JP7469799B2 - 計測装置および計測方法 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 令和元年09月02日 日本機械学会 日本機械学会2019年度年次大会講演論文集「J24108P16多波長・多点計測による生体模擬試料の成分濃度の推定」 令和元年09月10日 日本機械学会2019年度年次大会 令和2年03月16日 日本機械学会 日本機械学会関東支部第26期総会・講演会講演論文集「17H18生体グルコース濃度推定のためのデータ処理法の検討」 令和2年03月17日 日本機械学会関東支部第26期総会・講演会
本開示は、計測装置および計測方法に関する。
生体から非侵襲的に血糖値を測定する方法として、生体に照射した近赤外光の後方散乱光の強度を用いる方法が研究されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2019-144160号公報
近赤外光はグルコースなどの目的物質のみならず生体を構成する他の成分によっても吸収されるため、計測結果からこのような他の成分の影響を除く必要がある。一方で、生体の組成は、利用者の個人差、利用者の体調、計測する部位などによっても異なる。そのため、近赤外光を用いて生体から目的物質の濃度を計測するためには、これらの変動を適切に補正する必要がある。
本開示の目的は、生体の状態の変動に対してロバストに目的物質の濃度を計測することができる計測装置および計測方法を提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、計測装置は、近赤外光を出力する発光素子と、前記発光素子から出力され、生体内を通った近赤外光を受光可能に設けられた複数の受光素子と、前記複数の受光素子から受光強度を示す光量データを、前記近赤外光の波長別に取得する光量データ取得部と、前記受光素子別かつ前記波長別の前記光量データに基づいて、前記生体の目的物質の濃度を計測する計測部とを備える。
本発明の第2の態様によれば、計測方法は、近赤外光を出力する発光素子と、前記発光素子から出力され、生体内を通った近赤外光を受光可能に設けられた複数の受光素子とを備える計測装置を生体に接触させるステップと、前記発光素子から複数の波長の近赤外線をそれぞれ出力させるステップと、前記複数の受光素子から受光強度を示す光量データを、前記近赤外光の波長別に取得するステップと、前記受光素子別かつ前記波長別の前記光量データに基づいて、前記生体のグルコース濃度を計測するステップとを有する。
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、生体の状態の変動に対してロバストに目的物質の濃度を計測することができる。
第1の実施形態に係る計測装置の設定システムの構成を示す概略図である。 第1の実施形態に係る設定装置200の構成を示す概略ブロック図である。 第1の実施形態に係る波長決定方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係るモデル設定方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る計測装置100が備える演算装置114の構成を示す概略ブロック図である。 第1の実施形態に係るグルコース濃度の計測方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る計測モデルの更新方法を示すフローチャートである。 実験によって得られた各候補波長の特徴量重要度を示す図である。 第1の実験によるグルコース濃度の計測結果と真値との差を示す図である。 第2の実験によるグルコース濃度の計測結果と穿刺による測定結果との差を示す図である。
〈第1の実施形態〉
《計測装置の構成》
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
図1は、第1の実施形態に係る計測装置の設定システムの構成を示す概略図である。
計測装置100は、所定数(例えば4つ)の波長の近赤外光をそれぞれ生体に照射し、その後方散乱光を計測することで、生体のグルコース濃度(血糖値)を計測する。グルコースは、目的物質の一例である。本実施形態において近赤外光とは、波長が800nm以上2500nm以下の光をいう。計測装置100は、装置本体110とベルト120とを備える。利用者は、ベルト120を生体(例えば前腕)に巻き付けることで、装置本体110を生体に固定し、密着させる。
装置本体110は、筐体111、発光素子112、受光素子アレイ113、演算装置114、表示部115を備える。
筐体111は、装置本体110の外殻をなす。以下、筐体111のうちベルト120を巻き付けたときにベルト120の内周面に対抗する面を接触面と呼ぶ。筐体111の接触面と反対の面を、表示面と呼ぶ。
発光素子112は、筐体111の接触面に設けられ、複数の異なる波長に係る近赤外光を発光する。発光素子112は、例えば近赤外光を発光する複数のLED(Light Emitting Diode)によって実現されてもよいし、SC(Super Continuum)光源と音響光学チューナブル素子(AOTF:Acousto-Optic Tunable Filter)の組み合わせによって実現されてよい。第1の実施形態では、後述する波長の選択段階においては、発光素子112としてSC光源とAOTFの組み合わせを用い、回帰モデルの学習段階および計測段階においては、発光素子112として複数のLEDを用いる。
受光素子アレイ113は、近赤外光の光量を計測可能な複数の受光素子をアレイ状に配置した素子である。受光素子アレイ113は、筐体111の接触面のうち、発光素子112が発光する近赤外光が生体で後方散乱した光が到達し得る位置に設けられる。受光素子アレイ113は、複数の受光素子の信号を同時に読み取り、電圧信号に変換して演算装置114に出力する。発光素子112と受光素子アレイ113の位置関係は、筐体111によって固定される。
演算装置114は、受光素子アレイ113が受光した光量を示す光量データに基づいて、生体のグルコース濃度を計測する。具体的には、演算装置114は、学習済みの回帰ニューラルネットワークモデルである計測モデルに光量データを入力し、演算することにより、生体のグルコース濃度を得る。
表示部115は、演算装置114が計測したグルコース濃度を表示する。表示部115は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)であってよい。
《設定装置200の構成》
設定システム1は、計測装置100がグルコース濃度の計測を行うための各種の設定を行う設定装置200を備える。具体的には、設定装置200は、グルコース濃度の計測に用いる近赤外光の波長を決定し、計測モデルの学習を行う。設定装置200は、計測装置100の設定時に、計測装置100と有線または無線で接続される。
図2は、第1の実施形態に係る設定装置200の構成を示す概略ブロック図である。
設定装置200は、発光制御部201、計測データ取得部202、濃度入力部203、第1計測モデル記憶部204、第1学習部205、波長決定部206、第2計測モデル記憶部207、第2学習部208、モデル出力部209を備える。
発光制御部201は、計測装置100の発光素子112の発光タイミングと波長を指示する制御指示を計測装置100に出力する。
計測データ取得部202は、計測装置100の受光素子アレイ113から波長ごと受光素子ごとの光量データを取得する。
濃度入力部203は、計測装置100の設定に用いるサンプルとして用いられる生体または擬生体におけるグルコース濃度の入力を受け付ける。擬生体の例としては、グルコースを混ぜたイントラリピッド溶液や、グルコースを混ぜたゼラチンゲルなどが挙げられる。
第1計測モデル記憶部204は、近赤外光の波長の決定に用いられる第1計測モデルを記憶する。第1の実施形態に係る第1計測モデルは、複数の波長(例えば近赤外領域の波長を10nm刻みで区切った複数の波長)かつ複数の受光素子に係る光量データを入力とし、グルコース濃度を出力とする回帰型ランダムフォレストモデルである。つまり、波長数をNとおき、受光素子の数をMとおいた場合に、第1計測モデルは、N×Mの説明変数の入力を受け入れ、1つの目的変数を出力するモデルである。
第1学習部205は、計測データ取得部202が取得した計測データを入力サンプルとし、濃度入力部203に入力されたグルコース濃度を出力サンプルとして、第1計測モデルのパラメータを学習させる。
波長決定部206は、学習済みの第1計測モデルの特徴量重要度(Feature Importance)に基づいて、グルコース濃度の計測に用いる波長を決定する。波長決定部206は、決定した波長をディスプレイ等に出力する。なお、他の実施形態に係る波長決定部206は、特徴量重要度をディスプレイ等に出力するにとどめ、計測装置100の設計者等が特徴量重要度に基づいてグルコース濃度の計測に用いる波長を決定してもよい。
第2計測モデル記憶部207は、グルコース濃度の計測に用いられる第2計測モデルを記憶する。第1の実施形態に係る第2計測モデルは、波長決定部206によって決定された波長ごとの複数の受光素子に係る光量データを入力とし、グルコース濃度を出力とする回帰型ニューラルネットワークモデルである。つまり、波長決定部206によって決定された波長の数をLとおき、受光素子の数をMとおいた場合に、第1計測モデルは、L×Mの説明変数の入力を受け入れ、1つの目的変数を出力するモデルである。言い換えると、第1計測モデルの入力ノードの数は、L×Mであり、出力ノードの数は1である。第1計測モデルの活性化関数としては、例えばReLUを使用することができる。
第2学習部208は、計測データ取得部202が取得した計測データを入力サンプルとし、濃度入力部203に入力されたグルコース濃度を出力サンプルとして、第2計測モデルのパラメータを学習させる。
モデル出力部209は、学習済みの第2計測モデルを出力する。出力された学習済みの第2計測モデルは、計測装置100の演算装置114に記録される。
《波長の決定手順》
ここで、グルコース濃度の計測に用いる波長を決定する手順について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る波長決定方法を示すフローチャートである。
まず、計測装置100の設計者は、計測装置100の装置本体110に発光素子112としてSC光源とAOTFの組み合わせを取り付ける(ステップS101)。また、設計者は、サンプルとして、グルコース濃度の異なる複数の擬生体を用意する。設計者は、サンプルを1つずつ選択し(ステップS102)、以下のステップS103からステップS106の処理を実行する。
設計者は、ステップS102で選択したサンプルを計測装置100の接触面に接触させる(ステップS103)。次に、設計者は、設定装置200に当該サンプルのグルコース濃度を含む計測開始指示を入力する。
設定装置200の濃度入力部203は、計測開始指示とともに入力されたグルコース濃度を取得する(ステップS104)。設定装置200は、複数の候補波長を1つずつ選択し(ステップS105)、選択された候補波長それぞれについて以下のステップS106およびステップS107の処理を実行する。
設定装置200の発光制御部201は、発光素子112に対し、選択した候補波長を示す発光指示を出力する(ステップS106)。これにより、発光素子112は選択した候補波長の光を一定時間照射する。受光素子アレイ113は、発光素子112による発光終了のタイミングで各受光素子の信号を同時に取り込む。設定装置200の計測データ取得部202は、受光素子アレイ113から光量データを取得する(ステップS107)。
これにより、設定装置200は、学習用データセットとして、ステップS103で選択されたサンプルに係る光量データとグルコース濃度を得ることができる。
上記手順をすべてのサンプルについて実行すると、設計者は、設定装置200に第1計測モデルの学習指示を入力する。
設定装置200の第1学習部205は、ステップS102からステップS106で得られた複数の光量データとグルコース濃度の組み合わせである学習用データセットを用いて、第1計測モデル記憶部204が記憶する第1計測モデルのパラメータを学習する(ステップS108)。
学習が終了すると、波長決定部206は、学習済みの第1計測モデルから入力変数に係る特徴量重要度を特定する(ステップS109)。波長決定部206は、特徴量重要度に基づいて、候補波長の中からグルコース濃度の計測に用いる所定数の波長を決定する(ステップS110)。波長決定部206は、例えば、特徴量重要度が高い順に候補波長を選択し、当該波長の近傍(例えば、±50nm)の波長が計測に用いる波長に決定されていない場合に、当該波長候補を計測に用いる波長に決定する。また、波長決定部206は、例えば、特徴量重要度の総和と他の波長との波長差の積が最大となるように、計測に用いる波長を決定してもよい。
波長決定部206は、ステップS110で決定したグルコース濃度の計測に用いる所定数の波長をディスプレイ等に出力する(ステップS111)。
これにより、設計者は、ディスプレイに表示された波長を認識することができる。
《計測モデルの設定手順》
次に、計測装置100がグルコース濃度の計測に用いる計測モデル(第2計測モデル)を計測装置100に設定する手順について説明する。
図4は、第1の実施形態に係るモデル設定方法を示すフローチャートである。
計測装置100の設計者は、計測装置100の装置本体110に発光素子112として波長決定部206によって決定された波長の近赤外光を出力可能なLEDを取り付ける(ステップS201)。また、設計者は、サンプルとして、グルコース濃度の異なる複数の擬生体を用意する。設計者は、サンプルを1つずつ選択し(ステップS202)、以下のステップS203からステップS206の処理を実行する。
設計者は、ステップS202で選択したサンプルを計測装置100の接触面に接触させる(ステップS203)。次に、設計者は、設定装置200に当該サンプルのグルコース濃度を含む計測開始指示を入力する。
設定装置200の濃度入力部203は、計測開始指示とともに入力されたグルコース濃度を取得する(ステップS204)。設定装置200は、計測に用いる波長を1つずつ選択し(ステップS205)、選択された波長それぞれについて以下のステップS206およびステップS207の処理を実行する。
設定装置200の発光制御部201は、発光素子112に対し、選択した候補波長を示す発光指示を出力する(ステップS206)。これにより、発光素子112は選択した候補波長の光を一定時間照射する。受光素子アレイ113は、発光素子112による発光終了のタイミングで各受光素子の信号を同時に取り込む。設定装置200の計測データ取得部202は、受光素子アレイ113から光量データを取得する(ステップS207)。
これにより、設定装置200は、学習用データセットとして、ステップS203で選択されたサンプルに係る光量データとグルコース濃度を得ることができる。
なお、他の実施形態においては、第2計測モデルの学習に用いる学習用データセットは、第1の計測モデルの学習用データセットのうち計測に用いる波長のみをピックアップしたものであってもよい。
上記手順をすべてのサンプルについて実行すると、設計者は、設定装置200に第2計測モデルの学習指示を入力する。
設定装置200の第2学習部208は、ステップS202からステップS206で得られた複数の光量データとグルコース濃度の組み合わせである学習用データセットのグルコース濃度を平均値0、分散1となるように標準化する(ステップS208)。第2学習部208は、グルコース濃度が正規化された学習用データセットを用いて、第2計測モデル記憶部207が記憶する第2計測モデルのパラメータを学習する(ステップS209)。
学習が終了すると、モデル出力部209は、学習済みの第2計測モデルと、標準化されたグルコース濃度を元の値に逆算するための逆変換関数を計測装置100に出力する(ステップS210)。計測装置100の演算装置114は、設定装置200が出力した第2計測モデルと逆変換関数を不揮発メモリに記録する。または、演算装置114がFPGAなどのプログラマブルデバイスである場合、設定装置200は、演算装置114が学習済みの第2計測モデルを用いた演算をするようにコンフィギュレーション処理を行ってもよい。
《演算装置114の構成》
図5は、第1の実施形態に係る計測装置100が備える演算装置114の構成を示す概略ブロック図である。
演算装置114は、発光制御部151、計測データ取得部152、計測モデル記憶部153、計測部154、表示制御部155、更新部156を備える。
発光制御部151は、発光素子112の発光タイミングと波長を指示する制御指示を計測装置100に出力する。
計測データ取得部152は、受光素子アレイ113から波長ごと受光素子ごとの光量データを取得する。
計測モデル記憶部153は、学習済みの計測モデルおよび逆変換関数を記憶する。
計測部154は、計測モデル記憶部153が記憶する計測モデルに、計測データ取得部152が取得した計測データを代入することで、生体のグルコース濃度を計測する。
表示制御部155は、計測部154が計測したグルコース濃度を表示させる表示信号を表示部115に出力する。
更新部156は、計測データ取得部152が取得した計測データに基づいて計測モデル記憶部153が記憶する計測モデルを更新する。
《グルコース濃度の計測手順》
図6は、第1の実施形態に係るグルコース濃度の計測方法を示すフローチャートである。
利用者は、上腕部などにベルト120を巻き付けることで、生体を筐体111の接触面に接触させる(ステップS301)。利用者は、図示しない計測開始ボタンを押下するなどにより、計測装置100に計測開始指示を入力する。
演算装置114は、計測に用いる波長を1つずつ選択し(ステップS302)、選択された波長それぞれについて以下のステップS303およびステップS304の処理を実行する。
演算装置114の発光制御部151は、発光素子112に対し、選択した候補波長を示す発光指示を出力する(ステップS303)。これにより、発光素子112は選択した候補波長の光を一定時間照射する。受光素子アレイ113は、発光素子112による発光終了のタイミングで各受光素子の信号を同時に取り込む。計測データ取得部152は、受光素子アレイ113から光量データを取得する(ステップS304)。
計測部154は、ステップS304で得られた受光素子別かつ波長別の光量データを、計測モデル記憶部153が記憶する計測モデルに入力することで、正規化グルコース濃度を算出する(ステップS305)。計測部154は、算出された正規化グルコース濃度を計測モデル記憶部153が記憶する逆変換関数に入力することで、グルコース濃度を算出する(ステップS306)。
表示制御部155は、ステップS306で算出されたグルコース濃度を表示する表示信号を表示部115に出力する(ステップS307)。
《計測モデルの更新手順》
利用者は、計測装置100を生体に接触させ、図示しない校正ボタンを押下することで、計測モデルを当該利用者に最適化させることができる。図7は、第1の実施形態に係る計測モデルの更新方法を示すフローチャートである。
利用者は、計測装置100を生体に接触させ(ステップS401)、校正ボタンを押下することにより、計測装置100に校正開始指示を入力する。
演算装置114は、計測に用いる波長を1つずつ選択し(ステップS402)、選択された波長それぞれについて以下のステップS403およびステップS404の処理を実行する。
演算装置114の発光制御部151は、発光素子112に対し、選択した候補波長を示す発光指示を出力する(ステップS403)。これにより、発光素子112は選択した候補波長の光を一定時間照射する。受光素子アレイ113は、発光素子112による発光終了のタイミングで各受光素子の信号を同時に取り込む。計測データ取得部152は、受光素子アレイ113から光量データを取得する(ステップS404)。
計測部154は、ステップS404で得られた受光素子別かつ波長別の光量データを、計測モデル記憶部153が記憶する計測モデルに入力することで、正規化グルコース濃度を算出する(ステップS405)。
演算装置114は、上述のステップS402からステップS405の処理を所定回数繰り返し実行する(ステップS406)。このとき、利用者は計測装置100の生体との接触箇所をずらしてもよい。
その後、更新部156は、ステップS405で算出された正規化グルコース濃度の平均値を算出する(ステップS407)。そして、更新部156は、ステップS404で取得した複数の光量データの組み合わせを入力サンプルとし、ステップS407で算出した正規化グルコース濃度の平均値を出力サンプルとして計測モデルの追加学習を行う(ステップS408)。
これにより、演算装置114は、計測モデルを利用者の生体に最適化させることができる。
《第1の実験》
発明者は、第1の実施形態に係る計測装置100によるグルコース濃度の計測実験を行った。
第1の実験の条件は以下の通りである。波長の決定段階においては、イントラリピッド溶液と質量パーセント濃度0%、1%、2%のグルコース水溶液を混ぜ合わせたサンプルを用いた。候補波長は、1170nmから1650nmの範囲を10nm刻みで区切った49波長とした。受光素子アレイ113は、16個の受光素子を有するものを用いた。
図8は、第1の実験によって得られた各候補波長の特徴量重要度を示す図である。実験の結果、特徴量重要度として図8に示す分布を得られた。この結果から、計測に用いる波長を1210nm、1280nm、1510nm、および1640nmに決定した。
計測モデルの学習段階においては、20%イントラリピッド溶液とグルコース水溶液を混ぜ合わせ、グルコース濃度をそれぞれ30、80、130、180、230mg/dLとしたサンプルを用いた。
図9は、第1の実験によるグルコース濃度の計測結果と真値との差を示す図である。実験の結果、正規化グルコース濃度の回帰精度として決定係数Rは0.995となり、平均二乗誤差MSEは0.004となった。算出されたグルコース濃度の平均二乗誤差MSEは0.92mg/dLとなった。
《第2の実験》
発明者は、1人の被験者に対し、第1の実施形態に係る計測装置100によるグルコース濃度の計測を行う第2の実験を行った。
第2の実験の条件は以下の通りである。波長の決定および計測モデルの学習段階においては、被験者に対する穿刺による血糖値の計測値と、計測装置100の受光素子別かつ波長別の光量データとの組み合わせを学習用データセットに用いた。実験の結果、計測に用いる波長を945nmおよび1210nmに決定した。被験者は、500mLのサイダーを飲み干した後、50分間に、穿刺による血糖値の測定および第1の実施形態に係る計測装置100による計測を複数回行った。
図10は、第2の実験によるグルコース濃度の計測結果と穿刺による測定結果との差を示す図である。実験の結果、正規化グルコース濃度の回帰精度として決定係数Rは0.934となり、平均二乗誤差MSEは0.074となった。算出されたグルコース濃度の平均二乗誤差MSEは13.32mg/dLとなった。なお、図11に示すように、計測装置100による計測結果は、すべてISO15197で規定されるコンセンサスエラーグリッドのAゾーンおよびBゾーンに入っている。コンセンサスエラーグリッドは、臨床的なリスクを基にした血糖値計測の正確さの評価基準であり、血糖値の計測結果を患者へのリスクの大きさに応じたA-Eの5段階のゾーンに分類したものである。ISO15197では、計測結果がAゾーンまたはBゾーンに99%以上の測定結果が入ることが求められている。
このように、第1の実施形態によれば、精度よく生体のグルコース濃度を計測できることがわかる。
《作用・効果》
第1の実施形態によれば、計測装置100は、受光素子別かつ波長別の光量データに基づいて生体のグルコース濃度を計測する。このように、受光箇所が異なる複数の受光素子の光量データを用いることで、利用者の個人差、利用者の体調、計測する部位などの生体の状態の違いに対してロバストに目的物質の濃度を計測することができる。
また、第1の実施形態によれば、計測装置100は、学習済み回帰モデルである計測モデルを用いて生体のグルコース濃度を計測する。計測装置100は、機械学習モデルを用いることにより、受光素子別かつ波長別の光量データという大量の説明変数からなるデータから適切にグルコース濃度を計測することができる。
また、第1の実施形態によれば、計測装置100は、利用者の生体内を通った近赤外光に係る光量データと、当該利用者の生体の目的物質の濃度とに基づいて、計測モデルのパラメータを更新する。これにより、利用者は、計測装置100を当該利用者の生体に最適化させることができる。
〈他の実施形態〉
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。すなわち、他の実施形態においては、上述の処理の順序が適宜変更されてもよい。また、一部の処理が並列に実行されてもよい。
上述した実施形態に係る計測装置100は、単独のコンピュータによって構成されるものであってもよいし、計測装置100の構成を複数のコンピュータに分けて配置し、複数のコンピュータが互いに協働することで計測装置100として機能するものであってもよい。例えば、計測装置100の計測モデル記憶部153および計測部154がクラウドサービスとして提供されるものであってもよい。
上述した実施形態に係る計測装置100は、グルコース濃度を計測するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る計測装置100は、脂質など生体内の他の物質の濃度を計測してもよい。
〈コンピュータ構成〉
計測装置100の演算装置114は、バスで接続されたプロセッサ、メモリ、補助記憶装置などを備え、プログラムを実行することによって発光制御部151、計測データ取得部152、計測モデル記憶部153、計測部154、表示制御部155、更新部156を備える装置として機能する。プロセッサの例としては、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、マイクロプロセッサなどが挙げられる。
プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えば磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
なお、演算装置114の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)等のカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を用いて実現されてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。このような集積回路も、プロセッサの一例に含まれる。
同様に、設定装置200も、バスで接続されたプロセッサ、メモリ、補助記憶装置などを備え、プログラムを実行することによって発光制御部201、計測データ取得部202、濃度入力部203、第1計測モデル記憶部204、第1学習部205、波長決定部206、第2計測モデル記憶部207、第2学習部208、モデル出力部209を備える装置として機能する。
1 設定システム
100 計測装置
110 装置本体
111 筐体
112 発光素子
113 受光素子アレイ
114 演算装置
151 発光制御部
152 計測データ取得部
153 計測モデル記憶部
154 計測部
155 表示制御部
156 更新部
115 表示部
120 ベルト
200 設定装置
201 発光制御部
202 計測データ取得部
203 濃度入力部
204 第1計測モデル記憶部
205 第1学習部
206 波長決定部
207 第2計測モデル記憶部
208 第2学習部
209 モデル出力部

Claims (5)

  1. 近赤外光を出力する発光素子と、
    前記発光素子から出力され、生体内を通った近赤外光を受光可能に設けられた複数の受光素子と、
    前記複数の受光素子のそれぞれから、前記近赤外光のうち1170nmから1650nmまでの範囲から選択された波長の受光強度を示す光量データを、前記近赤外光の波長別に取得する光量データ取得部と、
    前記受光素子別かつ前記波長別の前記光量データに基づいて、前記生体の目的物質の濃度を計測する計測部と
    を備え
    前記計測部は、前記受光素子別かつ前記波長別の前記光量データを入力し、前記生体の目的物質の濃度を出力する学習済み回帰モデルを用いて、前記生体の目的物質の濃度を計測する、
    計測装置。
  2. 特定の利用者の生体内を通った近赤外光に係る光量データと、当該利用者の生体の目的物質の濃度とに基づいて、前記学習済み回帰モデルのパラメータを更新する更新部を備える
    請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記光量データ取得部は、複数の波長の近赤外光を生体または擬生体に入射したときの波長ごとの受光強度を示す入力サンプルと前記生体または前記擬生体の目的物質の濃度を示す出力サンプルとを用いて学習された機械学習モデルにおける特徴量重要度に基づいて決定された波長に係る光量データを取得する
    請求項1または請求項2に記載の計測装置。
  4. 前記目的物質はグルコースであって、
    前記光量データ取得部は、1210nm、1280nm、1510nm、および1640nmの波長に係る光量データを取得する
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の計測装置。
  5. 近赤外光を出力する発光素子と、前記発光素子から出力され、生体内を通った近赤外光を受光可能に設けられた複数の受光素子とを備える計測装置を生体に接触させるステップと、
    前記発光素子から複数の波長の近赤外線をそれぞれ出力させるステップと、
    前記複数の受光素子のそれぞれから、前記近赤外光のうち1170nmから1650nmまでの範囲から選択された波長の受光強度を示す光量データを、前記近赤外光の波長別に取得するステップと、
    前記受光素子別かつ前記波長別の前記光量データに基づいて、前記生体のグルコース濃度を計測するステップと
    を有し
    前記計測するステップでは、前記受光素子別かつ前記波長別の前記光量データを入力し、前記生体の目的物質の濃度を出力する学習済み回帰モデルを用いて、前記生体の目的物質の濃度を計測する、
    計測方法。
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