以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
図1は、システム10のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態のシステム10について、個人であるユーザ80がユーザ端末70を用いて、ユーザ80を名義人とするA銀行の口座から、ユーザ80以外を名義人とするB銀行の口座への振込を依頼する場合を例として、システム10の詳細が説明される。
システム10は、銀行システム100及び振込支援システム40と、銀行システム110及び振込支援システム42と、保有価値情報提供システム30と、SNSサーバ50と、物品キャッシュ化サーバ60とを備える。銀行システム100は、A銀行の銀行システムである。銀行システム100は、勘定系システム102と、EBシステム104とを備える。銀行システム110は、B銀行の銀行システムである。銀行システム110は、勘定系システム112と、EBシステム114とを備える。EBシステム104及びEBシステム114は、エレクトロニックバンキングシステムである。EBシステム104及びEBシステム114は、インターネットバンキング等のネットバンキング機能を提供する。
勘定系システム102及び勘定系システム112は、全銀システム92に接続されている。勘定系システム102及び勘定系システム112は、全銀システム92を通じて銀行間の内国為替取引を行う。
EBシステム104、EBシステム114、振込支援システム40、振込支援システム42、保有価値情報提供システム30、SNSサーバ50、物品キャッシュ化サーバ60、及びユーザ端末70は、通信ネットワーク90を通じて通信可能に接続される。通信ネットワーク90は、例えば、公衆ネットワークである。通信ネットワーク90は、有線通信の伝送路を含んでよく、無線通信の伝送路を含んでよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路を含んでよい。通信ネットワーク90は、無線通信網、インターネット、P2Pネットワーク、専用回線、VPN、電力線通信回線などを含んでもよい。無線通信網における通信方式は、移動体通信方式であってもよく、無線データ通信方式であってもよい。
移動体通信方式としては、3G方式、LTE方式、4G方式、5G方式などの通信方式が例示される。無線データ通信方式としては、(i)Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などのRFID、赤外線通信、可視光通信、音波又は超音波を利用した通信のような近距離無線方式、(ii)WiFi(登録商標)のような無線LAN方式、(iii)WiMAX(登録商標)のような無線MAN方式、(iv)無線WAN方式などが例示される。
ユーザ端末70は、ユーザ80により利用される情報処理装置である。ユーザ端末70の詳細は特に限定されない。ユーザ端末70としては、パーソナルコンピュータ、携帯端末などが例示される。ユーザ端末70は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどであってよい。
次に、ユーザ80がユーザ端末70を用いて、A銀行の自己口座からB銀行の口座に振込を行う場合を説明する。本実施形態において、特にことわりのない限り、B銀行の銀行システム110は稼働しているものとする。
まず、A銀行の銀行システム100が稼働している場合、すなわち、勘定系システム102及びEBシステム104が稼働している場合にユーザ80がユーザ端末70を用いて振込を行う場合を説明する。ユーザ80は、ユーザ端末70を用いてEBシステム104にアクセスして、EBシステム104が提供するインターネットバンキングサービスにログインして、振込の依頼を行う。勘定系システム102は、EBシステム104から取得した振込依頼に基づいて、ユーザ80の口座の残高を振込金額だけ減少させるとともに、全銀システム92に振込取引を依頼する。
次に、銀行システム100が稼働していない場合、すなわち、勘定系システム102及びEBシステム104が稼働していない場合について説明する。銀行システム100は、メンテナンスのために定期的に停止される。例えば、銀行システム100は、週末、正月、深夜等に、メンテナンスのために停止される。これにより、銀行システム100が稼働していない状態となる。
勘定系システム102及びEBシステム104が停止されるとき、振込支援システム40は、銀行システム100の停止前のユーザ80の口座の残高情報を銀行システム100から取得して格納する。銀行システム100の停止後にユーザ端末70がEBシステム104にアクセスしようとすると、ユーザ端末70からのアクセス要求は振込支援システム40に転送される。以後、ユーザ端末70は、振込支援システム40との間でやり取りを行うことになる。ユーザ80は、振込元口座となるユーザ80の口座情報、振込先口座となるB銀行の口座情報及び振込金額をユーザ端末70に入力して、振込支援システム40に送信する。
振込支援システム40は、銀行システム100の停止前のユーザ80の口座の残高情報を参照して、残高情報が振込金額以上である場合に、B銀行の振込支援システム42に、B銀行の振込先口座への振込金額の入金を依頼する。振込支援システム42は、銀行システム110に、B銀行の振込先口座への振込金額の入金を依頼する。これにより、銀行システム100が稼働していない期間に、B銀行の振込先口座への入金が完了する。
銀行システム100が稼働すると、振込支援システム40は、EBシステム104を通じて、ユーザ80の口座の残額を、振込金額だけ減少させる。A銀行とB銀行との間の実質的な資金移動は、銀行システム100が稼働した後の予め定められたタイミングで、全銀システム92を通じて実行される。
これにより、ユーザ80は、銀行システム100が稼働していない場合でも、銀行システム110を通じて振込を行うことができる。そのため、銀行システム100の再稼働を待って振込操作を行う必要がなく、銀行システム100が稼働していないときでも一回で振込操作を行うことができる。また、銀行システム100が稼働していないときでも、銀行システム110が稼働していれば、振込先口座への入金が完了する。そのため、例えば、振込期限が銀行システム100のメンテナンス中にある場合でも、ユーザ80は振込期限を守って振込みを行うことができる。
図2は、振込支援システム40のブロック構成を概略的に示す。振込支援システム40は、処理部44と、通信部46と、格納部48とを備える。
処理部44は、プロセッサを含む処理装置により実現される。格納部48は、不揮発性の記憶装置により実現される。処理部44は、格納部48に格納された情報を用いて処理を行う。通信部46は、ユーザ端末70、振込支援システム42、保有価値情報提供システム30、SNSサーバ50との間の通信を担う。通信部46がユーザ端末70、振込支援システム42、保有価値情報提供システム30、及びSNSサーバ50から受信した情報は、処理部44に供給される。また、ユーザ端末70、振込支援システム42、保有価値情報提供システム30、及びSNSサーバ50に送信される情報は、処理部44により生成され、通信部46を介して送信される。なお、振込支援システム40は、1つの情報処理装置で実現されるシステムであってよいし、複数の情報処理装置で実現されるシステムであってもよい。
振込支援システム40は、第1の金融機関の第1の口座から、第1の金融機関又は第1の金融機関とは異なる第2の金融機関の第2の口座への金銭の移動を制御する。本実施形態において、第1の金融機関はA銀行であり、第2の金融機関はB銀行である。本実施形態において、第1の口座はユーザ80の口座であり、第2の口座はユーザ80による振込先口座である。
振込依頼情報取得部210は、第1の金融機関の勘定系システムが稼働していない期間内に、第1の口座から第2の口座への振込金額を示す情報を含む振込依頼情報を取得する。価値情報取得部220は、第1の口座の名義人が保有する金銭的価値を示す価値情報を取得する。本実施形態において、第1の口座の名義人はユーザ80である。
制御部230は、価値情報取得部220が取得した価値情報が示す金銭的価値が振込金額の金銭的価値以上である場合に、第1の金融機関の勘定系システムが稼働していない期間内に、第2の口座への振込金額の入金を、第1の金融機関以外の機関に依頼する。一例として、制御部230は、振込先の金融機関が第2の金融機関の場合、第2の金融機関に振込金額の入金を依頼する。
第2の口座は、第2の金融機関の口座である場合、制御部230は、第2の金融機関の勘定系システムが稼働しているときに、第1の金融機関の勘定系システムが稼働していない期間内に、第2の口座の残高を振込金額だけ増加させる。具体的には、制御部230は、第2の金融機関の振込支援システムに、第2の口座の残高を振込金額だけ増加させる旨の指示を送信する。後述する振込実行依頼情報は、第2の口座の残高を振込金額だけ増加させる旨の指示の一例である。
制御部230は、振込依頼情報に基づく振込によって第2の口座の残高が振込金額だけ増加した後、第1の金融機関の勘定系システムが稼働した場合に、第1の口座の残高から振込金額を減少させる。これにより、振込取引が完了する。
残高照会受付部240は、第1の金融機関の勘定系システムが稼働していない期間に、第1の口座の残高照会を受け付ける。残高通知部250は、第1の金融機関の勘定系システムが稼働した後、第1の口座の残高から振込金額を減少させた後の第1の口座の残高を示す情報を、名義人に通知する。例えば、残高通知部250は、通信部46を通じて、第1の口座の残高を示す情報をユーザ端末70に送信する。
口座情報格納部280は、第1の金融機関の複数の口座の識別情報に対応づけて、第1の金融機関の勘定系システムの稼働停止前の複数の口座のそれぞれの残高を示す情報を格納する。価値情報取得部220は、第1の金融機関の勘定系システムが稼働していない期間内に、第1の口座の識別情報に対応づけて口座情報格納部280に格納されている残高を示す情報を、価値情報として取得する。
価値情報は、名義人が第2の金融機関に保有する口座の残高、第1の金融機関又は第1の金融機関に関連する金融機関から名義人への融資枠、プーリングが行われる第1の口座を含む複数の口座のうちの少なくとも一つの口座の残高又は複数の口座のうちの2以上の口座の総額、名義人が保有する証券口座の残高、名義人が保有する外貨口座の残高、名義人の仮想通貨口座の残高、名義人が保有する、役務の提供を受けるための対価として利用可能な価値を持つポイント、及び、名義人が保有する電子マネー残高の少なくともいずれかを示す情報を、価値情報として取得する。融資枠は、例えば、カードローンの借入限度額から利用残高を差し引いた額や、キャッシングの利用限度額から利用残高を差し引いた額であってよい。
価値情報取得部220は、第1の金融機関に口座を有する複数の名義人の識別情報に対応づけて、それぞれの名義人が複数の金融機関のそれぞれに保有する金融資産の額を示す価値情報を格納する外部のデータベースから、第1の口座の名義人に対応づけられた価値情報を取得する。本実施形態の保有価値情報提供システム30は、外部のデータベースの一例である。
後処理部270は、第2の口座への振込金額の入金が実行された後、第1の金融機関の勘定系システムが稼働したときの第1の口座の残高が振込金額未満である場合に、振込依頼情報に基づく振込の組み戻しを行う。
格納部48において、利用料情報格納部286は、第1の金融機関の勘定系システムが稼働していない場合に第1の金融機関の口座からの振込サービスを利用するための利用料の合計額を示す情報を格納する。後処理部270は、第2の口座への振込金額の入金が実行された後、第1の金融機関の勘定系システムが稼働したときの第1の口座の残高が振込金額未満である場合に、振込金額から第1の口座の残高を差し引いた額の金額を、利用料情報格納部286に格納されている利用料の合計額の範囲内で、第1の金融機関から第2の金融機関に移動される資金を補填してよい。
価値情報取得部220は、第1の口座の名義人が所有する物品の画像データに基づいて決定された物品の価値を示す情報を、価値情報として取得する。例えば、後述するように、物品キャッシュ化サーバ60がユーザ80が所有する物品の画像データに基づいて物品の買取価格を決定し、決定した買取価格を示す情報が保有価値情報提供システム30に登録されてよい。
通信部46は、第1の金融機関の勘定系システムが停止する前の第1の口座の残高を示す情報を含むメッセージを、ソーシャル・ネットワーキング・サービス・サーバが管理する第1の口座の名義人のアカウントに送信する。価値情報取得部220は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス・サーバから提供される第1の口座の残高を示す情報を、価値情報として取得する。本実施形態のSNSサーバ50は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス・サーバの一例である。振込支援システム40は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス・サーバから第1の口座の残高を示す情報を取得してよい。また、振込支援システム40は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス・サーバからユーザ端末70に送信され、ユーザ端末70に格納されている第1の口座の残高を示す情報を含むメッセージをユーザ端末70から取得することにより、第1の口座の残高を示す情報を取得してもよい。
図3は、口座情報格納部280が格納する残高情報のデータ構造の一例を示す。残高情報は、利用者ID、口座情報、名義人名、口座残高、及び最終更新日時を対応づける。
利用者IDは、ユーザ80を含む、A銀行に口座を保有する利用者の識別情報である。なお、利用者IDは、システム10を利用した振込サービスを利用する全ての利用者を一意に識別する情報である。すなわち、利用者IDは、A銀行の口座を保有している利用者だけでなく、A銀行以外の金融機関に口座を保有する利用者を含む、システム10を利用した振込サービスを利用する全ての利用者を一意に識別する情報である。
口座情報は、利用者がA銀行に保有する口座の支店番号及び口座番号を含む。名義人名は、口座の名義人を示す。口座残高は、利用者がA銀行に保有する口座の残高である。最終更新日時は、銀行システム100から口座残高を取得した日時である。
A銀行に口座を保有する利用者は、振込支援システム40を用いた振込サービスを利用することを希望する場合、サービス利用者として予め登録される。口座情報格納部280は、銀行システム100が停止する前に、勘定系システム102で管理されている口座のうち、サービス利用者として登録された利用者の口座の口座残高を銀行システム100から取得して格納する。
制御部230は、振込依頼情報取得部210がユーザ80からの振込依頼情報を取得した場合、口座情報格納部280を参照して、ユーザ80がA銀行に保有する口座の残額を取得する。制御部230は、ユーザ80がA銀行に保有する口座の残高が振込金額以上の場合に、振込支援システム42に振込の実行を依頼する。
図4は、保有価値情報提供システム30が格納する保有価値情報のデータ構造の一例を示す。保有価値情報は、利用者ID、価値ID、価値、及び最終更新日時を対応づける。
利用者IDは、システム10を利用した振込サービスを利用する全ての利用者を一意に識別する情報である。保有価値情報に含まれる利用者IDは、図3に示す残高情報の利用者IDと同じ情報である。価値IDは、利用者が保有する金銭的価値の識別情報である。価値IDは、例えば、銀行口座の識別情報である。価値は、価値の大きさを示す情報である。最終更新日時は、保有価値情報を最後に更新した日時である。
なお、価値IDは、銀行口座の識別情報の他に、任意の金融機関が提供するカードローン契約の識別情報、任意のクレジットカード発行機関が提供するクレジットカードキャッシング契約の識別情報、証券会社の証券口座の識別口座、仮想通貨口座の識別情報、ポイントの識別情報、電子マネーの識別情報等である。「銀行口座」は、普通預金の口座以外に、外貨預金の口座、定期預金の口座を含む。「ポイント」は、現金と引き換えることが可能なポイントである。「ポイント」は、銀行等の金融機関が付与するポイントに限られず、現金と引き換えることが可能なポイントであれば、任意のポイントを適用できる。「ポイント」は、物品キャッシュ化サーバ60により、物品を買い取ることにより利用者に付与されたポイントを含む。「電子マネー」は、ネットワークシステム上で残高が管理される電子マネーの他、ICチップや端末のアプリケーションに記録される形式の電子マネーを含む。「電子マネー」は、インターネットショッピングで利用可能な電子的なギフト券等を含む。
また、「価値」は、銀行口座の残高、カードローンの借入限度額から利用残高を差し引いた額、クレジットカードキャッシングの利用限度額から利用残高を差し引いた額、保有証券の現金相当額、外貨預金の残高の日本円相当額、ポイントの現金相当額、電子マネーの残高などである。保有価値情報提供システム30によれば、振込支援システム40は、利用者が保有する複数の銀行口座の残高を一括して参照することができる。
上述したように、制御部230は、振込依頼情報取得部210がユーザ80からの振込依頼情報を取得した場合、ユーザ80がA銀行に保有する口座の残高が振込金額以上の場合に、振込支援システム42に振込実行を依頼する。一方、制御部230は、ユーザ80がA銀行に保有する口座残高が振込金額未満の場合であっても、ユーザ80の利用者IDに対応づけて保有価値情報提供システム30に格納された価値の大きさの合計が、振込金額からA銀行の口座残高を差し引いた額以上であれば、振込支援システム42に振込実行を依頼する。
図5は、認証情報格納部282が格納している認証情報のデータ構造の一例を示す。認証情報は、利用者ID及びパスワードハッシュを対応づける。利用者IDは、システム10を利用した振込サービスを利用する全ての利用者を一意に識別する情報である。認証情報に含まれる利用者IDは、図3に示す残高情報の利用者ID及び図4に示す保有価値情報の利用者IDと同じ情報である。パスワードハッシュは、利用者が予め登録したパスワードのハッシュ値である。
制御部230は、振込依頼情報に含まれる振込元口座の口座情報及びパスワードに基づいて、振込元口座の口座情報と一致する口座情報に対応する利用者IDを口座情報格納部280から取得する。そして、制御部230は、図5に示す認証情報に格納されているレコードのうち、口座情報格納部280から取得した利用者IDと一致する利用者IDのレコードを検索して、検索されたレコードに含まれるパスワードハッシュが、振込依頼情報に含まれるパスワードのハッシュ値と一致する場合に、利用者IDで識別される利用者として認証する。
図6は、振込結果情報格納部284が格納する振込結果情報の一例である。振込結果情報は、利用者ID、振込元口座情報、振込先口座情報、振込金額、振込結果、及び日時を対応づける。
利用者IDは、システム10を利用した振込サービスを利用する全ての利用者を一意に識別する情報である。振込結果情報に含まれる利用者IDは、図3に示す残高情報の利用者ID、図4に示す保有価値情報の利用者ID、及び図5に示す認証情報の利用者IDと同じ情報である。
振込元口座情報は、振込元となるA銀行の口座の識別情報である。この振込元口座情報は、図3の残高情報に含まれる口座情報と同じ情報である。振込先口座情報は、振込先となる銀行の口座の識別情報である。
振込先口座情報は、ユーザ端末70から送信された振込依頼情報に含まれる振込先口座の識別情報である。振込先口座情報には、振込先口座を保有する銀行の銀行コード、支店番号及び口座番号が含まれる。
振込金額は、ユーザ端末70から送信された振込依頼情報に含まれる振込金額である。振込結果は、振込支援システム42から返却された振込結果を示す。振込結果が「OK」の場合、振込が実行されたことを示す。振込結果が「NG」の場合、振込が実行されなかったことを示す。
日時は、振込が実行された場合は振込が実行された日時を示し、振込が実行されなかった場合は振込支援システム42に振込を依頼した日時を示す。
図7は、ユーザ端末70に表示される画面の一例を概略的に示す。画面700は、銀行システム100が稼働していないときにEBシステム104にアクセスしようとした場合に表示される。画面700は、ウェブブラウザによりEBシステム104にアクセスしようとしたときにウェブブラウザに表示される画面の一例である。
画面700は、銀行システム100がメンテナンス中であることを示す文字情報710と、メンテナンス期間を示す文字情報720と、メンテナンス中に振込依頼及び残高照会を受け付けるための入力欄730と、振込の依頼を受け付けるためのボタン740と、残高照会の依頼を受け付けるためのボタン742と、所有物を現金化する指示を受け付けるためのボタン750とを含む。入力欄730は、振込先銀行の入力欄、振込先口座の支店番号、及び口座番号の入力欄を、振込先口座の入力欄として含む。また、入力欄730は、ユーザ80の口座の支店番号及び口座番号の入力欄を含む。また、入力欄730は、パスワードを入力するための入力欄を含む。
ユーザ80が振込先口座情報、ユーザ80の口座情報、及びパスワードを、入力欄730に入力してボタン740を押すと、ユーザ端末70は、入力欄730に入力された情報を含む振込依頼情報を振込支援システム40に送信する。
また、ボタン742を押すと、ユーザ端末70は、入力欄730のユーザ80の口座情報を含む残高照会情報を、振込支援システム40に送信する。
なお、ボタン750が押された場合、ユーザ端末70は、物品を現金化するための物品キャッシュ化アプリケーションを起動する。物品キャッシュ化アプリケーションが提供する機能により、ユーザ80が所有する物品をユーザ端末70のカメラ機能で撮像すると、ユーザ端末70は得られた画像データを物品キャッシュ化サーバ60に送信する。物品キャッシュ化サーバ60は、画像データに基づいて、物品キャッシュ化サーバ60の運営者がユーザ80から物品を買い取る買取金額をユーザ端末70に送信する。ユーザ80が買取金額で物品を売却する旨の操作を行うと、ユーザ端末70は買取金額及びユーザ80の口座情報を含む売却決定情報を物品キャッシュ化サーバ60に送信する。物品キャッシュ化サーバ60は、売却決定情報を受信すると、買取金額に対応するポイント情報、物品キャッシュ化サーバ60の運営者が提供する物品キャッシュ化サービスの識別情報、及びユーザ80の識別情報を、保有価値情報提供システム30に登録する。
図8は、振込支援システム40が実行する情報処理の一例を示すフローチャートである。図8のフローチャートは、ユーザ端末70から送信された振込依頼情報を振込支援システム40が受信した場合に開始される。図8に示すフローチャートが示す情報処理は、主に処理部44が主体となって実行する。
S800において、制御部230は、振込依頼情報取得部210が取得した振込依頼情報に含まれる情報を用いて、利用者の特定と認証を行う。具体的には、図5に関連して説明したように、振込依頼情報に含まれる振込元口座の口座情報に対応づけられた利用者IDを特定する。また、制御部230は、特定した利用者IDに対応づけられたパスワードハッシュを取得して、取得したパスワードハッシュと振込先情報に含まれるパスワードのハッシュ値とが一致する場合に、利用者IDで識別される利用者をシステム10の利用者として認証する。また、制御部230は、口座情報格納部280を参照して、振込依頼情報に含まれる振込元口座の口座情報に対応づけられた名義人名を特定する。システム10の利用者として認証した場合はS802に進み、認証されなかった場合はS820に進む。
S802において、制御部230は、利用者の振込元口座の口座残高が振込金額以上であるか否かを判断する。具体的には、S800で特定した利用者IDに対応づけて口座情報格納部280に格納されている口座残高が振込金額以上であるか否かを判断する。なお、制御部230は、口座情報格納部280に格納されている最終更新日時と銀行システム100の停止日時との間の時間差が予め定められた時間以上の場合、口座情報格納部280が格納している口座残高を無効としてよい。この場合、利用者の振込元口座の口座残高が振込金額以上でないと判断してよい。
S802の判断において、振込元口座の口座残高が振込金額以上であると判断した場合、S808に進む。振込元口座の口座残高が振込金額未満の場合、S804において、価値情報取得部220は、利用者が保有する金銭価値情報を収集する。具体的には、価値情報取得部220は、S800で特定された利用者IDに対応づけて保有価値情報提供システム30に格納されている保有価値情報を取得する。なお、保有価値情報提供システム30から収集した保有価値情報のうち、現在時刻と最終更新日時との時間差が予め定められた時間以上の保有価値情報を無効としてよい。例えば、制御部230は、現在時刻と最終更新日時との時間差が予め定められた時間未満の保有価値情報のみを取得してよい。
S806において、利用者が保有する価値の金銭相当額が振込金額以上であるか否かを判断する。利用者が保有する価値の金銭相当額が振込金額未満である場合、S820に進む。利用者が保有する価値の金銭相当額が振込金額以上である場合、S808に進む。
S808において、振込の実行依頼を振込支援システム42に送信する。具体的には、制御部230は、振込先口座情報、振込元口座情報、S800で特定した名義人名、及び振込金額を示す情報を含む振込実行依頼情報を、通信部46を通じて振込支援システム42に送信する。
S810において、振込支援システム42から送信される振込結果情報を通信部46を通じて受信する。S812において、制御部230は、振込結果情報に基づいて、振込結果を示す情報を振込結果情報格納部284に格納する。S814において、制御部230は、振込結果を示す情報を通信部46を通じてユーザ端末70へ送信し、本フローチャートの情報処理を終了する。なお、S820に進んだ場合、振込不可である旨を示す情報をユーザ端末70に送信して、本フローチャートの情報処理を終了する。
図9は、振込支援システム42が実行する情報処理を示すフローチャートである。図9は、振込支援システム40から送信された振込実行依頼情報を振込支援システム42が受信した場合に開始される。
振込支援システム42は、振込実行依頼情報に含まれる振込先口座情報情報に基づいて、振込先口座を確認する。具体的には、振込支援システム42は、振込先口座情報に基づいて、統合ATMネットワークを通じて振込先口座の存在確認を行う。S902において振込先口座を確認できた場合にS904に進み、振込先口座を確認できなかった場合にS910に進む。
S904において、振込支援システム42は、振込先口座への入金処理を実行する。具体的には、振込支援システム42は、振込実行依頼情報に含まれる振込元口座情報から特定される振込元口座から、S902で確認した振込先口座への、振込実行依頼情報に含まれる名義人名を振込依頼人の名前とした振込処理における入金処理と同じ入金処理を実行するよう銀行システム110に依頼する。S904の情報処理により、勘定系システム112は、振込先口座の残高を振込金額だけ増加させる。
S906において、振込支援システム42は、振込の実行を行った旨の「振込OK」を示す情報を振込結果情報として振込支援システム40へ送信し、本フローチャートの処理を終了する。
なお、S910に進んだ場合、振込支援システム42は、振込の実行を行わなかった旨の「振込NG」を示す情報を振込結果情報として振込支援システム40へ送信し、本フローチャートの処理を終了する。S906で送信された振込結果情報及びS910で振込支援システム40へ送信された振込結果情報は、振込支援システム40の振込結果情報格納部284に格納される。
図10は、振込支援システム40が実行する情報処理を示すフローチャートである。図10のフローチャートは、銀行システム100が稼働していない状態から稼働したことに応じて、開始される。
S1002において、後処理部270は、振込結果情報格納部284から振込結果情報を読み込む。S1004において、振込元口座情報から特定される振込元口座の残高を銀行システム100から取得して、取得した残高が振込金額以上であるか否かを判断する。振込元口座の残高が振込金額以上である場合、S1006において、振込元口座の残高から振込金額だけ減額する。
続いて、S1008において、後処理部270は、振込実行の最終結果を示す情報を、通信部46を通じてユーザ端末70に送信する。このとき、後処理部270は、減額後の振込元口座の残高を示す情報を、ユーザ端末70に送信してよい。S1008の処理が完了すると、本フローチャートの処理を終了する。
S1004の判断において、振込元口座の残高が振込金額未満であると判断した場合、後処理部270は、S1010において振込元口座の残高を0にし、S1012において振込金額と振込元口座の残高との差額に関する処理を行う。
具体的には、S1012において、後処理部270は、A銀行の外貨預金からの資金取得、定期預金からの資金取得、A銀行がユーザ80に提供するカードローンからの借入による資金取得、ユーザ80が保有する提携金融機関から発行されたクレジットカードキャッシングによる資金取得、ユーザ80が保有する電子マネーからの資金取得、及びユーザ80が保有するポイントの換金による資金取得を順次行うことにより、振込金額と振込元口座の残高との差額を取得する。
なお、ユーザ80の口座残高が振込金額未満であった場合にいずれの資金取得元からの資金取得を優先するかを示す優先順位が、ユーザ80により予め定められてよい。後処理部270は、ユーザ80により定められた優先順位に従って、順次に差額を取得してよい。
なお、いずれの資金取得元からも差額全額を取得できなかった場合、後処理部270は、振込支援システム42に振込の組み戻しを依頼する。また、後処理部270は、利用料情報格納部286に格納されている利用料の総額の範囲内で、サービス利用料から差額を取得してもよい。
S1012の処理が完了すると、S1008において、振込元口座の残高を示す情報と、差額の取得元を示す情報とを含む最終結果をユーザ端末70に送信して、本フローチャートの処理を終了する。
図11は、ユーザ端末70に表示される画面の一例を概略的に示す。画面1100は、ユーザ端末70にインストールされたSNSアプリケーションの制御によって、SNSアプリケーションが管理しているユーザ端末70内のデータ及びSNSサーバ50から提供されるデータを用いて表示される。SNSサーバ50が提供するSNSサービスにおいて、ユーザ80のアカウントとA銀行のアカウントは、相互に関連づけられたアカウントとして管理されている。ユーザ80は、SNSアプリケーションを用いて、ユーザ80に関連づけられたアカウントとの間でメッセージをやりとりすることができる。
ユーザ80のアカウントとA銀行のアカウントが相互に関連づけられている場合、A銀行からのメッセージとして、操作メニュー1102が表示される。操作メニュー1102は、「残高照会」、「入出金明細」及び「振込」のサブメニューを含む。「残高照会」は、A銀行の口座の残高照会を依頼するためのサブメニューである。「入出金明細」は、A銀行の口座の入出金明細の照会を依頼するためのサブメニューである。「振込」は、ユーザ80がA銀行に保有する口座を振込元口座とする振込を依頼するためのサブメニューである。
銀行システム100がメンテナンスにより停止が予定されている場合、振込支援システム40は、A銀行に関連づけられた全ユーザのアカウント宛に、SNSサーバ50を介してメッセージ1104を送信する。銀行システム100が停止すると、振込支援システム40は、システム10の利用者として登録されているユーザ80宛に、口座残高を示すメッセージ1106をSNSサーバ50を介して送信する。
ここで、ユーザ80が操作メニュー1102内の「振込」のサブメニューを押すと、振込先の銀行、支店及び口座番号と振込金額を入力する振込メニューが表示され、ユーザ80が当該振込メニューを通じて振込先の銀行、支店、口座番号、及び振込金額を入力すると、メッセージ1108が表示される。ユーザ端末70は、ユーザ80の識別情報と、振込先の銀行、支店、及び口座番号と、振込金額とを示す情報を含む振込依頼情報を振込支援システム40へと送信する。このとき、ユーザ端末70は、SNSサーバ50を介して振込支援システム40に振込依頼情報を送信してよい。ユーザ端末70は、SNSサーバ50を介することなく、振込支援システム40に振込依頼情報を送信してもよい。
振込支援システム40において、振込依頼情報取得部210が振込依頼情報を取得すると、制御部230は、振込依頼情報に含まれるユーザ80の識別情報に基づいて、口座情報格納部280を参照して、ユーザ80の振込元口座及び名義人名を特定する。制御部230は、取得した振込元口座及び名義人名と、ユーザ端末70から取得した振込依頼情報とに基づいて、振込実行依頼を振込支援システム42に送信し、振込結果を振込支援システム42から受信する。例えば、振込支援システム40は、図8のS802以降の処理を実行する。
振込支援システム40は、振込支援システム42からの振込結果を受信すると、振込結果を示すメッセージ1110を、SNSサーバ50を介してユーザ80に送信することにより、振込結果をユーザ80に通知する。
ユーザ80が操作メニュー1102内の「残高照会」のサブメニューを押すと、メッセージ1112が表示されるとともに、ユーザ端末70は、ユーザ80の識別情報と、残高照会を指示する情報を、SNSサーバ50を介して、又は、SNSサーバ50を介さずに、振込支援システム40に送信する。振込支援システム40において残高照会受付部240が残高照会を示す情報を受信すると、残高通知部250は、銀行システム100が稼働していないため、メッセージ1114をSNSサーバ50を介して送信する。また、残高通知部250は、残高照会の依頼があった口座情報を示す情報を格納部48に記憶する。そして、銀行システム100が稼働し、後処理部270により口座残高から振込金額の減額処理が行われた後、残高通知部250は、銀行システム100が稼働していない期間に残高照会が依頼された口座の残高を示す情報を含むメッセージ1116を、SNSサーバ50を介して送信する。
なお、SNSサーバ50には、振込支援システム40からユーザ80のアカウント向けに送信されたメッセージ1106が保存されている。そのため、振込依頼情報取得部210は、SNSサーバ50からメッセージ1106を取得することによって、ユーザ80が保有する口座の残高を示す情報を取得してよい。また、ユーザ80のアカウントがA銀行以外の銀行のアカウントと関連づけられている場合、振込依頼情報取得部210は、ユーザ80がそれらの銀行の口座の残高照会によりユーザ80のアカウント宛てに送信されたメッセージの内容をSNSサーバ50から取得することによって、ユーザ80が他の銀行に保有する口座の残高を示す情報を取得してよい。
また、SNSアプリケーションは、メッセージ1106の内容を示すデータをユーザ端末70内に管理している。ユーザ80が操作メニュー1102の「振込」のサブメニューから振込依頼を行った場合、ユーザ端末70は、SNSアプリケーションの制御により、メッセージ1106の内容を振込依頼情報に含めて送信してよい。これにより、振込支援システム40において、振込依頼情報取得部210は、ユーザ端末70から送信された振込依頼情報に含まれるメッセージ1106の内容から、ユーザ80の口座の残高を取得してよい。なお、ユーザ80のアカウントがA銀行以外の銀行のアカウントと関連づけられている場合、ユーザ端末70は、それらの銀行の口座の残高照会によりユーザ80のアカウント宛てに送信されたメッセージの内容を振込依頼情報に含めて送信してよい。振込依頼情報取得部210は、ユーザ端末70から送信された振込依頼情報に含まれるメッセージ1106の内容から、ユーザ80が他の銀行に保有する口座の残高を示す情報を取得してよい。
図11に関連して説明したように、SNSサーバ50を介してユーザ80のアカウントとA銀行のアカウントが関連づけられることによって、銀行システム100が稼働していない期間中に振込を受け付けるための使い勝手のよいユーザインタフェースを提供することができる。
なお、以上の実施形態においては、主として、個人であるユーザ80が振込依頼人である場合を例としてシステム10の動作を説明した。振込依頼人が法人であり、法人が保有する口座がプーリングが行われる複数の口座に含まれる場合、図8のS802の振込元口座残高として、プーリングが行われる複数の口座のうちの少なくとも一つの口座の残高を適用してよい。例えば、振込元口座残高として、プーリングが行われる複数の口座の親口座の残高を適用してよい。また、振込元口座残高として、プーリングが行われる複数の口座の残高の総額を適用してもよい。プーリングが行われる複数の口座の組み合わせを特定するプーリング情報は、銀行システム100が停止する前に、格納部48に格納されてよい。制御部230は、格納部48に格納されたプーリング情報と、口座情報格納部280に格納されている残高の情報とに基づいて、プーリングが行われる各口座の残高を特定してよい。
以上に説明したシステム10において、振込支援システム40は、振込先のB銀行に振込実行を依頼する場合を説明した。しかし、振込支援システム40による振込実行の依頼先は、A銀行及びB銀行のいずれの銀行とも異なる第三者の銀行であってよい。振込支援システム40による振込実行の依頼先は、振込代行機関等、銀行以外の第三者の機関であってもよい。
なお、振込支援システム40が有する機能の一部又は全ては、振込支援システム42によって提供されてよい。また、振込支援システム40及び振込支援システム42が有する機能は、A銀行及びB銀行のいずれとも異なる第三者の機関のシステムによって提供されてよい。
なお、図1から図11に関連して説明した実施形態では、主として、振込支援システム40が振込元口座の存在確認及び振込依頼人の特定を行って、振込実行依頼情報により振込支援システム42に通知するものとした。これに対し、振込元口座の存在及び振込依頼人の特定を振込支援システム42が行う形態を採用する場合、振込支援システム42は、振込元口座情報に基づいて振込支援システム40に問い合わせをすることによって、振込元口座の存在確認及び振込依頼人の特定を行ってもよい。
また、同一人物が有する複数の銀行口座を特定する情報を格納するデータベースをシステム10に設け、振込支援システム42は、振込元口座を有する人物に対応づけられた他の銀行の口座を特定し、特定した他の銀行の口座の名義人名等の情報を統合ATMネットワークを通じて取得することによって、振込依頼人の特定と振込元口座の存在確認を行ってよい。
なお、統合ATMネットワークには、統合ATMネットワークを通じて行われた金融取引の履歴情報を格納する履歴データベースを備えてよい。履歴情報は、統合ATMネットワークを通じた振込、振替、現金引出、及び現金預入の少なくともいずれかの金融取引が行われた後の口座残高及び取引日時と、口座番号及び名義人名を含む口座情報とを対応づける情報を含んでよい。履歴情報は更に、統合ATMネットワークを通じて口座の残高照会を行うことによって取得された口座残高及び残高照会日時と口座情報とを対応づける情報を含んでよい。振込支援システム42は、振込支援システム40から振込実行依頼情報を受信した場合、統合ATMネットワークを通じて、履歴情報を参照して、振込実行依頼情報に含まれる口座情報に対応づけられた口座残高及び名義人名を取得してよい。振込支援システム42は、履歴情報を参照して、最新の取引日時又は照会日時に対応づけられた振込元口座の口座残高を取得し、口座残高が振込金額以上であり、かつ、最新の取引日時又は照会日時と現在との間の時間が予め定められた値未満であることを条件として、振込実行依頼に基づく入金処理を行ってよい。また、上述したように同一人物が有する複数の銀行口座を特定する情報を格納する履歴データベースがシステム10に設けられている場合、振込支援システム42は、統合ATMネットワークから取得した履歴情報を参照して、振込依頼人に対応づけられた複数の銀行口座の口座残高うち、最新の取引日時又は照会日時と現在との間の時間が予め定められた値未満の銀行口座の口座残高を特定して、特定した口座残高の合計残高が振込金額以上である場合に、振込実行依頼に基づく入金処理を行ってよい。これにより、振込支援システム42は、銀行システム100が停止している場合でも、統合ATMネットワークを通じて取得した信頼性の高い銀行口座情報に基づいて、入金処理を実行するか否かを判定することができる。
なお、上記の実施形態では、通信ネットワーク90を通じてユーザ80からの振込依頼を受け付ける形態を説明した。しかし、ATMを用いた振込依頼にも適用できる。例えば、ユーザ80が、A銀行の口座のキャッシュカードを用いて、B銀行のATMを使って振込を行う場合、B銀行の銀行システム110は、A銀行の銀行システム100が停止していることを検出した場合、上述したように統合ATMネットワークから提供される履歴情報を参照して、振込依頼人を確認すると共に、振込元口座の残高又はユーザ80に対応づけられた複数の銀行口座の合計残高を特定して、特定した残高が振込金額以上である場合に、ATMを用いて受け付けた振込依頼に基づいて、振込先口座への入金処理を実行してよい。
なお、上述した統合ATMネットワークを通じて行われた金融取引及び残高照会の履歴情報を格納する履歴データベースと同様に、インターネットバンキング等のネットバンキング機能を通じて行われたて金融取引及び残高照会が行われた場合の履歴情報を格納する履歴データベースを設けてもよい。この場合、振込支援システム40及び振込支援システム42の少なくとも一方は、上述したように統合ATMネットワークから提供される履歴情報に基づく処理と同様の処理を行うことによって、振込元口座の存在確認を行うとともに、振込元口座の最新の残高又は振込元口座の所有者の銀行口座の最新の合計残高を特定し、特定した残高が振込金額以上である場合に、振込を行うことを許容してよい。
また、各銀行が提供するネットバンキング機能の他に、上述の履歴データベースから履歴情報を取得することができる統合バンキングシステムをシステム10に設け、A銀行の銀行システム100の停止中には、A銀行のEBシステム104へのWEBアクセスが統合バンキングシステムに転送されるようにしてよい。この場合、統合バンキングシステムは、振込元口座、振込先口座及び振込金額を含む振込依頼情報をユーザ80のユーザ端末70から取得すると、履歴データベースから履歴情報を取得することにより、振込元口座の存在確認を行うとともに、振込元口座の最新の残高又はユーザ80の銀行口座の最新の合計残高を特定し、特定した残高が振込金額以上である場合に、振込を行うことを許容し、振込先の銀行口座を管理する銀行システム110に振込実行依頼を送信してよい。
以上に説明したように、システム10によれば、銀行システム100が稼働していない時に、振込を依頼することができる。また、銀行システムが稼働している他行宛て振込の場合は、実際に振込を行うことができ、振込の実行結果も取得することができる。そのため、銀行システム100が稼働していない期間内に他行宛の振込期限がある場合でも、振込期限を守ることができる。
また、システム10によれば、銀行システム100が稼働した場合に、振込に伴う資金移動の結果を取得することができる。また、銀行システム100が稼働していないときに残高照会を受け付け、銀行システム100が稼働したときに残高を取得することができる。そのため、銀行システム100が稼働した後で再度ネットバンキングにログインして振込や残高照会を行う手間を省くことができる。
また、システム10によれば、複数の銀行の間で相互に振込を代行できるようになる。これにより、顧客は銀行システムのメンテナンス期間中に振込を行うことができるので、メンテナンス期間を長くしても顧客満足度を大きく低下しにくい。これにより、銀行システムの大規模なメンテナンスを行うことが容易になる。
図12は、本実施形態に係るコンピュータ2000の例を示す。コンピュータ2000にインストールされたプログラムは、コンピュータ2000に、実施形態に係る振込支援システム40等の装置又は当該装置の各部として機能させる、当該装置又は当該装置の各部に関連付けられるオペレーションを実行させる、及び/又は、実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2000に、本明細書に記載の処理手順及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU2012によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ2000は、CPU2012、及びRAM2014を含み、それらはホストコントローラ2010によって相互に接続されている。コンピュータ2000はまた、ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040を含む。ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040は、入力/出力コントローラ2020を介してホストコントローラ2010に接続されている。
CPU2012は、ROM2026及びRAM2014内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
通信インタフェース2022は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。フラッシュメモリ2024は、コンピュータ2000内のCPU2012によって使用されるプログラム及びデータを格納する。ROM2026は、アクティブ化時にコンピュータ2000によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ2000のハードウエアに依存するプログラムを格納する。入力/出力チップ2040はまた、キーボード、マウス及びモニタ等の様々な入力/出力ユニットをシリアルポート、パラレルポート、キーボードポート、マウスポート、モニタポート、USBポート、HDMI(登録商標)ポート等の入力/出力ポートを介して、入力/出力コントローラ2020に接続してよい。
プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、又はメモリカードのようなコンピュータ可読媒体又はネットワークを介して提供される。RAM2014、ROM2026、又はフラッシュメモリ2024は、コンピュータ可読媒体の例である。プログラムは、フラッシュメモリ2024、RAM2014、又はROM2026にインストールされ、CPU2012によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2000に読み取られ、プログラムと上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ2000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、コンピュータ2000及び外部デバイス間で通信が実行される場合、CPU2012は、RAM2014にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2022に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2022は、CPU2012の制御下、RAM2014及びフラッシュメモリ2024のような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取った送信データをネットワークに送信し、ネットワークから受信された受信データを、記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU2012は、フラッシュメモリ2024等のような記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM2014に読み取られるようにし、RAM2014上のデータに対し様々な種類の処理を実行してよい。CPU2012は次に、処理されたデータを記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理にかけられてよい。CPU2012は、RAM2014から読み取られたデータに対し、本明細書に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々な種類のオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々な種類の処理を実行してよく、結果をRAM2014にライトバックする。また、CPU2012は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2012は、第1の属性の属性値が指定されている、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ2000上又はコンピュータ2000近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能である。コンピュータ可読媒体に格納されたプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2000に提供してよい。
コンピュータ2000にインストールされ、コンピュータ2000を振込支援システム40として機能させるプログラムは、CPU2012等に働きかけて、コンピュータ2000を、振込支援システム40の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ2000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である振込依頼情報取得部210、価値情報取得部220、制御部230、残高照会受付部240、残高通知部250、後処理部270、口座情報格納部280、認証情報格納部282、振込結果情報格納部284、利用料情報格納部286として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ2000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の振込支援システム40が構築される。
様々な実施形態が、ブロック図等を参照して説明された。ブロック図において各ブロックは、(1)オペレーションが実行されるプロセスの段階又は(2)オペレーションを実行する役割を持つ装置の各部を表わしてよい。特定の段階及び各部が、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウエア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理オペレーション、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウエア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく実行され得る命令を含む製品の少なくとも一部を構成する。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、説明された処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。