JP7469519B2 - トルクセンサを含むロボットを備えるロボットシステム - Google Patents

トルクセンサを含むロボットを備えるロボットシステム Download PDF

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Description

本発明は、トルクセンサを含むロボットを備えるロボットシステムに関する。
近年においては、人と協働して作業を行うための協働ロボットが知られている。人とロボットとの接触を前提としている協働ロボットでは、ロボットに作用するトルクまたは外力を検出するために、ロボットの関節部にトルクセンサを配置して、関節部に作用するトルクを計測したり、計測されたトルクの値に基づいてロボットに作用する外力を算出したりすることが知られている。また、ロボットに作用するトルクまたは外力によって人との接触を検知したり、人から作用されるトルクまたは力に応じて、ダイレクトティーチングを実施したりすることが行われている。
ロボットに備えられるトルクセンサは、ロボットの動作に伴う駆動機の発熱に起因する温度変化、ロボットの周囲の環境の温度変化、およびトルクセンサの内部回路の発熱に起因する温度変化などの様々な要因によって、温度が変化する。この結果、トルクセンサにて検出されるトルクデータの値が正確でなくなる場合がある(例えば、特開2020-67295号公報および特開2019-111597号公報を参照)。
このような問題に対して、トルクセンサにおいて、トルクが加わることにより生じる変位を検出する部分またはその付近の温度を計測し、計測された温度を基にトルクデータを補償することが行われている(例えば、特表2020-509342号公報を参照)。
また、ロボットの関節軸の駆動の負荷が過大になることによってロボットの関節軸に備えられたモータがオーバーヒート状態となり、モータの周囲温度が異常となる場合、または、関節軸に備えられたトルクセンサにて検出されるトルクデータに異常が検出される場合に、そのモータが配置されている関節軸における動作を停止させるロボットが知られている(例えば、国際公開第2015/137038号を参照)。
特開2020-67295号公報 特開2019-111597号公報 特表2020-509342号公報 国際公開第2015/137038号
ロボットに作用するトルクまたは力を計測するトルクセンサが内部に備えられるロボットにおいては、信頼性の向上を目的として、防塵性の向上、防水性の向上、または電気的なノイズ対策のために、ロボット内部の気密性が高められることが多い。このような場合に、ロボットの動作によって、ロボットの関節軸に備えられたトルクセンサの温度が高温になったり、急激に温度が変化したりする場合がある。また、トルクセンサは、ロボットの関節部おいて、トルクの計測精度を高めるように、電動機等の駆動部および減速機等の機構部などに密接して取付けられ、トルクまたは力が正確に伝わるように配置されている場合が多い。この結果、ロボットの機構部または駆動部における熱がトルクセンサに伝わりやすい場合がある。
また、ロボットの関節軸に備えられるトルクセンサは、ロボットの作業環境における気温、周辺装置、ツール、ハンド、または搬送する物体などの周囲の環境の温度変化によるアームまたは減速機などの機構部の温度変化の影響を受けやすい状況にある。また、ロボットの動作およびロボットが搬送する物体の重量または重心の位置に依存して、ロボットの関節軸に対する負荷が小さかったり大きかったりする場合がある。関節軸への負荷の状況によって、トルクセンサに対する温度の影響が大きく変化する場合がある。
また、ロボットの作業環境によっては、低温な状態から高温な状態まで周囲の温度の範囲が広い場合がある。また、ロボットの動作に伴う温度変化の範囲が広く、短時間に温度が変化する場合がある。ロボットの関節軸に備えられるトルクセンサの温度状態は、低温から高温まで広い範囲で変化すると共に、短時間で大きく変化する場合がある。
このようなトルクセンサの温度状態の変化に対応するために温度補償が行われる。しかしながら、トルクセンサに備わる温度センサの配置または温度センサの精度の悪化などに起因して、トルクセンサの温度状態が適切に計測できなくなる場合が有る。また、トルクセンサの温度状態によっては、温度補償におけるトルクセンサの温度特性の近似モデルが現実の状態と合わずに、誤差が大きくなることがある。このように、トルクセンサの温度が広い範囲で変化する、短時間に温度が大きく変化する、または局所的にトルクセンサの温度状態が変わるなどといった、トルクセンサの温度状態によっては、温度の検出値の誤差が大きくなったり、温度補償の精度自体が悪化したりする。この結果、トルクデータの温度補償を適切に行うことが困難となり、トルクデータの値が適切でなくなる場合がある。
このようにトルクセンサの温度状態によってはトルクセンサの出力の誤差が大きく、適切なトルクが検出できない場合がある。また、ロボットの動作状況または周囲環境の状況によってはトルクセンサの温度が異常となることがある。
また、トルクセンサの温度状態が異常ではなく、使用する時の工夫によって使用を継続することはできるが、トルクデータの検出精度の低下が好ましくない場合がある。また、ロボットの動作の態様によっては、トルクデータの温度による補償が適切に行うことが可能であっても、ロボットの関節部などに過負荷がかかり、ロボットの故障を早める場合がある。
また、作業者がダイレクトティーチングを行う場合またはロボットと協働作業を行う場合等には、作業者は、ロボットを停止したり、動作を変更したり、設定を変えたりするために、ロボットに直接的に接触する場合がある。この場合に、ロボットの関節軸の付近の温度またはロボットの関節軸に備えられたトルクセンサの温度が分からないために、ロボットが予期しない温度であったり、トルクセンサの温度変動に伴う検出精度の悪化状況が分からなかったりすることがある。
例えば、協働動作でないモードでロボットを高速にて長時間駆動した後に、協働動作を行うモードにてロボットを使用する場合は、ロボットの関節部およびトルクセンサが高温であることがある。また、協働動作を行うモードであっても、負荷の大きい動作を長時間にて継続している場合は、ロボットの関節部およびトルクセンサが高温である場合がある。このような場合には、トルクセンサおよびロボットのアクチュエータに異常がなくても、人が接触するには熱かったり、温度センサの検出精度が悪化したり、トルクセンサの検出精度が低下したりすることがある。
このように、ロボットの関節部の温度がモータなどのアクチュエータにとっては問題のない温度であっても、作業者と協働で作業するロボットのトルクセンサの温度状態としては適切な温度状態ではなく、トルクセンサの検出精度が悪化する場合が有る。または、トルクセンサの検出精度に問題がなくても、作業者がロボットに接触するには熱すぎたり、トルクセンサの検出精度を良い状態にしておきたかったりする場合がある。
本開示の一態様は、関節軸に対応したトルクセンサを含むロボットを備えるロボットシステムである。ロボットシステムは、トルク検出部および温度検出部を含むトルクセンサと、トルク検出部の出力値および温度検出部の出力値に基づいて温度補償されたデータを求める温度補償部とを備える。ロボットシステムは、温度検出部および温度補償部のうち少なくとも1つの出力値に基づいて、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否か、および適温状態であるか否かを判定するセンサ温度判定部を備える。ロボットシステムは、トルクセンサの温度状態が異常状態のトルクセンサがある場合にロボットを停止させるように動作指令を変更する動作指令部を備える。動作指令部は、トルクセンサの温度状態が異常状態でないかつ適温状態でないトルクセンサがある場合に該トルクセンサが配置された関節軸の速度および加速度のうち少なくとも一方を小さくするようにロボットの動作指令を変更する。
本開示の一態様によれば、トルクセンサの温度状態に対応してロボットの動作を変更するロボットシステムを提供することができる。
実施の形態におけるロボットシステムの概略図である。 実施の形態におけるロボットの概略図である。 実施の形態における第1のロボットシステムのブロック図である。 第1のロボットシステムのロボットの動作を変更する制御のフローチャートである。 第1のロボットシステムのロボットの動作を変更する他の制御のフローチャートである。 実施の形態における第2のロボットシステムのブロック図である。 実施の形態における第3のロボットシステムのブロック図である。 実施の形態における第1の表示部を備えるロボットの概略図である。 実施の形態における第2の表示部を備えるロボットの概略図である。 実施の形態における第3の表示部を備えるロボットの概略図である。 実施の形態における第4の表示部を備えるロボットの概略図である。 実施の形態における表示部に表示される第1の画像である。 実施の形態における表示部に表示される第2の画像である。 実施の形態における表示部に表示される第3の画像である。 実施の形態における表示部に表示される第4の画像である。 実施の形態における表示部に表示される第5の画像である。 実施の形態における表示部に表示される第6の画像である。 実施の形態における表示部に表示される第7の画像である。 実施の形態における表示部に表示される第8の画像である。
図1から図19を参照して、実施の形態におけるロボットシステムについて説明する。本発明において、「所定の」とは、使用または実施の時までに定められるという意味である。また、「所定の」とは、使用または実施を開始する前に予め定めておいたり、使用または実施する直前に定めたりするなど、必要とするときまでの任意のタイミングにおいて定めることを示している。所定の変数、所定の定数、または所定の式などは、ロボットシステムの仕様、所望する結果、ロボットシステムの状況、実験結果、または取得されるデータなどに基づいて適宜、定められるようにすればよい。本実施の形態のロボットシステムは、アーム等の構成部材に加わるトルクを検出するトルクセンサを含むロボットを備える。本発明において、ロボットの関節軸の速度または加速度とは、回転軸または直動軸にて構成されるロボットの関節軸を駆動させる動作の速度または加速度である。
(第1のロボットシステム)
図1に、本実施の形態における第1のロボットシステムの概略図を示す。本実施の形態の第1のロボットシステム6は、ワーク71を搬送する機能を有する。第1のロボットシステム6は、作業ツール(エンドエフェクタ)としてのハンド2と、ハンド2の位置および姿勢を変更するロボット1とを備える。ロボットシステム6は、ロボット1およびハンド2を制御する制御装置4を備える。本実施の形態のロボット1は、6個の関節軸(回転軸)を有する垂直多関節型のロボットである。なお、本実施の形態では、関節軸は回転軸にて構成されているが、この形態に限られない。関節軸は、回転軸以外に直動軸にて構成されていてもよい。
本実施の形態のロボット1は、設置面に固定されたベース部14と、ベース部14に支持された旋回ベース13とを含む。旋回ベース13は、ベース部14に対して回転するように形成されている。ロボット1は、上部アーム11および下部アーム12を含む。下部アーム12は、関節部17を介して旋回ベース13に回動可能に支持されている。上部アーム11は、関節部17を介して回動可能に下部アーム12に支持されている。また、上部アーム11は、上部アーム11の延びる方向に平行な回転軸の周りに回転する。
ロボット1は、上部アーム11の端部に連結されているリスト15を含む。リスト15は、関節部17を介して回動可能に上部アーム11に支持されている。リスト15は、リスト15の延びる方向に沿った回転軸の周りに回転するフランジ16を含む。ハンド2は、フランジ16に固定されている。
本実施の形態のロボット1は、6個の関節軸を有する垂直多関節型のロボットであるが、この形態に限られない。作業ツールの位置および姿勢のうち少なくとも一方を変化させることができる任意の形態のロボットを採用することができる。例えば、任意の個数の関節軸を有するロボットを採用することができる。
本実施の形態のハンド2は、ワーク71を把持したり解放したりする。ハンド2は、互いに対向する爪部が閉じることによりワーク71を把持する。作業ツールは、ワークを把持するハンドに限られない。ロボットには、ロボットシステムが行う作業に応じて任意の作業ツールを取り付けることができる。例えば、ロボットシステムがアーク溶接を行う場合には、溶接トーチをロボットに取り付けることができる。
図2に、本実施の形態のロボットの概略図を示す。図1および図2を参照して、ロボット1は、アーム部等の構成部材の回転軸となる関節軸17aを含む。ロボット1は、複数の関節軸17aを有するように構成される。それぞれの関節部17には、矢印91に示すように、関節軸17aの周りの方向のトルクを検出するトルクセンサ20が配置されている。本実施の形態のロボット1は、トルクセンサ20が配置された関節軸17aを2つ以上含む。すなわち、ロボット1の6個の関節軸のうち2つ以上の関節軸17aにトルクセンサ20が配置されている。
本実施の形態では、ロボット1の6個の関節軸のそれぞれにトルクセンサ20が取り付けられている。すなわち、本実施の形態のロボット1には6個のトルクセンサ20が配置されているが、この形態に限られない。トルクを検出する必要がある最小限の関節軸にトルクセンサが取り付けられていても構わない。
なお、後述するように、1つの関節軸に配置されたトルクセンサに含まれる温度検出部の出力値に基づく値と、他の関節軸に配置されたトルクセンサに含まれる温度検出部の出力値に基づく値との比較によって、トルクセンサの温度状態を判定することができる。しかしながら、この判定を行わない場合には、ロボットの1つ以上の関節軸にトルクセンサが配置されることができる。また、トルクセンサが取り付けられていない関節軸には、力またはトルクとしてのモーメントを検出可能な力センサ、または力を検出することが可能なロードセルが取り付けられていても構わない。
図3に、本実施の形態におけるロボットシステムのブロック図を示す。図1から図3を参照して、ロボット1は、ロボット1の位置および姿勢を変化させるロボット駆動部を含む。ロボット駆動部は、アーム等の構成部材を駆動する電動機としてのロボット駆動モータ19を含む。ロボット駆動部は、ロボット1のそれぞれの関節軸17aにおける回転位置を移動させるように関節軸に配置されたアクチュエータを駆動する。なお、ロボット駆動部はロボットの関節軸を駆動して変位させることができれば、どのような原理または動力にて構成されるようにしてもよい。また、関節軸が直動軸である場合は、ロボット駆動部は、直動軸上の位置を移動させるように関節軸に配置されたアクチュエータを駆動する。ハンド2は、ハンド2を駆動するハンド駆動部を備える。ハンド駆動部は、ハンド2の爪部を駆動するための加圧ポンプおよび弁等を含む。
ロボットシステム6は、ロボット1およびハンド2を制御する制御装置4を備える。制御装置4は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)を有する演算処理装置(コンピュータ)を含む。演算処理装置は、CPUにバスを介して接続されたRAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)等を有する。動作プログラム41には、ロボット1およびハンド2を駆動する動作指令(命令文)が含まれている。ロボットシステム6は、動作プログラム41に基づいて駆動することによりワークを搬送する。
制御装置4は、情報を記憶する記憶部42を含む。記憶部42は、ロボット1およびハンド2の制御に関する情報を記憶する。動作プログラム41は、記憶部42に記憶される。記憶部42は、非一時的な記憶媒体にて構成されることができる。例えば、記憶部42は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気記憶媒体、または光記憶媒体等の情報を記憶可能な記憶媒体にて構成することができる。
制御装置4は、動作指令を送出する動作指令部43を含む。動作指令部43は、動作プログラム41に従って駆動するプロセッサに相当する。動作指令部43は、記憶部42に記憶された情報を読み取り可能に形成されている。プロセッサは、動作プログラム41を読み込んで、動作プログラム41に定められた制御を実施することにより、動作指令部43として機能する。動作指令部43から出力されるロボット1の動作指令に基づいてロボット駆動部が駆動し、ロボット1の関節軸におけるロボット駆動モータ19の回転位置が変えられる。
動作指令部43は、ロボット1を駆動するための動作指令をロボット駆動回路45に送出する。ロボット駆動回路45は、ロボット駆動モータ19を駆動する電気回路を含む。ロボット駆動回路45は、動作指令に基づいてロボット駆動モータ19に電気を供給する。また、動作指令部43は、ハンド2を駆動する動作指令をハンド駆動回路44に送出する。ハンド駆動回路44は、ハンド駆動部を駆動する電気回路を含む。ハンド駆動回路44は、動作指令に基づいてハンド駆動部に電気を供給する。
ロボット1には、ロボット1の関節軸17aにおける回転位置である軸位置データを出力する回転位置検出器18が備えられる。回転位置検出器18は、例えばエンコーダにて構成される。回転位置検出器18の出力により、ロボット1の位置および姿勢を検出することができる。本実施の形態の回転位置検出器18は、それぞれの関節軸に対応して配置されているロボット駆動モータ19に取り付けられている。回転位置検出器18は、ロボット駆動モータ19が駆動するときの回転角または位相を検出するように形成されている。
本実施の形態の制御装置4は、トルクセンサ20からの出力に基づいて、動作を変更する情報を動作指令部43に送出する動作制御部31を含む。動作制御部31は、トルクセンサ20の変位検出器21の出力をトルクデータに変換する換算部32を含む。動作制御部31は、トルクに関する値の温度補償を行う温度補償部33を含む。また、動作制御部31は、トルクセンサ20の温度状態を判定するセンサ温度判定部34を含む。
動作制御部31は、動作プログラム41に従って駆動するプロセッサに相当する。動作制御部31は、記憶部42に記憶された情報を読み取り可能に形成されている。プロセッサは、動作プログラム41を読み込んで、動作プログラム41に定められた制御を実施することにより、動作制御部31として機能する。また、動作制御部31に含まれる換算部32、温度補償部33、およびセンサ温度判定部34のそれぞれのユニットは、動作プログラム41に従って駆動するプロセッサに相当する。プロセッサは、動作プログラム41に定められた制御を実施することにより、それぞれのユニットとして機能する。
(トルクセンサ)
本実施の形態のトルクセンサ20は、ロボット1の関節軸17aに配置されるセンサである。トルクセンサ20は、トルクセンサ20が取付けられた部材に対して力が作用することによって発生する力のモーメントをトルクとして検出する。本実施の形態のトルクセンサ20は、トルクに関する値を検出するトルク検出部23と、温度に関する値を検出する温度検出部24とを含む。トルク検出部23は、ロボット1の関節軸17aに作用するトルクに準じる値を検出する1個以上の変位検出器21を含む。温度検出部24は、トルクセンサ20の温度を検出する1個以上の温度センサ22を含む。本実施の形態のロボットシステム6では、ロボット1の関節軸17aに配置されたトルクセンサ20に作用するトルクを検出または測定し、トルクセンサ20の温度を検出または測定するように構成されている。本実施の形態においては、トルクまたは温度の検出には、トルクまたは温度の測定を含むものとする。
変位検出器21は、トルクセンサ20の予め定められた1つ以上の箇所において、トルクセンサ20を構成する構造部材の相対的な変位を検出する。トルクセンサ20が検出するトルクに関する値(トルクに関するデータ)は、トルクの値を含むトルクデータおよびトルクに準じる値を含む。
トルクに準じる値は、例えば、変位検出器21の出力値のように、キャリブレーションデータを乗じるなどの所定の演算式に基づく演算によって、トルクデータが求められる値である。例えば、トルクセンサがホイストーンブリッジ回路によって構成される歪ゲージ式の場合には、歪みゲージの変位を電圧に変換した値がトルクに準じる値に相当する。図3に示すトルクセンサ20のトルク検出部23は、変位検出器21の出力値をトルクに準じる値として出力する。制御装置4に配置されている動作制御部31の換算部32は、複数の変位検出器21の出力値と、変位検出器21の出力値とトルクデータの値とを対応づけるキャリブレーションデータとを用いて、トルクデータを算出する。
温度補償部33は、トルクに関する値に対して温度補償を実施する。図3に示す温度補償部33は、換算部32から出力されるトルクデータの温度補償を実施する。温度検出部24の温度センサ22は、トルクセンサの1つ以上の箇所における所定の部分の温度を検出するように配置されている。温度補償部33は、1つ以上の温度センサ22から取得される温度および温度補償における基準温度に基づいてトルクデータを補償する。
なお、トルクに準じる値の温度補償を行った後に、トルクデータを算出しても構わない。すなわち、温度補償部33は、トルク検出部23が検出したトルクに準じる値と、温度検出部24が出力するトルクセンサ20の温度データと、温度補償における基準温度とに基づいて、温度補償を行ったトルクに準じる値を算出しても構わない。そして、換算部32は、温度補償を行ったトルクに準じる値と、キャリブレーションデータとに基づいて、トルクを含むトルクデータを算出しても構わない。このように、トルクに準じる値からトルクデータへの変換と温度補償とは、いずれを先に実施しても構わない。
更に、換算部32および温度補償部33のうち少なくとも一方は、制御装置4の動作制御部31の代わりにトルクセンサ20に配置されていても構わない。トルクセンサ20は、プロセッサを含む演算処理装置を含むことができる。そして、トルクセンサのプロセッサが換算部および温度補償部として機能することができる。
例えば、トルクセンサ20のトルク検出部23が換算部32を含む場合に、トルク検出部23において、複数の変位検出器21の出力値と、変位検出器21の出力値とトルクデータの値とを対応づけるキャリブレーションデータとを用いて、トルクデータを算出することができる。トルクセンサ20から動作制御部31に、トルクデータが送出される。
また、トルクセンサ20が温度補償部33を含む場合に、トルクセンサ20において、温度センサ22から取得される温度と、温度補償に関する基準温度とに基づいて、変位検出器21から出力されるトルクに準じる値の温度補償を行うことができる。トルクセンサ20から動作制御部31には、温度補償が行われたトルクに準じる値が送出される。
トルクセンサ20が換算部32および温度補償部33を含む場合には、トルクセンサ20において、トルクに準じる値からトルクデータへの変換および温度補償を実施することができる。そして、トルクセンサ20からは、温度補償が実施されたトルクデータが動作制御部31に送出される。
また、換算部32および温度補償部33のうち少なくとも一方は、制御装置4およびトルクセンサ20とは別の装置に配置されていても構わない。例えば、換算部32および温度補償部33のうち少なくとも一方は、制御装置とは異なる演算処理装置に配置されていても構わない。このように、プロセッサを備える別の演算処理装置において、トルクに準じる値からトルクデータへの変換および温度補償のうち、少なくとも一方を実施しても構わない。
更には、温度補償部33が換算部32の機能を有していても構わない。すなわち、温度補償部は、変位検出器が検出したトルクに準じる値と、トルクデータに変換するためのキャリブレーションデータと、温度検出部が出力する温度データと、温度補償における基準温度とに基づいて、トルクデータへの変換および温度補償を同時に行っても構わない。この場合に、温度補償部は、変位検出器の出力値から温度補償されたトルクデータを算出することができる。
トルクに関する値の温度補償を実施するときに基準にする温度である基準温度は、トルクセンサのキャリブレーションを実施した時の温度、または、その温度に近い温度であることが好ましい。基準温度としては、例えば、室温である約25℃を採用することができる。
温度センサ22を含む温度検出部24は、トルクセンサ20の代表的な温度データ、トルクセンサを構成する部分の各位置の温度データ、または、それらの温度に準じる値を出力する。温度に準じる値は、温度データの代替となる値または温度データに変換できる値である。例えば、温度に準じる値は、温度データの代わりに使用することができる値、所定の演算式によって温度データに変換することができる値、データの転送に都合がよいように変換された値、または、温度に応じて変化する値などである。
温度センサ22は、トルクセンサ20の温度を検出するために都合のよい箇所、または温度補償を実施するために都合のよい箇所などに配置することが好ましい。温度センサ22は、複数の変位検出器21が配置された部分、または複数の変位検出器21の近傍に配置しても構わない。
本実施の形態のトルクセンサは、1つの回転軸の周りのトルクを検出するセンサであるが、この形態に限られない。トルクセンサは、力の検出も可能な力検出部を備えるセンサであっても構わない。トルクセンサは、関節軸の周りに作用するトルクが検出されるセンサであればよい。トルクセンサは、例えば、3軸または6軸の力およびトルクの成分が検出可能な力覚センサによって構成されていてもよい。
トルクおよび力の検出は、センサの構造部材の相対的な変位に応じて変化する物理量を検出する検出器によって検出されることができる。このとき、構造部材の相対的な変位を検出するための変化量が、相対的な変位に応じて変化する電荷、インダクタンス、光、超音波、または磁気などの変化量となるように検出部を構成してもよい。また、構造部材の相対的な変位に応じて変化する画像上の対応点の位置の変化または画像情報を検出するように光学的センサを配置することによって、トルクおよび力を検出するようにしてもよい。このような場合、センサの構造部材の相対的な変位に応じて変化する物理量は、トルクに準じる値に相当する。
例えば、変位検出器は、トルクセンサを構成する構造部材の相対的な変位を電圧に変換して出力するように、歪ゲージによって構成されるホイストーンブリッジ回路によって構成されることができる。この場合に、変位検出器は、歪ゲージの変位を電圧として出力することができる。または、変位検出器は、静電容量の変位を電圧として出力したりするように構成してもよい。
更には、本実施の形態のトルク検出部23のトルクの検出方式では、変位検出器21によってトルクセンサを構成する構造部材の相対的な変位を検出している。そして、検出された相対的な変位をトルクに換算しているが、この形態に限られない。トルクセンサは、トルクが検出されれば、どのような検出方式のセンサであっても構わない。
温度検出部24の温度センサ22は、サーミスタ、熱電対、または白金抵抗体などの素子を用いて、温度によって物性が変化することに生じる抵抗値または起電力などの変化を検出して、温度データに変換するように構成される。トルクセンサが2つ以上の温度センサを備えるように構成し、トルクセンサの温度の検出において、複数の温度センサの出力を用いるようにしてもよい。
温度検出部24は、温度センサ22の検出値または温度センサ22が検出した値から求められる値を出力する。また、温度センサが2つ以上存在する場合、温度検出部は、複数の温度センサの検出値を出力する、または、温度検出部は、プロセッサを含む演算処理装置を含み、複数の温度センサが検出した値から求められる1つ以上の値を出力しても構わない。
例えば、トルクセンサに複数の温度センサが配置されている場合に、温度検出部は、複数の温度センサの出力を平均した値を算出して出力することができる。または、温度検出部は、温度センサの位置に応じて温度センサの出力に重みを付けて平均し、一つの代表的な値を算出して出力することができる。または、複数の温度センサの出力に重みを付けて、1つの代表的な値を選択して出力するようにしてもよい。例えば、複数の温度センサの出力のうち中央値を選択しても構わない。
また、温度検出部は、変位検出器の近傍に配置されている複数の温度センサについて、複数の温度センサの出力を1つのまとまりとして、1つの代表値を算出しても構わない。そして、温度補償部およびセンサ温度判定部において、この値を変位検出器の近傍の温度データとして使用してもよい。
また、トルクセンサの温度検出部には、温度に応じて検出精度が異なる2つ以上の温度センサを配置しても構わない。そして、トルクセンサの温度が変化しても温度の検出精度が高く維持されるように、温度センサの出力を選択してもよい。このときに、少なくとも2つ以上の温度センサは、温度に応じて検出精度が互いに異なり、温度の検出精度が所定の閾値以上である温度範囲が異なるような温度特性を有することが好ましい。
温度検出部は、トルクセンサに含まれる2つ以上の温度センサの出力に基づいて、トルクセンサの所定の部分の温度が存在する範囲を推定することができる。温度検出部は、推定される温度範囲および温度センサの出力に基づいて、トルクセンサにおける所定の部分の温度の検出値として出力してもよい。例えば、温度検出部は、複数の温度センサの出力のうち中央値を含む所定の範囲を所定の部分の温度が存在する範囲と推定することができる。そして、所定の範囲内に存在する複数の温度センサの1つの出力を選択することができる。例えば、所定の範囲内に存在する中央値を選定することができる。
または、トルクセンサに含まれる2つ以上の温度センサの出力に基づいて、トルクセンサの所定の部分の温度が存在する範囲を推定し、複数の温度センサの出力に重みを設定することができる。例えば、それぞれの温度センサの出力に重みとしての係数を掛けて平均値を算出することができる。この場合に、温度検出部は、推定されたトルクセンサの温度が存在する範囲に応じて、温度センサの出力の重みを変えることができる。温度検出部は、算出される値をトルクセンサの予め定められた部分の温度の値として出力することができる。このときに、温度が存在する範囲において検出精度が優れた温度センサの出力の重みまたは係数を相対的に大きく設定しても構わない。
なお、前述の温度検出部における複数の温度センサの検出値に基づく演算処理を温度補償部またはセンサ温度判定部が実行してもよい。つまり、温度センサが2つ以上存在する場合、温度検出部が複数の温度センサの検出値を出力する。そして、温度補償部またはセンサ温度判定部が、複数の温度センサが検出した値に基づいて、トルクセンサの予め定められた部分の温度に関連した演算を実行するようにしてもよい。
また、温度特性の優れた部分が異なる温度センサは、トルクセンサを構成する構造部材の相対的な変位を検出する変位検出器の位置に応じて配置することが好ましい。または、トルクセンサにおける複数の箇所のうち、互いに異なる温度特性を有する複数の温度センサを同じ位置の近傍にとりつけてもよい。または、互いに異なる温度特性を有する温度センサをトルクセンサの互いに異なる位置に配置してもよい。
(温度補償部)
次に、図3を参照して、トルクに関する値の温度補償を実施する温度補償部33について説明する。温度補償部33は、トルクデータまたはトルクに準じる値を温度に応じて補償する。ここでは、トルクに関する値として、トルクの値を含むトルクデータを例に取り上げて説明する。トルクに準じる値についても、トルクデータと同様の方法により温度補償を実施することができる。
温度補償部33は、所定の温度補償の演算式を用いて、トルクデータの温度補償を実施する。温度補償部33は、トルクデータの温度補償またはトルクに準じる値の温度補償等の態様によらずに、所定の温度補償の演算式によって、温度にて補正されたトルクに関する値を算出することができればよい。
温度補償されたトルクデータを求めるときに、基準とする温度である温度補償における基準温度は、予め定めておくことができる。基準温度は、トルクセンサのキャリブレーションを実施する時の温度またはその温度に近い温度であることが好ましい。また、基準温度は、トルクセンサの種類に応じた温度、ロボットが設置される場所の温度、またはトルクセンサが備えられるロボットの関節部の温度状態に応じた温度であってもよい。または、基準温度は、トルクセンサが使用される温度等を考慮して複数の温度でキャリブレーションしたときの複数の温度であってもよい。基準温度は、トルクセンサに応じた温度、または、トルクセンサの温度状態を考慮した温度でもよい。また、温度の状況に応じて、基準温度またはトルクデータを求めるときに用いるキャリブレーションデータを変えるようにしてもよい。
また、温度補償部にて温度補償を実施する時に、温度検出部は、トルクセンサにおいて変位検出器が設置された箇所の温度を測定して出力しても構わない。温度補償部は、複数の変位検出器が設置された箇所の温度と、温度補償における基準温度と、複数の変位検出器の出力値と、キャリブレーションデータとに基づいて、温度補償されたトルクデータを求めるようにしてもよい。または、複数の変位検出器の出力値と、トルクセンサにおける代表的な温度の値と、温度補償に係る係数と、キャリブレーションデータとに基づいて、温度補償されたトルクデータを求めるようにしてもよい。または、複数の変位検出器の出力に温度補償を考慮したキャリブレーションデータを掛けて、温度補償されたトルクデータを求めるようにしてもよい。
温度補償部33にて、トルクに関する値の温度補償を実施する際に使用される温度補償の演算式は、トルク検出部の出力値、温度検出部の出力値、および温度補償における基準温度等から、温度補償されたトルクに関する値を求めることができれば、どのような式であってもよい。
始めに、トルク検出部23から出力された変位検出器21の値(トルクに準じる値)を温度補償する演算式の例を説明する。それぞれの変位検出器21の出力値から、次の式(1)のように、温度補償された変位検出器の出力値を算出することができる。
Pb=(1+α1×(Tc-Tr)+α2×(Tc2-Tr2))×(Pa+α3×(Tc-Tr)+α4×(Tc2-Tr2)) …(1)
Pa:温度補償前の変位検出器の出力値
Pb:温度補償後の変位検出器の出力値
Tc:現在の温度
Tr:基準温度
α1, α2, α3, α4:係数
このように温度補償が実施された各変位検出器の出力値に対して、キャリブレーションデータを掛けることによって、温度補償されたトルクデータが求められる。このときに、変位検出器21の出力値が適切に温度補償されるように、各変位検出器の温度特性に応じた温度補償の演算式を用いることが好ましい。演算式の係数および定数項については、複数のデータから予め算出しておくことが好ましい。演算式は、変化する現在の温度データが与えられた場合に、温度補償された値が適切に算出されるように定めることが好ましい。
次に、それぞれの変位検出器21の出力値に対してキャリブレーションデータを乗算して求めたトルクデータに対して温度補償を実施する例を説明する。次の式(2)のように温度補償されたトルクデータを算出することができる。
TRb=(1+α1×(Tc-Tr)+α2×(Tc2-Tr2))×(TRa+α3×(Tc-Tr)+α4×(Tc2-Tr2)) …(2)
TRa:温度補償前のトルクデータ
TRb:温度補償後のトルクデータ
Tc:現在の温度
Tr:基準温度
α1, α2, α3, α4:係数
トルクデータを補償する時には、トルクデータの出力値が適切に温度補償されるように、トルクセンサの出力に基づいて検出されるトルクデータの温度特性に応じた温度補償の演算式を用いることが好ましい。演算式の係数および定数項は、基準温度と現在の温度とに基づいて補償された正確な値となるように定めることが好ましい。
本実施の形態の温度補償は、変位検出器の出力に関して、温度変化による変位の補償であり、外力による変位以外の変位を補償する。このような演算式の係数および定数項は、様々な方法で設定することができる。例えば、理論上の変位検出器の出力値と実測した変位検出器の出力値とのデータのセットを複数の温度にて生成する。そして、これらのデータのセットに基づいて、演算式より算出される値と実測値との誤差が小さくなるように演算式の係数および定数を算出することができる。
ここで、本実施の形態における温度補償に係る値は、現在の温度と温度補償における基準温度との差であったり、温度補償を行う温度における温度補償の式に使用される係数または定数項であったり、温度補償の算出過程において途中まで求められる値であったりすることができる。また、温度補償に係る値は、温度補償の式で使用される係数、定数項、または途中まで求められる値が温度補償によって変化する差または比率であることができる。温度補償に係る値は、温度補償された各変位検出器の出力値と温度補償されていない各変位検出器の出力値の差または比率であったり、温度補償されたトルクデータと温度補償されていないトルクデータの差または比率などであったりする。温度補償に係る値は、温度補償における係数または出力値などに関係のある値であって、温度補償の効果または影響が確認されるような値であればどのような値であっても構わない。
なお、温度補償部は、トルクセンサの内部に配置され、それぞれのトルクセンサが温度補償されたトルクデータと温度データとを出力するようにしてもよい。また、トルクセンサに温度補償部が備えられる場合に、各トルクセンサの内部にセンサ温度判定部が配置されていても構わない。すなわち、トルクセンサからトルクセンサの温度の判定結果が出力されるようにしてもよい。
また、温度補償部は、ロボットの内部またはロボットの外部に、一体的に備えられる制御装置またはロボット駆動部に配置するなど、ロボットシステムに配置される装置内に配置するようにしてもよい。この場合に、それぞれのトルクセンサの出力が制御装置等に入力され、制御装置等に備えられた温度補償部において、各トルクセンサの出力である温度データおよびトルクに関する値に基づいて、トルクに関する値が温度補償されるようにしてもよい。なお、制御装置などに温度補償部が備えられる場合に、更にセンサ温度判定部を備えるようにして、トルクセンサの温度状態の判定結果が出力されるようにしてもよい。
(センサ温度判定部)
センサ温度判定部34は、ロボット1の関節軸17aに配置されたトルクセンサ20における温度状態が異常状態であるか否か、さらに、それぞれのトルクセンサ20における温度状態が異常状態でないときに、適温状態であるか否かを判定する。トルクセンサ20の異常状態の温度としては、例えば、おおよそ80℃以上の温度を採用することができる。また、トルクセンサの適温状態の温度としては、例えば、おおよそ40℃以下の温度を採用することができる。
各トルクセンサにおける温度状態の判定は、トルクセンサに作用するトルクを検出するにあたって異常な状態か否か、または、異常ではないが適切な状態であるか否かを判定する。また、温度状態の判定は、トルクセンサが備えられた関節軸に作業者が接触するにあたってトルクセンサの温度状態として、異常な状態か否か、異常ではないが適切な温度状態であるか否かを判定する。温度状態の判定は、次に示すトルクセンサの温度に関連した状態になっているか否かを判定することを目的とする。
温度状態の判定では、トルクセンサにて検出されるトルクデータがトルクセンサの温度状態によって、実際にトルクセンサに作用するトルクの値と異なる値になっていないか、または、その差の程度が許容範囲内であるかなどに基づいて判定する。また、トルクセンサの温度を検出する温度検出部の出力が、実際のトルクセンサの温度状態を表す値と異なる値になっていないか、または、その差の程度が許容範囲内であるかを判定する。また、トルクセンサの温度に関する状態が、温度補償されたトルクデータを算出するにあたって正しい値を算出することができない状態、または、正しい値との差が大きくなる状態になっていないかを判定する。
また、トルクセンサの温度に関する状態が、温度補償されたトルクデータを算出するにあたって正しい値が算出することができない状態になる虞があったり、予測されたりするかを判定する。また、正しい値との差が大きくなるような状態になる虞があったり、予測されたりするかを判定する。例えば、トルクセンサの温度状態の変化の値(変化量)が大きかったり、トルクセンサの温度状態が悪化する状態に向かっていたり、トルクセンサの内部の複数の箇所で計測される温度の差が大きかったり、不均一な状態になっていたりしないかを判定する。また、ロボットの関節軸に備えられるトルクセンサの温度状態に基づいて、ロボットの関節部の温度が作業者が接触するには熱い状態になっていないか、ロボットの関節軸の部位によって、関節部の温度が大きく異なっていないかなどを判定する。
センサ温度判定部34は、このようなトルクセンサの温度状態の判定によって、トルクセンサの温度状態が改善されるように、ロボットの動作を変更することが望ましい状況か否かを判定する。そして、ロボットの動作を変更することが望ましい場合に、センサ温度判定部は、ロボットの動作を変更したり、作業者に状態を通知したりすることができる。
センサ温度判定部34は、各トルクセンサ20について、トルクセンサ20に備えられた温度検出部24の出力値および温度補償部33によるトルクデータの温度補償に係る値のうちの少なくとも1つに基づいて、予め定められた判定条件によってトルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かを判定する。センサ温度判定部34は、トルクセンサの温度状態が異常状態でないときに、別の予め定められた判定条件によってトルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かを判定する。また、センサ温度判定部34は、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値、および温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値のうちの少なくとも1つに基づく値について、他のトルクセンサにおける値と比較することによって、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否か、また、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かを判定するようにしてもよい。
ここで、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値に基づく値は、トルクセンサに備えられた温度検出部または温度検出部に配置された各温度センサの出力について、時間的な変化の値、または、測定された位置毎の値に基づいて算出される値を使用して算出される値を示す。温度検出部の出力値に基づく値には、温度検出部の出力値、温度検出部の出力値の時間の微分値、および、所定の時間における時間的な変化の値(変化量)が含まれる。温度検出部の出力値に基づく値には、温度検出部を構成する温度センサの測定位置に応じた出力値が含まれる。温度検出部の出力値に基づく値には、温度検出部を構成する温度センサが複数存在する場合に、1つの温度センサと他の温度センサとの差、他の温度センサとの差の時間の微分値、および他の温度センサとの差の所定時間における時間的な変化の値が含まれる。また、温度検出部の出力値に基づく値には、温度検出部を構成する温度センサの時間の微分値および所定時間における時間的な変化の値が含まれる。
また、温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値に基づく値は、温度補償されたトルクデータを求めるときに関連する値である。温度補償に係る値に基づく値は、温度補償の結果、または、温度補償の演算における過程において温度補償によって変化する値から求められる値である。例えば、温度補償に係る値に基づく値には、トルクデータの温度補償前の値と温度補償後の値との差または比率、温度補償の演算式における係数または定数項について温度補償前の係数または定数項と、温度補償後の係数または定数項との差または比率、変位検出器によって検出される値の温度補償前の値と温度補償後の値との差または比率、および、キャリブレーションデータにおける温度補償前の値と温度補償後の値とから求められる値などが含まれる。
ここで、温度補償の演算式における係数または定数項について、温度補償前の係数または定数項および温度補償後の係数または定数項について例を説明する。前述の式(1)において、(Tc-Tr)の項を定数T1として、(Tc2-Tr2)の項を定数T2とすると、式(1)は、次の式(3)に変形される。
Pb=(1+α1×T1+α2×T2)×(Pa+α3×T1+α4×T2) …(3)
更に、(1+α1×T1+α2×T2)の項を定数γ1、(α3×T1+α4×T2)の項を定数γ2、(γ1×γ2)を定数γ3であらわすと、式(3)は次の式(4)で表される。
Pb=γ1×Pa+γ3 …(4)
式(4)により、温度補償を行う前の変位検出器の出力値Paに対して、温度補償を行った後の変位検出器の出力値Pbは、(γ1×Pa+γ3)にて表すことができる。式(4)の演算式において、温度補償後の温度における演算式の係数はγ1になり、温度補償後の温度における定数項はγ3になる。これに対して、温度補償前の変位検出器の出力値はPaとなるので、温度補償前の温度における演算式の係数は1になり、温度補償前の温度における定数項は0になる。これらの係数または定数項を用いて、温度補償前の温度における演算式の係数と、温度補償後の温度における演算式の係数との差または比率を算出することができる。または、温度補償前の温度における演算式の定数項と、温度補償後の温度における演算式の定数項との差または比率を算出することができる。
温度補償の演算式における係数または定数項としては、前述のγ1、γ2、γ3を用いることができる。または、演算式における係数または定数項としては、(α1×T1)、(α2×T2)、(α3×T1)、および(α4×T2)等を用いることができる。
次に、予め定められた判定条件は、予め定められるトルクセンサの温度状態によって変化する値に応じて、トルクセンサの温度状態が判定される条件としてもよい。予め定められた判定条件には、判定に使用する値と所定の閾値との比較、または、判定のために算出した値と所定の閾値との比較が含まれる。予め定められた判定条件には、複数の条件が成立するか否かの判定、または、複数の条件毎に重みをつけて算出されるスコアと所定の閾値との比較などが含まれる。
トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かの判定で使用する条件は、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かの判定で使用する条件に対して、判定条件における閾値を異なる値にしたものであってもよい。または、判定条件における閾値だけでなく、判定条件で使用するトルクセンサの温度状態に関する値、判定方法、比較する閾値、または係数などを異なる値に設定してもよい。
トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かの判定では、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値、温度検出部の出力値の所定時間における変化の値、または、温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値を用いてもよい。トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かの判定では、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値、または、温度検出部の出力値と温度検出部の出力値の所定時間における変化の値とを使用してもよい。
センサ温度判定部は、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かの判定において、トルクセンサが備えられる関節軸の部位に応じた判定条件および判定値を使用するようにしてもよい。例えば、トルクセンサが備えられる関節軸の部位に依存して、トルクセンサの仕様または性能が異なる場合、関節部の負荷または使用頻度が異なる場合、作業者または周囲の物体と接触する頻度が異なる場合、作業者または周囲の物体と接触する危険性が異なる場合、または、作業者または周囲の物体の許容する温度状態が異なる場合がある。このように、それぞれのトルクセンサの温度状態の判定基準が異なる場合に、トルクセンサが備えられる関節軸の部位に応じて、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かを判定することができる。
この制御と同様に、センサ温度判定部は、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かの判定において、トルクセンサが備えられる関節軸の部位に応じた判定条件および判定値を使用するようにしてもよい。この制御によって、トルクセンサの温度状態の判定基準が異なる場合に、トルクセンサが備えられる関節軸の部位に応じて、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かを判定することができる。
センサ温度判定部は、トルクセンサの異常状態を判定する異常状態判定条件を用いてトルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かを判定する。異常状態判定条件としては、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値と所定の閾値との比較の判定条件、所定の時間における温度検出部の出力値と所定の閾値との比較の判定条件、温度補償部によって温度補償されたトルクデータの補償値と所定の閾値との比較の判定条件、および1つの関節軸に備えられるトルクセンサの温度検出部の出力値と他の関節軸に備えられるトルクセンサの温度検出部の出力値との比較の判定条件が含まれる。異常状態判定条件は、これらの判定条件のうちの少なくとも1つの判定条件と所定の判定値にて構成されることができる。
さらに、センサ温度判定部は、トルクセンサの温度状態が異常状態でない時に、異常状態の判定条件と別に用意される判定条件のうち少なくとも1つの判定条件と、異常状態の判定値と別の所定の判定値で構成される適温状態判定条件を用いて、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かを判定するようにしてもよい。適温状態の判定は、異常状態の判定と同様の方法により判定することができる。
トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値と所定の閾値とを比較する判定条件では、温度検出部の出力値が所定の閾値を超えているか否かを判定する。センサ温度判定部は、温度検出部の出力値が所定の閾値を超えている場合に異常状態であると判定することができる。また、センサ温度判定部は、温度検出部の出力値が所定の閾値以下の場合に適温状態であると判定することができる。
温度検出部の出力値としては、トルクセンサの代表的な温度、トルクセンサにおいて変位検出器の箇所に配置された温度センサが出力する温度、または、トルクセンサに配置された複数の温度センサが出力する温度などであってもよい。
トルクセンサに備えられた温度検出部の所定の時間における出力値の変化の値と所定の閾値との比較の判定条件では、所定の時間を小さくした時の温度検出部の出力値の変化量であったり、所定の時間を大きくした時の温度検出部の出力値の変化量であったりすることができる。また、ロボットが繰り返す所定の動作の終了時、または一時停止時などの時に取得した温度検出部の出力値の変化量を採用してもよい。センサ温度判定部は、温度検出部の所定の時間における出力値の変化の値が所定の閾値を超えた時に異常状態と判定することができる。また、センサ温度判定部は、温度検出部の所定の時間における出力値の変化の値が所定の閾値以下の時に適温状態と判定することができる。
温度補償部によって温度補償されたトルクデータの補償値と所定の閾値との比較の判定条件では、温度補償によるトルクデータの補正量がどの程度の大きさであるかを監視することができる。ロボットの動作によって関節部に作用するトルクが大きく、かつ、トルクセンサの温度が大きい状態である場合には、トルクデータの温度補償の補償値が所定の閾値よりも大きい値になる。この場合には、トルクセンサの温度状態の悪化によってトルクデータの誤差が大きくなったり、大きくなる虞があったりする異常状態として検出することができる。ここで、トルクデータの補償値は、温度補償されたトルクデータと温度補償されていないトルクデータから算出される値であればどのような値であってもよい。例えば、トルクデータの補償値は、温度補償されたトルクデータと温度補償されていないトルクデータの差または比率などである。また、センサ温度判定部は、トルクデータの温度補償の補償値が所定の閾値以下の場合に適温状態と判定することができる。
ロボットの一つの関節軸に備えられるトルクセンサにおける温度検出部の出力値と、他の関節軸に備えられるトルクセンサにおける温度検出部の出力値とを比較する判定条件では、トルクセンサに備えられる温度検出部の出力値が、他の関節軸に備えられるトルクセンサの温度状態と大きく異なる場合に異常状態と判定する。トルクセンサに備えられる温度検出部の出力値が、他の関節軸に備えられるトルクセンサの温度状態とほぼ同一の場合には適温状態と判定する。他の関節軸のトルクセンサとの比較については、所定の関節軸のトルクセンサとの比較であったり、複数のトルクセンサに対して比較するようにしたり、他の全てのトルクセンサと比較したりするようにしてもよい。
それぞれの判定条件において用いられる所定の閾値(判定値)は、トルクセンサの温度状態が異常な状態であることを検出する場合、または、トルクセンサの温度状態が適温な状態であることを検出する場合において、状況または判定の目的に応じて設定することが好ましい。また、複数の判定条件が存在する場合に、どの判定条件を使用するか、また、どの複数の判定条件が同時に成立した場合にトルクセンサの温度状態が異常状態または適温状態と判定するかについては、予め設定しておくことが好ましい。また、各判定条件で用いられる所定の閾値については、次に示される判定が実施できる値となるように、予め設定しておくことが好ましい。
前述のように、センサ温度判定部は、トルクセンサにて検出されるトルクデータがトルクセンサの温度状態によって実際にトルクセンサに作用するトルクの値と異なる値になっていないか、または、その差の程度が許容範囲内であるかなどを判定する。また、トルクセンサの温度を検出する温度検出部の出力が実際のトルクセンサの温度状態を示す値と異なる値になっていないか、または、その差の程度が許容範囲内であるかを判定する。
また、センサ温度判定部は、トルクセンサの温度に関する状態が、温度補償されたトルクデータを算出する時に、正しい値を算出することができないか、または、正しい値との差が大きくなる状態になっていないかを判定する。また、センサ温度判定部は、トルクセンサの温度状態の変化量が大きかったり、トルクセンサの温度状態が悪化に向かっていたり、トルクセンサの内部の複数の箇所で計測される温度の差が大きかったり、不均一な状態になっていたりするなどの特定の状態であるかを判定する。センサ温度判定部は、この特定の状態にて、トルクセンサの温度状態が、温度補償されたトルクデータを算出するにあたって正しい値が算出することができない状態になる虞があったり予測されたりするか否かを判定する。または、センサ温度判定部は、正しい値との差が大きくなるような状態になる虞があったり予測されたりするかを判定する。
それぞれの判定条件で用いられる所定の閾値は、判定条件、トルクセンサの特性、トルクセンサの種類、または、トルクセンサが備えられているロボットの関節軸の部位に応じて設定することが好ましい。また、所定の閾値は、ロボットの作業環境における気温、周辺装置の温度、ツールの温度、ハンドの温度、または搬送する物体の温度などの周囲の環境の温度を考慮して設定することが好ましい。更に、所定の閾値は、各関節軸の動作、または、搬送する物体の重さおよび重心の位置などの関節軸における負荷状況を考慮したロボットの動作状況に応じて設定することが好ましい。
センサ温度判定部は、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値および温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値に基づいて、複数の判定条件にて判定を行う場合に、複合的な条件によって、トルクセンサの温度状態が異常状態または適温状態であるか否かを判定するように構成してもよい。
例えば、センサ温度判定部は、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値が所定の閾値以内でないこと、温度検出部の出力値の所定時間における出力値の変化の値が所定の閾値以内でないこと、または、温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値としてトルク検出部で検出されたトルクデータに対して温度補償する値(温度補償により変化する値)が所定の閾値以内でないこと、またはトルク検出部で検出されたトルクデータに対する温度補償に係る係数が所定の閾値以内でないことの条件のうち少なくとも1つ以上の所定の条件が満たされる場合に、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かの判定、または、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かの判定を行うように構成してもよい。
センサ温度判定部は、トルクセンサにおける温度およびトルクセンサにおける温度の所定の時間における変化の値などのトルクセンサに備えられた温度検出部の出力値に基づく値と、所定の閾値との比較により、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かの判定、または、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かの判定を実施するように構成してもよい。
また、トルクセンサに複数の温度センサが備えられる場合には、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値に基づく値は、トルクセンサの複数の箇所における温度、トルクセンサの複数の箇所における温度の所定時間における変化の値、トルクセンサの複数の箇所における他の箇所との温度の差、またはトルクセンサの複数の箇所における他の箇所との温度の差の所定時間における変化の値などを含む。これらのトルクセンサに備えられた温度検出部の出力値に基づく値と、所定の閾値との比較により、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かの判定、または、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かの判定を実施するように構成してもよい。
また、センサ温度判定部は、温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値と、所定の閾値との比較により、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かの判定、または、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かの判定を実施するように構成してもよい。温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値は、温度補償によって、トルクデータの算出時に温度補償を行った部分として考慮される値である。温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値には、例えば、温度補償前と温度補償後とのトルクデータの差、温度補償時にトルクデータの値に掛ける係数の値、温度補償にてトルクデータに変換する際に変位検出器によって検出される値に掛ける係数が温度補償の温度によって変更される値などが含まれる。
センサ温度判定部は、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値に基づく値と所定の閾値との比較と、温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値と所定の閾値との比較とを実施することができる。そして、所定の数の判定条件が成立するか否かによって、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かの判定、または、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かの判定を実施するように構成してもよい。
センサ温度判定部は、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値に基づく値と所定の閾値との比較と、温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値と所定の閾値との比較とを実施することができる。これらの比較の条件ごとに成立したときの数値をスコアとして予め割り当てておくことができる。そして、成立した条件に割り当てたスコアの総和と、スコアに関する所定の閾値との比較により、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かの判定、または、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かの判定を実施するように構成してもよい。
センサ温度判定部は、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値に基づく値と、温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値とから求められる値とを、トルクセンサの温度状態の良さの度合(良し悪しの程度)として算出してもよい。そして、トルクセンサの温度状態の良さの度合の数値と、所定の閾値との比較により、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かの判定、または、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かの判定を実施するように構成してもよい。
センサ温度判定部は、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値および温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値のうちの少なくとも1つに基づいて、トルクセンサの温度状態の良さの度合を算出してもよい。そして、トルクセンサの温度状態の良さの度合と所定の閾値との比較により、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かの判定、および、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かの判定を実施するように構成してもよい。
なお、トルクセンサの温度状態が異常状態ではない、かつ、適温状態でないと判定されるときに、動作指令部は、算出したトルクセンサの温度状態の良さの度合に応じて、ロボットの動作指令に対して、速度および加速度のうち少なくとも一方が所定の値よりも小さくなるように、ロボットの動作指令を変更してもよい。または、動作指令部は、速度および加速度のうち少なくとも一方に所定の割合を乗じて小さくなるように、ロボットの動作指令を変更してもよい。
センサ温度判定部は、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値、および温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値から、それらの値の所定時間における変化の値、または、他の箇所のトルクセンサにおける値との差などを算出して、トルクセンサの温度状態の良さの度合を求めてもよい。これらのトルクセンサの温度状態の良さの度合と所定の閾値との比較により、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かの判定、または、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かの判定を実施するように構成してもよい。
センサ温度判定部は、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値と、温度検出部の出力値の所定時間における変化の値と、温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値として、トルクデータに対して温度補償する値(トルクデータに加算したり減算したりする値)と、トルクデータに対する温度補償に係る係数とを所定の多項式(評価関数)に代入することによって求められる値を、トルクセンサの温度状態の良さの度合として求めてもよい。これらのトルクセンサの温度状態の良さの度合と所定の閾値との比較により、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かの判定、または、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かの判定を実施するように構成してもよい。
センサ温度判定部は、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値に基づく値が存在する範囲毎に割り当てた所定の数値から、温度検出部の出力値に基づく値に対応する数値を特定してもよい。または、センサ温度判定部は、トルクデータ温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値が存在する範囲毎に割り当てた所定の数値から、トルクデータの温度補償に係る値に対応する数値を特定してもよい。センサ温度判定部は、これらの数値を加算した値を、トルクセンサの温度状態の良さの度合として算出してもよい。センサ温度判定部は、トルクセンサの温度状態の良さの度合の数値と、所定の閾値との比較により、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かの判定、または、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かの判定を実施するように構成してもよい。
より詳細には、センサ温度判定部は、温度検出部の出力値に基づく値が存在する範囲を分割した複数の領域を定めることができる。それぞれの領域ごとに所定の数値を割り当てておくことができる。センサ温度判定部は、温度検出部の出力値に基づく値に対応する領域の数値を特定する。または、センサ温度判定部は、トルクデータの温度補償に係る値が存在する範囲を分割した複数の領域を定めることができる。それぞれの領域ごとに所定の数値を割り当てておくことができる。センサ温度判定部は、トルクデータの温度補償に係る値に対応する領域の数値を特定する。センサ温度判定部は、温度検出部の出力値に基づく値に対応する領域の数値と、トルクデータの温度補償に係る値に対応する領域の数値とを加算した値を、トルクセンサの温度状態の良さの度合として算出してもよい。
センサ温度判定部は、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値に基づく値と、温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値とを、所定の多項式(評価関数)に代入して求められる値を、トルクセンサの温度状態の良さの度合としてもよい。トルクセンサの温度状態の良さの度合の数値と、所定の閾値との比較により、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かの判定、または、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かの判定を実施するように構成してもよい。
例えば、評価関数による評価方法として、センサ温度判定部は、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値に基づく値と所定の閾値との乖離の大きさに所定の係数を掛けた値と、温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値と所定閾値との乖離の大きさに所定の係数を掛けた値との結合和から求められる値を、トルクセンサの温度状態の良さの度合として算出してもよい。
センサ温度判定部は、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値と所定の閾値との乖離の大きさに所定の係数を掛けた値と、温度検出部の出力値の所定時間における変化の値と所定の閾値との乖離の大きさに所定の係数を掛けた値と、温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値と所定の閾値との乖離の大きさに所定の係数を掛けた値との結合和から求められる値を、トルクセンサの温度状態の良さの度合としてもよい。ここで、トルクデータの温度補償に係る値としては、トルクデータに対して温度補償する値(補償前のトルクデータに加算または減算する値)またはトルクデータに対する温度補償に係る係数を採用することができる。
センサ温度判定部は、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値が所定の閾値以内でないこと、温度検出部の出力値の所定時間における変化の値が所定の閾値以内でないこと、および、温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値が所定の閾値以内でないことを判定することができる。センサ温度判定部は、これらの判定条件のうち少なくとも1つ以上の条件が満たされる場合に、それぞれの条件に対して割り当てた所定の数値を、条件を満たしたものについて加算することにより求まる値を、トルクセンサの温度状態の良さの度合として算出してもよい。ここで、トルクデータの温度補償に係る値は、トルクデータに対して温度補償する値、または、トルクデータに対する温度補償に係る係数を採用することができる。
センサ温度判定部は、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値が所定の閾値以内でないこと、温度検出部の出力値の所定時間における変化の値が所定の閾値以内でないこと、および、温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値が所定の閾値以内でないことの判定を実施することができる。トルクデータの温度補償に係る値としては、トルクデータに対して温度補償する値またはトルクデータに対する温度補償に係る係数を採用することができる。センサ温度判定部は、これらの条件のうち少なくとも1つ以上の所定の条件が満たされる場合に、温度検出部の出力値が存在する範囲毎に割り当てた所定の数値と、温度検出部の出力値の所定時間における変化の値が存在する範囲毎に割り当てた所定の数値と、温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値が存在する範囲毎に割り当てた所定の数値とを加算することにより求まる値を、トルクセンサの温度状態の良さの度合として算出してもよい。
センサ温度判定部は、温度検出部に備えられる温度センサが2つ以上ある場合に、温度検出部から複数の温度センサが検出する値を取得する。そして、センサ温度判定部は、複数の温度センサの出力値同士が所定の閾値以上にて乖離するか否かの判定により、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かを判定してもよい、または、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かを判定してもよい。例えば、センサ温度判定部は、複数の温度センサの出力値同士が所定の閾値以上にて乖離する場合に、トルクセンサが異常状態であると判定することができる。
ロボットに作用するトルクを計測するトルクセンサが内部に備えられるロボットにおいては、信頼性の向上を目的として、防塵性の向上、防水性の向上、または電気的なノイズの対策のために、ロボット内部の気密性が高められていることが多い。また、トルクセンサは、トルクの計測精度を高めるようにロボット内部で機構部と密接に取付けられ、トルクが正確に伝わるように設置されていることが多い。トルクセンサは、アクチュエータにおいて発生する熱が伝わり易いように配置されている場合が有る。また、ロボットの作業環境においては、気温、周辺装置の温度、ツールの温度、ハンドの温度、または搬送する物体の温度などの周囲環境の温度によって、ロボットは、これらの温度の変化の影響を受けやすい状況にある。また、ロボットの動作、ロボットが搬送する物体の重量および重心の位置に依存して、ロボットの関節軸に対して負荷が大きい状況であることがある。また、前述の温度変化または関節軸に対する負荷が短時間に大きく変化することがある。
このような場合、ロボットに備えられたトルクセンサの温度の変化が大きかったり、また温度が広い範囲に渡って変化したりする。トルクセンサの温度状態によっては、トルクデータの温度による補償を適切に行うことが困難となり、トルクデータの値が適切でなくなることがある。また、異常と判定されるほどの状況ではないが、トルクセンサの検出精度が低下することがある。本実施の形態のロボットシステムは、トルクセンサの温度状態を適切な状態に制御することができる。トルクデータの温度補償を正確に実施して、トルクデータの精度の悪化を抑制することができる。
また、トルクセンサとしては異常でない場合であっても、トルクセンサが備えられた関節部の温度を下げることが好ましい場合、またはトルクデータの検出精度をなるべく良くしておく必要がある場合がある。本実施の形態のロボットシステムは、トルクセンサの温度状態が適温状態ではないと判定されるように、トルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かの判定の条件を定めている。ロボットシステムは、関節部の温度の上昇を抑制したり、トルクセンサの温度状態を適切な状態にしたりすることができる。
また、ダイレクトティーチングにおける操作、または協働作業においてロボットの動作を停止させたり、動作または設定を変えたりする操作等のために、作業者がロボットに直接的に接触する場合がある。この場合に、ロボットの関節軸の付近の温度またはロボットの関節軸に備えられたトルクセンサの温度状態が分からないため、ロボットが予期しない温度であったり、ロボットに備えられたトルクセンサの温度変動に伴う精度の悪化状況が分からなかったりすることがある。例えば、人と接触することを前提しない動作モードでロボットを高速に長時間動かした後、人と接触することを前提とする動作モードとして使用する場合には、ロボットの関節部およびトルクセンサが高温である場合がある。また、人との接触を検出する動作モードであっても、関節部にかかる負荷が大きい所定の動作を長時間にて継続している場合、または長時間にて連続で高速で駆動させる場合は、ロボットの関節部またはトルクセンサが高温である場合がある。このような場合は、トルクセンサおよびロボットのアクチュエータに異常がなくても、人が接触するには熱かったり、温度センサの検出精度が悪化したり、トルクセンサの検出精度が低下したりしていることがある。
このように、ロボットの関節部の温度がモータなどのアクチュエータにとっては問題のない温度であっても、作業者と協働で作業するロボットのトルクセンサの温度状態としては適切な温度状態でない場合が有る。また、トルクセンサの検出精度が悪化したり、トルクセンサの検出精度は問題がなくても、作業者がロボットに接触するには熱すぎたり、通常の状態よりもトルクセンサの検出精度を優れた状態にしておきたい場合がある。本実施の形態のロボットシステムでは、トルクセンサの温度状態が適温状態でないと判定されるように、トルクセンサの温度状態が適温状態であるかの判定の条件を定めている。ロボットシステムは、トルクセンサの温度状態が適温状態でないことを検出することができる。ロボットシステムは、トルクセンサの温度状態が適温状態でない場合に、特別な装置もしくは機構、または、付加的な装置もしくは機構などを用いずに、ロボットの動作を変更することによって、作業者がロボットに接触する際に適温となるようにしておくことができる。また、ロボットシステムは、作業者がロボットに接触する際にトルクセンサのトルクデータの検出精度を優れた状態にしておくことができる。更に、本実施の形態のロボットシステムは、必要な場合にロボットの負荷を軽減したりすることができる。
なお、センサ温度判定部は、ロボットシステムに備えられる任意の装置内に配置することができる。本実施の形態では、センサ温度判定部34は、ロボット1とは別体の制御装置4に配置されているが、各トルクセンサの内部に配置されていてもよい。また、センサ温度判定部は、ロボットの内部に配置される制御装置、ロボットに一体的に形成される制御装置、またはロボット駆動部に配置されてもよい。
(動作指令部)
動作指令部43は、ロボット1を駆動する動作指令を状況に応じて変更して出力する。動作指令部43によって出力されるロボット1の動作指令に基づき、ロボット駆動部が駆動する。ロボット1の関節軸における回転位置が変えられてロボット1の位置および姿勢が変化する。
本実施の形態の動作指令部43は、ロボット1とは別体の制御装置4に配置されているが、この形態に限られない。動作指令部43は、ロボットシステムに備えられる装置であれば、どの装置に含まれていてもよい。例えば、動作指令部は、ロボットの内部に配置された制御装置、ロボットに一体的に形成された制御装置、またはロボット駆動部に配置されていてもよい。
なお、動作指令部は、ロボットを所定の動作にて駆動する動作指令を出力するときには、記憶部に記憶されたデータに基づき、所定の動作を実施するように構成してもよい。また、各種のセンサの出力に基づいて、動作指令を生成または変更するようにしてもよい。また、動作指令部を備える装置を外部のネットワークに接続するようにしてもよい。外部のネットワークを通じて送信されるロボットの位置および速度などの動作に関わるデータまたは動作プログラムに基づいて、動作指令部がロボットの動作指令を生成するようにしてもよい。
動作指令部43は、センサ温度判定部34によって、トルクセンサの温度状態が異常状態であると判定されるトルクセンサ20が存在する場合に、ロボット1を停止させるように動作指令を変更して出力する。一方で、トルクセンサの温度状態が異常状態であると判定されるトルクセンサ20が存在しない場合に、動作指令部43は、センサ温度判定部34によって適温状態でないと判定されたトルクセンサ20が備えられた関節軸のロボット駆動モータ19の速度および加速度のうち少なくとも1つが所定の値以下となるようにロボットの所定の動作指令を変更する。または、センサ温度判定部34によって適温状態でないと判定されたトルクセンサ20が備えられた関節軸のロボット駆動モータ19の速度および加速度のうち少なくとも1つに対して所定の割合を乗じて小さくするようにロボットの所定の動作指令を変更する。
センサ温度判定部がトルクセンサの温度状態の良さの度合いを求める場合に、センサ温度判定部によって、トルクセンサの温度状態が異常状態であると判定されるトルクセンサが存在する場合に、動作指令部は、ロボットを停止させるように動作指令を変更して出力する。一方で、トルクセンサの温度状態が異常状態であると判定されるトルクセンサが存在しない場合に、動作指令部は、センサ温度判定部によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸のロボット駆動モータ19の速度および加速度のうち少なくとも1つが、トルクセンサの温度状態の良さの度合に応じた所定の値以下となるようにロボット1の所定の動作指令を変更する。または、動作指令部43は、センサ温度判定部34によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸のロボット駆動モータ19の速度および加速度のうち少なくとも1つに対して、トルクセンサの温度状態の良さの度合に応じた所定の割合を乗じて小さくするようにロボットの所定の動作指令を変更してもよい。
動作指令部43は、トルクセンサの温度状態が異常状態であると判定されるトルクセンサが存在しない場合に、ロボット1の所定の動作の指令に対して、センサ温度判定部34によって適温状態でないと判定されたトルクセンサ20が備えられた関節軸のロボット駆動モータ19の速度および加速度が小さくなるように変更する。この時に、動作指令部は、ロボットの全ての関節軸について、ロボットを所定の動作に基づいて駆動させるときの相対的な位置関係が所定の閾値以内のずれとなるように、ロボットの全ての関節軸におけるロボット駆動モータの動作指令を変更するようにしてもよい。
動作指令部は、トルクセンサの温度状態が異常状態であると判定されるトルクセンサが存在しない場合、かつ、トルクセンサの温度状態が適温状態でないと判定されるトルクセンサが存在する場合に、ロボットの全ての関節軸について、ロボットを所定の動作に基づいて駆動させるときの速度および加速度のうち少なくとも一方に対して、所定の割合を掛けて小さくするようにロボットの複数の関節軸のロボット駆動モータの動作指令を変更してもよい。速度および加速度のうち少なくとも一方に対して所定の割合を掛けて小さくするときに、前述のトルクセンサの温度状態の良さの度合の数値に応じて、所定の割合を変えるようにしてもよい。例えば、動作指令部は、トルクセンサの温度状態の良さの度合が悪いほど、速度および加速度が小さくなるように、所定の割合を変更してもよい。
ロボットの所定の動作指令に対して、センサ温度判定部によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸のロボット駆動モータの速度および加速度のうち少なくとも1つを小さくするときに、センサ温度判定部によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸が複数存在する場合がある。センサ温度判定部によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸におけるロボット駆動モータの速度を小さくするときには、センサ温度判定部によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸における速度を小さくする比率が最も小さい値を用いる。ロボットの全ての関節軸について、ロボットの所定の動作に対して最も小さい比率にてロボット駆動モータの速度を小さくするようにロボットの動作指令を変更してもよい。または、センサ温度判定部によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸における加速度を小さくするときには、センサ温度判定部によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸における加速度を小さくする比率が最も小さい値を用いる。ロボットの全ての関節軸について、ロボットの所定の動作に対して最も小さい比率にてロボット駆動モータの加速度を小さくするようにロボットの動作指令を変更してもよい。
ここで、制御装置4は、ロボット1の動作を変更する動作指令変更部を備えていても構わない。例えば、動作指令部43または動作制御部31は、動作指令変更部を含むことができる。動作指令変更部は、動作プログラムに従って駆動するプロセッサに相当する。プロセッサが動作プログラムに定められた制御を実施することにより、動作指令変更部として機能する。動作指令変更部は、センサ温度判定部の判定結果に基づいてロボットの動作を変更することができる。また、動作指令変更部がロボットの動作を変更した後に、センサ温度判定部によってトルクセンサの温度状態が適切でないと判定される場合に、動作指令変更部は、ロボットの速度および加速度のうち少なくとも一方を更に小さくしたり、ロボットを停止させたりすることが好ましい。
動作指令変更部は、動作指令部の内部において、動作指令部が出力するロボットの動作指令を算出するときに、ロボットの動作指令を変更するように構成されることができる。動作指令変更部は、所定の動作指令の速度および加速度を調整するだけでなく、状況に応じた動作を行うように、ロボットの位置、軌道、速度、および加速度などを変えるように動作指令を生成してもよい。
動作指令変更部は、トルクデータの値に応じて、ロボットの動作指令を作成または変更するようにしてもよい。また、動作指令変更部は、動作指令部が出力した動作指令を変更するように構成してもよい。
(動作指令を変更する制御の例)
図4に、本実施の形態における第1のロボットシステムの動作指令を変更する制御のフローチャートを示す。図4に示す制御は、予め定められた時間間隔にて繰り返して実施することができる。図3および図4を参照して、ステップ81において、動作指令部43は、動作プログラム41に基づいて、ロボット1の動作指令を生成する。一方で、ステップ82において、センサ温度判定部34は、トルクセンサ20の温度センサ22から温度を取得して、トルクセンサの温度状態を判定する。
ステップ83において、少なくとも1つのトルクセンサ20の温度状態が異常状態である場合に、センサ温度判定部34は、その情報を動作指令部43に送信する。制御は、ステップ84に移行する。ステップ84において、動作指令部43は、ロボット1を停止させるようにロボット1の動作指令を変更する。ステップ87において、動作指令部43は、ロボット1を停止させる。
ステップ83において、全てのトルクセンサ20の温度状態が異常状態の範囲外である場合に、制御は、ステップ85に移行する。ステップ85において、センサ温度判定部34は、全てのトルクセンサ20の温度状態が適温状態であるか否かを判定する。全てのトルクセンサの温度状態が適温状態の範囲内である場合には、動作指令部43は、ステップ81にて生成した動作指令を変更しない。制御はステップ87に移行して、動作指令部43は、ステップ81にて生成された動作指令にてロボット1を駆動する。
ステップ85において、少なくとも一つのトルクセンサ20の温度状態が適温状態でない場合に、制御はステップ86に移行する。センサ温度判定部34は、その情報を動作指令部43に送信する。例えば、1つ以上のトルクセンサ20の温度状態が、適温状態と異常状態との間の範囲内にある場合には、制御はステップ86に移行する。
ステップ86においては、動作指令部43は、ロボット1を駆動するロボット駆動モータ19の速度および加速度のうち少なくとも1つを小さくする制御を実施する。動作指令部43は、センサ温度判定部34にて温度状態が適温状態の範囲外であると判定されたトルクセンサ20が配置された関節軸のロボット駆動モータ19の動作を変更する。動作指令部43は、ロボット駆動モータ19の速度および加速度のうち少なくとも1つが所定の値以下になるように、ロボット1の動作指令を変更する。次に、ステップ87において、動作指令部43は、ステップ86にて変更した動作指令に基づいてロボット1を駆動する。
このように、少なくとも一つのトルクセンサの温度状態が異常状態の範囲内でなく、更に適温状態の範囲ではない場合に、そのトルクセンサが配置されている関節部のロボット駆動モータの速度および加速度のうち少なくとも1つを低下させる制御を実施することができる。この制御を実施することにより、トルクセンサの温度が低下して、トルクセンサの温度状態が適温状態の範囲内に向かうように、ロボット1を駆動することができる。
本実施の形態では、トルクセンサの温度状態が適温状態の範囲に向かうように、ロボット1の動作を変更する動作モードを適温化モードと称する。適温化モードでは、ロボット1に配置されたトルクセンサの温度が適温状態の範囲内に向かうように任意の制御を実施することができる。
図5に、本実施の形態における第1のロボットシステムの動作指令を変更する他の制御のフローチャートを示す。図5に示す制御は、予め定められた時間間隔にて繰り返して実施することができる。ステップ81からステップ85までの工程は、図4に示す制御と同様である。図5に示す他の制御では、ステップ88が図4に示す制御と異なる。ステップ85において、少なくとも一つのトルクセンサ20の温度状態が適温状態の範囲を逸脱している場合には、制御は、ステップ88に移行する。
ステップ88において、動作指令部43は、センサ温度判定部34にて温度状態が適温状態の範囲外であると判定されたトルクセンサが配置されている関節軸のロボット駆動モータ19の動作を変更する。動作指令部43は、ロボット駆動モータ19の速度および加速度のうち少なくとも1つに所定の割合を乗じて小さくなるようにロボットの動作指令を変更する。すなわち、動作指令部43は、1未満の割合を乗じた速度または加速度になるように、ロボット1の動作指令を生成する。次に、ステップ87において、動作指令部43は、ステップ88にて変更された動作指令に基づいてロボット1を駆動する。
このように、トルクセンサの温度状態が異常状態ではないが適温状態でもない場合に、ロボット1の駆動を継続しながら、トルクセンサの温度状態が適温状態に向かうように、ロボット1の動作を変更することができる。
(第1のロボットシステムの効果)
ロボットシステムは、ロボットが駆動している期間中に、ロボットのアクチュエータを含む駆動部としては問題がない温度状態であっても、ロボットの関節軸に備わるトルクセンサの温度状態が悪化する場合がある。従来の技術におけるロボットシステムでは、トルクセンサの温度状態の悪化によって、トルクセンサに備わる温度センサの検出精度が低下したり、トルクデータの計測精度が悪化したりすることにより、温度データの誤差が大きくなったり、トルクデータの誤差が大きくなったりする。この結果、所定の大きさのトルクまたは力がロボットに作用したことを適切に検出することができなかったり、周囲との接触の検知において誤検出にてロボットが停止したり、ロボットに直接的に力を作用させて移動させるダイレクトティーチングにおいて意図しない動作をしたりする場合がある。
これに対して、本実施の形態のロボットシステムは、関節軸に配置されたトルクセンサの温度状態の悪化を抑制して、トルクセンサの温度センサの検出精度の低下を抑制したり、トルクデータの測定精度の悪化を抑制したりすることができる。ロボットの構成部材に加わるトルクの誤検出を抑制することができて、ロボットの誤った動作を抑制することができる。
また、トルクセンサが適切な温度状態でなかったり、ロボットの関節部の温度状態が適切な温度状態でなかったりする場合に、トルクセンサまたはロボットを冷却するための特別な装置、構造、または機構を用いることなく、ロボットの関節軸に備わるトルクセンサの温度状態およびロボットの関節部の温度状態を改善することができる。
本実施の形態のロボットシステムは、ロボットの関節軸に備わるトルクセンサの温度状態が異常な状態である場合にはロボットを停止させる。この制御より、作業者または周囲の物体に過度な力で接触しないようにすることができて、ロボットを使用する上で安全な状態を確保することができる。
さらに、トルクセンサの温度状態が適温状態より悪化していても、異常状態に到達していない状態のときに、継続してロボットを動かす場合がある。例えば、ロボットが作業者または周囲の装置などに接触する状況において、トルクセンサに作用するトルクに基づいて所定の値以上の力を検出したり、検出されたトルクデータに基づいて作業を行ったりするときに、マージンを設けるなどの工夫を行うことによって、トルクセンサの検出誤差が異常状態に達していない許容範囲内とする場合がある。この場合に、トルクセンサの計測精度を優れた状態にしたり、ロボットの関節部の温度を適切な温度状態にしたりして、ロボットをより安全かつ操作性のよい状態で継続して駆動することができる。
また、ロボットのアクチュエータを含む駆動部の動作に起因する場合だけでなく、ロボットの作業環境における気温、周辺装置、ツール、ハンド、または搬送する物体などの周囲の環境の温度によって、ロボットの関節部に配置されたトルクセンサの温度が高くなったり、急な温度変化の影響を受けたりする場合がある。トルクセンサの温度状態には、ロボット駆動モータを含むアクチュエータの温度以外の装置の温度が反映される。アクチュエータ以外の部分の温度が高い場合もトルクセンサの温度状態が悪化する。本実施の形態のロボットシステムでは、アクチュエータの温度ではなく、トルクセンサの温度状態が異常な場合、またはトルクセンサの温度状態が異常でないが適温ではない場合を検出する。トルクセンサの温度状態が異常な場合にはロボットを停止させ、適温でない場合にはロボットを駆動する速度を遅くしたり、無理な動きをさせたりしないようにする。このために、ロボットを継続して動作させながら安全性を高めることができる。
特に、人と接触することが前提である協働ロボットにおいて、ロボットの関節部に備えられるトルクセンサの温度センサを用いることによって、ロボットの周りの温度状態も考慮することができる。すなわち、ロボットの温度を検出する場合に関節部の温度をより適切に検出することができる。また、協働ロボットにおいて、ロボットの関節部の温度が高くて適温ではない場合に、ロボットの動作を変更することによって、ロボットの関節部の温度を適温状態にすることができる。また、駆動部の温度を使用するのではなく、トルクセンサの温度状態に応じて、ロボットの動作を変更することによって、周囲の環境なども含めてロボットの関節部の温度状態を優れた状態にすることができる。
また、複数の関節部に備えられた複数のトルクセンサの温度状態を監視して、それぞれの関節部の温度が許容できる範囲内であったとしても、関節部に配置された各トルクセンサの温度状態にばらつきがある場合が有る。その温度状態の違いが大きくて、複数のトルクセンサの温度状態が所定の範囲を超えて異なる場合は、ロボットの動作を変更することができる。ロボットの複数の関節部の温度状態が近くなるようにロボットの動作を変更することができる。作業者は、複数の関節部の温度が互いに異なると、協働ロボットを触った時に不快に感じる場合が有る。本実施の形態のロボットシステムでは、複数の関節部の温度を近い状態にすることができるために、作業者の不快感を低減させて、協働ロボットとしての使いやすさを向上させることができる。
(第2のロボットシステム)
図6に、本実施の形態における第2のロボットシステムのブロック図を示す。第2のロボットシステム7では、制御装置4の動作制御部31の構成が第1のロボットシステム6と異なる。また、第2のロボットシステム7は、作業者の動作を検出する作業者検出装置25を備える。その他の第2のロボットシステム7の構成、作用および効果は、第1のロボットシステム6と同様である(図3を参照)。
第2のロボットシステム7の動作制御部31は、換算部32、温度補償部33、およびセンサ温度判定部34に加えて、適温化モードの有効または無効を設定する動作モード設定部35と、動作プログラム41に定められた動作パターンにてロボット1を駆動する通常動作モードと、適温化モードとを切替える時期を設定する切替えタイミング設定部36とを含む。動作モード設定部35および切替えタイミング設定部36のそれぞれのユニットは、動作プログラム41に従って駆動するプロセッサに相当する。プロセッサが動作プログラム41を読み込んで、動作プログラム41に定められた制御を実施することにより、それぞれのユニットとして機能する。
(動作モード設定部)
動作モード設定部35は、ロボット1を動作させるモードとして、適温化モードを有効な状態または無効な状態に設定する。動作モード設定部35は、切替えタイミング設定部36の設定に基づく所定のタイミングで、ロボットを動作させるモードとして、適温化モードを有効な状態または無効な状態に設定する。なお、ロボットを動作させるモードは、必要に応じて適温化モードを有効な状態に設定することが好ましい。しかしながら、動作モード設定部35は、ロボット1を動作させるモードとして、適温化モードを常に有効な状態にしてもよい。
ロボットを動作させるモードとして適温化モードが有効な場合には、センサ温度判定部によってトルクセンサの温度状態が適温の状態でないと判定された場合に、動作指令部は、該当するトルクセンサが備えられた関節軸における速度および加速度のうち少なくとも一方を制限して小さくしたり、関節部の負荷が小さくなるようにロボットの動作を変更したりする。動作指令部43は、トルクセンサの温度状態が適温状態となるように、または、トルクセンサの温度状態が適温状態に近づくように制御する。
動作モード設定部35は、ロボットシステムに備えられる装置であれば、どの装置に含まれてもよい。例えば、動作モード設定部は、ロボットと別体の制御装置、ロボット内部に配置される制御装置、ロボットに一体的に備えられる制御装置、または、ロボット駆動部に配置されてもよい。または、動作モード設定部、切替えタイミング設定部、および動作指令部を備える装置を、ロボットと通信可能な外部ネットワークに接続するようにしてもよい。
(切替えタイミング設定部)
切替えタイミング設定部36は、適温化モードを有効な状態または無効な状態に切り替えるタイミングを設定する。ここで、適温化モードを有効な状態または無効な状態に切り替えるタイミングとしては、所定の時、所定の状態の時、所定の条件が成立した時、または、所定の条件が失敗した時等の、時点または条件などを指定することができる。
切替えタイミング設定部は、適温化モードを有効な状態または無効な状態に切り替えるタイミングとして、ロボットが所定の動作を実行した後、ロボットが所定の動作を実行する前、または、所定の時刻を採用することができる。または、切り替えるタイミングとして、ロボットが所定の動作を開始する時に対して所定の時間だけ前、または所定の時間だけ後を採用することができる。または、切り替えるタイミングとして、ロボットが所定の動作を終了する時に対して所定の時間だけ後または所定の時間だけ前を採用することができる。または、切り替えるタイミングとして、所定の信号が入力された時または切断された時を採用するように構成してもよい。
切替えタイミング設定部は、ロボットが作業者または周囲の装置などと接触する可能性が高い状況となる前に適温化モードを有効な状態にすることができる。特に、なるべく無駄な時間がないように事前に適温化モードを有効にすることができる。また、切替えタイミング設定部は、必要な状況でのみ適温化モードを有効な状態にしてロボットを駆動することができる。
切替えるタイミングを設定する方法の一例としては、ロボットを駆動する動作プログラムにおいて、所定の動作を実行する命令文の後に、適温化モードを有効にする命令文を入れることができる。所定の時間の設定が必要な場合は、動作の前または後の時間を設定する命令文を入れることができる。または、適温化モードを有効にする命令文の属性として時間の設定が可能にするなど、明示的な実行の命令文または設定の命令文を挿入するようにしてもよい。
また、所定の動作を実行する命令文のプロパティとして、どのタイミングで適温化モードを有効または無効にするかなどの条件を設定することができるようにしてもよい。例えば、動作プログラムの命令文のプロパティとして、適温化モードを有効または無効に設定するロボットの動作の状態、所定の動作の前または後の時間、所定の動作における適温化モードを実行する条件、所定の信号が入力または切断された場合、または設定を切り替える時刻などを設定することができるようにしてもよい。
また、ロボットに備えられる制御装置、ロボットに接続された入力装置、または、通信ネットワークでロボットに接続された装置から、ロボットが所定の動作を実行した後、ロボットが所定の動作を実行する前、所定の時刻、ロボットが所定の動作を開始する時に対して所定の時間だけ前または所定の時間だけ後、ロボットが所定の動作を終了する時に対して所定の時間だけ後または所定の時間だけ前、または、所定の信号が入力または切断された時などのタイミングを設定可能なようにしてもよい。この場合に、例えば、作業者が、ロボットとネットワークにて接続された通信機器を用いて、ロボットが現在実行している作業を確認して、すぐに適温化モードを有効にしたり、所定のタイミングで適温化モードを有効にしたり、作業者の任意のタイミングで適温化モードを有効にしたりすることができる。また、作業者は、ロボットと協働で作業を行う前に、ロボットを駆動するモードを適温化モードが有効な状態にして、作業を実際に行うときにトルクセンサの温度状態を適温状態にしておくことができる。
切替えタイミング設定部は、所定の時刻に適温化モードを有効な状態または無効な状態に切り替えるようにしてもよい。この制御によって、作業者がロボットと協働で作業を行う工程の時間に合わせて、ロボットの適温化モードを有効な状態または無効な状態にすることができる。なお、作業者がロボットとの作業が終了したときに、信号を入力するなどして、ロボットの適温化モードを無効な状態にするようにしてもよい。
図6を参照して、第2のロボットシステム7は、ロボット1が配置されている監視領域に作業者が存在するか否かを検出する作業者検出装置25を備える。第2のロボットシステム7では、ロボット1が配置されている領域に作業者が存在するときに、ロボット1の動作モードを通常動作モードから適温化モードに切り替えることができる。本実施の形態の作業者検出装置25は、作業者の監視領域への進入を検出する進入検出装置25aと、作業者の監視領域からの退出を検出する退出検出装置25bとを含む。
進入検出装置25aは、ロボット1が駆動する所定の領域内に作業者がこれから入ること、または入ったことを検出する。切替えタイミング設定部36は、進入検出装置25aによってロボットが駆動する所定の領域内に作業者が入ること、または入ったことが検出されたタイミングで、適温化モードを有効な状態にしてもよい。
退出検出装置25bは、ロボット1が駆動する所定の領域内から作業者が出ること、または出たことを検出する。切替えタイミング設定部36は、退出検出装置25bによってロボット1が駆動する所定の領域から作業者が出ること、または出たことが検出されたタイミングで、適温化モードを無効な状態にしてもよい。
進入検出装置25aおよび退出検出装置25bのそれぞれの装置は、ライトカーテン、レーザスキャナ、TOF(Time-of-Flight)カメラ、2次元映像を取得するカメラ、または、複数のカメラを含む3次元計測器などの任意の計測装置により構成することができる。進入検出装置25aおよび退出検出装置25bは、作業者が所定の監視領域に入ったこと、これから入ること、または、作業者が監視領域から出たこと、これから出ることを検出または推定することができれば、どのような装置であっても構わない。なお、作業者がこれから監視領域に入ること、または、こらから監視領域から出ることの検出方法は、任意の検出方法であってよい。例えば、作業者の移動方向を計測したり、1つまたは複数の地点の通過を計測したり、作業者と所定の地点との距離を計測したりなどすることによって、作業者の動作を予測して検出するなどの検出方法を採用することができる。作業者が監視領域に入ったこと、または監視領域から出たことの検出方法は、監視領域内に作業者が存在するか否かを検出する任意の方法であってよい。また、進入検出装置25aおよび退出検出装置25bは、単一の装置によって実現するようにしてもよい。
また、進入検出装置および退出検出装置は、別の工程の制御装置または工程を管理する装置から、作業者がロボットシステムの所定の領域内にこれから入ること、入ったこと、これから出ること、または、出たことを通知されるように構成してもよい。この構成によって、作業者が所定の監視領域に入ったこと、これから入ること、または、作業者が監視領域から出たこと、これから出ることを検出または推定するようにしてもよい。
進入検出装置25aおよび退出検出装置25bが監視する領域は、ロボットが駆動可能な全ての領域、ロボットが駆動可能な領域のうち一部の領域、または、作業者により予め定められた領域などを採用することができる。監視する領域を、作業者とロボットとが接触する可能性の高い領域などのロボットが駆動可能な領域の一部の領域とすることにより、限定的な状況でロボットの動作モードを適温化モードに設定することができる。
また、監視領域を作業者により予め定められた領域にする場合には、予め定められた領域をロボットが駆動可能な領域の外側に設定することができる。予め定められた領域を作業者が通過した場合に、ロボットが駆動可能な領域に作業者が入る前に、適温化モードを有効にすることができる。または、作業者は、ロボットが駆動可能な領域から確実に離れた後に、適温化モードを無効にすることができる。
切替えタイミング設定部は、適温化モードを有効な状態または無効な状態に切り替えるタイミングとして、ロボットが所定の動作を実行した後、または、ロボットが所定の動作を実行する前、または、所定の時刻の時点で、トルクセンサの温度状態が適温状態になるように、適温化モードを有効な状態または無効な状態に切り替えるタイミングを設定可能なように構成してもよい。この場合に、ロボットの動作中におけるトルクセンサが備えられた関節軸における動作とトルクセンサの温度状態の関係とに基づいて、適温化モードを有効な状態または無効な状態に切り替えるタイミングを設定するように構成してもよい。
切替えタイミング設定部は、ロボットが動作したとき、または、一時停止したときなどの所定の時間において所定の動作を行ったときの、ロボットの各関節軸におけるロボット駆動モータの回転位置、速度、および加速度の値を、監視および記録しておくことができる。更に、切替えタイミング設定部は、これらの値と共に、トルクセンサに備えられた温度検出部の出力値、温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値に基づく値などのトルクセンサの温度状態に関わる値、および、その時間的な変化の値を監視および記録しておくことができる。
切替えタイミング設定部は、現時点から所定の時間前までに取得したデータ、予め定められた動作を実行させて取得したデータ、または、過去に取得したデータに基づいて、データテーブルを持つことができる。切替えタイミング設定部は、取得したデータを基に、それぞれの関節軸におけるロボット駆動モータの速度、加速度、およびトルクセンサの温度状態の関係式のパラメータを求めるように構成しても構わない。
そして、切替えタイミング設定部は、関係式に基づいて、ロボットの各関節軸におけるロボット駆動モータの速度および加速度のうち少なくとも1つを小さくしたときのトルクセンサの温度状態の変化を推定することができる。切替えタイミング設定部は、ロボットが所定の動作を実行するのに必要と推定される時間を、ロボットの動作プログラム、設定または指定された動作、および、位置、速度、加速度などの動作情報に基づいて算出することができる。切替えタイミング設定部は、ロボットが所定の動作を実行した後、ロボットが所定の動作を実行する前、または、所定の時刻の時点で、トルクセンサの温度状態が適温状態となるように、適温化モードを有効な状態または無効な状態に切り替えるようにしてもよい。
切替えタイミング設定部は、例えば、作業者がロボットと協働で作業を行う時点までに、予めロボットの動作モードを適温化モードが有効な状態にして、トルクセンサの温度状態を適温状態にしておくことができる。
切替えタイミング設定部は、ロボットシステムに備えられる装置であれば、どの装置に含まれるように構成してもよい。例えば、切替えタイミング設定部は、ロボットとは別体の制御装置、ロボット内部に配置される制御装置、ロボットと一体的に形成される制御装置、または、ロボット駆動部に構成するなど、ロボットシステムに備えられる装置内に配置することができる。
(第2のロボットシステムの効果)
本実施の形態の第2のロボットシステム7では、トルクセンサ20の温度状態が適温状態となるようにロボットの動作を変更する時期または条件などのタイミングを設定することができる。通常はトルクセンサの温度状態が異常状態でない限りは、ロボットの動作を変更せずに駆動する。そして、ロボットが作業者または周囲の装置などと接触する可能性が高い状況となる前に、特に、無駄なく事前に、ロボットの関節部の温度を適温状態にしておくことができる。また、トルクセンサの計測精度を優れた状態にすることができる。更に、必要な状況でのみ、ロボットの関節部の温度を適温状態にしておくことができる。
この制御により、ロボットが作業者または周囲の装置に接触する時には、トルクセンサの温度状態が良くなるようにすることができる。ロボットの関節部の温度が作業者にとって熱くないなどの適温状態となるようにすることができる。ロボットの関節部が周囲の環境によって温度が不適切に変化している場合に、安全にロボットを駆動できるようにロボットの動作を変更することができる。特に、ロボットの動作の変更を必要なときに制限することができる。
ロボットが作業者または周囲の装置などと接触する可能性が低い状況では、ロボットを通常の動作にて動かすことができる。このために、ロボットシステムの作業時間を短くしたり、ロボットシステムに多くの作業をさせたり、ロボットの関節部に負荷がかかるような状況でも連続的に動作させたりすることができる。
また、ロボットの動作時にトルクセンサの温度状態が適切でない関節部については、駆動部の負荷が比較的大きいことが予想される。ロボットの関節部の負荷を小さくする必要性が高いときに、負荷が大きい動作に伴う関節部の負荷を低下することができる。この制御により、ロボットの故障の発生を回避したり、故障の発生までの時間間隔を延ばしたりすることができる。
(第3のロボットシステム)
図7に、本実施の形態における第3のロボットシステムのブロック図を示す。第3のロボットシステム8では、ロボット1が表示部を含み、制御装置4が表示制御部を含む構成が、第1のロボットシステム6と異なる。その他の第3のロボットシステム8の構成、作用。および効果は、第1のロボットシステム6と同様である(図3を参照)。
第3のロボットシステム8のロボット1は、予め定められた情報を表示する表示部50を備える。表示部50は、後述するように、ロボット1の関節部に対応して配置されている。本実施の形態の表示部50は、ロボット1の関節部または関節部の近傍に配置されている。表示部50は、液晶表示パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)表示パネルなどの任意の表示パネルにて構成することができる。または、表示部50が文字または図形等を表示せずに色彩を変化させる場合には、表示部50は複数の発光ダイオード等のライトにより構成されていても構わない。
制御装置4の動作制御部31は、表示部50の表示を制御する表示制御部37を含む。表示制御部37は、演算処理装置のプロセッサに相当する。プロセッサは、動作プログラム41を読み込んで、動作プログラム41に定められた制御を実施することにより、表示制御部37として機能する。その他の第3のロボットシステム8の構成は、第1のロボットシステムと同様である(図3を参照)。
(表示部)
図8に、本実施の形態における第1の表示部を備えるロボットの概略図を示す。図8に示すロボット1には、平面形状が円形の第1の表示部51a~51cが配置されている。第1の表示部51a~51cは、ロボット1のそれぞれの関節部17に配置されている。第1の表示部51a~51cは、文字または模様等の任意の画像を表示可能な表示パネルにて構成されている。
表示部は、トルクセンサ20の温度検出部24の出力値およびセンサ温度判定部34の判定結果のうち少なくとも1つに基づいて、色彩、文字、図形、および模様のうち少なくとも1つを変えるように表示することができる。また、表示部は、トルクセンサの温度状態に関わる値または判定結果などに応じて表示を変えることができる。
また、表示部は、各トルクセンサの温度状態を示すように、トルクセンサが備えられた関節軸ごとに配置されることが好ましい。表示部は、それぞれのトルクセンサが備えられた関節軸から所定の閾値の距離の範囲内に配置されることが好ましい。すなわち、表示部は、関節軸の近傍に配置されることが好ましい。この構成を採用することにより、作業者は、表示部が表示する情報に対応する関節軸を容易に認識することができる。
表示部は、トルクセンサの温度状態に関わる値もしくはセンサ温度判定部の判定に関わる値、または、その値に基づく色彩、文字、図形、および模様を表示することができる。表示部が表示する情報は、例えば、各トルクセンサの温度、所定の時間におけるトルクセンサの温度変化の値である。所定の時間の間隔は、制御周期または数分毎など任意の長さの時間であってよい。または、所定の時間は、所定の動作の終了時などのロボットの動作で定まるタイミングであってもよい。または、表示部が表示する情報は、温度検出部を構成する各温度センサの値、各温度センサの所定時間の変化の値、複数の温度センサが配置される場合には他の温度センサとの差分、または、その差分の時間的な変化の値であってもよい。
また、表示部が表示する情報は、トルクに関する値が温度補償される時に補償に関する値もしくはその比率、または、その値に基づく色彩、文字、図形、および模様であってもよい。例えば、表示部が表示する情報は、温度補償時にトルクに関する値を補償する値、温度補償時にトルクに関する値に掛ける係数、温度補償時に温度補償されたトルクに関する値を算出する際に使用される係数、温度補償時に変位検出器によって検出される値に掛ける係数であってもよい。
また、表示部が表示する情報は、温度補償における係数の値、その係数が温度補償によって変更される時の差分もしくは相対比などの補償される変数の値、または、温度補償を実施する時に変化する値であって、温度補償されたトルクに関する値の算出に関わる値であってもよい。また、表示部が表示する情報は、その値に基づく色彩、文字、図形、および模様であってもよい。また、表示部が表示する情報は、トルクセンサの温度状態に関わる値の良さの度合、センサ温度判定部の判定に関わる値の良さの度合、センサ温度判定部の判定結果の良さの度合、または、トルクセンサの温度状態の良さの度合であってもよい。表示部は、変数の値または良さの度合などに基づいて、色彩、文字、図形、および模様のうち少なくとも1つを時間の経過と共に変えて表示することが好ましい。または、表示部は、指定された瞬間の状態を表示することが好ましい。
図8に示す例では、第1の表示部51a~51cは、センサ温度判定部によって求められたトルクセンサの温度状態の良さの度合に応じて色彩が変更されている。表示部は、トルクセンサの温度状態が最も悪い状態の時に表示される色が赤色となるように段階的に色を変えることができる。
表示部51a~51cは、トルクセンサの温度状態の判定結果に応じて表示する色を変える場合に、良好な状態であれば緑色、やや悪化している状態であれば黄色、悪い状態であれば赤色を表示するようにしてもよい。ここでは、表示部51aが赤色を表示し、表示部51bが黄色を表示し、表示部51cが緑色を表示している。また、表示部は、トルクセンサの温度状態に応じて、明るさを変えるようにしてもよい。例えば、表示部は、トルクセンサの温度状態が悪い状態のときには明るくなり、トルクセンサの温度状態が良い場合には暗くなるように表示してもよい。
図9に、本実施の形態における第2の表示部を備えるロボットの概略図を示す。図9に示すロボット1には、帯状の第2の表示部52a~52cが配置されている。表示部52a~52cは、トルクセンサが配置される関節部17の近傍に配置されている。表示部52a~52cは、関節軸に対応して配置されたトルクセンサによってトルクが検出可能なロボットの構成部材に配置されている。表示部52a~52cは、上部アーム11等の構成部材を囲むように形成されている。表示部52a~52cは、構成部材の周方向に延びるように構成部材に巻かれている。
図9に示す例では、図8と同様に、表示部52a~52cは、トルクセンサの温度状態の判定結果に応じて表示する色が変更されている。ロボット1の構成部材を囲む形状を有する第2の表示部52a~52cを採用することにより、作業者は、様々な方向から表示部52a~52cを見ることができる。ロボット1が位置および姿勢を変更しても、作業者は、表示部52a~52cの表示を確認することができる。
図10に、本実施の形態における第3の表示部を備えるロボットの概略図を示す。図10に示すロボット1には、細長く延びる形状を有する第3の表示部53a~53cが配置されている。表示部53a~53cは、トルクセンサが配置された関節軸から所定の距離の範囲内に配置されるようにしてもよい。表示部53a~53cは、トルクセンサを備える各関節軸の近傍に配置されている。
それぞれの表示部53a~53cは、関節軸からトルクセンサによってトルクの検出が可能なロボットの構成部材に向かって延びるように配置されている。例えば、表示部53aは、下部アーム12が駆動する時のトルクを検出するトルクセンサに対応して配置されている。表示部53aは、下部アーム12と旋回ベース13との間の関節部17から下部アーム12に向かって延びるように配置されている。表示部53aは、下部アーム12と共に移動する。ここでの例では、表示部53a~53cは、図8と同様に、トルクセンサの温度状態の判定結果に応じて、表示する色を変更している。なお、トルクセンサによってトルクを検出する方向が、互いに隣り合う関節軸同士をつなぐアーム(リンク)の中心軸の周りになる場合には、関節部を囲むように表示部を形成してもよい。
図11に、本実施の形態における第4の表示部を備えるロボットの概略図を示す。図11に示すロボット1には、細長く延びる形状を有する第4の表示部54a~54cが配置されている。第4の表示部54a~54cの形状および配置される位置は、第3の表示部53a~53cと同様である。表示部54a~54cは、トルクセンサが配置された関節軸から所定の距離の範囲内に配置されるようにしてもよい。
第4の表示部54a~54cは、トルクセンサの温度検出部の出力値およびセンサ温度判定部の判定結果のうち少なくとも1つに基づいて、色彩、文字、図形、および模様のうち少なくとも1つを変えるように表示する領域を2つ以上含む。表示部54a~54cは、2つの情報を表示する場合に、関節部の中心近傍から、トルクセンサにてトルクの検出が可能な構成部材の方向に向かって延びるように配置することができる。
表示部54a~54cにおいて、関節軸に近い側の一方の部分については、トルクセンサの温度の大きさに応じた色を表示することができる。例えば、トルクセンサの温度が低ければ青色を表示し、温度が高ければ赤色を表示するように、温度の大きさに応じた色を表示する。関節軸から遠い側の他方の部分(表示部におけるロボットの先端に向かう側の部分)については、トルクセンサの温度補償に関わる状態の良さの度合いに応じた色を表示することができる。例えば、温度補償が良好な状態であれば青色を表示し、温度補償が悪い状態であれば赤色を表示する。良い状態と悪い状態との間の状態は、トルクセンサの温度補償に関わる状態の良さの度合に応じた色を表示する。
また、関節軸が配置されている側と反対側の他方の部分に、出力値または判定結果に基づく色を表示して、その色の上に、別の出力値または判定結果に基づく数値を表示するようにしてもよい。また、別の表示例として、表示部において複数の状態を示すように、トルクセンサの温度状態に関連する状態に応じた色彩または模様を表示した部分の上に、トルクセンサの温度状態の別の状態に関わる値などの文字を表示するようにしてもよい。
(表示部が表示する画像の例)
次に、図12から図19を参照して、表示部に表示される画像の具体的な例について説明する。図12から図19では、図8の第1の表示部51a~51cと同様に、平面形状が円形であり、関節部17に配置される表示部55が例示されている。また、トルクセンサの温度状態が良い時からトルクセンサの温度状態が悪い時まで、表示部55の表示が変化する様子が示されている。それぞれの図では、温度状態が良い時の画像、温度状態がやや悪い時の画像、および温度状態が悪い時の画像が示されている。
表示部55は、液晶表示パネルなどの任意の画像を表示可能な表示パネルにて構成されている。表示部55は、色彩、文字、図形、および模様のうち少なくも一つを表示することができる。図7を参照して、動作制御部31の表示制御部37は、動作プログラム41に基づいて表示部50に表示される画像を制御する。
図12に、表示部に表示される第1の画像を示す。トルクセンサの温度状態が良い場合には、表示部55は、緑色の背景の上に温度状態が良いと表示している。温度状態がやや悪くなると、矢印92に示すように画像が変化する。温度状態がやや悪い場合には、表示部55は、黄色の背景の上に温度状態がやや悪いと表示している。更に、温度状態が悪くなると、矢印93に示すように画像が変化する。温度状態が悪い場合には、表示部55は、赤色の背景の上に温度状態が悪いと表示している。
このように、表示部55は、トルクセンサの温度状態または判定結果などの任意の情報を文字にて表示することができる。また、表示部は、色彩と組み合わせて文字を表示することができる。表示部55は、それぞれの関節部に配置されている。そして、表示部55は、表示部55が配置されている関節部の状態を示すように表示を変更することができる。作業者は、関節部に配置された表示部55の表示を見ることにより、それぞれの関節部の状態を把握することができる。
図13に、表示部に表示される第2の画像を示す。第2の画像では、トルクセンサ20の温度状態に対応した色に重ねてに、トルクセンサ20の温度およびロボット駆動モータ19の回転速度が表示されている。トルクセンサ20の温度状態が良い場合には、表示部55は、緑色の背景の上に温度が25℃と表示し、回転速度が20deg/sと表示している。温度状態がやや悪くなると、矢印92に示すように表示が変更される。黄色の背景に重ねて温度が42°と表示され、回転速度が50deg/sと表示される。更に、温度状態が悪くなると、矢印93に示すように、表示が変更される。赤色の背景に重ねて温度が51℃と表示され、回転速度が100deg/sと表示される。このように、トルクセンサの温度、およびロボット駆動モータの速度等の変数を数値にて表示しても構わない。
図14に、表示部に表示される第3の画像を示す。第3の画像では、表示部55は、トルクセンサの温度およびロボット駆動モータの回転速度の他に、様々な情報を表示している。第3の画像では、ロボット駆動モータが駆動しているか否かの情報(State)、実行している動作プログラムの名称(Prog.)、時間、および日付が表示されている。このように、表示部55には、ロボット1の駆動またはロボット1の作業などに関する任意の情報を表示することができる。また、作業者が表示部55に表示する項目を、動作プログラムの指令文等にて選定できるように形成されていても構わない。
図15に、表示部に表示される第4の画像を示す。作業者がダイレクトティーチによる教示作業を行ったり、ロボットと協働作業を行ったりする場合には、作業者はロボットに直接的に接触する。第4の画像は、作業者がロボットに直接的に接触する場合に表示することができる。第4の画像では、トルクセンサの温度に応じて背景の色が変更されている。
トルクセンサの温度状態が良い場合および温度状態がやや悪い場合には、関節部は、作業者が接触しても熱いと感じない温度であるために、接触してもよいと表示されている。トルクセンサの温度状態が悪い場合には、関節部は、作業者が接触すると熱いと感じる温度であるために、注意するように表示される。作業者は、表示部55の表示を見ることにより、関節部に接触する時に注意が必要か否かを認識することができる。なお、表示部55は、トルクセンサの温度状態が更に悪化したときに、作業者の接触を禁止する表示を行っても構わない。
図16に、表示部に表示される第5の画像を示す。第5の画像では、表示部55は、模様を表示する。トルクセンサの温度状態に応じて、模様を変化させている。温度状態が良い場合には、色彩が付された小さい模様が表示されている。矢印92および矢印93に示すように、温度状態が悪くなるほど模様が大きく、凹凸の数が多い状態にて表示される。作業者は、表示部55に表示される模様の大きさおよび形状に基づいて、トルクセンサの温度状態を認識することができる。
図17に、表示部に表示される第6の画像を示す。第6の画像は、トルクセンサの温度状態に応じて図形を変化させている。第6の画像では、トルクセンサの温度状態が良い場合には、円形の図形が示されている。矢印92に示すように温度状態が変化して、トルクセンサの温度状態がやや悪い場合には、矢印の図形が示されている。矢印93に示すように、更に温度状態が悪くなると、矢印の図形が大きく表示されている。このように、表示部55は、関節部のトルクセンサの温度状態に応じて図形の形状を変化させても構わない。
図18に、表示部に表示される第7の画像を示す。第7の画像では、トルクセンサの温度状態に応じて模様を変化させている。図18に示す画像では、水平方向に延びる棒状のインジケータが表示されている。矢印92,93に示すようにトルクセンサの温度状態が悪化するほど、インジケータが上昇するように画像が変化する。また、インジケータの内部の模様は、トルクセンサの温度状態の悪化に伴って変化している。ここでは、温度状態の悪化に伴って、矢印92に示すように点状の模様から斜線の模様に変化し、矢印93に示すように斜線の模様から網目の模様に変化している。また、インジケータの長さに伴って表示する色を変えてもよい。
図19に、表示部に表示される第8の画像を示す。第8の画像は、表示部55の輪郭を用いて顔の図形が表示されている。トルクセンサの温度状態に応じて、顔の表情を変化させている。矢印92,93に示すように、トルクセンサの温度状態が悪くなるほど、顔の表情が悪くなるように画像が変化する。また、顔の表情に応じて、表示する色を変えてもよい。
(第3のロボットシステムの効果)
第3のロボットシステム8では、ロボット1の関節部17に備えられるトルクセンサ20の温度状態を表示する表示部50を、トルクセンサ20が配置された関節部17または関節軸17の近傍に配置している。この構成を採用することにより、ロボットの関節軸に備えられたトルクセンサの温度状態または関節部の温度状態を直観的に分かるようにすることができる。または、ロボットの関節軸に備わるトルクセンサのトルクデータの温度補償の状況、またはトルクの検出精度などの状況を表示して、作業者が直観的に分かるようにすることができる。
また、ロボットに作業者が接触する場合であっても、作業者が接触する部分が予期しない温度状態であったり、トルクセンサの検出精度が低下したりしていることを事前に知ることができる。例えば、作業者は、高温の関節部の接触を回避して別の関節部に接触するようにしても構わない。
前述の実施の形態においては、トルクセンサの温度が高くなるにつれて、トルクセンサの温度状態が悪くなる例を取り上げて説明したが、この形態に限られない。トルクセンサの温度が低くなるほど、トルクセンサの温度状態が悪くなる場合が有る。例えば、ロボットが配置される場所の気温が低すぎる場合に、トルクセンサの温度が非常に低くなる場合がある。この結果、トルクセンサが出力するトルクデータの誤差が大きくなる場合が有る。この場合においては、トルクセンサの温度状態について、適温状態よりも温度が低い異常状態を設定することができる。また、上記の実施の形態と同様に、トルクセンサの温度状態が適温状態でもなく異常状態でもない場合に、トルクセンサが配置されている関節軸におけるロボット駆動モータの速度および加速度のうち少なくとも一方を小さくする制御を実施することができる。
上記の実施の形態は、適宜組み合わせることができる。上述のそれぞれの制御においては、機能および作用が変更されない範囲において適宜ステップの順序を変更することができる。
上述のそれぞれの図において、同一または相等する部分には同一の符号を付している。なお、上記の実施の形態は例示であり発明を限定するものではない。また、実施の形態においては、請求の範囲に示される実施の形態の変更が含まれている。
1 ロボット
4 制御装置
6,7,8 ロボットシステム
17 関節部
18 回転位置検出器
19 ロボット駆動モータ
20 トルクセンサ
21 変位検出器
22 温度センサ
23 トルク検出部
24 温度検出部
25a 進入検出装置
25b 退出検出装置
32 換算部
33 温度補償部
34 センサ温度判定部
35 動作モード設定部
36 切替えタイミング設定部
42 記憶部
43 動作指令部
50 表示部
51a,51b,51c 表示部
52a,52b,52c 表示部
53a,53b,53c 表示部
54a,54b,54c 表示部
55 表示部

Claims (14)

  1. 関節軸に対応したトルクセンサを含むロボットを備えるロボットシステムであって、
    トルク検出部および温度検出部を含むトルクセンサと、
    前記トルク検出部の出力値および前記温度検出部の出力値に基づいて温度補償されたデータを求める温度補償部と、
    前記温度検出部および前記温度補償部のうち少なくとも1つの出力値に基づいて、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否か、および適温状態であるか否かを判定するセンサ温度判定部と、
    トルクセンサの温度状態が異常状態のトルクセンサがある場合に前記ロボットを停止させるように動作指令を変更し、トルクセンサの温度状態が異常状態でないかつ適温状態でないトルクセンサがある場合に該トルクセンサが配置された関節軸の速度および加速度のうち少なくとも一方を小さくするように前記ロボットの動作指令を変更する動作指令部と、を備える、ロボットシステム。
  2. 前記ロボットの関節軸に備えられたトルクセンサによって前記ロボットに作用するトルクを検出するように構成された前記ロボットを駆動するロボットシステムにおいて、
    トルクセンサを備えた関節軸を2つ以上含む、複数の関節軸で構成された前記ロボットと、
    前記ロボットを駆動する前記ロボットの動作指令を出力する前記動作指令部と、
    前記ロボットの関節軸に備えられるトルクセンサであって、トルクセンサに作用するトルクを検出する前記トルク検出部およびトルクセンサの温度状態を検出する前記温度検出部を備えるトルクセンサと、
    前記トルク検出部の出力値および前記温度検出部の出力値に基づいて、温度補償されたトルクデータを求める前記温度補償部と、
    前記温度検出部の出力値と所定の閾値との比較の判定条件、前記温度検出部の所定の時間における出力値の変化の値と所定の閾値との比較の判定条件、前記温度補償部によって温度補償されたトルクデータの補償値と所定の閾値との比較の判定条件、および前記温度検出部の出力値と前記ロボットの他の関節軸に備えられるトルクセンサにおける前記温度検出部の出力値との比較の判定条件のうち少なくとも1つの判定条件と、所定の判定条件の判定値とで構成される異常状態判定条件を用いてトルクセンサの温度状態が異常状態であるか否かを判定し、さらに、トルクセンサの温度状態が異常状態でないときに、別に用意される判定条件のうち少なくとも1つの別の判定条件と別の所定の判定値にて構成される適温状態判定条件を用いてトルクセンサの温度状態が適温状態であるか否かを判定する前記センサ温度判定部と、を備え、
    前記動作指令部は、前記センサ温度判定部によって、トルクセンサの温度状態が異常状態であると判定されるトルクセンサが存在する場合に、前記ロボットを停止させるように動作指令を変更して出力し、
    トルクセンサの温度状態が異常状態であると判定されるトルクセンサが存在しない場合に、前記センサ温度判定部によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸の速度および加速度のうち少なくとも1つが所定の値以下となるように前記ロボットの所定の動作指令を変更する制御、または、前記センサ温度判定部によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸の速度および加速度のうち少なくとも1つに対して所定の割合を乗じて小さくするように前記ロボットの所定の動作指令を変更する制御を実施する、請求項1に記載のロボットシステム。
  3. 前記ロボットを駆動するモードとしての適温化モードを有効な状態または無効な状態に設定する動作モード設定部と、
    前記適温化モードを有効な状態または無効な状態に切り替えるタイミングを設定する切替えタイミング設定部と、を備え、
    前記動作モード設定部は、前記切替えタイミング設定部の設定に基づく所定のタイミングで、前記適温化モードを有効な状態または無効な状態に設定する、請求項2に記載のロボットシステム。
  4. 前記切替えタイミング設定部は、前記適温化モードを有効な状態または無効な状態に切り替えるタイミングとして、前記ロボットが所定の動作を実行した後、前記ロボットが所定の動作を実行する前、所定の時刻、前記ロボットの所定の動作の開始時に対して所定の時間だけ前もしくは所定の時間だけ後、前記ロボットの所定の動作の終了時に対して所定の時間だけ後もしくは所定の時間だけ前、または、所定の信号が入力もしくは切断された時のタイミングを設定する、請求項3に記載のロボットシステム。
  5. 前記切替えタイミング設定部は、前記適温化モードを有効な状態または無効な状態に切り替えるタイミングとして、前記ロボットが所定の動作を実行した後、前記ロボットが所定の動作を実行する前、または所定の時刻において、トルクセンサの温度状態が適温状態となるように、前記ロボットの動作中におけるトルクセンサが備えられた関節軸における動作とトルクセンサの温度状態との関係に基づいて、前記適温化モードを有効な状態または無効な状態に切り替えるタイミングを設定する、請求項3に記載のロボットシステム。
  6. 前記ロボットが駆動する所定の領域内に作業者が入ることまたは入ったことを検出する進入検出装置を備え、
    前記切替えタイミング設定部は、前記進入検出装置によって前記ロボットが駆動する所定の領域内に作業者が入ることまたは入ったことが検出されたタイミングで、前記適温化モードを有効な状態する、請求項3に記載のロボットシステム。
  7. 前記ロボットが駆動する所定の領域内から作業者が出ることまたは出たことを検出する退出検出装置を備え、
    前記切替えタイミング設定部は、前記退出検出装置によって前記ロボットが駆動する所定の領域内から作業者が出ることまたは出たことが検出されたタイミングで、前記適温化モードを無効な状態する、請求項3に記載のロボットシステム。
  8. 前記センサ温度判定部は、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否か、または適温状態であるか否かの判定において、トルクセンサが備えられる関節軸の部位に応じた判定条件と判定値とを用いる、請求項1から7のいずれか一項に記載のロボットシステム。
  9. 前記センサ温度判定部は、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否か、または適温状態であるか否かの判定において、前記温度検出部の出力値および前記温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値のうちの少なくとも1つの値に基づいて、トルクセンサの温度状態の良さの度合を求め、トルクセンサの温度状態の良さの度合と所定の閾値との比較の判定条件および判定値を用いる、請求項1から8のいずれか一項に記載のロボットシステム。
  10. 前記センサ温度判定部は、トルクセンサの温度状態が異常状態であるか否か、または適温状態であるか否かの判定において、前記温度検出部の出力値と、前記温度検出部の所定時間における出力値の変化の値と、前記温度補償部によるトルクデータの温度補償に係る値として検出されたトルクデータに対して温度補償する値または検出されたトルクデータに対する温度補償に係る係数とを所定の多項式に代入することによって求められる値を、トルクセンサの温度状態の良さの度合として求め、トルクセンサの温度状態の良さの度合と所定の閾値との比較の判定条件および判定値を用いる、請求項1から8のいずれか一項に記載のロボットシステム。
  11. 前記動作指令部は、前記センサ温度判定部によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸の速度および加速度のうち少なくとも1つが、トルクセンサの温度状態の良さの度合に応じた所定の値以下となるように前記ロボットの所定の動作指令を変更する制御、または、前記センサ温度判定部によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸の速度および加速度のうち少なくとも1つに対してトルクセンサの温度状態の良さの度合に応じた所定の割合を掛けて小さくするように前記ロボットの所定の動作指令を変更する制御を実施する、請求項9または10に記載のロボットシステム。
  12. 前記動作指令部は、前記ロボットの所定の動作指令に対して、前記センサ温度判定部によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸の速度および加速度のうち少なくとも1つを小さくする場合に、前記センサ温度判定部によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸が複数存在する時に、
    前記センサ温度判定部によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸の速度を小さくするときには、前記センサ温度判定部によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸の速度を小さくする比率が最も小さい値を用いて、前記ロボットの全ての関節軸について、前記ロボットの所定の動作に対して全ての関節軸の速度を小さくするように前記ロボットの動作指令を変更し、
    前記センサ温度判定部によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸の加速度を小さくするときには、前記センサ温度判定部によって適温状態でないと判定されたトルクセンサが備えられた関節軸の加速度を小さくする比率が最も小さい値を用いて、前記ロボットの全ての関節軸について、前記ロボットの所定の動作に対して全ての関節軸の加速度を小さくするように前記ロボットの動作指令を変更する、請求項1から11のいずれか一項に記載のロボットシステム。
  13. 前記ロボットは、前記温度検出部の出力値および前記センサ温度判定部の判定結果のうち少なくとも一方に基づいて、色彩、文字、図形、および模様のうち少なくとも1つを変えるように表示する表示部を含み、
    前記表示部は、トルクセンサを備えた関節軸から所定の閾値以内の距離の範囲内に配置されている、請求項1から12のいずれか一項に記載のロボットシステム。
  14. 前記ロボットは、前記センサ温度判定部によって求められたトルクセンサの温度状態の良さの度合に応じて、トルクセンサの温度状態が悪い状態のときに表示される色が赤色となるように段階的に色を変える表示部を含み、
    前記表示部は、トルクセンサを備えた関節軸から所定の閾値以内の距離の範囲内に配置されている、請求項9から11のいずれか一項に記載のロボットシステム。
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