JP7471426B2 - 電力用半導体素子の駆動制御回路、電力用半導体モジュール、および電力変換装置 - Google Patents

電力用半導体素子の駆動制御回路、電力用半導体モジュール、および電力変換装置 Download PDF

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Description

本開示は、電力用半導体素子の駆動制御回路、電力用半導体モジュール、および電力変換装置に関する。
従来から電力変換器を構成する電力用半導体素子としてSi-IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が広く用いられるが、最近では電力変換器の更なる小型化、高効率化を実現するためにSiC-MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)の適用が盛んになっている。
電力変換器においてアーム短絡状態が発生すると、電力用半導体素子には電力変換器の直流リンク電圧が印加された状態で大電流が流れる。その結果、電力用半導体素子には、非常に大きな損失が発生し、熱破壊する可能性がある。
電力変換器の信頼性を確保するためには、電力変換器の短絡状態の検知および保護が必要である。短絡耐量エネルギーが同一の場合に、電力用半導体素子の高電流密度化によって、短絡状態に耐えうる時間が短くなるので、高速な短絡検出が必要となる。さらに、最近では電力用半導体素子としてSiC-MOSFETが適用されており、高速な短絡保護の要求が高まっている。
電力変換器の短絡状態を検出する最も直接的な方法としては、主端子間電圧を検出する方法が知られている。この方法は、電力変換器が短絡状態となったとき、主端子間電圧は直流リンク電圧にほぼ等しい高電圧となることを利用したものである。しかし、正常状態と短絡状態とを区別するためには検出期間を設定する必要があるため、高速に検出することはできない。
たとえば、特許文献1に記載の電力用半導体素子の駆動制御回路は、電力用半導体素子(IGBT)のゲート電圧とゲート電流とを検出する。この駆動制御回路は、検出したゲート電流を時間積分することによってゲート電荷量を求める。この駆動制御回路は、ゲート電圧が所定の基準電圧よりも高く、かつゲート電荷量が所定の基準電荷量よりも小さいときにアーム短絡状態を検出する。
特開2015-53749号公報(第7頁第6行~第10頁第41行、図1)
特許文献1の電力用半導体素子のゲート駆動回路は、ゲート電圧とゲート電荷量との関係、すなわち、ゲート電荷特性を利用してアーム短絡状態を検出する。ゲート電荷特性を利用することによって、検出期間を設定することなく高速にアーム短絡状態を検出することができる。
しかしながら、ゲート電圧と、ゲート電流またはそれに相当する電圧の2つの信号とを検出するため、回路規模が大きくなる。昨今のトレンドである電力変換器の高パワー密度化を実現するためには、駆動制御回路の回路規模も可能な限り小さくすることが望まれる。
それゆえに、本発明の目的は、小さな回路規模で高速に短絡を検出することができる電力用半導体素子の駆動制御回路、電力用半導体モジュールおよび電力変換装置を提供することである。
本開示の電力用半導体素子の駆動制御回路は、制御電極と正極側電極と負極側電極とを有する電力用半導体素子の駆動制御回路である。電力用半導体素子の駆動制御回路は、制御電極と負極側電極の間に印加される電圧を遷移させることによって電力用半導体素子を駆動する駆動器と、駆動器と制御電極との間に流れるゲート電流を検出するゲート電流検出器と、検出したゲート電流量に基づいて、電力用半導体素子に供給されるゲート電荷量を算出するゲート電荷量演算器と、ゲート電流の大きさおよびゲート電荷量の大きさに基づいて、アーム短絡または負荷短絡を検出する短絡検出器とを備える。短絡検出器は、ゲート電流の大きさと、少なくとも1つの基準値とを比較するゲート電流判定器と、ゲート電荷量の大きさと、少なくとも1つの基準値とを比較するゲート電荷量判定器と、ゲート電流判定器の出力信号とゲート電荷量判定器の出力信号との論理演算を実行する短絡検出用論理演算器とを含む。
本開示の電力用半導体素子の駆動制御回路によれば、短絡検出器は、ゲート電流の大きさと、少なくとも1つの基準値とを比較するゲート電流判定器と、ゲート電荷量の大きさと、少なくとも1つの基準値とを比較するゲート電荷量判定器と、ゲート電流判定器の出力信号とゲート電荷量判定器の出力信号との論理演算を実行する短絡検出用論理演算器とを含む。これによって、この駆動制御回路は、小さな回路規模で高速に短絡を検出することができる。
実施の形態1の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。 ゲート電流Igとゲート電荷量Qgとの関係に基づくアーム短絡の検出原理を説明するための図である。 実施の形態2の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。 実施の形態3の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。 実施の形態4の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。 実施の形態5の形態の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。 実施の形態6の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。 実施の形態7の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。 実施の形態8の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。 実施の形態9の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。 ゲート電流Igとゲート電荷量Qgとの関係に基づく負荷短絡の検出原理を説明するための図である。 実施の形態10の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。 実施の形態11の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。 実施の形態12の電力変換システムの構成を示すブロック図である。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。
電力用半導体素子1は、Si-IGBT、RC(Reverse Conducting)-IGBT、SiC-MOSFET、GaNトランジスタ、およびGa2O3トランジスタのうちのいずれかである。以下の説明では、電力用半導体素子1としてMOSFETを例にして説明する。電力用半導体素子1は、制御電極と正極側電極と負極側電極とを有する。
この電力用半導体素子の駆動制御回路は、指令器2と、駆動器80と、抵抗7と、ゲート電流検出器として機能する電流センサ8と、ゲート電荷量演算器9と、短絡検出器300とを備える。
指令器2は、電力用半導体素子1をターンオンさせる指令またはターンオフさせる指令を駆動器80に出力する。ターンオンさせる指令は、ハイレベルの信号である。ターンオフさせる指令は、ロウレベルの信号である。電力用半導体素子1は、指令器2からの信号に基づき導通(オン)状態と遮断(オフ)状態とを遷移する。
抵抗7が、駆動器80と、電力用半導体素子1の間に配置される。
駆動器80は、トランジスタ5とトランジスタ6とを備える。
ターンオンさせる指令を受けると、トランジスタ5が導通状態、およびトランジスタ6が非導通状態となる。これによって、正ゲート電圧源3が抵抗7を介して電力用半導体素子1の制御電極と接続されるので、電力用半導体素子1は導通状態となる。
ターンオフさせる指令を受けると、トランジスタ5が非導通状態、およびトランジスタ6が導通状態となる。これによって、基準電位4が抵抗7を介して電力用半導体素子1の制御電極と接続されるので、電力用半導体素子1は非導通状態となる。
電流センサ8は、電力用半導体素子1を導通状態とする際(ターンオン動作時)および非導通状態とする際(ターンオフ動作時)に、駆動器80と電力用半導体素子1の制御電極との間に流れるゲート電流Igを検出する。具体的には、電流センサ8は、駆動器80と、電力用半導体素子1の制御電極との間の配線に流れる電流の大きさを検出する。電流センサ8は、ゲート電流Igの大きさを表わす電圧信号をゲート電荷量演算器9およびゲート電流判定器101に出力する。
ゲート電荷量演算器9は、電流センサ8からゲート電流Igの大きさを表わす電圧信号を受ける。ゲート電荷量演算器9は、ゲート電流を積分することによって、ゲート電荷量Qgを算出する。
短絡検出器300は、ゲート電流Igの大きさおよびゲート電荷量Qgの大きさに基づいて、アーム短絡または負荷短絡を検出する。本実施の形態では、アーム短絡が検出される。
短絡検出器300は、ゲート電流判定器101と、ゲート電荷量判定器11と、アーム短絡検出用論理演算器18とを備える。
ゲート電流判定器101は、ゲート電流Igが、ゲート電流下限基準値104以上、かつゲート電流上限基準値14以下か否かを判定する。ゲート電流判定器101は、ゲート電流Igがゲート電流下限基準値104以上、かつゲート電流上限基準値14以下のときに、ハイレベルの信号を出力する。
ゲート電流判定器101は、ゲート電流用第1の比較器102と、ゲート電流用第2の比較器10と、ゲート電流用論理演算器107とを備える。
ゲート電流用第1の比較器102は、電流センサ8の出力信号とゲート電流下限基準値104とを比較する。ゲート電流用第1の比較器102は、電流センサ8の出力信号がゲート電流下限基準値104以上のときに、ハイレベルの信号を出力する。
ゲート電流用第2の比較器10は、電流センサ8の出力信号とゲート電流上限基準値14とを比較する。ゲート電流用第2の比較器10は、電流センサ8の出力信号がゲート電流上限基準値14以下のときに、ハイレベルの信号を出力する。
ゲート電流用論理演算器107は、ゲート電流用第2の比較器10の出力信号とゲート電流用第1の比較器102の出力信号との論理積を出力する。
ゲート電荷量判定器11は、ゲート電荷量Qgが、ゲート電荷量下限基準値15以上、かつゲート電荷量上限基準値16以下か否かを判定する。ゲート電荷量判定器11は、ゲート電荷量Qgがゲート電荷量下限基準値15以上、かつゲート電荷量上限基準値16以下のときに、ハイレベルの信号を出力する。ゲート電荷量判定器11は、ゲート電荷量用第1の比較器12と、ゲート電荷量用第2の比較器13と、ゲート電荷量用論理演算器17とを備える。
ゲート電荷量用第1の比較器12は、ゲート電荷量演算器9の出力信号(ゲート電荷量Qg)とゲート電荷量下限基準値15とを比較する。ゲート電荷量用第1の比較器12は、ゲート電荷量演算器9の出力信号(ゲート電荷量Qg)がゲート電荷量下限基準値15以上のときに、ハイレベルの信号を出力する。
ゲート電荷量用第2の比較器13は、ゲート電荷量演算器9の出力信号(ゲート電荷量Qg)とゲート電荷量上限基準値16とを比較する。ゲート電荷量用第2の比較器13は、ゲート電荷量演算器9の出力信号(ゲート電荷量Qg)がゲート電荷量上限基準値16以下のときに、ハイレベルの信号を出力する。
ゲート電荷量用論理演算器17は、ゲート電荷量用第1の比較器12の出力信号とゲート電荷量用第2の比較器13の出力信号との論理積を出力する。
アーム短絡検出用論理演算器18は、ゲート電流判定器101のゲート電流用論理演算器107の出力信号とゲート電荷量判定器11のゲート電荷量用論理演算器17の出力信号との論理積を求めることによって、アーム短絡を検出する。アーム短絡検出用論理演算器18は、ゲート電流用論理演算器107の出力信号がハイレベル、かつゲート電荷量用論理演算器17の出力信号がハイレベルのときに限り、アーム短絡状態であると検出して、アーム短絡状態であることを表わすハイレベルの信号を出力する。
本実施の形態によるアーム短絡の検出方法を説明する。
図2は、ゲート電流Igとゲート電荷量Qgとの関係に基づくアーム短絡の検出原理を説明するための図である。アーム短絡では、電力用半導体素子1と、電力用半導体素子1とは相補的に動作する逆アームの電力用半導体素子とが同時にオン状態となる。
破線で示した波形(一部実線と重なっている)は、通常のスイッチング動作時におけるゲート電流Igとゲート電荷量Qgとの関係を示す。実線で示した波形は、アーム短絡動作時におけるゲート電流Igとゲート電荷量Qgとの関係を示す。
通常のターンオン動作では、ゲート電流Igは時間とともに増加し、ピーク値(Igmax)を経て減少する。その後、ゲート電流Igは、一定電流値(Im)となる期間(ミラー期間)を経て再び減少する。一方、アーム短絡動作時では、ゲート電流Igはピーク値(Igmax)に達した後、一定値となる期間(ミラー期間)を経ることなく、単調に減少する。
このように、通常ターンオン動作時とアーム短絡動作時とでは、ゲート電流Igとゲート電荷量Qgとの関係に明白な差異が表れる。本実施の形態の電力用半導体素子の駆動制御回路は、このような差異を利用してアーム短絡状態を検出する。
ゲート電流上限基準値14が通常のスイッチング動作時のミラー期間中におけるゲート電流値(Im)よりも小さな値(Vref_ig2)に設定される。ゲート電流下限基準値104がゼロより高い値(Vref_ig1)に設定される。
ゲート電荷量下限基準値15は、ゲート電流が通常のスイッチング動作時のピーク値(Igmax)におけるゲート電荷量よりも大きな値(Vref_q1)に設定される。ゲート電荷量上限基準値16が、通常のスイッチング動作時のミラー期間終了時におけるゲート電荷量よりも小さな値(Vref_q2)に設定される。
このように基準値を設定したとき、ゲート電流Igが、Vref_ig1≦Ig≦Vref_ig2の範囲にあり、かつゲート電荷量Qgが、Vref_q1≦Qg≦Vref_q2の範囲にあるときに(図2のハッチングされた領域)、アーム短絡状態を検出する。
ゲート電流判定器101は、次のように動作する。
ゲート電流用第1の比較器102は、電流センサ8の出力信号がゲート電流下限基準値104(=Vref_ig1)以上のときに、ハイレベルの信号を出力する。ゲート電流用第2の比較器10は、電流センサ8の出力信号がゲート電流上限基準値14(=Vref_ig2)以下のときに、ハイレベルの信号を出力する。論理演算器107は、ゲート電流用第1の比較器102の出力信号と、ゲート電流用第2の比較器10の出力信号との論理積を出力するため、電流センサ8の出力信号がゲート電流下限基準値104(=Vref_ig1)以上、かつ、ゲート電流上限基準値14(=Vref_ig2)以下のときに、ハイレベルの信号を出力する。
ゲート電荷量判定器11は、次のように動作する。
ゲート電荷量用第1の比較器12は、ゲート電荷量演算器9の出力信号がゲート電荷量下限基準値15(=Vref_q1)以上のときに、ハイレベルの信号を出力する。ゲート電荷量用第2の比較器13は、ゲート電荷量演算器9の出力信号がゲート電荷量上限基準値16(=Vref_q2)以下のときに、ハイレベルの信号を出力する。論理演算器17は、ゲート電荷量用第1の比較器12の出力信号とゲート電荷量用第2の比較器13の出力信号との論理積を出力するため、ゲート電荷量演算器9の出力信号がゲート電荷量下限基準値15(=Vref_q1)以上、かつ、ゲート電荷量上限基準値16(=Vref_q2)以下のときに、ハイレベルの信号を出力する。
アーム短絡検出用論理演算器18は、ゲート電流Igがゲート電流下限基準値104(=Vref_ig1)以上、かつゲート電流上限基準値14(=Vref_ig2)以下、かつ、ゲート電荷量Qgがゲート電荷量下限基準値15(=Vref_q1)以上、かつゲート電荷量上限基準値16(=Vref_q2)以下のときに、ハイレベルの信号を出力する。
以上のようにして、本実施の形態の電力用半導体素子の駆動制御回路は、電力用半導体素子1がアーム短絡状態であるときにハイレベルの信号を出力する。
本実施の形態の電力用半導体素子の駆動制御回路は、短絡状態を判定するための検出期間を設定することなく、アーム短絡を速やかに検出して保護することができる。さらに、本実施の形態の電力用半導体素子の駆動制御回路は、信頼性が高く、安価かつ回路規模を小さくすることができる。
実施の形態2.
本実施の形態のゲート電流の検出方法は、実施の形態1のゲート電流の検出方法と相違する。図3は、実施の形態2の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。図3の実施の形態2の電力用半導体素子の駆動制御回路が図1の実施の形態1の電力用半導体素子1と相違する点は、実施の形態2の電力用半導体素子の駆動制御回路は、駆動器80の代わりに、駆動器80aを備え、短絡検出器300の代わりに短絡検出器300aを備える点である。
短絡検出器300aは、実施の形態1と同様のゲート電荷量判定器11を備え、ゲート電流判定器101の代わりにゲート電流判定器101aを備える。
駆動器80aは、オンスイッチ回路19とオフスイッチ回路20とを備える。
オンスイッチ回路19は、正ゲート電圧源3とトランジスタ5とオンゲート抵抗7aとを備える。オフスイッチ回路20は、基準電位4とトランジスタ6とオフゲート抵抗7bとを備える。正ゲート電圧源3と、トランジスタ5と、オンゲート抵抗7aと、オフゲート抵抗7bと、トランジスタ6と、基準電位4とが直列に接続される。
電力用半導体素子1の制御電極は、オンゲート抵抗7aとオフゲート抵抗7bとが接続されるノードND1と接続する。
電流センサ8は、トランジスタ5からオンゲート抵抗7aに流れる電流を検出する。電流センサ8は、電力用半導体素子1を導通状態とする際(ターンオン動作時)に、電力用半導体素子1の制御電極に流入するゲート電流を検出する。電流センサ8は、検出結果を表わす電圧信号をゲート電荷量演算器9およびゲート電流判定器101aに送る。
実施の形態1では、電流センサ8は、ノードND1と電力用半導体素子1との間の電流を検出するので、電流センサ8は、ターンオン動作、およびターンオフ動作のいずれの状態でもゲート電流を検出する。
実施の形態2では、電流センサ8は、オンスイッチ回路19を流れる電流を検出するので、電流センサ8は、ターンオン動作時のみ電力用半導体素子1の制御電極に流入するゲート電流を検出する。
実施の形態1では、電流センサ8は、ターンオフ動作時においてもゲート電流を検出するので、ターンオフ動作時においてもアーム短絡検出用論理演算器18がアーム短絡を検出する可能性がある。これに対して、実施の形態2では、電流センサ8は、ターンオン動作時のみゲート電流を検出するため、誤検出する可能性を排除することができる。
ゲート電流判定器101aは、ゲート電流Igが、ゲート電流上限基準値14以下か否かを判定する。ゲート電流判定器101aは、ゲート電流Igがゲート電流上限基準値14以下のときに、ハイレベルの信号を出力する。
ゲート電流判定器101aは、ゲート電流用第2の比較器10を備える。ゲート電流用第2の比較器10は、電流センサ8の出力信号とゲート電流上限基準値14とを比較する。ゲート電流用第2の比較器10は、電流センサ8の出力信号がゲート電流上限基準値14以下のときに、ハイレベルの信号を出力する。
本実施の形態では、前述したように、電流センサ8によって検出されるゲート電流Igは、正の値のみとなる。ゲート電流Igが0よりも高い値か否かを検出する必要がないため、ゲート電流判定器101aは、ゲート電流用第2の比較器10のみを備える。
アーム短絡検出用論理演算器18は、ゲート電流判定器101aのゲート電流用第2の比較器10の出力信号とゲート電荷量判定器11のゲート電荷量用論理演算器17の出力信号との論理積を求めることによって、アーム短絡を検出する。アーム短絡検出用論理演算器18は、ゲート電流用第2の比較器10の出力信号がハイレベル、かつゲート電荷量用論理演算器17の出力信号がハイレベルのときに限り、アーム短絡状態であると検出して、アーム短絡状態であることを表わすハイレベルの信号を出力する。
図3では、オンゲート抵抗7aとオフゲート抵抗7bとが接続されるノードND1と電力用半導体素子1の制御電極間に抵抗が接続されない構成が示されているが、ノードND1と電力用半導体素子1の制御電極間に抵抗が接続されていてもよい。
実施の形態3.
本実施の形態のゲート電流の検出方法は、実施の形態1のゲート電流の検出方法と相違する。図4は、実施の形態3の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。図4の実施の形態3の電力用半導体素子の駆動制御回路が図1の実施の形態1の電力用半導体素子1と相違する点は、実施の形態3の電力用半導体素子の駆動制御回路は、電流センサ8の代わりに、差動増幅器21を備える点である。
差動増幅器21は、抵抗7の両端の電圧を検出することによって、駆動器80と電力用半導体素子1の制御電極との間に流れるゲート電流Igを検出する。差動増幅器21の出力信号は、ゲート電荷量演算器9とゲート電流判定器101とに送られる。
ゲート電荷量演算器9は、差動増幅器21からゲート電流Igの大きさを表わす電圧信号を受ける。ゲート電荷量演算器9は、ゲート電流Igを積分することによって、ゲート電荷量Qgを算出する。
ゲート電流用第1の比較器102は、差動増幅器21の出力信号とゲート電流下限基準値104とを比較する。ゲート電流用第1の比較器102は、差動増幅器21の出力信号がゲート電流下限基準値104以上のときに、ハイレベルの信号を出力する。
ゲート電流用第2の比較器10は、差動増幅器21の出力信号とゲート電流上限基準値14とを比較する。ゲート電流用第2の比較器10は、差動増幅器21の出力信号がゲート電流上限基準値14以下のときに、ハイレベルの信号を出力する。
その他の動作については、実施の形態1と同様である。
実施の形態4.
図5は、実施の形態4の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。図5の実施の形態4の電力用半導体素子の駆動制御回路が図3の実施の形態2の電力用半導体素子1と相違する点は、実施の形態4の電力用半導体素子の駆動制御回路は、電流センサ8の代わりに、差動増幅器21を備える。
差動増幅器21は、オンゲート抵抗7aの両端の電圧を検出することによって、電力用半導体素子1の制御電極に流入するゲート電流Igを検出する。差動増幅器21の出力信号は、ゲート電荷量演算器9とゲート電流判定器101に送られる。その後の動作については、実施の形態1と同様である。
実施の形態5.
図6は、実施の形態5の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。図6の実施の形態5の電力用半導体素子の駆動制御回路が図4の実施の形態3の電力用半導体素子1と相違する点は、実施の形態5の電力用半導体素子の駆動制御回路は、保護回路400を備える点である。
保護回路400は、短絡検出器300によって、アーム短絡または負荷短絡が検出されたときには、指令器2の指令に関わらず、駆動器80に電力用半導体素子1をターンオフさせる指令を出力する。
保護回路400は、ラッチ回路22と、反転回路23と、論理演算器24とを備える。
ラッチ回路22は、アーム短絡検出用論理演算器18の出力信号がロウレベルの信号からハイレベルの信号へと変化した際にハイレベルの信号を保持する。保持された出力信号は、反転回路23へ送られる。反転回路23は、ラッチ回路22の出力信号のレベルを反転する。
論理演算器24は、指令器2の出力信号と反転回路23の出力信号との論理積を駆動器80に出力する。これによって、トランジスタ5とトランジスタ6とによって、電力用半導体素子1を導通状態あるいは遮断状態となるように制御される。
通常動作時では、アーム短絡検出用論理演算器18はロウレベルの信号を出力する。このとき、ラッチ回路22は、ロウレベルの信号を反転回路23へと出力する。反転回路23は、ハイレベルの信号を出力する。論理演算器24は、反転回路23の出力信号がハイレベルなので、指令器2からの信号がハイレベルのときに、ハイレベルの信号を駆動器80に出力する。その結果、駆動器80では、トランジスタ5がオン、かつトランジスタ6がオフとなるので、電力用半導体素子1が導通状態となる。
アーム短絡検出用論理演算器18によってアーム短絡が検出された場合に、アーム短絡検出用論理演算器18はハイレベルの信号を出力する。ラッチ回路22は、アーム短絡検出用論理演算器18から出力されるハイレベルの出力信号を保持し、反転回路23へと出力する。反転回路23は、ロウレベルの信号を出力する。論理演算器24は、反転回路23の出力信号がロウレベルなので、指令器2からの信号のレベルに関わらず、ロウレベルの信号を駆動器80に出力する。その結果、駆動器80では、トランジスタ5がオフ、かつトランジスタ6がオンとなるので、電力用半導体素子1が遮断状態となる。これによって、電力用半導体素子1が保護される。
実施の形態5では、実施の形態3と同様に、差動増幅器21が、電力用半導体素子1の制御電極に接続される抵抗7の両端の電圧を検出することによって、電力用半導体素子1のゲート電流に相当する電気量を検出するものとしたが、これに限定されるものではない。実施の形態1および2と同様に、電流センサ8によってゲート電流に相当する電気量を検出してもよい。あるいは、実施の形態4と同様に、オンゲート抵抗7aの両端の電圧を検出することによって、電力用半導体素子1のゲート電流に相当する電気量を検出するものとしてもよい。
実施の形態6.
図7は、実施の形態6の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。図7の実施の形態6の電力用半導体素子の駆動制御回路が図4の実施の形態3の電力用半導体素子1と相違する点は、実施の形態6の電力用半導体素子の駆動制御回路は、フィルタ25を備える。
フィルタ25は、差動増幅器21の出力信号を受ける。フィルタ25は、差動増幅器21の出力信号の波形を所定の時定数で整形する。フィルタ25によって、差動増幅器21の出力信号の時間変化が緩やかになるため、アーム短絡を誤検知するのを防止することができる。フィルタ25の出力は、ゲート電荷量演算器9、短絡検出器300のゲート電流用第1の比較器102およびゲート電流用第2の比較器10に送られる。
本実施の形態のその他の動作については、実施の形態3と同様である。
本実施の形態では、実施の形態3と同様に、差動増幅器21が、電力用半導体素子1の制御電極に接続される抵抗7の両端の電圧を検出することによって、電力用半導体素子1のゲート電流に相当する電気量を検出するものとしたが、これに限定されるものではない。実施の形態1および2と同様に、電流センサ8によってゲート電流に相当する電気量を検出してもよい。あるいは、実施の形態4と同様に、オンゲート抵抗7aの両端の電圧を検出することによって、電力用半導体素子1のゲート電流に相当する電気量を検出するものとしてもよい。実施の形態5と同様に、アーム短絡状態が検出されたときに、保護回路400によって、電力用半導体素子1を遮断状態に遷移させるものとしてもよい。
実施の形態7.
図8は、実施の形態7の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。図8の実施の形態7の電力用半導体素子の駆動制御回路が図4の実施の形態3の電力用半導体素子1と相違する点は、実施の形態7の電力用半導体素子の駆動制御回路は、短絡検出器300に代えて、短絡検出器300bを備える点である。
短絡検出器300bは、ゲート電流判定器101の代わりにゲート電流判定器101bを備え、ゲート電荷量判定器11の代わりに、ゲート電荷量判定器11aを備え、アーム短絡検出用論理演算器18の代わりに、アーム短絡検出用論理演算器18aを備える。
ゲート電流判定器101bは、ゲート電流Igが、ゲート電流下限基準値104以上、かつゲート電流上限基準値14以下か否かを判定する。ゲート電流判定器101bは、ゲート電流Igがゲート電流下限基準値104以上、かつゲート電流上限基準値14以下のときに、ロウレベルの信号を出力する。
ゲート電流判定器101bは、ゲート電流用第1の比較器102aと、ゲート電流用第2の比較器10aと、ゲート電流用論理演算器107aとを備える。
ゲート電流用第1の比較器102aは、差動増幅器21の出力信号とゲート電流下限基準値104とを比較する。ゲート電流用第1の比較器102aは、差動増幅器21の出力信号がゲート電流下限基準値104以上のときに、ロウレベルの信号を出力する。
ゲート電流用第2の比較器10aは、差動増幅器21の出力信号とゲート電流上限基準値14とを比較する。ゲート電流用第2の比較器10aは、差動増幅器21の出力信号がゲート電流上限基準値14以下のときにロウレベルの信号を出力する。
ゲート電流用論理演算器107aは、ゲート電流用第1の比較器102aの出力信号とゲート電流用第2の比較器10aの出力信号との排他的論理和演算を行う。ゲート電流用論理演算器107aは、ゲート電流用第1の比較器102aの出力信号がロウレベルであり、かつゲート電流用第2の比較器10aの出力信号がロウレベルのときに、ロウレベルの信号を出力する。ゲート電流用第1の比較器102aの出力信号がハイレベルであり、かつゲート電流用第2の比較器10aの出力信号がハイレベルとはなり得ないことを考慮して、ゲート電流用論理演算器107aは、排他的論理和演算器としたが、論理和演算器であってもよい。
ゲート電荷量判定器11aは、ゲート電荷量Qgが、ゲート電荷量下限基準値15以上、かつゲート電荷量上限基準値16以下か否かを判定する。ゲート電荷量判定器11aは、ゲート電荷量Qgがゲート電荷量下限基準値15以上、かつゲート電荷量上限基準値16以下のときに、ロウレベルの信号を出力する。
ゲート電荷量判定器11aは、ゲート電荷量用第1の比較器12aと、ゲート電荷量用第2の比較器13aと、ゲート電荷量用論理演算器17aとを備える。
ゲート電荷量用第1の比較器12aは、ゲート電荷量演算器9の出力信号とゲート電荷量下限基準値15とを比較する。ゲート電荷量用第1の比較器12aは、ゲート電荷量演算器9の出力信号がゲート電荷量下限基準値15以上のときにロウレベルの信号を出力する。
ゲート電荷量用第2の比較器13aは、ゲート電荷量演算器9の出力信号とゲート電荷量上限基準値16とを比較する。ゲート電荷量用第2の比較器13aは、ゲート電荷量演算器9の出力信号がゲート電荷量上限基準値16以下のときにロウレベルの信号を出力する。
ゲート電荷量用論理演算器17aは、ゲート電荷量用第1の比較器12の出力信号とゲート電荷量用第2の比較器13の出力信号との排他的論理和演算を行う。論理演算器17aは、ゲート電荷量用第1の比較器12aの出力信号がロウレベルであり、かつゲート電荷量用第2の比較器13aの出力信号がロウレベルのときに、ロウレベルの信号を出力する。ゲート電荷量用第1の比較器12の出力信号がハイレベルであり、かつゲート電荷量用第2の比較器13の出力信号がハイレベルとはなり得ないことを考慮して、ゲート電荷量用論理演算器17aは、排他的論理和演算器としたが、論理和演算器であってもよい。
アーム短絡検出用論理演算器18aは、ゲート電流判定器101の出力信号とゲート電荷量判定器11の出力信号との論理和演算に基づき、アーム短絡を検出する。アーム短絡検出用論理演算器18aは、ゲート電流判定器101bの出力信号がロウレベル(ゲート電流Igがゲート電流上限基準値14以下、かつゲート電流下限基準値104以上)、かつゲート電荷量判定器11aの出力信号がロウレベル(ゲート電荷量Qgがゲート電荷量下限基準値15以上、かつゲート電荷量上限基準値16以下)のときに限り、アーム短絡を検出して、アーム短絡が発生したことを表わすロウレベルの信号を出力する。
本実施の形態では、実施の形態3と同様に、差動増幅器21が、電力用半導体素子1の制御電極に接続される抵抗7の両端の電圧を検出することによって、電力用半導体素子1のゲート電流に相当する電気量を検出するものとしたが、これに限定されるものではない。実施の形態1および2と同様に、電流センサ8によってゲート電流に相当する電気量を検出してもよい。あるいは、実施の形態4と同様に、オンゲート抵抗7aの両端の電圧を検出することによって、電力用半導体素子1のゲート電流に相当する電気量を検出するものとしてもよい。実施の形態5と同様に、アーム短絡状態が検出されたときに、保護回路400によって、電力用半導体素子1を遮断状態に遷移させるものとしてもよい。
実施の形態8.
図9は、実施の形態8の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。図9の実施の形態8の電力用半導体素子の駆動制御回路が図4の実施の形態3の電力用半導体素子1と相違する点は、実施の形態8の電力用半導体素子の駆動制御回路は、短絡検出器300の代わりに、短絡検出器300cを備える。
短絡検出器300cは、ゲート電流判定器101の代わりにゲート電流判定器101cを備え、ゲート電荷量判定器11の代わりに、ゲート電荷量判定器11bを備える。
ゲート電流判定器101cがゲート電流判定器101と相違する点は、ゲート電流判定器101cは、ゲート電流用第2の比較器10の代わりに、ゲート電流用第2の比較器10bを備える。
ゲート電流用第2の比較器10bは、差動増幅器21の出力信号と、可変のゲート電流上限基準値14bとを比較する。ゲート電流用第2の比較器10bは、差動増幅器21の出力信号が可変のゲート電流上限基準値14b以下のときに、ハイレベルの信号を出力する。
実施の形態1では、ゲート電流上限基準値14は、ミラー期間中におけるゲート電流値(Im)よりも小さな値(Vref_ig2)に設定されるものとした。ミラー期間中におけるゲート電流値Imは、電力用半導体素子1の出力特性と、正ゲート電圧源3から電力用半導体素子1の制御電極間の抵抗値で決まる。電力用半導体素子1の出力特性には温度依存性があるため、ミラー期間中におけるゲート電流値Imには温度依存性がある。本実施の形態では、ゲート電流上限基準値14bは温度に応じて変化するように設定される。その結果、電力用半導体素子1の動作環境に応じて適切な値をゲート電流上限基準値14bに設定することができるのでアーム短絡状態を確実に検出することができる。
ゲート電荷量判定器11bがゲート電荷量判定器11と相違する点は、ゲート電荷量判定器11bは、ゲート電荷量用第1の比較器12の代わりにゲート電荷量用第1の比較器12bを備え、ゲート電荷量用第2の比較器13の代わりにゲート電荷量用第2の比較器13bを備える。
ゲート電荷量用第1の比較器12bは、ゲート電荷量演算器9の出力信号(ゲート電荷量Qg)と可変のゲート電荷量下限基準値15bとを比較する。ゲート電荷量用第1の比較器12bは、ゲート電荷量演算器9の出力信号(ゲート電荷量Qg)が可変のゲート電荷量下限基準値15b以上のときに、ハイレベルの信号を出力する。
ゲート電荷量用第2の比較器13bは、ゲート電荷量演算器9の出力信号(ゲート電荷量Qg)と可変のゲート電荷量上限基準値16bとを比較する。ゲート電荷量用第2の比較器13は、ゲート電荷量演算器9の出力信号(ゲート電荷量Qg)が可変のゲート電荷量上限基準値16b以下のときに、ハイレベルの信号を出力する。
実施の形態1では、ゲート電荷量下限基準値15は、ゲート電流がピーク値(Igmax)における電荷量よりも大きな値(Vref_q1)に設定される。ゲート電荷量上限基準値16が、ミラー期間終了時におけるゲート電荷量よりも小さな値(Vref_q2)に設定される。
ミラー期間中に流れるゲート電流Igは、電力用半導体素子1の帰還容量を流れる。帰還容量は電力用半導体素子1の正極側電極と制御電極との間の寄生容量である。ミラー期間中に供給される電荷量は、電力用半導体素子1の正極側電極と負極側電極との間に印加される電圧に対する依存性を有する。
本実施の形態では、ゲート電荷量下限基準値15bおよびゲート電荷量上限基準値16bは、電力用半導体素子1の正極側電極と負極側電極に印加される電圧に応じて変化するように設定される。その結果、電力用半導体素子1の動作環境に応じて適切にゲート電荷量下限基準値15bおよびゲート電荷量上限基準値16bを設定することができるので、アーム短絡状態を確実に検出することができる。
本実施の形態では、実施の形態3と同様に、差動増幅器21が、電力用半導体素子1の制御電極に接続される抵抗7の両端の電圧を検出することによって、電力用半導体素子1のゲート電流に相当する電気量を検出するものとしたが、これに限定されるものではない。実施の形態1および2と同様に、電流センサ8によってゲート電流に相当する電気量を検出してもよい。あるいは、実施の形態4と同様に、オンゲート抵抗7aの両端の電圧を検出することによって、電力用半導体素子1のゲート電流に相当する電気量を検出するものとしてもよい。実施の形態5と同様に、アーム短絡状態であるときに、保護回路400によって、電力用半導体素子1を遮断状態に遷移させるものとしてもよい。
実施の形態9.
図10は、実施の形態9の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。図10の実施の形態9の電力用半導体素子の駆動制御回路が図4の実施の形態3の電力用半導体素子1と相違する点は、実施の形態9の電力用半導体素子の駆動制御回路は、初期化演算器26を備える点である。
初期化演算器26は、電力用半導体素子1のターンオン動作時においてゲート電流Igが流れ始めるタイミングに呼応してゲート電荷量演算器9の出力信号をゼロに初期化する。これによって、ゲート電荷量演算器9は、ゲート電荷量Qgを正確に演算することができるので、アーム短絡検出用論理演算器18がアーム短絡を誤検知するのを回避することができる。
本実施の形態では、実施の形態3と同様に、差動増幅器21が、電力用半導体素子1の制御電極に接続される抵抗7の両端の電圧を検出することによって、電力用半導体素子1のゲート電流に相当する電気量を検出するものとしたが、これに限定されるものではない。実施の形態1および2と同様に、電流センサ8によってゲート電流に相当する電気量を検出してもよい。あるいは、実施の形態4と同様に、オンゲート抵抗7aの両端の電圧を検出することによって、電力用半導体素子1のゲート電流に相当する電気量を検出するものとしてもよい。実施の形態5と同様に、アーム短絡状態であるときに、保護回路400によって、電力用半導体素子1を遮断状態に遷移させるものとしてもよい。
実施の形態10.
上記の実施形態において、短絡状態としてアーム短絡について説明したが、短絡状態にはアーム短絡の他に、電力用半導体素子1と接続されるモータ等の負荷が短絡状態となる負荷短絡がある。負荷短絡時には、通常のターンオン動作時と同様に電力用半導体素子1の正極側電極と負極側電極間の電圧(ドレイン・ソース間電圧)はオン電圧まで低下した後、ドレイン電流が急激に増加するとともにドレイン・ソース間電圧は上昇する。ドレイン・ソース間電圧の上昇に伴い、ドレイン・ゲート間容量(帰還容量)は小さくなり、電力用半導体素子1のドレイン端子からゲート端子を介して駆動器80へと電流が流れるため、ゲート電流Igはマイナスに転じ、ゲート電荷量Qgは減少する。
図11は、ゲート電流Igとゲート電荷量Qgとの関係に基づく負荷短絡の検出原理を説明するための図である。
破線で示す波形が通常のスイッチング動作時のゲート電流Igとゲート電荷量Qgとの関係を表わす。実線で示す波形が負荷短絡動作時におけるゲート電流Igとゲート電荷量Qgとの関係を表わす。
ゲート電流Igとゲート電荷量Qgとの関係は、負荷短絡状態であっても途中までは通常のスイッチング動作時と同様である。すなわち、ゲート電流Igは時間とともに増加していきピーク値(Igmax)を経て減少する。その後、一定電流値(Im)となる期間(ミラー期間)を経て再び減少する。負荷短絡動作時では先に述べた通り、ゲート電流Igが負に転じる。つまり、ゲート電流Igが電力用半導体素子1から駆動器80へ流れる。ゲート電流Igが負となるので、ゲート電流Igの時間積分として表されるゲート電荷量Qgは減少する。このように、通常のスイッチング動作時と負荷短絡動作時とではゲート電流Igとゲート電荷量Qgとの関係に差異が表れる。本実施の形態の電力用半導体素子の駆動制御回路は、このような差異を利用して負荷短絡状態を判定する。
ゲート電流上限基準値14cがゼロよりも小さい値(Vref_ig2)に設定される。
ゲート電荷量下限基準値15が、ゲート電流がピーク値(Igmax)における電荷量よりも大きな値(Vref_q1)に設定される。このように基準値を設定したとき、ゲート電流Igが、Ig≦Vref_ig2の範囲にあり、かつゲート電荷量Qgが、Vref_q1≦Qgの範囲にあるときに(図11のハッチングされた領域)、負荷短絡状態であることを判定することができる。
図12は、実施の形態10の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。図12の実施の形態10の電力用半導体素子の駆動制御回路が図4の実施の形態3の電力用半導体素子1と相違する点は、実施の形態10の電力用半導体素子の駆動制御回路は、短絡検出器300に代えて、短絡検出器300dを備える。
短絡検出器300dは、ゲート電流判定器101、ゲート電荷量判定器11、およびアーム短絡検出用論理演算器18に代えて、ゲート電流判定器101d、ゲート電荷量判定器11c、および負荷短絡検出用論理演算器56を備える。
ゲート電流判定器101dは、ゲート電流Igが、ゲート電流上限基準値14c以下か否かを判定する。ゲート電流判定器101dは、ゲート電流Igがゲート電流上限基準値14c以下のときに、ハイレベルの信号を出力する。
ゲート電流判定器101dは、ゲート電流用第3の比較器50を備える。ゲート電流用第3の比較器50は、差動増幅器21の出力信号とゲート電流上限基準値14cとを比較する。ゲート電流用第3の比較器50は、差動増幅器21の出力信号がゲート電流上限基準値14c以下のときに、ハイレベルの信号を出力する。
ゲート電荷量判定器11cは、ゲート電荷量Qgが、ゲート電荷量下限基準値15以上か否かを判定する。ゲート電荷量判定器11cは、ゲート電荷量Qgがゲート電荷量下限基準値15以上のときに、ハイレベルの信号を出力する。ゲート電荷量判定器11cは、ゲート電荷量用第1の比較器12を備える。
ゲート電荷量用第1の比較器12は、ゲート電荷量演算器9の出力信号(ゲート電荷量Qg)とゲート電荷量下限基準値15とを比較する。ゲート電荷量用第1の比較器12は、ゲート電荷量演算器9の出力信号(ゲート電荷量Qg)がゲート電荷量下限基準値15以上のときに、ハイレベルの信号を出力する。
負荷短絡検出用論理演算器56は、ゲート電流判定器101dのゲート電流用第3の比較器50の出力信号と、ゲート電荷量判定器11cのゲート電荷量用第1の比較器12の出力信号との論理積を出力する。負荷短絡検出用論理演算器56は、ゲート電流Igがゲート電流上限基準値14c以下、かつ、ゲート電荷量Qgがゲート電荷量下限基準値15以上のときに、負荷が短絡状態であると判定し、負荷短絡状態であること表わすハイレベルの信号を出力する。
本実施の形態では、実施の形態3と同様に、差動増幅器21が、電力用半導体素子1の制御電極に接続される抵抗7の両端の電圧を検出することによって、電力用半導体素子1のゲート電流に相当する電気量を検出するものとしたが、これに限定されるものではない。実施の形態1および2と同様に、電流センサ8によってゲート電流に相当する電気量を検出してもよい。あるいは、実施の形態4と同様に、オンゲート抵抗7aの両端の電圧を検出することによって、電力用半導体素子1のゲート電流に相当する電気量を検出するものとしてもよい。実施の形態5と同様に、負荷が短絡状態であるときに、保護回路400によって、電力用半導体素子1を遮断状態に遷移させるものとしてもよい。
実施の形態11.
図13は、実施の形態11の電力用半導体素子の駆動制御回路を示す図である。図13の実施の形態11の電力用半導体素子の駆動制御回路が図1の実施の形態1の電力用半導体素子1と相違する点は、実施の形態11の電力用半導体素子の駆動制御回路は、さらに、実施の形態10と同様のゲート電流用第3の比較器50と、負荷短絡検出用論理演算器56とを備える。さらに、実施の形態11の電力用半導体素子の駆動制御回路は、短絡判定器118を備える。
ゲート電荷量判定器11に含まれるゲート電荷量用第1の比較器12は、アーム短絡の検出と、負荷短絡の検出との両方に使用される。
ゲート電流用第3の比較器50は、差動増幅器21の出力信号とゲート電流上限基準値14cとを比較する。ゲート電流用第3の比較器50は、差動増幅器21の出力信号がゲート電流上限基準値14c以下のときに、ハイレベルの信号を出力する。
ゲート電荷量用第1の比較器12は、ゲート電荷量演算器9の出力信号(ゲート電荷量Qg)とゲート電荷量下限基準値15とを比較する。ゲート電荷量用第1の比較器12は、ゲート電荷量演算器9の出力信号(ゲート電荷量Qg)がゲート電荷量下限基準値15以上のときに、ハイレベルの信号を出力する。
負荷短絡検出用論理演算器56は、ゲート電流用第3の比較器50の出力信号と、ゲート電荷量用第1の比較器12の出力信号との論理積を出力する。負荷短絡検出用論理演算器56は、ゲート電流Igがゲート電流上限基準値14c以下、かつ、ゲート電荷量Qgがゲート電荷量下限基準値15以上のときに、負荷短絡状態であると判定し、負荷短絡状態であること表わすハイレベルの信号を出力する。
短絡判定器118は、アーム短絡検出用論理演算器18の出力信号と、負荷短絡検出用論理演算器56の出力信号の論理和を出力する。短絡判定器118は、アーム短絡検出用論理演算器18の出力信号と負荷短絡検出用論理演算器56の出力信号のうちの少なくとも1つがハイレベルのときに、短絡を表わすハイレベルの信号を出力する。
本実施の形態では、アーム短絡と負荷短絡の両方を検出することができるので、電力用半導体素子をより確実に保護することができる。
本実施の形態では、負荷短絡とアーム短絡のうちの少なくとも1つが検出された場合に、短絡判定器118は、ハイレベルの信号を出力するが、これに限定されるものではない。実施の形態7と同様に、論理を逆にすることによって、短絡判定器118は、ロウレベルの信号を出力するものとしてもよい。
本実施の形態では、実施の形態3と同様に、差動増幅器21が、電力用半導体素子1の制御電極に接続される抵抗7の両端の電圧を検出することによって、電力用半導体素子1のゲート電流に相当する電気量を検出するものとしたが、これに限定されるものではない。実施の形態1および2と同様に、電流センサ8によってゲート電流に相当する電気量を検出してもよい。あるいは、実施の形態4と同様に、オンゲート抵抗7aの両端の電圧を検出することによって、電力用半導体素子1のゲート電流に相当する電気量を検出するものとしてもよい。実施の形態5と同様に、アーム短絡または負荷短絡が検出されたときに、保護回路400によって、電力用半導体素子1を遮断状態に遷移させるものとしてもよい。
実施の形態12.
本実施の形態は、上述した実施の形態の電力用半導体素子1および駆動制御回路を電力変換装置に適用したものである。本開示は特定の電力変換装置に限定されるものではないが、以下では、実施の形態として、三相のインバータに本開示を適用した場合について説明する。
図14は、実施の形態12の電力変換システムの構成を示すブロック図である。
この電力変換システムは、電源700、電力変換装置800、および負荷900を備える。電源700は、電力変換装置800に直流電力を供給する直流電源である。電源700は種々のもので構成することが可能である。たとえば、電源700は、直流系統、太陽電池、蓄電池、交流系統に接続された整流回路、またはAC/DCコンバータで構成することとしてもよい。電源700を、直流系統から出力される直流電力を所定の電力に変換するDC/DCコンバータによって構成することとしてもよい。
電力変換装置800は、電源700と負荷900の間に接続された三相のインバータである。電力変換装置800は、電源700から供給された直流電力を交流電力に変換し、負荷900に交流電力を供給する。電力変換装置800は、直流電力を交流電力に変換して出力する主変換回路801と、主変換回路801を制御する制御信号を主変換回路801に出力する制御回路803とを備える。
負荷900は、電力変換装置800から供給された交流電力によって駆動される三相の電動機である。負荷900は、特定の用途に限られるものではなく、各種電気機器に搭載された電動機であってもよい。例えば、負荷900は、ハイブリッド自動車、電気自動車、鉄道車両、エレベーター、もしくは、空調機器向けの電動機として用いられる。
以下、電力変換装置800の詳細を説明する。
主変換回路801は、電力用半導体モジュール802を備える。電力用半導体モジュール802は、スイッチング素子である電力用半導体素子1と還流ダイオードとを備える(図示せず)。スイッチング素子がスイッチングすることによって、電源700から供給される直流電力が交流電力に変換され、負荷900に供給される。電力用半導体モジュール802の具体的な回路構成は種々のものがあるが、本実施の形態にかかる電力用半導体モジュール802は、2レベルの三相フルブリッジ回路であり、6つのスイッチング素子とそれぞれのスイッチング素子に逆並列された6つの還流ダイオードから構成される2レベルの三相フルブリッジ回路である。6つのスイッチング素子は2つのスイッチング素子ごとに直列接続され上下アームを構成し、各上下アームはフルブリッジ回路の各相(U相、V相、W相)を構成する。そして、各上下アームの出力端子、すなわち主変換回路801の3つの出力端子は、負荷900に接続される。
電力用半導体モジュール802は、上記の実施の形態で説明した駆動制御回路を備える。駆動制御回路は、各スイッチング素子を駆動する。駆動制御回路は電力用半導体モジュール802に内蔵されている。
駆動制御回路は、主変換回路801のスイッチング素子を駆動する駆動信号を生成し、主変換回路801のスイッチング素子の制御電極に供給する。具体的には、駆動制御回路は、制御回路803からの制御信号に従い、スイッチング素子をオン状態にする駆動信号とスイッチング素子をオフ状態にする駆動信号とを各スイッチング素子の制御電極に出力する。スイッチング素子をオン状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子の閾値電圧以上の電圧信号(オン信号)であり、スイッチング素子をオフ状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子の閾値電圧以下の電圧信号(オフ信号)となる。
制御回路803は、負荷900に所望の電力が供給されるよう主変換回路801のスイッチング素子を制御する。具体的には、制御回路803は、負荷900に供給すべき電力に基づいて主変換回路801の各スイッチング素子がオン状態となるべき時間(オン時間)を算出する。例えば、制御回路803は、出力すべき電圧に応じてスイッチング素子のオン時間を変調するPWM制御によって主変換回路801を制御することができる。そして、制御回路803は、各時点においてオン状態となるべきスイッチング素子にはオン信号を、オフ状態となるべきスイッチング素子にはオフ信号が出力されるよう、主変換回路801が備える駆動制御回路に制御指令(制御信号)を出力する。駆動制御回路は、この制御信号に従い、各スイッチング素子の制御電極にオン信号又はオフ信号を駆動信号として出力する。
本実施の形態では、2レベルの三相インバータに本開示を適用する例を説明したが、本開示は、これに限られるものではなく、種々の電力変換装置に適用することができる。本実施の形態では、2レベルの電力変換装置に本開示を適用する例を説明したが、3レベルまたはマルチレベルの電力変換装置に適用することができる。単相負荷に電力を供給する場合には単相のインバータに本開示を適用しても構わない。直流負荷等に電力を供給する場合にはDC/DCコンバータまたはAC/DCコンバータに本開示を適用することも可能である。
また、本開示を適用した電力変換装置は、上述した負荷が電動機の場合に限定されるものではなく、例えば、放電加工機、レーザー加工機、又は誘導加熱調理器、非接触給電システムの電源装置、太陽光発電システムまたは蓄電システム等のパワーコンディショナーとして用いることも可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11,11a,11b,11c ゲート電荷量判定器、12,12a,12b,102,102a 第1の比較器、14,14b,14c ゲート電流上限基準値、15,15b ゲート電荷量下限基準値、16,16b ゲート電荷量上限基準値、17,17a ゲート電荷量用論理演算器、18,18a アーム短絡検出用論理演算器、19 オンスイッチ回路、20 オフスイッチ回路、21 差動増幅器、22 ラッチ回路、23 反転回路、25 フィルタ、26 初期化演算器、56 負荷短絡検出用論理演算器、80,80a 駆動器、101,101a,101b,101c,101d ゲート電流判定器、104 ゲート電流下限基準値、107,107a ゲート電流用論理演算器、118 短絡判定器、300,300a,300b,300c,300d 短絡検出器、400 保護回路、700 電源、800 電力変換装置、801 主変換回路、802 電力用半導体モジュール、803 制御回路、900 負荷、Ig ゲート電流、ND1 ノード、Qg ゲート電荷量。

Claims (16)

  1. 制御電極と正極側電極と負極側電極とを有する電力用半導体素子の駆動制御回路であって、
    前記制御電極と前記負極側電極の間に印加される電圧を遷移させることによって前記電力用半導体素子を駆動する駆動器と、
    前記駆動器と前記制御電極との間に流れるゲート電流を検出するゲート電流検出器と、
    前記検出したゲート電流量に基づいて、前記電力用半導体素子に供給されるゲート電荷量を算出するゲート電荷量演算器と、
    前記ゲート電流の大きさおよび前記ゲート電荷量の大きさに基づいて、アーム短絡または負荷短絡を検出する短絡検出器と、
    を備え、
    前記短絡検出器は、
    前記ゲート電流の大きさと、少なくとも1つの基準値とを比較するゲート電流判定器と、
    前記ゲート電荷量の大きさと、少なくとも1つの基準値とを比較するゲート電荷量判定器と、
    前記ゲート電流判定器の出力信号と前記ゲート電荷量判定器の出力信号との論理演算を実行する短絡検出用論理演算器とを含む、電力用半導体素子の駆動制御回路。
  2. 前記ゲート電流検出器は、前記駆動器と前記制御電極との間の配線に流れる電流の大きさを検出し、
    前記ゲート電流判定器は、
    前記ゲート電流の大きさと、0よりも大きな値であるゲート電流下限基準値とを比較するゲート電流用第1の比較器と、
    前記ゲート電流の大きさと、ゲート電流上限基準値とを比較するゲート電流用第2の比較器と、
    前記ゲート電流用第1の比較器の出力信号と前記ゲート電流用第2の比較器の出力信号との論理演算を実行するゲート電流用論理演算器とを含み、
    前記ゲート電荷量判定器は、
    前記ゲート電荷量の大きさと、ゲート電荷量下限基準値とを比較するゲート電荷量用第1の比較器と、
    前記ゲート電荷量の大きさと、ゲート電荷量上限基準値とを比較するゲート電荷量用第2の比較器と、
    前記ゲート電荷量用第1の比較器の出力信号と前記ゲート電荷量用第2の比較器の出力信号との論理演算を実行するゲート電荷量用論理演算器とを含み、
    前記短絡検出用論理演算器は、前記ゲート電流用論理演算器の出力信号と前記ゲート電荷量用論理演算器の出力信号との論理演算によって、前記電力用半導体素子の短絡状態を検出する、
    請求項1記載の電力用半導体素子の駆動制御回路。
  3. 前記駆動器は、直列に接続された正ゲート電圧源と、第1のトランジスタと、オンゲート抵抗と、オフゲート抵抗と、第2のトランジスタと、基準電位とを含み、前記オンゲート抵抗と前記オフゲート抵抗との間のノードが前記電力用半導体素子の制御電極と接続し、
    前記ゲート電流検出器は、前記第1のトランジスタから前記オンゲート抵抗に流れる電流の大きさを検出し、
    前記ゲート電流判定器は、
    前記ゲート電流の大きさと、ゲート電流上限基準値とを比較するゲート電流用第2の比較器を含み、
    前記ゲート電荷量判定器は、
    前記ゲート電荷量の大きさと、ゲート電荷量下限基準値とを比較するゲート電荷量用第1の比較器と、
    前記ゲート電荷量の大きさと、ゲート電荷量上限基準値とを比較するゲート電荷量用第2の比較器と、
    前記ゲート電荷量用第1の比較器の出力信号と前記ゲート電荷量用第2の比較器の出力信号との論理演算を実行するゲート電荷量用論理演算器とを含み、
    前記短絡検出用論理演算器は、前記ゲート電流用第2の比較器の出力信号と前記ゲート電荷量用論理演算器の出力信号との論理演算によって、前記電力用半導体素子の短絡状態を検出する、
    請求項1記載の電力用半導体素子の駆動制御回路。
  4. 前記ゲート電流上限基準値は、通常のスイッチング動作時のミラー期間中におけるゲート電流の値よりも小さな値であり、
    前記ゲート電荷量下限基準値は、通常のスイッチング動作時のゲート電流がピーク値におけるゲート電荷量よりも大きな値であり、
    前記ゲート電荷量上限基準値は、通常のスイッチング動作時のミラー期間終了時におけるゲート電荷量よりも小さな値である、
    請求項2または3記載の電力用半導体素子の駆動制御回路。
  5. 前記ゲート電流上限基準値は、温度に応じて変化するように設定され、
    前記ゲート電荷量下限基準値、および前記ゲート電荷量上限基準値は、前記電力用半導体素子の正極側電極と負極側電極との間に印加される電圧に応じて変化するように設定される、請求項2または3記載の電力用半導体素子の駆動制御回路。
  6. 前記ゲート電流検出器は、前記駆動器と前記制御電極との間の配線に流れる電流の大きさを検出し、
    前記ゲート電流判定器は、
    前記ゲート電流の大きさと、ゲート電流上限基準値とを比較するゲート電流用第3の比較器を含み、
    前記ゲート電荷量判定器は、
    前記ゲート電荷量の大きさと、ゲート電荷量下限基準値とを比較するゲート電荷量用第1の比較器を含み、
    前記ゲート電流上限基準値は、0よりも小さな値であり、
    前記ゲート電荷量下限基準値は、通常のスイッチング動作時のゲート電流がピーク値におけるゲート電荷量よりも大きな値であり、
    前記短絡検出用論理演算器は、前記ゲート電流用第3の比較器の出力信号および前記ゲート電荷量用第1の比較器の出力信号に基づいて、前記電力用半導体素子の短絡状態を検出する、
    請求項1記載の電力用半導体素子の駆動制御回路。
  7. 前記短絡検出器は、さらに、
    前記ゲート電流の大きさと、0よりも小さな値である別のゲート電流上限基準値とを比較するゲート電流用第3の比較器と、
    前記ゲート電流用第3の比較器の出力信号と、前記ゲート電荷量用第1の比較器の出力信号との論理演算とによって、前記電用半導体素子の短絡状態を検出する負荷短絡検出用論理演算器とを含む、
    請求項2~5のいずれか1項に記載の電力用半導体素子の駆動制御回路。
  8. 前記ゲート電流検出器は、電流センサである、
    請求項2~7のいずれか1項に記載の電力用半導体素子の駆動制御回路。
  9. 前記駆動器と前記制御電極との間の配線に設けられた抵抗を備え、
    前記ゲート電流検出器は、前記抵抗の両端の電圧を検出する差動増幅器である、
    請求項2に記載の電力用半導体素子の駆動制御回路。
  10. 前記ゲート電流検出器は、前記オンゲート抵抗の両端の電圧を検出する差動増幅器である、
    請求項3に記載の電力用半導体素子の駆動制御回路。
  11. 前記ゲート電流検出器の出力信号の波形を所定の時定数で整形するフィルタを備え、前記フィルタの出力信号は、前記ゲート電荷量演算器および前記短絡検出器に送られる、
    請求項1~10のいずれか1項に記載の電力用半導体素子の駆動制御回路。
  12. 前記駆動器に前記電力用半導体素子をターンオンさせる指令またはターンオフさせる指令を出力する指令器と、
    前記短絡検出器によって、アーム短絡または負荷短絡が検出されたときには、前記指令器の指令に関わらず、前記駆動器に前記電力用半導体素子をターンオフさせる指令を出力する保護回路を備える、
    請求項1~11のいずれか1項に記載の電力用半導体素子の駆動制御回路。
  13. 前記ゲート電荷量演算器の出力信号を初期化するための演算器を備える、
    請求項1~12のいずれか1項に記載の電力用半導体素子の駆動制御回路。
  14. 前記電力用半導体素子は、Si-IGBT、RC-IGBT、SiC-MOSFET、GaNトランジスタ、およびGa2O3トランジスタのうちのいずれかである、
    請求項1~13のいずれか1項に記載の電力用半導体素子の駆動制御回路。
  15. 請求項1~14のいずれか1項に記載の電力用半導体素子の駆動制御回路と、
    前記電力用半導体素子と、
    を備えた電力用半導体モジュール。
  16. 請求項15記載の電力用半導体モジュールを有し、入力される電力を変換して出力する主変換回路と、
    前記主変換回路を制御する制御信号を前記主変換回路に出力する制御回路と、
    を備えた電力変換装置。
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