次に、本開示を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の部品実装システム10の構成の概略を示す構成図である。図2は、部品実装機20の構成の概略を示す構成図である。図3は、廃テープ排出装置30の構成の概略を示す構成図である。図4は、廃テープ搬送装置40の構成を模式的に示す構成図である。図5は、隣接するコンベア装置41間の廃テープの受け渡しの様子を示す説明図である。図6は、廃テープ回収ユニット50の構成の概略を示す構成図である。図7は、複数のモジュールMの各制御装置48および廃テープ回収ユニット50の制御装置58の電気的な接続関係を示す説明図である。なお、図1,2中、左右方向をX軸方向とし、前後方向をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。
部品実装システム10は、図1に示すように、印刷機12と、複数の部品実装機20と、廃テープ搬送装置40(図4参照)と、廃テープ回収ユニット50と、を備える。印刷機12は、基板S上にはんだを印刷するはんだ印刷機である。部品実装機20は、基板搬送方向(X方向)に沿って整列され、部品を基板Sに実装する。印刷機12と部品実装機20は、この順番で基板搬送方向に並べて設置されて部品実装ラインを構成する。本実施形態では、部品実装ラインを構成する各装置をモジュールMとも称する。
部品実装機20は、図2に示すように、筐体21と、フィーダ台22と、基板搬送装置23と、ヘッド24と、ヘッド移動機構25と、を備える。フィーダ台22は、X方向に複数整列して設けられ、フィーダ26を着脱可能に保持する。基板搬送装置23は、ベルトコンベア装置であり、基板Sを左から右へと搬送する。ヘッド24は、吸着ノズルを保持し、フィーダ台22に装着されたフィーダ26から供給された部品Pを吸着ノズルに吸着して基板Sに実装する。ヘッド移動機構25は、ヘッド24を前後方向および左右方向(XY方向)に移動させる。
フィーダ26は、図3に示すように、テープTが巻回されたリール27を備える。テープTには、長手方向に所定間隔置きに並ぶ凹部を有し、凹部には、部品Pが収容されている。部品Pは、テープTの上面に貼り付けられたカバーフィルムによって保護される。フィーダ26は、図示しない送り装置によりリール27からテープTを引き出すと共にテープTからカバーフィルムを剥がすことにより、部品Pを露出した状態で吸着位置へと供給する。吸着ノズルにより部品Pが取り出された使用済みのテープ(以下、廃テープと称する)は、廃テープ排出装置30によって排出される。
廃テープ排出装置30は、図3に示すように、フィーダ台22に装着されたフィーダ26の後方に設けられ当該フィーダ26から送り出された廃テープを導入する導入用ダクト31と、導入された廃テープをカッタにより細かく切断するテープ切断機32と、切断された廃テープを排出する排出用ダクト33と、を備える。テープ切断機32は、フィーダ26が部品Pの供給のためにテープTを送り出す度に、カッタを駆動して廃テープを切断する。テープ切断機32により切断された廃テープは、排出用ダクト33を通ってコンベア装置(ベルトコンベア装置)41に供給され、コンベア装置41にて部品実装機20の機外へ搬送される。
廃テープ搬送装置40は、図4に示すように、コンベア装置41を備える。コンベア装置41は、モジュールMごとに独立して設けられている。各コンベア装置41は、部品実装ラインを構成する複数のモジュールMが基板搬送方向に並べて設置された状態で基板搬送方向に一列に整列した状態となる。各コンベア装置41は、図5に示すように、廃テープ搬送方向に向かって登り傾斜となるように設置されると共に、隣接するコンベア装置41の端部同士が上下にオーバーラップするように構成されている。これにより、各コンベア装置41は、隣接するコンベア装置41への廃テープの受け渡しをスムーズに行なうことができ、受け渡しの際の廃テープの落下を抑制することができる。本実施形態では、廃テープ搬送方向は、基板搬送方向とは逆方向(部品実装ラインの上流方向)に定められている。
廃テープ回収ユニット50は、図1に示すように、基板搬送方向始端のモジュールM(印刷機12)に隣接するように設置され、廃テープ搬送装置40により搬送された廃テープを回収する。この廃テープ回収ユニット50は、図6に示すように、廃テープ搬送方向最下流のコンベア装置41から廃テープを受け入れる吸引部51と、吸引部51に廃テープを吸引させる吸引力を発生させる真空ポンプ52と、吸引部51から吸引された廃テープを収容する収容部53と、を備える。収容部53は、箱形の筐体であり、前面の扉には、取っ手53aが設けられている。作業者は、取っ手53aを把持して収容部53の前面の扉を開けることで、収容部53に収容された廃テープの回収や収容部53内部の清掃を行なうことができる。また、廃テープ回収ユニット50は、収容部53への廃テープの収容状況を表示したり、作業者の操作により真空ポンプ52の作動を停止させたりするための表示操作部54も備える。
複数のコンベア装置41は、図7に示すように、それぞれ対応するモジュールMに設けられた制御装置48によって制御される。本実施形態では、制御装置48は、コンベア装置41の他、モジュール全体を制御する。例えば、モジュールMとして部品実装機20を制御する制御装置48は、コンベア装置41の他に、基板搬送装置23やヘッド24、ヘッド移動機構25を制御する。また、真空ポンプ52は、廃テープ回収ユニット50に設けられた制御装置58によって制御される。
また、図7に示すように、複数のコンベア装置41のうち廃テープ搬送方向最下流のコンベア装置41の制御装置48と廃テープ回収ユニット50の制御装置58とは、入出力インタフェースを介して互いに接続されている。廃テープ搬送方向最下流のコンベア装置41の制御装置48は、廃テープ回収ユニット50の制御装置58へ廃テープの吸引(真空ポンプ52の起動)を要求する吸引要求信号を出力インタフェースを介して出力する。また、廃テープ搬送方向最下流のコンベア装置41の制御装置48は、廃テープ回収ユニット50の制御装置58から廃テープを吸引中であることを示す吸引中信号を入力インタフェースを介して入力する。一方、廃テープ回収ユニット50の制御装置58は、廃テープ搬送方向最下流のコンベア装置41の制御装置48から吸引要求信号を入力インタフェースを介して入力し、当該制御装置48へ吸引中信号を出力インタフェースを介して出力する。本実施形態では、吸引要求信号の出力は、オン(ハイレベル)信号とオフ(ローレベル)信号のいずれかにより行なわれる。すなわち、吸引要求信号は、廃テープの吸引を要求する場合にはオンとされ、廃テープの吸引を要求しない場合にはオフとされる。また、吸引中信号の出力も、同様に、オン(ハイレベル)信号とオフ(ローレベル)信号のいずれかにより行なわれる。すなわち、吸引中信号は、真空ポンプ52が作動中(廃テープを吸引中)である場合にはオンとされ、真空ポンプ52が停止中(廃テープの吸引を停止中)である場合にはオフとされる。吸引中信号は、この他、廃テープ回収ユニット50の電源がオフされたり、作業者により廃テープの吸引停止が指示されたり、何らかの異常により廃テープの吸引が停止されたりしても、オフ(ローレベル)とされる。
また、図7に示すように、複数のコンベア装置41のうち互いに隣接するコンベア装置41の制御装置48同士も、入出力インタフェースを介して互いに接続されている。互いに隣接するコンベア装置41のうち廃テープ搬送方向上流側のコンベア装置41の制御装置48は、廃テープ搬送方向下流側のコンベア装置41の制御装置48へ廃テープの搬送を要求する搬送要求信号を出力インタフェースを介して出力する。また、廃テープ搬送方向上流側のコンベア装置41の制御装置48は、廃テープ搬送方向下流側のコンベア装置41の制御装置48から廃テープを搬送中であること示す搬送中信号を入力インタフェースを介して入力する。一方、廃テープ搬送方向下流側のコンベア装置41の制御装置48は、廃テープ搬送方向上流側のコンベア装置41の制御装置48から搬送要求信号を入力インタフェースを介して入力し、廃テープ搬送方向上流側のコンベア装置41の制御装置48へ搬送中信号を出力インタフェースを介して出力する。本実施形態では、搬送要求信号の出力は、オン(ハイレベル)信号とオフ(ローレベル)信号のいずれかにより行なわれる。すなわち、搬送要求信号は、廃テープの搬送を要求する場合にはオンとされ、廃テープの搬送を要求しない場合にはオフとされる。また、搬送中信号の出力も、同様に、オン(ハイレベル)信号とオフ(ローレベル)信号のいずれかにより行なわれる。すなわち、搬送中信号は、コンベア装置41が作動中(廃テープを搬送中)である場合にはオンとされ、コンベア装置41が停止中(廃テープの搬送を停止中)である場合にはオフとされる。搬送中信号は、この他、対応するコンベア装置41が設けられたモジュールMの電源がオフされたり、何らかの異常により廃テープの搬送が停止されたりしても、オフ(ローレベル)とされる。
以下の説明は、こうして構成された廃テープ搬送装置40の動作についての説明である。図8は、非最下流コンベア駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、複数のコンベア装置41のうち廃テープ搬送方向最下流のコンベア装置41以外(廃テープ搬送方向非最下流)のコンベア装置41の各制御装置48により所定時間毎(例えば、数msecや数十msec毎)に繰り返し実行される。
非最下流コンベア駆動制御ルーチンが実行されると、制御装置48は、まず、制御対象のコンベア装置41を備える部品実装機20に基板Sが来ているか否かを判定し(ステップS100)、基板Sが来ていないと判定すると、その状態が所定時間(例えば数秒や数十秒)以上継続しているか否かを判定する(ステップS110)。これらの判定は、自コンベアに廃テープが排出されるか否か(廃テープ発生条件が成立しているか否か)を判定するものである。すなわち、部品実装機20は、基板Sが来ると、フィーダ26から供給されたテープTから部品Pを取り出して当該基板Sへ実装する。部品Pが取り出された廃テープは、テープ切断機32によって切断されて自コンベアへ排出される。したがって、制御装置48は、部品実装機20に基板Sが来ているか否かを判定することにより、自コンベアに廃テープが排出されるか否かを判定することができる。制御装置48は、基板Sが来ておらず、その状態が所定時間以上継続していると判定、すなわち廃テープ発生条件が成立していないと判定すると、廃テープ搬送方向上流側に隣接するコンベア装置41(上流コンベアとも称する)から入力した搬送要求信号がオン(ハイレベル)状態であるか否かを判定する(ステップS120)。
制御装置48は、基板Sが来ていると判定したり、基板Sが来ていないがその状態が所定時間以上継続していないと判定したり、上流コンベアから入力した搬送要求信号がオンであると判定すると、廃テープ発生条件が成立しているか上流コンベアから廃テープの搬送が要求されていると判断し、廃テープ搬送方向下流側に隣接するコンベア装置41(下流コンベアとも称する)に出力する搬送要求信号をオン(ハイレベル)とする(ステップS130)。そして、制御装置48は、下流コンベアから入力した搬送中信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS140)。制御装置48は、下流コンベアから入力した搬送中信号がオン状態であると判定すると、自コンベアが搬送中(作動中)であるか否かを判定する(ステップS150)。制御装置48は、自コンベアが廃テープを搬送中でないと判定すると、自コンベアの搬送を開始し(ステップS160)、上流コンベアに出力する搬送中信号をオンとして(ステップS170)、本ルーチンを終了する。一方、制御装置48は、自コンベアが搬送中であると判定すると、ステップS160をスキップし、上流コンベアに出力する搬送中信号をオンとして(ステップS170)、本ルーチンを終了する。このように、自コンベアは、廃テープ発生条件が成立するか上流コンベアから入力した搬送要求信号がオン状態となると、下流コンベアに出力する搬送要求信号をオンとし、下流コンベアから入力した搬送中信号がオン状態となると、廃テープの搬送を開始すると共に上流コンベアに出力する搬送中信号をオンとする。
制御装置48は、ステップS100~S120において、基板Sが来ていない状態が所定時間以上継続し、且つ、上流コンベアから入力した搬送要求信号がオフ状態であると判定すると、下流コンベアに出力する搬送要求信号をオフとする(ステップS180)。そして、制御装置48は、自コンベアが搬送中(作動中)であるか否かを判定する(ステップS190)。制御装置48は、自コンベアが搬送中であると判定すると、自コンベアの搬送を停止すると共に(ステップS200)、上流コンベアに出力する搬送中信号をオフとして(ステップS210)、本ルーチンを終了する。一方、制御装置48は、自コンベアが搬送中でないと判定すると、ステップS200をスキップし、上流コンベアに出力する搬送中信号をオフとして(ステップS210)、本ルーチンを終了する。すなわち、自コンベアは、廃テープ発生条件が成立しておらず、上流コンベアから入力した搬送要求信号がオフ状態のときには、下流コンベアに出力する搬送要求信号をオフし、廃テープの搬送を停止すると共に上流コンベアに出力する搬送中信号をオフとする。
制御装置48は、ステップS140において下流コンベアからの搬送中信号がオフ状態であると判定すると、自コンベアが搬送中(作動中)であるか否かを判定する(ステップS190)。そして、制御装置48は、自コンベアが搬送中であると判定すると、自コンベアの搬送を停止すると共に(ステップS200)、上流コンベアに出力する搬送中信号をオフとして(ステップS210)、本ルーチンを終了する。一方、制御装置48は、自コンベアが搬送中でないと判定すると、ステップS200をスキップし、上流コンベアに出力する搬送中信号をオフとして(ステップS210)、本ルーチンを終了する。すなわち、自コンベアは、下流コンベアに出力する搬送要求信号をオンしても、下流コンベアから入力した搬送中信号がオン状態でなければ、廃テープの搬送を行なわない。これにより、自コンベアは、下流コンベアが停止している状態で廃テープを搬送しないため、廃テープが一箇所に片寄って自コンベアから溢れ出るのを防止することができる。上述したように、搬送中信号は、下流コンベア(モジュールM)の電源がオフされたり、何らかの異常が生じたりしても、オフとされる。したがって、自コンベアは、下流コンベアの電源オフや異常の発生にも適切に対応することができる。
図9は、最下流コンベア駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、複数のコンベア装置41のうち廃テープ搬送方向最下流のコンベア装置41の制御装置48により所定時間毎(例えば、数msefや数十msec毎)に繰り返し実行される。なお、図9の各処理のうち図8と同一の処理については同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
最下流コンベア駆動制御ルーチンでは、制御装置48は、ステップS100~S120において、基板Sが来ていると判定したり、基板Sが来ていないがその状態が所定時間以上継続していないと判定したり、上流コンベアから入力した搬送要求信号がオン状態であると判定すると、廃テープ回収ユニット50の制御装置58に出力する吸引要求信号をオン(ハイレベル)とする(ステップS130B)。オン状態の吸引要求信号を入力した制御装置58は、真空ポンプ52を駆動することにより廃テープの吸引を開始すると共に、廃テープ回収ユニット50に隣接するコンベア装置41に出力する吸引中信号をオンとする。そして、制御装置48は、廃テープ回収ユニット50の制御装置58から入力した吸引中信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS140B)。制御装置48は、廃テープ回収ユニット50の制御装置58から入力した吸引中信号がオン状態であると判定すると、自コンベアが搬送中(作動中)でなければ(ステップS150)、自コンベアの搬送を開始し(ステップS160)、上流コンベアに出力する搬送中信号をオンとして(ステップS170)、本ルーチンを終了する。このように、廃テープ搬送方向最下流の自コンベアは、廃テープ回収ユニット50の制御装置58に出力する吸引要求信号をオンとし、当該制御装置58から入力した吸引中信号がオン状態となるのを待って、廃テープの搬送を開始すると共に上流コンベアに出力する搬送中信号をオンとする。
制御装置48は、ステップS100~S120において、基板Sが来ていない状態が所定時間以上継続し、且つ、上流コンベアから入力した搬送要求信号がオフ状態であると判定すると、廃テープ回収ユニット50の制御装置58に出力する吸引要求信号をオフとする(ステップS180B)。オフ状態の吸引要求信号を入力した制御装置58は、真空ポンプ52の駆動を停止して、廃テープの吸引を終了する。これにより、真空ポンプ52の無駄な駆動を抑制することができ、無駄なエネルギ消費の抑制と騒音の低減とを図ることができる。そして、制御装置48は、自コンベアが搬送中であれば(ステップS190)、自コンベアの搬送を停止し(ステップS200)、上流コンベアに出力する搬送中信号をオフとして(ステップS210)、本ルーチンを終了する。すなわち、廃テープ搬送方向最下流の自コンベアは、廃テープ発生条件が成立しておらず、上流コンベアから入力した搬送要求信号がオフ状態のときには、廃テープ回収ユニット50に出力する吸引要求信号をオフし、廃テープの搬送を停止すると共に上流コンベアに出力する搬送中信号をオフとする。
制御装置48は、ステップS140Bにおいて廃テープ回収ユニット50の制御装置58から入力した吸引中信号がオフ状態であると判定すると、自コンベアが搬送中であれば(ステップS190)、自コンベアの搬送を停止し(ステップS200)、上流コンベアに出力する搬送中信号をオフとして(ステップS210)、本ルーチンを終了する。すなわち、自コンベアは、廃テープ回収ユニット50に出力する吸引要求信号をオンしても、廃テープ回収ユニット50から入力した吸引中心号がオン状態でなければ、廃テープの搬送を行なわない。これにより、自コンベアは、廃テープ回収ユニット50(真空ポンプ52)が停止している状態で廃テープを搬送しないため、廃テープが一箇所に片寄って自コンベアから溢れ出るのを防止することができる。上述したように、吸引中信号は、廃テープ回収ユニット50の電源がオフされたり、作業者の手動により廃テープの吸引停止が指示されたり、何らかの異常により廃テープの吸引が停止されたりしても、オフとされる。したがって、自コンベアは、廃テープ回収ユニット50の電源オフや手動による吸引停止、異常の発生にも適切に対応することができる。
図10は、本実施形態のコンベア装置41の動作の様子を示す説明図である。説明の都合上、図中の部品実装ラインは、基板搬送方向上流側(廃テープ搬送方向下流側)から順に第1モジュールM1と第2モジュールM2とが並んで構成される。第1モジュールM1は、新たな基板Sが来ると、第1モジュールM1の廃テープ発生条件が成立し、廃テープ回収ユニット50に出力する吸引要求信号をオンとする。廃テープ回収ユニット50は、第1モジュールM1からオン状態の吸引要求信号を入力すると、廃テープの吸引を開始すると共に第1モジュールM1に出力する吸引中信号をオンとする。第1モジュールM1は、廃テープ回収ユニット50からオン状態の吸引中信号を入力すると、廃テープの搬送を開始すると共に廃テープ搬送方向上流の第2モジュールM2に出力する搬送中信号をオンとする。次に、第2モジュールM2は、第1モジュールM1から搬出された基板Sが来ると、第2モジュールM2の廃テープ発生条件が成立し、廃テープ搬送方向下流の第1モジュールM1に出力する搬送要求信号をオンとする。第2モジュールM2は、第1モジュールM1からオン状態の搬送中信号を入力しているから、廃テープの搬送を開始する。このようにして、廃テープ搬送装置40は、各モジュールM1,M2(部品実装機20)の実装動作を伴って発生する廃テープを順次、廃テープ回収ユニット50へ搬送する。そして、第1モジュールM1から最終の基板Sが搬出されて所定時間が経過すると、第1モジュールM1の廃テープ発生条件の成立が解除される。しかし、廃テープ搬送方向上流の第2モジュールM2には基板Sが来ており、第1モジュールM1には第2モジュールM2からオン状態の搬送要求信号が入力されているから、第1モジュールM1は、廃テープの搬送を継続する。第2モジュールM2から最終の基板Sが搬出されて所定時間が経過すると、第2モジュールM2の廃テープ発生条件の成立が解除される。第2モジュールM2は、廃テープの搬送を停止すると共に、第1モジュールM1に出力する搬送要求信号をオフとする。第1モジュールM1は、第2モジュールM2からオフ状態の搬送要求信号を入力すると、廃テープの搬送を停止し、第2モジュールM2に出力する搬送中信号をオフとすると共に廃テープ回収ユニット50に出力する吸引要求信号をオフとする。廃テープ回収ユニット50は、第1モジュールM1からオフ状態の吸引要求信号を入力すると、廃テープの吸引を停止すると共に第1モジュールM1に出力する吸引中信号をオフとする。
次の説明は、実装動作中に廃テープ回収ユニット50やコンベア装置41が停止したときの部品実装機20の動作について説明である。図11は、各部品実装機20の制御装置48により実行される実装動作停止制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msecや数十msec毎)に繰り返し実行される。
実装動作停止制御ルーチンが実行されると、制御装置48は、まず、吸着動作を含む実装動作中であるか否かを判定する(ステップS300)。制御装置48は、実装動作中でないと判定すると、そのまま本ルーチンを終了する。一方、制御装置48は、実装動作中であると判定すると、廃テープ回収ユニット50が停止中であるか否か(ステップS310)、廃テープ搬送装置40(コンベア装置41)が停止中であるか否か(ステップS320)、をそれぞれ判定する。制御装置48は、廃テープ回収ユニット50が停止中でなく、廃テープ搬送装置40が停止中でもないと判定すると、タイマCを値0にリセットして(ステップS330)、本ルーチンを終了する。一方、制御装置48は、廃テープ回収装置50が停止中であると判定したり、廃テープ搬送装置40(コンベア装置41)が停止中であると判定すると、タイマCが値0であるか否かを判定する(ステップS340)。制御装置48は、タイマCが値0であると判定すると、タイマCの計測を開始し(ステップS350)、タイマCが値0でないと判定すると、既にタイマCの計測を開始しているから、ステップS350をスキップする。そして、制御装置48は、タイマCが閾値Crefよりも大きいか否かを判定する(ステップS360)。ここで、タイマCは、吸着動作に伴って発生する廃テープの量を推定するものである。閾値Crefは、停止中の自コンベアに廃テープが排出されても、当該自コンベアから廃テープが溢れ出ないようにするための許容量であり、自コンベアのサイズなどにより予め定められる。制御装置48は、タイマCが閾値Cref以下であると判定すると、実装動作を継続したまま本ルーチンを終了し、タイマCが閾値Crefよりも大きいと判定すると、実装動作を停止して(ステップS370)、本ルーチンを終了する。このように、部品実装装置20は、実装動作中に廃テープ回収装置50や廃テープ搬送装置40(コンベア装置41)が停止すると、タイマCが閾値Crefに達するまで(所定時間が経過するまで)は、実装動作を継続し、タイマCが閾値Crefに達すると、実装動作を停止する。これにより、部品実装システム10は、廃テープが廃テープ回収ユニット50へ搬送される途中でコンベア装置41から溢れ出るのをより確実に防止することができる。また、部品実装システム10は、部品実装動作中に廃テープ回収ユニット50が停止したり、コンベア装置41のいずれかが停止したときに直ちに部品実装動作を停止するものに比して、生産効率を高めることができる。
ここで、実施形態の主要な要素と請求の範囲に記載した主要な要素との対応関係について説明する。即ち、フィーダ26がフィーダに相当し、基板搬送装置23が基板搬送装置に相当し、テープ切断機32が切断装置に相当し、部品実装機20が部品実装機に相当し、部品実装システム10が部品実装システムに相当し、コンベア装置41がコンベア装置に相当し、廃テープ回収ユニット50が廃テープ回収部に相当する。
以上説明した実施形態の廃テープ搬送装置40は、部品実装ラインを構成する各部品実装機20から排出された廃テープをその搬送端に設けられた廃テープ回収ユニット50へ搬送する。この廃テープ搬送装置40は、各部品実装機20ごとに独立して設けられたコンベア装置41を有する。複数のコンベア装置41のうち下流コンベアが隣接するコンベア装置41は、廃テープ発生条件が成立するか上流コンベアから入力した搬送要求信号がオン状態となると、下流コンベアに出力する搬送要求信号をオンとし、下流コンベアから入力した搬送中信号がオン状態となると、搬送を開始する。また、下流コンベアが隣接するコンベア装置41は、廃テープ発生条件が成立しておらず上流コンベアから入力した搬送要求信号がオフ状態のときには、搬送を停止すると共に下流コンベアに出力する搬送要求信号をオフとする。一方、複数のコンベア装置41のうち廃テープ回収ユニット50が隣接するコンベア装置41は、廃テープ発生条件が成立するか上流コンベアから入力した搬送要求信号がオン状態となると、廃テープ回収ユニット50に出力する吸引要求信号をオンとし、廃テープ回収ユニット50から入力した吸引中信号がオン状態となると、搬送を開始する。また、廃テープ回収ユニット50が隣接するコンベア装置41は、廃テープ発生条件が成立しておらず上流コンベアから入力した搬送要求信号がオフ状態のときには、搬送を停止すると共に廃テープ回収ユニット50に出力する吸引要求信号をオフとする。これにより、廃テープ搬送装置40は、例えば廃テープ回収ユニット50が廃テープを回収不能な状態であったり廃テープ搬送方向下流側のコンベア装置41が停止している状態でコンベア装置41が作動しないようにすることができる。この結果、廃テープ搬送装置40は、廃テープが廃テープ回収ユニット50に搬送される途中でコンベア装置41から溢れ出るのを抑制することができる。また、廃テープ搬送装置40は、複数のコンベア装置41を常時作動するものに比して、省エネルギ化を図ることができる。
また、廃テープ回収ユニット50が隣接するコンベア装置41は、搬送中に廃テープ回収ユニット41が停止して吸引中信号がオフ状態となると、搬送を停止すると共に上流コンベアに出力する搬送中信号をオフとする。これにより、コンベア装置41は、搬送途中で廃テープ回収ユニット50が停止しても、適切に対応することができる。
さらに、下流コンベアが隣接するコンベア装置41は、搬送中に当該下流コンベアが搬送を停止して搬送中信号がオフ状態となると、搬送を停止すると共に上流コンベアに出力する搬送中信号をオフとする。これにより、コンベア装置41は、搬送途中で下流コンベアが停止しても、適切に対応することができる。
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、廃テープ搬送装置40は、基板搬送方向と逆方向に廃テープを搬送するものとした。しかし、廃テープ搬送装置40は、基板搬送方向と同方向に廃テープを搬送するものとしてもよい。この場合、廃テープ回収ユニット50は、基板搬送方向終端のモジュールMに隣接して設置される。図12は、変形例のコンベア装置41の動作の様子を示す説明図である。説明の都合上、図中の部品実装ラインは、基板搬送方向上流側(廃テープ搬送方向上流側)から順に第1モジュールM1と第2モジュールM2とが並んで構成される。第1モジュールM1は、新たな基板Sが来ると、第1モジュールM1の廃テープ発生条件が成立し、第2モジュールM2に出力する搬送要求信号をオンとする。第2モジュールM2は、第1モジュールM1からオン状態の搬送要求信号を入力すると、廃テープ回収ユニット50に出力する吸引要求信号をオンとする。廃テープ回収ユニット50は、第2モジュールM2からオン状態の吸引要求信号を入力すると、廃テープの吸引を開始すると共に第2モジュールM2に出力する吸引中信号をオンとする。第2モジュールM2は、廃テープ回収ユニット50からオン状態の吸引中信号を入力すると、廃テープの搬送を開始すると共に第1モジュールM1に出力する搬送中信号をオンとする。第1モジュールM1は、第2モジュールM2からオン状態の搬送中信号を入力すると、廃テープの搬送を開始する。このようにして、廃テープ搬送装置40は、各モジュールM(部品実装機20)の実装動作を伴って発生する廃テープを順次、廃テープ回収ユニット50へ搬送する。そして、第1モジュールM1から最終の基板Sが搬出されて所定時間が経過すると、第1モジュールM1の廃テープ発生条件の成立が解除される。第1モジュールM1は、廃テープ発生条件の成立が解除されると、廃テープの搬送を停止すると共に第2モジュールM2に出力する搬送要求信号をオフとする。また、第2モジュールM2から最終の基板Sが搬出されて所定時間が経過すると、第2モジュールM2の廃テープ発生条件の成立が解除される。第2モジュールM2は、第1モジュールM1からオフ状態の搬送要求信号を入力しているから、第2モジュールM2の廃テープ発生条件の成立が解除されると、廃テープの搬送を停止し、廃テープ回収ユニット50に出力する吸引要求信号をオフとする。廃テープ回収ユニット50は、第2モジュールM2からオフ状態の吸引要求信号を入力すると、廃テープの吸引を停止すると共に第2モジュールM2に出力する吸引中信号をオフとする。
上述した実施形態では、各部品実装機20は、実装動作中に廃テープ回収ユニット50やコンベア装置41が停止すると、所定時間が経過するまでは、実装動作を継続し、所定時間が経過すると、実装動作を停止するものとした。しかし、以下のようにしてもよい。図13は、各部品実装機20の制御装置48により実行される変形例の実装動作停止制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。図13の各処理のうち図11と同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明は省略する。
実装動作停止制御ルーチンが実行されると、制御装置48は、ステップS300で実装動作中であると判定し、ステップS310,S320で廃テープ回収ユニット50が停止中でなく、廃テープ搬送装置40(コンベア装置41)が停止中でもないと判定すると、廃テープ排出量Qを値0にリセットする(ステップS330B)。また、制御装置48は、実装動作中に、廃テープ回収装置50が停止中であると判定したり、廃テープ搬送装置40(コンベア装置41)が停止中であると判定すると、フィーダ26によるテープ送りが発生したか否かを判定する(ステップS340B)。なお、上述したように、フィーダ26によるテープ送りが発生すると、テープ切断機32が部品が取り出されたテープを切断するため、廃テープが発生する。制御装置48は、テープ送りが発生したと判定すると、テープ排出量Qを積算し(ステップS350B)、テープ送りが発生していないと判定すると、ステップS350Bをスキップする。なお、テープ排出量Qの積算は、テープ送りが発生する度に一定量ずつ積算することにより行なわれる。なお、積算量は、テープ送り量やテープの種類に応じて増減させてもよい。そして、制御装置48は、テープ排出量Qが閾値Qrefよりも大きいか否かを判定する(ステップS360B)。閾値Qrefは、停止中のコンベア装置41に廃テープが排出されても、当該コンベア装置41から廃テープが溢れ出ないようにするための許容量である。制御装置48は、テープ排出量Qが閾値Qref以下であると判定すると、実装動作を継続したまま本ルーチンを終了し、テープ排出量Qが閾値Qrefよりも大きいと判定すると、実装動作を停止して(ステップS370)、本ルーチンを終了する。
また、上述した実施形態では、廃テープ発生条件は、基板Sが搬入されたことに基づいて成立し、当該基板Sが搬出されてから次の基板Sが搬入されていない状態が所定時間続くと成立が解除されるものとした。しかし、廃テープ発生条件は、テープ切断機32が作動したことに基づいて成立し、テープ切断機32が作動を停止している状態が所定時間続くと成立が解除されるものとする等、廃テープの発生を検知あるいは推定できるものであれば、如何なる手法を採用してもよい。
また、上述した実施形態では、廃テープ回収ユニット50は、廃テープ搬送装置40により搬送された廃テープを、真空ポンプ52による吸引によって収容部53に回収するものとした。しかし、廃テープ回収ユニットは、廃テープ搬送装置40の搬送端に設置された回収ボックスを備え、回収ボックスに集められた廃テープを作業者が回収するものとしてもよい。また、廃テープ回収ユニットは、廃テープ搬送装置40の搬送端に回収ボックスを搭載した無人搬送車を備え、回収ボックスに集められた廃テープを無人搬送車が自動回収するものとしてもよい。あるいは、廃テープ回収ユニットは、廃テープ搬送装置40に搬送端に設置されたコンベア装置を備え、廃テープをコンベア装置によって自動回収するものとしてもよい。このように、廃テープ回収ユニットは、廃テープ搬送装置40により搬送された廃テープを回収可能なものであれば、如何なる構成を採用してもよい。なお、廃テープ回収ユニットは、いずれの態様においても、廃テープを回収可能な状態であるか否かの信号を廃テープ搬送方向最下流のコンベア装置に対して出力する。
なお、上述した実施形態では、廃テープの回収箇所は1カ所であるが、これに限定されるものではなく、部品実装ラインのライン長が長い場合には、廃テープの回収箇所は複数箇所であってもよい。例えば、ライン長の中央付近から基板搬送方向上流側にある部品実装機20に設けられるコンベア装置41は、廃テープ搬送方向が基板搬送方向とは逆方向(ラインの上流方向)となるように構成し、ライン長の中央付近から基板搬送方向下流にある部品実装機20に設けられるコンベア装置41は、廃テープ搬送方向が基板搬送方向と同方向(ラインの下流方向)となるように構成する。この場合の廃テープの回収箇所は、ラインの先頭の回収箇所とラインの最後尾の回収箇所の2カ所である。