JP7462803B2 - プラズマ処理装置及びソース高周波電力のソース周波数を制御する方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びソース高周波電力のソース周波数を制御する方法 Download PDF

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Description

本開示の例示的実施形態は、プラズマ処理装置及びソース高周波電力のソース周波数を制御する方法に関するものである。
プラズマ処理装置が、基板に対するプラズマ処理において用いられている。プラズマ処理装置は、チャンバ内で生成されたプラズマからイオンを基板に引き込むために、バイアス高周波電力が用いられる。下記の特許文献1は、バイアス高周波電力のパワーレベル及び周波数を変調するプラズマ処理装置を開示している。
特開2009-246091号公報
本開示は、プラズマ処理装置においてソース高周波電力の反射の度合いを低減する技術を提供する。
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置は、チャンバ、基板支持部、高周波電源、及びバイアス電源を備える。基板支持部は、バイアス電極を有し、チャンバ内に設けられている。高周波電源は、チャンバ内でプラズマを生成するためにソース高周波電力を発生するように構成されている。バイアス電源は、複数のパルス期間のそれぞれにおいてバイアスエネルギーのパルスをバイアス電極に与えるように構成されている。バイアス電源は、複数のパルス期間の各々において波形周期を有するバイアスエネルギーをバイアス電極に周期的に与えるように構成されている。高周波電源は、複数の重複期間の各々に含まれるバイアスエネルギーの複数の波形周期の各々の中の複数の位相期間の各々におけるソース高周波電力のソース周波数を設定するように構成されている。複数の重複期間は、複数のパルス期間とそれぞれ重複する。高周波電源は、パルス間フィードバックを行うように構成されている。パルス間フィードバックは、ソース周波数f(k,m,n)をソース高周波電力の反射の度合いの変化に応じて調整することを含む。f(k,m,n)は、複数の重複期間のうちk番目の重複期間内のm番目の波形周期内のn番目の位相期間におけるソース周波数である。反射の度合いの変化は、k番目の重複期間の前の二つ以上の重複期間それぞれにおけるm番目の波形周期内のn番目の位相期間において互いに異なるソース周波数を用いることにより特定される。
一つの例示的実施形態によれば、プラズマ処理装置においてソース高周波電力の反射の度合いを低減することが可能となる。
一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。 一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。 図3の(a)及び図3の(b)の各々は、ソース高周波電力とバイアスエネルギーの一例のタイミングチャートである。 図4の(a)及び図4の(b)の各々は、ソース高周波電力とバイアスエネルギーの一例のタイミングチャートである。 バイアスエネルギーとソース高周波電力のソース周波数の一例のタイミングチャートである。 バイアスエネルギーとソース高周波電力のソース周波数の別の例のタイミングチャートである。 バイアスエネルギーの別の例のタイミングチャートである。 バイアスエネルギーとソース高周波電力のソース周波数の一例のタイミングチャートである。 一つの例示的実施形態に係るソース高周波電力のソース周波数を制御する方法の流れ図である。 図10の(a)~図10の(d)の各々は、バイアスエネルギーの更に別の例のタイミングチャートである。
以下、種々の例示的実施形態について説明する。
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置は、チャンバ、基板支持部、高周波電源、及びバイアス電源を備える。基板支持部は、バイアス電極を有し、チャンバ内に設けられている。高周波電源は、チャンバ内でプラズマを生成するためにソース高周波電力を発生するように構成されている。バイアス電源は、複数のパルス期間のそれぞれにおいてバイアスエネルギーのパルスをバイアス電極に与えるように構成されている。バイアス電源は、複数のパルス期間の各々において波形周期を有するバイアスエネルギーをバイアス電極に周期的に与えるように構成されている。高周波電源は、複数の重複期間の各々に含まれるバイアスエネルギーの複数の波形周期の各々の中の複数の位相期間の各々におけるソース高周波電力のソース周波数を設定するように構成されている。複数の重複期間は、複数のパルス期間とそれぞれ重複する。高周波電源は、パルス間フィードバックを行うように構成されている。パルス間フィードバックは、ソース周波数f(k,m,n)をソース高周波電力の反射の度合いの変化に応じて調整することを含む。f(k,m,n)は、複数の重複期間のうちk番目の重複期間内のm番目の波形周期内のn番目の位相期間におけるソース周波数である。反射の度合いの変化は、k番目の重複期間の前の二つ以上の重複期間それぞれにおけるm番目の波形周期内のn番目の位相期間において互いに異なるソース周波数を用いることにより特定される。
二つの以上の重複期間それぞれにおける同一波形周期内の同一の位相期間において互いに異なるソース周波数を用いることにより、ソース周波数の変更(周波数シフト)とソース高周波電力の反射の度合いの変化との関係を特定することが可能である。したがって、上記実施形態によれば、反射の度合いの変化に応じて、k番目の重複期間内のm番目の波形周期内のn番目の位相期間において用いられるソース周波数を、反射の度合いを低減するように調整することが可能である。また、上記実施形態によれば、複数の重複期間の各々の中の複数の波形周期の各々において、高速に反射の度合いを低減することが可能である。
一つの例示的実施形態において、二つ以上の重複期間は、(k-K)番目の重複期間と(k-K)番目の重複期間を含み得る。ここで、K及びKは、K>Kを満たす自然数である。
一つの例示的実施形態において、パルス間フィードバックは、ソース周波数f(k-K,m,n)に、ソース周波数f(k-K,m,n)からの一方の周波数シフトを与えることを含んでいてもよい。一方の周波数シフトは、周波数の減少又は増加のうち一方である。パルス間フィードバックは、一方の周波数シフトにより得られたf(k-K,m,n)を用いることにより反射の度合いが低下した場合に、f(k,m,n)を、f(k-K,m,n)に対して一方の周波数シフトを有する周波数に設定してもよい。一方の周波数シフトにより得られたf(k,m,n)を用いることにより反射の度合いが増大した場合には、パルス間フィードバックは、ソース周波数f(k+K,m,n)を、中間の周波数に設定してもよい。中間の周波数は、f(k-K,m,n)とソース周波数f(k,m,n)との間の周波数である。なお、Kは、自然数である。
一つの例示的実施形態において、(k+K)番目の重複期間内のm番目の波形周期内のn番目の位相期間において上記中間の周波数を用いた場合に反射の度合いが閾値よりも大きくなる場合がある。この場合には、パルス間フィードバックは、ソース周波数f(k+K,m,n)を、中間の周波数に対して他方の周波数シフトを有する周波数に設定してもよい。この場合において、他方の周波数シフトは、一方の周波数シフトの量の絶対値よりも大きい絶対値の量を有する。なお、Kは、K>Kを満たす自然数である。
一つの例示的実施形態において、f(k,m,n)を得るために用いる一方の周波数シフトの量の絶対値は、f(k-K,m,n)を得るために用いた一方の周波数シフトの量の絶対値よりも大きくてもよい。
一つの例示的実施形態において、パルス間フィードバックは、f(k-K,m,n)に、f(k-K,m,n)からの一方の周波数シフトを与えることを含んでいてもよい。一方の周波数シフトは、周波数の減少及び増加のうち一方である。一方の周波数シフトにより得られたf(k-K,m,n)を用いることにより反射の度合いが増大した場合に、パルス間フィードバックは、f(k,m,n)を、f(k-K,m,n)に対して他方の周波数シフトを有する周波数に設定してもよい。
一つの例示的実施形態において、バイアスエネルギーは、波形周期の時間長の逆数であるバイアス周波数を有するバイアス高周波電力であってもよい。バイアスエネルギーは、当該バイアス周波数の逆数である時間長を各々が有する複数の波形周期の各々においてバイアス電極に与えられる電圧のパルスを含んでいてもよい。
一つの例示的実施形態において、複数の重複期間は、1番目からK番目の重複期間を含む。ここで、Kは2以上の自然数である。高周波電源は、重複期間OP(1)~OP(K)の各々に含まれる波形周期CY(1)~CY(M)の各々において、複数の位相期間におけるソース周波数を予め準備された周波数セットに含まれる複数の周波数にそれぞれ設定する初期処理を行ってもよい。ここで、OP(k)は、複数の重複期間のうちk番目の重複期間である。CY(m)は、各重複期間におけるm番目の波形周期である。高周波電源は、重複期間OP(1)~OP(K)の各々において、波形周期CY(M)の後の波形周期において、パルス内フィードバックを行ってもよい。パルス内フィードバックは、各重複期間において波形周期CY(m)の前の二つ以上の波形周期それぞれにおけるn番目の位相期間において互いに異なるソース周波数を用いた場合のソース高周波電力の反射の度合いの変化に応じて、ソース周波数f(k,m,n)を調整することを含む。
一つの例示的実施形態において、複数の重複期間は、重複期間OP(K+1)~重複期間OP(K)を更に含んでいてもよい。ここで、Kは、(K+1)以上の自然数である。高周波電源は、重複期間OP(K+1)~重複期間OP(K)の各々に含まれる波形周期CY(1)~波形周期CY(Mb1)の各々において上記初期処理を行ってもよい。また、高周波電源は、重複期間OP(K+1)~重複期間OP(K)の各々に含まれる波形周期CY(Mb1+1)~波形周期CY(Mb2)において、上記パルス間フィードバックを行ってもよい。また、高周波電源は、重複期間OP(K+1)~重複期間OP(K)の各々において、波形周期CY(Mb2)の後に、上記パルス内フィードバックを行ってもよい。ここで、Mb1及びMは、Mb1<Mを満たしてもよい。
一つの例示的実施形態において、高周波電源は、重複期間OP(K+1)~最後の重複期間の各々に含まれる波形周期CY(1)~波形周期CY(M)において、上記パルス間フィードバックを行ってもよい。また、高周波電源は、重複期間OP(K+1)~最後の重複期間の各々において、波形周期CY(M)の後に、上記パルス内フィードバックを行ってもよい。
一つの例示的実施形態において、高周波電源は、複数の重複期間のうち2番目から最後の重複期間の少なくとも一つの重複期間において、複数の波形周期のうちパルス内フィードバックが最初に適用される波形周期内のn番目の位相期間におけるソース周波数を、該少なくとも一つの重複期間の直前の重複期間に含まれる複数の波形周期のうち最後の波形周期内のn番目の位相期間のソース周波数又は該最後の波形周期を含む二つ以上の波形周期のn番目の位相期間のソース周波数の平均値に設定するように構成されていてもよい。
一つの例示的実施形態において、高周波電源は、上記初期処理を行っているときに反射の度合いを反映するモニタ値が指定された範囲内に入ったときに、該初期処理を終了するように構成されていてもよい。
別の例示的実施形態においては、ソース高周波電力のソース周波数を制御する方法が提供される。方法は、複数のパルス期間のそれぞれにおいて、プラズマ処理装置のチャンバ内に設けられた基板支持部のバイアス電極にバイアスエネルギーのパルスを与える工程(a)を含む。バイアスエネルギーは、波形周期を有し、複数のパルス期間の各々においてバイアス電極に周期的に与えられる。方法は、チャンバ内でプラズマを生成するために高周波電源からソース高周波電力を供給する工程を更に含む。方法は、複数の重複期間の各々に含まれるバイアスエネルギーの複数の波形周期の各々の中の複数の位相期間の各々におけるソース高周波電力のソース周波数を設定する工程を更に含む。複数の重複期間は、複数のパルス期間にそれぞれ重複する。ソース周波数f(k,m,n)は、ソース高周波電力の反射の度合いの変化に応じて調整される。反射の度合いの変化は、複数の重複期間のうちk番目の重複期間の前の二つ以上の重複期間それぞれにおけるm番目の波形周期内のn番目の位相期間において互いに異なるソース周波数を用いることにより、特定される。
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
図1及び図2は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。
一実施形態において、プラズマ処理システムは、プラズマ処理装置1及び制御部2を含む。プラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、基板支持部11及びプラズマ生成部12を含む。プラズマ処理チャンバ10は、プラズマ処理空間を有する。また、プラズマ処理チャンバ10は、少なくとも一つの処理ガスをプラズマ処理空間に供給するための少なくとも一つのガス供給口と、プラズマ処理空間からガスを排出するための少なくとも一つのガス排出口とを有する。ガス供給口は、後述するガス供給部20に接続され、ガス排出口は、後述する排気システム40に接続される。基板支持部11は、プラズマ処理空間内に配置され、基板を支持するための基板支持面を有する。
プラズマ生成部12は、プラズマ処理空間内に供給された少なくとも一つの処理ガスからプラズマを生成するように構成される。プラズマ処理空間において形成されるプラズマは、容量結合プラズマ(CCP;Capacitively Coupled Plasma)、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)、ECRプラズマ(Electron-Cyclotron-resonance plasma)、ヘリコン波励起プラズマ(HWP:Helicon Wave Plasma)、又は、表面波プラズマ(SWP:Surface Wave Plasma)等であってもよい。また、AC(Alternating Current)プラズマ生成部及びDC(Direct Current)プラズマ生成部を含む、種々のタイプのプラズマ生成部が用いられてもよい。
制御部2は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御部2は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理装置1の各要素を制御するように構成され得る。一実施形態において、制御部2の一部又は全てがプラズマ処理装置1に含まれてもよい。制御部2は、例えばコンピュータ2aを含んでもよい。コンピュータ2aは、例えば、処理部(CPU:Central Processing Unit)2a1、記憶部2a2、及び通信インターフェース2a3を含んでもよい。処理部2a1は、記憶部2a2に格納されたプログラムに基づいて種々の制御動作を行うように構成され得る。記憶部2a2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース2a3は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してプラズマ処理装置1との間で通信してもよい。
以下に、プラズマ処理装置1の一例としての容量結合プラズマ処理装置の構成例について説明する。容量結合プラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、ガス供給部20、電源30、及び排気システム40を含む。また、プラズマ処理装置1は、基板支持部11及びガス導入部を含む。ガス導入部は、少なくとも一つの処理ガスをプラズマ処理チャンバ10内に導入するように構成される。ガス導入部は、シャワーヘッド13を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置される。シャワーヘッド13は、基板支持部11の上方に配置される。一実施形態において、シャワーヘッド13は、プラズマ処理チャンバ10の天部(ceiling)の少なくとも一部を構成する。プラズマ処理チャンバ10は、シャワーヘッド13、プラズマ処理チャンバ10の側壁10a及び基板支持部11により規定されたプラズマ処理空間10sを有する。側壁10aは接地される。シャワーヘッド13及び基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10の筐体とは電気的に絶縁される。
基板支持部11は、本体部111及びリングアセンブリ112を含む。本体部111は、基板(ウェハ)Wを支持するための中央領域(基板支持面)111aと、リングアセンブリ112を支持するための環状領域(リング支持面)111bとを有する。本体部111の環状領域111bは、平面視で本体部111の中央領域111aを囲んでいる。基板Wは、本体部111の中央領域111a上に配置され、リングアセンブリ112は、本体部111の中央領域111a上の基板Wを囲むように本体部111の環状領域111b上に配置される。一実施形態において、本体部111は、基台111e及び静電チャック111cを含む。基台111eは、導電性部材を含む。基台111eの導電性部材は下部電極として機能する。静電チャック111cは、基台111eの上に配置される。静電チャック111cの上面は、基板支持面111aを有する。リングアセンブリ112は、1又は複数の環状部材を含む。1又は複数の環状部材のうち少なくとも一つはエッジリングである。また、図示は省略するが、基板支持部11は、静電チャック111c、リングアセンブリ112、及び基板Wのうち少なくとも一つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、伝熱媒体、流路、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。流路には、ブラインやガスのような伝熱流体が流れる。また、基板支持部11は、基板Wの裏面と基板支持面111aとの間に伝熱ガスを供給するように構成された伝熱ガス供給部を含んでもよい。
シャワーヘッド13は、ガス供給部20からの少なくとも一つの処理ガスをプラズマ処理空間10s内に導入するように構成される。シャワーヘッド13は、少なくとも一つのガス供給口13a、少なくとも一つのガス拡散室13b、及び複数のガス導入口13cを有する。ガス供給口13aに供給された処理ガスは、ガス拡散室13bを通過して複数のガス導入口13cからプラズマ処理空間10s内に導入される。また、シャワーヘッド13は、導電性部材を含む。シャワーヘッド13の導電性部材は上部電極として機能する。なお、ガス導入部は、シャワーヘッド13に加えて、側壁10aに形成された1又は複数の開口部に取り付けられる1又は複数のサイドガス注入部(SGI:Side Gas Injector)を含んでもよい。
ガス供給部20は、一つ以上のガスソース21及び少なくとも一つ以上の流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、一つ以上の処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してシャワーヘッド13に供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、一つ以上の処理ガスの流量を変調又はパルス化する一つ以上の流量変調デバイスを含んでもよい。
排気システム40は、例えばプラズマ処理チャンバ10の底部に設けられたガス排出口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力調整弁及び真空ポンプを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間10s内の圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
プラズマ処理装置1は、高周波電源31及びバイアス電源32を更に備えている。プラズマ処理装置1は、センサ31s及び制御部30cを更に備えていてもよい。
高周波電源31は、チャンバ(プラズマ処理チャンバ10)内でプラズマを生成するためにソース高周波電力RFを発生するように構成されている。ソース高周波電力RFは、例えば、13MHz以上、150MHz以下のソース周波数を有する。一実施形態において、高周波電源31は、高周波信号発生器31g及び増幅器31aを含んでいてもよい。高周波信号発生器31gは、高周波信号を発生する。増幅器31aは、高周波信号発生器31gから入力される高周波信号を増幅することによりソース高周波電力RFを生成して、ソース高周波電力RFを出力する。なお、高周波信号発生器31gは、プログラム可能なプロセッサ又はFPGAのようなプログラム可能なロジックデバイスから構成されていてもよい。また、高周波信号発生器31gと増幅器31aとの間には、D/A変換器が接続されていてもよい。
高周波電源31は、整合器31mを介して高周波電極に接続されている。基台111eは、一実施形態において高周波電極を構成する。別の実施形態において、高周波電極は、静電チャック111cの中に設けられた電極であってもよい。高周波電極は、後述するバイアス電極と共通の電極であってもよい。或いは、高周波電極は、上部電極であってもよい。整合器31mは、整合回路を含んでいる。整合器31mの整合回路は、可変インピーダンスを有する。整合器31mの整合回路は、制御部30cによって制御される。整合器31mの整合回路のインピーダンスは、高周波電源31の負荷側のインピーダンスを高周波電源31の出力インピーダンスに整合させるように調整される。
センサ31sは、高周波電源31の負荷から戻されるソース高周波電力RFの反射波を制御部30cに出力するように構成されている。センサ31sは、高周波電源31と整合器31mとの間で接続されていてもよい。センサ31sは、整合器31mと高周波電極との間で接続されていてもよい。例えば、センサ31sは、整合器31mからバイアス電極に向けて延びる電気的パスと後述の整合器32mからバイアス電極に向けて延びる電気的パスとの合流点とバイアス電極との間で接続されていてもよい。或いは、センサ31sは、当該合流点と整合器31mとの間で接続されていてもよい。センサ31sは、例えば方向性結合器を含む。方向性結合器は、高周波電源31の負荷から戻される反射波を出力する。方向性結合器から出力される反射波は、A/D変換によりデジタル信号に変換されて、デジタル化された反射波が、制御部30cにおいて利用される。なお、センサ31sは、整合器31mから分離されたセンサであってもよく、或いは、整合器31mの一部であってもよい。
バイアス電源32は、バイアス電極に電気的に接続されている。基台111eは、一実施形態においてバイアス電極を構成する。別の実施形態において、バイアス電極は、静電チャック111cの中に設けられた電極であってもよい。バイアス電源32は、複数のパルス期間PPの各々において、バイアスエネルギーBEのパルスBEPをバイアス電極に与えるように構成されている。バイアス電源32は、パルスコントローラ34から与えられる信号により、複数のパルス期間PPの各々のタイミングを特定してもよい。なお、制御部2が、パルスコントローラ34として機能してもよい。
ここで、図3の(a)、図3の(b)、図4の(a)、及び図4の(b)を参照する。図3の(a)、図3の(b)、図4の(a)、及び図4の(b)の各々は、ソース高周波電力RFとバイアスエネルギーBEの一例のタイミングチャートである。これらの図において、ソース高周波電力RFの「ON」は、ソース高周波電力RFが供給されていることを示しており、ソース高周波電力RFの「OFF」は、ソース高周波電力RFの供給が停止されていることを示している。また、これらの図において、バイアスエネルギーBEの「ON」は、バイアスエネルギーBEがバイアス電極に与えられていることを示しており、バイアスエネルギーBEの「OFF」は、バイアスエネルギーBEがバイアス電極に与えられていないことを示している。また、これらの図において、バイアスエネルギーBEの「HIGH」は、「LOW」で示されるバイアスエネルギーBEのレベルよりも高いレベルを有するバイアスエネルギーBEがバイアス電極に与えられていることを示している。
複数のパルス期間PPは、時間的に順に出現する。複数のパルス期間PPは、パルス周波数の逆数の時間間隔(周期)で順に出現してもよい。なお、以下の説明において、パルス期間PP(k)は、複数のパルス期間PPのうちk番目のパルス期間を表している。即ち、パルス期間PP(k)は、複数のパルス期間PPのうち任意のパルス期間を表している。パルス周波数は、後述するバイアス周波数よりも低く、例えば、1kHz以上、100kHz以下の周波数である。上述したように、バイアスエネルギーBEのパルスBEPは、複数のパルス期間PPの各々において、バイアス電極に与えられる。複数のパルス期間PP以外の期間において、バイアスエネルギーBEは、バイアス電極に与えられなくてもよい。或いは、複数のパルス期間PPにおけるバイアスエネルギーBEのレベルよりも低いレベルを有するバイアスエネルギーBEが、複数のパルス期間PP以外の期間において、バイアス電極に与えられてもよい。
図3の(a)に示すように、ソース高周波電力RFは、連続波として供給されてもよい。図3の(a)に示す例では、複数のパルス期間PPにおいてソース高周波電力RFが供給される複数の重複期間OPはそれぞれ、複数のパルス期間PPと一致する。
或いは、図3の(b)、図4の(a)、及び図4の(b)に示すように、ソース高周波電力RFのパルスが、供給されてもよい。高周波電源31は、パルスコントローラ34から与えられる信号により、ソース高周波電力RFのパルスを供給する期間のタイミングを特定してもよい。図3の(b)に示すように、ソース高周波電力RFのパルスは、複数のパルス期間PPとそれぞれ一致する複数の期間の各々において供給されてもよい。図3の(b)に示す例では、複数のパルス期間PPにおいてソース高周波電力RFが供給される複数の重複期間OPはそれぞれ、複数のパルス期間PPと一致する。図4の(a)及び図4の(b)に示すように、ソース高周波電力RFのパルスは、複数のパルス期間PPとそれぞれ部分的に重複する複数の期間の各々において供給されてもよい。図4の(a)及び図4の(b)の各々に示す例では、複数のパルス期間PPにおいてソース高周波電力RFが供給される複数の重複期間OPの各々は、複数のパルス期間PPのうち対応のパルス期間PPの一部である。なお、以下の説明において、重複期間OP(k)は、複数の重複期間OPのうちk番目の重複期間を表している。即ち、重複期間OP(k)は、複数の重複期間OPのうち任意の重複期間を表している。
バイアスエネルギーBEは、複数のパルス期間PPの各々の中の複数の波形周期CYの各々においてバイアス電極に与えられる。即ち、バイアスエネルギーBEは、複数のパルス期間PPの各々の中で周期的にバイアス電極に与えられる。複数の波形周期CYの各々は、バイアス周波数で規定される。バイアス周波数は、例えば50kHz以上、27MHz以下の周波数である。複数の波形周期CYの各々の時間長は、バイアス周波数の逆数である。複数の波形周期CYは時間的に順に出現する。以下の説明において、波形周期CY(m)は、複数の重複期間OPの各々の中の複数の波形周期CYのうち、m番目の波形周期を表す。また、波形周期CY(k,m)は、k番目の重複期間内のm番目の波形周期を表す。即ち、波形周期CY(m)は、複数の波形周期CYのうち任意の波形周期を表している。
ここで、図5及び図6を参照する。図5は、バイアスエネルギーとソース高周波電力のソース周波数の一例のタイミングチャートである。図6は、バイアスエネルギーとソース高周波電力のソース周波数の別の例のタイミングチャートである。図5及び図6に示すように、一実施形態において、バイアスエネルギーBEは、バイアス周波数を有するバイアス高周波電力であってもよい。バイアス高周波電力は正弦波状の波形を有し、その一周期が波形周期CYである。この場合には、図2に示すように、バイアス電源32は、高周波信号発生器32g及び増幅器32aを含んでいてもよい。高周波信号発生器32gは、高周波信号を発生する。増幅器32aは、高周波信号発生器32gから入力される高周波信号を増幅することによりバイアス高周波電力を生成して、生成したバイアス高周波電力をバイアスエネルギーBEとしてバイアス電極に供給する。なお、高周波信号発生器32gは、プログラム可能なプロセッサ又はFPGAのようなプログラム可能なロジックデバイスから構成されていてもよい。また、高周波信号発生器32gと増幅器32aとの間には、D/A変換器が接続されていてもよい。
バイアスエネルギーBEがバイアス高周波電力である場合には、バイアス電源32は、整合器32mを介してバイアス電極に接続される。整合器32mは、整合回路を含んでいる。整合器32mの整合回路は、可変インピーダンスを有する。整合器32mの整合回路は、制御部30cによって制御される。整合器32mの整合回路のインピーダンスは、バイアス電源32の負荷側のインピーダンスをバイアス電源32の出力インピーダンスに整合させるように調整される。
図7は、バイアスエネルギー別の例のタイミングチャートである。図7に示すように、別の実施形態において、バイアスエネルギーBEは、複数の波形周期CYの各々においてバイアス電極に与えられる電圧のパルスを含んでいてもよい。バイアスエネルギーBEとして用いられる電圧のパルスは、図7に示す例のように負の電圧のパルスであってもよく、他の電圧のパルスであってもよい。バイアスエネルギーBEとして用いられる電圧のパルスは、三角波、矩形波といった波形を有することができる。電圧のパルスは、他の如何なるパルス波形を有していてもよい。バイアスエネルギーBEとして電圧のパルスが用いられる場合には、図2に示す整合器32mの代わりに、ソース高周波電力RFを遮断するフィルタが、バイアス電源32とバイアス電極との間で接続されていてもよい。
バイアス電源32は、高周波電源31と同期されている。このために用いられる同期信号は、バイアス電源32から高周波電源31に与えられてもよい。或いは、同期信号は、高周波電源31からバイアス電源32に与えられてもよい。或いは、同期信号は、制御部30cのような別の装置から高周波電源31及びバイアス電源32に与えられてもよい。
制御部30cは、高周波電源31を制御するように構成されている。制御部30cは、CPUといったプロセッサから構成され得る。制御部30cは、整合器31mの一部であってもよく、高周波電源31の一部であってもよく、整合器31m及び高周波電源31から分離された制御部であってもよい。或いは、制御部2が、制御部30cを兼ねていてもよい。
制御部30cは、複数の重複期間OPの各々に含まれる複数の波形周期CYの各々の中の複数の位相期間SPの各々におけるソース高周波電力RFのソース周波数を設定するように構成されている。複数の重複期間OP以外の期間において供給されるソース高周波電力RFのソース周波数は、予め準備されたテーブルに登録されている周波数の時系列を用いて設定されてもよい。以下では、制御部30cがソース周波数を設定する実施形態について説明する。しかしながら、制御部30cが高周波電源31の一部である場合には、高周波電源31がソース周波数を設定し得る。
[重複期間OP(1)~OP(T-1)におけるソース高周波電力RFのソース周波数の設定(パルス内フィードバック)]
まず、1番目の重複期間OP、即ち重複期間OP(1)におけるソース高周波電力RFのソース周波数の設定について説明する。制御部30cは、重複期間OP(1)内の複数の波形周期CYの各々の中の複数の位相期間SPの各々におけるソース高周波電力RFのソース周波数を設定するように構成されている。図5及び図6に示す例では、重複期間OP(1)内の複数の波形周期CYの各々は、N個の位相期間SP(1)~SP(N)を含んでいる。Nは、2以上の整数である。N個の位相期間SP(1)~SP(N)は、複数の波形周期CYの各々をN個の位相期間に分割している。複数の波形周期CYの各々において、複数の位相期間SPは、互いに同じ時間長を有していてもよく、互いに異なる時間長を有していてもよい。なお、以下の説明においては、位相期間SP(n)は、位相期間SP(1)~SP(N)のうち、n番目の位相期間を表す。即ち、位相期間SP(n)は、複数の重複期間OPの各々の中の複数の波形周期CYの各々における任意の位相期間を表している。また、位相期間SP(m,n)は、波形周期CY(m)におけるn番目の位相期間を表す。また、位相期間SP(k,m,n)は、k番目の重複期間OP(k)内の波形周期CY(m)におけるn番目の位相期間を表す。
制御部30cは、重複期間OP(1)においては、位相期間SP(m,n)におけるソース高周波電力RFのソース周波数を、パルス内フィードバックにより設定する。以下、一般化のために、重複期間OP(k)に対して適用されるパルス内フィードバックについて説明する。重複期間OP(1)の場合には、以下に説明するパルス内フィードバックにおいて、kは1である。
パルス内フィードバックでは、制御部30cは、位相期間SP(k,m,n)におけるソース高周波電力RFのソース周波数を、ソース高周波電力RFの反射の度合いの変化に応じて、調整する。ソース高周波電力RFの反射の度合いは、一例では、センサ31sから出力されるソース高周波電力RFの反射波のパワーレベルPrで表される。パルス内フィードバックでは、反射の度合いの変化は、重複期間OP(k)内で波形周期CY(k,m)の前の二つ以上の波形周期CYそれぞれにおける対応の位相期間SP(n)において互いに異なるソース高周波電力RFのソース周波数を用いることにより特定される。
パルス内フィードバックでは、二つの以上の波形周期CYそれぞれにおける位相期間SP(n)において互いに異なるソース周波数を用いることにより、ソース周波数の変更(周波数シフト)とソース高周波電力の反射の度合いの変化との関係を特定することが可能である。したがって、パルス内フィードバックによれば、反射の度合いの変化に応じて、位相期間SP(k,m,n)において用いられるソース周波数を、反射の度合いを低減するように調整することが可能である。また、パルス内フィードバックによれば、重複期間OP(k)においてバイアスエネルギーBEが基板支持部11のバイアス電極に与えられる複数の波形周期CYの各々において、高速に反射の度合いを低減することが可能である。
一実施形態において、波形周期CY(k,m)の前の二つ以上の波形周期CYは、波形周期CY(k,m-M)及び波形周期CY(k,m-M)を含む。ここで、M及びMは、M>Mを満たす任意の自然数である。即ち、波形周期CY(k,m-M)は、波形周期CY(k,m-M)の後の波形周期である。
一実施形態においては、波形周期CY(k,m-M)は、波形周期CY(k,m-2Q)であってもよく、波形周期CY(k,m-M)は、波形周期CY(k,m-Q)であってもよい。なお、Qは、自然数である。図5に示す例では、「Q」及び「M」は「1」であり、「2Q」及び「M」は「2」である。「Q」は、2以上の整数であってもよい。
パルス内フィードバックにおいて、制御部30cは、ソース周波数f(k,m-M,n)に、ソース周波数f(k,m-M,n)からの一方の周波数シフトを与える。ここで、f(k,m,n)は、位相期間SP(k,m,n)で用いられるソース高周波電力RFのソース周波数を表す。f(k,m,n)は、f(k,m,n)=f(k,m-M,n)+Δ(k,m,n)で表される。Δ(k,m,n)は、周波数シフトの量を表す。一方の周波数シフトは、周波数の減少及び周波数の増加のうち一方である。一方の周波数シフトが周波数の減少であれば、Δ(k,m,n)は負の値を有する。一方の周波数シフトが周波数の増加であれば、Δ(k,m,n)は正の値を有する。
なお、図5及び図6において、波形周期CY(k,m-M)における複数の位相期間SPのそれぞれにおけるソース周波数は、互いに同一であり、f0であるが、互いに異なっていてもよい。また、図5及び図6において、波形周期CY(k,m-M)における複数の位相期間SPのそれぞれにおけるソース周波数は、互いに同一であり、周波数f0から減少された周波数に設定されているが、周波数f0から増加されてもよい。
パルス内フィードバックにおいて、一方の周波数シフトによって得られたソース周波数f(k,m-M,n)を用いることにより反射の度合いが低下した場合には、制御部30cは、ソース周波数f(k,m,n)を、ソース周波数f(k,m-M,n)に対して一方の周波数シフトを有する周波数に設定する。例えば、一方の周波数シフトによりパワーレベルPr(k,m-M,n)がパワーレベルPr(k,m-M,n)から減少した場合には、制御部30cは、ソース周波数f(k,m,n)を、ソース周波数f(k,m-M,n)に対して一方の周波数シフトを有する周波数に設定する。なお、Pr(k,m,n)は、位相期間SP(k,m,n)におけるソース高周波電力RFの反射波のパワーレベルPrを表している。
一実施形態において、位相期間SP(k,m,n)における一方の周波数シフトの量Δ(m,n)は、位相期間SP(k,m-M,n)における一方の周波数シフトの量Δ(m-M,n)と同一であってもよい。即ち、周波数シフトの量Δ(k,m,n)の絶対値は、周波数シフトの量Δ(k,m-M,n)の絶対値と同一であってもよい。或いは、周波数シフトの量Δ(k,m,n)の絶対値は、周波数シフトの量Δ(k,m-M,n)の絶対値よりも大きくてもよい。或いは、周波数シフトの量Δ(k,m,n)の絶対値は、位相期間SP(k,m-M,n)における反射の度合い(例えば、反射波のパワーレベルPr(k,m-M,n))が大きいほど大きくなるように、設定されてもよい。例えば、周波数シフトの量Δ(k,m,n)の絶対値は、反射の度合い(例えば、反射波のパワーレベルPr(k,m-M,n))の関数により決定されてもよい。
パルス内フィードバックでは、一方の周波数シフトによって得られたソース周波数f(k,m-M,n)を用いることにより反射の度合いが増大する場合が生じ得る。例えば、一方の周波数シフトにより反射波のパワーレベルPr(k,m-M,n)が反射波のパワーレベルPr(k,m-M,n)から増加する場合が生じ得る。この場合には、制御部30cは、ソース周波数f(k,m,n)を、ソース周波数f(k,m-M,n)に対して他方の周波数シフトを有する周波数に設定してもよい。なお、波形周期CY(k,m)の前の二つ以上の波形周期の各々の位相期間SP(n)のソース周波数は、その前の波形周期の位相期間SP(n)のソース周波数に対して一方の周波数シフトを有するように更新されてもよい。この場合において、当該二つ以上の波形周期の位相期間SP(n)それぞれの反射の度合い(例えば、反射波のパワーレベルPr)又はそれらの平均値が増加傾向にある場合には、他方の周波数シフトが、波形周期CY(k,m)の位相期間SP(n)のソース周波数に与えられてもよい。例えば、波形周期CY(k,m)の位相期間SP(n)のソース周波数は、当該二つ以上の波形周期のうち最も早い波形周期のソース周波数に対して他方の周波数シフトを有する周波数に設定されてもよい。
また、パルス内フィードバックでは、一方の周波数シフトにより得られたソース周波数f(k,m,n)を用いた場合に、反射の度合いが増大する場合が生じ得る。例えば、一方の周波数シフトにより反射波のパワーレベルPr(k,m,n)が反射波のパワーレベルPr(k,m-M,n)から増加する場合が生じ得る。この場合には、制御部30cは、波形周期CY(k,m+M)内の位相期間SP(n)におけるソース周波数を中間の周波数に設定してもよい。波形周期CY(k,m+M)は、波形周期CY(k,m)の後の周期である。Mは、自然数であり、M=Mを満たしてもよい。位相期間SP(k,m+M,n)において設定され得る中間の周波数は、f(k,m-M,n)とf(k,m,n)との間の周波数であり、f(k,m-M,n)とf(k,m,n)の平均値であってもよい。
また、パルス内フィードバックでは、位相期間SP(k,m+M,n)において中間の周波数を用いた場合の反射の度合い(例えば、パワーレベルPr)が所定の閾値よりも大きくなる場合が生じ得る。この場合に、制御部30cは、波形周期CY(k,m+M)内の位相期間SP(n)におけるソース周波数を、中間の周波数に対して他方の周波数シフトを有する周波数に設定してもよい。波形周期CY(k,m+M)は、波形周期CY(k,m+M)の後の周期である。Mは、自然数であり、M=Mを満たしてもよい。閾値は、予め定められている。他方の周波数シフトの量Δ(1,m+M,n)の絶対値は、一方の周波数シフトの量Δ(1,m,n)の絶対値よりも大きい。この場合には、反射の度合い(例えば、反射波のパワーレベルPr)をローカルな極小値から減少させることができなくなることを回避することが可能となる。なお、重複期間OP(k)内の複数の波形周期CYの各々における複数の位相期間SPのそれぞれのための閾値は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下、重複期間OP(k)(kは2以上、T-1以下。Tは3以上の整数)におけるソース周波数の設定について説明する。重複期間OP(k)内の複数の波形周期CYの中の複数の位相期間SPのソース周波数は、上述のパルス内フィードバックにより設定されてもよい。なお、重複期間OP(k)内の波形周期CY(1)の中の複数の位相期間SPのソース周波数の設定では、重複期間OP(k-1)内の波形周期CY(M-1)及び波形周期CY(M)が、波形周期CY(k,m-M)及び波形周期CY(k,m-M)として用いられてもよい。なお、波形周期CY(M)は、各重複期間における最後の波形周期である。また、重複期間OP(k)内の波形周期CY(2)の中の複数の位相期間SPのソース高周波電力RFのソース周波数の設定では、重複期間OP(k-1)内の波形周期CY(M)及び重複期間OP(k)内の波形周期CY(1)が、波形周期CY(k,m-M)及び波形周期CY(k,m-M)として用いられてもよい。
別の実施形態において、重複期間OP(k)(kは1以上、T-1以下。Tは3以上の整数)内の複数の波形周期CYの中の複数の位相期間SPのソース周波数は、予め準備されたテーブルに登録されているそれぞれの周波数を用いて設定されてもよい。
[重複期間OP(T)以降の重複期間におけるソース高周波電力RFのソース周波数の設定(パルス間フィードバック)]
以下、図8を参照して、T番目(Tは3以上の整数)の重複期間OP(k)におけるソース高周波電力RFのソース周波数の設定について説明する。図8は、バイアスエネルギーとソース高周波電力のソース周波数の一例のタイミングチャートである。
制御部30cは、2番目の重複期間の後の複数の重複期間OPの各々に含まれる複数の波形周期CYの各々の中の複数の位相期間SPの各々におけるソース高周波電力RFのソース周波数を、パルス間フィードバックにより設定するように構成されている。
パルス間フィードバックにおいて、制御部30cは、ソース周波数f(k,m,n)を、ソース高周波電力RFの反射の度合いの変化に応じて、調整する。ソース高周波電力RFの反射の度合いは、一例では、センサ31sから出力されるソース高周波電力RFの反射波のパワーレベルPrで表される。パルス間フィードバックでは、反射の度合いの変化は、重複期間OP(k)の前の二つ以上の重複期間OP内の波形周期CY(m)内の対応の位相期間SP(n)において互いに異なるソース高周波電力RFのソース周波数を用いることにより特定される。
パルス間フィードバックでは、二つ以上の重複期間OPそれぞれにおける同一波形周期内の同一の位相期間において互いに異なるソース周波数を用いることにより、ソース周波数の変更(周波数シフト)とソース高周波電力の反射の度合いの変化との関係を特定することが可能である。したがって、パルス間フィードバックによれば、反射の度合いの変化に応じて、位相期間SP(k,m,n)において用いられるソース周波数を、反射の度合いを低減するように調整することが可能である。また、パルス内フィードバックによれば、複数の重複期間OPの各々の中の複数の波形周期CYの各々において、高速に反射の度合いを低減することが可能である。
一実施形態において、重複期間OP(k)の前の二つ以上の重複期間OPは、(k-K)番目の重複期間OP(k-K)と(k-K)番目の重複期間OP(k-K)を含む。ここで、K及びKは、K>Kを満たす自然数である。
一実施形態においては、重複期間OP(k-K)は、重複期間OP(k-2)である。重複期間OP(k-K)は、重複期間OP(k-K)の後の重複期間であり、一実施形態においては、重複期間OP(k-1)である。即ち、一実施形態において、K、Kはそれぞれ、1、2である。
制御部30cは、位相期間SP(k-K,m,n)におけるソース周波数f(k-K,m,n)に、位相期間SP(k-K,m,n)におけるソース周波数からの一方の周波数シフトを与える。ここで、f(k,m,n)は、位相期間SP(k,m,n)で用いられるソース高周波電力RFのソース周波数を表す。f(k,m,n)は、f(k,m,n)=f(k-K,m,n)+Δ(k,m,n)で表される。Δ(k,m,n)は、周波数シフトの量を表す。一方の周波数シフトは、周波数の減少及び周波数の増加のうち一方である。一方の周波数シフトが周波数の減少であれば、Δ(k,m,n)は負の値を有する。一方の周波数シフトが周波数の増加であれば、Δ(k,m,n)は正の値を有する。
なお、図8において、波形周期CY(2,1)内の複数の位相期間SPのそれぞれにおけるソース周波数は、互いに同一であり、周波数f0から減少された周波数に設定されているが、周波数f0から増加されてもよい。
パルス間フィードバックにおいて、一方の周波数シフトにより得られたソース周波数f(k-K,m,n)を用いた場合に反射の度合いが低下した場合には、制御部30cは、ソース周波数f(k,m,n)を、ソース周波数f(k-K,m,n)に対して一方の周波数シフトを有する周波数に設定する。例えば、一方の周波数シフトによりパワーレベルPr(k-K,m,n)がパワーレベルPr(k-K,m,n)から減少した場合には、制御部30cは、ソース周波数f(k,m,n)を、ソース周波数f(k-K,m,n)に対して一方の周波数シフトを有する周波数に設定する。なお、Pr(k,m,n)は、位相期間SP(k,m,n)におけるソース高周波電力RFの反射波のパワーレベルPrを表している。なお、重複期間OP(k)の前の二つ以上の重複期間の各々の位相期間SP(m,n)のソース周波数が、その前の重複期間の位相期間SP(m,n)のソース周波数に対して一方の周波数シフトを有するように更新されてもよい。この場合において、当該二つ以上の重複期間の位相期間SP(m,n)それぞれの反射の度合い(例えば、反射波のパワーレベルPr)又はそれらの平均値が増加傾向にある場合には、他方の周波数シフトが、重複期間OP(k)の位相期間SP(m,n)のソース周波数に与えられてもよい。例えば、重複期間OP(k)の位相期間SP(m,n)のソース周波数は、当該二つ以上の重複期間のうち最も早い重複期間のソース周波数に対して他方の周波数シフトを有する周波数に設定されてもよい。
一実施形態において、位相期間SP(k,m,n)における一方の周波数シフトの量Δ(m,n)は、位相期間SP(k-K,m,n)における一方の周波数シフトの量Δ(k-K,m,n)と同一であってもよい。即ち、周波数シフトの量Δ(k,m,n)の絶対値は、周波数シフトの量Δ(k-K,m,n)の絶対値と同一であってもよい。或いは、周波数シフトの量Δ(k,m,n)の絶対値は、周波数シフトの量Δ(k-K,m,n)の絶対値よりも大きくてもよい。或いは、周波数シフトの量Δ(k,m,n)の絶対値は、位相期間SP(k-K,m,n)における反射の度合い(例えば、反射波のパワーレベルPr(k-K,m,n))が大きいほど大きくなるように、設定されてもよい。例えば、周波数シフトの量Δ(k,m,n)の絶対値は、反射の度合い(反射波のパワーレベルPr(k-1,m,n))の関数により決定されてもよい。
パルス間フィードバックでは、一方の周波数シフトによって得られたソース周波数f(k-K,m,n)を用いることにより反射の度合いが増大する場合が生じ得る。例えば、一方の周波数シフトにより反射波のパワーレベルPr(k-1,m,n)が反射波のパワーレベルPr(k-2,m,n)から増加する場合が生じ得る。この場合に、制御部30cは、ソース周波数f(k,m,n)を、ソース周波数f(k-K,m,n)に対して他方の周波数シフトを有する周波数に設定してもよい。
また、パルス間フィードバックでは、一方の周波数シフトにより得られたソース周波数f(k,m,n)を用いた場合に、反射の度合いが増大する場合が生じ得る。例えば、一方の周波数シフトにより反射波のパワーレベルPr(k,m,n)が反射波のパワーレベルPr(k-K,m,n)から増加する場合が生じ得る。この場合には、制御部30cは、位相期間SP(k+K,m,n)におけるソース周波数を中間の周波数に設定してもよい。即ち、この場合には、重複期間OP(k+K)内の波形周期CY(m)内の位相期間SP(n)におけるソース周波数を中間の周波数に設定してもよい。重複期間OP(k+K)は、重複期間OP(k)の後の期間である。Kは、自然数であり、K=Kを満たしてもよい。位相期間SP(k+K,m,n)において設定され得る中間の周波数は、f(k-K,m,n)とf(k,m,n)との間の周波数であり、f(k-K,m,n)とf(k,m,n)の平均値であってもよい。
また、パルス間フィードバックでは、位相期間SP(k+K,m,n)において上記中間の周波数を用いた場合の反射の度合い(例えば、パワーレベルPr)が所定の閾値よりも大きくなる場合が生じ得る。この場合に、制御部30cは、位相期間SP(k+K,m,n)におけるソース周波数を、中間の周波数に対して他方の周波数シフトを有する周波数に設定してもよい。即ち、この場合には、重複期間OP(k+K)内の波形周期CY(m)内の位相期間SP(n)におけるソース周波数に、他方の周波数シフトを与えてもよい。重複期間OP(k+K)は、重複期間OP(k+K)の後の期間である。Kは、K>Kを満たす自然数であり、K=Kを満たしてもよい。閾値は、予め定められている。他方の周波数シフトの量Δ(k+K,m,n)の絶対値は、一方の周波数シフトの量Δ(k,m,n)の絶対値よりも大きい。この場合には、反射の度合い(例えば、反射波のパワーレベルPr)をローカルな極小値から減少させることができなくなることを回避することが可能となる。なお、複数の重複期間OP内の複数の波形周期CYの各々における複数の位相期間SPのそれぞれのための閾値は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
プラズマ処理装置1は、各位相期間における反射の度合いとして、各位相期間における測定値の代表値を用いてもよい。代表値は、各位相期間における測定値の平均値又は最大値であってもよい。また、プラズマ処理装置1は、上述した反射波のパワーレベルPr、ソース高周波電力RFの出力パワーレベルに対する反射波のパワーレベルPrの比の値(以下、「反射率」という)、電圧Vと電流Iとの間の位相差θ、及び高周波電源31の負荷側のインピーダンスZのうち少なくとも一つを測定値として用いてもよい。
プラズマ処理装置1は、上述したセンサ31sと共に、或いは、センサ31sに代えて、VIセンサを備えていてもよい。VIセンサは、高周波電源31と高周波電極との間のソース高周波電力RFの給電路における電圧V及び電流Iを測定する。VIセンサは、高周波電源31と整合器31mとの間で接続されていてもよい。VIセンサは、整合器31mと高周波電極との間で接続されていてもよい。例えば、VIセンサは、整合器31mからバイアス電極に向けて延びる電気的パスと整合器32mからバイアス電極に向けて延びる電気的パスとの合流点とバイアス電極との間で接続されていてもよい。或いは、VIセンサは、当該合流点と整合器31mとの間で接続されていてもよい。VIセンサは、整合器31mの一部であってもよい。
各波形周期CYの複数の位相期間SPの各々のためのソース周波数は、高周波電源31の負荷側のインピーダンスを整合ポイントに近づけるように、電圧V、電流I、及び電圧Vと電流Iとの間の位相差θに応じて変更されてもよい。また、整合器31mの可変インピーダンスが、高周波電源31の負荷側のインピーダンスZを整合ポイントに近づけるように、電圧V、電流I、及び位相差θに応じて調整されてもよい。なお、ソース高周波電力RFの給電路の特性インピーダンスが50Ωである場合には、整合ポイントの実抵抗成分は50Ωであり、位相差θは0°である。
以下、図9を参照して、一つの例示的実施形態に係るソース高周波電力のソース周波数を制御する方法について説明する。図9は、一つの例示的実施形態に係るソース高周波電力のソース周波数を制御する方法の流れ図である。図9に示す方法MTは、工程STa又は工程STbで開始する。工程STaでは、バイアスエネルギーBEのパルスBEPが、プラズマ処理装置1の基板支持部11のバイアス電極に与えられる。バイアスエネルギーBEのパルスBEPは、複数のパルス期間PPのそれぞれにおいて、バイアス電極に与えられる。
工程STbでは、ソース高周波電力RFが、チャンバ内でプラズマを生成するために高周波電源(例えば高周波電源31)から供給される。ソース高周波電力RFは、図3の(a)、図3の(b)、図4の(a)、及び図4の(b)に例示したように、供給される。
工程STcでは、複数の重複期間OPの各々に含まれる複数の波形周期CYの各々の中の複数の位相期間SPの各々において用いられるソース高周波電力RFのソース周波数が設定される。パルス間フィードバックでは、重複期間OP(k)内の波形周期CY(m)内の位相期間SP(k,m,n)におけるソース周波数は、ソース高周波電力の反射の度合いの変化に応じて調整される。パルス間フィードバックでは、反射の度合い(例えば、反射波のパワーレベルPr)の変化は、重複期間OP(k)の前の二つ以上の重複期間それぞれにおける波形周期CY(m)内の対応の位相期間SP(n)において互いに異なるソース周波数を用いることにより、特定される。パルス間フィードバックについては、上述した説明を参照されたい。
以下、図10の(a)~図10(d)を参照する。図10の(a)~図10の(d)の各々は、バイアスエネルギーの更に別の例のタイミングチャートである。一実施形態において、複数の重複期間OPは、1番目からK番目の重複期間OP(1)~OP(K)を含んでいてもよい。ここで、Kは2以上の自然数である。
高周波電源31は、重複期間OP(1)~OP(K)の各々に含まれる複数の波形周期CYのうち1番目からM番目の波形周期CY(1)~CY(M)の各々において、初期処理を行ってもよい。ここで、Mは、自然数である。初期処理においては、波形周期CY(1)~CY(M)それぞれのための複数の周波数セットを含む周波数セット群が用いられてもよく、当該周波数セット群に含まれる複数の周波数セットは互いに異なっていてもよい。また、重複期間OP(1)~OP(K)のそれぞれのための複数の周波数セット群が用いられてもよく、これら複数の周波数セット群は互いに異なっていてもよい。なお、複数の周波数セット並びに複数の周波数セット群は、制御部2又は制御部30cの記憶部に記憶されていてもよい。
高周波電源31は、重複期間OP(1)~OP(K)の各々において、複数の波形周期CYのうち波形周期CY(M)の後に、上述のパルス内フィードバックを行ってもよい。即ち、高周波電源31は、重複期間OP(1)~OP(K)の各々に含まれる波形周期CY(M+1)~CY(M)において、上述のパルス内フィードバックを行ってもよい。
一実施形態において、複数の重複期間OPは、(K+1)番目からK番目の重複期間OP(K+1)~OP(K)を更に含んでいてもよい。ここで、Kは、(K+1)以上の自然数であり、K=K+1を満たしてもよい。
高周波電源31は、重複期間OP(K+1)~OP(K)の各々に含まれる複数の波形周期CYのうち1番目からMb1番目の波形周期CY(1)~CY(Mb1)の各々において上記の初期処理を行いってもよい。ここで、Mb1は、自然数である。Mb1及びMは、Mb1<Mを満たしてもよい。
高周波電源31は、重複期間OP(K+1)~OP(K)の各々に含まれる複数の波形周期CYのうち(Mb1+1)番目~からMb2番目の波形周期CY(Mb1+1)~CY(Mb2)において、上述のパルス間フィードバックを行ってもよい。ここで、Mb2は、Mb2>Mb1を満たす自然数である。
高周波電源31は、重複期間OP(K+1)~OP(K)の各々において、波形周期CY(Mb2)の後に、上述のパルス内フィードバックを行ってもよい。即ち、高周波電源31は、重複期間OP(K+1)~OP(K)の各々に含まれる波形周期CY(Mb2+1)~CY(M)において、上述のパルス内フィードバックを行ってもよい。
また、高周波電源31は、(K+1)番目から最後の重複期間OP(K+1)~OP(K)の各々に含まれる1番目からM番目の波形周期CY(1)~CY(M)において、上述のパルス間フィードバックを行ってもよい。ここで、Mは、自然数である。また、高周波電源31は、重複期間OP(K+1)~OP(K)の各々において、波形周期CY(M)の後に、上述のパルス内フィードバックを行ってもよい。即ち、高周波電源31は、重複期間OP(K+1)~OP(K)の各々に含まれる波形周期CY(M+1)~CY(M)において、上述のパルス内フィードバックを行ってもよい。
一実施形態において、高周波電源31は、2番目から最後の重複期間OP(2)~OP(K)の少なくとも一つの重複期間において、波形周期CY(M)内の位相期間SP(n)におけるソース周波数を、当該少なくとも一つの重複期間の直前の重複期間に含まれる最後の波形周期CY(M)内の同一の位相期間SP(n)のソース周波数に設定してもよい。波形周期CY(M)は、当該少なくとも一つの重複期間内の複数の波形周期CYのうちパルス内フィードバックが最初に適用される波形周期である。或いは、高周波電源31は、当該少なくとも一つの重複期間において、波形周期CY(M)内の位相期間SP(n)におけるソース周波数を、当該少なくとも一つの重複期間の直前の重複期間に含まれる最後の波形周期CY(M)を含む二つ以上の波形周期の同一の位相期間SP(n)のソース周波数の平均値に設定してもよい。当該二つ以上の波形周期は、当該少なくとも一つの重複期間の直前の重複期間に含まれる波形周期CY(M-M+1)~CY(M)であってもよい。ここで、Mは当該二つ以上の波形周期の個数である。
一実施形態において、上述のM、Mb1、Mb2、及びMの各々は、事前に設定された値であってもよい。即ち、初期処理が適用される波形周期の個数であるM及びMb1、並びにパルス間フィードバックが適用される波形周期の個数であるMb2及びMは、事前に設定されていてもよい。
或いは、高周波電源31は、初期処理を行っているときに反射の度合いを反映するモニタ値が指定された範囲内に入ったときに、該初期処理を終了するように構成されていてもよい。また、高周波電源31は、パルス間フィードバックを行っているときに反射の度合いを反映するモニタ値が指定された範囲内に入ったときに、該初期処理を終了するように構成されていてもよい。
モニタ値としては、一つ以上の測定値が用いられてもよい。或いは、モニタ値として、一つ以上の測定値の各々の同一の位相期間における平均値の波形周期間での変化量(変化率又は差分)が用いられてもよい。或いは、モニタ値として、一つ以上の測定値の各々の数周期分の波形周期の同一の位相期間における平均値の経時的変化量(変化率又は差分)が用いられてもよい。或いは、モニタ値として、一つ以上の測定値の各々の同一の位相期間における平均値の波形周期間での変化量(変化率又は差分)が用いられてもよい。或いは、モニタ値として、一つ以上の測定値の各々の一つ以上の波形周期におけるバラツキ又は一つ以上の測定値の各々の数周期分の波形周期の同一の位相期間におけるバラツキが用いられてもよい。一つ以上の測定値は、反射波のパワーレベルPr、上述した反射率、電圧Vと電流Iの位相差θ、インピーダンスZ、バイアス電極のVpp(Peak-to-Peak Voltage)、バイアス電極の自己バイアス電圧Vdc、及びプラズマの発光状態のうち一つ以上を含んでいてもよい。
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な追加、省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
上述したように、別の実施形態においては、プラズマ処理装置は、誘導結合型のプラズマ処理装置、ECRプラズマ処理装置、ヘリコン波励起プラズマ処理装置、又は表面波プラズマ処理装置であってもよい。何れのプラズマ処理装置においても、ソース高周波電力RFは、プラズマの生成のために用いられ、複数の波形周期CYの複数の位相期間SPにおいて用いられるソース周波数は、プラズマ処理装置1に関して上述したように、調整される。
また、パルス内フィードバイックにおいて、位相期間SP(k,m,n)におけるソース高周波電力RFのソース周波数は、重複期間OP(k)内で波形周期CY(k,m)の前の二つ以上の波形周期CYそれぞれにおける対応の位相期間SP(n)において互いに異なるソース高周波電力RFのソース周波数を用いることにより得られる二つ以上の反射の度合い(例えば、パワーレベルPr)から、反射の度合いを最小化する周波数として求められてもよい。反射の度合いを最小化する周波数は、当該互いに異なる周波数のそれぞれと対応の反射の度合いとを用いた最小自乗化法により求められてもよい。
また、パルス間フィードバイックにおいて、ソース周波数f(k,m,n)は、重複期間OP(k)の前の二つ以上の重複期間OP内の波形周期CY(m)内の対応の位相期間SP(n)において互いに異なるソース高周波電力RFのソース周波数を用いることにより得られる二つ以上の反射の度合い(例えば、パワーレベルPr)から、反射の度合いを最小化する周波数として求められてもよい。反射の度合いを最小化する周波数は、当該互いに異なる周波数のそれぞれと対応の反射の度合いとを用いた最小自乗化法により求められてもよい。
また、本開示は、以下の更なる実施形態E1~E9を含む。
[E1]
チャンバと、
バイアス電極を有し、前記チャンバ内に設けられた基板支持部と、
前記チャンバ内でプラズマを生成するために高周波電力を発生するように構成された高周波電源と、
複数のパルス期間のそれぞれにおいてバイアスエネルギーのパルスをバイアス電極に与えるように構成されたバイアス電源と、
前記高周波電源の負荷から戻される前記高周波電力の反射波を出力するように構成されたセンサと、
前記高周波電源を制御するように構成された制御部と、
を備え、
前記バイアス電源は、前記複数のパルス期間の各々の中の複数の周期の各々において前記バイアスエネルギーを前記バイアス電極に与えるように構成されており、
前記制御部は、
前記複数のパルス期間において前記高周波電力が供給される期間である複数の重複期間の各々に含まれる複数の周期の各々の中の複数の位相期間の各々における前記高周波電力の周波数を設定するように構成されており、
前記複数の重複期間のうちk番目の重複期間内のm番目の周期内のn番目の位相期間における前記高周波電力の周波数を、前記複数の重複期間のうち該k番目の重複期間の前の二つ以上の重複期間それぞれにおけるm番目の周期内の対応の位相期間において互いに異なる前記高周波電力の周波数を用いた場合に前記センサから出力される前記反射波のパワーレベルの変化に応じて、調整するように構成されている、
プラズマ処理装置。
[E2]
前記二つ以上の重複期間は、第1の重複期間と該第1の重複期間の後の第2の重複期間を含み、
前記制御部は、前記第2の重複期間内の前記m番目の周期内の前記n番目の位相期間における前記高周波電力の前記周波数に、前記第1の重複期間内の前記m番目の周期内の前記n番目の位相期間における前記高周波電力の前記周波数からの減少及び増加のうち一方の周波数シフトを与えることにより前記反射波のパワーレベルが減少した場合に、前記k番目の重複期間内の前記m番目の周期内の前記n番目の位相期間における前記高周波電力の前記周波数を、前記第2の重複期間内の前記m番目の周期内の前記n番目の位相期間における前記高周波電力の前記周波数に対して前記一方の周波数シフトを有する周波数に設定するように構成されている、実施形態E1のプラズマ処理装置。
[E3]
前記制御部は、前記k番目の重複期間内の前記m番目の周期内の前記n番目の位相期間における前記高周波電力の前記周波数を、前記第2の重複期間内の前記m番目の周期内の前記n番目の位相期間における前記高周波電力の前記周波数に対して前記一方の周波数シフトを有する前記周波数に設定することにより、前記反射波のパワーレベルが増加した場合には、前記複数の重複期間内のうち前記k番目の重複期間の後の第3の重複期間内の前記m番目の周期内の前記n番目の位相期間における前記高周波電力の周波数を、前記第2の重複期間内の前記m番目の周期内の前記n番目の位相期間における前記高周波電力の周波数と前記k番目の重複期間内の前記m番目の周期内の前記n番目の位相期間における前記高周波電力の周波数との間の中間の周波数に設定するように構成されている、
実施形態E2のプラズマ処理装置。
[E4]
前記制御部は、前記第3の重複期間内の前記m番目の周期内の前記n番目の位相期間において前記中間の周波数を用いた場合の前記反射波のパワーレベルが閾値よりも大きい場合に、前記複数の重複期間のうち前記第3の重複期間の後の第4の重複期間内の前記m番目の周期内の前記n番目の位相期間における前記高周波電力の周波数を、前記一方の周波数シフトの量の絶対値よりも大きい絶対値の量を有する他方の周波数シフトを前記中間の周波数に対して有する周波数に設定するように構成されている、実施形態E3のプラズマ処理装置。
[E5]
前記k番目の重複期間内の前記m番目の周期内の前記n番目の位相期間における前記高周波電力の前記周波数の前記一方の周波数シフトの量の絶対値は、前記第2の重複期間内の前記m番目の周期内の前記n番目の位相期間における前記高周波電力の前記周波数の前記一方の周波数シフトの量の絶対値よりも大きい、実施形態E2のプラズマ処理装置。
[E6]
前記二つ以上の重複期間は、第1の重複期間と該第1の重複期間の後の第2の重複期間を含み、
前記制御部は、前記第2の重複期間内の前記m番目の周期内の前記n番目の位相期間における前記高周波電力の前記周波数に、前記第1の重複期間内の前記m番目の周期内の前記n番目の位相期間における前記高周波電力の前記周波数からの減少及び増加のうち一方の周波数シフトを与えることにより前記反射波のパワーレベルが増加した場合に、前記k番目の重複期間内の前記m番目の周期内の前記n番目の位相期間における前記高周波電力の前記周波数を、前記第2の重複期間内の前記m番目の周期内の前記n番目の位相期間における前記高周波電力の前記周波数に対して他方の周波数シフトを有する周波数に設定するように構成されている、
実施形態E1のプラズマ処理装置。
[E7]
前記バイアスエネルギーは、前記複数の周期を規定するバイアス周波数を有する高周波電力であるか、該バイアス周波数で規定される前記複数の周期の各々において前記バイアス電極に与えられる電圧のパルスを含む、実施形態E1~E6の何れかのプラズマ処理装置。
[E8]
高周波電力の周波数を制御する方法であって、
複数のパルス期間のそれぞれにおいて、プラズマ処理装置のチャンバ内に設けられた基板支持部のバイアス電極にバイアスエネルギーのパルスを与える工程であり、該バイアスエネルギーのパルスは、前記複数のパルス期間の各々の中の複数の周期の各々において前記バイアス電極に与えられるバイアスエネルギーを含む、該工程と、
前記チャンバ内でプラズマを生成するために高周波電源から前記高周波電力を供給する工程と、
前記複数のパルス期間において前記高周波電力が供給される期間である複数の重複期間の各々に含まれる複数の周期の各々の中の複数の位相期間の各々における前記高周波電力の周波数を設定する工程と、
を含み、
前記複数の重複期間のうちk番目の重複期間内のm番目の周期内のn番目の位相期間における前記高周波電力の周波数が、前記複数の重複期間のうち該k番目の重複期間の前の二つ以上の重複期間それぞれにおけるm番目の周期内の対応の位相期間において互いに異なる前記高周波電力の周波数を用いた場合の前記高周波電力の反射波のパワーレベルの変化に応じて、調整される、方法。
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
1…プラズマ処理装置、10…プラズマ処理チャンバ、11…基板支持部、31…高周波電源、32…バイアス電源、31s…センサ、30c…制御部。

Claims (13)

  1. チャンバと、
    バイアス電極を有し、前記チャンバ内に設けられた基板支持部と、
    前記チャンバ内でプラズマを生成するためにソース高周波電力を発生するように構成された高周波電源と、
    複数のパルス期間のそれぞれにおいてバイアスエネルギーのパルスをバイアス電極に与えるように構成されたバイアス電源と、
    を備え、
    前記バイアス電源は、前記複数のパルス期間の各々において波形周期を有する前記バイアスエネルギーを前記バイアス電極に周期的に与えるように構成されており、
    前記高周波電源は、
    前記複数のパルス期間とそれぞれ重複する複数の重複期間の各々に含まれる前記バイアスエネルギーの複数の波形周期の各々の中の複数の位相期間の各々における前記ソース高周波電力のソース周波数を設定するように構成されており、
    前記複数の重複期間のうちk番目の重複期間内の前記バイアスエネルギーのm番目の波形周期内のn番目の位相期間における前記ソース周波数を、前記複数の重複期間のうち該k番目の重複期間の前の二つ以上の重複期間それぞれにおける該m番目の波形周期内の該n番目の位相期間において互いに異なる前記ソース周波数を用いた場合の前記ソース高周波電力の反射の度合いの変化に応じて調整するパルス間フィードバックを行うように構成されている、
    プラズマ処理装置。
  2. 前記二つ以上の重複期間は、(k-K)番目の重複期間と(k-K)番目の重複期間を含み、ここで、K及びKはK>Kを満たす自然数であり、
    前記パルス間フィードバックは、前記(k-K)番目の重複期間内の前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数に、前記(k-K)の重複期間内の前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数からの減少及び増加のうち一方の周波数シフトを与えることにより前記反射の度合いが低下した場合に、前記k番目の重複期間内の前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数を、前記(k-K)番目の重複期間内の前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数に対して前記一方の周波数シフトを有する周波数に設定することを含む、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記パルス間フィードバックは、前記k番目の重複期間内の前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数を、前記(k-K)番目の重複期間内の前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数に対して前記一方の周波数シフトを有する前記周波数に設定することにより、前記反射の度合いが増大した場合には、前記複数の重複期間内のうち前記k番目の重複期間の後の(k+K)番目の重複期間内の前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数を、前記(k-K)番目の重複期間内の前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数と前記k番目の重複期間内の前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数との間の中間の周波数に設定することを更に含む、
    請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記パルス間フィードバックは、前記(k+K)番目の重複期間内の前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間において前記中間の周波数を用いた場合の前記反射の度合いが閾値よりも大きい場合に、前記複数の重複期間のうち前記(k+K)番目の重複期間の後の重複期間内の前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数を、前記一方の周波数シフトの量の絶対値よりも大きい絶対値の量を有する他方の周波数シフトを前記中間の周波数に対して有する周波数に設定することを更に含む、請求項3に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記k番目の重複期間内の前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数の前記一方の周波数シフトの量の絶対値は、前記(k-K)番目の重複期間内の前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数の前記一方の周波数シフトの量の絶対値よりも大きい、請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記二つ以上の重複期間は、(k-K)番目の重複期間と(k-K)番目の重複期間を含み、ここで、K及びKは自然数であり、K>Kであり、
    前記パルス間フィードバックは、前記(k-K)番目の重複期間内の前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数に、前記(k-K)番目の重複期間内の前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数からの減少及び増加のうち一方の周波数シフトを与えることにより前記反射の度合いが増大した場合に、前記k番目の重複期間内の前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数を、前記(k-K)番目の重複期間内の前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数に対して他方の周波数シフトを有する周波数に設定することを含む、
    請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記バイアスエネルギーは、前記波形周期の時間長の逆数であるバイアス周波数を有するバイアス高周波電力であるか、該バイアス周波数の逆数である時間長を各々が有する前記複数の波形周期の各々において前記バイアス電極に与えられる電圧のパルスを含む、請求項1~6の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記複数の重複期間は、1番目からK番目の重複期間を含み、ここで、Kは2以上の自然数であり、
    前記高周波電源は、
    前記1番目から前記K番目の重複期間の各々に含まれる前記複数の波形周期のうち1番目からM番目の波形周期の各々において、前記複数の位相期間における前記ソース周波数を予め準備された周波数セットに含まれる複数の周波数にそれぞれ設定する初期処理を行い、
    前記1番目から前記K番目の重複期間の各々において、前記複数の波形周期のうちM番目の波形周期の後に、前記m番目の波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数を、該m番目の波形周期の前の二つ以上の波形周期それぞれにおける該n番目の位相期間において互いに異なる前記ソース周波数を用いた場合の前記ソース高周波電力の反射の度合いの変化に応じて調整するパルス内フィードバックを行う、
    ように更に構成されている、
    請求項1~7の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記複数の重複期間は、(K+1)番目からK番目の重複期間を更に含み、ここで、Kは、(K+1)以上の自然数であり、
    前記高周波電源は、
    前記(K+1)番目から前記K番目の重複期間の各々に含まれる前記複数の波形周期のうち1番目からMb1番目の波形周期の各々において前記初期処理を行い、
    前記(K+1)番目から前記K番目の重複期間の各々に含まれる前記複数の波形周期のうち(Mb1+1)番目からMb2番目の波形周期において、前記パルス間フィードバックを行い、
    前記(K+1)番目から前記K番目の重複期間の各々において、前記Mb2番目の波形周期の後に、前記パルス内フィードバックを行う、
    ように構成されており、
    ここで、前記Mb1及び前記MはMb1<Mを満たす、
    請求項8に記載のプラズマ処理装置。
  10. 前記高周波電源は、
    前記複数の重複期間のうち(K+1)番目から最後の重複期間の各々に含まれる前記複数の波形周期のうち1番目からM番目の波形周期において、前記パルス間フィードバックを行い、
    前記(K+1)番目から前記最後の重複期間の各々において、前記M番目の波形周期の後に、前記パルス内フィードバックを行う、
    ように構成されている、請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記高周波電源は、前記複数の重複期間のうち2番目から最後の重複期間の少なくとも一つの重複期間において、前記複数の波形周期のうち前記パルス内フィードバックが最初に適用される波形周期内の前記n番目の位相期間における前記ソース周波数を、前記複数の重複期間のうち該少なくとも一つの重複期間の直前の重複期間に含まれる複数の波形周期のうち最後の波形周期内の前記n番目の位相期間の前記ソース周波数又は該最後の波形周期を含む二つ以上の波形周期の前記n番目の位相期間の前記ソース周波数の平均値に設定するように構成されている、請求項8~10の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記高周波電源は、前記初期処理を行っているときに前記反射の度合いを反映するモニタ値が指定された範囲内に入ったときに、該初期処理を終了するように構成されている、請求項8~11の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  13. ソース高周波電力のソース周波数を制御する方法であって、
    複数のパルス期間のそれぞれにおいて、プラズマ処理装置のチャンバ内に設けられた基板支持部のバイアス電極にバイアスエネルギーのパルスを与える工程であり、該バイアスエネルギーは、波形周期を有し、前記複数のパルス期間の各々において前記バイアス電極に周期的に与えられる、該工程と、
    前記チャンバ内でプラズマを生成するために高周波電源から前記ソース高周波電力を供給する工程と、
    前記複数のパルス期間とそれぞれ重複する複数の重複期間の各々に含まれる前記バイアスエネルギーの複数の波形周期の各々の中の複数の位相期間の各々における前記ソース高周波電力のソース周波数を設定する工程と、
    を含み、
    前記複数の重複期間のうちk番目の重複期間内の前記バイアスエネルギーのm番目の波形周期内のn番目の位相期間における前記ソース周波数が、前記複数の重複期間のうち該k番目の重複期間の前の二つ以上の重複期間それぞれにおける該m番目の波形周期内の該n番目の位相期間において互いに異なる前記ソース周波数を用いた場合の前記ソース高周波電力の反射の度合いの変化に応じて、調整される、方法。
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