JP7469200B2 - 列車制御システム及び列車制御装置 - Google Patents

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Description

本開示は、列車制御システム及び列車制御装置に関する。
列車の運行を効率的に行う方法として、次駅の到着目標とする時刻などの運転目標を列車に与え、列車がこの運転目標に従って自ら走行する列車群管理システムが知られている。かかる列車群管理システムは、「Automatic Train Operation」(ATO)と呼ばれる。
ATOシステムでは、特定の列車がダイヤ上の時刻よりも遅れたと判定された場合、もしくは、運行管理システムから、いつ(時刻)、どこに(位置)、どのくらいの速さ(速度)で到達するかといった目標(時刻、位置、速度)が与えられたとき、その列車は、運行を制御するための目標ランカーブを再作成し、目標を達するように速度制御を行う。
こうしたATOシステムにおける列車運行を更に効率化することについては、いくつかの提案がなされている。
例えば、特開2010-241225号公報(特許文献1)には、「列車から一定時間周期毎に位置や速度などの列車情報を受け取り、運行管理装置のダイヤ予測情報とこの列車情報とに基づいて、列車の運転目標を作成し、列車情報及び運転目標を前記列車に配信する列車運行情報管理装置を設置し、この列車情報より列車の位置や速度の情報を走行実績情報として保持させる。そして列車情報が一定時間毎に更新されない場合には、運転目標情報及び走行実績情報を用いて、更新されない列車情報の代替情報を作成して列車に配信する」技術が記載されている。
特開2010-241225号公報
特許文献1には、地上装置を含め、ATC装置、ATS装置等の鉄道信号装置が正常に作動し、先行する列車との追突が防止されるよう、最終的な速度制御が確実に行われることを前提に、例えば、特定の列車からの情報が途絶した場合でも、他列車(特に当該特定の列車の後続列車)に対して情報が途絶した列車についての精度の高い情報を与えることで円滑な列車運行を継続する列車群運行管理システムの発明が開示されている。
ただし、先行列車の在線等によって、駅間には当該列車前方の走行が可能な位置(走行許可位置)が存在し、前方の列車との間隔等に応じて更新される。そして、この走行許可位置の更新は、駅での乗客の乗降等に応じて時間を要する場合があり、この更新時間の長さは、地点毎に異なる。
そのため、列車は、走行許可位置の更新が完了する前に当該走行許可位置に接近すると、減速や停車を行わなければならない。これにより、走行許可位置の更新までに要する時間によっては、停車から加速に必要な時間分だけ走行時間に遅れを生じたり、停車までの減速や、停車からの加速による衝動によって、乗り心地が悪化する可能性がある。
しかしながら、特許文献1は、特定列車からの情報が途絶した場合の課題に着目しているものの、情報途絶の有無にかかわらず、走行許可位置の更新までに要する時間や次駅までの距離、当該列車の速度、勾配情報等をもとに複数列車の運転目標を設定することについては検討されていない。更に、このような運転目標を設定するためには、発駅と着駅間以外に駅間出発等の無数のランカーブを計算する機能が必要であり、当該機能は特許文献1には記載されていない。
また、特許文献1では、情報が途絶した場合、情報が途絶した列車についての精度の高い情報を与える方法が用いられるが、情報のわずかな誤差で、列車の走行軌跡は列車群運行管理システムが設定するランカーブと乖離し、不要な加減速が発生するため、乗り心地が悪化する場合がある。つまり、列車群運行管理システムでランカーブを再作成することは、特に情報が途絶した場合に実現が困難となる。
そこで、本開示は、情報途絶の有無にかかわらず、当該列車が走行許可位置付近を走行する場合に、列車群の遅延収束及び衝動を防止して乗り心地を向上させる列車制御システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、代表的な本開示の列車制御システムの一つは、所定の線路上を移動する列車を制御する車上制御装置と、前記列車の在線位置を管理し、前記列車の走行可能経路と走行許可位置とを算出する地上制御装置とを備える列車制御システムであって、前記車上制御装置は、前記地上制御装置と通信を行う車上通信部と、前記列車の前記在線位置を取得する位置取得部と、前記在線位置を前記地上制御装置に送信し、前記走行許可位置を前記地上制御装置から受信し、前記走行許可位置に応じて前記列車を走行させる車上制御部とを含み、前記地上制御装置は、前記車上制御装置と通信を行う地上通信部と、前記車上制御装置から前記在線位置を受信し、前記列車の走行可能経路と前記走行許可位置とを算出し、前記走行許可位置を前記車上制御装置に送信する地上制御部とを含み、前記車上制御部は、前記走行許可位置の移動の履歴を示す走行許可位置移動履歴を記憶し、特定地点の近傍における走行許可位置が変更されるまでに要する時間である走行許可位置更新時間を前記走行許可位置移動履歴から統計的に算出し、前記走行許可位置更新時間の経過後に前記列車に前記特定地点の近傍を走行させることを特徴とする。
本開示によれば、情報途絶の有無にかかわらず、当該列車が走行許可位置付近を走行する場合に、列車群の遅延収束及び衝動を防止して乗り心地を向上させる列車制御システムを提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
図1は、本開示の実施例に係る列車制御システムの構成の一例を示す図である。 図2は、本開示の実施例に係る、列車と走行可能経路及び走行許可位置の関係を示す概念図である。 図3は、本開示の実施例に係る、走行許可位置更新までの車上制御装置による目標ランカーブの設定の一例を示す図である。 図4は、本開示の実施例に係る、走行許可位置更新後の車上制御装置による目標ランカーブの設定の一例を示す図である。 図5は、本開示の実施例に係る、自列車移動履歴の送信と全列車移動履歴の受信の一例を示す図である。 図6は、本開示の実施例に係る、列車の目標速度を調整する処理手順の一例を示すフローチャートである。 図7は、本開示の実施例に係る全列車移動履歴のデータベースの構成を示す図である。 図8は、本開示の実施例に係る全列車移動履歴を受信した列車の目標ランカーブを設定する処理の流れを示す図である。 図9は、本開示の実施例に係る全列車移動履歴情報に基づいて列車の目標速度を調整する処理の流れの一例を示す図である。 図10は、本開示の実施例を実施するためのコンピュータシステムを示す図である。
以下、図面を参照して、本開示の実施例について説明する。なお、この実施例により本開示が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
上述したように、線路上で走行する列車の走行可能経路は、いわゆる「走行許可位置」によって規定される。この走行許可位置とは、列車がどこまで走行してよいかを示し、列車の走行が許容されている範囲の限界を指定する情報であり、前方の列車との間隔等に応じて更新される。ただし、この走行許可位置の更新は、駅での乗客の乗降等に応じて時間を要する場合があり、この更新時間の長さは、地点毎に異なる(例えば、乗客が多い駅では、走行許可位置の更新時間がより長くなることがある)。
そのため、列車は、走行許可位置の更新が完了する前に当該走行許可位置に接近すると、減速や停車を行わなければならない。これにより、走行許可位置の更新までに要する時間によっては、停車から加速に必要な時間分だけ走行時間に遅れが生じたり、停車までの減速や、停車からの加速による衝動によって、乗り心地が悪化したりする可能性がある。
そこで、本開示に係る列車制御システムによれば、特定地点の近傍における走行許可位置更新時間を走行許可位置移動履歴から統計的に算出し、算出した走行許可位置更新時間に基づいた目標ランカーブを作成し、この目標ランカーブに従って当該列車を、走行許可位置更新時間の経過後に特定地点を走行させることができる。これにより、列車群の遅延収束及び衝動を防止して乗り心地の向上を図ることができる。
次に、図1を参照して、本開示の実施例に係る列車制御システムの構成について説明する。
図1は、本開示の実施例に係る列車制御システム150の構成の一例を示す図である。図1に示すように、本開示の実施例に係る列車制御システム150は、列車108に車載されている装置や機能部を含む車上系160aと、列車108に車載されていない装置や機能部を含む地上系160bとに分かれている。図1における破線は、車上系160aと、地上系160bとの仮想の境界線を示す。
列車制御システム150は、地上制御装置100と、線路114上を走行する列車108に搭載される車上制御装置110と、運行管理装置130とから主に構成される。
図1に示すように、地上制御装置100は、地上制御部101と、地上通信部102と、走行線区データベース(以下、「走行線区DB」ともいう)103とを含む。
地上制御部101は、列車108の走行可能経路(例えば、後述する図2における走行可能経路115)の範囲における走行許可位置を示す走行許可位置情報107を算出し、列車108からの自列車移動履歴を示す自列車移動履歴情報105と同一線路を走行する列車の全列車移動履歴を示す全列車移動履歴情報106を蓄積するための機能部である。
地上通信部102は、地上制御部101の情報を車上制御装置110に送信するための機能部である。
走行線区DB103は、列車108の在線位置を示す在線位置情報104を管理するためのデータベースである。この走行線区DB103は、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、クラウドストレージ等、任意の記憶手段であってもよい。
車上制御装置110は、車上通信部111と、車上制御部112と、位置取得部113と、移動履歴記憶データベース(以下、「移動履歴記憶DB」)109とを含む。
車上通信部111は、上述した地上制御装置100と通信を行うための機能部である。
車上制御部112は、走行許可位置情報107と全列車移動履歴情報106とに基づいて、列車108の制限速度を指定する目標ランカーブを設定するための機能部である。一例として、この目標ランカーブは、例えば、列車108が次の走行許可位置に到達するまでに速度が0km/hとなるような制限速度を規定してもよい。
位置取得部113は、列車の在線位置を示す在線位置情報104を取得するための機能部である。
移動履歴記憶DB109は、地上制御装置100から受信した全列車移動履歴情報106を蓄積するためのデータベースである。この移動履歴記憶DB109は、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、クラウドストレージ等、任意の記憶手段であってもよい。
運行管理装置130は、列車ダイヤに従って列車108の運行を管理するための装置である。運行管理装置130は、インターネット等のネットワークを介して、地上制御装置100と通信可能に接続されている。また、図1に示すように、運行管理装置130は、地上制御装置100と通信を行うための通信部131と、列車108のための指示を発行したり、走行許可位置を設定したりするための運行管理部132と、各種情報を表示するための表示部133とを含む。
後述するように、列車は、当該列車の駅間走行時間(つまり、特定の駅Aから特定の駅Bまで走行するのに要する時間)の情報を測定してもよい。この場合には、列車108は、測定した駅間走行時間を地上制御装置100に送信した後、地上制御装置100は、受信した駅間走行時間を、運行管理装置130に送信する。その後、運行管理装置130は、駅間走行時間に基づいて、列車108の出発指示又は走行許可位置等を適宜に変更し、変更後の出発指示を示す変更後出発指示又は変更後の走行許可位置を示す変更後走行許可位置を生成してもよい。これにより、列車108の駅間走行時間に応じて、遅延をなるべく抑えるように列車108の出発指示及び走行許可位置等を変更したりすることが可能となる。
また、運行管理装置130は、生成した変更後出発指示又は変更後走行許可位置を地上制御装置100に送信した後、地上制御装置100は、変更後出発指示又は変更後走行許可位置を車上制御装置110に送信してもよい。その後、車上制御装置110は、受信した変更後出発指示又は変更後走行許可位置に基づいて、列車108の目標速度を調整してもよい。なお、列車108の目標速度調整については後述する(図9等参照)。
更に、ある実施形態では、運行管理装置130は、列車108の駅間走行時間から、列車の遅延時間を算出し、これらの駅間走行時間及び遅延時間を表示部133に表示してもよい。これにより、運行管理装置を用いて路線の運行監視を行う司令員は、列車の駅間走行時間及び列車の遅延状況を容易に把握することができる。
以上説明した構成を有する列車制御システム150により、当該走行許可位置の更新時間を全列車移動履歴情報から統計的に算出し、算出した走行許可位置更新時間に基づいた目標ランカーブを作成することができる。列車は、この目標ランカーブに従って走行することで、算出した走行許可位置更新時間の経過後に走行許可位置を通過することとなるため、不要な減速による遅延や衝動を避け、列車群の遅延収束及び衝動を防止して乗り心地を向上させることが可能となる。
次に、図2を参照して、本開示の実施例に係る列車と走行可能経路及び走行許可位置の関係について説明する。
図2は、本開示の実施例に係る列車108と走行可能経路115及び走行許可位置116a、117の関係を示す概念図である。
上述したように、線路上で走行する列車108の走行可能経路は、いわゆる「走行許可位置」によって規定される。この走行許可位置とは、列車108がどこまで走行してよいかを示し、列車108の走行が許容されている走行可能経路115の範囲の限界を指定する情報である。当該走行許可位置116aは、前方の列車との間隔等に応じて更新され、新たな位置に走行許可位置117として設定される。
ただし、この走行許可位置116aの更新は、駅での乗客の乗降等に応じて時間を要する場合があり、この更新時間(以下、「走行許可位置更新時間」)116bの長さは、地点によって異なる。そのため、列車108は、走行許可位置116aの更新が完了する前に当該走行許可位置116aに接近すると、減速や停車を行わなければならず、走行許可位置116aまでに速度が0km/hとなるような制限速度118で走行する。これにより、走行許可位置116aの更新までに要する時間によっては、停車の状態から加速するための時間分だけ走行時間に遅れを生じたり、停車までの減速や、停車からの加速による衝動によって、乗り心地が悪化したり、乗客が転倒したりする可能性がある。
次に、図3及び図4を参照して、本開示の実施例に係る、車上制御装置による目標ランカーブの設定の一例について説明する。本開示に係る列車の運行は、目標ランカーブによって制御される。ここでの目標ランカーブとは、特定の時刻までに特定の地点に到達するための速度の変化パターン(いつまで加速し、いつから減速するか等)を指定する情報であり、列車108の制限速度を規定する。
上述したように、本開示に係る列車制御システムによれば、特定地点の近傍における走行許可位置更新時間を走行許可位置移動履歴から統計的に算出し、算出した走行許可位置更新時間に基づいた目標ランカーブを作成し、この目標ランカーブに従って当該列車を、走行許可位置更新時間の経過後に特定地点を走行させることができる。
これにより、列車群の遅延収束及び衝動を防止して乗り心地の向上を図ることができる。以下、図3及び図4を参照して、走行許可位置更新までの車上制御装置による目標ランカーブの設定の一例と、走行許可位置更新後の車上制御装置による目標ランカーブの設定の一例を示す。
図3は、本開示の実施例に係る、走行許可位置更新までの車上制御装置による目標ランカーブの設定の一例を示す図である。図3に示すように、列車108は、駅120を出発し、走行許可位置116aに向けて走行するとする。このとき、列車108の駅120から走行許可位置116aまでの運行は、目標ランカーブ121によって制御される。この目標ランカーブ121は、例えば列車108の制限速度118を規定してもよい。例えば、図3に示すように、この制限速度118は、列車108が駅120から出発した後、所望の速度に到達するまで加速し、走行許可位置116aに接近すると、走行許可位置116aに向けて減速する(つまり、走行許可位置116aまでに停車できる)ような速度パターンであってもよい。
図4は、本開示の実施例に係る、走行許可位置更新後の車上制御装置による目標ランカーブの設定の一例を示す図である。図4に示すように、列車108に搭載される車上制御装置(例えば、図1に示す車上制御装置110)は、列車108の在線位置における地上制御装置100から走行許可位置情報(例えば、図1に示す走行許可位置情報107)と全列車移動履歴情報(例えば、図1に示す全列車移動履歴情報106)を受信した後、車上制御装置の車上制御部(例えば、図1に示す車上制御部112)は、走行許可位置116aの更新時間である走行許可位置更新時間116bを全列車移動履歴情報(より具体的には、全列車移動履歴情報に含まれる走行許可位置移動履歴の集計)から統計的に算出する。その後、車上制御装置は、列車108の在線位置と、現在の走行許可位置116aと、算出した走行許可位置更新時間116bとに基づいて、更新後の走行許可位置117までの運行を制御し、列車108の制限速度119を規定する目標ランカーブ122を生成する。
このように、列車108は、走行許可位置116aへ接近する際に、走行許可位置116aから走行許可位置117までの運行を制御する新たな目標ランカーブを、少なくとも走行許可位置の更新時間に基づいて生成し、当該目標ランカーブに従って走行することで、走行許可位置更新時間の経過後に、停車することなく走行許可位置を走行することができる。
次に、図5を参照して、本開示の実施例に係る自列車移動履歴情報の送信と全列車移動履歴情報の受信について説明する。
図5は、本開示の実施例に係る自列車移動履歴情報の送信と全列車移動履歴情報の受信の一例を示す図である。
図5に示すように、列車108は、地上制御装置100に対して自列車移動履歴情報105を送信する。この自列車移動履歴情報105は、列車108の経路や過去の移動に関する情報である。自列車移動履歴情報105は、例えば、列車108の現在の目標地点、目標ランカーブ、速度、走行許可位置等の情報を含んでもよい。また、この自列車移動履歴情報105は、列車108が通過した走行許可位置の移動の履歴を示す走行許可位置移動履歴情報を含んでもよい。この走行許可位置移動履歴情報は、地点毎に、列車108が過去に通過した走行許可位置の更新時間を示す情報である。
また、地上制御装置100は、列車108から受信した自列車移動履歴情報105と、過去に同一の線路を走行した列車から受信した移動履歴情報を集計することで生成した全列車移動履歴情報106を列車108に対して送信する。この全列車移動履歴情報106は、過去に同一の線路を走行した列車から受信した自列車移動履歴情報105を集計したものであり、過去に同一の線路を走行した列車の目標地点、目標ランカーブ、速度、走行許可位置等の移動履歴情報の集計に加えて、過去に同一の線路を走行した列車によって通知された、地点毎の走行許可位置の更新時間を集計した情報を含む。
列車108に搭載される車上制御装置(例えば、図1に示す車上制御装置110)は、地上制御装置100から送信された全列車移動履歴情報106を記録し、目標ランカーブを作成する際に参照する。
また、上述したように、列車108に搭載される車上制御装置は、全列車移動履歴情報106に示される走行許可位置更新時間に基づいて目標ランカーブを生成することができる。より具体的には、車上制御装置は、全列車移動履歴情報106に含まれる、走行許可位置移動履歴情報の集計において過去に記録された走行許可位置更新時間の値における最頻値、平均値、または直近の走行許可位置更新時間を抽出し、この値に基づいて目標ランカーブを生成してもよい。上述したように、ここで作成される目標ランカーブは、列車108が、走行許可位置移動履歴情報の集計から抽出された走行許可位置更新時間の経過後に、当該走行許可位置を通過するような制限速度を規定する目標ランカーブである。
また、ある実施形態では、車上装置は、走行許可位置更新時間が経過した後、列車108に対する加速指令を発行してもよい。これにより、列車は、例えば走行許可位置が想定していた走行許可位置更新時間より早く更新された場合に、無駄なく走行することができる。
以上では、列車は、当該列車の移動履歴を示す自列車移動履歴情報として、現在の目標地点、目標ランカーブ、速度、走行許可位置、及び走行許可位置移動履歴情報を地上制御装置に送信する場合を説明したが、本開示はこれに限定されず、列車は、以上の情報に加えて、当該列車の駅間走行時間(つまり、特定の駅Aから特定の駅Bまで走行するのに要する時間)の情報を自列車移動履歴情報に含むことも可能である。
この場合、列車の駅間走行時間の情報を含む自列車移動履歴情報を受信した地上制御装置は、例えば列車ダイヤに従って当該列車の運行を管理する運行管理装置にその情報を送信した後、運行管理装置は、列車の駅間走行時間に基づいて列車の遅延状況に関する情報(遅延が発生するか否か、定量的な遅延時間等)を計算することで、当該列車の遅延状況を司令員などに知らせることができる。
また、ここでの列車の駅間走行時間及び列車の遅延状況に関する情報は、例えば運行管理装置に接続されている表示部に表示されてもよい。これにより、運行管理装置を用いて路線の運行監視を行う司令員は、列車の駅間走行時間及び列車の遅延状況を容易に把握することができる。
また、運行管理装置を用いて路線の運行監視を行う司令員は、地上制御装置から受信した、列車の遅延に関する情報を用いて、遅延が発生した列車の先行列車や後続列車に対して、目標ランカーブの見直しを行うことができる。例えば、先行列車の目標速度を低くすることにより、先行列車は遅延が発生した列車との列車間隔が空くことを防ぐことができる。また、後続列車の目標速度を低くすることにより、遅延が発生した列車との列車間隔が狭くなることを防ぐことができる。どちらの場合でも、列車群の遅延収束及び乗り心地の向上や衝動を防止することができる。
また、司令員等で目標ランカーブの見直しを実施する以外に、運行管理システムで自列車移動履歴情報と駅間走行時間を用いて、列車間隔を調整することができる。
司令員等または運行管理システムが列車間隔を調整する場合には、列車を駅から出発させない命令や、前後の列車で乗車率を平準化するために通常通り駅を出発し、意図的に走行許可位置や走行許可位置更新時間を変更する情報を地上制御装置に送信する方法が考えられる。これにより、運行管理システムから送信された情報を用いて、車上制御装置は目標速度を調整し、目標ランカーブを変更することができる。
一例としては、上述したように、列車の駅間走行時間を地上装置から受信した運行管理装置は、当該駅間走行時間に基づいて、列車の出発指示及び走行許可位置のいずれか一つを変更してもよい。このように、列車の駅間走行時間に応じて、列車の出発指示及び走行許可位置等を変更することで、遅延をなるべく抑えるように列車を運行させることができる。
次に、図6を参照して、本開示の実施例に係る、列車の目標ランカーブにおける目標速度を調整する処理手順について説明する。
図6は、本開示の実施例に係る、列車の目標ランカーブにおける目標速度を調整する処理手順250の一例を示すフローチャートである。図6に示す列車の目標速度を調整する処理手順250は、例えば列車に搭載される車上制御部によって実施され、目標ランカーブにおける列車の目標速度を調整するための処理である。
以下では、目標速度を所定の速度A1、A2、A3の分だけ変更する場合を説明するが、ここでの所定の速度A1、A2、及びA3は、任意の速度である。また、A1、A2、及びA3は、5km/h、10km/h等の特定の速度で表現されてもよく、現在の速度の10%、20%等の特定の割合で表現されてもよい。更に、A1、A2、及びA3の速度の値は、司令員等の人間ユーザによって予め設定されてもよく、ATOによって自動的に定められる値であってもよい。
まず、ステップS200では、車上制御部は、列車の現在の目標速度を読み込む。ステップS200の実行後、車上制御部は、ステップS201を実行する。
ステップS201では、車上制御部は、列車が駅間停車したか否かを判定する。列車が駅間停車した場合には(Y)、車上制御部は、ステップS202を実行し、列車が駅間停車していない場合には(N)、車上制御部は、ステップS203を実行する。
ステップS202では、車上制御部は、列車の目標速度を所定の速度A1の分だけ下げる。ステップS202の実行後、本処理は終了する。
ステップS203では、車上制御部は、列車が、駅出発後にブレーキ出力したか否かを判断する。列車がブレーキ出力した場合には(Y)、車上制御部は、ステップS204を実行し、列車がブレーキ出力していない場合には(N)、車上制御部は、ステップS205を実行する。
ステップS204では、車上制御部は、目標速度を所定の速度A2の分だけ下げる。ステップS204実行後、本処理は終了する。
ステップS205では、車上制御部は、走行許可位置更新時に、列車の速度を制限速度から引いた値(すなわち、「制限速度-列車速度」)が所定の閾値以下か否かを判定する。列車の速度を制限速度から引いた値が閾値以下の場合には(Y)、車上制御部は、ステップS206を実行し、列車の速度を制限速度から引いた値が閾値以下でない場合には(N)、車上制御装置はステップS207を実行する。
なお、ここでの閾値は、司令員等の人間ユーザによって予め設定されてもよく、ATOによって自動的に定められる値であってもよい。
ステップS206では、車上制御部は、列車の目標速度を保持する。ステップS206の実行後、本処理は終了する。
ステップS207では、車上制御部は、目標速度を所定の速度A3の分だけ上げる。ステップS207実行後、処理は終了する。
以上説明した列車の目標速度を調整する処理手順250により、ブレーキ出力や駅間停車をすることなく、各列車が走行許可位置付近を走行することが可能となる。
次に、図7を参照して、本開示の実施例に係る移動履歴記憶データベースの構成について説明する。
図7は、本開示の実施例に係る移動履歴記憶データベース109の構成を示す図である。上述したように、本開示の実施例に係る車上制御装置は、地上制御装置から受信した全列車移動履歴情報(例えば、図1に示す全列車移動履歴情報106)を移動履歴記憶データベース(例えば、図1に示す移動履歴記憶データベース)に格納し、当該全列車移動履歴情報を用いて列車の運行を制御する目標ランカーブを作成する。以下では、移動履歴記憶データベースに格納される全列車移動履歴情報について説明する。
上述したように、全列車移動履歴情報106は、地上制御装置が各列車から取得した自列車移動履歴を集約したものであり、同一の線路を走行した列車の目標地点、目標ランカーブ、速度、走行許可位置等の移動履歴情報の集計に加えて、当該同一の線路を走行した列車によって通知された、地点毎の走行許可位置の更新時間を集計した情報を含む。
より具体的には、図7に示すように、全列車移動履歴情報106は、走行許可位置の更新の発生時刻701、走行許可位置受信位置702、走行許可位置703、走行許可位置更新時間704、目標速度705、走行許可位置端停車時間706、走行実績707、及び駅間走行時分708等の情報を含んでもよい。この全列車移動履歴情報106に管理されている走行許可位置受信位置702、走行許可位置703、及び走行許可位置更新時間704等から、上述した走行許可位置の移動履歴を把握することができる。また、上述したように、全列車移動履歴情報106に含まれる各種情報は、列車の運行を制御する目標ランカーブの作成に用いられる。
次に、図8を参照して、本開示の実施例に係る全列車移動履歴情報を受信した列車の目標ランカーブを設定する処理について説明する。
図8は、本開示の実施例に係る全列車移動履歴を受信した列車の目標ランカーブを設定するランカーブ設定処理350の流れを示す図である。図8に示すランカーブ設定処理350は、列車の車上制御部によって行われ、列車が目標速度を調整することによって、最適な(つまり、遅延をなるべく抑制した)ランカーブを演算するためのフローを示す。
原則として、到着駅までの間に走行許可位置が設定されている場合に、全列車移動履歴情報に基づく目標速度の調整が必要となる。その際、現在列車が受信している走行許可位置と同じ地点かつ、同じ発生時刻(データ集約時のグルーピングで、おおまかな時間帯に区分け)のデータが全列車移動履歴情報に存在する場合には、列車の目標速度は図9に示す処理に従って適宜に調整される。
まず、ステップS300では、車上制御部は、走行許可位置の受信位置を取得する。ここで、車上制御部は、例えば移動履歴記憶データベースをアクセスし、この移動履歴記憶データベースから、走行許可位置の受信位置を読み込んでもよい。
次に、ステップS301では、車上制御部は、走行許可位置が、次に到着する駅よりも内方であるか否かを判定する。ここでは、車上制御部は、走行許可位置と、次に到着する駅の位置とを比較することで、走行許可位置が、次に到着する駅より近い(線路上、手前にあるか)かを判定してもよい。
ステップS301での判定の結果、走行許可位置が到着駅よりも内方でないと判定された場合、ステップS302では、車上制御部は、現在の目標ランカーブに従って列車を走行させる。これは、列車が走行許可位置に到達する前に駅に到着するため、走行許可位置を更新する必要はないからである。
ステップS301での判定の結果、走行許可位置が到着駅よりも内方であると判定された場合、ステップS303では、車上制御部は、当該列車は、全列車移動履歴情報と同一の条件はあるか否かを判定する。ここでの条件とは、例えば、地点、走行許可位置の更新の発生時刻、出発時刻、目的地、停車駅、目標速度などを含んでもよい。
ステップS303での判定の結果、当該列車は、全列車移動履歴情報と同一の条件を有しないと判定された場合、ステップS304では、車上制御部は、デフォルトの目標速度を用いて列車を走行させる。ここでのデフォルトの目標速度とは、予め設定された、初期の目標速度である。
ステップS303での判定の結果、当該列車は、全列車移動履歴情報と同一の条件を有すると判定された場合、ステップS305では、車上制御部は、図9に示す処理に従い、当該列車の最適な目標速度を選択して当該列車を走行させる。
このように、到着駅までの間に走行許可位置が設定されているか否かを判定することで、走行許可位置に応じた目標速度の調整を必要としている列車のみに対して目標ランカーブの作成を行うことが可能となるため、目標ランカーブの処理負荷を抑えることができる。
次に、図9を参照して、本開示の実施例に係る全列車移動履歴情報に基づいて列車の目標速度を調整する処理について説明する。
図9は、本開示の実施例に係る全列車移動履歴情報に基づいて列車の目標速度を調整する速度調整処理450の流れの一例を示す図である。図9に示す速度調整処理450は、各列車の車上制御部によって行われ、目標ランカーブにおける列車の目標速度を調整するための処理である。
以下説明する速度調整処理450では、列車の目標速度の調整は、走行実績に基づいて行われる。ここでの走行実績とは、ある走行許可位置に対して走行した列車の結果を示す指標である。
また、以下の説明では、過去に同一路線を走行した列車の走行実績の中で、走行許可位置更新時間の経過後に、その範囲内で実現可能な高い速度で走行した場合を「最適」な走行実績とする。それ以外には、走行許可位置で停止した場合を「停車」の走行実績とし、走行許可位置に対する減速制御を行った場合には、速度が高いことを示す「高速」の走行実績、走行許可位置更新時間を経過後の走行速度に速度上昇余裕があったことを示す「低速」の走行実績とする。これにより、ある時間帯において目標速度と走行許可位置の関係と走行実績が紐づくため、目標速度の調整が可能となる。
まず、ステップS400では、車上制御部は、発生時刻を基準に、全列車移動履歴情報の中から、当該列車と同一の条件(地点、走行許可位置の更新の発生時刻、出発時刻、目的地、停車駅、目標速度)の走行実績を検索する。
なお、この全列車移動履歴情報は、車上制御装置に送信される前に、地上制御装置側で、検索を容易にするための前処理として、クルーピングを行ってもよい。このクルーピングでは、全列車移動履歴情報は、大まかな時刻に区分けされる。一例として、全列車移動履歴情報は、朝夕のラッシュ時間、日中の閑散時間等のグループに区分けされてもよい。また、走行許可位置や走行許可位置受信位置についても、状況によって僅かな違いが生じるため,影響の生じない範囲で近接する区間を1つに集約することが望ましい。
このようにグルーピングを行うことで、処理負荷を抑えることができる。例えば、仮に、各列車の自列車移動履歴情報を集約し、グルーピング等の前処理を行わずに列車に送信すると、全ての列車で目標速度、目標ランカーブを算出するための演算が必要となり、処理負荷が増大してしまうことがある。そこで、全列車移動履歴情報に対して上述したグルーピングを行った後、グルーピングした結果を検索することで、列車側での処理負荷を抑え、目標速度を効率よく調整することができる。
次に、ステップS401では、車上制御部は、ステップS400の検索の結果に基づいて、「最適」な(つまり、走行許可位置更新時間の経過後に、その範囲内で実現可能な高い速度で走行した)走行実績があるか否かを判定する。「最適」な走行実績がある場合には、本処理はステップS402へ進み、「最適」な走行実績がない場合には、本処理はステップS403へ進む。
ステップS402では、車上制御部は、列車の目標速度及び目標ランカーブを、全列車移動履歴情報から検索して取得した「最適」な走行実績の目標速度及び目標ランカーブに設定する。その後、本処理は終了する。
これにより、列車の目標速度及び目標ランカーブを、「最適」な走行実績の目標速度及び目標ランカーブに設定することで、列車群の遅延収束及び衝動を防止して乗り心地を向上させることができる。
ステップS403では、車上制御部は、ステップS400の検索の結果に基づいて、「停車」と判定された走行実績があるか否かを判定する。「停車」の走行実績のみある場合には、本処理はステップS404へ進み、「停車」の走行実績がない場合には、本処理はステップS405へ進む。
ステップS404では、車上制御部は、列車の目標速度を、ステップS403で全列車移動履歴情報から検索して取得した「停車」の走行実績の目標速度よりも低い目標速度に設定する。このように、より低い目標速度に設定することで、列車が走行許可位置によって停車しなければならない状況を避けることができる。
ステップS405では、車上制御部は、ステップS400の検索の結果に基づいて、「高速」と判定された走行実績があるか否かを判定する。「高速」の走行実績がある場合には、本処理はステップS406へ進み、「高速」の走行実績がない場合には、本処理はステップS407へ進む。
ステップS406では、車上制御部は、列車の目標速度を、ステップS404で全列車移動履歴情報から検索して取得した「停車」の走行実績及び「高速」の走行実績の目標速度よりも低い目標速度に設定する。このように、より低い目標速度に設定することで、列車が走行許可位置によって停車しなければならない状況を避けることができる。
ステップS407では、車上制御部は、列車の目標速度を、「低速」と判定された走行実績の目標速度より高く、「停車」と判定された走行実績の目標速度より低い目標速度に設定する。これにより、より低い目標速度に設定することで、列車が走行許可位置によって停車しなければならない状況を避けつつ、列車の速度をなるべく高い速度に設定することができ、遅延を抑えることができる。
一例を説明すると、同じ地点において、目標速度30km/hで走行実績が「停車」と判定され、目標速度25km/hで走行実績が「高速」と判定された2種類の走行実績のデータがある場合、列車の目標速度を20km/hに設定してもよい。(すなわち、「停車」の走行実績と「高速」の走行実績の両方よりも低い速度。)
なお、実際には、列車の走行実績の条件が様々であり、時間帯(曜日や時間)の区分けを細分化することや、統計的に走行実績が「最適」となりやすい目標速度を選択しやすい演算を行ってもよい。また、ある実施形態では、機械学習モデルを用いて全列車移動履歴情報を分析することで「最適」の目標速度を導出してもよい。
以上説明した速度調整処理450では、列車の目標速度を過去に同一の路線を走行した列車から取得した全列車移動履歴情報における走行実績に基づいて調整することで、列車を、走行許可位置更新時間の経過後に特定地点を走行させることが可能となり、遅延収束及び衝動を防止して乗り心地の向上を図ることができる。
(ハードウェア構成)
次に、図10を参照して、本開示の実施例を実施するためのコンピュータシステム300について説明する。このコンピュータシステム300は、例えば以上説明した列車制御システムに含まれる様々な機能を実施するためのコンピューティングシステムである。例えば、以上説明した地上制御装置や車上制御装置の機能は、図10に示すコンピュータシステム300によって実施されてもよい。
コンピュータシステム300の主要コンポーネントは、1つ以上のプロセッサ302、メモリ304、端末インターフェース312、ストレージインタフェース314、I/O(入出力)デバイスインタフェース316、及びネットワークインターフェース318を含む。これらのコンポーネントは、メモリバス306、I/Oバス308、バスインターフェースユニット309、及びI/Oバスインターフェースユニット310を介して、相互的に接続されてもよい。
コンピュータシステム300は、プロセッサ302と総称される1つ又は複数の汎用プログラマブル中央処理装置(CPU)302A及び302Bを含んでもよい。ある実施例では、コンピュータシステム300は複数のプロセッサを備えてもよく、また別の実施例では、コンピュータシステム300は単一のCPUシステムであってもよい。各プロセッサ302は、メモリ304に格納された命令を実行し、オンボードキャッシュを含んでもよい。
ある実施例では、メモリ304は、データ及びプログラムを記憶するためのランダムアクセス半導体メモリ、記憶装置、又は記憶媒体(揮発性又は不揮発性のいずれか)を含んでもよい。メモリ304は、本明細書で説明する機能を実施するプログラム、モジュール、及びデータ構造のすべて又は一部を格納してもよい。例えば、メモリ304は、列車制御アプリケーション350を格納していてもよい。ある実施例では、列車制御アプリケーション350は、後述する機能をプロセッサ302上で実行する命令又は記述を含んでもよい。
ある実施例では、列車制御アプリケーション350は、プロセッサベースのシステムの代わりに、またはプロセッサベースのシステムに加えて、半導体デバイス、チップ、論理ゲート、回路、回路カード、および/または他の物理ハードウェアデバイスを介してハードウェアで実施されてもよい。ある実施例では、列車制御アプリケーション350は、命令又は記述以外のデータを含んでもよい。ある実施例では、カメラ、センサ、または他のデータ入力デバイス(図示せず)が、バスインターフェースユニット309、プロセッサ302、またはコンピュータシステム300の他のハードウェアと直接通信するように提供されてもよい。
コンピュータシステム300は、プロセッサ302、メモリ304、表示システム324、及びI/Oバスインターフェースユニット310間の通信を行うバスインターフェースユニット309を含んでもよい。I/Oバスインターフェースユニット310は、様々なI/Oユニットとの間でデータを転送するためのI/Oバス308と連結していてもよい。I/Oバスインターフェースユニット310は、I/Oバス308を介して、I/Oプロセッサ(IOP)又はI/Oアダプタ(IOA)としても知られる複数のI/Oインタフェースユニット312,314,316、及び318と通信してもよい。
表示システム324は、表示コントローラ、表示メモリ、又はその両方を含んでもよい。表示コントローラは、ビデオ、オーディオ、又はその両方のデータを表示装置326に提供することができる。また、コンピュータシステム300は、データを収集し、プロセッサ302に当該データを提供するように構成された1つまたは複数のセンサ等のデバイスを含んでもよい。
例えば、コンピュータシステム300は、湿度データ、温度データ、圧力データ等を収集する環境センサ、及び加速度データ、運動データ等を収集するモーションセンサ等を含んでもよい。これ以外のタイプのセンサも使用可能である。表示システム324は、単独のディスプレイ画面、テレビ、タブレット、又は携帯型デバイスなどの表示装置326に接続されてもよい。
I/Oインタフェースユニットは、様々なストレージ又はI/Oデバイスと通信する機能を備える。例えば、端末インタフェースユニット312は、ビデオ表示装置、スピーカテレビ等のユーザ出力デバイスや、キーボード、マウス、キーパッド、タッチパッド、トラックボール、ボタン、ライトペン、又は他のポインティングデバイス等のユーザ入力デバイスのようなユーザI/Oデバイス320の取り付けが可能である。ユーザは、ユーザインターフェースを使用して、ユーザ入力デバイスを操作することで、ユーザI/Oデバイス320及びコンピュータシステム300に対して入力データや指示を入力し、コンピュータシステム300からの出力データを受け取ってもよい。ユーザインターフェースは例えば、ユーザI/Oデバイス320を介して、表示装置に表示されたり、スピーカによって再生されたり、プリンタを介して印刷されたりしてもよい。
ストレージインタフェース314は、1つ又は複数のディスクドライブや直接アクセスストレージ装置322(通常は磁気ディスクドライブストレージ装置であるが、単一のディスクドライブとして見えるように構成されたディスクドライブのアレイ又は他のストレージ装置であってもよい)の取り付けが可能である。ある実施例では、ストレージ装置322は、任意の二次記憶装置として実装されてもよい。メモリ304の内容は、ストレージ装置322に記憶され、必要に応じてストレージ装置322から読み出されてもよい。I/Oデバイスインタフェース316は、プリンタ、ファックスマシン等の他のI/Oデバイスに対するインターフェースを提供してもよい。ネットワークインターフェース318は、コンピュータシステム300と他のデバイスが相互的に通信できるように、通信経路を提供してもよい。この通信経路は、例えば、ネットワーク330であってもよい。
ある実施例では、コンピュータシステム300は、マルチユーザメインフレームコンピュータシステム、シングルユーザシステム、又はサーバコンピュータ等の、直接的ユーザインターフェースを有しない、他のコンピュータシステム(クライアント)からの要求を受信するデバイスであってもよい。他の実施例では、コンピュータシステム300は、デスクトップコンピュータ、携帯型コンピュータ、ノートパソコン、タブレットコンピュータ、ポケットコンピュータ、電話、スマートフォン、又は任意の他の適切な電子機器であってもよい。
なお、本開示は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示に開示される技術的思考の範囲内において当業者による様々な変更及び修正が可能であり、様々な変形例が含まれる。また、上述した実施の形態は本開示を分かりやすく説明するために挙げた例であり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上述した実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
以下では、本開示の具体的な変形例(代替例)をいくつか挙げるが、本開示は、これらの変形例をさらに組み合わせてもよい。
例えば、以上では、列車は、目標速度に達するまで加速した後、惰行を行い、停車時にブレーキを行う目標ランカーブを一例として説明したが、目標速度に達するまで加速した後、定速走行を行い、その後惰行を行うなど、目標ランカーブは加速、定速、惰行、ブレーキの任意の組み合わせであってもよい。また、目標速度までの加速や走行許可位置に向けた減速のノッチは変化させて走行してもよい。
また、走行許可位置更新時間経過後、進路が開通していない場合であっても、進路が開通すると予測して加速を行う目標ランカーブも可能である。ただし、加速後に進路が開通しなかった場合は加速を中止する。
100 地上制御装置
101 地上制御部
102 地上通信部
103 走行線区データベース
104 在線位置情報
105 自列車移動履歴情報
106 全列車移動履歴情報
107 走行許可位置情報
108 列車
109 移動履歴記憶データベース
110 車上制御装置
111 車上通信部
112 車上制御部
113 位置取得部
114 線路
115 走行可能経路
116a走行許可位置
116b走行許可位置更新時間
117 更新後の走行許可位置
118 制限速度
119 走行許可位置更新後の制限速度
120 駅
121 現在の走行許可位置に対する目標ランカーブ
122 更新後の走行許可位置に対する目標ランカーブ
300 コンピューターシステム
302 プロセッサ
302A、302B CPU
304 メモリ
306 メモリバス
308 I/Oバス
309 バスIF
310 I/OバスIF
312 端末インターフェース
314 ストレージインターフェース
316 I/Oデバイスインターフェース
318 ネットワークインターフェース
320 ユーザIOデバイス
322 ストレージ装置
324 表示システム
326 表示装置
330 ネットワーク
350 列車制御アプリケーション

Claims (8)

  1. 所定の線路上を移動する列車を制御する車上制御装置と、
    前記列車の在線位置を管理し、前記列車の走行可能経路と走行許可位置とを算出する地上制御装置とを備える列車制御システムであって、
    前記車上制御装置は、
    前記地上制御装置と通信を行う車上通信部と、
    前記列車の前記在線位置を取得する位置取得部と、
    前記在線位置を前記地上制御装置に送信し、前記走行許可位置を前記地上制御装置から受信し、前記走行許可位置に応じて前記列車を走行させる車上制御部と、を含み、
    前記地上制御装置は、前記車上制御装置と通信を行う地上通信部と、
    前記車上制御装置から前記在線位置を受信し、前記列車の走行可能経路と前記走行許可位置とを算出し、前記走行許可位置を前記車上制御装置に送信する地上制御部とを含み、
    前記車上制御部は、前記走行許可位置の移動の履歴を示す走行許可位置移動履歴を記憶し、
    特定地点の近傍における走行許可位置が変更されるまでに要する時間である走行許可位置更新時間を前記走行許可位置移動履歴から統計的に算出し、
    前記走行許可位置更新時間の経過後に前記列車に前記特定地点の近傍を走行させる、
    ことを特徴とする列車制御システム。
  2. 前記車上制御装置は、
    前記走行許可位置更新時間の経過後に前記列車に前記特定地点の近傍を走行させるための目標速度の変化パターンを規定する目標ランカーブを作成する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の列車制御システム。
  3. 列車制御システムは、
    列車ダイヤに従って前記列車の運行を管理する運行管理装置を更に含み、
    前記車上制御装置は、
    前記列車の駅間走行時間を前記地上制御装置に送信し、
    前記地上制御装置は、
    受信した前記駅間走行時間を、前記運行管理装置に送信し、
    前記運行管理装置は、
    前記駅間走行時間に基づいて、前記列車の出発指示を変更した変更後出発指示又は前記走行許可位置を変更した変更後走行許可位置を生成する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の列車制御システム。
  4. 前記運行管理装置は、
    各種情報を表示するための表示部を含み、
    前記駅間走行時間を前記表示部に表示する、
    ことを特徴とする、請求項3に記載の列車制御システム。
  5. 前記運行管理装置は、
    前記駅間走行時間に基づいて、前記列車の遅延時間を計算し、
    計算した前記遅延時間に関する情報を前記表示部に表示する、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の列車制御システム。
  6. 前記運行管理装置は、
    前記変更後出発指示又は前記変更後走行許可位置を前記地上制御装置に送信し、
    前記地上制御装置は、
    前記変更後出発指示又は前記変更後走行許可位置を前記車上制御装置に送信し、
    前記車上制御装置は、
    前記変更後出発指示又は前記変更後走行許可位置に基づいて前記列車の目標速度を調整する、
    ことを特徴とする、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の列車制御システム。
  7. 前記車上制御装置は、
    前記走行許可位置更新時間が経過した場合、
    前記列車に対する加速指令を行う、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の列車制御システム。
  8. 列車の在線位置を管理し、前記列車の走行可能経路と走行許可位置とを算出する地上制御装置と通信を行う車上通信部と、
    前記列車の前記在線位置を取得する位置取得部と、
    前記在線位置を前記地上制御装置に送信し、前記走行許可位置を前記地上制御装置から受信し、前記走行許可位置に応じて前記列車を走行させる車上制御部とを含む列車制御装置であって、
    前記列車制御装置は、
    前記地上制御装置によって算出される前記走行許可位置を地上制御装置から受信し、
    前記走行許可位置の移動の履歴を示す走行許可位置移動履歴を記憶し、
    特定地点の近傍における走行許可位置が変更されるまでに要する時間である走行許可位置更新時間を前記走行許可位置移動履歴から統計的に算出し、
    前記走行許可位置更新時間の経過後に前記列車に前記特定地点の近傍を走行させる、
    ことを特徴とする、列車制御装置。
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