JP7472410B1 - 液体噴出装置 - Google Patents

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Abstract

簡易な構成にて、ナノバブル含有の液体を噴出することが可能な液体噴出装置を提供する。液体を噴出する1つ以上の噴出口、液体を吐出する吐出装置と、吐出装置から吐出された液体が1つ以上の噴出口に向かって流れる第1流路と、第1流路の途中位置に配置されたマイクロバブル発生器と、を備え、マイクロバブル発生器が備える管状部内には小径部が設けられ、小径部の内径は、小径部の上流側の部分の内径より小さく、マイクロバブル発生器は、管状部内を流れる液体が小径部の上流側から小径部を通過する際に生じるキャビテーションにより、液体中にマイクロバブルを発生させ、小径部の断面積が1つ以上の噴出口の開口面積の合計値以上である液体噴出装置。

Description

本発明は、液体噴出装置に係り、特に、ナノバブルを含む液体を噴出することが可能な液体噴出装置に関する。
液体を噴出口から噴出する液体噴出装置は、多岐の分野において利用されている。噴出された液体は、所定の目的のために用いられるが、その目的を効率よく達成するために、液体に有用な機能又は効能を付与する場合がある。その一例として、液体中にナノバブル等の微細気泡を混入させることが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の装置は、液体に気体を注入する気体注入部と、気体が注入された液体を加圧して加圧状態の気液混合液を生成する加圧部と、気液混合液を送りながら大気圧まで減圧する減圧部とを備える。そして、気液混合液が減圧部に送られることで、ナノサイズの気泡が液体中に生成される。
以上のように構成された特許文献1記載の装置によれば、ナノバブルを含む液体を噴出することができる。そして、例えば、ナノバブルを含む液体を植物に施用することで植物を良好に生長させることができる。具体的には、農薬等の薬液中にナノバブルを発生させ、ナノバブル入りの薬液を植物に噴霧することで、植物の病虫害を良好に抑えることができる(特許文献2参照)。
特開2011-152513号公報 特開2015-097509号公報
ナノバブルを含む液体を噴出する装置は、装置の設置し易さ、及びメンテナンス等を考慮すると、比較的シンプルな構成であることが望ましい。一方、従来の装置では、特許文献1に記載の装置のように、液体中に気体を加圧して混入する機構が必要であり、その機構を設ける分、装置の設置スペースをより広く確保し、また、装置を構成する機器の数が増えることになる。
また、既存の液体噴出装置を、ナノバブルを含む液体を噴出可能な装置へ改良する場合には、より簡易な構成にて改良できることが好ましい。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、以下に示す課題を解決することを目的とする。具体的には、本発明は、より簡易な構成にて、ナノバブル含有の液体を噴出することが可能な液体噴出装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、より簡易な構成により、既存の液体噴出装置をナノバブル含有の液体を噴出できる装置に改良することである。
上記の目的を達成するために、本発明の液体噴出装置は、液体を噴出する1つ以上の噴出口、液体を吐出する吐出装置と、吐出装置から吐出された液体が1つ以上の噴出口に向かって流れる第1流路と、第1流路の途中位置に配置されたマイクロバブル発生器と、を備え、マイクロバブル発生器が備える管状部内には小径部が設けられ、小径部の内径は、小径部の上流側の部分の内径より小さく、マイクロバブル発生器は、管状部内を流れる液体が小径部の上流側から小径部を通過する際に生じるキャビテーションにより、液体中にマイクロバブルを発生させ、小径部の断面積が、1つ以上の噴出口の開口面積の合計値以上であることを特徴とする。
上記のように構成された液体噴出装置によれば、マイクロバブル発生器にて発生させたマイクロバブルを含有する液体が、噴出口を通過することにより、マイクロバブルがナノバブルに変化する。この結果、比較的簡易な構成により、ナノバブル入りの液体を噴出口から噴出することができる。また、上記のマイクロバブル発生器を既存の液体噴出装置に組み込むことで、簡易な改良により、既存の液体噴出装置を、ナノバブル入りの液体を噴出可能な装置にすることができる。
また、本発明の液体噴出装置は、液体を溜める貯留器を有してもよい。この場合、吐出装置は、貯留器内の液体を取り込んで吐出してもよい。また、本発明の液体噴出装置は、第1流路におけるマイクロバブル発生器の下流側の位置にて第1流路に接続された第2流路をさらに有し、第2流路の下流側の端部が貯留器に接続されているとよい。
上記の構成によれば、マイクロバブル入りの液体が、貯留器、吐出装置及びマイクロバブル発生器を経由して循環する。この結果、第1流路を流れる液体中に含まれるマイクロバブルの数を十分に増やすことができる。また、肥料又は薬剤等の固形物質を液体に溶かす場合には、液体を循環させることで、液体中に固形物質が溶けやすくなり、液体中で固形物質を良好に分散させることができる。
また、小径部は、第1小径部と、第1小径部よりも下流側に位置する第2小径部とを有してもよい。また、管状部の内部において、第1小径部と第2小径部との間には、拡径部と、同径部と、乱流発生部が設けられてもよい。拡径部は、第1小径部の下流側に位置し、下流側に向かって内径が拡大してもよい。同径部は、拡径部の下流側で拡径部と隣接し、内径が拡径部の下流側の端での内径と同じ長さとなった状態で下流側に向かって延出してもよい。拡径部は、同径部と第2小径部との間に配置されて同径部及び第2小径部の各々と隣接し、且つ内径が同径部と同じ長さとなった状態で下流側に向かって延出してもよい。
上記の構成によれば、マイクロバブル発生器内で、マイクロバブルを効率よく発生させ、且つ、発生させたマイクロバブルを微細化することができる。
また、管状部の軸方向において、乱流発生部の内壁面と第2小径部の内壁面との間には、軸方向と交差する段差面が設けられてもよい。
上記の構成によれば、乱流発生部内での液体の流れに乱流を発生させることにより、液体中のマイクロバブルをより微細化することができる。
また、乱流発生部内には、段差面のうち、第2小径部の上流側の端を囲んだ部分から軸方向に沿って上流側に突出した筒状凸部が設けられてもよい。また、乱流発生部の内壁面と筒状凸部の外周面との間には、凹部が設けられてもよい。
上記の構成によれば、乱流発生部内での液体の流れに乱流を発生させ易くなる。この結果、より一層効率よく、乱流発生部内で液体中のマイクロバブルを微細化することができる。
また、吐出装置が液体を吐出する際の吐出圧は、第1流路においてマイクロバブル発生器の上流側の端を通過する際の液体の圧力が0.15MPa以上となるように設定されていると、好適である。
上記の構成によれば、マイクロバブル発生器の管状部の内部に液体を通過させてマイクロバブルを発生させるのに必要な圧力にて、液体を管状部内において流すことができる。
また、マイクロバブル発生器は、先端からマイクロバブルを含む液体が流出するノズルにより構成されてもよい。
上記の構成によれば、マイクロバブル発生器であるノズルを第1流路に配置することで、簡易な構成により、ナノバブルを含む液体を噴出口から噴出することができる。また、既存の液体噴出装置にマイクロバブル発生器を組み込むことが容易になる。
また、第1流路の一部は、ホースによって構成され、ホースの一部が、マイクロバブル発生器の管状部の端部に繋がれていてもよい。
上記の構成によれば、既存の液体噴出装置にマイクロバブル発生器を組み込むことがより容易になる。
本発明によれば、より簡易な構成にて、ナノバブル含有の液体を噴出することが可能な液体噴出装置が実現される。
また、本発明によれば、より容易に、既存の液体噴出装置をナノバブル含有の液体を噴出できる装置に改良することができる。
液体噴出装置付き車両の模式図である。 本発明の一つの実施形態に係る液体噴出装置の概念図である。 マイクロバブル発生器を構成するノズルの外観図である。 マイクロバブル発生器を構成するノズルの断面図である。 マイクロバブル発生器内の乱流発生部を拡大した図である。 噴出口とマイクロバブル発生器の小径部とを示す図である。 変形例に係るマイクロバブル発生器を構成するエジェクタの断面図である。
本発明の液体噴出装置について、添付の図面に示す好適な実施形態(以下、本実施形態)を参照しながら説明する。
なお、以下の実施形態は、本発明について分かり易く説明するために挙げた具体的な一つの実施形態に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得る。また、本発明にその等価物が含まれることは、勿論である。
また、本発明の液体噴出装置を構成する各機器及び各部品の材質、寸法及び形状等は、本発明の用途及び本発明の実施時点での技術水準等に応じて任意に設定できる。
なお、本明細書において、「装置」とは、装置の構成部品が筐体内に収容された状態で一つのユニットとして取り扱うことができるものを含む。それ以外にも、装置の構成機器が互いに分離して各機器が独立した状態で存在していながらも特定の目的を達成するために協働して「装置」としてまとめられるものも存在し得る。また、「装置」は、上記の概念に限定されない。
また、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
<<液体噴出装置の概要>>
本実施形態に係る液体噴出装置(以下、液体噴出装置10)の概要について、図1を参照しながら説明する。液体噴出装置10は、ナノバブル含有の液体を噴出する装置であり、本実施形態では、薬液中にナノバブルを発生させてナノバブル入りの薬液を噴射する。ナノバブル入りの薬液は、例えば、農業又は植物栽培(園芸又は家庭菜園の用途を含む)等に用いられる。
ナノバブルは、ウルトラファインバブルであり、直径が1μmよりも小さい微細気泡であり、長期間(数ヶ月程度)に亘って液体中に含まれた状態が維持され得る。また、ナノバブルは、気泡の直径が1μm~100μmであるマイクロバブルとは相違する。
薬液は、液体の一例であり、固形の肥料又は薬剤等を用水中に溶かすか、液状の肥料又は薬剤等を用水にて希釈することで生成される水溶液である。用水は、液体の一例であり、例えば、農業又は植物栽培に用いられる一般的な水(例えば、水道水、井戸水又は河川水等)である。ただし、これに限定されず、用水は、蒸留水、純水又は超純水、鉱物又は有機物等が混ざった状態の濁水でもよい。なお、用水中に溶かす溶質は、固形物質に限定されず、例えば、用水以外の他の液体(例えば、液状の薬剤又は肥料等)でもよい。
固形又は液状の肥料を用水中に含ませて薬液を生成した場合、その薬液中にナノバブルが含まれると、通常の薬液に比べて、植物の生長を促進させる効果が知られている。また、固形又は液状の薬剤(農薬)を用水に含ませて薬液を生成した場合、薬液中にナノバブルが含まれることで、その展着効果が向上し、植物の病虫害を効果的に防除できることが知られている。
本実施形態において、液体噴出装置10は、図1に示すように、2個以上の噴出ヘッド11を有し、それぞれの噴出ヘッド11に設けられた噴出口12からナノバブル入りの薬液を噴出する。より詳しく説明すると、各噴出ヘッド11の噴出口12は、比較的小さく(小径であり)、ナノバブル入りの薬液は、噴出口12からミスト状態で噴出され、すなわち噴霧される。
本実施形態において、液体噴出装置10は、図1に示すように自走式の車両(移動体)に搭載される。液体噴出装置付きの車両100は、所謂スピードスプレイヤであり、植物が栽培される圃場において、ナノバブル入りの薬液を噴出しながら走行する。このとき、ナノバブル入りの薬液は、前述したように、ミスト状態で噴霧され、噴霧されたナノバブル入りの薬液のミストは、液体噴出装置付きの車両100に備えられた送風装置110から送られる風によって周囲に拡散される。
なお、液体噴出装置10が搭載された車両(移動体)は、スピードスプレイヤに限定されず、例えば所謂ブームスプレイヤでもよい。
また、液体噴出装置10が備える駆動機器、具体的には後述するポンプ14の駆動モータ等は、液体噴出装置付きの車両100が備えるエンジンから駆動力が伝達されることで作動する。液体噴出装置10は、装置内の各機器が作動することで、ナノバブル入りの薬液を複数の噴出ヘッド11の噴出口12から噴出(噴霧)する。
<<本発明の液体噴出装置の構成例>>
次に、液体噴出装置10の構成例について、図2及び3を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、「上流側」及び「下流側」とは、薬液が流れる方向において規定される位置(厳密には、基準となる位置又は機器から見た位置)を示すための概念である。具体的には、薬液が流れる方向において薬液が向かう側(換言すると、噴出口12により近い側)が「下流側」であり、その反対側が「上流側」である。
液体噴出装置10は、図2に示すように、噴出ヘッド11、液体タンク13、ポンプ14、及びマイクロバブル発生器30を備える。これらの機器の間は、流路15によって連絡されており、流路15には薬液が流れる。液体噴出装置10の構成は、マイクロバブル発生器30が備えられている点を除き、従来のスピードスプレイヤに搭載された装置と同様である。換言すると、既存のスピードスプレイヤに本実施形態に係るマイクロバブル発生器30を導入(追加)することで、本実施形態に係る液体噴出装置10を構成することができる。
噴出ヘッド11は、液体噴出装置10において最も下流側に配置され、液体の噴出口12を有し、例えば、公知のスピードスプレイヤに備わる噴射ノズルと同様の構造をなしている。本実施形態では、複数の噴出ヘッド11が、規則的に又は不規則に配置され、例えば、液体(薬液)が放射状に噴出されるように円弧状の列をなした状態で配置されている。
流路15内を流れた薬液は、噴出ヘッド11内に入った後に噴出口12を通過することで噴出ヘッド11の外、すなわち大気中に噴出される。また、前述したように、噴出口12の口径が比較的小さいため、薬液は、噴出口12からミスト状に噴霧される。噴出口12の開口形状は、例えば、円であるが、これに限定されず、四角形又は三角形等の多角形、楕円、あるいは不定形であってもよい。また、液体噴出装置10に設けられる噴出ヘッド11の個数は、特に限定されないが、噴出ヘッド11から噴出される薬液が利用されるエリアの面積等に応じて好適な個数であることが好ましい。
液体タンク13は、内部に薬液を貯める貯留器であり、例えば、密閉型又は半密閉型の容器によって構成される。液体タンク13には、用水の供給口13aが設けられ、この供給口13aから、新たな用水がタンク内に投入される。また、液体タンク13には、薬液の排出口13bが設けられており、排出口13bを通じてタンク外に出た薬液は、ポンプ14に取り込まれる。また、液体タンク13には、図2に示すように薬液の戻り口13cが設けられている。後述する第2流路18を流れる薬液は、戻り口13cを通じてタンク内に流入して回収される。
なお、肥料又は薬剤等の固形物質は、供給口13aから液体タンク13に投入され、タンク内で用水に溶かされてもよい。つまり、液体タンク13の内部において、固形物質を溶かした用水、すなわち薬液を生成してもよい。この場合、液体タンク13内で固形物質を効率よく溶解させる目的で、タンク内に撹拌装置等を設置してもよい。
ポンプ14は、液体タンク13内の薬液を、排出口13bを通じて取り込み、取り込んだ薬液を吐出する吐出装置であり、例えば、プランジャポンプによって構成される。ただし、ポンプ14の様式及び機種は、特に限定されず、容積式ポンプでもよく、また遠心型のような非容積式ポンプでもよい。
ポンプ14は、取り込んだ薬液を加圧し、加圧された状態の薬液を吐出口14aから吐出する。ポンプ14から吐出される薬液には気体、具体的には空気が混入しており、吐出口14aを通過した直後の薬液には、その地点における吐出圧に応じた量の空気(溶存空気)が溶け込んでいる。また、本実施形態において、ポンプ14の吐出圧は、流路15内での圧力損失を考慮し、マイクロバブル発生器30への流入圧力が0.15MPa以上となるように設定されている。換言すると、ポンプ14の性能(能力)は、所定の流量にて薬液を吐出した場合に上記の流入圧力が0.15MPa以上となるように選定される。マイクロバブル発生器30への流入圧力とは、後述する第1流路17においてマイクロバブル発生器30の上流側の端を通過する際の液体(薬液)の圧力である。
なお、上記の流入圧力の上限は、特に限定されないが、流入圧力が高くなるほど、マイクロバブル発生器30内で発生するマイクロバブルの数が多くなる。このことから、上記の流入圧力は、可能な限り高く設定されていることが好ましい。一方、流路15を構成する部材及び流路15中に設けられる機器の耐圧性能及び耐久性能を考慮し、それを超えない範囲で流入圧力が設定されるのがよく、例えば0.15MPa~5.0MPaの範囲で設定するのがよい。この範囲内に流入圧力があれば、マイクロバブル発生器30内においてキャビテーション効果をより高めることができ、薬液中の溶存空気がマイクロバブルとして析出し易くなる。
また、本実施形態に係るポンプ14は、図2に示すように、第2の吐出口14bを備え、第2の吐出口14bの直ぐ下流側には開閉弁Vが取り付けられており、開閉弁Vの下流側の端部にはホースHが繋ぎ込まれている。これにより、開閉弁Vが開状態であるときにポンプ14を起動させることで、ポンプ14から吐出される薬液を、ホースHを通じて送水し、ホース先端から放出される薬液を使用することができる。
流路15は、薬液が流れる流路であり、配管及びホース、並びに、マイクロバブル発生器30のような流路の一部を構成する機器等によって構成されている。流路15は、薬液が流れる方向において並んだ2つの機器の間を連絡しており、換言すると、2つの機器の間に存在する流路15の一端は、上流側の機器に接続されており、その流路15の他端は、下流側の機器に接続されている。ここで、「接続されている」とは、継手又は溶接等によって接続されている場合を含み、それ以外にも、バルブ等が介在した状態で接続されている場合も含み得る。
なお、図2には特に図示していないが、流路15には、開閉弁、流量調整弁、圧力計及び流量計等の計器、ストレーナ、並びに、流れの状態を監視するためのサイトグラス等が必要に応じて設けられてもよい。
また、流路15の一部は、図2に示すように、可撓性を有するホースHによって構成されてもよい。この場合、薬液が流れる方向において並んだ2つの機器のうち、少なくとも一方の機器が有するジョイント部に、ホースHの端部が繋ぎ込まれてもよい。また、ホースHの端部の外周と対向する位置に配置された環状又は筒状のホース留め金具によって、ホースHの端部をジョイント部に対して固定してもよい。さらに、ホース留め金具をホース側にかしめることで、ホースの端部をより強固にジョイント部に固定してもよい。ホースHは、ゴムホース、樹脂ホース、金属製のフレキシブルホース、ブレードホース、あるいは農業又は園芸用に利用可能なその他のホースのうちのいずれかであるとよい。
本実施形態において、流路15は、図2に示すように、液体タンク13とポンプ14との間を連絡する取込み用流路16と、ポンプ14の吐出口14aから延出した第1流路17とを有する。液体タンク13から排出された薬液は、取込み用流路16をポンプ14に向かって流れる。第1流路17は、その途中位置にマイクロバブル発生器30を備え、また、噴出ヘッド11の噴出口12まで延出している。また、第1流路17の一部は、図2に示すように、可撓性を有するホースHによって構成されてもよい。
また、流路15は、図2に示すように、ポンプ14から吐出された薬液を返送するための第2流路18を有する。第2流路18は、第1流路17においてマイクロバブル発生器30より下流側の位置で第1流路17に接続されている。換言すると、第2流路18は、マイクロバブル発生器30の下流側にある分岐地点で第1流路17から分岐した流路である。第2流路18の一端部、詳しくは、第1流路17に接続されている側とは反対側の端部は、液体タンク13の戻り口13cに接続されている。第2流路18には、ポンプ14から吐出されてマイクロバブル発生器30内を通過した薬液(厳密には、マイクロバブル入りの薬液)の一部が流れる。そして、第2流路18を流れる薬液は、液体タンク13に返送される。つまり、本実施形態の液体噴出装置10では、マイクロバブル入りの薬液が液体タンク13、ポンプ14及びマイクロバブル発生器30を経由して循環する循環型の流路が形成されている。
マイクロバブル発生器30は、前述したように、第1流路17の途中位置に配置されており、その内部を、第1流路17を流れる薬液が通過する。つまり、マイクロバブル発生器30の内部空間(詳しくは、管状部31の内部空間)は、第1流路17の一部分を構成している。そして、マイクロバブル発生器30は、その内部を通過する薬液中にマイクロバブルを発生させる。本実施形態におけるマイクロバブルの発生原理については、マイクロバブル発生器30内でキャビテーションを強制的に発生させることで薬液の圧力が減圧して負圧が生じる。その結果、薬液中の溶存空気がマイクロバブルとして析出する。これにより、マイクロバブル発生器30の下流側の端(先端)からマイクロバブル入りの薬液が流出する。
マイクロバブル発生器30から流出した薬液、すなわちマイクロバブル入りの薬液は、第1流路17を流れ、やがて噴出ヘッド11の噴出口12に到達すると、噴出口12を通じて噴出される。この際、薬液に混入したマイクロバブルがさらに微細化され、その大部分がナノバブルに変化する。この結果、ナノバブル入りの薬液が噴出口12から噴出(厳密には、噴霧)されるようになる。
ところで、本実施形態に係るマイクロバブル発生器30は、図3に示すノズルによって構成されている。このノズルは、既存のスピードスプレイヤが備える流路、詳しくは、ポンプ14の吐出口14aから噴出ヘッド11の噴出口12まで延びた第1流路17に対して容易に取り付けることができる。
より詳しく説明すると、ノズルが有する管状部31の両端部には、図3に示すようにネジ山32(詳しくは、雄ネジ)が形成されている。このネジ山32には、不図示のホースニップルに備わるネジ山(詳しくは、雌ネジ)が嵌まり合い、ネジ山同士の嵌合によってノズルの端部にホースニップルが連結される。そして、ホースニップルの端部に設けられた段差状の継手部分に、第1流路17の一部を構成するホースHを嵌め込むことにより、第1流路17の途中位置にマイクロバブル発生器30としてのノズルを配置することができる。
以上のように、第1流路17の一部をホースHによって構成した場合には、そのホースHの一部を、上記のホースニップルを介してマイクロバブル発生器30の管状部31の端部に繋げることができる。これにより、既存の装置(スピードスプレイヤ)にマイクロバブル発生器30を後付けすることができる。すなわち、比較的簡易な構成によって、既存のスピードスプレイヤを、ナノバブル入りの薬液を噴出可能な装置に改良することができる。
なお、上記のノズルを第1流路17に取り付ける手段及び方式については、特に限定されず、例えば、既設の配管を切断し、切断された配管に上記のノズルの端を溶接にて接合してもよい。あるいは、既設の配管の一部分がフランジにてボルト止めされている場合に、その一部の配管を取り外し、空いたスペースに、端部にフランジを備える上記のノズルを配置して、そのノズルをフランジにてボルト止めしてもよい。
<<マイクロバブル発生器の構造>>
本実施形態に係るマイクロバブル発生器30の構造について、図3~5を参照しながら説明する。
マイクロバブル発生器30は、ノズル型の機器であり、図3に示すように管状部31を備える。管状部31は、図4に示すように、その内部に、上流側の部分より内径が小さい小径部33を有する。つまり、小径部33の内径は、当該小径部33の上流側の部分(厳密には、小径部33の上流側で小径部33と隣り合う部分)の内径よりも小さい。また、小径部33は、第1小径部38と、第1小径部38よりも下流側に位置する第2小径部42とを有する。
管状部31は、図4に示すように、上流側の開口端としての流入口34と、下流側の開口端としての流出口35とを有する。また、図4に示すように、管状部31の内部には、流入口34から流出口35に向かって、大径部36、縮径部37、第1小径部38、拡径部39、同径部40、乱流発生部41、第2小径部42、及び噴出部43が同軸上に配置されている。すなわち、管状部31の内部において、第1小径部38と第2小径部42との間には、拡径部39と同径部40と乱流発生部41とが設けられている。
縮径部37、第1小径部38及び第2小径部42は、負荷発生部44を構成し、負荷発生部44では、薬液の流速が上がって液体に負圧が生じる結果、キャビテーションが発生する。これにより、液体中の溶存空気がマイクロバブルとして析出する。また、乱流発生部41では、図5に示すように、薬液の流れに乱流が発生するとともに薬液の圧力が加圧されることで、乱流発生部41の上流側で生成されたマイクロバブルが微細化され、より微細なマイクロバブルが発生する。
本実施形態において、管状部31は、製造容易性の観点から、互いに分割された2つの筒状部材(以下、第1部材51及び第2部材52)を連結して構成されたものであることが好ましい。この場合、図3に示すように、第1部材51は、下流側端部の外周縁にフランジ部53を備え、第2部材52は、上流側端部の外周縁にフランジ部54を備える。そして、フランジ部53、54同士を接合させてボルト等で固定することで、第1部材51と第2部材52とを連結させるとよい。ただし、管状部31は、第1部材51と第2部材52に分割可能な構成に限定されず、一部品によって構成されてもよい。
第1部材51においてフランジ部53とは反対側の端は、流入口34をなし、図4に示すように、第1部材51の内部には、上流側から、大径部36、縮径部37、第1小径部38、拡径部39及び同径部40がこの順で並んでいる。第2部材52においてフランジ部54とは反対側の端は、流出口35をなし、図4に示すように、第2部材52の内部には、上流側から、乱流発生部41、第2小径部42及び噴出部43がこの順で並んでいる。
大径部36は、管状部31の内部において最も上流側に位置する空間であり、その内径が大径部36の上流側の端から下流側の端に亘って同じ長さとなった状態で下流側に向かって延出している。大径部36の内径は、特に限定されないが、例えば5mm~15mm程度であるとよい。
縮径部37は、大径部36の下流側に位置して大径部36と隣接し、下流側に向かって内径が漸次的に短縮するテーパ状の空間である。縮径部37の各部の内径、換言すると縮径部37における縮径度合いは、特に限定されないが、縮径部37の下流側の端での内径が大径部36の内径の1/3程度になるまで縮径してもよい。
第1小径部38は、第1小径部38の上流側に位置する大径部36より内径が小さい空間である。第1小径部38は、縮径部37の下流側に位置して縮径部37と隣接し、その内径が縮径部37の下流側の端での内径と同じ長さとなった状態で下流側に向かって延出している。第1小径部38の内径は、後述する式1を満たす限り、特に限定されず、例えば大径部36の内径の1/3程度であるとよい。
拡径部39は、第1小径部38の下流側に位置して第1小径部38と隣接し、下流側に向かって内径が漸次的に拡大するテーパ状の空間である。拡径部39の各部の内径、換言すると拡径部39における拡径度合いは、特に限定されないが、例えば拡径部39の下流側の端での内径が大径部36の内径と略同じ長さになるまで拡径してもよい。
同径部40は、拡径部39の下流側で拡径部39と隣接し、内径が拡径部39の下流側の端での内径と同じ長さとなった状態で下流側に向かって延出した空間である。同径部40の内径は、特に限定されないが、例えば大径部36の内径と略同じ長さであってもよい。
乱流発生部41は、同径部40と同径の空間であり、すなわち内径が同径部40と同じ長さとなった状態で下流側に向かって延出している。乱流発生部41は、同径部40の下流側で同径部40と隣接している。換言すると、乱流発生部41は、同径部40と第2小径部42との間に配置されており、同径部40及び第2小径部42の各々と隣接している。
第2小径部42は、第2小径部42の上流側に位置する同径部40及び乱流発生部41より内径が小さい空間である。第2小径部42は、乱流発生部41の下流側に位置して乱流発生部41と隣接し、その内径が一定の長さとなった状態で下流側に向かって延出している。第2小径部42の内径は、後述する式1を満たす限り、特に限定されず、例えば大径部36の内径の1/3程度であるとよい。また、第2小径部42の内径と第1小径部38の内径とは、同じ長さでもよい。その場合、小径部33の内径は、第1小径部38及び第2小径部42の各々の内径に相当する。あるいは、第1小径部38及び第2小径部42のうち、一方の内径が他方の内径より小さくてもよい。その場合、小径部33の内径は、第1小径部38の内径、及び、第2小径部42の内径のうち、より小さい方の内径に相当する。
噴出部43は、管状部31の内部において最も下流側に位置し、第2小径部42の下流側に位置して第2小径部42と隣接し、下流側に向かって内径が漸次的に拡大するテーパ状の空間である。噴出部43の各部の内径、換言すると噴出部43における拡径度合いは、特に限定されないが、例えば噴出部43の下流側の端での内径が、第2小径部42の3~4倍程度の長さになるまで拡径してもよい。
前述の乱流発生部41の構成について、図5を参照しながら詳しく説明すると、乱流発生部41の内径は、第2小径部42の内径よりも格段に大きい。つまり、管状部31の内径は、乱流発生部41と第2小径部42の境界位置で不連続に変化する。換言すると、管状部31の軸方向において乱流発生部41の内壁面と第2小径部42の内壁面との間には、上記の軸方向と交差(詳しくは、略直交)する段差面45が設けられている。
また、乱流発生部41内には筒状凸部46が設けられている。筒状凸部46は、図5に示すように、上記の段差面45のうち、第2小径部42の上流側の端を囲んだ部分から上記の軸方向に沿って上流側に突出している。この筒状凸部46によって囲まれる円柱状の空間は、第2小径部42と連通した連通部47をなしている。上記の軸方向における筒状凸部46の長さ、つまり突出量は、特に限定されないが、例えば、3~5mm程度でもよい。
また、乱流発生部41において乱流発生部41の内壁面と筒状凸部46の外周面との間には、円環状の凹部48が設けられている。凹部48内には、乱流発生部41内を下流側に流れる薬液が入り込み、凹部48内に入り込んだ薬液は、段差面45に衝突して上流側に跳ね返る。この構成により、図5に示すように筒状凸部46付近で乱流が発生する。また、筒状凸部46付近を乱流状態で流れる薬液は、筒状凸部46の内側にある連通部47に流れ込む。
以上のように構成されたマイクロバブル発生器30の管状部31の内部を薬液が流れる際に、薬液中にマイクロバブルが発生し、管状部31の流出口35からはマイクロバブル入りの薬液が流出する。具体的に説明すると、流入口34から管状部31内に進入した薬液は、大径部36内を軸方向に沿って上流側から下流側に向かって流れる。その後、薬液は、縮径部37及び第1小径部38内、すなわち負荷発生部44の内部を流れる。このとき、薬液の流速が上がるため、薬液の圧力が減圧されることで負圧が生じてキャビテーションが発生し、これにより、薬液中の溶存空気がマイクロバブルとして析出する。
薬液は、さらに下流側に流れて拡径部39及び同径部40内を流れる。このとき、拡径部39及び同径部40のそれぞれの内壁面に沿って薬液の流れ(液流)が発生する。薬液は、やがて乱流発生部41内に進入し、凹部48内に入り込み、段差面45に衝突して上流側に跳ね返る(図5参照)。これにより、筒状凸部46付近で乱流が発生し、薬液が加圧される結果、薬液中のマイクロバブルが微細化される。そして、乱流状態の薬液は、筒状凸部46の内側の連通部47に流れ込み、さらに下流側に流れ、負荷発生部44を構成する第2小径部42内を流れる。このとき、薬液の流速が再び上がるため、薬液の圧力が減圧され、これにより液流に負圧が生じてキャビテーションが発生する。これにより、第2小径部42内を流れる薬液中の溶存空気がマイクロバブルとして析出し、その結果、薬液中に十分なマイクロバブルが含有される。そして、マイクロバブル入りの薬液は、噴出部43内を流れ、マイクロバブル発生器30であるノズルの先端、すなわち流出口35から流出(厳密には、噴出)される。
以上の構成により、マイクロバブル発生器30内において薬液が小径部33(具体的には第1小径部38及び第2小径部42)の上流側から小径部33を通過する際に、薬液の流速が上がることで液流に負圧が生じ、キャビテーションが発生する。このキャビテーションにより、薬液中の溶存空気からマイクロバブルとして析出し、薬液中にマイクロバブルが発生する。また、乱流発生部41内で乱流を発生させることで、マイクロバブルを微細化することができる。この結果、シンプルな構成により、マイクロバブル発生器30の管状部31内を薬液が通過する際に薬液中にマイクロバブルを効率よく発生させ、微細化させることができる。
<<噴出口とマイクロバブル発生器内の小径部との大小関係について>>
本実施形態の液体噴出装置10は、1つ以上の噴出口12と、小径部33が設けられた管状部31からなるマイクロバブル発生器30と、を有する。より詳しく説明すると、本実施形態の液体噴出装置10は、複数の噴出口12を有し、管状部31の内部には、小径部33としての第1小径部38及び第2小径部42が設けられている。そして、本実施形態では、小径部33の断面積が、複数の噴出口12の開口面積の合計値以上である。
より具体的に説明するため、図6に示すように、液体噴出装置10が有する噴出口12の数をN個(Nは2以上の自然数)とし、噴出口12の開口面積をSaとし、小径部33の断面積をSbとする。この場合、本実施形態では、以下の式1が満たされている。
Sb≧N×Sa (式1)
噴出口12の開口面積は、噴出口12の外縁によって囲まれる範囲の面積である。また、本実施形態では、複数の噴出口12の各々の開口面積が等しい。小径部33の断面積は、小径部33の、管状部31の軸方向と直交する断面の面積であり、換言すると、当該断面において小径部33の縁(内縁)によって囲まれる部分の面積である。なお、第1小径部38及び第2小径部42のそれぞれの内径が同一である場合、第1小径部38及び第2小径部42のそれぞれの断面積がSbに相当する。第1小径部38及び第2小径部42の間で内径が異なる場合、内径がより小さい小径部33の断面積がSbに相当する。すなわち、マイクロバブル発生器30の管状部31内で小径部33の断面積が変化する構成では、小径部33の断面積の最小値が、複数の噴出口12の開口面積の合計値以上となっていればよい。
そして、上記の式1を満たした場合、マイクロバブル発生器30にて発生したマイクロバブルを含有する薬液、すなわちマイクロバブル入りの薬液が噴出口12を通過する際に、マイクロバブルがナノバブルに変化する。つまり、本実施形態の液体噴出装置10では、上記の式1を満たすように複数の噴出口12と小径部33が構成されていることで、マイクロバブル発生器30にて発生したマイクロバブルをナノバブルのサイズに微細化し、その結果、各噴出口12からナノバブル入りの薬液が噴出(噴霧)される。
<<本実施形態の有効性について>>
本実施形態では、比較的簡易な構成により、ナノバブル入りの薬液を噴出することができる。具体的に説明すると、本実施形態では、マイクロバブル発生器30内でキャビテーション及び乱流を発生させることにより、マイクロバブル発生器30内を通過する薬液中にマイクロバブルを発生させる。このとき、薬液中の溶存空気を用いてマイクロバブルを発生させるため、マイクロバブル発生器30内で薬液中に加圧ガスを別途注入させる必要がなく、加圧ガス注入用の機器等が不要となる。
また、本実施形態では、噴出口12とマイクロバブル発生器30内の小径部33とが前述の式1を満たしている。これにより、マイクロバブル入りの薬液が噴出口12を通過する際に、マイクロバブルが微細化してナノバブルとなり、その結果、噴出口12からナノバブル入りの薬液が噴出される。以上のように、本実施形態では、マイクロバブル発生器30の小径部33の断面積が噴出口12の開口面積の合計値以上であることにより、ナノバブルを薬液中に発生させることができる。このような特徴を活かして、例えば、既存のスピードスプレイヤに上記のマイクロバブル発生器30を組み込めば、比較的簡易な構成によってナノバブル入りの薬液を噴出することができる。
また、本実施形態では、図2に示すように、マイクロバブル発生器30の下流側で流路15が分岐しており、マイクロバブル入りの薬液の一部が第1流路17から第2流路18に流れて液体タンク13に返送される。すなわち、本実施形態において、マイクロバブル入りの薬液は、液体タンク13、ポンプ14及びマイクロバブル発生器30を経由して循環する。これにより、第1流路17を流れる薬液中に含まれるマイクロバブルの数を十分に増やすことができる。さらに、マイクロバブル入りの薬液の一部が液体タンク13に返送されることで、薬液が流れる経路(つまり、流路15)がより長くなるので、肥料又は薬剤等の固形物質が用水中に溶けやすくなる。さらにまた、固形物質が用水中に溶けやすくなることで、固形物質が良好に溶解し、その結果、液体タンク13内で溶け残った固形物質が泡を形成してタンク内の液面にて泡立ちが発生するのを抑えることができる。
<<その他の実施形態>>
以上までに、本発明の液体噴出装置、及び液体噴出装置を搭載した移動体について、具体的な一つの実施形態を挙げて説明したが、上記の実施形態は、あくまでも一例に過ぎず、他の例も考えられる。
上記の実施形態では、液体噴出装置10が噴出口12を複数有する場合を例に挙げて説明したが、液体噴出装置に備えられた噴出口が1つのみであってもよい。この場合、その1つの噴出口12の開口面積が、1つ以上の噴出口の開口面積の合計値に相当し、マイクロバブル発生器30の管状部31内に設けられた小径部33の断面積は、上記1つの噴出口12の開口面積以上であればよい。
また、上記の実施形態では、マイクロバブル発生器30の一例として、図3~5に示す構造のノズルを用いることとしたが、これに限定されるものではなく、図7に示すエジェクタをマイクロバブル発生器60として用いてもよい。
マイクロバブル発生器60をなすエジェクタの内部は、拡径部39、同径部40、乱流発生部41及び第2小径部42を備えない一方で、大径部36と連通した気体注入部49を有する。これらの点を除き、上記のエジェクタは、前述したマイクロバブル発生器30を構成するノズルと略同様の構成である。このようなエジェクタの内部を薬液が通過することで、薬液の流れに負圧が生じてキャビテーションが発生し、これにより、薬液内にマイクロバブルを発生させることができる。ただし、前述したノズル型のマイクロバブル発生器30の構成であれば、より効率よく薬液中にマイクロバブルを発生させ、且つマイクロバブルを微細化することができる。
また、上記の実施形態では、第1流路17の一部がホースHによって構成されているケースを例に挙げて説明したが、第1流路17の全体が配管又はホースHによって構成されてもよい。
また、上記の実施形態では、循環型の流路15が構築され、マイクロバブル発生器30を通過した薬液、すなわちマイクロバブル入りの薬液の一部が液体タンク13に返送されることとした。ただし、これに限定されず、薬液の流路15が非循環型の流路であり、マイクロバブル発生器30を通過した薬液(すなわち、マイクロバブル入りの薬液)が液体タンク13に返送されず、その全量が噴出口12から噴出されてもよい。
また、上記の実施形態では、車両に搭載される液体噴出装置(すなわち、スピードスプレイヤ又はブームスプレイヤ等)について説明したが、これに限定されるものではない。本発明の液体噴出装置は、ユーザが運搬可能な可搬型の装置でもよく、据置型の装置でもよい。また、可搬型の装置は、肩掛け式の装置でもよく、背負い式の装置でもよい。
また、上記の実施形態では、液体噴出装置付きの車両100が備えるエンジンから伝達される駆動力により、液体噴出装置における各駆動機器が作動することとした。ただし、これに限定されず、液体噴出装置10の駆動機器は、上記の車両に搭載される充電式電池(バッテリ)からの電力、あるいは、商用電源又は太陽光パネル等の電源から供給される電力によって作動してもよい。また、液体噴出装置10に備わる駆動機器は、手動式の機器であってもよい。
また、本発明の液体噴出装置は、上記の実施形態で説明したように、既存の装置(例えば、スピードスプレイヤ又はブームスプレイヤ)にマイクロバブル発生器30を組み込むことで構成してもよい。あるいは、本発明の液体噴出装置は、その構成機器の各々を一から組み立てて新規に製造されるものでもよい。
また、上記の実施形態では、液体の一例として薬液、すなわち肥料又は薬剤が溶けた用水を挙げたが、これに限定されるものではない。本発明の液体噴出装置は、薬液以外の液体、例えば、薬液の形態ではない一般的な用水、油、アルコール、有機溶剤、及びエマルジョン等の分散系溶液を噴出する場合にも利用することが可能である。用水は、農業又は園芸用の用水に限定されず、例えば、薬品製造用水、食品製造用水、化粧品製造用水、機能材料製造用水、水産業(特に養殖業)に用いる水、洗浄水、並びに医療用水等でもよい。そして、これらの用水にナノバブルを生成させて噴出する場合にも本発明は適用可能である。
10 液体噴出装置
11 噴出ヘッド
12 噴出口
13 液体タンク
13a 供給口
13b 排出口
13c 戻り口
14 ポンプ
14a 吐出口
14b 第2の吐出口
15 流路
16 取込み用流路
17 第1流路
18 第2流路
30 マイクロバブル発生器
31 管状部
32 ネジ山
33 小径部
34 流入口
35 流出口
36 大径部
37 縮径部
38 第1小径部
39 拡径部
40 同径部
41 乱流発生部
42 第2小径部
43 噴出部
44 負荷発生部
45 段差面
46 筒状凸部
47 連通部
48 凹部
49 気体注入部
51 第1部材
52 第2部材
53,54 フランジ部
60 マイクロバブル発生器
100 液体噴出装置付きの車両
110 送風装置
H ホース
V 開閉弁

Claims (8)

  1. 液体を噴出する1つ以上の噴出口と、
    液体を吐出する吐出装置と、
    前記吐出装置から吐出された液体が前記1つ以上の噴出口に向かって流れる第1流路と、
    前記第1流路の途中位置に配置されたマイクロバブル発生器と、を備え、
    前記マイクロバブル発生器が備える管状部内には小径部が設けられ、該小径部の内径は、前記小径部の上流側の部分の内径より小さく、
    前記マイクロバブル発生器は、前記管状部内を流れる液体が前記小径部の上流側から前記小径部を通過する際に生じるキャビテーションにより、液体中にマイクロバブルを発生させ、
    前記小径部の断面積が、前記1つ以上の噴出口の開口面積の合計値以上である、液体噴出装置。
  2. 液体を溜める貯留器を有し、
    前記吐出装置は、前記貯留器内の液体を取り込んで吐出し、
    前記第1流路における前記マイクロバブル発生器の下流側の位置にて前記第1流路に接続された第2流路をさらに有し、
    前記第2流路の下流側の端部が前記貯留器に接続されている、請求項1に記載の液体噴出装置。
  3. 前記小径部は、第1小径部と、前記第1小径部よりも下流側に位置する第2小径部とを有し、
    前記管状部の内部において、前記第1小径部と前記第2小径部との間には、
    前記第1小径部の下流側に位置し、下流側に向かって内径が拡大する拡径部と、
    前記拡径部の下流側で前記拡径部と隣接し、内径が前記拡径部の下流側の端での内径と同じ長さとなった状態で下流側に向かって延出した同径部と、
    前記同径部と前記第2小径部との間に配置されて前記同径部及び前記第2小径部の各々と隣接し、且つ内径が前記同径部と同じ長さとなった状態で下流側に向かって延出した乱流発生部と、が設けられている、請求項1に記載の液体噴出装置。
  4. 前記管状部の軸方向において、前記乱流発生部の内壁面と前記第2小径部の内壁面との間には、前記軸方向と交差する段差面が設けられている、請求項3に記載の液体噴出装置。
  5. 前記乱流発生部内には、前記段差面のうち、前記第2小径部の上流側の端を囲んだ部分から前記軸方向に沿って上流側に突出した筒状凸部が設けられ、
    前記乱流発生部の内壁面と前記筒状凸部の外周面との間には、凹部が設けられている、請求項4に記載の液体噴出装置。
  6. 前記吐出装置が液体を吐出する際の吐出圧は、前記第1流路において前記マイクロバブル発生器の上流側の端を通過する際の液体の圧力が0.15MPa以上となるように設定されている、請求項1に記載の液体噴出装置。
  7. 前記マイクロバブル発生器は、先端からマイクロバブルを含む液体が流出するノズルにより構成されている、請求項1に記載の液体噴出装置。
  8. 前記第1流路の一部は、ホースによって構成され、
    前記ホースの一部が、前記マイクロバブル発生器の前記管状部の端部に繋がれている、請求項1に記載の液体噴出装置。
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