JP7461444B1 - ウェハー膜種自動判定システム及びウェハー自動分類装置 - Google Patents
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Abstract
Description
従来このような膜種判定においては、蛍光灯下2,000lxほどの照度環境下で、目視による官能検査を行っている。この官能検査は、ウェハー外観の色味の違いから表面、裏面、エッジ部の膜種を判定し、人が膜種ごとにウェハーの分類を行うといったものである。
そして、膜種の判定は10~15ほどに分類することによって行われ、この膜種の分類数は次工程の膜除去フローを適正化するために必要な数が用意される。
しかし、例えば酸化膜と一括りに言っても膜厚の違いで外観色は変化し、外観種は数十種類にも及ぶ。よって、大分類で10~15膜種ともなると、少なく見積もっても数百種類以上の外観種が存在している状況であり、官能検査の難易度が窺える。
そもそも膜種判定が必要となっている背景として、各顧客における使用工程が多岐にわたっておりウェハーの枚葉管理が困難、膜種毎に分類されて入荷されることがないといった理由により、様々な顧客から預かったウェハーに成膜されている膜の種類(以下「ウェハーの膜種」という。)が未知の状態であることが挙げられる。そして、上記の膜種判定技術における問題点は3点ある。
1点目は、官能検査であるため、検査者間及び同一検査者の膜種判定のばらつきが生じてしまうこと。2点目は、膜種の誤判定があった場合、膜除去の工程で適切な処理ができず膜残りといった工程不良の問題が生じること及び膜除去装置の金属汚染を引き起こしてしまう可能性があること。3点目は、人による検査、分類作業であるため、検査者の習熟度によって処理枚数に差が生じ技能を習得するまでに相応の時間を要することである。
例えば、特許文献1(特開平9-17833号公報)には、半導体ウェハーの赤外吸収スペクトルを測定し、半導体ウェハー表面の形成膜種等を判別、評価することにより、各形成膜種別に半導体ウェハーを仕分けし、形成膜種別に設定した最適の処理工程にて再生半導体ウェハーとなす点及びCPUが予め設定した種々の形成膜種を有する半導体ウェハーの赤外吸収スペクトルを記憶しており、測定装置からの赤外吸収スペクトルと比較して形成膜種を推定する点が記載されている(特に、要約及び段落0022を参照)。
また、特許文献2(特開2002-26096号公報)には、使用済シリコンウェハーを再生するために、ウェハー上に形成された膜の種類を、目視、表面抵抗、赤外吸収スペクトル、光反射率等により特定した後、膜の特性に適した除去を施す方法もある旨記載されている(特に、段落0004~0005を参照)。
そして、特許文献1においては、窒化膜、酸化膜、窒化膜+酸化膜、レジスト+窒化膜+酸化膜の4種に分別して収納されており(段落0025を参照)、特許文献2においては、式(1)~(3)で示される吸光度の比に基づいてシリコン結晶の品質を評価しているが、特許文献1の段落0016に記載されているように、赤外光の透過率は半導体ウェハーの種類によって異なっている。具体的には、基板へのP(リン)やB(ボロン)等のドーパント種やドーパント量によって透過率が変動し、さらには基板上に成膜された金属膜ではないアモルファスカーボン膜をはじめとする有機物においても赤外光を透過しにくい膜種があるため、赤外吸収スペクトルのみで膜種を判定することは困難であった。また、特許文献2の段落0047等の記載から見て再生予定のウェハーを多くの種類には分別できず、上記の官能検査のように、膜種を10~15に分類することは不可能であった。
本発明は、このような問題を解決するために、予め撮像したウェハーの画像に基づいて、ウェハーの膜種を多くの種類に分類して判定することが可能なウェハー膜種判定システムの提供を第1の課題としており、同ウェハー膜種判定システムによって膜種判定されたウェハーを、予め膜種登録された格納ボックスに搬送し分別格納することが可能なウェハー自動分類装置の提供を第2の課題としている。
赤外光に感度を有し、利用するシリコンウェハーを透過した赤外光による赤外画像を撮像する赤外光撮像手段と、
可視光に感度を有し、前記ウェハーの表面又は裏面で反射した可視光による可視光画像を撮像する可視光撮像手段と、
可視光に感度を有し、前記ウェハーの表面又は裏面で反射した可視光の波長ごとの強度を示すスペクトルグラフ画像を撮像するHS撮像手段と、
前記赤外光撮像手段で撮像された前記赤外画像、前記可視光撮像手段で撮像された前記可視光画像及び前記HS撮像手段で撮像された前記スペクトルグラフ画像に基づいて、前記ウェハーの表面又は裏面に成膜されている膜の種類についての判定結果を出力する機械学習手段を備えているウェハー膜種自動判定システムである。
前記可視光撮像手段は、前記ウェハーの表面で反射した可視光による可視光表画像及び前記ウェハーの裏面で反射した可視光による可視光裏画像を撮像するものであり、
前記機械学習手段は、前記赤外光撮像手段で撮像された前記赤外画像、前記可視光撮像手段で撮像された前記可視光表画像及び前記可視光裏画像並びに前記HS撮像手段で撮像された前記スペクトルグラフ画像に基づいて、前記ウェハーの表面及び裏面に成膜されている膜の種類についての判定結果を出力することを特徴とする。
可視光に感度を有し、前記ウェハーの表面のエッジ部で反射した可視光による可視光表エッジ画像及び前記ウェハーの裏面のエッジ部で反射した可視光による可視光裏エッジ画像を撮像するエッジ撮像手段をさらに備え、
前記機械学習手段は、前記赤外光撮像手段で撮像された前記赤外画像、前記可視光撮像手段で撮像された前記可視光表画像及び前記可視光裏画像、前記HS撮像手段で撮像された前記スペクトルグラフ画像並びに前記エッジ撮像手段で撮像された前記可視光表エッジ画像及び前記可視光裏エッジ画像に基づいて、前記ウェハーの表面及び裏面に成膜されている膜の種類についての判定結果を出力することを特徴とする。
前記機械学習手段は、
前記赤外画像に基づいて、前記膜の種類についての赤外画像判定結果を出力する赤外画像用機械学習手段と、前記可視光画像に基づいて、前記膜の種類についての可視光画像判定結果を出力する可視光画像用機械学習手段と、前記スペクトルグラフ画像に基づいて、前記膜の種類についてのSG画像判定結果を出力するSG画像用機械学習手段と、
前記赤外画像用機械学習手段、前記可視光画像用機械学習手段及び前記SG画像用機械学習手段から出力された赤外画像判定結果、可視光画像判定結果及びSG画像判定結果が入力されると、前記赤外画像判定結果、前記可視光画像判定結果及び前記SG画像判定結果の組合せと代表膜種との関係を照合し、前記ウェハーの表面又は裏面に成膜されている膜の種類についての判定結果として代表膜種データを出力する膜種組合せ照合手段を備えていることを特徴とする。
利用するシリコンウェハーの表面又は裏面に成膜されている膜の種類についての判定結果を出力する請求項1~4のいずれかに記載のウェハー膜種自動判定システムと、
予め各々異なる膜の種類が登録されている複数のウェハー格納手段と、
前記判定結果が出力された前記ウェハーを、該判定結果が示す膜の種類が登録されている前記複数のウェハー格納手段のうちの一つに格納するウェハー搬送手段を備えているウェハー自動分類装置である。
膜種判別前の前記ウェハーを複数枚収容可能なウェハー収容手段と、
前記ウェハー収容手段から前記ウェハーを1枚ずつ取り出して、前記ウェハー膜種自動判定システムに搬入し、搬入した前記ウェハーを前記ウェハー膜種自動判定システムから搬出し、前記ウェハー搬送手段に受け渡すウェハー搬入移送手段を備えていることを特徴とする。
図1に示すように、実施例1に係るウェハー膜種自動判定システムは、ウェハーの表面及び裏面(以下「ウェハー面」という。)を撮像するウェハー面撮像ステージと、ウェハー面撮像ステージで撮像されたウェハー面の各種画像に基づいて、ウェハーの膜種についての判定結果を出力する機械学習手段からなっている。
(A)ウェハー1の外周を数か所(図1では3か所)で保持する機構を有する円環状の平板からなるウェハー保持台2。
(B)ウェハー保持台2の上方に設置され、赤外光に感度を有しウェハー1を透過した赤外光による赤外画像を撮像する赤外光撮像手段3。
(C)ウェハー保持台2の斜め上に設置され、可視光に感度を有しウェハー1の表面で反射した可視光による可視光表画像を撮像する可視光表撮像手段4。
(D)ウェハー保持台2の斜め下に設置され、可視光に感度を有しウェハー1の裏面で反射した可視光による可視光裏画像を撮像する可視光裏撮像手段5。
(E)ウェハー保持台2の上方に設置され、可視光に感度を有しウェハー1の表面で反射した可視光の波長ごとの強度を示すスペクトルグラフ画像(以下「SG画像」という。)を撮像するハイパースペクトル撮像手段6(以下「HS撮像手段」という。)。
(F)ウェハー保持台2の下方に設置されている赤外撮像用照明手段7。
(G)ウェハー保持台2の斜め上方に設置されている上方側白色光照明手段8。
(H)ウェハー保持台2の斜め下方に設置されている下方側白色光照明手段9。
なお、赤外光撮像手段3、可視光表撮像手段4及び可視光裏撮像手段5の撮像領域は、ウェハー1の全面であり、HS撮像手段6の撮像領域は、ウェハー1全面の20~70%(通常は30~50%)である。
(a)赤外光撮像手段3から赤外画像が入力されると、ウェハー1の膜種を判定し、赤外画像判定結果を出力する赤外画像用機械学習手段10IR。
(b)可視光表撮像手段4から可視光表画像が入力されると、ウェハー1の膜種を判定し、可視光表画像判定結果を出力する可視光表画像用機械学習手段10VF。
(c)可視光裏撮像手段5から可視光裏画像が入力されると、ウェハー1の膜種を判定し、可視光裏画像判定結果を出力する可視光裏画像用機械学習手段10VB。
(d)HS撮像手段6からSG画像が入力されると、ウェハー1の膜種を判定し、SG画像判定結果を出力するSG画像用機械学習手段10SG。
(e)赤外画像用機械学習手段10IR、可視光表画像用機械学習手段10VF、可視光裏画像用機械学習手段10VB及びSG画像用機械学習手段10SGから出力された赤外画像判定結果、可視光表画像判定結果、可視光裏画像判定結果及びSG画像判定結果が入力されると、それらの判定結果の組合せと代表膜種との関係を照合し、ウェハー1の膜種についての判定結果として代表膜種データを出力する膜種組合せ照合手段11。
図2は、実施例1で採用しているニューラルネットワーク10の構成を示す図であり、入力層10I、出力層10A、サンプルデータ蓄積手段10L、サンプルデータ蓄積手段10Lに多数のサンプルデータを入力するサンプルデータ入力手段10T及び図示しない複数の畳み込み層、プーリング層、BN層(Batch-normalization層)、ドロップアウト層(drop-out層)、全結合層、その他で構成されている。
一般には2~3層の畳み込み層と1層のプーリング層を組合せたものを1単位とし、この数単位を直列させたものに、さらに2~4層の全結合層を組合せることが多く、BN層及びドロップアウト層は必ずしも必要ないが、これらの層を設けることにより、ニューラルネットワーク10全体のパフォーマンス向上が期待できる。
サンプルデータ入力手段10Tに入力されるサンプルデータは、予め膜種が判明しているサンプルウェハーについて、ウェハー面撮像ステージにおいて取得したサンプルウェハーの赤外画像、可視光表画像、可視光裏画像及びSG画像(以下「サンプル画像」という。)と、そのサンプルウェハーの膜種を示すサンプル膜種データを一組にしたものである。
また、サンプル膜種データは画像ごとに異なっており、実施例1においては、画像ごとに以下に示すサンプル膜種データを付与している(一部共通しているものあり)。
・赤外画像:淡色膜(淡)、濃色膜(濃)
・可視光表画像及び可視光裏画像:膜無し(ベア)、アモルファスカーボン(アモルファスC)、銅(Cu)、銅以外の金属膜(メタル)、窒化膜(SiN)、酸化膜(SiO2)、パターン、レジスト、ポリシリコン(ポリSi)、厚ポリシリコン(厚ポリ)
・SG画像:膜無し(ベア)、レジスト、銅(Cu)、それ以外の膜(その他)
なお、サンプルデータの蓄積数が多いほど判別精度は向上するが、実施例1では費用対効果を考慮し、赤外画像を除き1.5~5.5万組のサンプルデータを蓄積して最適化を行っている(赤外画像は濃淡のみであるため、数十組~数百組を蓄積すれば十分)。
さらに、実施例1においては、サンプルデータの容量を削減するために、入力する全ての画像データに対して圧縮及びトリミング処理を施した上で、各機械学習手段のサンプルデータ蓄積手段10Lにサンプルデータを蓄積している。
例えば、一番上の行からは、熟練者は102枚をベアと判定し、可視光表画像用機械学習手段10VFは97枚をベア、5枚をポリSiと判定したことが分かる。そして、両者の一致率(精度)は最も高いCuで100%、最も低い厚ポリで85%であり、全体では94.4%であった。
すなわち、可視光表画像用機械学習手段10VFだけで判定すると、5%以上の誤判定が出る可能性があるので、実施例1では、膜種組合せ照合手段11によって、赤外画像用機械学習手段10IR、可視光表画像用機械学習手段10VF、可視光裏画像用機械学習手段10VB及びSG画像用機械学習手段10SGによる判定結果の組合せから代表膜種を決定し、代表膜種データを出力するようにしている。
膜種組合せ照合手段11は、例えば、赤外画像による判定結果が「濃」、可視光表画像による判定結果が「メタル」、可視光裏画像による判定結果が「SiO2」、SG画像による判定結果が「その他」であれば代表膜種を「メタル」と決定し(膜種組合せ1)、赤外画像による判定結果が「淡」、可視光表画像による判定結果が「レジスト」、可視光裏画像による判定結果が「SiO2」、SG画像による判定結果が「その他」であれば代表膜種を「不明」と決定し(膜種組合せ4)、赤外画像による判定結果が「淡」、可視光表画像による判定結果が「ベア」、可視光裏画像による判定結果が「SiO2」、SG画像による判定結果が「その他」であれば代表膜種を「SiO2」と決定する(膜種組合せ6)。また、各画像による判定結果の組合せが代表膜種決定表にない組合せであった場合も「不明」と決定する。
なお、「不明」と決定された場合には、熟練者の目視による判定を実施する。
図5に示すように、実施例2に係るウェハー膜種自動判定システムは、ウェハー面撮像ステージと、ウェハー面のエッジ部を撮像するウェハーエッジ撮像ステージと、ウェハー面撮像ステージ及びウェハーエッジ撮像ステージで撮像されたウェハー面の各種画像に基づいて、ウェハーの膜種についての判定結果を出力する機械学習手段からなっている。
このように、ウェハーエッジ撮像ステージを追加することにより、ウェハー面撮像ステージで撮像されたウェハー面の各種画像だけからは判定が困難なエッジレジストを判定でき、また、アモルファスCやレジスト等についても判定精度を上げることができる。
なお、ウェハー面撮像ステージは実施例1と同じく上記(A)~(H)の構成を備えており、機械学習手段は、上記(a)~(d)の構成を備えている点では実施例1と共通しているので、これらの構成については説明を省略し、図5でも同じ番号を用いている。
(I)ウェハー1を載置可能でエッジ撮像範囲に映り込みのない平板からなり、モーター13により一定速度(90~180度/秒)で回転可能なウェハー載置回転台12。
(J)ウェハー載置回転台12の斜め上に設置され、ウェハー1の表面側のエッジ部で反射した可視光による表エッジ画像を撮像する可視光表エッジ撮像手段14。
(K)ウェハー載置回転台12の斜め下に設置され、ウェハー1の裏面側のエッジ部で反射した可視光による裏エッジ画像を撮像する可視光裏エッジ撮像手段15。
(L)可視光表エッジ撮像手段14のウェハー載置回転台12側に設置されている表エッジ撮像用照明手段16。
(M)可視光裏エッジ撮像手段15のウェハー載置回転台12側に設置されている裏エッジ撮像用照明手段17。
なお、可視光表エッジ撮像手段14及び可視光裏エッジ撮像手段15による撮像は、ウェハー載置回転台12を矢印で示す方向に一定速度(実施例1においては120度/秒)で回転させながら、エッジ部10mm付近の1周分を流し撮りして行う。
(f)可視光表エッジ撮像手段14から表エッジ画像が入力されると、ウェハー1の表面側のエッジ部における膜種を判定し、表エッジ画像判定結果を出力する表エッジ画像用機械学習手段10FE。
(g)可視光裏エッジ撮像手段15から裏エッジ画像が入力されると、ウェハー1の裏面側のエッジ部における膜種を判定し、裏エッジ画像判定結果を出力する裏エッジ画像用機械学習手段10BE。
なお、表エッジ画像用機械学習手段10FE及び裏エッジ画像用機械学習手段10BEも、実施例1の各機械学習手段と同様、ニューラルネットワーク10を採用している。
(h)赤外画像用機械学習手段10IR、可視光表画像用機械学習手段10VF、可視光裏画像用機械学習手段10VB、SG画像用機械学習手段10SG、表エッジ画像用機械学習手段10FE及び裏エッジ画像用機械学習手段10BEから出力された赤外画像判定結果、可視光表画像判定結果、可視光裏画像判定結果、SG画像判定結果、表エッジ画像判定結果及び裏エッジ画像判定結果が入力されると、それらの判定結果の組合せと代表膜種との関係を照合し、ウェハー1の膜種についての判定結果として代表膜種データを出力する膜種組合せ照合手段18。
また、表エッジ画像及び裏エッジ画像に対して付与するサンプル膜種データは、膜無し(エッジ膜無)、アモルファスカーボン(アモルファスC)、エッジレジスト、レジスト、
それ以外の膜(その他)である。そして、実施例2においては、表エッジ画像用機械学習手段10FE及び裏エッジ画像用機械学習手段10BEのサンプルデータ蓄積手段10Lに、5~6万組のサンプルデータを蓄積して最適化を行っている。
なお、実施例2においても、サンプルデータの容量を削減するために、入力する全ての画像データに対して圧縮及びトリミング処理を施した上で、各機械学習手段のサンプルデータ蓄積手段10Lにサンプルデータを蓄積している。
図6に示す代表膜種決定表(実施例2)の膜種組合せ1~7の赤外画像、可視光表画像、可視光裏画像及びSG画像による判定結果の組合せは、図4に示す代表膜種決定表(実施例1)と全く同じ組合せであり、それぞれに表エッジ画像及び裏エッジ画像による判定結果が追加されている。そして、膜種組合せ7の代表膜種を、実施例1の代表膜種決定表では「不明」と決定しているのに対して、実施例2の代表膜種決定表では「エッジレジスト」と決定できており、代表膜種判定能力が向上していることが分かる。
図7に示すように、実施例3に係るウェハー自動分類装置は、膜種判別前のウェハー1を複数枚収容可能なウェハー収容手段19と、予め各々異なる膜の種類が登録されている複数のウェハー格納手段20と、ウェハー搬入移送手段21と、ウェハー受け渡しステージ22と、ウェハー搬送手段23と、自動分類装置制御手段24からなっている。
また、ウェハー搬送手段23は、ウェハー受け渡しステージ22に載置されたウェハー1を受け取り、実施例2に係るウェハー膜種自動判定システムの膜種組合せ照合手段18から出力された代表膜種データに応じて、受け取ったウェハー1を、その代表膜種データが示す膜の種類が登録されているウェハー格納手段20に格納するものである。
そして、自動分類装置制御手段24は、実施例2に係るウェハー膜種自動判定システムから、ウェハー保持台2及びウェハー載置回転台12の高さや位置の情報、ウェハー面撮像ステージ及びウェハーエッジ撮像ステージでウェハー1の撮像を行うのに要する時間の情報並びにウェハー1の代表膜種データを受け、自動分類装置の管理者や作業者(以下「管理者等」という。)による操作に従ってウェハー搬入移送手段21及びウェハー搬送手段23の動作を制御するものである。
なお、図7ではウェハー収容手段19を3つ設け、1つ又は2つのウェハー収容手段19が空になったら、ウェハー1を補充してセットできるようにしているが、ウェハー収容手段19を1つだけ設け、空になる度にウェハー1を補充しても良く、逆に4つ以上設けてウェハー1の補充間隔を長くできるようにしても良い。
また、図7ではウェハー格納手段20を9つ設けているが、ウェハー格納手段20の設置数は分類する膜の種類(不明も含む)の数に応じて決定しても良く、膜種の最大数分設置しておき、必要な数だけを使用しても良い。
(手順1)管理者等が、ウェハー収容手段19にウェハー1を収容し、ウェハー自動分類装置の所定箇所にセットする。
(手順2)管理者等が、自動分類装置制御手段24から起動指令を入力する。
(手順3)ウェハー搬入移送手段21が、ウェハー収容手段19からウェハー1を1枚取り出し、ウェハー保持台2に保持させる。
(手順4)ウェハー面撮像ステージが、ウェハー保持台2上のウェハー1を撮像する。
(手順5)ウェハー搬入移送手段21が、ウェハー保持台2からウェハー1を搬出し、搬出したウェハー1を移送して、ウェハー載置回転台12に載置する。
(手順6)ウェハーエッジ撮像ステージが、ウェハー載置回転台12上のウェハー1を撮像し、機械学習手段が、膜種組合せ照合手段18から代表膜種データを出力する。
(手順7)ウェハー搬入移送手段21が、ウェハー載置回転台12からウェハー1を搬出し、搬出したウェハー1を移送して、ウェハー受け渡しステージ22に載置する。
(手順8)ウェハー搬送手段23が、ウェハー受け渡しステージ22からウェハー1を搬出し、上記(手順6)で出力された代表膜種データが示す膜の種類が登録されているウェハー格納手段20に格納する。
(手順9)ウェハー搬入移送手段21、ウェハー面撮像ステージ、ウェハーエッジ撮像ステージ、機械学習手段及びウェハー搬送手段23は、全てのウェハー収容手段19が空になるまで、上記(手順3)~(手順8)の動作を繰り返す。
(手順10)全てのウェハー収容手段19が空になったら、動作を停止し自動分類装置制御手段24から全てのウェハー収容手段19が空になった旨の報知を行う。
(手順11)管理者等が、作業を継続するか否かを判断し、継続する場合は手順1に戻り、継続せず終了する場合は、自動分類装置制御手段24から終了指令を入力する。
(1)実施例1~3においては、機械学習手段として入力層10Iに入力されるサンプル画像及び出力層10Aから出力されるサンプル膜種データを一組にしたサンプルデータ(教師データ)を蓄積して最適化を行うニューラルネットワーク10を採用したが、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン等の教師あり機械学習手段であれば、どのような機械学習手段を採用しても良い。
(2)実施例1~3においては、各画像に対する判定結果を出力する機械学習手段を備えるとともに、それらの機械学習手段による判定結果の組合せと代表膜種との関係を照合し、代表膜種データを出力する膜種組合せ照合手段11、18を備えていたが、各機械学習手段及び膜種組合せ照合手段11、18を、代表膜種出力用機械学習手段に代え、各画像の組合せと代表膜種をサンプルデータとして、同機械学習手段のサンプルデータ蓄積手段10Lに蓄え、各画像の組合せを同機械学習手段に入力することによって、直接出力層10Aから代表膜種データを出力できるようにしても良い。
(4)実施例1及び2に係るウェハー膜種自動判定システムは、可視光表撮像手段4、可視光裏撮像手段5、可視光表画像用機械学習手段10VF及び可視光裏画像用機械学習手段10VBを備えていたが、ウェハーの一方の面だけに成膜されていることが分かっている場合やウェハーの両面に同じ成膜処理が施されていることが分かっている場合は、可視光表撮像手段4と可視光表画像用機械学習手段10VFのみ又は可視光裏撮像手段5と可視光裏画像用機械学習手段10VBのみを備えるようにしても良い。
そのため、特許請求の範囲の記載においては、可視光表撮像手段4又は可視光裏撮像手段5を示す用語として「可視光撮像手段」を用いる場合がある。
(6)実施例3においては、ウェハー搬入移送手段21が、(手順5)及び(手順7)によって、ウェハー保持台2に保持されている撮像後のウェハー1をウェハー載置回転台12へ移送、載置する動作と、ウェハー載置回転台12上にある撮像後のウェハー1をウェハー受け渡しステージ22への載置する動作を順次行ったが、ウェハー搬入移送手段21に2系統の搬入移送手段を設けて、(手順5)と(手順7)を同時に行えるようにすると、単位時間当たりの処理枚数を増やすことができる。
4 可視光表撮像手段 5 可視光裏撮像手段
6 ハイパースペクトル撮像手段(HS撮像手段) 7 赤外撮像用照明手段
8 上方側白色光照明手段 9 下方側白色光照明手段
10 ニューラルネットワーク 10A 出力層 10I 入力層
10L サンプルデータ蓄積手段 10T サンプルデータ入力手段
10BE 裏エッジ画像用機械学習手段 10FE 表エッジ画像用機械学習手段
10IR 赤外画像用機械学習手段 10SG SG画像用機械学習手段
10VB 可視光裏画像用機械学習手段 10VF 可視光表画像用機械学習手段
11 膜種組合せ照合手段 12 ウェハー載置回転台 13 モーター
14 可視光表エッジ撮像手段 15 可視光裏エッジ撮像手段
16 表エッジ撮像用照明手段 17 裏エッジ撮像用照明手段
18 膜種組合せ照合手段 19 ウェハー収容手段 20 ウェハー格納手段
21 ウェハー搬入移送手段 22 ウェハー受け渡しステージ
23 ウェハー搬送手段 24 自動分類装置制御手段
Claims (6)
- 赤外光に感度を有し、利用するシリコンウェハーを透過した赤外光による赤外画像を撮像する赤外光撮像手段と、
可視光に感度を有し、前記ウェハーの表面又は裏面で反射した可視光による可視光画像を撮像する可視光撮像手段と、
可視光に感度を有し、前記ウェハーの表面又は裏面で反射した可視光の波長ごとの強度を示すスペクトルグラフ画像を撮像するHS撮像手段と、
前記赤外光撮像手段で撮像された前記赤外画像、前記可視光撮像手段で撮像された前記可視光画像及び前記HS撮像手段で撮像された前記スペクトルグラフ画像に基づいて、前記ウェハーの表面又は裏面に成膜されている膜の種類についての判定結果を出力する機械学習手段を備えている
ことを特徴とするウェハー膜種自動判定システム。 - 前記可視光撮像手段は、前記ウェハーの表面で反射した可視光による可視光表画像及び前記ウェハーの裏面で反射した可視光による可視光裏画像を撮像するものであり、
前記機械学習手段は、前記赤外光撮像手段で撮像された前記赤外画像、前記可視光撮像手段で撮像された前記可視光表画像及び前記可視光裏画像並びに前記HS撮像手段で撮像された前記スペクトルグラフ画像に基づいて、前記ウェハーの表面及び裏面に成膜されている膜の種類についての判定結果を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のウェハー膜種自動判定システム。 - 可視光に感度を有し、前記ウェハーの表面のエッジ部で反射した可視光による可視光表エッジ画像及び前記ウェハーの裏面のエッジ部で反射した可視光による可視光裏エッジ画像を撮像するエッジ撮像手段をさらに備え、
前記機械学習手段は、前記赤外光撮像手段で撮像された前記赤外画像、前記可視光撮像手段で撮像された前記可視光表画像及び前記可視光裏画像、前記HS撮像手段で撮像された前記スペクトルグラフ画像並びに前記エッジ撮像手段で撮像された前記可視光表エッジ画像及び前記可視光裏エッジ画像に基づいて、前記ウェハーの表面及び裏面に成膜されている膜の種類についての判定結果を出力する
ことを特徴とする請求項2に記載のウェハー膜種自動判定システム。 - 前記機械学習手段は、
前記赤外画像に基づいて、前記膜の種類についての赤外画像判定結果を出力する赤外画像用機械学習手段と、
前記可視光画像に基づいて、前記膜の種類についての可視光画像判定結果を出力する可視光画像用機械学習手段と、
前記スペクトルグラフ画像に基づいて、前記膜の種類についてのSG画像判定結果を出力するSG画像用機械学習手段と、
前記赤外画像用機械学習手段、前記可視光画像用機械学習手段及び前記SG画像用機械学習手段から出力された赤外画像判定結果、可視光画像判定結果及びSG画像判定結果が入力されると、前記赤外画像判定結果、前記可視光画像判定結果及び前記SG画像判定結果の組合せと代表膜種との関係を照合し、前記ウェハーの表面又は裏面に成膜されている膜の種類についての判定結果として代表膜種データを出力する膜種組合せ照合手段を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載のウェハー膜種自動判定システム。 - 利用するシリコンウェハーの表面又は裏面に成膜されている膜の種類についての判定結果を出力する請求項1~4のいずれかに記載のウェハー膜種自動判定システムと、
予め各々異なる膜の種類が登録されている複数のウェハー格納手段と、
前記判定結果が出力された前記ウェハーを、該判定結果が示す膜の種類が登録されている前記複数のウェハー格納手段のうちの一つに格納するウェハー搬送手段を備えている
ことを特徴とするウェハー自動分類装置。 - 膜種判別前の前記ウェハーを複数枚収容可能なウェハー収容手段と、
前記ウェハー収容手段から前記ウェハーを1枚ずつ取り出して、前記ウェハー膜種自動判定システムに搬入し、搬入した前記ウェハーを前記ウェハー膜種自動判定システムから搬出し、前記ウェハー搬送手段に受け渡すウェハー搬入移送手段を備えている
ことを特徴とする請求項5に記載のウェハー自動分類装置。
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