JP7462579B2 - 圧縮機、空気調和機、圧縮機の製造方法および空気調和機の製造方法 - Google Patents

圧縮機、空気調和機、圧縮機の製造方法および空気調和機の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は圧縮機、空気調和機、圧縮機の製造方法および空気調和機の製造方法に関する。
圧縮機には、圧縮室の内壁との干渉を防いでピストンの摺動効率を高めるため、いわゆる逃がし部を備えるものがある。
例えば、特許文献1には、偏心部を有して回転するシャフトと、偏心部が挿通され、シャフトが回転することにより公転するローリングピストンと、を備え、ローリングピストンの公転軸方向の端面の、シャフトの偏心部側に凹み状の逃がし部が形成された圧縮機が開示されている。
特許文献1に記載の圧縮機では、ローリングピストンの公転軸方向には、軸受が備える円板部が配置されている。この圧縮機では、ローリングピストンの上記箇所に逃がし部が形成されることにより、ローリングピストンが円板部を摺動する摺動面積が縮小されている。その結果、エネルギー効率が高められている。
特開2000-265979号公報
これに対して、圧縮効率をより高めるため、ローリングピストンが公転する圧縮室に逃がし部を形成することが考えられる。圧縮室と他の部品の干渉を防ぐことにより、流体がより圧縮されやすくなり、圧縮効率が高まると考えられるからである。
しかし、逃がし部が大きいと、流体が漏れてしまい、圧縮機の圧縮効率が低下してしまう。一方、逃がし部を小さくするには、例えば、先端角の小さい切削工具を用いて逃がし部を形成する必要があり、その結果、製造しにくい。
本開示は上記の課題を解決するためになされたもので、製造が容易で、圧縮効率を高めることができる圧縮機、空気調和機、圧縮機の製造方法および空気調和機の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本開示に係る圧縮機は、第一圧縮室部品と、第二圧縮室部品と、摺動部材と、を備える。第一圧縮室部品は、流体を圧縮する圧縮室を画定する第一内壁面および、第一内壁面と第一内壁面の端部に位置する第一端面とが形成するコーナー部を切り欠く切り欠き部を有する。第二圧縮室部品は、第一端面と合わせられた合わせ面、第一内壁面と共に圧縮室を画定する第二内壁面および、第二内壁面と合わせ面との間かつ、第一内壁面の延長先と第二内壁面が交差する位置に形成された溝、を有する。摺動部材は、圧縮室で摺動する。
本開示の構成によれば、第一圧縮室部品が、第一内壁面と第一内壁面の端部に位置する第一端面とが形成するコーナー部を切り欠く切り欠き部を有し、第二圧縮室部品が、第一内壁面の延長先と第二内壁面が交差する位置に形成された溝を有する。それぞれの部品に切り欠き部と溝を形成するので、小さい切り欠き部と溝が形成しやすい。その結果、製造が容易である。また、小さい切り欠き部と溝を形成して、流体の漏れを抑制することができる。その結果、圧縮機の圧縮効率を高めることができる。
本開示の実施の形態1に係る圧縮機の断面図 図1に示すII-II切断線の断面図 本開示の実施の形態1に係る圧縮機が備えるシリンダの円筒部、軸受部の拡大断面図 本開示の実施の形態1に係る圧縮機が備えるシリンダの円筒部の断面図 本開示の実施の形態1に係る圧縮機が備えるシリンダの軸受部の断面図 本開示の実施の形態1に係る圧縮機の製造方法のフローチャート 本開示の実施の形態1に係る圧縮機が備えるシリンダの円筒部または軸受部の作製方法のフローチャート 本開示の実施の形態2に係る圧縮機が備えるシリンダを下から視たときの斜視図 本開示の実施の形態2に係る圧縮機が備えるシリンダの円筒部を上から視たときの斜視図 本開示の実施の形態2に係る圧縮機が備えるシリンダの軸受部を上から視たときの斜視図 本開示の実施の形態3に係る圧縮機が備えるスクロール体の斜視図 図11に示すXII-XII切断線でスクロール体を切断したときの、スクロール体の基部を拡大した拡大断面図 本開示の実施の形態4に係る空気調和機のブロック図 本開示の実施の形態2に係る圧縮機が備えるシリンダの円筒部の変形例の斜視図 本開示の実施の形態2に係る圧縮機が備えるシリンダの円筒部の他の変形例の斜視図 本開示の実施の形態2に係る圧縮機が備えるシリンダの円筒部のさらに他の変形例の斜視図 本開示の実施の形態2に係る圧縮機が備えるシリンダの軸受部の変形例の斜視図 本開示の実施の形態2に係る圧縮機が備えるシリンダの軸受部の他の変形例の斜視図 本開示の実施の形態2に係る圧縮機が備えるシリンダの軸受部のさらに他の変形例の斜視図
以下、本開示の実施の形態に係る圧縮機、空気調和機、圧縮機の製造方法および空気調和機の製造方法について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中、同一又は同等の部分には同一の符号を付す。図に示す直交座標系XYZにおいて、圧縮機が備えるベーンの進退方向をY軸、圧縮機が備えるローリングピストンの公転軸方向をZ軸、Y軸とZ軸とに直交する方向がX軸である。以下、適宜、この座標系を引用して説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る圧縮機は、ローリングピストンとシリンダとの嵌合性を高めて、圧縮率を向上させるため、シリンダの内壁に逃がし部が設けられたロータリー圧縮機である。この圧縮機では、逃がし部を形成しやすくするため、圧縮室を形成する部品に溝、凹み等を設けておき、これら部品を組み合わせることにより、逃がし部を形成する。
まず、図1および図2を参照して、ロータリー圧縮機の構成について説明する。
なお、逃がし部とは、部品が他の部品と干渉することを防ぐために、部品に形成される凹み、溝等の構造、または、部品と他の部品との間に設けられるクリアランスのことである。
図1は、実施の形態1に係る圧縮機1Aの断面図である。図2は、図1に示すII-II切断線の断面図である。なお、図1では、理解を容易にするため、シリンダ10Aの、一体化された円筒部11Aと軸受部12Aの境界を点線で示している。
図1に示すように、圧縮機1Aは、シリンダ10Aと、シリンダ10Aの下側に配置された軸受20と、軸受部12Aによって回転可能に保持されたシャフト30と、シャフト30に取り付けられたローリングピストン40と、を備える。さらに、圧縮機1Aは、図2に示すように、ローリングピストン40に当接して、シリンダ10A内を仕切るベーン50を備える。
シリンダ10Aは、流体を圧縮する圧縮室を形成する部材である。さらに、シリンダ10Aは、圧縮室に通すシャフト30を保持する部材も兼ねる。このため、シリンダ10Aは、図1に示すように、円筒部11Aと軸受部12Aが一体化した形状を有する。
円筒部11Aは、その中央に、流体を収容して圧縮する圧縮室として機能する円い孔111を有する。そして、円筒部11Aは、孔111の軸線L1を上下方向に向けて配置されている。
また、円筒部11Aには、図2に示すように、半径方向に貫通するベーン溝112と吸入口113が形成されている。ベーン溝112は、ベーン50が差し込まれ、そのベーン50が進退する。これに対して、吸入口113は、図示しない、流体が流される吸入管に接続され、流体を孔111内に導く。一方、円筒部11Aの上には、図1に示すように、軸受部12Aが配置されている。その軸受部12Aは、円筒部11Aと一体である。
軸受部12Aは、円板部121の中央かつ上に小円筒部122が接続された形状を有する。円板部121は、円筒部11Aと同径に形成されている。そして、円板部121は、円筒部11Aの上で円筒部11Aの孔111を覆って、その孔111を塞いでいる。一方、小円筒部122には、シャフト30を通すための貫通孔126が形成されている。その貫通孔126は、円板部121も貫通する。そして、孔111の軸線L1と同軸に配置されている。さらに、貫通孔126には、シャフト30が緩挿されている。これにより、軸受部12Aは、シャフト30を摺動可能に保持している。
なお、本実施の形態では、円板部121は、円筒部11Aと同径であるが、円板部121は、円筒部11Aの外径よりも小さい外径であってもよく、逆に大きい外径であってもよい。
一方、シリンダ10Aの円筒部11Aの下側にも、図1に示すように、孔111にシャフト30を通すため、軸受部12Aと同様の機能を有する軸受20が配置されている。
軸受20は、孔111よりも大きい径の円板状に形成されている。そして、軸受20は、シリンダ10Aの下側から孔111を塞いでいる。また、軸受20にも、貫通孔21が、孔111の軸線L1と同軸で形成され、その貫通孔21にシャフト30が緩挿されている。これにより、軸受20も、シャフト30を摺動可能に保持している。
シャフト30は、軸受部12Aの小円筒部122と軸受20に保持されているので、図1に示すように、軸線L1の方向に延びている。そして、シャフト30は、図示しないモータに接続され、そのモータが駆動することにより回転する。また、シャフト30は、図1に示すように、円筒部11Aの孔111内に偏心部31を有する。その偏心部31は、ローリングピストン40が取り付けられている。シャフト30は、回転することにより、ローリングピストン40を動かす。
ローリングピストン40は、図1および図2に示すように、円筒状に形成されている。その円筒には、上述した偏心部31が差し込まれている。そして、ローリングピストン40は、偏心部31と共に、円筒部11Aの孔111内に位置している。その状態で、ローリングピストン40の外周面は、孔111の内壁面110に近接している。ローリングピストン40は、図示しないモータによってシャフト30が回転すると、軸線L1を中心に揺動する。換言すると、ローリングピストン40は、軸線L1に対して偏心した状態で、軸線L1の回りに回転する。一方、図2に示すように、ローリングピストン40には、ベーン50の先端が当接している。
ベーン50は、先端がR状に丸められた四角柱の形状に形成されている。そして、図示しないが、ベーン50は、シリンダ10Aの円筒部11Aの軸線L1方向長さ、すなわち、Z方向高さと同じ高さを有する。その先端は、上記のようにローリングピストン40に当接している。これにより、ベーン50は、ローリングピストン40と孔111の内壁面110との空間を仕切っている。また、図示しないが、ベーン50は、ベーン溝112に設けられたスプリングによってローリングピストン40に付勢されている。これにより、ベーン50は、ローリングピストン40の動作によらず、上記空間を仕切る。
ベーン50の、ローリングピストン40の回転方向R反対側には、図2に示すように、吐出ポート123が設けられている。その吐出ポート123は、円筒部11Aの孔111の上端を塞ぐ円板部121に形成されている。一方、ベーン50の、ローリングピストン40の回転方向Rの側には、上述した吸入口113が配置されている。
このような位置関係で、ローリングピストン40が、孔111の内部の上領域に偏心した状態から回転方向Rに回転すると、ローリングピストン40が再度、孔111の内部の上領域に偏心した状態に戻るまで、回転するに従って、ベーン50よりも吸入口113側の空間S1の容積が増加する。その結果、空間S1に吸入口113から流体が吸入する。これと同時に、ベーン50よりも吐出ポート123側の空間S2では、ローリングピストン40の回転に従い、容積が減少する。その結果、吐出ポート123側の空間S2内部の流体が圧縮される。そして、吐出ポート123の図示しない弁が開いて、圧縮された流体が吐出ポート123から吐出される。
このように、ローリングピストン40がシリンダ10Aの孔111の内部で軸線L1の回りに回転運動して孔111の流体を圧縮する。
このとき、ローリングピストン40の外周面と孔111の内壁面110は、上述したように近接しているところ、それらの間に大きい隙間が生じると、上述した、図2に示すベーン50よりも吐出ポート123側の空間S2の内部で圧縮された流体が、ベーン50よりも吸入口113側の空間S1へ漏れてしまい、その結果、圧縮効率が低下してしまうおそれがある。
そこで、圧縮機1Aは、ローリングピストン40が内壁面110に近接する部分で、可能な限り近接した状態とするため、ローリングピストン40と孔111の内壁面110の間に生じる隙間が、最大0.1mmとなる状態に組み立てられている。圧縮機1Aでは、ローリングピストン40、シリンダ10A等の各部品を高精度に作製して組み立てることにより、圧縮効率が高められている。
しかしながら、図1に示すように、シリンダ10Aには、内角A1が形成されている。詳細には、円筒部11Aが有する孔111の内壁面110と、軸受部12Aが有する円板部121が有する内壁面124と、が内角A1を形成している。このため、高い精度で、ローリングピストン40とシリンダ10Aを作製しても、この内角A1とローリングピストン40のコーナー部が干渉してしまうおそれがある。その結果、ローリングピストン40の摺動効率が低下してしまうおそれがある。また、ローリングピストン40とシリンダ10Aが傷付いて、流体が漏れるおそれがある。
そこで、図1および図2には示さないが、圧縮機1Aでは、シリンダ10Aの内角A1に逃がし部が形成されている。次に、図3-図5を参照して、シリンダ10Aの逃がし部について説明する。
図3は、シリンダ10Aの円筒部11A、軸受部12Aの拡大断面図である。図4は、円筒部11Aの断面図である。図5は、軸受部12Aの断面図である。なお、図3は、図1に示すシリンダ10Aの断面の左部分を拡大している。また、図3では、理解を容易にするため、逃がし部60Aと隙間C1の大きさを強調している。図4-図5でも、図3よりも程度が小さいものの、面取り部61Aと溝62Aの大きさを強調している。
図3に示すように、シリンダ10Aが備える円筒部11Aと軸受部12Aが形成する内角A1には、逃がし部60Aが形成されている。
詳細には、円筒部11Aが有する内壁面110の延長先と、軸受部12Aが有する内壁面124の延長先が交差し、その結果、内角A1を形成するところ、その内角A1の頂点部63が位置する箇所、すなわち、内壁面110の延長先と内壁面124の延長先の交差点が位置する箇所を削り取った形状の逃がし部60Aが形成されている。
逃がし部60Aでは、ローリングピストン40と内壁面110の隙間C1が最大0.1mmであるところ、ローリングピストン40との干渉を防ぐために、逃がし部60Aの幅W1のうちの、内角A1の頂点部63よりもローリングピストン40側の幅W2が0.01mm以上0.1mm以下の大きさに形成されている。また、逃がし部60Aの高さH1のうちの、内角A1の頂点部63よりもローリングピストン40側の高さH2が、幅W2と同じ大きさに形成されている。
このような小型の逃がし部60Aを機械加工で形成するには、先端角の小さい、バイト、エンドミル等の工具を用いる必要がある。この場合、その工具の刃先が共振して、加工表面がうねったりがたついたりしてしまうことがある。その結果、生産性が低く、製造しにくい。
そこで、圧縮機1Aでは、逃がし部60Aがシリンダ10Aの円筒部11Aに形成された面取り部61Aと、軸受部12Aに形成された溝62Aと、が組み合わせることにより形成されている。すなわち、圧縮機1Aでは、シリンダ10Aの円筒部11Aと軸受部12Aを別々に作製すると共に、その作製過程で、面取り部61Aと溝62Aを形成しておき、面取り部61Aが形成された円筒部11Aと溝62Aが形成された軸受部12Aとを組み合わせることにより、面取り部61Aと溝62Aとを組み合わせて、逃がし部60Aを形成している。
なお、円筒部11Aと軸受部12Aは、シリンダ10Aの圧縮室を形成する部品であることから、圧縮室部品ともいう。
面取り部61Aは、図4に示すように、円筒部11Aの内壁面110と、円筒部11Aの上面114とが形成するコーナー部115に形成されている。その形状は、コーナー部115を内壁面110に対して傾斜した平面で切断した形状である。例えば、面取り部61Aは、内壁面110に対して45°の傾斜面で切断したC面取り、いわゆる角面である。その面取り部61Aの幅W3は、上述した高さH2と同じ0.01mm以上0.1mm以下である。そして、面取り部61Aは、その形状のまま、円筒部11Aの内周に沿って延びている。その結果、面取り部61Aは、円筒部11Aの内周全周に渡って形成されている。
これに対して、溝62Aは、図5に示すように、軸受部12Aが有する円板部121の下面、すなわち内壁面124に形成されている。その溝横断面形状は、半円形である。その半径R1は、上記の面取り部61Aの幅W3、高さH2と同じである。そして、溝62Aは、その溝横断面形状のまま、円板部121の軸線L12を中心とする円を描いている。すなわち、溝62Aは、円形状に延びた軌道を描く。その溝62Aが描く円の半径R12は、図4に示す、面取り部61Aが形成された円筒部11A内周の半径R11と同じである。
なお、図3に示す逃がし部60Aの、内角A1の頂点部63よりも奥側の部分、すなわち、頂点部63よりも円筒部11A側の部分と頂点部63よりも軸受部12A側の部分は、ローリングピストン40との干渉を防ぐ部分でない。このため、面取り部61Aの幅W3は、上述した大きさよりも小さくてもよいし、または大きくてもよい。溝62Aの横断面形状の半径R1は、上述した幅W2の大きさを保つ限りにおいて、上述した大きさよりも小さくてもよいし、または大きくてもよい。
図1に戻って、シリンダ10Aの円筒部11Aと軸受部12Aは、下から、この順序で重ねられた状態で組み合わされている。そして、図4に示す円筒部11Aの上面114が、図5に示す円板部121の下面の溝62Aよりも外側の環状部分125に合わされ、接合されている。
このとき、図4に示す円筒部11Aの軸線L11と図5に示す軸受部12Aの円板部121の軸線L12とが一直線上に並ぶ位置で組み合わされる。上述したように、面取り部61Aが形成された、円筒部11Aの内周の半径R11と、溝62Aが描く円の半径R12は、同じである。このため、円筒部11Aと軸受部12Aが組み合わされると、図4に示す面取り部61Aが形成されたコーナー部115の頂点部と、図5に示す溝62Aの溝横断面視半円の中心64とが一致する。その結果、図3に示すように、内角A1の頂点部63よりも外側、または上側に、面取り部61Aと溝62Aが位置する。これにより、内角A1の頂点部63に、ローリングピストン40のコーナー部41が位置したとしても、ローリングピストン40のコーナー部分が、円筒部11Aと軸受部12Aに干渉しない。これにより、ローリングピストン40の摺動効率の低下が防がれている。
また、面取り部61Aは、円筒部11Aの内壁面110の上端に形成されている。さらに、溝62Aは、軸受部12Aが有する円板部121の内壁面124に形成されている。面取り部61Aと溝62Aが形成される箇所は、外角のコーナー部分か、或いは平面であるので、作製しやすい。これにより、逃がし部60Aを製造するときの生産性が高められている。また、逃がし部60Aの製造を容易にしている。次に、図6および図7を参照して、圧縮機1Aの製造方法について説明する。
図6は、圧縮機1Aの製造方法のフローチャートである。図7は、圧縮機1Aが備えるシリンダ10Aの円筒部11Aまたは軸受部12Aの作製方法のフローチャートである。
まず、図6に示すように、円筒部11Aと軸受部12Aを作製する(ステップS1)。これらの作製では、成形された粉末を加圧かつ加熱して焼結体を作製する焼結法を用いて、焼結体である円筒部11Aと軸受部12Aを作製する。
詳細には、図7に示すように、まず、原料粉末、例えば、鉄を主成分とする鉄鋼の原料粉末を用意する(ステップS11)。複数の種類の原料粉末を用いる場合、用意した原料粉末を混合する。例えば、バインダ、潤滑剤等を用いる場合、原料粉末に、これらバインダ、潤滑剤を混合する。
続いて、用意した原料粉末を、上述した円筒部11Aを成形するための金型に充填して、充填された原料粉末を加圧することにより、原料粉末の成形を行う(ステップS12)。この成形では、金型として、上述した面取り部61Aを有する円筒部11Aの型を備える金型を用いる。そして、500~800MPaの圧力で、原料粉末を加圧する。これにより、面取り部61Aを有する円筒部11Aの形状の成形体を作製する。
次に、成形体を加圧した状態で、原料粉末の融点未満の温度で加熱して、成形体を焼結させる(ステップS13)。この成形体の焼結では、例えば、原料粉末が鉄である場合、鉄の融点よりも低い1000~1300℃で加熱する。このような温度で成形体を加圧した状態で加熱すると、原料粉末の粒子同士が接合し、冶金的に結合する。そして、焼結体が完成する。
以上の工程により、焼結体であり、面取り部61Aを有する円筒部11Aが作製される。同様に、ステップS12の、金型を、軸受部12Aを成形するための金型に変更して、上記ステップS11-S13を実施し、焼結体の軸受部12Aを作製する。この軸受部12Aの作製では、溝62Aを有する軸受部12Aの形状の型を備える金型を用いる。その結果、溝62Aを有する軸受部12Aを作製する。
図6に戻って、円筒部11Aと軸受部12Aが作製されると、作製された円筒部11Aと軸受部12Aを組み合わせる(ステップS2)。このとき、上述した、図5に示す軸受部12Aが備える円板部121の、溝62Aよりも外側にある環状部分125に、図4に示す円筒部11Aの上面114を合わせる。これにより、図3に示す溝62Aに面取り部61Aが隣接した状態となる。その結果、溝62Aと面取り部61Aが一体化した空間の逃がし部60Aが形成される。
図6に戻って、組み合わせられた円筒部11Aと軸受部12Aを加熱して、これらを互いに接合する。これにより、円筒部11Aと軸受部12Aを接合する(ステップS3)。この接合では、円筒部11Aと軸受部12Aを互いに押し付けた状態で、すなわち、加圧された状態で、加熱する。これにより、接合強度を高める。なお、加熱の温度は、ステップS13の加熱と同様に、円筒部11Aと軸受部12Aの材料の融点未満であるとよい。これにより、焼結を進めて、上記焼結体の緻密化を進めてもよい。
なお、この接合では、ステップS13の成形体の焼結と同様に、円筒部11Aと軸受部12Aを加熱して焼結する。同じ焼結であることから、ステップS13の焼結を一次焼結といい、この加熱を二次焼結という。
円筒部11Aと軸受部12Aを接合すると、次に、機械加工によって円筒部11Aと軸受部12Aの表面形状を修正する(ステップS4)。
詳細には、圧縮機1Aに組み立てられたときの組み立て精度を高めるため、または、ローリングピストン40の密着性を高めるため、図3に示す、円筒部11Aの内壁面110と軸受部12Aが有する円板部121の内壁面124とを切削、研磨等の機械加工を行う。これにより、表面形状を修正する。例えば、円板部121の内壁面124の平坦度を高めたり、円筒部11Aの内壁面110の真円度を高めたりする加工を行う。また、内壁面124と内壁面110の直交度を高める加工を行う。なお、この機械加工では、ステップS2で形成した逃がし部60Aを削除するまでの加工は行わず、あくまでも表面形状の修正に留める。これにより、機械加工後に逃がし部60Aを残す。
以上のステップS1-S4により、シリンダ10Aが作製される。その後、作製されたシリンダ10Aを用いて圧縮機1Aを組み立てる(ステップS5)。すなわち、作製されたシリンダ10Aに、上述した軸受20、シャフト30、ローリングピストン40、ベーン50等の圧縮機1A用の部品を上述した配置に組み付けて、圧縮機1Aを組み立てる。以上により、圧縮機1Aが完成する。
なお、上述した面取り部61Aは、本明細書でいうところの切り欠き部の一例である。また、円筒部11Aと軸受部12Aは、第一圧縮室部品と第二圧縮室部品の一例である。また、円筒部11Aが備える内壁面110、上面114は、第一内壁面、第一内壁面の端部に位置する第一端面の一例である。軸受部12Aが備える円板部121の、溝62Aよりも外側にある環状部分125、内壁面124は、合わせ面、第二内壁面の一例である。ローリングピストン40は、摺動部材の一例である。
さらに、上述したステップS4の円筒部11Aと軸受部12Aの表面形状を修正する工程は、本明細書でいうところの表面形状を整える工程の一例であり、ステップS5の圧縮機1Aを組み立てる工程は、圧縮室にピストンを組み付ける工程の一例である。
以上のように、実施の形態1に係る圧縮機1Aでは、シリンダ10Aの部品である、円筒部11Aが、内壁面110と内壁面110の上端部にある上面114とが形成するコーナー部115に設けられた面取り部61Aを有する。また、シリンダ10Aの部品の軸受部12Aが、内壁面124に設けられた溝62Aを有する。そして、内壁面110の延長先に溝62Aが位置する状態に円筒部11Aと軸受部12Aが組み合わされることにより、面取り部61Aと溝62Aが、逃がし部60Aを形成している。円筒部11Aと軸受部12Aそれぞれに、面取り部61Aと溝62Aを形成して、円筒部11Aと軸受部12Aを組み合わせるだけなので、逃がし部60Aを備える圧縮機1Aを容易に製造できる。
また、円筒部11Aと軸受部12Aそれぞれに、面取り部61Aと溝62Aを形成するだけであるため、すなわち、円筒部11Aのコーナー部115を削って面取り部61Aを形成し、かつ軸受部12Aの内壁面124に溝62Aを彫るだけであるため、微小な面取り部61Aと溝62Aが形成しやすい。その結果、微小な逃がし部60Aであっても製造が容易である。
さらに、圧縮機1Aでは、微小な逃がし部60Aの形成が容易であるため、その微小な逃がし部60Aを形成して、圧縮室からの流体の漏れを抑制することができる。その結果、圧縮機1Aの圧縮効率を高めることができる。
圧縮機1Aでは、円筒部11Aと軸受部12Aそれぞれを焼結法により作製する。このとき、焼結法で、面取り部61Aと溝62Aそれぞれを、円筒部11Aと軸受部12Aそれぞれの作製と同時に形成できるので、生産効率が高い。特に、面取り部61Aと溝62Aそれぞれを機械加工で形成する場合と比較して、生産効率が高い。
(変形例)
実施の形態1では、円筒部11Aと軸受部12Aが焼結体であるが、円筒部11Aと軸受部12Aはこれに限定されない。例えば、円筒部11Aと軸受部12Aをバルク体によって作製してもよい。その場合、バルク体は、鋳造により製造された鉄鋼であるとよい。
ここで、本明細書では、バルク体とは、上述した焼結体よりも材料が一体となり、全体として一つの塊状であるものをいう。例えば、鋳造により製造された一つの塊状であるものをいう。一般に焼結体では開気孔、閉気孔が存在するが、バルク体は、これら開気孔、閉気孔を備えない。
また、実施の形態1では、円筒部11Aと軸受部12Aが鉄を主成分とする鉄鋼の材料で作製されているが、円筒部11Aと軸受部12Aの材料は、これに限定されない。例えば、円筒部11Aと軸受部12Aの材料は、鉄鋼以外の金属材料、例えば、アルミニウム合金、チタン合金等であってもよい。また、樹脂材料であってもよい。このような材料であっても、焼結法により、円筒部11Aと軸受部12Aを作製することができる。
さらに、実施の形態1では、焼結法により、円筒部11Aと軸受部12Aを作製しているが、円筒部11Aと軸受部12Aの作製方法は、これに限定されない。例えば、円筒部11Aと軸受部12Aは、切削、研削等の機械加工により、作製されてもよい。また、鋳造により作製されてもよい。いずれの場合でも、円筒部11Aと軸受部12Aのそれ自体を作製するときに、面取り部61Aと溝62Aを形成する。円筒部11Aと軸受部12Aを組み立てて、接合した後では、逃がし部60Aの形状が複雑で作製が難しくなるからである。
実施の形態1では、円筒部11Aと軸受部12Aを組み合わせた後、加熱することにより、円筒部11Aと軸受部12Aを接合している。しかし、円筒部11Aと軸受部12Aの接合方法は、これに限定されない。例えば、円筒部11Aと軸受部12Aの接合方法は、ボルト、リベット等の機械的接合であってもよいし、例えば、溶接、ろう接等の冶金的接合であってもよい。また、拡散接合であってもよい。そのほか、円筒部11Aと軸受部12Aの接合方法は、接着であってもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1では、逃がし部60Aがシリンダ10Aの円筒部11Aと軸受部12Aの境界に形成されている。しかし、逃がし部60Aの位置はこれに限定されない。圧縮機1Aでは、逃がし部60Aは、圧縮室を画定する内壁面110、124と他の内壁面が形成する境界、またはその他の内壁面同士が形成する境界に設けられてもよい。
実施の形態2に係る圧縮機1Bでは、ベーン溝112に逃がし部60Bが設けられている。以下、図8-図10を参照して、実施の形態2に係る圧縮機1Bについて説明する。なお、実施の形態2では、実施の形態1と異なる構成について説明する。
図8は、実施の形態2に係る圧縮機1Bが備えるシリンダ10Bを下から視たときの斜視図である。図9は、シリンダ10Bの円筒部11Bを上から視たときの斜視図である。図10は、シリンダ10Bの軸受部12Bを上から視たときの斜視図である。
なお、図8および図9では、理解を容易にするため、吸入口113を省略して、円筒部11Bの形状を簡略化している。また、ベーン溝112の形状も直線的な形状に簡略化し、その大きさを強調している。図8および図10では、シャフト30を通すための軸受部12Bの貫通孔を省略して、軸受部12Bの形状を簡略化している。
図8に示すように、圧縮機1Bが備えるシリンダ10Bは、円筒部11B内に逃がし部60Aが形成されているだけでなく、ベーン溝112にも逃がし部60Bが設けられている。
逃がし部60Bは、図9に示す円筒部11Bに形成された2つの面取り部61Bと、図10に示す軸受部12Bに形成された2つの溝62Bと、が組み合わされることにより形成されている。
図9に示すように、2つの面取り部61Bは、ベーン溝112の側壁116と117の上端それぞれに、すなわち+Z端それぞれに形成されている。その溝横断面の形状は、実施の形態1で説明した面取り部61Aと同じである。そして、その溝横断面の形状のまま、面取り部61Bは、円筒部11Bの内側に向かって延在している。そして、円筒部11Bの内壁面110まで延在している。さらに、面取り部61Bは、実施の形態1で説明した面取り部61Aにつながっている。
これに対して、2つの溝62Bは、図10に示すように、軸受部12Bの-Z側にある内壁面124に形成されている。2つの溝62Bは、互いに平行で、軸受部12Bの端部から軸線L12の側に延びている。それらの溝62Bの、溝横断面中央から溝横断面中央までの距離D1は、図9に示すベーン溝112の側壁116から側壁117までの距離D2と同じである。そして、図10に示す2つの溝62Bは、実施の形態1で説明した、円形状に延びる溝62Aにつながっている。
2つの溝62Bは、図示しないが、実施の形態1と同様に、円筒部11Bが軸受部12Bに接合されることにより、図9に示す2つの面取り部61Bと対向する。それら溝62Bに対する面取り部61Bの位置は、実施の形態1で説明した、図3を用いて説明した溝62Aに対する面取り部61Aの位置と同じである。その結果、2つの溝62Bは、円筒部11Bが軸受部12Bに接合されることにより、2つの面取り部61Bと共に、2つの逃がし部60Bを形成する。
実施の形態1で説明したように、ベーン溝112で進退するベーン50は、先端がR状に丸められた四角柱の形状であるが、その柱の角が尖っていることがある。しかし、図8に示すように、ベーン溝112の側壁116と内壁面124との境界に逃がし部60Bが形成されている。このため、ベーン50の四角柱の角が尖っている場合でも、ベーン溝112と干渉しにくい。
なお、ベーン溝112は、円筒部11Bが軸受部12Bに接合されるときに、軸受部12Bの、図1に示す円板部121によって塞がれる。この円板部121は、本明細書でいうところの板状部の一例である。また、ベーン50は、摺動部材の一例である。さらに、円筒部11Bと軸受部12Bは、第一圧縮室部品と第二圧縮室部品の一例である。ベーン溝112の側壁116、117は、第一内壁面の一例である。面取り部61Bは、切り欠き部の一例である。
以上のように、実施の形態2に係る圧縮機1Bでは、ベーン溝112に逃がし部60Bが設けられている。このため、ベーン溝112でも、微小な逃がし部60Bを形成して、ベーン溝112からの流体の漏れを抑制することができる。また、ベーン溝112でのベーン50の摺動性を高めることができる。
実施の形態2でも、実施の形態1と同様に、円筒部11Bと軸受部12Bそれぞれに、面取り部61Bと溝62Bを形成して、円筒部11Bと軸受部12Bを組み合わせるだけで、逃がし部60Bを形成する。このため、複雑な機械加工が不要となり、圧縮機1Bの製造が容易である。
(実施の形態3)
実施の形態1、2では、圧縮機1A、1Bがロータリー圧縮機であるが、圧縮機1A、1Bはこれに限定されない。本開示は、圧縮機全般に広く適用可能である。本開示は、例えば、スクリュー式圧縮機、スクロール圧縮機に適用可能である。
実施の形態3に係る圧縮機1Cは、スクロール圧縮機である。以下、以下、図11および図12を参照して、実施の形態3に係る圧縮機1Cについて説明する。なお、実施の形態3では、実施の形態1、2と異なる構成について説明する。
図11は、実施の形態3に係る圧縮機1Cが備えるスクロール体70の斜視図である。図12は、図11に示すXII-XII切断線でスクロール体70を切断したときの、スクロール体70の基部がある箇所を拡大した拡大断面図である。
図11に示すように、圧縮機1Cが備えるスクロール体70は、渦巻歯71と、渦巻歯71を支持する支持体72と、渦巻歯71と支持体72との接合部近傍に設けられた逃がし部60Cと、を備える。
スクロール体70は、2つのスクロール体70が互いに渦巻歯71を噛み合わせた状態で、一方を他方に対して揺動させることにより、渦巻歯71の間の流体を圧縮する。このような作用を生じさせるため、渦巻歯71は、板が渦巻き状に曲げられた形状を有する。渦巻歯71の、軸線L71が延在する方向の板の端部、すなわち、渦巻歯71の基部には、支持体72が設けられている。
支持体72は円板状に形成され、その板面側に渦巻歯71が配置されている。そして、支持体72の板面は、渦巻歯71の側壁面に対して垂直である。これにより、図12に示すように、支持体72の板面と渦巻歯71の側壁面は、直角の内角A2を形成する。このため、スクロール体70が、図示しない別のスクロール体と渦巻歯71を噛み合わせたときに、内角A2に、図示しない別のスクロール体の渦巻歯の先端が干渉するおそれがある。そこで、干渉を防ぐため、スクロール体70には、逃がし部60Cが設けられている。
逃がし部60Cは、渦巻歯71の基部側の端部に形成された面取り部61Cと、支持体72の板面部に形成された溝62Cと、が組み合わされることにより形成されている。面取り部61Cは、実施の形態1で説明した面取り部61Aと面取り断面視の形状は同じである。このため、その説明を省略する。また、溝62Cは、実施の形態1で説明した溝62Aと溝横断面形状が同じである。このため、その説明を省略する。
面取り部61Cは、渦巻歯71の基部側の板の端面の両側面の側に形成されている。そして、図示しないが、渦巻歯71の板全体にわたって形成されている。
一方、溝62Cは、図示しないが、渦巻歯71が支持体72に接合したときに、渦巻歯71の板に沿って配置するため、渦巻き状に延在している。その渦巻き状の溝62Cは、渦巻歯71の板の側面それぞれの側に沿うため、2つ形成されている。これにより、渦巻歯71が支持体72に接合したときに、面取り部61Cと溝62Cは、対向して空間を形成する。その結果、面取り部61Cと溝62Cは、逃がし部60Cを形成する。これにより、スクロール体70が、図示しない別のスクロール体と渦巻歯71を噛み合わせたときに、渦巻歯71の先端が干渉しにくい。
なお、上述した渦巻歯71は、本明細書でいうところの第一圧縮室部品とスクロール状の部品の一例である。また、支持体72は、第二圧縮室部品と円板状の部品の一例である。スクロール体70と噛み合わせられる図示しない別のスクロール体は、摺動部材の一例である。渦巻歯71の板の板面は、第一内壁面の一例であり、渦巻歯71の板の端面は、第一端面の一例である。面取り部61Cは、切り欠き部の一例である。
以上のように、実施の形態3に係る圧縮機1Cでは、スクロール体70の渦巻歯71の基部に逃がし部60Cが設けられている。このため、スクロール体70を備えるスクロール圧縮機でも、微小な逃がし部60Cを形成して、流体の漏れを抑制することができる。その結果、圧縮効率を高めることができる。
スクロール体70でも、実施の形態1、2と同様に、別々の部品に面取り部61Cと溝62Cを形成して逃がし部60Cを形成するので、複雑な機械加工が不要となり、圧縮機1Cの製造が容易である。
(実施の形態4)
実施の形態1-3に係る圧縮機1A-1Cは、空気調和機に用いられてもよい。実施の形態4は、それら圧縮機1Aを備える空気調和機2である。
以下、図13を参照して、実施の形態4に係る空気調和機について説明する。実施の形態4では、実施の形態1-3と異なる構成を中心に説明する。
図13は、実施の形態4に係る空気調和機2のブロック図である。
図13に示すように、空気調和機2は、圧縮機1A、ファン3および熱交換器4を備える。そして、圧縮機1A、ファン3および熱交換器4は、アキュムレータ5、四方弁6等の部品と共に、室外機の筐体7に組み込まれる。
圧縮機1Aは、熱交換器4、アキュムレータ5および四方弁6に接続され、冷媒を循環させる冷媒回路を形成する。
一方、ファン3は、熱交換器4に送風する。そして、熱交換器4は、上記の冷媒回路の冷媒と送風された空気とを熱交換させる。その結果、空気調和機2は、空気調和を行う。
なお、空気調和機2は、圧縮機1A、ファン3、熱交換器4、アキュムレータ5、四方弁6等の各種部品を用意し、冷媒回路を形成させると共に、室外機の筐体7に組み付けることにより、製造する。
以上のように、実施の形態4に係る空気調和機2は、実施の形態1に係る圧縮機1Aを備える。このため、空気調和機2は、冷媒の圧縮効率が高く、その結果、冷暖房性能が高い。
以上、本開示の実施の形態1-3に係る圧縮機1A-1C、空気調和機2、圧縮機の製造方法および空気調和機2の製造方法について説明したが、圧縮機1A-1C、空気調和機2、圧縮機の製造方法および空気調和機2の製造方法は、これに限定されない。
例えば、実施の形態1-3に係る圧縮機1A-1Cでは、面取り部61A-61Cが、いわゆるC面取りであるが、面取り部61A-61Cの形状はこれに限定されない。面取り部61A-61Cは、圧縮室の内壁面110と内壁面110の端部に位置する端面とが形成するコーナー部に設けられている限り、その形状は任意である。
図14A、図14Bは、実施の形態2に係る圧縮機1Bが備えるシリンダ10Bの円筒部11Bの変形例の斜視図である。なお、図14A、図14Bでは、理解を容易するため、円筒部11Bの形状を簡略化し、ベーン溝112の大きさを強調している。
図14Aに示すように、面取り部61A、61Bは、C面取りよりも面取り面の傾斜が急であってもよい。図示しないが、面取り部61A、61Bは、C面取りよりも面取り面の傾斜が緩くてもよい。換言すると、いわゆる、不等辺面取りであってもよい。
図14Bに示すように、面取り部61A、61Bは、R面取りであってもよい。すなわち、丸面の面取りであってもよい。
このように、面取り部61A-61Cは、コーナー部を削り取って形成された面を備えていればよい。
また、実施の形態1-3に係る圧縮機1A-1Cでは、圧縮機1A-1Cが上述した面取り部61A-61Cを備えるが、圧縮機1A-1Cは、これに限定されない。圧縮機1A-1Cが備える円筒部11A、11Bおよび渦巻歯71は、本明細書でいうところの第一圧縮室部品の一例であるが、圧縮機1A-1Cでは、その第一圧縮室部品が、流体を圧縮する圧縮室を画定する第一内壁面とその第一内壁面の端部に位置する第一端面とが形成するコーナー部を切り欠く切り欠き部を有していればよい。
ここで、切り欠き部とは、切断して除去するという製造方法によって作製された部分を意味するものではなく、第一内壁面と第一端面とが形成するコーナー部に形成され、かつコーナー部を切り欠いた形状を有するへこみのことである。
従って、面取り部61A-61Cは、切り欠き部に置き換えられてもよい。
図14Cは、実施の形態2に係る圧縮機1Bが備えるシリンダ10Bの円筒部11Bのさらに他の変形例の斜視図である。なお、図14Cでは、図14A、図14Bと同じく、理解を容易するため、円筒部11Bの形状を簡略化し、ベーン溝112の大きさを強調している。
図14Cに示すように、面取り部61A、61Bは、コーナー部を段差状に切り取った形状を有する切り欠き部に置き換えられてもよい。すなわち、面取り部61A、61Bは、建築分野で面取りの一種とされ、しゃくり面と呼ばれる切り欠き部に置き換えられてもよい。
なお、図14A、図14Bおよび図9を用いて説明した形状の面取り部61A、61Bと図14Cに示す切り欠き部が、混在した状態で圧縮機1A-1Cに設けられてもよい。
また、実施の形態1-3に係る圧縮機1A-1Cでは、溝62A-62Cが、溝横断面で半円状であるが、溝62A-62Cの形状はこれに限定されない。溝62A-62Cは、圧縮室の内壁面110の延長先と、内壁面110と共に圧縮室を形成する内壁面124と、が形成する内角A1の頂点部63が位置する箇所に形成されていればよい。換言すると、溝62A-62Cは、内壁面110の延長先と内壁面124の交差点に形成されていればよい。このため、この限りにおいて、その形状は任意である。
図15A-図15Cは、実施の形態2に係る圧縮機1Bが備えるシリンダ10Bの軸受部12Bの変形例の斜視図である。なお、図15A-図15Cでは、理解を容易するため、シャフト30を通すための軸受部12Bの貫通孔を省略して、軸受部12Bの形状を簡略化している。
図15Aに示すように、溝62A、62Bは、溝横断面視で矩形状であってもよい。また、図15Bに示すように、溝62A、62Bは、溝の底方向に尖った三角形状、すなわち、くさび状またはV字状であってもよい。さらに、図15Cに示すように、溝横断面視で、直角三角形の直角がある辺を溝開口側に位置させ、斜辺を溝開口反対側に向けた形状であってもよい。
なお、図15A-図15Cおよび図10を用いて説明した形状の溝62A、62Bが、圧縮機1A-1Cに混在されて配置されてもよい。
実施の形態4では、圧縮機1Aが、空気調和機2の室外機に用いられているが、実施の形態2、3に係る圧縮機1B、1Cが空気調和機に適用されてもよい。また、圧縮機1A-1Cは、空気調和機2のほか、冷蔵機器、冷凍機器に適用可能である。このように、圧縮機1A-1Cは、冷凍サイクル機器に適用可能である。
1A,1B,1C 圧縮機、2 空気調和機、3 ファン、4 熱交換器、5 アキュムレータ、6 四方弁、7 筐体、10A,10B シリンダ、11A,11B 円筒部、12A,12B 軸受部、20 軸受、21 貫通孔、30 シャフト、31 偏心部、40 ローリングピストン、41 コーナー部、50 ベーン、60A,60B,60C 逃がし部、61A,61B,61C 面取り部、62A,62B,62C 溝、63 頂点部、64 中心、70 スクロール体、71 渦巻歯、72 支持体、110 内壁面、111 孔、112 ベーン溝、113 吸入口、114 上面、115 コーナー部、116,117 側壁、121 円板部、122 小円筒部、123 吐出ポート、124 内壁面、125 環状部分、126 貫通孔、L1,L11,L12,L71 軸線、A1,A2 内角、C1 隙間、D1,D2 距離、H1、H2 高さ、R 回転方向、R1,R11,R12 半径、S1,S2 空間、W1,W2,W3 幅。

Claims (14)

  1. 流体を圧縮する圧縮室を画定する第一内壁面および、
    該第一内壁面と該第一内壁面の端部に位置する第一端面とが形成するコーナー部を切り欠く切り欠き部、
    を有する第一圧縮室部品と、
    前記第一端面と合わせられた合わせ面、
    前記第一内壁面と共に前記圧縮室を画定する第二内壁面および、
    該第二内壁面と前記合わせ面との間かつ、前記第一内壁面の延長先と前記第二内壁面が交差する位置に形成された溝、
    を有する第二圧縮室部品と、
    前記圧縮室で摺動する摺動部材と、
    を備える圧縮機。
  2. 前記第一圧縮室部品と前記第二圧縮室部品の少なくとも一方は、多数の粉末が互いに結合した焼結体である、
    請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記第一圧縮室部品と前記第二圧縮室部品の少なくとも一方は、全体として一つの塊状のバルク体である、
    請求項1に記載の圧縮機。
  4. 前記第一圧縮室部品と前記第二圧縮室部品は、金属材料または樹脂材料により形成されている、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の圧縮機。
  5. 前記第一端面と前記合わせ面は、拡散接合によって接合されている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の圧縮機。
  6. 前記第一圧縮室部品は、前記第一内壁面が円筒内周面かつ、前記第一端面が円筒端面であり、該円筒端面の側が開口した円筒状のシリンダであり、
    前記第二圧縮室部品は、前記円筒端面の側の開口を塞ぎ、その内側の面に前記第二内壁面を配置すると共に、前記円筒内周面との境目に、円形状に延在する前記溝を配置する円板部を有する軸受である、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の圧縮機。
  7. 前記第一圧縮室部品は、開口した円筒端部と、前記円筒端部で径方向へ延在し、ベーンが摺動可能なベーン溝と、を有する円筒状のシリンダであり、
    前記第二圧縮室部品は、前記円筒端部の側から前記ベーン溝を塞ぎ、前記ベーン溝に前記第二内壁面を向けて配置すると共に、前記ベーン溝の内壁との境目に、前記ベーン溝が延在する方向に延在して前記ベーン溝の内壁に沿う前記溝を配置する板状部を有する軸受である、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の圧縮機。
  8. 前記第一圧縮室部品は、前記第一内壁面が板面であり、前記第一端面が端面である板が巻かれたスクロール状の部品であり、
    前記第二圧縮室部品は、前記第二内壁面が前記板の前記端面に向けられた板面である円板状の部品であり、
    前記第一圧縮室部品と前記第二圧縮室部品は、前記圧縮機のスクロール体を形成している、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の圧縮機。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の圧縮機と、
    空気を送風するファンと、
    前記圧縮機が圧縮した冷媒を前記ファンが送風する空気と熱交換させる熱交換器と、
    を備える空気調和機。
  10. 流体を圧縮する圧縮室を画定するための第一内壁面および、該第一内壁面と該第一内壁面の端部に位置する第一端面とが形成するコーナー部を切り欠く切り欠き部を有する第一圧縮室部品を作製する工程と、
    前記第一端面と合わせるための合わせ面、該合わせ面と隣り合い、前記圧縮室を画定するための第二内壁面および、前記合わせ面と前記第二内壁面との間に形成された溝を有する第二圧縮室部品を作製する工程と、
    作製された前記第一圧縮室部品と作製された前記第二圧縮室部品を、前記第一端面に前記合わせ面を合わせた状態、かつ前記第一内壁面の延長先に前記溝を配置した状態に組み合わせる工程と、
    前記第一圧縮室部品と前記第二圧縮室部品を組み合わせた後、前記第一圧縮室部品と前記第二圧縮室部品を接合する工程と、
    前記第一圧縮室部品と前記第二圧縮室部品が接合されて形成された圧縮室に摺動部材を組み付ける工程と、
    を備える圧縮機の製造方法。
  11. 前記第一圧縮室部品と前記第二圧縮室部品を接合した後、前記第一内壁面と前記第二内壁面の少なくとも一つを機械加工して表面形状を整える工程をさらに備える請求項10に記載の圧縮機の製造方法。
  12. 前記第一圧縮室部品を作製する工程と前記第二圧縮室部品を作製する工程では、成形された粉末を加熱して焼結体を作製する焼結法によって、前記第一圧縮室部品と前記第二圧縮室部品を作製する、
    請求項10または11に記載の圧縮機の製造方法。
  13. 前記第一圧縮室部品と前記第二圧縮室部品を接合する工程では、前記第一圧縮室部品と前記第二圧縮室部品を拡散接合する、
    請求項10から12のいずれか1項に記載の圧縮機の製造方法。
  14. 請求項10から13のいずれか1項に記載の圧縮機の製造方法と、
    製造された前記圧縮機、ファンおよび熱交換器を組み合わせる工程と、
    を備える空気調和機の製造方法。
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