JP7460889B2 - 温度測定装置及び温度測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、温度測定装置及び温度測定方法に関する。
放射測温法は、物体が温度に応じて発する熱放射光を、放射温度計等の測定機器により検出することで、対象となる物体の温度を知る方法であり、非接触かつ高速で温度を測定可能な遠隔測温方法である。今日では、鉄鋼業をはじめとする多くの産業で、かかる放射測温法が用いられている。
特に鉄鋼業では、その製造工程において、鋼板材料等の測定対象物と、放射温度計等の測定機器との間の光路上に、近赤外帯域の熱放射光を吸収する特性を持った、水や油脂等の吸収体が存在することが多い。そうした場合には、測定対象物からの熱放射光の一部が吸収体によって吸収されてしまうことで、測定誤差が生じ、測定対象物の正確な温度を測定することができなくなってしまう。
そこで、本発明者らは、上記のような光路上に存在する吸収体に起因する測定誤差を抑制するために、例えば以下の特許文献1に開示されているように、着目する吸収体の分光吸収係数が同一となる2つの波長を測定波長として用いるようにした、2色放射温度計を提案している。一般的に、2色放射温度計は、2つの異なる波長で測定対象物からの熱放射光を観測し、2つの波長における放射輝度の比が、温度に応じて変化することを測定原理としているが、光路上に吸収体が存在する場合には、かかる吸収体により熱放射光が2つの波長で異なって減衰してしまい、誤差要因となるという問題があった。そこで、特許文献1に開示された2色放射温度計では、測定に用いる2つの波長における吸収体の分光吸収係数が同一となるように波長を選ぶことで、熱放射光の減衰による影響を抑制し、正確な温度を測定できるようにしている。
特開2019-23635号公報
本発明者らは、上記特許文献1に開示された2色放射温度計を用いて、更なる検証を行った結果、測定対象物の温度が低くなりすぎた場合に、出力される温度測定値が不安定となって振動するハンチング現象が生じることを見出した。このようなハンチング現象が生じてしまうと、出力される温度測定値が正確な値であるのか否かが判断できないため、測定対象物の温度の適正な評価が困難となってしまう。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、不正確な温度測定値が出力されることをより簡便に防止することが可能な、温度測定装置、温度測定方法及びプログラムを提供することにある。
本発明に係る温度測定装置は、2色放射測温を用いて、測定対象物の温度を測定する温度測定装置において、近赤外帯域の分光透過率に波長依存性がある吸収体が、前記測定対象物までの光路上に存在し得る状態で、前記測定対象物からの熱放射光を受光する受光部と、前記受光部で受光した前記熱放射光の分光放射輝度を、第1検出素子を用いて第1の波長で検出して第1輝度信号データを生成し、前記分光放射輝度を、第2検出素子を用いて前記第1の波長とは異なる波長であって前記吸収体の前記分光透過率が前記第1の波長と同一となる第2の波長で検出して第2輝度信号データを生成する、検出部と、前記第1輝度信号データと前記第2輝度信号データとの比から、前記測定対象物の温度を算出する温度算出部を有する、演算処理部と、を備え、前記演算処理部は、前記測定対象物の温度の測定において許容できる下限温度に対応した、閾値出力信号の値を記憶する記憶部と、前記第1輝度信号データ及び前記第2輝度信号データの少なくともいずれか一方が、前記閾値出力信号の値以下となった場合に、前記測定対象物の温度が正常に測定されていないと判断する監視部と、を備え、前記閾値出力信号の値は、予め、既知の温度を有する熱源の温度を変えながら前記熱源の温度を算出し、前記既知の温度と前記算出した前記熱源の温度とから、精度上許容できる最大限の測温誤差と前記温度算出部で算出した温度の測定誤差とが一致する温度を特定しておき、前記第1輝度信号データと前記第2輝度信号データの中で、前記特定した温度における前記第1輝度信号データと前記第2輝度信号データのうち値が小さい方の値である。
本発明に係る温度測定方法は、2色放射測温を用いて、測定対象物の温度を測定する温度測定方法において、受光部を用い、近赤外帯域の分光透過率に波長依存性がある吸収体が、前記測定対象物までの光路上に存在し得る状態で、前記測定対象物からの熱放射光を受光する受光ステップと、前記受光部で受光した前記熱放射光の分光放射輝度を、第1検出素子を用いて第1の波長で検出して第1輝度信号データを生成し、前記分光放射輝度を、第2検出素子を用いて前記第1の波長とは異なる波長であって前記吸収体の前記分光透過率が前記第1の波長と同一となる第2の波長で検出して第2輝度信号データを生成する、検出ステップと、温度算出部を用い、前記第1輝度信号データと前記第2輝度信号データとの比から、前記測定対象物の温度を算出する、演算処理ステップと、を備え、前記演算処理ステップは、前記測定対象物の温度の測定において許容できる下限温度に対応した、閾値出力信号の値を記憶する記憶ステップと、前記第1輝度信号データ及び前記第2輝度信号データの少なくともいずれか一方が、前記閾値出力信号の値以下となった場合に、前記測定対象物の温度が正常に測定されていないと判断する監視ステップと、を備え、前記閾値出力信号の値は、予め、既知の温度を有する熱源の温度を変えながら前記熱源の温度を算出し、前記既知の温度と前記算出した前記熱源の温度とから、精度上許容できる最大限の測温誤差と前記温度算出部で算出した温度の測定誤差とが一致する温度を特定しておき、前記第1輝度信号データと前記第2輝度信号データの中で、前記特定した温度における前記第1輝度信号データと前記第2輝度信号データのうち値が小さい方の値である。
以上説明したように本発明によれば、不正確な温度測定値が出力されることをより簡便に防止することが可能となる。
2色放射温度計に発生するハンチング現象について説明するためのグラフ図である。 2色放射温度計に発生するハンチング現象について説明するためのグラフ図である。 光検出器のバラツキで生じる測温誤差について説明するためのグラフ図である。 黒体炉温度と2色放射温度計の測温値とのバラツキの一例を示したグラフ図である。 光路上で熱放射光が減衰する場合の測定下限温度の推移の一例を示したグラフ図である。 本発明の実施形態に係る温度測定装置の構成の一例を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係る温度測定装置の構成の一例を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係る温度測定装置が備える測定部の構成の一例を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係る温度測定装置が備える演算処理部の構成の一例を模式的に示したブロック図である。 同実施形態に係る温度測定装置における閾値出力信号値の特定方法を説明するための説明図である。 同実施形態に係る温度測定装置における閾値出力信号値の特定方法を説明するための説明図である。 同実施形態に係る演算処理部が有する監視部の機能について説明するための説明図である。 同実施形態に係る温度測定装置で実施される温度測定方法の流れの一例を示した流れ図である。 同実施形態に係る温度測定装置が有する演算処理部のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(本発明者らが行った検討について)
本発明の実施形態に係る温度測定装置及び温度測定方法について説明するに先立ち、上記特許文献1に開示されている2色放射温度計を用いた更なる検討内容について、図1A~図4を参照しながら説明する。
図1A及び図1Bは、2色放射温度計に発生する、温度測定値が不安定となって振動するハンチング現象について、説明するためのグラフ図である。図2は、光検出器のバラツキで生じる測温誤差について説明するためのグラフ図である。図3は、黒体炉温度と2色放射温度計の測温値とのバラツキの一例を示したグラフ図である。図4は、光路上で熱放射光が減衰する場合の測定下限温度の推移の一例を示したグラフ図である。
本発明者らは、上記特許文献1に示した2色放射温度計と従来の単色放射温度計とを用いて、800℃以上に加熱された状態にある鋼材に上面側から断続的に水を散布して意図的に冷却した際の温度変化の様子を測定した。当該測定においては、鋼材の下面側に熱電対を設けて鋼材下面温度を測定するようにし、鋼材の上面側に単色放射温度計及び2色放射温度計を設けて鋼材上面温度を測定するようにした。なお、用いた2色放射温度計は、光検出器として、直流検出方式の光検出器であるInGaAs素子を2つ有しており、波長1200nm及び波長1300nm付近の水の分光透過率が等しくなる2つの波長で、測定を行うように設定した。
図1Aは、当該測定で得られた単色放射温度計の測定結果を示したグラフ図であり、図1Bは、2色放射温度計の測定結果を示したグラフ図である。図1A及び図1Bにおいて、横軸は、経過時間(秒)であり、縦軸は、温度(℃)である。図1A及び図1Bのそれぞれには、鋼材下面温度の推移を併せて図示している。
図1Aと図1Bとを比較すると、単色放射温度計及び2色放射温度計のそれぞれの測温結果は、測定誤差による変動はあるものの、全体として見れば、鋼材下面温度と同様に単調減少していく推移を示している一方で、単色放射温度計の測温誤差が、2色放射温度計の測温誤差よりも大きいことがわかる。
かかる検証では、散布された水が鋼材表面に残留したり、散布された水によって水蒸気(ここでは水蒸気が凝集した湯気も含めて水蒸気と呼ぶ。)が発生したりするが、これらの水及び水蒸気は、鋼材表面から発せられる近赤外帯域の熱放射光の吸収体となり、かつ、かかる吸収体の存在状態が随時変化していく。そのため、単色放射温度計では、このような吸収体の存在により、測定された温度に大きな誤差が重畳したものと推察される。一方、本発明者らが提案している2色放射温度計は、上記のような熱放射光の吸収体が光路上に存在した場合であっても、吸収体による影響を抑制しながら測温が可能であるため、測温誤差を抑制することが可能となっている。
しかしながら、温度500℃以下の温度域に着目すると、単色放射温度計の測温結果では、測温誤差は大きいものの、全体的な温度推移は鋼材下面温度の推移と一致しているが、2色放射温度計の測温結果では、測温結果が鋼材下面温度から著しく外れて、ハンチングしていることがわかる。特に、本来450℃程度になるべき温度域(図1Bにおいて破線で囲った領域)では、2色放射温度計の測温結果が600℃付近まで上昇しており、断続的に水を散布して意図的に冷却していることを考えると、異常な測定結果となっていることがわかる。
このようなハンチング現象が発生する原因について、本発明者らが更なる検討を行った。その結果、かかるハンチング現象は、2つの波長での熱放射光の輝度値を用いて2色比を算出し、得られた2色比に基づき測定対象物の温度を特定する、2色放射温度計に特有の現象であることが判明した。
すなわち、波長1000nm~1700nm程度の近赤外光帯域に属する光を検出するための光検出器としては、直流検出方式の素子(例えば、InGaAs素子やSi素子)が用いられることが多い。このような直流検出方式の光検出器は、光検出器に入射する光の光量が著しく小さくなると、光検出器からの信号の出力が不安定になり、出力信号値にバラツキが生じてしまうことが明らかとなった。本発明者らが提唱している2色放射温度計は、上記特許文献1に開示しているように、一方の光検出器による熱放射光の放射輝度値を、他方の光検出器による熱放射光の放射輝度値で除することで得られる2色比を、温度の算出に利用する。そのため、上記の除算の分母に位置する放射輝度値(すなわち、光検出器からの出力信号値)が極めて小さくなり、バラツキが生じると、算出される2色比に大きな変動が生じ、結果として、図1Bに示したようなハンチング現象が発生してしまう。
本発明者らは、光検出器としてInGaAs素子を用いた単色放射温度計(検出波長:1200nm)及び2色放射温度計(検出波長:1200nm,1300nm)で500℃の測定対象を観測した時に、光検出器の出力信号値のバラツキによりどの程度の測温誤差が生じるかを、黒体放射理論に基づいて算出した。得られた結果を、図2に示した。図2において、横軸は、出力信号値のバラツキの大きさ(%)であり、縦軸は、測温誤差(℃)である。
図2から明らかなように、単色放射温度計の場合、出力信号値のバラツキが8.0%であっても、測温誤差は10℃以下であるのに対し、2色放射温度計の場合、わずか1.0%の出力信号値のバラツキで、10℃を上回る測温誤差が発生することがわかる。このように、本発明者らが提案する2色放射温度計は、測定対象物の温度が光検出器が想定している測定可能温度よりも著しく低くなると、出力信号値のバラツキが発生して、測温誤差が顕著になることが判明した。
そこで、本発明者らは、温度を任意に設定できる黒体炉を用いて、2色放射温度計により黒体炉から放射される熱放射光を観測し、黒体炉の温度に応じて、2色放射温度計の測温値のバラツキ(測定値が安定せずにふらつく現象の変動範囲)がどのようになるかを、具体的に検証した。得られた結果を図3に示す。図3において、横軸は黒体炉の温度(℃)であり、縦軸は測温値のバラツキ(℃)である。
図3から明らかなように、光検出器としてInGaAs素子を用いた2色放射温度計の場合、黒体炉の温度が550℃以下になると5℃弱のバラツキが発生し、黒体炉の温度が450℃まで下がると20℃近いバラツキが生じることが判明した。このような測温値のバラツキが測温誤差になるので、InGaAs素子を用いた2色放射温度計を使用する場合、求める測温誤差の程度に応じて、測定下限温度が定まることがわかる。例えば、測温誤差を10℃以下にしたい場合、InGaAs素子を用いた2色放射温度計の測定下限温度は、500℃であることがわかる。
ただし、図3で例示したような測定下限温度は、光路上に吸収体が存在しない状況で測定対象物を直接観測する場合の下限温度である。そのため、本発明者らが提唱する2色放射温度計で想定しているような、光路上に水、水蒸気、油脂、溶液、ガラス、樹脂といった、近赤外帯域において分光透過率に波長依存性を有する吸収体が存在するような測定環境下では、吸収体による熱放射光の減衰が生じる結果、測定対象物の温度が500℃よりも高い場合であっても、出力信号値に想定外のバラツキが生じる。
光路上に吸収体が存在する場合に、測温誤差10℃を許容する測定下限温度が500℃からどのように推移するか計算した結果を、図4に示した。図4において、横軸は、吸収体の透過率であり、縦軸は、測定下限温度である。図4から明らかなように、水、水蒸気、油脂、溶液、ガラス、樹脂といった吸収体により透過率が低下するにつれて、測定下限温度が高くなることがわかる。
以上説明したような検証結果から、本発明者らが提唱する2色放射温度計においては、単に2色放射温度計が示す温度を判断基準としたのでは、測定下限温度を的確に判断することができないことが明らかとなった。かかる知見に基づき、本発明者らが鋭意検討した結果、2色放射温度計が示す温度を判断基準とするのではなく、光検出器からの出力信号値そのものに着目することを知見し、以下で説明するような、本発明の実施形態に係る温度測定装置及び温度測定方法に想到した。
(温度測定装置の構成について)
以下では、まず、図5A及び図5Bを参照しながら、本発明の実施形態に係る温度測定装置10の全体構成について説明する。図5A及び図5Bは、本実施形態に係る温度測定装置10の全体的な構成の一例を示した説明図である。
本実施形態に係る温度測定装置10は、測定対象物が発する近赤外帯域の熱放射光を、近赤外帯域において分光透過率に波長依存性を有する吸収体が光路上の少なくとも一部に存在し得る状態で検出し、熱放射光の放射輝度の検出結果に基づいて測定対象物の温度を測定する装置である。ここで、近赤外帯域において分光透過率に波長依存性を有する吸収体としては、例えば、水、水蒸気、油脂、溶液、ガラス又は樹脂の少なくとも何れかを挙げることができる。また、本実施形態では、近赤外帯域として、特に940nm~1350nmの帯域に着目するものとする。下限を940nmとする理由は、近赤外帯域に属する800nm以上(特に940nm以上)において、水が強い波長依存性を有する半透明体となるためである。また、上限を1350nmとする理由は、1350nm以上では、水膜厚み10mm以上で水が不透明となるためである。
この温度測定装置10は、例えば図5Aに示したように、測定部101と、演算処理部103と、記憶部105と、を主に備える。
測定部101は、例えば高温の状態にある鋼板など、近赤外帯域(例えば、940nm~1350nmの帯域)に属する熱放射光を発している測定対象物に関して、発せられている熱放射光(観測光)の大きさを放射輝度の値として測定する。より詳細には、測定部101は、測定対象物の熱放射光を、吸収体の分光透過率が互いに同一となる2種類の波長でそれぞれ測定し、これら2種類の波長における熱放射光の放射輝度の検出結果を示した測定データを生成する。
この測定部101は、例えば2色放射温度計における各種レンズ/レンズ群や光検出器などのセンサ等から構成される光学系に対応するものである。測定部101のより詳細な構成については、以降で改めて説明する。また、測定部101が測定する2種類の波長は、上記特許文献1に開示されているように、分光透過率が互いに同一となる2つの波長に、予め設定されている。
測定部101は、測定対象物の熱放射光の大きさを測定して、熱放射光の放射輝度の検出結果を示した測定データを生成すると、生成した測定データを後述する演算処理部103に出力する。
演算処理部103は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信装置等により実現される。演算処理部103は、測定部101により実施される測定処理の統括的な制御を行う。また、演算処理部103は、測定部101により測定された測定データに基づいて、測定対象物の温度を算出するための演算処理を実施する。より詳細には、演算処理部103は、測定部101により生成された2種類の波長に対応する測定データと、プランクの黒体放射式から導出される、分光放射輝度と温度との間の関係式とに基づいて、測定対象物の温度を算出する。演算処理部103により算出された測定対象物の温度に関する情報は、表示画面等を介して画像として出力したり、プリンタ等を介して印刷物として出力したり、データそのものとして出力したりすることができる。
なお、かかる演算処理部103の詳細な構成については、以降で改めて詳述する。
記憶部105は、例えば本実施形態に係る温度測定装置10が備えるRAMやストレージ装置等により実現される。記憶部105には、着目する吸収体の分光透過率や、過去の操業データ等を解析することにより得られる測定対象物の分光放射輝度や、分光透過率の補正に利用する重み係数などといった各種のパラメータやデータ等が格納される。また、記憶部105には、これらのデータ以外にも、本実施形態に係る温度測定装置10が、何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過等、または、各種のデータベースやプログラム等が、適宜記録される。この記憶部105は、測定部101及び演算処理部103等が、自由にデータのリード/ライト処理を行うことが可能である。
また、本実施形態に係る記憶部105には、測定部101が備える第1検出素子及び第2検出素子それぞれから出力される出力信号に関し、検出下限温度に対応する閾値出力信号の値が保持されている。かかる閾値出力信号の値については、以降で改めて説明する。
これら測定部101、演算処理部103及び記憶部105は、図5Aに模式的に示したように、例えば2色放射温度計の一機能として一つの測定機器の内部に実現されていてもよい。また、上記測定部101、演算処理部103及び記憶部105は、例えば図5Bに示したように、複数の機器に分散して実装されていてもよい。図5Bに示した例では、例えば2色放射温度計として機能する測定ユニットの内部に、測定部101及び記憶部105の機能が実現されており、パーソナルコンピュータ、各種サーバ、各種プロセスコンピュータなどといった演算処理装置の内部に、演算処理部103及び記憶部105の機能が実現されている場合を図示している。なお、図5Bにおいて、記憶部105は測定ユニット及び演算処理装置のそれぞれに記憶部105a,105bとして実現されているが、記憶部105は、測定ユニットの内部のみに実現されていてもよいし、演算処理装置の内部にのみ実現されていてもよい。
<測定部の構成例について>
続いて、図6を参照しながら、本実施形態に係る測定部101の構成例について、詳細に説明する。図6は、本実施形態に係る温度測定装置が備える測定部の構成の一例を模式的に示した説明図である。
本実施形態に係る測定部101は、2色放射温度計における光学系に対応するものであり、演算処理部103による制御のもとで稼働して、測定対象物が発する近赤外帯域の熱放射光を測定する。この測定部101は、図6に模式的に示したように、測定対象物からの熱放射光を受光する受光部111と、受光部111により受光した熱放射光を検出する検出部113と、を有している。
本実施形態に係る測定部101において、上記のような受光部111と検出部113とは、公知の各種の光伝達機構により光学的に接続されていればよい。このような光伝達機構として、例えば、公知の各種の光ファイバOFを挙げることができる。受光部111と検出部113とを、例えば光ファイバOFのような光伝達機構により接続することで、受光部111を、検出部113から分離して配置することが可能となり、本実施形態に係る温度測定装置を使用する際の利便性が更に向上する。
受光部111は、図6に示したように、測定対象物からの熱放射光が受光する受光レンズ121と、受光レンズ121を透過した測定対象物からの熱放射光を、光ファイバOFに接続するための接続カプラ123と、を有している。この受光レンズ121及び接続カプラ123が、熱放射光を検出部113へと導光する導光光学系として機能している。
ここで、本実施形態に係る受光部111の具体的な構成については、特に限定されるものではない。例えば、図6では、受光レンズ121として、1枚の両凸レンズを図示しているが、受光レンズ121は、複数の光学素子で構成されたレンズ群であってもよい。また、受光レンズ121に用いられるレンズは特に限定されるものではなく、球面レンズや非球面レンズなどといった公知の光学素子を適宜利用することが可能である。接続カプラ123及び光ファイバOFについても、特に限定されるものではなく、公知の各種の接続カプラや光ファイバを用いることが可能である。
受光部111は、表面の少なくとも一部に様々な厚みの吸収体(図6では、水)が、測定対象物までの光路上に存在し得る状態で、測定対象物の熱放射光を受光することになるが、吸収体が存在している測定対象物からの熱放射光は、受光部111の受光レンズ121によって、略平行な光束となり、接続カプラ123へと到達する。接続カプラ123は、受光レンズ121から導光されてきた熱放射光を、光ファイバOFの一方の端部へと接続する。受光部111で受光され、その後、光ファイバOFによって伝達された測定対象物からの熱放射光は、検出部113へと導光される。
検出部113は、図6に例示したように、光ファイバOFに光学的に接続されている接続カプラ151と、ビームスプリッタ153と、光学フィルタ155a,155bと、集光レンズ157a,157bと、センサ159a,159bと、を有している。
接続カプラ151を経た測定対象物からの熱放射光は、分岐光学素子の一例であるビームスプリッタ153まで導光される。ビームスプリッタ153まで到達した熱放射光の光束は、ビームスプリッタ153により2つの光路へと分岐される。
分岐後の一方の光路上には、図6に示したように、第1光学フィルタの一例である光学フィルタ155aが設けられており、分岐後の他方の光路上には、第2光学フィルタの一例である光学フィルタ155bが設けられている。
光学フィルタ155a,155bは、波長選択フィルタとして機能し、熱放射光の波長を選択して、特定の波長を有する熱放射光を後段のセンサ159a、159bへと透過させるフィルタである。かかる光学フィルタ155a,155bについては、予め設定された2つの波長(観測波長)の光を透過させることが可能なものであれば、公知のものを使用可能である。また、かかる光学フィルタ155a,155bは、狭帯域の波長選択フィルタであってもよいし、一般的な帯域の(有限の帯域幅を有する)波長選択フィルタであってもよい。光学フィルタ155a,155bは、水の透過率が同一となるように中心波長及び透過帯域が選択されている。
光学フィルタ155aを透過した、2つの観測波長のうち一方の波長の熱放射光は、集光レンズ157aによって、第1検出素子の一例であるセンサ159aへと集光される。また、光学フィルタ155bを透過した、2つの観測波長のうちもう一方の波長の熱放射光は、集光レンズ157bによって、第2検出素子の一例であるセンサ159bへと集光される。
センサ159a,159bは、集光レンズ157a,157bにより導光された測定対象物からの熱放射光の分光放射輝度をそれぞれ検出し、得られた分光放射輝度から輝度信号のデータを生成する。その後、センサ159a,159bのそれぞれは、得られた輝度信号のデータを演算処理部103に出力する。かかる輝度信号が、熱放射光の放射輝度の検出結果を示した測定データに対応する。本実施形態では、センサ159aから出力される測定データを、第1出力信号の一例として、便宜的に第1測定データ(第1輝度信号データ)と称することとし、センサ159bから出力される測定データを、第2出力信号の一例として、便宜的に第2測定データ(第2輝度信号データ)と称することとする。
ここで、センサ159a,159bについては特に限定されるものではなく、熱放射光の検出を行う上記のような2種類の波長に適したものであれば、公知のものを使用可能である。このようなセンサ(光検出器)としては、例えば、Siを用いた検出素子や、InGaAsを用いた検出素子などのような、各種の直流検出方式のセンサを挙げることができる。
なお、図6において、集光レンズ157a,157bは、1つの両凸レンズを用いて模式的に図示されているが、これら集光レンズ157a,157bは、複数のレンズから構成されるレンズ群であってもよい。また、これら集光レンズ157a,157bに用いられるレンズは特に限定されるものではなく、球面レンズや非球面レンズなどといった公知の光学素子を適宜利用することが可能である。
ここで、2つの観測波長の組み合わせ(すなわち、光学フィルタ155a、155bそれぞれの透過波長)の一方として、例えば1190~1200nm付近の波長が選択されたものとする。この場合に、もう一方の波長としては、1300nm付近から選択されることとなる。
1300nm付近から選択する波長における分光透過率は、波長1190~1200nm付近から選択した波長における分光透過率と一致することが求められる。一致しない場合には、上記特許文献1で開示されている測定原理が成立しなくなり、一致度合いが低くなるに従い測温誤差が生じてしまう。
以上、図6を参照しながら、本実施形態に係る測定部101の構成例を簡単に説明した。
<演算処理部103の構成例について>
次に、図7を参照しながら、本実施形態に係る演算処理部103の構成例について説明する。図7は、本実施形態に係る演算処理部103の構成例を示したブロック図である。
本実施形態に係る演算処理部103は、図7に例示したように、測定制御部171と、データ取得部173と、温度算出部175と、監視部177と、結果出力部179と、表示制御部181と、を主に備える。
測定制御部171は、例えば、CPU、ROM、RAM、入力装置、出力装置、通信装置等により実現される。測定制御部171は、本実施形態に係る温度測定装置10の機能を統括的に制御する処理部である。また、測定制御部171は、先だって説明したような2種類の波長における測定対象物からの熱放射光を測定するように、測定部101の動作を制御する。更に、測定制御部171は、必要に応じて、温度算出部175及び監視部177に対して、熱放射光の測定条件等のような各種設定値を出力することも可能である。
データ取得部173は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。データ取得部173は、測定部101によって生成された2種類の波長における輝度信号(すなわち、第1測定データ及び第2測定データ)を取得し、後述する温度算出部175及び監視部177へと出力する。また、データ取得部173は、取得した2種類の波長における輝度信号に、当該輝度信号を取得した日時等に関する時刻情報を関連づけて、履歴情報として記憶部105に格納してもよい。
温度算出部175は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。温度算出部175は、データ取得部173から出力された2種類の波長における輝度信号(第1測定データと第2測定データ)を利用して、一方の輝度信号を他方の輝度信号で除した2色比(換言すれば、分光放射輝度の比)を算出する。また、温度算出部175は、算出した2色比と、2色比と温度との間の関係式と、を利用して、測定対象物の温度を算出する。
上記特許文献1に開示されているように、2色比Rは、2つの波長における輝度信号の一方を、他方の輝度信号で除することで算出できる。一方、本実施形態に係る温度測定装置10では、以下の式(1)及び式(2)に示したように、吸収体による熱放射光の吸収を考慮している。そのため、2色比Rは、下記式(1)及び式(2)を利用して、上記特許文献1と同様に式の導出を行うと、下記の式(3)により表される。
Figure 0007460889000001
ここで、上記式(1)及び式(2)において、τは、波長λにおける水の分光透過率であり、τは、波長λにおける水の分光透過率である。また、水の分光透過率τは、水の分光吸収係数、水の厚み、及び、水と空気との界面における両者の屈折率から定まる界面反射率の関数となる。この際、界面反射を省略すると、水の分光透過率τ,τは、それぞれ、τ=exp(-α×t)、τ=exp(-α×t)と表すことができる。ここで、αは、波長λにおける水の分光吸収係数であり、αは、波長λにおける水の分光吸収係数であり、tは、水膜の厚みである。
先だって説明したように、本実施形態に係る測定部101では、吸収体の分光透過率(より正確には、検出波長は単波長ではなく帯域幅があるので、その波長帯域における実効透過率)が互いに同一となる波長において、分光放射輝度が測定されている。そのため、上記式(3)の中辺第1項に示した吸収体による吸収に関する項は、分子・分母で互いに打ち消しあって、値が1となる。従って、上記式(3)の右辺におけるRλ及びΛは、以下式(4a)及び式(4b)のようになる。
Figure 0007460889000002
ここで、式(4a)及び式(4b)に示したRλ及びΛは、測定部101から取得可能な測定条件から決まる定数となる。従って、温度算出部175は、算出した2色比Rと、上記式(3)における(最左辺=最右辺)という関係式と、を利用して、測定対象物の温度Tを算出することが可能となる。
なお、温度算出部175が2色比Rを算出する際に、2種類の波長λ、λのどちらの輝度信号を分母とし、どちらの輝度信号を分子として演算を行うかについては、特に限定するものではなく、演算処理中において基準とする輝度信号を変更しないようにしておけばよい。
また、温度算出部175は、上記式(3)で表される2色比Rを介することなく、上記式(1)及び式(2)を利用して、温度を直接算出してもよい。すなわち、2種類の波長λ、λにおける放射率εが既知であれば、上記式(1)及び式(2)における未知数は、温度Tと、水膜の厚みtの2つとなる。従って、温度算出部175は、上記式(1)及び式(2)を連立させて連立方程式の解を求めることで、温度Tを算出することができる。更に、2種類の波長λ、λにおける放射率εが未知であったとしても、波長λでの放射率εと波長λでの放射率εが互いに等しければ、同様に、上記式(1)及び式(2)を連立させて、温度Tを直接算出することが可能である。ここで、連立方程式の解法は特に限定されるものではなく、例えば、解析的に解ける場合には解析的に解いてもよいし、数値演算により求解してもよいし、最適値問題として求解してもよい。
温度算出部175は、上記のようにして算出した測定対象物の温度Tに関する情報を、後述する結果出力部179に出力する。
監視部177は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。監視部177は、データ取得部173から出力された、第1出力信号及び第2出力信号の一例である第1測定データ及び第2測定データと、記憶部105に格納されている閾値出力信号の値と、をそれぞれ参照し、測定対象物の温度が正常に測定されているかを監視する。
ここで、閾値出力信号の値は、先だって簡単に言及したように、測定部101が備える第1検出素子及び第2検出素子それぞれから出力される出力信号に関し、検出下限温度に対応したものである。以下では、まず、図8及び図9を参照しながら、本実施形態で着目する閾値出力信号値について、詳細に説明する。図8及び図9は、本実施形態に係る温度測定装置における閾値出力信号値の特定方法を説明するための説明図である。
閾値出力信号値を特定するには、例えば図8に模式的に示したように、閾値出力信号値を特定したい温度測定装置10と、熱源としての黒体炉と、を利用する。すなわち、温度が既知の黒体炉から放射される熱放射光を、光路上に水などの吸収体が存在しない状態で、閾値出力信号値を特定したい温度測定装置10の測定部101で検出する。その後、生成される第1測定データ及び第2測定データを用いて、演算処理部103により、上記の方法に即して黒体炉の温度を算出させる。黒体炉の温度は既知であるため、算出された黒体炉の温度と、実際の黒体炉の温度と、を比較することで、着目している黒体炉温度における測温誤差を特定することができる。このような処理を、黒体炉の温度を変化させながら実施して、得られた測温誤差が、温度測定装置10に測定精度を確保するために許容できる最大限の測温誤差と一致する、黒体炉の温度を特定する。このようにして得られる温度が、着目している温度測定装置10の測定下限温度Tとなる。
ここで、測定下限温度Tの際に得られた第1測定データ及び第2測定データを、それぞれ、S1L、S2Lと表記することとする。これら2種類の出力信号値S1L、S2Lが、測定対象物の温度の測定において(、許容できる測定誤差を確保するために、)許容できる下限温度に対応した出力信号である、閾値出力信号値の候補となる。すなわち、閾値出力信号値をSThと表記することとすると、閾値出力信号値SThは、図9に模式的に示したように、S1LとS2Lのうちより出力信号値が小さいものとなる。換言すれば、閾値出力信号値SThは、入力された2つの値の大小比較を行って、より小さい値を出力する関数min(a,b)を用いて、STh=min(S1L,S2L)と表すことができる。
本実施形態に係る記憶部105には、以上のようにして特定された閾値出力信号値SThに関するデータが、予め保持されている。
本実施形態に係る監視部177では、以上説明したような、温度算出部175による温度算出処理と並行して、上記閾値出力信号値SThと、データ取得部173から出力された2種類の出力信号値S,Sと、に基づき、測定対象物の温度が正常に測定されているかが監視されている。すなわち、図10に模式的に示したように、監視部177は、記憶部105に格納されている閾値出力信号値SThと、データ取得部173から出力された2種類の出力信号値S,Sと、の大小比較を随時実施している。この際、監視部177は、温度算出部175によって算出される測定対象物の温度によらず、2種類の出力信号値S,Sの少なくとも何れか一方が、閾値出力信号値STh以下となった場合に、測定対象物の温度が正常に測定されていないと判断する。
このように、監視部177は、2色比Rを算出するための元データである出力信号値S1,S2を用いて、算出された測定対象物の温度によらずに、測定対象物の温度が正常に測定されているか否かを判断する。そのため、測定対象物の実際の温度が測定下限温度近傍となって、図1Bに示したようなハンチング現象が発生していたとしても、監視部177は、算出された温度に惑わされることなく、正常測定が行われているか否かを的確に判断することが可能となる。
監視部177は、このようにして得られた判断結果に関する情報を、結果出力部179に出力する。
結果出力部179は、例えば、CPU、ROM、RAM、出力装置、通信装置等により実現される。結果出力部179は、温度算出部175から出力された測定対象物の温度Tに関する情報を、監視部177から出力された判断結果に関する情報を参照しながら、温度測定装置10のユーザに出力する。より詳細には、結果出力部179は、監視部177より、正常に測定が実施されている旨の情報が出力されている場合には、温度算出部175から出力された測定対象物の温度Tに関する情報を、温度測定装置10のユーザに出力する。また、結果出力部179は、監視部177より、正常に測定が実施されていない旨の情報が出力されている場合には、温度算出部175から出力された測定対象物の温度Tに関する情報ではなく、測定不能を表す結果を、温度測定装置10のユーザに出力する。
具体的には、結果出力部179は、温度の測定結果に対応するデータ、又は、測定不能である旨のデータを、当該データが生成された日時等に関する時刻データと関連づけて、各種サーバや制御装置に出力したり、プリンタ等の出力装置を利用して、紙媒体として出力したりする。また、結果出力部179は、温度の測定結果に対応するデータ、又は、測定不能である旨のデータを、外部に設けられたコンピュータ等の各種の情報処理装置に出力してもよいし、各種の記録媒体に出力してもよい。
また、結果出力部179は、温度の測定結果に対応するデータ、又は、測定不能である旨のデータを、温度測定装置10に設けられたディスプレイ等の出力装置や、外部に設けられた各種機器の有するディスプレイ等に出力する際には、後述する表示制御部181と連携して判定結果を出力する。
表示制御部181は、例えば、CPU、ROM、RAM、出力装置、通信装置等により実現される。表示制御部181は、温度の測定結果に対応するデータ、又は、測定不能である旨のデータを、ディスプレイ等の各種表示装置に表示させる際の表示制御を行う。これにより、温度測定装置10のユーザは、測定対象物の温度に関する測定結果、又は、測定不能である旨の判断結果を、その場で把握することが可能となる。
以上、本実施形態に係る演算処理部103の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
なお、上述のような本実施形態に係る演算処理部の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
以上、図5A~図10を参照しながら、本実施形態に係る温度測定装置10の構成について、詳細に説明した。
(温度測定方法について)
続いて、図11を参照しながら、本実施形態に係る温度測定装置10で実施される温度測定方法の流れの一例について、簡単に説明する。図11は、本実施形態に係る温度測定方法の流れの一例を示した流れ図である。
本実施形態に係る温度測定装置10では、まず、演算処理部103の測定制御部171による制御のもとで、測定部101により、分光透過率の等しい2つの波長で、測定対象物からの熱放射光を測定する(ステップS101)。測定部101は、2波長での熱放射光の測定データを、第1測定データ及び第2測定データとして、演算処理部103に出力する。
演算処理部103のデータ取得部173は、測定部101から出力された第1測定データ及び第2測定データを、温度算出部175及び監視部177へと出力する。
温度算出部175は、まず、第1測定データ及び第2測定データよりそれぞれ得られる2波長での輝度信号S,Sを利用して、2色比Rを算出する(ステップS103)。続いて、温度算出部175は、2色比と温度との関係を示した関係式と、算出した2色比Rと、に基づき、測定対象物の温度を出力する(ステップS105)。その後、温度算出部175は、得られた測定対象物の温度に関する情報を、結果出力部179へと出力する。
一方、温度算出部175による温度算出処理と並行して、監視部177は、2波長での輝度信号S,Sを利用して、閾値出力信号値SThとの大小判定を実施する(ステップS107)。より詳細には、監視部177は、着目する2種類の輝度信号S,Sについて、STh≦min(S,S)という関係が成立するか否かを判断する(ステップS109)。
Th≦min(S,S)という関係が成立する場合(ステップS109-YES)、監視部111は、測定は正常である旨を示す結果を、結果出力部179に出力する(ステップS111)。一方、STh≦min(S,S)という関係が成立しない場合(ステップS109-NO)、監視部111は、測定不能を示す結果を、結果出力部179に出力する(ステップS113)。
結果出力部179は、温度算出部175から得られた測定対象物の温度に関する情報と、監視部177から出力された判断結果に関する情報と、に基づき、測定結果を出力する(ステップS115)。具体的には、結果出力部179は、監視部177より測定が正常である旨を示す結果が出力されている場合、温度算出部175により算出された測定対象物の温度に関する情報を、出力する。一方、監視部177より測定不能である旨を示す結果が出力されている場合、結果出力部179は、温度算出部175により算出された測定対象物の温度に関する情報ではなく、測定不能である旨を示す結果を、出力する。
これにより、本実施形態に係る温度測定方法では、不正確な温度測定値が出力されることをより簡便に防止することが可能となる。
以上、図11を参照しながら、本実施形態に係る温度測定方法の流れの一例について、簡単に説明した。
(ハードウェア構成について)
次に、図12を参照しながら、本実施形態に係る温度測定装置10が備える演算処理部103のハードウェア構成について、詳細に説明する。図12は、本実施形態に係る演算処理部103のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
演算処理部103は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、演算処理部103は、更に、バス907と、入力装置909と、出力装置911と、ストレージ装置913と、ドライブ915と、接続ポート917と、通信装置919とを備える。
CPU901は、中心的な処理装置及び制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置913、又はリムーバブル記録媒体921に記録された各種プログラムに従って、演算処理部103内の動作全般又はその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるバス907により相互に接続されている。
バス907は、ブリッジを介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バスに接続されている。
入力装置909は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ及びレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置909は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、温度測定装置10の操作に対応したPDA等の外部接続機器923であってもよい。更に、入力装置909は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。ユーザは、この入力装置909を操作することにより、温度測定装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置911は、取得した情報をユーザに対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置及びランプなどの表示装置や、スピーカ及びヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置911は、例えば、演算処理部103が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、演算処理部103が行った各種処理により得られた結果を、テキスト又はイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
ストレージ装置913は、演算処理部103の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置913は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置913は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、及び外部から取得した各種のデータなどを格納する。
ドライブ915は、記録媒体用リーダライタであり、演算処理部103に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ915は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体921に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ915は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体921に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体921は、例えば、CDメディア、DVDメディア、Blu-ray(登録商標)メディア等である。また、リムーバブル記録媒体921は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、フラッシュメモリ、又は、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体921は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)又は電子機器等であってもよい。
接続ポート917は、機器を演算処理部103に直接接続するためのポートである。接続ポート917の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート、RS-232Cポート、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポート等がある。この接続ポート917に外部接続機器923を接続することで、演算処理部103は、外部接続機器923から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器923に各種のデータを提供したりする。
通信装置919は、例えば、通信網925に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置919は、例えば、有線もしくは無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、又はWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置919は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、又は、各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置919は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置919に接続される通信網925は、有線又は無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、社内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信又は衛星通信等であってもよい。
以上、本発明の実施形態に係る演算処理部103の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 温度測定装置
101 測定部
103 演算処理部
105 記憶部
111 受光部
113 検出部
121 受光レンズ
123,151 接続カプラ
153 ビームスプリッタ
155a,155b 光学フィルタ
157a,157b 集光レンズ
159a,159b センサ
171 測定制御部
173 データ取得部
175 温度算出部
177 監視部
179 結果出力部
181 表示制御部

Claims (3)

  1. 2色放射測温を用いて、測定対象物の温度を測定する温度測定装置において、
    近赤外帯域の分光透過率に波長依存性がある吸収体が、前記測定対象物までの光路上に存在し得る状態で、前記測定対象物からの熱放射光を受光する受光部と、
    前記受光部で受光した前記熱放射光の分光放射輝度を、第1検出素子を用いて第1の波長で検出して第1輝度信号データを生成し、前記分光放射輝度を、第2検出素子を用いて前記第1の波長とは異なる波長であって前記吸収体の前記分光透過率が前記第1の波長と同一となる第2の波長で検出して第2輝度信号データを生成する、検出部と、
    前記第1輝度信号データと前記第2輝度信号データとの比から、前記測定対象物の温度を算出する温度算出部を有する、演算処理部と、
    を備え、
    前記演算処理部は、
    前記測定対象物の温度の測定において許容できる下限温度に対応した、閾値出力信号の値を記憶する記憶部と、
    前記第1輝度信号データ及び前記第2輝度信号データの少なくとも何れか一方が、前記閾値出力信号の値以下となった場合に、前記測定対象物の温度が正常に測定されていないと判断する監視部と、
    を備え、
    前記閾値出力信号の値は、
    予め、既知の温度を有する熱源の温度を変えながら前記熱源の温度を算出し、前記既知の温度と前記算出した前記熱源の温度とから、精度上許容できる最大限の測温誤差と前記温度算出部で算出した温度の測定誤差とが一致する温度を特定しておき、
    前記第1輝度信号データと前記第2輝度信号データの中で、前記特定した温度における前記第1輝度信号データと前記第2輝度信号データのうち値が小さい方の値である、温度測定装置。
  2. 前記吸収体は、水、油脂、溶液、ガラス又は樹脂の少なくとも何れか一つである、請求項1に記載の温度測定装置。
  3. 2色放射測温を用いて、測定対象物の温度を測定する温度測定方法において、
    受光部を用い、近赤外帯域の分光透過率に波長依存性がある吸収体が、前記測定対象物までの光路上に存在し得る状態で、前記測定対象物からの熱放射光を受光する受光ステップと、
    前記受光部で受光した前記熱放射光の分光放射輝度を、第1検出素子を用いて第1の波長で検出して第1輝度信号データを生成し、前記分光放射輝度を、第2検出素子を用いて前記第1の波長とは異なる波長であって前記吸収体の前記分光透過率が前記第1の波長と同一となる第2の波長で検出して第2輝度信号データを生成する、検出ステップと、
    温度算出部を用い、前記第1輝度信号データと前記第2輝度信号データとの比から、前記測定対象物の温度を算出する、演算処理ステップと、
    を備え、
    前記演算処理ステップは、
    前記測定対象物の温度の測定において許容できる下限温度に対応した、閾値出力信号の値を記憶する記憶ステップと、
    前記第1輝度信号データ及び前記第2輝度信号データの少なくとも何れか一方が、前記閾値出力信号の値以下となった場合に、前記測定対象物の温度が正常に測定されていないと判断する監視ステップと、
    を備え、
    前記閾値出力信号の値は、
    予め、既知の温度を有する熱源の温度を変えながら前記熱源の温度を算出し、前記既知の温度と前記算出した前記熱源の温度とから、精度上許容できる最大限の測温誤差と前記温度算出部で算出した温度の測定誤差とが一致する温度を特定しておき、
    前記第1輝度信号データと前記第2輝度信号データの中で、前記特定した温度における前記第1輝度信号データと前記第2輝度信号データのうち値が小さい方の値である、温度測定方法。
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