背景
[0001]本発明の開示内容は、一般的に、座標測定機に関し、より具体的には、高精度な超軽量可搬式座標測定機に関する。
[0002]座標測定機は、とりわけ、3次元空間における地点を測定するのに役立つ。座標測定機は、たとえば、デカルト座標空間(x、y、x)の測定地点をトレースする。座標測定機は、典型的には、スタンドおよびトレースシステムから成る。スタンドは、基準地点として機能させてもよいが、トレースシステムが基準地点に対して、測定可能な方法で空間内を移動する。可搬式座標測定機用トレースシステムは、一端部でスタンドに取り付けられた関節アームと、他端部の測定プローブとを含んでもよい。
[0003]測定は、使用可能である為には正確でなければならない。しかしながら、非常に高精度を達成するのが難しいのは、温度および負荷条件のような要素のためである。特に、可搬式座標測定機において、熱の変化または負荷の変化に起因するアームの反りは、測定精度に悪影響を及ぼす。したがって、それらの性能という点で、慣例的な可搬式座標測定機は、慣例的な可搬式でない形式の座標測定機ほど正確ではなかった。
[0004]精度の改善が利用できる場合がある。しかしながら、慣例的に、そのような改善には、座標測定機の質量および/または重量の著しい増加が伴っていた。改善された精度の慣例的な可搬式座標測定機は、嵩張っており、重かった。これらは、座標測定機、特に、可搬式座標測定機としては、望ましくない特徴である。さらに、高精度測定を得る為に必要な精度で座標測定機のジョイント、特に、長いジョイントを構築して組み立てるプロセスは、利用できなかった。
[0005]本開示内容は、従来技術の座標測定機より高精度な可搬式座標測定機(CMM)を提供する。驚くべきことに、本書で開示されるCMMは、より軽量であり、嵩張らない。
[0006]本発明の第1態様において、CMMは、回転ジョイントを含み、この回転ジョイントのシャフトは、ジョイントのベアリングの内径部より大きな直径の部分を持たず、さらに/または、この回転ジョイントのハウジングは、ベアリング係合部分を有し、このベアリング係合部分は、ジョイントのベアリングの外径部より狭い直径の部分を持たない。
[0007]本発明の他の態様において、少なくとも一つの回転ジョイントは、回転ダンパを含み、この回転ダンパは、動作できるようにシャフトおよびハウジングに結合され、回転軸を中心としたシャフトの回転運動の制御された減衰を与えるように構成されている。
[0008]本発明の他の態様において、回転減衰は、少なくとも一つの回転ジョイントに組み込まれ、回転軸を中心としたシャフトの回転運動の制御された減衰を与える。
[0009]本発明の他の態様において、少なくとも一つの回転ジョイントは、回転軸を中心としたシャフトの回転運動の制御された減衰を与えるように構成された回転減衰機構と、動作できるように少なくとも一つのトランスデューサに接続され、角度信号および時間に基づき、回転軸を中心としたシャフトの回転運動の速度に対応する速度および方向信号を出力するように構成された回路と、を含み、上記回路は、速度信号を所定の速度閾値と比較し、回転運動が過剰な速度で発生し、過剰なトルクが生じたかを確定するように構成される。
[0010]本発明の他の態様において、少なくとも一つの回転ジョイントは、回転減衰機構と、少なくとも一つの歪ゲージとを含み、この回転減衰機構は、回転軸を中心にシャフトの回転運動の制御された減衰を与えるように構成され、少なくとも一つの歪ゲージは、動作できるようにシャフトおよびハウジングの少なくとも一つに結合され、回転軸を中心にシャフトの回転運動によるシャフトおよびハウジングのうちの少なくとも一つにおいて歪を感知し、歪信号に部分的に基づき測定プローブの場所を修正する為に使用可能な歪信号を出力するように構成される。
[0011] 本発明の他の態様において、複数のジョイントのうち少なくとも一つのジョイントでは、a)第1ベアリング及び第2ベアリングのうち少なくとも一つの内径部と係合するシャフトと、b)第1ベアリング及び第2ベアリングのうち少なくとも一つの外径部と係合するハウジングの部分とがスチールで製作される。
[0012]本発明の他の態様において、複数のジョイントからの第1ジョイントは、スチール構造体によって複数のジョイントからの第2ジョイントに取り付けられ、スチール構造体は、第1ジョイントのベアリングの内部または外部と接触し、あるいは、第2ジョイントのベアリングの内輪又は外輪と接触する。
[0013]本発明の他の態様において、複数の回転ジョイントのうち少なくとも一つの構造体部分の全ては、スチールで製作される。
[0014]本発明の他の態様において、複数のアームセグメントおよび複数の回転ジョイントを含むCMMの任意の構造体部分は制御された膨張合金で製作され、膨張合金は、重量がスチールより軽く、25℃で9.9~18μm/m°Cの範囲のスチールまたはステンレス鋼の熱膨張係数と一致する熱膨張係数を有する。
[0015]本発明の他の態様において、測定プローブは、第1端部に電気的ではなく機械的に動作できるように結合されたハンドルを含み、ハンドルは、測定プローブの中心軸を中心に回転するように第1端部に回転できるように結合され、ハンドルは、無線送信器と少なくとも一つのスイッチを含み、少なくとも一つのスイッチは、動作できるように無線送信器に接続され、作動されるとき、無線送信器に、CMMが測定を行わせる無線信号を送信させるように構成されている。
[0016]本発明の他の態様において、電気回路は、シリアル通信回路を含み、このシリアル通信回路は、専用取込みワイヤがアナログ信号およびCMM内の他のトランスデューサからの他の角度信号を受信する必要がなく、電気回路は、角度信号および他の角度信号の凝集を出力するように構成され、ベースに対する測定プローブの位置に対応した情報を与える。
[0017]本発明の他の態様において、シャフトは、中間部分と、中間部分の端部に取り付けられて固定された第1端部分および第2端部分とを含んでもよい。第1端部分および第2端部分は、1万分の1インチ(0.0001インチ)以内の同心であってもよい。第1端部分は、第1ベアリングの内径部と係合し、第2端部分は、第2ベアリングの内径部と係合する。シャフトは、第1ベアリング及び第2ベアリングの回転軸を中心に回転するように構成されている。第1ハウジングの端部は、第1ベアリングの外径部と係合する内径部を有し、第2ハウジングの端部は、第2ベアリングの外径部と係合する内径部を有する。第1ハウジングの端部および第2ハウジングの端部は、1万分の5インチ(0.0005インチ)以内の同心であってもよい。そのため、第1ベアリング及び第2ベアリングは、遊びをなくす為に予荷重がかけられてもよい。
[0018]本願明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付図面は、本発明の態様の様々な例示的実施形態を図示する、様々な実施例のシステム、方法などを図示する。図面において図示された要素の境界(例えば、ボックス、ボックスのグループ、他の形状)は、境界の一実施例を表すことが理解されよう。当業者は、一つの要素が複数の要素として設計可能であること、あるいは、複数の要素が一つの要素として設計可能であることを理解するであろう。他の要素の内部構成部分として示された要素は、外部構成部分として実施可能であり、外部構成部分として示された要素は、内部構成部分として実施可能である。さらに、要素は、縮尺どおりに描画されなくてもよい。
図1Aは、例示的座標測定機(CMM)の斜視図を図示する。
図1Bは、例示的座標測定機(CMM)の斜視図を図示する。
図1Cは、例示的座標測定機(CMM)の斜視図を図示する。
図1Dは、図1A-図1Cの例示的CMMの横断面図を図示する。
図2は、図1A-図1DのCMMの例示的ベースおよび旋回ジョイントの分解図を図示する。
図3Aは、図1A-図1DのCMMの例示的旋回ジョイントの一部分解図を図示する。
図3Bは、図1A-図1DのCMMの例示的旋回ジョイントの横断面図を図示する。
図3Cは、例示的旋回ジョイントの外部管にハウジング端部を組み付けるプロセスを図示する。
図3Dは、例示的旋回ジョイントの外部管にハウジング端部を組み立てるプロセスを図示する。
図3Eは、例示的旋回ジョイントの外管にシャフトおよびベアリングを組み立てるプロセスを図示する。
図4は、図1A-図1DのCMMの例示的旋回ジョイントの分解図を図示する。
図5Aは、図1A-図1DのCMMのヒンジジョイントの分解図を図示する。
図5Bは、図1A-図1DのCMMのヒンジジョイントの横断面図を図示する。
図6Aは、回転ダンパを含む、図1A-図1Dの例示的ヒンジジョイントの横断面図を図示する。
図6Bは、図1A-図1Dの例示的に計装された回転ダンパアセンブリの分解図を図示する。
図6Cは、図1A-図1Dの例示的に計装されない回転ダンパアセンブリの分解図を図示する。
図7Aは、図1A-図1DのCMMの例示的測定プローブの斜視図を図示する。
図7Bは、図1A-図1DのCMMの例示的な代替の測定プローブの斜視図を図示する。
図8は、図1A-図1DのCMMの例示的なオンアームスイッチアセンブリの斜視図を図示する。
図9は、図1A-図1DのCMMの為の例示的電子機器のブロック図を図示する。
図10Aは、図1A-図1DのCMMの為の例示的電子機器のタイミング図を図示する。
図10Bは、図1A-図1DのCMMの為の例示的電子機器のタイミング図を図示する。
図10Cは、図1A-図1DのCMMの為の例示的電子機器のタイミング図を図示する。
図10Dは、図1A-図1DのCMMの為の例示的電子機器のタイミング図を図示する。
図10E)は、図1A-図1DのCMMの為の例示的電子機器のタイミング図を図示する。
図10Fは、図1A-図1DのCMMの為の例示的電子機器のタイミング図を図示する。
図11Aは、慣例的なロングアームジョイントの為のシャフトの回転を示す例示的な軌道プロットを図示する。
図11Bは、本開示内容のCMMのロングアームジョイントの為のシャフトの回転を示す例示的な軌道プロットを図示する。
詳細な説明
[0033]図1A-図1Cは、例示的な座標計測器(CMM)1の斜視図を図示する。図1Dは、例示的CMM1の横断面図を図示する。CMM1は、関節アーム2,ベース4,測定プローブ6を含む。関節アーム2は、一端部でベース4に、他端部で測定プローブ6に取り付けられている。ベース4は、アーム2を、たとえば、動作面に取り付ける為に、たとえば、磁石ホルダ5を含んでもよい。関節アーム2は、2つのアームセグメント8,9と、多くの回転ジョイント12,14,16,18,20,22,24とを含む。CMMは、オンアームスイッチアセンブリ10を含んでもよい。
[0034]関節アーム2および/またはアームセグメント8,9の全長は、その意図された用途に応じて変えてもよい。一実施形態において、関節アームは、約48インチの全長を有してもよい。このアームの寸法は、可搬式CMMを提供するが、このCMMは、マイクロメータ、高さゲージ、カリパス等のような典型的なハンドツールを使用して達成される測定機に良く適している。関節アーム2は、より小さな寸法、または、より大きな寸法を有してもよい。
[0035]回転ジョイントは、一般的に2形式のジョイント、旋回ジョイント12,16,20,24およびヒンジジョイント14,18を有する。旋回ジョイント12,16,20,24は、アーム2に沿って略軸方向または長手方向に位置する。ヒンジジョイント14,18,22は、旋回ジョイントに対してほぼ90°またはアーム2の長手方向軸に対して90°に位置する。旋回ジョイントおよびヒンジジョイントは、図1A-図1Dに示されるように、対になっているが、他の構成で配置されてもよい。複数の回転ジョイントのため、アーム2は、手動で位置決め可能であり、これは、CMM1のベース4に定着された半径の範囲内で使用者が自由に実質的に任意の位置へと手動でプローブ6を移動させることができることを意味する。これらのジョイントの各々は、図2-図6Aに概略的に示されている。
[0036]一般的に、ベース4の磁石ホルダ5は、CMM1を動作面に取り付け、ベース4は、旋回ジョイント12を含み、旋回ジョイント12は、ヒンジジョイント14に付き、ヒンジジョイント14は、旋回ジョイント16に付き、旋回ジョイント16は、ヒンジジョイント18に付き、ヒンジジョイント18は、旋回ジョイント20に付き、旋回ジョイント20は、ヒンジジョイント22に付き、ヒンジジョイント22は、旋回ジョイント24に付き、旋回ジョイント24は、測定プローブ6に付いている。
[0037]図2は、例示的なベース4および旋回ジョイント12の分解図を図示する。また、図2は、ベース包囲体4aを図示し、この包囲体4aは、その上部にバッテリレセプタクル26を装着している。CMM1は、可搬式であるので、レセプタクル26を介してCMM1に設置されるバッテリ(図示せず)からのバッテリ電力で動作可能である。また、CMM1は、電力用ジャック25を含んでもよく、ここに、電力アダプタが接続され、CMM1に電力を供給する。
[0038] 旋回ジョイント12は、ハウジング28,社保と30,ベアリング32,34,エンコーダ用プリント回路基板(PCB)36、エンコーダ用ディスク38,スリップリング40を含んでもよい。また、旋回ジョイント12は、ダストカバー42a-42cと、ネジ付スタッド44a-cおよびネジ47a-cのような様々な金物類を含んでもよい。一般に、旋回ジョイントについては、旋回ジョイント16を参照して、詳細に後述する。
[0039]図3Aは、例示的な旋回ジョイント16の部分的な分解図を図示し、図3Bは、旋回ジョイント16の部分的な横断面図を図示する。これらの図の各々は、旋回ジョイント16の端部のみを図示するが、図示されていない旋回ジョイントの中間部分は、アームセグメント8に対応する。ここでは、旋回ジョイント16は、旋回ジョイントが同一でなくても、旋回ジョイント12,16,20,24を一般に説明する為に使用されている。旋回ジョイント16,20は、非常に似ている。また、旋回ジョイント24は、後述されるように、旋回ジョイント24が短いシャフトを有すること以外、旋回ジョイント16,20に類似している。旋回ジョイント16の構成部分の少なくとも一部は、旋回ジョイント12を参照して前述した構成部分と実質的に類似しているので、これらの類似した構成部分は、図2における同一参照符合で、図3A及び図3Bに識別されている。
[0040]旋回ジョイント16は、ハウジング48,49、シャフト部分50a、50b、50c、ベアリング32,34,エンコーダ用PCB36、エンコーダ用ディスク38,スリップリング40を含んでもよい。ベアリング32,34は、好ましくは、スチール又はステンレス鋼のボールベアリングである。シャフト部分50a、50cは、詳細に後述するように、シャフトアセンブリ50を形成するようにシャフト部分50bの両端部に動作可能に取り付けられてもよい。比較的に長いシャフト部分50bは、剛性があるが依然として軽い材料(たとえば、炭素繊維、アルミに0無など、)で、並びにスチールから製作されてもよい。しかしながら、シャフト部分50a、50cは、ベアリング32,34が製作される材料に一致させるため、スチールで製作されてもよい。比較的に長いシャフト部分50bと同様、シャフト部分50bを内部に有するチューブ60は、シャフト部分50bと同一の剛性を有するが、依然として軽い材料で製作、並びにスチールから製作されてもよい。また、旋回ジョイント16は、カバー62a-62bと、スナップリング64a-64cのような様々な金物類を含んでもよい。
[0041]旋回ジョイント16の一端部で、ハウジング48は、対応したアームセグメント(旋回ジョイント16の場合、アームセグメント8)のチューブ60の一端部に動作可能に付く表面48aを有する。ハウジング48もシャフト連結部分48cを有し、シャフト連結部分48cは、旋回ジョイント16を先のヒンジジョイント(図1A-図1Dを参照)に動作可能に連結する。旋回ジョイント16の場合、シャフト連結部分48cは、旋回ジョイント16をヒンジジョイント14のシャフトに連結する。旋回ジョイント16の他端部で、ハウジング49は、対応したアームセグメント(旋回ジョイント16の場合、セグメント8)のチューブ60の第2端部に動作可能に付く表面49aを有する。また、ハウジング49は、ポート49bを有し、このポート49b内には、シャフトアセンブリの端部、特に、シャフト部分50aがある。ハウジング端部48,49に対するチューブ60の組立は、より詳細に後述する。
[0042]図3Bに最も良好に見られるように、旋回ジョイント16の一端部において、ハウジング48のポート48bの内径部は、ベアリング32の外径部又は外輪と係合する(例えば、取り付けられて固定される)。ハウジング48のポート48bは、たとえば、ベアリング32の外径部又は外輪に接着されてもよい。シャフト部分50cは、その一部として、ベアリング32の内径部又は内輪と係合する(例えば、取り付けられて固定される)外径部を有する。シャフト部分50cは、たとえば、ベアリング32の内径部又は内輪に接着されてもよい。旋回ジョイント16の他端部において、ハウジング49のポート49bの内径部は、ベアリング34の外径部又は外輪と係合する(例えば、取り付けられて固定される)。ハウジング49のポート49は、たとえば、ベアリング34の外径部又は外輪に接着されてもよい。シャフト部分50aは、その一部として、ベアリング34の内径部又は内輪と係合する(例えば、取り付けられて固定される)外径部71を有する。シャフト部分50aは、たとえば、ベアリング34の内径部又は内輪に接着されてもよい。したがって、シャフトアセンブリ50は、ベアリング32,34およびハウジング48,49の回転軸を中心に回転する。
[0043]旋回ジョイント16のPCB36は、少なくとも一つのトランスデューサを上部に設置し、このトランスデューサは、回転軸aを中心にハウジング48,49に対してシャフト左遷ぶり50の回転角に対応した角度信号を出力するように構成されている。各トランスデューサは、2つの主要構成部分、読取りヘッド68,エンコーダ用ディスク38を有する光学エンコーダを備える。一実施形態において、2つの読取りヘッド68は、PCB36上に位置する。図示された実施形態において、エンコーダ用ディスク38は、シャフトアセンブリ50の一端部に動作可能に(例えば、適した接着材を用いて)取り付けられ、シャフトアセンブリ50は、PCB36上の読取りヘッド68と離間されて整列され、PCB36は、動作可能に(例えば、適した接着材を用いて)ハウジング48に取り付けられている。ディスク38および読取りヘッド68の場所は、逆でもよく、それによって、ディスク38は、動作可能にハウジング48に取り付けられ、読取りヘッド68は、シャフトアセンブリ50と共に回転し、光通信を維持しながら、互いに対して回転できる。エンコーダは、たとえば、「MicroE」エンコーダのような商品名の下でCelera Motionから商業的に利用可能である。各PCB36は、読取りヘッド68から受信された角度信号を受信し、処理する為のプロセッサと、PCB36をCMM1の通信バスに接続する為の送受信装置及びコネクタ93と、更に/又は他の配線とを更に含んでもよいが、これらは後述する。PCB36の各々は、室温変動のための熱補償を与える為に、プロセッサに接続された温度センサを含んでもよい。
[0044]カバー62bは、ダスト汚染からPCB36及びエンコーダ用ディスク38を覆い、密封する為に、ハウジング48に動作可能に取り付けられる。カバー62aは、見た目を良くするため、カバー62bと、ハウジング48及びチューブ60の一部分との上方に動作可能に取り付けられる。カバー62bは、開口部63を有し、そこから、ハウジング48のシャフト連結部分48cが突き出ており、動作可能に旋回ジョイント16をヒンジジョイント14に連結させる。
[0045] 旋回ジョイント16(およびCMM1の他のジョイント)は、無制限の回転を有してもよく、これは、回転軸aを中心に360°回転することができることを意味する。そのため、スリップリング40が使用され、旋回ジョイント16に無制限に回転できる電気的接続を提供する。ベース旋回ジョイント12のシャフトのような旋回ジョイントおよび旋回ジョイント16のシャフトアセンブリ50のような、ここで使用されるシャフトは、中空でもよい(例えば、軸方向開口部51を有してもよい)。後述されるヒンジジョイント18のシャフト80のような、ここで使用されるヒンジジョイント内のシャフトも中空でもよく、また、孔81(図5Bを参照)を含んでもよい。図3A及び図3Bに戻ると、図示されているように、ハウジングカバー62aは、開口部63を有し、カバー62bは、開口部61を有し、ハウジング48は、開口部48dを有し、この開口部48dは、ヒンジジョイント18のシャフト80の孔と整列する。そのため、通信バス配線は、ヒンジジョイント14の孔81から旋回ジョイント16に入り、開口部48dを通って、開口部63、開口部61を通って、スリップリング40に接続するPCB36に接続してもよい。スリップリング40から、配線は、シャフト50の開口部51を通って、次のヒンジジョイントまで移動してもよい。以下、そのような配線を図式的に示す。
[0046]慣例的に、座標測定機用ジョイントに使用されるシャフトは、一つ又は複数のショルダ又はフランジを有し、これらは、ベアリングの内径部又は内輪と係合するシャフトの表面を超えてジョイントの軸から径方向外側に伸びる。これらのショルダ又はフランジは、ジョイントの残部、特に、ジョイントのベアリングに対して、軸方向の所定位置でシャフトを保持する為に必要であると考えられていた。同様に、座標測定機の為のジョイントに使用されるハウジングは、慣例的に、一つ又は複数のショルダ又はフランジを持っており、これらは、ベアリングの外径部又は外輪と係合するハウジングの表面を超えてジョイントの軸に向かって径方向内側に伸びている。これらのショルダ又はフランジは、ジョイントの残部、特に、ジョイントのベアリングに対して、軸方向の所定位置でハウジングを保持する為に必要であると考えられていた。たとえば、(全体が参照のために本願に組み込まれる)米国特許第8,607,467号の図10,12,14,16を参照。ここでは、両方のシャフト及びハウジングは、ショルダ又はフランジを有し、ベアリングに対して軸方向の所定位置でシャフト及びハウジングを保持する。
[0047]これらの慣例的シャフト及びハウジングは、ショルダ又はフランジを生産するため、機械加工によって製造されていた。しかし、たとえ最も高度な機械加工プロセスでも、そのような機械加工されたシャフト及びハウジングに与えられる精度は限定されていた。そのため、これらの部品は、機械加工プロセスの精度によって著しく制限されていた。本願の背景の部分で検討されたように、精度は座標測定機にとって重要であることから、これは問題である。
[0048]図3Bで最も良く見られるように、シャフト部分50a、50cは、ベアリング32,34の内径部又は内輪より大きな直径の部分を持たない。シャフト部分50aのどの部分も、ベアリング34の内径部又は内輪と係合する外径部より大きな直径を持っていない。シャフト部分50cの、どの部分も、ベアリング32の内径部又は内輪と係合する外径部より大きな直径を持っていない。同様に、ベアリング32の外径部又は外輪と係合する部分48bは、ベアリング32の外径部より小さく又は狭い直径の部分を持っていない。ベアリング34の外径部又は外輪と係合する部分49bは、ベアリング34の外径部より狭く又は狭い直径の部分を持っていない。そのため、シャフトアセンブリ50及びハウジング48,49は、その用語が本書で定義されるように、ショルダを有していないと言える。シャフト部分50a、50cは、ベアリング32,34の内径部又は内輪と係合する表面67,71を超えてジョイント16の軸aから径方向外側に伸びる部分を持っていない。同様に、ハウジング48,49は、それぞれ、ベアリング32,34の外径部又は外輪と係合するハウジング48,49の表面65,69を超えてジョイント16の軸aに向かって径方向内側に伸びる部分を持っていない。
[0049]ショルダ又はフランジの代わりに、シャフト部分50a、50cは、機械加工又は上部の他の方法で形成された溝72,73を有してもよい。スナップリング64b-cは、ジョイント16及びベアリング32,34に対して、軸方向の所定位置でシャフトアセンブリ50を保持するように溝72,73と係合してもよい。同様に、ハウジング49は、機械加工又は上部に他の方法で形成された溝74を有してもよい。スナップリング64aは、ジョイント16及びベアリング32,34に対して、軸方向の所定位置でハウジング49を保持するように溝74と係合してもよい。一実施形態において、ジョイント16及びベアリング32,34の残部に対して、軸方向の所定位置でシャフト50を保持する為に、溝72,73及びスナップリング64b-cの組合せの代替または追加で、シャフト50は、接着材を使用することによって、ベアリング32,34の内径部又は内輪に取り付けられて固定されてもよい。同様に、一実施形態において、ジョイント16及びベアリング32,34の残部に対して、軸方向の所定位置でハウジング49を保持する為に、溝74及びスナップリング64aの組合せの代替または追加で、シャフト71は、接着材を使用することによって、ベアリング34の外径部又は外輪に取り付けられて固定されてもよい。
[0050]図3A及び図3Bで図示されたようなショルダを持たないシャフト及びハウジングは、研削及びホーニングプロセスによって製造されてもよいが、これらのプロセスは、従来技術のショルダ又はフランジ付きシャフト及びハウジングを製造する為に使用される機械加工プロセスより桁違いに高精度である。そのため、本書で開示されたショルダを持たないシャフト及びハウジングは、著しく、より高精度に造られ、CMM1のジョイント16及び同様のジョイントで達成し得る測定精度において著しい改良を生じる。部分的には本書で開示されたショルダを持たないシャフト及びハウジングのため、CMM1は、従来技術の可搬式座標測定機よりも大幅に優れた精度を達成する。
[0051]アームセグメント8の旋回ジョイント16は、図1A-図1D、図3Aから分かるように、たとえば、ジョイント14と比べて、比較的に長いジョイントである。ベアリング32、34は、遠く離れて置かれている。シャフト50は、3つの部品を有し、中間部分50bは、互いに遠くに離れた中間部分50bの両端部に取り付けられた端部分50a、50cを有する。外チューブ60は長く、ハウジング端部48,49は、互いに遠くに離れている。そのような比較的に長いジョイント、特に、複数部分のシャフトを備えた長いジョイントは、慣例的に構築することができなかったので、ジョイントの回転は、特に、より短い単一部分のシャフト、ジョイントと比較すると、精度が良いままである。
[0052]図11Aは、全体が参照のために本願に組み込まれるオートン(P.A. Orton et al, Automatic Self-Calibration of anIncrementalMotion Encoder, IEEE Instrument and Measurement TechnologyConference,Budapest, Hungary, May 21-23, 2001, at 1614)の規定通りに測定された慣例的長いアームのシャフトの回転の典型的な挙動を示す軌道プロットを図示する。この技術は、シャフトの角度位置だけでなく、シャフトの水平運動及び垂直運動を測定する。全体が参照のために本願に組み込まれる、1997年1月21日発行された米国特許第5,596,189も参照。図11Aの軌道プロットにおいて、回転中、慣例的シャフトの水平変位及び垂直変位が中心から約20ミクロンであることに注意されたい。さらに、回転中、慣例的シャフトの水平変位及び垂直変位は円形ではなく、一回転から次の回転まで一貫性がなく、およそ5ミクロンで変化することに注意されたい。実際、回転中、慣例的シャフト(特に、長く、複数部分のシャフト)の水平変位及び垂直変位は、典型的には、中心から20ミクロンより大きく、非円形であり、回転毎に5ミクロンを超えて変化する。中心からの当該シャフト変位は、慣例的座標測定機によってとられる測定精度に悪影響を及ぼす。中心からの望ましくない変位を引き起こす問題の少なくとも一部は、これまで、必要な精度で、長く、複数部分のシャフト、ジョイントを構築および組み立てるプロセスが無かったことである。
[0053]図3C及び図3Dは、例示的旋回ジョイント16の外チューブ60をハウジング端部48,49に組み立てる為の例示的プロセスを図示する。図3Cに示されるように、固定チューブFTは、外チューブ60をハウジング端部48,49に組み立てる際の精度を上げる為に使用されてもよい。固定チューブFTは、たとえば、完全な寸法近くまで高精度に研削されてもよく、それは、1万分の1インチ(0.0001インチ)以内の円筒である。その外径は、1万分の1インチ(0.0001インチ)以内で同心である。ハウジング端部48,49は、チューブ60の、それぞれの端部に接着されてもよく、固定チューブFTは、接着剤が硬化する間、ハウジング端部48,49を互いに対して所定位置に高精度で固定する為に使用されてもよい。図3D(半横断面図)に見られるように、ハウジング端部48,49は、アセンブリの内側の固定チューブFTを用いてチューブ60に固定されてもよい。ハウジング端部48,49の内壁65,69は、非常に高精度な固定チューブFTの壁FTa、FTbに対して、しっかりと嵌まるように(非常にきつく、ほぼ接合面のように)作られてもよい。接着剤が硬化したら、固定チューブFTをアセンブリから除去してもよい。除去を容易にするため、固定チューブFTにオイルを塗ってもよい。このプロセスを使用して、ハウジング端部48,49は、1万分の5以内まで同心にする(即ち、それらの内径部が同一の軸aを共有する)ことができる。同様の結果を達成する為に使用できる他の方法は、チューブ60を含むアセンブリに付けられたらハウジング端部48,49を内部研削する工程を含んでもよい。
[0054]図3Eは、外チューブ60,ハウジング端部48,49を含むアセンブリに、シャフトアセンブリ50,ベアリング32,34を組み立てる為の例示的プロセスを図示する。
[0055]最初に、前述したように、シャフト端部50a、50cをシャフト部分50bに付け、シャフトアセンブリ50を形成してもよい。精度を上げるため、シャフト端部50a、50cは、最初に数千インチ(a few thousands of an inch)の特大サイズに機械加工されてもよい。すなわち、シャフト端部50a、50cは、最初に、それらの最終的に望まれる直径より広く(大きな外径で)作られてもよい。その後、シャフト端部50a、50cは、たとえば、花崗岩テーブル上のVブロックを使用して、長いシャフト部分50bの2つの端部に接着されてもよい。次に、シャフトアセンブリ50は、2つの端部50a、50cで研削され、2つの端部が、1万分の1インチ(0.0001インチ)以内の同心にされる(即ち、それらの外径は、同一の軸aを共有する)。
[0056]内部スナップリング64b、64cは、それぞれ、溝72,73で、シャフトアセンブリ50に設置されてもよい。ベアリング32,34の内輪又は内径部32a、34aは、それらがスナップリング64b、64cに接しており、シャフトアセンブリ50に接着されるまで、シャフトアセンブリ50に圧入されてもよい。外スナップリング64aは、溝74で端部ハウジング49に設置されてもよい。シャフトアセンブリ50およびベアリング32,34を含むアセンブリは、チューブ60および端部ハウジング48,49を含むアセンブリに挿入されてもよい。接着剤は、ベアリング32,34の外輪32b、34bを端部ハウジング48,49の内径部65、69に接着させる為に使用されてもよい。その後、ベアリング32,34の内外輪間の遊びを除去するため、予荷重(例えば、5ポンドまたは10ポンドの重さ)をベアリング32の外輪32bに加えてもよい。図3Eにおいて、予荷重付加ツールPLT1、PLT2を使用して予荷重PRELがベアリング32の外輪32bに加えられるが、予荷重付加ツールPLT1、PLT2は、予荷重が、内輪32aではなく、外輪32bのみに加えられることを確実にする。予荷重PRELは、接着剤が硬化し、その後、除去されるまで、外輪32bに加えられる。予荷重PRELの付加によって、ベアリングアセンブリから遊びが除去される。
[0057]長い(特に複数部分のシャフト)ジョイントを構築し組み立てる為の慣例的プロセスは、遊びを除去する為にベアリングに効率的に予荷重を加えるのに必要な精度を許容せず、それが、回転中、慣例的シャフトの過剰な水平変位および垂直変位を生じさせていた。そのような不正確な慣例的に長いジョイントに予荷重を試みて遊びを除去することは、ベアリングの過剰な変形、ジャミング、研削、過剰な摩耗などが生じる(即ち、ジョイントは使用できず、不満足に性能を発揮するであろう)、或いは、不十分な予荷重は、回転中、中心から過剰なシャフト変形を生じる。
[0058]図11Bは、オートンによって規定されるように測定された、複数部分シャフトジョイント16を含む長いアーム8の回転の典型的挙動を示す軌道プロットを図示する。図11Bの軌道プロットにおいて、回転中、シャフト50の水平変位および垂直変位は、中心から1.5ミクロンの範囲内に著しく減少されていることに留意されたい。さらに、回転中、シャフト50の水平変位および垂直変位は、著しく円形であり、ある回転から次の回転まで一貫している。これは、慣例的な長いジョイントについて図11Aに例示的に示された測定変位から著しい改良である。この著しい、中心からの変位の改良は、慣例的座標測定機と比較したとき、CMM1によって行われる測定精度を劇的に改良する。複数部分シャフト50を含む長いジョイント16を構築して組み立てる為の前述したプロセスは、そのような著しい改良を達成する為に必要な精度を提供する。
[0059]図4は、例示的旋回ジョイント24の分解図を図示する。旋回ジョイント24は、旋回ジョイント24が短いシャフト50を有する点、その長さが旋回ジョイント24およびプローブ6の間の距離に対応する点、プローブ6が、たとえば、旋回ジョイント16およびヒンジジョイント18の間の距離より短い点を除き、前述した旋回ジョイント16,20に類似する。そのため、プローブ6は旋回ジョイント24の軸を中心に回転し、旋回ジョイント24は、プローブ6の回転角を検出し、プローブ6は旋回ジョイント16の端部に取り付けられる。図1A-図1Dを参照。
[0060]図5Aは、図5Bがヒンジジョイント18の横断面を図示する一方、例示的ヒンジジョイント18の分解図を図示する。ここで、ヒンジジョイント18は、ヒンジジョイントが同一でないかもしれないが、一般にヒンジジョイント14,18,22の特徴を述べる為に使用される。ヒンジジョイント18の構成部分のうち少なくとも一部は、旋回ジョイント12,16を参照して前述した構成部分と実質的に類似しているので、先の図で指定された同一参照符合を用いて、これらの同一の構成部分を図5Aおよび図5Bで識別する。
[0061]ヒンジジョイント18は、ハウジング78,シャフト80,ベアリング32,34,エンコーダ用PCB36,エンコーダ用ディスク38を含んでもよい。ハウジング78は、開口部78bを有し、この開口部78bに先の旋回ジョイント(ヒンジジョイント18の場合の旋回ジョイント16のシャフト50)が連結する。ヒンジジョイント18は、カバー82a-cと、スナップリング64a-c、キャップ66のような様々な金物類を含んでもよい。
[0062]図5Bで最も良く見えるように、ハウジング78はポート87を有し、ポート87は、ベアリング32,34の外径部又は外輪と係合する(例えば、取り付けられて固定する)。ハウジング78のポート87は、たとえば、ベアリング32,34の外径部又は外輪に接着されてもよい。図5A及び図5Bの実施形態において、ハウジング78は、2つのポート87を有する。シャフト80は、その一部に外径部85を有し、外径部85は、ベアリング32,34の内径部又は内輪と係合する(例えば、取り付けられた固定される)。シャフト80は、たとえば、ベアリング32,34の内径部又は内輪に接着されてもよい。そのため、シャフト80は、ヒンジジョイント18のハウジング78とベアリング32,34の回転軸bを中心に回転する。
[0063]前述した旋回ジョイントに類似して、ヒンジジョイント18のPCB36は、上部に少なくとも一つのトランスデューサが設置され、この少なくとも一つのトランスデューサは、回転軸bを中心としたハウジング78に対するシャフト80の回転角に対応した角度信号を出力するように構成されている。各トランスデューサは、光学エンコーダを備え、光学エンコーダは、2つの主要構成部分、読取りヘッド68およびエンコーダ用ディスク38を有する。図示された実施形態において、2つの読取りヘッド68は、PCB36に位置決めされる。図示された実施形態において、エンコーダ用ディスク38は、シャフト80の端部に(例えば、適した接着材を使用して)動作できるように取り付けられるが、シャフト80は、PCB36上の読取りヘッド68に整列して、この読取りヘッド68から離間されており、PCB36は、ハウジング78に(適した接着材を使用して)動作できるように取り付けられている。ディスク38および読取りヘッド68の場所は、逆でもよく、それによって、ディスク38は、ハウジング78に動作できるように取り付けられ、読取りヘッド68は、シャフト80と共に回転し、光通信を維持しながら、互いに対して回転可能になる。
[0064]カバー82bは、PCB36およびエンコーダ用ディスク38を覆い、ダストから密封するようにハウジング78に取り付けられる。カバー82a、82cは、シャフト80の一端部で互いに動作できるように取り付けられ、キャップ66は、ベアリングを保護する為にシャフト80の反対側の端部をおおう。
[0065]通信用バス配線は、先の旋回ジョイントのシャフト50の軸方向開口部51から、ハウジング78の開口部78b、78cを通って、ヒンジジョイント18に入ってもよい。その後、配線は、PCB36に接続され、シャフト80の軸方向開口部80aおよび孔81を通って、ヒンジジョイント18を去ってもよい。そのような配線は、以下に図表的に示されている。
[0066]前述したように、慣例的に、座標測定機用ジョイントに使用されるシャフトは、一つ又は複数のショルダ又はフランジを有しており、これらは、ベアリングの内径部又は内輪と係合するシャフトの表面を超えてジョイントの軸から径方向外側に伸びている。これらのショルダ又はフランジは、ジョイントの残部、特に、ジョイントのベアリングに対して、軸方向の所定位置でシャフトを保持する為に必要であると考えられていた。同様に、慣例的に、座標測定機用ジョイントに使用されるハウジングは、一つ又は複数のショルダ又はフランジを有しており、これらは、ベアリングの外径部又は外輪と係合するハウジングの表面を超えてジョイントの軸から径方向内側に伸びている。これらのショルダ又はフランジは、ジョイントの残部、特に、ジョイントのベアリングに対して、軸方向の所定位置でハウジングを保持する為に必要であると考えられていた。たとえば、米国特許第8,607,467の図10,図12,図14,図16を参照。ここでは、両方のシャフトおよびハウジングは、ベアリングに対して軸方向の所定位置でシャフトおよびハウジングを保持する為にショルダ又はフランジを有する。
[0067]これらの慣例的なシャフトおよびハウジングは、ショルダ又はフランジを生産する為に機械加工によって製造されていた。しかし、最も高度な機械加工プロセスであっても、それらが、そのような機械加工されたシャフトおよびハウジングに与えられるであろう精度は限定されている。これらの部品は、本願の背景の部分で検討されたように、機械加工プロセスの精度によって制限されているので、CMMにとって精度は重要である。
[0068]図5Bに最も良く見えるように、シャフト80は、直径がベアリング32,34の内径部または内輪より大きな直径の部分を持たない。シャフト80のどの部分も、ベアリング32,34の内径部又は内輪と係合する外径部より大きな直径を持たない。同様に、ベアリング32,34の外径部又は外輪と係合する部分87は、ベアリング32の外径部またはベアリング34の外径部より小さい又は狭い直径の部分を持たない。そのため、シャフト80およびハウジング78は、本願で定義されたようなショルダを持たない、即ち、1)シャフト50は、ベアリング32,34の内径部又は内輪と係合するシャフト80の表面85を超えてジョイント18の軸bから径方向外側に延びる部分を持たず、2)ハウジング78は、ベアリング32,34の外径部又は外輪と係合するハウジング78の表面87を超えてジョイント18の軸bに向かって径方向内側に延びる部分を持たない。
[0069]ショルダ又はフランジの代わりに、シャフト80は、機械加工または他の方法で上部に形成された溝72を有してもよい。スナップリング64b-cは、ベアリング32,34およびジョイント18の残部に対して、軸方向の所定位置でシャフト80を保持する為に溝72と係合してもよい。同様に、ハウジング78は、機械加工または他の方法で上部に形成された溝74を有してもよい。スナップリング64aは、ベアリング32,34およびジョイント18の残部に対して軸方向の所定位置でハウジング78を保持する為に溝74を有してもよい。一実施形態において、ベアリング32,34およびジョイント18の残部に対して軸方向の所定位置でシャフト80を保持する為に、溝72およびスナップリング64b-cの組合せの代替または追加で、シャフト80は、接着材を使用することによって、ベアリング32,34の内径部又は内輪に取り付けられて固定されてもよい。同様に、一実施形態において、ベアリング32,34およびジョイント18の残部に対して軸方向の所定位置でハウジング78を保持する為に、溝74およびスナップリング64aの組合せの代替または追加で、ハウジング78のポート87は、接着材を使用することによって、ベアリング32,34の外径部又は外輪に取り付けられて固定されてもよい。
[0070]図5A及び図5Bに図示されたようなショルダの無いシャフトおよびハウジングは、研削及びホーニングプロセスによって製造可能であり、これらのプロセスは、従来技術のショルダ付きまたはフランジ付きシャフトおよびハウジングを製造する為に使用される機械加工プロセスより一桁精度が良い。そのため、本書で開示されたショルダの無いシャフトおよびハウジングは、著しく、より高精度に構築可能であり、CMM1のジョイント18および同様のジョイントで達成し得る測定の精度に著しい改良が生じる。部分的には本書で開示されたショルダの無いシャフトおよびハウジングのため、CMM1は、従来技術の可搬式座標測定機より著しく良好な精度を達成する。
[0071]従来技術の座標測定機用ジョイントは、大半がアルミニウムまたは他の軽量材料で製造されてきた。たとえば、米国特許第8,607,467を参照。ここには、ジョイントが、鋳造または機械加工されたアルミニウム構成部分、軽量で堅い合金または複合材、または、繊維強化ポリマで構築された座標測定機が開示されている。この参考文献は、開示された座標測定機の適した機能にとって、比較的に軽量が非常に重要であることを明らかにしている。そのような従来技術の座標測定機に伴う問題は、ジョイントのベアリングとは著しく異なる熱膨張係数を有するアルミニウム(または同様の軽量材料)構造体が温度に対するジョイントの剛性の変動を引き起こすことであった。これは、動作温度範囲にわたって行われる測定精度を減少させる。
[0072]本発明は、直観に反すると思われるアプローチを採用する。一実施形態において、アーム2のジョイントの構造要素は、ベアリング32,34が製作される材料に適合するスチールで製作されてもよい。この状況において、構造要素は、ハウジング28,48,49,78,シャフト30,50,80,シャフト部分50a、50cを指す。ボールベアリング32,34の内外輪と接触する構造要素がある。ハウジング48も、旋回ジョイントを次のヒンジジョイントに取り付ける。この状況において、スチールは、ステンレス鋼を含み、25℃で9.9~18μm/m°Cの範囲の熱膨張係数を有する。アーム2のジョイントの構造要素の為に比較的重いスチールを使用すると、やや直観に反するように見える場合があるが、これは、前述したように、CMM1の重要な特徴の一つが軽量でなければならないことであるからである。スチールは、従来技術の座標測定機によって使用された材料(アルミニウム)より著しく重い。しかしながら、ベアリング32,34が製作される材料(即ち、スチール)に適合する構造要素は、ベアリング32,34と同一(又はほぼ同一)の熱膨張係数を有するであろう(即ち、同じ割合で温度と共に膨張または収縮する)。これが、温度に対するジョイントの剛性の変動を最小限に抑えるので、CMM1の動作温度範囲にわたって行われる測定の精度が維持される。
[0073]他の実施形態において、アーム2のジョイントの構造要素、シャフト部分50b、チューブ60等のような他の構造要素、CMM1の非構造要素でさえ、スチールより重量が軽い制御された膨張合金で製作されてもよいが、クロム鋼または440Cステンレス鋼の(即ち、25℃で9.9~18μm/m°Cの範囲内の)熱膨張係数に適合する熱膨張係数を有する。商業的に利用可能な、そのような制御された膨張合金は、スウェーデン、サンドビーケンのSandvik AB社によって販売されているOsprey CEである。ベアリング32,34の熱膨張係数に適合する即ち、同一の割合で温度と共に膨張または収縮する)材料から製作された構造要素は、温度に対してジョイントの剛性の変動を最小限に抑えるので、CMM1の動作温度範囲にわたって行われる測定の精度を維持する。たとえば、炭素繊維または制御された構造要素と(更に非構造要素とさえ)組み合わされた膨張合金のような剛性があるが比較的軽量材料から製作された著しく薄いアームセグメント8,9は、従来技術の座標測定機よりも動作温度範囲にわたり、著しく軽量かつ著しく精度の高いCMM1になる。
[0074]図6Aは、例示的ヒンジジョイントの横断面図を図示する。ヒンジジョイント22は、前述したヒンジジョイント18と非常に類似する。ヒンジジョイント14も、ヒンジジョイント18,22と類似しているが、著しい差異は、ヒンジジョイント14が回転ダンパアセンブリを含むことである。図示された図6Aの実施形態において、回転ダンパアセンブリは、以下に詳述するように、計装されたアセンブリ90aである。アーム2の使用を容易にするため、回転ダンパアセンブリ90aの形式のカウンタバランス装置が設けられ、関節アームの重量によって加えられたトルクをオフセットさせてもよい。カウンタバランスは、使用者が関節アーム2を離したら、関節アーム2が、独自の重量のため急速に落下することを防止する。
[0075]慣例的に、可搬式座標測定機は、コイルバネまたは捩りバネを使用してアームの重量を相殺していた。たとえば、米国特許第6,904,691号および第8,001,697号を参照(これらの各々は、本願に参照のため、全体が組み込まれる)。他の慣例的カウンタバランスシステムは、ガスショック式カウンタバランスを形成するピストンまたはリニアアクチュエータアセンブリを含む。たとえば、米国特許第8,402,669号を参照(これは、本願に参照のために全体が組み込まれる)。これらの慣例的カウンタバランスの解決策の各々は、カウンタバランスの調整および較正に伴う問題があった。また、これらの慣例的カウンタバランスの解決策は、全体的に嵩張り、重く、可搬式座標計測機にとって、2つの望ましくない特徴があった。
[0076]図6Bは、例示的回転ダンパアセンブリ90aの分解図を図示する。アセンブリ90aは、回転ダンパ92を含むが、この回転ダンパ92は、ドイツ、シュトルベルクのWeforma Dampfungstechnik GmbHにより製造されたWRDダンパのような商業的に利用可能な回転ダンパでもよい。一実施形態において、回転ダンパ92は、一方向回転ダンパであり、これは、一つの回転方向において、回転軸を中心としたシャフトの回転運動の減衰を制御する。アセンブリ90aは、ダンパハブ94,ダンパスリーブ96,トルクセンサシャフトハブ98を含んでもよく、これらは、共にオルダム(Oldham)カップリングを形成する。また、アセンブリ90aは、トルクセンサシャフト100を含んでもよい。また、アセンブリ90aは、スペーサ102,マウント104,ボルト107a-d、108a-dのような金物類を含んでもよい。マウント104は、4つのネジ付き孔110a-dと、4つのネジの無い孔111a-dとを有する。
[0077]最も良く図6Aに見えるように、ダンパアセンブリ90aは、最初にトルクセンサシャフト100の一部分をヒンジジョイント14のシャフト80に結合させることによって、一緒になる。トルクセンサシャフト100の一部分は、シャフト80の軸方向開口部80aに挿入され、取り付けられて(例えば、接着材を使用することによって)固定されてもよい。マウント104は、ボルト108a-dを孔111a-dに挿入し、それらをハウジング78のネジ付き孔にねじ込むことによって、ヒンジジョイント14のハウジング78に結合される。回転ダンパアセンブリ90aの残りの構成部分は、シャフト100上にシャフトハブ98、シャフトハブ98上にダンパスリーブ96,ダンパスリーブ上にダンパハブ94,回転ダンパ92のシャフト93上にダンパハブ94と、その後、順番に積み重ねられる。スペーサ102は、ボルト107a-dをマウント104のネジ付き孔110a-dにねじ込むことによって、回転ダンパ92とマウント104の間に挟まれる。そのため、回転ダンパ92は、動作できるようにシャフト80およびハウジング78に結合される。
[0078]回転ダンパ92は、回転軸bを中心としたシャフト80の回転運動の制御された減衰を与える。回転ダンパ92により与えられる減衰を制御するトルク出力量は、厳格な仕様へと予め調整され予め較正されてもよい。そのため、回転ダンパアセンブリ90aは、コイルバネ、捩りバネ、ピストンのような可搬式座標測定機の為の慣例的カウンタバランスの解決策にとって典型的であったカウンタバランスの調整及び較正に伴う問題が軽減される。また、回転ダンパアセンブリ90aは、コイルバネ、捩りバネ、ピストンのような慣例的カウンタバランスの解決策と比較すると、一般的に、よりコンパクトで、重量の軽いカウンタバランスの解決策を提供する。
[0079]生じる潜在的な問題、特に、回転運動の減衰制御を与える回転ダンパの使用に伴う問題は、使用者が、アーム2を移動させるときに過剰なトルクを加えることである。過剰な力は、アーム2の部分を効果的に湾曲させて、測定プローブ6の位置を正確に検出するCMM1の性能に影響を与える場合がある。使用者がアームを動かすのが実質的に速すぎるような条件の下で行われた測定は、不正確であるかもしれない。本開示内容は、この潜在的問題に対して2つの解決策を提供する。
[0080]図6Aおよび図6Bの実施形態において、回転ダンパアセンブリ90aは、ジョイント14で過剰なトルクを直接検出するように計装されている。マウント104は、ウェビングまたはスポーク104a-dを有し、これらが、ネジ付き孔110a-dを含むマウント104の外輪を、ネジの無い孔110a-dを含むマウント104の内輪に連結させる。少なくとも幾つかのスポークに設置されているのは、歪ゲージ98である。同様に、トルクセンサシャフト100は、ウェビングまたはスポーク100a-dを有し、これらが、トルクセンサシャフト100をトルクセンサシャフトハブ98に連結させる。少なくとも幾つかのスポーク100a-dに設置されているのは、歪ゲージ106である。回転ダンパアセンブリ90aは、トルクセンサ用PCB112を含み、トルクセンサ用PCB112は、歪ゲージ106からの信号を受信する電子機器を上部に設置している。
[0081]ジョイント14に加えられるトルクは、スポーク100a-dおよびスポーク104a-dを通って伝達される。そのようなトルクは、スポーク100a-d、スポーク104a-dの回転歪として現れる。そのため、スポーク100a-d、スポーク104a-dにおける歪を測定することによって、ゲージ106は、回転軸bを中心としたシャフト80の回転運動によるジョイント14のシャフト80およびハウジング78における歪を効率良く感知する。その意味で、歪ゲージ106は、動作できるように、シャフト80およびハウジング78に結合される。歪ゲージは、CMM1内のPCB112内の、あるいはCMM1に対して外部の回路または他の回路(例えば、対応するジョイントのPCB36内のプロセッサ)が、ジョイント14に加えられたトルクを検出し、説明する為に使用できる歪信号を出力する。
[0082]ゲージ106によって測定される歪は、ジョイント14に加えられたトルク量に対応する。そのため、測定される歪は、アーム2の部分の湾曲又は屈曲の量にも対応する。したがって、測定される歪は、アーム2の湾曲又は屈曲する量および性質と関連付けてもよく、過剰なトルクを補償する為にCMM1を用いて測定を行うときに、その情報を考慮してもよい。そのため、回転ダンパアセンブリ90の計装された実施形態において、PCB112内の電気回路(又は、読取りヘッド68から角度信号を受信する対応するジョイントのPCB36内のプロセッサ)は、歪信号(又は、増幅された歪信号)を歪ゲージ106から受信し、それらの信号を、アーム2に加えられたトルクによるアーム2の対応した湾曲又は屈曲に変換し、アーム2の対応した湾曲又は屈曲を考慮して、測定プローブ6における測定値を計算してもよい。たとえば、PCB112は、歪ゲージ106からのアナログ信号を増幅する増幅器と、増幅されたアナログ信号を、対応したジョイントのPCB36のプロセッサに与えられるデジタル信号に変換するアナログデジタルコンバータとを含んでもよい。プロセッサは、テーブルを調べる、又は、測定された歪の場所と振幅に対応したアーム2の湾曲又は屈曲の量と方向を計算してもよい。したがって、スポーク100a-d、スポーク104a-dにおける歪を測定することによって、CMM1は、使用者が過剰なトルクをアーム2に加えるかに拘わらず、測定プローブ6の位置を正確に検出することができる。
[0083]代替実施形態において、歪信号または歪信号の凝集のいずれかが、一定の歪閾値を超えるとき、ジョイント14に加えられたトルクが大きすぎると判断されてもよい。その判断に基づき、CMM1は、一定量の時間(例えば、2秒~10秒)が過ぎるまで、測定を行うことができなくてもよい。これは、過剰に加えられたトルクのために湾曲した可能性があるアーム2の部分が元の形状に戻ることを可能にする為である。
[0084]図6Cは、計装されない例示的な回転ダンパアセンブリ90bを図示する。図6A及び図6Bの回転ダンパアセンブリ90aとは異なり、回転ダンパアセンブリ90bは、過剰トルクを直接検出する為に計装されていない。この実施形態において、読取りヘッド68により出力された角度信号は、速度信号を発生させる為に使用されてもよく、この速度信号は、加えられたトルクの為の代用として使用されてもよい。アーム2を移動させる為にアーム2に加えられたトルクは、アーム2が移動する速度に一般的に対応する。前述したように、アーム2に加えられた過剰なトルクは、使用者が速すぎる速度でアームを移動させるのが速すぎることに対応する。したがって、過剰に加えられたトルクは、比較的に高い(即ち、高すぎる)回転速度の形でジョイントにおいて間接的に検出されてもよい。読取りヘッド68は、ジョイントの相対的な回転角度に対応する角度信号を出力する。測定された回転角度が変化する割合は、ジョイントの回転速度に対応する。ジョイントにおいて回転速度を検出することは、加えられたトルクを検出する為の良好な代用である。この実施形態において、読取りヘッド68によって出力された角度信号は、測定された回転角度が変わる割合、速度信号を計算することによって速度信号を発生させるのに使用されてもよい。PCB36(又は、他の場所)のプロセッサは、エンコーダの直角位相信号の一つの周期を測定する高解像度タイマ(例えば、12.5ns解像度)を使用して、速度信号(例えば、1秒当たりの角度)を測定してもよい。速度信号が一定の回転速度閾値を超えるとき、加えられたトルクが大きすぎるという判断がなされる。その判断に基づき、CMM1は、一定量の時間(例えば、2~10秒)が過ぎるまで、測定を行うことができなくてもよい。これは、過剰に加えられたトルクのために湾曲した可能性があるアーム2の部分が元の形状に戻ることを可能にする為である。
[0085]アセンブリ90bは、図6A及び図6Bのアセンブリ90aと類似する。アセンブリ90bは、回転ダンパ92を含んでもよい。アセンブリ90bも、(共にオルダムカプラを形成する)ダンパハブ94,ダンパスリーブ96,シャフトハブ118と、シャフト120とを含んでもよい。アセンブリ90bも、スペーサ122,マウント124,ボルト107a-d、ボルト108a-dのような金具類を含んでもよい。スペーサ122は、それがPCB112を保持する必要がない点を除き、スペーサ102と類似する。マウント124は、4つのネジ付き孔110a-dと、4つのネジの無い孔111a-dとを有する。マウント124は、それが、ウェビング又はスポーク104a-dを必要としない点を除き、マウント104と類似する。
[0086]ダンパアセンブリ90bは、最初に、ヒンジジョイント14のシャフトにトルクセンサシャフト120の一部分を結合させることによって一緒になる。トルクセンサシャフト120の一部分は、シャフト80の軸方向開口部80aに挿入され、(例えば、接着材を使用することによって)取り付けられて固定されてもよい。マウント124は、ボルト108a-dを孔111a-dの中に挿入し、それらをハウジング78のネジ付き開口部にねじ込むことによって、ヒンジジョイント14のハウジング78に結合される。回転ダンパアセンブリ90bの構成部分の残りは、その後、シャフト120上にシャフトハブ118,シャフトハブ118上にダンパスリーブ96,ダンパスリーブ96上にダンパハブ94,回転ダンパ92のシャフト93上にダンパハブ94と、順番に積み重ねられる。スペーサ122は、ボルト107a-dをマウント124のネジ付き孔110a-dにねじ込むことによって、回転ダンパ92とマウント124との間に挟まれる。そのため、回転ダンパ92は、動作できるように、シャフト80およびハウジング78に結合される。
[0087]一実施形態(図示せず)において、アセンブリ90a、90bのようなアドオン方式回転ダンパアセンブリの代わりに、回転減衰は、ヒンジジョイント18に組み込まれる。この実施形態において、a)第1ベアリング32又は第2ベアリング34と、b)シャフト80又はハウジング78との組合せは、回転軸bを中心としたシャフト80の回転運動の制御された減衰を与える。
[0088]図7Aは、例示的測定プローブ6aの斜視図を図示する。プローブ6aは、PCB130を収容する為の内部空間を有するハウジング126と、PCB125を収容する為の内部空間を有するハンドル128とを有する。図7Aにおいて、ハウジング126およびハンドル128は、図示のために透明に示されている。ハウジング126は、動作できるように、旋回ジョイント24に結合される(図1A-図1Dを参照)。そのため、プローブ6aは、旋回ジョイント24の軸を中心に回転し、旋回ジョイント24は、軸aを中心としたプローブ6aの回転角を検出する。
[0089]また、測定プローブ6aは、プローブステムアセンブリ136を含んでもよく、プローブステムアセンブリ136は、一端部でプローブコネクタ138,他端部でプローブ140を有する。プローブコネクタ138は、ハウジング126およびPCB130に接続される。プローブステムアセンブリ136は、プローブ140が物体に触れるときにプローブ140の位置の捕捉を開始するタッチ式トリガーアセンブリでもよい。PCB130は、前述したように、そのようなトリガー信号を受信し、トリガー信号を送信する。また、プローブステムアセンブリ136は、たとえば、CMM1に設置されたプローブステムアセンブリ136を独自に識別する為にシリアル番号が内部に保存された集積回路(例えば、EEPROM)のような電子機器を収容してもよい。
[0090]ハンドル128は、2つのスイッチ、即ち、テイクスイッチ131と、確認スイッチ132とを含んでもよい。これらのスイッチは、操作者が、操作中、測定を行う為に(テイクスイッチ131)、その測定を確認する為に(確認スイッチ132)使用されてもよい。ハンドル128は、一般に、人の握りに似た形状であり、少なくとも一部の従来技術のプローブより人間工学的になっている。また、ハンドル128は、スイッチ131及びスイッチ132が装着されるスイッチ用PCBを収容してもよい。スイッチ用PCB134は、スイッチ131及びスイッチ132からの信号を処理する為の構成部分をホストするPCB125と電気的に結合される。一実施形態において、PCB125は、(CMM1の通信バスに対する電気的接続の代わりに)無線(例えば、Wi-Fi、ブルートゥース等の)送信器を含み、この送信器が、スイッチ131,スイッチ132に関連付けられたテイク信号および確認信号を、たとえば、CMM1を一般的に制御するホストPCに無線で送信する。スイッチ131及びスイッチ132に関連付けられたテイク信号及び確認信号の無線送信は、プローブ6aの構成および配線を著しく単純化する。
[0091]また、測定プローブ6aは、オプションポート142を含んでもよく、ここに、たとえば、レーザスキャナ(図示せず)のようなオプションの装置が接続されてもよい。オプションポート142は、測定プローブ6aによってサポートされるオプション装置の為に機械的接続を与える。また、オプションポート142は、CMM1の通信バスとインタフェースするオプション装置の為に電気的接続を与えてもよい。
[0092]図7Bは、例示的な代替測定プローブ6bの斜視図を図示する。プローブ6bは、プローブ6と類似する。しかしながら、プローブ6bは、異なるハウジング127およびハンドル129を含む。プローブ6と異なり、プローブ6bのハウジング127は、ヒンジジョイント22と直接接続可能な連結部分143を含む。そのため、プローブ6bが使用されるとき、旋回ジョイント24は使用されない。ハウジング127およびプローブステムアセンブリ136は、軸aを中心に回転しない。ハウジング127およびプローブステムアセンブリ136は、軸aを中心に固定される。ハンドル129は、他方で、ハンドル129を回転できるようにハウジング127に結合する連結部分144を含む。そのため、ハンドル129は、軸aを中心に回転する。プローブ6のハンドル128と同様に、ハンドル129は、PCB125を収容する内部空間を有する。PCB125は、(CMM1の通信バスに対する電気的接続の代わりに)無線(例えば、Wi-Fi、ブルートゥース等の)送信器を含んでもよく、この送信器が、スイッチ131,スイッチ132に関連付けられたテイク信号および確認信号を、たとえば、CMM1を一般的に制御するホストPCに無線で送信する。そのため、ハンドル129は、軸aを中心に回転するようにアーム2と回転できるように結合されるが、重要なことに、ハンドル129は、信号送信が無線で達成されることから、アーム2と電気的には結合されない。
[0093]プローブ6bは、7つの正当な回転軸の必要性を緩和することから、座標測定機の分野において著しい進歩である。図1A-図1Dに図示されたようなCMM1は、7つの正当な回転軸(即ち、ジョイント12,14,16,18,20,22,24に関連付けられた軸)を含む。7つの正当な回転軸を含むことによって、CMM1は比較的複雑になり高価になる。機械的かつ無線でアーム2に接続された、したがって、7つのジョイント24を必要としない回転可能なハンドル129は、「正当な」7つの軸の必要性を緩和する。なぜなら、ハンドル129は、7組のベアリング、トランスデューサ、電子機器などの複雑性を有することなく、ハンド位置に必要に応じたハンドル129の回転を許容するからである。
[0094]図8は、例示的なオンアーム式スイッチアセンブリ10の斜視図を図示する。スイッチアセンブリ10は、ハウジング146を含み、ハウジング146は、スイッチアセンブリ10をアームセグメント8、又は、代替的にアームセグメント9に装着(例えば、クランプ)させる。ハウジング146は、PCBを収容する為の内部空間を有する。プローブ6、6bと同様、スイッチアセンブリ10は、2つのスイッチ、すなわち、テイクスイッチ131と確認スイッチ132とを含んでもよく、これらのスイッチは、操作者が、操作中、測定を行うこと(テイクスイッチ131)、その測定を確認すること(確認スイッチ132)に使用されてもよい。オンアームスイッチアセンブリ10、より重要なことには、プローブ6のハンドルの代わりにアーム2上の、スイッチ131,132の位置は、操作者が、一方の手で測定プローブ6を移動させて位置決めし、他方の手で、アームを支えつつ、スイッチ131,132を作動させることを可能にする。従来技術の座標測定機が操作者に要求していたことは、同じ手で、測定プローブを位置決めすること、プローブにおける測定スイッチを作動させることであった。これは、人間工学的ではない。オンアームスイッチアセンブリ10が座標測定機分野で著しく進化している理由は、オンアームスイッチアセンブリ10が、従来の座標測定機と比較して、より著しく人間工学的な解決策を提供するからである。
[0095]また、オンアームスイッチアセンブリ10は、スイッチ用PCB134を収容し、このスイッチ用PCB134に、スイッチ131,132が装着され、オンアームスイッチアセンブリ10がPCBを含み、このPCBがPCB130およびスイッチ用PCB134の両方の機能を組み込んでもよい。一実施形態において、オンアームアセンブリ10内のPCBは、CMM1の通信バスと電気的に接続する。他の実施形態において、オンアームアセンブリ10内のPCBは、(CMM1の通信バスとの電気接続の代わりに)無線(例えば、WiFi、ブルートゥースなどの)送信器を含み、これらが、スイッチ131,132と関連付けられたテイク信号および確認信号を無線で送信する。
[0096]図9は、CMM1の為の例示的電子機器のブロック図を図示する。CMM1は、ユニバーサルシリアルバス(USB)150,無線(Wi-Fi)152のような外部通信インタフェースを含んでもよい。また、CMM1は、内部通信バス(例えば、RS-485)154を含んでもよい。前述したように、CMM1の様々なジョイントまたは軸は、各々が、PCB36を含み、PCB36は、そこに少なくとも一つのトランスデューサを設置し、このトランスデューサは、ジョイントの回転角に対応した角度信号を出力するように構成されている。PCB36は、各々が、トランスデューサからの角度信号および/または回転ダンパアセンブリ90のPCB112からの歪信号を受信して処理する為のプロセッサ70を含んでもよい。また、PCB36は、バス154とインタフェースを行うトランスデューサ156を含んでもよい。測定プローブ6のPCB130は、タッチトリガー・プローブ140からの信号を運んでもよく、また、通信バス154に接続してもよい。また、バス154は、たとえば、オプションポート142に組み込まれたレーザスキャナのようなオプション装置と通信/オプション装置を制御する為に、測定プローブ6のオプションポート142に接続してもよい。ハンドル128のPCB125は、スイッチ131,132に関連付けられたテイク信号および確認信号を無線で送信してもよい。
[0097]バス154は、CMM1のベース4に置かれるのが好ましいメインPCB158で終端してもよい。メインPCB158は、バス154に接続する為に、独自のメインプロセッサ160および送受信機162を含む。メインPCB158は、CMM1内のトランスデューサからの角度信号を受信し、受信した角度信号の凝集をUSB150またはWi-Fi152を経てホストPCに出力し、ホストPCは、この情報及びCMM1に関連する他の情報(例えば、アームセグメントの場所、長さなど)に基づき、測定プローブ6の位置を計算してもよい。内部バス154は、RS485と一致してもよい。
[0098]RS485内部バスを使用するように構成された従来技術の座標測定機は、専用キャプタおよびトリガーワイヤが組み込まれ、それぞれ、キャプタ及びトリガー信号を送信していた。本願に全体が参照のために組み込まれる米国特許第6,219,928号を参照。取込み信号は、RS485配置のマスタコントローラによって生成される同期信号である。トリガー信号は、タッチトリガー・プローブ・アクセサリ(例えば、レニショーTP20)のような関節アームに取り付けられた装置によって生成される非同期信号である。専用トリガーワイヤは、関節アームのベースにおいて、プローブからマスタコントローラまで移動する。専用トリガーワイヤを通って移動するトリガー信号は、マスタコントローラに割り込む。マスタコントローラにおける割り込みサービスルーチンは、エンコーダからの角度信号を取り込む為に同期取込み信号を生じさせる。
[0099]図9には、何も専用取込みワイヤ又はトリガーワイヤが無いことに留意されたい。その代わりに、バス154は、メインPCB158の観点から、一対の双方向ワイヤ164,166(A-B対、半二重)または二対の単方向ワイヤ(A-B対、全二重)を含む。
[00100]前述したようにジョイントの構造要素の為にスチールを使用しても、アーム2は、一部が比較的軽量のままであるのは、その構成部分の多く(例えば、シャフト、ベアリング、ハウジング、アームセグメントなど)が、従来技術の座標測定機の構成部分より小さいからである。たとえば、本願に開示されたCMM1のシャフト、ハウジング、アームセグメントを米国特許第8,607,467号に開示された座標測定機の対応する要素と比較する。CMM1の小さな構成部分は、著しく小さい質量を有するので、従来の対応部品より著しく軽い。より小さい構成部分は、一部がCMM1に使用されてもよいが、これは、CMM1無いで信号を運ぶ為のワイヤ量は、従来技術の座標測定機と比較したとき、著しく減少されてきたからである。従来技術の座標測定機は、ワイヤを配線するために、シャフト、ハウジング、アームセグメント等の内部にかなりの空間が必要であった。図9において説明されたような電子機器の配置、更に、後述するようなタイミング信号の為に、CMM1では、配線がかなり減少しており、これが、その軽量に貢献している。
[00101]図10Aは、動作中の図9の例示的電子機器の例示的タイミングチャートを図示する。動作中、メインプロセッサ160は(ワイヤ164,166を経て)所定の間隔(例えば、960マイクロ秒)で、エンコーダ用PCB36のプロセッサ70に取込み命令を送信してもよい。図10Aに見られるように、各プロセッサ70は、取込み命令を受信する。応答において、プロセッサ70の割り込みサービスルーチンは、エンコーダ用PCB36間の固定された較正待ち時間を有する内部取込みを生成する。図10Aに示されるように、内部取込みパルスは、アクティブ・ロー(或いは、他の例示的タイミング図の一部に示されるようにアクティブ・ハイ)であり、たとえば、5マイクロ秒の典型的長さを有してもよい。
[00102]図10Bは、動作中の図9の例示的電子機器の他の例示的タイミングチャートを図示する。動作中、メインプロセッサ160は、(ワイヤ164,166)を経て、エンコーダ用PCB36のプロセッサ70の各々に、所定の間隔(例えば、960マイクロ秒)で、取込み命令を送信してもよい。図10Bに見られるように、各プロセッサ70は、それらの取込み命令を受信する。(1)において、第1エンコーダ用プロセッサ70は、その取込み命令を受信した後の8データバイト又は11μs(8*11ビット/データバイト*125ns/ビット)に、シリアルライン割り込みを可能にする。(2)において、第2エンコーダ用プロセッサ70は、その取込み命令を受信した後の7データバイト又は9.625(~9.63)μsに、シリアルライン割り込みを可能にし、第3エンコーダ用プロセッサから第6エンコーダ用プロセッサについても同様である。(7)において、第7エンコーダ用プロセッサ70は、その取込み命令を受信した後の2データバイト又は2.75μsに、シリアルライン割り込みを可能にする。(8)において、オプションポート用プロセッサ70は、その取込み命令を受信した後の1データバイト又は1.375(~1.38)μsに、シリアルライン割り込みを可能にする。次に、(9)において、メインプロセッサ160は、読取りデータ命令を第1エンコーダ用プロセッサ70に送信し、ハードウェハ割り込みが開始ビットの立上がりエッジで生成され、プロセッサ70における割り込みサービスルーチンは、約0.19μsで内部取込みを生成する。図10Bに示されるように、内部取込みパルスは、アクティブ・ハイ(或いは、他の例示的タイミング図の一部に示されるようにアクティブ・ロー)であり、典型的な長さ(たとえば、4マイクロ秒)を有してもよい。
[00103]図10Cは、動作中の図9の例示的電子機器の他の例示的タイミングチャートを図示する。図10Cに示されるように、プロセッサ70は、最後の取込み命令を受信した後、1.38マイクロ秒に内部取込みを開始することができる。この方法は、主に異なるプロセッサ70の使用によって導入されるクロック誤差のために、前述した一部の方法よりも大きな誤差を有する場合がある。
[00104]図10Dは、動作中の図9の例示的電子機器の他の例示的タイミングチャートを図示する。図10Dに示されるように、二重ペア(A-B対およびY-Z対、全二重)シリアル構成において、いったん取込み命令がエンコーダ用プロセッサ70に受信されると、各プロセッサ70は、シリアンライン割り込みを可能にする。次に、メインプロセッサ160は、読取りデータ命令を第1エンコーダ用プロセッサ70に送信し、開始ビットの立ち下がりエッジでハードウェア割り込みが生成され、プロセッサ70における割り込みサービスルーチンが、約0.19μsで内部取込みを生成する。
[00105]図10Eは、動作中の図9の例示的電子機器の他の例示的タイミングチャートを図示する。図10Eに示されるように、二重対(A-B対およびY-Z対、全二重)シリアル構成において、いったん取込み命令がエンコーダ用プロセッサ70によって受信されると、各プロセッサ70は、直ぐに、典型的には1.63マイクロ秒の遅れで内部取込みを開始することができる。この方法は、プロセッサ70のクロック周波数の変動のため、前述した一部の方法より精度が低い。
[00106]図10Fに示されるように、PCB130において、取込み命令の為の割り込みサービスルーチンは、間隔タイマ/カウンタを保存し、リセットする。たとえば、タッチトリガー・プローブ・アクセサリからの非同期トリガーは、間隔タイマ/カウンタの値を取り込んで保存する。後の取込み命令(n+1)では、間隔タイマ/カウンタが保存されてリセットされる。
[00107]非同期トリガーの時点でプローブ6の位置を見付けるため、位置(n)及び位置(n+1)の間のベクトル差に、非同期トリガー取込み値を(n+1)位置の取込み値で割って位置(n)のベクトルに追加する比率を掛けることができる。代替実施形態において、非同期トリガーは、固定較正待ち時間を有してもよいが、これは、真の位置に到達するため、非同期トリガー取込み値から引かれてもよい。他の実施形態において、アームのベースにおける非同期トリガーポート(図示せず)が、メインプロセッサ160内の内部タイマ/カウンタを開始する為に使用されてもよい。
[00108]そのため、各PCB36における待ち時間を考慮して補正することにより、CMM1の電子機器は、専用の取込み及びトリガーワイヤを有することなく、正確な測定を行うことができる。
定義
[00109]以下、本書で用いられる選択された用語の定義を含める。これらの定義は、様々な実施例または構成部分の形式を含むが、これらは、用語の範囲内にあり、実装に使用されてもよい。実施例は、限定を意図するものではない。用語の単数形と複数形の両方が定義内にある場合がある。
[00110]本書で使用されるように、「動作できるような接続」または「動作できるような結合」または、構成要素(entities)が「動作できるように接続」又は「動作できるように結合」される接続は、構成要素が、意図したとおりに機能するように接続される接続である。動作できるような接続は、直接的な接続または間接的な接続でもよく、間接的な接続では、中間の構成要素または複数の構成要素が協働し、あるいは、別の方法で接続の一部であるか、あるいは、動作できるように接続された構成要素の間にある。信号の状況において、「動作できるような接続」、または、構成要素が「動作できるように接続」される接続とは、信号、物理的通信、又は論理通信が送受信できる接続である。典型的に、動作できるような接続は、物理的インタフェース、電気的インタフェース、データインタフェースを含むが、動作できるような接続は、動作できる制御を可能にするのに十分な、これらの接続または他の形式の接続の異なる組合せを含んでもよいことに留意されたい。たとえば、2つの構成要素は、互いに直接的に、または、プロセッサ、オペレーティングシステム、ロジック、ソフトウェア、他の構成要素のような一つ又は複数の中間構成要素を介して信号を互いに通信できることによって動作できるように接続できる。論理通信または物理的通信チャネルは、動作可能な接続を生じさせる為に使用できる。
[00111]本書で使用される「信号」は、一つ又は複数の電気的信号または光学的信号、アナログ信号、デジタル信号、データ、一つ又は複数のコンピュータ又はプロセッサ命令、メッセージ、ビット又はビットストリーム、受信、送信、検出可能な他の手段を含むが、これらに限定されるものではない。
[00112]詳細な説明または特許請求の範囲で「含む」又は「含むこと」という用語が用いられる限り、「備えること」という用語と同様、その用語が請求項において移行語として用いられるときのように包括的に解釈される。さらに、詳細な説明または特許請求の範囲で「または」という用語が用いられる限り(例えば、AまたはB)、それは、「A又はB、または両方」を意味することが意図されている。出願人が「AまたはBのみであるが、両方ではない」ことを示したいとき、その用語は、「AまたはBのみであるが、両方ではない」という用語が用いられる。そのため、本書における「または」の使用は、包括的であり、排他的使用ではない。Bryan A. Garnerの「A Dictionary of ModernLegal Usage 624」(第二版、1995)を参照。
[00113]システム、方法などの実施例は、実施例を説明することによって図示され、実施例はかなり詳細に説明されているが、出願人には、そのような詳細に範囲を制限しなり限定する意図はない。もちろん、本書で説明されたシステム、方法などを説明する目的で、構成部分または方法論の考えられる全ての組合せを説明することは不可能である。追加の利点および変形例は、当業者には容易に明らかになるであろう。したがって、本発明は、特定の詳細、代表的な装置、示され、説明された図示された実施例に限定されるものではない。そのため、本願は、添付された特許請求の範囲に入る代替例、変形例、変更例を包含することが意図されている。さらに、前述の説明は、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。むしろ、本発明の範囲は、添付された特許請求の範囲およびそれらの均等物によって決定されるものである。