JP7466713B2 - 蓄電池劣化診断装置および蓄電池劣化診断方法 - Google Patents

蓄電池劣化診断装置および蓄電池劣化診断方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7466713B2
JP7466713B2 JP2022579175A JP2022579175A JP7466713B2 JP 7466713 B2 JP7466713 B2 JP 7466713B2 JP 2022579175 A JP2022579175 A JP 2022579175A JP 2022579175 A JP2022579175 A JP 2022579175A JP 7466713 B2 JP7466713 B2 JP 7466713B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
storage battery
temperature
current
charge
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022579175A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022168151A1 (ja
JPWO2022168151A5 (ja
Inventor
勢児 平井
智己 竹上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2022168151A1 publication Critical patent/JPWO2022168151A1/ja
Publication of JPWO2022168151A5 publication Critical patent/JPWO2022168151A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7466713B2 publication Critical patent/JP7466713B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • G01R31/36Arrangements for testing, measuring or monitoring the electrical condition of accumulators or electric batteries, e.g. capacity or state of charge [SoC]
    • G01R31/392Determining battery ageing or deterioration, e.g. state of health
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本開示は、蓄電池の劣化診断を行う蓄電池劣化診断装置および蓄電池劣化診断方法に関する。
近年、環境負荷低減のため、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの電動車両が実用化されている。また、再生可能エネルギーを活用するための定置用蓄電池システムも普及している。
これらの機器には、リチウムイオン電池などの蓄電池が用いられている。蓄電池は、使用とともに劣化が進行し、性能が低下する。そのため、蓄電池の寿命を予測し、蓄電池を適切な時期に交換することが求められる。そこで、蓄電池の劣化状態を推定するための劣化診断が必要となる。
蓄電池の劣化診断方法の一つとして、蓄電池の電圧に関する微分値(以下、微分電圧と呼ぶ。)の変化を利用した方法がある。例えば、微分電圧の変化を表す微分電圧曲線に現れるピークの位置およびピーク間の距離は、蓄電池の劣化とともに変化する。そこで、蓄電池の電圧および電流を計測し、その計測値から求められる微分電圧の変化に基づいて、非破壊で蓄電池の劣化状態を推定することができる。
例えば特許文献1に記載される二次電池システムでは、電圧Vと、電圧Vの変化量dVに対する電気容量Qの変化量dQの割合であるdQ/dVとの関係を表す微分曲線が算出され、その微分曲線の所定領域における特徴点に基づいて、二次電池の劣化指標が推定される。
特開2019―056595号公報
このような微分電圧曲線における特徴的な変化(ピーク)を計測するためには、小さい電流で蓄電池を充放電する必要がある。そのため、劣化診断に要する時間が長くなる。一方、電流が大きいと、特徴的な変化を計測することができず、劣化診断の精度が低下する。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、短時間で精度良く蓄電池の劣化診断を行うことができる蓄電池劣化診断装置および蓄電池劣化診断方法を得ることを目的とする。
本開示に係る蓄電池劣化診断装置は、蓄電池の劣化診断を行う蓄電池劣化診断装置であって、蓄電池を充電または放電させる充放電回路と、蓄電池の温度が予め定められた診断温度に上昇した後に蓄電池が充電または放電されるように充放電回路を制御する充放電制御部と、充放電制御部により蓄電池が充電または放電される期間に蓄電池の電流および電圧を検出する電流電圧検出部と、電流電圧検出部により検出された電流および電圧に基づいて、蓄電池の電圧に関する微分値を微分電圧として算出する微分電圧算出部と、微分電圧算出部により算出された微分電圧の変化に基づいて、蓄電池の劣化状態を推定する劣化状態推定部と、を備える。
本開示に係る蓄電池劣化診断方法は、蓄電池の劣化診断を行う蓄電池劣化診断方法であって、蓄電池の温度を予め定められた診断温度まで上昇させるステップと、蓄電池の温度が診断温度に上昇した後に蓄電池が充電または放電するように充放電回路を制御するステップと、充放電回路により蓄電池が充電または放電される期間に電流電圧検出部により蓄電池の電流および電圧を検出するステップと、電流電圧検出部により検出された電流および電圧に基づいて、蓄電池の電圧に関する微分値を微分電圧として算出するステップと、微分電圧算出部により算出された微分電圧の変化に基づいて、蓄電池の劣化状態を推定するステップと、を備える。
本開示に係る蓄電池劣化診断装置および劣化診断方法によれば、短時間で精度良く蓄電池の劣化診断を行うことができる。
本開示の実施の形態1に係る蓄電池劣化診断装置の全体構成を示す図である。 充放電時間と電池電流との関係の一例を表す図である。 電池電流と診断温度との関係の一例を表す図である。 微分電圧曲線の一例を示す図である。 電池温度の違いによる微分電圧曲線の違いについて説明するための図である。 電池温度の違いによる微分電圧曲線の違いについて説明するための図である。 蓄電池劣化診断装置による劣化診断処理の一例のフローチャートである。 本開示の実施の形態2に係る蓄電池劣化診断装置の全体構成を示す図である。 本開示の実施の形態3に係る蓄電池劣化診断装置の全体構成を示す図である。 実施の形態3に係る蓄電池劣化診断装置による劣化診断処理の一例のフローチャートである。 SOCとOCVとの関係を示す図である。 好ましいリップル電流の大きさについて説明するための図である。 本開示の実施の形態5に係る蓄電池の構成例を示す図である。 本開示の実施の形態5に係る蓄電池の構成例を示す図である。 制御部の少なくとも一部の機能がソフトウェアで実現される例を示す図である。
以下、本開示の実施の形態に係る蓄電池劣化診断装置および蓄電池劣化診断方法について図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1は、本開示の実施の形態1に係る蓄電池劣化診断装置の全体構成を示す図である。図1に示すように、蓄電池劣化診断装置1は、昇温部2、温度検出部3、充放電回路4、電流電圧検出部5および制御部10を含む、蓄電池100の劣化診断を行う。蓄電池100は、充電および放電が可能であればよく、例えばリチウムイオン電池が蓄電池100として用いられる。蓄電池100は、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、全固体電池などの充電および放電が可能な他の電池であってもよい。蓄電池100は、単一のセル(単電池)であってもよく、後述の実施の形態5のように、複数のセルを含んでもよい。
昇温部2は、蓄電池100の温度(以下、電池温度と呼ぶ。)を上昇させる。昇温部2は、例えば、蓄電池100の外部から蓄電池100に熱を与えることにより電池温度を上昇させる。その場合、昇温部2は、例えば、ヒータまたはエアコン(air conditioner)を含む。また、後述の実施の形態4のように、昇温部2は、蓄電池100に電流を流すことにより、蓄電池100の内部で熱を発生させて電池温度を上昇させてもよい。なお、図1の例では、蓄電池劣化診断装置1が昇温部2を含むが、蓄電池劣化診断装置1の外部装置として昇温部2が設けられてもよい。
温度検出部3は、蓄電池100の温度(電池温度)を検出する。温度検出部3は、例えば、サーミスタを含む。温度検出部3により検出された電池温度は、温度情報として後述の昇温制御部11に与えられる。充放電回路4は、蓄電池100を充電および放電させる。充放電回路4は、例えば、複数のスイッチング素子を含む。
電流電圧検出部5は、充放電回路4による蓄電池100の充放電時に、蓄電池100の電流および電圧を検出する。蓄電池100の電流とは、蓄電池100に流れる電流であり、蓄電池100の電圧とは、蓄電池100の端子間電圧である。以下、蓄電池100の電流を電池電流と呼び、蓄電池100の電圧を電池電圧と呼ぶ。電流電圧検出部5は、例えば、電流センサおよび電圧検出線を含み、電流センサにより電池電流を検出し、電圧検出線により電池電圧を検出する。電流電圧検出部5により検出された電池電流および電池電圧は、電流電圧情報として後述の微分電圧算出部13に与えられる。
制御部10は、昇温制御部11、充放電制御部12、微分電圧算出部13、劣化状態推定部14および条件決定部15を含む。
昇温制御部11は、温度検出部3からの温度情報に基づいて、電池温度が予め定められた診断温度に上昇するように、昇温部2を制御する。なお、蓄電池劣化診断装置1の外部装置として昇温部2が設けられる場合、昇温制御部11も蓄電池劣化診断装置1の外部装置として設けられてもよい。例えば、昇温部2がエアコンである場合、エアコンに搭載されるコントローラが、昇温制御部11として電池温度を制御してもよい。
充放電制御部12は、充放電回路4を制御することにより、蓄電池100の充放電を制御する。劣化診断時には、蓄電池100の温度が上記診断温度まで上昇した後に、蓄電池100が充電または放電されるように、充放電制御部12が充放電回路4を制御する。
微分電圧算出部13は、蓄電池100の充放電が行われている期間に、電流電圧検出部5からの電流電圧情報に基づいて、蓄電池100の電圧に関する微分値を微分電圧として算出する。本実施の形態では、微分電圧算出部13は、微分電圧として、電池電圧Vを蓄電池100の電気容量Qで微分した値dV/dQを算出する。電気容量Qは、電池電流から求められる。蓄電池100を充電または放電することによって蓄電池100の電気容量Qを変化させながら、微分電圧算出部13が微分電圧(dV/dQ)を繰り返し算出することにより、微分電圧(dV/dQ)と電気容量Qとの関係を表す微分電圧曲線(dV/dQ‐Q)が求められる。微分電圧曲線(dV/dQ‐Q)は、電気容量Qに対する微分電圧(dV/dQ)の変化を表す。
劣化状態推定部14は、微分電圧算出部13により算出された微分電圧の変化に基づいて、蓄電池100の劣化状態を推定する。例えば、劣化状態推定部14は、微分電圧曲線に現れるピークの形状またはピーク間の距離に基づいて、蓄電池100の劣化状態としてSOH(State Of Health)を推定する。SOHは、蓄電池100の初期(劣化前)の満充電容量(Ah)に対する現在の満充電容量(Ah)の割合であり、蓄電池100の健全度を表す。なお、劣化状態推定部14は、劣化状態として、SOHの代わりに、蓄電池100の内部抵抗等を算出してもよい。
条件決定部15は、劣化診断時における電池電流、診断温度および充放電時間を診断条件として決定する。充放電時間とは、微分電圧算出部13が微分電圧を算出するために、蓄電池100が充放電される時間である。図2は、充放電時間と電池電流との関係の一例を表す図であり、図3は、電池電流と診断温度との関係の一例を表す図である。例えば、ユーザが図示しない操作部を操作して、充放電時間を入力する。充放電時間は、電池電流に依存し、図2に示すように、電池電流が大きいほど充放電時間は短い。そこで、条件決定部15は、ユーザの入力に基づいて充放電時間を決定し、その充放電時間に基づいて電池電流を決定する。また、条件決定部15は、電池電流に基づいて診断温度を決定する。図3に示すように、診断温度は、電池電流が大きいほど高い値に決定される。電池電流と診断温度との関係については後述する。このようにして、電池電流、診断温度および充放電時間が、診断条件として決定される。図2および図3に示されるような、電池電流、診断温度および充放電時間の関係が、ルックアップテーブルとして予め記憶されていてもよい。
なお、時間節約のためには、充放電時間は短いことが望ましい。一方、大きな電池電流で頻繁に蓄電池100の充放電が行われると、蓄電池100の劣化が進みやすい。そのため、時間に余裕がある場合には、充放電時間が長く設定されるとともに電池電流が小さく設定されることが好ましい。
図4は、微分電圧曲線の一例を示す図である。横軸はSOC(State Of Charge)およびDOD(Depth of discharge)を表し、縦軸は微分電圧dV/dQを表す。SOCは、蓄電池100の満充電容量に対する残容量の比率を百分率で表し、DODは、蓄電池100の満充電容量に対する放電量の比率を百分率で表す。SOCとDODとの関係は、100-DOCD=SOCで表される。SOCおよびDODは、蓄電池100の電気容量を表す。
図4に示すように、微分電圧曲線は、複数のピークPを有する。このようなピークPは、蓄電池100の正極材料および負極材料の相変化の影響で現れる。一方、電池電圧は、蓄電池100の内部抵抗の影響を受ける。すなわち、内部抵抗が異なると、微分電圧が異なる。内部抵抗の影響は、電池電流が大きいほど大きい。
内部抵抗の影響が大きいと、微分電圧曲線において、相変化の影響よりも内部抵抗の影響が支配的となり、相変化の影響が微分電圧曲線に現れにくくなる。すなわち、微分電圧曲線に明確なピークが現れにくくなる。ピークが明確でないと、蓄電池100の劣化状態を精度よく推定することが困難となる。内部抵抗の影響を抑制する方法として、電池電流を小さくすることが考えられる。しかしながら、電池電流を小さくすると、蓄電池100の充放電時間が長くなる。
本実施の形態では、内部抵抗の影響を抑制するために、電池電流を調整するのではなく、電池温度を調整する。蓄電池100の内部抵抗は、電池温度に依存する。電池温度が高くなるにつれて内部抵抗が小さくなる。そこで、蓄電池100の充放電前に電池温度を診断温度まで上昇させ、その状態で蓄電池100の充放電を行うことにより、内部抵抗の影響を抑制することができる。それにより、電池電流を小さくすることなく、微分電圧曲線に明確なピークを出現させることが可能となる。
図5および図6は、電池温度の違いによる微分電圧曲線の違いについて説明するための図である。横軸は電気容量SOCおよびDODを表し、縦軸は微分電圧値dV/dQを表す。
図5には、電池温度を25℃、45℃および60℃に設定し、かつ0.5Cで放電した場合の微分電圧曲線が示される。図6には、電池温度を25℃、45℃および60℃に設定し、かつ1.0Cで放電した場合の放電曲線および微分電圧曲線が示される。ここで、“C”は、電池電流のレートを表す。1Cは、1時間で完全充電または完全放電が終了する電流値である。例えば、蓄電池100の理論容量が2Ahである場合、1Cは2Aであり、0.5Cは1Aである。なお、図5および図6において、25℃での微分電圧曲線は実線で示され、45℃での微分電圧曲線は一点鎖線で示され、60℃での微分電圧曲線は点線で示される。
図5および図6に示すように、電池電流が同じであっても、電池温度が高いほど、微分電圧曲線に現れるピークの数が多くなり、かつ各ピークが大きくなる。ここで、ピークが大きいとは、ピークの突出の度合が大きいことをいう。図5および図6の例では、ピークの前後における微分電圧(dV/dQ)と、ピークの頂点における微分電圧(dV/dQ)との差が、ピークの大きさに相当する。
劣化診断の精度は、ピークの数および大きさに依存し、ピークの数が多くかつ各ピークが大きいほど、劣化診断の精度は高い。そのため、電池電流を大きくしても、それに応じて電池温度を高くすることにより、劣化診断の精度を維持することができる。そこで、図3の例のように、電池電流に応じて診断温度を設定することができる。なお、診断温度の上限値は、蓄電池100の仕様によって決まる。一般的には、放電時の上限値は、充電時の上限値よりも高い。そのため、診断温度を放電時の上限値に設定し、蓄電池100を放電させながら電流電圧情報を取得することで、充放電時間を最短にすることができる。
このようにして、電池温度を診断温度まで上昇させた後に蓄電池100の充放電を行うことにより、電池電流が大きくても、微分電圧曲線に明確なピークを出現させることができる。その結果、短時間で精度良く蓄電池100の劣化診断を行うことができる。
また、蓄電池100の充放電速度は、蓄電池100内におけるイオンおよび電荷の移動速度に依存する。イオンおよび電荷の移動速度は、電池温度に依存し、電池温度が高いほど移動速度が高い。そのため、電池電流が同じであっても、電池温度が高いほど、蓄電池100の充放電速度が高い。このような観点からも、電池温度を上昇させた状態で蓄電池100の充放電を行うことにより、充放電時間を短縮することができる。
次に、蓄電池劣化診断装置1の動作例について説明する。図7は、蓄電池劣化診断装置1による劣化診断処理の一例のフローチャートである。以下、劣化診断処理の全体に要する時間を診断時間と呼ぶ。なお、上記の充放電時間は、診断時間の大部分を占める。
図7の劣化診断処理は、例えば、ユーザによる図示しない操作部の操作に応答して開始される。まずステップS1において、条件決定部15が、診断条件を決定する。例えば、条件決定部15は、ユーザによる入力に基づいて充放電時間を決定し、その充放電時間に基づいて電池電流を決定し、その電池電流に基づいて診断温度を決定する。これにより、充放電時間、電池電流および診断温度が診断条件として決定される。
次に、ステップS2において、昇温制御部11が、電池温度が上昇されるように昇温部2を制御する。次に、ステップS3において、昇温制御部11が、温度検出部3からの温度情報に基づいて、電池温度がステップS1で決定された診断温度に達したか否かを判定する。電池温度が診断温度に達するまで、昇温制御部11が、ステップS3の判定を繰り返す。
電池温度が診断温度に達すると、ステップS4において、昇温制御部11が、電池温度が維持されるように昇温部2を制御する。次に、ステップS5において、充放電制御部12が、蓄電池100の充放電が開始されるように充放電回路4を制御する。この場合、充放電制御部12は、ステップS1で決定された電池電流で充放電が行われるように充放電回路4を制御する。なお、ステップS5で充電および放電のいずれを行うか、ステップS1で診断条件として決定されてもよい。
なお、昇温制御部11が外部装置に設けられる場合、充放電制御部12が、温度検出部3からの温度情報に基づいて、蓄電池100の充放電を開始させてもよい。具体的には、充放電制御部12は、温度検出部3からの温度情報に基づいて、電池温度が診断温度に達したか否かを判定し、電池温度が診断温度に達すると、充放電回路4を制御して、蓄電池100の充放電を開始させてもよい。
次に、ステップS6において、微分電圧算出部13は、電流電圧検出部5からの電流電圧情報に基づいて、微分電圧を算出する。次に、ステップS7において、微分電圧算出部13は、ステップS5で充放電が開始されてからの経過時間が、ステップS1で決定された充放電時間に達したか否かを判定する。経過時間が充放電時間に達していない場合、微分電圧算出部13がステップS6に戻る。経過時間が充放電時間に達するまでステップS6が繰り返されることにより、電気容量に対する微分電圧の変化を表す微分電圧曲線が求められる。
経過時間が充放電時間に達すると、ステップS8において、充放電制御部12は、蓄電池100の充放電が停止されるように、充放電回路4を制御する。なお、図7の例では、昇温部2により電池温度が維持された状態で、充放電制御部12により蓄電池100の充放電が行われるが、昇温部2の動作が停止された状態で、充放電制御部12により蓄電池100の充放電が行われてもよい。上記のように、蓄電池100の充放電時には、蓄電池100の内部抵抗によって発熱するので、昇温部2の動作が停止されていても、電池温度の低下は抑制される。
次に、ステップS9において、劣化状態推定部14が、算出された微分電圧の変化に基づいて、蓄電池100の劣化状態を推定する。例えば、劣化状態推定部14は、微分電圧曲線に現れるピークの形状またはピーク間の距離に基づいて、蓄電池100の劣化状態としてSOHを推定する。これにより、劣化診断処理が終了する。
以上説明したように、実施の形態1では、電池温度が予め定められた診断温度に上昇した後に蓄電池100の充放電が行われ、充放電時の電池電流および電池電圧に基づいて微分電圧が算出され、その微分電圧の変化に基づいて蓄電池100の劣化状態が推定される。それにより、電池電流が大きくても、微分電圧の特徴的な変化を確認することができる。したがって、蓄電池100の劣化状態を短時間で精度良く推定することができる。その結果、短時間で精度良く蓄電池100の劣化診断を行うことができる。
また、実施の形態1では、充放電時間に基づいて電池電流が決定され、その電池電流に基づいて診断温度が決定される。この場合、所望の充放電時間で精度良く劣化診断を行うことができるので、種々の状況に応じて充放電時間を柔軟に調整することができる。
なお、高温で頻繁に蓄電池100の充放電を行うと、蓄電池100の劣化を進行させる反応も加速され、蓄電池100の寿命が短くなる可能性がある。しかしながら、劣化診断は、蓄電池100の寿命までに数十回程度行えばよい。その程度の頻度であれば、蓄電池100の寿命に大きな影響を及ぼす可能性は低い。
実施の形態2.
本開示の実施の形態2に係る蓄電池劣化診断装置について、上記実施の形態1と異なる点を中心に説明する。図8は、本開示の実施の形態2に係る蓄電池劣化診断装置の全体構成を示す図である。図8の蓄電池劣化診断装置1は、図1の制御部10に代えて、制御部10aを備える。制御部10aは、制御部10の各構成要素に加えて、診断予定決定部16をさらに含む。
診断予定決定部16には、電流電圧検出部5から電流電圧情報が与えられる。診断予定決定部16は、電流電圧検出部5からの電流電圧情報に基づいて、蓄電池100の使用履歴を特定し、特定した使用履歴に基づいて、次に劣化診断を行うべき時間帯(以下、診断予定時間帯と呼ぶ。)を決定する。
具体的には、診断予定決定部16は、蓄電池100の使用履歴に基づいて、蓄電池100が使用されやすい(充放電が行われやすい)時間帯を特定し、その時間帯をさけて、診断予定時間帯を決定する。例えば、蓄電池100が電気自動車に搭載される場合には、蓄電池100は、日中の時間帯に使用され、深夜から早朝にかけての時間帯にはほとんど使用されないことが多い。そのような場合、診断予定決定部16は、深夜から早朝にかけての時間帯の一部または全部を、診断予定時間帯として決定する。
また、診断予定決定部16は、次に劣化診断を行うべき日(以下、診断予定日と呼ぶ。)を決定する。例えば、診断予定決定部16は、前回の劣化診断の日から予め定められた日数が経過した日を、診断予定日として決定する。なお、前回の劣化診断の結果に基づいて診断予定日が決定されてもよい。例えば、蓄電池100の劣化状態が悪いほど、前回の劣化診断の日から診断予定日までの日数が短く設定されてもよい。また、電流電圧検出部5からの電流電圧情報に基づいて、診断予定日が決定されてもよい。例えば、電流電圧情報に基づいて、蓄電池100がほとんど使用されない曜日が特定され、前回の劣化診断の日から予め定められた日数が経過した後であって蓄電池100がほとんど使用されない曜日が、診断予定日に決定されてもよい。
昇温制御部11、充放電制御部12、微分電圧算出部13、劣化状態推定部14および条件決定部15は、診断予定決定部16により決定された診断予定日および診断予定時間帯に、上記の劣化診断処理を実行する。この場合、条件決定部15は、診断予定時間帯に対応するように充放電時間を決定し、その充放電時間から、上記のように電池電流および診断温度を決定する。
このように、実施の形態2においては、蓄電池100の使用履歴に基づいて診断予定時間帯が決定され、その診断予定時間帯に劣化診断が行われる。これにより、蓄電池100の用途に応じた適切なタイミングで精度良く劣化診断を行うことができる。また、蓄電池100が他の機器に組み込まれている場合に、その機器が使用されない適切なタイミングで、当該機器から蓄電池100を取り外すといった煩雑な作業を行うことなく、劣化診断を行うことができる。
実施の形態3.
本開示の実施の形態3に係る蓄電池劣化診断装置について、上記実施の形態1と異なる点を中心に説明する。図9は、本開示の実施の形態3に係る蓄電池劣化診断装置1の全体構成を示す図である。図9の蓄電池劣化診断装置1は、図1の制御部10に代えて、制御部10bを備える。制御部10bは、制御部10の各構成要素に加えて、電気容量調整部18をさらに含む。
電気容量調整部18には、電流電圧検出部5から電流電圧情報が与えられる。電気容量調整部18は、充放電制御部12による蓄電池100の充放電の前に、電流電圧検出部5からの電流電圧情報に基づいて、蓄電池100の電気容量が予め定められた適正範囲外となるように、充放電回路4を制御する。適正範囲は、微分電圧曲線に特徴的なピークが現れる電気容量の範囲に設定される。
上記のように、劣化状態推定部14は、例えば、微分電圧曲線に現れるピークの形状またはピーク間の距離に基づいて、蓄電池100の劣化状態を推定する。この場合、推定の精度を高めるためには、上記適正範囲の全体において、微分電圧曲線が求められることが好ましい。しかしながら、充放電制御部12による充放電が開始される時点での蓄電池100の電気容量によっては、微分電圧曲線が適正範囲の全体を含まない可能性がある。例えば、充放電制御部12による充放電が開始される時点で、蓄電池100の電気容量が適正範囲の中心値付近にあると、そこから蓄電池100が充電または放電されても、微分電圧曲線に適正範囲の一部が含まれない。
そこで、本実施の形態では、微分電圧曲線が適正範囲の全体に対応するように、充放電制御部12による蓄電池100の充放電の前に、電気容量調整部18によって蓄電池100の電気容量が適正範囲外に調整される。例えば、図6で電池温度が60℃(点線)の場合の例では、SOCが15%以上75%以下の範囲に、特徴的な複数のピークが現れる。この場合、当該SOCの範囲が適正範囲に設定され、充放電制御部12による蓄電池100の充放電の前に、電気容量調整部18によってSOCが75%以上または15%以下に設定される。なお、適正範囲の上限値(75%)および下限値(15%)は、適正範囲外とみなす。
診断時間の短縮のため、電気容量を適正範囲外に調整する際の電池電流は、充放電制御部12による充放電の際の電池電流よりも大きいことが好ましい。また、適正範囲は、蓄電池100の種類および材料等によって異なるため、蓄電池100の種類および材料等に応じて設定されることが好ましい。
図10は、図9の蓄電池劣化診断装置1による劣化診断処理の一例のフローチャートである。図10の劣化診断処理について、図7の例と異なる点を中心に説明する。
まずステップS11において、電気容量調整部18は、電流電圧検出部5からの電流電圧情報に基づいて、蓄電池100の電気容量を算出する。例えば、電気容量としてSOCが用いられる場合、SOCは、蓄電池100のOCV(Open Circuit Voltage:開回路電圧)から求めることができる。図11は、SOCとOCVとの関係を示す図である。図11において、横軸はSOCを表し、縦軸はOCVを表す。図11に示すように、SOCとOCVとの間には一定の相関がある。したがって、充放電制御部12は、開回路時の電流電圧情報から電気容量としてのSOCを一義的に求めることができる。なお、電気容量の算出方法は、これに限らず、他の方法を用いてもよい。
次に、ステップS12において、電気容量調整部18は、ステップS11で算出された電気容量が、適正範囲内であるか否かを判定する。電気容量が適正範囲内である場合、ステップS13において、電気容量調整部18は、蓄電池100の電気容量が適正範囲外となるように、充放電回路4を制御する。例えば、蓄電池100の電気容量が、適正範囲の中央値以上である場合には、その電気容量が適正範囲の上限値に調整され、蓄電池100の電気容量が、適正範囲の中央値より小さい場合には、その電気容量が適正範囲の下限値に調整される。また、蓄電池100の電気容量が適正範囲内である場合、その電気容量が最大値(例えばSOC100%)または最小値(例えばSOC0%)に調整されてもよい。
電気容量調整部18による電気容量の調整後、条件決定部15がステップS1に進む。また、ステップS12において、電気容量が適正範囲外である場合、電気容量調整部18が電気容量の調整を行うことなく、条件決定部15がステップS1に進む。なお、蓄電池100の電気容量が適正範囲外である場合であっても、その電気容量が適正範囲の上限値または下限値から離れている場合には、電気容量が適正範囲の上限値または下限値に調整されてもよい。
ステップS1において、条件決定部15は、蓄電池100の電気容量が適正範囲の全体にわたって変化するように、診断条件を決定する。具体的には、ステップS1時点で、蓄電池100の電気容量が適正範囲の上限値以上である場合、その電気容量が少なくとも適正範囲の下限値に達するように、充放電時間、電池電流および診断温度が決定される。また、ステップS1時点で、蓄電池100の電気容量が適正範囲の下限値以下である場合、その電気容量が少なくとも適正範囲の上限値に達するように、充放電時間、電池電流および診断温度が決定される。
また、ステップS1時点での蓄電池100の電気容量に応じて、ステップS5で充電および放電のいずれを行うか決定される。具体的には、蓄電池100の電気容量が適正範囲の上限値以上である場合、ステップS5で蓄電池100は放電され、蓄電池100の電気容量が適正範囲の下限値以下である場合、ステップS5で蓄電池100は充電される。
このように、実施の形態3においては、微分電圧曲線が適正範囲の全体に対応するように、充放電制御部12による蓄電池100の充放電の前に、蓄電池100の電気容量が調整される。それにより、微分電圧曲線に特徴的なピークが含まれるので、微分電圧曲線から蓄電池100の劣化状態を精度良く推定することができる。
実施の形態4.
本開示の実施の形態4に係る蓄電池劣化診断装置について、上記実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
実施の形態4では、昇温部2が、蓄電池100に電流を流すことにより、すなわち蓄電池100を充放電させることにより、電池温度を上昇させる。蓄電池100に流される電流は、例えば直流電流である。蓄電池100に電流が流れると、蓄電池100の内部抵抗によって蓄電池100が発熱する。その発熱を利用して、電池温度を上昇させることができる。昇温部2は、充放電回路4の一機能として設けられてもよい。すなわち、充放電回路4が、昇温部2として蓄電池100を充放電させて、電池温度を上昇させてもよい。
以下の説明では、電池温度を診断温度まで上昇させる工程(図7および図10のステップS2)を昇温工程と呼び、蓄電池100を充放電させながら微分電圧を算出する工程(図7および図10のステップS5~S8)を微分電圧算出工程と呼ぶ。
蓄電池100の内部抵抗による発熱量は、電池電流の二乗に内部抵抗値を乗じることにより算出することができる。すなわち、電池電流が大きいほど、発熱量が大きい。そこで、昇温工程における電池電流は、微分電圧算出工程における電池電流よりも大きくてもよい。この場合、昇温工程において電池温度を迅速に診断温度まで上昇させることができる。より迅速に電池温度を上昇させるため、昇温工程における電池電流は、蓄電池100の仕様上の上限値であってもよい。
蓄電池100の内部抵抗による発熱を利用して電池温度を上昇させることで、ヒータ等を別途設ける必要がないので、部品点数を増加させることなく、短時間で劣化診断を行うことができる。また、蓄電池100が他の機器に組み込まれている場合でも、蓄電池100を当該機器から取り外すことなく、容易に電池温度を上昇させることができる。なお、劣化診断時の蓄電池100の状態によっては、微分電圧算出工程の終盤に、電池温度が低下する場合も考えられるので、昇温部2は、内部抵抗による発熱を利用して電池温度を上昇させるとともに、さらにヒータ等によって蓄電池100の外部から蓄電池100に熱を与えるように構成されてもよい。
昇温部2は、実施の形態3の電気容量調整部18の機能を兼ね備えてもよい。具体的には、劣化診断の開始時に、蓄電池100の電気容量が上記の適正範囲内にある場合、昇温部2が蓄電池100を充放電させることにより、電池温度を診断温度まで上昇させつつ、電気容量が上記適正範囲外に調整されてもよい。この場合、昇温工程において、電池温度の上昇と電気容量の調整とを同時に行うことができる。それにより、診断時間を短縮しつつ精度良く劣化診断を行うことができる。
昇温部2は、蓄電池100に周波数成分を含む電流(以下、リップル電流と呼ぶ)を流してもよい。蓄電池100には、内部抵抗と同様に、周波数に依存するインピーダンスが存在する。蓄電池100にリップル電流が流れる場合の発熱量は、リップル電流の実効値の二乗に蓄電池100のインピーダンスを乗じることにより算出することができる。
ただし、一般的な知見として、蓄電池100にリップル電流が流れることで、電池電圧が蓄電池100の仕様上の上限電圧を瞬間的に超過するような状態が続くと、蓄電池100の劣化が進行する。また、電池メーカーにより蓄電池100の下限電圧も規定されている。このような蓄電池100の上限電圧および下限電圧を考慮して、リップル電流の大きさが調整されることが好ましい。
好ましいリップル電流の大きさは、蓄電池100の電池容量に依存する。図12は、好ましいリップル電流について説明するための図である。図12において、横軸はSOCを表し、縦軸はリップル電流の実効値を表す。図12には、SOCに対するリップル電流の上限値が示される。図12の例では、蓄電池100が満充電状態(SOC100%付近)または放電状態(SOC0%付近)の場合、蓄電池100にリップル電流をほとんど流せない。一方、蓄電池100のSOCが中間範囲にある場合には、蓄電池100にある程度のリップル電流を流すことができる。なお、図12の曲線は、蓄電池100のインピーダンスによって異なる。そのため、診断対象の蓄電池100に応じて、リップル電流を調整することが好ましい。
リップル電流によって蓄電池100の温度を上昇させる場合の動作例について、図7および図9の例と異なる点を説明する。ステップS1において条件決定部15が診断条件を決定した後、昇温制御部11は、電池温度を診断温度まで上昇させることが可能なリップル電流の大きさを算出するとともに、算出したリップル電流を流すことが可能な電気容量の範囲(以下、リップル通流範囲と呼ぶ。)を決定する。次に、蓄電池100の電気容量が、決定されたリップル通流範囲内に収まるように、昇温制御部11が充放電回路4を制御する。その後、昇温制御部11が、蓄電池100にリップル電流が流れるように、昇温部2を制御する。これにより、電池温度を診断温度まで上昇させることができる。その後、充放電制御部12がステップS5の処理に進む。
なお、リップル電流の周波数成分は、蓄電池100の電気容量を変動させることなく、電池温度を上昇させることができる。そのため、リップル電流を用いることで、昇温時における電気容量の調整が容易になる。例えば、蓄電池100の電気容量をリップル通流範囲に調整した後、直流成分を含まずに周波数成分のみを含むリップル電流を蓄電池100に流すことにより、蓄電池100の電気容量をリップル通流範囲に維持したまま、電池温度を上昇させることができる。また、直流成分および周波数成分の両方を含むリップル電流を蓄電池100に流すことにより、電池温度を上昇させつつ電気容量を調整することも可能である。また、電流電圧検出部5が周波数成分をフィルターでカットしながら電池電流および電池電圧を検出可能である場合には、微分電圧算出工程でリップル電流を用いてもよい。
このように、実施の形態4においては、蓄電池100に電流を流すことによって蓄電池100の内部抵抗で発熱させて蓄電池100の温度を上昇させる。これにより、部品点数を増加させることなく、短時間で精度良く劣化診断を行うことができる。
実施の形態5.
本開示の実施の形態5に係る蓄電池劣化診断装置について、上記実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
図13および図14は、本開示の実施の形態5に係る蓄電池100の構成例を示す図である。図13および図14に示すように、本実施の形態では、蓄電池100が複数のセル(単電池)100aを含む。
図13の蓄電池100は、互いに並列に接続された複数のセル群CG1を含む。各セル群CG1は、互いに直列に接続された複数のセル100aを含む。図14の蓄電池100は、互いに直列に接続された複数のセル群CG2を含む。各セル群CG2は、互いに並列に接続された複数のセル100aを含む。
実際に蓄電池100を家電製品または電気自動車などの電気機器に搭載する場合、セル100aを単体で使用することはほとんどなく、図13および図14の例のように、複数のセル100aを直列または並列に接続したモジュールとして使用することが多い。
図13および図14の例のように蓄電池100が複数のセル100aを含む場合、各セル100aに対してヒータ等の昇温部2を設けると、コストが増大する。そこで、昇温部2は、複数のセル100aのうちの一部(例えば1つ)のみに対して設けられてもよい。蓄電池100として複数のセル100aを用いる場合、各セル100aの劣化はほぼ同様に進行する。そこで、少なくとも一部のセル100aに対して、上記の劣化診断によって劣化状態を推定し、他のセル100aについては、その一部のセル100aと同様の劣化状態であるとみなす。それにより、構成の複雑化およびコストの増加を抑制しつつ、短時間で精度良く劣化診断を行うことができる。
他の実施の形態.
上記実施の形態では、微分電圧算出部13が、微分電圧として、電池電圧Vを電気容量Qで微分した値dV/dQを算出するが、微分電圧算出部13が、微分電圧として、電気容量Qを電池電圧Vで微分した値dQ/dVを算出してもよい。この場合も、算出された微分電圧の変化に基づいて、蓄電池100の劣化状態を推定することができる。上記実施の形態と同様に、電池温度が診断温度に上昇した後に蓄電池100の充放電が行われることにより、電池電流が大きくても、微分電圧の特徴的な変化を確認することができる。それにより、蓄電池100の劣化状態を短時間で精度良く推定することができる。
上記実施の形態では、劣化状態推定部14が微分電圧曲線に現れるピークに基づいて劣化状態を推定するが、劣化状態の推定方法はこれに限定されない。
制御部10,10a,10bの昇温制御部11、充放電制御部12、微分電圧算出部13、劣化状態推定部14、条件決定部15、診断予定決定部16および電気容量調整部18の機能は、電子回路等のハードウェアで実現されてもよく、ソフトウェアで実現されてもよい。図15は、制御部10(10a,10b)の少なくとも一部の機能がソフトウェアで実現される例を示す図である。図15の例では、制御部10(10a,10b)が、処理装置(プロセッサ)51および記憶装置(メモリ)52を備える。処理装置51は、例えばCPU(中央演算処理装置)であり、記憶装置52に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、昇温制御部11、充放電制御部12、微分電圧算出部13、劣化状態推定部14、条件決定部15、診断予定決定部16および電気容量調整部18の機能を実現することができる。処理装置51としては、ASIC(特定用途向け集積回路)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。また、記憶装置52としては、ROM(Read only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard disk drive)等が用いられてもよい。
1 蓄電池劣化診断装置
2 昇温部
3 温度検出部
4 充放電回路
5 電流電圧検出部
10,10a,10b 制御部
11 昇温制御部
12 充放電制御部
13 微分電圧算出部
14 劣化状態推定部
15 条件決定部
16 診断予定決定部
18 電気容量調整部
100 蓄電池

Claims (13)

  1. 蓄電池の劣化診断を行う蓄電池劣化診断装置であって、
    前記蓄電池を充電または放電させる充放電回路と、
    前記蓄電池の温度が予め定められた診断温度に上昇した後に前記蓄電池が充電または放電されるように前記充放電回路を制御する充放電制御部と、
    前記充放電制御部により前記蓄電池が充電または放電される期間に前記蓄電池の電流および電圧を検出する電流電圧検出部と、
    前記電流電圧検出部により検出された電流および電圧に基づいて、前記蓄電池の電圧に関する微分値を微分電圧として算出する微分電圧算出部と、
    前記微分電圧算出部により算出された微分電圧の変化に基づいて、前記蓄電池の劣化状態を推定する劣化状態推定部と、を備え、
    前記診断温度は、前記充放電制御部による前記蓄電池の充電または放電時における電流が大きいほど、高い値に決定される、蓄電池劣化診断装置。
  2. 蓄電池の劣化診断を行う蓄電池劣化診断装置であって、
    前記蓄電池を充電または放電させる充放電回路と、
    前記蓄電池の温度が予め定められた診断温度に上昇した後に前記蓄電池が充電または放電されるように前記充放電回路を制御する充放電制御部と、
    前記充放電制御部により前記蓄電池が充電または放電される期間に前記蓄電池の電流および電圧を検出する電流電圧検出部と、
    前記電流電圧検出部により検出された電流および電圧に基づいて、前記蓄電池の電圧に関する微分値を微分電圧として算出する微分電圧算出部と、
    前記微分電圧算出部により算出された微分電圧の変化に基づいて、前記蓄電池の劣化状態を推定する劣化状態推定部と、
    前記充放電制御部により前記蓄電池が充電または放電される時間を充放電時間として決定し、決定した前記充放電時間に基づいて前記診断温度を決定する条件決定部と、を備え、
    前記充放電制御部は、前記条件決定部により決定された前記充放電時間および前記診断温度に基づいて、前記充放電回路を制御する、蓄電池劣化診断装置。
  3. 前記劣化状態推定部は、前記蓄電池の電気容量に対する前記微分電圧の変化を表す微分電圧曲線のピークに基づいて、前記蓄電池の劣化状態を推定する、請求項1または2に記載の蓄電池劣化診断装置。
  4. 前記微分電圧曲線が予め定められた電気容量の範囲の全体に対応するように、前記充放電制御部により前記蓄電池の充電または放電が行われる前に、前記蓄電池の電気容量を調整する電気容量調整部をさらに備える、請求項3に記載の蓄電池劣化診断装置。
  5. 前記条件決定部は、前記充放電時間に基づいて、前記充放電制御部による前記蓄電池の充電または放電時における前記蓄電池の電流を決定し、決定した電流に基づいて前記診断温度を決定し、
    前記充放電制御部は、前記条件決定部により決定された前記充放電時間、前記電流および前記診断温度に基づいて、前記充放電回路を制御する、請求項2に記載の蓄電池劣化診断装置。
  6. 前記蓄電池の使用履歴に基づいて、次に劣化診断を行うべき時間帯を決定する診断予定決定部をさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電池劣化診断装置。
  7. 前記蓄電池の温度を上昇させる昇温部と、
    前記蓄電池の温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部により検出された温度に基づいて、前記蓄電池の温度が前記診断温度まで上昇するように前記昇温部を制御する昇温制御部と、をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の蓄電池劣化診断装置。
  8. 前記昇温部は、前記蓄電池に電流を流すことにより前記蓄電池の内部抵抗で発熱させて前記蓄電池の温度を上昇させる、請求項7に記載の蓄電池劣化診断装置。
  9. 前記昇温部は、周波数成分を含む電流を前記蓄電池に流すことにより前記蓄電池の温度を上昇させる、請求項8に記載の蓄電池劣化診断装置。
  10. 前記昇温制御部は、前記周波数成分を含む電流の大きさに対応するように前記蓄電池の電気容量を調整した後に、前記蓄電池の温度が前記診断温度まで上昇するように前記昇温部を制御する、請求項9に記載の蓄電池劣化診断装置。
  11. 蓄電池の劣化診断を行う蓄電池劣化診断装置であって、
    前記蓄電池を充電または放電させる充放電回路と、
    前記蓄電池の温度が予め定められた診断温度に上昇した後に前記蓄電池が充電または放電されるように前記充放電回路を制御する充放電制御部と、
    前記充放電制御部により前記蓄電池が充電または放電される期間に前記蓄電池の電流および電圧を検出する電流電圧検出部と、
    前記電流電圧検出部により検出された電流および電圧に基づいて、前記蓄電池の電圧に関する微分値を微分電圧として算出する微分電圧算出部と、
    前記微分電圧算出部により算出された微分電圧の変化に基づいて、前記蓄電池の劣化状態を推定する劣化状態推定部と、
    前記蓄電池の温度を上昇させる昇温部と、
    前記蓄電池の温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部により検出された温度に基づいて、前記蓄電池の温度が前記診断温度まで上昇するように前記昇温部を制御する昇温制御部と、を備え、
    前記昇温部は、前記蓄電池に、周波数成分を含む電流を流すことにより前記蓄電池の内部抵抗で発熱させて前記蓄電池の温度を上昇させ、
    前記昇温制御部は、前記周波数成分を含む電流の大きさに対応するように前記蓄電池の電気容量を調整した後に、前記蓄電池の温度が前記診断温度まで上昇するように前記昇温部を制御する、蓄電池劣化診断装置。
  12. 前記蓄電池は、複数の単電池を含み、
    前記昇温部は、前記複数の単電池の一部のみに対して設けられる、請求項7~10のいずれか一項に記載の蓄電池劣化診断装置。
  13. 蓄電池の劣化診断を行う蓄電池劣化診断方法であって、
    前記蓄電池の温度を予め定められた診断温度まで上昇させるステップと、
    前記蓄電池の温度が前記診断温度に上昇した後に前記蓄電池が充電または放電するように充放電回路を制御するステップと、
    前記充放電回路により前記蓄電池が充電または放電される期間に電流電圧検出部により前記蓄電池の電流および電圧を検出するステップと、
    前記電流電圧検出部により検出された電流および電圧に基づいて、前記蓄電池の電圧に関する微分値を微分電圧として算出するステップと、
    算出された微分電圧の変化に基づいて、前記蓄電池の劣化状態を推定するステップと、を備え、
    前記診断温度は、前記蓄電池の充電または放電時における電流が大きいほど、高い値に決定される、蓄電池劣化診断方法。
JP2022579175A 2021-02-02 2021-02-02 蓄電池劣化診断装置および蓄電池劣化診断方法 Active JP7466713B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2021/003706 WO2022168151A1 (ja) 2021-02-02 2021-02-02 蓄電池劣化診断装置および蓄電池劣化診断方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2022168151A1 JPWO2022168151A1 (ja) 2022-08-11
JPWO2022168151A5 JPWO2022168151A5 (ja) 2023-03-15
JP7466713B2 true JP7466713B2 (ja) 2024-04-12

Family

ID=82741235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022579175A Active JP7466713B2 (ja) 2021-02-02 2021-02-02 蓄電池劣化診断装置および蓄電池劣化診断方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20240044994A1 (ja)
JP (1) JP7466713B2 (ja)
DE (1) DE112021006998T5 (ja)
WO (1) WO2022168151A1 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011018533A (ja) 2009-07-08 2011-01-27 Toyota Motor Corp 二次電池の昇温制御装置およびそれを備える車両、ならびに二次電池の昇温制御方法
JP2013019709A (ja) 2011-07-08 2013-01-31 Toyota Motor Corp 二次電池システム及び車両
JP2014163875A (ja) 2013-02-27 2014-09-08 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 蓄電池制御システム及びその蓄電池劣化度予測方法
WO2016147311A1 (ja) 2015-03-17 2016-09-22 株式会社東芝 蓄電池管理装置、方法及びプログラム
JP2017168361A (ja) 2016-03-17 2017-09-21 富士電機株式会社 二次電池装置、充電制御装置及び充電制御方法
WO2019171688A1 (ja) 2018-03-07 2019-09-12 パナソニックIpマネジメント株式会社 二次電池の残存性能評価方法、二次電池の残存性能評価プログラム、演算装置、及び残存性能評価システム
WO2019181138A1 (ja) 2018-03-19 2019-09-26 三菱自動車工業株式会社 二次電池の劣化度合測定装置
JP2020079723A (ja) 2018-11-12 2020-05-28 三菱自動車工業株式会社 二次電池システム

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019056595A (ja) 2017-09-20 2019-04-11 三菱自動車工業株式会社 二次電池システム

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011018533A (ja) 2009-07-08 2011-01-27 Toyota Motor Corp 二次電池の昇温制御装置およびそれを備える車両、ならびに二次電池の昇温制御方法
JP2013019709A (ja) 2011-07-08 2013-01-31 Toyota Motor Corp 二次電池システム及び車両
JP2014163875A (ja) 2013-02-27 2014-09-08 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 蓄電池制御システム及びその蓄電池劣化度予測方法
WO2016147311A1 (ja) 2015-03-17 2016-09-22 株式会社東芝 蓄電池管理装置、方法及びプログラム
JP2017168361A (ja) 2016-03-17 2017-09-21 富士電機株式会社 二次電池装置、充電制御装置及び充電制御方法
WO2019171688A1 (ja) 2018-03-07 2019-09-12 パナソニックIpマネジメント株式会社 二次電池の残存性能評価方法、二次電池の残存性能評価プログラム、演算装置、及び残存性能評価システム
WO2019181138A1 (ja) 2018-03-19 2019-09-26 三菱自動車工業株式会社 二次電池の劣化度合測定装置
JP2020079723A (ja) 2018-11-12 2020-05-28 三菱自動車工業株式会社 二次電池システム

Also Published As

Publication number Publication date
DE112021006998T5 (de) 2023-11-30
WO2022168151A1 (ja) 2022-08-11
US20240044994A1 (en) 2024-02-08
JPWO2022168151A1 (ja) 2022-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6844683B2 (ja) 蓄電素子管理装置、socのリセット方法、蓄電素子モジュール、蓄電素子管理プログラム及び移動体
JP4780965B2 (ja) 電池の残容量検出方法及び電源装置
KR101399388B1 (ko) 배터리의 수명 예측 장치 및 방법
US8274291B2 (en) Charged state estimating device and charged state estimating method of secondary battery
EP3064952B1 (en) Energy storage device management apparatus, energy storage device management method, energy storage device module, energy storage device management program, and movable body
CN108885242B (zh) 二次电池劣化估计装置和二次电池劣化估计方法
JP6918433B1 (ja) 劣化度診断装置
KR101809838B1 (ko) 리튬 이온 이차 전지의 열화도 산출 방법, 제어 방법 및 제어 장치
CN112534283B (zh) 电池管理系统、电池管理方法、电池组和电动车辆
JP6867478B2 (ja) 電池制御装置および車両システム
CN112166330B (zh) 电池管理设备、电池管理方法和电池组
CN112470017B (zh) 电池管理装置、电池管理方法和电池组
CN113748352B (zh) 电池管理系统、电池组、电动车辆和电池管理方法
JP2020153881A (ja) 充電可能電池劣化推定装置および充電可能電池劣化推定方法
JP4415074B2 (ja) 充放電制御システム
JP2022020404A (ja) リチウムイオン二次電池の劣化判定方法及びリチウムイオン二次電池の劣化判定装置
JP2023527137A (ja) バッテリー診断装置、バッテリー診断方法、バッテリーパック及び電気車両
CN112119317B (zh) 电池管理装置、电池管理方法和电池组
JP7466713B2 (ja) 蓄電池劣化診断装置および蓄電池劣化診断方法
JP6672976B2 (ja) 充電量算出装置、コンピュータプログラム及び充電量算出方法
EP3872507B1 (en) Battery management system, battery management method, battery pack, and electric vehicle
JP2023148607A (ja) 二次電池の拘束荷重の推定方法
JP5213978B2 (ja) 電池の残容量検出方法及び電源装置
JP2020155312A (ja) 二次電池の制御装置及び二次電池の制御方法
JPWO2022168151A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221219

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240402