JP7458663B2 - エアコンプレッサ用ドレントラップ並びにエアコンプレッサ - Google Patents
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Description
逆止弁がうまく働いていないと、空気タンク側の圧力が背圧として、圧縮室内に入り、翌朝一番等のエアコンプレッサの起動時に、過負荷となり、ヒューズ、サーマルスイッチ等の安全装置が作動し、運転できなくなることがあった。
また、エアコンプレッサのドレンを定期的に排出することが迂遠であることも指摘されていた。
そこで、エアコンプレッサ起動時の異常を回避しつつ、ドレンを定期的に排出する技術が求められていた。
しかしながら、ドレンの排出については記載されておらず、本発明の課題を解決していない。
以下、本発明に係るエアコンプレッサ用ドレントラップ並びにエアコンプレッサの実施形態を、図面に基づいて説明する。
本発明は、ドレントラップ10についての発明であるが、エアコンプレッサ30の動作も含めて説明する。
システム全体は、ドレントラップ付エアコンプレッサ1であり、エアコンプレッサ30とドレントラップ10とから成る。
エアコンプレッサ30は、主に、圧縮部40、エアタンク50、モータ60、圧力開閉器70とから成る。
圧縮部40は、主に圧縮室41とピストン44から成る。圧縮室41は、空気を圧縮する部屋であり、シリンダー構造である。ピストンが往復運動することで、空気を圧縮する。運動の動力は、モータ60から得ている。
大気中の空気が吸込弁42を通り、圧縮室41に入り、ピストン44により圧縮された空気が吐出弁(逆止弁)43を通り、エアタンク50に送られる。
圧縮部40が空気を吸い込む際に、一緒に大量の水蒸気も吸い込む。そのため、圧縮空気には多量の水分が含まれる。圧縮部40が空気を圧縮する際、断熱圧縮となり空気の温度も上昇するが、飽和した分は液体となり、ドレン53となる。
ドレン53は、エアタンク50の底部に滞留する。継続して滞留すると錆等の原因となるため、定期的に排出することが望ましい。
そのため、エアタンク50の底部には、ドレン排出孔51が設けてあり、コックが付いている。一般的には、作業終了後等、エアコンプレッサ30を使用しないときにコックを開き、エアタンク50内のドレン53を排出する。この時、エアタンク50内の圧縮空気も排出されるが、作業終了後なので問題ない。
本実施例では、ドレン排出孔51にドレントラップ10のドレン排出管11が接続され、ドレン53の排出の管理は、ドレントラップ10で行われる。
モータ60は、圧力開閉器70によって回転、停止を制御される。
圧力開閉器70は、圧力検知部71、圧力スイッチ72から成る。圧力検知部71は、エアタンク50内の圧力を検出する部分である。電子式、機械式の両方がある。機械式の場合は、エアタンク50内の圧力により上下する構造である。
エアタンク50内の圧力が上限値以上の圧力になった場合、圧力検知部71は上に押し上げられ、それに応じて圧力スイッチ72がオフとなる(この状態を、圧力開閉器が動作する、圧力開閉器が開く、ともいう)。
モータ60への電力が遮断され、モータ60が停止する。すると、圧縮部40からエアタンク50への圧縮空気の補充がなくなり、エアタンク50内の圧力が上昇しなくなる。
よって、モータ60への電力供給が再開され、モータ60が回転する。すると、圧縮部40からエアタンク50への圧縮空気の補充が再開され、エアタンク50内の圧力が上昇する。
このような動作によって、エアタンク50内の圧力は一定の範囲に保たれる。
圧力スイッチ72の2次側線74は、モータ60側に接続されている。圧力スイッチがオンとなると、モータ60が動作する。
ドレントラップ10は、ドレン排出管11と、電磁バルブ20とから成る。
ドレン排出管11は、エアタンク50内のドレン53を外部に導く管である。管の中間部分には電磁バルブ20がある。管の一端は、ドレン排出孔51に接続されており、他端は、ドレン排出口12になる。
ドレン排出孔51のコックは開かれており、ドレン53は、電磁バルブ20によって止められている。
電磁バルブとは、内蔵されたソレノイドに電流を流すことでプランジャを吸引し、電流を切ることでプランジャが離れる原理を利用して、バルブの開閉を行うものである。
本実施例では、電流を切った状態で、バルブが開く、所謂ノーマルオープン型を使用する。バルブを閉じている期間は、常に通電している。
電磁バルブ20は、電磁バルブ制御線21によって制御される。電磁バルブ制御線21は、エアコンプレッサ30とは別に独立したコンセント90に接続され、電源線の電力を得ている。
レシプロ型エアコンプレッサは、圧縮室41内のピストン44が上下運動を行うことで、大気中の空気を圧縮するものである。圧縮空気は、エアタンク50内に充填される。
図4(a)は、圧縮工程を示す図である。AからDへと過程を示している。
Aにおいて、ピストン44が下がり、吸込弁42を介して、大気中の空気が圧縮室41内に導かれる。
Bは、下死点であり、空気が最大限に取り込まれた状態である。
Cは、ピストン44が上昇に転じ、空気を圧縮し始める。吸込弁42は、閉じている。
Dは、空気圧縮が完了した時点で、圧縮空気は、吐出弁(逆止弁)43を通って、エアタンク50に送られる。
AからDの工程を繰り返すことで、空気の圧縮を継続して行う。
エアタンク50の圧縮空気が圧縮室41に漏れ出すことによって、圧縮室41内の圧力は、エアタンク50内の圧力に近くなっていく。
本来、1気圧の空気をピストン44で押上て圧縮する工程で、1気圧より高い気圧の空気を圧縮することになるので、想定以上の力が必要になり、過負荷となって、ヒューズ、サーマルスイッチ等の安全装置が作動し、運転できなくなる(図4(c))。
このような不具合を回避するのが、本発明である。
作業中は、図1(a)にあるように、エアコンプレッサ30が稼働し、エアタンク50内に圧縮空気が充填されている。ドレントラップ10の電磁バルブ20には、プラグ81から電磁バルブ制御線21を介して電力が送られている。よって、電磁バルブ20は通電中であり、バルブは閉まっている。
エアタンク50の底部分には、圧縮空気中の水分がドレン53として、滞留している。
また、作業終了時に、必ずエアタンク50内のドレン53を排出できるので、ドレン53によるエアタンク50の錆等の恐れが無くなり、エアコンプレッサ30の性能維持に寄与するものである。
本発明では、電磁バルブ20を閉じている状態において、電磁バルブ20への通電が行われている。よって、電磁バルブ20内のソレノイド22が発熱し、電磁バルブ20は、ある程度加熱された状態である。すると、電磁バルブ20、及び、電磁バルブ20の周辺であるドレン排出管11についても、周囲よりも若干高温となっている。
従って、電磁バルブ20を開いて、ドレン53、空気を排出した際、予め、ドレン排出管11、ドレン排出口12が加温されることとなるので、ドレン排出管11、ドレン排出口12の凍結の可能性を低くすることが出来る。
実施例1において、電磁バルブ20のソレノイド22の発熱によって、ドレン53、空気を排出した際のドレン排出管11、ドレン排出口12の凍結の可能性を低くすることが出来ることを説明した。
しかしながら、ソレノイド22による発熱は、大気中に発散する量も多く、十分にドレン排出管11、ドレン排出口12を加熱できない場合もあった。
そこで、より効果的に、ドレン53、空気の排出時に排出口付近の凍結を防ぐ技術が求められていた。
筐体16は、樹脂等で形成されると熱伝導率が低く望ましい。また、断熱材を含む構造であると好適である。
ドレン排出管11は、ドレン排出口12に近い部分まで、筐体16内に収容されている。
エアコンプレッサ30による作業中は、ドレントラップ10への電磁バルブ制御線21が通電中であり、それに応じて電磁バルブ20は閉じている。通電中であるので、ソレノイド22は若干発熱している。熱の一部は空気中に発散し、一部は電磁バルブ20本体及び電磁バルブ20が接続されたドレン排出管11に伝わる。
ドレントラップ10は、筐体16に覆われているので、空気中に発散した熱は筐体16内に留まり、筐体16内全体を加熱する。これにより、ドレン排出管11、ドレン排出口12等を周囲の空気から加熱することが出来る。
実施例1により、作業開始時のエアコンプレッサ30の起動不良を軽減することが出来る。しかしながら、起動不良は、圧力開閉器70の動作状態によっても発生する可能性がある。
圧力開閉器70は、エアタンク50内の圧力を調整する部分である。エアタンク50内の圧力が規定よりも高くなった際、圧力スイッチ72を切ってモータ60を停止させ、新たに圧縮空気がエアタンク50に入らないようにするものである。
場合によっては、この停止状態が長時間続く。すると、エアタンク50の背圧が圧縮室41に入り、作業開始時の起動不具合と同様の不具合を発生させることになる。
そこで、圧力開閉器70の動作に伴うエアコンプレッサ30の再起動時の不具合を防ぐ技術が求められていた。
ドレントラップ10は、ドレン排出管11と、電磁バルブ20と、制御部13と、タイマ15と、電源部14と、から成る。
ドレン排出管11は、実施例1と同様である。
電磁バルブ20は、実施例1と同様に、ドレン排出管11の中間に配置されている。電磁バルブ制御線21は、制御部13に接続され、開閉の制御は制御部13が行う。
圧力スイッチのモータ80側の線である2次側線74の電圧によって、圧力開閉器70の動作の有無を検知する。マグネットスイッチのある機種では、マグネットスイッチの2次側を2次側線74とし、マグネットスイッチのない機種では、2次側の電源ラインを2次側線74とする。
2次側線74は、圧力開閉器70が動作するとオフとなり、圧力開閉器70が停止するとオンとなる。
また、制御部13は、タイマ15の開始、停止を制御する。さらに、タイマ15の値を計測すると共に、電磁バルブ20の開閉を制御する。
電源部14は、ドレントラップ10全体の電源である。電源線に接続された圧力スイッチの1次側線73から、電力を供給される。
電源部14は、電源電圧について、制御部13等で使用する電源電圧への変換も行う。
エアコンプレッサ30の起動後、エアタンク50内の圧力は上昇し続ける。圧力の上限に達した段階で圧力開閉器70が働き、モータ60への電力を停止する。
圧力開閉器70及びモータ60の動きは、エアコンプレッサの従来通りの動作である。
制御部13は、圧力開閉器70が動作し、2次側線74がオフになったことを検知し、タイマ15をスタートする(A)。よって、タイマ15の値は、圧力開閉器70の動作時間(モータのオフ時間)となる。
規定値は、圧縮部40が停止してから再起動する際に、起動不良が発生する可能性が高い時間よりも十分短い時間を設定している。
つまり、停止時間を、不具合の発生する可能性のある時間よりも短くすることで、起動不良を未然に防ぐものである。
例えば、規定値は、起動不良が、起動停止から2時間以上で発生する可能性が高いのであれば、規定値を1時間とすることが考えられる。
バルブ開放によって、エアタンク50内の空気がドレン排出口12から排出される。
制御部13は、2次側線74がオンになったことを検知し、タイマ15をクリアし、電磁バルブ20に対して、バルブを閉める動作を指示する(C)。
10 ドレントラップ
11 ドレン排出管
12 ドレン排出口
13 制御部
14 電源部
15 タイマ
16 筐体
20 電磁バルブ
21 電磁バルブ制御線
22 ソレノイド
30 エアコンプレッサ
40 圧縮部
41 圧縮室
42 吸込弁
43 吐出弁(逆止弁)
44 ピストン
50 エアタンク
51 ドレン排出孔
52 エア吐出口
53 ドレン
60 モータ
70 圧力開閉器
71 圧力検知部
72 圧力スイッチ
73 1次側線
74 2次側線
80 電源線
81 プラグ
90 コンセント
91 元電源スイッチ
Claims (4)
- エアタンクを備えるエアコンプレッサ用ドレントラップであって、
エアタンクのドレン排出孔にドレン排出管を介して接続され、
電磁バルブとドレン排出口とを備え、
制御部と、タイマとを持ち、
該制御部は、前記エアコンプレッサの圧力開閉器の動作の有無を検知し、
該タイマは、該エアコンプレッサの圧力開閉器の動作時間を測定し、
該制御部は、該タイマの値が規定の時間以上になった際、該電磁バルブを開き、
その後、該圧力開閉器の動作が停止した際、該電磁バルブを閉じ、
エアコンプレッサの状態に応じて電磁バルブを制御し、
該ドレン排出口よりドレン及び空気を排出することを特徴とするエアコンプレッサ用ドレントラップ。
- 前記電磁バルブは、通電時に閉じるものであり、
前記電磁バルブの制御線は、前記エアコンプレッサの電源と同列の電源に接続され、
該制御線と該エアコンプレッサの電源は、元電源スイッチによって、同時にオンオフされることを特徴とする請求項1に記載のエアコンプレッサ用ドレントラップ。 - 前記ドレン排出管の一部及び前記電磁バルブは、密閉された1つの筐体内に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のエアコンプレッサ用ドレントラップ。
- 前記請求項1乃至3のいずれか1つに記載のエアコンプレッサ用ドレントラップを備えて成ることを特徴とするエアコンプレッサ。
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