JP7461447B1 - 硬化用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な方法で熱硬化性樹脂にセルロースナノファイバーを均一に分散させることができ、炭素繊維等の強化繊維に対する含浸性を維持した状態で、強度を確実に向上させることができる硬化用樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】硬化用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、セルロースナノファイバーとケイ素系多孔質材料とを含有する複合粉体とを少なくとも含有する。セルロースナノファイバーとケイ素系多孔質材料との含有比が、質量基準で、セルロースナノファイバー:ケイ素系多孔質材料=1:5~1:20であり、複合粉体において、セルロースナノファイバーが、少なくともケイ素系多孔質材料の表面に付着している、またはケイ素系多孔質材料の孔に入り込んでおり、熱硬化性樹脂100質量部に対する複合粉体の含有量が0.1~10質量部である。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム、樹脂、並びに炭素繊維強化プラスチック(以下、「CFRP」という場合がある)に使用される硬化用樹脂組成物に関する。
スポーツ用品では、常に「より軽く強い素材」が求められているため、炭素繊維強化プラスチックを使用した製品が多く製造されている。例えば、ゴルフのシャフトやバドミントンのラケット等、耐衝撃性の高いCFRPのニーズは高く、潜在需要も大きいため、マトリックス樹脂の改質や強度に優れたフィラーの添加等の研究が盛んに行われている。
ここで、CFRPは軽量かつ高強度を有するが、衝撃強度が低い樹脂を母材とするため、実用上、衝撃強度が不十分であるという問題があった。そこで、従来、CFRPの衝撃強度を向上させる方法として、マトリックス樹脂にセルロースナノファイバー(以下、「CNF」という場合がある)を混合することにより、CFRPの衝撃強度を高めることが検討されている。
また、ゴムや樹脂に関しても、「より強い素材」が求められており、例えば、シューズのアウトソールや、ミッドソール、ゴルフボール等数多くの製品に用いられている。ゴムを例にとると、耐摩耗性や、機械強度の向上を目的として、カーボンブラックによる補強が特に知られているが、或いはシリカなどの無機フィラーも補強材として広く一般的に用いられている。また、ゴム、樹脂は一般的に有機物であり、無機物質であるシリカとの相互作用を高めその補強効果をさらに向上させるために、シランカップリング剤を用いることも広く行われていることは、公知のことである。
ここで、上記のカーボンブラック、シリカに代わる素材として、セルロースナノファイバーがより少ない添加量で同等以上の補強効果が得られないか、広く検討されている。しかし、セルロースナノファイバーが水と相性が良いことに起因し、ゴム、樹脂には直接容易に分散できないという問題がある。
そこで、セルロースナノファイバーをマトリクス樹脂中に分散する種々の方法が提案されている。例えば、水分を含むセルロースナノファイバーに対してアルコール置換を行ってセルロースナノファイバーに含まれる水分を取り除き、アルコール置換後のセルロースナノファイバーをエポキシ樹脂中に分散させた後、アルコールを除去(蒸発)させる方法が提案されている。また、上述のアルコール置換に代えて、水分を含むセルロースナノファイバーに対してフリーズドライ処理(または、スプレードライ処理)を行ってセルロースナノファイバーに含まれる水分を取り除き、フリーズドライ処理後(または、スプレードライ処理後)のセルロースナノファイバーをエポキシ樹脂中に分散させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、母材樹脂中に、ナノファイバーの原料となるケミカルパルプを乾燥状態で投入し、加圧型ニーダー、2軸混練押出機を用いて混練することにより、パルプの解繊を行うと共に、母材樹脂中へ分散させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第5341787号公報 特許第6471377号公報
ここで、上記特許文献1に記載のアルコール置換法においては、アルコール置換を行ってミクロフィブリルセルロースに含まれる水分を取り除き、更にエポキシ樹脂中に分散させた後にアルコールを除去しなければならないため、セルロースナノファイバーを分散させる処理に多大なる時間が必要になるという問題があった。また、水分の除去が不完全な場合、樹脂を硬化させる際の加温処理(100℃以上)において残留水分が気化してボイドとなるため、樹脂の強度が低下するという問題があった。
また、上記特許文献1に記載のフリーズドライ法(または、スプレードライ法)においては、専用の装置を導入しなければならず、また、得られるセルロースナノファイバーの形態が、アエロゲル状または粉体状であるため、セルロースナノファイバーが凝集してしまい、セルロースナノファイバーをエポキシ樹脂中に分散させることが困難になるという問題があった。
また、上記特許文献2に記載の方法においては、専用の2軸混練押出機を導入しなければならないという問題があった。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、簡単な方法で熱硬化性樹脂にセルロースナノファイバーを均一に分散させることができ、炭素繊維等の強化繊維に対する含浸性を維持した状態で、強度を確実に向上させることができる硬化用樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の硬化用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、セルロースナノファイバーとケイ素系多孔質材料とを含有する複合粉体とを少なくとも含有し、セルロースナノファイバーとケイ素系多孔質材料との含有比が、質量基準で、セルロースナノファイバー:ケイ素系多孔質材料=1:5~1:20であり、複合粉体において、セルロースナノファイバーが、少なくともケイ素系多孔質材料の表面に付着している、またはケイ素系多孔質材料の孔に入り込んでおり、熱硬化性樹脂100質量部に対する複合粉体の含有量が0.1~10質量部であることを特徴とする。
本発明によれば、簡単な方法で熱硬化性樹脂にセルロースナノファイバーを均一に分散させることができ、炭素繊維等の強化繊維に対する含浸性を維持した状態で、強度を確実に向上させることができる硬化用樹脂組成物を提供することが可能になる。
分散液に含まれるケイ素系多孔質材料の含有量X(単位は質量部)と、セルロースナノファイバーの濃度Y(単位は質量%)との関係を示す図である。 実施例1の複合粉体の状態を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 エネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy; EDS)により、実施例1の複合粉体におけるセルロースナノファイバー由来の炭素原子を示した図である。 実施例1における強度評価を説明するための概略図である。
以下に、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明の硬化用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、セルロースナノファイバーとケイ素系多孔質材料とを含有する複合粉体とを少なくとも含有するものである。
(熱硬化性樹脂)
本発明の熱硬化性樹脂としては、繊維強化プラスチックに使用されているものであれば、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。なお、これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これらの熱硬化性樹脂のうち、他の樹脂と比べて接着性能および弾性率が高いため、繊維強化複合材料において繊維同士を強固に保持し、応力を良好に伝達することができるとの観点からエポキシ樹脂を使用することが好ましい。
また、エポキシ樹脂としては、機械的強度が強く、寸法安定性と耐熱性と耐薬品性に優れているとの観点から、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールA/F型混合エポキシ樹脂、ビスフェノールS型などのビスフェノール型エポキシ樹脂、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン型、ジアミノジフェニルメタン型、ジアミノジフェニルスルホン型、グリシジルアニリン型、アミノフェノール型、メタキシレンジアミン型等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型、フェノールノボラック型、イソシアヌレート型、オルソクレゾールノボラック型、ジシクロペンタジエンノボラック型、ヒダントイン型、ビフェニル型、テトラフェニロールエタン型、及び多官能型のエポキシ樹脂などが使用できる。なお、これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、これらのエポキシ樹脂として、市販品を使用してもよく、例えば、三菱ケミカル株式会社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂である「JER828」、三菱ケミカル株式会社製の多官能型エポキシ樹脂である「JER604」、ナガセケムテックス株式会社製のビスフェノールA/F型混合エポキシ樹脂である「DENATOOL XNR6809」、その他、jER630(三菱ケミカル(株)製)、jER807(三菱ケミカル(株)製)、jER152(三菱ケミカル(株)製)、HP4032(DIC(株)製)、EXA-4580-1000(DIC(株)製)、EX-201(ナガセケムテックス(株)製)、セロキサイド2081((株)ダイセル製)、セロキサイド3000((株)ダイセル製)、MY-0500(ハンツマン(株)製)、MY-0600(ハンツマン(株)製)、TETRAD-X(三菱瓦斯化学(株)製)、GAN(日本化薬(株)製)、SR-HHPA(阪本薬品工業(株)製)、及び1500NP(共栄社化学(株)製)等を使用することができる。
(硬化剤)
また、本発明の硬化用樹脂組成物は、上述の熱硬化性樹脂を硬化するための硬化剤(硬化用樹脂)を含有する。この硬化剤としては、例えば、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合は、エポキシ基と反応する活性基を有するものであれば、特に限定されず、脂肪族アミン、芳香族アミンなどのアミン系硬化剤、ポリフェノール、イミダゾール、カルボン酸、カルボン酸無水物などの酸無水物系硬化剤、カルボン酸アミド、メルカプタン、ハロゲン化ホウ素アミン錯体のようなルイス酸等を使用することができる。なお、これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アミン系硬化剤としては、例えば、ジエチルトルエンジアミン等の変性芳香族アミン系硬化剤を使用することができ、酸無水物系硬化剤としては、例えば、テトラヒドロメチル無水フタル酸等の変性脂環式酸無水物を使用することができる。
また、熱硬化性樹脂に対する硬化剤の配合割合は、使用する熱硬化性樹脂と硬化剤の種類により、適宜設定することができるが、硬化用樹脂組成物を確実に硬化させるとの観点から、熱硬化性樹脂100質量部に対する硬化剤の含有量が25~95質量部であることが好ましい。
(複合粉体)
本発明の複合粉体は、セルロースナノファイバーとケイ素系多孔質材料とを含有するものであり、CFRPの母材となる上述の熱硬化性樹脂に分散させることにより、伸縮性、及び弾力性の観点から、本発明の硬化用樹脂組成物の強度を向上させるためのものである。
<セルロースナノファイバー>
セルロースナノファイバーとしては、特に限定されず、公知のものを広く採用することができる。また、セルロースナノファイバーを構成するセルロースとしては、植物由来のセルロース、動物由来のセルロース、及びバクテリア由来のセルロースのいずれも使用することができる。なお、これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
植物由来セルロースとしては、例えば、広葉樹由来セルロース(ユーカリ、ポプラ等)、針葉樹由来セルロース(マツ、モミ、スギ、ヒノキ等)、草本類由来セルロース(ワラ、バガス、ヨシ、ケナフ、アバカ、サイザル等)、及び種子毛繊維(コットン等)を使用することができる。また、原料となるパルプは、木材チップを機械的に処理した機械パルプであってもよく、木材チップから非セルロース成分を化学的に除去した化学パルプでもよく、さらに非セルロース成分を除去して精製した溶解パルプでもよい。
また、ホヤなど動物由来のセルロース、ナタデココ等バクテリア由来のセルロース等を使用することもできる。また、このようなセルロースは、必ずしも純粋なセルロース成分のみから構成される必要はなく、主成分であるセルロースに、非セルロース成分が付随していてもよい。
セルロースナノファイバーに付随する主な非セルロース成分については、特に限定されず、用途に応じて適宜選択することができる。例えば、ヘミセルロース及びリグニンを挙げることができる。
また、セルロースナノファイバー中の純粋なセルロース成分比率に関しても、用途に応じて適宜設定すればよい。例えば、純粋なセルロース成分比率は、セルロースナノファイバー100質量%中、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。また、純粋なセルロース成分比率の上限としては、100質量%とすることができる。
なお、ここで言う「セルロース比率」とは、セルロースナノファイバー全体の質量(100質量%)に対して、βグルコース分子がグリコシド結合により直鎖状に重合した純粋なセルロース成分の比率のことを言う。
また、セルロースナノファイバーに含まれる純粋なセルロース成分の重合度に関しても、用途に応じ、適宜設定すればよい。例えば、重合度500以上、特に600以上のセルロース成分を使用することができる。なお、セルロース成分の重合度の上限値としては特に限定されず、例えば、10万とすることができる。
セルロースナノファイバーに含まれる純粋なセルロース成分の結晶化度に関しても、特に制限されないが、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。また、セルロースの結晶化度の上限としては、特に限定はないが、例えば、99%とすることができる。なお、セルロース成分の結晶構造は、I型、II型、III型、及びIV型を挙げることができる。
セルロースナノファイバーのサイズは、特に制限されないが、ゴムや樹脂中において、何らかのネットワークあるいは構造を形成するとの観点、及びそれがエラスティシティを有する点が有効であるとの観点から、高いアスペクト比を有する紐状の形状であることが望ましく、直径が3~100nmであることが好ましく、長さが100nm以上、さらには5μm以上であることが好ましい。
なお、ここで言う「セルロースナノファイバーの直径」とは、ランダムに抽出した50本以上のセルロースナノファイバーを、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して得られるメジアン径のことを言う。
また、上述の熱硬化性樹脂への分散が容易になるとの観点から、セルロースナノファイバーとして、TEMPO(2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジン-N-オキシル)触媒の存在下で酸化処理(TEMPO酸化処理)を行うことにより、カルボキシル基などの極性を有する基や、疎水性を呈する官能基が導入されたものを使用することもできる。
例えば、繊維原料であるパルプと、触媒であるTEMPOと、次亜塩素酸ナトリウムや次亜臭素酸ナトリウム等をリン酸ナトリウム緩衝液に添加することにより、上述の酸化処理を行い、化学的に開繊処理され、カルボキシル基が導入されたセルロースナノファイバーを得ることができる。
なお、TEMPO酸化触媒による開繊がなされたセルロースナノファイバーとして、市販品を使用してもよく、例えば、日本製紙株式会社製の「セレンピア」や第一工業製薬株式会社製の「レオクリスタ」等(いずれもスラリー状)を使用することができる。
また、TEMPO酸化とは異なるが、類似の化学開繊手法として、リン酸エステル化法、亜リン酸エステル化法等を使用することができる。また、本発明では、上述の熱硬化性樹脂に分散容易な複合粉体の提供が目的であり、複合粉体の作製においては、出発原料をセルロースナノファイバー水溶液としていることから、上述の化学開繊方法とは異なる開繊手法(例えば、水中対抗衝突法やウォータージェット法、グラインダーなどを用いた機械開繊法等)のセルロースナノファイバーの水分散体/水溶液の市販品を使用することができる。
<ケイ素系多孔質材料>
ケイ素系多孔質材料は、多数の細孔を有するもの(多孔体)であり、本発明においては、珪藻土またはゼオライトが使用できる。なお、これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ケイ素系多孔質材料が有する細孔の孔径は特に限定されないが、細孔に対するセルロースナノファイバーの入りやすさの観点から、0.2nm~2000nmが好ましい。また、ケイ素系多孔質材料が有する細孔の形状は、特に限定されない。
例えば、ケイ素系多孔質材料として珪藻土を使用することにより、珪藻土の細孔にセルロースナノファイバーが入り込んだ状態で担持されるため、セルロースナノファイバーの凝集を防止することができる。また、珪藻土の細孔に入り込んだセルロースナノファイバーを熱硬化性樹脂に均一に分散させることが可能になる。
また、例えば、ケイ素系多孔質材として、セルロースナノファイバーよりも小さい細孔径を有するゼオライトを用いた場合、ゼオライトの細孔にセルロースナノファイバーは入り込まないが、ゼオライトの比表面積は、珪藻土の比表面積よりも大きいため、セルロースナノファイバーが、ゼオライトの表面に付着しやすくなる。その結果、珪藻土の細孔にセルロースナノファイバーが入り込む場合と同様に、ゼオライトの表面に付着したセルロースナノファイバーを熱硬化性樹脂に均一に分散させることが可能になる。
すなわち、本発明の複合粉体においては、セルロースナノファイバーが、少なくともケイ素系多孔質材料の表面に付着する、またはケイ素系多孔質材料の孔に入り込むことにより、セルロースナノファイバーを熱硬化性樹脂に均一に分散させることが可能になるため、結果として、本発明の硬化用樹脂組成物やCFRPの強度を確実に向上させることが可能になる。
また、本発明の硬化用樹脂組成物においては、複合粉体中(すなわち、硬化用樹脂組成物中)のセルロースナノファイバーとケイ素系多孔質材料との含有比が、質量基準で、セルロースナノファイバー:ケイ素系多孔質材料=1:5~1:20(すなわち、セルロースナノファイバー1質量部に対して、ケイ素系多孔質材料が5~20質量部)である。
そして、当該含有比を1:5~1:20とすることにより、ケイ素系多孔質材料の不足に起因する細孔へのセルロースナノファイバーの取り込み量(または、ケイ素系多孔質材料の表面へのセルロースナノファイバーの付着量)の低下を抑制することが可能になるため、セルロースナノファイバーを確実に取り込むこと(付着させること)が可能になるとともに、上述の熱硬化性樹脂に複合材料を混合した場合に、セルロースナノファイバーが入り込んだケイ素系多孔質材料の分散性の低下を防止することが可能になる。
換言すると、セルロースナノファイバーの含有比が大きい場合(すなわち、セルロースナノファイバー1質量部に対して、ケイ素系多孔質材料が5質量部未満の場合)は、セルロースナノファイバーに対するケイ素系多孔質材料の比率が小さくなるため、ケイ素系多孔質材料の表面をセルロースナノファイバーが覆いつくすことに起因して、セルロースナノファイバーの凝集体が形成されてしまう。その結果、熱硬化性樹脂に複合粉体を混合した場合に、セルロースナノファイバーが入り込んだケイ素系多孔質材料の分散性が低下してしまうことになる。
また、ケイ素系多孔質材料の含有比が大きい場合(すなわち、セルロースナノファイバー1質量部に対して、ケイ素系多孔質材料が20質量部よりも多い場合)は、セルロースナノファイバーに対するケイ素系多孔質材料の比率が大きくなるため、セルロースナノファイバーが入り込んだケイ素系多孔質材料の分散性が低下してしまうことになる。
以上より、本発明においては、熱硬化性樹脂中における複合粉体(すなわち、セルロースナノファイバーが入り込んだケイ素系多孔質材料)の分散性を向上させるために、複合粉体中(すなわち、硬化用樹脂組成物中)のセルロースナノファイバーとケイ素系多孔質材料との含有比を、質量基準で、セルロースナノファイバー:ケイ素系多孔質材料=1:5~1:20としている。
また、本発明の硬化用樹脂組成物においては、熱硬化性樹脂100質量部に対する複合粉体の含有量が0.1~10質量部である。
これは、複合粉体の含有量が0.1質量部未満の場合は、複合粉体の量が少ないため、硬化用樹脂組成物の強度を十分に向上させることが困難になるためである。また、複合粉体の含有量が10質量部よりも多い場合は、複合粉体の量が多いため、硬化用樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎ(すなわち、硬化用樹脂組成物の流動性が低下し)、硬化用樹脂組成物を炭素繊維等の強化繊維に浸み込ませることが困難になるため、CFRPにおける硬化用樹脂組成物の強度を向上させることが困難になるためである。
以上より、本発明においては、熱硬化性樹脂100質量部に対する複合粉体の含有量を0.1~10質量部とすることにより、CFRPにおける硬化用樹脂組成物の強度を向上させることができるとともに、炭素繊維等の強化繊維に対する硬化用樹脂組成物の含浸性を維持することが可能になる。
なお、上述の含浸性を維持したまま、強度を向上させ、コストを抑制するとの観点から、熱硬化性樹脂100質量部に対する複合粉体の含有量は、0.1~5.0質量部が好ましく、0.1~2.5質量部がより好ましい。
(その他の成分)
本発明の硬化用樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分を配合することができる。
例えば、流動性のコントロールを行う熱可塑性樹脂、反応性を向上させる硬化促進剤、エポキシ樹脂に靭性を付与するゴム粒子、強化繊維との濡れ性を向上する界面活性剤などを挙げることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアラミド、ポリベンズイミダゾール、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、及びポリエーテルスルホンなどが挙げられる。なお、これらの熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂中に溶解した状態で配合されてもよく、不織布、メッシュ、パルプ、微粒子、長繊維、短繊維、織物などの形状でプリプレグやプリフォームの表層に配置されていてもよい。なお、これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化促進剤としては、例えば、三フッ化モノエチルアミン、フェニルジメチルウレア(PDMU)などのウレア化合物、イミダゾール化合物、及び三塩化ホウ素アミン錯体などのアミン錯体が挙げられる。
ゴム粒子としては、取り扱い性等の観点から、例えば、架橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーをグラフト重合したコアシェルゴム粒子や架橋ゴム粒子などが挙げられ、ゴムの種類としては、例えば、シリコンゴム、ブチルゴム、NBR,SBR、ブタジエンゴム、アクリルゴムなどが挙げられる。なお、これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製の「BYK-A530」などを使用することができる。
次に、本発明の硬化用樹脂組成物の製造方法について説明する。本発明の硬化用樹脂組成物の製造方法は、複合粉体の分散液を調整する工程と、複合粉体の分散液を乾燥させて乾燥体を作製する工程と、乾燥体を粉砕して複合粉体を作製する工程と、熱硬化性樹脂に、作製した複合粉体を混合して硬化用樹脂組成物を作製する工程とを備える。
(分散液調整工程)
まず、セルロースナノファイバーを分散させた水系溶媒にケイ素系多孔質材料を混合して分散液を調製する。
ここで、水系溶媒(分散媒)は特に限定されず、水(精製水等)が使用されるが、必要に応じて、例えば、エタノール、イソプロパノール等のアルコールを水に含有させてもよい。
また、水系溶媒に含まれるセルロースナノファイバーの含有量は、分散液に含まれるセルロースナノファイバー1質量部に対するケイ素系多孔質材料の含有量をX(単位は質量部)、セルロースナノファイバーの濃度をY(単位は質量%)とした場合に、下記式(1)の関係が成立するように設定される。
[数1]
Y≦-0.048X+1.96 (1)
これは、セルロースナノファイバーの濃度Yが、式(1)の右辺(すなわち、-0.048X+1.96)よりも大きい場合は、セルロースナノファイバーの増粘効果に起因して、セルロースナノファイバーを分散させた水系溶媒の粘度が急激に大きくなるため、セルロースナノファイバーを分散させた水系溶媒にケイ素系多孔質材料を混合する際に、十分に撹拌して混合することが困難になるためである。
ここで、上記式(1)について、さらに詳しく説明する。発明者等は、1種類のTempo酸化開繊されたセルロースナノファイバー(表1において「Tempo酸化系開繊CNF」と表記)と、機械開繊にて開繊された2種類のセルロースナノファイバー(表1において「機械開繊CNF A」及び「機械開繊CNF B」と表記)について、混合水溶液(分散液)に含まれるセルロースナノファイバー1質量部(単位は質量%)に対するケイ素系多孔質材料(珪藻土)の含有量(単位は質量部)を0~20質量部の間で変化させ、混合水溶液の粘度を測定した。なお、混合水溶液の粘度測定(混合水溶液の温度:25℃)は、東機産業(株)製のRE80型粘度計を用いて測定した。そして、混合水溶液の攪拌が可能な場合を〇、撹拌が不可能な場合を×として撹拌性を評価した。以上の結果を表1に示す。
表1に示すように、セルロースナノファイバーを分散させた水溶液におけるセルロースナノファーバーの濃度が2質量%の場合、珪藻土を添加しない場合であっても、セルロースナノファーバーを分散させた水溶液の粘度が高いため、攪拌が困難であることが分かる。
また、表1から明らかなように、攪拌可能な混合水溶液の粘度は1495mPa・s以下(表1より、この場合のセルロースナノファイバーの濃度は1.34質量%)であり、さらに、セルロースナノファイバーの濃度が1.68質量%以下であれば攪拌が可能ということが分かる。
従って、セルロースナノファイバーを分散させた水溶液におけるセルロースナノファイバーの濃度が1.68%以下である必要があると言える。
また、表1の結果を用いて、珪藻土の含有量X(質量部)とセルロースナノファイバーの濃度Y(質量%)との関係をプロットしたものを図1に示す。
図1に示すように、珪藻土の含有量Xが増加すると、CNFの濃度Yが低くなり、各珪藻土の含有量Xにおいて、攪拌が可能なCNFの最も高い濃度Yは、珪藻土の添加割合に対し、負の線形の相関関係を有することが判明した。
以上より、図1に示すように、分散液に含まれるセルロースナノファイバー1質量部に対するケイ素系多孔質材料の含有量X(単位は質量部)と、セルロースナノファイバーの濃度Y(単位は質量%)との間に、上記式(1)の関係が成立すれば良いことが分かる。
なお、分散液に含まれるセルロースナノファイバー1質量部に対するケイ素系多孔質材料の含有量X(質量部)と、セルロースナノファイバーの濃度Y(質量%)との間に、表1、及び図1における珪藻土の含有量X(質量部)とセルロースナノファイバーの濃度Y(質量%)の関係(すなわち、X=5、Y=1.68、及びX=20、Y=0.95の2点)に基づいて求められる下記式(2)が成立することが好ましい。
[数2]
Y≦-0.0487X+1.9233 (2)
また、本来、セルロースナノファイバーに付加されている水酸基は、水中で-Oとなり、Tempo酸化処理により水酸基から置換されたカルボキシル基は-COOとなり、マイナスにチャージしているため、これらを化学的に安定化させ、分散性を向上させるとの観点から、セルロースナノファイバーを分散させた水系溶媒のpHはアルカリ性であることが好ましい。
また、本発明においては、上述のごとく、複合材料中(すなわち、硬化用樹脂組成物中)のセルロースナノファイバーとケイ素系多孔質材料との含有比を、質量基準で、セルロースナノファイバー:ケイ素系多孔質材料=1:5~1:20としているため、分散液中のセルロースナノファイバーとケイ素系多孔質材料との含有比も、質量基準で、セルロースナノファイバー:ケイ素系多孔質材料=1:5~1:20(すなわち、セルロースナノファイバー1質量部に対して、ケイ素系多孔質材料が5~20質量部)である。
なお、機械的に解繊処理されたセルロースナノファイバーに比し、化学的に開繊処理されたセルロースナノファイバーは均一な太さを有するため、ケイ素系多孔質材料が有する細孔に入りやすくなる。従って、本発明においては、化学的に開繊処理されたセルロースナノファイバーを使用することが好ましい。
また、セルロースナノファイバーを分散させた水系溶媒にケイ素系多孔質材料を混合する装置としては、例えば、ビーカーやフラスコとスターラーバーや、プロペラ式撹拌機、自公転ミキサー、ホモジナイザー、超音波式撹拌機、ビーズミル、ボールミル、プラネタリーミキサー等の各種ミキサーを使用することができる。
(乾燥工程)
次に、調製した分散液を乾燥させて、分散媒である水系溶媒を除去し、セルロースナノファーバーとケイ素系多孔質材料とを含む乾燥体を作製する。
本工程で用いる装置は、特に制限されず、例えば、熱風乾燥機や真空乾燥機等を使用することができる。具体的には、例えば、エスペック社製の熱風乾燥機(Labostar CONVECTION OVEN LC-122)等を使用することができる。
また、セルロースナノファイバーとケイ素系多孔質材料との混合水溶液から水分を除去するとの観点、及び乾燥時間短縮の観点から、乾燥温度としては、80~100℃が好ましい。なお、乾燥時間を問わない場合は、常温による自然乾燥を行うこともできる。
また、乾燥体に水分を残さないとの観点から、乾燥時間としては、例えば、80℃~100℃の雰囲気下で乾燥を行う場合、少なくとも半日~2日間程度が好ましい。
(乾燥体粉砕工程)
次に、作製した乾燥体を粉砕することにより、ケイ素系多孔質材料の表面にセルロースナノファイバーが付着した、またはケイ素系多孔質材料の孔にセルロースナノファイバーが入り込んだ本発明の複合粉体を作製する。
本工程で用いる装置は、特に制限されず、例えば、小規模であれば家庭用ミルや食品などを破砕するミキサー、或いはジューサーが活用でき、より大規模(多量)に作製する場合には、大型の装置や、製粉機、グラインダー等を使用することができる。
また、作製した複合粉体を樹脂等に添加する際に、高圧を伴う湿式微粒化装置を用いることができる。この場合は、高圧を発生させるノズルの径に、本処理を行うことが可能な粉体のサイズが依存することになるため、本乾燥体粉砕工程の後、用いるノズル径以下のサイズの複合粉体のみとすべく、篩などによって、複合粉体のサイズを選別(分級)することができる。
なお、分散液から複合粉体を得る方法として、上述の乾燥工程、粉砕工程、及び分級工程を短縮することができるスプレードライ(噴霧乾燥)法を用いることもできる。また、このスプレードライにおいては、乾燥工程と粉砕工程を別々に行ってもよく、同時に行ってもよい。
そして、以上に説明した本発明の複合粉体の製造方法によれば、ケイ素系多孔質材料の細孔にセルロースナノファイバーが入り込んだ状態(または、ケイ素系多孔質材料の表面にセルロースナノファイバーが付着した状態)で担持されるため、熱硬化性樹脂に均一に分散させることが可能な複合粉体を得ることができ、結果として、本発明の硬化用樹脂組成物、及び本発明の硬化用樹脂組成物を含有するCFRPの強度を確実に向上させることが可能になる。
(硬化用樹脂組成物の作製工程)
次に、上述の熱硬化性樹脂中に複合粉体を分散させた硬化用樹脂組成物を作製する。より具体的には、まず、熱硬化性樹脂に対して作製した複合粉体を添加し、装置を用いて撹拌して混合することにより、熱硬化性樹脂中に複合粉体を分散させた硬化用樹脂組成物を作製する。
なお、熱硬化性樹脂に複合粉体を混合する装置としては、例えば、プロペラ式撹拌機、自公転ミキサー、ホモジナイザー、超音波式撹拌機、ビーズミル、ボールミル、ニーダー、三本ロール、プラネタリーミキサー、湿式微粒化装置等を使用することができる。
この際、本発明の硬化用樹脂組成物においては、上述のごとく、熱硬化性樹脂100質量部に対する複合粉体の含有量が0.1~10質量部であるため、硬化用樹脂組成物の強度を向上させることができるとともに、炭素繊維等の強化繊維に対する硬化用樹脂組成物の含浸性を維持することが可能になる。
また、複合粉体において、セルロースナノファイバーが、少なくともケイ素系多孔質材料の表面に付着している、またはケイ素系多孔質材料の孔に入り込んでいるため、上記従来とは異なり、上述の攪拌機等の簡単な装置により、硬化前の液体状態のエポキシ樹脂等のマトリクス樹脂に対して、複合粉体(すなわち、セルロースナノファイバー)を、後工程で除去が必要となる水や溶剤を介することなく、直接、添加できるため、簡単な方法により、熱硬化性樹脂に対するセルロースナノファイバーの分散性を向上させることが可能になる。
なお、本発明の硬化用樹脂組成物における複合粉体の添加量は、CFRPに含浸させるマトリクス樹脂(熱硬化性樹脂)の全体に対する質量%(すなわち、熱硬化性樹脂100質量部に対する複合粉体の含有量(質量部))で表しているが、主剤と硬化剤を用いる2液性の樹脂においては、例えば、主剤に対して硬化剤を添加した際の質量の増加を見越した量の複合粉体の添加を行ってもよい。
また、複数のエポキシ樹脂をブレンドして使用する場合、全てのエポキシ樹脂に均等に複合粉体を分散しても良いが、その分、各エポキシ樹脂への分散の手間が生じるため、ブレンドする1種類のエポキシ樹脂のみに対して、混練不良を生じない程度に、他のエポキシ樹脂で希釈されることを見越した分量の複合粉体を分散させ、その後、他のエポキシ樹脂と混合する手法をとってもよい。
<硬化物>
本発明の硬化物は、本発明の硬化用樹脂組成物を硬化させることにより製造される。本発明の硬化用樹脂組成物を硬化させる方法は、特に限定されないが、本発明の硬化用樹脂組成物は熱硬化性樹脂を含有するため、公知の加熱方法により硬化させることができる。
<繊維強化プラスチック>
本発明の繊維強化プラスチックは、本発明の硬化用樹脂組成物と、強化繊維(但し、上述のセルロースナノファイバーは除く)とを含有するものであり、本発明の硬化用樹脂組成物と上述の強化繊維とを含む組成物(マトリックス樹脂)を硬化させたものである。
ここで、強化繊維(但し、上述のセルロースナノファイバーは除く)としては、例えば、炭素繊維(例えば、ピッチ系、PAN系)、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ガラス繊維、ポリエチレン繊維、セラミック繊維、PBO繊維(ポリパラフェニレン・ベンゾビス・オキサゾール)や、植物繊維(麻系繊維、亜麻系繊維、竹繊維)や動物繊維(羊毛、絹糸)等の天然由来の繊維等を使用することができる。なお、これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明の繊維強化プラスチックの製造方法としては、例えば、SMC(Sheet Molding Compound)製法、引き抜き成形(Pultrusion)、フィラメントワインディング成形、RTM(Resin Transfer Molding)成形、VaRTM(Vacuum-assisted RTM)成形、オートクレーブ成形、オーブン成形、シートラップ成形、内圧成形、およびプレス成型等を使用することができる。
また、下記式(3)で表される繊維強化プラスチックのレジンコンテント(R.C.)は、20質量%~60質量%が好ましく、より繊維の強度を発揮させるとの観点から、20質量%~40質量%がより好ましい。但し、レジンコンテントを少なくするためには、少ない量で強化繊維間に樹脂を十分に染み渡らせる必要があるため、樹脂の含浸性に十分な配慮が必要となることは言うまでもない。
[数3]
レジンコンテント=[(硬化用樹脂組成物の重量)/(強化繊維の重量+硬化用樹脂組成物の重量)]×100 (3)
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを発明の範囲から除外するものではない。
硬化用樹脂組成物の作製に使用した材料を以下に示す。
(1)熱硬化性樹脂1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル(株)製、商品名:JER828)
(2)熱硬化性樹脂2:多官能型エポキシ樹脂(三菱ケミカル(株)製、商品名:JER604)
(3)熱硬化性樹脂3:ビスフェノールA/F型混合エポキシ樹脂(ナガセケムテックス(株)製、商品名:DENATOOL XNR6809)
(4)硬化剤1:変性芳香族アミングレード(三菱ケミカル(株)製、商品名:WA)
(5)硬化剤2:変性脂環式酸無水物(ナガセケムテックス(株)製、商品名:DENATOOL XNH6809)
(実施例1)
<複合粉体の作製>
まず、セルロースナノファイバーとケイ素系多孔質材料とを含有する複合粉体を作製した。より具体的には、まず、TEMPO酸化触媒による開繊がなされたセルロースナノファイバーを分散させたセルロースナノファイバー水溶液(第一工業製薬(株)製、商品名:レオクリスタ I-2SX、セルロースナノファイバー固形分の含有量:2.0質量%)をイオン交換水にて、セルロースナノファイバーの含有量が1.0質量%となるように希釈した。
なお、セルロースナノファイバー水溶液が酸性となってしまうと、セルロース繊維の電気二重層斥力が弱まり、さらにフィブリル間に水素結合点が形成されることにより凝集してゲル化し、多価金属塩水溶液を添加した場合には、例えば、TEMPO酸化反応により、セルロースナノファイバーに導入されたCOONa基がCOOM基(Mは多価金属)へと置換されることでゲル化してしまう。従って、これを防止するために、本実施例のセルロースナノファイバー水溶液においては、常にアルカリ性を呈するように、アンモニア水を適宜添加してもよい。
次に、希釈したセルロースナノファイバー水溶液91gに対して、珪藻土(三進ろ過工業(株)製、商品名:Celpure S-300、細孔の孔径:50~600nm)を9.09g添加し、その後、5時間、連続的に撹拌し、分散液(スラリー)を調製した。
なお、セルロースナノファイバー水溶液におけるセルロースナノファイバーの濃度である1.0質量%(すなわち、上記式(1)において、Y=1.0)は、セルロースナノファイバーを分散させた水溶液中のセルロースナノファイバーと珪藻土との含有比が、質量基準で、セルロースナノファイバー:珪藻土=1:10(すなわち、上記式(1)において、X=10)において、上記式(1)の関係を満たしている。
次に、調製した分散液を乾燥させて、分散媒である水を除去し、セルロースナノファーバーとケイ素系多孔質材料とを含む乾燥体を作製した。より具体的には、調製した分散液を、薄型のステンレス皿(バット)に移し替え、80℃の熱風乾燥炉に1晩以上、静置することで、分散媒である水を除去し、板状の乾燥体を作製した。
次に、フードプロセッサー(クイジナート(株)製、商品名:粉末ミルグラインダーSG-10BJK)を使用して、作製した板状の乾燥体を粉砕した後、分級器で分級(具体的には篩(サンポー社製、ステンレスふるい)を使用)し、粒子直径が150μm以下であり、表1に示す組成(質量部)を有する(すなわち、質量基準で、セルロースナノファイバー:珪藻土=1:10である)実施例1の複合粉体を回収した。
なお、本実施例の複合粉体の状態を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真を図2に示す。図2に示すように、本実施例の複合粉体においては、写真中央部における珪藻土の細孔(マカロニ状の細孔)にセルロースナノファイバーが入り込んだ状態で担持されていることが分かる。
<複合粉体の元素分析>
また、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いたエネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy; EDS)により、本実施例の複合粉体の解析(炭素原子の分析)を行った結果を、走査型電子顕微鏡(SEM)写真とともに図3に示す。
図3に示すように、セルロースナノファイバー由来の炭素原子(図3における白い部分)が存在しており、複合粉体の全体において、セルロースナノファイバーが分散して存在していることが分かる。
なお、上述のSEM観察、及びEDS分析は、走査型電子顕微鏡(JEOL社製、商品名:JSM―IT100)を用いて行った。
<硬化用樹脂組成物の作製、及び熱硬化性樹脂に対する複合粉体の分散性評価>
表2に示す熱硬化性樹脂1(エポキシ樹脂)に、作製した複合粉体を室温(25℃)で混合して硬化用樹脂組成物を作製し、作製した硬化用樹脂組成物におけるエポキシ樹脂に対する複合粉体の分散性を評価した。
より具体的には、まず、熱硬化性樹脂100質量部に対して、硬化剤25質量部を添加するとともに、作製した複合粉体を0.1質量部となるように添加し、攪拌脱泡機(共立精機株式会社製、商品名:ハイマージャHM-200WD)を用いて、同装置の設定7の下、室温で、撹拌時間5分、脱泡時間3分にて撹拌し、混合することにより、熱硬化性樹脂中に複合粉体を分散させた硬化用樹脂組成物を作製した。
次に、作製した硬化用樹脂組成物におけるエポキシ樹脂に対する複合粉体の分散性を評価した。より具体的には、複合粉体を添加して混合した後、1分間の静置において複合粉体の沈殿が見られなかったものを〇、複合粉体を添加して混合する作業中に、複合粉体の凝集が見られたもの、もしくは複合粉体を添加して混合した後、1分間の静置において複合粉体の沈殿が見られたものを×とした。以上の結果を表2に示す。
<含浸性評価>
次に、E型粘度計(コーンプレート型回転粘度計、東機産業(株)製、商品名:TPE-100)を使用して、作製した硬化用樹脂組成物の粘度を測定した。なお、コーンローター(3°×R12)、回転速度1.9rpm、ずり速度3.8(1/s)の条件で測定を行った。また、常温(25℃)から5℃/minの昇温速度で昇温させ、常温(25℃)、30℃、40℃、50℃、60℃、及び70℃において、各温度を1分保持した状態で粘度を測定した。
また、参考試料として、表2に示す複合粉体を添加していない硬化用樹脂組成物(熱硬化性樹脂1と硬化剤1のみからなる硬化用樹脂組成物)を用意し、同様の方法により、参考試料の粘度を測定するとともに、各測定温度(すなわち、常温(25℃)、30℃、40℃、50℃、60℃、及び70℃)における参考試料の粘度と本実施例の硬化用樹脂組成物の粘度とを比較し、本実施例の硬化用樹脂組成物の粘度が、参考試料の粘度の3.5倍以下の場合(すなわち、複合粉体を添加した硬化用樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎず、硬化用樹脂組成物を炭素繊維等の強化繊維に容易に浸み込ませること可能なもの)を〇、本実施例の硬化用樹脂組成物の粘度が参考試料の粘度の3.5倍よりも大きい場合(すなわち、複合粉体を添加した硬化用樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎ、硬化用樹脂組成物を炭素繊維等の強化繊維に浸み込ませることが困難なもの)を×とした。以上の結果を表2に示す。
<強度評価>
次に、作製した上述の硬化用樹脂組成物を炭素繊維(東レ株式会社製、商品名:トレカT700S)に含浸させて一方向長繊維プリプレグ(炭素繊維に作製した硬化用樹脂組成物が含浸されたシート状の中間材)を作製し、図4に示すように、作製した上述のプリプレグ(210mm×210mm)を16枚用意し、各プリプレグ1における炭素繊維2の配列が同一の方向(すなわち、図中の矢印Xの方向)となるように積層して、プレス圧力が7.85MPa、プレス温度が175℃、プレス時間が4時間の条件でプレスを行い、2mmの厚みを有するプリプレグ積層体(CFRP)10を作製した。
そして、作製したプリプレグ積層体10をカットして、25mm×110mmのサンプルを作製し、25mm×50mmのAlタブ(先端15mmをテーパー加工)を、作製したサンプルの上下の端面に張り合わせて試験片を得た後、引張試験機(株式会社島津製作所製、商品名:オートグラフAG-X plus)を用いて、引張速度が1mm/minの条件で、炭素繊維2の配列方向に対して90°の方向(すなわち、図中の矢印Yの方向)において引張試験を行い、その破断時の強度を、硬化用樹脂組成物3の引張強度とした。
なお、「炭素繊維の配列方向に対して90°の方向」とは、図4に示すように、プリプレグ積層体10における炭素繊維2の配列方向(軸方向であって、矢印Xの方向)を0°と定義した場合、炭素繊維2の配列方向(0°軸)に直交する方向(矢印Yの方向)のことを言う。
また、炭素繊維の配列方向に対して90°の方向における強度は、炭素繊維の強度の影響を受けずに、硬化用樹脂組成物に起因する強度(硬化性樹脂組成物のみの強度、あるいは炭素繊維と硬化性樹脂組成物の界面における密着性の強度、またはその両方)を示していることになる。
また、参考試料として、表2に示す複合粉体を添加していない硬化用樹脂組成物(熱硬化性樹脂1と硬化剤1のみからなる硬化用樹脂組成物)を用意し、同様の方法により、参考資料の引張強度を算出するとともに、参考試料の引張強度と本実施例の硬化用樹脂組成物の引張強度とを比較し、本実施例の硬化用樹脂組成物の引張強度が、参考試料の引張強度よりも大きい場合を〇、本実施例の硬化用樹脂組成物の引張強度が参考試料の引張強度以下の場合を×とした。以上の結果を表2に示す。
ここで、使用する硬化用樹脂組成物の強度に比し、炭素繊維の強度が大きいため、硬化用樹脂組成物の構造体(CFRP)においては、その破壊起点は、樹脂、樹脂と繊維との界面、あるいは、シート状のプリプレグを重ねて構造体とした場合は、シート(層)とシート(層)の界面となる。なお、層と層との界面での破壊を「層間剥離」ともいう。
そして、上述の繊維強化プラスチックの各種製造方法において、ミクロ的に繊維と繊維の隙間を有し、樹脂だけの部分が存在すること、及び樹脂と繊維との間に必ず界面が存在することが共通の特徴として挙げられるため、上述の「炭素繊維2の配列方向に対して90°の方向における引張強度」の向上は、樹脂だけの部分、あるいは樹脂と繊維との間の界面の強化という観点において、非常に有効であることは言うまでもない。
また、上述の繊維強化プラスチックの各種製造方法において、積層体を作製する場合、特に応力が掛かる層などに、本願発明の複合粉体を添加した硬化用樹脂組成物を部分的に使用することも可能である。
(実施例2~44、比較例1~3,6~8,10~13)
熱硬化性樹脂と硬化剤の種類と含有量、ケイ素系多孔質材料の種類、熱硬化性樹脂100質量部に対する複合粉体の添加量、及び複合粉体におけるセルロースナノファイバーとケイ素系多孔質材料との含有比を、表2~8に示す値に変更したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、硬化用樹脂組成物を作製した。
そして、上述の実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂に対する複合粉体の分散性評価、含浸性評価、及び強度評価を行った。以上の結果を表2~8に示す。
なお、比較例10~12においては、セルロースナノファイバーに対する珪藻土の比率が小さく、分散性評価において、セルロースナノファイバーが凝集して沈殿したため、上述の含浸性評価と強度評価を行うことができなかった。
また、比較例13においては、セルロースナノファイバーに対する珪藻土の比率が大きく、また、熱硬化性樹脂100質量部に対する複合粉体の含有量が10質量部よりも多いため、分散性評価において、複合粉体の分散性が低下したため、上述の含浸性評価と強度評価を行うことができなかった。
(比較例4)
複合粉体を作製せず、上述の実施例1における複合粉体の代わりに、珪藻土(9.1質量部)のみを使用(すなわち、珪藻土を単体として使用)したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、硬化用樹脂組成物を作製した。
そして、上述の実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂に対する複合粉体の分散性評価、含浸性評価、及び強度評価を行った。なお、含浸性評価と強度評価においては、参考資料として、表6に示す珪藻土を添加していない硬化用樹脂組成物(熱硬化性樹脂1と硬化剤1のみからなる硬化用樹脂組成物)を使用した。以上の結果を表6に示す。
(比較例5)
複合粉体を作製せず、上述の実施例1における複合粉体の代わりに、セルロースナノファイバー(0.9質量部)のみを使用(すなわち、セルロースナノファイバーを単体として使用)したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、硬化用樹脂組成物を作製した。
そして、上述の実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂に対する複合粉体の分散性評価を行った。以上の結果を表6に示す。
なお、分散性評価において、セルロースナノファイバーが凝集して沈殿したため、上述の含浸性評価と強度評価を行うことができなかった。
また、本比較例においては、セルロースナノファイバーとして、TEMPO酸化触媒による開繊がなされたセルロースナノファイバーを分散させたセルロースナノファイバー水溶液(第一工業製薬(株)製、商品名:レオクリスタ I-2SX、セルロースナノファイバー固形分の含有量:2.0質量%)を乾燥させて粉砕したもの(80℃の雰囲気で3日間静置して乾燥させたものをフードプロセッサーで粉砕したもの)を使用した。
(比較例9)
複合粉体を作製せず、上述の実施例1における複合粉体の代わりに、ゼオライト(9.1質量部)のみを使用(すなわち、ゼオライトを単体として使用)したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、硬化用樹脂組成物を作製した。
そして、上述の実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂に対する複合粉体の分散性評価、含浸性評価、及び強度評価を行った。なお、含浸性評価と強度評価においては、参考資料として、表7に示すゼオライトを添加していない硬化用樹脂組成物(熱硬化性樹脂1と硬化剤1のみからなる硬化用樹脂組成物)を使用した。以上の結果を表7に示す。
表2~5に示すように、実施例1~44の硬化用樹脂組成物においては、セルロースナノファイバーとケイ素系多孔質材料との含有比が、質量基準で、セルロースナノファイバー:ケイ素系多孔質材料=1:5~1:20(すなわち、セルロースナノファイバー1質量部に対して、ケイ素系多孔質材料が5~20質量部)であるため、複合粉体において、セルロースナノファイバーが、ケイ素系多孔質材料の孔に入り込む(または、ケイ素系多孔質材料の表面に付着している)とともに、ケイ素系多孔質材料の不足に起因する細孔へのセルロースナノファイバーの取り込み量(または、ケイ素系多孔質材料の表面へのセルロースナノファイバーの付着量)の低下を抑制して、ケイ素系多孔質材料の表面におけるセルロースナノファイバーの凝集体の生成を防止することができたため、硬化用樹脂組成物において、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)に対してセルロースナノファイバーを均一に分散させることができることが分かる。
また、実施例1~44の硬化用樹脂組成物においては、熱硬化性樹脂100質量部に対する複合粉体の含有量が0.1~10質量部であるため、複合粉体を含有する場合であっても、硬化用樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎず、硬化用樹脂組成物を炭素繊維に容易に浸み込ませることできる(すなわち、炭素繊維に対する硬化用樹脂組成物の含浸性を維持することができる)とともに、CFRPにおける硬化用樹脂組成物の強度を向上させることができることが分かる。
以上説明したように、本発明は、ゴム、樹脂、並びに炭素繊維強化プラスチックに使用される硬化用樹脂組成物に適している。

Claims (7)

  1. 熱硬化性樹脂と、
    セルロースナノファイバーとケイ素系多孔質材料とを含有する複合粉体と
    を少なくとも含有する硬化用樹脂組成物であって、
    前記セルロースナノファイバーと前記ケイ素系多孔質材料との含有比が、質量基準で、セルロースナノファイバー:ケイ素系多孔質材料=1:5~1:20であり、
    前記複合粉体において、前記セルロースナノファイバーが、少なくとも前記ケイ素系多孔質材料の表面に付着している、または前記ケイ素系多孔質材料の孔に入り込んでおり、
    前記熱硬化性樹脂100質量部に対する前記複合粉体の含有量が0.1~10質量部であることを特徴とする硬化用樹脂組成物。
  2. 前記セルロースナノファイバーが化学的に開繊処理されたものであることを特徴とする請求項1に記載の硬化用樹脂組成物。
  3. ケイ素系多孔質材料が、珪藻土及びゼオライトの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の硬化用樹脂組成物。
  4. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の硬化用樹脂組成物。
  5. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の硬化用樹脂組成物。
  6. 請求項1または請求項2に記載の硬化用樹脂組成物を硬化させた硬化物。
  7. 請求項1または請求項2に記載の硬化用樹脂組成物と、
    強化繊維(但し、前記セルロースナノファイバーは除く)と
    を含有することを特徴とする繊維強化プラスチック。
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