JP7464179B1 - 防護材料および防護衣 - Google Patents

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Abstract

【課題】除染作業に必要となる人的労力および作業時間の軽減を図ることが可能であり、更に、日射による輻射熱の影響を抑制することで、防護衣の内部温度の上昇を抑制することが可能な、防護材料および防護衣の提供を目的とする。【解決手段】本発明の防護材料は、内側に位置するゴム層と、ゴム層に積層され、外側に位置する外側層とを備え、外側層には凹凸形状付与粒子及び赤外反射剤が含まれている。【選択図】図1

Description

本開示は、有毒なガスや液体等から人体を防護するための防護材料および防護衣に関するものである。
有毒なガスや液体等から人体を保護する防護材料に関する技術が、たとえば、特許第5784812号公報(特許文献1)に開示されている。このような防護材料には、有毒な液体等に対しては、材料表面の良好な撥水性および撥油性が求められ、材料の表面処理に関する技術が、たとえば、特開2003-2903号公報(特許文献2)および特開2010-24279号公報(特許文献3)に開示されている。
特許第5784812号公報 特開2003-2903号公報 特開2010-24279号公報
たとえば、防護材料を用いた防護衣に有害な液体等が付着した場合には、さらし粉水溶液等を用いた除染剤を用いた除染作業が必要となる。この作業は、複数名の除染作業員が、防護衣を装着した被装着者に対して行なわれるが、除染作業に必要となる人的労力および作業時間が大きいことが課題となっている。
また、防護材料を用いた防護衣は、全身が覆われることから、屋外での使用時には、日射による輻射熱の影響で、防護衣の内部は高温となる。そのために、長時間にわたる防護衣の着用は困難であり、その結果、防護衣を着用して行なう作業の作業効率が低下する。
本開示では、上記課題を解決することにあり、除染作業に必要となる人的労力および作業時間の軽減を図ることが可能な、防護材料および防護衣を提供することを目的とする。更に、日射による輻射熱の影響を抑制することで、防護衣の内部温度の上昇を抑制することが可能な、防護材料および防護衣を提供することを目的とする。
[1]本開示の防護材料においては、内側と外側とを備える防護材料であって、内側に位置するゴム層と、前記ゴム層に積層され、外側に位置する外側層と、を備え、前記外側層には、凹凸形状付与粒子及び赤外反射剤が含まれている。
[2]:[1]に記載の防護材料であって、前記凹凸形状付与粒子の形状は、テトラポット状、針状、多角形状、または球状である。
[3]:[1]または[2]に記載の防護材料であって、前記凹凸形状付与粒子は、テトラポット型酸化亜鉛である。
[4]:[1]から[3]のいずれか1に記載の防護材料であって、前記ゴム層の上記外側層が積層されている面とは反対面に、布帛、第2ゴム層が、記載の順に積層されている。
[5]:[4]に記載の防護材料であって、前記布帛は、織物、編物、または不織布である。
[6]:[4]または[5]に記載の防護材料であって、前記ゴム層と前記第2のゴム層とは、異なる種類のゴムが用いられている。
[7]:[1]から[6]のいずれか1に記載の防護材料であって、前記外側層の全固形分のうち前記赤外反射材を除いた固形分に対して、前記凹凸形状付与粒子が40wt%~60wt%含まれている。
[8]:[1]から[7]のいずれか1に記載の防護材料であって、前記赤外反射剤は、チタン、マンガン、カルシウム、鉄、ビスマス、クロム、及びニッケルの金属元素を少なくとも1種類以上含む顔料であり、前記外側層の全固形分のうち前記赤外反射材を除いた固形分に対して、前記赤外反射剤が5wt%~30wt%含まれている。
[9]:[1]から[8]のいずれか1に記載の防護材料であって、前記赤外線反射剤の平均粒子径は、600nm以上1500nm以下である。
[10]:本開示の防護衣においては、[1]から[9]のいずれか1に記載の防護材料を用いる。
本開示に従えば、除染作業に必要となる人的労力および作業時間の軽減を図ることを可能な、防護材料および防護衣の提供を可能とする。更に、日射による輻射熱の影響を抑制することで、防護衣の内部温度の上昇を抑制することが可能な、防護材料および防護衣の提供を可能とする。
実施の形態1の防護材料の断面構造図である。 テトラポッド型酸化亜鉛の形状を示す拡大図である。 積層構造の電子顕微鏡写真を示す図である。 接触角を示す模式図である。 滑落角を示す模式図である。 遮熱性試験、および表面温度測定を説明する図である。 実施の形態1の防護材料の評価結果を示す図である。 実施の形態2の防護衣の構成を示す正面図である。
本開示に基づいた各実施の形態の防護材料および防護衣について、以下、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。理解を容易にするために、図に示す膜厚さ、および、層厚さについては、実際の比率とは異ならせて記載している。
明細書中、「外側」とは、防護材料の使用時において、有害な液体等に曝される側を意味し、「内側」とは、防護材料の使用時において、有害な液体等に曝されない側を意味する。したがって、この防護材料を防護衣に用いた場合には、着用者に触れる側が「内側」
となる。
[実施の形態1:防護材料1]
次に、図1から図3を参照して、本実施の形態の防護材料1について説明する。図1は、防護材料1の断面構造図、図2は、テトラポッド型酸化亜鉛の形状を示す拡大図、図3は、防護材料1の積層構造の電子顕微鏡写真である。
この防護材料1は、内側と外側とを備える防護材料であって、内側に位置するゴム層11と、ゴム層11に積層され、外側に位置する外側層12とを備える。ゴム層11の厚さは、約0.1mm~0.3mm程度である。ゴム層11に用いられるゴムの種類は、ニトリルゴム(NBR)、エピクロロヒドリンゴム(CO,ECO)、塩素化ブチルゴム(CIIR)、ブチルゴム(IIR)、臭素化ブチルゴム(BrIIR)、フッ素ゴム,クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、ウレタンゴム等である。
外側層12は、ゴム層11と同種の材料であるのが好ましい。より好ましくはゴム層11と同種のゴムに、凹凸形状付与粒子及び赤外反射剤が含まれる。本明細書において、凹凸形状付与粒子とは、ゴム層11の表面に凹凸形状を与えることのできる材料のことを示している。凹凸形状付与粒子の形状としては、例えば、テトラポット状、針状、球状、多角形状等が挙げられる。原料としては、アルミナ、チタン酸カリウム、ウォラストナイト、酸化亜鉛、ホウ酸アルミニウム等の無機酸化物;クロム、銅、鉄、ニッケル等の金属;炭化ケイ素、黒鉛、窒化ケイ素等の無機酸化物及び金属以外の無機物を挙げることができる。具体例としては、テトラポット型酸化亜鉛、球状シリカ等である。
図2に示すように、テトラポッド型酸化亜鉛の結晶体Rは、護岸用の「テトラポッド(登録商標)」型の形状を有している。具体的には、結晶体Rは、亜鉛金属の蒸気と酸素が反応して正八角形状の各部の交互の4面から六方晶ZnOのC軸方向に成長した針状結晶体である。一つの針状の結晶の長さは、1~50μmであり、好ましくは5~30μm、より好ましくは8~20μmである。図3に示すように、積層構造においては、複数の結晶体Rが重なりあって積層されることで、外側層12は、表面に凹凸が表れる、多孔質状の層構造材料となる。
外側層12は、ゴム層11と同種のゴム又は樹脂にテトラポッド型酸化亜鉛及び赤外反射剤が分散された構造が好ましい。外側層12において、全固形分のうち赤外反射剤を除く固形分(ここでは、ゴム又は樹脂+テトラポッド型酸化亜鉛)に対して、テトラポッド型酸化亜鉛は、30wt%~70wt%、好ましくは40~60wt%、含有されている。そうすると、外側層12は脆くなるが、加熱加硫することで同種のゴム層11と外側層12との間で架橋構造が形成され、強固に結合し外側層12の膜強度が向上する。テトラポッド型酸化亜鉛としては、たとえば、酸化亜鉛からなるテトラポッド状単結晶体粉末(株式会社アムテック製「パナテトラWZ-0501」、平均繊維長(針状部分):約10μm)を用いることができる。なお、ゴム又は樹脂に添加剤を含有させる場合には、赤外反射剤を除く固形分には、その添加剤も入る。
その結果、外側層12の表側に現れる凹凸が、後に説明する防護材料1の撥水性の評価結果に対して良好な結果もたらす。
また、外側層12には赤外反射剤が含有されている。本明細書において、赤外反射剤とは、自然光に含まれる近赤外域(780nm~2500nm)の光を反射することが可能な材料を意味する。赤外反射剤としては、チタン、マンガン、カルシウム、鉄、ビスマス、クロム、ニッケル等の金属元素を1種類以上含む顔料を用いることができ、たとえば金
属酸化物(TiO、Fe、Mn、MnO、Cr、CoO、CuO、CaO)等が用いることができる。本実施の形態では、外側層12に含まれる赤外反射剤の含有量は、外側層12の全固形分のうち赤外反射剤を除く固形分(ここでは、ゴム+テトラポッド型酸化亜鉛)に対し、5wt%~30wt%、好ましくは15~20wt%程度である。
赤外反射剤により、日射反射率を外側層12で高めることができる。その結果、防護材料1の内側での温度上昇を抑制することを期待することができる。詳細については、図7を用いて後述する。
(防護材料の評価方法)
次に、図4から図6を参照して、防護材料の評価方法について説明する。図4は、接触角を示す模式図、図5は、滑落角を示す模式図、図6は、遮熱性試験及び表面温度測定を示す模式図である。
はじめに、図4および図5を参照して、材料表面に付着した液滴の評価に用いる「θ:接触角(静的)」および「α:滑落角(動的)」について説明する。図4を参照して、「θ:接触角(静的)」の評価は、水平な面に対する液滴W1の付着状態を評価するものである。図4に示すように、液滴W1の表面に対する接線と水平面とのなす角θが大きいほど、水平な面に対する液滴W1の付着の量は少なく、液滴W1は球に近い形状を維持し、撥水性が良好な液滴W1と評価できる。θが150度以上であれば、水平な面に対して液滴W1は、コロコロと弾かれて、滑り易い状態といえる。
一方、図5を参照して、「α:滑落角(動的)」の評価は、液滴W1が落下を開始する傾斜角度を評価する。図5に示すように、液滴W1の斜面に対する付着力が小さいほど、小さい傾斜角度αで液滴W1が落下を開始する。したがって、液滴W1が落下を開始する傾斜角度αが小さいほど、撥水性が良好な液滴W1と評価できる。
評価対象として、「θ:接触角(静的)」として、撥水性(水)を評価した。「α:滑落角(動的)」も同様に、撥水性(水)を評価した。具体的な、接触角、滑落角の測定方法は、30μLの滴下量で、測定装置として協和界面科学DMo710を用いて、滑落角判定として前進角が1mm動いたときを測定するものである。
日射対策に係わる評価項目として、「色」、「遮熱率」、「表面温度」、「日射反射率」の各項目を評価した。
生地の遮熱性試験(JISL1951)に準拠し、遮熱率を算出した。図6に示す試験装置10を用いて、環境温度を20度~25度とし、光源にはレフランプ110(岩崎電気PRS-500W)を用いた。レフランプ110の出力は500Wである。防護材料サンプルSまでの距離(サンプル-光源間)は40cmである。
レフランプ110による熱線の照射時間は、15分である。熱線受光体130が、防護材料サンプルSで覆われないブランク領域R1と、熱線受光体130が防護材料サンプルSで覆われる領域R2とを準備した。熱線受光体130の温度変化を複数箇所で測定し、各箇所の温度変化の平均値を求めた。防護材料サンプルSの温度変化は、サーモカメラ141で測定し、熱線受光体130の温度変化は、サーモカメラ142で測定した。判定基準として、光照射から15分後の表面温度が、50℃未満であると◎、50℃以上60℃未満であると〇、60℃以上であると×、とした。
熱線照射前(照射時間0分)において、領域R1の熱線受光体130の平均温度が20
度、領域R2の熱線受光体130の平均温度が20度の状態から、熱線照射後(照射時間15分)において、領域R1の熱線受光体130の平均温度が60度に変化し、領域R2の熱線受光体130の温度が40度に変化したと仮定する。この場合の、領域R1の温度変化ΔTが40度であり、領域R2の温度変化ΔTが20度であることから、防護材料サンプルSの熱遮率(%)は、((40-20)/40)×100(%)=50%となる。
上記遮熱率(%)の計算式に基づき、防護材料の遮蔽率を算出した。なお、図7中の表面温度は、防護材料の表面温度を示す。
日射反射率については、分光光度計(島津製作所株式会社製、UV-VIS-NIR分光光度計SolidSpec-3700)を用いて、300-2500nmの分光反射率を測定し、JIS K 5602:2008(塗膜の日射反射率)に基づき、近紫外・可視光域(300-780nm)および近赤外域(780-2500nm)にて判定した。判定基準は、近紫外・可視光域の日射反射率が、15%未満であると〇、15%以上であると×、近赤外域の日射反射率が、40%以上であると〇、40%未満であると×、とした。
(実施例及び比較例)
次に、実施の形態1の実施例として下記のように防護材料1A~1Cを製造し、上記評価を行った。また、比較例1,2の防護材料を製造し、上記評価を行った。図7に、防護材料1A~1C、及び比較例1,2の防護材料の評価結果を示す。
防護材料1Aは、ゴム層11にブチルゴムを用い、その外側にコーティング材をナイフコーティングし、乾燥、および加熱加硫し、外側層12を形成した。上記コーティング材は、ブチルゴム:ZnO:溶媒(トルエン)の質量比が、17.5:17.5:65になるように混合し、更に赤外反射剤として、チタン、マンガン、カルシウムの金属元素からなる石原産業株式会社製「SG-101」を、上記混合物の固形分(ブチルゴム及びZnO)に対して、10wt%配合したものを用いた。
「θ:接触角(静的)」での撥水性(水)は、140°、「α:滑落角(動的)」での撥水性(水)は、8°と良好であった。また、「遮熱率」は50%、「表面温度」は59℃、「日射反射率」は「近紫外・可視光域(300nm~780nm)」において、13.2%、「近赤外域(780nm~2500nm)」において、49.1%と良好な結果が得られた。
防護材料1Bは、赤外反射剤(石原産業(株)製、品番SG101)を、混合物の固形分(ブチルゴム及びZnO)に対して、15wt%混合した以外は防護材料1Aと同様に作製した。
「θ:接触角(静的)」での撥水性(水)は、142°、「α:滑落角(動的)」での撥水性(水)は、7°と良好であった。また、「遮熱率」は53%、「表面温度」は58℃、「日射反射率」は「近紫外・可視光域(300nm~780nm)」において、12.9%、「近赤外域(780nm~2500nm)」において、50.9%と良好な結果が得られた。
防護材料1Cは、赤外反射剤(石原産業(株)製、品番SG101)を、混合物の固形分(ブチルゴム及びZnO)に対して、20wt%混合した以外は防護材料1Aと同様に作製した。
「θ:接触角(静的)」での撥水性(水)は、139°、「α:滑落角(動的)」での撥水性(水)は、9°と良好であった。また、「遮熱率」は52%、「表面温度」は58℃、「日射反射率」は「近紫外・可視光域(300nm~780nm)」において、10.8%、「近赤外域(780nm~2500nm)」において、49.5%と良好な結果
が得られた。
比較例1の防護材料は、ゴム層11にブチルゴムを用いたのみで外側層12は形成しなかった。
「θ:接触角(静的)」での撥水性(水)は、99°、「α:滑落角(動的)」での撥水性(水)は、41°であった。また、「遮熱率」は38%、「表面温度」は65℃、「日射反射率」は「近紫外・可視光域(300nm~780nm)」において7.9%、「近赤外域(780nm~2500nm)」において、6.7%であった。防護材料1A~1Cに比べ、接触角、遮熱率、表面温度、日射反射率(近赤外域)が劣る結果であった。
比較例2の防護材料は、ゴム層11にブチルゴムを用い、その外側にブチルゴム:ZnO:溶媒(トルエン)の質量比が17.5:17.5:65になるように混合したものを、ナイフコーティングし、乾燥、および加熱加硫し外側層12を形成した。
「θ:接触角(静的)」での撥水性(水)は、143°、「α:滑落角(動的)」での撥水性(水)は、7°であった。また、「遮熱率」は55%、「表面温度」は56℃、「日射反射率」は「近紫外・可視光域(300nm~780nm)」において57.9%、「近赤外域(780nm~2500nm)」において、54.4%であった。防護材料1A~1Cに比べ、日射反射率(近紫外・可視光域)が高く、防護材料には適さない結果であった(暗い色が好まれる)。
「θ:接触角(静的)」および「α:滑落角(動的)」の評価において、防護材料1A~1Cは、比較例1の防護材料の評価よりも高評価が得られた。よって、防護材料1A~1Cは、比較例1に比べ、撥水性の性能が優れていることがわかる。その結果、防護材料1A~1Cの外側に有害な液体等が接したとしても、防護材料1A~1Cの表面に有害な液体等が止まり難くなり、防護材料1A~1Cの表面への有害な液体等の付着を抑制することが可能となる。
これにより、防護材料1A~1Cの外側に付着した有害な液体等の除染作業に要する労力の軽減を図ることが可能となる。また、撥水性の性能が優れているため、防護性が向上する。
また、「遮熱率」、「表面温度」、「日射反射率」の評価において、防護材料1A~1Cは、比較例1の評価よりも高評価が得られた。よって、防護材料1A~1Cは、比較例1に比べ、日射対策の性能が優れていることがわかる。その結果、防護材料1A~1Cの内側での温度上昇を抑制することが可能となる。
比較例2の防護材料は、「θ:接触角(静的)」および「α:滑落角(動的)」、「遮熱率」、「表面温度」評価において、実施の形態1の防護材料1A~1Cと同様に高評価が得られた。ただし、比較例2の防護材料は、「日射反射率」(近紫外・可視光域)が高い。これは「色」がグレーであることが影響しており、用途が限定される可能性がある。例えば、黒系の色味が要求される防護衣に対しては使用できない可能性がある。
[実施の形態2:防護衣100]
図8を参照して、本実施の形態における防護衣100の構成について説明する。図8は、防護衣100の構成を示す正面図である。
この防護衣100の具体的な防護材料の製造方法としては、まず、布帛の両面にゴムシートを積層する(ステップ1)。次に、外側のゴム表面に凹凸形状付与粒子、及び赤外反射剤を含む凹凸コーティングを実施し乾燥させる(ステップ2)。次に、加熱加硫を行なう(ステップ3)。
ステップ1の概要は,以下の通りである。布帛の両面にゴムシートと同種のゴム材料からなる接着ゴム層(図示省略)を介在させて貼り合わせ加硫接着を行ない、互いに一体化されたゴムシート、布q帛およびゴムシートの積層構造を得る。
ステップ2の概要は、以下の通りである。コーティング方法としては、キスコート(グラビアコート)、ナイフコート等が挙げられる。コーティング材としては、ゴム:ZnO:溶媒(トルエン、酢酸エチル等)の質量比が、10:10:80~25:25:50となるように混合し、更に、赤外反射剤(石原産業株式会社製「SG-101」等)を、上記混合物の固形分(ゴム及びZnO)に対し、5~30wt%、好ましくは15~20wt%、含有されるように配合したものを用いた。
このように、防護衣100を製造することで、防護衣100の表面(外側)に有害な液体等が接したとしても、防護材料1の表面に有害な液体等が止まり難くなり、防護材料1の表面への有害な液体等の付着を抑制する事が可能となる。布帛としては、織物、編物、不織布などを用いることができるが、織物であると、ゴム引布の厚みを薄く、かつ高強度とすることができるため好ましい。材料としては、ナイロン、ポリエステル、綿、等が使用できる。
これにより、防護材料の表面に付着した有害な液体等の除染作業に要する労力の軽減を図ることが可能となる。また、撥水性の性能が優れているため、防護性が向上する。
さらに、防護衣100を着用した被着用者の汚染内外領域への出入りともなう除染作業が軽減され、または不要となり、汚染内外領域への迅速な偵察、救命活動を行なうことが可能となる。さらに、偵察活動時の汚染拡大の危険を回避することも可能となる。さらに、除染作業に伴い発生する除染液の処理を不要にすることもできる。さらに、被着用者に精神的な安心感を与えることも可能となる。
さらに、防護衣100は、日射環境で使用する際にも表面温度上昇が小さく、着用者の熱ストレスを低減させることができる。よって、着用者の作業効率を上げることに寄与することが可能となる。
なお、防護衣100として、上衣、下衣、および、頭巾を有する防護衣を一例にしたが、本開示における防護材料は、有害な液体等に汚染される領域に出入り際に着用される衣服等に広く適用することが可能である。
さらに、防護材料を防護衣に適用した例を示したが、本発明の防護材料は、他にも、例えば、防護手袋、防護靴下、防護フード、防護カバー、フィルター、防護天幕、寝袋等、さらに、これらアイテムを収納する収納袋、等に適用することができる。また、防護性を有する容器、装置などのパッキン、ガスケットなどのシール材としても用いることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 防護材料、11 ゴム層、12 外側層、100 防護衣

Claims (10)

  1. 内側と外側とを備える防護材料であって、
    内側に位置するゴム層と、
    前記ゴム層に積層され、外側に位置する外側層と、
    を備え、
    前記外側層には、凹凸形状付与粒子及び赤外反射剤が含まれており、
    前記外側層には、ニトリルゴム(NBR)、エピクロロヒドリンゴム(CO,ECO)、塩素化ブチルゴム(CIIR)、ブチルゴム(IIR)、臭素化ブチルゴム(BrIIR)、フッ素ゴム,クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、ウレタンゴムの少なくとも1つが用いられ、
    前記凹凸形状付与粒子は、テトラポット型酸化亜鉛である、防護材料。
  2. 前記凹凸形状付与粒子の形状は、テトラポット状、針状、多角形状、または球状である、請求項1に記載の防護材料。
  3. 前記ゴム層の前記外側層が積層されている面とは反対面に、布帛、第2ゴム層が、記載の順に積層されている、請求項1に記載の防護材料。
  4. 前記布帛は、織物、編物、または不織布である、請求項に記載の防護材料。
  5. 前記ゴム層と前記第2ゴム層とは、異なる種類のゴムが用いられている、請求項に記載の防護材料。
  6. 前記外側層の全固形分のうち前記赤外反射材を除いた固形分に対して、前記凹凸形状付与粒子が40wt%~60wt%含まれている、請求項1に記載の防護材料。
  7. 前記赤外反射剤は、チタン、マンガン、カルシウム、鉄、ビスマス、クロム、ニッケルの金属元素を少なくとも1種類以上含む顔料であり、前記外側層の全固形分のうち前記赤外反射材を除いた固形分に対して、前記赤外反射剤が5wt%~30wt%含まれている、請求項1に記載の防護材料。
  8. 前記赤外線反射剤の平均粒子径は、600nm以上1500nm以下である、請求項1に記載の防護材料。
  9. 請求項1からのいずれか1項に記載の防護材料を用いた防護衣。
  10. 防護材料を用いた防護衣であって、
    前記防護材料は、
    内側に位置するゴム層と、
    前記ゴム層に積層され、外側に位置する外側層と、
    を備え、
    前記外側層には、凹凸形状付与粒子及び赤外反射剤が含まれており、
    前記外側層は、ニトリルゴム(NBR)、エピクロロヒドリンゴム(CO,ECO)、塩素化ブチルゴム(CIIR)、ブチルゴム(IIR)、臭素化ブチルゴム(BrIIR)、フッ素ゴム,クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、ウレタンゴムの少なくとも1つが用いられている防護材料である、防護衣。
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