JP7464279B2 - レシピエント血液における移植前トランスクリプトームシグネチャーを使用した急性拒絶反応および腎臓同種異系移植喪失の予測のための方法およびキット - Google Patents

レシピエント血液における移植前トランスクリプトームシグネチャーを使用した急性拒絶反応および腎臓同種異系移植喪失の予測のための方法およびキット Download PDF

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Description

本発明は、分子生物学の分野、およびより詳細にはmRNA分子シグネチャーを検出することに関する。より詳細には、本発明は、腎臓同種異系移植レシピエントの急性拒絶反応および同種異系移植喪失を起こすリスクを診断するための方法に関する。本方法は、そのような患者を移植の前後に同定し、処置するために、23個の予め選択されたmRNAを含むmRNAシグネチャーセットの発現レベルを測定することによって腎臓同種異系移植レシピエントの血液を分析することを含む。各患者で得ることができる、急性拒絶反応および同種異系移植喪失のリスクについての加重累積リスクスコアを導くために、選択された遺伝子の正規化された発現読み取りカウント(例えば、次世代シークエンシング技術からの遺伝子の読み取りカウント)値に、示差的発現分析を適用することができる。
腎移植は、末期の腎疾患(ESRD)を有する対象のための最良の処置である。しかし、最近の10年にわたる1年の移植片喪失における著しい改善にもかかわらず、移植後の各翌年に、腎臓同種異系移植レシピエントの概ね3%が透析に戻るか、または再移植を必要とする。近年のデータは、2006年以来より優れた腎臓機能と関連した中間期移植喪失の改善を示しているかもしれないが、遅い移植不全の割合は1990年代から比較的不変である。
慢性的同種異系移植損傷、または未知の原因の間質性線維症および管萎縮が、移植喪失の症例の大部分の原因である。これは、とりわけ、同種異系抗体の形成および一次疾患の再発を含む、これらの後期の事象の原因の機構を理解し、比較することを目指す研究を促進した。実際、急性拒絶反応の劇的な低減にもかかわらず長期改善が欠如することは、急性拒絶反応が長期移植転帰の主要な決定因子であるとの仮定に疑問を呈する。しかし、この仮定は、移植の6カ月後より前に得られる腎生検に基づいて、臨床的に明らかな無症状の1以上の炎症/尿細管炎スコアを有する早期の急性拒絶反応(EAR)が、現行の免疫抑制レジメンを受けている患者において長期の移植喪失に負の影響を与えるという証拠と対照をなす。したがって、EARはなお移植後の免疫抑制療法の主要な標的の1つである。
現在の免疫抑制プロトコールの主要な問題の1つは、それらが単一の患者の必要性を満たすように調整されていないという事実である。現在の医療慣行は、移植後の個々の免疫学的リスクを予測するために、抗HLA抗体、人種、以前の移植およびレシピエント年齢を含む広い臨床判定基準に依存する。これらの指標は、性能が十分でない。その結果、ほとんどの患者は標準化された免疫抑制プロトコールを受け、一部の個体は多過ぎるかまたは少な過ぎる免疫抑制に曝露させられ、結果として合併症をもたらす。急性拒絶反応のリスクが最も高い個体の早期の同定は、長期の転帰を改善することを目的とする標的療法を可能にするかもしれない。
腎移植の前の患者における免疫系の組成および機能が、移植後の以降の急性拒絶反応(AR)のリスクに影響を及ぼすとの証拠が存在するが、このリスクを定量化するバイオマーカーは同定されていない。急性の拒絶反応エピソードを予測するために、腎臓移植の前の患者の血液の転写物プロファイリングに使用することができる遺伝子シグネチャーセットが必要である。
本発明者らは、EARのリスクを予測し、後期のARおよび同種異系移植喪失と関連する血液ベースの23遺伝子セットを、移植前の同種異系移植レシピエントにおいて同定し、検証した。この遺伝子セットの適用は、移植前の移植患者の免疫の層別化を可能にし、それによって免疫抑制療法への個人別アプローチを可能にする。
移植前に腎臓同種異系移植レシピエントによって発現される、移植後の急性拒絶反応(AR)のリスクを決定する遺伝子プロファイルが、本明細書に開示される。
一態様では、本発明は、急性拒絶反応を起こすリスクがある腎臓同種異系移植レシピエントを同定する方法であって、(a)レシピエントから得た血液検体中の遺伝子シグネチャーセットにおける遺伝子の発現レベルを測定するステップと、(b)遺伝子シグネチャーセットにおける遺伝子の発現レベルを、対照遺伝子セットにおける遺伝子シグネチャーセットにおける同じ遺伝子の発現レベルと比較するステップと、(c)検体中の遺伝子シグネチャーセットにおける1つまたは複数の遺伝子の発現レベルが、対照中の遺伝子シグネチャーセットにおける同じ1つまたは複数の遺伝子の発現レベルと比較して変化している場合、レシピエントは急性拒絶反応および同種異系移植喪失のリスクがあると判定するステップと、を含む方法を提供する。
別の態様では、EARのリスクを加重累積スコア(r)として要約するために、アッセイの遺伝子発現レベルの結果が適用される。リスクアセスメントのために用いられる式は、r=-(log10(p1)g1+log10(p2)g2+・・・+log10(pi)gi+・・・+log10(p23)g23)であり、ここで、piは、トレーニングセットにおけるEAR対非EAR群の間の遺伝子i(i=1・・・23)の発現値についてのt検定の有意性p値であり、giは、遺伝子i(i=1・・・23)の論理数であり、1(遺伝子iの発現値が、上方制御された遺伝子のトレーニングセットのEAR群の中間発現値より大きい場合、または遺伝子iの発現値が、下方制御された遺伝子のトレーニングセットの非EAR群の中間発現値より小さい場合)、または-1(遺伝子iの発現値が、上方制御された遺伝子のトレーニングセットの非EAR群の中間値より小さい場合、または遺伝子iの発現値が、下方制御された遺伝子のトレーニングセットの非EAR群の中間値より大きい場合)、または0(遺伝子iの発現値が、トレーニングセットのEAR群の中間値と非EAR群の中間値の間である場合)である。加重累積スコア(r)は、各患者の急性拒絶反応のリスクスコアとして使用することができる。患者のリスクスコアがトレーニングデータセットから規定される三分位発現値カットオフより高いならば、患者は急性拒絶反応のリスクがある。
別の態様では、本発明は、急性拒絶反応のリスクがある腎臓同種異系移植レシピエントを同定するためのキットであって、1つまたは複数の別個の容器に、遺伝子シグネチャーセット:GZMH、ADGRG1、S1PR5、FGFBP2、NKG7、PRF1、KIAA1671、LAG3、TARP、FCRL6、FASLG、TBX21、TOX、ZNF831、CD8A、C1orf21、CCR5、LDOC1L、CCDC102A、HOPX、PRKCH、SLC25A34、F12についてのプライマー対、緩衝液、ハウスキーピング遺伝子パネル、ハウスキーピング遺伝子パネルについてのプライマー、陰性対照および使用説明書を含むキットを提供する。
さらに別の態様では、本発明は、移植前に同種異系移植の急性拒絶反応のリスクがある腎臓同種異系移植レシピエントを同定する方法であって、(a)腎臓同種異系移植レシピエントからの血液検体からmRNAを単離するステップと、(b)mRNAからcDNAを合成するステップと、(c)前記レシピエントの血液中の23メンバーの遺伝子シグネチャーセットの発現レベルを測定するステップと、(d)23メンバーの遺伝子セットの発現レベルから計算される加重累積リスクスコア(r)が三分位カットオフより高い場合、同種異系移植レシピエントは急性拒絶反応および同種異系移植喪失のリスクがあると診断するステップと、(e)急性拒絶反応または同種異系移植喪失のリスクがあると同定されたレシピエントを、導入療法またはカルシニューリン阻害剤のより高い標的投与などのより高い維持免疫抑制の実施によって処置するステップと、を含む方法を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、急性拒絶反応および/または移植喪失の低いリスクがある患者を処置する方法であって、ラパマイシンまたはベラタセプトなどのより低いリスクの維持免疫抑制を実施し、それによって感染症および悪性腫瘍のリスクを低下させるステップを含む方法を提供する。
なおさらなる態様では、本発明は、腎臓急性拒絶反応または同種異系移植喪失のリスクを低減するために、移植前の導入療法のための腎臓同種異系移植患者を選択する方法であって、患者から得られた23メンバーの遺伝子シグネチャーセットの発現レベルを、急性拒絶反応を患わなかった同種異系移植レシピエントから得られた対照試料中の同じ遺伝子シグネチャーセットの発現レベルと比較するステップと、患者からの遺伝子シグネチャーセットにおける1つまたは複数の遺伝子の発現レベルが、対照中の遺伝子シグネチャーセットにおける同じ1つまたは複数の遺伝子の発現レベルと比較して変化している場合、導入療法によって患者を処置するステップとを含む方法を提供する。
本発明のこれらおよび他の態様は、本明細書および添付の特許請求の範囲に照らして当業者にとって明らかになる。
定義:
本明細書で使用されるように、同種異系移植の急性拒絶反応および同種異系移植喪失の「リスクが高い」同種異系移植レシピエントは、介入無しの場合、「低リスク」の対象より同種異系移植を拒絶する可能性が有意により高い。
本発明に従って、従来の分子生物学、微生物学、組換えDNA、免疫学、細胞生物学および当分野の技術の範囲内の他の関連技術を用いることができる。例えば、とりわけ、Sambrook et al., (2001) Molecular Cloning: A Laboratory Manual. 3rd ed. Cold Spring Harbor Laboratory Press: Cold Spring Harbor, N.Y.;Sambrook et al., (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual. 2nd ed. Cold Spring Harbor Laboratory Press: Cold Spring Harbor, N.Y.;Ausubel et al., eds. (2005) Current Protocols in Molecular Biology. John Wiley and Sons, Inc.: Hoboken, N.J.;Bonifacino et al., eds. (2005) Current Protocols in Cell Biology. John Wiley and Sons, Inc.: Hoboken, N.J.;Coligan et al., eds. (2005) Current Protocols in Immunology, John Wiley and Sons, Inc.: Hoboken, N.J.;Coico et al., eds. (2005) Current Protocols in Microbiology, John Wiley and Sons, Inc.: Hoboken, N.J.;Coligan et al., eds. (2005) Current Protocols in Protein Science, John Wiley and Sons, Inc.: Hoboken, N.J.;Enna et al., eds. (2005) Current Protocols in Pharmacology John Wiley and Sons, Inc.: Hoboken, N.J.;Hames et al., eds. (1999) Protein Expression: A Practical Approach. Oxford University Press: Oxford;Freshney (2000) Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique. 4th ed. Wiley-Lissを参照する。上掲の現在のプロトコールは、毎年、数回更新される。
本明細書で使用されるように、本明細書に開示されるmRNAの「発現レベル」は、マーカーのmRNA発現レベルまたは試料中のマーカーの測定可能なレベルを意味し、これは、限定されずにノーザンブロット、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの当技術分野で公知の任意の好適な方法、例えば、定量的リアルタイムPCR、「qRT-PCR」、RNA-seq、TREex(miSEQ)、ナノストリング分析等によって測定することができる。本明細書で使用されるように、用語「約」または「概ね」は、測定の値および方法のタイプのために許容できる誤差範囲内にあることを通常意味する。例えば、それは、所与の値または範囲の20%以内、より好ましくは10%以内、なお最も好ましくは5%以内にあることを意味することができる。あるいは、特に生物系では、用語「約」は、所与の値のlog(すなわち、1桁)の範囲内、好ましくは2の係数の範囲内にあることを意味する。
用語「減少」、「減少した」、「低減した」、「低減」または「下方制御された」は、全て、統計的に有意な量の減少を一般的に意味するために本明細書で使用される。しかし、誤解を避けるため、「低減した」、「低減」、「下方制御された」、「減少した」または「減少」は、参照レベルと比較して少なくとも10%の減少、例えば、参照レベルと比較して、少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%の減少、または100%を含めそれまでの減少(すなわち、参照試料と比較して皆無のレベル)、または10~100%の間の任意の減少、または、参照レベルと比較して、少なくとも約0.5倍、または少なくとも約1.0倍、または少なくとも約1.2倍、または少なくとも約1.5倍、または少なくとも約2倍、または少なくとも約3倍、または少なくとも約4倍、または少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍の減少、または1.0倍から10倍以上の間の任意の減少を意味する。
用語「増加した」、「増加」または「上方制御された」は、全て、統計的に有意な量の増加を一般的に意味するために本明細書で使用される。いかなる誤解も避けるために、用語「増加した」または「増加」は、参照レベルと比較して少なくとも10%の増加、例えば、参照レベルと比較して、少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%の増加、または100%を含むそれまでの増加、または10~100%の間の任意の増加、または、参照レベルと比較して、少なくとも約0.5倍、または少なくとも約1.0倍、または少なくとも約1.2倍、または、少なくとも約1.5倍、または少なくとも約2倍、または少なくとも約3倍、または少なくとも約4倍、または少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍の増加、または1.0倍から10倍以上の間の任意の増加を意味する。
本明細書で使用されるように、例えば「遺伝子の発現レベルを測定する」におけるように、「発現のレベルを測定する」、「発現レベルを測定する」または「発現レベルを検出する」は、試料中に存在するmRNAの量を定量化することを指す。特異的mRNAの発現を検出することは、本明細書に記載されるように、当技術分野で公知の任意の方法を使用して達成することができる。一般的に、mRNA検出方法は、例えばRT-PCRによる配列特異的検出を含む。mRNA特異的プライマーおよびプローブは、当技術分野で公知である核酸配列を使用して設計することができる。
本明細書で使用されるように、参照レベルまたは対照レベルと比較したmRNAの発現の「変化した」レベルは、mRNAの発現の少なくとも0.5倍(例えば、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、75、100、200、500、1,000、2,000、5,000または10,000倍)変化したレベルである。変化は、増加または減少であってよいことが理解される。あるいは、変化した発現レベルは、トレーニング患者群から確立されたロジスティック回帰モデルのパラメータを使用した、リスク確率スコアの増加であると規定され、確率スコアはトレーニングセットから導かれるカットオフと比較される。
本明細書で使用されるように、「併用療法」は、ある特定の組成物または薬物による処置を必要とする対象の処置を意味し、ここで、対象は、第1のものと一緒におよび/または1つまたは複数の他の療法、例えば、免疫抑制療法もしくは他の抗拒絶療法と一緒に、疾患のための1つまたは複数の他の組成物もしくは薬物で処置されるかまたは与えられる。そのような併用療法は、患者が先ず1つの処置モダリティー(例えば、薬物または療法)で処置され、次に他のもの(例えば、薬物または療法)で処置される、などの連続した療法であってもよく、または、全ての薬物および/または療法は同時に投与されてもよい。いずれの場合も、これらの薬物および/または療法は、「同時投与される」と言われる。「同時投与される」は、薬物および/または療法が組み合わせた形態で投与されることを必ずしも意味するとは限らないことを理解すべきである(すなわち、それらは、同じかまたは異なる時間に同じかまたは異なる部位に別々に、または一緒に投与されてもよい)。
本明細書で使用されるように、用語「薬学的に許容される誘導体」は、レシピエントへの投与の後に、本発明の化合物またはその活性代謝産物もしくは残留物を提供する(直接または間接的に)ことが可能である、本発明の化合物の任意の薬学的に許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグ、例えば、エステルを意味する。そのような誘導体は、過度の実験無しで当業者が認識できる。それにもかかわらず、Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery, 5th Edition, Vol. 1: Principles and Practiceの教示が参照され、それは、そのような誘導体を教示する範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。薬学的に許容される誘導体には、塩、溶媒和物、エステル、カルバミン酸および/またはリン酸エステルが含まれる。
本明細書で使用されるように、用量または量に適用される、互換的に使用される用語「治療上有効な」および「有効量」は、それを必要とする対象への投与の後に所望の活性をもたらすのに十分である、組成物、化合物または医薬製剤の量を指す。本発明の文脈内で、用語「治療上有効な」は、有効成分の組合せが投与されるとき、本明細書で指定される疾患または状態の少なくとも1つの症状、例えば、急性拒絶反応および/または同種異系移植拒絶反応を低減または排除するのに十分である、組成物、化合物または医薬製剤の量を指し、組合せの有効量は、個々に投与された場合でも有効であったと予想される各成分の量を含むことも、含まないこともできる。治療製剤の投薬量は、疾患または状態の性質、患者の病歴、投与の頻度、投与の様式、宿主からの薬剤のクリアランスなどによって異なる。最初の用量はより大きくてよく、より小さい維持用量がそれに続く。有効薬量レベルを維持するために、用量は、例えば、毎週、隔週、毎日、週2回等、投与することができる。
「対照」は、同種異系移植を受けた、急性拒絶反応を患っていない患者から得られた試料と規定される。
「導入療法」は、移植の前、または好ましくは当日に始まる急性拒絶反応の高いリスクがある患者への、免疫抑制剤の投与と本明細書で規定される。薬剤は、下記のようにリンパ球枯渇剤またはインターロイキン2受容体アンタゴニスト(IL2-RA)のいずれかの生物剤である。導入療法の目的は、移植時に急性拒絶反応の高いリスクがある患者においてT細胞応答を減少またはモジュレートし、急性拒絶反応のリスクを低減することである。
本明細書で使用されるように、早期の急性拒絶反応(EAR)は、移植の6カ月後より前に起こる拒絶反応と規定される。
本発明に従って、腎臓移植のために評価される患者は、彼らの移植前評価の一環として実行される、本発明のアッセイを受ける。末梢血が採取され、mRNAが抽出され、標的化増幅およびシークエンシングライブラリー生成のための試薬およびプライマーを使用して、TRex(miSEQ)が実行される。このアッセイは、特異的な23個の遺伝子およびハウスキーピング遺伝子のパネルの標的化シークエンシングを実行する。23個の遺伝子のために発現レベルが測定され、移植後の急性拒絶反応のリスクがある患者のためにリスクアセスメントスコアを測定するために、リスクアルゴリズムが適用される。患者のスコアが32を超える場合、患者はリスクが高いと分類され、その場合、患者は、高リスク患者のために用いられるのと同じ方法で、例えば、カルシニューリン阻害剤(CNI)などの免疫抑制薬のより緩慢な漸減、ステロイド中止の回避、mTOR阻害剤(例えば、シロリムス/テムシロリムスまたはエベロリムス)またはベラタセプトの回避で管理される、導入療法および維持免疫抑制を受ける。スコアが-23未満である場合、患者はARのリスクが低いとみなされ、その場合、患者は導入療法を必要としないと予想され、または彼らはステロイド中止、mTOR阻害剤もしくはベラタセプトのための候補である可能性もある。正確なカットオフはTRex(miSEQ)アッセイに基づき、他の技術、例えばナノストリングおよびqPCRに基づいて変動する。注目すべきは、患者のために免疫抑制プロトコールを計画するとき、アッセイは、候補を高リスクであると前に規定する他の臨床因子、例えば、HLA対応、および抗HLA抗体の存在との関係で行われるべきである。
本発明は、移植前に腎臓同種異系移植レシピエントによって発現される、移植後の急性拒絶反応のリスクを決定する遺伝子発現プロファイルの同定に基づく。遺伝子発現プロファイルは、移植後の無症状のならびに臨床的な急性拒絶反応を予測する。このことは、移植時に免疫抑制レジメンへのアプローチをパーソナライズする能力を臨床医に与え、それによって、リスクが高い者における免疫抑制を最大にし、リスクの低い者における免疫抑制を減らす。具体的には、例えば、サイログロブリン/抗胸腺細胞グロブリン(ATG)または抗IL-2RブロッカーまたはCampath-1H(アレムツズマブまたはTリンパ球の表面に存在する抗原に対して誘導される抗CD52モノクローナル抗体)を使用した導入療法は、急性拒絶反応のリスクが高い患者に実施され、急性拒絶反応のリスクが低い患者で回避される。導入療法は、移植当日に開始される。維持免疫抑制のために、より低いリスクの個体は、他の免疫学的因子によって、より弱い免疫抑制薬、例えばラパマイシンまたはベラタセプトで処置することができる。これらは当業者によってより強力でないと認識されているが、その理由は、それらが高率の急性拒絶反応に関連付けられているからである。「より強力な」免疫抑制剤には、CNI、例えばタクロリムス(Prograf(登録商標)およびAdvagraf(登録商標)/Astagraf XL(Astellas Pharma Inc.)、およびPrograf(登録商標)の非専売薬、ならびにシクロスポリン(Neoral(登録商標)およびSandimmune(登録商標)(Novartis AG)および非専売薬が含まれる。
さらに、ドナー/レシピエントの組合せに関する決定は、他の制御可能な免疫学的因子を最小にするように導くことができる。例えば、レシピエントがドナーHLAに対して誘導される抗体を有するドナー/レシピエントの組合せに基づいて、移植は回避されるかもしれない。この実施形態では、患者が脱感作、すなわち、ドナー特異的抗体の血漿交換法および静脈内免疫グロブリン(IVIG)投与を必要とした場合、移植を回避することができる。しかし、これは、生きているドナー同種異系移植に大部分適用されると予想される。この実施形態では、ドナー/レシピエントのミスマッチを回避することは、かなりの費用節約をもたらすことができる。
さらに、遺伝子発現プロファイルが急性拒絶反応のリスクがある個体を同定する場合、無症状の急性拒絶反応の診断のために、臨床検査結果または遺伝子発現プロファイルのより集中的なモニタリングを患者に受けさせることができる。
本発明は、移植前に急性拒絶反応および移植喪失のリスクがある腎臓同種異系移植レシピエントを同定する方法であって、移植前に腎臓同種異系移植レシピエントからの血液検体を用意するステップと、血液検体からmRNAを単離するステップと、mRNAからcDNAを合成するステップと、血液検体に存在する23メンバーの遺伝子シグネチャーセットの発現レベルを測定するステップと、を含む方法を提供する。発現レベルを測定する方法の非限定的な例には、RNA-seq、標的化RNA発現(TREx)シークエンシングシステム(Illumina,Inc.San Diego California)、ナノストリング(nCounter(登録商標)mRNA Expression Assay-Nanostring Technologies,Inc.Seattle Washington)またはqPCRが含まれる。遺伝子シグネチャーセット分析の結果は、対照と比較される。対照と比較した患者の発現レベルの変化がより大きいほど、急性拒絶反応のリスクはより大きい。これらの方法は、下の実施例1~6に記載される。
23個の予め選択された遺伝子を含む遺伝子シグネチャーセットを使用した、末梢血シグネチャーが同定された。これらの予め選択された遺伝子シグネチャーセットは、移植片拒絶反応移植手術の前に急性拒絶反応および以降の移植片拒絶反応のリスクがある腎臓同種異系移植レシピエントを正確に同定するために使用することができる。
本明細書に開示される方法の実施で使用するための23メンバーの遺伝子シグネチャーセットは、以下の遺伝子を含む:GZMH、ADGRG1、S1PR5、FGFBP2、NKG7、PRF1、KIAA1671、LAG3、TARP、FCRL6、FASLG、TBX21、TOX、ZNF831、CD8A、C1orf21、CCR5、LDOC1L、CCDC102A、HOPX、PRKCH、SLC25A34およびF12。
これに関連して、同種異系移植レシピエントが急性拒絶反応のリスクが低いが、彼らが5つまたは6つのHLAミスマッチを有する場合、彼らは急性拒絶反応のリスクが高くなることが見出されている。HLAタイピングは、フローサイトメトリー、RT-PCRおよびRNA-Seqによって実行することができる。(参照:Methods. 2012 Apr; 56(4):471-6. doi: 10.1016/j.ymeth.2012.03.025. Epub 2012 Mar 28. HLA techniques: typing and antibody detection in the laboratory of immunogenetics. Bontadini A.)。
本明細書に開示される方法の一部では、試料中に存在するmRNAを検出し、定量化することが望ましい。RNA発現の検出および定量化は、当技術分野で周知であるいくつかの方法のいずれか1つによって達成することができる。RNAファミリーメンバーの公知の配列を使用して、適宜下に記載される検出方法で使用するために、特異的プローブおよびプライマーを設計することができる。ナノストリング、RNAseqまたは定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)、例えば、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)または標的化RNAシークエンシング(TREx)のいずれか1つを、本明細書に開示される方法で使用することができる。一部の場合には、RNA発現の検出および定量化は、細胞または組織などの試料からの核酸の単離を必要とする。RNAおよび具体的にはmRNAを含む核酸は、当技術分野で公知の任意の好適な技術を使用して単離することができる。例えば、フェノールベースの抽出は、RNAの単離のための一般的な方法である。フェノールベースの試薬は、細胞および組織破壊ならびに混入物からのRNAの以降の分離のための変性剤およびRNAase阻害剤の組合せを含有する。さらに、TRIZOL(商標)またはTRI EAGENT(商標)を使用するものなどの抽出手順は、大小の全てのRNAを精製し、mRNAを含有する生体試料から全RNAを単離するための効率的な方法である。QIAGEN-ALLプレップキットを使用したものなどの抽出手順も、企図される。
一部の実施形態では、定量的RT-PCRの使用が望ましい。定量的RT-PCRは、核酸の量を迅速に測定するために使用されるポリメラーゼ連鎖反応方法の改変形である。qRT-PCRは、遺伝子配列が試料中に存在するかどうか、およびそれが存在する場合、試料中のコピー数を測定するために一般的に使用される。mRNAを含む核酸分子の発現を測定することができるPCRの任意の方法が、本発明の範囲内に含まれる。当業者に周知であるqRT-PCR方法にはいくつかの種類がある。一部の実施形態では、mRNA発現プロファイルは、nCounter(登録商標)分析システム(NanoString Technologies(登録商標)、Seattle、WA)を使用して測定することができる。NanoString TechnologiesからのnCounter(登録商標)分析システムは、数百のmRNA、マイクロRNA、またはDNA標的を高い感度および精度で同時にプロファイリングする。標的分子は、デジタル的に検出される。NanoString分析システムは、単一の反応における数百の特異転写物を検出し、数えるために、分子「バーコード」および単一分子画像化を使用する。プロトコールは、いかなる増幅ステップも含まない。これは、mRNAの発現レベルの迅速検出のための好ましい方法である。
別の実施形態では、本発明は、腎臓同種異系移植を受ける患者が同種異系移植の急性拒絶反応のリスクがあるかどうか判定するためのキットであって、1つまたは複数の容器の中に、23遺伝子シグネチャーセットについてのプライマー対、陽性対照および陰性対照、緩衝液および印刷された使用説明書を含むキットを提供する。キットは、ハウスキーピング遺伝子についてのアッセイおよびプライマーの品質を試験するための、ハウスキーピング遺伝子パネルを含有することもできる。ハウスキーピング遺伝子パネルは、下の実施例6に記載される。
一般的な実施形態では、臨床検査室は、患者の血液試料を使用して発現値を得、患者の医師にそれを提供する。医師は次に、彼のウェブベースのサービスプロバイダに、この値を伝達する。サービスプロバイダは、予め選択された遺伝子シグネチャーセットの各遺伝子のEARおよび非EAR群のp値加重パラメータおよび中間発現値、ならびに、トレーニングセットから規定される三分位カットオフを既に有するバイオインフォマティクスシステムにその値を入力する。バイオインフォマティクスシステムは、患者のリスクスコアを計算するためにこの情報を使用する。計算されたリスクスコアは、患者のAR状態を反映する。
代替の実施形態では、アッセイは一検査室で主に実行され、結果は医師に直接、すなわち、ウェブベースの適用無しで提供される。
ARのリスクの予測における遺伝子シグネチャーセットの使用の非限定的な例は、23遺伝子シグネチャーセットを使用して下に記載される。
1)トレーニング群を選択する:既知の早期急性拒絶反応(EAR、移植の6カ月後より前に1以上の炎症/尿細管炎スコア)を有する一群の腎臓移植患者、および非EAR対照(移植の6カ月後の前に0の炎症/尿細管炎スコアを有する、診断は病状に基づく;総数N=約100)が注意深く選択される。トレーニング群は、良く特徴付けられた人口統計、臨床データ、および少なくとも2人の病理学者によって審査される病理学的結果を有する。トレーニングセットの遺伝子発現レベルは、各遺伝子のリスクスコア計算のためにEARまたは非EAR群におけるp値および中間発現値を導くために使用される。
2)遺伝子の発現を測定する:トレーニング群における各患者の移植前血液試料からの23個の遺伝子の発現レベルが、いくつかの周知の技術のいずれか1つを使用して、好ましくはTREx、RT-PCRまたはナノストリング技術を使用して測定される。TREx、ナノストリングまたはqPCR技術の使用は、下の実施例2、3および4に記載される。発現レベルは、適用される技術によって異なって表される。TRExは、遺伝子にマッピングされる配列読み取りデータの数を使用する。qPCRは、CT(サイクル時間)値を使用し、ナノストリングは転写物の数を使用する。
3)累積リスクスコアおよびカットオフを確立する:上記のトレーニングセットにおける各遺伝子のEARおよび非EAR群の間の発現値の差のp値を計算するために、示差的発現分析が実行され、加重累積スコアが各患者のために測定される。リスクアセスメントのために用いられる式は、r=-(log10(p+log10(p+・・・+log10(p+・・・+log10(p2323)であり、ここで、pは、トレーニングセットにおけるEAR対非EAR群の間の遺伝子i(i=1・・・23)の発現値についてのt検定の有意性p値であり、gは、遺伝子i(i=1・・・23)の論理数であり、1(遺伝子iの発現値が、上方制御された遺伝子のトレーニングセットのEAR群の中間発現値より大きい場合、または、遺伝子iの発現値が、下方制御された遺伝子のトレーニングセットのEAR群の中間発現値より小さい場合)、または、-1(遺伝子iの発現値が、上方制御された遺伝子のトレーニングセットの非EAR群の中間値より小さい場合、または遺伝子iの発現値が、下方制御された遺伝子のトレーニングセットの非EAR群の中間値より大きい場合)、または、0(遺伝子iの発現値が、トレーニングセットのEAR群の中間値と非EAR群の中間値の間である場合)である。
リスクスコアに基づいて、様々な閾値設定における真の陽性率対偽陽性率のROC(レシーバー動作特性)曲線の予測AUC(曲線下面積)などの、予測統計量が得られる。ROC分析は、カットオフまたは最適なモデルを決定するために、ならびに、曲線下面積、感度/特異性、正の予測値(PPV)および負の予測値(NPV)の計算によって全体的予測精度を測定するために使用することができる。所与の特異性(90%)では、急性拒絶反応の存在を最も良く検出するリスクスコアカットオフが確立される。患者が上位群にいる場合、彼らは急性拒絶反応を有する可能性が高く、検査は陽性であると判定されるが、彼らが下位群にいる場合、彼らは急性拒絶反応を有する可能性が非常に低く、検査は陰性であると判定されるという点で、2つの群の間の明確なカットオフがあると予想される。
あるいは、上で測定される彼らの確率スコアに基づいて患者は三分位値に分割される。この場合、患者が(1)上位三分位にあるならば、彼らは急性拒絶反応を有する可能性が高く、検査は陽性であると判定され;(2)第2の三分位または中間群にあるならば、彼らのリスクは正確に判定することができず;(3)下位三分位にあるならば、彼らは急性拒絶反応を有する可能性が非常に低く(したがって、移植が成功する優れた候補である)、検査は陰性であると判定される。
各遺伝子についてのEARおよび非EAR群のp値、中間発現値、ならびにトレーニング群から導かれるリスクスコアカットオフは、ウェブベースのバイオインフォマティクスコンピューターシステムに入力および保存され、それらは、インターネットを通して臨床検査室および/または医師診療室からアクセスすることができる。
4)診断:診断が未知の新規患者のための遺伝子シグネチャーセットの発現レベルは、臨床検査室におけるトレーニングセットに使用されるのと同じ技術によって測定される。ウェブベースのバイオインフォマティクスシステムを使用して、リスクスコアは、23個の遺伝子のEAR群の中間値および非EAR群の中間値にトレーニングセットから導かれるlog p値を掛けたものと比較して、発現論理値(1、0または-1)を要約することによって計算される。AR状態を判定するために、リスクスコアはカットオフと比較される。患者におけるリスクスコアの、対照におけるリスクスコアと比較した増加は、患者が急性拒絶反応のリスクが増加したことを示す。臨床検査室は、検査結果を医師に提供する。
発現レベルおよび/または参照発現レベルは好適なデータ記憶媒体(例えば、データベース)に保存することができ、したがって、将来の診断でも利用可能である。対応する参照試料が得られた対象が急性拒絶反応に直面することが(将来)確認されたならば、好適な参照結果をデータベースで同定することができるので、これは、疾患の発生率を効率的に診断することも可能にする。
本明細書で使用されるように、「データベース」は、好適な記憶媒体の上に収集されるデータ(例えば、分析物および/または参照レベルの情報および/または患者情報)を含む。さらに、データベースは、データベース管理システムをさらに含むことができる。このデータベース管理システムは、好ましくは、ネットワークベースの階層的またはオブジェクト指向データベース管理システムである。より好ましくは、データベースは、分散型(連邦)システムとして、例えばクライアントサーバーシステムとして実行される。より好ましくは、データベースは、検索アルゴリズムが検査データセットをデータ集に含まれるデータセットと比較することを可能にするように構造化される。具体的には、そのようなアルゴリズムを使用して、腎臓同種異系移植拒絶反応のリスクを示す、類似しているかまたは同一のデータセットについてデータベースを検索することができる。したがって、同一であるかまたは類似しているデータセットをデータ集の中で同定することができる場合、検査データセットは腎臓同種異系移植拒絶反応リスクと関連付けられる。その結果として、データ集から得られる情報は、同種異系移植レシピエントの同種異系移植喪失のリスクを診断するために使用することができるか、または対象から得られる検査データセットに基づくことができる。より好ましくは、データ集は、上に列挙される群のいずれか1つに含まれる全ての分析物の特性値を含む。
本発明は、例えば、技術者、医師または患者へのアッセイ結果または診断または両方の伝達をさらに提供する。ある特定の実施形態では、利害関係者、例えば、医師および彼らの患者にアッセイ結果または診断または両方を伝達するために、コンピューターが使用される。
一部の実施形態では、本明細書に開示される方法は、進行中の急性拒絶反応および/または同種異系移植喪失のリスクがあるレシピエントを同定するために、レシピエントの臨床記録を改変することをさらに含む。臨床記録は、任意の好適なデータ記憶媒体(例えば、コンピューター可読媒体)に保存することができる。
本発明の一部の実施形態では、本明細書で提供される方法に基づく診断は、診断が得られてからできるだけ早く同種異系移植レシピエントに伝達される。診断は、レシピエントの治療にあたる医師によってレシピエントに伝達されてもよい。あるいは、診断は、電子メールでレシピエントに送られてもよく、または電話で対象に伝達されてもよい。診断は、報告書の形でレシピエントに送られてもよい。電子メールまたは電話で診断を伝達するために、コンピューターを使用することができる。ある特定の実施形態では、診断検査の結果を含むメッセージを作成して、テレコミュニケーションの熟練者になじみがあるコンピューターハードウェアおよびソフトウェアの組合せを使用してレシピエントに自動的に送達することができる。
本発明の態様は、腎臓同種異系移植を受けておらず、急性拒絶反応のリスクがある対象を同定するためのコンピュータープログラム製品を含み、ここで、コンピュータープログラム製品は、コンピューターにロードされるとき、腎臓同種異系移植を受ける対象が急性拒絶反応のリスクがあるかどうか判定するために、対象に由来する試料からの遺伝子発現結果を用いるように構成され、ここで、遺伝子発現結果は少なくとも1つの遺伝子シグネチャーセットについての発現データを含む。
以下の1つである表現型についての参照発現プロファイルも提供される:(a)急性拒絶反応のリスクが低い;または(b)急性拒絶反応のリスクが高い。ここで、発現プロファイルは、ユーザーによってアクセス可能である、例えば、ユーザー可読フォーマットのコンピューター可読媒体の上に記録される。ある特定の実施形態では、発現プロファイルは、低リスクである表現型についてのプロファイルである。ある特定の実施形態では、発現プロファイルは、高リスクである表現型についてのプロファイルである。
発現プロファイルおよびそのデータベースは、それらの使用を容易にするために様々な媒体で提供することができる。「媒体」は、本発明の発現プロファイル情報を含有する製造品を指す。本発明のデータベースは、コンピューター可読媒体、例えば、コンピューターを用いるユーザーが読み出し、直接アクセスすることができる任意の媒体の上に記録することができる。そのような媒体には、限定されずに、以下のものが含まれる:磁気記憶媒体、例えばフロッピーディスク、ハードディスク記憶媒体および磁気テープ;CD-ROMなどの光学式記憶媒体;RAMおよびROMなどの電気記憶媒体;ならびに、磁気/光学式記憶媒体などのこれらのカテゴリーの組み合わせ。当業者は、現在のデータベース情報の記録を含む製造品を作製するために、現在公知のコンピューター可読媒体のいずれかをどのように使用することができるかを容易に理解することができる。
「記録された」は、当技術分野で公知のそのような方法を使用して、コンピューター可読媒体の上に情報を保存するプロセスを指す。保存された情報にアクセスするために使用される手段に基づいて、任意の便利なデータ記憶構造を選択することができる。保存のために、様々なデータ処理装置プログラムおよびフォーマット、例えばワードプロセシングテキストファイル、データベースフォーマット等を使用することができる。したがって、対象発現プロファイルデータベースは、ユーザーにアクセス可能である、すなわち、データベースファイルはユーザー可読フォーマット(例えば、ユーザーがコンピューターを制御するコンピューター可読フォーマット)で保存される。
本明細書で使用されるように、「コンピューターベースのシステム」は、本発明の情報を分析するために使用されるハードウェア手段、ソフトウェア手段、およびデータ記憶手段を指す。本発明のコンピューターベースのシステムの最小限のハードウェアは、中央処理装置(CPU)、入力手段、出力手段およびデータ記憶手段を含む。今日利用できるコンピューターベースのシステムのいずれか1つが本発明で使用するのに好適であることを、当業者は容易に理解することができる。データ記憶手段は、上記の本情報の記録を含む任意の製造品、またはそのような製造品にアクセスすることができるメモリアクセス手段を含むことができる。
キット
ある特定の実施形態では、腎臓同種異系移植レシピエントの急性拒絶反応および同種異系移植喪失のリスクを判定するためのキットが提供される。
キットは、23メンバー遺伝子シグネチャーセットについてのプライマー、TRExおよびナノストリングアッセイのためのハウスキーピング遺伝子パネル(実施例6)、ベータアクチン(ACTB)およびグリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)を含むqPCRアッセイのためのハウスキーピング遺伝子についてのプライマー、ならびに対照プローブ、18SリボソームRNAを含む。
キットは、1つまたは複数のmRNA抽出試薬および/またはcDNA合成のための試薬をさらに含むことができる。他の実施形態では、キットは、生物剤が置かれ、好ましくは適切に小分けされる、1つまたは複数の容器を含むことができる。キットは、キット材料の使用のための印刷された説明書を含むこともできる。
キットの構成成分は、水性媒体に、または凍結乾燥形態でパッケージすることができる。キットは、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤および/または担体を含むこともできる。薬学的に許容される賦形剤、希釈剤および/または担体の非限定的な例には、RNAaseを含有しない水、蒸留水、緩衝水、生理的食塩水、PBS、リンゲル液、デキストロース溶液、反応緩衝液、標識化緩衝液、洗浄緩衝液およびハイブリダイゼーション緩衝液が含まれる。
本発明のキットは、様々な形態をとることができる。一般的に、キットは、試料中の遺伝子セットの発現レベル(例えば、本明細書に開示されるもの)を測定するのに適する試薬を含む。必要に応じて、キットは、1つまたは複数の対照試料を含有することができる。さらに、キットは、一部の場合には、参照(例えば、所定値)を提供する書面による情報(徴候)を含み、ここで、対象における遺伝子発現レベルと参照(所定値)の間の比較は、臨床状態を示す。
結論として、ベースライン時の全血におけるその発現が、腎臓移植レシピエントにおける早期および後期のARならびに移植片喪失を、ベースラインの人口統計学/臨床特徴よりも正確に予測することができる、23遺伝子セットが同定された。2つの独立したコホートで検証されたこのセットは、移植患者の大半(60~70%)である、ドナーとの≦4のHLAミスマッチの患者におけるこれらの事象の予測において特に正確であった。したがって、遺伝子セットは急性拒絶反応のリスクを最適に予測し、医師、腹側の人々が、移植時に患者を層別化し、それに応じて免疫抑制を手直しすることを可能にする。
本発明は、その範囲を制限すること無しに本発明をさらに記載するものである下の実施例において、さらに記載される。
[実施例1]
RNAシークエンシングアッセイ:23遺伝子セットの同定およびACRを予測するためのその適用
RNAシークエンシングアッセイキットは以下を含む:
1)Illumina TruSeq mRNAライブラリープレップキット
2)TruSeq RNA単一インデックスセット
3)高品質全RNAの抽出のためのQIAGEN RNeasy(登録商標)キット
RNAシークエンシングおよびデータ処理のための方法:
QIAGEN RNeasy(登録商標)キットを使用して、移植前(ベースライン)に腎臓移植レシピエントから採取された全血から全RNAを抽出し、TruSeq mRNAライブラリープレップキットでライブラリーを作出し、TruSeq RNA単一インデックスでさらに多重化した。インデックス付きのライブラリーは、Illumina HiSeq4000シーケンサーで配列決定をした。優れた品質の読み取りデータは、先ず、hg19ヒトゲノム、エクソン、スプライシング接合部セグメントを含むヒト参照データベース、ならびに、周知のBWAアラインメントアルゴリズムを使用してリボソームおよびミトコンドリア配列を含む汚染データベースと整列させた。汚染データベースにマッピングされた読み取りデータのフィルタリングの後、各転写物について最大2つのミスマッチでエクソンおよびスプライシング接合部セグメントと特異的に整列した読み取りデータは次に、各対応する転写物の発現レベルとして数えた。試料全体での転写レベルを比較するために、読み取りカウントをlog2変換し、等しい全体的中間値で正規化した。
結果
a)患者コホート記載:この研究は、RNAシークエンシングを受けた優れた品質のベースライン血液RNAを有する合計235人の患者を含んだ。それらのうち、155人は、移植の前後に連続的に採取された調査生検に関する利用可能な情報を有し、80人は移植の6カ月後から24カ月後の間に採取された調査生検に関する情報だけを有した。早期調査生検の155人の患者のうち81人が、早期の急性拒絶反応(EAR)を予測するための遺伝子シグネチャーセットを同定するための発見セットとして使用するために、ランダムに選択された。患者は、移植の6カ月後より前に得た腎生検からの炎症または尿細管炎スコア(1以上)に基づいて診断された。良く特徴付けられたEARおよび非EAR診断を有する発見セットは、遺伝子セットを同定し、リスクスコアの計算のためにEARおよび非EAR群のp値および中間発現値を導くために使用された。残りの74人の患者は、第1の検証コホート(V1)として使用した。後期の調査生検を有する80人の患者は、第2の検証コホート(V2)として使用した。
(b)23遺伝子セットの同定:RNAシークエンシングは、81人の患者の発見セットで実行された。一連の読み取りデータ品質制御の後、マッピングおよび正規化ステップを配列読み取り生データ(4)で実行した。得られた正規化読み取りカウントは、遺伝子の発現値として使用した。発見セット(N=81)におけるEARおよび非EAR群についての発現値は、周知のLIMMA(5)検査によって比較した。688個の上方制御された、および653個の下方制御された示差的発現遺伝子(DEG)が同定された。EAR群の中間値または非EAR群の中間値への遺伝子発現の比較に基づくリスクスコアを使用して、最良の予測値を有する23遺伝子セットが、発見セットにおける100反復ステップによりDEGから同定された(N=81、AUC=0.80)。リスクスコアrのために用いられた式は、上に記載されている。
(c)予測精度を推定する:遺伝子リスクスコアについての2つの三分位カットオフ(32または-23)が規定され、発見セットにおけるEARの予測のための正の予測値(PPV)>0.70および負の予測値(NPV)>0.88を実証した。
(d)早期および後期の急性拒絶反応または移植片喪失の予測のための2つの検証セットへの23遺伝子セットの適用:23遺伝子セットによる早期の急性拒絶反応の予測は、発見セットから規定される三分位カットオフ(32および-23)で、V1データセット(N=74、AUC=0.74、PPV=0.70、NPV=0.88)を使用して検証され、同種異系移植レシピエントにおいて4未満のHLAミスマッチによってより優れた性能を発揮した(AUC=0.89、PPV=0.75およびNPV=1)。遺伝子セットから導かれるリスクスコアは、2つの検証セットにおいて(N=154(V1+V2)、急性拒絶反応ではP=0.041および移植片喪失ではP=0.034)、特に≦4のHLAミスマッチを有する同種異系移植のレシピエントにおいて、移植の6カ月後のAR、および長期の移植片喪失と有意に関連していた(ARの場合P=0.005および移植片喪失の場合P=1.57e-4)。
全体的に、リスクスコアはいかなるときでも移植片喪失を正確に予測し(AUC=0.804~0.904)、予測は、≦4のHLAミスマッチを有する患者でAUC>0.80に到達した。移植から2年以内の移植片喪失だけを考慮したとき、≦4のHLAミスマッチを有する患者のためのAUCは0.904であり、5年前の移植片喪失のためのAUCは0.820であった。
[実施例2]
所与の患者のためにリスクスコアを計算するための、累積リスクスコア式の使用
1)発見セットまたはトレーニングセットからの各遺伝子のために、EARおよび非EAR群のp値および中間値を計算する(添付した表の欄「EAR_Med」、「非EAR_Med」および「P値」を参照する):
2)23個の遺伝子についての発現データを有する患者(欄「患者」)について、論理数g(欄「g」)を計算する
3)各遺伝子のために、log10(p)gを計算する(欄「-log10(p)g」)
4)32のカットオフより高い65.94のリスクスコアを得るために、23個の遺伝子のためにlog10(p)gを合計する。
[実施例3]
標的化RNA発現(TREx)アッセイ
1)カスタム仕様のアッセイキット(23遺伝子パネルおよびハウスキーピング遺伝子パネルについてのプライマーセット(実施例6)および試薬)
2)Illumina(登録商標)TruSeq(登録商標)RNA試料調製キットv2
3)TruSeq RNA単一インデックスセット
4)高品質全RNAの抽出のためのQIAGEN RNeasy(登録商標)キット
標的化発現TREx実験:
全RNAは、QIAGEN RNeasy(登録商標)キットを使用して抽出される。シークエンシングライブラリーは、Illumina(登録商標)TruSeq(登録商標)RNA試料調製キットv2を製造業者のプロトコールに従って使用して生成される:簡潔には、ポリA含有mRNAが全RNAから最初に精製され、断片化される。第1の鎖cDNAの合成は、ランダムヘキサマープライマーおよび逆転写酵素を使用して実行され、第2の鎖cDNAの合成が続く。オーバーハングをcDNAの平滑末端に変換する末端修復プロセスの後、複数のインデクシングアダプターが二本鎖cDNAの末端に加えられる。遺伝子パネルおよびハウスキーピング遺伝子に特異的なプライマー対を使用して標的を富化するために、PCRが実行される。最終的に、MiSEQシーケンサーでのシークエンシングのために、インデックス付きのライブラリーが検証され、正規化され、プールされる。
TRExデータ処理:
MiSEQシーケンサーによって生成されるRNAseq生データは、以下の手順を使用して処理される:優れた品質の読み取りデータは、先ず、hg19ヒトゲノム、エクソン、スプライシング接合部を含むいくつかのヒト参照データベース、ならびに、BWA1アラインメントアルゴリズムを使用してリボソームおよびミトコンドリアRNA配列を含む汚染データベースと整列させられる。汚染データベースにマッピングされた読み取りデータのフィルタリングの後、最大で2つのミスマッチで所望のアンプリコン(すなわち、対のプライマーからのPCR生成物)領域と固有に整列した読み取りデータは次に、対応する遺伝子の発現レベルとして数えられ、さらに、ハウスキーピング遺伝子の発現に基づく正規化に供される。
[実施例4]
ナノストリングアッセイ
1)カスタム仕様のコードセット(ナノストリングによって提供される23遺伝子パネル、ハウスキーピング遺伝子パネル(実施例6)についてのバーコード化プローブセットおよび陰性対照)。
2)nCounterカートリッジ、nCounterプレートパックおよびnCounterプレップパックを含むnCounter(登録商標)マスターキット。
3)高品質全RNAの抽出のためのQIAGEN RNeasy(登録商標)キット
ナノストリング実験:
全RNAは、QIAGEN RNeasy(登録商標)キットを製造業者のプロトコールに従って使用して抽出される。バーコードプローブは、マスターキットにより65℃の溶液の中で全RNAにアニールされる。捕捉プローブは、データ収集のために固定化されるように、標的を捕捉する。ハイブリダイゼーションの後、試料はnCounter Pre Stationに移され、プローブ/標的はnCounterカートリッジの上に固定化される。プローブは次に、nCounterデジタルアナライザーによって数えられる。
mRNAトランスクリプトームデータ分析
ナノストリングアナライザーからの生のカウントデータは、以下の手順を使用して処理される:生のカウントデータは、ハウスキーピング遺伝子の数に先ず正規化され、陰性対照の数の中間値プラス3の標準偏差より低い数を有するmRNAが除外される。異なる試薬ロットの使用から生じるデータ変動のために、各異なる試薬ロットからの各mRNAの数は、異なる試薬ロットでの試料の平均された数の比の係数を掛けることによって較正される。異なる実験バッチからの較正された数は、ComBatパッケージを使用してさらに調整される。
[実施例5]
qPCRアッセイ
1)プライマー容器(23遺伝子パネルおよび2つのハウスキーピング遺伝子(ACTBおよびGAPDH)および対照プローブ(18SリボソームRNA)を含む、23個の遺伝子の各々について1チューブにつき1つのqPCRアッセイを有する26個のチューブ)。アッセイは、LifeTechから得られる。
2)TaqMan(登録商標)ユニバーサルマスターミックスII:qPCR反応のための試薬
3)TaqMan(登録商標)ARRAY 96ウェルプレート(6×23)。
4)Agilent AffinityScript QPCR cDNA合成キット:RNAをcDNAに変換する最も高い効率のため、およびリアルタイム定量的PCR(QPCR)適用のために完全に最適化されている。
全RNAは、ALLprepキット(QIAGEN-ALLprepキット、Valencia、CA、USA)を使用して同種異系移植生検試料から抽出される。cDNAは、オリゴdTプライマー(Agilent Inc.Santa Clara、CA)とAffinityScript RTキットを使用して合成される。23遺伝子シグネチャーセット、2つのハウスキーピング遺伝子(ACTB、GAPDH)および18SリボソームRNAのためのTaqMan qPCRアッセイは、ABI Life Technology(Grand Island、NY)から購入される。qPCR実験は、TAQMANユニバーサルミックスを使用してcDNAで実行され、PCR反応は、ABI7900HTシステムを使用して監視され、取得される。試料は、3反復で測定される。遺伝子セットならびに2つのハウスキーピング遺伝子の予測のためのサイクル時間(CT)値が生成される。各遺伝子のΔCT値は、各遺伝子のCT値からハウスキーピング遺伝子の平均CT値を引き算することによって計算される。
[実施例6]
本発明で使用するためのハウスキーピング遺伝子パネル
本発明のアッセイにおける品質をモニタリングするために遺伝子パネルとして使用することができる、13個のハウスキーピング遺伝子候補が下に提示される。反応の品質をモニタリングするために、1パネルにつき10個の遺伝子が使用される。キットは、ハウスキーピング遺伝子についてのプライマーも含有する。10個のハウスキーピング遺伝子は、CHTOP、YKT6、RER1、PI4KB、ZDHHC5、TMEM248、C6orf89、SMU1、SHC1、DLST、UBE2Q1、FBXO18およびSLC35E1からなる群から選択される。
参考文献:
本発明のいくつかの実施形態が記載された。それにもかかわらず、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な改変を加えることができることが理解されよう。したがって、他の実施形態は、以下の請求項の範囲内にある。
全ての値は近似値であり、説明のために提供されることをさらに理解すべきである。特
許、特許出願、刊行物、製品説明およびプロトコールが本出願全体で引用され、その開示
は全ての目的のために参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。

本発明は次の実施態様を含む。
[1]
急性拒絶反応を起こすリスクがある腎臓同種異系移植レシピエントを同定する方法であって、
(a)前記腎臓同種異系移植レシピエントからの移植前血液検体中の遺伝子シグネチャーセットの発現レベルを測定するステップと、
(b)前記遺伝子シグネチャーセットの発現レベルを、対照中の遺伝子シグネチャーセットの発現レベルと比較するステップと、
(c)前記検体中の前記遺伝子シグネチャーセットにおける1つまたは複数の遺伝子の発現レベルが、前記対照中の前記遺伝子シグネチャーセットにおける同じ1つまたは複数の遺伝子の発現レベルから変化している場合、レシピエントは同種異系移植拒絶反応のリスクがあると判定するステップと
を含む方法。
[2]
前記変化が、前記対照中の前記遺伝子シグネチャーセットにおける1つまたは複数の遺伝子と比較した、前記検体中の前記遺伝子シグネチャーセットにおける同じ1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの増加または低下を含む、上記[1]に記載の方法。
[3]
前記変化が、前記対照中の前記遺伝子シグネチャーセットにおける1つまたは複数の遺伝子と比較した、前記検体中の前記遺伝子シグネチャーセットにおける同じ1つまたは複数の遺伝子の発現レベルの増加および低下を含む、上記[1]または[2]に記載の方法。
[4]
前記遺伝子シグネチャーセットが、GZMH、ADGRG1、S1PR5、FGFBP2、NKG7、PRF1、KIAA1671、LAG3、TARP、FCRL6、FASLG、TBX21、TOX、ZNF831、CD8A、C1orf21、CCR5、LDOC1L、CCDC102A、HOPX、PRKCH、SLC25A34およびF12からなる群から選択される、上記[1]、[2]または[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
前記判定するステップが、患者の試料において測定される発現レベルを、加重累積リスクスコアr=-(log 10 (p +log 10 (p +・・・+log 10 (p +・・・+log 10 (p 23 23 )に適用することを含み、式中、p は、トレーニングセットにおけるEAR対非EAR群の間の遺伝子i(i=1・・・23)の発現値についてのt検定の有意性p値であり、g は、各患者の急性拒絶反応のリスクスコアとして使用することができる、遺伝子i(i=1・・・23)の論理数であり、1(遺伝子iの発現値が、上方制御された遺伝子のトレーニングセットのEAR群の中間発現値より大きい場合、または、遺伝子iの発現値が、下方制御された遺伝子のトレーニングセットのEAR群の中間発現値より小さい場合)、または、-1(遺伝子iの発現値が、上方制御された遺伝子のトレーニングセットの非EAR群の中間値より小さい場合、または、遺伝子iの発現値が、下方制御された遺伝子のトレーニングセットの非EAR群の中間値より大きい場合)、または、0(遺伝子iの発現値が、トレーニングセットのEAR群の中間値と非EAR群の中間値の間である場合)である、上記[1]~[3]または[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
前記発現レベルが、ナノストリング、TRExおよび定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)からなる群から選択される方法によって測定される、上記[1]~[4]または[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
移植前に同種異系移植の急性拒絶反応のリスクがある腎臓同種異系移植レシピエントを同定する方法であって、
(a)前記腎臓同種異系移植レシピエントから血液検体を得るステップと、
(b)前記血液検体からmRNAを単離するステップと、
(c)前記mRNAからcDNAを合成するステップと、
(d)前記レシピエントの血液中の遺伝子シグネチャーセットの発現レベルを測定するステップと、
(e)前記同種異系移植レシピエントの血液検体中の前記遺伝子シグネチャーセットにおける1つまたは複数の遺伝子の発現レベルが、対照血液検体中の同じ1つまたは複数の遺伝子の発現レベルと比較して変化している場合、前記同種異系移植レシピエントを急性拒絶反応および同種異系移植喪失のリスクがあると診断し、急性拒絶反応または同種異系移植喪失のリスクがあると同定された前記レシピエントを、導入療法によって処置するステップと
を含む方法。
[8]
前記導入療法が、抗胸腺細胞グロブリンまたはCampath-1Hの治療上有効量を投与することを含む、上記[7]に記載の方法。
[9]
前記遺伝子シグネチャーセットが、GZMH、ADGRG1、S1PR5、FGFBP2、NKG7、PRF1、KIAA1671、LAG3、TARP、FCRL6、FASLG、TBX21、TOX、ZNF831、CD8A、C1orf21、CCR5、LDOC1L、CCDC102A、HOPX、PRKCH、SLC25A34およびF12からなる群から選択される、上記[7]または[8]に記載の方法。
[10]
前記発現レベルが、ナノストリング、TRExおよび定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)からなる群から選択される方法によって測定される、上記[7]~[8]または[9]のいずれかに記載の方法。
[11]
急性拒絶反応および同種異系移植喪失のリスクがある腎臓同種異系移植レシピエントを同定するためのキットであって、1つまたは複数の別個の容器に、遺伝子シグネチャーセット:GZMH、ADGRG1、S1PR5、FGFBP2、NKG7、PRF1、KIAA1671、LAG3、TARP、FCRL6、FASLG、TBX21、TOX、ZNF831、CD8A、C1orf21、CCR5、LDOC1L、CCDC102A、HOPX、PRKCH、SLC25A34、F12についてのプライマー対、緩衝液、陽性対照および陰性対照ならびに使用説明書を含むキット。
[12]
ハウスキーピング遺伝子パネルおよび前記ハウスキーピング遺伝子パネルについてのプライマーをさらに含む、上記[11]に記載のキット。
[13]
前記ハウスキーピング遺伝子パネルにおける遺伝子が、CHTOP、YKT6、RER1、PI4KB、ZDHHC5、TMEM248、C6orf89、SMU1、SHC1、DLST、UBE2Q1、FBXO18およびSLC35E1からなる群から選択される、上記[11]または[12]に記載のキット。
[14]
加重累積スコア(r=-(log 10 (p +log 10 (p +・・・+log 10 (p +・・・+log 10 (p 23 23 )を計算することをさらに含み、式中、p は、トレーニングセットにおけるEAR対非EAR群の間の遺伝子i(i=1・・・23)の発現値についてのt検定の有意性p値であり、g は、各患者の急性拒絶反応のリスクスコアとして使用することができる、遺伝子i(i=1・・・23)の論理数であり、1(遺伝子iの発現値が、上方制御された遺伝子のトレーニングセットのEAR群の中間発現値より大きい場合、または、遺伝子iの発現値が、下方制御された遺伝子のトレーニングセットのEAR群の中間発現値より小さい場合)、または、-1(遺伝子iの発現値が、上方制御された遺伝子のトレーニングセットの非EAR群の中間値より小さい場合、または、遺伝子iの発現値が、下方制御された遺伝子のトレーニングセットの非EAR群の中間値より大きい場合)、または、0(遺伝子iの発現値が、トレーニングセットのEAR群の中間値と非EAR群の中間値の間である場合)である、上記[7]または[8]に記載の方法。
[15]
確率スコアが、コンピューターベースのシステムを使用して測定される、上記[14]に記載の方法。
[16]
前記確率スコアが、カットオフ値を決定するために使用される、上記[14]または[15]に記載の方法。
[17]
腎臓急性拒絶反応または同種異系移植喪失のリスクを低減するために、移植前の導入療法のための腎臓同種異系移植患者を選択する方法であって、
前記患者から得られた遺伝子シグネチャーセットの発現レベルを、急性拒絶反応を患わなかった同種異系移植レシピエントから得られた対照試料中の遺伝子シグネチャーセットの発現レベルと比較するステップと、前記患者からの前記遺伝子シグネチャーセットにおける1つまたは複数の遺伝子の発現レベルが、前記対照中の前記遺伝子シグネチャーセットにおける前記遺伝子の1つまたは複数の発現レベルと比較して変化している場合、導入療法による処置のために前記患者を選択するステップと、
前記患者に導入療法を実施するステップと
を含む方法。
[18]
前記導入療法が、抗胸腺細胞グロブリンまたはCampath-1Hの治療上有効量を投与することを含む、上記[17]に記載の方法。
[19]
前記遺伝子シグネチャーセットが、少なくとも、遺伝子GZMH、ADGRG1、S1PR5、FGFBP2、NKG7、PRF1、KIAA1671、LAG3、TARP、FCRL6、FASLG、TBX21、TOX、ZNF831、CD8A、C1orf21、CCR5、LDOC1L、CCDC102A、HOPX、PRKCH、SLC25A34およびF12を含む、上記[17]または[18]に記載の方法。

Claims (15)

  1. 急性拒絶反応を起こすリスクがある腎臓同種異系移植レシピエントを同定する方法であって、
    (a)前記腎臓同種異系移植レシピエントからの移植前血液検体中の遺伝子シグネチャーセットの発現レベルを測定するステップと、
    (b)前記遺伝子シグネチャーセットの発現レベルを、対照中の遺伝子シグネチャーセットの発現レベルと比較するステップと、
    (c)前記検体中及び前記対照中の遺伝子シグネチャーセットにおける全ての遺伝子の発現レベルから、各レシピエントの加重累積リスクスコアを計算し、レシピエントの加重累積リスクスコアが三分位カットオフより高い場合、レシピエントは同種異系移植拒絶反応のリスクがあると判定するステップとを含み、
    前記遺伝子シグネチャーセットが、GZMH、ADGRG1、S1PR5、FGFBP2、NKG7、PRF1、KIAA1671、LAG3、TARP、FCRL6、FASLG、TBX21、TOX、ZNF831、CD8A、C1orf21、CCR5、LDOC1L、CCDC102A、HOPX、PRKCH、SLC25A34およびF12を含む、前記方法。
  2. 前記判定するステップが、レシピエントの検体において測定される発現レベルを、加重累積リスクスコアr=-(log10(p+log10(p+・・・+log10(p+・・・+log10(p2323)に適用することを含み、
    式中、pは、トレーニングセットにおけるEAR対非EAR群の間の遺伝子i(i=1・・・23)の発現値についてのt検定の有意性p値であり、
    は、各レシピエントの急性拒絶反応のリスクスコアとして使用することができる、遺伝子i(i=1・・・23)の論理数であり、
    1(遺伝子iの発現値が、上方制御された遺伝子のトレーニングセットのEAR群の中間発現値より大きい場合、または、遺伝子iの発現値が、下方制御された遺伝子のトレーニングセットのEAR群の中間発現値より小さい場合)、または、
    -1(遺伝子iの発現値が、上方制御された遺伝子のトレーニングセットの非EAR群の中間値より小さい場合、または、遺伝子iの発現値が、下方制御された遺伝子のトレーニングセットの非EAR群の中間値より大きい場合)、または、
    0(遺伝子iの発現値が、トレーニングセットのEAR群の中間値と非EAR群の中間値の間である場合)である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記発現レベルが、ナノストリング、TRExおよび定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)からなる群から選択される方法によって測定される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 移植前に同種異系移植の急性拒絶反応のリスクがある腎臓同種異系移植レシピエントを同定する方法であって、
    (a)前記腎臓同種異系移植レシピエントからの血液検体からmRNAを単離するステップと、
    (b)前記mRNAからcDNAを合成するステップと、
    (c)前記レシピエントの血液検体中の遺伝子シグネチャーセットの発現レベルを測定するステップと、
    (d)前記レシピエントの血液検体中の遺伝子シグネチャーセットの発現レベルを、対照中の遺伝子シグネチャーセットの発現レベルと比較し、前記検体中及び前記対照中の遺伝子シグネチャーセットにおける全ての遺伝子の発現レベルから、各レシピエントの加重累積リスクスコアを計算し、レシピエントの加重累積スコアが三分位カットオフより高い場合、前記同種異系移植レシピエントを急性拒絶反応および同種異系移植喪失のリスクがあると判定するステップと
    を含み、
    前記遺伝子シグネチャーセットが、GZMH、ADGRG1、S1PR5、FGFBP2、NKG7、PRF1、KIAA1671、LAG3、TARP、FCRL6、FASLG、TBX21、TOX、ZNF831、CD8A、C1orf21、CCR5、LDOC1L、CCDC102A、HOPX、PRKCH、SLC25A34およびF12を含む、
    前記方法。
  5. 前記発現レベルが、ナノストリング、TRExおよび定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)からなる群から選択される方法によって測定される、請求項に記載の方法。
  6. 前記判定するステップが、レシピエントの検体において測定される発現レベルを、加重累積リスクスコアr=-(log10(p+log10(p+・・・+log10(p+・・・+log10(p2323)に適用することを含み、
    式中、pは、トレーニングセットにおけるEAR対非EAR群の間の遺伝子i(i=1・・・23)の発現値についてのt検定の有意性p値であり、
    は、各レシピエントの急性拒絶反応のリスクスコアとして使用することができる、遺伝子i(i=1・・・23)の論理数であり、
    1(遺伝子iの発現値が、上方制御された遺伝子のトレーニングセットのEAR群の中間発現値より大きい場合、または、遺伝子iの発現値が、下方制御された遺伝子のトレーニングセットのEAR群の中間発現値より小さい場合)、または、
    -1(遺伝子iの発現値が、上方制御された遺伝子のトレーニングセットの非EAR群の中間値より小さい場合、または、遺伝子iの発現値が、下方制御された遺伝子のトレーニングセットの非EAR群の中間値より大きい場合)、または、
    0(遺伝子iの発現値が、トレーニングセットのEAR群の中間値と非EAR群の中間値の間である場合)である、請求項又はに記載の方法。
  7. 急性拒絶反応および同種異系移植喪失のリスクがある腎臓同種異系移植レシピエントを同定するためのキットであって、1つまたは複数の別個の容器に、GZMH、ADGRG1、S1PR5、FGFBP2、NKG7、PRF1、KIAA1671、LAG3、TARP、FCRL6、FASLG、TBX21、TOX、ZNF831、CD8A、C1orf21、CCR5、LDOC1L、CCDC102A、HOPX、PRKCH、SLC25A34およびF12を含む遺伝子シグネチャーセットについてのプライマー対、緩衝液、陽性対照および陰性対照ならびに使用説明書を含むキット。
  8. ハウスキーピング遺伝子パネルおよび前記ハウスキーピング遺伝子パネルについてのプライマーをさらに含む、請求項に記載のキット。
  9. 前記ハウスキーピング遺伝子パネルにおける遺伝子が、CHTOP、YKT6、RER1、PI4KB、ZDHHC5、TMEM248、C6orf89、SMU1、SHC1、DLST、UBE2Q1、FBXO18およびSLC35E1からなる群から選択される、請求項またはに記載のキット。
  10. 前記レシピエントを同定するために、検体中の前記遺伝子シグネチャーセットにおける1つまたは複数の遺伝子の発現レベルから、各レシピエントの加重累積リスクスコアが計算され、レシピエントの加重累積スコアが三分位カットオフより高い場合、前記レシピエントは急性拒絶反応のリスクがあると同定される、請求項のいずれか一項に記載のキット。
  11. 前記レシピエントを同定するために、検体中の前記遺伝子シグネチャーセットにおける1つまたは複数の遺伝子の発現レベルから、各レシピエントの加重累積スコア(r=-(log10(p+log10(p+・・・+log10(p+・・・+log10(p2323)が計算され、
    式中、pは、トレーニングセットにおけるEAR対非EAR群の間の遺伝子i(i=1・・・23)の発現値についてのt検定の有意性p値であり、
    は、各レシピエントの急性拒絶反応のリスクスコアとして使用することができる、遺伝子i(i=1・・・23)の論理数であり、
    1(遺伝子iの発現値が、上方制御された遺伝子のトレーニングセットのEAR群の中間発現値より大きい場合、または、遺伝子iの発現値が、下方制御された遺伝子のトレーニングセットのEAR群の中間発現値より小さい場合)、または、
    -1(遺伝子iの発現値が、上方制御された遺伝子のトレーニングセットの非EAR群の中間値より小さい場合、または、遺伝子iの発現値が、下方制御された遺伝子のトレーニングセットの非EAR群の中間値より大きい場合)、または、
    0(遺伝子iの発現値が、トレーニングセットのEAR群の中間値と非EAR群の中間値の間である場合)であり、
    レシピエントの加重累積スコアが三分位カットオフより高い場合、前記レシピエントは急性拒絶反応のリスクがあると同定される、請求項のいずれか一項に記載のキット。
  12. 確率スコアが、コンピューターベースのシステムを使用して測定される、請求項のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記確率スコアが、カットオフ値を決定するために使用される、請求項12に記載の方法。
  14. 腎臓急性拒絶反応または同種異系移植喪失のリスクを低減するために、移植前の導入療法のための腎臓同種異系移植患者を選択する方法であって、
    前記患者から得られた検体中の遺伝子シグネチャーセットの発現レベルを、急性拒絶反応を患わなかった同種異系移植レシピエントから得られた対照中の遺伝子シグネチャーセットの発現レベルと比較するステップと、
    前記検体中及び前記対照中の遺伝子シグネチャーセットにおける全ての遺伝子の発現レベルから、各患者の加重累積リスクスコアを計算し、患者の加重累積リスクスコアが三分位カットオフより高い場合、前記患者選択するステップとを含み、
    前記遺伝子シグネチャーセットが、GZMH、ADGRG1、S1PR5、FGFBP2、NKG7、PRF1、KIAA1671、LAG3、TARP、FCRL6、FASLG、TBX21、TOX、ZNF831、CD8A、C1orf21、CCR5、LDOC1L、CCDC102A、HOPX、PRKCH、SLC25A34およびF12を含む、
    記方法。
  15. 前記患者の選択において、前記検体中及び前記対照中の遺伝子シグネチャーセットにおける全ての遺伝子の発現レベルから、各患者の加重累積スコア(r=-(log10(p+log10(p+・・・+log10(p+・・・+log10(p2323)が計算され、
    式中、pは、トレーニングセットにおけるEAR対非EAR群の間の遺伝子i(i=1・・・23)の発現値についてのt検定の有意性p値であり、
    は、各患者の急性拒絶反応のリスクスコアとして使用することができる、遺伝子i(i=1・・・23)の論理数であり、
    1(遺伝子iの発現値が、上方制御された遺伝子のトレーニングセットのEAR群の中間発現値より大きい場合、または、遺伝子iの発現値が、下方制御された遺伝子のトレーニングセットのEAR群の中間発現値より小さい場合)、または、
    -1(遺伝子iの発現値が、上方制御された遺伝子のトレーニングセットの非EAR群の中間値より小さい場合、または、遺伝子iの発現値が、下方制御された遺伝子のトレーニングセットの非EAR群の中間値より大きい場合)、または、
    0(遺伝子iの発現値が、トレーニングセットのEAR群の中間値と非EAR群の中間値の間である場合)であり、
    患者の加重累積リスクスコアが三分位カットオフより高い場合、前記患者は選択される、
    請求項14に記載の方法。
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