JP7466604B1 - 踏切保安システム - Google Patents

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Abstract

【課題】公衆無線通信による無線通信を利用することによる通信装置の故障や通信遅延といった通信障害の発生時においても、踏切位置までに確実に停止させることが可能な仕組みを実現すること。【解決手段】踏切保安システム1において踏切制御装置60は車上装置10からの踏切警報始点予測到達時刻の受信に基づいて踏切警報開始時刻を更新する。踏切警報開始時刻に踏切警報を開始し、踏切警報通知を車上装置10に送信する。踏切支障の信号を入力した場合に踏切支障通知を車上装置10に送信する。一方、車上装置10は踏切警報始点予測到達時刻を算出し、踏切制御装置60に向けて送信する。現在走行位置が所定の踏切停止制御区間内である場合には、踏切制御装置60との間の無線通信の途絶および回復の状況等に従って、所定の進路開通時速度で踏切を通過する進行パターンに沿った速度制御又は踏切位置までに停止可能な踏切停止パターンに沿った速度制御を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、踏切保安システムに関する。
鉄道の踏切には、踏切警報機や踏切しゃ断機等の踏切設備が設けられている。踏切設備では、列車の接近時には警報を開始し、踏切をしゃ断するための制御を行うとともに、列車の通過後には警報を解除し、踏切を開放するための制御(踏切制御)を行う。踏切への列車の接近や通過を検知する手法としては、例えば、重畳式の軌道回路や、軌道回路の一種である踏切制御子等の設備を地上に設置することで検知する手法が知られている。しかし、そのような列車検知のための設備は踏切毎に設置する必要があるため、設置には多額のコストが必要となる。
これに対し、無線通信を利用して列車の車上装置と踏切の無線式踏切警報制御装置との間でデータの送受を行うことで列車検知のための設備を不要とした技術も知られている(特許文献1)。
特開2011-105117号公報
しかし、特許文献1のように無線通信を利用して踏切制御を行う場合は、通信装置の故障や通信遅延といった通信障害の発生について考慮する必要がある。通信障害の発生によって車上装置との無線通信ができなくなると、踏切制御を適正に行えない事態が生じ得る。一方で、通信障害が発生しないように、列車が走行する軌道上の全域で車上側と地上側とで確実な無線通信を連続させるためには、専用の無線設備の設置が不可欠である。その場合は、列車検知のための設備を設置する場合と同様に、コスト面の問題が生じる。
本発明が解決しようとする課題は、専用の無線設備の設置が不要な公衆無線通信による無線通信を利用することによる通信装置の故障や通信遅延といった通信障害の発生時においても、踏切位置までに確実に停止させることが可能な仕組みを実現することである。
上記課題を解決するための第1の発明は、列車に搭載された車上装置と、踏切警報を制御する踏切制御装置と、が公衆無線通信により通信可能に構成された踏切保安システムであって、前記踏切制御装置は、前記車上装置からの踏切警報始点予測到達時刻の受信に基づいて踏切警報開始時刻を更新する制御を行う踏切警報開始時刻管理手段(例えば、図10の踏切警報開始時刻管理部661)と、前記踏切警報開始時刻に踏切警報を開始する制御を行うとともに、前記踏切警報中である旨の踏切警報通知を前記車上装置に送信する制御を行う踏切警報制御手段(例えば、図10の踏切警報制御部663)と、踏切支障の信号を入力した場合に踏切支障通知を前記車上装置に送信する制御を行う踏切支障通知手段(例えば、図10の踏切支障通知部665)と、を備え、前記車上装置は、走行距離に基づく現在走行位置を算出する現在走行位置算出手段(例えば、図9の走行位置算出部161)と、速度制限箇所に係わる制限速度および始終端位置のキロ程と、線路の勾配箇所に係わる勾配の値および始終端位置のキロ程と、を含む線路条件情報と、踏切位置のキロ程を含む踏切情報と、を記憶する記憶手段(例えば、図9の車上記憶部190、図2の線路条件情報210、図3の踏切情報220)と、前記現在走行位置と前記線路条件情報と前記踏切情報とに基づいて前記踏切警報始点予測到達時刻を算出し、前記踏切制御装置に向けて送信する制御を繰り返し実行する到達時刻通知制御手段(例えば、図9の到達時刻通知制御部163)と、前記現在走行位置が所定の踏切停止制御区間内である場合において、前記踏切制御装置からの前記踏切警報通知の受信、前記踏切制御装置からの前記踏切支障通知の受信、前記無線通信の途絶、および、前記無線通信の回復、のうちの少なくとも1つに係る条件に従って、a)前記現在走行位置と前記線路条件情報とに基づく所定の進路開通時速度で踏切を通過する進行パターンに沿った速度制御、又は、b)前記現在走行位置と前記線路条件情報と前記踏切情報とに基づく前記踏切位置までに停止可能な踏切停止パターンに沿った速度制御を行う速度制御手段(例えば、図9の速度制御部169)と、を備える踏切保安システムである。
第1の発明によれば、踏切制御装置は、列車の走行に合わせて車上装置から送信される踏切警報始点予測到達時刻を受信した場合に、当該踏切警報始点予測到達時刻を踏切警報開始時刻として随時更新することで警報開始時刻を適正化し、踏切警報開始時刻が到来した場合には踏切警報を開始するとともに、踏切警報通知を車上装置に送信する。また、踏切支障の信号が入力された場合には、踏切支障通知を車上装置に送信する。一方、車上装置は、列車の現在走行位置が踏切停止制御区間内である場合には、踏切制御装置からの踏切警報通知の受信や、踏切支障通知の受信、無線通信の途絶および回復の状況に応じて、進路開通時速度で踏切を通過する進行パターンに沿った速度制御、又は、踏切位置までに停止可能な踏切停止パターンに沿った速度制御を行う。これによれば、専用の無線設備の設置が不要な公衆無線通信による無線通信を利用することによる通信装置の故障や通信遅延といった通信障害の発生時においても、踏切位置までに確実に停止させることが可能な仕組みを実現することが可能となる。
また、第2の発明は、上記の踏切保安システムにおいて、前記速度制御手段は、前記現在走行位置が前記踏切停止制御区間内である場合において、前記踏切制御装置から前記踏切警報通知を受信している場合には、前記a)の速度制御を行い、前記踏切制御装置から前記踏切警報通知を受信していない場合には、前記b)の速度制御を行う、踏切保安システムである。
第2の発明によれば、列車の現在走行位置が踏切停止制御区間内である場合において踏切警報通知を受信した場合には、進行パターンに沿った速度制御を行うことができる。一方、列車の現在走行位置が踏切停止制御区間内である場合において踏切警報通知を受信していない場合には、踏切停止パターンに沿った速度制御を行うことができる。これによれば、踏切警報が開始されていない踏切に列車が接近した場合であっても、踏切位置までに確実に停止させることが可能な仕組みを実現することが可能となる。
また、第3の発明は、上記の踏切保安システムにおいて、前記速度制御手段は、前記現在走行位置が前記踏切停止制御区間内である場合において、前記踏切制御装置から前記踏切支障通知を受信した場合には、前記踏切警報通知の受信の有無に係わらず、前記b)の速度制御を行う、踏切保安システムである。
第3の発明によれば、列車の現在走行位置が所定の踏切停止制御区間内である場合において踏切支障通知を受信した場合には、踏切警報通知の受信の有無に係わらず、踏切停止パターンに沿った速度制御とすることができる。これによれば、無線通信により踏切支障が通知された場合に、踏切停止パターンに沿った速度制御が可能な仕組みを実現することが可能となる。
また、第4の発明は、上記の踏切保安システムにおいて、前記速度制御手段は、前記現在走行位置が前記踏切停止制御区間内である場合において、前記無線通信が途絶した場合には、前記b)の速度制御を行い、走行速度が所定の徐行速度以下となった場合には、当該徐行速度以下での踏切通過を許容する制御を行う、踏切保安システムである。
第4の発明によれば、車上装置は、列車の現在走行位置が所定の踏切停止制御区間内である場合において、踏切制御装置との無線通信が途絶した場合には踏切停止パターンに沿った速度制御を行い、走行速度が所定の徐行速度以下まで減速した場合には当該徐行速度以下での踏切通過を許容することができる。これによれば、無線通信が途絶した場合であっても、踏切位置までに徐行速度とする自動的な速度制御を可能とし、徐行速度となった以降は運転士による運転とする仕組みを実現することが可能となる。
踏切保安システムの全体構成例の概要を示す図。 線路条件情報のデータ構成例を示す図。 踏切情報のデータ構成例を示す図。 1つの踏切に着目して、踏切情報に設定される5つの制御用地点を示す模式図。 車上装置および踏切制御装置の処理の流れを説明するためのフローチャート。 例1の速度制御処理を説明するための図。 例1の速度制御処理を説明するための他の図。 例1の速度制御処理を説明するための他の図。 例2の速度制御処理を説明するための図。 例2の速度制御処理を説明するための他の図。 例2の速度制御処理を説明するための他の図。 例2の速度制御処理を説明するための他の図。 例2の速度制御処理を説明するための他の図。 例3の速度制御処理を説明するための図。 例3の速度制御処理を説明するための他の図。 例3の速度制御処理を説明するための他の図。 例3の速度制御処理を説明するための他の図。 車上装置の構成例を示すブロック図。 踏切制御装置の構成例を示すブロック図。 速度制御処理の手順を示すフローチャート。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
[全体構成]
図1は、本実施形態における踏切保安システム1の全体構成例の概要を示す図である。本実施形態の踏切保安システム1は、列車3に搭載された車上装置10と、踏切警報を制御する踏切制御装置60と、が公衆無線通信により通信可能に接続されて構成されている。
踏切制御装置60は、制御対象の踏切6の近傍に設置され、踏切警報機62や、踏切しゃ断機63、不図示の踏切支障検出装置等とともに当該踏切6の踏切保安装置を構成する。
踏切支障検出装置は、踏切道に対する支障(踏切支障)の発生を踏切制御装置60に通知するためのものであり、非常ボタン64や、踏切道内の障害物を検知するための不図示の障害物検知装置等で構成される。踏切制御装置60は、非常ボタン64からの押下信号や、障害物検知装置からの障害物の検知信号といった踏切支障の信号を入力した場合に後述する踏切支障通知処理を行うことで、車上装置10に対して踏切支障通知を送信する。
そして、踏切制御装置60は、1)車上装置10からの踏切警報始点予測到達時刻の受信に基づいて踏切警報開始時刻を更新する制御を行う踏切警報開始時刻管理処理と、2)踏切警報開始時刻に踏切警報を開始する制御を行うとともに、踏切警報を開始した旨の踏切警報通知を車上装置10に送信する制御を行う踏切警報制御処理と、3)上記した踏切支障の信号の入力を受けて、踏切支障通知を車上装置10に送信する制御を行う踏切支障通知処理と、を実行する。
また、その他にも、踏切制御装置60は、通信圏内の車上装置10に向けて、通信状態の検出用に、制御対象の踏切6の識別情報を含む情報を所定周期で繰り返し送信する制御を行う。車上装置10において通信状態検出部165(図9を参照)は、無線通信の途絶検出の1つとして、同じ識別情報を含む情報の受信が途切れたことをもって該当する踏切制御装置60との無線通信の途絶を検出し、当該識別情報の受信が再開したことをもって当該踏切制御装置60との途絶した無線通信の回復を検出する。識別情報には、当該踏切6の名称や、当該踏切6に割り当てられたID番号等を用いることができる。
一方、車上装置10には、列車3の走行線区に係る線路条件情報210と、当該走行線区に設備されている踏切6に係る踏切情報220と、が記憶されている。
また、車上装置10は、軌道5に沿って設置された地上子の通過時に当該地上子の設置位置に基づき現在走行位置(キロ程)を補正しつつ、車輪又は車軸の回転に応じて地上子からの走行距離を算出することで、線路起点からの現在走行位置(キロ程)を随時算出している。以下、線路起点からの線路距離によって示される軌道5上の位置のことを「キロ程」という。
そして、車上装置10は、4)現在走行位置と線路条件情報210と踏切情報220とに基づいて踏切警報始点予測到達時刻を算出し、踏切制御装置60に向けて送信する制御を繰り返し実行する到達時刻通知制御処理と、5)踏切停止制御区間の走行に際し、進行パターンに沿った速度制御、又は、踏切停止パターンに沿った速度制御を行う速度制御処理と、を実行する。
1.線路条件情報について
図2は、線路条件情報210のデータ構成例を示す図である。線路条件情報210は、線路条件箇所の情報として、鉄道技術基準第57条の解釈基準5に基づく線路の条件に応じた速度制限箇所に係わる制限速度および始終端位置と、線路の勾配箇所に係わる勾配の値および始終端位置と、を記憶する。
鉄道技術基準第57条の解釈基準5に基づく線路の条件に応じた速度制限箇所は、a)曲線区間、b)分岐器区間、c)速度を制限している構造物区間、d)線路終端部、e)所定の踏切道、f)所定の下り勾配、のうちの何れかである。e)の所定の踏切道は、「踏切遮断機の遮断動作が終了していない踏切道に進入するおそれのある場合」に該当する踏切道である。該当する踏切道がある場合には、当該踏切道の箇所に係わる制限速度および始終端位置が設定される。
本実施形態では、線路条件情報210は、図2に示すように、キロ程(線路起点からの線路距離)と対応付けて、当該キロ程における制限速度と、勾配とを記憶したデータテーブルとして用意される。
2.踏切情報について
図3は、踏切情報220のデータ構成例を示す図である。また、図4は、1つの踏切6aに着目し、当該踏切6aについて、踏切情報220に設定される5つの制御用地点を示す模式図である。
図3に示すように、踏切情報220には、列車の走行区間に設備されている踏切毎に、踏切名やID番号等の識別情報と対応付けて、図4に示す5つの制御用地点のキロ程が設定される。5つの制御用地点は、到達時刻算出開始位置P1、踏切警報始点位置P2、停止制御始点位置P3、踏切警報終点位置P4、および、踏切位置P5である。
到達時刻算出開始位置P1は、車上装置10が当該踏切(図4では踏切6a)についての到達時刻通知制御処理を開始する制御用地点である。また、踏切警報始点位置P2は、踏切警報を行う踏切警報区間の始点であり、踏切警報終点位置P4は、踏切警報区間の終点である。踏切警報始点位置P2は、到達時刻通知制御処理にて踏切警報始点予測到達時刻を算出するのに用いる。
すなわち、車上装置10は、現在走行位置が踏切情報220に設定されている到達時刻算出開始位置P1のキロ程に到達すると、到達時刻通知制御処理を開始する。到達時刻通知制御処理では、車上装置10は、列車が所定の最高速度で走行する等して踏切警報始点位置P2に最速で到達可能な予測時刻を、踏切警報始点予測到達時刻として算出する。具体的には、車上装置10は、列車の走行に合わせて、現在走行位置と、線路条件情報210においてキロ程と対応付けて設定されている制限速度および勾配と、踏切情報220に設定されている踏切警報始点位置P2のキロ程と、列車の空走時間や減速度、列車長等の列車諸元と、に基づいて、踏切警報始点予測到達時刻を算出する。また、車上装置10は、算出した踏切警報始点予測到達時刻を、踏切制御装置60に向けて送信する制御を行う。本実施形態では、車上装置10は、踏切警報始点予測到達時刻の算出と、算出した踏切警報始点予測到達時刻の送信制御と、を所定の送信周期で繰り返し実行する。踏切警報始点予測到達時刻の送信にあたっては、踏切制御装置60側で自装置の制御対象の踏切についての情報であるかを識別できるように、当該踏切6aの識別情報とともに踏切警報始点予測到達時刻を送信する。
停止制御始点位置P3は、踏切停止制御区間の始点であり、踏切位置P5までに停止可能な踏切停止パターンの制動開始点である。踏切位置P5は、踏切停止制御区間の終点であり、当該踏切6aの手前に定められる停止限界点のキロ程として設定される。つまり、踏切停止制御区間は、列車を踏切位置P5までに(当該踏切6aに係わる停止限界点までに)停止させるための踏切停止パターンによる速度照査の対象となる区間である。車上装置10は、現在走行位置が停止制御始点位置P3に到達すると速度制御処理を実行して、進行パターンに沿った速度制御、又は、踏切停止パターンに沿った速度制御を行う。具体的には、進行パターン又は踏切停止パターンの速度(照査速度)に抵触する速度に達した場合に、自動的に制動制御(ブレーキ制御)を発動することで列車を減速させ、又は停止させる。
3.踏切警報について
図5は、本実施形態における踏切警報の制御を実現するための車上装置10および踏切制御装置60の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
先ず、車上装置10にて到達時刻通知制御処理を開始する。より詳細には、車上装置10は、現在走行位置が踏切情報220に設定されている何れかの到達時刻算出開始位置に到達した場合に(ステップS101:YES)、列車が当該到達時刻算出開始位置に係る踏切に近づいたとして、上記の要領で到達時刻通知制御処理を実行する。すなわち、車上装置10は、踏切警報始点予測到達時刻の算出と(ステップS103)、踏切警報始点予測到達時刻を踏切制御装置60に向けて送信する制御と(ステップS105)、を所定の送信周期で繰り返し実行する。
一方、踏切制御装置60では踏切警報開始時刻管理処理を実行し、車上装置10からの踏切警報始点予測到達時刻の受信に基づいて、踏切警報開始時刻を更新する制御を行う。具体的には、踏切制御装置60は、制御対象の踏切についての踏切警報始点予測到達時刻を受信するたびに(ステップS201)、当該踏切警報始点予測到着時刻に基づいて踏切警報開始時刻を更新する(ステップS203)。ここでの処理は、受信した踏切警報始点予測到着時刻で警報開始時刻情報691(図10を参照)を更新することにより行う。また、踏切制御装置60は、当該踏切警報始点予測到達時刻を送信した車上装置10に対する返信として、更新後の踏切警報開始時刻を当該車上装置10に送信する制御を行う(ステップS205)。
その後は、踏切制御装置60は、踏切警報開始時刻が到来した時点で(ステップS207:YES)、踏切警報制御処理を実行する。すなわち、踏切制御装置60は、踏切警報を開始する制御を行うとともに(ステップS209)、踏切警報通知を車上装置10に送信する制御を行う(ステップS211)。踏切警報通知は、その送受信に失敗する事態を想定して、例えば、踏切警報を解除するまでの間、所定の送信周期で繰り返し送信する。
また、踏切制御装置60は、踏切支障の信号を入力した場合には(ステップS213)、踏切支障通知処理を実行して、踏切支障通知を車上装置10に送信する制御を行う(ステップS215)。例えば、踏切制御装置60は、非常ボタン64や障害物検知装置からの信号入力があってから踏切支障が解消されるまでの間、踏切支障通知を所定の送信周期で繰り返し送信する。
一方、車上装置10は、到達時刻通知制御処理を開始した後、現在走行位置が停止制御始点位置に到達した場合には(ステップS107:YES)、速度制御処理を実行して、進行パターンに沿った速度制御、又は、踏切停止パターンに沿った速度制御を行う(ステップS109)。
その後は、車上装置10は、現在走行位置が踏切警報終点位置に到達し、列車が踏切を通過した場合には(ステップS113:YES)、踏切通過通知を踏切制御装置60に送信する制御を行う(ステップS115)。踏切制御装置60では、車上装置10から踏切通過通知を受信した場合には(ステップS217)、踏切警報を解除し(ステップS219)、警報解除通知を車上装置10に所定の送信周期で繰り返し送信する(ステップS221)。
4.速度制御処理について
上記したように、踏切制御装置60は、公衆無線通信による無線通信で車上装置10から受信した踏切警報始点予測到達時刻を踏切警報開始時刻として随時更新し、踏切警報開始時刻が到来した時点で踏切警報を開始する。そして、車上装置10では、当該無線通信によって踏切制御装置60から踏切警報通知や踏切支障通知等を受信し、列車の速度照査に用いる。
そのため、通信障害が発生して車上装置10と踏切制御装置60との間の無線通信が途絶すると、踏切制御装置60においては、踏切警報始点予測到達時刻を受信できない事態や最新の踏切警報始点予測到達時刻によって踏切警報開始時刻の設定を更新できない事態が生じ、その結果、踏切警報を適時に開始できない事態が生じ得る。一方、車上装置10では、踏切警報通知や踏切支障通知等を受信できない事態の他、踏切警報通知は受信したものの、その後に無線通信が途絶したことで踏切支障通知の受信ができない等の事態が生じ得る。そのような事態の発生に備えて、踏切位置(当該踏切に係わる停止限界点)までに確実に停止させることが可能な仕組みが必要となる。
また、踏切制御装置60が更新・管理している踏切警報開始時刻は、停止制御始点位置よりも手前の踏切警報始点位置に列車が到達する時刻として車上装置10が算出した予測時刻である。そして、踏切制御装置60は、踏切警報開始時刻の到来時点で踏切警報を開始する。そのため、列車が停止制御始点位置に到達したときには、車上装置10は、基本的には踏切警報通知を受信しているはずであるが、実際には、停止制御始点位置に到達した時点で未受信の場合もある。踏切支障通知についても、列車が停止制御始点位置に到達したときに既に踏切支障が発生しており受信している場合もあるし、当該時点では踏切支障は発生しておらず、未受信のこともある。当然、踏切支障が発生しなければ、踏切支障通知は通知されない。
そこで、本実施形態では、車上装置10は、図5のステップS109の速度制御処理において、所定の進路開通時速度で踏切を通過する進行パターンに沿った速度制御、又は、踏切位置までに停止可能な踏切停止パターンに沿った速度制御を行う。進路開通時速度は、例えば、線路条件情報210に設定されている制限速度を用いることができる。そしてその際に、車上装置10は、踏切制御装置60からの踏切警報通知の受信、踏切制御装置60からの踏切支障通知の受信、当該踏切制御装置60との無線通信の途絶、および、当該途絶した無線通信の回復、のうちの少なくとも1つに係る条件に従って、進行パターンに沿った速度制御、又は、踏切停止パターンに沿った速度制御を行う。以下、例を3つ挙げて、速度制御処理を説明する。
(例1)
図6A~Cは、例1における速度制御処理を説明するための図である。図6Aでは、横軸をキロ程とし、縦軸を速度として、横軸の区間内の踏切(第1踏切)に係わる停止制御始点位置のキロ程(E)に列車が到達した場合の速度制御で用いる進行パターンを一点鎖線で示し、踏切停止パターンを二点鎖線で示している。また、例1の速度制御処理で行う速度制御を図6B,Cに示している。
図6Aにおいて、キロ程(G)が、第1踏切に係わる踏切位置のキロ程である。本実施形態では、踏切位置は第1踏切に係わる停止限界点に相当する。また、キロ程(A)が到達時刻算出開始位置のキロ程であり、キロ程(D)が踏切警報始点位置のキロ程であり、キロ程(E)が停止制御始点位置のキロ程であり、キロ程(G)が踏切位置のキロ程であり、キロ程(H)が踏切警報終点位置のキロ程である。したがって、列車3が到達時刻算出開始位置のキロ程(A)に到達すると、車上装置10は到達時刻通知制御処理を開始して、列車が踏切警報始点位置のキロ程(D)に到達する予測時刻である踏切警報始点予測到達時刻の算出と、踏切警報始点予測到達時刻を第1踏切の踏切制御装置60に向けて送信する制御と、を繰り返し実行する。そして、車上装置10は、列車3が停止制御始点位置のキロ程(E)に到達した場合には速度制御処理を開始し、後述する条件に基づいて、進行パターンに沿った速度制御、又は、踏切停止パターンに沿った速度制御を行う。
ここで、進行パターンは、走行速度が太い破線で示す制限速度を超えないように進行するための速度制御パターンである。制限速度の変化点(制限速度が変化する軌道5上の位置)における速度制御パターンは、当該変化点がキロ程(C)のように下位に変化する下位変化点なのか、キロ程(F)のように上位に変化する上位変化点なのかに応じて次のように定められる。
すなわち、下位変化点である変化点(C)の速度制御パターンは、当該変化点(C)で変化後の制限速度50km/hまで減速するための速度制御パターンとされる。具体的には、減速制御開始点(B)までは変化前の制限速度60km/hとし、減速制御開始点(B)から変化点(C)までは変化前の制限速度60km/hから変化後の制限速度50km/hに漸次低下させる速度制御パターンである。減速制御開始点(B)は、変化前の制限速度60km/hから変化後の制限速度50km/hに所定のブレーキ力で減速するのに必要な減速距離を、変化点(C)から減算した位置に定められる。
また、上位変化点である変化点(F)の速度制御パターンは、当該変化点(F)を列車が抜けきるまでは変化前の制限速度50km/hとし、抜けきった後は変化後の制限速度60km/hとする速度制御パターンである。図6Aでは、上位変化点(F)より列車長分の距離を開けて速度を上位に変化させており、上位変化点(F)で列車が抜けきったことを示している。
本実施形態では、進行パターンに沿った速度制御を実現するため、進行パターンの算出ロジック(以下「進行パターン算出ロジック」という)を予め用意しておく。具体的には、例えば、進行パターン算出ロジックは、i)現在走行位置、ii)線路条件情報210においてキロ程と対応付けて設定されている制限速度および勾配、iii)列車の空走時間、iv)減速度・列車長といった列車諸元、等に基づいて、前方に他の列車が存在しない状態で開通した進路を走行可能な速度パターンに沿った現在走行位置における照査速度を求めることができる一種の関数として用意される。そして、進行パターンに沿った速度制御では、車上装置10は、当該進行パターン算出ロジックを用いて現在走行位置に応じた照査速度を求め、求めた照査速度に従って走行速度を制御する。
例えば、図6Aにおいて停止制御始点位置のキロ程(E)に到達した際に行う進行パターンに沿った速度制御では、車上装置10は、進行パターン算出ロジックを用いて、キロ程(E)以降の制限速度や勾配、列車諸元等をもとに図6Aに示す一点鎖線の進行パターンに沿った現在走行位置の速度を照査速度として求め、走行速度を制御する。
次に、踏切停止パターンは、踏切位置(停止限界点)までに列車を停止させるための速度制御パターンである。常用最大ブレーキを参考にする場合であれば、常用最大ブレーキの減速度に基づき定められる。具体的には、例えば、踏切停止パターンは、当該停止限界点までにゼロとなるように速度を漸減させる速度制御パターンとすることができる。図6Aの例では、踏切停止パターンは、第1踏切の踏切位置のキロ程(G)までにゼロとなるように速度を漸減させる速度制御パターンとされる。
そして、本実施形態では、踏切停止パターンに沿った速度制御を実現するため、踏切停止パターンの算出ロジック(以下「停止パターン算出ロジック」という)についても予め用意しておく。具体的には、例えば、停止パターン算出ロジックは、i)現在走行位置、ii)線路条件情報210においてキロ程と対応付けて設定されている制限速度および勾配、iii)踏切情報220に設定されている踏切位置のキロ程、iv)列車の空走時間、v)減速度・列車長といった列車諸元、等に基づいて、例えば、常用最大ブレーキをかけて停止限界点までに停止するための速度パターンに沿った現在走行位置における照査速度を求めることができる一種の関数として用意される。そして、当該停止パターン算出ロジックを用いて現在走行位置に応じた照査速度を求め、求めた照査速度に従って走行速度を制御することで、踏切停止パターンに沿った速度制御を行う。
例えば、図6Aにおいて停止制御始点位置のキロ程(E)に到達した際に行う踏切停止パターンに沿った速度制御では、車上装置10は、停止パターン算出ロジックを用いて、キロ程(E)以降の制限速度や勾配、第1踏切の踏切位置のキロ程(G)、列車諸元等をもとに図6Aに示す二点鎖線の踏切停止パターンに沿った現在走行位置の速度を照査速度として求め、走行速度を制御する。
さて、例1は、横軸の区間の走行中、車上装置10と第1踏切の踏切制御装置60との間の無線通信が終始可能であった例(車上装置10が当該踏切制御装置60との無線通信の途絶を終始検出しない例)である。また、例1は、列車が停止制御始点位置のキロ程(E)に到達するよりも前に当該踏切制御装置60から踏切警報通知を受信し、踏切停止制御区間の走行中に当該踏切制御装置60から踏切支障通知を受信した場合の例である。図6B中に、第1踏切の踏切制御装置60から踏切警報通知を受信したタイミングを矢印A11で示している。また、図6C中に、当該踏切制御装置60から踏切支障通知を受信したタイミングを矢印A13で示している。
図6Bに示すように、例1では、列車3が停止制御始点位置のキロ程(E)に到達したときに第1踏切の踏切制御装置60から踏切警報通知を受信した(矢印A11)。そのため、キロ程(E)への到達時点では、図6Bに示すように、車上装置10は、図6Aの進行パターン(一点鎖線)に沿った速度制御を行う。
また、例1は途中で通信途絶が生じない例であるため、第1踏切において踏切支障が発生すると、車上装置10は、第1踏切の踏切制御装置60から踏切支障通知を受信することとなる(矢印A13)。図6Cに示すように、車上装置10は、踏切支障通知を受信したならば、図6Aの踏切停止パターン(二点鎖線)に沿った速度制御を行い、踏切位置のキロ程(G)までに列車3を停止させる。
(例2)
図7A~Eは、例2における速度制御処理を説明するための図である。図7Aでは、横軸を図6と同じ区間として、第1踏切に係わる停止制御始点位置のキロ程(E)に列車が到達した場合の速度制御で用いる進行パターンを一点鎖線で示し、踏切停止パターンを二点鎖線で示している。また、例2の速度制御処理で行う速度制御を図7B~Eに示している。
例2は、列車3が第1踏切に係わる停止制御始点位置のキロ程(E)に到達したときに踏切警報通知が未受信の場合の例である。また、例2は、踏切停止制御区間の走行中に第1踏切の踏切制御装置60との間の無線通信の途絶が生じる例である。図7C中に、当該踏切制御装置60から踏切警報通知を受信したタイミングを矢印A21で示している。また、図7D中に、通信途絶のタイミングを矢印A23で示し、図7E中に、通信回復のタイミングを矢印A25で示している。
先ず、例2では、列車3が停止制御始点位置のキロ程(E)に到達したときには、第1踏切の踏切制御装置60から踏切警報通知を受信していない。そのため、キロ程(E)への到達時点では、車上装置10は、図7Bに示すように、図7Aの踏切停止パターン(二点鎖線)に沿った速度制御を行う。
そして、例2では、図7Cに示すように、列車3が停止制御始点位置のキロ程(E)を過ぎて踏切停止制御区間を走行中の矢印A21のタイミングで、第1踏切の踏切制御装置60から踏切警報通知を受信したとする。車上装置10は、図7Cに示すように、当該受信の時点で、図7Aの進行パターン(一点鎖線)に沿った速度制御を行う。
しかし、例2では、図7Dに示すように、その後に矢印A23のタイミングで第1踏切の踏切制御装置60との間の無線通信が途絶した場合を示している。車上装置10は、図7Dに示すように、ここでの通信途絶を検出した時点で、図7Aの踏切停止パターン(二点鎖線)に沿った速度制御を行う。
その後、途絶した無線通信が矢印A25のタイミングで回復したとする。例2では、踏切警報通知を受信していることから(矢印A21)、踏切警報自体は開始されていると判断できる。そのため、図7Eに示すように、ここでの通信回復を検出した時点で、図7Aの進行パターン(一点鎖線)に沿った速度制御を行う。
(例3)
図8A~Dは、例3における速度制御処理を説明するための図である。図8Aでは、横軸を図6と同じ区間として、第1踏切に係わる停止制御始点位置のキロ程(E)に列車が到達した場合の速度制御で用いる進行パターンを一点鎖線で示し、踏切停止パターンを二点鎖線で示している。また、例3の速度制御処理で行う速度制御を図8B~Dに示している。
例3では、第1踏切の踏切制御装置60は、列車3が第1踏切に係わる停止制御始点位置のキロ程(E)に到達するよりも前から車上装置10と第1踏切の踏切制御装置60との間の無線通信が途絶していて、その後に回復する。図8B中に、通信途絶のタイミングを矢印A31で示し、図8C中に、列車3の走行速度が所定の徐行速度となったタイミングを矢印A33で示し、図8D中に、通信回復のタイミングを矢印A35で示している。
図8Bに示すように、例3は、列車3が停止制御始点位置のキロ程(E)に到達したときに、既に第1踏切の踏切制御装置60との間の無線通信が途絶している(矢印A31)例であり、当該踏切制御装置60から踏切警報通知を受信できていない状態である。そのため、キロ程(E)への到達時点では、図8Bに示すように、車上装置10は、列車3が第1踏切に近づいているのに踏切警報を開始していないことを想定して、図8Aの踏切停止パターン(二点鎖線)に沿った速度制御を行う。
そして、車上装置10は、図8Cに示すように、無線通信が途絶した状態が続いて列車3の走行速度が所定の徐行速度以下となった場合には(矢印A33)、当該徐行速度以下での踏切通過を許容する制御(以下「徐行進入許容制御」という)を行う.したがって、図8Dに示すように、列車3は踏切位置のキロ程(G)の内方に徐行速度で進行して、第1踏切を通過することが可能となる。
これによれば、列車3はいつでも停止可能な徐行速度以下での走行のみが許可された状態であるため、踏切しゃ断機63のしゃ断がされていないことや、踏切道に障害物があるなどの異常を運転士が目視で確認し、異常有りと判断した場合には、即座に非常ブレーキを作動させて列車3を停止させることができる。なお、車上装置10は、無線通信が途絶したままの状態であるため、踏切停止パターン(二点鎖線)に従ってキロ程(G)の手前に列車3を一旦停止させる制御を行うこととしてもよい。その場合、運転士が指令所との間で所定の通信を行い、所定の安全確認操作を行うことで、踏切道に列車3を進入させる運転操作が可能になるとしてもよい。
また、徐行速度以下での第1踏切の通過後、途絶した無線通信が矢印A35のタイミングで回復した場合、車上装置10から送信される踏切通過通知が第1踏切の踏切制御装置60で受信され、踏切制御装置60にて踏切警報が解除されて踏切制御装置60から車上装置10へ踏切通過通知が送信される。車上装置10は、踏切通過通知の受信の時点で、図8Dに示すように、図8Aの進行パターン(一点鎖線)に沿った速度制御を行う。
5.車上装置の構成について
図9は、車上装置10の構成例を示すブロック図である。図9に示すように、車上装置10は、操作入力部110と、表示部130と、無線通信部150と、車上制御部160と、車上記憶部190とを備えて構成される。
操作入力部110は、例えば、スイッチやボタン等を有する入力装置であり、操作入力に応じた操作信号を車上制御部160に出力する。表示部130は、例えば液晶表示装置等で実現され、車上制御部160からの表示信号に応じた表示を行う。
無線通信部150は、無線通信モジュール等で実現される無線の通信装置で構成され、外部との公衆無線通信よる無線通信を行う。本実施形態では、踏切制御装置60との間で当該無線通信によるデータの送受を行う。
車上制御部160は、無線通信部150を介して踏切制御装置60から受信した踏切警報開始時刻や踏切警報通知、踏切支障通知、警報解除通知等に基づいて、各種の演算処理を行って車上装置10の動作を制御する。
本実施形態では、車上制御部160は、走行位置算出部161と、到達時刻通知制御部163と、通信状態検出部165と、速度制御部169と、を含む。これら各機能部は、プログラムを実行することによりソフトウェアとして実現される演算処理ブロックであってもよいし、信号処理回路によって実現される回路ブロックであってもよい。本実施形態では、車上制御部160が所定のプログラムを実行することによりソフトウェアとして実現される演算処理ブロックとして説明する。
走行位置算出部161は、列車の現在走行位置(キロ程)を随時算出する。例えば、走行位置算出部161は、不図示の回転検出器の検出信号に基づいて列車3の走行距離を加算し、現在走行位置を算出する。回転検出器は、車輪又は車軸の回転を検出するパルスジェネレータや速度発電機等で構成される。算出した現在走行位置は、走行位置情報191として随時更新・記憶される。
到達時刻通知制御部163は、到達時刻通知制御処理を実行する機能部であり、踏切警報始点予測到達時刻を算出し、踏切制御装置60に向けて送信する制御を繰り返し実行する。
通信状態検出部165は、踏切制御装置60から通信状態の検出用に送信される識別情報の受信を利用して、当該踏切制御装置60との無線通信の途絶および当該途絶した無線通信の回復を検出する。
速度制御部169は、速度制御処理を実行する機能部である。本実施形態では、速度制御部169は、現在走行位置が停止制御始点位置に到達した場合に、踏切制御装置60からの踏切警報通知の受信、踏切制御装置60からの踏切支障通知の受信、当該踏切制御装置60との無線通信の途絶、および、当該途絶した無線通信の回復、のうちの少なくとも1つに係る条件に従って、進行パターンに沿った速度制御、又は、踏切停止パターンに沿った速度制御を行う。その1つとして、速度制御部169は、踏切の踏切制御装置60との間の無線通信が途絶した場合には、踏切停止パターンに沿った速度制御を行い、走行速度が徐行速度以下まで減速した場合には、当該徐行速度以下での踏切通過を許容する徐行進入許容制御を行う。
車上記憶部190は、ICメモリやハードディスク等の記憶媒体により実現される。この車上記憶部190には、車上装置10を動作させ、車上装置10が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、当該プログラムの実行中に使用されるデータ等が予め記憶され、或いは処理の都度一時的に記憶される。本実施形態では、車上記憶部190には、走行位置情報191と、線路条件情報210(図2を参照)と、踏切情報220(図3を参照)と、が記憶される。
6.踏切制御装置の構成について
図10は、踏切制御装置60の構成例を示すブロック図である。図10に示すように、踏切制御装置60は、操作入力部610と、表示部630と、無線通信部650と、制御部660と、記憶部690とを備えて構成される。
操作入力部610は、例えば、スイッチやボタン等を有して構成され、表示部630は、LEDや小型の液晶表示装置等を有して構成される。操作入力部610および表示部630は、主に作業員によってメンテナンス時等に利用されるものである。
無線通信部650は、無線通信モジュール等で実現される無線の通信装置で構成され、外部との公衆無線通信よる無線通信を行う。本実施形態では、車上装置10との間で当該無線通信によるデータの送受を行う。
制御部660は、無線通信部650を介して車上装置10から受信した踏切警報始点予測到達時刻や踏切通過通知等に基づいて、各種の演算処理を行って踏切制御装置60の動作を制御する。
本実施形態では、制御部660は、踏切警報開始時刻管理部661と、踏切警報制御部663と、踏切支障通知部665と、を含む。これら各機能部は、プログラムを実行することによりソフトウェアとして実現される演算処理ブロックであってもよいし、信号処理回路によって実現される回路ブロックであってもよい。本実施形態では、制御部660が所定のプログラムを実行することによりソフトウェアとして実現される演算処理ブロックとして説明する。
踏切警報開始時刻管理部661は、踏切警報開始時刻管理処理を実行する機能部であり、車上装置10から踏切警報始点予測到達時刻を受信した場合に、当該踏切警報始点予測到達時刻を踏切警報開始時刻として、随時警報開始時刻情報691に設定・更新する。
踏切警報制御部663は、踏切警報制御処理を実行する機能部であり、踏切警報開始時刻に踏切警報を開始する制御を行うとともに、踏切警報中である旨の踏切警報通知を車上装置10に送信する制御を行う。また、踏切警報制御部663は、車上装置10から踏切通過通知を受信した場合に、踏切警報を解除して、警報解除通知を車上装置10に送信する制御を行う。
踏切支障通知部665は、踏切支障通知処理を実行する機能部であり、踏切支障の信号の入力を受けて、踏切支障通知を車上装置10に送信する制御を行う。
記憶部690は、ICメモリやハードディスク等の記憶媒体により実現される。この記憶部690には、踏切制御装置60を動作させ、踏切制御装置60が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、当該プログラムの実行中に使用されるデータ等が予め記憶され、或いは処理の都度一時的に記憶される。本実施形態では、記憶部690には、警報開始時刻情報691が記憶される。
7.速度制御処理の流れについて
図11は、車上装置10が図5のステップS109で行う速度制御処理の手順を示すフローチャートである。
本実施形態の速度制御処理では、速度制御部169は、先ず、通信相手の踏切制御装置60との無線通信が途絶しているか否かを判定する。無線通信が途絶していなければ(ステップS1:NO)、速度制御部169は、当該踏切制御装置60から踏切支障通知を受信しているか否かを判定する。そして、速度制御部169は、踏切支障通知を受信している場合には(ステップS3:YES)、踏切位置までに停止可能な踏切停止パターンに沿った速度制御を行う(ステップS5)。本実施形態では、踏切停止パターンに沿った速度制御は、停止パターン算出ロジックを用いて現在走行位置における照査速度を求め、求めた照査速度に従って走行速度を制御することで行う。踏切停止パターンに沿った速度制御を行ったならば、ステップS13に移行する。
踏切支障通知を受信していない場合には(ステップS3:NO)、速度制御部169は、踏切警報通知を受信しているか否かを判定する。そして、速度制御部169は、踏切警報通知を受信していない場合には(ステップS7:NO)、ステップS5に移行して踏切停止パターンに沿った速度制御を行う。
一方、踏切警報通知を受信している場合には(ステップS7:YES)、速度制御部169は、進路開通時速度で踏切を通過する進行パターンに沿った速度制御を行う(ステップS9)。本実施形態では、進行パターンに沿った速度制御は、進行パターン算出ロジックを用いて現在走行位置における照査速度を求め、求めた照査速度に従って走行速度を制御することで行う。進行パターンに沿った速度制御を行ったならば、ステップS13に移行する。
また、ステップS1で無線通信が途絶していると判定した場合は(ステップS1:YES)、速度制御部169は、踏切位置までに停止可能な踏切停止パターンに沿った速度制御と、徐行速度での当該踏切位置の内方への進入を許容する徐行進入許容制御と、を行う(ステップS11)。すなわち、速度制御部169は、踏切停止パターンに沿った速度制御を行うとともに、当該速度制御によって走行速度が所定の徐行速度まで減速した場合に、徐行速度で進行する制御を行う。その後は、ステップS13に移行する。
そして、ステップS13では、列車が踏切警報終点位置に到達したかの判定を行い、踏切警報終点位置にするまでの間は(ステップS13:NO)、ステップS1に戻って上記した処理を繰り返す。列車が踏切警報終点位置に到達した場合は(ステップS13:YES)、本処理を終了する。その場合は、図5のステップS115に移行して、踏切通過通知を踏切制御装置60に送信する。
以上説明したように、本実施形態によれば、車上装置10は、線路条件情報210や踏切情報220を記憶する。列車が停止制御始点位置に到達した場合には、踏切制御装置60からの踏切警報通知の受信、踏切支障通知の受信、無線通信の途絶および回復の状況のうちの少なくとも1つに係る条件に従って、所定の進路開通時速度で踏切を通過する進行パターンに沿った速度制御、又は、踏切停止位置までの踏切停止パターンに沿った速度制御を行うことができる。
また、踏切の踏切制御装置60との間の無線通信が途絶したことで踏切停止パターンに沿った速度制御を行い、走行速度が徐行速度以下まで減速されたときには、当該徐行速度以下での踏切通過を許容することができる。
これによれば、無線通信が途絶したために車上装置10と踏切制御装置60との間で踏切警報始点予測到達時刻や踏切警報通知、踏切支障通知等の送受ができない場合に備えて、無線通信を利用することによる通信装置の故障や通信遅延といった通信障害の発生時においても、踏切位置までに確実に停止させることが可能な仕組みを実現できる。
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
例えば、上記した実施形態では、進行パターン算出ロジックと停止パターン算出ロジックとがそれぞれ異なる関数に基づくロジックであるとして説明したが、当該ロジックはいわゆるソフトウェア制御に基づく処理であるため、任意の方法で記述することができる。例えば、入力するパラメータを変える(進行パターンを算出する場合と踏切停止パターンを算出する場合とを切り替えるフラグ的なパラメータを設ける)ことによって、1つの関数による共通のロジックとすることとしてもよい。
また、上記実施形態の踏切保安システムは、列車の自動運転システムへの適用も可能である。鉄道における自動運転は、乗務員の乗務形態によってレベル0~レベル4の自動化レベル(GoA:Grades of Automation)に分類されている。例えば、そのうちの、GoA2.5と呼ばれる添乗員付き自動運転に適用することができる。GoA2.5の自動運転では、動力車操縦者(動力車操縦者免許を持つ者;運転士)ではない係員が列車の前頭部に乗務する。係員は、ドアの開閉、列車の出発時に要求される確認操作、緊急停止の操作、避難誘導等を行う。上記実施形態の踏切保安システムによれば、車上装置10は、踏切制御装置60との無線通信の途絶を検出した場合は踏切位置までに停止可能な踏切停止パターンに沿った速度制御を行い、走行速度が徐行速度以下まで減速した場合には、当該徐行速度以下での踏切通過を許容する。したがって、通信途絶時であっても列車を進行する制御を行いつつ、係員による緊急停止の操作があった時には、踏切位置までに確実に停止させることが可能な仕組みを実現できる。
1 踏切保安システム、10 車上装置、110 操作入力部、130 表示部、150 無線通信部、160 車上制御部、161 走行位置算出部、163 到達時刻通知制御部、165 通信状態検出部、169 速度制御部、190 車上記憶部、191 走行位置情報、210 線路条件情報、220 踏切情報、6 踏切、60 踏切制御装置、610 操作入力部、630 表示部、650 無線通信部、660 制御部、661 踏切警報開始時刻管理部、663 踏切警報制御部、665 踏切支障通知部、690 記憶部、691 警報開始時刻情報、62 踏切警報機、63 踏切しゃ断機、64 非常ボタン、3 列車、5 軌道

Claims (1)

  1. 列車に搭載された車上装置と、踏切警報を制御する踏切制御装置と、が公衆無線通信により通信可能に構成された踏切保安システムであって、
    前記踏切制御装置は、
    前記車上装置からの踏切警報始点予測到達時刻の受信に基づいて踏切警報開始時刻を更新する制御を行う踏切警報開始時刻管理手段と、
    前記踏切警報開始時刻に踏切警報を開始する制御を行うとともに、前記踏切警報中である旨の踏切警報通知を前記車上装置に送信する制御を行う踏切警報制御手段と、
    踏切支障の信号を入力した場合に踏切支障通知を前記車上装置に送信する制御を行う踏切支障通知手段と、
    を備え、
    前記車上装置は、
    走行距離に基づく現在走行位置を算出する現在走行位置算出手段と、
    (1)速度制限箇所に係わる制限速度および始終端位置と、線路の勾配箇所に係わる勾配の値および始終端位置と、を含む線路条件情報と、(2)踏切位置と、当該踏切位置に向かって当該踏切位置から遠い順に到達時刻算出開始位置、踏切警報始点位置および停止制御始点位置と、当該踏切位置に係る踏切を通過した踏切警報終点位置と、を含む踏切情報と、を記憶する記憶手段と、
    前記現在走行位置が前記到達時刻算出開始位置に到達してから前記停止制御始点位置に到達するまでの間、前記線路条件情報に基づいて前記踏切警報始点位置に到達する前記踏切警報始点予測到達時刻の算出と当該踏切警報始点予測到達時刻の前記踏切制御装置に向けた送信制御とを繰り返し実行する到達時刻通知制御手段と、
    前記現在走行位置が前記停止制御始点位置に到達した場合に前記現在走行位置と前記線路条件情報とに基づく前記踏切位置までに停止可能な踏切停止パターンに沿った速度制御を開始する速度制御手段であって、当該停止制御始点位置から始まる所定の踏切停止制御区間内の間a)前記公衆無線通信による前記踏切制御装置との通信が途絶した場合には、前記踏切停止パターンに沿った速度制御を行って走行速度が所定の徐行速度以下となった場合に当該徐行速度以下での踏切通過を許容する速度制御に切り替え、b)前記踏切制御装置か前記踏切警報通知受信した場合には前記現在走行位置と前記線路条件情報とに基づく所定の進路開通時速度で踏切を通過する進行パターンに沿った速度制御に切り替え前記a)又は前記b)の速度制御中に前記踏切制御装置か前記踏切支障通知受信した場合には前記踏切停止パターンに沿った速度制御に切り替える、速度制御手段と、
    を備え
    前記速度制御手段は、前記a)の制御によって前記現在走行位置が前記踏切警報終点位置に到達した場合には前記踏切停止パターンに沿った速度制御に切り替える、
    踏切保安システム。
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