象画像取得部235(制御部203)は、閉鎖孔領域11bを含まず、腸骨翼領域11aを含む対象画像212を取得するように構成されている。このように構成すれば、対象画像取得部235によって、閉鎖孔領域11bを含まないように対象画像212が取得されるため、対象画像212に含まれるすべての孔部を補完することによって、閉鎖孔領域11bを区別しながら、閉鎖孔領域11bを含まない孔部を補完する処理を容易に行うことができる。そのため、実際に人体の骨部に存在する孔部である閉鎖孔に対応する閉鎖孔領域11bが補完される(埋められる)ことを容易に抑制することができる。その結果、実際の骨部に対応するように、閉鎖孔を区別しながら、抽出画像11における骨領域13の中の孔部を正確に補完することができる。なお、第2実施形態によるその他の効果は、第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、骨領域補完部33、233(制御部3、203)は、部分画像取得部34によって取得された部分画像14と対象画像取得部35(235)によって取得された対象画像12(212)とに基づいて、部分画像14における閉鎖孔領域11bを区別しながら、対象画像12(212)における骨領域13(213)の孔部を補完するように構成されている例を示したが本発明はこれに限られない。たとえば、画像を取得せずに、抽出画像における座標を指定することによって、閉鎖孔領域を含む領域を取得するように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、部分画像取得部34(制御部3、203)は、抽出画像11から、腸骨翼領域11aを含まず、閉鎖孔領域11bを含むように部分画像14を取得する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、閉鎖孔領域識別部は、腸骨翼領域を含むように部分画像を取得するように構成されていてもよい。すなわち、少なくとも閉鎖孔領域を含むように部分画像を取得するように構成されていればよい。
また、上記第1および第2実施形態では、部分画像取得部34(制御部3、203)は、所定の割合で抽出画像11を分割することによって、部分画像14を取得する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、所定の割合ではなく、予め定められた具体的な数値(画素値)に基づいて、抽出画像を分割することによって部分画像を取得するようにしてもよい。また、上下方向の分割のみならず、左右方向の分割を行うことによって、部分画像を取得するようにしてもよい。また、抽出画像から所定の領域を抽出することによって、部分画像を生成するようにしてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、骨領域補完部33、233(制御部3、203)は、対象画像12(212)の抽出された輪郭線によって囲まれた複数の領域のうちから、最も面積が大きい領域を骨領域13(213)として識別するように構成されている例を示したが、本発明は、これに限られない。たとえば、所定のしきい値よりも大きい面積の領域を合成することによって骨領域として識別するように構成されていてもよい。
また、上記第1実施形態では、閉鎖孔領域識別部36(制御部3)は、部分画像14における骨領域の輪郭線の内側において、輪郭線によって囲まれた複数の領域のうちから、最も面積の大きい領域であり、かつ、被検体101の閉鎖孔に対応するように定められた所定のしきい値よりも大きい面積の領域を閉鎖孔領域11bとして識別する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、所定のしきい値を設けず、最も面積の大きい領域を閉鎖孔領域として識別するようにしてもよい。また、最も面積の大きい領域ではなく、所定のしきい値以上の面積の領域を閉鎖孔領域として識別するようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、閉鎖孔領域識別部36(制御部3)は、部分画像14における骨領域の輪郭線の内側において、輪郭線によって囲まれた複数の領域のうちから、二重に輪郭線に囲まれた領域を除外した状態で、閉鎖孔領域11bを識別するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、二重に輪郭線に囲まれた領域を除外しないようにしてもよい。すなわち、二重に輪郭線に囲まれた領域を含む複数の領域のうちから、閉鎖孔領域を識別するようにしてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、抽出画像生成部32(制御部3、203)は、機械学習によって生成された学習済みモデル110に基づいて、X線画像10から診断対象部位の骨領域を抽出した抽出画像11を生成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ルールベースによって生成されたアルゴリズムに基づいてX線画像から抽出画像を生成するようにしてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、制御部3、203(画像処理部)は、診断対象部位の骨部の骨密度を測定するために、異なる2種類のエネルギーのX線によるX線画像10から、診断対象部位の骨領域を抽出する処理を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、1種類のX線によるX線画像から診断対象部位の骨領域を抽出する処理を行うようにしてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、制御部3、203(画像処理部)は、CPU、GPU、RAM、およびROMを含むコンピュータである例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部(画像処理部)は、画像処理用に構成されたFPGA(Field-Programmable Gate Array)などを含んでいてもよい。
また、上記第1実施形態では、画像取得部31、抽出画像生成部32、骨領域補完部33、部分画像取得部34、対象画像取得部35、閉鎖孔領域識別部36、および、骨密度測定部37は、制御部3(画像処理部)の機能的な構成(ソフトウェア)である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、画像取得部、抽出画像生成部、骨領域補完部、部分画像取得部、対象画像取得部、閉鎖孔領域識別部、および、骨密度測定部の各々が、それぞれ別個の構成(たとえば、GPUまたはFPGAなどのハードウェア)によって構成されていてもよい。
また、上記第1実施形態では、画像取得部31、抽出画像生成部32、骨領域補完部33、部分画像取得部34、対象画像取得部35、閉鎖孔領域識別部36、および、骨密度測定部37は、1つの(共通の)制御部3(画像処理部)の機能的な構成である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、画像取得部、抽出画像生成部、骨領域補完部、部分画像取得部、対象画像取得部、閉鎖孔領域識別部、および、骨密度測定部の各々が、別個の制御部(CPU)の機能的な構成であってもよい。
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(項目1)
被検体の大腿骨および骨盤を含む診断対象部位にX線を照射するX線照射部と、
前記X線照射部によって照射されたX線を検出するX線検出部と、
前記X線検出部によって検出されたX線によるX線画像から、前記診断対象部位の骨領域を抽出する処理を行う画像処理部と、を備え、
前記画像処理部は、
前記X線画像から前記診断対象部位の前記骨領域を抽出した抽出画像を生成する抽出画像生成部と、
前記抽出画像生成部によって生成された前記抽出画像から、前記被検体の骨盤の生理学的な孔部である閉鎖孔に対応する閉鎖孔領域を含む領域を区分することによって、前記閉鎖孔領域を区別しながら、前記被検体の骨盤の腸骨の腸骨翼に対応する腸骨翼領域を含む前記骨領域の孔部を補完する骨領域補完部と、を含む、X線撮影装置。
(項目2)
前記画像処理部は、前記抽出画像から、前記閉鎖孔領域を含む領域を区分するように、前記閉鎖孔領域を含む部分画像を取得する部分画像取得部と、前記部分画像とは別個に、前記腸骨翼領域を少なくとも含む対象画像を取得する対象画像取得部とをさらに含み、
前記骨領域補完部は、前記部分画像取得部によって取得された前記部分画像と前記対象画像取得部によって取得された前記対象画像とに基づいて、前記部分画像における前記閉鎖孔領域を区別しながら、前記対象画像における前記骨領域の孔部を補完するように構成されている、項目1に記載のX線撮影装置。
(項目3)
前記部分画像取得部は、前記抽出画像から、前記被検体の骨盤の頭部側の部位である腸骨の腸骨翼に対応する前記腸骨翼領域を含まず、前記被検体の骨盤の脚部側の部位である閉鎖孔に対応する前記閉鎖孔領域を含むように前記部分画像を取得するように構成されている、項目2に記載のX線撮影装置。
(項目4)
前記部分画像取得部は、前記腸骨翼領域を含む頭部側の画像と、前記閉鎖孔領域を含む脚部側の画像とに、所定の割合で前記抽出画像を分割することによって、前記閉鎖孔領域を含む脚部側の画像からなる前記部分画像を取得するように構成されている、項目2または3に記載のX線撮影装置。
(項目5)
前記骨領域補完部は、前記対象画像の輪郭線を抽出し、前記対象画像の抽出された輪郭線によって囲まれた複数の領域のうちから、最も面積が大きい領域を前記骨領域として識別することによって、前記対象画像における前記骨領域の孔部を補完するように構成されている、項目2~4のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
(項目6)
前記画像処理部は、前記部分画像における前記閉鎖孔領域を識別する閉鎖孔領域識別部を含み、
前記閉鎖孔領域識別部は、前記部分画像の輪郭線を抽出し、前記部分画像における前記骨領域の輪郭線の内側において、輪郭線によって囲まれた複数の領域のうちから、最も面積の大きい領域を前記閉鎖孔領域として識別するように構成されており、
前記骨領域補完部は、前記閉鎖孔領域識別部によって識別された前記閉鎖孔領域に基づいて、前記部分画像における前記閉鎖孔領域を区別しながら、前記対象画像における前記骨領域の孔部を補完するように構成されている、項目2~5のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
(項目7)
前記閉鎖孔領域識別部は、前記部分画像の輪郭線を抽出し、前記部分画像における前記骨領域の輪郭線の内側において、輪郭線によって囲まれた複数の領域のうちから、前記被検体の閉鎖孔に対応するように定められた所定のしきい値よりも大きい面積の領域を前記閉鎖孔領域として識別するように構成されている、項目6に記載のX線撮影装置。
(項目8)
前記閉鎖孔領域識別部は、前記部分画像の輪郭線を抽出し、前記部分画像における前記骨領域の輪郭線の内側において、輪郭線によって囲まれた複数の領域のうちから、輪郭線に囲まれた領域の内部において輪郭線に囲まれた領域である二重に輪郭線に囲まれた領域を除外した状態で、前記閉鎖孔領域を識別するように構成されている、項目6または7に記載のX線撮影装置。
(項目9)
前記対象画像取得部は、前記閉鎖孔領域と前記腸骨翼領域との両方を含む前記対象画像を取得するように構成されている、項目2~8のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
(項目10)
前記対象画像取得部は、前記閉鎖孔領域を含まず、前記腸骨翼領域を含む前記対象画像を取得するように構成されている、項目2~8のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
(項目11)
前記抽出画像生成部は、機械学習によって生成された学習済みモデルに基づいて、前記X線画像から前記診断対象部位の前記骨領域を抽出した前記抽出画像を生成するように構成されており、
前記骨領域補完部は、前記対象画像における画素値に基づいて輪郭線を抽出することによって前記骨領域の孔部を補完するように構成されている、項目2~10のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
(項目12)
前記X線照射部は、異なる2種類のエネルギーのX線を前記診断対象部位に照射するように構成されており、
前記画像処理部は、前記診断対象部位の骨部の骨密度を測定するために、前記異なる2種類のエネルギーのX線による前記X線画像から、前記診断対象部位の前記骨領域を抽出する処理を行うように構成されている、項目2~11のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
(項目13)
被検体の大腿骨および骨盤を含む診断対象部位にX線を照射するステップと、
照射されたX線を検出するステップと、
検出されたX線によるX線画像から前記診断対象部位の骨領域を抽出した抽出画像を生成するステップと、
生成された前記抽出画像から、前記被検体の骨盤の生理学的な孔部である閉鎖孔に対応する閉鎖孔領域を含む領域を区分することによって、前記閉鎖孔領域を区別しながら、前記被検体の骨盤の腸骨の腸骨翼に対応する腸骨翼領域を含む前記骨領域の孔部を補完するステップと、を備える、画像処理方法。
1 X線照射部
2 X線検出部
3、203 制御部(画像処理部)
10 X線画像
11 抽出画像
11a 腸骨翼領域
11b 閉鎖孔領域
12、212 対象画像
13、213 骨領域
14 部分画像
32 抽出画像生成部
33、233 骨領域補完部
34 部分画像取得部
35、235 対象画像取得部
36 閉鎖孔領域識別部
100、200 X線撮影装置
101 被検体
110 学習済みモデル

Claims (13)

  1. 被検体の大腿骨および骨盤を含む診断対象部位にX線を照射するX線照射部と、
    前記X線照射部によって照射されたX線を検出するX線検出部と、
    前記X線検出部によって検出されたX線によるX線画像から、前記診断対象部位の骨領域を抽出する処理を行う画像処理部と、を備え、
    前記画像処理部は、
    前記X線画像から前記診断対象部位の前記骨領域を抽出した抽出画像を生成する抽出画像生成部と、
    前記抽出画像生成部によって生成された前記抽出画像から、前記被検体の骨盤の生理学的な孔部である閉鎖孔に対応する閉鎖孔領域を含む領域を区分することによって、前記閉鎖孔領域を区別しながら、前記被検体の骨盤の腸骨の腸骨翼に対応する腸骨翼領域を含む前記骨領域の孔部を補完する骨領域補完部と、を含む、X線撮影装置。
  2. 前記画像処理部は、前記抽出画像から、前記閉鎖孔領域を含む領域を区分するように、前記閉鎖孔領域を含む部分画像を取得する部分画像取得部と、前記部分画像とは別個に、前記腸骨翼領域を少なくとも含む対象画像を取得する対象画像取得部とをさらに含み、
    前記骨領域補完部は、前記部分画像取得部によって取得された前記部分画像と前記対象画像取得部によって取得された前記対象画像とに基づいて、前記部分画像における前記閉鎖孔領域を区別しながら、前記対象画像における前記骨領域の孔部を補完するように構成されている、請求項1に記載のX線撮影装置。
  3. 前記部分画像取得部は、前記抽出画像から、前記被検体の骨盤の頭部側の部位である腸骨の腸骨翼に対応する前記腸骨翼領域を含まず、前記被検体の骨盤の脚部側の部位である閉鎖孔に対応する前記閉鎖孔領域を含むように前記部分画像を取得するように構成されている、請求項2に記載のX線撮影装置。
  4. 前記部分画像取得部は、前記腸骨翼領域を含む頭部側の画像と、前記閉鎖孔領域を含む脚部側の画像とに、所定の割合で前記抽出画像を分割することによって、前記閉鎖孔領域を含む脚部側の画像からなる前記部分画像を取得するように構成されている、請求項2または3に記載のX線撮影装置。
  5. 前記骨領域補完部は、前記対象画像の輪郭線を抽出し、前記対象画像の抽出された輪郭線によって囲まれた複数の領域のうちから、最も面積が大きい領域を前記骨領域として識別することによって、前記対象画像における前記骨領域の孔部を補完するように構成されている、請求項2~4のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
  6. 前記画像処理部は、前記部分画像における前記閉鎖孔領域を識別する閉鎖孔領域識別部を含み、
    前記閉鎖孔領域識別部は、前記部分画像の輪郭線を抽出し、前記部分画像における前記骨領域の輪郭線の内側において、輪郭線によって囲まれた複数の領域のうちから、最も面積の大きい領域を前記閉鎖孔領域として識別するように構成されており、
    前記骨領域補完部は、前記閉鎖孔領域識別部によって識別された前記閉鎖孔領域に基づいて、前記部分画像における前記閉鎖孔領域を区別しながら、前記対象画像における前記骨領域の孔部を補完するように構成されている、請求項2~5のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
  7. 前記閉鎖孔領域識別部は、前記部分画像の輪郭線を抽出し、前記部分画像における前記骨領域の輪郭線の内側において、輪郭線によって囲まれた複数の領域のうちから、前記被検体の閉鎖孔に対応するように定められた所定のしきい値よりも大きい面積の領域を前記閉鎖孔領域として識別するように構成されている、請求項6に記載のX線撮影装置。
  8. 前記閉鎖孔領域識別部は、前記部分画像の輪郭線を抽出し、前記部分画像における前記骨領域の輪郭線の内側において、輪郭線によって囲まれた複数の領域のうちから、輪郭線に囲まれた領域の内部において輪郭線に囲まれた領域である二重に輪郭線に囲まれた領域を除外した状態で、前記閉鎖孔領域を識別するように構成されている、請求項6または7に記載のX線撮影装置。
  9. 前記対象画像取得部は、前記閉鎖孔領域と前記腸骨翼領域との両方を含む前記対象画像を取得するように構成されている、請求項2~8のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
  10. 前記対象画像取得部は、前記閉鎖孔領域を含まず、前記腸骨翼領域を含む前記対象画像を取得するように構成されている、請求項2~8のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
  11. 前記抽出画像生成部は、機械学習によって生成された学習済みモデルに基づいて、前記X線画像から前記診断対象部位の前記骨領域を抽出した前記抽出画像を生成するように構成されており、
    前記骨領域補完部は、前記対象画像における画素値に基づいて輪郭線を抽出することによって前記骨領域の孔部を補完するように構成されている、請求項2~10のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
  12. 前記X線照射部は、異なる2種類のエネルギーのX線を前記診断対象部位に照射するように構成されており、
    前記画像処理部は、前記診断対象部位の骨部の骨密度を測定するために、前記異なる2種類のエネルギーのX線による前記X線画像から、前記診断対象部位の前記骨領域を抽出する処理を行うように構成されている、請求項2~11のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
  13. 被検体の大腿骨および骨盤を含む診断対象部位にX線を照射するステップと、
    照射されたX線を検出するステップと、
    検出されたX線によるX線画像から前記診断対象部位の骨領域を抽出した抽出画像を生成するステップと、
    生成された前記抽出画像から、前記被検体の骨盤の生理学的な孔部である閉鎖孔に対応する閉鎖孔領域を含む領域を区分することによって、前記閉鎖孔領域を区別しながら、前記被検体の骨盤の腸骨の腸骨翼に対応する腸骨翼領域を含む前記骨領域の孔部を補完するステップと、を備える、画像処理方法。
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