以下、添付図面を参照しながら本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1~図4を参照して、一実施形態に係るトラブル解決装置を含む情報処理システムの構成を説明する。図1は、一実施形態に係るトラブル解決装置を含む情報処理システムの概略構成図である。図2の(a)は、図1に示されるユーザ情報DBに格納されているユーザ基礎情報の一例を示す図である。図2の(b)は、図1に示されるユーザ情報DBに格納されている位置情報の一例を示す図である。図2の(c)は、図1に示されるユーザ情報DBに格納されている決済情報の一例を示す図である。図3は、図1に示される解決情報DBに格納されている解決情報の一例を示す図である。図4は、図1に示される商品価値情報DBに格納されている商品価値情報の一例を示す図である。
図1に示される情報処理システム1は、電子商取引におけるトラブルを解決するためのシステムである。ここでは、電子商取引として、個人間取引(CtoC)を用いて説明する。CtoCの電子商取引の例は、ネットレンタルサービス、ネットオークション、及びネットフリーマーケットを含む。
情報処理システム1は、複数の端末装置2と、ユーザ情報DB3と、解決情報DB4と、商品価値情報DB5と、管理装置6と、トラブル解決装置10と、を含む。複数の端末装置2、ユーザ情報DB3、解決情報DB4、商品価値情報DB5、管理装置6、及びトラブル解決装置10は、ネットワークNWを介して互いに通信可能に構成されている。ネットワークNWは、有線及び無線のいずれで構成されてもよい。ネットワークNWの例としては、移動体通信網、インターネット、及びWAN(Wide Area Network)が挙げられる。
端末装置2は、ユーザUによって用いられ、ユーザUが携帯可能な装置である。端末装置2の例としては、スマートフォン及びタブレット端末を含む携帯端末が挙げられる。複数の端末装置2は、端末装置2A及び端末装置2Bを含む。端末装置2Aは、ユーザU1(第1ユーザ)によって用いられる。端末装置2Bは、ユーザU2(第2ユーザ)によって用いられる。
端末装置2は、端末装置2のユーザUに関するユーザ基礎情報(後述)を保持している。端末装置2は、ユーザ基礎情報をユーザ情報DB3に送信する。
端末装置2は、GPS(Global Positioning System)等を用いて端末装置2の位置情報(緯度及び経度)を取得する。端末装置2は、接続されている無線ネットワークの親局の設置位置の情報を位置情報として取得してもよい。親局の設置位置の例としては、モバイルネットワークの基地局、及びWi-Fiのアクセスポイント等が挙げられる。端末装置2は、端末装置2の近傍に存在する端末の位置情報を端末装置2の位置情報として取得してもよい。このような端末としては、例えば、Bluetooth(登録商標)のビーコン端末等が挙げられる。位置情報の詳細については後述する。端末装置2は、定期的に位置情報をユーザ情報DB3に送信する。
端末装置2は、ユーザUが端末装置2を用いて行った決済に関する決済情報を生成する。例えば、端末装置2にインストールされている決済アプリケーションを用いてユーザUが商品を購入した場合、端末装置2は、決済情報を生成する。決済情報の詳細については後述する。端末装置2は、例えば、決済情報を生成するごとに、決済情報をユーザ情報DB3に送信する。
ユーザ情報DB3は、各ユーザUのユーザ情報を格納するデータベースである。ユーザ情報は、ユーザ基礎情報、位置情報、及び決済情報を含む。ユーザ基礎情報は、ユーザUの基礎的な情報である。図2の(a)に示されるように、ユーザ基礎情報は、ユーザID(identifier)と、端末IDと、氏名と、生年月日と、性別と、居住地と、を含む。ユーザIDは、ユーザUを一意に識別可能な情報である。端末IDは、端末装置2を一意に識別可能な情報である。ここでは、端末IDは、ユーザIDによって識別されるユーザUが使用している端末装置2を示す。ユーザ基礎情報は、さらに他の情報を含んでもよい。
位置情報は、各端末装置の位置を示す情報である。図2の(b)に示されるように、位置情報は、端末IDと、当該位置情報を取得した時刻(タイムスタンプ)と、緯度と、経度と、を含む。ユーザ情報DB3は、各端末装置2から位置情報を受信すると、受信した位置情報を格納する。ユーザ情報DB3には、各端末装置2の複数の位置情報が位置情報の履歴(ログ)として格納されている。
決済情報は、各端末装置2を用いて行われた決済に関する情報である。図2の(c)に示されるように、決済情報は、端末ID、決済が行われた時刻、決済が行われた場所、金額、及び商品名を含む。ユーザ情報DB3は、各端末装置2から決済情報を受信すると、受信した決済情報を格納する。ユーザ情報DB3には、各端末装置2の複数の決済情報が決済情報の履歴として格納されている。
解決情報DB4は、解決情報を格納するデータベースである。解決情報は、電子商取引において過去に発生したトラブルを解決するために妥結された内容に関する情報である。図3に示されるように、解決情報は、ケースIDと、商品名と、解決方法と、種類と、金額と、を含む。ケースIDは、電子商取引において過去に発生したトラブルを一意に識別可能な情報である。商品名は、ケースIDによって識別されるトラブルにおける取引対象の商品の名称である。解決方法は、ケースIDによって識別されるトラブルを解決した方法である。解決方法の例は、金銭による補償、商品による弁償、社会的制裁、及びそれらの組み合わせを含む。
種類は、解決方法の詳細な種類を示す。金銭による補償の種類としては、全額返金、及び一部返金が挙げられる。商品による弁償の種類としては、同一の商品を提供すること、及び類似の商品を提供すること等が挙げられる。社会的制裁の種類としては、現実空間における制裁、及びサイバー空間における制裁が挙げられる。現実空間における制裁は、新聞等に謝罪文を掲載すること、及び刑事罰等に細分化されてもよい。サイバー空間における制裁は、電子商取引における評価を下げること、ユーザUの信用を示すスコアを下げること、及びSNS(Social Networking Service)にトラブル内容を掲載すること等に細分化されてもよい。金額は、ケースIDによって識別されるトラブルが金銭による補償で解決された場合に、被害者に支払われた金額である。解決情報は、情報処理システム1において電子商取引におけるトラブルが解決されるごとに追加される。
商品価値情報DB5は、商品価値情報を格納するデータベースである。商品価値情報は、電子商取引の対象である商品の価値に関する情報である。商品は、物だけでなく、サービスも含み得る。図4に示されるように、商品価値情報は、商品IDと、商品名と、定価と、を含む。商品IDは、商品を一意に識別可能な情報である。商品名は、商品IDによって識別される商品の名称である。定価は、商品IDによって識別される商品の定価である。商品価値情報は、商品価値情報DB5に予め登録されている。商品価値情報は、例えば、定価が変更されるごとに更新される。
管理装置6は、ユーザUによって入力された情報に基づき、トラブル情報を生成する装置である。管理装置6の例としては、サーバ装置等の情報処理装置が挙げられる。電子商取引においてトラブルに巻き込まれたユーザUが、端末装置2を用いて、トラブルの内容を管理装置6に入力する。ユーザUは、例えば、トラブルの当事者(加害者及び被害者)を特定可能な情報、トラブルの対象となっている商品に関する情報、及びトラブルの種類を示す情報等を管理装置6に入力する。
商品に関する情報は、商品を特定可能な情報を含む。商品に関する情報は、商品の重要度を示す情報、及び商品の使用年数を含んでもよい。商品の重要度は、例えば、商品に対するユーザUの思い入れの深さを示す指標である。トラブルの種類の例は、破損、汚損、紛失、未着、及び欠陥品を含む。ユーザUは、端末装置2を用い、予め準備されたトラブル報告用のフォームに必要事項を入力することによって、管理装置6にトラブルに関する情報を入力(送信)してもよい。
管理装置6は、ユーザUによって入力された情報からトラブル情報を生成し、トラブル情報をトラブル解決装置10に送信する。トラブル情報は、例えば、トラブルの当事者である加害者及び被害者を識別可能な当事者情報、トラブルが生じた商品に関する商品情報、及びトラブルの種類を示す情報を含む。当事者情報としては、加害者のユーザID及び被害者のユーザIDが用いられる。商品情報は、例えば、商品ID、商品の重要度、及び商品の使用年数を含む。以下、ユーザU1が加害者であり、ユーザU2が被害者である場合を例として説明する。
トラブル解決装置10は、電子商取引におけるトラブルの当事者が妥結するための妥結案を生成する装置である。トラブル解決装置10の例としては、サーバ装置等の情報処理装置が挙げられる。
図5及び図6を参照して、トラブル解決装置10の機能構成を説明する。図5は、図1に示されるトラブル解決装置の機能構成を示すブロック図である。図6は、図5に示される記憶部に格納されているプロファイル情報の一例を示す図である。図5に示されるように、トラブル解決装置10は、機能的には、取得部11と、取得部12と、生成部13(第2生成部)と、記憶部14と、受信部15と、取得部16と、生成部17(第1生成部)と、出力部18と、受信部19と、決定部20と、を備えている。後述のトラブル解決方法の説明において、各機能部の機能(動作)を詳細に説明するので、ここでは各機能部の機能を簡単に説明する。
取得部11は、ユーザ情報を取得する機能部である。取得部11は、ユーザ情報DB3に格納されているユーザ情報から、各ユーザUに関するユーザ情報を抽出することによって、各ユーザUのユーザ情報を取得する。本実施形態においては、取得部11は、少なくともユーザU1に関するユーザ情報(第1ユーザ情報)及びユーザU2に関するユーザ情報(第2ユーザ情報)を取得する。取得部11は、各ユーザUのユーザ情報を生成部13に出力する。
取得部12は、解決情報を取得する機能部である。取得部12は、解決情報DB4に格納されている解決情報を取得する。取得部12は、解決情報を生成部13に出力する。
記憶部14は、各ユーザUのプロファイル情報を記憶する機能部である。プロファイル情報は、ユーザUが妥結可能な傾向にある妥結内容に関する情報である。プロファイル情報は、賠償の種類及び賠償の程度を示す情報を含む。本実施形態においては、賠償の種類は、金銭による補償、商品による弁償、及び社会的制裁を含むが、これらの種類に限られない。
図6に示される例においては、プロファイル情報は、ユーザIDと、プロファイル情報の種別と、妥結可能な金額と、妥結可能な代替商品と、妥結可能な社会的制裁と、を含む。プロファイル情報の種別の例は、加害者用のプロファイル情報と、被害者用のプロファイル情報と、を含む。妥結可能な金額は、ユーザIDによって識別されるユーザUが妥結できる最低金額を示す。最低金額は、例えば、定価に対する割合(%)で表されてもよい。妥結可能な金額が80%である場合、金銭による補償が定価の80%以上であれば、ユーザUが妥結できることを意味する。
妥結可能な代替商品は、ユーザIDによって識別されるユーザUが妥結できる代替商品を示す。妥結可能な代替商品の例は、同一の商品、対象商品よりも高額な類似の商品、及び入手に時間を要しない類似の商品を含む。妥結可能な社会的制裁は、ユーザIDによって識別されるユーザUが妥結できる社会的制裁を示す。妥結可能な社会的制裁の例は、新聞等に謝罪文を掲載すること、刑事罰、電子商取引における評価を下げること、ユーザUの信用を示すスコアを下げること、及びSNSにトラブル内容を掲載することを含む。
各プロファイル情報においては、妥結可能な金額、妥結可能な代替商品、及び妥結可能な社会的制裁のうちの少なくとも1項目が有効に設定されている。ユーザUは、当該ユーザUのプロファイル情報において、妥結可能な金額、妥結可能な代替商品、及び妥結可能な社会的制裁のうちの有効に設定されている項目のすべてを含む妥結内容で妥結可能な傾向にある。例えば、妥結可能な金額が「80%」であり、妥結可能な社会的制裁が「電子商取引における評価の低下」であり、妥結可能な代替商品には無効な情報が設定されている場合、商品の定価の80%以上の金銭補償に加えて、電子商取引における評価の低下がユーザUの妥結可能な傾向にある内容である。
生成部13は、各ユーザUのプロファイル情報を生成する機能部である。生成部13は、各ユーザUのユーザ情報に基づいて、各ユーザUのプロファイル情報を生成する。生成部13は、例えば、ユーザU1のユーザ情報に基づいて、ユーザU1が妥結可能な傾向にある妥結内容に関するプロファイル情報P1(第1プロファイル情報)(図6参照)を生成し、ユーザU2のユーザ情報に基づいて、ユーザU2が妥結可能な傾向にある妥結内容に関するプロファイル情報P2(第2プロファイル情報)(図6参照)を生成する。
プロファイル情報P1は、加害者用のプロファイル情報Pa1と、被害者用のプロファイル情報Pv1と、を含む。プロファイル情報P2は、加害者用のプロファイル情報Pa2と、被害者用のプロファイル情報Pv2と、を含む。プロファイル情報を生成する方法の詳細は後述する。生成部13は、各ユーザUのプロファイル情報を記憶部14に出力し、プロファイル情報を記憶部14に格納する。
受信部15は、トラブル情報を受信する機能部である。受信部15は、管理装置6からトラブル情報を受信する。受信部15は、トラブル情報を生成部17に出力するとともに、トラブル情報に含まれる商品IDを取得部16に出力する。
取得部16は、トラブルが生じた商品の商品価値情報を取得する機能部である。取得部16は、例えば、トラブル情報に含まれる商品IDと同じ商品IDを含む商品価値情報を商品価値情報DB5から取得する。取得部16は、商品価値情報を生成部17に出力する。
生成部17は、トラブルの当事者間における妥結案を示す妥結情報を生成する機能部である。本実施形態においては、生成部17は、商品情報、商品価値情報、プロファイル情報P1、及びプロファイル情報P2に基づいて、ユーザU1とユーザU2との間における妥結案を示す妥結情報を生成する。妥結情報の妥結案には、商品情報、商品価値情報、及びプロファイル情報P1に基づいて生成された1以上の妥結案(第1妥結案)と、商品情報、商品価値情報、及びプロファイル情報P2に基づいて生成された1以上の妥結案(第2妥結案)と、が含まれる。生成部17は、妥結情報を出力部18に出力する。
出力部18は、妥結情報を出力する機能部である。出力部18は、ユーザU1に複数の妥結案から1つの妥結案を選択させるために、端末装置2Aに妥結情報を送信(出力)する。出力部18は、ユーザU2に複数の妥結案から1つの妥結案を選択させるために、端末装置2Bに妥結情報を送信(出力)する。出力部18は、管理装置6を介して、端末装置2A,2Bに妥結情報を送信(出力)してもよい。出力部18は、最終的な妥結案を示す別の妥結情報を端末装置2A,2Bにさらに送信(出力)する。出力部18は、管理装置6を介して、端末装置2A,2Bに別の妥結情報を送信(出力)してもよい。
受信部19は、ユーザU1によって選択された妥結案を示す選択結果と、ユーザU2によって選択された妥結案を示す選択結果と、を受信する機能部である。受信部19は、各ユーザUの選択結果を決定部20に出力する。
決定部20は、複数の妥結案のうち、ユーザU1によって選択された妥結案と、ユーザU2によって選択された妥結案と、に基づいて、最終的な妥結案を決定する機能部である。決定部20は、ユーザU1によって選択された妥結案とユーザU2によって選択された妥結案とが同じである場合、その妥結案を最終的な妥結案として決定する。決定部20は、ユーザU1によって選択された妥結案とユーザU2によって選択された妥結案とが互いに異なる場合、それらの妥結案の均衡を保つように最終的な妥結案を決定する。決定部20は、最終的な妥結案を示す別の妥結情報を出力部18に出力する。
次に、図7を参照して、トラブル解決装置10が行うプロファイル情報を生成する方法を説明する。図7は、図1に示されるトラブル解決装置が行うプロファイル情報を生成する方法の一連の処理を示すフローチャートである。図7に示される一連の処理は、例えば、ユーザ情報DB3に格納されているユーザ情報が更新されるごとに開始される。
図7に示されるように、まず、取得部11がユーザ情報を取得する(ステップS11)。具体的には、取得部11は、ユーザ情報DB3に格納されているユーザ情報から、各ユーザUのユーザ基礎情報、位置情報、及び決済情報を含むユーザ情報を抽出することによって、各ユーザUのユーザ情報を取得する。そして、取得部11は、各ユーザUのユーザ情報を生成部13に出力する。
続いて、取得部12は、過去の解決情報を取得する(ステップS12)。具体的には、取得部12は、解決情報DB4に格納されている解決情報を取得する。そして、取得部12は、解決情報を生成部13に出力する。
続いて、生成部13は、取得部11から各ユーザUのユーザ情報を受け取り、取得部12から解決情報を受け取ると、各ユーザUのプロファイル情報を生成する(ステップS13)。ステップS13においては、まず、生成部13は、各ユーザUのユーザ情報に対して前処理を行う。例えば、生成部13は、前処理として、ユーザUのユーザ情報に含まれる位置情報に基づいて、特徴的な場所に関する情報を生成する。特徴的な場所は、ユーザUの金銭感覚が反映され得る場所であり、予め定められている。特徴的な場所の例としては、競馬場、及び高級レストランが挙げられる。
具体的には、生成部13は、ユーザUの位置情報から、当該ユーザUが特徴的な場所のいずれかに行ったか否かを判定する。生成部13は、例えば、ユーザUの位置情報によって示される位置が、特徴的な場所の位置から半径数m以内の範囲に含まれている場合に、ユーザUが当該特徴的な場所に行ったと判定する。特徴的な場所の位置を示す位置情報は、生成部13に予め設定されている。そして、生成部13は、ユーザUが行った特徴的な場所とその場所に行った回数とを示す情報を、特徴的な場所に関する情報として生成する。
例えば、生成部13は、前処理として、ユーザUのユーザ情報に含まれる決済情報に基づいて、特徴的な商品に関する情報、及び決済額に関する情報を生成する。特徴的な商品は、ユーザUの金銭感覚が反映され得る商品であり、予め定められている。特徴的な商品の例としては、高級品、及び特売品が挙げられる。
具体的には、生成部13は、ユーザUのユーザ情報の決済情報から、特徴的な商品のいずれかを購入したか否かを判定する。生成部13は、例えば、ユーザUの決済情報に含まれる商品名が、特徴的な商品の名称に完全に一致しているか、部分的に一致している場合に、ユーザUが当該特徴的な商品を購入したと判定する。特徴的な商品の名称は、生成部13に予め設定されている。そして、生成部13は、ユーザUが購入した特徴的な商品とその商品を購入した回数とを示す情報を、特徴的な商品に関する情報として生成する。また、生成部13は、ユーザUのユーザ情報の決済情報から1月当たりの平均的な決済額を算出し、1月当たりの平均的な決済額を決済額に関する情報として生成する。
本実施形態においては、生成部13は、各ユーザUについて、加害者である場合のプロファイル情報と、被害者である場合のプロファイル情報と、を生成する。生成部13は、例えば、加害者用の機械学習モデルを用いて、加害者用のプロファイル情報を生成し、被害者用の機械学習モデルを用いて、被害者用のプロファイル情報を生成する。
具体的に説明すると、生成部13は、加害者用の機械学習モデルに、1人のユーザUのユーザ基礎情報、特徴的な場所に関する情報、特徴的な商品に関する情報、決済額に関する情報、及び過去の解決情報を入力する。そして、加害者用の機械学習モデルは、当該ユーザUの加害者用のプロファイル情報の各項目に対応した値を出力する。同様に、生成部13が、被害者用の機械学習モデルに、1人のユーザUのユーザ基礎情報、特徴的な場所に関する情報、特徴的な商品に関する情報、決済額に関する情報、及び過去の解決情報を入力する。そして、被害者用の機械学習モデルは、当該ユーザUの被害者用のプロファイル情報の各項目に対応した値を出力する。
各機械学習モデルの出力には、例えば、金銭による補償、妥結可能金額、商品による弁償、商品による弁償の詳細な分類、社会的制裁、及び社会的制裁の詳細な分類が割り当てられている。機械学習モデルは、これらの項目の確率を示す値を出力する。そして、生成部13は、機械学習モデルから出力された値が予め定められた閾値よりも大きい場合に、その出力に割り当てられた項目をユーザUのプロファイル情報に含める。そして、生成部13は、金銭による補償の確率が閾値よりも大きい場合には、プロファイル情報の金銭による補償を有効に設定するとともに、機械学習モデルから出力された妥結可能金額をプロファイル情報に設定する。さらに、生成部13は、ユーザIDと、加害者又は被害者を示す種別とを設定する。以上のようにして、生成部13は、各ユーザUの加害者用のプロファイル情報及び被害者用のプロファイル情報を生成する。
なお、加害者用の機械学習モデル及び被害者用の機械学習モデルは、例えば、電子商取引において過去に発生したトラブル(以下、「過去トラブル」という)に関する情報が用いられて予め学習されることによって生成される。
具体的には、加害者用の機械学習モデルの学習には、過去トラブルの加害者に関する情報と、当該加害者のプロファイル情報とのデータセットが用いられる。加害者に関する情報は、加害者の基礎情報、特徴的な場所に関する情報、特徴的な商品に関する情報、決済額に関する情報、及び過去の解決情報を含む。加害者の基礎情報は、ユーザ基礎情報に相当する情報である。加害者のプロファイル情報は、加害者が妥結可能な傾向にある妥結内容に関する情報である。加害者のプロファイル情報は、加害者の金銭による補償、妥結可能金額、商品による弁償、商品による弁償の詳細な分類、社会的制裁、及び社会的制裁の詳細な分類の各項目を含む。複数の加害者について、上記データセットがそれぞれ準備される。これらの複数のデータセットを正解データとして用いることにより、加害者用の機械学習モデルが学習される。
被害者用の機械学習モデルの学習には、過去トラブルの被害者に関する情報と、当該被害者のプロファイル情報とのデータセットが用いられる。被害者に関する情報は、被害者の基礎情報、特徴的な場所に関する情報、特徴的な商品に関する情報、決済額に関する情報、及び過去の解決情報である。被害者の基礎情報は、ユーザ基礎情報に相当する情報である。被害者のプロファイル情報は、被害者が妥結可能な傾向にある妥結内容に関する情報である。被害者のプロファイル情報は、被害者の金銭による補償、妥結可能金額、商品による弁償、商品による弁償の詳細な分類、社会的制裁、及び社会的制裁の詳細な分類の各項目を含む。複数の被害者について、上記データセットがそれぞれ準備される。これらの複数のデータセットを正解データとして用いることにより、被害者用の機械学習モデルが学習される。
そして、生成部13は、各ユーザUの加害者用のプロファイル情報及び被害者用のプロファイル情報を記憶部14に出力し(ステップS14)、それらのプロファイル情報を記憶部14に記憶させる。
以上により、プロファイル情報を生成する方法の一連の処理が終了する。なお、ステップS12は、ステップS11よりも前に行われてもよく、ステップS11と並行して行われてもよい。
次に、図8を参照して、トラブル解決装置10が行うトラブル解決方法を説明する。図8は、図1に示されるトラブル解決装置が行うトラブル解決方法の一連の処理を示すフローチャートである。図8に示される一連の処理は、例えば、所定の時間が経過するごとに繰り返し行われる。
図8に示されるように、まず、受信部15が、管理装置6からトラブル情報を受信したか否かを判定する(ステップS21)。受信部15がトラブル情報を受信していないと判定された場合(ステップS21;NO)、受信部15がトラブル情報を受信するまで、ステップS21の処理が繰り返される。ステップS21において、受信部15がトラブル情報を受信したと判定された場合(ステップS21;YES)、受信部15は、トラブル情報を生成部17に出力するとともに、トラブル情報に含まれる商品IDを取得部16に出力する。
続いて、取得部16は、受信部15から商品IDを受け取ると、トラブル情報に含まれる商品IDと同じ商品IDを含む商品価値情報を商品価値情報DB5から取得する(ステップS22)。そして、取得部16は、商品価値情報を生成部17に出力する。
続いて、生成部17は、受信部15からトラブル情報を受け取ると、トラブルの当事者のプロファイル情報を取得する(ステップS23)。具体的には、生成部17は、トラブル情報に含まれる加害者のユーザIDと同じユーザIDを含む加害者用のプロファイル情報を記憶部14から取得する。同様に、生成部17は、トラブル情報に含まれる被害者のユーザIDと同じユーザIDを含む被害者用のプロファイル情報を記憶部14から取得する。ここでは、ユーザU1が加害者であり、ユーザU2が被害者であるので、生成部17は、ユーザU1の加害者用のプロファイル情報Pa1を取得し、ユーザU2の被害者用のプロファイル情報Pv2を取得する。
続いて、生成部17は、トラブル情報に含まれる商品情報と、プロファイル情報Pa1及びプロファイル情報Pv2と、取得部16から受け取った商品価値情報とに基づいて、妥結情報を生成する(ステップS24)。本実施形態においては、生成部17は、商品情報、商品価値情報、及びプロファイル情報Pa1に基づいて、1以上の妥結案を生成するとともに、商品情報、商品価値情報、及びプロファイル情報Pv2に基づいて、1以上の妥結案を生成する。
具体的に説明すると、ステップS24においては、まず、生成部17は、商品価値情報に対して前処理を行う。例えば、生成部17は、商品価値情報に含まれる定価と、トラブル情報に含まれる商品の使用年数と、に基づいて、商品の残存価値を算出する。具体的には、生成部17は、予め定められた減価率で使用年数分だけ定価から減額することで、残存価値を算出する。減価率は、生成部17に予め設定されている。減価率は、商品価値情報に含まれていてもよい。
そして、生成部17は、例えば、妥結案生成用の機械学習モデルを用いて、妥結案を生成する。
具体的に説明すると、生成部17は、妥結案生成用の機械学習モデルに、プロファイル情報Pa1、商品ID、商品の残存価値、及び商品の重要度を入力する。そして、機械学習モデルは、1以上の妥結案の各項目に対応した値を出力する。同様に、生成部17が、妥結案生成用の機械学習モデルに、プロファイル情報Pv2、商品ID、商品の残存価値、及び商品の重要度を入力する。そして、機械学習モデルは、1以上の妥結案の各項目に対応した値を出力する。
妥結案生成用の機械学習モデルの出力には、プロファイル情報を生成するために用いられた機械学習モデルの出力と同様の項目が割り当てられている。機械学習モデルは、これらの項目の確率を示す値を出力する。そして、生成部17は、機械学習モデルから出力された値が予め定められた閾値よりも大きい場合に、その出力に割り当てられた項目を妥結案に含める。そして、生成部17は、機械学習モデルから出力されたすべての妥結案を示す妥結情報を出力部18に出力する。
なお、生成部17は、商品の重要度を商品の残存価値に反映させてもよい。例えば、生成部17は、重要度が高いほど残存価値が高く、重要度が低いほど残存価値が低くなるように、残存価値を算出してもよい。この場合、生成部17は、商品の重要度を妥結案生成用の機械学習モデルに入力しなくてもよい。
なお、妥結案生成用の機械学習モデルは、例えば、過去トラブルに関する情報が用いられて予め学習されることによって生成される。
具体的には、妥結案生成用の機械学習モデルの学習には、過去トラブルの加害者に関する情報と、過去トラブルの複数の妥結案とのデータセット、及び過去トラブルの被害者に関する情報と、過去トラブルの複数の妥結案とのデータセットが用いられる。加害者に関する情報は、加害者のプロファイル情報、商品の商品ID、商品の残存価値、及び商品の重要度を含む。被害者に関する情報は、被害者のプロファイル情報、商品の商品ID、商品の残存価値、及び商品の重要度を含む。複数の妥結案は、実際にトラブルの当事者(加害者及び被害者)が妥結した妥結案と、トラブルの当事者が妥結した妥結案に近い条件の妥結案と、を含む。複数の妥結案のそれぞれは、プロファイル情報を生成するために用いられた機械学習モデルの出力と同様の項目を含む。複数の過去トラブルについて、上記データセットが準備される。これらの複数のデータセットを正解データとして用いることにより、妥結案生成用の機械学習モデルが学習される。
続いて、出力部18は、生成部17から妥結情報を受け取ると、妥結情報を出力する(ステップS25)。例えば、出力部18は、ユーザU1に複数の妥結案から1つの妥結案を選択させるために、端末装置2Aに妥結情報を送信(出力)する。同様に、出力部18は、ユーザU2に複数の妥結案から1つの妥結案を選択させるために、端末装置2Bに妥結情報を送信(出力)する。出力部18は、管理装置6を介して端末装置2A,2Bに妥結情報を送信してもよい。
続いて、端末装置2Aは、トラブル解決装置10(出力部18)から妥結情報を受信すると、妥結情報に含まれる複数の妥結案を不図示のディスプレイに表示する。そして、ユーザU1が複数の妥結案から妥結可能な1つの妥結案を選択すると、端末装置2Aは、ユーザU1によって選択された妥結案を示す選択結果をトラブル解決装置10に送信する。同様に、端末装置2Bは、トラブル解決装置10(出力部18)から妥結情報を受信すると、妥結情報に含まれる複数の妥結案を不図示のディスプレイに表示する。そして、ユーザU2が複数の妥結案から妥結可能な1つの妥結案を選択すると、端末装置2Bは、ユーザU2によって選択された妥結案を示す選択結果をトラブル解決装置10に送信する。
続いて、受信部19は、当事者双方(ユーザU1及びユーザU2)の選択結果を受信したか否かを判定する(ステップS26)。受信部19は、当事者双方の選択結果を受信したわけではないと判定した場合(ステップS26;NO)、当事者双方の選択結果を受信するまで、ステップS26の処理を繰り返す。一方、受信部19は、当事者双方の選択結果を受信したと判定した場合(ステップS26;YES)、当事者双方の選択結果を決定部20に出力する。
続いて、決定部20は、受信部19から当事者双方の選択結果を受信すると、当事者双方の選択結果に基づいて最終的な妥結案を決定する(ステップS27)。具体的には、決定部20は、ユーザU1によって選択された妥結案とユーザU2によって選択された妥結案とが同じである場合、その妥結案を最終的な妥結案として決定する。
一方、決定部20は、ユーザU1によって選択された妥結案とユーザU2によって選択された妥結案とが互いに異なる場合、それらの妥結案の均衡を保つように最終的な妥結案を決定する。決定部20は、両者が選択した妥結案を数値化可能な場合には、それらの平均を最終的な妥結案として決定する。例えば、ユーザU1によって選択された妥結案とユーザU2によって選択された妥結案とがいずれも金銭による補償であるものの、その妥結可能な金額において相違している場合、決定部20は、ユーザU1が妥結可能な金額とユーザU2が妥結可能な金額との平均による補償を最終的な妥結案として決定する。
ユーザU1によって選択された妥結案とユーザU2によって選択された妥結案とがいずれも信用スコアの低下であるものの、低下の程度において相違している場合、決定部20は、ユーザU1が求める信用スコアを低下させる値とユーザU2が求める信用スコアを低下させる値との平均値だけ信用スコアを低下させることを、最終的な妥結案として決定する。
決定部20は、両者が選択した妥結案を数値化できない場合には、いずれかの妥結案を最終的な妥結案として決定する。このとき、決定部20は、被害者により大きな利益が生じる妥結案を最終的な妥結案として決定してもよい。さらに、決定部20は、妥結案が採用されなかったユーザにも利益があるように、採用された妥結案を修正してもよい。
例えば、ユーザU1によって選択された妥結案が、妥結可能金額が80%の金銭による補償であり、ユーザU2によって選択された妥結案が、電子商取引における評価の低下である場合、決定部20が被害者であるユーザU2の妥結案を最終的な妥結案として決定したとする。このとき、決定部20は、評価を低下させる値を、ユーザU2が求める値よりも小さい値に修正する。一方、決定部20が加害者であるユーザU1の妥結案を最終的な妥結案として決定した場合、決定部20は、妥結可能金額をユーザU1が求める金額よりも多い金額に修正する。
そして、決定部20は、最終的な妥結案を示す別の妥結情報を出力部18に出力する。
続いて、出力部18は、決定部20から別の妥結情報を受け取ると、別の妥結情報を出力する(ステップS28)。例えば、出力部18は、ユーザU1の端末装置2A及びユーザU2の端末装置2Bのそれぞれに別の妥結情報を送信(出力)する。出力部18は、管理装置6を介して端末装置2A,2Bに別の妥結情報を送信してもよい。
以上により、トラブル解決方法の一連の処理が終了する。なお、ステップS23は、ステップS22よりも前に行われてもよく、ステップS22と並行して行われてもよい。
以上説明した情報処理システム1及びトラブル解決装置10においては、トラブルが生じた商品に関する商品情報、トラブルの一方の当事者であるユーザU1が妥結可能な傾向にある内容に関するプロファイル情報P1(プロファイル情報Pa1)、及びトラブルの他方の当事者であるユーザU2が妥結可能な傾向にある内容に関するプロファイル情報P2(プロファイル情報Pv2)に基づいて、ユーザU1とユーザU2との間における妥結案を示す妥結情報が生成される。この構成においては、プロファイル情報Pa1とプロファイル情報Pv2とが考慮されて妥結案が生成されるので、ユーザU1及びユーザU2の双方が妥結可能な妥結案が生成される可能性が高まる。その結果、電子商取引におけるトラブルが当事者間において解決される可能性を高めることが可能となる。
妥結情報によって示される妥結案は、商品情報及びプロファイル情報Pa1に基づいて生成された1以上の妥結案と、商品情報及びプロファイル情報Pv2に基づいて生成された1以上の妥結案と、を含む。出力部18は、これらの複数の妥結案から、ユーザU1及びユーザU2に妥結案を選択させるために、妥結情報を出力する。この構成によれば、ユーザU1及びユーザU2のそれぞれに妥結案を選択する機会を与えることで、ユーザU1及びユーザU2の納得感を高めることができる。
決定部20は、複数の妥結案の中から、ユーザU1によって選択された妥結案とユーザU2によって選択された妥結案とに基づいて、最終的な妥結案を決定する。この構成によれば、ユーザU1によって選択された妥結案とユーザU2によって選択された妥結案とが考慮されて、最終的な妥結案が決定されるので、最終的な妥結案は、ユーザU1,U2が妥結可能な内容を含む可能性が高まる。したがって、電子商取引におけるトラブルが当事者間において解決される可能性をさらに高めることが可能となる。
決定部20は、ユーザU1によって選択された妥結案とユーザU2によって選択された妥結案とが互いに異なる場合、それらの妥結案の均衡を保つように最終的な妥結案を決定する。この構成によれば、ユーザU1によって選択された妥結案とユーザU2によって選択された妥結案とが互いに異なっていたとしても、それらの妥結案の均衡を保つ妥結案が最終的な妥結案として採用されることによって、ユーザU1及びユーザU2の双方が最終的な妥結案を受け入れる可能性を高めることができる。その結果、電子商取引におけるトラブルが当事者間において解決される可能性をさらに高めることが可能となる。
生成部13は、ユーザU1に関するユーザ情報に基づいてプロファイル情報P1を生成し、ユーザU2に関するユーザ情報に基づいてプロファイル情報P2を生成する。例えば、多くの高級品を購入しているユーザUは、金銭による補償及び商品による弁償よりも、社会的制裁を望む傾向があると考えられる。一方、ギャンブルを好むユーザUは、商品による弁償及び社会的制裁よりも、金銭による補償を望む傾向があると考えられる。
上記構成によれば、ユーザU1のユーザ情報から、ユーザU1が重視する傾向にある賠償の種類及び賠償の程度が抽出され、ユーザU1の嗜好を反映したプロファイル情報P1が生成される。同様に、ユーザU2のユーザ情報から、ユーザU2が重視する傾向にある賠償の種類及び賠償の程度が抽出され、ユーザU2の嗜好を反映したプロファイル情報P2が生成される。したがって、プロファイル情報P1及びプロファイル情報P2を用いて妥結案を生成することによって、ユーザU1及びユーザU2の嗜好が反映された妥結案が生成される可能性が高まる。その結果、電子商取引におけるトラブルが当事者間において解決される可能性をより一層高めることが可能となる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されない。
トラブル解決装置10は、物理的又は論理的に結合した1つの装置によって構成されていてもよく、互いに物理的又は論理的に分離している複数の装置によって構成されてもよい。例えば、トラブル解決装置10は、クラウドコンピューティングのようにネットワーク上に分散された複数のコンピュータによって実現されてもよい。以上のように、トラブル解決装置10の構成は、トラブル解決装置10の機能を実現し得るいかなる構成をも含み得る。
トラブル解決装置10は、ユーザ情報DB3、解決情報DB4、及び商品価値情報DB5の少なくとも1つを備えていてもよい。
各ユーザUのプロファイル情報は、トラブル解決装置10において生成されなくてもよい。この場合、トラブル解決装置10は、取得部11、取得部12、生成部13、及び記憶部14を備えていなくてもよい。この構成においては、生成部17は、トラブル解決装置10の外部のプロファイル情報DBから、当事者のプロファイル情報を取得する。
生成部13は、受信部15がトラブル情報を受信したことに応じて、トラブルの当事者のプロファイル情報を生成してもよい。
生成部13は、1人のユーザUに対して、加害者及び被害者に共通の1つのプロファイル情報を生成してもよい。
生成部17は、商品情報、商品価値情報、プロファイル情報P1(プロファイル情報Pa1)、及びプロファイル情報P2(プロファイル情報Pv2)に基づいて、ユーザU1とユーザU2との間における最終的な妥結案を示す妥結情報を生成してもよい。この場合、トラブル解決装置10は、受信部19及び決定部20を備えていなくてもよい。この構成においても、プロファイル情報Pa1とプロファイル情報Pv2とが考慮されて妥結案が生成されるので、ユーザU1及びユーザU2の双方が妥結可能な妥結案が生成される可能性が高まる。その結果、電子商取引におけるトラブルが当事者間において解決される可能性を高めることが可能となる。
商品情報は、商品の定価に関する情報を含んでいてもよい。この場合、生成部17は、商品情報、プロファイル情報P1、及びプロファイル情報P2に基づいて、妥結情報を生成してもよい。
なお、上記実施形態の説明に用いられたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、及び割り振り(assigning)などがあるが、これらの機能に限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)又は送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施形態におけるトラブル解決装置10は、本開示の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図9は、本開示の一実施形態に係るトラブル解決装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のトラブル解決装置10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、及びユニットなどに読み替えることができる。トラブル解決装置10のハードウェア構成は、図に示された各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
トラブル解決装置10における各機能は、プロセッサ1001及びメモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、及びレジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述のトラブル解決装置10の各機能は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、及びデータなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、トラブル解決装置10の各機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係るトラブル解決方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバ、その他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の取得部11,12,16、受信部15,19、及び出力部18などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、トラブル解決装置10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
情報の通知は、本開示において説明された態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。
本開示において説明された各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明された方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。情報等は、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理されてもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本開示において説明された各態様/実施形態は単独で用いられてもよいし、組み合わせて用いられてもよいし、実行に伴って切り替えて用いられてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗黙的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明された実施形態に限定されないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に対して何ら制限的な意味を有しない。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において説明された情報、及び信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えられてもよい。
本開示において使用される「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本開示において説明された情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
上述したパラメータに使用される名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。
本開示で使用される「判断(determining)」、及び「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、又は「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用される場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本開示において使用される「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において使用される「第1の」、及び「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
上記の各装置の構成における「部」は、「回路」、又は「デバイス」等に置き換えられてもよい。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語での「a」,「an」及び「the」のように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、及び「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。