JP7458875B2 - シリカ被覆酸化チタンの製造方法およびシリカ被覆酸化亜鉛の製造方法 - Google Patents

シリカ被覆酸化チタンの製造方法およびシリカ被覆酸化亜鉛の製造方法 Download PDF

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本発明は、シリカ被覆酸化チタンの製造方法およびシリカ被覆酸化亜鉛の製造方法に関する。
酸化チタンは、化学的な安定性に優れているほか、白色度が高いなど光学的にも優れた特徴を有するため、触媒、触媒担体、顔料など広い分野で工業的に利用されている。
触媒としては、火力発電所の燃焼排ガスからの窒素酸化物の除去に用いられるアンモニア脱硝触媒が代表的な利用例であり、酸化チタン担体に酸化バナジウムを担持した触媒が広く用いられている(特許文献1)。
酸化チタンは、化学的に安定であるが、高温では徐々に焼結して比表面積が低下する。
特にアナターゼ型の酸化チタンは、600℃以上では徐々に、800℃以上では短時間のうちに比表面積が大きく低下するとともに、ルチル型に相変化する。担体の比表面積の低下は触媒活性の低下につながることから、その抑制法が求められている。
600℃以上の高温で焼成した後でも高表面積を維持し、耐熱性に優れた触媒担体用のシリカ修飾チタニアの製造方法として、チタンアルコキシドとケイ素アルコキシドとを含有する混合物をアルコール溶媒中で反応させ、得られた反応生成物を焼成することを特徴とする触媒担体用シリカ修飾チタニアの製造方法(特許文献2)、あるいはチタンアルコキシドとケイ素アルコキシドとを含有する混合物を炭化水素などの無極性溶媒中で反応させ、得られた反応生成物を焼成することを特徴とする触媒担体用シリカ修飾チタニアの製造方法(特許文献3)などが提案されている。
しかし、これらの方法では、原料として高価なアルコキシドを用いる必要があり、さらに製造工程の面でも、引火性の高い有機溶媒を多量に用いることから、工業的な大量生産を行う上では課題が多いのが実情である。
特許文献4には、微粒子シリカとシリカゾルから選ばれる少なくとも1種のシリカ材料の存在下に、このシリカ材料に対してハロゲン化チタンを酸化チタン換算にてTiO/SiO重量比で90/10~50/50の範囲にて含むハロゲン化チタン水溶液を60~95℃の範囲の温度に加熱し、上記ハロゲン化チタン水溶液のpHが1.0以下にあるように上記ハロゲン化チタン水溶液にアルカリ性物質を加えながら、上記ハロゲン化チタンを熱加水分解すると共に、上記ハロゲン化チタンの熱加水分解によって生成するハロゲン化水素を上記アルカリ性物質で中和して、沈殿物を生成させ、この後、得られた反応混合物に更に上記アルカリ性物質を加えて、その反応混合物のpHを3~7の範囲とし、次いで、上記沈殿物を濾過し、水洗し、乾燥することを含むシリカ含有含水酸化チタンの製造方法が開示されている。
この方法で得たシリカ含有含水酸化チタンを300℃以上、好ましくは、500~900℃の範囲の温度で焼成することにより、高温で焼成した後にも、アナターゼ型結晶形と同程度の高比表面積を有し、しかも、適度の細孔容積を有し、従って、例えば、触媒や触媒担体として好適に用いることができるシリカ含有アナターゼ型酸化チタンが得られるとされている。
この方法によれば、800℃で焼成しても高い比表面積とアナターゼ型を保つアナターゼ型酸化チタンを経済的に有利な方法で製造することができる。しかし、シリカの添加効果を十分に発揮させるためには、TiO/SiO重量比で90/10~50/50の範囲とする、即ちシリカの含有量を比較的高くする必要があり、その点で経済性に課題が残る。
酸化亜鉛は、触媒担体や硫化水素の吸着材として用いられている(特許文献5、6)。これらの用途では、耐熱性が求められるが、酸化亜鉛は耐熱性が低く、300℃を超える温度では、比表面積が経時的に低下することが知られており、耐熱性の改良された酸化亜鉛が望まれている。
酸化チタンおよび酸化亜鉛は、顔料としても幅広く用いられている。この用途では、酸化チタンおよび酸化亜鉛の光触媒機能などの表面活性の強さから、他の配合物を分解、変成させることが問題となっており、シリカによる被覆処理が広く行われている。
シリカ被覆酸化チタンおよびシリカ被覆酸化亜鉛の製造方法としては、いくつかの方法が知られている。
特許文献7には、酸化チタン粒子を水中に分散させてスラリーを形成し、pHを8以上、温度を60℃以上に維持しながら、SiO換算で1~10%の水溶性ケイ酸塩を加え、撹拌しながら酸またはアンモニウム塩を添加し反応させてpHを4~8として、生成するシリカ沈殿の実質的に全部を酸化チタン粒子の表面を被覆する連続被膜として析出させる方法が開示されている。
特許文献8には、酸化チタンの水性スラリーを酸性にし、該スラリーへ有機シラン化合物を添加して加水分解を行ない、該酸化チタンの粒子表面に有機シラン化合物の加水分解生成物を固着させることを特徴とする酸化チタン顔料の製造方法が開示されている。
特許文献9には、平均粒子径10~50nmの微粒子酸化チタンまたは微粒子酸化亜鉛を基材とし、該基材の表面に第1の層として、水系で、ケイ酸アルカリ金属塩を用いて、上記基材に対して、SiO換算で0.5~10質量%の含水シリカ層を形成した後、乾燥工程を経ずに、第2の層として、低級アルコールと水とが存在する系で、平均重合度が4~8のテトラメトキシシランのオリゴマーを用いて、上記基材に対して、SiO換算で5~39.5質量%の含水シリカ層を形成する工程を経由して、基材の表面を該基材に対して15~40質量%のシリカで被覆することを特徴とするシリカ被覆微粒子酸化チタンまたはシリカ被覆微粒子酸化亜鉛の製造方法が開示されている。
これらの従来のシリカ被覆酸化チタンまたはシリカ被覆酸化亜鉛の製造方法は、いずれも湿式の処理法である。湿式の処理では、処理工程において酸化チタン粒子または酸化亜鉛粒子の凝集が起こりやすく、顔料のように他の材料中に高度に分散させて使用する場合は、処理後のシリカ被覆酸化チタン粒子またはシリカ被覆酸化亜鉛粒子の粉砕処理が必要となる場合がある。触媒のように成型体として酸化チタンまたは酸化亜鉛を用いる場合では、成型後の酸化チタンまたは酸化亜鉛を湿式の処理に供すると、成型体の強度低下や粉化を招く懸念がある。
非特許文献1には、酸化チタンを真空チャンバーの中で、環状シロキサンの一種であるテトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)と80℃で30分接触(圧力:0.8±0.1hPa)させ、次いで100℃の減圧下で物理吸着したTMCTSを除去したのち、空気中500℃で焼成するシリカ被覆酸化チタンの製造方法が示されている。
この方法では、湿式の処理工程がないので、酸化チタン粒子の凝集は起こりにくく、また成型体を処理した場合でも強度低下の懸念は少ない。しかし、このような減圧下での処理を伴う製造工程は、設備費用もかさみ、工業的に経済的に実施するには困難が多い。
以上をまとめると、酸化チタンを製造する際に、シリカまたはシリカ前駆体を共存させ、酸化チタン中に微細なシリカを共存させることで、耐熱性に優れ、触媒担体として好適に使用できるシリカ修飾酸化チタンが得られることは知られている。酸化チタンまたは酸化亜鉛を分散させた水溶液中で、シリカ前駆体を分解し、酸化チタンまたは酸化亜鉛上にシリカを析出させることにより、酸化チタンまたは酸化亜鉛の粒子表面をシリカで被覆する方法も知られている。しかし、それらの製造方法を工業規模で実施するにはなお課題が多いのが実情である。
特開昭50-51966号公報 特開2000-254493号公報 特開2000-254494号公報 特開2012-144399号公報 特開昭61-263634号公報 特開昭62-183833号公報 特開昭52-109531号公報 特開平10-324817号公報 特開2007-16111号公報
Hiroaki Tadaほか、Journal of Phyisical Chemistry、112巻、8702-8707頁(2008年)
本発明が解決しようとする課題は、以上の問題に鑑み、簡単な方法で酸化チタン表面または酸化亜鉛表面をシリカで処理する技術を確立し、経済性に優れたシリカ被覆酸化チタンの製造方法およびシリカ被覆酸化亜鉛の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンのうちいずれかの環状シロキサンを100℃以上300℃以下の酸化雰囲気下で酸化チタンに接触させて、前記酸化チタン上に前記環状シロキサンを分解析出させる分解析出工程と、当該酸化チタンを酸化雰囲気で焼成して当該酸化チタン上にシリカ被覆を形成する焼成工程と、を有する、シリカ被覆酸化チタンの製造方法を提供する。
この構成によれば、安全性が高く、取り扱いが容易な環状シロキサンであるオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンのうちいずれかを用いて、簡単な方法で酸化チタン上にシリカ被覆を形成することができる。この方法で得られたシリカ被覆酸化チタンは、耐熱性に優れている。
また、上記の発明において、前記環状シロキサンは、デカメチルシクロペンタシロキサンであると、容易に耐熱性の優れたシリカ被覆酸化チタンが得られる。
上記課題を解決するために、本発明は、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンのうちいずれかの環状シロキサンを100℃以上300℃以下の酸化雰囲気下で酸化亜鉛に接触させて、前記酸化亜鉛上に前記環状シロキサンを分解析出させる分解析出工程と、当該酸化亜鉛を酸化雰囲気で焼成して当該酸化亜鉛上にシリカ被覆を形成する焼成工程と、を有する、シリカ被覆酸化亜鉛の製造方法を提供する。
この構成によれば、安全性が高く、取り扱いが容易な環状シロキサンであるオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンのうちいずれかを用いて、簡単な方法で酸化亜鉛上にシリカ被覆を形成することができる。この方法で得られたシリカ被覆酸化亜鉛は、耐熱性に優れている。
また、上記の発明において、前記環状シロキサンは、デカメチルシクロペンタシロキサンであると、容易に耐熱性の優れたシリカ被覆酸化亜鉛が得られる。
以上の構成によれば、取扱いが容易で安全性の高い有機ケイ素化合物を用いて、簡単な方法で酸化チタン表面または酸化亜鉛表面をシリカで処理して、シリカ被覆酸化チタンまたはシリカ被覆酸化亜鉛を得ることができる。この方法で得られたシリカ被覆酸化チタンおよびシリカ被覆酸化亜鉛は、耐熱性に優れており、高温に晒されても比表面積の低下が小さい。
実施例1によるシリカ被覆酸化チタン(試料A)のX線回折パターンである。 比較例1による酸化チタン(試料B)のX線回折パターンである。 実施例2によるシリカ被覆酸化チタン(試料C)のX線回折パターンである。 実施例3によるシリカ被覆酸化チタン(試料D)のX線回折パターンである。 実施例4によるシリカ被覆酸化チタン(試料E)のX線回折パターンである。 比較例2による酸化チタン(試料F)のX線回折パターンである。 実施例5によるシリカ被覆酸化チタン(試料G)のX線回折パターンである。 実施例6によるシリカ被覆酸化チタン(試料H)のX線回折パターンである。 比較例3によるシリカ被覆酸化チタン(試料I)のX線回折パターンである。 比較例4によるシリカ被覆酸化チタン(試料J)のX線回折パターンである。
以下、本発明にかかるシリカ被覆酸化チタンの製造方法およびシリカ被覆酸化亜鉛の製造方法の実施形態について説明する。
環状シロキサンは、シロキサン結合による環状分子構造骨格を持つ環式有機化合物であり、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)などに代表される。これらの中でも、デカメチルシクロペンタシロキサンは、毒性が低いことなどから、シャンプーや化粧品などの用途に広く利用されている。また、沸点が210℃と比較的高く、常温では蒸気圧の低い液体で、容易に取り扱いできる一方、100℃以上300℃以下の範囲では十分な蒸気圧を持つことから、特に好適に使用できる。
本発明で処理することのできる酸化チタンは、アナターゼ型、ルチル型およびブルカイト型のいずれでもよく、これらは表面に固体酸点を持つ。酸化チタンの形状は粉体であっても成型体であってもよい。
本発明で処理することのできる酸化亜鉛は、通常ウルツ鉱型の結晶構造であり、表面に固体酸点を持つ。酸化亜鉛の形状は粉体であっても成型体であってもよい。
本発明のシリカ被覆酸化チタンの製造方法は、環状シロキサンを100℃以上300℃以下の酸化雰囲気下で酸化チタンに接触させる分解析出工程を有する。この時に起こる反応は必ずしも明確ではないが、酸化チタンの主に固体酸点上で環状シロキサンの分解や重合反応が起こり、元の環状シロキサンよりも酸化チタン上に強く吸着する成分に変化して、酸化チタン上に析出する。
本発明のシリカ被覆酸化亜鉛の製造方法は、環状シロキサンを100℃以上300℃以下の酸化雰囲気下で酸化亜鉛に接触させる分解析出工程を有する。この時に起こる反応は必ずしも明確ではないが、酸化亜鉛の主に固体酸点上で環状シロキサンの分解や重合反応が起こり、元の環状シロキサンよりも酸化亜鉛上に強く吸着する成分に変化して、酸化亜鉛上に析出する。
環状シロキサンを酸化チタンまたは酸化亜鉛に接触させる際の温度が100℃未満であると、酸化チタン上または酸化亜鉛上での環状シロキサンの分解や重合反応が起こりにくくなる。単純に吸着しただけの環状シロキサンは、次の焼成工程の際に脱離して失われやすい。環状シロキサンを酸化チタンまたは酸化亜鉛に接触させる際の温度が300℃を超える温度であることは、必ずしも問題ではないが、あまりに高い温度にすることは経済的に不利になるほか、例えば連続的に製造する場合にあっては、環状シロキサンを供給する配管内の高温部で環状シロキサンが分解してしまうなどの問題が生じる恐れもある。
環状シロキサンを酸化チタンまたは酸化亜鉛に接触させる際の共存ガスは、空気でよいが、必要に応じて酸素あるいは窒素を添加して、酸素濃度を調整しても差し支えはない。
前記の通り、本発明のシリカ被覆酸化チタンの製造方法またはシリカ被覆酸化亜鉛の製造方法は、環状シロキサンを分解析出させた酸化チタンまたは酸化亜鉛を酸化雰囲気で焼成することにより、本発明のシリカ被覆酸化チタンまたはシリカ被覆酸化亜鉛を得る焼成工程を有する。この過程で、分解析出した環状シロキサンは、酸化分解して、水蒸気および二酸化炭素を放出するとともに、酸化チタン上または酸化亜鉛上にシリカ被覆(SiO)を形成する。環状シロキサンは、100℃以上300℃以下の酸化雰囲気下で酸化チタンまたは酸化亜鉛に接触して、酸化チタン上または酸化亜鉛上に強く吸着する成分に変化しているため、焼成工程での環状シロキサンの脱離は抑制される。
焼成の温度は、あまりに低すぎると環状シロキサンの酸化分解が不十分となって、安定したシリカ被膜が形成されないので、400℃以上とするのが好ましい。一方、焼成の温度があまりに高すぎると、経済的に不利になるほか、酸化チタンまたは酸化亜鉛の焼結が進行するため、700℃以下とするのが好ましい。
焼成時間は、あまりに短すぎると環状シロキサンの酸化分解が不十分となる恐れがあり、あまりに長すぎると経済的に不利となるほか、酸化チタンまたは酸化亜鉛の焼結が進行する恐れもあるため、1時間以上20時間以下程度とするのが好ましい。
焼成の際に流通するガスは、空気でよいが、必要に応じて酸素あるいは窒素を添加して、酸素濃度を調整しても差し支えはない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1(試料A))
内径138mm、高さ(内寸)22mmのパイレックスガラス製シャーレの中央に、外径60mm、高さ(外寸)14mmのパイレックスガラス製シャーレを置いた。内側のシャーレにデカメチルシクロペンタシロキサン(和光純薬製、95%)0.5gを滴下し、外側のシャーレに酸化チタン(石原産業製、MC-50、粉体)25gを均等にならして入れ、外側のシャーレには蓋をした。
このシャーレを電気炉に装填して、常温から300℃まで1.5時間かけて昇温し、300℃で1時間保持し、約1時間かけて常温まで放冷した。なお、上記の工程で、電気炉内には、毎分1リットルの流量で空気を流通した。
放冷後、シャーレを電気炉から取り出し、酸化チタンをアルミナ製焼成容器に移し替えて、常温から500℃まで1.5時間かけて昇温し、500℃で1時間焼成して、シリカ被覆酸化チタン(試料A)を得た。
(比較例1(試料B))
実施例1において分解析出工程及び焼成工程を行わない状態の酸化チタン(未処理の酸化チタン、石原産業製、MC-50、粉体)を、比較例1の酸化チタンとした(試料B)。
(耐熱性評価結果1)
実施例1のシリカ被覆酸化チタン(試料A)および比較例1の酸化チタン(試料B)のそれぞれについて、空気中800℃、850℃、900℃、950℃または1000℃で6時間焼成して高温焼成を行った。高温焼成前後の各試料について、液体窒素温度における相対圧(P/P)=0.3の条件での窒素吸着量を用いたBET1点法によるBET比表面積測定およびX線回折測定を行った。表1に、それぞれの試料のBET比表面積(高温焼成前後)を示す。図1および図2には、高温焼成前後のそれぞれの試料のX線回折パターンを示した。なお、ファンダメンタルパラメータ法に基づく蛍光X線分析法により測定された試料AのSiO含有量は、1.80質量%であり、試料BのSiO含有量は、検出限界以下(0.05質量%以下)であった。
Figure 0007458875000001
(実施例1の試料A及び比較例1の試料Bの評価)
シリカ被覆酸化チタンである試料Aの比表面積(59.1m/g)は、シリカ被覆処理をしない酸化チタンである試料Bの比表面積(62.5m/g)よりもわずかに低下した。これは、試料Aの調製過程で500℃における焼成を行ったためと考えられる。
一方、高温焼成後のBET比表面積を比較すると、試料Aは試料Bよりも顕著に高い値を示した。例えば、試料BのBET比表面積は、800℃の高温焼成後には、8.3m/gまで低下した。試料Bは、800℃での焼成により、顕著に焼結が進行したことを示している。これに対し、試料AのBET比表面積は、800℃の高温焼成後でも、49.1m/gと高い値を保っていた。
図1および2に示したX線回折パターンを比較する。試料Bでは、800℃での高温焼成後には、アナターゼ型酸化チタンに帰属される25.3°の回折線の線幅が小さく、ピーク高さが高くなっており、アナターゼ型酸化チタンの結晶子径が増大したことを示している。850℃での高温焼成後には、アナターゼ型酸化チタンに加えてルチル型酸化チタンの回折線(27.5°など)が出現し、950℃以上で高温焼成した場合には、アナターゼ型酸化チタンの回折線はほぼ消失し、ルチル型酸化チタンの回折線のみが観測された。
これに対し、試料Aでは、800℃での高温焼成後も、高温焼成前と同様のX線回折パターンを示した。これは、試料Aが800℃の高温焼成後でも高いBET比表面積を保っていたことと整合している。950℃で高温焼成した場合には、アナターゼ型酸化チタンの回折線に加えて、ルチル型酸化チタンの回折線も観測されるようになったが、1000℃で高温焼成した後でも、結晶相は主としてアナターゼ型酸化チタンであった。
純粋なアナターゼ型酸化チタン(高温焼成前の試料B)の回折線強度を基準とした回折線強度比からアナターゼ型酸化チタンの割合を計算すると、試料Aでは、1000℃での高温焼成後も91%がアナターゼ型を維持していたが、試料Bでは、850℃、900℃の高温焼成後で、それぞれ92%、14%となった。
(実施例2(試料C))
内径138mm、高さ(内寸)22mmのパイレックスガラス製シャーレの中央に、外径60mm、高さ(外寸)14mmのパイレックスガラス製シャーレを置いた。内側のシャーレにデカメチルシクロペンタシロキサン(和光純薬製、95%)1.6gを滴下し、外側のシャーレに酸化チタン成型体(ノートン社製、XT-25376、3mm径押し出し成型体)40gを均等にならして入れ、外側のシャーレには蓋をした。
このシャーレを電気炉に装填して、常温から300℃まで1.5時間かけて昇温し、300℃で1時間保持し、約1時間かけて常温まで放冷した。なお、上記の工程で、電気炉内には、毎分1リットルの流量で空気を流通した。
放冷後、シャーレを電気炉から取り出し、酸化チタンをアルミナ製焼成容器に移し替えて、常温から500℃まで1.5時間かけて昇温し、500℃で1時間焼成して、シリカ被覆酸化チタン成型体(試料C)を得た。
(実施例3(試料D))
シャーレ中で処理する際の保持温度を300℃から200℃に変えたほかは、実施例2と同様にしてシリカ被覆酸化チタン成型体(試料D)を得た。
(実施例4(試料E))
シャーレ中で処理する際の保持温度を300℃から100℃に変えたほかは、実施例2と同様にしてシリカ被覆酸化チタン成型体(試料E)を得た。
(比較例2(試料F))
実施例2において分解析出工程及び焼成工程を行わない状態の酸化チタン成型体(未処理の酸化チタン成型体、ノートン社製、XT-25376、3mm径押し出し成型体)を、比較例2の酸化チタン成型体とした(試料F)。
(耐熱性評価結果2)
実施例2~4のシリカ被覆酸化チタン成型体(試料C、D、E)および未処理の酸化チタン成型体(試料F)のそれぞれについて、空気中900℃または1000℃で6時間焼成して高温焼成を行った。高温焼成前後の各試料について、乳鉢で粉砕した後、耐熱性評価結果1と同様にしてBET比表面積測定およびX線回折測定を行った。表2に、それぞれの試料のBET比表面積(高温焼成前後)を示した。図3から図6には、高温焼成前後のそれぞれの試料のX線回折パターンを示した。なお、ファンダメンタルパラメータ法に基づく蛍光X線分析の方法により測定された試料C、D、E、およびFのSiO含有量は、それぞれ2.95質量%、2.83質量%、2.03質量%および0.06質量%であった。
Figure 0007458875000002
(実施例2から4の試料CからE及び比較例2の試料Fの評価)
シリカ被覆酸化チタン成型体である試料C、D、およびEの比表面積(120~124m/g)は、シリカ被覆処理をしない酸化チタン成型体である試料Fの比表面積(148m/g)よりもわずかに低下した。これは、試料C、D、およびEは、その調製過程で500℃における焼成を経ているためと考えられる。
一方、高温焼成後のBET比表面積を比較すると、試料C、DおよびEは、いずれも試料Fよりも顕著に高い値を示した。試料FのBET比表面積は、900℃の高温焼成後には、2.44m/gまで低下した。これに対し、試料Cは、900℃での高温焼成後でも、BET比表面積26.0m/gを保っており、シリカ被覆処理の効果は明らかである。
図3から6に示したX線回折パターンを比較する。試料Fでは、900℃での高温焼成後には、アナターゼ型酸化チタンに帰属される25.3°の回折線の線幅が小さく、ピーク高さが高くなっており、アナターゼ型酸化チタンの結晶子径が増大したことを示している。加えて、ルチル型酸化チタンの回折線も強く観測されており、900℃での焼成後は、かなりの割合がルチル型酸化チタンに変化したことが分かる。
これに対し、試料C、D、およびEのX線回折パターンを見ると、900℃での焼成後では、ルチル型酸化チタンの回折線はごくわずかしか観測されず、結晶相としては主としてアナターゼ型酸化チタンであることが分かる。1000℃での焼成後では、アナターゼ型酸化チタンも出現しているが、試料CおよびDでは、なお結晶相としては大部分がアナターゼ型酸化チタンであることが分かる。この結果からは、環状シロキサンを酸化チタンに接触させる際の温度が、200℃以上300℃以下であると、特に安定なシリカ被覆が酸化チタン上に形成されると考えられる。
(実施例5(試料G))
内径138mm、高さ(内寸)22mmのパイレックスガラス製シャーレの中央に、外径60mm、高さ(外寸)14mmのパイレックスガラス製シャーレを置いた。内側のシャーレにデカメチルシクロペンタシロキサン(和光純薬製、95%)0.8gを滴下し、外側のシャーレに酸化チタン(石原産業製、MC-50、粉体)26.8gを均等にならして入れ、外側のシャーレには蓋をした。
このシャーレを電気炉に装填して、常温から300℃まで1.5時間かけて昇温し、300℃で1時間保持し、約1時間かけて常温まで放冷した。なお、上記の工程で、電気炉内には、毎分1リットルの流量で空気を流通した。
放冷後、シャーレを電気炉から取り出し、酸化チタンをアルミナ製焼成容器に移し替えて、常温から500℃まで1.5時間かけて昇温し、500℃で1時間焼成して、シリカ被覆酸化チタン(試料G)を得た。
(実施例6(試料H))
内径138mm、高さ(内寸)22mmのパイレックスガラス製シャーレの中央に、外径60mm、高さ(外寸)14mmのパイレックスガラス製シャーレを置いた。内側のシャーレにデカメチルシクロペンタシロキサン(和光純薬製、95%)0.8gを滴下し、外側のシャーレに酸化チタン(石原産業製、MC-50、粉体)25.5gを均等にならして入れ、外側のシャーレには蓋をした。
このシャーレを電気炉に装填して、常温から300℃まで1.5時間かけて昇温し、300℃で1時間保持し、約1時間かけて常温まで放冷した。なお、上記の工程で、電気炉内には、毎分1リットルの流量で空気を流通した。
放冷後、シャーレを電気炉から取り出し、酸化チタンをアルミナ製焼成容器に移し替えて、常温から500℃まで1.5時間かけて昇温し、400℃で1時間焼成して、シリカ被覆酸化チタンを得た。
このシリカ被覆酸化チタンに対して、さらに同様の処理を2回繰り返した。すなわち、デカメチルシクロペンタシロキサン0.8gを用いる分解析出工程と、焼成工程とを合計3回繰り返して実施した。なお、最終(3回目)の焼成工程では、500℃で1時間焼成して、シリカ被覆酸化チタン(試料H)を得た。
(比較例3(試料I))
内径138mm、高さ(内寸)22mmのパイレックスガラス製シャーレの中央に、外径60mm、高さ(外寸)14mmのパイレックスガラス製シャーレを置いた。内側のシャーレにテトラメチルシクロテトラシロキサン(シグマ-アルドリッチ社製、98.5%)0.7gを滴下し、外側のシャーレに酸化チタン(石原産業製、MC-50、粉体)25.1gを均等にならして入れ、外側のシャーレには蓋をした。
このシャーレを電気炉に装填して、常温から80℃まで1.5時間かけて昇温し、80℃で1時間保持し、約1時間かけて常温まで放冷した。なお、上記の工程で、電気炉内には、毎分1リットルの流量で空気を流通した。
放冷後、シャーレを電気炉から取り出し、酸化チタンをアルミナ製焼成容器に移し替えて、常温から500℃まで1.5時間かけて昇温し、500℃で1時間焼成して、シリカ被覆酸化チタン(試料I)を得た。
(比較例4(試料J))
内径138mm、高さ(内寸)22mmのパイレックスガラス製シャーレの中央に、外径60mm、高さ(外寸)14mmのパイレックスガラス製シャーレを置いた。内側のシャーレにオルトケイ酸テトラエチル(東京化成工業社製、97%)2.8gを滴下し、外側のシャーレに酸化チタン(石原産業製、MC-50、粉体)25.0gを均等にならして入れ、外側のシャーレには蓋をした。
このシャーレを電気炉に装填して、常温から300℃まで1.5時間かけて昇温し、300℃で1時間保持し、約1時間かけて常温まで放冷した。なお、上記の工程で、電気炉内には、毎分1リットルの流量で空気を流通した。
放冷後、シャーレを電気炉から取り出し、酸化チタンをアルミナ製焼成容器に移し替えて、常温から500℃まで1.5時間かけて昇温し、500℃で1時間焼成して、シリカ被覆酸化チタン(試料J)を得た。
(耐熱性評価結果3)
実施例5,6および比較例3,4のシリカ被覆酸化チタン(試料G~J)のそれぞれについて、空気中800℃、850℃、900℃、950℃または1000℃で6時間焼成して高温焼成を行った。高温焼成前後の各試料について、液体窒素温度における相対圧(P/P)=0.3の条件での窒素吸着量を用いたBET1点法によるBET比表面積測定およびX線回折測定を行った。表3に、それぞれの試料のBET比表面積(高温焼成前後)を示す。図7~10には、高温焼成前後のそれぞれの試料のX線回折パターンを示した。なお、ファンダメンタルパラメータ法に基づく蛍光X線分析法により測定された試料のSiO含有量は、それぞれ2.39質量%(試料G)、7.10質量%(試料H)、1.99質量%(試料I)、1.83質量%(試料J)であった。
Figure 0007458875000003
(実施例5,6および比較例3,4の試料G~Jの評価)
高温焼成後の各試料のBET比表面積を検討する。試料Gは、900℃で焼成した後でも37.6m/gのBET比表面積を示し、試料A(32.6m/g)よりもさらに高いBET比表面積を維持している。これは、酸化チタンに対する質量比で、より多い量のデカメチルシクロペンタシロキサンを用いたことで、シリカ被覆量が多くなり、酸化チタンの焼結を防止する効果が高まったものと考えられる。
試料Hは、900℃で焼成した後でも50.7m/gのBET比表面積を示し、試料Gよりもさらに高いBET比表面積を維持している。これは、シリカ被覆処理を繰り返したことにより、より確実に酸化チタン表面がシリカで被覆され、酸化チタンの焼結を防止する効果がさらに高まったものと考えられる。
これに対し、非特許文献1で採用されたような、環状シロキサンの1種であるテトラメチルシクロテトラシロキサンを用い、80℃という低い温度で酸化チタンに接触させたのち、空気中で焼成した試料Iの場合には、SiO含有量では、試料Aおよび試料Gと大差はないものの、900℃焼成後のBET比表面積は18.6m/gと低くなった。
また、環状シロキサンに代えて、オルトケイ酸テトラエチルを用いた試料Jの場合も、SiO含有量では、試料Aおよび試料Gと大差はないものの、900℃焼成後のBET比表面積は25.9m/gにとどまった。
試料Iおよび試料Jについては、800℃での焼成でも大きな比表面積の低下が観察されており、酸化チタン表面が均一に被覆されていないことが伺える。
図7~10に示したX線回折パターンを比較する。試料G(図7)では、800℃での高温焼成後も、高温焼成前と同様のX線回折パターンを示した。950℃で焼成した場合でもルチル型酸化チタンの回折線は観測されず、アナターゼ型酸化チタンのみからなっていることがわかる。1000℃で高温焼成した後には、わずかにルチル型酸化チタンの回折線が観測されたが、結晶相は主としてアナターゼ型酸化チタンであった。
試料H(図8)では、1000℃での高温焼成後も、高温焼成前と同様のX線回折パターンを示し、ルチル型酸化チタンの回折線は観測されなかった。試料Hが高い耐熱性を有することがわかる。
これに対し、試料I(図9)および試料J(図10)では、900℃以上の焼成温度では、ルチル型酸化チタンの回折線が明瞭に観測され、1000℃焼成後にはかなりの部分がルチル型酸化チタンに変化していることから、これらの試料の耐熱性は十分ではないことがわかる。これらの試料ではシリカ被覆が十分に形成されていないと考えられる。
(実施例7(試料K))
内径138mm、高さ(内寸)22mmのパイレックスガラス製シャーレの中央に、外径60mm、高さ(外寸)14mmのパイレックスガラス製シャーレを置いた。内側のシャーレにデカメチルシクロペンタシロキサン(和光純薬製、95%)1.0gを滴下し、外側のシャーレに酸化亜鉛(関東化学製、粉体)25.5gを均等にならして入れ、外側のシャーレには蓋をした。
このシャーレを電気炉に装填して、常温から300℃まで1.5時間かけて昇温し、300℃で1時間保持し、約1時間かけて常温まで放冷した。なお、上記の工程で、電気炉内には、毎分1リットルの流量で空気を流通した。
放冷後、シャーレを電気炉から取り出し、酸化亜鉛をアルミナ製焼成容器に移し替えて、常温から400℃まで1.5時間かけて昇温し、400℃で1時間焼成して、シリカ被覆酸化亜鉛(試料K)を得た。
(比較例5(試料L))
実施例7において分解析出工程及び焼成工程を行わない状態の酸化亜鉛(未処理の酸化亜鉛)を、比較例5の酸化亜鉛とした(試料L)。
(耐熱性評価結果4)
実施例7のシリカ被覆酸化亜鉛(試料K)および比較例5の酸化亜鉛(試料L)のそれぞれについて、空気中500℃または600℃で6時間焼成して高温焼成を行った。高温焼成前後の各試料について、液体窒素温度における相対圧(P/P)=0.3の条件での窒素吸着量を用いたBET1点法によるBET比表面積測定を行った。表4に、それぞれの試料のBET比表面積(高温焼成前後)を示す。なお、ファンダメンタルパラメータ法に基づく蛍光X線分析法により測定された試料KのSiO含有量は、0.64質量%であり、試料LのSiO含有量は、検出限界以下(0.05質量%以下)であった。
Figure 0007458875000004
(実施例7の試料K及び比較例5の試料Lの評価)
シリカ被覆酸化亜鉛である試料Kの比表面積(11.1m/g)は、シリカ被覆処理をしない酸化亜鉛である試料Lの比表面積(11.8m/g)よりもわずかに低下した。これは、試料Kの調製過程で400℃における焼成を行ったため焼結がいくらか進行したこと、および環状シロキサン由来の有機分が残存しているためと考えられる。
一方、高温焼成後のBET比表面積を比較すると、試料Kは試料Lよりも顕著に高い値を示した。試料KのBET比表面積は、600℃の高温焼成後でも、焼成前と同程度であった。これに対し、試料Lは、600℃での焼成により、BET比表面積が焼成前の3分の1程度まで低下した。これは、試料Lにおいては、600℃での焼成により顕著に焼結が進行したことを示している。上記の結果から、本発明の方法により、酸化亜鉛表面に安定なシリカ被覆が形成され、耐熱性の高い酸化亜鉛が得られることがわかる。
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。

Claims (4)

  1. オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンのうちいずれかの環状シロキサンを100℃以上300℃以下の酸化雰囲気下で酸化チタンに接触させて、前記酸化チタン上に前記環状シロキサンを分解析出させる分解析出工程と、
    当該酸化チタンを酸化雰囲気で焼成して当該酸化チタン上にシリカ被覆を形成する焼成工程と、を有する、シリカ被覆酸化チタンの製造方法。
  2. 前記環状シロキサンは、デカメチルシクロペンタシロキサンである請求項1に記載のシリカ被覆酸化チタンの製造方法。
  3. オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンのうちいずれかの環状シロキサンを100℃以上300℃以下の酸化雰囲気下で酸化亜鉛に接触させて、前記酸化亜鉛上に前記環状シロキサンを分解析出させる分解析出工程と、
    当該酸化亜鉛を酸化雰囲気で焼成して当該酸化亜鉛上にシリカ被覆を形成する焼成工程と、を有する、シリカ被覆酸化亜鉛の製造方法。
  4. 前記環状シロキサンは、デカメチルシクロペンタシロキサンである請求項3に記載のシリカ被覆酸化亜鉛の製造方法。
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