JPH0988819A - 多段式空気圧縮機 - Google Patents

多段式空気圧縮機

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JPH0988819A
JPH0988819A JP7264800A JP26480095A JPH0988819A JP H0988819 A JPH0988819 A JP H0988819A JP 7264800 A JP7264800 A JP 7264800A JP 26480095 A JP26480095 A JP 26480095A JP H0988819 A JPH0988819 A JP H0988819A
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JP
Japan
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discharge
pressure side
valve
cylinder
suction
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Application number
JP7264800A
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English (en)
Inventor
Michinobu Setoyama
道伸 瀬戸山
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮運転の初期段階で中間配管内の圧力を下
げることによりドレンの発生を防止し、高い圧縮性能を
得るようにする。 【解決手段】 低圧側気筒3のシリンダ4内に、ピスト
ン13を摺動可能に挿嵌し、シリンダヘッド9内には吸
込室10と吐出室11を画成する。そして、吸込室10
から圧縮室5に吸込んだ空気をピストン13で圧縮しつ
つ、圧縮空気を吐出室11に吐出する。また、弁座板6
には吸込穴7および吐出穴8B等をそれぞれ形成し、吸
込穴7を吸込弁14で開閉し、吐出穴8B等を吐出弁1
5B等で開閉する。さらに、吐出室11には吐出弁15
Bの開弁規制装置16を設け、開弁規制装置16のプッ
シュロッド20を矢示F方向に押動することにより、吐
出弁15Bの開弁動作を規制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば高圧の圧縮
空気を発生させるのに用いて好適な多段式空気圧縮機に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、吸込部から空気を吸込み吐出部
から圧縮空気を吐出する低圧側気筒と、該低圧側気筒か
らの圧縮空気を中間配管を介して吸込みつつ、これを高
圧に圧縮する高圧側気筒とを備えた2段式空気圧縮機等
の多段式空気圧縮機は知られている。
【0003】この種の従来技術による多段式空気圧縮機
では、前記低圧側気筒のシリンダ内と高圧側気筒のシリ
ンダ内とでそれぞれピストンを往復動させることによ
り、低圧側気筒では、吸込部から吸込んだ空気をシリン
ダ内で圧縮しつつ、これを吐出部から高圧側気筒に向け
て吐出する。
【0004】また、低圧側気筒の吐出部から吐出された
圧縮空気は、この吐出部を高圧側気筒の吸込室に接続す
る中間配管を介して高圧側気筒内に吸込まれ、高圧側気
筒でさらに高圧に圧縮される。そして、高圧となった圧
縮空気は、例えば高圧側気筒の吐出室から外部の空気タ
ンク等に向けて吐出され、この空気タンク内に貯えられ
るようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による多段式空気圧縮機では、低圧側気筒の吐出
部を高圧側気筒の吸込側に中間配管を介して接続し、低
圧側気筒からの圧縮空気を中間配管内を介して高圧側気
筒内に送り込む構成であるから、中間配管内の圧縮空気
は内外の温度差によって空気中の水分が結露し、ドレン
となって中間配管内に残り、例えば高圧側気筒の吸込弁
を腐食させる等の問題が生じる。
【0006】特に、高圧側気筒から外部に吐出する圧縮
空気の空気量を増大させるために、低圧側気筒から中間
配管内に吐出させる圧縮空気の圧力(中間圧力)を高め
るようにすると、中間配管内の圧縮空気は露点温度が上
昇してしまう。
【0007】このため、従来技術では、圧縮運転の初期
段階で中間配管や高圧側気筒等が十分に暖められるまで
の間に、低圧側気筒からの圧縮空気が中間配管や高圧側
気筒に接触すると圧縮空気中の水分が結露してしまい、
これがドレンとなって高圧気筒側の吸込弁に錆び等を発
生させ、開弁不良等の原因になるという問題がある。
【0008】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は圧縮運転の状態に応じて中間配
管内の圧力を可変に調整でき、ドレン等の発生を効果的
に防止できると共に、信頼性や寿命を確実に向上できる
ようにした多段式空気圧縮機を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために請求項1に記載の発明は、吸込部から空気を吸込
み吐出部から圧縮空気を吐出する低圧側気筒と、該低圧
側気筒からの圧縮空気を中間配管を介して吸込みつつ、
これを圧縮する高圧側気筒とを備えた多段式空気圧縮機
において、前記低圧側気筒の吐出部には前記高圧側気筒
に向けて吐出される圧縮空気の流量を可変に調整する流
量調整手段を設けたことを特徴としてなる構成を採用し
ている。
【0010】このように構成することにより、例えば圧
縮運転の初期段階で中間配管等が十分に暖められるまで
の間は、低圧側気筒から高圧側気筒に向けて吐出される
圧縮空気の流量を流量調整手段で小さく制限でき、中間
配管内の圧縮空気からドレンが発生するのを抑えること
ができる。
【0011】また、請求項2に記載の発明では、前記低
圧側気筒の吐出部には複数個の吐出弁を設け、前記流量
調整手段は該各吐出弁のうち少なくともいずれか1個の
吐出弁の弁開度を変化させる構成としたことにある。
【0012】この結果、低圧側気筒の各吐出弁のうち、
少なくともいずれかの吐出弁を流量調整手段で閉弁(弁
開度が零)状態に保持でき、この吐出弁の流量分だけ、
低圧側気筒から吐出される圧縮空気の流量を小さく抑え
ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
ないし図3に示す添付図面に従って、多段式空気圧縮機
として2段式空気圧縮機を例に挙げて詳細に説明する。
【0014】図1ないし図3は本発明の実施例を示し、
図中、1は当該空気圧縮機の本体を構成するクランクケ
ース、2は該クランクケース1内に軸受(図示せず)等
を介して回転自在に配設されたクランク軸を示し、該ク
ランク軸2は一端側がクランクケース1外に突出し、そ
の突出端側には後述のプーリ30が取付けられている。
また、クランクケース1は山形状となる密閉箱として形
成され、その上部側には一定の傾斜角をもった開口部1
A,1Bが設けられている。
【0015】3はクランクケース1の開口部1A上に突
出するように配設された低圧側気筒を示し、該低圧側気
筒3は後述のシリンダ4およびシリンダヘッド9等から
構成されている。
【0016】4は低圧側気筒3を構成する低圧側のシリ
ンダを示し、該シリンダ4はクランクケース1の開口部
1A上に取付けられ、その外周側には冷却フィン4A,
4A,…が形成されている。また、該シリンダ4内には
後述のピストン13が摺動可能に挿嵌され、該ピストン
13は後述の弁座板6との間に圧縮室5を画成してい
る。
【0017】6はシリンダ4とシリンダヘッド9との間
に設けられた弁座板を示し、該弁座板6は略正方形状の
平板として形成され、図2に示すようにシリンダ4とシ
リンダヘッド9との間に挟持されている。そして、弁座
板6はシリンダ4を上側から施蓋してその内部に圧縮室
5を画成すると共に、後述する吸込室10,吐出室11
の下側面を構成している。
【0018】また、弁座板6には図3に示すように、吸
込室10側に位置して長円状をなす3個の吸込穴7,
7,…が円弧状に列設して形成され、該各吸込穴7は吸
込室10と圧縮室5とを連通している。一方、弁座板6
の吐出室11側には、円形状をなす3個の吐出穴8A,
8B,8Cが形成され、該吐出穴8A〜8Cは吐出室1
1と圧縮室5とを連通している。そして、各吸込穴7は
後述の吸込弁14によって開閉され、吐出穴8A〜8C
は後述の吐出弁15A〜15Cによって開閉されるもの
である。
【0019】9はシリンダ4上に弁座板6を介して搭載
されたシリンダヘッドを示し、該シリンダヘッド9は図
2に示すように、下側が開口した断面略正方形状の中空
体として形成されている。そして、シリンダヘッド9に
は隔壁9Aが形成され、該隔壁9Aはシリンダヘッド9
内を吸込部としての吸込室10と、吐出部としての吐出
室11とに画成している。また、該吸込室10,吐出室
11はシリンダヘッド9の側面に設けられた吸込口9
B,吐出口9Cにより外部にそれぞれ連通している。そ
して、吸込口9Bには吸込室10に大気を吸込むときの
騒音を抑制するサイレンサ付きの吸込フィルタ(図示せ
ず)等が接続され、吐出口9Cには吐出室11を後述の
高圧側気筒22に連通させる中間配管28が接続されて
いる。
【0020】また、シリンダヘッド9の上側面には、吐
出室11側に位置して後述の開弁規制装置16を収容す
る段付円筒状の収容部9Dが突出形成され、該収容部9
Dの底部側には後述のプッシュロッド20を吐出室11
内に突出させるための挿通穴9Eが形成されている。そ
して、収容部9D上にはカバー9Fが着脱可能に設けら
れ、該カバー9Fは開弁規制装置16等を外部の雨水等
から保護している。
【0021】さらに、シリンダヘッド9には図3に示す
ように、各角隅部に位置して4個のボルト穴9Gが形成
され、該各ボルト穴9Gには各ボルト12がそれぞれ挿
通され、該各ボルト12が図1に示すように、弁座板6
に形成されたボルト穴を貫通してシリンダ4に螺着され
ることにより、シリンダヘッド9は弁座板6を挟持した
状態でシリンダ4上に固定されるようになっている。
【0022】13はシリンダ4内に摺動可能に挿嵌され
た低圧側のピストンを示し、該ピストン13は図2に示
すように、シリンダ4内で弁座板6との間に圧縮室5を
画成している。そして、ピストン13は連接棒13A,
ピストンピン13B等を介してクランク軸2に連結さ
れ、このクランク軸2を電動モータ等の駆動源(図示せ
ず)で回転駆動することによりピストン13はシリンダ
4内を往復動するようになっている。
【0023】14は各吸込穴7を開閉すべく弁座板6の
下側面に取付けられた吸込弁で、該吸込弁14は図3に
示すように、例えば弾性を有する金属薄板等から略弓形
に形成され、その両端側は短尺なボルト14A,14A
等により弁座板6の下側面に固定されている。そして、
低圧側気筒3の吸込行程では、吸込室10と圧縮室5と
の圧力差により、吸込弁14はその中間部が弁座板6か
ら離間し、各吸込穴7が開口して吸込室10と圧縮室5
とを連通する。
【0024】15A,15B,15Cは吐出穴8A,8
B,8Cを開閉すべく、吐出室11内に位置して弁座板
6の上側面にそれぞれ取付けられた3個の吐出弁を示
し、該吐出弁15A〜15Cは例えば弾性を有する金属
平板等から長円状に形成され、その基端側が短尺なボル
ト15D等によって弁座板6の上側面に固定されてい
る。そして、吐出弁15A〜15Cの先端は自由端とな
り、吐出穴8A〜8Cを開閉する構成となっている。
【0025】また、3個の吐出弁15A〜15Cのうち
中央に位置する吐出弁15Bの上方には、該吐出弁15
Bから所定距離を離間した位置に開弁規制装置16のプ
ッシュロッド20が配設されている。そして、低圧側気
筒3の吐出行程では、吐出室11と圧縮室5との圧力差
により、吐出弁15A〜15Cの先端側が弁座板6から
離間し、吐出穴8A〜8Cが開口して吐出室11と圧縮
室5とを連通する。
【0026】16は吐出室11側に設けられた流量調整
手段としての開弁規制装置を示し、該開弁規制装置16
はシリンダヘッド9の上側面に形成された円筒状の収容
部9D内に配設され、後述の電磁コイル17,ばね1
8,プランジャ19,プッシュロッド20および配線2
1から大略構成されている。そして、開弁規制装置16
が作動した状態では、プッシュロッド20が図2中の矢
示F方向に押動され、その先端部20Aが吐出弁15B
に当接することにより、該吐出弁15Bの開弁動作を規
制する。
【0027】この結果、吐出弁15A〜15Cのうち、
吐出弁15Bは閉弁状態に保持されるようになり、吐出
穴8Bからの圧縮空気の吐出が停止され、圧縮室5から
吐出室11に吐出される圧縮空気の流量は、約2/3に
制限(調整)されるようになる。
【0028】17はプッシュロッド20を下方に引下げ
る電磁コイルを示し、該電磁コイル17は環状に形成さ
れ、シリンダヘッド9の上側面に形成された収容部9D
の大径側に配設されている。また、電磁コイル17は開
弁規制装置16の作動時に外部から配線21を介して通
電されることにより励磁され、プランジャ19を介して
プッシュロッド20を下方へと押動するようになってい
る。
【0029】18は電磁コイル17の内側に配設された
ばねを示し、該ばね18は下端側がシリンダヘッド9の
上側面(収容部9Dの底部側)に当接し、上端側がプラ
ンジャ19の下側面に当接することにより、該プランジ
ャ19を図2に示す非作動位置へと常時付勢している。
【0030】19は鉄心等からなるプランジャ19を示
し、該プランジャ19はばね18により常時上向きに付
勢され、収容部9D内に上下方向に移動可能に収容され
ている。また、プランジャ19の下側面にはプッシュロ
ッド20が一体的に設けられ、電磁コイル17が励磁さ
れたときには、プランジャ19が磁気的に吸引されるこ
とによってプッシュロッド20が下方に押動される。
【0031】20はシリンダヘッド9の吐出室11内に
突出して設けられたプッシュロッドを示し、該プッシュ
ロッド20は上端側がプランジャ19の下側面に固着さ
れ、下端(先端)側をシリンダヘッド9の挿通穴9Eを
介して吐出室11内へと突出している。また、プッシュ
ロッド20の先端部20Aは小径な円板状に形成され、
開弁規制装置16の非作動状態では図2に示すように、
吐出弁15Bから所定間隔を離間した状態で保持されて
いる。そして、開弁規制装置16の作動時にはプッシュ
ロッド20が下方に押動され、先端部20Aが吐出弁1
5Bに当接することにより、該吐出弁15Bの開弁動作
を規制する。
【0032】21は基端側を電磁コイル17に接続され
た配線を示し、該配線21は図1に示すように先端側が
後述の温度センサ29および制御装置(図示せず)等に
接続され、この制御装置は温度センサ29からの信号に
基づいて電磁コイル17への通電を制御する構成となっ
ている。
【0033】一方、22は低圧側気筒3からの圧縮空気
を吸込みつつ、これを圧縮する高圧側気筒を示し、該高
圧側気筒22はクランクケース1の開口部1B上に設け
られ、低圧側気筒3とほぼ同様にシリンダ23、弁座板
24およびシリンダヘッド25等から構成されている。
【0034】そして、シリンダヘッド25には弁座板2
4との間に吸込室および吐出室(いずれも図示せず)が
画成されると共に、これら吸込室および吐出室を外部に
それぞれ連通する吸込口25Aおよび吐出口25Bが設
けられている。また、高圧側気筒22のシリンダ23内
にはピストン26が摺動可能に挿嵌され、該ピストン2
6は高圧側のシリンダ23内に圧縮室27を画成すると
共に、連接棒26A,ピストンピン26B等を介してク
ランク軸2に接続されている。
【0035】28は低圧側気筒3の吐出側を高圧側気筒
22の吸込側に連通させる中間配管を示し、該中間配管
28は一端側がシリンダヘッド9の吐出口9C(図2参
照)に接続され、他端側はシリンダヘッド25の吸込口
25Aに接続されている。そして、中間配管28はその
中間部28Aがクランクケース1の下端側へと略U字状
に屈曲して形成され、低圧側気筒3の吐出室11から吐
出される圧縮空気を高圧側気筒22の吸込口25Aへと
導きつつ、これを高圧側の圧縮室27内に吸込ませるも
のである。
【0036】29は高圧側気筒22の近傍に位置して中
間配管28の他端側に設けられた温度検出手段としての
温度センサを示し、該温度センサ29は例えばバイメタ
ルや感温リードスイッチ等の感温スイッチまたはサーミ
スタ等を用いた感温素子によて構成され、高圧側気筒2
2側の吸込口25A近傍に位置して中間配管28の温度
を検出するようになっている。そして、温度センサ29
はこのときの検出温度が予め決められた設定温度T0 に
達するまでは、前記制御装置により開弁規制装置16の
電磁コイル17へと配線21を介して作動信号を出力さ
せ、開弁規制装置16を作動させる。また、前記検出温
度が設定温度T0 を越えたときには前記制御装置からの
作動信号の出力を停止させ、開弁規制装置16を図2に
示す非作動状態に復帰させる。
【0037】30はプーリを示し、該プーリ30はベル
トを介して電動モータの出力軸等に連結され、この電動
モータの回転力によりクランク軸2を回転させるもので
ある。さらに、31は吐出配管を示し、該吐出配管31
は高圧側気筒22の吐出口25Bを外部の空気タンク
(図示せず)等に接続するものである。
【0038】本実施例による2段式空気圧縮機は上述の
如き構成を有するもので、次にその作動について説明す
る。
【0039】まず、開弁規制装置16が作動していない
通常の運転状態においては、前記電動モータによりプー
リ30を介してクランク軸2を回転駆動すると、低圧側
気筒3のシリンダ4内ではピストン13が往復動を繰返
すと共に、高圧側気筒22内ではピストン26が往復動
を繰返すようになる。これにより、低圧側のシリンダ4
内では、吸込行程としてピストン13が図2中の下側方
向に摺動するときに、吸込弁14が開弁して吸込室10
から圧縮室5内へと図2中の矢示A方向に大気が吸込ま
れる。そして、圧縮室5内に吸込まれた空気は、吐出行
程としてピストン13が上側方向に摺動するときに圧縮
されると共に、吐出弁15A〜15Cが開弁することに
より圧縮室5から吐出室11へと圧縮空気が矢示B方向
に吐出される。
【0040】また、吐出室11に吐出した圧縮空気は、
中間配管28を介して高圧側気筒22のシリンダヘッド
25の吸込室に流入し、この吸込室からシリンダ23内
の圧縮室27に吸込まれて圧縮されると共に、該圧縮室
27からシリンダヘッド25の吐出室に高圧の圧縮空気
として吐出される。そして、低圧側気筒3の吸込口9B
から吸込まれた空気は、低圧側気筒3と高圧側気筒22
とで2段階に圧縮され、高圧側気筒22の吐出口25B
から高圧の圧縮空気として吐出される。
【0041】ここで、吸込弁14および吐出弁15A〜
15Cの動作について述べると、吸込行程では圧縮室5
内の圧力が吸込室10内の圧力(大気圧)よりも小さく
なるため、吸込弁14はその中間部が圧縮室5側へと図
2中の矢示A方向に押圧されて湾曲し、中間部が弁座板
6から離間することにより開弁し、吸込室10から各吸
込穴7を介して圧縮室5内へと空気が吸込まれる。ま
た、吐出行程では、反対に圧縮室5内の方が高圧となる
ため、吸込弁14は弁座板6側に押圧されて閉弁し、各
吸込穴7を閉塞することにより吸込室10と圧縮室5と
を遮断する。
【0042】そして、吐出弁15A〜15Cは、吐出行
程では圧縮室5内の圧力が吐出室11内の圧力よりも大
きくなるため、吐出弁15A〜15Cはその先端側が吐
出室11側へと矢示B方向に押圧されて湾曲し、弁座板
6から離間することにより開弁し、圧縮室5から吐出込
穴8A〜8Cを介して吐出室11側へと圧縮空気を吐出
させる。また、吸込行程では、反対に吐出室11内の方
が高圧となるため、吐出弁15A〜15Cは弁座板6側
に押圧されて閉弁し、各吐出穴8A〜8Cを閉塞するこ
とにより吐出室11と圧縮室5とを遮断する。
【0043】この場合、開弁規制装置16の非作動状態
では、図2に示すようにプランジャ19がばね18によ
りカバー9F側に押圧され、プッシュロッド20の先端
部20Aは、吐出室11内で吐出弁15Bから所定間隔
をもって離間した状態に保持されているから、該吐出弁
15Bの先端側は吐出行程において弁座板6から離間し
吐出穴8Bを開口させることができ、この吐出行程では
吐出弁15A〜15Cが全て開弁して吐出穴8A〜8C
を開口させ、該吐出穴8A〜8Cを介して圧縮室5から
吐出室11内に大流量の圧縮空気を吐出できる。
【0044】これに対し、開弁規制装置16を作動させ
た状態では、配線21を介して電磁コイル17が励磁さ
れ、その磁気的な吸引力によってプランジャ19がプッ
シュロッド20と共にばね18に抗して図2中の矢示F
方向に押動され、プッシュロッド20の先端部20Aが
吐出弁15Bに当接する。これにより、吐出弁15Bは
弁座板6上に強制的に押付けられ、吐出穴8Bを閉塞す
る閉弁状態に保持される。
【0045】この結果、吐出行程であっても吐出穴8B
は閉塞したままの状態となり、圧縮室5からの圧縮空気
は2個の吐出穴8A,8Cのみを介して吐出室11に吐
出されることになり、圧縮室5から吐出室11に吐出さ
れる圧縮空気の流量は、約2/3の吐出量(流量)に制
限される。これにより、中間配管28を介して高圧側気
筒22に向けて吐出される圧縮空気の流量が減少すると
共に、中間配管28内の空気圧(中間圧力)も低下す
る。
【0046】さらに、高圧側気筒22の近傍に位置して
中間配管28の他端側に取付けた温度センサ29は、シ
リンダヘッド25近傍で中間配管28の温度を検出し、
中間配管28等が十分に暖められたと判断できる前記設
定温度T0 に達するまでは外部から配線21を介して通
電を行うことにより開弁規制装置16を作動させ、吐出
弁15Bの開弁動作を規制する。また、反対にシリンダ
ヘッド25近傍での中間配管28の温度が設定温度T0
を越えたときには、前記通電を停止して開弁規制装置1
6を非作動状態とし、吐出弁15Bに通常の開弁動作を
許容する。
【0047】かくして、本実施例では、低圧側気筒3の
吐出室11に開弁規制装置16を設け、中間配管28の
他端側に設けた温度センサ29で中間配管28等の温度
を検出することにより、このときの温度が設定温度T0
に達するまでは、開弁規制装置16を作動させてプッシ
ュロッド20により吐出弁15A〜15Cのうち吐出弁
15Bの開弁動作を規制し、該吐出弁15Bを閉弁状態
に保持する構成としたから、圧縮室5から吐出室11に
吐出される圧縮空気の空気量を、例えば通常時の2/3
程度の流量に減少させることができ、中間配管28内の
圧力(中間圧力)を一時的に下げることができる。
【0048】この結果、当該空気圧縮機の運転初期状態
では、中間配管28等が前記設定温度T0 に達して十分
に暖められるまで、中間配管28内の圧力を一時的に低
下させることにより圧縮空気の露点温度が上昇するのを
抑えることができ、圧縮運転の初期段階で低温状態にあ
る中間配管28や高圧側気筒22等の内部に圧縮空気が
接触してドレンが発生するのを効果的に防止できる。
【0049】従って、本実施例によれば、圧縮運転の初
期段階で中間配管28内の空気圧を一時的に低下させる
ことによりドレンの発生を防止でき、このドレンにより
吸気弁等に錆びが生じたり、ピストン26等の摺動部材
が早期に摩耗したり、またクランクケース1内の潤滑油
にドレンが混入して乳化現象等を起こしたりする等の問
題を解消できる。
【0050】また、暖気運転が済んだ後には開弁規制装
置16の作動を停止させることにより、圧縮室5から吐
出室11に吐出される圧縮空気を通常(定格)の流量に
戻すことができ、当該空気圧縮機の圧縮運転を通常の定
格状態に簡単に復帰させることができる。
【0051】さらに、当該空気圧縮機を設計する段階等
において、ドレンの発生を抑制するために中間配管28
内の定格圧力を制限したりする必要がなくなり、この定
格圧力を高く設定して当該空気圧縮機に高い圧縮性能
(吐出性能)を与えることができ、信頼性や寿命をを向
上させることができる。
【0052】なお、前記実施例においては、温度センサ
29からの信号により開弁規制装置16の作動,非作動
を制御するものとして述べたが、本発明はこれに限ら
ず、例えば温度センサ29の代わりに所定時間を計時す
るタイマ装置を用いて開弁規制装置16の作動,非作動
を制御するようにしてもよい。そして、この場合には圧
縮運転を開始してから一定時間(中間配管28等の温度
が上昇するまでの暖気運転に相当する時間)が経過する
まで、開弁規制装置16を一時的に作動させるようにし
てもよい。
【0053】また、開弁規制装置16の作動,非作動を
切換える切換スイッチを設けてもよく、この切換スイッ
チを例えば2段式空気圧縮機の運転スイッチ等と共に圧
縮機本体等に配設し、オペレータが暖気状態を判断して
このスイッチを操作し、開弁規制装置16の作動,非作
動を制御するようにしてもよい。
【0054】さらに、前記実施例においては、3個の吐
出弁15A〜15Cのうち中央に位置する吐出弁15B
の開弁動作のみを開弁規制装置16によって規制する構
成としたが、本発明はこれに限らず、開弁規制装置16
により吐出弁15Aまたは15Cの開弁動作を規制して
もよく、また吐出弁15A〜15Cのうち任意の2個の
吐出弁の開弁動作を規制するようにしてもよい。
【0055】また、前記実施例においては、吐出室11
内において3個の吐出穴8A〜8Cを弁座板6に設ける
ものとして述べたが、本発明はこれに限らず、2個また
は4個以上の吐出穴を弁座板6に設けるようにしてもよ
い。
【0056】さらに、前記実施例においては、開弁規制
装置16のプッシュロッド20で吐出弁15Bを押圧す
ることにより、該吐出弁15Bの開弁動作を規制するも
のとして述べたが、本発明はこれに限らず、例えば電磁
比例制御される開弁規制装置等を用いて吐出弁15A〜
15C等の弁開度を連続的または段階的に変化させるこ
とにより、吐出室11から中間配管28内に吐出される
圧縮空気の流量を可変に調整するようにしてもよい。
【0057】さらにまた、前記実施例においては、多段
式空気圧縮機として2段式空気圧縮機を例に挙げて述べ
たが、本発明はこれに限らず、例えば3段式以上の多段
式空気圧縮機に適用してもよい。
【0058】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、低圧側気筒の吐出部に流量調整手段を設
け、該流量調整手段により低圧側気筒から高圧側気筒に
向けて吐出される圧縮空気の流量を可変に調整する構成
としたから、当該空気圧縮機の運転状態に応じて圧縮空
気の流量を可変に調整でき、中間配管内の中間圧力を必
要に応じて調整することができる。そして、例えば圧縮
運転の初期段階において中間配管等が低温である場合に
は、前記流量調整手段で中間配管内の空気圧を一時的に
低下させることにより、中間配管内での圧縮空気の露点
温度を低下させ、ドレンの発生を効果的に防止できると
共に、当該空気圧縮機の信頼性や寿命を確実に向上させ
ることができる。
【0059】また、請求項2に記載の発明によれば、低
圧側気筒の吐出部に複数個の吐出弁を設け、該各吐出弁
のうち少なくともいずれか1個の吐出弁の弁開度を流量
調整手段で変化させるようにしたから、該吐出弁の弁開
度を変化させることにより低圧側気筒の吐出部から吐出
される圧縮空気の流量を可変に調整することができ、例
えば圧縮運転の初期段階において中間配管等が低温であ
る場合には、1個の吐出弁の弁開度を零として閉弁状態
に保持することにより、低圧側気筒の吐出部から吐出さ
れる圧縮空気の流量を減少させ、中間配管内でドレンが
発生するのを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による2段式空気圧縮機を示す
縦断面図である。
【図2】低圧側気筒のシリンダヘッド等を拡大して示す
図1中の矢示II−II方向断面図である。
【図3】シリンダヘッド内の吸込室および吐出室等を示
す図2中の矢示III −III 方向断面図である。
【符号の説明】
1 クランクケース 3 低圧側気筒 4,23 シリンダ 5,27 圧縮室 9,25 シリンダヘッド 10 吸込室(吸込部) 11 吐出室(吐出部) 13,26 ピストン 16 開弁規制装置(流量調整手段) 22 高圧側気筒 28 中間配管 29 温度センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸込部から空気を吸込み吐出部から圧縮
    空気を吐出する低圧側気筒と、該低圧側気筒からの圧縮
    空気を中間配管を介して吸込みつつ、これを圧縮する高
    圧側気筒とを備えた多段式空気圧縮機において、前記低
    圧側気筒の吐出部には、前記高圧側気筒に向けて吐出さ
    れる圧縮空気の流量を可変に調整する流量調整手段を設
    けたことを特徴とする多段式空気圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記低圧側気筒の吐出部には複数個の吐
    出弁を設け、前記流量調整手段は該各吐出弁のうち少な
    くともいずれか1個の吐出弁の弁開度を変化させる構成
    としてなる請求項1に記載の多段式空気圧縮機。
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