JP7460037B1 - 複合硬質クロムめっき、摺動部材 - Google Patents

複合硬質クロムめっき、摺動部材 Download PDF

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Abstract

耐摩耗性に優れた複合硬質クロムめっき皮膜、および、前記皮膜を被覆した摺動部材を提供することを目的とする。具体的には、複合硬質クロムめっき皮膜の表面粗さRaが0.05~1.0である複合硬質クロムめっき皮膜を提供する。また、複合硬質クロムめっき皮膜の断面における前記板状アルミナの方向角Af(アルミナの方向角Afは下記の式(1)または式(2)によって求められる)が0~45°となる複合硬質クロムめっき皮膜とすることを特徴とする。

Description

本発明は、複合硬質クロムめっき皮膜において、3価クロムを使用する複合硬質クロムめっき皮膜、および、前記皮膜を被覆したピストンリング等の摺動部材に関する。
一般的にクロムめっきは、その優れた耐食性、耐変色性から、金属光沢を長く維持することができるため、装飾めっきとして広く用いられている。また、クロムめっきは、硬度が800~950Hv程度と高く、耐摩耗性に優れ、低い摩耗係数を有するので、硬質クロムめっきとして機械部品等に広く用いられている。しかし、これらめっきに用いられるめっき液には、有害な6価クロムが主成分として用いられている。6価クロムは、健康保全上、環境保全上の観点より、高懸念物質として指定されており、6価クロムを用いないクロムめっきの開発が求められている。
6価クロムの代替として有害性の低い3価クロムを使用したクロムめっきが提案されている。3価クロムめっきは、膜厚5μm以下の比較的薄めっきにおいて、色調や耐食性に優れるため、装飾めっきとして実用化されている。しかし、硬質クロムめっきとしては、耐摩耗性が十分に高いとは言えず、実用化には至らないものであった。
そこで、耐摩耗性を向上させる方法として、クロムめっき中に耐摩耗性に優れた複数のセラミックス粒子を10~30容量%含有させる方法が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。また、めっき硬度と耐摩耗性に相関関係があることに着目し、板状および/または繊維状のアルミナ粒子を含有させ、熱処理時のクラックの拡大と進展を抑制し、硬度を向上させる方法が提案されている(特許文献4)。
特開2013-241656号公報 特開2016-216833号公報 特開2018-159099号公報 特開2014-196533号公報
しかしながら、複合硬質クロムめっき皮膜における耐摩耗性の指標となる、摩擦係数と摩耗痕の大きさの値は依然として改善の余地があった。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、耐摩耗性に優れた複合硬質クロムめっき皮膜、および、前記皮膜を被覆した摺動部材を提供することにある。
本発明者らは、複合硬質クロムめっき皮膜中におけるセラミックス粒子の状態について詳細に検討をした。複合硬質クロムめっき皮膜の耐摩耗性を、回転摺動試験から得られる摩擦係数、および相手材への攻撃性の指標となる相手材摩耗痕幅を測定することで評価し、鋭意研究した結果、複合硬質クロムめっき皮膜の表面粗さRaが0.05~1.0となるようにすることで、耐摩耗性に優れるめっき皮膜が得られることを見出した。
また、複合硬質クロムめっき皮膜の断面における前記板状アルミナの方向角A(アルミナの方向角Aは下記の式(1)または式(2)によって求められる)が0~45°となるようにすることで、耐摩耗性に優れるめっき皮膜が得られることを見出した。
=θ・・・・・・・(1)
=180-θ・・・(2)
(式中、θは、画像解析ソフトより求められ、塗膜面と平行な軸に対するアルミナの主軸の傾きを示したものであり、θ≦90°の場合は式(1)を、90°<θの場合は式(2)を用いる。)
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) 板状アルミナを含む複合硬質クロムめっき皮膜であって、
前記複合硬質クロムめっき皮膜のクロム源が3価クロムであり、
前記複合硬質クロムめっき皮膜の表面粗さRaが0.05~1.0である、複合硬質クロムめっき皮膜。
(2) 板状アルミナを含む複合硬質クロムめっき皮膜であって、
前記複合硬質クロムめっき皮膜のクロム源が3価クロムであり、
前記複合硬質クロムめっき皮膜の断面における前記板状アルミナの方向角A(アルミナの方向角Aは下記の式(1)または式(2)によって求められる)が0~45°である、複合硬質クロムめっき皮膜。
=θ・・・・・・・(1)
=180-θ・・・(2)
(式中、θは、画像解析ソフトより求められ、塗膜面と平行な軸に対するアルミナの主軸の傾きを示したものであり、θ≦90°の場合は式(1)を、90°<θの場合は式(2)を用いる。)
(3) 板状アルミナを含む複合硬質クロムめっき皮膜であって、
前記複合硬質クロムめっき皮膜のクロム源が3価クロムであり、
前記複合硬質クロムめっき皮膜の断面における前記板状アルミナの方向角A(アルミナの方向角Aは下記の式(1)または式(2)によって求められる)が0~45°である、上記(1)に記載の複合硬質クロムめっき皮膜。
=θ・・・・・・・(1)
=180-θ・・・(2)
(式中、θは、画像解析ソフトより求められ、塗膜面と平行な軸に対するアルミナの主軸の傾きを示したものであり、θ≦90°の場合は式(1)を、90°<θの場合は式(2)を用いる。)
(4) 前記板状アルミナの平均粒子径が1μm以上15μm以下、アスペクト比が10以上50以下である上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の複合硬質クロムめっき皮膜。
(5) 前記板状アルミナが、珪素、リン、窒素および硫黄からなる群から選択される1種以上の原子を含む表面処理剤で処理されている、上記(1)~(4)のいずれか1つに記載の複合硬質クロムめっき皮膜。
(6) 前記板状アルミナが、形状制御剤由来の原子あるいは化合物を更に含む、上記(1)~(5)のいずれか1つに記載の複合硬質クロムめっき皮膜。
(7) 前記形状制御剤が、珪素、ゲルマニウム、ナトリウム、およびカリウムからなる群から選択される1種以上を含む化合物である上記(6)に記載の複合硬質クロムめっき皮膜。
(8) 前記板状アルミナが、モリブデン原子を更に含む、上記(1)~(7)のいずれか1つに記載の複合硬質クロムめっき皮膜。
(9) 上記(1)~(8)のいずれか1つに記載の複合硬質クロムめっき皮膜を被覆した摺動部材。
本発明の複合硬質クロムめっき皮膜は、めっき皮膜の表面粗さRaを制御することで、耐摩耗性に優れたものとなり、ピストンリング等の摺動部材に好適に使用することができる。
本発明の複合硬質クロムめっき皮膜は、めっき皮膜の断面における前記板状アルミナの方向角Aを制御することで、耐摩耗性に優れたものとなり、ピストンリング等の摺動部材に好適に使用することができる。
実施例1で得られたアルミナ分散クロムめっき皮膜の断面SEM画像である。 比較例1で得られたアルミナ分散クロムめっき皮膜の断面SEM画像である。
以下、本発明の一実施形態について詳細を説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。
〔複合硬質クロムめっき皮膜〕
複合硬質クロムめっき皮膜とは、クロムめっき液において、硬質粒子であるセラミックス粒子を添加し、クロムと共析させることで形成されるめっき皮膜である。前記セラミックス粒子は、めっき皮膜の耐摩耗性を向上されることが目的であり、アルミナ、炭化ケイ素、ダイヤモンド等が挙げられる。本実施形態に係るめっき皮膜は、板状のアルミナ粒子を含有する。アルミナ粒子であることで複合硬質クロムめっき皮膜の硬度が向上し、耐久性が改善する。
本実施形態の複合硬質クロムめっき皮膜において、前記複合硬質クロムめっき皮膜の断面の全面積に対する前記板状アルミナの面積比率は1%~40%であり、好ましくは5%~35%であり、特に好ましくは7%~30%である。板状アルミナの面積比率が1%以上であると、複合硬質クロムめっき皮膜に十分な硬度を与えることができ好ましい。一方板状アルミナ粒子の面積比率が40%以下であると、前記皮膜中のクロムとアルミナ粒子の含有バランスが良く、複合硬質クロムめっき皮膜の耐久性に優れ好ましい。
板状アルミナ粒子の面積比率は、電子顕微鏡装置(日本電子株式会社製、JCM7000)により得られた画像から、ソフトウェア解析(三谷商事株式会社製、WinRoof2018)により板状アルミナに相当する領域面積の総和を求め、前記画像における複合硬質クロムめっき皮膜の総断面積に対する割合として算出した。
本実施形態の複合硬質クロムめっき皮膜における、板状アルミナ粒子の取り込み量は、1%~40%であり、好ましくは5%~35%であり、特に好ましくは7%~30%である。前記範囲内にあることにより、複合硬質クロムめっき皮膜の硬度向上、耐久性改善の態様となり好ましい。
板状アルミナ粒子の取り込み量は、重量法により算出することができる。具体的には、残渣重量(g)/全析出物重量(g)から算出できる。全析出物重量は、めっき皮膜形成後の複合めっき試料の重量からめっき皮膜形成前の被めっき試料の重量を減算し求める。残渣重量は、前記複合めっき試料を硝酸に浸漬させ、得られためっき皮膜溶解液をメンブレンフィルターで濾過し、残渣を乾燥することによって求められる。
複合硬質クロムめっき皮膜では、板状アルミナ粒子の凝集物が少ない方が好ましい。凝集物の確認方法としては、電子顕微鏡装置(日本電子株式会社製、JCM7000)により得られた画像から、目視で判断することができる。
本実施形態の複合硬質クロムめっき皮膜において、前記複合硬質クロムめっき皮膜の表面粗さRaは0.05~1.0であり、好ましくは0.07~0.9であり、特に好ましくは0.1~0.8である。
表面粗さRaは複合硬質クロムめっき皮膜表面への板状アルミナ粒子の出現割合を表しており、1以下であると、前記皮膜表面の欠陥が抑制され、摩耗性が向上し好ましい。0.05以上であると、前記皮膜表面に一定の板状アルミナが存在するため、滑り性能が付与され摩耗係数が低くなり、前記皮膜の硬度も向上する為、好ましい。
表面粗さRaは、複合硬質クロムめっき皮膜表面をレーザー顕微鏡にて観察、画像データを取得し、得られた画像の表面凹凸を計測し、算術平均粗さとして、表面粗さRa(μm)を求めることができる。
本実施形態の複合硬質クロムめっき皮膜において、板状アルミナ粒子の方向角A(アルミナの方向角Aは下記の式(1)または式(2)によって求められる)が0°~45°であり、1°~40°であってもよく、5°~35°であってもよい。
=θ・・・・・・・(1)
=180-θ・・・(2)
複合硬質クロムめっき皮膜における板状アルミナ粒子の方向角Aが45°以下であると、摺動抵抗が低減し、相手材攻撃性が抑制されるため好ましい。0°以上であると、複合硬質クロムめっき皮膜の欠陥が抑制され好ましい。
通常、めっき皮膜表面近くの板状アルミナ粒子は、複合硬質クロムめっき皮膜表面に対して水平であるほど、摺動面において板状アルミナ粒子は滑り材として作用し、相手材への攻撃性が抑制されると考えられる。しかし、めっき基材付近の板状アルミナ粒子は、水平かつ密に配置される傾向が強いと、その部分の電流密度の低下を招き電析速度が遅くなり、結果としてめっき皮膜の形成が阻害される為、前記めっき皮膜に欠陥(板状アルミナ粒子付近に形成されるめっき凹部、貫通孔の発生による下地の露出等)が生じるものと考えている。
上記式中、θは、電子顕微鏡装置(日本電子株式会社製、JCM7000)により得られた画像から、ソフトウェア解析(三谷商事株式会社製、WinRoof2018)により求められる。具体的には、塗膜面と平行な軸に対するアルミナの主軸の傾きを示したものであり、θ≦90°の場合は式(1)を、90°<θの場合は式(2)を用いる。
<複合硬質クロムめっき皮膜の形成方法>
本実施形態の複合硬質クロムめっき皮膜の形成方法は、後述するクロムめっき液と、板状アルミナ粒子とを含有するクロムめっき浴を作製し、公知慣用の電気めっき法により対象物へめっき皮膜を形成する。
〔クロムめっき浴〕
本実施形態において用いられるクロムめっき浴は、クロムめっき液と板状アルミナ粒子とを含有する。
(クロムめっき液)
本実施形態で用いられるクロムめっき液は、3価クロムをクロム源とする。3価クロムとすることで、有害性の高い6価クロムを使用する必要がなくなる。3価クロムめっき液は、公知の組成に従い適宜調製して用いてもよいし、市販されている3価クロムめっき液を用いても良い。市販されているものとしては、トップファインクロムSP、トップファインクロムLG(奥野製薬工業株式会社製)、JCUTRICHROM JTCシリーズ(株式会社JCU製)、EnvirochromeおよびCPシリーズ(マクダーミッド・パフォーマンス・ソリューションズ・ジャパン株式会社製)などが挙げられる。
(板状アルミナ粒子)
本実形態で用いられる「アルミナ」は酸化アルミニウムであり、γ、δ、θ、κ等の各種の結晶形の遷移アルミナであっても、または遷移アルミナ中のアルミナ水和物を含んであっても良いが、より安定性に優れる点で、基本的にα結晶形であることが好ましい。
本明細書で用いられる「板状」とは、平均粒子径(D50)を厚みで除したアスペクト比が2以上であることを示す。なお、本明細書において、「板状アルミナ粒子の厚み」は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定された値を採用するものとする。また、「板状アルミナ粒子の平均粒子径」は、レーザー回析・散乱式粒度分布測定装置により測定された体積基準の累積粒度分布から、体積基準のメディアン径D50として算出された値とする。
本実施形態における板状アルミナ粒子の厚みは、0.05μm~1.0μmであり、好ましくは0.09μm~0.7μmであり、特に好ましくは0.1μm~0.5μmである。板状アルミナ粒子の厚みが前記範囲内にあると、より扁平な粒子となりめっき皮膜とした際に、高充填とすることが可能となるため好ましい。
本実施形態における板状アルミナ粒子のD50は、めっき物の用途や、めっき皮膜の厚み等に応じて適宜選択することができるが、中でも好ましくは1μm以上15μm以下であり、特に好ましくは2μm以上12μm以下である。板状アルミナ粒子の平均粒子径(D50)が1μm以上であると粒子の凝集が抑制され、15μm以下であると絶縁体として機能するアルミナ粒子の面積が小さくなり、めっき膜の成長が向上し好ましい。
本実施形態における板状アルミナ粒子の粒度分布は特に制限されうるものではなく、前述のメディアン粒子径の範囲であれば、どのような組み合わせであってもよいが、粒度分布がシャープであるとめっき浴中で均一に分散され、めっき皮膜を形成するという観点から好ましい。
本実施形態における板状アルミナ粒子のアスペクト比は、めっき物の用途や、めっき皮膜の厚み等に応じて適宜選択することができるが、中でも好ましくは10以上50以下であり、特に好ましくは15以上40以下である。板状アルミナ粒子のアスペクト比が前記範囲内にあることで、形成されためっき皮膜の表面が滑らかになり、耐摩耗性に優れかつ相手材への攻撃性が抑制され、好ましい。
本実施形態における板状アルミナ粒子はその他原子あるいは化合物を含んでいてもよい。具体的には、後述する製造方法により適宜添加されうる形状制御剤由来の原子あるいは化合物を含む場合がある。その他原子あるいは化合物は、一般的にアルミニウム化合物中のアルミニウム金属1モルに対して、0.01~3.0モル程度の量が含まれており、複合硬質クロムめっきの性能を損なわない範囲で、かつ、アルミナ粒子の形状制御効果を発現できる範囲で含みうる。
本実施形態における板状アルミナ粒子はさらにモリブデン原子を含む場合がある。モリブデン化合物の使用量は、特に制限されないが、アルミニウム化合物中のアルミニウム金属1モルに対して、0.01~3.0モルであることが好ましく、0.03~0.7モルであることがより好ましい。モリブデン化合物の使用量が上記範囲にあると、高アスペクト比と優れた分散性を有する板状アルミナ粒子が得られやすいことから好ましい。モリブデン原子が含まれることにより、めっき皮膜の耐摩耗性が向上し好ましい。
本実施形態の板状アルミナ粒子においてモリブデン原子がどのように存在していてもよく、アルミナ粒子の内部に取り込まれていてもよく、アルミナ粒子の外部に付着するよう形態で存在していてもよく、そのいずれの状態であってもよい。なお、アルミナ粒子の内部に取り込まれていると、めっき皮膜形成時に、モリブデンの流出が抑制され、治具の腐食を防げる観点から好ましい。
板状アルミナ粒子は、市販されているアルミナ粒子を用いても良く、後述する製造方法によって製造したアルミナ粒子を用いても良い。
クロムめっき浴に対する板状アルミナ粒子の添加量は、1g/L~40g/Lであり、3g/L~35g/Lであっても良く、5g/L~30g/Lであっても良い。
前記添加量は、用いるアルミナ粒子により適宜調製することができ、理由は定かではないが、後述する方法により製造される板状アルミナ粒子は、添加量に関わらず、複合硬質クロムめっき皮膜における、板状アルミナ粒子の方向角Aが0°~45°の範囲内とすることができる。一方、市販のアルミナ粒子を用いた場合、上記方向角Aはアルミナ粒子の添加量に対して一次関数的に大きくなる為、前記添加量は5g/L~30g/Lであると良い。
前記添加量は、複合硬質クロムめっき皮膜の断面の全面積に対する前記板状アルミナの面積比率へも影響を与えうる。後述する方法により製造される板状アルミナ粒子は、添加量が多くなるほど面積率が大きくなる為、過密状態を抑制する観点で、前記添加量は5g/L~30g/Lであると良い。一方、市販のアルミナ粒子を用いた場合、1g/L~40g/Lであると、前記比率は1%~40%の範囲となる。
前記添加量は、用いるアルミナ粒子、板状アルミナ粒子の方向角A、および、複合硬質クロムめっき皮膜の断面の全面積に対する前記板状アルミナの面積比率との関係を加味して、適宜調製することができる。
市販されているアルミナ粒子としては、セラフ(キンセイマテック社製)、セラシュール(河合石灰工業社製)等が挙げられ、粒度分布の観点から、セラフYFA02025、YFA05025、YFA10030(キンセイマテック社製)、セラシュールBMFシリーズ(河合石灰工業社製)であると良いが、これらに限定されるものではない。
<板状アルミナ粒子の製造方法>
板状アルミナ粒子を製造する場合は、特に制限されず、水熱法やフラックス法等の公知慣用の技術が適宜適用されうるが、上述の様な物性を好適に制御することができる観点から、好ましくはモリブデン化合物および形状制御剤を用いたフラックス法での製造方法が適用されうる。
より詳細には、板状アルミナ粒子の好ましい製造方法は、モリブデン化合物および形状制御剤の存在下で、アルミニウム化合物を焼成する工程を含む。
[焼成工程]
焼成工程は、モリブデン化合物および形状制御剤の存在下で、アルミニウム化合物を焼成する工程である。
(アルミニウム化合物)
アルミニウム化合物は、本発明に使用する板状アルミナ粒子の原料であり、熱処理によりアルミナになるものであれば特に限定されず、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、擬ベーマイト、遷移アルミナ(γ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナなど)、α-アルミナ、二種類の結晶相を有する混合アルミナなどが使用でき、これら前駆体としてのアルミニウム化合物の形状、粒子径、比表面積等の物理形態については、特に限定されるものではない。
後述するフラックス法によれば、板状アルミナ粒子の形状には、原料のアルミニウム化合物の形状は、殆ど反映されることはないため、例えば、球状、無定形、アスペクトのある構造体(ワイヤ、ファイバー、リボン、チューブなど)、シートなどのいずれであっても好適に用いることができる。
同様に、アルミニウム化合物の粒子径は、後述するフラックス法によれば、板状アルミナ粒子に、殆ど反映されないため、数nmから数百μmまでのアルミニウム化合物の固体を好適に用いることができる。
アルミニウム化合物の比表面積も特に限定されるものではない。モリブデンが効果的に作用するため、比表面積が大きい方が好ましいが、焼成条件やモリブデンの使用量を調整する事で、いずれの比表面積のものでも原料として使用することができる。
(形状制御剤)
本発明に好適な板状アルミナ粒子を形成するために、形状制御剤を用いることがより好ましい。形状制御剤は製造されたアルミナ粒子の表面性状に影響するほか、モリブデンの存在下でアルミナ化合物の焼成によるアルミナの板状結晶成長を促す。
形状制御剤の存在状態は、アルミニウム化合物との接触ができれば、特に制限されない。例えば、形状制御剤とアルミニウム化合物の物理的混合物、形状制御剤がアルミニウム化合物の表面または内部に均一または局在に存在した複合体などが好適に用いることができる。
また、形状制御剤をアルミニウム化合物に添加しても良いが、アルミニウム化合物中に不純物として含んでも良い。
形状制御剤の種類については、モリブデン化合物の存在下、高温焼成中、酸化モリブデンがα-アルミナの[113]面に選択的な吸着を抑制し、板状形態を形成することが出来れば、特に制限されない。よりアスペクト比が高く、より分散性に優れ、より生産性に優れる点で、モリブデン化合物とアルミニウム化合物を除く金属化合物を用いることが好ましい。具体的な形状制御剤としては、珪素原子、ナトリウム原子、ゲルマニウム原子、およびカリウム原子あるいはこれらの化合物などが例として挙げられるが、本発明に含有される形状制御剤は前記の元素や化合物に限られるものではない。
上記珪素原子あるいは珪素化合物としては、特に制限されず、公知のものが使用されうる。具体的には、金属シリコン、有機シラン、シリコン樹脂、シリカ微粒子、シリカゲル、メソポーラスシリカ、SiC、ムライト等の人工合成シリコン化合物;バイオシリカ等の天然シリコン化合物等が挙げられる。これらのうち、アルミニウム化合物との複合、混合がより均一的に形成できる観点から、有機シラン、シリコン樹脂、シリカ微粒子を用いることが好ましい。なお、上記珪素原子あるいは珪素化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
珪素原子あるいは珪素化合物の形状は、特に制限されず、例えば、球状、無定形、アスペクトのある構造体(ワイヤ、ファイバー、リボン、チューブなど)、シートなどを好適に用いることができる。
珪素原子あるいは珪素化合物の使用量は特に制限されないが、アルミニウム化合物中のアルミニウム金属1モルに対して、0.0001~1モルであることが好ましく、0.001~0.5モルであることがより好ましい。珪素原子あるいは珪素化合物の使用量が上記範囲にあると、高アスペクト比と優れた分散性を有する板状アルミナ粒子が得られやすいことから好ましい。
特に珪素原子あるいは珪素化合物を用いる場合、最終生成物のアルミナ表面に一部ムライトを形成することが、フィラーとめっきの密着性の観点から好ましい。
上記ナトリウム原子あるいはナトリウム化合物としては、特に制限されず、公知のものが使用されうる。ナトリウム原子あるいはナトリウム化合物の具体例としては、炭酸ナトリウム、モリブデンナトリウム、酸化ナトリウム、硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、金属ナトリウム等が挙げられる。これらのうち、工業的に容易入手と取扱いのし易さの観点から炭酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、酸化ナトリウム、硫酸ナトリウムを用いることが好ましい。なお、ナトリウム原子あるいはナトリウム化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ナトリウム原子あるいはナトリウム化合物の形状は、特に制限されず、例えば、球状、無定形、アスペクトのある構造体(ワイヤ、ファイバー、リボン、チューブなど)、シートなどを好適に用いることができる。
ナトリウム原子あるいはナトリウム化合物の使用量は特に制限されないが、アルミニウム化合物中のアルミニウム金属1モルに対して、0.0001~2モルであることが好ましく、0.001~1モルであることがより好ましい。ナトリウムあるいはナトリウム原子を含む化合物の使用量が上記範囲にあると、高アスペクト比と優れた分散性を有する板状アルミナ粒子が得られやすいことから好ましい。
上記ゲルマニウム原子あるいはゲルマニウム化合物としては、特に制限されず、公知のものが使用されうる。ゲルマニウム原子あるはゲルマニウム化合物の具体例としては、ゲルマニウム金属、二酸化ゲルマニウム、一酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、Ge-C結合を有する有機ゲルマニウム化合物等が挙げられる。なお、ゲルマニウム原子あるいはゲルマニウム化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ゲルマニウム原子あるいはゲルマニウム化合物の形状は、特に制限されず、例えば、球状、無定形、アスペクトのある構造体(ワイヤ、ファイバー、リボン、チューブなど)、シートなどを好適に用いることができる。
上記カリウム原子あるいはカリウム化合物としては、特に制限されないが、塩化カリウム、亜塩素酸カリウム、塩素酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、酢酸カリウム、酸化カリウム、臭化カリウム、臭素酸カリウム、水酸化カリウム、珪酸カリウム、燐酸カリウム、燐酸水素カリウム、硫化カリウム、硫化水素カリウム、モリブデン酸カリウム、タングステン酸カリウム等が挙げられる。この際、前記カリウム化合物は、異性体を含む。これらのうち、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、酸化カリウム、水酸化カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、モリブデン酸カリウムを用いることが好ましく、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、モリブデン酸カリウムを用いることがより好ましい。なお、上述のカリウム化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(モリブデン化合物)
モリブデン化合物は、後述するように、相対的に低温においてアルミナのα結晶成長にフラックス機能をする。モリブデン化合物としては、特に制限されないが、酸化モリブデン、モリブデン金属が酸素との結合からなる酸根アニオン(MoOx n-)を含有する化合物が挙げられる。
前記酸根アニオン(MoOx n-)を含有する化合物としては、特に制限されないが、モリブデン酸、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸リチウム、HPMo1240、HSiMo1240、NHMo12、二硫化モリブデン等が挙げられる。
モリブデン化合物に珪素原子および/または珪素化合物やカリウム化合物を含むことも可能であり、その場合、該珪素原子および/または珪素化合物やカリウム化合物を含むモリブデン化合物が、フラックス剤と形状制御剤と両方の役割を果たす。
上述のモリブデン化合物のうち、コストの観点から、酸化モリブデンを用いることが好ましい。また、上述のモリブデン化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
モリブデン化合物の使用量は、特に制限されないが、アルミニウム化合物中のアルミニウム金属1モルに対して、0.01~3.0モルであることが好ましく、0.03~0.7モルであることがより好ましい。モリブデン化合物の使用量が上記範囲にあると、高アスペクト比と優れた分散性を有する板状アルミナ粒子が得られやすいことから好ましい。
(焼成)
焼成の方法は、特に限定はなく、公知慣用の方法で行う事ができる。焼成温度が700℃を超えると、アルミニウム化合物と、モリブデン化合物が反応して、モリブデン酸アルミニウムを形成する。さらに、焼成温度が900℃以上になると、モリブデン酸アルミニウムが分解し、形状制御剤の作用で板状アルミナ粒子を形成する。また、板状アルミナ粒子は、モリブデン酸アルミニウムが分解することで、アルミナと酸化モリブデンになる際に、モリブデン化合物を酸化アルミニウム粒子内に取り込む事で得られる。
また、焼成する時に、アルミニウム化合物と、形状制御剤と、モリブデン化合物の状態は特に限定されず、モリブデン化合物および形状制御剤がアルミニウム化合物に作用できる同一の空間に存在すれば良い。具体的には、モリブデン化合物と形状制御剤とアルミニウム化合物との粉体を混ぜ合わせる簡便な混合、粉砕機等を用いた機械的な混合、乳鉢等を用いた混合であっても良く、乾式状態、湿式状態での混合であっても良い。
焼成温度の条件に特に限定は無く、目的とする板状アルミナ粒子の平均粒子径、アスペクト比等により、適宜、決定される。通常、焼成の温度については、最高温度がモリブデン酸アルミニウム(Al(MoO)の分解温度である900℃以上であればよい。
焼成温度は、2000℃を超えるような高温であっても実施可能であるが、1600℃以下というα-アルミナの融点よりかなり低い温度であっても、前駆体の形状にかかわりなくα結晶化率が高くアスペクト比の高い板状形状となるα-アルミナを形成することができる。
最高焼成温度が900℃~1600℃の条件であると、アスペクト比が高く、α結晶化率が90%以上である板状アルミナ粒子の形成を低コストで効率的に行うことができ、最高温度が950~1500℃での焼成がより好ましく、最高温度が980~1400℃の範囲の焼成が最も好ましい。
焼成の時間については、所定最高温度への昇温時間を15分~10時間の範囲で行い、且つ焼成最高温度における保持時間を5分~30時間の範囲で行うことが好ましい。板状アルミナ粒子の形成を効率的に行うには、10分~15時間程度の時間の焼成保持時間であることがより好ましい。
最高温度1000~1400℃かつ10分~15時間の焼成保持時間の条件を選択することで、緻密なα結晶形の板状アルミナ粒子が凝集し難く、容易に得られる。
焼成の雰囲気としては、本発明の効果が得られるのであれば特に限定されないが、例えば、空気や酸素といった含酸素雰囲気や、窒素やアルゴンといった不活性雰囲気が好ましく、コストの面を考慮した場合は空気雰囲気がより好ましい。
焼成するための装置としても必ずしも限定されず、いわゆる焼成炉を用いることができる。焼成炉は昇華した酸化モリブデンと反応しない材質で構成されていることが好ましく、さらに酸化モリブデンを効率的に利用するように、密閉性の高い焼成炉を用いる事が好ましい。
[モリブデン除去工程]
板状アルミナ粒子の製造方法は、焼成工程後、必要に応じてモリブデンの少なくとも一 部を除去するモリブデン除去工程をさらに含んでいてもよい。
上述のように、焼成時においてモリブデンは昇華を伴うことから、焼成時間、焼成温度等を制御することで、板状アルミナ粒子に含まれるモリブデン含有量を制御することができる。
モリブデンは、板状アルミナ粒子の表面に付着しうる。当該モリブデンは水、アンモニア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、酸性水溶液で洗浄することにより除去することができる。
この際、使用する水、アンモニア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、酸性水溶液の濃度、使用量、および洗浄部位、洗浄時間等を適宜変更することで、モリブデン含有量を制御することができる。
[粉砕工程]
焼成物は板状アルミナ粒子が凝集して、本発明に好適な粒子径の範囲を満たさない場合がある。そのため、板状アルミナ粒子は、必要に応じて、本発明に好適な粒子径の範囲を満たすように粉砕してもよい。焼成物の粉砕の方法は特に限定されず、ボールミル、ジョークラッシャー、ジェットミル、ディスクミル、スペクトロミル、グラインダー、ミキサーミル等の従来公知の粉砕方法を適用できる。
[分級工程]
さらに、板状アルミナ粒子は、本発明に好適な平均粒子径に調整するために、好ましくは分級処理してもよい。「分級処理」とは、粒子の大きさによって粒子をグループ分けする操作をいう。分級は湿式、乾式のいずれでも良いが、生産性の観点からは、乾式の分級が好ましい。乾式の分級には、篩による分級のほか、遠心力と流体抗力の差によって分級する風力分級などがあるが、分級精度の観点からは、風力分級が好ましく、コアンダ効果を利用した気流分級機、旋回気流式分級機、強制渦遠心式分級機、半自由渦遠心式分級機などの分級機を用いて行うことができる。上記した粉砕工程や分級工程は、後述する有機化合物層形成工程の前後を含めて、必要な段階において行うことができる。これら粉砕や分級の有無やそれらの条件選定により、例えば、得られる板状アルミナ粒子の平均粒子径を調整することができる。
板状アルミナ粒子は、凝集が少ないもの或いは凝集していないものが、本来の性質を発揮しやすく、それ自体の取扱性により優れており、また被分散媒体に分散させて用いる場合において、より分散性に優れる観点から、好ましい。板状アルミナ粒子の製造方法においては、上記した粉砕工程や分級工程は行わずに、凝集が少ないもの或いは凝集していないものが得られれば、前記工程を行う必要もなく、目的の優れた性質を有する板状アルミナを、生産性高く製造することが出来るので好ましい。
[後処理工程]
本実施形態の板状アルミナ粒子は、表面処理といった後処理をさらに行うことができる。表面処理剤により表面処理を行うことで、粒子の流動性や充填特性、溶媒親和性などを改善することができる。
前記表面処理剤は、目的に応じて適宜選択すればよいが、本用途においては、シランカップリング剤(トリアルコキシシラン類、アミノプロピルトリメチトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)、各種の有機酸、リン酸類、水ガラス(シリケート)、アルキルアミン類等が好ましく、有機酸類、水ガラス、リン酸類が特に好ましい。有機酸類、水ガラス、リン酸類のいずれかであると、表面処理された板状アルミナ粒子と強酸性のクロムめっき液との親和性が向上し、前記めっき液中における板状アルミナ粒子の分散安定性に優れる為、特に好ましい。
前記表面処理剤の処理方法は、公知の方法を用いることができ、例えば、板状アルミナ粒子が懸濁した水系液中に表面処理剤を添加する方法(インテグラルブレンド法)や、板状アルミナ粒子を機械的に撹拌させ、表面処理剤溶液を前記撹拌粒子に直接スプレーする方法(乾式スプレー法)などが挙げられる。
<用途>
本実施形態の複合硬質クロムめっき皮膜は、特に摺動部材に好適に使用することができる。摺動部材としては、例えば、コンプレッサや内燃機関に用いられる摺動部品等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
摺動部材に用いられる基材としては、一般的にはアルミニウム合金、銅合金、マグネシウム合金、ステンレス鋼や樹脂等が挙げられるが、その他にも用途に応じた基材を用いることができる。
次に本発明を、実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において、「部」および「%」は特に断りのない限り質量基準である。
(合成例1)
水酸化アルミニウム(日本軽金属株式会社製、平均粒子径12μm)50gと、二酸化珪素(関東化学株式会社製、特級)0.65gと、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社製)1.72gと、を乳鉢で混合し、混合物を得た。得られた混合物を坩堝に入れ、セラミック電気炉にて5℃/分の条件で1200℃まで昇温し、1200℃で10時間保持し焼成を行った。その後5℃/分の条件で室温まで降温後、坩堝を取り出し、34.2gの薄青色の粉末を得た。得られた粉末を乳鉢で、106μm篩を通るまで解砕した。
続いて、得られた前記薄青色粉末を0.5%アンモニア水の150mLに分散し、分散溶液を室温(25~30℃)で0.5時間攪拌後、ろ過によりアンモニア水を除き、水洗浄と乾燥を行う事で、粒子表面に残存するモリブデンを除去し、33.5gの薄青色の粉末を得た。得られた粉末はSEM観察により形状が板状であり、凝集体が極めて少ないことが確認された。さらに、XRD測定を行ったところ、α-アルミナに由来する鋭いピーク散乱が現れ、α結晶構造以外のアルミナ結晶系ピークは観察されなく、緻密な結晶構造を有する板状アルミナ粒子(A-1)であることを確認した。また、α化率は99%以上(ほぼ100%)であった。さらに、蛍光X線定量分析の結果から、得られた粒子は、モリブデンを三酸化モリブデン換算で0.8%含むものであり、ケイ素を二酸化ケイ素換算で、1.9%含むものであることを確認した。
(合成例2)
水酸化アルミニウム(日本軽金属株式会社製、平均粒子径2μm)142.3gと、二酸化珪素(関東化学株式会社製、特級)2.8gと、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社製)4.7gと、を乳鉢で混合し、混合物を得た。得られた混合物を坩堝に入れ、セラミック電気炉にて5℃/分の条件で1200℃まで昇温し、1200℃で10時間保持し焼成を行なった。その後5℃/分の条件で室温まで降温後、坩堝を取り出し、95gの薄青色の粉末を得た。
続いて、得られた前記薄青色粉末の50gを0.5%アンモニア水の150mLに分散し、分散溶液を室温(25~30℃)で0.5時間攪拌後、ろ過によりアンモニア水を除き、水洗浄と乾燥を行う事で、粒子表面に残存するモリブデンを除去し、47gの薄青色の粉末を得た。得られた粉末はSEM観察により形状が板状であることが確認された。さらに、X線回折(XRD)測定を行ったところ、α-アルミナに由来する鋭いピーク散乱が現れ、α結晶構造以外のアルミナ結晶系ピークは観察されなく、緻密な結晶構造を有する板状アルミナ粒子(A-2)であることを確認した。また、α化率は99%以上(ほぼ100%)であった。
(合成例3)
水酸化アルミニウム(日本軽金属株式会社製、平均粒子径1μm)142.3gと、二酸化珪素(関東化学株式会社製、特級)3.7gと、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社製)4.7gと、を乳鉢で混合し、混合物を得た。得られた混合物を坩堝に入れ、セラミック電気炉にて5℃/分の条件で1200℃まで昇温し、1200℃で10時間保持し焼成を行なった。その後5℃/分の条件で室温まで降温後、坩堝を取り出し、95gの薄青色の粉末を得た。
続いて、得られた前記薄青色粉末の50gを0.5%アンモニア水の150mLに分散し、分散溶液を室温(25~30℃)で0.5時間攪拌後、ろ過によりアンモニア水を除き、水洗浄と乾燥を行う事で、粒子表面に残存するモリブデンを除去し、47gの薄青色の粉末を得た。得られた粉末はSEM観察により形状が板状であることが確認された。さらに、X線回折(XRD)測定を行ったところ、α-アルミナに由来する鋭いピーク散乱が現れ、α結晶構造以外のアルミナ結晶系ピークは観察されなく、緻密な結晶構造を有する板状アルミナ粒子(A-3)であることを確認した。また、α化率は99%以上(ほぼ100%)であった。
市販のアルミナ粒子として、YFA10030(板状アルミナ粒子、キンセイマテック社製)、DAW-07(球状アルミナ粒子、デンカ株式会社製)の2種類を準備した。
(比表面積の測定:BET法)
比表面積は、BET法による窒素ガス吸着/脱着法から測定された板状アルミナ粒子1g当たりの表面積として求めることができ、JIS Z 8830:BET1点法(吸着ガス:窒素)等が挙げられる。より具体的には、アルミナ粒子の試料について、300℃3時間の条件で前処理を行った後、マイクロメリティックス社製、TriStar3000を用いて前処理後の試料の比表面積を測定した。
(平均粒子径Lの計測)
板状アルミナ粒子0.05gを0.2%ヘキサメタリン酸水溶液50gに混合し、超音波ホモジナイザーを用いて5分間分散し、レーザー光散乱回折法粒度測定機(マイクロトラックベル社製、MT3300EXII)を用いて粒度分布の測定を行い、50%体積平均径D50(μm)を求め、平均粒子径L(μm)とした。
(平均厚さDの計測)
板状アルミナ粒子について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、50個の厚さを測定した平均値を採用し、平均厚さD(μm)とした。
板状アルミナ粒子のアスペクト比L/Dは下記の式を用いて求めた。
(アスペクト比L/D)
アスペクト比=板状アルミナ粒子の平均粒子径L/板状アルミナ粒子の平均厚さD
(板状アルミナ粒子内に含まれるMo量の分析)
蛍光X線分析装置PrimusIV(株式会社リガク製)を用い、作製した試料約70mgをろ紙にとり、PPフィルムをかぶせて組成分析を行った。XRF分析結果により求められるモリブデン量を、板状アルミナ粒子100質量%に対する三酸化モリブデン換算(質量%)により求めた。
(板状アルミナ粒子のα化率の分析)
板状アルミナ粒子を0.5mm深さの測定試料用ホルダーにのせ、一定荷重で平らになる様充填し、それを広角X線回折装置(株式会社リガク製 Rint-Ultma)にセットし、Cu/Kα線、40kV/30mA、スキャンスピード2度/分、走査範囲10~70度の条件で測定を行った。α-アルミナと遷移アルミナの最強ピーク高さの比よりα化率を求めた。
Figure 0007460037000001
上記のアルミナ粒子を用いて、硬質クロムめっき皮膜を以下の条件で作製し、評価を行った。
(被めっき試料の作製)
直径30mm×厚さ2mmの円盤状のステンレス(SUS304)板(耐水研磨紙400番で機械研磨を行った2mm厚ステンレス板をプレス機で円盤状に加工し製作)を準備し、研磨面の保護シールを剥がし、よく水洗した後、側面を耐水研磨紙400番で研磨し(接点の導電性を確保するため)、再度水洗を行った。さらに表面を、アセトンを含ませた紙ワイパーで拭いて清浄にした。めっきを形成しない面にはめっき用マスキングテープ(スリーエムジャパン株式会社)を貼り付けマスクして被めっき試料とした。被めっき試料は、通電用の銅製のめっき治具に装着した。
(下地処理)
被めっき試料の下地処理は以下のように行った。まず、めっき治具に装着した被めっき試料を、約60℃の脱脂液中に5分間浸漬した。2回水洗した後、次に6Vの電圧を印加して陰極電解脱脂(約50℃、1分間)した。再び2回水洗した後、続いて酸活性化(室温、2分間)と塩化ニッケル浴(ウッド浴)によるストライクめっき(5A/dm、室温、1分間)を行い、更に2回水洗して下地処理とした。処理試薬は以下に記載した。
脱脂液:奥野製薬工業株式会社 アルカリ脱脂剤(50g/Lに調製したもの)
電解洗浄液:株式会社JCU製 硫酸-フッ化物系スケール除去剤(240g/Lに調製したもの)
酸活性化:20vol%塩酸
ウッド浴:塩化ニッケル240g/L、濃塩酸120g/Lの混合液
(めっき液の調製)
続いて、奥野製薬工業株式会社トップファインクロムSPの建浴方法に従って3価クロムめっき液を調製した。さらにアルミナ粒子の分散濃度が20g/Lとなるように板状アルミナ粒子を添加し、10分間以上攪拌して板状アルミナ複合めっき液とした。
試薬:トップファインクロムSP(奥野製薬工業株式会社製)
液性:pH 1.8~2.0(建浴時)
浴温:38±1℃
上記で準備した被めっき試料およびめっき液を用いて、以下に示す条件にて複合硬質クロムめっき皮膜を形成したサンプルを作製した。
(被めっき試料のめっき槽中での配置)
被めっき試料は、ビーカーの内側面から約1cm離れたところの液深中央付近で、陰極と正対して、かつ約1.5cm離して設置した。また、被めっき試料の辺部へのめっき偏析を防止するため、被めっき試料と陰極の間に直径2.5cmの円孔を開けたプラスチック製遮蔽板を、円孔の位置と被めっき試料が略重なるように、かつ約10mm離して設置した。
(電析条件)
電流密度:20A/dm2
陰極:被めっき物(ステンレス製円盤)/銅製治具
陽極:IrO-Ta混合金属酸化物被覆チタン電極(MMO187 LOC メッシュタイプ:N、コーティング:20g/m、ユミコアジャパン株式会社製20×5cm めっき実施時は被めっき試料に向かい合う部分(縦5cm×横4cm 裏表)以外はポリプロピレン板(1mm)にて遮蔽を行う。)
撹拌:マグネチックスターラー 回転数300rpm(テフロン(登録商標)被覆攪拌子 全長5×Φ0.8cm)
めっき時間:80分
(実施例1)
奥野製薬工業株式会社トップファインクロムSPの建浴方法に従って3価クロムめっき液を調製した。作製した3価クロムめっき液に、板状アルミナ粒子(A-1)を20g/Lの濃度で添加した。研磨、下地処理を施した被めっき試料を上記めっき浴に浸漬し、陰極:被めっき物(ステンレス製円盤)/銅製治具、陽極:IrO-Ta混合金属酸化物被覆チタン電極として、めっき浴を撹拌しながら、電流密度20A/dm、めっき浴温38±1℃、印加時間80分の複合硬質クロムめっき処理を行い、被めっき試料に膜厚約10μmの複合硬質クロムめっき皮膜を形成した。
(実施例2)
板状アルミナ粒子として板状アルミナ粒子(A-2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、膜厚約20μmの複合硬質クロムめっき皮膜を形成した。
(実施例3)
板状アルミナ粒子として板状アルミナ粒子(A-3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、膜厚約30μmの複合硬質クロムめっき皮膜を形成した。
(実施例4)
板状アルミナ粒子として市販のYFA10030(キンセイマテック社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、膜厚約20μmの複合硬質クロムめっき皮膜を形成した。
(比較例1)
アルミナ粒子を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚約10μmの複合硬質クロムめっき皮膜を形成した。
(比較例2)
球状アルミナ粒子として市販のDAW-07(デンカ社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、膜厚約10μmの複合硬質クロムめっき皮膜を形成した。
作製したサンプルについて、下記方法に従い評価を行い、表3に結果をまとめた。
<膜厚の評価>
上記で得られた板状アルミナ複合クロムめっき試料について、その中心を通る直線の位置を、精密砥石切断機FS-B10E(富士精砥株式会社)で垂直に切断して、得られた断面の中央と中央から左右それぞれ1cm離れた点をマイクロスコープHiRox-01(株式会社ハイロックスジャパン)で観察し、画像解析から複合硬質クロムめっき皮膜の膜厚を決定し、3点の平均値を求めた。
<摩耗係数の測定>
作製したサンプルの摺動特性は、一定荷重式トライボ試験機によるボール・オン・ディスク摩擦摩耗試験により、摩擦係数を測定することで求めた。測定条件は以下によった。
試験装置:ブルカー社製UMT TriboLab型トライボ試験機
相手材:9mm径SUJ2鋼材球 (硬度800~850Hv)回転摺動
回転半径:5mm
速度:5.0cm/秒
荷重:2.00N
測定環境:温度26℃、湿度59%RH
<表面粗さRaの測定>
板状アルミナ複合クロムめっき試料の中央部から5mmの部分(摺動試験の軌道に当たる箇所)をレーザー顕微鏡により観察し、画像データとして取得した。得られた画像の一部約260μmの範囲を直線走査することにより表面凹凸を計測し、算術平均粗さ(表面粗さ)Ra(μm)を求めた。
<研磨痕幅の計測>
複合硬質クロムめっき試料の研磨痕の幅は、以下のレーザー顕微鏡を用いて計測し、得られた画像を画像解析ソフトにより評価した。相手材の研磨痕は、以下のマイクロスコープを用いて、同様に計測し、画像解析ソフトウエアを用いて計測した。
レーザー顕微鏡:オリンパス株式会社製 走査型共焦点レーザー顕微鏡 OLS4000
倍率条件:1000倍
解析ソフト:LEXT OLS4000 ver.2.2.4.
マイクロスコープ:ハイロックスジャパン株式会社製デジタルマイクロスコープ HRX-01
ディスプレイへの拡大倍率:200倍
解析ソフトウエア:HRX-01 ver.2.07
<板状アルミナ粒子の面積共析量の算出>
面積共析量は、電子顕微鏡で下記条件によって撮像したサンプル断面画像の解析から、板状アルミナに相当する領域面積の総和を求め、複合硬質クロムめっき皮膜の断面の全面積の割合から求めた。顕微鏡観察条件は以下に記載した。
電子顕微鏡装置:日本電子株式会社製JCM7000
撮影倍率:3000倍
解析ソフトウエア:三谷商事株式会社製WinRoof2018
アルミナとして認識する輝度閾値:ソフトウエアの解析による自動設定機能を用いた。
<板状アルミナ粒子の方向角Aの測定>
電子顕微鏡によるサンプル断面観察から、クロムめっき皮膜中に存在する板状アルミナのそれぞれの方向を角θとして画像解析ソフトウエアを用いて、以下の式(1)又は式(2)により求め、フィラー方向角Afとした。
=θ・・・・・・・(1)
=180-θ・・・(2)
測定条件は以下の通りとした。
電子顕微鏡装置:日本電子株式会社製JCM7000
撮影倍率:3000倍
解析ソフトウエア:三谷商事株式会社製WinRoof2018
アルミナとして認識する輝度閾値:ソフトウエアの解析による自動設定機能を用いた。
Figure 0007460037000002
実施例1~4の複合硬質クロムめっき皮膜は摩擦係数が低く、良好な摺動性を有することが確認された。
一方、比較例1および2では摩耗係数が高く、摺動性に劣ることが確認された。

Claims (7)

  1. 板状アルミナを含む複合硬質クロムめっき皮膜であって、
    前記複合硬質クロムめっき皮膜のクロム源が3価クロムであり、
    前記複合硬質クロムめっき皮膜の表面粗さRaが0.05~1.0である、複合硬質クロムめっき皮膜。
  2. 前記板状アルミナの平均粒子径が1μm以上15μm以下、アスペクト比が10以上50以下である請求項1に記載の複合硬質クロムめっき皮膜。
  3. 前記板状アルミナが、珪素、リン、窒素および硫黄からなる群から選択される1種以上の原子を含む表面処理剤で処理されている、請求項1又は2に記載の複合硬質クロムめっき皮膜。
  4. 前記板状アルミナが、形状制御剤由来の原子あるいは化合物を更に含む、請求項1又は2に記載の複合硬質クロムめっき皮膜。
  5. 前記形状制御剤が、珪素、ゲルマニウム、ナトリウム、およびカリウムからなる群から選択される1種以上を含む化合物である請求項に記載の複合硬質クロムめっき皮膜。
  6. 前記板状アルミナが、モリブデン原子を更に含む、請求項1又は2に記載複合硬質クロムめっき皮膜。
  7. 請求項1又は2に記載の複合硬質クロムめっき皮膜を被覆した摺動部材。
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