JP7453764B2 - 分離型火災検知器 - Google Patents

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Description

本発明は、送光装置と受光装置の間の火災発生物質を光学的に検出して火災を検知する分離型火災検知器に関するものである。
光電式分離型感知器は、発光素子を収容した光学台を有して送光する送光装置と、受光素子を収容した光学台を有して受光する受光装置とを備えた火災感知器である。送光装置と受光装置は、高所(通常、地上10~15m)において通常5~100mの監視距離を隔てて対向配置することができる。そのため、屋内の大空間における火災感知に適している。また、トンネル内の火災感知にも適する。光電式分離型感知器は、火災で発生した煙が送光装置と受光装置の間に存在することによる、光の減衰を感知することで煙の存在を感知する。
特開2016-105295号公報
特許文献1には、煙による光量の変化を検出する光電式分離型感知器が記載されている。火災には種々の特徴のものがある。そして、煙の量が少ない火災の場合、迅速な火災の検知ができなくなる可能性がある。そこで、火災により発生するガスの光吸収により、監視範囲のガス空間濃度を非接触で監視できるガスセンサを用いることが考えられる。しかし、大空間の火災検知のために送光装置と受光装置の間の光路長を長くすると、高濃度になるほど光量が低下して変化量の検出が困難になる。
(1)本発明は、送光装置と受光装置とを備え、前記送光装置は、火災によって発生する物質により吸収される第1波長光と、前記第1波長光より長い波長を有し、前記物質により吸収される第2波長光を含む光を送光し、前記受光装置は、前記第2波長光よりも前記第1波長光を透過する第1光学フィルターと、前記第1波長光よりも前記第2波長光を透過する第2光学フィルターと、前記第1光学フィルターを透過した光を受光して、受光強度に応じた第1センサ信号を出力する第1センサと、前記第2光学フィルターを透過した光を受光して、受光強度に応じた第2センサ信号を出力する第2センサと、を有し、前記第1センサ信号と、前記第2センサ信号の少なくとも一方の出力により、前記送光装置と前記受光装置の間の前記物質の濃度を検出し、前記濃度により火災を検知することを特徴とする分離型火災検知器である。
(2)また、本発明は、前記受光装置は、前記送光装置の光を受光してリファレンス信号を出力するリファレンスセンサを備え、前記リファレンスセンサは、前記第1センサ及び前記第2センサに対して共通して1つ設けられることを特徴とする(1)に記載された分離型火災検知器である。
(3)また、本発明は、前記リファレンスセンサは、光を受光して、受光強度に応じたリファレンス信号を出力し、前記リファレンス信号に対する、前記第1センサ信号、及び前記第2センサ信号の比率により前記濃度を検出することを特徴とする(2)に記載の分離型火災検知器である。
(4)また、本発明は、前記第1センサ信号と前記第2センサ信号を切り替える、切替閾値を有し、前記第1センサ信号の出力が前記切替閾値以下又は前記切替閾値未満となったときに、前記第2センサ信号に切り替えて、前記濃度を検出して火災を検知することを特徴とする(1)乃至(3)の何れかに記載の分離型火災検知器である。
(5)また、本発明は、前記第1波長光は、4.35μmであり、前記第2波長光は、4.40~4.50μmにおけるいずれかの波長であることを特徴とする(1)乃至(4)の何れかに記載の分離型火災検知器である。
本発明により、送光装置と受光装置の間の光路長が長くても短くても、検出領域の火災発生物質による光吸収により、火災発生物質の濃度から火災を検出することができる。
10mの距離におけるCOによる赤外線吸収特性を示す図。 本発明の実施例1における分離型火災検知器1の断面を示す図。 本発明の実施例1における分離型火災検知器1と受信機4のシステム構成を示す図。 受光装置12の制御部126における動作フロー図。
火災により発生するガスには種々のものがあるが、本実施形態では、CO(二酸化炭素)の赤外線吸収を利用した分離型火災検知器について説明する。
図1は、10mの距離におけるCOによる赤外線吸収特性を示す図である。横軸は赤外線の波長、縦軸は10mの距離における赤外線の透過率を表す。ここで示す赤外線の波長は、後述のように±0.05μmの幅をもつバンドパスフィルターを介した際の中心波長である。5つの線は、100ppm、400ppm、1,000ppm、5,000ppm、10,000ppmのCO濃度における、10mの距離での波長4.1~4.5μmの赤外線の吸収率を表す。
図1から理解できるように、4.25μm付近の赤外線はCOに吸収されやすく、CO濃度の変化による透過率の変化が大きい。そのため、CO濃度の検出に用いることが考えられる。しかし、10mの距離において、1,000ppmで透過率がほぼ0%となり、それ以上の濃度では透過率に変化がない。そこで、1,000ppmより高い濃度を検出するために、4.35μmの赤外線を用いることが考えられる。4.35μmの赤外線であれば、10mの距離において400ppmから10,000ppmの範囲で透過率の変化があり、広い範囲でのCO濃度の検出が容易である。しかし、分離型火災検知器は設置場所の都合により設置間隔が100m程度まで広くなる可能性がある。そして、分離型火災検知器の使用に際し、広い間隔で設置した場合には透過率が低くなってCO濃度変化による透過率の変化が小さくなり、火災検知が困難となることが判明した。そこで、本発明では複数の赤外線波長領域を用いて透過率を測定し、火災の検知を行う。
実施例1では、4.35μmに加えて、4.45μmの赤外線の透過率を利用する。そして、4.35μmと4.45μmにおける10mでのCO濃度による透過率のデータを記憶し、透過率によってCO濃度を求め、火災の検知を行う。4.35μmの赤外線の透過率を第1透過率T1とすると、図1の●印のように第1透過率T1が50%であるときCO濃度は、検出領域2の距離が10mの場合の1,000ppmに相当する。通常、大気中には420ppmほどのCOが含まれているため、検出領域2のCO濃度が均一であれば、第1透過率T1が50%の際に検出領域2のCO濃度が平均的に580ppm程度上昇したことになる。
屋内やトンネル内のCO濃度は、火災でなくとも、多人数の人や車からのCO放出により1,000ppmほどに上昇することがある。検出領域2の距離が変化すると、一般的にランベルトの法則によって透過率が変化する。ランベルトの法則は、濃度が一定の場合に吸光度が光路長に比例するとの法則である。吸光度は-log10(透過率)である。4.35μm赤外線では1,000ppmのCO濃度が10mの距離で透過率50%であるところ、ランベルトの法則によれば、30mの距離では約13%になり、50mの距離では約3%になる。検出領域2の光路長は5~100m程度であるが、光路長が長くなるに従い透過率が下がるため、CO濃度の変化の検出が難しくなる。そこで、第1透過率T1に所定の切替閾値Thを設け、切替閾値Th以下となった場合に他の波長の赤外線による第2透過率T2に切替えてCO濃度の導出を開始する。実施例1では、切替閾値Thを20%として、4.45μm赤外線での透過率を第2透過率T2とする。そして、第1透過率T1の透過率が20%以下となった場合に、第2透過率T2に切替えてCO濃度を導出する。これにより、設置の際の送光装置11と受光装置12の間の距離が異なっても距離を受光装置12に記憶させるだけで、種々の検出領域の距離やCO濃度に対応することができる。
図2は、本発明の実施例1における分離型火災検知器1の断面を示す図である。分離型火災検知器1は、送光装置11と受光装置12により構成される。図2において、送光装置11と受光装置12は、設置時における垂直方向の中心の水平断面図で記載している。分離型火災検知器1は、送光装置11から送出された赤外線が受光装置12で受光されるようにして大空間に設置される。送光装置11と受光装置12の間の領域が、領域内のCOの濃度を測定して火災を判定する検出領域2であり光路長となる。送光装置11は、キセノンランプ111と赤外線透過レンズ112を備えており、赤外線を送出する。また、受光装置12は、第1センサ121、第2センサ122、リファレンスセンサ123を備えており、赤外線を受光する。第1センサ121、第2センサ122、リファレンスセンサ123の前には、赤外線を通過するシリコンレンズ124を設けている。
シリコンレンズ124と第1センサ121の間には、第1光学フィルター1211を設けている。第1光学フィルター1211は、4.35μmを中心とした±0.05μmの幅の透過特性を有するバンドパスフィルターであり、4.30μm以下と4.40μm以上では5%以下の透過率、4.34μm以上、4.36μm以下では80%以上の透過率を有している。また、シリコンレンズ124と第2センサ122の間には、第2光学フィルター1221を設ける。第2光学フィルター1221は、4.45μmを中心とした±0.05μmの幅の透過特性を有するバンドパスフィルターであり、4.40μm以下と4.50μm以上では5%以下の透過率、4.44μm以上、4.46μm以下では80%以上の透過率を有している。シリコンレンズ124とリファレンスセンサ123の間には、リファレンス光学フィルター1231を設ける。リファレンス光学フィルター1231は、4.10μmを中心とした±0.05μmの幅の透過特性を有するバンドパスフィルターであり、4.05μm以下と4.15μm以上では5%以下の透過率、4.09μm以上、4.11μm以下では80%以上の透過率を有している。以上のように、各フィルターは透過光の波長領域が異なっており、各センサは検知波長領域が異なっている。
第1光学フィルター1211の透過光量域である第1波長光は、図1の4.35μmであり、10m間隔では100~10,000ppmのCO濃度で変化率が大きい。また、リファレンス光学フィルター1231の透過光量域であるリファレンス波長光は、4.10μmであり、COの吸収がない。第2光学フィルター1221の透過光量域である第2波長光は4.45μmであり、10m間隔に換算して10,000μm以上のCO濃度であっても透過率の変化がある。第1光学フィルター1211は第2波長光やリファレンス波長光よりも第1波長光を透過し、第2光学フィルター1221は第1波長光やリファレンス波長光よりも第2波長光を透過する。リファレンス光学フィルター1231は、第1波長光や第2波長光よりもリファレンス波長光を透過する。
図3は、本発明の実施例1における分離型火災検知器1と受信機4のシステム構成を示す図である。分離型火災検知器1は送光装置11と受光装置12により構成さる。分離型火災検知器1は、信号線3により受光装置12が受信機4に接続している。
受光装置12において、第1センサ121、第2センサ122、リファレンスセンサ123は、A/Dコンバータ125を介して制御部126に接続している。送光装置11は所定間隔で自発的に発光する。また、制御部126は受信機接続部128に繋がり、受信機接続部128は信号線3を介して受信機4に接続している。受光装置12の制御部126で、検出領域2のCOにより火災を判定すると、受信機接続部128が信号線3の2本の線を短絡させて受信機4に火災信号を送信する。記憶部127は、送光装置11と受光装置12の間における検出領域2の距離L、4.35μm赤外線の10mでの透過率データ、4.45μm赤外線の10mでの透過率データ、第1透過率T1の切替閾値Th、火災変化濃度Sを記憶している。
次に、火災の検出動作について説明する。
受光装置12の記憶部127には、4.35μm赤外線の10mでの透過率とCO濃度の値による透過率データ、4.45μm赤外線の10mでの透過率とCO濃度の値による透過率データ、第1透過率T1の切替閾値Thとして20%、火災変化濃度Sとして500ppmが記憶されている。さらに、記憶部127には、分離型火災検知器1の設置時に送光装置11と受光装置12の距離が書き込まれて記憶される。
分離型火災検知器1の作動時には、送光装置11で発生する間欠的な発光電圧によりキセノンランプ111が間欠的にフラッシュ発光する。キセノンランプ111は発光に赤外線を含み、消費電力が少なく、長寿命という特徴を有している。キセノンランプ111から送出された赤外線は、検出領域2を通過して受光装置12に到達する。検出領域2では、図1に示すCOによる赤外線の吸収により赤外線が減光する。また、火災時の煙等による散乱によっても減光が生じる。赤外線は、受光装置12の第1センサ121、第2センサ122、リファレンスセンサ123で受光される。
赤外線の光のうち、4.35μmを中心とした4.30~4.40μmの赤外線は第1光学フィルター1211を通過して、第1センサ121に入光する。また、4.45μmを中心とした4.40~4.50μmの赤外線は第2光学フィルター1221を通過して、第2センサ122に入光する。さらに、4.10μmを中心とした4.05~4.15μmの赤外線はリファレンス光学フィルター1231を通過して、リファレンスセンサ123に入光する。そして、第1センサ121からは第1センサ信号が、第2センサ122からは第2センサ信号が、リファレンスセンサ123からはリファレンス信号が、受光強度に応じて出力される。第1センサ信号、第2センサ信号、リファレンス信号は、A/Dコンバータ125によりA/D変換されて、第1デジタル信号、第2デジタル信号、リファレンスデジタル信号として制御部126に入力する。A/Dコンバータ125は信号毎にA/Dコンバータを備え、各デジタル信号をバッファ(図示せず)に記憶してから制御部126に入力する。リファレンスセンサ123は、火災時の煙等による散乱による減光を検出するためのものである。
図4は、受光装置12の制御部126における動作フロー図である。制御部126は、リファレンスセンサ123が受光したタイミングで、第1デジタル信号D1、第2デジタル信号D2、リファレンスデジタル信号Drを取り込む(ステップS1)。そして、第1デジタル信号D1の値をリファレンスデジタル信号Drの値で割って第1透過率T1を得、同様に第2デジタル信号D2の値をリファレンスデジタル信号Drの値で割って第2透過率T2を得る(ステップS2)。これにより、煙による散乱等の、COによらない透過率の変化を除去する。第1透過率T1、第2透過率T2は、リファレンス信号に対する第1センサ信号、第2センサ信号の比率として導出される。実施例1では、リファレンスセンサ123は、第1センサ121及び第2センサ122に共通して1つ設けられる。記憶部127には切替閾値Thとして透過率20%が記憶されている。第1透過率T1が、20%より大きい場合にはステップS4へ進み、20%以下(切替閾値Th以下)の場合にはステップS5へ進む(ステップS3)。ステップS4では、第1透過率T1と、4.35μm赤外線の10mでの透過率データから、10mでのCO濃度C10mを導出する。また、ステップS5では第2透過率T2と4.45μm赤外線の10mでの透過率データから、10mでのCO濃度C10mを導出する。そして、CO濃度C10mと、記憶部127が記憶している検出領域2の距離Lから、ランベルトの法則によりCO濃度Cを算出する(ステップS6)。算出したCO濃度Cを記憶部127に記憶して、過去1時間におけるCO濃度Cの移動平均CAVを算出する(ステップS7)。移動平均CAVを算出するために、CO濃度Cは記憶部127に検出時間と共に記憶される。そして、新たなCO濃度Cが算出される毎に、過去1時間の検出時間に検出された複数のCO濃度Cが読み出され、平均が算出されて移動平均CAVとなる。ステップ8では、算出したCO濃度Cが、過去1時間におけるCO濃度の移動平均CAVよりも500ppm(火災変化濃度S)以上の値であるかを判定する。500ppm以上の値である場合には、ステップS9により受信機接続部128に送信し、受信機接続部128では、信号線3の2本の線を短絡して、受信機4に検知信号を送信する(ステップS9)。そしてステップS1へ戻る。大きくない場合には、ステップS9を介さずにステップS1へ戻る。上記実施例1では、第1透過率T1が20%以下(切替閾値Th以下)であるか否かで第1透過率T1を用いるか第2透過率T2を用いるかを切り替えているが、第1透過率T1が20%未満(切替閾値Th未満)であるか否かで切り替えてもよい。なお、実施例1では、火災変化濃度Sとして500ppmを用いたが、分離型火災検知器1の設置場所等の状況により500ppm以外の値を用いることができる。
実施例1では、導出したCO濃度Cが過去の所定期間におけるCO濃度の移動平均CAVよりも一定値(火災変化濃度S)以上大きくなると火災と判定した。しかし、通常時において設置場所のCO濃度が安定している場合には、移動平均CAVを用いずに、所定のCO濃度Csを超えた場合に火災と判定してもよい。
実施例2では、記憶部127に所定のCO濃度Csとして2,000ppmを設定する。そして、実施例1と同様に、第1透過率が20%(切替閾値Th)以上の場合に第1透過率T1と4.35μmの透過率データにより10mでのCO濃度C10mを導出する。また、第1透過率T1が20%(切替閾値Th)未満の場合に第2透過率T2と4.45μmの透過率データにより10mでのCO濃度C10mを導出する。そして、実施例1と同様に、距離と10mでのCO濃度C10mからランベルトの法則を用いてCO濃度Cを算出する。
導出したCO濃度Cが所定のCO濃度である2,000ppmを超えると、受信機接続部128に短絡命令を送信する。受信機接続部128では、信号線3の2本の線を短絡して、受信機4に検知信号を送信する。
<変形例>
実施例1,2では、分離型火災検知器1で第1透過率T1と第2透過率T2から火災と判定して、信号線3を介して受信機4に検知信号を送信した。しかし、第1透過率T1と第2透過率T2を受光装置12から受信機4に送信して、受信機4で火災の判定をしても良い。その場合には、信号線3をデジタル信号線として透過率をデジタル信号として送信する。受信機4の記憶部には、透過率の切替閾値Th、検出領域2の距離L、4.35μm赤外線の10mでの透過率とCO濃度による透過率データ、4.45μm赤外線の10mでの透過率とCO濃度による透過率データ、火災変化濃度Sを記憶する。
受信機4で透過率等から火災を判定するようにした場合には種々の判定を行うことができる。例えば、CO濃度Cが急激に増えた場合とゆっくり増えた場合により、通常火災か、くすぶり火災か等を判定して報知することができる。この場合には、CO濃度Cの増加が所定値を超える時間で判定する。また、くすぶり火災のように徐々にCOが放出される場合には、検出領域2にゆっくりと薄く拡がるため、CO濃度Cの揺らぎが小さい。一方、急激に燃焼が生じる火災では検出領域2の中を高濃度のCOの領域が揺れ動くため、CO濃度Cの揺らぎが大きくなる。したがって、CO濃度Cの揺らぎの大小によりくすぶり火災か否かを検出する事ができる。揺らぎで判定する際には、CO濃度Cのデータをハイパスフィルターに通し、所定値より大きくなると揺らぎが大きい等とすることができる。
上記実施例1,2では、送光装置11の中で予め決められた周期で発生する発光電圧により、キセノンランプ111をフラッシュ発光させている。しかし、受光装置12で発生する発光信号により送光装置11のキセノンランプ111を発光させてもよい。その場合、上記実施例1、2では、送光装置11は受光装置12に接続していないものとしたが、受光装置12に送光信号部を設けて配線により送光装置11に接続し、送光信号部から配線を介して送光装置11に発光信号を供給する。受光装置12で発光信号を発生することにより、透過率データT1の値が下がった場合に発光間隔を短くして検出頻度を上げる等、受光状況によりキセノンランプ111の発光間隔を変化させることができる。
また、上記実施例1,2では、リファレンスセンサを1つとしているが、リファレンスセンサを複数としてもよい。例えば、4.35μmの透過率T1に対しては、4.10μmの透過率をリファレンスとし、4.45μmの透過率T2に対しては、4.50μmの透過率をリファレンスとしてもよい。
上記実施例1,2では第1透過率T1が所定値以下になった場合に第2透過率T2を用いてCO濃度を導出した。しかし、第2透過率T2が所定値以上になった場合に第1透過率T1を用いてCO濃度を導出してもよい。また、第1透過率T1と第2透過率T2を比較し、50%に近い方の透過率を用いてCO濃度を導出してもよい。
さらに、リファレンスデジタル信号Drにより除した第1透過率T1、第2透過率T2等の透過率ではなく、第1デジタル信号D1、第2デジタル信号D2等のデジタル信号と切替閾値の大小により切替を行っても良い。また、煙による散乱等のCOによらない透過率の変化を除去するため、第1透過率T1、第2透過率T2の吸光度を、リファレンスの吸光度で除してもよい。
実施例1,2では受光時に透過率と、記憶部127に記憶されている検出領域2の距離及び赤外線の10mでの透過率Tから、ランベルトの法則を用いてCO濃度Cを導出した。しかし、分離型火災検知器1の設置時に、検出領域2の距離及び赤外線の10mでの透過率Tから、ランベルトの法則を用いてCO濃度Cを計算しておき、作成した透過率TとCO濃度Cのデータを記憶部127に記憶しておいてもよい。また、赤外線の10mでの透過率データを記憶部127に記憶せず、取得した透過率Tからランベルト・ベールの法則により、CO濃度Cを算出してもよい。その際には、他の気体の吸収等を考慮した補正を行ってもよい。なお、ランベルト・ベールの法則では、透過率T(吸光度)と気体等の媒質の長さ(距離)により、媒質の濃度を算出することができる。
赤外線で利用する波長は他の波長でも良い。特に第2透過率T2のための波長は4.45μmよりも短くてもよく長くてもよいが、4.40~4.50μmの範囲が好ましい。
また、実施例1,2では、切り替えて第1センサ信号と第2センサ信号の一方の出力により検出したCO濃度Cにより、火災を検知した。しかし、第1センサ信号と第2センサ信号によるデジタル信号の比率や透過率の比率を変化させて、CO濃度Cを検出し、火災を検知してもよい。
実施例1,2において、リファレンスセンサ123の出力により煙を検出し、CO濃度Cとともに総合的に火災を判断してもよい。例えば、検出したCO濃度Cが低くても、リファレンスセンサ123で検出した煙が所定量より多ければ火災と判断することができる。
赤外線3波長式炎検知器はCOが加熱されて放射されるCO共鳴放射を検知し、赤外線の3波長のエネルギー強度、比率、炎によるちらつき等から火災を識別する。本実施形態と同じ赤外線領域の波長を用いることから、赤外線3波長式炎検知器を本発明の受光装置として用いれば、炎を直接検知した場合だけでなく、COの増加による火災の検知も可能となる。
上記実施例1,2では火災時に発生するCOの吸収率により火災を検知した。しかし、火災の際に燃える物質によりNH、HS、CO、HCN、HCl、SO、NO等のガスも生じる。本発明により、これらのガスによる赤外線等の吸収から火災を検知することもできる。透過率を用いる波長の間が大きくなる場合には、各波長の近傍にリファレンスとなる波長を設定して、波長毎に異なるリファレンスを用いてもよい。
1 分離型火災検知器、11 送光装置、111 キセノンランプ、112 赤外線透過レンズ、12 受光装置、121 第1センサ、1211 第1光学フィルター、122 第2センサ、1221 第2光学フィルター、123 リファレンスセンサ、1231 リファレンス光学フィルター、124 シリコンレンズ、125 A/Dコンバータ、126 制御部、127 記憶部、128 受信機接続部、2 検出領域、3 信号線、4 受信機

Claims (3)

  1. 送光装置と受光装置とを備え、
    前記送光装置は、火災によって発生する物質により吸収される第1波長光と、前記第1波長光より長い波長を有し、前記物質により吸収される第2波長光を含む光を送光し、
    前記受光装置は、
    前記第2波長光よりも前記第1波長光を透過する第1光学フィルターと、前記第1波長光よりも前記第2波長光を透過する第2光学フィルターと、
    前記第1光学フィルターを透過した光を受光して、受光強度に応じた第1センサ信号を出力する第1センサと、前記第2光学フィルターを透過した光を受光して、受光強度に応じた第2センサ信号を出力する第2センサと、
    を有し、
    前記第1センサ信号による第1透過率が所定値より大きい場合には、前記第1透過率により前記物質の物質濃度を算出し、
    前記第1透過率が前記所定値より大きくない場合には、前記第2センサ信号による第2透過率により前記物質の物質濃度を算出し、
    前記物質濃度を記憶して所定時間の移動平均を算出し、
    前記物質濃度が前記移動平均よりも火災変化濃度以上の場合に、火災を検知することを特徴とする分離型火災検知器。
  2. 前記受光装置は、前記送光装置の光を受光してリファレンス信号を出力するリファレンスセンサを備え、
    前記リファレンスセンサは、前記第1センサ及び前記第2センサに対して共通して1つ設けられ
    前記第1センサ信号を前記リファレンス信号で割って前記第1透過率を得、
    前記第2センサ信号を前記リファレンス信号で割って前記第2透過率を得ることを特徴とする請求項1に記載された分離型火災検知器。
  3. 前記第1波長光は、4.35μmであり、前記第2波長光は、4.40~4.50μmにおけるいずれかの波長であることを特徴とする請求項1または2に記載の分離型火災検知器。
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