JP7470234B1 - 電動ドリル用粉塵飛散防止補助具及びこれを用いた壁の穴あけ施工方法 - Google Patents

電動ドリル用粉塵飛散防止補助具及びこれを用いた壁の穴あけ施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、建築物石綿含有建材による人体被害を削減することを目的とし、特に設備工事の穴あけ時に起きるアスベストによる粉塵被害の削減を可能とする技術提案を課題とする。【解決手段】電動ドリル用粉塵飛散防止補助具及びこれを用いた壁の穴あけ施工方法は、壁面に穴を開ける円形切削具において、粉塵が飛散しないようにする補助具であって、摺動吸収部と、筒体と、電動ドリルと、粘着体と、から成り、前記筒体の先端には前記粘着体を貼着可能なフランジ部を有し、前記摺動吸収部は前記電動ドリルと前記筒体とを前後に可動可能に伸縮する伸縮体で構成され、前記粘着体は壁面の凹凸に沿って変形する軟質物であって粘着性を有する素材により形成されている構成を採用した。【選択図】図1

Description

本発明は、電動ドリル用粉塵飛散防止補助具及びこれを用いた壁の穴あけ施工方法の技術に関し、詳しくは、壁等に穴を開ける作業に於いて、凹凸がある外壁等でも柔軟な可撓性を有する粘着体と粉塵を収容する収容体を利用することで、粉塵の飛散を防ぎ、特に人体に害のあるアスベスト含有の粉塵を吸引することによる健康被害を回避できる技術に関するものである。
生活する住居や商いを営むための建物を建設したり、快適に過ごすための設備の導入は必須である。その際につきものなのは既存の建物の解体や改修であるが、ここで大きく立ちはだかるのは、長年にわたり人体に悪影響を及ぼすといわれてきたアスベストの問題である。国の規制は、50年ほど前から段階的に行われるようになってきており、1975年には、アスベスト含有率5%を超える場合、1995年には含有率が1パーセントを越える場合、吹き付け作業が禁止されるようになった。その後2006年にはアスベスト含有率は0.1パーセントを超えるものの製造、輸出、輸入などが全面禁止された。しかしながら、現在行われている解体作業や設備の改善の対象となっている建物は、多くは規制以前のものであり、問題の解決には至っていないのが現状である。
アスベストの問題は、アスベストの粉塵が口や鼻から吸引され、人体に混入することで特に悪影響を及ぼす。それは、建物から離れたところで大型の重機を使って行う解体よりも、作業者が直接アスベストが含有している壁や天井などに触れて作業を行うエアコンなどの設備の導入時の作業においては特に深刻である。このエアコンの配管に伴う壁に穴を開ける作業では、ドリルなどを使った人的作業となる。この時に出る粉塵によって、作業者の体を害するといったものである。そこで、配管などで壁に穴を開ける際にアスベストを含有した粉塵を吸い込んでしまうといった問題を解決する工夫が必用である。
アスベスト含有の粉塵は建物の設備作業において大きな問題となることは前述のとおりであるが、例えば、エアコンの配管をする場合には電気ドリル等の電動工具によって内径約65mmから80mmの穴を貫通させることとなる。そうすると、その内径約65mmから80mm分の壁に使用された建材が破片と粉になる。また、それは作業者が作業を行っている側の壁にも、また、作業を行っている壁とは反対側の壁にも粉塵は飛散する。それによって、作業者だけでなく、反対側にいる、例えば通りすがりの通行人がいたとしてもその粉塵を吸い込むこととなる。特に、作業者においては、一日何回も繰り返す作業であり、また、それが毎日のように繰り返し行った場合には、吸い込む粉塵の量も少量では済まされず、人体に与える悪影響は大であるといえる。そしてアスベストを吸引する恐れがある仕事を長期に続けた場合、吸引されたアスベストは肺の組織内に長く滞留し、その結果、石綿肺や肺がんなどに掛かりやすいといわれている。そのような健康被害を少しでも無くすための対策が必用である。
また、これらの現状を深刻に受け止めて、ついに国が対策に乗り出し、2022年4月1日から、アスベストの有り無の事前調査結果の報告義務、並びに、飛散させないように養生しなければならないことが厚生労働省より発表され、これに伴い、アスベストの粉塵を吸引しないで済む器具や方法の提供は急務といえる。
係る問題に鑑み、従来より種々の技術提案がなされている。例えば、考案の名称「ドリルアタッチメント」とする技術がある(特許文献1参照)。具体的には、「本発明は、上記のような従来技術に鑑み、新規なドリルアタッチメント及びそれに専用のドリルを提供する。」ことを課題とし、解決手段としては「密閉された空間にドリルによる穿孔の際に生じるダストをドリルの回転に伴い自動的に収集できると共にドリルの長さ方向に可動なドリルのダスト収集可動部と当該ドリルのダスト収集可動部を挿入できる缶体とを備え、当該ドリルのダスト収集可動部及び当該缶体によりドリルの回転部分の全周を被覆し、当該缶体にはバネを内蔵し当該缶体を当該ドリルのダスト収集可動部に付勢し、ドリルの穿孔長の調整が可能な機構とドリルへの取付を可能とする機構とドリルからの取外しを可能とする機構とを有してなることを特徴とするドリルアタッチメント。」というものである。しかしながら、係る文献に記載された発明は、筒体をスライドさせて常に押し込むためのバネが用いられているが、それが筒体の内部に収容されておりドリルチャックのすぐ近くにバネの端部が配置されているため、粉塵等の蓄積によりこのバネも一緒に回転する危険性がある。
また、考案の名称「電動ドリル等に於ける粉塵防止装置」とする技術がある(特許文献2参照)。具体的には、「電動ドリルや電動ドライバー等のノーズ先端に伸縮自税に形成した粉塵帽子装置を整備することにより、周囲への粉塵の飛散を防止可能な粉塵帽子装置を提供する」ことを課題とし、解決手段としては「電動ドリル等のノーズに装着可能な内筒部とこの内筒部の外周に摺動自在に嵌合した外筒部と、前記内筒部のつば部と外筒部のつば部との間に弾装したスプリングコイルとを具美した電動ドリル等に於ける粉塵帽子装置」というものである。しかしながら、係る特許文献2に記載された考案も、外筒部の先端が特に何ら加工されておらず、外壁等の凹凸に対応できず、粉塵等がその隙間から飛散することが考えられる。
また、発明の名称「電動ドリル装置及び吸引装置」とする技術がある(特許文献3参照)。具体的には、「清掃作業を楽に行うことができ、作業負担も生じない電動ドリル装置及び吸引装置を提供する。」ことを課題とし、解決手段としては「電動ドリルと上下動可能な筒体を有する吸引装置を備えた電動ドリル装置であって、筒体はドリルのシャフトとビットを覆うカバー部と、該カバー部の途中に設けられた分岐筒を備えており、電動ドリルの作動に応じて上下させることができ、吸引機本体から伸びたホースと分岐筒は結合され、吸引機本体には背負具を備られて可搬型とされている電動ドリル装置。」というものである。しかしながら、係る文献に記載された発明は、基台の上に立設される壁掛け材の構造が大きく異なっており、更に、特許文献3に記載の発明では、大掛かりな吸引装置を必要とするため、手軽さに欠ける点が問題となる。
特開2008-23622号公報 公開実用昭69-143612号公報 特開2016-129913号公報
本発明は、特に設備工事における壁等への穴あけ作業時に生ずる粉塵被害の削減を目的とし、特にアスベストを含有する建築物石綿含有建材による人体被害を削減することを課題とした。
本発明に係る、電動ドリル用粉塵飛散防止補助具は、電動ドリルを利用して壁面に穴を開けるドリル刃及びホルソーの円形切削具において、粉塵が飛散しないようにする補助具であって、筒体と摺動吸収体と柔軟な可撓性を有する粘着体と、から成り、前記筒体の先端には前記粘着体を貼着可能なフランジ部を有し、前記摺動吸収体は前記電動ドリルと前記筒体とを前後に可動可能に伸縮する伸縮体で構成され、前記粘着体は壁面の凹凸に沿って変形する軟質物であって粘着性を有する素材により形成されている構成を採用した。
また、本発明に係る、電動ドリル用粉塵飛散防止補助具は、電動ドリル用粉塵飛散防止補助具であって、前記筒体及び前記摺動吸収体のそれぞれの内壁に凹凸が無い構成を採用することもできる。
また、本発明は、前記電動ドリル用粉塵飛散防止補助具を利用して、粉塵が飛散しないようにしながら、壁面に内壁開口穴及び外壁開口穴)を開ける施工方法であって、内壁押し付け工程Aと、内壁基準孔開け工程Bと、内壁円形切削工程Cと、外壁案内孔開け工程Dと、外壁押し付け工程Eと、外壁円形切削工程Fとを有し、前記内壁押し付け工程Aは、前記フランジ部に貼着した前記粘着体を内壁の表面形状の凹凸に沿うように押し付けて変形させ、前記筒体と前記前記内壁との隙間を無くす工程であり、前記内壁基準孔開け工程Bは、目的となる穴あけの中心を案内するための基準孔を前記ドリル刃により開ける工程であり、前記内壁円形切削工程Cは、前記内壁基準孔開け工程Bで開けた前記基準孔に案内されて前記ホルソーにより大径の前記内壁開口穴を開ける工程であり、前記外壁案内孔開け工程Dは、前記基準孔開け工程B及び前記内壁円形切削工程Cで前記内壁の穴を開けた後に、前記外壁の目的となる前記外壁開口穴の中心を案内するための案内孔を開ける工程であり、前記外壁押し付け工程Eは、外壁に空けた案内孔を中心に、前記粘着体を押し付けて前記外壁の表面形状に則して変形させ前記筒体と前記外壁との隙間を無くす工程であり、前記外壁円形切削工程Fは、前記案内孔開け工程Dで開けた前記案内穴に案内されて前記外壁へ大径の前記外壁開口穴を開ける工程とする構成を採用することもできる。
本発明に係る電動ドリル用粉塵飛散防止補助具及びこれを用いた壁の穴あけ施工方法によれば、刃先から零れ落ちるアスベスト等の粉塵が飛散せず、作業者等の健康被害を防止できるという優れた効果を発揮するものである。
また、本発明に係る電動ドリル用粉塵飛散防止補助具において、筒体及び摺動吸収体のそれぞれ内壁に凹凸が無い構成を採用した場合には、作業後に粉塵を処理する際に容易に取り出すことができるという優れた効果を発揮する。
また、本発明に係る電動ドリル用粉塵飛散防止補助具によれば、構造がシンプルで電動ドリルに容易に着脱可能であり、作業性に勝れるという優れた効果を発揮する。
また、本発明に係る電動ドリル用粉塵飛散防止補助具によれば、構成がシンプルなため製造コストを抑えることができ量産に適するという優れた効果を発揮する。
本発明に係る電動ドリル用粉塵飛散防止補助具の基本的な構成を示す基本構成説明図である。 本発明に係る電動ドリル用粉塵飛散防止補助具の動作状態を説明する動作状態説明図である。 本発明に係る電動ドリル用粉塵飛散防止補助具の作業状態を説明する作業状態説明図である。 本発明に係る電動ドリル用粉塵飛散防止補助具を用いて穴あけ加工を施す施工方法のフローチャートである。
本発明に係る電動ドリル用粉塵飛散防止補助具は、電動ドリルを利用して壁面に穴を開けるドリル刃及びホルソーの円形切削具において、粉塵が飛散しないようにする補助具であって、筒体と摺動吸収体と柔軟な可撓性を有する粘着体と、から成り、前記筒体の先端には前記粘着体を貼着可能なフランジ部を有し、前記摺動吸収体は前記電動ドリルと前記筒体とを前後に可動可能に伸縮する伸縮体で構成され、前記粘着体は壁面の凹凸に沿って変形する軟質物であって粘着性を有する素材により形成されていることを最大の特徴としている。以下、図面に基づいて説明する。なお、本発明に係る電動ドリル用粉塵飛散防止補助具の全体形状、及び寸法各部の形状は、下記に述べる説明に限定さるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を奏する形状及び寸法の範囲内で変更することができるものである。
図1は、本発明に係る電動ドリル用粉塵飛散防止補助具1の基本的な構成を示す基本構成説明図であり、以下各構成部材について詳細に説明する。
電動ドリル用粉塵飛散防止補助具1は、電動ドリル30を利用して壁面Kに穴を開けるドリル刃200及びホルソー210の円形切削具において、粉塵Hが飛散しないようにする補助具であって、筒体20と摺動吸収体10と柔軟な可撓性を有する粘着体40と、から成り、前記筒体20の先端には前記粘着体40を貼着可能なフランジ部41を有し、前記摺動吸収体10は前記電動ドリル30と前記筒体20とを前後に可動可能に伸縮する伸縮体で構成され、前記粘着体40は壁面の凹凸に沿って変形する軟質物であって粘着性を有する素材により形成されているものである。
電動ドリル用粉塵飛散防止補助具を用いた壁の穴あけ施工方法2は、前記電動ドリル用粉塵飛散防止補助具1を利用して、粉塵Hが飛散しないようにしながら、壁面Kに内壁開口穴52及び外壁開口穴53を開ける施工方法であって、内壁押し付け工程Aと、内壁基準孔開け工程Bと、内壁円形切削工程Cと、外壁案内孔開け工程Dと、外壁押し付け工程Eと、外壁円形切削工程Fとを有し、前記内壁押し付け工程Aは、前記フランジ部41に貼着した前記粘着体40を内壁UKの表面形状の凹凸に沿うように押し付けて変形させ、前記筒体20と前記前記内壁UKとの隙間を無くす工程であり、前記内壁基準孔開け工程Bは、目的となる穴あけの中心を案内するための基準孔50を前記ドリル刃200により開ける工程であり、前記内壁円形切削工程Cは、前記内壁基準孔開け工程Bで開けた前記基準孔50に案内されて前記ホルソー210により大径の前記内壁開口穴52を開ける工程であり、前記外壁案内孔開け工程Dは、前記基準孔開け工程B及び前記内壁円形切削工程Cで前記内壁UKの穴を開けた後に、前記外壁SKの目的となる前記外壁開口穴53の中心を案内するための案内孔51を開ける工程であり、前記外壁押し付け工程Eは、外壁SKに空けた案内孔を中心に、前記粘着体40を押し付けて前記外壁SKの表面形状に則して変形させ前記筒体20と前記外壁SKとの隙間を無くす工程であり、前記外壁円形切削工程Fは、前記案内孔開け工程Dで開けた前記案内穴51に案内されて前記外壁SKへ大径の前記外壁開口穴53を開ける工程であるものである。
ドリル刃200は、電動ドリル30に装着され回転させられることによって、物に穴を開け、切削を行うための刃のことである。おおまかに分けて、木工用、金属用、コンクリート用などがある。
ホルソー210は、図1において破線で示した部分である。ドリルドライバーやインパクトドライバーに取り付けて使用する工具で、木材や金属にドリルでは開けられないような大きな穴をあける工具の事である。用途や目的に合わせて種類やサイズが様々で、木材や樹脂、鉄板などに穴をあけることが可能である。なお、ホルソー210のチャック側底部には切り屑排出穴220が設けられており、係る切り屑排出穴220を介して粉塵Hを摺動吸収部10へと排出する。
摺動吸収部10は、ドリル200やホルソー210が壁を切り込んで突き進むとこれに応じて筒体20がスライドし、押しつぶされても常に元の状態に戻ろうとする力を与えるための略球状の形状に形成されたゴムなどの弾性素材により構成されるものである。市販されているダストカバーには、全体が蛇腹となったものが存在する。係る蛇腹により自由な伸縮を可能とするものであるが、係る蛇腹部の沢山の凹溝に粉塵Hが入り込み、取り除くことが困難になるというメンテナンス上の問題を含んでいるといえるものである。そこで、本発明に係る請求項2に記載の筒体20及び摺動吸収体10のそれぞれ内壁に凹凸が無い構成とすることで、粉塵Hが入り込む部分がなく筒体20及び摺動吸収体10に取り込んだ粉塵Hを取り除くことが容易となりメンテナンス性が向上する。
筒体20は、ドリル刃200又はホルソー210を被覆し、刃先から生じる粉塵Hを収容する容体となるものであり、摺動吸収部10を介してドリル刃200又はホルソー210に対して前後に移動するものである。
電動ドリル30は、穴あけが主目的の電動工具である。モーターと減速機・ドリルチャックからなり、JISC9605では「携帯電気ドリル」となっている。機能的には「ボール盤」を携帯化したものである。現在では、機械本体も絶縁体で構成された二重絶縁の機種が主流である。携帯用電動工具としては一番普及しているものであり、電動ドリル30又は単に電ドリ、電ドル、ドリルとも呼ばれる。電気ドリル30は、発明された当時はドリル刃200を取り付け正方向に回転させて木材や金属に穴をあける専用の電動工具であった。その後色々な機能が本体に追加され、先端に取付ける工具も豊富になって作業範囲が広がった。その事により穴あけ・締め付け・弛め・研磨・研削等の各種作業が可能となり、名称も機能性能を追加表示する各種電気ドリル30となったものである。
粘着体40は、筒体20の先端部分に設けられるフランジ部41に貼着により貼り付けられ、壁等の被切削加工との間に挟んで更にこれを押し付けることによって壁等の凹凸の形状に則して変形する軟質体であるとともに粘着性を有したものである。具体的には、例えば、株式会社イノアックコーポレーションから提供されているG-elasto(登録商標)等である。係るG-elasto(登録商標)は柔軟性に優れ、高い衝撃吸収性を持ったゲル状のウレタン素材であり、自己粘着性を持つ難黄変タイプの透明素材のため、本発明に係る電動ドリル用粉塵飛散防止補助具1及びこれを用いた壁の穴あけ施工方法2に用いる粘着体40として好適である。または、シリコン樹脂の架橋密度をコントロールして僅かな自由流動性を残すことによりゲル化したものも柔軟性と剥離性を備えており、これも好適な素材といえる。
フランジ部41は、筒体20の先端と壁等の間に粘着体40を挟みつけるための段差部のことである。
壁面Kは、外壁内壁を問わず壁を構成する平な建築資材のことである。一般の住宅では、内壁に間柱Mを挟むように外壁SKと内壁UKが存在し、エアコンのダクト用の穴を開ける場合には外壁SKと内壁UKを貫通した穴を開けることが必要となるものである。
粉塵Hは、粉のように細かく気体中に浮遊する塵状の固体の粒子であり、国際標準化機構では「粒径が75μm未満の固形浮遊物」と定義されている。特に吸引すると作業者の健康に大きく影響するアスベストを含有する粉塵Hが問題となる。
図2は、本発明に係る電動ドリル用粉塵飛散防止補助具1及びこれを用いた壁の穴あけ施工方法2の動作状態を説明する動作状態説明図であり、図2(a)は、間柱Mを挟んで外壁SKと内壁UKで構成される壁面に粘着体を押し付けて粘着体を内壁UKの表面形状に沿って変形させ、所定の位置の基準孔50の中心位置に電動ドリルを位置させることを示し、図2(b)は、内壁と筒体との間を粘着体で隙間なく押し付けて基準孔50を開ける状態を示し、図2(c)は、基準孔50に案内されたホルソー210により内壁開口穴を開けた状態を示し、図2(d)は、その後ドリル刃200が外壁に案内孔50を開けた状態を示し、図2(e)は、外側から外壁SKに対して粘着体を押し付けて外壁SKと筒体20との間を隙間なく密着させた状態を示し、図2(f)は、外壁SKに外壁開口穴53をホルソー210によって開口させた状態を示している。
図3は、本発明に係る電動ドリル用粉塵飛散防止補助具1及びこれを用いた壁の穴あけ施工方法2の作業状態を説明する作業状態説明図であり、図3(a)は、最初に内壁の内側から外壁に向かって基準孔50を開けた状態を示し、図3(b)は、ホルソー210によって内壁開口穴52を開けた状態を示し、図3(c)は、その後ドリル刃200を外壁SKに貫通させて案内孔51が空いている状態を示している。図3(d)は、外側に回り込んで外壁に空いた案内孔51にドリル刃200を案内させ大径の内壁開口穴53を開けた状態を示したものである。
基準孔50は、図3(a)に示されるように、目的となる内壁開口穴52を開ける際に、ホルソー210等の円形切削具を案内するために最初に開けられる孔である。
案内孔51は、図3(c)に示されるように、内壁UKの基準孔50及び内壁開口穴52に貫通して開けられる外壁開口穴53の中心を案内する孔である。
内壁開口穴52は、図3(b)に示されるように、内壁UKの目的となる穴のことであり、基準孔50を中心としてホルソー210等の円形切削具を用いて開口させた穴のことである。
外壁開口穴53は、図3(d)に示されるように、外壁SKの目的となる穴のことであり、案内孔51を中心としてホルソー210等の円形切削具を用いて開口させた穴のことである。
図4は、本発明に係る電動ドリル用粉塵飛散防止補助具1を用いて穴あけ加工を施す施工方法2が有する各工程を示す工程説明図である。以下、各工程ごとの説明をする。
内壁押し付け工程Aは、フランジ部41に貼着した粘着体40を圧し潰して内壁等の被切削加工物の表面に形状に則して変形させ筒体20と壁との被切削加工物との隙間を無くす工程である。
内壁基準孔開け工程Bは、目的となる穴あけの中心を案内するための基準孔50を開ける工程である。
内壁円形切削工程Cは、基準孔開け工程Bで開けた基準孔50に案内されて大径の穴を開ける工程である。
外壁案内孔開け工程Dは、基準孔開け工程B及び円形切削工程Cで内壁の穴を開けた後に、外壁の目的となる穴あけの中心を案内するための基準孔50を開ける工程である。
外壁押し付け工程Eは、外壁に空けた案内孔を中心に、粘着体40を圧し潰して壁等の被切削加工物の表面に形状に則して変形させ筒体20と壁との被切削加工物との隙間を無くす工程である。
外壁円形切削工程Fは、案内孔開け工程Dで開けた案内穴に案内されて外壁等の被切削加工物へ大径の穴を開ける工程である。
本発明に係る、電動ドリル用粉塵飛散防止補助具1及び、電動ドリル用粉塵飛散防止補助具を用いた壁の穴あけ施工方法2における技術的な特徴は、粘着体40を用いて外径形状に凹凸があるような場合でもこれを防ぎ、密閉することによって粉塵Hをシャットアウトすることが最大の特徴である。
本発明は、アスベストの粉塵を吸い込むことによって作業者の健康が著しく損なわれていた問題を解決し、また、作業者のみならず作業をしている周辺においても粉塵による環境被害を減少することが可能となることから、産業上の利用可能性は高いものと思慮される。

K 壁面
UK 内壁
SK 外壁
H 粉塵
1 電動ドリル用粉塵飛散防止補助具
2 電動ドリル用粉塵飛散防止補助具を用いた壁の穴あけ施工方法
10 摺動吸収部
20 筒体
24 段差部
30 電動ドリル
40 粘着体
41 フランジ部
50 基準孔
51 案内孔
52 内壁開口穴
53 外壁開口穴
内壁押し付け工程A
内壁基準孔開け工程B
内壁円形切削工程C
外壁案内孔開け工程D
外壁押し付け工程E
外壁円形切削工程F
200 ドリル刃
210 ホルソー
220 切り子排出穴

Claims (2)

  1. 電動ドリル(30)を利用して壁面(K)に穴を開けるドリル刃(200)及びホルソー(210)の円形切削具において、粉塵(H)が飛散しないようにする補助具であって、
    筒体(20)と
    摺動吸収体(10)と
    柔軟な可撓性を有する粘着体(40)と、
    から成り、
    前記筒体(20)の先端には前記粘着体(40)を貼着可能なフランジ部(41)を有し、
    前記摺動吸収体(10)は前記電動ドリル(30)と前記筒体(20)とを前後に可動可能に伸縮する内壁に凹凸の無い略球形状の伸縮体で構成され、前記粘着体(40)は壁面の凹凸に沿って変形する軟質物であって粘着性を有する素材により形成されていることを特徴とする電動ドリル用粉塵飛散防止補助具(1)。
  2. 電動ドリル(30)に筒体(20)と前後に可動可能に伸縮する内壁に凹凸の無い略球形状の摺動吸収体(10)を用いた請求項1に記載の電動ドリル用粉塵飛散防止補助具(1)を利用して、
    粉塵(H)が飛散しないようにしながら、壁面(K)に内壁開口穴(52)及び外壁開口穴(53)を開ける施工方法であって、
    内壁押し付け工程(A)と、
    内壁基準孔開け工程(B)と、
    内壁円形切削工程(C)と、
    外壁案内孔開け工程(D)と、
    外壁押し付け工程(E)と、
    外壁円形切削工程(F)とを有し、
    前記内壁押し付け工程(A)は、フランジ部(41)に貼着した粘着体(40)を内壁(UK)の表面形状の凹凸に沿うように押し付けて変形させ、筒体(20)と前記内壁(UK)との隙間を無くす工程であり、
    前記内壁基準孔開け工程(B)は、目的となる穴あけの中心を案内するための基準孔(50)をドリル刃(200)により開ける工程であり、
    前記内壁円形切削工程(C)は、前記内壁基準孔開け工程(B)で開けた前記基準孔(50)に案内されてホルソー(210)により大径の前記内壁開口穴(52)を開ける工程であり、
    前記外壁案内孔開け工程(D)は、前記内壁基準孔開け工程(B)及び前記内壁円形切削工程(C)で前記内壁(UK)の穴を開けた後に、外壁(SK)の目的となる前記外壁開口穴(53)の中心を案内するための案内孔(51)を開ける工程であり、
    前記外壁押し付け工程(E)は、外壁(SK)に空けた前記案内孔(51)を中心に、前記粘着体(40)を押し付けて前記外壁(SK)の表面形状に則して変形させ前記筒体(20)と前記外壁(SK)との隙間を無くす工程であり、
    前記外壁円形切削工程(F)は、前記外壁案内孔開け工程(D)で開けた前記案内(51)に案内されて前記外壁(SK)へ大径の前記外壁開口穴(53)を開ける工程であることを特徴とする電動ドリル用粉塵飛散防止補助具を用いた壁の穴あけ施工方法(2)。
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