1:第1実施形態
以下、図1~図13を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る管理サーバ10を含む見守りシステム1について説明する。
1-1:第1実施形態の構成
1-1-1:全体構成
図1は、第1実施形態に係る見守りシステム1の全体構成を示す。見守りシステム1は、例えば、自治体のようなコミュニティが、その住民を見守るために用いるシステムである。図1に示されるように、見守りシステム1は、管理サーバ10、端末装置20-1…20-J、20-K、…20-N、及び20-R、健康情報サーバ30、及び自治体サーバ40を備える。Nは2以上の整数である。J及びKは1以上N以下の整数である。またJとKとは互いに異なる。Rは、2以上の整数である。Rは、J、K、及びNとは互いに異なる。本実施形態において、端末装置20-1~20-N、及び20-Rは同一の構成である。但し、構成が同一でない端末装置が含まれても良い。
見守りシステム1において、管理サーバ10、端末装置20-1~20-N、健康情報サーバ30、及び自治体サーバ40は、通信網NETを介して互いに通信可能に接続される。また、端末装置20-Rと自治体サーバ40は、互いに通信可能に接続される。なお、図1において、ユーザUJは、端末装置20-Jを利用する。一方で、ユーザUKは、端末装置20-Kを利用する。なお、以降では、端末装置20-1~20-N、及び20-Rを、「端末装置20」と総称することがある。また、ユーザUJ及びユーザUKを含む一般的なユーザを、「ユーザU」と総称することがある。図1において、ユーザUJは、見守りの対象となる見守り対象者である。また、ユーザUKは、ユーザUJを見守る保護者である。当該保護者は、例えば、ユーザUKの家族、民生員、及びユーザUKの近所の住民である。
見守りシステム1において、管理サーバ10は、通信網NETを介して、端末装置20-1~20-Nに対して各種データ及びクラウドサービスを提供する。とりわけ本実施形態において、管理サーバ10は、端末装置20-1~20-Nから、ユーザUの行動に関する行動情報を取得し、取得した行動情報を、端末装置20-1~20-Nのうち、行動情報の取得元とは異なる端末装置20に出力する。この場合、管理サーバ10は、取得した行動情報の種類に応じて、当該行動情報の出力先を切り替える。
端末装置20-1~20-Nは、管理サーバ10に対して行動情報を出力する。また、端末装置20は、管理サーバ10から行動情報及び各種データを取得する。一例として、見守り対象者であるユーザUJが用いる端末装置20-Jは、管理サーバ10に対してユーザUJの行動に関する行動情報を出力する。ユーザUJの保護者であるユーザUKが用いる端末装置20-Kは、管理サーバ10からユーザUJの行動に関する行動情報及び各種データを取得する。なお、端末装置20-Jは、「第1の端末装置」の一例である。また、端末装置20-Kは、「第2の端末装置」の一例である。更に、端末装置20-1~20-Nは、スマートフォン又はタブレットであることが好適である。しかし、端末装置20-1~20-Nは、PCであってもよい。
ここで、ユーザUJの行動情報は、位置情報、判定結果、緊急通報、異常情報、及び生活情報のうち少なくとも1つを含む。「位置情報」は、見守り対象者であるユーザUJの位置の履歴を示す。とりわけ、後述の第1実施例における、緊急避難時の動作において、位置情報は、ユーザUJの緊急避難が要請された場合に、当該緊急避難が要請されてからの所定の時間におけるユーザUJの位置の履歴を示す。当該所定の時間は「第2の時間」の一例である。また、後述の第1実施例における、緊急避難時の動作において、「判定結果」とは、見守り対象者であるユーザUJが、避難施設に避難したか否かについての判定結果である。また、後述の第2実施例における、ユーザUJによる緊急通報時の動作において、「位置情報」は、端末装置20-Jが緊急通報を出力する時点から、所定の時間だけ過去の時点までの期間における、ユーザUJの位置の履歴を示す。当該所定の時間は、「第1の時間」の一例である。また、「緊急通報」とは、例えばユーザUJが体調に異変を感じた場合に、ユーザUJ自らが端末装置20-Jを用いて発報する緊急の通報である。当該緊急通報には、ユーザUJの個人情報が含まれる。個人情報の詳細な具体例については後述する。また、「異常情報」とは、ユーザUJの健康状態の異常に関する情報である。異常情報は、例えば、ユーザUJが転倒したこと、あるいはユーザUJの心拍が不規則となったことが端末装置20-Jによって検知された場合に生成される。更に、「生活情報」とは、ユーザUJの生活に関する情報である。生活情報は、端末装置20-Jに対する操作を示す操作ログ、及び端末装置20-Jにインストールされているアプリケーションの利用ログを含む。また、ここでの操作ログとは、例えば、端末装置20-Jからの電話の発信及び着信に対する応答、ディスプレイ25に表示されるスクリーンのON/OFF、機内モードのON/OFF、ディスプレイ25の光度設定、端末装置20-Jに備わる電源装置に蓄積される電力が閾値未満となった場合に、低電力モードでの使用を許可するか否かを示す情報、Wi-Fi利用のON/OFF、ディスプレイ25に表示されるスクリーンの回転に関する設定、端末装置20-Jの外部電源への接続の有無、ディスプレイ25に表示されるスクリーンのロックのON/OFF、端末装置20-Jの音量モードの状態、及びBluetooth利用のON/OFFのうち少なくとも1つを含む。なお、「Bluetooth」とは登録商標である。一例として、生活情報は、例えばユーザUJが端末装置20-Jを長期間使用しなかったことを示す。
健康情報サーバ30は、端末装置20-1~20-NからユーザUの健康に関する情報である健康情報を取得する。また、健康情報サーバ30は、管理サーバ10に対して、端末装置20-1~20-Nから取得した健康情報を出力する。とりわけ本実施形態において、健康情報サーバ30は、見守り対象者であるユーザUJが用いる端末装置20-Jから、ユーザUJの健康に関する異常を示す異常情報を、ユーザUJの位置情報と共に取得する。また、健康情報サーバ30は、当該異常情報と当該位置情報とを、管理サーバ10に出力する。
自治体サーバ40は、管理サーバ10を介して、端末装置20に対して自治体に関する自治体情報を提供する。とりわけ本実施形態において、自治体サーバ40は、管理サーバ10に対して、災害情報を出力する。当該災害情報は、水害、地震などの災害の種類を示す情報、緊急避難指示、避難施設、及び地図情報を含む。管理サーバ10は、自治体サーバ40から取得した災害情報を、端末装置20-1~20-Nに出力する。
端末装置20-Rは、上記のように自治体サーバ40と通信可能に接続される。一例として、自治体の職員が端末装置20-Rを操作する。端末装置20-Rは、当該操作に基づいて、自治体サーバ40に対して各種データを出力すると共に、自治体サーバ40から各種データを取得する。なお、端末装置20-Rは、PCであることが好適である。しかし、端末装置20-Rは、スマートフォン又はタブレットであってもよい。
1-1-2:管理サーバ10の構成
図2は、管理サーバ10の構成例を示すブロック図である。管理サーバ10は、処理装置11、記憶装置12、通信装置13、ディスプレイ14、及び入力装置15を備える。管理サーバ10が有する各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスを用いて相互に接続される。
処理装置11は、管理サーバ10の全体を制御するプロセッサである。また、処理装置11は、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成される。処理装置11は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU)を用いて構成される。なお、処理装置11が有する機能の一部又は全部を、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアを用いて実現してもよい。処理装置11は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
記憶装置12は、処理装置11による読取及び書込が可能な記録媒体である。また、記憶装置12は、処理装置11が実行する制御プログラムPR1を含む複数のプログラムを記憶する。また、記憶装置12は、管理サーバ10が行動情報の通知対象を選択する場合に用いるデータベースである、対応関係データベースCDBを記憶する。
図3は、対応関係データベースCDBの例を示す表である。対応関係データベースCDBにおいては、見守り対象者毎に、当該見守り対象者と、行動情報、及び当該行動情報の通知対象となる保護者の関係が定義される。例えば、ユーザU1の位置情報は、ユーザUP、ユーザUQ、及びユーザURの各々が使用する端末装置20に出力される。ユーザU1の判定結果は、ユーザUP、及びユーザUQの各々が使用する端末装置20に出力される。ユーザU1の緊急通報は、ユーザUP及びユーザURの各々が使用する端末装置20に出力される。ユーザU1の異常情報は、ユーザUP及びユーザUQの各々が使用する端末装置20に出力される。ユーザU1の生活情報及びリスク情報は、ユーザUPが使用する端末装置20に出力される。なお、「リスク情報」とは、例えば、ユーザUJの運動機能、認知機能、家への引きこもり、及び抑うつ状態等に関する、生活に伴うリスクのことである。当該リスク情報は、後述の分析部117が、生活情報を分析することにより生成される。
また、管理サーバ10が、例えば、ユーザU1の緊急通報とユーザU1の位置情報とを、共に端末装置20に出力する場合、管理サーバ10は、ユーザU1の位置情報を、ユーザUP、ユーザUQ、及びユーザURの各々が使用する端末装置20に出力し、ユーザU1の緊急通報を、ユーザUP及びユーザURの各々が使用する端末装置20に出力してもよい。これは、図3に示される対応関係データベースCDBにおいて、ユーザU1の位置情報の通知対象が、ユーザUP、ユーザUQ、及びユーザURと定義されており、ユーザU1の緊急通報の通知対象が、ユーザUP及びユーザUQと定義されていることに倣うものである。あるいは、とりわけ、管理サーバ10がユーザU1の位置情報を、ユーザU1の緊急通報に付随して出力する場合、管理サーバ10は、当該緊急通報に付随する位置情報の出力先を、緊急通報の出力されるユーザUP及びユーザUQの各々が使用する端末装置20としてもよい。ユーザU1の判定結果、異常情報、及びユーザU1の生活情報並びにリスク情報についても同様である。
説明を図2に戻すと、記憶装置12は、更に、見守り対象者であるユーザUの個人情報を記憶する。当該個人情報は一例として、ユーザUのログインID、氏名、性別、生年月日、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレス、ニックネーム、身長、体重、歩幅、保険者番号、被保険者番号、被保険者記号、勤務先、勤務先所属部署、及び緊急時に駆けつけることが必要か否かを示す情報を含む。例えば、管理サーバ10は、これらのユーザUの個人情報を、端末装置20-1~20-Nの各々から取得してもよい。あるいは、管理サーバ10の管理者が、これらのユーザUの個人情報を、管理サーバ10に対して手動で入力してもよい。
記憶装置12は、更に、保護者であるユーザUに関する保護者情報を記憶する。当該保護者情報は、保護者の区分、氏名、メールアドレス、電話番号、及び緊急時に電話対象となるか否かを示す情報を含む。ここで、保護者の区分とは、家族、民生員、及び見守り対象者であるユーザUの近所の住民のいずれかを示す情報である。例えば、管理サーバ10は、これらのユーザUに関する保護者情報を、端末装置20-1~20-Nの各々から取得してもよい。あるいは、管理サーバ10の管理者が、これらのユーザUに関する保護者情報を、管理サーバ10に対して手動で入力してもよい。
記憶装置12は、更に、施設情報を記憶する。施設情報とは、例えば、緊急避難時の動作を示す後述の第1実施例において、ユーザUの避難先となる施設に関する情報である。当該施設情報は一例として、施設名、施設の住所、緯度と経度によって示される施設の位置、施設の説明、施設の電話番号、及び施設の許容人数を含む。例えば、管理サーバ10は、これらの施設情報を、自治体サーバ40から取得してもよい。あるいは、管理サーバ10の管理者が、これらの施設情報を、管理サーバ10に対して手動で入力してもよい。
通信装置13は、他の装置と通信を行うための、送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置13は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置13は、有線接続用のコネクターを備え、上記コネクターに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置13は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクター及びインタフェース回路としては有線LAN、IEEE1394、USBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
ディスプレイ14は、画像及び文字情報を表示するデバイスである。ディスプレイ14は、処理装置11による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば、液晶表示パネル及び有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等の各種の表示パネルがディスプレイ14として好適に利用される。
入力装置15は、管理サーバ10の管理者からの操作を受け付ける。例えば、入力装置15は、キーボード、タッチパッド、タッチパネル又はマウス等のポインティングデバイスを含んで構成される。ここで、入力装置15は、タッチパネルを含んで構成される場合、ディスプレイ14を兼ねてもよい。
処理装置11は、記憶装置12から制御プログラムPR1を読み出して実行する。その結果、処理装置11は、取得部111、選択部112、出力部113、表示制御部114、設定部115、判定部116、分析部117、及び検知部118として機能する。
取得部111は、第1の端末装置としての端末装置20-Jから、見守り対象者としてのユーザUJの行動に関する行動情報を取得する。
また、緊急避難時の動作を示す後述の第1実施例において、取得部111は、自治体サーバ40から、災害時の避難施設を含む災害情報を取得する。また、当該第1実施例において、取得部111は、第1の端末装置としての端末装置20-Jから、ユーザUJの位置の履歴を示す位置情報を取得する。
また、ユーザUJによる緊急通報時の動作を示す後述の第2実施例において、取得部111は、第1の端末装置としての端末装置20-Jから、緊急通報、緊急通報の通知先となる通知対象者を示す通知対象者情報、及び、ユーザUJの位置情報を取得する。より詳細には、取得部111は、緊急通報、通知対象者情報に加えて、端末装置20-Jが緊急通報を出力する時点から、所定の時間だけ過去の時点までの期間における、ユーザUJの位置の履歴を示す位置情報を取得する。なお、端末装置20-Jにおける通知対象者情報の生成方法については、端末装置20-Jに関する説明の中で後述する。
また、ユーザUJの異常情報の通報時の動作を示す後述の第3実施例において、取得部111は、第1の端末装置としての端末装置20-Jから、当該異常情報、及び、ユーザUJの位置情報を取得する。
また、ユーザUJの生活に伴うリスクを示す、リスク情報の通知時の動作を示す後述の第4実施例において、取得部111は、第1の端末装置としての端末装置20-Jから、ユーザUJの生活情報、及びユーザUJの位置情報を取得する。
選択部112は、行動情報の種類を示す情報、及び見守り対象者を識別する情報を用いて、行動情報の種類、見守り対象者、及び見守り対象者を見守る保護者の対応関係が格納される対応関係データベースCDBを参照することで、行動情報を通知する保護者を選択する。
緊急避難時の動作を示す後述の第1実施例において、選択部112は、対応関係データベースCDBを参照することで、後述の判定部116による、見守り対象者であるユーザUJが避難施設に避難したか否かを示す判定結果と、見守り対象者であるユーザUJの位置情報の通知先として、ユーザUQ,及びユーザUKを選択する。
また、ユーザUJによる緊急通報時の動作を示す後述の第2実施例において、選択部112は、取得部111が取得した通知対象者情報に基づいて、ユーザUJによる緊急通報と、ユーザUJの位置情報の通知先として、ユーザUQ及びユーザUKのうち少なくとも一方を選択する。なお、端末装置20-Jにおける通知対象者情報の生成方法については、端末装置20-Jに関する説明の中で後述する。
また、ユーザUJの異常情報の通報時の動作を示す後述の第3実施例において、選択部112は、対応関係データベースCDBを参照することで、見守り対象者であるユーザUJの異常を示す異常情報と、ユーザUJの位置情報の通知先として、ユーザUR及びユーザUKを選択する。
また、ユーザUJのリスク情報の通知時の動作を示す後述の第4実施例において、選択部112は、対応関係データベースCDBを参照することで、ユーザUJのリスク情報、ユーザUJの生活情報、及びユーザUJの位置情報の通知先として、ユーザUKを選択する。
出力部113は、選択部112が選択した保護者としてのユーザUが使用する、第2の端末装置としての端末装置20に、取得部111が取得した行動情報を出力する。
この結果、管理サーバ10は、住民の行動を示す行動情報の種類に応じて、当該行動情報の出力先を切り替えることが可能となる。
また、緊急避難時の動作を示す後述の第1実施例において、出力部113は、第1の端末装置としての端末装置20-J、及び第2の端末装置としての端末装置20-Kに対して、災害時の避難施設を含む災害情報を出力する。更に、緊急避難時の動作を示す後述の第1実施例において、出力部113は、自治体サーバ40と、第2の端末装置としての端末装置20-Kに対して、後述の判定部116による、ユーザUJが避難施設に避難したか否かを示す判定結果と、ユーザUJの位置情報を出力する。
とりわけ、出力部113は、見守り対象者としてのユーザUJの属性に応じて、端末装置20-Kに対して、ユーザUJが避難施設に避難したか否かを示す判定結果と、ユーザUJの位置情報を出力してもよい。例えば、ユーザUJが、緊急時に駆けつけることが必要な見守り対象者である場合にのみ、出力部113は、端末装置20-Kに対して、上記の判定結果と位置情報を出力してもよい。あるいは、ユーザUJが、特定の地域に住んでいる場合にのみ、出力部113は、端末装置20-Kに対して、上記の判定結果と位置情報を出力してもよい。これらの場合、出力部113は、記憶装置12に記憶されるユーザUJの個人情報に含まれるユーザUJの属性を示す情報に基づいて、端末装置20-Kに対して、上記の判定結果と位置情報を出力してもよい。あるいは、自治体の職員が端末装置20-Rにおいて、ユーザUJの属性を指定し、出力部113は、自治体サーバ40から取得した当該属性を示す情報に基づいて、端末装置20-Kに対して、上記の判定結果と位置情報を出力してもよい。
この結果、管理サーバ10は、見守り対象者の緊急避難が求められた場合に、見守り対象者の属性に応じて、保護者に対して、見守り対象者がまだ避難していないことを通知できる。
また、ユーザUJによる緊急通報時の動作を示す後述の第2実施例において、出力部113は、ユーザUJによる緊急通報と、ユーザUJの位置情報を、第2の端末装置としての端末装置20-Kに出力する。上記のように、当該位置情報は、第1の端末装置としての端末装置20-Jが緊急通報を出力する時点から所定の時間だけ過去の時点までの期間における、見守り対象者としてのユーザUJの位置の履歴を示す。
この結果、管理サーバ10は、見守り対象者が緊急通報をするまでに、どのような場所を移動してきたかという情報を保護者に通知できる。
また、ユーザUJの異常情報の通報時の動作を示す後述の第3実施例において、出力部113は、見守り対象者であるユーザUJの異常を示す異常情報と、ユーザUJの位置情報を、第2の端末装置としての端末装置20-Kと、自治体サーバ40に出力する。
また、ユーザUJのリスク情報の通知時の動作を示す後述の第4実施例において、出力部113は、ユーザUJのリスク情報、及び当該リスク情報が生成される根拠となった、ユーザUJの生活情報並びにユーザUJの位置情報を、第1の端末装置としての端末装置20-Jと、第2の端末装置としての端末装置20-Kに出力する。更に、後述の検知部118は、取得部111が取得した生活情報のうち、通常時のログと異なるログとなった生活情報を検知し、検知した生活情報を非日常情報として出力する。出力部113は、検知部118が出力した非日常情報を、自治体サーバ40に出力する。一例として、通常時には、ユーザUJが、一週間に10~15回電話を発信していたところ、直近一週間に1回しか電話発信していない場合には、検知部118は、通常時よりも電話の発信回数が少ないことを、非日常情報として出力する。
表示制御部114は、第2の端末装置としての端末装置20-Kに対し、出力部113が当該端末装置20-Kに対して出力した位置情報に基づいて、見守り対象者としてのユーザUJの位置を表示させる。とりわけ、ユーザUJによる緊急通報時の動作を示す後述の第2実施例において、取得部111が緊急通報を取得した場合に、表示制御部114は、端末装置20-Kに対して、ユーザUJに対応するアイコンの表示を強調表示させる。当該アイコンは「識別画像」の一例である。あるいは、当該第2実施例において、取得部111が緊急通報を取得した場合に、表示制御部114は、端末装置20-Kに対して、見守り対象者としてのユーザUJの位置の履歴を強調表示させてもよい。
図4は、端末装置20-Kに表示される画面例である。図4に示される画面例においては、地図Mが表示され、地図M内において、ユーザUJの現在位置NまでのユーザUJの位置の履歴Tが太線を用いて強調される。
この結果、保護者としてのユーザUKは、見守り対象者としてのユーザUJに、健康状態に関する異常が発生していることを視認しやすくなる。とりわけ、緊急通報をするまでのユーザUJの移動履歴が強調表示されることで、ユーザUKは、ユーザUJが緊急通報をするに至った過程を知ることが可能となる。
説明を図2に戻すと、設定部115は、ユーザUJによる緊急通報時の動作を示す後述の第2実施例において、見守り対象者であるユーザUJが、緊急通報の通知対象者を指定する場合に、第1の端末装置としての端末装置20-Jが受け付ける通知対象者の候補のリストを設定する。具体的には、図3に例示される対応関係データベースCDBを参照すると、設定部115は、ユーザU1の緊急通報の通知対象者の候補として、ユーザUP及びユーザURを設定する。また、設定部115は、ユーザU2の緊急通報の通知対象者の候補として、ユーザUSを設定する。また、設定部115は、ユーザUJの緊急通報の通知対象者の候補として、ユーザUQ及びユーザUKを設定する。
ユーザUJは、通知対象者の候補となる人物を、第1の端末装置としての端末装置20-Jにおいて選択する。ここでは、一例として、ユーザUJは、ユーザUQを選択したとする。設定部115は、端末装置20-Jにおける選択結果に基づいて、選択されたユーザUQが使用する、第2の端末装置としての端末装置20-Qに対して、承認を求めるメールを送信する。ユーザUQは、例えば当該メールに記載されたリンクをクリックすることで、自身がユーザUJの緊急通報の通知先の候補となることを承認する。設定部115は、端末装置20-Qにおける、ユーザUJによる緊急通報の通知対象者の候補となることの承認を示す操作に基づいて、ユーザUQを、通知対象者の候補のリストに加える。
また、上記の手続きの冒頭において、ユーザUJが、自身の緊急通報の通知対象者の候補となる人物を、第1の端末装置としての端末装置20-Jにおいて選択するのではなく、ユーザUKが、ユーザUJによる緊急通報の通知対象者の候補となる人物を、第2の端末装置としての端末装置20-Kにおいて選択してもよい。この場合、ユーザUKが主体となって、ユーザUJによる緊急通報の通知対象者の候補として、ユーザUQを選択することとなる。設定部115は、端末装置20-Kにおける選択結果に基づいて、選択されたユーザUQが使用する、第2の端末装置としての端末装置20-Qに対して、承認を求めるメールを送信する。ユーザUQは、例えば当該メールに記載されたリンクをクリックすることで、自身がユーザUJによる緊急通報の通知対象者の候補となることを承認する。設定部115は、端末装置20-Qにおける、ユーザUJによる緊急通報の通知対象者の候補となることの承認を示す操作に基づいて、ユーザUQを、通知対象者の候補のリストに加える。なお、この場合、ユーザUJは、自身による緊急通報の通知対象者の候補のリストにユーザUQを入れたくない場合には、ユーザUJは、第1の端末装置としての端末装置20-Jに対する操作により、ユーザUQを通知対象者の候補のリストから外すことが可能である。
この結果、見守り対象者としてのユーザUJが、例えば高齢であるために、端末装置20-Jの操作に不案内であった場合に、例えば保護者としてのユーザUKが、当該端末装置20-Jにとっての外部装置である端末装置20-Kから、通知対象者の候補のリストを設定できる。
なお、通知対象者の候補のリストは、表示制御部114によって、第1の端末装置としての端末装置20-Jに表示される。
判定部116は、緊急避難時の動作を示す後述の第1実施例において、取得部111が取得したユーザUJの位置情報に基づいて、ユーザUJが避難施設に避難したか否かを判定する。より詳細には、判定部116は、ユーザUJの位置情報に含まれるユーザUJの緯度と経度が、避難施設の領域に含まれるか否かに基づいて、ユーザUJが避難施設に避難したか否かを判定する。
分析部117は、ユーザUJのリスク情報の通知時の動作を示す後述の第4実施例において、取得部111が取得した、ユーザUJの生活情報及びユーザUJの位置情報を分析し、分析結果としてユーザUKの生活に伴うリスクを示すリスク情報を生成する。なお、分析部117による具体的な分析の内容については、後述の第4実施例で説明する。
検知部118は、ユーザUJのリスク情報の通知時の動作を示す後述の第4実施例において、取得部111が取得したユーザUJの生活情報のうち、通常時のログと異なるログとなった生活情報を検知し、検知した生活情報を非日常情報として生成する。
1-1-3:端末装置20の構成
図5は、端末装置20の構成例を示すブロック図である。端末装置20は、処理装置21、記憶装置22、GPS装置23、通信装置24、ディスプレイ25、入力装置26、慣性センサ27、及び心拍センサ28を備える。端末装置20が有する各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスを用いて相互に接続される。なお、以下では最初に、端末装置20が、第1の端末装置としての端末装置20-Jである例について説明する。
処理装置21は、端末装置20の全体を制御するプロセッサである。また、処理装置21は、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成される。処理装置21は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU)を用いて構成される。なお、処理装置21が有する機能の一部又は全部を、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアを用いて実現してもよい。処理装置21は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
記憶装置22は、処理装置21による読取及び書込が可能な記録媒体である。また、記憶装置22は、処理装置21が実行する制御プログラムPR2を含む複数のプログラムを記憶する。
GPS装置23は、複数の衛星からの電波を受信し、受信した電波から位置データを生成する。位置データは、端末装置20の位置を示す。位置データは、位置を特定できるのであれば、どのような形式であってもよい。位置データは、例えば、端末装置20の緯度と経度とを示す。一例として、位置データはGPS装置23から得られる。しかし、端末装置20は、どのような方法で位置データを取得してもよい。なお、上記の位置情報は、位置データによって示される端末装置20の位置の履歴、延いてはユーザUJの位置の履歴を示す。当該位置情報は、処理装置21に出力される。
通信装置24は、他の装置と通信を行うための、送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置24は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置24は、有線接続用のコネクターを備え、上記コネクターに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置24は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクター及びインタフェース回路としては有線LAN、IEEE1394、USBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
ディスプレイ25は、画像及び文字情報を表示するデバイスである。ディスプレイ25は、処理装置21による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば、液晶表示パネル及び有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等の各種の表示パネルがディスプレイ25として好適に利用される。
入力装置26は、ユーザUJからの操作を受け付ける。例えば、入力装置26は、キーボード、タッチパッド、タッチパネル又はマウス等のポインティングデバイスを含んで構成される。ここで、入力装置26は、タッチパネルを含んで構成される場合、ディスプレイ25を兼ねてもよい。
慣性センサ27は、慣性力を検出するセンサである。慣性センサ27は、例えば、加速度センサ、角速度センサ、及びジャイロセンサのうち、1以上のセンサを含む。処理装置11は、慣性センサ27の出力情報に基づいて、端末装置20の姿勢を検出する。
心拍センサ28は、ユーザUJの心拍を検知するセンサである。例えば、心拍センサ28は、ユーザUJの腕にベルトで装着して、ユーザUJの心拍を測定する光学式のセンサであってもよい。あるいは、心拍センサ28は、ユーザUJの胸にベルトで装着して、ユーザUJの心拍を測定する心電式のセンサであってもよい。なお、端末装置20がスマートフォン又はタブレットである場合、心拍センサ28は、当該スマートフォン又はタブレットに接続される外部装置であってよい。
処理装置21は、記憶装置22から制御プログラムPR2を読み出して実行する。その結果、処理装置21は、取得部211、受付部212、出力部213、及び検知部214として機能する。
取得部211は、行動情報を取得する。例えば、取得部211は、GPS装置23から、行動情報に含まれる位置情報を取得する。また、緊急避難時の動作を示す後述の第1実施例において、取得部211は、管理サーバ10から、災害情報を取得する。また、ユーザUJによる緊急通報時の動作を示す後述の第2実施例において、取得部211は、見守り対象者であるユーザUJによる緊急通報と、ユーザUJの位置情報を取得する。また、ユーザUJの異常情報の通報時の動作を示す後述の第3実施例において、取得部211は、ユーザUJの異常情報と、ユーザUJの位置情報を取得する。更に、ユーザUJのリスク情報の通知時の動作を示す後述の第4実施例において、取得部211は、ユーザUJの生活情報と、ユーザUJの位置情報を取得する。また、ユーザUJのリスク情報の通知時の動作を示す後述の第4実施例において、取得部211は、管理サーバ10から、ユーザUJのリスク情報、及び当該リスク情報が生成される根拠となった、ユーザUJの生活情報並びにユーザUJの位置情報を取得する。
受付部212は、ユーザUJによる緊急通報時の動作を示す後述の第2実施例において、ユーザUJによる入力装置26に対する操作に基づいて、緊急通報の通知先となる通知対象者を示す通知対象者情報を受け付ける。
図6Aは、通常時に端末装置20-Jに表示される画面例である。また、図6Bは、緊急通報時に端末装置20-Jに表示される画面例である。通常時には、図6Aに示されるように、端末装置20-Jのディスプレイ25には、アイコンI1~アイコンI6が表示されている。ユーザUJは、緊急通報時に、アイコンI1~アイコンI6の中から、緊急通報を発報することを示すアイコンI6を選択する。
この結果、端末装置20-Jのディスプレイ25には、図6Bに例示される画面が表示される。図6Bに示される画面においては、緊急通報の通知先として、ユーザUQを示す領域P1と、ユーザUKを示す領域P2が表示される。ユーザUJは、緊急通報の通知先としてユーザUQを選択する場合には、領域P1をクリックする。一方で、ユーザUJは、緊急通報の通知先としてユーザUKを選択する場合には、領域P2を選択する。なお、ユーザUJは、領域P1と領域P2の双方を選択してもよい。取得部211は、ユーザUJによる領域P1及び領域P2のうち少なくとも一方を選択する操作に基づいて、ユーザUJによる緊急通報を取得する。また、受付部212は、ユーザUJによる領域P1及び領域P2のうち少なくとも一方を選択する操作に基づいて生成される、緊急通報の通知先となる通知対象者を示す通知対象者情報を受け付ける。
説明を図5に戻すと、出力部213は、管理サーバ10に対し、取得部211が取得した行動情報を出力する。また、緊急避難時の動作を示す後述の第1実施例において、出力部213は、管理サーバ10に対して、取得部211が取得した、ユーザUJの位置情報を出力する。また、ユーザUJによる緊急通報時の動作を示す後述の第2実施例において、出力部213は、管理サーバ10に対して、取得部211が取得した緊急通報と、ユーザUJの位置情報、及び受付部212が受け付けた通知対象者情報を出力する。また、ユーザUJの異常情報の通報時の動作を示す後述の第3実施例において、出力部213は、健康情報サーバ30に対して、取得部211が取得した、ユーザUJに関する異常情報、及びユーザUJの位置情報を出力する。更に、ユーザUJのリスク情報の通知時の動作を示す後述の第4実施例において、出力部213は、管理サーバ10に対して、ユーザUJの生活情報、及びユーザUJの位置情報を出力する。
検知部214は、ユーザUJの健康状態の異常を検知する。例えば、検知部214は、慣性センサ27によって検出される慣性力に基づいて、ユーザUJの転倒を検知する。また、検知部214は、心拍センサ28によって検知されるユーザUJの心拍に基づいて、ユーザUJの心拍が不規則となったことを検知する。また、検知部214は、検知した異常に関する異常情報を生成し、生成した異常情報を取得部211に出力する。
なお、端末装置20が、第2の端末装置としての端末装置20-Kである場合、取得部211は、管理サーバ10からユーザUJの行動情報を取得する。また、緊急避難時の動作を示す後述の第1実施例において、取得部211は、管理サーバ10から、災害情報を取得する。更に、緊急避難時の動作を示す後述の第1実施例において、取得部211は、管理サーバ10から、見守り対象者であるユーザUJが避難施設に避難したか否かを示す判定結果と、見守り対象者であるユーザUJの位置情報を取得する。また、ユーザUJによる緊急通報時の動作を示す後述の第2実施例において、取得部211は、管理サーバ10から、見守り対象者であるユーザUJによる緊急通報と、ユーザUJの位置情報を取得する。また、ユーザUJの異常情報の通報時の動作を示す後述の第3実施例において、取得部211は、管理サーバ10から、見守り対象者であるユーザUJの異常を示す異常情報と、ユーザUJの位置情報を取得する。また、ユーザUJのリスク情報の通知時の動作を示す後述の第4実施例において、取得部211は、管理サーバ10から、ユーザUJのリスク情報、及び当該リスク情報が生成される根拠となった、ユーザUJの生活情報並びにユーザUJの位置情報を取得する。
1-1-4:健康情報サーバ30の構成
図7は、健康情報サーバ30の構成例を示すブロック図である。健康情報サーバ30は、処理装置31、記憶装置32、通信装置33、ディスプレイ34、及び入力装置35を備える。健康情報サーバ30が有する各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスを用いて相互に接続される。
処理装置31は、健康情報サーバ30の全体を制御するプロセッサである。また、処理装置31は、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成される。処理装置31は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU)を用いて構成される。なお、処理装置31が有する機能の一部又は全部を、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアを用いて実現してもよい。処理装置31は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
記憶装置32は、処理装置31による読取及び書込が可能な記録媒体である。また、記憶装置32は、処理装置31が実行する制御プログラムPR3を含む複数のプログラムを記憶する。
通信装置33は、他の装置と通信を行うための、送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置33は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置33は、有線接続用のコネクターを備え、上記コネクターに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置33は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクター及びインタフェース回路としては有線LAN、IEEE1394、USBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
ディスプレイ34は、画像及び文字情報を表示するデバイスである。ディスプレイ34は、処理装置31による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば、液晶表示パネル及び有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等の各種の表示パネルがディスプレイ34として好適に利用される。
入力装置35は、健康情報サーバ30の管理者からの操作を受け付ける。例えば、入力装置35は、キーボード、タッチパッド、タッチパネル又はマウス等のポインティングデバイスを含んで構成される。ここで、入力装置35は、タッチパネルを含んで構成される場合、ディスプレイ34を兼ねてもよい。
処理装置31は、記憶装置32から制御プログラムPR3を読み出して実行する。その結果、処理装置31は、取得部311、及び出力部312として機能する。
取得部311は、ユーザUJの異常情報の通報時の動作を示す後述の第3実施例において、第1の端末装置としての端末装置20-Jから、ユーザUJの異常情報、及び、ユーザUJの位置情報を取得する。
出力部312は、ユーザUJの異常情報の通報時の動作を示す後述の第3実施例において、管理サーバ10に対して、取得部311が取得した、ユーザUJの異常情報、及び、ユーザUJの位置を示す位置情報を出力する。
1-1-5:自治体サーバ40の構成
図8は、自治体サーバ40の構成例を示すブロック図である。自治体サーバ40は、処理装置41、記憶装置42、通信装置43、ディスプレイ44、及び入力装置45を備える。自治体サーバ40が有する各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスを用いて相互に接続される。
処理装置41は、自治体サーバ40の全体を制御するプロセッサである。また、処理装置41は、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成される。処理装置41は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU)を用いて構成される。なお、処理装置41が有する機能の一部又は全部を、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアを用いて実現してもよい。処理装置41は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
記憶装置42は、処理装置41による読取及び書込が可能な記録媒体である。また、記憶装置42は、処理装置41が実行する制御プログラムPR4を含む複数のプログラムを記憶する。
通信装置43は、他の装置と通信を行うための、送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置43は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置43は、有線接続用のコネクターを備え、上記コネクターに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置43は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクター及びインタフェース回路としては有線LAN、IEEE1394、USBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
ディスプレイ44は、画像及び文字情報を表示するデバイスである。ディスプレイ44は、処理装置41による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば、液晶表示パネル及び有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等の各種の表示パネルがディスプレイ44として好適に利用される。
入力装置45は、自治体サーバ40の管理者からの操作を受け付ける。例えば、入力装置45は、キーボード、タッチパッド、タッチパネル又はマウス等のポインティングデバイスを含んで構成される。ここで、入力装置45は、タッチパネルを含んで構成される場合、ディスプレイ44を兼ねてもよい。
処理装置41は、記憶装置42から制御プログラムPR4を読み出して実行する。その結果、処理装置41は、取得部411、及び出力部412として機能する。
取得部411は、緊急避難時の動作を示す後述の第1実施例において、管理サーバ10から、見守り対象者であるユーザUJが避難施設に避難したか否かを示す判定結果と、見守り対象者であるユーザUJの位置情報を取得する。また、取得部411は、ユーザUJの異常情報の通報時の動作を示す後述の第3実施例において、管理サーバ10から、見守り対象者であるユーザUJの異常を示す異常情報と、ユーザUJの位置情報を取得する。また、取得部411は、ユーザUJのリスク情報の通知時の動作を示す後述の第4実施例において、管理サーバ10から、非日常情報を取得する。
出力部412は、緊急避難時の動作を示す後述の第1実施例において、管理サーバ10に対し、災害情報を出力する。
1-2:見守りシステム1の基本動作
図9は、見守りシステム1の基本動作の一例を示すシーケンス図である。
ステップS1において、第1の端末装置としての端末装置20-Jに備わる処理装置21は、取得部211として機能する。処理装置21は、見守り対象者としてのユーザUJの行動を示す行動情報を取得する。
ステップS2において、第1の端末装置としての端末装置20-Jに備わる処理装置21は、出力部213として機能する。処理装置21は、管理サーバ10に対し、ステップS1において取得した行動情報を出力する。また、管理サーバ10に備わる処理装置11は、取得部111として機能する。処理装置11は、第1の端末装置としての端末装置20-Jから、見守り対象者としてのユーザUJの行動を示す行動情報を取得する。
ステップS3において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、選択部112として機能する。処理装置11は、行動情報の種類を示す情報、及び見守り対象者としてのユーザUJを示す情報を用いて、対応関係データベースCDBを参照することで、行動情報を通知する保護者としてのユーザUKを選択する。
ステップS4において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、出力部113として機能する。処理装置11は、ステップS3において選択した保護者としてのユーザUKが使用する、第2の端末装置としての端末装置20-Kに、ステップS2において取得した行動情報を出力する。
1-3:実施例
1-3-1:第1実施例
第1実施例は、見守り対象者としてのユーザUJの緊急避難時の実施例である。図10は、第1実施例における見守りシステム1の動作を示すシーケンス図である。
ステップS11において、自治体サーバ40に備わる処理装置41は、出力部412として機能する。処理装置41は、管理サーバ10に対して、災害情報を出力する。また、管理サーバ10に備わる処理装置11は、取得部111として機能する。処理装置11は、自治体サーバ40から、災害情報を取得する。
ステップS12において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、出力部113として機能する。処理装置11は、第1の端末装置としての端末装置20-Jに対し、ステップS11において取得した災害情報を出力する。また、第1の端末装置としての端末装置20-Jに備わる処理装置21は、取得部211として機能する。処理装置21は、管理サーバ10から災害情報を取得する。
ステップS13において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、出力部113として機能する。処理装置11は、第2の端末装置としての端末装置20-Kに対し、ステップS11において取得した災害情報を出力する。また、第2の端末装置としての端末装置20-Kに備わる処理装置21は、取得部211として機能する。処理装置21は、管理サーバ10から災害情報を取得する。
ステップS14において、第1の端末装置としての端末装置20-Jに備わる処理装置21は、取得部211として機能する。処理装置21は、GPS装置23から、ユーザUJの位置情報を取得する。当該位置情報は、ユーザUJの緊急避難が要請されてからの所定の時間におけるユーザUJの位置の履歴を示す。
ステップS15において、第1の端末装置としての端末装置20-Jに備わる処理装置21は、出力部213として機能する。処理装置21は、管理サーバ10に対して、ステップS14において取得した、ユーザUJの位置情報を出力する。また、管理サーバ10に備わる処理装置11は、取得部111として機能する。処理装置11は、第1の端末装置としての端末装置20-Jから、ユーザUJの位置情報を取得する。
ステップS16において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、判定部116として機能する。処理装置11は、ステップS15において取得したユーザUJの位置情報に基づいて、ユーザUJが避難施設に避難したか否かを判定する。
ステップS17において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、選択部112として機能する。処理装置11は、対応関係データベースCDBを参照することで、ステップS16における、見守り対象者であるユーザUJが避難施設に避難したか否かを示す判定結果と、ユーザUJの位置情報の通知先として、ユーザUQ,及びユーザUKを選択する。なお、以下では、説明の簡略化のため、上記の判定結果と、ユーザUJの位置情報の通知先となる保護者が、ユーザUKである場合に絞って説明する。
ステップS18において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、出力部113として機能する。処理装置11は、自治体サーバ40に対して、ユーザUJが避難施設に避難したか否かを示す判定結果と、ユーザUJの位置情報を出力する。とりわけ、ユーザUJが避難施設に避難したと判定されていない場合、処理装置11は、自治体サーバ40に対して、判定結果として、ユーザUJが逃げ遅れ候補者であることを示す情報を出力する。
ステップS19において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、出力部113として機能する。処理装置11は、第2の端末装置としての端末装置20-Kに対して、ユーザUJが避難施設に避難したか否かを示す判定結果と、ユーザUJの位置情報を出力する。
1-3-2:第2実施例
第2実施例は、見守り対象者としてのユーザUJの緊急通報時の実施例である。図11は、第1実施例における見守りシステム1の動作を示すシーケンス図である。
ステップS21において、第1の端末装置としての端末装置20-Jに備わる処理装置21は、受付部212として機能する。処理装置21は、ユーザUJによる入力装置26に対する操作に基づいて、緊急通報の通知先となる通知対象者を示す通知対象者情報を受け付ける。
ステップS22において、第1の端末装置としての端末装置20-Jに備わる処理装置21は、取得部211として機能する。処理装置21は、見守り対象者であるユーザUJによる緊急通報と、ユーザUJの位置情報を取得する。当該位置情報は、端末装置20-Jが緊急通報を出力する時点から、所定の時間だけ過去の時点までの期間における、ユーザUJの位置の履歴を示す。
ステップS23において、第1の端末装置としての端末装置20-Jに備わる処理装置21は、出力部213として機能する。処理装置21は、管理サーバ10に対して、取得部211が取得した緊急通報、ユーザUJの位置情報、及び受付部212が受け付けた通知対象者情報を出力する。また、管理サーバ10に備わる処理装置11は、取得部111として機能する。処理装置11は、第1の端末装置としての端末装置20-Jから、緊急通報、ユーザUJの位置情報、及び通知対象者情報を取得する。
ステップS24において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、選択部112として機能する。処理装置11は、ステップS23において取得した通知対象者情報に基づいて、ユーザUQ及びユーザUKのうち少なくとも一方を選択する。なお、以下では、説明の簡略化のため、ユーザUJによる緊急通報と、ユーザUJの位置情報の通知先となる保護者が、ユーザUKである場合に絞って説明する。
ステップS25において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、出力部113として機能する。処理装置11は、第2の端末装置としての端末装置20-Kに対して、ユーザUJによる緊急通報と、ユーザUJの位置情報を出力する。
1-3-3:第3実施例
第3実施例は、見守り対象者としてのユーザUJの異常情報の通報時の実施例である。図12は、第3実施例における見守りシステム1の動作を示すシーケンス図である。
ステップS31において、第1の端末装置としての端末装置20-Jに備わる処理装置21は、検知部214として機能する。処理装置21は、ユーザUJの異常を検知し、当該異常を示す異常情報を生成する。
ステップS32において、第1の端末装置としての端末装置20-Jに備わる処理装置21は、取得部211として機能する。処理装置21は、ユーザUJの異常情報と、ユーザUJの位置情報を取得する。
ステップS33において、第1の端末装置としての端末装置20-Jに備わる処理装置21は、出力部213として機能する。処理装置21は、健康情報サーバ30に対し、ステップS32において取得した、ユーザUJの異常情報と、ユーザUJの位置情報を出力する。また、健康情報サーバ30に備わる処理装置31は、取得部311として機能する。処理装置31は、第1の端末装置としての端末装置20-Jから、ユーザUJの異常情報と、ユーザUJの位置情報を取得する。
ステップS34において、健康情報サーバ30に備わる処理装置31は、出力部312として機能する。処理装置31は、管理サーバ10に対して、ステップS33において取得した、ユーザUJに関する異常情報と、ユーザUJの位置情報を出力する。また、管理サーバ10に備わる処理装置11は、取得部111として機能する。処理装置11は、健康情報サーバ30から、ユーザUJの異常情報と、ユーザUJの位置情報を取得する。
ステップS35において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、選択部112として機能する。処理装置11は、対応関係データベースCDBを参照することで、ステップS34において取得した、ユーザUJの異常情報と、ユーザUJの位置情報の通知先として、ユーザUR及びユーザUKを選択する。なお、以下では、説明の簡略化のため、ユーザUJの異常情報と位置情報の通知先となる保護者が、ユーザUKである場合に絞って説明する。
ステップS36において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、出力部113として機能する。処理装置11は、自治体サーバ40に対して、ユーザUJの異常情報と、ユーザUJの位置情報を出力する。
ステップS37において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、出力部113として機能する。処理装置11は、第2の端末装置としての端末装置20-Kに対して、ユーザUJの異常情報と、ユーザUJの位置情報を出力する。
1-3-4:第4実施例
第4実施例は、見守り対象者としてのユーザUJの生活に伴うリスクを示す、リスク情報の通知時の実施例である。図13は、第4実施例における見守りシステム1の動作を示すシーケンス図である。
ステップS41において、第1の端末装置としての端末装置20-Jに備わる処理装置21は、取得部211として機能する。処理装置21は、ユーザUJの生活情報と、ユーザUJの位置情報を取得する。
ステップS42において、第1の端末装置としての端末装置20-Jに備わる処理装置21は、出力部213として機能する。処理装置21は、管理サーバ10に対し、ステップS41において取得した、ユーザUJの生活情報と、ユーザUJの位置情報を出力する。また、管理サーバ10に備わる処理装置11は、取得部111として機能する。処理装置11は、第1の端末装置としての端末装置20-Jから、ユーザUJの生活情報と、ユーザUJの位置情報を取得する。
ステップS43において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、分析部117として機能する。処理装置11は、ステップS42において取得した、ユーザUJの生活情報と、ユーザUJの位置情報を分析し、分析結果としてリスク情報を生成する。
例えば、処理装置11は、分析部117として、ユーザUJの位置情報に基づいて、ユーザUJの総移動距離、在宅時間、15分以上歩いた回数、及び1回の移動における最大歩行距離のうち少なくとも1つを算出する。また、処理装置11は、分析部117として、これらの算出結果に基づいて、ユーザUJの運動機能、家への引きこもり、及び抑うつ状態のうち少なくとも1つに関するリスク情報を生成する。
また例えば、処理装置11は、分析部117として、端末装置20-Jに対する操作を示す操作ログに基づいて、各種の操作の発生回数を検知する。また、処理装置11は、分析部117として、これらの検知結果に基づいて、ユーザUJの家への引きこもり、認知機能、及び抑うつ状態のうち少なくとも1つに関するリスク情報を生成する。
また例えば、処理装置11は、分析部117として、端末装置20-Jにインストールされているアプリケーションの利用ログに基づいて、アプリケーションのカテゴリ毎の、当該アプリケーションの利用回数を算出する。また、処理装置11は、分析部117として、これらの算出結果に基づいて、ユーザUJの運動機能、家への引きこもり、認知機能、及び抑うつ状態のうち少なくとも1つに関するリスク情報を生成する。
なお、処理装置11は、これらのリスク情報を生成する場合、更に、ユーザUJの属性情報を踏まえて、リスク情報を生成してもよい。ここでの属性情報とは、例えば、ユーザUJの性別、年齢、及び独り住まいか又は家族と住んでいるかを示す情報のうち少なくとも1つを含む。
ステップS44において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、選択部112として機能する。処理装置11は、対応関係データベースCDBを参照することで、ステップS43において生成した、ユーザUJのリスク情報、及び当該リスク情報が生成される根拠となった、ユーザUJの生活情報並びにユーザUJの位置情報の通知先として、ユーザUKを選択する。
ステップS45において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、出力部113として機能する。処理装置11は、第1の端末装置としての端末装置20-Jに対して、ユーザUJのリスク情報、及び当該リスク情報が生成される根拠となった、ユーザUJの生活情報並びにユーザUJの位置情報を出力する。また、第1の端末装置としての端末装置20-Jに備わる処理装置21は、取得部211として機能する。処理装置21は、管理サーバ10から、ユーザUJのリスク情報、及び当該リスク情報が生成される根拠となった、ユーザUJの生活情報並びにユーザUJの位置情報を取得する。
ステップS46において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、出力部113として機能する。処理装置11は、第2の端末装置としての端末装置20-Kに対して、ユーザUKのリスク情報、及び当該リスク情報が生成される根拠となった、ユーザUJの生活情報並びにユーザUJの位置情報を出力する。また、第2の端末装置としての端末装置20-Kに備わる処理装置21は、取得部211として機能する。処理装置21は、管理サーバ10から、ユーザUJのリスク情報、及び当該リスク情報が生成される根拠となった、ユーザUJの生活情報並びにユーザUJの位置情報を取得する。
ステップS47において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、検知部118として機能する。処理装置11は、ステップS42において取得した生活情報のうち、通常時のログと異なるログとなった生活情報を検知する。また、処理装置11は、検知した生活情報を非日常情報として生成する。
ステップS48において、管理サーバ10に備わる処理装置11は、出力部113として機能する。処理装置11は、自治体サーバ40に対して、ユーザUJの非日常情報を出力する。また、自治体サーバ40に備わる処理装置41は、取得部411として機能する。処理装置41は、管理サーバ10から、ユーザUJの非日常情報を取得する。
1-4:第1実施形態が奏する効果
本実施形態に係る管理サーバ10は、取得部111、選択部112、及び出力部113を備える。取得部111は、見守りの対象者である見守り対象者としてのユーザUJが使用する、第1の端末装置としての端末装置20-Jから、ユーザUJの行動に関する行動情報を取得する。選択部112は、行動情報の種類を示す情報、及び見守り対象者を識別する情報を用いて、記憶装置12に格納される、行動情報の種類、見守り対象者、及び見守り対象者を見守る保護者の対応関係を参照することで、保護者としてのユーザUKを選択する。出力部113は、選択された保護者としてのユーザUKが使用する、第2の端末装置としての端末装置20-Kに対して、上記の行動情報を出力する。
管理サーバ10は、上記の構成を備えるので、コミュニティの住民を見守る見守りシステム1で用いられる管理サーバ10であって、住民の行動を示す行動情報の種類に応じて、当該行動情報の出力先を切り替える管理サーバ10を提供できる。
とりわけ管理サーバ10は、見守り対象者毎に、行動情報が、位置情報、判定結果、緊急通報、異常情報、及び生活情報のいずれであるかに応じて、当該行動情報の出力先をどの保護者とするか、個別に設定できる。この結果、管理サーバ10は、きめ細かな行動情報の出し分け、延いてはコミュニティの住民の見守りが可能となる。
また、第1の端末装置としての端末装置20-Jは、緊急通報と、見守り対象者としてのユーザUJによって指定された、緊急通報を通報する相手となる通知対象者を示す情報とを出力する。行動情報は、緊急通報と、第1の端末装置としての端末装置20-Jが緊急通報を出力する時点から第1の時間だけ過去の時点までの期間における、見守り対象者としてのユーザUJの位置の履歴を示す位置情報を含む。本実施形態に係る管理サーバ10において、取得部111は、第1の端末装置としての端末装置20-Jから、上記の位置情報、上記の通知対象者を示す情報、及び上記の緊急通報を取得する。出力部113は、取得部111によって上記の緊急通報が取得された場合、通知対象者が使用する第2の端末装置としての端末装置20-Kに対して、上記の位置情報を出力する。
管理サーバ10は、上記の構成を備えるので、見守り対象者が緊急通報をするまでに、どのような場所を移動してきたかという情報を保護者に通知できる。この結果、保護者は、見守り対象者が緊急通報をするに至った過程を知ることが可能となる。
また、本実施形態に係る管理サーバ10は、表示制御部114を更に備える。表示制御部114は、取得部111によって上記の緊急通報が取得された場合に、第2の端末装置としての端末装置20-Kに対して、見守り対象者としてのユーザUJに対応する識別画像の表示を強調表示させる。
管理サーバ10は、上記の構成を備えるので、保護者は、見守り対象者に、健康状態に関する異常が発生していることを視認しやすくなる。
また、本実施形態に係る管理サーバ10は、表示制御部114を更に備える。表示制御部114は、取得部111によって緊急通報が取得された場合に、第2の端末装置としての端末装置20-Kに対して、見守り対象者としてのユーザUJの位置の履歴を強調表示させる。
管理サーバ10は、上記の構成を備えるので、保護者は、見守り対象者に、健康状態に関する異常が発生していることを視認しやすくなる。とりわけ、緊急通報をするまでの見守り対象者の移動履歴が強調表示されることで、保護者は、見守り対象者が緊急通報をするに至った過程を知ることが可能となる。
また、本実施形態に係る管理サーバ10は、設定部115を更に備える。設定部115は、取得部111によって第2の端末装置としての端末装置20-Kから取得された入力内容に基づいて、第1の端末装置としての端末装置20-Jが受け付ける通知対象者の候補のリストを設定する。
管理サーバ10は、上記の構成を備えるので、見守り対象者が、例えば高齢であるために、端末装置の操作に不案内であった場合に、例えば保護者が、当該端末装置にとっての外部装置である第2の端末装置から、通知対象者の候補のリストを設定できる。
また、行動情報は、見守り対象者としてのユーザUJの緊急避難が要請された場合に、緊急避難が要請されてからの第2の時間における見守り対象者としてのユーザUJの位置の履歴を示す位置情報を含む。本実施形態に係る管理サーバ10は、判定部116を更に備える。判定部116は、位置情報の履歴に基づいて、見守り対象者としてのユーザUJが、避難施設に避難したか否かを判定する。出力部113は、見守り対象者が避難施設にまだ避難していないと判定された場合に、見守り対象者としてのユーザUJの属性に応じて、第2の端末装置としての端末装置20-Kに対して、判定部116による判定結果を示す情報を出力する。
管理サーバ10は、上記の構成を備えるので、見守り対象者の緊急避難が求められた場合に、見守り対象者の属性に応じて、保護者に対して、見守り対象者がまだ避難していないことを通知できる。
2:変形例
本開示は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。
2-1:変形例1
上記の実施形態においては、第1の端末装置としての端末装置20-Jに備わる検知部214が、ユーザUJの健康状態の異常を検知する。しかし、端末装置20-Jとは別体となった外部装置が、ユーザUJの健康状態の異常を検知してもよい。より詳細には、当該外部装置は、慣性センサ27を備え、慣性センサ27によって検出される慣性力に基づいて、ユーザUJの転倒を検知してもよい。また、当該外部装置は、心拍センサ28を備え、心拍センサ28によって検知されるユーザUJの心拍に基づいて、ユーザUJの心拍が不規則となったことを検知してもよい。これらの場合、当該外部装置は、例えば、ユーザUJの腕に装着される時計型の外部装置であってもよい。
3:その他
(1)上述した実施形態では、管理サーバ10、端末装置20-1~20-N及び20-R、健康情報サーバ30、並びに自治体サーバ40を例示したが、管理サーバ10が備える記憶装置12、端末装置20-1~20-N及び20-Rが備える記憶装置22、健康情報サーバ30が備える記憶装置32、並びに自治体サーバ40が備える記憶装置42は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、外部装置が実行するプログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網NETから送信されてもよい。
(2)上述した実施形態において、説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
(3)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
(4)上述した実施形態において、判定は、1ビットを用いて表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
(5)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
(6)図1~図13に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
(7)上述した実施形態において例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称を用いて呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
(8)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
(9)本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
(10)上述した実施形態において、管理サーバ10、端末装置20-1~20-N及び20-R、健康情報サーバ30、並びに自治体サーバ40は、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
(11)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことが可能である。要素間の結合又は接続は、物理的な結合又は接続であっても、論理的な結合又は接続であっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」を用いて読み替えられてもよい。本開示において使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることが可能である。
(12)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
(13)本開示において使用される「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
(14)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
(15)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
(16)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
(17)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行う通知に限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。従って、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に対して何ら制限的な意味を有さない。