JP7468028B2 - 書籍棚および書籍位置案内システム - Google Patents

書籍棚および書籍位置案内システム Download PDF

Info

Publication number
JP7468028B2
JP7468028B2 JP2020049190A JP2020049190A JP7468028B2 JP 7468028 B2 JP7468028 B2 JP 7468028B2 JP 2020049190 A JP2020049190 A JP 2020049190A JP 2020049190 A JP2020049190 A JP 2020049190A JP 7468028 B2 JP7468028 B2 JP 7468028B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
book
bookshelf
information
books
posture correction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020049190A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021147183A (ja
Inventor
功 山岡
哲也 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2020049190A priority Critical patent/JP7468028B2/ja
Publication of JP2021147183A publication Critical patent/JP2021147183A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7468028B2 publication Critical patent/JP7468028B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、ICタグを備えた書籍を収納可能な書籍棚、および、当該書籍棚を使用した書籍位置案内システムに関する。
近年、図書館等の貸し出し用の書籍にICタグを取り付け、書籍を借りる際や返却する際に、専用の読み取り機を当該書籍にかざしてICタグの情報を非接触通信で読み取ることにより、書籍の識別や貸し出し、返却の手続きが簡素化、効率化されている。また、専用の読み取り機を搭載したロボットが各書籍棚を巡回し、書籍に取り付けられたICタグの情報を読み取り、これとロボットが検出した位置情報とを組み合わせて、書籍棚のどの位置にどの書籍が収納されているかを認識し、貸し出し対象の書籍の位置を知らせるシステムが存在する。
ところで、書籍棚に収納された書籍のICタグを正確に読み取るには、使用するICタグの種類や書籍への取り付け位置等に留意する必要がある。例えば特許文献1では、書籍の表表紙と裏表紙の双方にそれぞれRFIDタグが取り付けられ、それぞれのRFIDタグのアンテナの指向性が所定面の面方向で互いに略直交する4方向となるRFIDタグが記載されている。しかし、各書籍が直立状態で収納されない場合、すなわち、一部の書籍が斜めや横向きに配置されている場合には、それぞれの書籍のRFIDタグの読み取りが困難となり得る。
また、各書籍を確実に直立状態で収納できるものとして、例えば特許文献2に記載するように、各図書を専用の図書収納用フォルダに収納し、これを自動図書貸出装置の格納部に格納する態様が考えられる。しかし、この態様は、ピッカーにより自動的に必要な図書を選択的に取り出すことを目的としており、通常の書籍収納用に用いられる中間棚および仕切板を有するような標準的な書籍棚を流用することが困難である。
特開2007-174295号公報 特開2016-88641号公報
このように、書籍のいずれの場所にICタグを取り付けたとしても、書籍の書籍棚への収納状態によっては、正しくICタグが読めないおそれがある。また、書籍を専用のフォルダ等に収納してから書籍棚に配置する態様では、通常の書籍棚を流用することが難しく、専用構造の書籍棚の作成にコストが掛かるおそれがある。
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、標準的な書籍棚の構成を大きく変更することなく、収納された書籍に設けられたICタグの読み取りが良好となる書籍棚、および、当該書籍棚を使用した書籍位置案内システムを提供することを課題とする。
本実施の形態による書籍棚は、表紙の少なくとも一部に非接触通信が可能な読取装置を近づけることによって読み取り可能な情報が記録されたICタグを設けた書籍を、当該書籍の背が手前側に向くように収納する書籍棚であって、前記書籍の収納領域を画定する左右方向の両端に配置される側板と、前記収納領域を、さらに単位書籍ごとに複数の区画に仕切る仕切板と、を備え、前記区画のいずれかにおいて、前記区画を構成する前記側板または前記仕切板には、前記区画に挿入された前記書籍を単位書籍ごとに直立方向に矯正する姿勢矯正部を有する。
また、本実施の別の形態による書籍棚は、左右方向の両端に配置される前記側板を支持するための前記収納領域の下限を画定する底板、前記収納領域の上限を画定する天板、または、前記収納領域の奥行を画定する背板をさらに備えてもよい。
また、本実施の別の形態による書籍棚において、前記姿勢矯正部は、前記区画の前記書籍を挿入可能な空間の横幅が、前記書籍棚の手前から奥に向かうにつれて狭くなるように配置されてもよい。
また、本実施の別の形態による書籍棚において、前記姿勢矯正部は、前記区画に挿入された前記書籍によって変形する板バネまたはコイルバネを有するものでもよい。
また、本実施の別の形態による書籍棚において、前記姿勢矯正部は、前記区画に挿入された前記書籍の厚さが大きくなるにつれ、前記書籍に付勢する荷重を増大させるものでもよい。
また、本実施の別の形態による書籍棚において、前記仕切板は非金属製であってもよい。
また、本実施の書籍位置案内システムは、上記のいずれかの書籍棚と、前記書籍棚に収納されている前記書籍の前記ICタグから、書籍コードを非接触通信によって読み取る情報読取手段、および、前記情報読取手段が前記書籍コードを読み取った位置情報を検出する位置検出手段、を備えた自走式の点検ロボットと、ユーザーからの書籍貸し出しの予約を受付け、前記点検ロボットから受信した前記書籍コードおよび前記位置情報をもとに、前記予約の対象となる書籍を特定し、当該書籍が前記書籍棚に存在すると判断した場合であって、他の予約が入っていない場合は、当該書籍の貸し出しを許可し、当該書籍が前記書籍棚に存在しないと判断した場合、または、他の予約が入っている場合は、当該書籍の貸し出しを許可しない管理サーバーと、ユーザーからの問い合わせに応じて、前記管理サーバーが貸し出しを許可した書籍を特定する情報および当該書籍の位置情報を、前記管理サーバーから受信して出力する予約書籍案内手段と、を備えている。
本実施の形態によれば、標準的な書籍棚の構成を大きく変更することなく、収納された書籍に設けられたICタグの読み取りが良好となる書籍棚、および、当該書籍棚を使用した書籍位置案内システムを提供することができる。
実施形態に係る書籍棚および書籍位置案内システムの一部を説明する斜視図である。 実施形態に係る書籍棚を説明する斜視図である。 実施形態に係る書籍棚の構成、作用を説明する平面図である。 実施形態に係る書籍位置案内システムを説明する構成図である。 ICタグ、読取装置の構成、およびデータテーブルの一例を示す図である。 実施形態に係る書籍の貸し出し処理を行うフローの一例である。 実施形態に係る書籍の貸し出し処理を行うフローの一例である。 実施形態に係る書籍の貸し出し処理を行うフローの一例である。 変形例1に係る書籍棚の構成、作用を説明する平面図である。 変形例2および変形例3に係る書籍棚の構成、作用を説明する平面図である。
以下、図面等を参照して、本開示の書籍棚および書籍位置案内システムの一例について説明する。ただし、本開示の書籍棚および書籍位置案内システムは、以下に説明する実施形態や変形例に係る書籍棚および書籍位置案内システムには限定されない。
なお、以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状、断面図における各層の厚さ等は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、各図において、部材の断面を示すハッチングを適宜省略する。本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。また、説明の便宜上、紙面に対して上方または下方等という語句を用いて説明することがあるが、上下方向が逆転してもよく、左右方向についても同様とする。
1.本開示の実施形態
以下、図面に基づいて、本開示の実施形態に係る書籍棚および書籍位置案内システムの一例について説明する。図1は、本実施形態に係る書籍棚10および書籍位置案内システム1の一部を構成する点検ロボット100を説明する斜視図である。図2は、本実施形態に係る書籍棚10を説明する斜視図である。また、図3は、本実施形態に係る書籍棚10の構成、作用を説明する平面図である。
ここで、説明の便宜上、書籍棚10の配置に基づいてXYZ座標系を設定する。まず、書籍棚10の上下方向に沿ってZ軸をとり、上方を+Z方向、下方を-Z方向とする。また、書籍の挿入および取り出しの方向にY軸を取り、書籍の挿入方向を-Y方向または奥側、取り出し方向を+Y方向または手前側とする。さらに、書籍の挿入および取り出しを行う側から見て、書籍棚の横幅方向または水平方向にX軸を取り、向かって左側を+X方向、右側を-X方向とする。
図1に示すように、書籍棚10は、略長方形状の枠状の構造体である外枠13と、その間を上下方向に仕切る2枚の棚板50である棚板51および52と、水平方向に仕切る仕切板20と、を備えている。外枠13は、最上段において水平方向に延びる天板14と、最下段において水平方向に延びる底板15と、左右端においてそれぞれ上下方向に延びる左側板16および右側板17と、を備えている。また、書籍棚10は、この外枠13の奥側に背板18を備えている。
書籍棚10には、棚板51および52で仕切られた上段、中段、下段の各段に、様々な厚さを有する書籍200が収納されている。例えば、書籍棚10の上段を見た場合、その-X方向側、すなわち右側から順に、書籍201、202および203が収納されている。ここで、説明の便宜上、書籍201は比較的厚さが薄い書籍であり、書籍202は、書籍201よりも若干厚さが厚い書籍である。また、書籍203は、書籍202よりもさらに厚さが厚い書籍である。書籍棚10に収納された書籍201、202、203を含む全書籍200には、それぞれ、ICタグ40が設けられている。当該ICタグ40は、後述するように、例えば各書籍200の表紙の一部に取り付けられている。
書籍棚10に収納された各書籍200は、厚さの大小に関わらず、右側板17および仕切板20が有する姿勢矯正部30によって、片側から押され、その姿勢が略直立状態となっている。また、書籍棚10の手前側には、自立走行が可能な点検ロボット100が配置されている。点検ロボット100は、例えば床面に配置された基準マーク131を読み取ること等により、自己の位置を検出することができる。点検ロボット100は、このようにして書籍棚10の位置を計算し、書籍棚10の上段、中段、下段の高さに対応するように当該点検ロボット100の上方、中間、下方に設置された専用の読取装置120である121、122および123を、書籍棚10の書籍200に向けて近付ける方向に移動する。
そして、上段、中段、下段に収納された各書籍200に設けられたICタグ40に対して電波等による電気信号を送信し、当該ICタグ40からの応答信号の受信により、読み取ったICタグ40に対応する書籍200に関する情報を収集する。点検ロボット100は、その後、書籍棚10からの距離を変えることなく、X方向、すなわち書籍棚10の水平方向に沿って移動しながら、順次、上段、中段、下段に収納された別の各書籍200に設けられたICタグ40から当該書籍200に関する情報を収集する。これにより、書籍棚10に収納された全書籍200の情報を自動的に収集することができる。以下、書籍棚10、書籍200の構造の詳細を説明する。
(a)書籍棚
(i)側板、天板、底板、背板等
図2は、書籍棚10の構造をわかりやすくするため、書籍200が収納されない状態の書籍棚10に関する、左側板16、天板14および背板18の部分を透視した、部分的に透視図となる斜視図である。書籍棚10は、その左右方向の両端に一対の側板を備えている。側板は、左側板16および右側板17としてそれぞれ配置された、略長方形状の平板部材である。左側板16および右側板17は、書籍の左右方向の収納領域を画定するものである。
また、本実施形態では、書籍棚10は、左側板16および右側板17を固定、支持する構造として、書籍の収納領域の上限を画定する天板14および下限を画定する底板15をさらに備え、これらが略長方形状の外枠13を構成している。また、書籍の収納領域の奥行の限界を画定する背板18をさらに備え、外枠13の一方の開口部を塞ぐ構造となっている。これにより、書籍が書籍棚10の収納領域からはみ出して、奥側から落下することを抑止できる。天板14、底板15および背板18は、いずれも側板と同様に、略長方形状の平板部材として構成される。
側板も含め、これらはいずれも鉄、ステンレス、アルミ等の金属板や、プラスチック板、木板等で形成することができ、任意の塗装を施すことができる。また、板材以外にも、例えば、金属線材を格子状に組み合わせて板状部材とすることもできる。また、側板等は、すべて同一材料で形成してもよく、部分的に、あるいは各々を異なる材料で形成してもよい。なお、書籍棚10の構成要素として、最低限、その左右方向の両端に一対の側板を備えていればよく、天板14、底板15または背板18は必ずしも必要ない。ただし、書籍棚10の剛性を高め、一対の側板を適正に支持するためには、書籍棚10の構成要素として、天板14、底板15または背板18のいずれかを備えていることが好ましく、少なくとも底板15を備えていることがより好ましい。
(ii)棚板
書籍棚10には、書籍の収納効率を向上させるため、上下方向沿って1枚または複数枚の棚板50を配置してもよい。本実施形態では、上方に棚板51を配置し、下方に棚板52を配置することによって、上段、中段および下段の合計3段に書籍を収納させることができる。このように、棚板50は、書籍棚10の収納領域を上下方向に区画するものである。それぞれの棚板50は、その両端が左側板16および右側板17に着脱可能に支持され、固定されている。ただし、棚板50は本実施形態では2枚使用しているが、3枚以上使用してもよく、1枚でもよく、まったく使用しない態様としてもよい。棚板50も、略長方形状の平板部材として構成でき、その部材としては、側板等で挙げたものと同様のものを使用できる。
(iii)仕切板
書籍棚10は、棚板51および52によって書籍の収納空間が上段、中段および下段に仕切られているが、各々の段に区画された収納空間は、さらに、1枚または複数枚の仕切板20によって単位書籍ごとの複数の区画に仕切られている。単位書籍とは、通常は1冊ごとの書籍を指すが、複数冊子がまとまって一体の書籍を構成し、これを流通単位とする場合には、これらの複数冊子を合わせたものを単位書籍とする。また、各仕切板20は、通常は、底板15、棚板51、52、または背板18等に着脱可能に固定されている。なお、仕切板20は、これらに対して着脱不可能に固定されていてもよく、単位書籍ごとの複数の区画の幅が可変に調整可能であってもよい。
仕切板20は、本実施形態の書籍棚10では、説明の容易化のため、各段において、4枚ずつ配置されている。すなわち、各段に5冊の単位書籍を収納することができる。しかし、書籍棚の各段に配置する仕切板はこれに限らず、5枚以上または3枚以下の仕切板であってもよいことは言うまでもない。仕切板20の形状は任意であるが、本実施形態では、下方側が略長方形状であり、上方側が上方に向かうにつれ先細りする略三角形状の平板部材である。このような形状とすることにより、後述する姿勢矯正部30の取り付けの容易性と、書籍を掴んで書籍棚10に対して出し入れする際の作業性を確保できる。
仕切板20の材質についても、金属製、樹脂製、木製等、特に制限はないが、ICタグ40の読み取り不良の低減のためには、仕切板20を電波遮蔽され難い非金属製とすることが好ましい。このような仕切板20として、例えば、金属を含まない樹脂板とすることが考えられる。
また、本実施形態では、仕切板20は、書籍棚の各段の左右方向に、各区画の幅が均等となるように配置されているが、必ずしも均等間隔に仕切板20を設ける必要はなく、一つの段の中で各区画の幅が不均等になるように仕切板20を配置してもよく、一つの段の中での各区画の幅は均等であるが、上段、中段、下段のそれぞれについて異なる間隔となるように仕切板20を配置してもよい。
(iv)姿勢矯正部
さらに、書籍棚10は、仕切板20によって単位書籍ごとに仕切られた複数の区画のいずれかにおいて、当該区画に挿入された書籍を単位書籍ごとに直立方向に矯正する姿勢矯正部30を有している。書籍棚10の任意の区画に書籍を挿入する可能性がある場合には、書籍棚10は、仕切板20によって単位書籍ごとに仕切られた全区画において、当該区画に対応する姿勢矯正部30を有することが好ましい。
ここで、書籍の直立方向とは、閉じられた状態の書籍の表紙(表面側の表紙、裏面側の裏表紙の両方を称し、さらには、表面側の表紙、裏面側の裏表紙と対向する隣接頁等も含むものとする)および背がいずれも水平面に対して鉛直に向かう方向に並ぶ書籍の方向を指す。通常は、書籍の表紙および背の長辺方向が鉛直に向かう方向となるが、書籍の形状や厚さによっては、短辺方向が鉛直に向かう方向となることもあり得る。
姿勢矯正部30は、例えば、図2に示すように、仕切板20によって単位書籍ごとに仕切られた複数の各区画の-X方向の一端側に設けることができる。例えば書籍棚10の上段を例にとると、一番-X方向側の右側板17には、姿勢矯正部30aが設けられ、その+X方向側の一つ隣の区画には、仕切板20bの+X方向側の側面に姿勢矯正部30bが設けられている。同様に、仕切板20bに対して順次隣接する仕切板20c、20dおよび20eのそれぞれの+X方向側の側面に姿勢矯正部30c、30dおよび30eが設けられている。中段および下段も同様の構成をとっている。
次に、姿勢矯正部30の構成、作用の詳細を説明する。図3(a)は、図2の書籍棚10について、天板14を外し、棚板51を省略して当該書籍棚10の上段部分を+Z方向から見た平面図である。上述のように、-X方向側から順に、右側板17、仕切板20b、20c、20dおよび20eの+X方向側の側面に平面視で同一形状の姿勢矯正部30a、30b、30c、30dおよび30eが設けられている。
すなわち、これらの姿勢矯正部30は、右側板17または仕切板20に着脱可能に、あるいは着脱不可能に固定されている。姿勢矯正部30は、+Z方向からの平面視において、一端側が開放端となっている略円弧状の形状を有する。また、姿勢矯正部30は、仕切板20によって単位書籍ごとに仕切られた複数の各区画の書籍を挿入可能な空間の横幅が、書籍棚10の+Y方向側から-Y方向側へ向かうにつれ、すなわち書籍棚10の手前から奥に向かうにつれて、狭くなるように配置されている。
例えば、右から2番目の区画では、各区画の姿勢矯正部30を含めない幅はW1であるが、区画の書籍を挿入可能な空間の横幅は、手前側がW1に近い長さであることに比べ、奥側は、W2という非常に短い長さしかなく、手前から奥に向かうにつれ、暫時、狭くなるように姿勢矯正部30bが配置されている。
本実施形態では、姿勢矯正部30は、弾性変形をし易い非金属製の板バネ作用を有する樹脂板等により構成される。姿勢矯正部30は、平面視において上述の形状を有し、種々の厚さの書籍を、各区画の書籍を挿入可能な空間に挿入したときに、適宜変形して、当該書籍の奥までの挿入に支障がない程度の変形をし得るとともに、当該書籍を傷付けない程度に直立方向に矯正する外力が発生するようなバネ定数としている。このような姿勢矯正部30は、その材質により縦弾性係数を決め、その厚さ、長さ、高さ、および円弧状形状の曲率を定めることにより、書籍の厚さの範囲および、書籍の矯正力を調整することができる。
ここで、姿勢矯正部30が、仮に円弧状ではなく、平面視で直線状の片持ち梁であると仮定する。材料力学によれば、片持ち梁の先端に荷重Pを、当該梁の延びる方向の垂直方向に加えたときのたわみDは、一般に、D=Pl3/(3EI)として表すことができる。ここで、lは梁の長さ、Eは姿勢矯正部30の縦弾性係数、Iは姿勢矯正部30の断面2次モーメントである。姿勢矯正部30の梁の延びる方向に垂直な断面が縦b、横hの長方形で、b/hが十分大きい場合は、I=bh3/12であるから、D=(4Pl3/(Ebh3))×(1-ν2)となる。νはポアソン比である。よって、最初から円弧状のたわみDが生じている姿勢矯正部30に書籍200を挿入してたわみが解消し、平面視で略直線状に変形したと仮定すれば、書籍200が姿勢矯正部30から直立方向に受ける外力Pは、P=DEbh3/(4l3×(1-ν2))として概算できる。
上述した、姿勢矯正部30の作用および効果について、さらに図に基づいて説明する。図3(b)は、図3(a)の書籍棚10の上段部分の平面図に対して、実際に書籍200を挿入し、これに点検ロボット100の読取装置120を近付けたときの平面図を示す。すなわち、図1の書籍棚10について、天板14を外し、棚板51を省略して当該書籍棚10の上段部分を+Z方向から見た平面図である。
書籍棚10の上段の一番-X方向側、すなわち一番右側の区画には、厚さがW3である比較的厚さが薄い書籍201が-Y方向側、すなわち奥側に挿入される。W3はW2以上あることが好ましい。書籍棚10の区画に挿入する書籍の許容される厚さは、W2以上であり、W1以下であることが必要である。書籍棚10にどのような厚さの書籍を挿入したとしても、必ず、当該書籍が姿勢矯正部30と接触し、当該書籍が姿勢矯正部30から直立方向に矯正される外力を受けることが期待できるからである。
また、当該区画の一つ左隣の別の区画には、厚さがW3よりも厚いW4である書籍202が奥側に挿入される。さらに、当該区画の一つ左隣の別の区画には、厚さがW4よりも厚いW5である、比較的厚さが厚い書籍203が奥側に挿入される。なお、当該区画の一つ左隣の区画には、書籍が挿入されず、さらに一つ左隣の区画には、厚さがW3である書籍201が奥側に挿入される。各区画の姿勢矯正部30を含めない幅はすべて同一でW1である。
各書籍200は、背が書籍棚10の手前側に向くように書籍棚10の各区画に挿入されている。また、各書籍の右側の表紙にはそれぞれ、ICタグ40が設けられている。ICタグ40は後述するとおり、近接無線方式のものであり、読取装置120を数cmから数十cm以内に近づけることによって、良好な非接触通信が行えるものである。ここで、例えば、点検ロボット100は、読取装置120を書籍棚10に近づけながら、右側から左側に向けて移動させるものとする。
近接無線方式のICタグ40は、アンテナが書籍200の表紙の少なくとも一部に、表紙面に沿って平行になるように、アンテナが形成されている。よって、アンテナから発信し、また受信する電波は主として、書籍200の厚さ方向に平行に、すなわち、X軸に沿って強い磁界を発生させるが、読取装置120をある程度、ICタグ40に近接させることにより、当該ICタグ40と良好な通信を行うことができる。なお、読取装置120のアンテナを、書籍200の表紙の面、すなわち、YZ平面と平行な面に形成している場合は、当該読取装置120のアンテナを、書籍200と、姿勢矯正部30との間に差し込むことにより、ICタグ40との通信強度を向上させることができる。
図3(b)の一番左側の区画の書籍201では、このようにしてICタグ40に発信した読取装置120の送信電波に対して、ICタグ40から手前側に進行する電波が発信される。そして、移動してきた読取装置120により、これを良好に受信することができる。
ここで、図3(b)において、右から3番目の区画に挿入されている厚さW5の書籍203を手前に引き抜くと、姿勢矯正部30cは、書籍から押されることがなくなるため、図3(c)に示すように元の形状に戻る。すなわち、当該区画の書籍を挿入可能な空間の横幅は、奥側がW2という短い長さに戻る。また、書籍棚10の書籍が挿入されていない区画に、後から随時、書籍を挿入してよいことも当然である。例えば、図3(b)で、一番右側から4番目の書籍が入っていない区画に、厚さがW4である書籍202が奥側に挿入された場合には、図3(c)のように、姿勢矯正部30cは当該書籍202に押されて、(W4-W2)の幅分、横に移動する。それと同時に、当該書籍202を直立方向に矯正する作用が働く。
(b)書籍等
(i)書籍
本開示で取り扱う書籍は、平綴じや無線綴じされたもの、ホッチキス等で中綴じされたものも含めた冊子体の形態を有するものすべてを包含する。また、CDやDVD等が同梱された冊子体もこれに含む。また、前述のとおり、単一の冊子から構成されるものに加えて、複数冊子がまとまって一体の書籍を構成し、これを流通単位とするものも、書籍の一形態である単位書籍として扱う。
(ii)ICタグ
書籍に取り付けるICタグ40としては、種々のものが適用できる。代表的なものとしては、例えば、13.56MHz等のHF帯の周波数で数cm以内の非接触通信を行うISO18000-3規格等に準拠する近接無線方式や、同じ近接無線方式ながら、数cmから数m程度までの非接触通信に対応可能な900MHz程度の周波数帯を利用するUHF方式等がある。しかし、これ以外にも、数百KHz程度の周波数帯や2.54GHzの周波数帯を使用する方式等、様々な方式が考えられる。いずれの方式を用いる場合であっても、ICタグ40のアンテナの配置は、電波等の指向性を加味して、最適な位置に配置させることが重要となる。なお、ICタグは、RFタグ、RFIDタグ、非接触タグとも称されることがある。
一般的な書籍の場合、一定の平面状の面積を占有するICタグ40のアンテナは、例えば表紙に沿って配置する場合と、表紙とは垂直な背に沿って配置する場合とが考えられる。しかし、背は、書籍の厚さによっては、ほとんど平面的な領域が存在しないものもあり、必ずアンテナを配置できるとは限らない。これに対して、表裏の表紙面の外側又は内側、さらには、これに対向する隣接頁には、必ず一定の平面的な領域が存在し、確実にICタグ40のアンテナを配置することができる点で、書籍の表紙の一部にICタグ40を設けることが有利と考えられる。
なお、ICタグ40のアンテナを、書籍の表紙と背に跨って設けることも考えられるが、書籍は、表紙を繰り返し開いたり閉じたりするものであり、そのたびにアンテナが曲げられることになるため、耐久性の点から好ましくない。
図5(a)は、ICタグ40と、点検ロボット100が備えている読取装置120との非接触通信を説明する概略説明図である。ICタグ40は、ICチップ45およびこれに設けられた最低2箇所の接続パッドと、これらの接続パッドに両端部分が電気的に接続するアンテナ46とを備えている。アンテナ46は、ISO18000-3に準拠するループアンテナを模式的に記載しているが、UHF帯に対応するダイポールアンテナやその他の形状に置き換えてもよい。また、読取装置120も、これと同様の構成を有しており、ICチップ125およびこれに設けられた最低2箇所の接続パッドと、これらの接続パッドに両端部分が電気的に接続するアンテナ126とを備えている。
ICチップ45および125は、ともに、CPU、入出力インターフェース、電源供給部、メモリ等を備えている。CPUは、プログラムの実行、メモリの読み出しや書き込み、電源供給部の制御、各種演算、入出力インターフェースから取得した情報の解読、入出力インターフェースに対しての送信情報の出力等の様々な制御を行うものである。入出力インターフェースは、外部からの電波等から電力を取り出したり、受信情報をデジタル情報に変換したり、送信情報を電波に変換する等、電波等による情報の入出力に関わる機能を有している。
また、電源供給部は、特に、ICタグ40が入力電波から取り出した電力を蓄電したり、CPU等に供給する等の電力制御を行う。また、メモリは、基本プログラムを立ち上げるためのデータやICタグ40の固有コードを記憶するROMや、CPUの演算のために一時的に使用するRAM、および、ICタグ40の書籍コード等を含む各種データの保管に使用する、E2PROMやフラッシュメモリー等の不揮発性書き換え可能メモリ(NVM)等を備えるものである。
図5(a)に示すように、ICタグ40は、読取装置120からの呼びかけに対して、逐次、応答する形で両者の非接触通信が行われる。例えば、読取装置120から、アンテナ126を介して、ICタグ40に対して、「ICタグコード」または「書籍コード」等の固有情報を送信するよう、命令を電波等で送信する。「ICタグコード」は、ICタグ40にあらかじめ登録されたICタグ40ごとのユニークなコードであり、各々のICタグ40を識別できる。
また、「書籍コード」は、各々の書籍に対してユニークに紐づけられるコードであり、各々の書籍200を識別できる。「書籍コード」は、同一内容の書籍が複数存在する場合でも、それぞれに異なるコードが割り当てられる。
ICタグ40は、読取装置120から受信した電波等から、CPU等が動作するための電力を取り出して、CPU等を起動させ、また、受信した電波等から命令を解読する。ICタグ40は、読取装置120の命令に従い、自己のNVM等に記録している「書籍コード」を読み出し、当該情報を含めた返信情報を、アンテナ46を介して、電波等で返送する。読取装置120は、当該情報を読み取り、ICタグ40の「書籍コード」を取得する。
上記のとおり、本実施形態において、書籍200は、その表紙の少なくとも一部に非接触通信が可能な読取装置120を近づけることによって読み取り可能な情報が記録されたICタグ40を設けている。また、書籍棚10は、当該書籍200を、書籍200の背が手前側に向くように収納することができる。さらに、書籍200の収納領域を画定する左右方向の両端に配置される左側板16および右側板17と、収納領域を、さらに単位書籍ごとに複数の区画に仕切る仕切板20と、を備える。
当該区画のいずれかにおいて、区画を構成する左側板16、右側板17、または仕切板20には、区画に挿入された書籍200を単位書籍ごとに直立方向に矯正する姿勢矯正部30を有している。このことによって、区画に挿入された書籍200は、その書籍200の厚さの大小に関わらず、単位書籍ごとに姿勢矯正部30から、直立方向に矯正する外力を受けることになる。よって、区画に挿入された書籍200の各々は、その入れ方の如何に関わらず、直立方向に向かうように整列され、書籍の表紙の一部に配置されたICタグ40が、一定方向に揃うことが期待できる。これにより、ICタグ40を手前側から読取装置120で容易に読み取ることができる。
さらに、本実施形態では、標準的な構造を有する書籍棚やラックに対して、同一形状の姿勢矯正部30を、左側板16、右側板17、または仕切板20のそれぞれに、取り付けるだけで書籍棚10を構成させることができる。これより、量販品の書籍棚やラックの流用が可能であり、当該書籍棚10の導入コストを低減させることができる。また、姿勢矯正部30は、例えば、区画の書籍200を挿入可能な空間の横幅が、書籍棚10の手前から奥に向かうにつれて狭くなるように配置される。これによって、書籍200の人手による出し入れが容易となる。
さらに、姿勢矯正部30は、区画に挿入された書籍200によって変形する板バネを有するものである。このため、当該区画に挿入された書籍200の厚さが大きくなるにつれ、当該書籍200に付勢する荷重を増大させる構造であることから、厚さが厚く重量が大きい書籍については、厚さが薄く重量が小さい書籍よりも、より大きな外力で当該書籍を直立方向に矯正することができる。
(c)書籍位置案内システム
次に、本実施形態に係る書籍位置案内システムについて説明する。図4は、本実施形態に係る書籍位置案内システム1を説明する構成図である。図5(b)は、ICタグ40のメモリおよび管理サーバー150に記録されたデータテーブルの一例を示す図であり、図5(c)は、管理サーバー150に記録されたデータテーブルの一例を示す図である。また、図6、図7および図8は、それぞれ、ユーザーが管理サーバー150に書籍の予約情報を入力までのフロー、ユーザーが、予約した書籍を書籍棚から取り出すまでのフロー、および自動貸出機による貸出処理までのフローの一例を示す図である。
(i)書籍位置案内システムの構成
図4に基づき、本実施形態に係る書籍位置案内システム1を説明する。書籍位置案内システム1は、前述した内容の書籍棚10を1個、または複数有する。図4では、書籍棚は、10A、10B、10C、10D、10Eおよび10Fの6個あるものとする。それぞれの書籍棚10A~10Fには、ICタグ40が設けられた書籍200が収納されている。書籍200の書籍棚10A~10Fへの収納は、作業者が例えば手作業で行う。また、書籍位置案内システム1には、この他に、ユーザー端末140、点検ロボット100、管理サーバー150、予約書籍案内手段160および自動貸出機170を備えている。ただし、ユーザー端末140および自動貸出機170は、書籍位置案内システム1の必須の構成要素ではない。
(イ)点検ロボット
点検ロボット100は、いわゆる自走式ロボットであって、ICタグ40からの情報を読み取るための情報読取手段である読取装置120を備える。点検ロボット100は、定期的に、または不定期に、書籍棚10Aから10Fに至る区間を、あらかじめ入力されたプログラムと、各書籍棚10A~10Fの地図情報をもとに巡回し、各書籍棚に収納されている書籍200に関する「書籍コード」を取得する。点検ロボット100は、各書籍200に設けられたICタグ40の「書籍コード」を読み取った際の、自己の位置情報を、位置検出手段によって併せて取得し、両情報を紐づけて記録するか、両情報をセットで管理サーバー150に送信し、管理サーバー150が、これらの情報を紐づけて記録する。
図1に示す本実施形態では、点検ロボット100は、書籍棚10の段に合わせて、上段、中段および下段の各段の書籍200のICタグ40が読み取れるよう、高さ方向に3種類の別個の読取装置121、122および123を備えている。これにより、点検ロボット100は、書籍棚10からの手前側の距離を変えることなく、X方向、すなわち書籍棚10の水平方向に沿って移動しながら、順次、上段、中段、下段に収納された別の各書籍200に設けられたICタグ40から、当該書籍200に関する「書籍コード」を収集することができる。ただし、点検ロボット100の読取装置120自体が高さ方向に移動して、上段、中段および下段の書籍200のICタグ40が読み取れるようにしてもよい。
点検ロボット100が、自己の位置情報を取得する方法は、種々の公知の方法が考えられる。例えば、図1に示すように、点検ロボット100が移動する区画の要所の床面に、あらかじめ、基準マーク131を設けておく方法がある。この基準マークは、単純な四角や丸のマークが並んでいてもよく、並べ方によって異なる位置を示すものであってもよい。あるいは、基準マーク131が、1次元または2次元バーコードであり、これを読み取ることによって、自己の位置を認識できるものとしてもよい。また、点検ロボット100から周囲に所定波長のレーザ光を照射し、周囲の障害物の有無および形状を測定することによって当該障害物の構造をマッピングする技術を用いてもよい。
上記以外の方法として、例えば、点検ロボット100が、読取装置120またはこれとは異なるICタグ読取装置を別個に搭載し、要所に設けたICタグを読み取ることによって、自己の位置を認識できるものとしてもよい。さらには、このような基準マーク131やICタグを用いずに、点検ロボット100自体が加速度センサやGPS測定機を備えており、これに基づいて、自己の位置を計算するものとしてもよい。
(ロ)ユーザー端末
例えば、図書館等の施設から書籍200の貸し出しを希望するユーザーは、図書館等が開設するホームページ等を自身が所有するユーザー端末140によりウェブブラウザを用いて検索し、当該ホームページ等から貸し出しを希望する書籍200の在庫状況や、貸し出し可否の情報を確認することができる。ユーザー端末140とは、例えば、スマートフォンやパーソナルコンピュータである。
ユーザー端末140からの書籍200の貸し出しに関する問い合わせは、管理サーバー150が備えるデータベースにより照会され、その結果、貸し出しを希望した書籍200の在庫状況や、貸し出し可否の情報をユーザー端末140の画面上にて確認できるよう表示する。また、このような照会は、あらかじめ登録された一定ユーザーに限定することができ、ユーザー端末140からの問い合わせに際して、先にユーザー認証してから書籍200の貸し出しに関する問い合わせを受け付けるようにすることもできる。ただし、このようなユーザー端末140は必須ではなく、例えば、ユーザーは、書籍200の貸し出しに関する問い合わせを直接図書館等に電話等ですることとしてもよい。
(ハ)管理サーバー
管理サーバー150は、図書館等が所有する全書籍の情報や、予約情報、貸し出し情報、返却情報等を一括管理するデータベースを有し、ユーザーからの問い合わせに対する回答出力、貸し出し可否の判断情報の出力等の各種制御処理を行う情報処理装置である。また、管理サーバー150は、点検ロボット100が点検によって取得した、書籍200がどの書籍棚10のどの位置に収納されているかといった書籍200の位置情報を、点検ロボット100から吸い上げる。
管理サーバー150は、点検ロボット100や後述する予約書籍案内手段160、自動貸出機170と通信インターフェースを介して情報の送受信ができるようになっている。これらの装置との接続は、有線でも無線でもよく、インターネットを経由していてもよい。また、管理サーバー150は、ユーザー端末140からインターネット等のネットワーク180を介して、ウェブブラウザを経由して各種照会を受け付け、照会結果をユーザー端末140により閲覧できるようにすることができる。
ここで、図5(b)のデータテーブルはICタグ40に記録されているものであり、図5(c)は、管理サーバー150のデータベースで管理されているデータテーブルの一例である。まず、図5(b)のデータテーブルにより、ICタグ40に初めから書き込まれている「ICタグコード」と、後からICタグ40に書き込まれる「書籍コード」とが紐づけされて記録されている。「ICタグコード」は、ICタグ40の入手時にすでに書き込まれているものであり、「書籍コード」は、書籍200にICタグ40を貼り付ける時点でICタグ4に書き込む情報である。「書籍コード」と紐づけて、当該書籍200の詳細情報である、出版社、作者、タイトル、内容等に関する情報を異なるデータテーブルとして管理サーバー150で管理してもよい。
図5(c)に記載のとおり、データテーブルには、各書籍200の「書籍コード」に関連付けて、あらかじめ点検ロボットにより当該書籍200の収納位置が確認されたものについて、「位置情報」を記録している。また、当該書籍200の収納位置が確認された場合は当該書籍200が在庫しており、確認されない場合は在庫していないこととなる。
また、当該書籍200について、ユーザーからの予約があったか否かについての「予約有無」情報、予約または借り出したユーザーの情報である「予約者、借出者」情報、予約した場合の貸し出し可能な期限を示す「貸出期限」情報、貸出処理がされたか否かの「貸出処理」情報も記録される。さらに、貸し出した日を示す「貸出日」情報、貸出日から計算される返却期限を示す「返却期限」情報、実際に返却処理がされたか否かを示す「返却処理」情報も、併せて記録される。
ここで、ユーザーから予約の申し込みが入った場合、管理サーバー150は、予約書籍200をその「書籍コード」により特定する。次に、「在庫」の有無と「予約有無」情報を確認し、予約、貸し出しが可能な書籍であるか否かを判断し、その結果である予約可能、または予約不可能の通知をユーザーに対して回答する。ユーザーから予約の申し込み処理がされた場合には、「予約有無」が「有」と記録され、「予約者、借出者」に当該ユーザー情報が記録される。また、「貸出期限」が設定、記録され、この期限までにユーザーが貸し出し処理を行えば、貸し出しができるようにする。
(ニ)予約書籍案内手段
予約書籍案内手段160は、ユーザーが、あらかじめ予約した貸し出し対象の書籍200を図書館等に受け取りに来た際に、ユーザーに対して、予約した貸し出し対象の書籍200がどの書籍棚10のどの位置に収納されているかを知らせるための、カードリーダーやプリンターを具備した情報処理装置である。ただし、予約書籍案内手段160は、管理サーバー150がその機能を代替してもよく、例えば、ユーザーが、あらかじめ予約した貸し出し対象の書籍200を図書館等に受け取りに来た際に、ユーザー端末140を操作して、管理サーバー150から、予約書籍200の位置情報を取得し、閲覧する構成としてもよい。
予約書籍案内手段160が、カードリーダーやプリンターを具備した情報処理装置である場合には、ユーザーは、自身が登録されていることを証明する利用カード等を予約書籍案内手段160のカードリーダーである利用カード読込部161に通して、本人確認を行う。ここで、ユーザーが正規の登録者であるとの認証ができた場合のみ、予約書籍200の収納場所を記載したレシートをプリンター等のレシート出力部162からプリントアウトし、ユーザーに渡す。ユーザーは、このレシートに記載された予約書籍200の収納場所情報を見て、実際に当該書籍200を書籍棚10から取り出す。
具体的には、予約書籍案内手段160は、管理サーバー150に対してユーザーが正規の登録者であるかを照会してもよく、予約書籍案内手段160自身が、登録ユーザーのリストをデータベースとして備え、ユーザーの認証を行ってもよい。また、予約書籍案内手段160は、ユーザーが、実際に管理サーバー150に対して予約を申し込んだユーザーと同一か否かを照会し、利用カード読込部161で認識したユーザー情報と、管理サーバー150のデータテーブルに記録された「予約者、借出者」との一致を確認してもよい。また、ユーザーに対してレシート出力部162からプリントアウトする、予約書籍200の収納場所情報は、予約書籍案内手段160が管理サーバー150のデータテーブルから、「書籍コード」に対応する「位置情報」を取得することにより確定される。
なお、ユーザーの認証は、利用カードによらず、暗証番号等の入力、照合によって行ってもよく、予約書籍200の収納場所のユーザーへの通知は、レシートの出力ではなく、予約書籍案内手段160の表示画面に表示するのみ、としてもよく、音声案内等で通知してもよい。
(ホ)自動貸出機
自動貸出機170は、上記の予約書籍案内手段160で予約対象の書籍200を実際に書籍棚10から取り出したユーザーが、最終的に貸し出し処理を自動で行う情報処理装置である。自動貸出機170は、管理サーバー150のデータテーブルに記録された、「書籍コード」、「予約者、借出者」情報、「貸出期限」情報、「貸出処理」情報を照会し、当該ユーザーが正規の予約者、借出者であり、貸出期限内に貸出処理を行っているか、二重の貸し出し処理を行っていないか、等を確認する。そして、すべての貸し出し条件を満たす場合には、貸し出し処理を行い、管理サーバー150に、「貸出処理」が「済」であること、および「貸出日」の情報を送信する。管理サーバー150は、これらの情報をデータテーブル上に反映させ、返却処理が完了するまで、他人からの同一書籍の予約や貸し出しの申し込みを拒否する。
(ii)書籍位置案内システムの処理の流れ
次に、上述した書籍位置案内システム1を用いた書籍の貸し出し処理の流れについて、図6、図7および図8に基づいて説明する。
(イ)管理サーバーへの書籍の予約情報の入力
まず、図6において、図書館等から書籍200の貸し出しを希望する、あらかじめ登録されたユーザーは、自身のユーザー端末140により、図書館等が運営するインターネット上のホームページ等から、書籍の予約サイトに入る。そして、管理サーバー150に対して、書籍200の予約情報を入力する(ステップS301)。書籍200の特定方法は、書籍名の検索および入力、書籍コードの検索および入力等、任意の方法が可能である。 作業者は、管理サーバー150によって予約が受け付けられた書籍200を、書籍棚10の所定箇所に配置する(ステップS302)。ただし、当該書籍200の収納位置は、後述する点検ロボット100により、正確に確認されるため、厳密に正しい位置に収納する必要はない。
次に、予約書籍200が、ひととおり、書籍棚10へ収納された任意のタイミングで、点検ロボット100を各書籍棚10A~10Fに渡って巡回させ、配置された各予約書籍200のICタグ40の情報を、専用の読取装置120で読み出す。その後、点検ロボット100は、当該情報を自己の現在位置情報と関連付けて管理サーバー150へ送信する(ステップS303)。管理サーバー150の図5(c)のデータテーブルの「位置情報」には、点検ロボット100が巡回した際のICタグ40の読み取り位置に関する情報が記録される。
このようにして、予約書籍200が、すでに位置情報も含めて管理サーバー150のデータテーブルに記録されている場合は、予約された書籍200の貸し出しが可能な状態とする(ステップS304)。例えば、ユーザーが図書館等に貸し出し処理のために来館すれば、必要な手続きが実施できる状態である。
(ロ)予約した書籍の書籍棚からの取り出し
次に、図7において、あらかじめ予約申し込みをしたユーザーが、図書館等に来館し、予約書籍案内手段160の利用カード読取部161に対して、自己の利用カードを差し込む(ステップS311)。ユーザーが正規の登録者であることを認証した上で、書籍200の貸し出し手続をすべきだからである。ユーザーの認証に成功した後、予約書籍案内手段160の表示画面には、予約した書籍200に関する情報が表示される(ステップS312)。予約書籍案内手段160は、管理サーバー150と通信し、図5(b)や図5(c)のデータテーブルから、書籍200を特定する「書籍コード」に対応した「位置情報」が読み出される。
その後、ユーザーが選択間違い等をしていないことの承認処理を行い(ステップS313)、これを受けて、予約書籍案内手段160は、当該書籍200がどの書籍棚10に収納され、上段、中段、下段のいずれに収納されているか、さらには段の中の左右の位置まで含めてユーザーが実際に所定の書籍棚10から容易に目的とする書籍200を取り出せるための位置情報を表示画面に表示する。さらに、必要があれば、これらの情報がレシート出力部162を通じて、レシートにプリントアウトされる(ステップS314)。
ユーザーは、予約書籍案内手段160の表示画面に表示された、またはレシートに印刷された、予約した書籍200の書籍棚10の配置位置情報を参照して、予約した書籍200を書籍棚10から取り出す(ステップS315)。このように、本実施形態では、ユーザーが、予約した書籍200を、迷うことなく、自身で容易に書籍棚10から取り出せるため、改めて図書館等の職員に書籍の所在を問い合わせたり、探索する等の手間がかからず、書籍の貸し出しに際しての作業負荷が大幅に軽減される。
(ハ)自動貸出機による貸出処理
次に、予約した書籍200を書籍棚10から取り出したユーザーは、当該書籍200を自動貸出機170に近づけ(ステップS321)、自動貸出機170が備えている読取装置にて、当該書籍200のICタグ40の情報を読み出す(ステップS322)。自動貸出機170は、読み出した書籍200のICタグ40の情報、例えば「書籍コード」を管理サーバー150に送信する(ステップS323)。管理サーバー150は、自動貸出機170から受信した、「書籍コード」等により、データベースの図5(b)や図5(c)に例示するデータテーブルに基づいて照合を行い、貸し出し対象の予約書籍200が、必要な貸し出し条件を満たしているか判断し、その判断結果を自動貸出機170に送信する。
例えば、自動貸出機170から受信した「書籍コード」は「11527629」であるとする。これに対応する書籍200の他の情報は、データテーブルを参照すると、「予約有無」が「有」であり、「予約者、借出者」が「2107」のコードを有する正当なユーザーから予約されている。ユーザーの自動貸出機170へのアクセス日は「貸出期限」前であるとする。また、「貸出処理」は「未」である。このように、自動貸出機170に提示された書籍200は、該当するデータテーブルの参照により、予約が正当なユーザーからされており、定められた貸出期限内に手続きがされ、また、貸出処理の二重実施はされていない。よって、管理サーバー150は、自動貸出機170に対して、当該書籍200のユーザーへの貸し出しを許可する情報を送信することができる。
なお、自動貸出機170では、あらためてユーザーの利用カードを読み取る等して、予約したユーザーと貸し出し手続きのユーザーとが同一人物であるかの照合手続きを加えてもよい。このようにすることで、予約したユーザーとは、別のユーザーが、自動貸出機170により、当該書籍200の貸し出し手続きを行おうとした場合は、管理サーバー150は、自動貸出機170に対して、当該書籍200の当該別のユーザーへの貸し出しを許可しない情報を送信することができる。
一方、自動貸出機170から受信した「書籍コード」が「41035722」である場合は、これに対応するデータテーブル上の情報は、「予約有無」が「無」であり、「予約者、借出者」の記録がない。すなわち、事前にユーザーによって予約された形跡がない。このような場合は、事前の予約手続きを経ていないルール違反として、管理サーバー150は、自動貸出機170に対して、当該書籍200の当該ユーザーへの貸し出しを許可しない情報を送信することができる。ただし、このような場合であっても、他の予約が入っていない場合には、当該ユーザーが正当な登録者であることを認証することを条件に、当該書籍200の当該ユーザーへの貸し出しを許可する情報を送信してもよい。
以上のように、管理サーバー150は、自動貸出機170で読み取った書籍200のICタグ40の情報をもとに、登録され、かつあらかじめ予約をした正当なユーザーによって手続きされているか否かを判断する(ステップS324)。そして、正当なユーザーに予約された情報であることが確認できれば、管理サーバー150は、自動貸出機170に対して、貸出許可情報を送信する(ステップS326)。この場合、自動貸出機170は、ユーザーに対して必要な貸し出し処理を行う(ステップS327)。
また、正当なユーザーに予約された情報であることが確認できない場合は、管理サーバー150は、自動貸出機170に対して、貸出不許可情報を送信する(ステップS328)。また、この場合、自動貸出機170は、ユーザーに対して貸し出し処理は行わない(ステップS329)。貸し出し処理をした場合、例えば、自動貸出機170は、管理サーバー150に対して、「貸出処理」を「済」とする情報、「貸出日」の具体的な日付情報を送信することができる。また、自動貸出機170に対して、ユーザーが返却処理をした場合には、「返却処理」が「済」である情報を管理サーバー150に対して送信することができる。
一方、管理サーバー150は、これらの自動貸出機170からの受信情報を図5(c)のデータテーブル上に反映させ、「貸出日」の日付から計算される「返却期限」情報を生成し、データテーブルに記録することができる。さらに、「返却期限」を過ぎても、自動貸出機170等から、ユーザーによる返却情報が受信されない場合には、作業者またはユーザーに対して、貸し出し書籍の返却を督促する情報を通知することができる。
上述したように、本実施形態の書籍位置案内システム1およびこれを用いた書籍200の貸し出し処理は、前述した書籍棚10を使用するものである。このため、特に、自走式の点検ロボット100の読取装置120が、各書籍棚10A~10Fに収納された書籍200のICタグ40の情報を読み取ることが容易かつ、確実にできるという利点を有する。これは、書籍棚10が備える姿勢矯正部30の作用により、各書籍200を直立方向に矯正する効果を有するためである。
その結果、点検ロボット100は、書籍200のICタグ40の情報を、取りこぼしを抑制した状態で確実に読み取れることになる。また、点検ロボット100は、書籍200のICタグ40の情報と、自己の位置情報とを紐づけて取得および管理サーバー150に送信することができる。これにより、管理サーバー150は、どの書籍200が在庫しており、かつ、その書籍200がどの書籍棚10のどの位置に収納されているかの位置情報を確認することができる。
また、管理サーバー150は、ユーザーからの書籍200の貸し出しの予約を受付け、上記のように、点検ロボット100から受信した「書籍コード」および位置情報をもとに、予約の対象となる書籍200を特定し、書籍200がいずれかの書籍棚10A~10Fに存在すると判断した場合であって、他の予約が入っていない場合は、当該書籍200の貸し出しを許可する。一方、当該書籍200がいずれの書籍棚10A~10Fにも存在しないと判断した場合、または、他の予約が入っている場合は、当該書籍200の貸し出しを許可しない。ただし、上述したように、例外処理として貸し出しを許可してもよい。
また、予約書籍案内手段160は、ユーザーからの問い合わせに応じて、管理サーバー150が貸し出しを許可した書籍200を特定する情報および当該書籍200の位置情報を、管理サーバー150から受信して出力する機能を有している。このようなシステムおよび処理とすることにより、書籍200の貸し出しの予約をしたユーザーが、実際に図書館等において、予約対象の書籍200を、複数ある書籍棚10A~10Fの中から、迅速的確に探し出すことができ、貸し出し手続きの負担の軽減と効率化が図れる。
2.変形例
次に、本開示の実施形態に関する種々の変形例について説明する。変形例についても、以下に述べるものはその一例にすぎず、本開示の主旨を逸脱しない範囲で、他の変形例も許容され得る。
(a)変形例1
図9は、本実施形態に係る変形例1に係る書籍棚11の構成、作用を説明する平面図である。図9(a)、図9(b)および図9(c)は、それぞれ、本実施形態の書籍棚11について、天板14を外し、棚板51を省略して当該書籍棚10の上段部分を+Z方向から見た平面図であり、図3(a)、図3(b)および図3(c)に対応する図である。
書籍棚11の上段部分において、-X方向側から順に、右側板17、仕切板20b、20c、20d、20eおよび左側板16が配置されている。また、上段の一番右側の区画の両端である右側板17の+X方向側の側面と、仕切板20bの-X方向側の側面とに、それぞれ、対向する姿勢矯正部31である第1姿勢矯正部31aおよび第2姿勢矯正部31bが設けられている。同様に、右側から2番目の区画の両端である仕切板20bの+X方向側の側面と、仕切板20cの-X方向側の側面とに、それぞれ、対向する第1姿勢矯正部31cおよび第2姿勢矯正部31dが設けられている。
さらには、右側から3番目の区画の両端である仕切板20cの+X方向側の側面と、仕切板20dの-X方向側の側面とに、それぞれ、対向する第1姿勢矯正部31eおよび第2姿勢矯正部31fが設けられ、右側から4番目の区画の両端である仕切板20dの+X方向側の側面と、仕切板20eの-X方向側の側面とに、それぞれ、対向する第1姿勢矯正部31gおよび第2姿勢矯正部31hが設けられている。さらに、一番左側の区画の両端である仕切板20eの+X方向側の側面と、左側板16の-X方向側の側面とに、それぞれ、対向する第1姿勢矯正部31iおよび第2姿勢矯正部31jが設けられている。
実施形態に係る姿勢矯正部30が、それぞれの区画の片側にのみ設けられていたのに対し、変形例1に係る姿勢矯正部31は、それぞれの区画の両側に平面視において略対称形に設けられている点が異なっている。これらの姿勢矯正部31は、左側板16、右側板17または仕切板20に着脱可能に、あるいは着脱不可能に固定されている。姿勢矯正部31は、姿勢矯正部30と同様に、+Z方向からの平面視において、一端側が開放端となっている略円弧状の形状を有する。
また、姿勢矯正部31は、仕切板20によって単位書籍ごとに仕切られた複数の各区画の書籍200を挿入可能な空間の横幅が、書籍棚11の手前から奥に向かうにつれて、その区画の両側から狭くなるように配置されている。例えば、右から2番目の区画では、各区画の姿勢矯正部31を含めない幅はW1であるが、区画の書籍200を挿入可能な空間の横幅は、手前側がW1に近い長さであることに比べ、奥側は、W6という非常に短い長さしかなく、手前から奥に向かうにつれ、暫時、両側から狭くなるように姿勢矯正部31cおよび31dが配置されている。
本変形例の姿勢矯正部31も、姿勢矯正部30と同様に、弾性変形をし易い非金属製の板バネにより構成される。なお、姿勢矯正部31の作用および効果は、姿勢矯正部30が有する作用および効果のすべてを包含している。よって、これ以外の作用、効果を中心に、以下、説明する。図9(b)に示すように、書籍棚11の上段の一番-X方向側、すなわち一番右側の区画には、厚さがW3である比較的厚さが薄い書籍201が-Y方向側、すなわち奥側に挿入される。W3はW6以上あることが好ましい。書籍棚11の区画に挿入する書籍200の許容される厚さは、W6以上であり、W1以下であることが必要である。
また、当該区画の一つ左隣の別の区画には、厚さがW3よりも厚いW4である書籍202が奥側に挿入される。さらに、当該区画の一つ左隣の別の区画には、厚さがW4よりも厚いW5である、比較的厚さが厚い書籍203が奥側に挿入される。なお、当該区画の一つ左隣の区画には、書籍が挿入されず、さらに一つ左隣の区画には、厚さがW3である書籍201が奥側に挿入される。各区画の姿勢矯正部31を含めない幅はすべて同一でW1である。
各書籍200は、背が書籍棚11の手前側に向くように書籍棚11の各区画に挿入されている。また、各書籍200の右側の表紙にはそれぞれ、ICタグ40が設けられている。ここで、点検ロボット100は、読取装置120を書籍棚11に近づけながら、右側から左側に向けて移動させ、近接無線方式のICタグ40を読み取る。ここで、各書籍201、202および203は、必ず、各区画の横幅の略中心に配置されることとなる。なぜなら、各区画の両端に設けられた一対の姿勢矯正部31は、平面視において、略対称形に配置されているので、挿入した各書籍201、202および203は、その厚さの違いに関わらず、区画の両側から略同一荷重を受けることになる。当然ながら、その荷重の絶対値は、各書籍200の厚さが厚いほど強い。
このように、各書籍201、202および203が各区画の横幅の略中心に配置されることによって、まず、各書籍200間の隙間が広がることにより、書籍200の出し入れが格段に容易になる。また、各書籍間隔が広がることにより、ICタグ40同士の間隔も広がることになり、読取装置120によるICタグ40の読み取りを正確に行うことができる。さらには、書籍200を直立方向に矯正しようとする姿勢矯正部31からの荷重は、左右に分散され、片側からのみの荷重により矯正する場合と比べて、書籍200の損傷のリスクを軽減できる。
なお、図9(b)において、右から3番目の区画に挿入されている厚さW5の書籍203を手前に引き抜くと、姿勢矯正部31eおよび31fは、書籍200から押されることがなくなるため、図9(c)に示すように元の形状に戻る。すなわち、当該区画の書籍200を挿入可能な空間の横幅は、奥側がW6という短い長さに戻る。また、書籍棚11の書籍が挿入されていない区画に、後から随時、書籍200を挿入してよいことも当然である。例えば、図9(b)で、一番右側から4番目の書籍が入っていない区画に、厚さがW4である書籍202が奥側に挿入された場合には、図9(c)のように、姿勢矯正部31gおよび31hは当該書籍202に押されて、各々が(W4-W6)/2の幅分、横に移動する。それと同時に、当該書籍202を直立方向に矯正する作用が働く。
(b)変形例2
次に、本実施形態に係る変形例2に係る書籍棚12の構成、作用を説明する。図10(a)および図10(b)は、変形例1に係る図9(a)および図9(b)に対応する図である。
書籍棚12の上段部分において、-X方向側から順に、右側板17、仕切板20b、20c、20d、20eおよび左側板16が配置され、上段の一番右側の区画の右側板17の+X方向側の側面に、姿勢矯正部32aが設けられている。同様に、右側から2番目、3番目、4番目および5番目の区画の-X方向側の一端である仕切板20b、20c、20dおよび20eの+X方向側の側面に、それぞれ、姿勢矯正部32b、32c、32dおよび32eが設けられている。
変形例2に係る姿勢矯正部32は、実施形態に係る姿勢矯正部30と同様に、それぞれの区画の片側にのみ設けられている。しかし、その姿勢矯正部32の+Z方向側から平面視した形状は、姿勢矯正部30のような略円弧状ではなく、板部材401の略直線状または略長方形状となる。さらに、板部材401は、右側板17または仕切板20と、コイルバネである第1バネ部402および第2バネ部403によって連結されている。第1バネ部402は区画の奥側に配置され、第2バネ部403は区画の手前側に配置されている。
この場合も、姿勢矯正部32は、仕切板20によって単位書籍ごとに仕切られた複数の各区画の書籍200を挿入可能な空間の横幅が、書籍棚12の手前から奥に向かうにつれて、その区画の両側から狭くなるように配置されている。例えば、右から2番目の区画では、各区画の姿勢矯正部31を含めない幅はW1であるが、区画の書籍200を挿入可能な空間の横幅は、手前側がW1に近いW22の長さであることに比べ、奥側は、W21という非常に短い長さしかなく、手前から奥に向かうにつれ、暫時、両側から狭くなるように姿勢矯正部32bが配置されている。
本変形例の姿勢矯正部32は、姿勢矯正部30や31とは異なり、書籍200を押すための板部材401自体が弾性変形する必要がなく、書籍200を押す機能を第1バネ部402および第2バネ部403から構成されるコイルバネに担保させている。よって、直接、書籍200に当接する板部材401の材料は弾性変形の有無とは無関係に広い範囲から選ぶことができる。ここで、例えば、区画の奥側に配置される第1バネ部402のバネ定数をk1、区画の手前側に配置される第2バネ部403のバネ定数をk2とするとき、k1>k2とすることが好ましい。手前側のコイルバネのバネ定数を、奥側に比べて小さく設定することにより、書籍200の出し入れ等において、手前側の板部材401は比較的容易に移動させることができ、作業性が向上する。一方、奥側は書籍200の挿入に対して強い外力を書籍200に与えることができ、書籍200を直立方向に矯正する効果が得られやすくなる。
なお、姿勢矯正部32の作用および効果は、姿勢矯正部30が有する作用および効果のすべてを包含している。よって、これ以外の作用、効果を中心に、以下、説明する。図10(b)に示すように、書籍棚12の上段の一番-X方向側、すなわち一番右側の区画には、厚さがW3である比較的厚さが薄い書籍201が-Y方向側、すなわち奥側に挿入される。W3はW21以上あることが好ましい。書籍棚12の区画に挿入する書籍200の許容される厚さは、W21以上であり、W1以下であることが必要である。
また、当該区画の一つ左隣の別の区画には、厚さがW3よりも厚いW4である書籍202が奥側に挿入される。さらに、当該区画の一つ左隣の別の区画には、厚さがW4よりも厚いW5である、比較的厚さが厚い書籍203が奥側に挿入される。なお、当該区画の一つ左隣の区画には、書籍が挿入されず、さらに一つ左隣の区画には、厚さがW3である書籍201が奥側に挿入される。各区画の姿勢矯正部32を含めない幅はすべて同一でW1である。
各書籍200は、背が書籍棚12の手前側に向くように書籍棚12の各区画に挿入されている。また、各書籍200の右側の表紙にはそれぞれ、ICタグ40が設けられている。ここで、点検ロボット100は、読取装置120を書籍棚12に近づけながら、右側から左側に向けて移動させ、近接無線方式のICタグ40を読み取る。よって、書籍棚12に収納された各書籍200において、実施形態に係る書籍棚10に収納された各書籍200と同様に、良好なICタグ40の読み取りが可能となる。
(c)変形例3
次に、本実施形態に係る変形例3に係る書籍棚12Aの構成、作用を説明する。図10(c)は、変形例3に係る書籍棚12Aの、変形例2に係る図10(a)に対応する平面図である。
書籍棚12Aの上段部分において、-X方向側から順に、右側板17、仕切板20b、20c、20d、20eおよび左側板16が配置されている。また、上段の一番右側の区画の両端である右側板17の+X方向側の側面と、仕切板20bの-X方向側の側面とに、それぞれ、対向する姿勢矯正部33である、第1姿勢矯正部33aおよび第2姿勢矯正部33bが設けられている。同様に、右側から2番目、3番目、4番目および5番目の区画の両端である仕切板20b、20c、20dおよび20eの+X方向側の側面と、仕切板20c、20d、20eおよび左側板16の-X方向側の側面とに、それぞれ、対向する第1姿勢矯正部33aおよび第2姿勢矯正部33bが設けられている。
変形例2に係る姿勢矯正部32が、それぞれの区画の片側にのみ設けられていたのに対し、変形例3に係る姿勢矯正部33は、変形例1と同様に、それぞれの区画の両側に平面視において略対称形に、姿勢矯正部32と同様の構造が設けられている点が異なっている。
変形例3は、変形例1と同様に、各書籍200が各区画の横幅の略中心に配置される。よって、書籍200の出し入れの容易化、読取装置120によるICタグ40の読み取り精度の向上、出し入れに伴う書籍200の損傷のリスクの軽減という利点を有するとともに、変形例2と共通する、板部材401の材料の選択範囲を広げられるという利点をも有する。
1 書籍位置案内システム
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F、11、12 書籍棚
13 外枠
14 天板
15 底板
16 左側板
17 右側板
18 背板
20、20b、20c、20d、20e 仕切板
30、30a、30b、30c、30d、30e、31、32、32a、32b、32c、32d、32e、33 姿勢矯正部
31a、31c、31e、31g、31i、33a 第1姿勢矯正部
31b、31d、31f、31h、31j、33b 第2姿勢矯正部
40 ICタグ
45 ICチップ
46 アンテナ
50 棚板
51 第1棚板
52 第2棚板
100 点検ロボット
120、121、122、123 読取装置
125 ICチップ
126 アンテナ
131 基準マーク
140 ユーザー端末
150 管理サーバー
160 予約書籍案内手段
161 利用カード読取部
162 レシート出力部
170 自動貸出機
180 ネットワーク
200、201、202、203 書籍
401 板部材
402 第1バネ部
403 第2バネ部

Claims (7)

  1. 表紙の少なくとも一部に非接触通信が可能な読取装置を近づけることによって読み取り可能な情報が記録されたICタグを設けた書籍を、当該書籍の背が手前側に向くように収納する書籍棚であって、
    前記書籍の収納領域を画定する左右方向の両端に配置される側板と、
    前記収納領域を、さらに単位書籍ごとに複数の区画に仕切る仕切板と、を備え、
    前記区画のいずれかにおいて、前記区画を構成する前記側板または前記仕切板には、前記区画に挿入された前記書籍を単位書籍ごとに直立方向に矯正する姿勢矯正部が設けられ、
    前記姿勢矯正部は、複数の前記区画の、前記書籍の挿入および取り出しを行う側から見て、前記書籍棚の横幅方向または水平方向の一端側にのみ設けられる、書籍棚。
  2. 左右方向の両端に配置される前記側板を支持するための前記収納領域の下限を画定する底板、前記収納領域の上限を画定する天板、または、前記収納領域の奥行を画定する背板をさらに備えた、請求項1に記載の書籍棚。
  3. 前記姿勢矯正部は、前記区画の前記書籍を挿入可能な空間の横幅が、前記書籍棚の手前から奥に向かうにつれて狭くなるように配置される、請求項1または2に記載の書籍棚。
  4. 前記姿勢矯正部は、前記区画に挿入された前記書籍によって変形する板バネまたはコイルバネを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の書籍棚。
  5. 前記姿勢矯正部は、前記区画に挿入された前記書籍の厚さが大きくなるにつれ、前記書籍に付勢する荷重を増大させる、請求項1から4のいずれか一項に記載の書籍棚。
  6. 前記仕切板は非金属製である、請求項1から5のいずれか一項に記載の書籍棚。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の書籍棚と、
    前記書籍棚に収納されている前記書籍の前記ICタグから、書籍コードを非接触通信によって読み取る情報読取手段、および、前記情報読取手段が前記書籍コードを読み取った位置情報を検出する位置検出手段、を備えた自走式の点検ロボットと、
    ユーザーからの書籍貸し出しの予約を受付け、前記点検ロボットから受信した前記書籍コードおよび前記位置情報をもとに、前記予約の対象となる書籍を特定し、当該書籍が前記書籍棚に存在すると判断した場合であって、他の予約が入っていない場合は、当該書籍の貸し出しを許可し、当該書籍が前記書籍棚に存在しないと判断した場合、または、他の予約が入っている場合は、当該書籍の貸し出しを許可しない管理サーバーと、
    ユーザーからの問い合わせに応じて、前記管理サーバーが貸し出しを許可した書籍を特定する情報および当該書籍の位置情報を、前記管理サーバーから受信して出力する予約書籍案内手段と、を備えた書籍位置案内システム。
JP2020049190A 2020-03-19 2020-03-19 書籍棚および書籍位置案内システム Active JP7468028B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020049190A JP7468028B2 (ja) 2020-03-19 2020-03-19 書籍棚および書籍位置案内システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020049190A JP7468028B2 (ja) 2020-03-19 2020-03-19 書籍棚および書籍位置案内システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021147183A JP2021147183A (ja) 2021-09-27
JP7468028B2 true JP7468028B2 (ja) 2024-04-16

Family

ID=77850815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020049190A Active JP7468028B2 (ja) 2020-03-19 2020-03-19 書籍棚および書籍位置案内システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7468028B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003182848A (ja) 2001-12-13 2003-07-03 Dainippon Printing Co Ltd Icタグを利用した物品の貸出し管理支援システム
JP2005131003A (ja) 2003-10-29 2005-05-26 Fumio Kato ファイル収納部材用ファイルガイド
JP2005150314A (ja) 2003-11-13 2005-06-09 Okamura Corp 物品情報の読出装置を備える什器
JP2008123167A (ja) 2006-11-10 2008-05-29 Okamura Corp 物品情報の読取装置を備える移動体
JP2013199375A (ja) 2012-03-26 2013-10-03 Nec Engineering Ltd 物品管理方法、物品管理システム及び物品管理プログラム
JP2019189380A (ja) 2018-04-23 2019-10-31 大日本印刷株式会社 在庫管理装置、在庫管理システム、及び、プログラム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003182848A (ja) 2001-12-13 2003-07-03 Dainippon Printing Co Ltd Icタグを利用した物品の貸出し管理支援システム
JP2005131003A (ja) 2003-10-29 2005-05-26 Fumio Kato ファイル収納部材用ファイルガイド
JP2005150314A (ja) 2003-11-13 2005-06-09 Okamura Corp 物品情報の読出装置を備える什器
JP2008123167A (ja) 2006-11-10 2008-05-29 Okamura Corp 物品情報の読取装置を備える移動体
JP2013199375A (ja) 2012-03-26 2013-10-03 Nec Engineering Ltd 物品管理方法、物品管理システム及び物品管理プログラム
JP2019189380A (ja) 2018-04-23 2019-10-31 大日本印刷株式会社 在庫管理装置、在庫管理システム、及び、プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021147183A (ja) 2021-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
GB2419722A (en) Filing security system and article security system
US20070026949A1 (en) Equipment for transporting chips and chip carrier structure therefor
JP3814613B2 (ja) 配線接続管理システム
EP2518696B1 (en) Travel kiosk
JP2012071928A (ja) 物品管理システム
JP4215573B2 (ja) 物品配置管理システム
JP7468028B2 (ja) 書籍棚および書籍位置案内システム
JP2010044724A (ja) 棚卸支援装置
JP2014101170A (ja) Rfidシステムを用いる図書館における電動式移動棚装置
JP3802717B2 (ja) 物品及び物品管理システム
JP5001852B2 (ja) 位置検出システム、位置検出プログラム、位置検出装置および位置検出方法
JP4794155B2 (ja) 物品管理システム
JP2010238007A (ja) 配置管理装置および配置管理プログラム
JP2008305067A (ja) カード装着端末
JP7004193B2 (ja) 端末装置
CN109635888A (zh) 一种设备管理方法、系统和可读存储介质
US20100078473A1 (en) Peripheral including biometric reader and card reader
JP4590449B2 (ja) 管理システムおよび携帯端末装置
US10497205B2 (en) Game medium accommodation device
JP2003164928A (ja) パンチプレス用金型のid読み取りシステム
JP3612531B2 (ja) リーダ/ライタシステム、リーダ/ライタプログラム及びリード/ライト方法
CN209911977U (zh) 读写器测试平台
CN210864967U (zh) 智能图书自助借还装置
JP2001259112A (ja) 将棋セット
JP2013250954A (ja) 読取書込ユニット、媒体管理システムおよびプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231024

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7468028

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150