JP7460507B2 - 提示すべき心理効果迂回情報を対象者の属性に基づき決定する装置、プログラム及び方法 - Google Patents

提示すべき心理効果迂回情報を対象者の属性に基づき決定する装置、プログラム及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7460507B2
JP7460507B2 JP2020188525A JP2020188525A JP7460507B2 JP 7460507 B2 JP7460507 B2 JP 7460507B2 JP 2020188525 A JP2020188525 A JP 2020188525A JP 2020188525 A JP2020188525 A JP 2020188525A JP 7460507 B2 JP7460507 B2 JP 7460507B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detour
information
route
psychological effect
presented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020188525A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022077632A (ja
Inventor
優一 栗木
優人 多屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KDDI Corp
Original Assignee
KDDI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KDDI Corp filed Critical KDDI Corp
Priority to JP2020188525A priority Critical patent/JP7460507B2/ja
Publication of JP2022077632A publication Critical patent/JP2022077632A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7460507B2 publication Critical patent/JP7460507B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Description

本発明は、道路交通情報といったような、移動体の移動する経路に係る情報を提示・配信する技術に関する。
道路交通情報は、道路の利用者にとって欠かせない重要な情報である。またその中でも、ある対象道路における渋滞、事故の発生や、車線規制等に際し、迂回を促す迂回情報は、当該対象道路の利用者にとって非常に役立つものとなっている。
ここで現在、どのような内容の迂回情報を提示すれば、迂回行動を促進したり逆に迂回経路の渋滞を抑えたりすることが可能となるかについて、多くの検討がなされている。
例えば、特許文献1には、対象車両が走行する可能性のある複数の道路区間それぞれに走行の難しさを表す走行難易度を設定し、さらに対象車両の運転者の運転技量及び相対運転技量を用いて設定難易度を予め定めておき、走行難易度が設定された道路区間のうち、走行難易度が予め定めた設定難易度である道路区間のいずれかを用いて、迂回路を生成し、生成した迂回路の情報を対象車両の車載装置に提供する迂回路情報提供装置が開示されている。
この特許文献1では、このような迂回路情報提供装置を採用することによって、運転技量に大差がない運転者が多数存在する場合にも、相対運転技量の高い運転者に対し走行難易度の高い迂回路の情報を提供することができ、その結果、車両を複数の迂回路に分散させて、渋滞をより適切に抑制できるとされている。
特開2015-219155号公報 国際公開第2001/067319号
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来技術では、迂回情報の提示による迂回促進効果を調整し、例えば、渋滞した道路での交通量を適正化し且つ迂回経路での渋滞発生も回避するといったようなことを確実に実現することは依然、困難であった。
すなわち、道路利用者の迂回行動は、その運転技量や迂回経路等の走行難易度を勘案するだけで適正化できるものではない。例えば、ある1つの迂回情報を提示された道路利用者が当該迂回情報を受け入れ、推奨された迂回経路を選択するか否かは、当該道路利用者の各種属性にも依存すると考えられる。したがって、そのような属性を考慮せずに所望の迂回経路を提示したところで、思惑通りの迂回促進効果が得られるとは限らないのである。
ここで、道路交通情報とは異なるが、商品・サービスの広告分野では、提示する広告情報を調整することによって広告効果を最大化する試みは、広く盛んに行われている。例えば、特許文献2には、ユーザのデモグラフィックな基本属性、嗜好特性、心理的特性等のユーザの特性に基づいて、ユーザに適した商品を選択し、ユーザに訴えるセールストークや製品説明を加えて広告情報を提供することが可能な情報提供装置が開示されている。
しかしながら、迂回情報を含む道路交通情報の配信分野において、このようなユーザの特性に合わせた道路交通情報の提示は、従来何ら検討されてこなかった。そもそも多数の道路利用者が存在する中で、当該道路利用者に関するどのような情報に合わせて、どのような内容の迂回情報を提示するのがより効果的かについては、模索すらされてこなかった。
ちなみに、以上に述べたような提示迂回情報の内容の問題は、道路に関する迂回情報の提示においてだけではなく、例えば鉄道車両、船舶や、航空機等の航空物体といったような経路移動体が移動する経路(鉄道路線、航路や、空路)に関する迂回情報を提示する際にも、少なからず起こり得るものとなっている。
そこで、本発明は、提示対象者の属性に合わせた迂回情報を決定して、当該迂回情報の提示による迂回促進効果を調整することの可能な装置、プログラム及び方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、対象経路を含む経路網を移動可能な複数の経路移動体が当該対象経路を通らずに、そこへ迂回させるべき経路として予め設定された迂回経路への迂回を行うことを促すべく、これら複数の経路移動体に係る複数の対象者に向けて提示すべき当該迂回に係る情報を決定する装置であって、
これら複数の対象者の各々についての属性に係る情報を取得する属性情報取得手段と、
予め設定された少なくとも1つの属性項目を含む属性の当該属性毎に、予め設定された複数種別の心理効果のそれぞれが加味された当該迂回に係る情報である複数の心理効果迂回情報の各々と、当該心理効果迂回情報を提示された者であって当該属性を有する者に係る経路移動体が、当該迂回を行ったか否か又は行うか否かに係る情報である迂回統計情報とを対応付けて記録した属性・心理効果統計情報を取得する心理効果統計取得手段と、
取得された当該属性に係る情報から、当該属性・心理効果統計情報に基づき、所定条件を満たす種別の心理効果の加味された当該心理効果迂回情報を当該対象者に向けて提示した場合における、当該迂回を行う当該経路移動体の数又は割合に係る情報である迂回推定情報を生成する迂回推定情報生成手段と、
当該迂回推定情報に基づいて、複数の対象者に向けて提示すべき当該心理効果迂回情報を決定する提示心理効果決定手段と
を有する提示迂回情報決定装置が提供される。
この本発明に係る心理効果迂回情報決定処理の一実施形態として、当該属性・心理効果統計情報は、当該迂回統計情報として、当該心理効果迂回情報を提示された者であって当該属性を有する者に係る経路移動体が、当該迂回を行った又は行う割合である迂回割合を含み、
迂回推定情報生成手段は、複数の対象者の各々における当該対象者の有する属性に対応付けられた当該迂回割合のうちで、最も高い迂回割合及び/又は第2位以降の所定順位の高さを有する迂回割合を決定して、決定した当該迂回割合に係る心理効果の加味された当該心理効果迂回情報を、複数の対象者の各々である当該対象者に向けて個別に提示した場合における当該迂回推定情報を生成し、
提示心理効果決定手段は、最も高い及び/又は第2位以降の所定順位の高さを有する迂回割合に係る当該迂回推定情報に基づき、当該対象経路を通らずに当該迂回経路を通る当該経路移動体の数又は割合を推定して、推定した当該数又は割合から当該迂回経路の交通量を推定し、推定した当該迂回経路の交通量と、予め設定された当該迂回経路に係る許容交通量とを比較して、複数の対象者又はそのうちから選択した者の各々に向けて個別に提示すべき個々の当該心理効果迂回情報を決定することも好ましい。
また、上記の心理効果迂回情報の決定処理の一実施形態において、迂回推定情報生成手段は、最も高い迂回割合及び第2位以降の所定順位の高さを有する迂回割合に係る当該迂回推定情報を生成し、
提示心理効果決定手段は、
最も高い迂回割合に係る当該迂回推定情報に基づき、当該対象経路を通らずに当該迂回経路を通る当該経路移動体の数又は割合を推定して、推定した当該数又は割合から当該迂回経路の交通量を推定し、
第2位以降の所定順位の高さを有する迂回割合に係る当該迂回推定情報に基づき、当該対象経路を通らずに当該迂回経路を通る当該経路移動体の数又は割合を推定して、推定した当該数又は割合から当該迂回経路の交通量を推定し、
推定した当該迂回経路の交通量の各々と、当該許容交通量とを比較して、複数の対象者又はそのうちから選択した者の各々に向けて個別に提示すべき個々の当該心理効果迂回情報を決定することも好ましい。
さらに、上記の心理効果迂回情報の決定処理の一実施形態において、本提示迂回情報決定装置は、当該心理効果迂回情報を提示する前での当該迂回経路の交通量である迂回経路提示前交通量、及び当該心理効果迂回情報を提示する前での当該対象経路の交通量である対象経路提示前交通量を取得する提示前交通量取得手段を更に有し、
提示心理効果決定手段は、
推定した当該数又は割合と、取得された当該迂回経路提示前交通量とから、当該心理効果迂回情報を提示した後での当該迂回経路の交通量を推定し、また、推定した当該数又は割合と、取得された当該対象経路提示前交通量とから、当該心理効果迂回情報を提示した後での当該対象経路の交通量を推定し、
推定した当該迂回経路の交通量と当該迂回経路に係る許容交通量とを比較し、また、推定した当該対象経路の交通量と予め設定された当該対象経路に係る許容交通量とを比較して、当該個別に提示すべき個々の当該心理効果迂回情報を決定することも好ましい。
また、本発明に係る心理効果迂回情報決定処理の他の実施形態として、提示心理効果決定手段は、複数の対象者に向けて一律に提示すべき1つの当該心理効果迂回情報を決定することも好ましい。
さらに、本発明に係る心理効果迂回情報決定処理の更なる他の実施形態として、提示心理効果決定手段は、複数の対象者に向けて提示すべきと決定された当該心理効果迂回情報を提示したとすると、推定された当該迂回推定情報から推定される当該迂回経路の交通量が、予め設定された当該迂回経路に係る許容交通量を超えると予測される場合に、その旨を当該対象者に向けて通知すべきことを決定することも好ましい。
またさらに、本発明に係る心理効果迂回情報決定処理の更なる他の実施形態として、取得される当該属性に係る情報は、1つの属性項目として当該対象者の居住地又は所在地域に係る情報を含み、
提示心理効果決定手段は、当該迂回推定情報に基づいて、当該対象者に向けて提示すべき当該心理効果迂回情報であって、該対象者の所在地域又は居住地域に関係する内容も含む当該心理効果迂回情報を決定することも好ましい。
また、本発明の具体的な適用例として、当該経路移動体の移動する経路は道路又は道路区間であって、当該経路移動体は自動車、二輪車、及び/又は、道路を移動可能な他の移動体であり、当該迂回に係る情報は、当該対象経路を通らずに当該迂回経路を通ることを促す情報を含む道路交通情報であることも好ましい。
本発明によれば、また、対象経路を含む経路網を移動可能な複数の経路移動体が当該対象経路を通らずに、そこへ迂回させるべき経路として予め設定された迂回経路への迂回を行うことを促すべく、複数の経路移動体に係る複数の対象者に向けて提示すべき当該迂回に係る情報を決定する装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
上記の装置は、
複数の対象者の各々についての属性に係る情報を取得する属性情報取得手段と、
予め設定された少なくとも1つの属性項目を含む属性の当該属性毎に、予め設定された複数種別の心理効果のそれぞれが加味された当該迂回に係る情報である複数の心理効果迂回情報の各々と、当該心理効果迂回情報を提示された者であって当該属性を有する者に係る経路移動体が、当該迂回を行ったか否か又は行うか否かに係る情報である迂回統計情報とを対応付けて記録した属性・心理効果統計情報を取得する心理効果統計取得手段と
を有し、本プログラムは、
取得された当該属性に係る情報から、当該属性・心理効果統計情報に基づき、所定条件を満たす種別の心理効果の加味された当該心理効果迂回情報を当該対象者に向けて提示した場合における、当該迂回を行う当該経路移動体の数又は割合に係る情報である迂回推定情報を生成する迂回推定情報生成手段と、
当該迂回推定情報に基づいて、複数の対象者に向けて提示すべき当該心理効果迂回情報を決定する提示心理効果決定手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする提示迂回情報決定プログラムが提供される。
本発明によれば、さらに、対象経路を含む経路網を移動可能な複数の経路移動体が当該対象経路を通らずに、そこへ迂回させるべき経路として予め設定された迂回経路への迂回を行うことを促すべく、複数の経路移動体に係る複数の対象者に向けて提示すべき当該迂回に係る情報を決定する装置に搭載されたコンピュータにおける方法であって、
上記の装置は、
複数の対象者の各々についての属性に係る情報を取得する属性情報取得手段と、
予め設定された少なくとも1つの属性項目を含む属性の当該属性毎に、予め設定された複数種別の心理効果のそれぞれが加味された当該迂回に係る情報である複数の心理効果迂回情報の各々と、当該心理効果迂回情報を提示された者であって当該属性を有する者に係る経路移動体が、当該迂回を行ったか否か又は行うか否かに係る情報である迂回統計情報とを対応付けて記録した属性・心理効果統計情報を取得する心理効果統計取得手段と
を有し、本方法は、
取得された当該属性に係る情報から、当該属性・心理効果統計情報に基づき、所定条件を満たす種別の心理効果の加味された当該心理効果迂回情報を当該対象者に向けて提示した場合における、当該迂回を行う当該経路移動体の数又は割合に係る情報である迂回推定情報を生成するステップと、
当該迂回推定情報に基づいて、複数の対象者に向けて提示すべき当該心理効果迂回情報を決定するステップと
を有することを特徴とする提示迂回情報決定方法が提供される。
本発明による装置、プログラム及び方法によれば、提示対象者の属性に合わせた迂回情報を決定して、当該迂回情報の提示による迂回促進効果を調整することができる。
本発明による提示迂回情報決定装置を含む迂回情報決定・提示システムの一実施形態を概略的に示す模式図、及び本発明による提示迂回情報決定装置の一実施形態における機能構成を示す機能ブロック図である。 本発明に係る属性情報取得・抽出部で実施される処理の具体例を示すテーブルを含む模式図である。 本発明に係る心理効果統計取得部で取得された「属性・心理効果統計情報」の具体例を示すテーブルである。 図3の具体例において用いられた心理効果迂回情報を示すテーブルである。 本発明に係る迂回推定情報生成部で実施される処理の具体例を示すテーブルである。 本発明に係る提示前交通量取得部で取得される提示前交通量情報の具体例を示すテーブルである。 本発明に係る対象・迂回道路交通量推定部で実施される処理の具体例を示すテーブルである。 一律に提示する心理効果迂回情報の決定処理の際に使用される心理効果期待迂回数情報の具体例を示すテーブルである。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
[提示迂回情報決定装置・システム]
図1は、本発明による提示迂回情報決定装置を含む迂回情報決定・提示システムの一実施形態を概略的に示す模式図、及び本発明による提示迂回情報決定装置の一実施形態における機能構成を示す機能ブロック図である。
図1によれば、経路移動体である複数の自動車が走行可能な複数の道路(経路)からなる道路網(経路網)において、迂回情報を道路利用者(ユーザ)に提示(配信)することで、そこを通らずに迂回することを促すことになる「対象道路」(対象経路)と、提示(配信)する当該迂回情報において、その利用が推奨される又は想定される(少なくとも1つの)「迂回経路」とが設定されている。このような道路網に対し、本実施形態の迂回情報決定・提示システムは、
(a)当該道路網を構成する各道路における(トラフィックカウンタ等の公知の交通量計測手段で計測された)交通量計測結果を収集し、当該結果をまとめた道路交通量情報を、要求に応じて提供可能な道路交通情報管理サーバ2と、
(b)所定のサービス(例えば通信サービス)を提供するサービス提供事業者の管理サーバであって、(本実施形態において道路利用者(ユーザ)を含む)契約者の契約情報を保存・管理している契約情報管理サーバ3と、
(c)この後説明を行う「属性・心理効果統計情報」を、例えばアンケート結果に基づき生成し、保存・管理している心理効果統計情報生成サーバ4と、
(d)本発明による提示迂回情報決定装置の一実施形態としての迂回情報提示装置1と
を備えている。
ここで本実施形態では、上記(d)の迂回情報提示装置1は、上記(b)の契約情報管理サーバ3から、道路利用者(ユーザ)についての「属性情報」を取得可能となっている。この「属性情報」は、予め設定された少なくとも1つの属性項目(例えば、性別、年代、所在地、既婚/未婚の別等)の各々における道路利用者(ユーザ)の該当値(例えば男性ならば"0",女性ならば"1"等)を取りまとめた情報である。
なお、当該属性項目については、本実施形態では、所定のサービスの契約の際に取得可能なものとなっているが、勿論それに限定されるものではなく、それが取得可能な情報であるならば例えば、質問紙調査等によって決定されるBig Five等のパーソナリティ情報や、自動車の運転歴・免許取得からの現在までの年数、さらには運転する自動車の車種やブランド名等を含むものとすることもできる。
またさらに、迂回情報提示装置1は、上記(c)の心理効果統計情報生成サーバ4から、「属性・心理効果統計情報」も取得可能となっている。この「属性・心理効果統計情報」は、後に図3を用いて詳細に説明を行うが、
(ア)各属性項目における該当値の組である属性の当該属性毎に、
(イ)予め設定された複数種別の心理効果のそれぞれが加味された、迂回に係る情報である複数の迂回情報(以後、「心理効果迂回情報」と略称)の各々と、
(ウ)当該「心理効果迂回情報」を提示された者であって当該属性を有する者に係る自動車(経路移動体)が、「対象道路」を通ることを止めて「迂回経路」への迂回を行ったか否か又は行うか否かに係る(例えば迂回率を含む)情報である迂回統計情報と
を対応付けて記録した統計情報となっている。
ここで、上記(イ)の心理効果の種別としては、例えば、商品・サービスの広告分野で多用されるプライミング効果、バンドワゴン効果やバーナム効果等を設定してもよく、また、例えばプライミング効果等を更に任意の複数種別に分類したものであってもよく、さらに、他の便宜的な種別を設定することも可能である。いずれにしても、各種心理効果の加味された「心理効果迂回情報」を提示された者が、その「属性情報」に応じて、特定の反応(迂回行動・非迂回行動)を行う傾向にあることは相当に期待されるのであり、それ故、上記(ウ)の迂回統計情報は、所定以上の信頼性を有するものと考えられる。
迂回情報提示装置1は、取得したこれらの「属性情報」及び「属性・心理効果統計情報」に基づき、迂回情報の提示対象者に向けて提示(配信)すべき「心理効果迂回情報」を決定し、本実施形態ではさらに、このように決定した「心理効果迂回情報」を、当該提示対象者に向けて配信することもできるのである。
ちなみに本実施形態において、迂回情報の提示対象者は、当該道路網における道路利用者(ユーザ)であって複数存在し、すなわち、「対象道路」を含む当該道路網を移動可能な複数の自動車(経路移動体)に係る者である。また、これら迂回情報の提示対象者に提示(配信)する迂回情報は、「対象道路」を通らずに「迂回経路」への迂回を行うことを促す内容の「心理効果迂回情報」となっている。
具体的に、本発明による提示迂回情報決定装置としての迂回情報提示装置1は、図1の機能ブロック図に示したように、
(A)複数の提示対象者の各々についての「属性情報」を取得する属性情報取得・抽出部112と、
(B)「属性・心理効果統計情報」を取得する心理効果統計取得部113と、
(C)取得された「属性情報」から、取得された「属性・心理効果統計情報」に基づき、「所定条件を満たす種別の心理効果」の加味された「心理効果迂回情報」を提示対象者に向けて提示した場合における、「対象道路」を通ることを止めて「迂回経路」を用いる(迂回を行う)提示対象者に係る自動車(経路移動体)の数又は割合に係る情報である「迂回推定情報」を生成する迂回推定情報生成部114と、
(D)生成された「迂回推定情報」に基づいて、提示対象者に向けて提示すべき「心理効果迂回情報」を決定する提示心理効果決定部115と
を有している。
ここで、上記(C)の「所定条件を満たす種別の心理効果」は、例えば(c1)最も高い迂回割合を奏した/奏する「心理効果迂回情報」に加味された心理効果とすることもでき、また、例えば(c2)第2位以降の所定順位の高さを有する迂回割合を奏した/奏する「心理効果迂回情報」に加味された心理効果とすることも可能である。
いずれにしても、交通情報配信装置1は、それぞれある属性を有する提示対象者に対し提示した/提示する「心理効果迂回情報」の奏した/奏する迂回促進効果の程度を表す「迂回推定情報」を生成することによって、これらの提示対象者に提示することで所望の程度の迂回促進効果が奏功されるような「心理効果迂回情報」を決定することができる。言い換えると、これらの提示対象者の属性に合わせた「心理効果迂回情報」を決定して、迂回情報提示による迂回促進効果を調整することが可能となるのである。
例えば、後に詳細に説明するが、「対象道路」の交通量を所定以上に小さな量とした上で(又は所定範囲内に収めた上で)「迂回経路」の交通量も所定範囲内とする(「迂回経路」において相当の交通量をもたらし且つ渋滞を発生させない)ような適切な「心理効果迂回情報」を決定することもできる。すなわち、とにかく多くの提示対象者(に係る自動車)を迂回させるのではなく、例えば「対象道路」も「迂回経路」もともに良好な若しくは所望の交通状態となるように迂回情報提示を調整することも可能となるのである。
なお、本実施形態の交通情報配信装置1は、このように決定した「心理効果迂回情報」を、これらの提示対象者に提示(配信)する迂回情報配信部117も備えている。しかしながら、本発明による提示迂回情報決定装置は、必ずしもそのような機能を備えておらず、例えば外部の道路交通情報配信サーバ等に対し、決定した「心理効果迂回情報」を提供して又は指定して、当該「心理効果迂回情報」を配信させるものであってもよい。
また、本発明による提示迂回情報決定装置(迂回情報提示装置1)は、インターネット上のクラウドサーバ、非クラウドのサーバ装置、パーソナル・コンピュータ(PC)、又はノート型若しくはタブレット型コンピュータ等とすることもでき、さらに、道路交通情報管理サーバ2に含まれた装置、又は当該サーバ2と一体の装置であってよい。また、契約情報管理サーバ3に含まれた装置、又は当該サーバ3と一体の装置とすることも可能である。
さらに、本発明による提示迂回情報決定装置(迂回情報提示装置1)は、後に詳細に説明する対象者決定部112a(図1)や心理効果統計生成部113a(図1)を備えた実施形態においては、当該道路網内に配置された(基地局測位処理に用いる)基地局5のフロントホールやバックホールに設置された通信中継装置・設備とすることもでき、また、当該通信中継装置・設備に接続された装置とすることも可能である。さらに言えば、基地局5そのものや、基地局5に接続された装置であってもよい。
また、本実施形態では、経路移動体は自動車となっているが、勿論、道路を走行可能な他の移動体、例えば二輪車であってよい。また、自動車のみ、二輪車のみ、又は自動車及び二輪車を経路移動体に設定してもよい。さらに、本実施形態において(経路移動体の移動する)経路は、道路であってもよく道路区間であってもよい。したがって「対象道路」や「迂回経路」は、1つの道路全体を指すだけではなく、1つの道路の特定区間を指す場合もあり得るのである。
またさらに言えば、本発明に係る経路も、道路(又は道路区間)に限定されるものではない。例えば、鉄道の路線(又は路線区間)、航路(又は航路区間)や、空路(又は空路区間)といったような、何らかの移動体がそこを移動し得る経路であって、当該移動体に係る提示対象者に対し迂回情報を提示(配信)することが望まれるような経路であれば、種々の経路が、本発明に係る経路として採用可能である。
[装置機能構成,提示迂回情報決定プログラム・方法]
同じく図1の機能ブロック図において、迂回情報提示装置1は、迂回情報を提示(配信)する装置であって且つ本発明による提示迂回情報決定装置の一実施形態を具現しており、通信インタフェース部101と、心理効果統計情報データベース(DB)102と、属性情報DB103と、対象者リストDB104と、交通量DB105と、配信効果情報保存部106と、心理効果迂回情報DB107と、プロセッサ・メモリとを有する。ここで、プロセッサ・メモリは、本発明による提示迂回情報決定プログラムを包含する迂回情報提示プログラムの一実施形態を保存しており、また、コンピュータ機能を有していて、この迂回情報提示プログラムを実行することによって、提示迂回情報決定処理及び迂回情報提示処理を実施する。
またこのことから、迂回情報提示装置1(提示迂回情報決定装置)は、提示迂回情報決定処理及び迂回情報提示処理専用の装置であってもよいが、本発明による提示迂回情報決定プログラムを包含する迂回情報提示プログラムを搭載した、汎用のクラウドサーバや非クラウド型サーバであってもよく、さらにはPC、又はノート型若しくはタブレット型コンピュータとすることも可能である。
また、プロセッサ・メモリは、機能構成部として、通信制御部111と、対象者決定部112aを含む属性情報取得・抽出部112と、心理効果統計生成部113aを含む心理効果統計取得部113と、迂回推定情報生成部114と、対象・迂回経路交通量推定部115aを含む提示心理効果決定部115と、提示前交通量取得部116と、迂回情報配信部117とを有する。なお、これらの機能構成部は、プロセッサ・メモリに保存された提示迂回情報決定プログラム(を包含する迂回情報提示プログラム)の機能と捉えることができ、また、図1の機能ブロック図における迂回情報提示装置1の機能構成部間を矢印で接続して示した処理の流れは、本発明による提示迂回情報決定方法、及び迂回情報提示方法の一実施形態としても理解される。
同じく図1の機能ブロック図において、通信制御部111は、契約情報管理サーバ3から通信インタフェース101を介し受信した「属性情報」を、属性情報DB103に保存・管理させる。また、属性情報取得・抽出部112は、この属性情報DB103から、迂回情報の提示対象者の各々についての「属性情報」を取得する。
ここで本実施形態において、迂回情報の提示対象者は、対象者リストDB104から取り出された者であるが、対象者リストDB104には、例えば装置管理者によって所定の基準(例えば「対象道路」近傍に所在又は居住しているとの基準)の下で予め選ばれた、且つその「属性情報」が属性情報DB103から取得可能な提示対象者のリストが格納されていてもよい。または1つの好適な実施形態として、以下に説明する(属性情報取得・抽出部112の)対象者決定部112aにおいて決定された提示対象者のリストが、対象者リストDB104に格納されることも好ましい。
この対象者決定部112aは、
(a)基地局5やアクセスポイント(AP)6から受け取った通信履歴情報や、各自動車に付された又は同行する(GPS測位手段を搭載した)端末7から送信されたGPS測位結果を用い、基地局・AP測位処理等を実施して、端末7(に係る自動車)の所在地点(所在位置)の時系列情報である位置履歴情報を生成し、
(b)当該位置履歴情報に含まれる各端末7の所在地点に係る情報から、当該端末7に係る自動車の移動における「滞在点」及び「移動点」を決定し、
(c)「対象道路」を利用した自動車についての「滞在点」のペアとして、「対象道路」を包含するように設定された対象経路包含範囲(例えば道路メッシュ地図における「対象道路」を包含するメッシュ群)に含まれる「移動点」が、そのペアの間において所定条件を満たす形で(例えば所定数以上)存在している「滞在点」のペアを選び出し、
(d)選び出された「滞在点」のペア又は当該ペアをなす「滞在点」を、所定条件を満たす形で(例えば所定数以上)含んでいる地域を「対象地域」に決定し、
(e)決定された「対象地域」内に所在したことのある(端末7若しくは他の装置に係る)ユーザ、及び/又は「対象地域」内に居住している(端末7若しくは他の装置に係る)ユーザを、提示対象者に決定するのである。
このように、対象者決定部112aは、「対象道路」を利用した実績のある端末7(自動車)に着目し、そのような端末7(自動車)が所定程度以上に滞在したであろう「対象地域」に関わる者を提示対象者としている。その結果、例えば「対象道路」から遠く離れた地域に居住又は滞在しているが「対象道路」をよく利用するユーザも、「対象道路」に関係するものとして提示対象者とすることが可能となる。
図2は、本発明に係る属性情報取得・抽出部112で実施される処理の具体例を示すテーブルを含む模式図である。
図2に示した具体例によれば、属性情報取得・抽出部112は、対象者リストDB104から、提示対象者の対象者識別子(ID)を列挙した提示対象者リストを取り出し、当該提示対象者リストに基づいて、属性情報DB103に格納されている所定サービス契約者属性情報から、提示対象者の各々についての「属性情報」を検索し取得する。
ここで、所定サービス契約者属性情報は、所定サービス(例えば通信サービス)を提供する事業者と契約を行っている契約者の契約者ID毎に、性別、年代、所在地、既婚/未婚の別、・・・といったような各属性項目の該当値(例えば男性ならば"0",女性ならば"1"等)を対応付けて記録したテーブルとなっている。また、提示対象者リストの対象者IDには、検索を容易にするため、契約者IDが採用されている(例えば、提示対象者を当該所定サービスの契約者から選んでいる)。
属性情報取得・抽出部112は、このように取得した「属性情報」の検索結果から、対象者ID毎に、各属性項目の該当値(例えば男性ならば"0",女性ならば"1"等)が対応付けて記録された提示対象者属性情報を生成するのである。
図1の機能ブロック図に戻って、通信制御部111は、心理効果統計情報生成サーバ4から通信インタフェース101を介し受信した「属性・心理効果統計情報」を、心理効果統計情報DB102に保存・管理させる。また、心理効果統計取得部113は、この心理効果統計情報DB102から「属性・心理効果統計情報」を取得する。
図3は、本発明に係る心理効果統計取得部113で取得された「属性・心理効果統計情報」の具体例を示すテーブルである。また、図4は、本具体例において用いられた心理効果迂回情報を示すテーブルである。
図3に示した本具体例の「属性・心理効果統計情報」は、複数(多数)の道路利用者(ユーザ)に対し、その属性情報を問い合わせ、さらに、図4に示した(予め設定された)複数の「心理効果迂回情報」の各々が提示された際に(対象道路から迂回経路への)迂回行動を行うか否かを回答させる内容のアンケートを実施し、当該アンケートの結果を取りまとめることにより生成されたものとなっている。
ここで、提示される複数(図4ではn個)の「心理効果迂回情報」は、心理効果迂回情報DB107に保存・管理されている情報であり、図4に示すように、各々が互いに異なる種別の心理効果を加味された情報となっている。具体的には、各「心理効果迂回情報」には、加味された心理効果の種別を識別する心理効果ID(T_1, T_2, T_3, ・・・, T_n)が付与されており、本具体例では、この心理効果IDが「心理効果迂回情報」の識別子(ID)としても機能している。
なお、心理効果の種別としては、すでに述べたように例えば、商品・サービスの広告分野で多用されるプライミング効果、バンドワゴン効果やバーナム効果等を設定してもよく、また、例えばプライミング効果等を更に任意の複数種別に分類したものであってもよく、さらに、他の便宜的な種別を設定することも可能である。
図3に戻って具体的に、「属性・心理効果統計情報」は、性別、年代、所在地、既婚/未婚の別、・・・といったような各属性項目の該当値の組である属性毎に、各「心理効果迂回情報」(T_1, T_2, T_3, ・・・, T_n)における迂回率(迂回割合,迂回統計情報)を対応付けて記録したテーブルとなっている。ここで、各「心理効果迂回情報」における迂回率(迂回割合)は、当該「心理効果迂回情報」の提示によって「迂回する」とした回答者の割合(例えば、当該回答者が1000人中で300人であれば30%)として算出されたものである。
このように、「属性・心理効果統計情報」は、アンケート結果から生成することができるが、他の好適な実施形態として、以下に説明する(心理効果統計取得部113の)心理効果統計生成部113a(図1)において生成されることも好ましい。
この心理効果統計生成部113a(図1)は、複数(多数)の端末7(の端末ユーザ)の各々に対し、予め設定された複数の「心理効果迂回情報」のうちの1つを(各「心理効果迂回情報」が全体で複数(多数)提示されるように)提示(配信)した上で、
(a)基地局5やAP6から受け取った通信履歴情報や、各自動車に付された又は同行する(GPS測位手段を搭載した)端末7から送信されたGPS測位結果を用い、基地局・AP測位処理等を実施して、端末7(に係る自動車)の所在地点(所在位置)の時系列情報である位置履歴情報を生成し、
(b)当該位置履歴情報に含まれる各端末7の所在地点に係る情報から、当該端末7に係る自動車の移動における「滞在点」及び「移動点」を決定し、
(c)決定された「滞在点」のペアであって、予め準備された又は本装置1外の経路検索手段(例えば、GoogleMaps(登録商標))をもってそのペアの間で検索された最短の又は通るのが好適な経路である「最短・好適経路」が、「対象道路」を含んでいる又は「対象道路」と重畳している「滞在点」のペアを抽出し、
(d)道路網内の各道路について、当該道路を包含するように設定された経路包含範囲(例えば道路メッシュ地図における当該道路を包含するメッシュ群)に含まれる「移動点」が、抽出された「滞在点」のペアの間において所定条件を満たす形で(例えば所定数以上)存在しているならば当該道路を「使用道路」として、抽出された「滞在点」のペアの間の少なくとも1つの「使用道路」を決定し、
(e)決定された少なくとも1つの「使用道路」に「対象道路」が含まれていない場合、(抽出された「滞在点」のペアに係る)端末7に係る自動車は迂回したと判定し、一方、含まれている場合は、(抽出された「滞在点」のペアに係る)端末7に係る自動車は迂回していないと判定し、
(f)抽出された「滞在点」のペアに係る端末7の端末ユーザの数を母数として、各「心理効果迂回情報」を提示(配信)された際の迂回率(迂回した端末ユーザの割合,迂回統計情報)を算出し、
(g)一方、抽出された「滞在点」のペアに係る端末7の各端末ユーザの「属性情報」を、属性情報DB103から取得し、
(h)上記(g)の「属性情報」と上記(f)の迂回率(迂回統計情報)とを対応付けて「属性・心理効果統計情報」を生成するのである。
このように心理効果統計生成部113aによれば、アンケートの結果を得ずとも、さらに例えばユーザによる目的地や経路指定の情報を用いることなく、「属性・心理効果統計情報」を生成することが可能となる。
図1の機能ブロック図に戻って、迂回推定情報生成部114は、
(a)属性情報取得・抽出部112から受け取った各提示対象者の「属性情報」(例えば図2の最下にある提示対象者属性情報)から、
(b)心理効果統計取得部113から受け取った(例えば図3に示した)「属性・心理効果統計情報」に基づき、
(c)最も高い迂回率、及び/又は、第2位以降の所定順位の高さを有する迂回率に係る心理効果の加味された「心理効果迂回情報」を、当該提示対象者に向けて個別に提示した場合における、迂回を行う自動車(経路移動体)の数又は割合(迂回推定情報)を生成する。
図5は、本発明に係る迂回推定情報生成部114で実施される処理の具体例を示すテーブルである。
図5に示したテーブルは、迂回推定情報生成部114で生成された迂回推定情報である。具体的に、この迂回推定情報は、提示対象者の対象者ID毎に、
(a)(図2の最下にある提示対象者属性情報から抽出された)当該対象者IDに係る対象者の属性(性別、年代、所在地、既婚/未婚の別、・・・)と、
(b)(図3の「属性・心理効果統計情報」から決定された)当該対象者IDに係る対象者と同じ属性を有する者において最も高い迂回率を奏する/奏した「心理効果迂回情報」の(迂回情報IDとしての)心理効果IDと、
(c)上記(b)の最も高い迂回率である(当該「心理効果迂回情報」の提示により期待される迂回率としての)期待迂回率と
を対応付けて記録したテーブルとなっている。
ここで、上記(b)においては、「心理効果迂回情報」の選定条件は「最も高い迂回率を奏する/奏した」こととなっているが、例えば、「N番目(Nは2以上の整数)に高い迂回率を奏する/奏した」とすることもできる。または、「1番目からN番目までの順位の迂回率を奏する/奏した」であってもよい。この場合、「心理効果迂回情報」はN個選定され、それぞれの期待迂回率が記録されることになる。ここで、N=n(「心理効果迂回情報」の数(心理効果の種別数))であるならば、全ての「心理効果迂回情報」についての期待迂回率が挙げられることになる。
図1の機能ブロック図に戻って、提示心理効果決定部115は、迂回推定情報生成部114から受け取った迂回推定情報に基づいて、提示対象者に向けて提示(配信)すべき「心理効果迂回情報」を決定する。
ここで、提示心理効果決定部115は、単純に、各提示対象者に対し、当該提示対象者の属性において最も期待迂回率の高い「心理効果迂回情報」を選択し、個別に提示(配信)することも可能である。しかしながら本実施形態では、迂回情報提示後の「迂回経路」において推定される交通量をも勘案して、迂回情報の提示による迂回促進効果を調整する処理を実施する。
具体的に本実施形態において、通信制御部101は、道路交通情報管理サーバ2から通信インタフェース101を介し受信した道路交通量情報を、交通量DB105に保存・管理させる。また、提示前交通量取得部116は、この交通量DB105から、
(a)「心理効果迂回情報」を提示する前の所定期間における「迂回経路」の交通量である迂回経路提示前交通量と、
(b)「心理効果迂回情報」を提示する前の当該所定期間における「対象道路」の交通量である対象経路提示前交通量と
を取得する。ここで、「迂回経路」が複数設定されている場合、上記(a)の迂回経路提示前交通量は、各「迂回経路」について取得されることになる。
図6は、本発明に係る提示前交通量取得部116で取得される提示前交通量情報の具体例を示すテーブルである。
一具体例として図6に示された提示前交通量情報には、所定期間において1時間毎に実測された「対象道路」の交通量(自動車の台数)と、当該所定期間において1時間毎に実測された「迂回経路」の交通量(自動車の台数)とが記録されている。
<個別に提示する心理効果迂回情報の決定>
図1の機能ブロック図に戻って、提示心理効果決定部115の対象・迂回経路交通量推定部115aは、
(a)(迂回推定情報にこれらの期待迂回率が記録されている場合において)最も高い期待迂回率及び/又は第2位以降の所定順位の高さを有する期待迂回率の情報に基づき、「対象道路」を通らずに「迂回経路」を通る自動車(経路移動体)の数又は割合を推定し、
(b)推定した当該数又は割合から、提示前交通量取得部116から受け取った迂回経路提示前交通量を用いて、当該期待迂回率に係る「心理効果迂回情報」を提示した場合における「迂回経路」の交通量である迂回経路提示後交通量を推定する。
なお、この迂回経路提示後交通量を含む推定交通量情報については、後に図7を用いてその具体例を示す。また本実施形態において、この推定交通量情報は、配信効果情報保存部106に保存・管理され、さらに、配信効果情報保存部106から適宜読み出されて使用される。
提示心理効果決定部115は、このように推定された迂回経路提示後交通量と、予め設定された「迂回経路」における許容交通量とを比較し、提示対象者(又はそのうちから選択した者)の各々に向けて個別に提示(配信)すべき個々の「心理効果迂回情報」を決定するのである。
例えば、最も高い期待迂回率を示す「心理効果迂回情報」の提示を行ったとした場合を考える。この場合、迂回経路提示後交通量は、「対象道路」を通らずに「迂回経路」を通る自動車(経路移動体)の推定される数(期待迂回数)をαとすると、 (迂回経路提示前交通量)+αとすることができる。ここで、「迂回経路」における許容交通量をβとして、次式
(1) (迂回経路提示後交通量)=(迂回経路提示前交通量)+α≦β
が満たされるならば、「迂回経路」の渋滞は発生しないとして、この最も高い期待迂回率を示す「心理効果迂回情報」を、提示する「心理効果迂回情報」に決定する。
一方、上式(1)が満たされない場合(すなわち「迂回経路」の渋滞が予測される場合)、次に、2番目の高さの期待迂回率を示す「心理効果迂回情報」の提示を行ったとして、同様に迂回経路提示後交通量を算出し、それでもなお、同交通量が許容交通量βを上回るようであれば、さらに3番目、4番目、・・・の高さの期待迂回率を用いて順次、迂回経路提示後交通量を算出し、同交通量が許容交通量β以下となった段階で用いた期待迂回率を示す「心理効果迂回情報」を、提示する「心理効果迂回情報」に決定するのである。
なお勿論、これらの期待迂回率を全て用いてそれぞれの迂回経路提示後交通量を算出し、当該迂回経路提示後交通量が上式(1)を満たすか否かを判定して、提示する「心理効果迂回情報」を決定してもよい。
また変更態様として、M(Mは1以上の整数)番目の高さの期待迂回率を示す「心理効果迂回情報」の提示を行ったとして同様に迂回経路提示後交通量を算出し、上式(1)が満たされない場合に、提示対象者のうちの選択した者を順次、迂回情報提示対象から外し、上式(1)が満たされた段階で残った提示対象者に対し、当該M番目の高さの期待迂回率を示す個々の「心理効果迂回情報」を、個別に提示することを決定してもよい。
さらに好適な変更態様として、「迂回経路」における下限交通量(迂回情報提示によって最低限期待される交通量)をγとして、次式
(2) γ≦(迂回経路提示後交通量)=(迂回経路提示前交通量)+α≦β
を掲げた上で、提示対象者又はそのうちから選択した者の各々に提示する「心理効果迂回情報」を、その個々の迂回率の組合せによって上式(2)が成立するように決定することも好ましい。
例えば、上式(2)を用いて処理を行った結果、提示心理効果決定部115は、提示対象者のうちの対象者A、B及びCにはそれぞれ、最も高い期待迂回率を示す心理効果迂回情報T_p、T_q、T_rを提示し、対象者Dには、2番目に高い期待迂回率を示す心理効果迂回情報T_sを提示し、さらに、対象者Eには、3番目に高い期待迂回率を示す心理効果迂回情報T_tを提示し、また、残りの提示対象者には「心理効果迂回情報」を提示しないとの決定を行うことも可能となっている。
また、更なる好適な変更態様として、提示心理効果決定部115の対象・迂回経路交通量推定部115aは、
(a)(迂回推定情報にこれらの期待迂回率が記録されている場合において)最も高い期待迂回率及び/又は第2位以降の所定順位の高さを有する期待迂回率の情報に基づき、「対象道路」を通らずに「迂回経路」を通る自動車(経路移動体)の数又は割合を推定し、
(b)推定した当該数又は割合から、提示前交通量取得部116から受け取った対象経路提示前交通量を用いて、当該期待迂回率に係る「心理効果迂回情報」を提示した場合における「対象道路」の交通量である対象経路提示後交通量を、上述した迂回経路提示後交通量とともに推定する。
なお、この対象経路提示後交通量も含む推定交通量情報については、後に図7を用いてその具体例を示す。また本実施形態において、この推定交通量情報は、配信効果情報保存部106に保存・管理され、さらに、配信効果情報保存部106から適宜読み出されて使用される。
提示心理効果決定部115は、本変更態様において、このように推定された対象経路提示後交通量と、予め設定された「対象道路」における提示後の交通量の上限目標である許容交通量δ(及びその下限目標である下限交通量ε)とを比較し、また、推定された迂回経路提示後交通量と、予め設定された「迂回経路」における許容交通量β(及び下限交通量γ)とを比較して、提示対象者(又はそのうちから選択した者)の各々に向けて個別に提示すべき個々の「心理効果迂回情報」を決定するのである。
例えば、上述した迂回経路提示後交通量の算出処理と同様に、対象経路提示後交通量は、「対象道路」を通らずに「迂回経路」を通る自動車(経路移動体)の期待迂回数をαとして、 (対象経路提示前交通量)-αとすることができる。ここで、この対象経路提示後交通量が、次式
(3) (対象経路提示後交通量)=(対象経路提示前交通量)-α≦δ
又は、
(4) ε≦(対象経路提示後交通量)=(対象経路提示前交通量)-α≦δ
を満たすならば、「対象道路」の渋滞は解消される(又は所望の通行制限が可能となる)として、この対象経路提示後交通量(に含まれるα)の算出に用いた期待迂回率を示す「心理効果迂回情報」を、提示する「心理効果迂回情報」に決定してもよい。
ここでさらに、上式(3)又は(4)の条件に加えて、迂回経路提示後交通量(=(迂回経路提示前交通量)+α)が上式(1)又は(2)を満たすような(期待迂回率を示す)「心理効果迂回情報」を、提示する「心理効果迂回情報」に決定することも好ましいのである。これにより、「心理効果迂回情報」の提示による、「対象道路」及び「迂回経路」それぞれにおける迂回促進効果をより適切に調整することも可能となる。
ちなみに、提示心理効果決定部115が、上式(1)又は(2)の条件を用いずに、上式(3)又は(4)の条件を用いて「心理効果迂回情報」を決定する場合を考える。この場合、提示心理効果決定部115は、提示対象者に向けて個別に提示すべきと決定した「心理効果迂回情報」を提示したとすると、上述した迂回経路提示後交通量が許容交通量βを超えると予測される場合に、その旨の情報を(例えば「この後、迂回経路**も渋滞する可能性があります」との情報を)提示対象者の少なくとも1人に向けて通知すべきことを決定してもよい。迂回情報提示装置1がこのような情報を当該提示対象者に通知することによって、「迂回経路」の交通量を更に調整することも可能となる。
また、「心理効果迂回情報」決定処理の他の実施形態として、属性情報取得・抽出部112で取得される「属性情報」に、1つの属性項目として(提示対象者の)居住地又は所在地域に係る情報が含まれている場合を考える。この場合、提示心理効果決定部115は、「迂回推定情報」に基づき、提示対象者に向けて提示すべき「心理効果迂回情報」であって、提示対象者の所在地域又は居住地域に関係する内容も含む「心理効果迂回情報」を決定することも好ましい。
例えば、予め設定した「地域」毎に、当該「地域」内のサービスエリアに係る情報や当該「地域」の気象情報等を取得しておき、提示対象者の居住地域に一致する又はその近傍の「地域」に係るこのような情報を、決定した「心理効果迂回情報」に付加して、最終的に提示すべき「心理効果迂回情報」としてもよい。これにより例えば、「なお、**サービスエリアは現在、駐車スペースの80%が空いております。」といったような情報を含む「心理効果迂回情報」を、最終的に提示すべき「心理効果迂回情報」に決定することも可能となる。
図7は、本発明に係る対象・迂回道路交通量推定部115aで実施される処理の具体例を示すテーブルである。
図7には、対象・迂回道路交通量推定部115aで生成される推定交通量情報の具体例が示されている。この推定交通量情報は、
(a)「対象道路」についての、所定期間(2020年4月29日~5月6日)における所定時間帯(図7で明示されているのは6時から9時までの時間帯)での(当該所定期間における平均値としての)対象経路提示前交通量、及びそこから推定される対象経路提示後交通量と、
(b)「迂回経路」についての、所定期間(2020年4月29日~5月6日)における所定時間帯(図7で明示されているのは6時から9時までの時間帯)での(当該所定期間における平均値としての)迂回経路提示前交通量、及びそこから推定される迂回経路提示後交通量と
を含む情報となっている。
ここで本具体例における、ある「心理効果迂回情報」群の個別の提示による期待迂回数αは500台/時となっており、その結果、図7で明示されている対象経路提示前交通量(2000台/時)に対し、対応する対象経路提示後交通量は、1500台/時(=2000台/時-500台/時)と算出されている。一方、図7で明示されている迂回経路提示前交通量(1000台/時)に対し、対応する迂回経路提示後交通量は、1500台/時(=1000台/時+500台/時)と算出されている。
このような推定交通量情報を受けて、提示心理効果決定部115は、例えば、許容交通量δを1800台/時とした上式(3)と、許容交通量βを1700台/時とした上式(1)とを用いて決定処理を行うケースにおいて、対象経路提示後交通量が1500台/時(<1800台/時=δ)であって、迂回経路提示後交通量が1500台/時(<1700台/時=β)であるので、個別に提示したと仮定した当該「心理効果迂回情報」群を、提示(配信)すべき「心理効果迂回情報」群に決定することができるのである。
<一律に提示する心理効果迂回情報の決定>
以上、提示心理効果決定部115で実施される「心理効果迂回情報」決定処理における種々の態様を説明してきたが、提示心理効果決定部115は、提示対象者に向けて、個別にではなく、一律に提示(配信)すべき1つの「心理効果迂回情報」を決定してもよい。
この場合例えば、迂回推定情報生成部114は、図2に示したような「提示対象者属性情報」と、図3に示したような「属性・心理効果統計情報」とを用いて、図4に示したような心理効果迂回情報T_1~T_nの各々を全提示対象者に一律に提示(配信)した場合における、各提示対象者の期待迂回率を列挙した「迂回推定情報」を生成する。この「迂回推定情報」は、言い換えると、心理効果迂回情報(T_1~T_n)毎に、提示対象者と、その期待迂回率とが対応付けて記録された情報となっている。
提示心理効果決定部115は、この「迂回推定情報」に基づき、心理効果迂回情報T_1~T_nの各々を全提示対象者に一律に提示(配信)した場合における期待迂回数αを算出して、例えば図8に示すような、心理効果迂回情報(心理効果)毎に算出した期待迂回数αを対応付けて記録した心理効果期待迂回数情報を生成する。この後、提示心理効果決定部115は、生成したこの心理効果期待迂回数情報を用いて、上式(1)若しくは(2)の条件、及び上式(3)若しくは(4)の条件を満たす1つの「心理効果迂回情報」を決定するのである。
ちなみに、提示心理効果決定部115は、このように一律に提示(配信)すべき1つの「心理効果迂回情報」を決定した際にも、迂回経路提示後交通量が許容交通量βを超えると予測される場合に、その旨の情報を(例えば「この後、迂回経路**も渋滞する可能性があります」との情報を)提示対象者の少なくとも1人に向けて通知すべきことを決定してもよい。迂回情報提示装置1がこのような情報を当該提示対象者に通知することによって、「迂回経路」の交通量を更に調整することも可能となるのである。
また、提示心理効果決定部115は、このように一律に提示(配信)すべき1つの「心理効果迂回情報」を決定した際にも、上述したような、提示対象者の所在地域又は居住地域に関係する内容を含む「心理効果迂回情報」を決定してもよい。
同じく図1の機能ブロック図において、迂回情報配信部117は、提示心理効果決定部115で決定された「心理効果迂回情報」を心理効果迂回情報DB107から取り出して、通信制御部111に対し、当該「心理効果迂回情報」を、提示対象者の通信装置(例えば端末7)に向けて通信インタフェース部101を介し配信させる。
ここでこの配信のタイミングは、従来の道路交通情報と同様のタイミングとすることができ、また、提示対象者に合わせ、適宜調整することも好ましい。さらに、配信される「心理効果迂回情報」は、心理効果の加味された迂回情報であるならば、例えば「対象道路」や「迂回経路」に関する道路交通情報(渋滞情報、道路工事情報、通行止め情報、迂回経路提案情報、路面状態情報等)を含むものであってもよく、また例えば、「迂回経路」付近の店舗情報(サービスエリアや道の駅の店舗や、自動車修理店等)を含むものとすることもでき、さらに、「対象道路」や「迂回経路」に関する交通関連クリエイティブであってもよい。
このうち、交通関連クリエイティブは、種々様々な形式・内容のものとすることができる。例えばウェブ(Web)広告の形式のものであってよく、プッシュ通知で端末ユーザへ提示される形式のものとすることも可能である。また、提示対象者群に対し一律に1つの「心理効果迂回情報」を配信する場合、この交通関連クリエイティブは、(提示対象者群がその配信エリアに所在若しくは居住していることが分かっている場合において)サービスエリアや街頭等に設置されたディスプレイ装置、又はデジタルサイネージ等で表示される映像・音声クリエイティブであってもよく、また、テレビやラジオ等のCM(Commercial Message)コンテンツとすることもできる。
以上詳細に説明したように、本発明によれば、それぞれある属性を有する提示対象者に対し提示した/提示する心理効果迂回情報の奏した/奏する迂回促進効果の程度を表す迂回推定情報を生成することによって、これらの提示対象者に提示することで所望の程度の迂回促進効果が奏功されるような「心理効果迂回情報」を決定することができる。言い換えると、これらの提示対象者の属性に合わせた「心理効果迂回情報」を決定して、迂回情報提示による迂回促進効果を調整することが可能となるのである。
例えば、対象経路の交通量を所定以上に小さな量とした上で(又は所定範囲内に収めた上で)迂回経路の交通量も所定範囲内とする(迂回経路において相当の交通量をもたらし且つ渋滞を発生させない)ような適切な「心理効果迂回情報」を決定することもできる。すなわち、とにかく多くの提示対象者(に係る経路移動体)を迂回させるのではなく、例えば対象経路も迂回経路もともに良好な若しくは所望の交通状態となるように迂回情報提示を調整することも可能となるのである。
また本発明によれば、心理効果の加味された迂回情報を適切に選択することによって、例えば当該迂回情報を提示された高速道路利用者における、より安全な、より快適な又はより利便性の高くなる方向への行動変容を促すことも可能となるのである。
以上に述べた本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲内での種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。以上に述べた説明はあくまで例示であって、何ら制約を意図するものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ制約される。
1 迂回情報提示装置(提示迂回情報決定装置)
101 通信インタフェース部
102 心理効果統計情報データベース(DB)
103 属性情報DB
104 対象者リストDB
105 交通量DB
106 配信効果情報保存部
107 心理効果迂回情報DB
111 通信制御部
112 属性情報取得・抽出部
112a 対象者決定部
113 心理効果統計取得部
113a 心理効果統計生成部
114 迂回推定情報生成部
115 提示心理効果決定部
115a 対象・迂回経路交通量推定部
116 提示前交通量取得部
117 迂回情報配信部
2 道路交通情報管理サーバ
3 契約情報管理サーバ
4 心理効果統計情報生成サーバ
5 基地局
6 アクセスポント(AP)
7 端末

Claims (10)

  1. 対象経路を含む経路網を移動可能な複数の経路移動体が当該対象経路を通らずに、そこへ迂回させるべき経路として予め設定された迂回経路への迂回を行うことを促すべく、前記複数の経路移動体に係る複数の対象者に向けて提示すべき当該迂回に係る情報を決定する装置であって、
    前記複数の対象者の各々についての属性に係る情報を取得する属性情報取得手段と、
    予め設定された少なくとも1つの属性項目を含む属性の当該属性毎に、予め設定された複数種別の心理効果のそれぞれが加味された当該迂回に係る情報である複数の心理効果迂回情報の各々と、当該心理効果迂回情報を提示された者であって当該属性を有する者に係る経路移動体が、当該迂回を行ったか否か又は行うか否かに係る情報である迂回統計情報とを対応付けて記録した属性・心理効果統計情報を取得する心理効果統計取得手段と、
    取得された当該属性に係る情報から、当該属性・心理効果統計情報に基づき、所定条件を満たす種別の心理効果の加味された当該心理効果迂回情報を当該対象者に向けて提示した場合における、当該迂回を行う当該経路移動体の数又は割合に係る情報である迂回推定情報を生成する迂回推定情報生成手段と、
    当該迂回推定情報に基づいて、前記複数の対象者に向けて提示すべき当該心理効果迂回情報を決定する提示心理効果決定手段と
    を有することを特徴とする提示迂回情報決定装置。
  2. 当該属性・心理効果統計情報は、当該迂回統計情報として、当該心理効果迂回情報を提示された者であって当該属性を有する者に係る経路移動体が、当該迂回を行った又は行う割合である迂回割合を含み、
    前記迂回推定情報生成手段は、前記複数の対象者の各々における当該対象者の有する属性に対応付けられた当該迂回割合のうちで、最も高い迂回割合及び/又は第2位以降の所定順位の高さを有する迂回割合を決定して、決定した当該迂回割合に係る心理効果の加味された当該心理効果迂回情報を、前記複数の対象者の各々である当該対象者に向けて個別に提示した場合における当該迂回推定情報を生成し、
    前記提示心理効果決定手段は、最も高い及び/又は第2位以降の所定順位の高さを有する迂回割合に係る当該迂回推定情報に基づき、当該対象経路を通らずに当該迂回経路を通る当該経路移動体の数又は割合を推定して、推定した当該数又は割合から当該迂回経路の交通量を推定し、推定した当該迂回経路の交通量と、予め設定された当該迂回経路に係る許容交通量とを比較して、前記複数の対象者又はそのうちから選択した者の各々に向けて個別に提示すべき個々の当該心理効果迂回情報を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の提示迂回情報決定装置。
  3. 前記迂回推定情報生成手段は、最も高い迂回割合及び第2位以降の所定順位の高さを有する迂回割合に係る当該迂回推定情報を生成し、
    前記提示心理効果決定手段は、
    最も高い迂回割合に係る当該迂回推定情報に基づき、当該対象経路を通らずに当該迂回経路を通る当該経路移動体の数又は割合を推定して、推定した当該数又は割合から当該迂回経路の交通量を推定し、
    第2位以降の所定順位の高さを有する迂回割合に係る当該迂回推定情報に基づき、当該対象経路を通らずに当該迂回経路を通る当該経路移動体の数又は割合を推定して、推定した当該数又は割合から当該迂回経路の交通量を推定し、
    推定した当該迂回経路の交通量の各々と、当該許容交通量とを比較して、前記複数の対象者又はそのうちから選択した者の各々に向けて個別に提示すべき個々の当該心理効果迂回情報を決定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の提示迂回情報決定装置。
  4. 当該心理効果迂回情報を提示する前での当該迂回経路の交通量である迂回経路提示前交通量、及び当該心理効果迂回情報を提示する前での当該対象経路の交通量である対象経路提示前交通量を取得する提示前交通量取得手段を更に有し、
    前記提示心理効果決定手段は、
    推定した当該数又は割合と、取得された当該迂回経路提示前交通量とから、当該心理効果迂回情報を提示した後での当該迂回経路の交通量を推定し、また、推定した当該数又は割合と、取得された当該対象経路提示前交通量とから、当該心理効果迂回情報を提示した後での当該対象経路の交通量を推定し、
    推定した当該迂回経路の交通量と当該迂回経路に係る許容交通量とを比較し、また、推定した当該対象経路の交通量と予め設定された当該対象経路に係る許容交通量とを比較して、当該個別に提示すべき個々の当該心理効果迂回情報を決定する
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の提示迂回情報決定装置。
  5. 前記提示心理効果決定手段は、前記複数の対象者に向けて一律に提示すべき1つの当該心理効果迂回情報を決定することを特徴とする請求項1に記載の提示迂回情報決定装置。
  6. 前記提示心理効果決定手段は、前記複数の対象者に向けて提示すべきと決定された当該心理効果迂回情報を提示したとすると、推定された当該迂回推定情報から推定される当該迂回経路の交通量が、予め設定された当該迂回経路に係る許容交通量を超えると予測される場合に、その旨を当該対象者に向けて通知すべきことを決定することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の提示迂回情報決定装置。
  7. 取得される当該属性に係る情報は、1つの属性項目として当該対象者の居住地又は所在地域に係る情報を含み、
    前記提示心理効果決定手段は、当該迂回推定情報に基づいて、当該対象者に向けて提示すべき当該心理効果迂回情報であって、該対象者の所在地域又は居住地域に関係する内容も含む当該心理効果迂回情報を決定する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の提示迂回情報決定装置。
  8. 当該経路移動体の移動する経路は道路又は道路区間であって、当該経路移動体は自動車、二輪車、及び/又は、道路を移動可能な他の移動体であり、当該迂回に係る情報は、当該対象経路を通らずに当該迂回経路を通ることを促す情報を含む道路交通情報であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の提示迂回情報決定装置。
  9. 対象経路を含む経路網を移動可能な複数の経路移動体が当該対象経路を通らずに、そこへ迂回させるべき経路として予め設定された迂回経路への迂回を行うことを促すべく、前記複数の経路移動体に係る複数の対象者に向けて提示すべき当該迂回に係る情報を決定する装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
    前記装置は、
    前記複数の対象者の各々についての属性に係る情報を取得する属性情報取得手段と、
    予め設定された少なくとも1つの属性項目を含む属性の当該属性毎に、予め設定された複数種別の心理効果のそれぞれが加味された当該迂回に係る情報である複数の心理効果迂回情報の各々と、当該心理効果迂回情報を提示された者であって当該属性を有する者に係る経路移動体が、当該迂回を行ったか否か又は行うか否かに係る情報である迂回統計情報とを対応付けて記録した属性・心理効果統計情報を取得する心理効果統計取得手段と
    を有し、前記プログラムは、
    取得された当該属性に係る情報から、当該属性・心理効果統計情報に基づき、所定条件を満たす種別の心理効果の加味された当該心理効果迂回情報を当該対象者に向けて提示した場合における、当該迂回を行う当該経路移動体の数又は割合に係る情報である迂回推定情報を生成する迂回推定情報生成手段と、
    当該迂回推定情報に基づいて、前記複数の対象者に向けて提示すべき当該心理効果迂回情報を決定する提示心理効果決定手段と
    してコンピュータを機能させることを特徴とする提示迂回情報決定プログラム。
  10. 対象経路を含む経路網を移動可能な複数の経路移動体が当該対象経路を通らずに、そこへ迂回させるべき経路として予め設定された迂回経路への迂回を行うことを促すべく、前記複数の経路移動体に係る複数の対象者に向けて提示すべき当該迂回に係る情報を決定する装置に搭載されたコンピュータにおける方法であって、
    前記装置は、
    前記複数の対象者の各々についての属性に係る情報を取得する属性情報取得手段と、
    予め設定された少なくとも1つの属性項目を含む属性の当該属性毎に、予め設定された複数種別の心理効果のそれぞれが加味された当該迂回に係る情報である複数の心理効果迂回情報の各々と、当該心理効果迂回情報を提示された者であって当該属性を有する者に係る経路移動体が、当該迂回を行ったか否か又は行うか否かに係る情報である迂回統計情報とを対応付けて記録した属性・心理効果統計情報を取得する心理効果統計取得手段と
    を有し、前記方法は、
    取得された当該属性に係る情報から、当該属性・心理効果統計情報に基づき、所定条件を満たす種別の心理効果の加味された当該心理効果迂回情報を当該対象者に向けて提示した場合における、当該迂回を行う当該経路移動体の数又は割合に係る情報である迂回推定情報を生成するステップと、
    当該迂回推定情報に基づいて、前記複数の対象者に向けて提示すべき当該心理効果迂回情報を決定するステップと
    を有することを特徴とする提示迂回情報決定方法。
JP2020188525A 2020-11-12 2020-11-12 提示すべき心理効果迂回情報を対象者の属性に基づき決定する装置、プログラム及び方法 Active JP7460507B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020188525A JP7460507B2 (ja) 2020-11-12 2020-11-12 提示すべき心理効果迂回情報を対象者の属性に基づき決定する装置、プログラム及び方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020188525A JP7460507B2 (ja) 2020-11-12 2020-11-12 提示すべき心理効果迂回情報を対象者の属性に基づき決定する装置、プログラム及び方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022077632A JP2022077632A (ja) 2022-05-24
JP7460507B2 true JP7460507B2 (ja) 2024-04-02

Family

ID=81706604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020188525A Active JP7460507B2 (ja) 2020-11-12 2020-11-12 提示すべき心理効果迂回情報を対象者の属性に基づき決定する装置、プログラム及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7460507B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008002854A (ja) 2006-06-20 2008-01-10 Toyota Motor Corp 経路案内装置
JP2015219054A (ja) 2014-05-15 2015-12-07 日産自動車株式会社 交通量分散システム及び交通量分散方法
JP2019101580A (ja) 2017-11-29 2019-06-24 株式会社東芝 情報処理装置および情報処理方法
WO2019181328A1 (ja) 2018-03-19 2019-09-26 本田技研工業株式会社 地図提供サーバ及び地図提供方法
JP2020149251A (ja) 2019-03-12 2020-09-17 Kddi株式会社 ユーザの定常的行動を変容させる情報提示装置、プログラム及び方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008002854A (ja) 2006-06-20 2008-01-10 Toyota Motor Corp 経路案内装置
JP2015219054A (ja) 2014-05-15 2015-12-07 日産自動車株式会社 交通量分散システム及び交通量分散方法
JP2019101580A (ja) 2017-11-29 2019-06-24 株式会社東芝 情報処理装置および情報処理方法
WO2019181328A1 (ja) 2018-03-19 2019-09-26 本田技研工業株式会社 地図提供サーバ及び地図提供方法
JP2020149251A (ja) 2019-03-12 2020-09-17 Kddi株式会社 ユーザの定常的行動を変容させる情報提示装置、プログラム及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022077632A (ja) 2022-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9898759B2 (en) Methods and systems for collecting driving information and classifying drivers and self-driving systems
Tuli et al. Factors influencing the usage of shared E-scooters in Chicago
Khattak et al. Willingness to pay for travel information
US6587780B2 (en) System and method for disseminating traffic information
US20050004842A1 (en) Business method for selling advertisements and traffic related services on electronic billboards
Khoo et al. User requirements and route choice response to smart phone traffic applications (apps)
JP6919405B2 (ja) デジタルサイネージ制御装置、デジタルサイネージ制御方法、プログラム、記録媒体
US20140050122A1 (en) System and method for connecting commuters traveling on a mass transit system
US20150095157A1 (en) Methods and systems for defining targeted geographic zones for delivering electronic content
US20150150035A1 (en) Method and system for monitoring exposure to physical advertisments
JP6493969B2 (ja) サービス情報配信装置及びサービス情報配信システム
JP6837735B2 (ja) 地域情報共有装置、地域情報共有システム及びプログラム
Wolinetz et al. Why will some individuals pay for travel information when it can be free? Analysis of a Bay Area traveler survey
JP7460507B2 (ja) 提示すべき心理効果迂回情報を対象者の属性に基づき決定する装置、プログラム及び方法
Tikoudis et al. Exploring the impact of shared mobility services on CO2
EP3435248A1 (en) Congestion management device, congestion management program, and congestion management method
Khoo et al. Analysis of awareness and use of traffic information system with revealed preference data: case study of Klang Valley, Malaysia
de Sousa et al. SEGMETRIK: Protocol and metrics for advertisement performance tracking in VANETs
Xu et al. Monitoring neighboring vehicles for safety via V2V communication
JP6472895B2 (ja) 環境に優しい交通手段を促進するための方法およびシステム
JP7423492B2 (ja) 滞在点間の最短・好適経路に基づき迂回判定を行う装置、プログラム及び方法
JP7495330B2 (ja) 経路移動体の滞在点に基づき対象経路に係る情報の配信対象を決定する装置、プログラム及び方法
Teng et al. Parking search time and information identification for off-street spaces in New York City
KR101062823B1 (ko) 문자메시지를 이용한 실시간 교통정보 제공시스템 및 그 방법
Pongprasert et al. Why TOD residents still use car? A study on factors affecting the automobile ownership and use of residents living near transit stations of Bangkok

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231019

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240307

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240321

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7460507

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150