以下、図1~図15を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
まず、精算システムの全体について説明する。図1は、精算システムの構成を説明する図である。
精算システムは、顧客に物品の販売やサービスを提供する店舗に設置される。店舗には、精算機1、中継器2、POS端末3、レシートプリンタ4が配置されている。POS端末3は、ネットワーク6を介してPOSサーバ5に接続されている。POS端末3と中継器2は、ローカルネットワークに接続されている。
精算機1は、貨幣の入金と出金を行う貨幣処理装置である。精算機1は、顧客への商品の販売やサービスの提供の対価として、貨幣を入金する。すなわち、精算機1は、顧客の購入代金を収受する装置である。また、精算機1は、釣銭が発生した場合、釣銭の出金を行う。中継器2は、POS端末3からのデータの取得、データの解析、データの生成、釣銭額の演算、精算機との間でデータの送受信を行う。POS端末3は、商品登録、合計金額の演算、釣銭額の演算、取引データの記憶、POSサーバとの間でデータの送受信、中継器2との間で情報の送受信を行う。
レシートプリンタ4は、POS端末3から印刷データを取得し、紙に領収書や取引明細などを印刷するプリンタである。
POSサーバ5は、POS端末と接続され、商品に関連づけられた単価、取引データを予め決められた項目毎に記憶し、また記憶されているデータを検索し、所望のデータを取得することのできるデータベースを備える。
POS端末3は、顧客が購入する商品を登録し、顧客の買上金額を計算する。またPOS端末3は、取引毎に商品、個数、売上金額、支払金額、釣銭金額、取引時刻などの取引データを記憶する。取引データは、POSサーバ5に送信され、データベースに格納される。またPOS端末3は、買上明細、金額、時刻などを含む印刷データを生成し、レシートプリンタ4に送信し、印刷する。POS端末3は、POSサーバ5のデータベースに格納されている商品情報と同じ情報を記憶することで、POSサーバ5と接続されていない状態でも商品の登録が可能である。またその様に登録された取引情報は、POS端末3がPOSサーバ5と接続が再開したときにデータベースに格納される。またPOS端末3は、不図示の顧客用ディスプレイに取引によって生じた顧客の買上金額、商品個数を表示するため、表示データを生成し、送信する。顧客は、店員による商品の登録状況、買上金額を顧客用ディスプレイによって確認する事ができる。
ここで、POS端末3が生成し、顧客用ディスプレイに送信する表示データは、HTMLやXMLなどのマークアップ言語が用いられている。これにより、顧客ディスプレイは、Webブラウザソフトなどの表示プログラムが備えられた表示装置であれば表示データを表示可能となり、汎用性を高めることができ、様々なディスプレイ装置を使用することができる。表示データは、売上金額をテキストデータのままで記述でき、売上金額が記載されている部分を特定できるマークアップ言語が好ましい。また、この様な記述方法で表示データを構成できれば他の方法でも良いが、汎用性が高いものが好ましい。
次に精算システムに備えられる各装置について図2~図6を用いて説明する。
図2は、精算機のブロック図である。精算機1は、装置全体を制御する精算機制御手段10、中継器2とデータの送受信を行うために通信を行う精算機通信手段11、LCDなどの文字や画像を表示する精算機表示手段12、ユーザーの操作によって入力を行う精算機入力手段13、貨幣の入金を受け付け、金種を識別し、金種毎に貨幣を格納する金庫、金庫から一枚ずつ貨幣を排出する現金処理手段14、プログラムや設定値、一時的なデータ記憶など各種データを記憶する精算機メモリー15を備えている。また、精算機制御手段10は、釣銭金額から出金する貨幣の金種毎の枚数を演算する釣銭金種枚数演算手段16を含む。精算機1は、通信機能と各種サービス機能をそなえた装置である。
精算機制御手段10は、精算機通信手段11、精算機表示手段12、精算機入力手段13、現金処理手段14、精算機メモリー15の制御や各種演算を行う。精算機制御手段10は、CPUを備え、精算機メモリー15に記憶されているプログラム、設定値に従って、装置全体の制御、各種演算を行う。
精算機制御手段10は、釣銭金種枚数演算手段16を含む。釣銭金種枚数演算手段16は、釣銭額に基づいて、精算機から出金する貨幣の金種毎の枚数を演算する。釣銭金種枚数演算手段16は、精算機1内の金庫に収納されている貨幣の金種毎の枚数を確認し、支払可能か否かを判断すると共に、払い出す金種及び枚数を演算する。例えば、釣銭額が220円の場合、釣銭金種枚数演算手段16は、払い出す貨幣を、100円硬貨を2枚と10円硬貨を2枚と導き出す。また100円硬貨が払出不可能であれば、釣銭金種枚数演算手段16は、払い出す貨幣を、50円硬貨を4枚と10円硬貨を2枚と導き出す。
精算機通信手段11は、精算機制御手段10によって制御され、中継器2と接続され、データ通信を行う。精算機1は中継器2とデータ通信を行うことで、中継器2から取引によって生じた顧客の買上金額、釣銭額を取得することができる。また、現金処理手段14によって入金された入金額を送信することができる。精算機1と中継器2は、無線または有線によって接続される。
精算機表示手段12は、精算機制御手段10によって制御され、文字や画像の表示を行うLCDなどの表示手段である。精算機入力手段13は、精算機制御手段10によって制御され、文字、数字、記号などを入力するキーボードなどの入力手段である。例えば、タッチパネルを用いることで、精算機表示手段12と精算機入力手段13とを一体とすることができる。精算機表示手段12と精算機入力手段13のセットは、代金を支払う側である客側に向けられた客側操作パネルとも言える。
現金処理手段14は、精算機制御手段10によって制御される。現金処理手段14は、貨幣の入金を行い、貨幣を1枚ずつに分離し、金種を識別する。識別された貨幣は、金種毎に金庫に格納される。また、精算機制御手段10は、入金された貨幣の金種毎の枚数を取得し、精算機1の内部に格納されている貨幣を管理することができる。精算機制御手段10は、現金処理手段14に金種毎に出金する枚数を指示し、出金することができる。たとえば、中継器2から釣銭額を取得し、釣銭金種枚数演算手段16によって釣銭額に基づく出金する貨幣の金種と枚数を演算する。精算機制御手段10は、演算結果に基づいて、現金処理手段14に出金する貨幣の金種と枚数を指示し出金させる。
精算機メモリー15は、精算機制御手段10によって制御される。精算機メモリー15には、精算機制御手段10によって実行されるプログラムや設定値、各種情報が記憶されている。また、精算機メモリー15には、精算機制御手段10の演算に用いるワークエリアのメモリーも含まれる。また、精算機メモリー15は、精算機1に格納されている貨幣の金種毎の枚数が記憶されている。精算機メモリー15は、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリーなどの記憶手段を用いることができる。
次に、中継器2について説明する。図3は、中継器のブロック図である。
中継器2は、精算機1とデータを直接送受信する機能を持たないPOS端末3から精算機1にデータを送信する機能を備える。
中継器2は、装置全体を制御する中継器制御手段20、ローカルネットワークを介してPOS端末3などの外部装置と通信を行う中継器通信手段21、店舗内の装置である精算機1と通信を行うローカル通信手段24、LCDなどの文字や画像を表示する中継器表示手段22、ユーザーの操作によって入力を行う中継器入力手段23、プログラムや設定値、一時的なデータ記憶など各種データを記憶する中継器メモリー25を備えている。中継器制御手段20は、入金額と買上額とから釣銭を演算する釣銭額演算手段26、表示データを解析し、買上額を抽出する表示データ解析手段27を含む。中継器2は、通信機能と各種サービス機能をそなえたコンピューターである。例えば、ノートパソコン、PDA、スマートフォンなどのコンピューターを中継器2として使用することが可能である。また、中継器2と精算機1は別体でも良いし、中継器2を精算機1に内蔵しても良いし、中継器2の機能を精算機1に含ませて一体としても良い。
中継器制御手段20は、中継器通信手段21、ローカル通信手段24、中継器表示手段22、中継器入力手段23、中継器メモリー25の制御や各種演算を行う。
中継器制御手段20は、CPUを備え、中継器メモリー25に記憶されているプログラムに従って、装置全体の制御、各種演算を行う。
中継器通信手段21は、中継器制御手段20によって制御され、LANなどのネットワークを介して外部装置、例えばPOS端末3とデータ通信を行う。中継器2は、POS端末3から、顧客ディスプレイに表示する表示データを取得する。表示データはマークアップ言語によって記述されている。中継器制御手段20は、Webブラウザプログラムによって、表示データに基づいて中継器表示手段22に顧客ディスプレイの表示と同様の表示をさせることができる。中継器制御手段20の制御によって、取得した表示データに基づき中継器表示手段22に表示データを表示することができる。顧客ディスプレイと同様の表示を中継器2に表示させることも可能であるし、さらに店員側固有の操作をするために必要な表示をさせることもできる。
ローカル通信手段24は、中継器制御手段20によって制御され、店舗内に配置された精算機1とデータ通信を行う。例えば、中継器2と精算機1は、USBや、LANなどによって接続することができる。近距離無線通信によって接続しても良い。汎用性を高めるために、国際的に通信規格が決められた接続方法が好ましい。
中継器表示手段22は、中継器制御手段20によって制御され、文字や画像の表示を行うLCDなどの表示手段である。中継器入力手段23は、中継器制御手段20によって制御され、文字、数字、記号などを入力するキーボードなどの入力手段である。例えば、タッチパネルを用いることで、中継器表示手段22と中継器入力手段23とを一体とすることができる。中継器表示手段22は、表示データに基づいて顧客ディスプレイと同様の表示が可能である。中継器表示手段22と中継器入力手段23のセットは、代金を受け取る側である店員側に向けられた店員側操作パネルとも言える。
中継器メモリー25は、中継器制御手段20によって制御される。中継器メモリー25には、中継器制御手段20によって実行されるプログラムや設定値、各種情報が記憶されている。また、中継器メモリー25には、中継器制御手段20の演算に用いるワークエリアのメモリーも含まれる。また、中継器メモリー25は、POS端末3から取得した表示データなどのデータや、精算機1から取得した入金額などの制御等に必要な様々なデータを記憶する。中継器メモリー25は、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリーなどの記憶手段を用いることができる。
次に、POS端末3について説明する。図4は、POS端末のブロック図である。
POS端末3は、店員が商品の登録を行い、顧客の買上金額を演算する。POS端末3は、インターネットなどのネットワーク6を介して、POSサーバ5に接続されている。POS端末3は顧客との取引毎に、商品、個数、買上金額、受取金額、日時を含む取引データを記憶する。またPOS端末3は取引データを、ネットワーク6を介して接続されているPOSサーバ5に送信し、格納する。POS端末3は、顧客との取引において商品を登録する場合に、顧客に登録状況や単価、取引の合計の買上金額などの情報を顧客用ディスプレイに表示するための表示データを生成し、出力する。
POS端末3は、装置全体を制御する端末制御手段30、外部装置と通信を行う端末通信手段31、店舗内のレシートプリンタ4と通信を行う外部通信手段34、LCDなどの文字や画像を表示する端末表示手段32、ユーザーの操作によって入力を行う端末入力手段33、プログラムや設定値、一時的なデータ記憶など各種データを記憶する端末メモリー35を備えている。端末制御手段30は、POSシステムを制御するPOSシステム制御手段36を備えている。POSシステム制御手段36は、商品の登録や購入額の合計の計算、商品毎の単価などの商品情報を記憶しているデータベースから選択された商品に関するデータの検索や取得、取引データのデータベースへの記憶、POSサーバ5への取引データの格納、レシートプリンタから出力する領収書や明細の印刷データの生成などを行う。また、端末制御手段30は、表示データ生成手段37を備える。表示データ生成手段37は、取引における顧客の購入商品の登録状況、買上金額の合計などの買上情報を、顧客用ディスプレイに表示させるための表示データを生成する。表示の様式は予め決められている。例えば、顧客用ディスプレイでは、買上商品の個数、合計金額が、商品を登録する毎に更新される。例えば、表示データは、マークアップ言語を使用し、個数と合計金額の部分を、商品が登録される毎に演算された結果を、変更する。顧客用ディスプレイは1秒毎など定期的に表示データを取得し、表示を変更する。POS端末3は、通信機能と各種サービス機能をそなえたコンピューターである。例えば、ノートパソコン、PDA、スマートフォンなどのコンピューターをPOS端末3として使用することが可能である。
端末制御手段30は、端末通信手段31、外部通信手段34、端末表示手段32、端末入力手段33、端末メモリー35の制御や各種演算を行う。
端末制御手段30は、CPUを備え、端末メモリー35に記憶されているプログラムに従って、装置全体の制御、各種演算を行う。POSシステム制御手段36、表示データ生成手段37は、端末メモリー35に記憶されているプログラムに従って動作する。
端末通信手段31は、端末制御手段30によって制御され、LANなどのネットワークを介して中継器2とデータ通信を行い、さらに、ネットワーク6を介してPOSサーバ5とデータ通信を行う。POS端末3は中継器2に、顧客ディスプレイに表示する表示データを送信する。POS端末3に顧客ディスプレイが接続されていれば、顧客ディスプレイに表示データを送信する。
外部通信手段34は、端末制御手段30によって制御され、店舗内に配置されたレシートプリンタ4とデータ通信を行う。例えば、POS端末3から、取引明細、領収書などの印刷データと制御コマンドをレシートプリンタ4に送信し、取引明細、領収書をレシートプリンタ4によって印刷することができる。例えば、外部通信手段34は、近距離無線通信などで接続することができる。汎用性を高めるために、国際的に通信規格が決められた接続方法が好ましい。
端末表示手段32は、端末制御手段30によって制御され、文字や画像の表示を行うLCDなどの表示手段である。端末入力手段33は、端末制御手段30によって制御され、文字、数字、記号などを入力するキーボードなどの入力手段である。例えば、タッチパネルを用いることで、端末表示手段32と端末入力手段33とを一体とすることができる。端末表示手段32と端末入力手段33のセットは、客の購入する商品を登録し、代金を受け取る側である店員側に向けられ、店員が操作する登録操作パネルとも言える。また、端末制御手段30にバーコードリーダーを接続し、バーコードを読み取ることで商品の登録をすることもできる。
端末メモリー35は、端末制御手段30によって制御される。端末メモリー35には、端末制御手段30によって実行されるプログラムや設定値、各種情報が記憶されている。また、端末メモリー35には、端末制御手段30の演算に用いるワークエリアのメモリーも含まれる。また、端末メモリー35は、POS端末3から送信する表示データなどのデータや、売上げデータなどの制御等に必要な様々なデータを記憶する。端末メモリー35は、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリーなどの記憶手段を用いることができる。
次に、レシートプリンタ4について説明する。図5は、レシートプリンタのブロック図である。
レシートプリンタ4は、領収書や取引明細を印刷するプリンタである。POS端末3によって生成された印刷データに基づいてプリント手段42が紙片に印刷する。
レシートプリンタ4は、装置全体を制御するプリンタ制御手段40、POS端末3と通信を行うプリンタ通信手段41、紙片に文字や図形を印刷するプリント手段42、プログラムや設定値、印刷データ、一時的なデータ記憶など各種データを記憶するプリンタメモリー43を備えている。プリンタ制御手段40は、POS端末3から取得したプリントデータに基づいてプリント手段42を駆動するデータを生成し、プリント手段42を駆動制御するプリント制御手段44を含む。
プリンタ制御手段40は、プリンタ通信手段41、プリント手段42、プリンタメモリー43の制御や各種演算を行う。
プリンタ制御手段40は、CPUを備え、プリンタメモリー43に記憶されているプログラムに従って、装置全体の制御、各種演算を行う。プリンタメモリー43は、プリンタ制御手段40によって制御される。プリンタメモリー43には、プリンタ制御手段40によって実行されるプログラムや設定値、各種情報が記憶されている。また、プリンタメモリー43には、プリンタ制御手段40の演算に用いるワークエリアのメモリーも含まれる。プリンタメモリー43は、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリーなどの記憶手段を用いることができる。
プリンタ通信手段41は、プリンタ制御手段40によって制御され、POS端末3と接続し、POS端末3とデータ通信を行う。レシートプリンタ4は、POS端末3から、印刷データを取得し、印刷データに基づいて、紙片に印刷する。例えば、レシートプリンタ4とPOS端末3は、USBや近距離無線通信によって接続できる。汎用性を高めるために、国際的に通信規格が決められた接続方法が好ましい。
プリント手段42は、プリンタ制御手段40によって制御され、印刷データに基づく印刷を行う。プリント手段42は、サーマルプリンタ、ドットインパクトプリンタ、インクジェットプリンタ、電子写真式プリンタなどの記録装置である。
次に、POSサーバ5について説明する。図6は、POSサーバのブロック図である。
POSサーバ5は、顧客との取引データなどの取引情報、商品毎の単価などの商品情報が項目毎に検索可能に記憶されたデータベースを備える。例えば、POS端末3によって入力された取引データを、ネットワーク6を介して取得し、データベースに格納する。
POSサーバ5は、インターネットなどのネットワーク6を介して、POS端末3に接続されている。POS端末3はPOSサーバ5から商品情報や取引情報を取得できる。
POSサーバ5は、装置全体を制御するサーバ制御手段50、外部装置と通信を行うサーバ通信手段51、プログラムや設定値、一時的なデータ記憶など各種データを記憶するサーバメモリー52、商品情報や取引情報を記憶するデータベースであるPOSDB53を備えている。サーバ制御手段50は、POSDB53を制御するPOSDB制御手段54を含む。POSDB制御手段54は、登録された商品や購入額などの取引データ、商品毎の単価などの商品情報を記憶しているデータベースに、新たなデータの記憶、データベースから項目に応じた情報の検索、データ取得を制御する。
サーバ制御手段50は、サーバ通信手段51、サーバメモリー52、POSDB53の制御や各種演算を行う。
サーバ制御手段50は、CPUを備え、サーバメモリー52に記憶されているプログラムに従って、装置全体の制御、各種演算を行う。POSDB制御手段54は、サーバメモリー52に記憶されているプログラムに従って動作する。
サーバ通信手段51は、サーバ制御手段50によって制御され、ネットワーク6を介してPOS端末3とデータ通信を行う。POSサーバ5は、POS端末3から新たな取引データを取得してPOSDB53に格納する。POSサーバ5は、POS端末3に、更新された商品毎の単価の情報を送信する。また、POSサーバ5は、POS端末3からの要求に応じてPOSDB53内を検索し、要求された項目に対応する情報をPOS端末3に返信する。
サーバメモリー52は、サーバ制御手段50によって制御される。サーバメモリー52には、サーバ制御手段50によって実行されるプログラムや設定値、各種情報が記憶されている。また、サーバメモリー52には、サーバ制御手段50の演算に用いるワークエリアのメモリーも含まれる。また、サーバメモリー52は、制御等に必要な様々なデータを記憶する。サーバメモリー52は、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリーなどの記憶手段を用いることができる。
POSDB53は、サーバ制御手段50によって制御される。POSDB53は、商品データ、取引データを予め決められた項目毎に、関連するデータを関係付けて記憶するデータベースである。POSDB53に記憶されている情報は、項目毎に検索が可能である。例えば、POSDB53に記憶されている情報は、商品毎、日時、顧客、店員、店舗、金額などの項目毎に、検索ができる。
次に精算システムについて図7~図10を用いて説明する。図7は、精算システムの動作を説明するフローチャートである。図8は、精算機の表示の例を説明する図である。図9は、中継器の表示の例を説明する図である。図10は、精算システムの概要を説明する図である。
図10は、精算システムを用いた店舗内の概要を示している。顧客85と店員86が、精算機1、中継器2、POS端末3、レシートプリンタ4を挟んで対峙している。店員86は、中継器2とPOS端末3を操作し、顧客85は、精算機1とレシートプリンタ4を操作する。
POS端末3と中継器2は、ルーター80を介してTCP/IPを用いた無線LANで接続されている。POS端末3はルーター80を介してTCP/IPを用いたネットワーク6に接続されている。ルーター80は、インターネットなどのネットワーク6に接続されている。図10では外部に配置されたPOSサーバ5が不図示であるが、POSサーバ5はネットワーク6に接続される。中継器2と精算機1は、有線のUSBによって接続されている。レシートプリンタ4とPOS端末3は有線のUSBによって接続されている。
店員86は、顧客が購入する商品をPOS端末3によって登録する。POS端末3には、合計の売上金額が表示される。その合計の売上金額を含むマークアップ言語で記述された表示データが、顧客用ディスプレイまたは中継器2に送信される。中継器2では、表示データを表示すると共に、売上金額を抽出し、精算機1に出力する。精算機1では、精算機表示手段12に売上金額が表示される。精算機1は入金を受け付ける状態となる。顧客は、精算機1の硬貨入金口81と紙幣入金口82から代金を入金する。精算機表示手段12には、入金された貨幣の合計金額である入金額が表示される。精算機1は入金額を中継器2に、定期的にまたは入金額が変わる度に、送信する。中継器2は、入金額の更新の度に、入金額と売上金額を表示し、更に釣銭額を演算し、結果を表示すると共に、精算機1に釣銭額を送信する。精算機1は、釣銭額を精算機表示手段12に表示すると共に、精算機入力手段13によって入金完了ボタンが押下されるのを待つ。精算機入力手段13によって入金完了ボタンが押下されたことを検出すると、釣銭額に基づいて支払う貨幣の金種と枚数を演算し、結果と払出命令を現金処理手段14に出力し、現金処理手段14によって釣銭を釣銭出金口83から払い出す。顧客85は、貨幣を精算機1に入金し、釣銭を精算機1から受け取ることができる。また、顧客は、レシートプリンタ4からレシート84を受け取ることができる。
次に、精算システムの動作について図7のフローチャートを用い、必要に応じて図8、図9の表示画面の例を参照しながら説明する。POS端末3と中継器2が接続されており、中継器2と精算機1が接続されている例である。POS端末3は端末制御手段30によって、中継器2は中継器制御手段20によって、精算機1は精算機制御手段10によって動作が制御され、精算システムが動作する。POS端末3の処理は、ステップS1~ステップS10である。中継器2の処理はステップS11~ステップS15とステップS23~ステップS24である。精算機1の処理はステップS16~ステップS22とステップS25~ステップS27である。それぞれの装置は独立して動作し、他の装置からデータ取得し、そのデータの取得に応じて処理が行われる。
まずPOS端末3の処理について説明する。ステップS1では、POS端末3を用いて店員86が顧客85によって購入される商品の登録を行う。POS端末3では、商品が1つずつ順番に登録される。
ステップS2では、POS端末3は、1つずつ登録される商品の単価を加算し、合計の売上金額を演算する。合計の売上金額は、顧客の立場なら買上金額の合計であり、店員86の立場なら売上金額の合計であり、代金である。
ステップS3では、POS端末3は、顧客用ディスプレイに表示するための表示データを生成する。表示データは、例えばHTMLやXMLの仕様、規則に則り、所定の位置に登録された商品の件数と、合計の売上金額が表示されるデータである。商品の登録の度に加算される件数と合計の売上金額の部分を可変することで、顧客用ディスプレイ上の表示を更新することができる表示データとなる。
ステップS4では、POS端末3は、中継器2に表示データを送信する。中継器2では、表示データの受信に応じて処理がされる。中継器2の処理については後述する。
ステップS5では、商品の登録が終了したか確認する。例えば、POS端末3の端末表示手段32に表示されている支払処理ボタンにタッチすることで、商品登録が終了したことを入力する。商品の登録を終了する場合はステップS6に移行し、続ける場合はステップS1に移行する。
ステップS6では、POS端末3に精算機1に入金された入金金額を入力する。
ステップS7では、POS端末3に入力された入金金額と商品の登録によって取得した合計の売上金額とから釣銭額を演算する。
ステップS8では、POS端末3は、取引データを格納する。取引データは、取引によって生じる情報を含み、日時、商品毎の個数、金額、合計の売上金額、入金額、釣銭額を含む。例えば、取引データに顧客名、性別、天気など様々な属性情報を含ませることができる。
ステップS9では、POS端末3は、取引データに基づいて、顧客が購入した商品、個数、単価、合計の売上金額などの情報を含む、取引明細、領収書のレシートデータを生成し、レシートプリンタ4を制御してレシートを印刷する。
ステップS10では、POS端末3は、取引データ、レシートデータをPOSサーバ5に送信し、データベースであるPOSDB53に格納する。処理後、次の取引の商品の登録待ちとするためステップS1に移行する。
次に、中継器2の処理について説明する。まず、図9を用いて中継器2の中継器表示手段22に表示される中継器の表示画面70について説明する。中継器の表示画面70には、商品点数表示欄71、売上額表示欄72、入金額表示欄73、釣銭表示欄74、商品入力完了、支払開始ボタン75が表示されている。商品点数表示欄71には、商品登録された件数が表示される。売上額表示欄72には、商品登録された合計の売上金額が表示される。入金額表示欄73には、精算機1に入金された入金額が表示される。釣銭表示欄74には、入金額から合計の売上金額を減算した釣銭額が表示される。商品入力完了、支払開始ボタン75は、タッチされた場合、ボタンが選択され、中継器制御手段20にタッチされたことが入力され、対応する処理がされる。
次に、中継器2の処理についてフローチャートを用いて説明する。
ステップS11では、中継器2は、POS端末3からの表示データの受信待ちの状態で待機している。中継器2は、POS端末3から表示データを受信するとステップS12に移行して処理が開始される。
ステップS12では、中継器2は、受信した表示データを記憶し、表示データの中から合計の売上金額を抽出する。例えば、マークアップ言語で記載された表示データは、売上金額がテキストデータとして記載されており、表示データ中の売上金額が記載されている位置が予め分かっているので、抽出することができる。このとき、中継器2は、商品の登録された件数のデータも抽出しても良い。また、中継器制御手段20に、webブラウザ機能が搭載されていれば、中継器2の中継器表示手段22にPOS端末3から受信した表示データに基づいて合計の売上金額を表示することができる。
ステップS13では、中継器2は、抽出した合計の売上金額を精算機1に送信する。このとき、中継器2は、商品登録された件数のデータも付加して送信しても良い。
ステップS14では、商品の登録が終了したか否かに応じて店員86が行う精算機1によって精算するか否かの中継器入力手段23への入力に応じて処理を分岐する。商品の登録が継続していればステップS11に移行し、終了ならばステップS15に移行する。
ステップS15では、中継器2は精算機1に対して、代金の支払処理の指示を送信する。中継器2は、その指示の送信の後、所定時間経過後にステップS11に移行し、新たな取引の表示データの受信を待つ。
中継器2は、上述の処理の他に、釣銭額を演算し、演算結果を精算機に送信する機能が搭載されているが、これについては後述する。
次に、精算機1の処理について説明する。まず、図8を用いて精算機1の精算機表示手段12に表示される精算機の表示画面60について説明する。精算機の表示画面60には、売上額表示欄61、入金額表示欄62、釣銭表示欄63、入金完了ボタン64が表示されている。登録された商品の件数を表示する件数表示欄を設けても良い。売上額表示欄61には、中継器2から受信した商品登録された合計の売上金額が表示される。入金額表示欄62には、精算機1に入金された入金額が表示される。釣銭表示欄63には、中継器2から受信した釣銭額が表示される。精算機1は釣銭額を取得するまでは釣銭額を表示しないので、釣銭表示欄63を破線により示した。入金完了ボタン64は、タッチされた場合、ボタンが選択され、精算機制御手段10にタッチされたことが入力され、対応する処理がされる。
次に、精算機1の処理についてフローチャートを用いて説明する。
ステップS16では、精算機1は、中継器2からの売上金額のデータの受信待ちの状態で待機している。精算機1は、中継器2から売上金額のデータを受信するとステップS17に移行して処理が開始される。
ステップS17では、精算機1は中継器2からの売上金額のデータを取得する。例えば、商品の登録がされる毎に、または1秒毎など定期的に中継器2から売上金額のデータが送信されてくるので、精算機1は、新たな売上金額のデータを取得する。
ステップS18では、精算機1は、取得した新たな売上金額のデータに基づいて、精算機表示手段12に売上金額を表示する。このとき商品の登録件数も表示させても良い。精算機1の精算機表示手段12は、顧客側に配置されているので、顧客用ディスプレイとして、商品の登録状況を顧客が確認できるようにしている。
ステップS19では、精算機1は、中継器2からの支払処理の指示が受信されたか否かを確認し、受信されていればステップS20に移行し、受信されていなければステップS16に移行して、中継器2からのデータの受信を待つ。
ステップS20では、精算機1は、硬貨入金口81と紙幣入金口82から顧客による貨幣の入金を受け付ける。硬貨または紙幣が精算機1に入金されると、精算機1は、貨幣の金種を一枚ずつ判断し、入金された貨幣の入金額を取得する。顧客によって入金完了ボタン64がタッチされるまで、入金処理を続け、入金額を精算機表示手段12に表示する。精算機表示手段12は、入金額が変わる毎に表示が更新される。
ステップS21では、精算機1は入金完了ボタン64がタッチされたか否かを判断し、タッチされていないと判断されればステップS20に移行し入金処理を続ける。精算機1は入金完了ボタン64がタッチされ、入金が完了したと判断した場合は、精算機1に既に投入されている貨幣の入金処理が終了した後ステップS22に移行する。
ステップS22では、精算機1は中継器2に入金額のデータを送信する。精算機1は、入金額が売上金額以上になった場合に送信することが好ましい。釣銭が発生する前に、精算機1から中継器2にデータを送信しても負荷が増大するだけである。
ここで、中継器2の釣銭額の演算処理について説明する。
ステップS23では、中継器2は、精算機1から精算機1に入金された入金額を受信すると、釣銭額の演算の処理を行う。中継器2は、精算機から受信した入金額から中継器2が持つ売上金額を減算し釣銭額を取得する。中継器2は、演算して求めた釣銭額を中継器表示手段22に表示する。
ステップS24では、中継器2は、演算結果の釣銭額を精算機1に送信する。
次に、精算機1の処理に戻って説明する。
ステップS25では、中継器2から、演算結果の釣銭額が受信されるまで処理を待ち、釣銭額が受信されることにより処理が開始される。精算機1は、金種毎に金庫に格納されている貨幣から釣銭を払い出す必要がある。そのため、精算機1は、払い出す釣銭の金種毎の枚数を演算し、その結果を基に金庫から貨幣を排出する処理を行う。精算機1は、釣銭額以下となるように高額の貨幣から順に払出枚数を決め、釣銭額と払出額が同額になるように金種毎の枚数を決める。例えば、釣銭額が220円の場合を説明する。まず高額の金種から順に220円以下となる金種と枚数を求める。そうすると、100円硬貨の2枚がまず決まり、残が20円となる。50円硬貨が0枚、10円硬貨が2枚とすると、払出額が220円となり、釣銭額と払出額が同額となる。精算機1は、払い出す釣銭の金種と枚数が決まった後に、精算機表示手段12の釣銭表示欄63に釣銭額を表示する。中継器2から釣銭額を受信した後、釣銭表示欄63に釣銭額を表示することができる。しかし、精算機1の金庫内の貨幣が不足して釣銭が払い出せない場合もあるので、釣銭額の金種と枚数が決定した後に釣銭額を表示することが好ましい。また、この処理を、中継器2によって行わせることも可能である。
ステップS26では、精算機1は、演算によって求めた釣銭の金種と枚数に基づいて、金庫から貨幣を釣銭出金口83に排出する。顧客85は釣銭を釣銭出金口83から受け取ることができる。
ステップS27では、精算機1は、5秒後など、所定の時間経過後に、精算機表示手段12の精算機の表示画面60をリセットし、ステップS16に戻り、次の取引のデータを待つ。
また、ステップS20の入金処理において、精算機1は、入金額が売上金額を超えた場合に、入金額が変わる毎に中継器2の入金額を送信し、ステップS23、ステップS24の処理を行い、精算機1が釣銭額を取得し、精算機表示手段12の釣銭表示欄63に釣銭額を表示する処理を付加しても良い。そうすることで、顧客は、売上額と入金額と釣銭額を同時に確認することができる。また、顧客は、入金処理を続けるか否かを考え、入金完了ボタン64によって入力するか否かを判断することができる。また、ステップS25の釣銭額を演算する処理を精算機1の処理に含ませることもできる。この場合に、精算機1から釣銭額を中継器2に送信し、中継器2が釣銭額を取得しても良いし、中継器2は独自に釣銭額を演算し、取得しても良い。中継器2は、中継器の表示画面70に示すように、売上点数、売上額、入金額、釣銭額を取得し、表示できるようにする。
次に、精算システムの別の例を図11から図14を用いて説明する。
図11は、精算システムの第2の例の構成を説明する図である。図11の精算システムの第2の例の構成と、図1の精算システムの構成との違いは、現金以外の方法で代金を収受するためのクレジットカード代金収受装置90と電子マネー代金収受装置91とがPOS端末3に接続されているかいないかである。クレジットカード代金収受装置90は、クレジットカードを利用し、代金を決済する装置である。クレジットカード代金収受装置90は不図示のネットワークを介して不図示の決済サーバに接続され、クレジットカードを利用して決済を行うことができる。電子マネー代金収受装置91は、ICカードに予めチャージされた電子マネーから、代金分の電子マネーを減額することで代金の収受がされる。
次に、中継器2について説明する。図12は、中継器の表示の第2の例を説明する図である。図12の中継器の表示の第2の例と、図9の中継器の表示の例との違いは、中止ボタン92の有無である。中止ボタン92は、精算機1によって、代金の収受を中止するためのボタンである。中止ボタン92にタッチすることで、中継器2から精算機1に、現金での代金の収受を中止する指示を行う。
次に、POS端末の第2の例を説明する。図13は、POS端末の第2の例のブロック図である。図13のPOS端末の第2の例のブロック図と、図4のPOS端末のブロック図との違いは、端末制御手段30に接続されるクレジットカード代金収受装置90と電子マネー代金収受装置91の有無である。
クレジットカード代金収受装置90は、端末制御手段30によって制御される。クレジットカード代金収受装置90は、不図示のネットワークに接続された決済サーバと通信を行い、クレジットカードによって代金の収受を行う。端末制御手段30は、クレジットカード代金収受装置90に売上金額を送信し、クレジットカードによる代金の決済を依頼する。クレジットカード代金収受装置90は代金の決済後、決済が済んだことまたはエラーがあったことを端末制御手段30に通知する。
電子マネー代金収受装置91は、端末制御手段30によって制御される。電子マネー代金収受装置91は、ICカードに記憶された電子マネーから代金分の電子マネーを減額することよって代金の収受を行う。端末制御手段30は、電子マネー代金収受装置91に売上金額を送信し、電子マネー代金収受装置91は、予めチャージされている電子マネーから代金分の電子マネーを減額する。電子マネー代金収受装置91は代金の決済後、決済が済んだことまたはエラーがあったことを端末制御手段30に通知する。
次にPOS端末の操作パネルの表示について説明する。図14は、POS端末の表示の例を説明する図である。POS端末3の端末表示手段32のPOS端末の表示画面93には、商品点数表示欄94、商品名表示欄95、商品単価表示欄96、売上額表示欄97、入金額表示欄98、釣銭表示欄99、現金ボタン100、クレジットカードボタン101、電子マネーボタン102、支払処理ボタン103が表示されている。
商品点数表示欄94には、商品登録された件数が表示される。商品名表示欄95には、商品登録された商品名が表示される。商品単価表示欄96には、商品登録された商品の単価が表示される。売上額表示欄97には、商品登録された合計の売上金額が表示される。入金額表示欄98には、収受または入金された額が表示される。釣銭表示欄99には、釣銭額が表示される。現金ボタン100、クレジットカードボタン101、電子マネーボタン102、支払処理ボタン103は、タッチされた場合、ボタンが選択され、端末制御手段30にタッチされたことが入力され、対応する処理がされる。現金ボタン100は現金により、クレジットカードボタン101はクレジットカードにより、電子マネーボタン102は電子マネーにより、代金が収受される。支払処理ボタン103は、商品の登録が完了したときにタッチされ、商品登録が済み、支払の処理がされる。
次に、精算システムの動作の例を説明する。図15は、精算システムの第2の動作の例を説明するフローチャートである。必要に応じて図11、図12、図14を参照しながら説明する。POS端末3は、精算機1とは直接データ通信を行わない。POSシステムに、精算機1を追加しようとするとPOSシステムについて大がかりなプログラムの変更が必要となる。POSシステムのプログラムを変更せずに、精算機1を接続できるようにするため、POS端末3から精算機1へのデータの受渡は一方通行である。POS端末3から、中継器2を介して、売上金額のデータを精算機1は取得することができる。中継器2を介在させ、中継器2によって、POS端末3から出力される汎用的なデータから、精算機1を制御するのに必要なデータを抽出し、精算機1にそのデータを取得させることができる。中継器2の機能を精算機1に持たせてもよい。
POS端末3と中継器2が接続されており、中継器2と精算機1が接続されている例である。またPOS端末3には、現金以外の代金の収受装置としてクレジットカード代金収受装置90と電子マネー代金収受装置91が接続されている。POS端末3は端末制御手段30によって、中継器2は中継器制御手段20によって、精算機1は精算機制御手段10によって動作が制御され、精算システムが動作する。POS端末3の処理は、ステップS30~ステップS38である。中継器2の処理はステップS39~ステップS46とステップS57~ステップS58である。精算機1の処理はステップS47~ステップS56とステップS59~ステップS62である。それぞれの装置は独立して動作し、他の装置からデータ取得し、そのデータの取得に応じて処理が行われる。ここで、図7のフローチャートと同様な部分は説明を省略する。
まずPOS端末3の処理について説明する。ステップS30からステップS33の処理は図7のステップS1からステップS4の処理と同様である。
ステップS34では、POS端末3は、商品の登録が終了したか確認する。例えば、POS端末3の端末表示手段32に表示されている支払処理ボタン103(図14)がタッチされることで、商品登録が終了したことを確認できる。POS端末3は、商品登録が終了の場合にはステップS35に移行し、続ける場合はステップS30に移行する。
ステップS35では、POS端末3の操作パネルから、代金収受方法を選択する。図14の現金ボタン100、クレジットカードボタン101、電子マネーボタン102から、客の所望する代金収受方法を店員がタッチすることで選択する。
ステップS36では、ステップS35で選択された代金収受方法に対応する処理を行う。クレジットカードボタンが選択された場合は、クレジットカードにより代金を収受する。電子マネーボタンが選択された場合は、電子マネーにより代金を収受する。現金ボタンが選択された場合は、現金により代金を収受する。また、POS端末3は、取引データを格納する。取引データは、取引によって生じる情報を含み、日時、商品毎の個数、金額、合計の売上金額、入金額、釣銭額、代金収受方法を含む。
ステップS37では、POS端末3は、取引データに基づいて、顧客が購入した商品、個数、単価、合計の売上金額などの情報を含む、取引明細、領収書のレシートデータを生成し、レシートプリンタ4(図11)を制御してレシートを印刷する。
ステップS38では、POS端末3は、取引データ、レシートデータをPOSサーバ5に送信し、データベースであるPOSDB53に格納する。処理後、POS端末3は、次の取引の商品の登録待ちとするためステップS30に移行する。
次に、中継器2の処理について説明する。まず、図12を用いて中継器2の中継器表示手段22に表示される中継器の表示画面70について説明する。中継器の表示画面70には、商品点数表示欄71、売上額表示欄72、入金額表示欄73、釣銭表示欄74、商品入力完了、支払開始ボタン75、中止ボタン92が表示されている。
ステップS39からステップS41は、図7のステップS11からステップS13と同様の処理である。
ステップS42では、商品の登録が終了し、現金で精算するか否かについて中継器入力手段23への入力に応じて処理が分岐する。例えば、中継器2は、商品入力完了、支払開始ボタン75にタッチされたか否かを判断する。中継器2は、商品の登録が継続していればステップS47に移行し、終了ならばステップS43に移行する。
ステップS43では、中継器2は、精算機1に対して、代金の支払処理の指示を送信する。中継器2は、その指示の送信の後、所定時間経過後にステップS44に移行する。
ステップS44では、中継器2は、精算機1で代金の収受が済んだか否かを判断する。中継器2は、精算機1で代金の収受が済んでいれば、ステップS39に移行し、新たな取引の表示データの受信を待つ。中継器2は、精算機1で代金の収受が済んでいなければ、ステップS45に移行する。
ステップS45では、中継器2は、精算機1での現金での代金の収受を中止するか否かを判断する。図12の中止ボタン92がタッチされていれば、中継器2は、精算機1での代金の収受の処理を中止する。中継器2は、精算機1での現金での代金の収受を中止する場合は、ステップS46に移行し、中止しない場合は、ステップS44に移行する。ステップS44に移行することは、代金の収受が済むか、中止するか何れかの状態になるまで中継器2の処理を待機させることになる。
ステップS46では、中継器2は、精算機1に対して代金の収受の中止の指示を送信する。中継器2は指示の送信後、ステップS39に移行する。
ステップS47では、中継器2は、精算機1での現金での代金の収受を中止するか否かを判断する。中継器2は、図12の中止ボタン92がタッチされていれば、精算機1での代金の収受の処理を中止する。中継器2は、精算機1での現金での代金の収受を中止する場合は、ステップS46に移行し、中止しない場合は、ステップS39に移行する。ステップS42において、中継器2は、商品登録が継続している状態で、図12の中止ボタン92がタッチされたか否かについて確認する。
次に、精算機1の処理について説明する。
ステップS48では、精算機1は、中継器2からの売上金額等のデータの受信待ちの状態で待機している。精算機1は、中継器2から売上金額等のデータを受信するとステップS49に移行して処理が開始される。
ステップS49では、精算機1は、中継器2が精算機1から精算機1での代金の収受を中止する指示を受信したか否かを判断する。精算機1は、中止の指示を受信した場合は、ステップS50に移行し、中止の指示を受信していない場合は、ステップS52に移行する。
ステップS50では、精算機1は、入金の受付を禁止し、入金を受け付けなくする。また、精算機1は、既に入金がされていれば、入金された金額を払い出し、次のステップに移行する。
ステップS51では、精算機1は、表示をリセットし、売上金額等の表示を0に戻し、ステップS48に移行する。また、精算機1は中継器2から取得した売上金額のデータなどをリセットし、データを受信していない状態で待機する。売上金額等の表示をリセットすることで、精算機1は、客に精算機1が使えないことを伝えることができる。また、クレジットカードや電子マネーカードを利用する装置は売上金額等の表示がされるので、客は、他の装置によって代金の額を確認することができる。
ステップS52では、精算機1は中継器2からの売上金額のデータを取得する。例えば、商品の登録がされる毎に、または1秒毎など定期的に中継器2から売上金額のデータが送信されてくるので、精算機1は、新たな売上金額のデータを取得する。
ステップS53では、精算機1は、取得した新たな売上金額のデータに基づいて、精算機表示手段12に売上金額を表示する。このとき商品の登録件数も表示させても良い。精算機1の精算機表示手段12は、顧客側に配置されているので、顧客用ディスプレイとして、商品の登録状況を顧客が確認できるようにしている。
ステップS54では、精算機1は、中継器2からの支払処理の指示が受信されたか否かを確認し、指示の受信があればステップS54に移行し、無ければステップS48に移行する。ステップS55では、精算機1は、入金を受け付け、次のステップに移行する。
ステップS56からステップS62は、図7のステップS20からステップS26の処理と同様である。
ステップS63では、精算機1は、5秒後など、所定の時間経過後に、精算機表示手段12の精算機の表示画面60をリセットし、ステップS64に移行する。中継器2は、ステップS60で釣銭額を精算機1に送信した後、データの受信待ちとなる。
ステップS64では、精算機1は、代金を精算機1が収受したことを中継器2に通知する。代金が収受され、精算機1から中継器2に通知がされた場合は、中継器2は、ステップS44の判断の処理がされる。この通知後、精算機1は、ステップS48に戻り、次の取引のデータを待つ。
POS端末3によって代金収受の方法が選択され、その結果が現金以外での代金収受である場合は、POS端末3に接続されている対応する代金収受装置によって代金収受が行われる。現金での代金収受が選択された場合は、精算機1によって代金収受が行われる。現金以外での代金収受の場合は、精算機1の入金を禁止する。精算機1の入金を禁止するためには、店員は中継器2を操作し、中継器2から精算機1に対して指示を行う。