JP7462783B2 - 口腔潰瘍の治療におけるアネモシドb4の医学的使用 - Google Patents

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Description

本発明は、医学分野に属し、特に、プルサチラサポニンB4の新規な医学的使用に属する。
口腔潰瘍は、最も一般的な口腔粘膜障害の1つである。発症時には口腔粘膜上皮組織に局所的な欠損が生じ、結合組織が露出する。結合組織には神経及び血管が含まれているため、ヒリヒリする痛みが誘発される。幾つかの疫学的調査により、中国の人口の20%が少なくとも一度は口腔潰瘍を患ったことがあることが分かっている。年齢性別を問わず発生する口腔潰瘍は、人々の食事及び会話に深刻な影響を及ぼし、生活の質に影響する。臨床的には、再発性口腔潰瘍が最も一般的なタイプであり、口腔潰瘍の90%超を占めている。口腔潰瘍は、時々発生し、繰り返し襲う。通常、罹患期間は7日~10日であり、休止期間は10日~数ヶ月の範囲である。口腔潰瘍の病因は複雑で、局所疾患及び全身疾患の口腔における徴候であることが多い。原因が明らかなものもあるが、原因が不明のものもある。しかしながら、多くの研究により、口腔潰瘍の発生は以下の要因:遺伝、免疫障害、外傷、ウイルス又は細菌感染、自己免疫疾患、胃腸障害、貧血、内分泌障害、栄養不足及びストレスに関連していることが示されている。
また、口腔潰瘍は、化学療法中の悪性腫瘍患者における一般的な有害作用の1つである。国内の文献では、化学療法後の悪性腫瘍患者における口腔潰瘍の発生率は66%~75%であることが報告され、海外の文献では、発生率が40%~90%であることが報告された(非特許文献1)。口腔潰瘍は患者の食事に深刻な影響を及ぼし、栄養不足及び水-電解質の不均衡を引き起こし、患者が更なる治療を受けるのを妨げ、患者の死につながる敗血症をも引き起こす。口腔潰瘍を引き起こす可能性が最も高い化学療法薬は、メトトレキサート、フルオロウラシル、エトポシド及びドキソルビシンである。
病因及び発病機序がよく分かっていないため、この疾患に対する特に有効な治療方法はない。この方法には、臨床診療における全身及び局所治療が含まれる。全身治療のための薬剤としては、グルココルチコイド、代謝拮抗剤、ビタミン及び微量元素、抗ウイルス剤、エストロゲン等が挙げられる。局所治療には多くの方法及び薬剤があり、その主な機能は炎症を弱め、痛みを和らげ、治癒を促進することである。一般的に使用される薬剤としては、抗炎症薬、鎮痛薬、局所麻酔薬及びホルモン(局所遮断薬)が挙げられる。しかしながら、全身治療であるか局所治療であるかに関わらず、治療効果は大きくない。また、化学療法誘発性口腔潰瘍の場合、グルココルチコイドは潰瘍の治癒に有害であるだけでなく、潰瘍形成の程度を悪化させる。したがって、明確な治療効果を有する新薬を見つけることは非常に重要である。
プルサチラサポニンB4(アネモシドB4)は、式1の構造を有するルパン(lupine)型5環性トリテルペノイドサポニンに属する。
従来技術において報告されているが、プルサチラサポニンB4は強い活性を有する。例えば、プルサチラサポニンB4は、炎症因子の過剰発現によって引き起こされる急性腎障害、急性肝障害及び急性肺障害を含む急性炎症の治療における免疫調節剤として使用される(特許文献1、公開日:2016年1月6日)。他の例としては、プルサチラサポニンB4は、手足口病の治療におけるEV71ウイルス阻害剤として使用される(特許文献2、公開日:2016年5月4日)。さらに、Liu Qiは、2018年10月18日に「抗急性痛風性関節炎における、プルサチラサポニンB4の医学的使用(medicinal use of Pulsatilla saponin B4 in anti-acute gouty arthritis)」というタイトルの中国発明特許出願(特許文献3)を出願した。しかしながら、プルサチラサポニンB4の口腔潰瘍に対する治療効果は今のところ報告されていない。
中国公開公報第105213410号 中国公開公報第105535004号 中国特許出願第201811214694.3号
Jingjing SUN, et al, Current Prevention and Treatment Situation of Oral Ulcer Caused By Chemotherapy in Patients with The Malignant Tumor [J]. Journal of Qilu Nursing, 2013, Vol.19, No.21: 57-58
従来技術の不利点を克服するために、本発明は、プルサチラサポニンB4の新たな医学的使用、すなわち、口腔潰瘍、特に化学療法によって引き起こされる口腔潰瘍の治療における、プルサチラサポニンB4の使用を提供する。
上述の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決策を提供する。
口腔潰瘍を治療するための薬剤の調製における、プルサチラサポニンB4の使用が提供される。
好ましい実施の形態として、本発明は、再発性口腔潰瘍を治療するための薬剤の調製における、プルサチラサポニンB4の使用を提供する。
別の好ましい実施の形態として、本発明は、化学療法誘発性口腔潰瘍を治療するための薬剤の調製における、プルサチラサポニンB4の使用を提供する。
好ましくは、薬剤の調製において、プルサチラサポニンB4を唯一の有効成分として使用する。
代替的には、薬剤の調製において、プルサチラサポニンB4と他の有効成分とを共に使用し、他の有効成分は、リファンピシン、フルメタゾン、メトロニダゾール、硫酸亜鉛、モンモリロナイト、クロルヘキシジン、キトサン、スクラルファート、ポリイノシン-ポリシチジル酸、レバミゾール、ビタミンC、ビタミンB、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、組換えヒト上皮成長因子及び組換えヒトケラチノサイト成長因子等からなる群から選択される1つ以上である。
好ましくは、薬剤は、経口製剤及び非経口製剤から選択される1つ以上である。
好ましくは、非経口製剤は、注射剤、直腸投与製剤、口腔粘膜パッチ及び口腔膜からなる群から選択される1つ以上である。
注射剤は、皮下注射剤、筋肉内注射剤及び静脈内注射剤からなる群から選択される1つ以上である。
直腸投与製剤は、直腸坐剤、直腸ゲル及び直腸灌流剤からなる群から選択される1つ以上である。
本発明に記載の薬学的に許容可能な賦形剤としては、(1)希釈剤、例えば、デンプン、粉砂糖、デキストリン、ラクトース、アルファ化デンプン、微結晶性セルロース、無機カルシウム塩(例えば、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、薬用炭酸カルシウム等)、マンニトール、植物油、ポリエチレングリコール、カカオバター、半合成又は完全合成脂肪酸グリセリド、グリセロゼラチン等;(2)結合剤、例えば、蒸留水、エタノール、デンプンスラリー、ポビドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等;(3)崩壊剤、例えば、乾燥デンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム等;(4)潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、マイクロシリカゲル、滑石粉、硬化植物油、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸マグネシウム等;(5)溶剤、例えば、注射用水、エタノール等;(6)防腐剤、例えば、安息香酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩、パラベン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
好ましくは、使用の対象は哺乳類、好ましくはヒトである。
ヒトに投与する場合、プルサチラサポニンB4の投与量は、通常、(体重70kgに基づいて)成人に対して、1日当たり50mg/人~300mg/人である。プルサチラサポニンB4は、体重70kgの成人に対して、1日1回又は数回、50mg/人~300mg/人まで投与することが好ましい。
以下、本発明を特定の例を参照して更に説明する。当業者であれば、これらの例が本発明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を何ら限定するものではないことが分かるだろう。
特に明記しない限り、以下の例における実験方法は従来の方法である。特に明記しない限り、以下の例における医薬原料及び試薬材料等は市販されている。
研究例1:ラットにおける酢酸誘発性口腔潰瘍に対するプルサチラサポニンB4の効果
1.実験目的
プルサチラサポニンB4の口腔潰瘍に対する治療効果を評価するために、ラットにおいて酢酸によって誘発される口腔潰瘍のモデルを確立し、モデリング後の食物摂取量、潰瘍直径の変化及び潰瘍治癒時間を観察した。
2.実験材料
2.1 実験動物:SDラット、SFPグレード、オス、200g~220g、Hunan Slac Laboratory Animals Co., Ltd.から購入、認定書番号:43004700060832、ライセンス番号:SCXK(Xiang)2016-0002。
2.2 試験薬:
プルサチラサポニンB4坐剤:自作、0.14g/粒;プルサチラサポニンB4の含有量に基づき、14mg/粒、7mg/粒及び3.5mg/粒の3つの仕様がある、バッチ番号:20190523;
ブランク坐剤:自作、プルサチラサポニンB4坐剤と並行して調製、バッチ番号は20190523-kである;
Xi Lei粉末:Jiangsu 707 Natural Pharmaceutical Co., Ltd.、190102;
デキサメタゾン:HeNan RunHong Pharmaceutical Co., Ltd.、National Medicine Standard H41020330。
プルサチラサポニンB4坐剤を調製する方法は、以下の工程を含む:
プルサチラサポニンB4を粉砕し、100メッシュの篩を篩過した。混合脂肪酸グリセリド36#及び混合脂肪酸グリセリド38#をマトリックスとして秤量し、60℃の水浴中で溶融させて、均一に撹拌し、次いで、プルサチラサポニンB4をゆっくりと添加した。B4がマトリックス中に均一に分散するまで、混合物を連続的に撹拌した。次いで、溶融した混合物を坐剤の型に流し込み、冷却した。次いで、脱型し、プルサチラサポニンB4坐剤を得た。
2.3 実験試薬:
氷酢酸(Xilong Scientific Co., Ltd.、バッチ番号:180510)、抱水クロラール(Tianjin Damao Chemical Reagent Factory、バッチ番号:20180518)、イソフルラン(Shenzhen RWD Life Science and Technology Co. Ltd.、バッチ番号:217180501)。
2.4 実験装置:麻酔器(RWD、R580)、ノギス(Mitutoyo、CD-6’’CSX)。
3.実験方法
3.1 酢酸誘発性口腔潰瘍を有するラットモデルの確立
ラットを、10%抱水クロラール溶液の腹腔内注射により麻酔した。麻酔後、100%氷酢酸に浸漬した3mm×3mmの濾紙をラットの右頬粘膜に45秒間貼付した。この45秒間の火傷の後、この領域の頬粘膜に円形又は楕円形の白い病変が現れた。これにより、モデルがうまく確立されたことが分かる。
3.2 実験群
うまくモデル化した全ての動物を、潰瘍面積に基づいて無作為に6つの群に分けた:
(1)モデル群:ラット14匹、(2)Xi Lei粉末群(15mg/kg):ラット12匹、(3)デキサメタゾン群(0.3mg/kg):ラット13匹、(4)プルサチラサポニンB4高用量群(B4坐剤高用量群、約60mg/kg t.i.d.、すなわち14mg/粒、各回1粒、1日3回):ラット14匹、(5)プルサチラサポニンB4中用量群(B4坐剤中用量群、約30mg/kg t.i.d.、すなわち7mg/粒、各回1粒、1日3回):ラット14匹、(6)プルサチラサポニンB4低用量群(B4坐剤低用量群、約15mg/kg t.i.d.、すなわち3.5mg/粒、各回1粒、1日3回):ラット14匹;ラット6匹の正常群を追加で設定した。
3.3 薬剤の投与
モデルの確立の24時間後に、薬剤を3日間連続で投与した。ここで、Xi Lei粉末群は1日1回局所投与し、デキサメタゾン群は1日1回腹腔内注射し、プルサチラサポニンB4は、1日3回直腸投与し、モデル群は1日3回ブランク坐剤を投与した。
3.4 観察指標
(1)全体的な観察:モデリングの2日目から、各ケージの動物の食物摂取量を毎日測定し、動物の体重を2日に1回測定した。
(2)潰瘍面積の直径の測定:モデリングの2日目、4日目及び5日目に、潰瘍面積の直径をノギスにより測定し、記録した。
4.実験結果
4.1 口腔潰瘍を有するラットの体重に対するプルサチラサポニンB4坐剤の影響:
結果を表1に示す。
Figure 0007462783000002
表1から分かるように、デキサメタゾン群のラットの体重は投与後に大幅に減少した。デキサメタゾン群を除いて、他の治療群のラットの体重は、モデル群と比較して投与後に増加傾向を示した。モデリングの4日目(すなわち、投与後3日目)から、全てのプルサチラサポニンB4群のラットの体重は、デキサメタゾン群の体重よりも大幅に高く、その差は統計的に有意(p<0.05)であった。
4.2 酢酸誘発性口腔潰瘍を有するラットの食物摂取量に対するプルサチラサポニンB4の影響:
結果を表2に示す。
Figure 0007462783000003
表2から分かるように、モデルの確立後、各モデリング群の動物の食物摂取量は、正常な動物と比較して明らかに減少し、モデリングから3日目に最小となった。これにより、潰瘍がモデリングの3日目に最も深刻であり、各群の動物は、痛みのために食物摂取量が減少したことが分かる。続いて、潰瘍の治癒及び痛みの軽減と共に、各群で動物の食物摂取量が徐々に増加した。潰瘍が最も悪化したモデリングの3日目では、各プルサチラサポニンB4群の食物摂取量はモデル群の食物摂取量よりも高く、モデル群とB4高用量群及び中用量群との差は統計的に有意(p<0.05)であった。これにより、各プルサチラサポニンB4群の潰瘍誘発損傷が軽度であったことが分かる。モデル群と比較すると、デキサメタゾン群の食物摂取量はモデリングの3日目(投与後1日目)に増加したが、その後は明らかに減少し、各プルサチラサポニンB4群の食物摂取量よりも少なかった。
4.3 酢酸誘発性口腔潰瘍を有するラットの潰瘍直径に対するプルサチラサポニンB4の効果:
結果を表3に示す。
Figure 0007462783000004
表3のデータから、モデル群と比較して、プルサチラサポニンB4坐剤が、モデリングの4日目及び5日目から、酢酸によって誘発される口腔潰瘍の直径を大幅に減少させたこと(p<0.05)、並びに、プルサチラサポニンB4坐剤の潰瘍治癒促進効果が、デキサメタゾンの効果と同等で、Xi Lei粉末の効果よりも良好であったことが分かる。
5.結論
プルサチラサポニンB4の直腸投与は、酢酸誘発性口腔潰瘍を有するラットに対して非常に良好な治療効果を有し、潰瘍治癒促進においてデキサメタゾンと同等の効果を示す。これは、Xi Lei粉末の効果よりも大幅に良好である。同時に、プルサチラサポニンB4は、体重、食物摂取量等に反映される口腔潰瘍を有するラットの全身状態の改善において、デキサメタゾンよりも優れている。
研究例2:ラットにおけるパクリタキセル誘発性口腔潰瘍に対するプルサチラサポニンB4の治療効果
1.実験目的
口腔潰瘍は、放射線療法及び化学療法後の腫瘍患者における一般的な有害作用である。化学療法によって誘発される口腔潰瘍に対するプルサチラサポニンB4の治療効果を評価するために、この実験では、ラットにおいてパクリタキセルによって誘発される口腔潰瘍のモデルを利用し、モデリング後の食物摂取量及び潰瘍治癒時間を観察した。
2.実験材料
2.1 動物:SDラット、SFPグレード、オス、180g~200g、Hunan Slac Laboratory Animals Co., Ltd.から購入、認定書番号:1107271911003468、ライセンス番号:SCXK(Xiang)2016-0002。
2.2 試験薬:
プルサチラサポニンB4坐剤:自作、調製方法は研究例1と同様;0.15g/粒;各粒には14mgのプルサチラサポニンB4が含まれる、バッチ番号:20190523。
同時に、ブランク坐剤を並行して調製した。
デキサメタゾン:HeNan RunHong Pharmaceutical Co., Ltd.、National Medicine Standard H41020330。
2.3 実験試薬:パクリタキセル注射剤(Beijing SL Pharmaceuticals Co. Ltd.、バッチ番号20190101)、抱水クロラール(Tianjin Damao Chemical Reagent Factory、バッチ番号:20180518)、イソフルラン(Shenzhen RWD Life Science and Technology Co. Ltd.、バッチ番号:217180501)。
2.4 実験装置:麻酔器(RWD、R580)、ノギス(Mitutoyo、CD-6’’CSX)。
3.実験方法
3.1 パクリタキセル注射剤誘発性口腔潰瘍を有するラットモデルの確立
ラットを、10%抱水クロラール溶液の腹腔内注射により麻酔した。麻酔後、6mg/mlのパクリタキセル注射剤50μlをラットの右頬粘膜に注射して、化学療法誘発性口腔潰瘍のモデルを確立した。
3.2 実験群
うまくモデル化した全ての動物を、無作為に以下の群に分けた:モデル群:ラット7匹;プルサチラサポニンB4高用量群(約60mg/kg、1日2回):ラット7匹;ラット6匹の正常群を追加で設定した。
3.3 薬剤の投与
モデルの確立の24時間後に、プルサチラサポニンB4を5日間、1日2回、各回1粒直腸投与した。デキサメタゾン群は5日間、1日1回腹腔内注射し、モデル群はブランク坐剤を投与した。
3.4 観察指標
(1)全体的な観察:モデリングの当日、全てのラットを12時間、水は与えた状態で絶食させ、次いで、モデリングの2日目から投与後に定量的に摂食させた。各ケージの動物の食物摂取量を、モデリングの3日目(すなわち、薬剤投与から2日目)から毎日測定した。
(2)潰瘍面積の直径の測定:モデリングの2日目から7日間、潰瘍面積の直径をノギスにより測定し、記録した。
4.実験結果
4.1 パクリタキセル誘発性口腔潰瘍を有するラットの食物摂取量に対するプルサチラサポニンB4の影響:
結果を表4に示す。
Figure 0007462783000005
表4から分かるように、モデリング後、各群の動物の食料摂取量は正常群と比較して明らかに減少し、モデリングの3日目に最小となり、次いで、徐々に増加し、6日目に通常のレベルに回復した。この期間中、プルサチラサポニンB4群の食料摂取量は、モデル群の食料摂取量より一貫して高く、3日目及び4日目の差は統計的に有意(p<0.05)であった。しかしながら、陽性対照としてのデキサメタゾン群の食物摂取量は、明らかに改善していない。
4.2 パクリタキセル誘発性口腔潰瘍を有するラットの潰瘍直径に対するプルサチラサポニンB4の効果:
結果を表5に示す。
Figure 0007462783000006
表5の実験データから、プルサチラサポニンB4坐剤が投与後に潰瘍面積を大幅に減少させることができること、及び、モデル群と比較したモデリングの3日目からの差は統計的に有意(p<0.05)であったことが分かる。デキサメタゾン群とモデル群との間で潰瘍直径に明らかな差はなかった。
5.結論
研究結果から、プルサチラサポニンB4が、パクリタキセル誘発性口腔潰瘍を有するラットに対して非常に良好な治療効果を有することが分かる。これにより、潰瘍治癒時間を大幅に短縮し、ラットの全身状態を改善することができる(食料摂取量は、モデル群の食料摂取量より高い)。研究から、腫瘍患者において化学療法薬によって誘発される口腔潰瘍の治療にプルサチラサポニンB4を使用することができることが分かる。これにより、患者の痛みを軽減し、患者の生活の質を向上させ、化学療法の円滑な完了を可能とするのに役立つと考えられる。

Claims (9)

  1. 口腔潰瘍(ただし、EV71ウイルスの感染に起因する口腔潰瘍を除く)を治療するための薬剤の調製における、プルサチラサポニンB4の使用であって、前記薬剤の調製において、プルサチラサポニンB4を唯一の有効成分として使用する、使用
  2. 再発性口腔潰瘍を治療するための薬剤の調製における、プルサチラサポニンB4の使用であって、前記薬剤の調製において、プルサチラサポニンB4を唯一の有効成分として使用する、使用
  3. 化学療法誘発性口腔潰瘍を治療するための薬剤の調製における、プルサチラサポニンB4の使用であって、前記薬剤の調製において、プルサチラサポニンB4を唯一の有効成分として使用する、使用
  4. 前記薬剤が、経口製剤及び非経口製剤から選択される1つ以上である、請求項1~のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記非経口製剤が、注射剤、直腸投与製剤、口腔粘膜パッチ及び口腔膜からなる群から選択される1つ以上である、請求項に記載の使用。
  6. 前記注射剤が、皮下注射剤、筋肉内注射剤及び静脈内注射剤からなる群から選択される1つ以上である、請求項に記載の使用。
  7. 前記直腸投与製剤が、直腸坐剤、直腸ゲル及び直腸灌流剤からなる群から選択される1つ以上である、請求項に記載の使用。
  8. 前記使用の対象が哺乳類である、請求項1~のいずれか一項に記載の使用。
  9. 前記対象がヒトである、請求項8に記載の使用。
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