はじめに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。また、特段の釈明がない場合には、各図面に記載されたブロックはハードウェア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表す。各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
一実施形態に係るサーバ装置100は、認証部101と、管理部102と、確認部103と、を備える(図1参照)。認証部101は、避難所に設置された受付端末から避難者の生体情報を取得し、取得された生体情報と予め記憶された複数の住民それぞれの生体情報を用いて生体認証を行う。管理部102は、生体認証に成功したことに応じて避難所に受け入れられた避難者を避難者リストにより管理する。確認部103は、生体認証の認証失敗者が受付端末に提示する身分証明書から得られる情報を取得し、取得された情報に基づき認証失敗者の身元確認を行う。管理部102は、身元確認に成功した認証失敗者を避難所に受け入れられた避難者として、避難者リストを用いて管理する。
地域の住民は、自身の生体情報(例えば、顔画像)を予めサーバ装置100に登録しておく。サーバ装置100は、事前に登録された生体情報を用いて避難所を訪れた住民を特定する。サーバ装置100は、当該特定された住民を避難者リストにより管理する。即ち、避難者を管理するためのリストが人手を介することなく容易に作成される。また、自治体の職員等が手動で避難者リストを生成する必要はなくなり、職員等の労力が削減される。また、住民が事前に生体情報を登録しておらず認証に失敗した場合には、サーバ装置100は、当該避難者が所持している免許証等の身分証明書に基づいて避難者の身元を確認する。サーバ装置100は、身元が確認できた避難者に関しては、事前に登録を行った住民と同様に避難所に受け入れる。このように、サーバ装置100は、事前に登録を行っていない住民に関しても自動的に避難者リストに追加し、管理することができる。
以下に具体的な実施形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
[システム構成]
図2は、第1の実施形態に係る避難所管理システムの概略構成の一例を示す図である。図2を参照すると、避難所管理システムには、管理センターと複数の避難所が含まれる。
管理センターは、地域の自治体等により管理、運営される。管理センターは、例えば、市役所等に設置される。避難所は、各地域の学校、公民館等に開設される。
管理センターは、サーバ装置20を運営、管理する。サーバ装置20は、地域住民の防災に関する管理、各避難所の運営、避難者の支援等を担うサーバである。サーバ装置20は、管理センターが設置された建物と同じ建物に設置されていてもよいし、ネットワーク上(クラウド上)に設置されていてもよい。
各避難所は、避難者の受付を担う端末を備える。例えば、図2に示すように、避難所Aには受付端末10-1が、避難所Bには受付端末10-2がそれぞれ設置される。以降の説明において、受付端末10-1と受付端末10-2を区別する特段の理由がないに場合には、単に「受付端末10」と表記する。
図2に示す各装置は相互に接続されている。例えば、受付端末10とサーバ装置20は、有線又は無線の通信手段により接続され、相互に通信が可能となるように構成されている。
図2に示す避難所管理システムの構成は例示であって、その構成を限定する趣旨ではない。管理センターには複数のサーバ装置20が含まれていてもよい。また、1つの避難所に複数の受付端末10が設置されていてもよい。例えば、大規模な避難所では、複数の避難者受付窓口が設置され、各窓口に受付端末10が設置されていてもよい。
[動作概略]
続いて、図面を参照しつつ、第1の実施形態に係る避難所管理システムの動作の概略を説明する。
図2に示す避難所管理システムにおいて、避難者が避難所を訪れると、受付端末10の面前に移動する。受付端末10は、避難者の生体情報(顔画像)を取得し、当該生体情報をサーバ装置20に送信する。
サーバ装置20は、取得した生体情報により生体認証を実行し、避難所を訪れた住民を特定する。サーバ装置20は、特定した住民の収容先(収容エリア;図2の実線で囲まれた小領域)を決定する。サーバ装置20は、決定した収容エリアを、受付端末10を介して避難者に通知する。
サーバ装置20は、避難所に収容された避難者に関するリスト(データベース)を生成する。サーバ装置20は、避難所ごとに避難者リストを生成する。避難者リストの詳細は後述する。
なお、各避難所の収容エリアは、体育館のような大きな建物の内部を仕切り等で区切った領域であってもよいし、学校の各教室のような独立した領域であってもよい。また、避難所の規模が小さい場合には、当該避難所には複数の収容エリアが設けられず、1つの収容エリアが設けられてもよい。各避難所には、少なくとも1以上の収容エリア(避難者が一時的に生活するスペース)が設置されていればよい。
[住民登録]
上述のように、顔認証により避難所に避難するためには、各住民は自身の情報を管理センター(サーバ装置20)に登録する必要がある(図3参照)。以降の説明において、住民がサーバ装置20に登録する情報を「住民情報」と記載する。
住民は、任意の手段を用いて住民情報をサーバ装置20に登録する。なお、幼児や高齢者等、自ら情報の登録を行うことが困難な住民に関しては、親や子供が代理で幼児、高齢者等に関する住民情報をサーバ装置20に登録してもよい。
住民情報には、生体情報、個人情報(所謂、基本4情報;氏名、性別、住所、生年月日)が含まれる。
なお、住民の生体情報には、例えば、顔、指紋、声紋、静脈、網膜、瞳の虹彩の模様(パターン)といった個人に固有の身体的特徴から計算されるデータ(特徴量)が例示される。あるいは、生体情報は、顔画像、指紋画像等の画像データであってもよい。生体情報は、住民の身体的特徴を情報として含むものであればよい。本願開示では、人の「顔」に関する生体情報(顔画像又は顔画像から生成された特徴量)を用いる場合について説明する。
また、上記情報に加え、住民情報には、住民の健康に関する情報(以下、健康情報と表記する)、住民の家族に関する情報(以下、家族情報と表記する)、避難生活において必要となる物品に関する情報(以下、物品情報と表記する)等が含まれていてもよい。
健康情報として、例えば、血液型、病歴、持病、常用薬、介護の要否に関する事項が例示される。あるいは、かかり付けの病院名等が健康情報として登録されてもよい。
家族情報として、同居している家族の氏名等が例示される。
物品情報には、例えば、ミルクやオムツ等、特定の避難者(例えば、幼児)が必要とする物品の情報が例示される。換言すれば、水や食料等、避難者であれば年齢、性別問わず必要となる物品は必要物品情報から除外される。
[避難所に避難]
災害が発生すると、住民は、避難所に避難する。避難者は、避難所に設置された受付端末10の面前に移動する(図4参照)。
受付端末10は、避難者を撮影し、顔画像を取得する。受付端末10は、取得した顔画像と避難所に割り当てられた避難所IDを含む認証要求をサーバ装置20に送信する。
サーバ装置20は、取得した顔画像を用いた生体認証を行う。サーバ装置20は、生体認証に成功すると当該避難者を受け入れる。具体的には、サーバ装置20は、避難所に設定された複数の収容エリアのうち1つの収容エリアを選択し、当該選択した収容エリアを受付端末10に通知する。
図4の例では、避難者(認証成功者;認証結果が成功である被認証者)の収容先として「エリアD」が決定され、受付端末10を介して避難者に通知される。避難者は、通知に従いエリアDに移動する。
また、サーバ装置20は、避難者の収容先を決定すると、当該避難者に関する情報を避難者リストに追加する。例えば、サーバ装置20は、避難者の氏名、避難日時、避難場所、収容エリア等の情報を、避難者リストに追加する。
続いて、第1の実施形態に係る避難所管理システムに含まれる各装置の詳細について説明する。
[サーバ装置]
図5は、第1の実施形態に係るサーバ装置20の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図5を参照すると、サーバ装置20は、通信制御部201と、住民登録部202と、認証部203と、避難者管理部204と、記憶部205と、を備える。
通信制御部201は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部201は、受付端末10からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部201は、受付端末10に向けてデータを送信する。通信制御部201は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部201は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部201を介して他の装置とデータの送受信を行う。
住民登録部202は、住民による事前登録(住民登録)を実現する手段である。住民登録部202は、複数のサブモジュールを含む。図6は、住民登録部202の処理構成の一例を示す図である。図6を参照すると、住民登録部202は、住民情報取得部211と、ID生成部212と、特徴量生成部213と、エントリ管理部214と、を備える。
住民情報取得部211は、将来的に避難者となり得る複数の住民それぞれの住民情報を取得する手段である。より具体的には、住民情報取得部211は、住民の顔画像、氏名等の情報を任意の手段により取得する。
例えば、住民情報取得部211は、住民が操作する端末(スマートフォン、パーソナルコンピューター等の端末)から住民情報を取得してもよい。あるいは、住民は、住民情報が記載された書類や住民情報が記憶された外部記憶装置を管理センターに送付し、当該センターの職員等が住民情報をサーバ装置20に入力してもよい。
住民情報取得部211は、住民情報を入力するためのGUIやフォームを提供してもよい。例えば、住民情報取得部211は、図7に示すような情報入力フォームを住民が操作する端末に表示してもよい。
住民は、図7に示す情報を入力する。住民は、情報入力を完了すると「送信ボタン」を押下し、生体情報、個人情報等をサーバ装置20に入力する。なお、健康情報、家族情報、物品情報等の入力を希望する住民は、それぞれの対応するボタンを押下して必要な情報を入力する。健康情報等を入力するためのボタンが押下された場合には、住民情報取得部211は、図7に類似する情報入力フォームを端末に表示し、住民からの情報を取得すればよい。
住民情報取得部211は、取得した住民情報を記憶部205に格納する。
ID生成部212は、避難所管理システムに登録を行った住民に割り当てるIDを生成する手段である。ID生成部212は、取得した住民情報の全部又は一部のハッシュ値を計算し、当該ハッシュ値を住民に割り当てるIDとしてもよい。あるいは、ID生成部212は、住民登録のたびに一意な値を採番しIDとしてもよい。なお、以降の説明において、ID生成部212が生成するID(住民を識別するためのID)を「住民ID」と表記する。
特徴量生成部213は、住民が登録した顔画像から当該顔画像を特徴付ける特徴量(複数の特徴量からなる特徴ベクトル)を生成する手段である。なお、特徴量の生成処理に関しては既存の技術を用いることができるのでその詳細な説明を省略する。例えば、特徴量生成部213は、顔画像から目、鼻、口等を特徴点として抽出する。その後、特徴量生成部213は、特徴点それぞれの位置や各特徴点間の距離を特徴量として計算し、複数の特徴量からなる特徴ベクトル(顔画像を特徴づけるベクトル情報)を生成する。
エントリ管理部214は、住民情報データベースのエントリを管理する手段である。エントリ管理部214は、ID生成部212により生成された住民ID、特徴量生成部213により生成された特徴量、顔画像、及び、住民から取得した個人情報、健康情報等を含むエントリを住民情報データベースに追加する。
住民登録部202は、図8、図9に示すような住民情報データベースを用いて各住民の状況、現況等を管理する。図8は、住民情報データベースの全体構造の一例を示す図である。図9(a)は、図8に示す健康情報をより詳細に示した図である。図9(b)は、図8に示す家族情報をより詳細に示した図である。図9(c)は、図8に示す物品情報をより詳細に示した図である。
図8、図9に示すとおり、住民情報データベースは、住民の生体情報(特徴量、顔画像)、個人情報(氏名、性別、住所、生年月日)に加え、健康に関する情報や家族に関する情報等も記憶する。
なお、図8、図9に示す住民情報データベースに登録された内容は例示であって、住民情報データベースに登録する情報を限定する趣旨ではないことは勿論である。例えば、住民の連絡先(例えば、メールアドレス等)が住民情報データベースに登録されてもよい。また、図9に示すように、住民の状況によっては家族情報等が登録されないこともある。
図5に説明を戻す。認証部203は、避難所を訪れた住民の生体認証を行う手段である。認証部203は、避難所に設置された受付端末10から避難者の生体情報を取得する。認証部203は、取得された生体情報と住民情報データベースに予め記憶された複数の住民それぞれの生体情報を用いた生体認証を行う。
より具体的には、認証部203は、受付端末10から認証要求を取得する。当該認証要求には、避難者(被認証者)の顔画像が含まれるので、認証部203は当該顔画像を認証要求から取り出す。認証部203は、取得した顔画像から特徴量を算出する。
認証部203は、受付端末10から取得した顔画像に基づき算出された特徴量を照合対象に設定し、住民情報データベースに登録された特徴量との間で照合処理を行う。より具体的には、認証部203は、上記算出した特徴量(特徴ベクトル)を照合対象に設定し、住民情報データベースに登録されている複数の特徴量との間で1対N(Nは正の整数、以下同じ)照合を実行する。
認証部203は、照合対象の特徴量と登録側の複数の特徴量それぞれとの間の類似度を計算する。当該類似度には、カイ二乗距離やユークリッド距離等を用いることができる。なお、距離が離れているほど類似度は低く、距離が近いほど類似度が高い。
認証部203は、住民情報データベースに登録された複数の特徴量のうち、照合対象の特徴量との間の類似度が所定の値以上の特徴量が存在すれば、被認証者の認証に成功したと判断する。認証部203は、上記のような特徴が存在しなければ、被認証者の認証に失敗したと判断する。
認証に失敗した場合には、認証部203は、その旨(認証失敗)を認証要求の送信元である受付端末10に通知する。
認証に成功した場合には、認証部203は、住民情報データベースに登録された特徴量のうち照合対象の特徴量に最も近い特徴量を特定する。認証部203は、特定した特徴量に対応するエントリと認証要求から取り出した避難所IDを避難者管理部204に引き渡す。
避難者管理部204は、避難所を訪れた住民(避難者)を管理する手段である。避難者管理部204は、避難所における少なくとも1以上の収容エリアのなかから生体認証に成功した認証成功者の収容先を決定する。
避難者管理部204による収容エリアの決定には、種々の方法が考えられる。例えば、避難者管理部204は、収容エリアにおける避難者の密度に基づいて、認証成功者の収容先を決定してもよい。避難者管理部204は、各収容エリアにて過度な密集、密着が発生しないように、各エリアの収容人数が均等になるように収容エリアを決定してもよい。
この場合、避難者管理部204は、各避難所における複数の収容エリアそれぞれの面積、収容可能人数及び実際の収容人数を記憶するテーブル情報を用いて、収容エリアを決定すればよい。図10は、各避難所に含まれる収容エリアに関するテーブル情報の一例を示す図である。
避難者管理部204は、避難所の各収容エリアそれぞれについて、密度(単位面積あたりの避難者の数)を計算する。避難者管理部204は、計算された複数の密度のうち値が最も小さい収容エリアを新規避難者の収容先として決定する。なお、避難者管理部204は、収容人数が収容可能人数に達している(上限に達している)収容エリアに関しては、新規避難者の収容先として選択することはできない。
避難者管理部204は、避難者の収容エリアを決定すると、図10に示すテーブル情報の収容人数を更新する。
避難者管理部204は、他の方法により避難者の収容エリアを決定してもよい。
避難者管理部204は、避難者の性別、年齢、住所を考慮して、収容エリアを決定してもよい。例えば、避難者管理部204は、性別が同じ避難者を同じ収容エリアに収容する、年齢が近い避難者は同じ収容エリアに収容する、住所が近い避難者は同じ収容エリアに収容する、といった決定をしてもよい。このように、避難者管理部204は、避難者の個人情報(属性情報)に基づいて収容エリアを決定してもよい。
避難者管理部204は、健康情報に基づいて避難者の収容先を決定してもよい。例えば、避難者管理部204は、持病を抱えている避難者に関しては医療スタッフが常駐している収容エリアを収容先として選択してもよい。あるいは、避難者管理部204は、介護が必要な避難者に関しては介護のための施設、器具を備える収容エリアを収容先として選択してもよい。
避難者管理部204は、家族情報に基づいて避難者の収容先を決定してもよい。例えば、避難者管理部204は、家族(同居人)が既に同じ避難所に収容されている場合には、避難者の収容先を当該家族と同じとしてもよい。この場合、避難者管理部204は、避難者が予め登録した家族の氏名をキーとして避難者リストを検索する。検索に成功した場合(家族が収容されている場合)、避難者管理部204は、当該家族と同じ収容エリアを新規避難者の収容先に決定する。
避難者管理部204は、上記説明した方法又は他の方法により、避難者の収容エリアを決定すると、当該決定された収容エリアを受付端末10に通知する。当該収容エリアの通知が、受付端末10が送信した認証要求に対する応答(肯定応答;認証成功を伝える応答)となる。
なお、避難者管理部204は、避難所ごとに異なる方法を用いて避難者の収容先を決定してもよい。図2の例では、避難所Aと避難所Bでは、異なる方法により避難者の収容先が決定されてもよい。あるいは、避難者管理部204は、災害の種類、災害発生の時期等に応じて収容先の決定方法を選択してもよい。例えば、感染症の蔓延期に発生した災害の場合には、避難者管理部204は、各収容エリアの過度な密着を避ける方法で収容先を決定してもよい。感染症の非蔓延期に発生した災害に関しては、避難者管理部204は、家族は同じ収容先に収容されるように収容エリアを決定してもよい。
サーバ装置20は、上記柔軟な収容先の決定を実現するため、避難所ごとに収容先の決定方法を定めたポリシを記憶してもよい。あるいは、管理センターの職員等が、災害発生の都度、どのような収容方式を採用するかサーバ装置20に入力してもよい。当該職員は、避難所の規模、避難所の役割、災害発生時期等を総合的に判断し、各避難所における収容先決定方法を定め、サーバ装置20に入力すればよい。
避難者の収容エリアを決定すると、避難者管理部204は、避難者リストに新規避難者の情報を追加する。例えば、避難者管理部204は、決定された認証成功者の収容先を避難者リストに記載する。避難者管理部204は、避難所ごとに生成された避難者リストを用いて各避難所の避難者を管理する。
避難者管理部204は、避難者の住民情報と避難者の避難状況に関する情報(避難状況情報)を避難者リストに追加する(図11参照)。避難状況情報には、避難者を避難所が受け入れた避難日時(認証日時)、避難者が収容された収容エリア等が含まれる。図11に記載された「住民情報」には、図8に示す住民情報データベースのエントリに含まれる項目の全部又は一部が含まれる。
避難者管理部204は、避難所ごとに避難者リスト生成するのではなく、管理センターが管轄する地域の住民をまとめて管理する避難者リストを生成してもよい(図12参照)。この場合、避難者リストは、各避難所に割り当てられた避難所IDを記憶するフィールドを含んでいればよい。
記憶部205は、サーバ装置20の動作に必要な情報を記憶する手段である。少なくとも複数の住民それぞれの生体情報を記憶する、住民情報データベースは記憶部205に構築される。生体認証に成功したことに応じて避難所に受け入れられた避難者を管理するための避難者リストも記憶部205に記憶される。
[受付端末]
図13は、受付端末10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図13を参照すると、受付端末10は、通信制御部301と、顔画像取得部302と、認証要求部303と、記憶部304と、を備える。
通信制御部301は、他の装置との間の通信を制御する手段である。具体的には、通信制御部301は、サーバ装置20からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部301は、サーバ装置20に向けてデータを送信する。通信制御部301は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部301は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部301を介して他の装置とデータの送受信を行う。
顔画像取得部302は、カメラ装置(受付端末10が備えるカメラ装置)を制御し、面前の避難者の顔画像(生体情報)を取得する手段である。顔画像取得部302は、定期的又は所定のタイミングにおいて自装置の前方を撮像する。顔画像取得部302は、取得した画像に人の顔画像が含まれるか否かを判定し、顔画像が含まれる場合には取得した画像データから顔画像を抽出する。
なお、顔画像取得部302による顔画像の検出処理や顔画像の抽出処理には既存の技術を用いることができるので詳細な説明を省略する。例えば、顔画像取得部302は、CNN(Convolutional Neural Network)により学習された学習モデルを用いて、画像データの中から顔画像(顔領域)を抽出してもよい。あるいは、顔画像取得部302は、テンプレートマッチング等の手法を用いて顔画像を抽出してもよい。
顔画像取得部302は、抽出した顔画像を認証要求部303に引き渡す。
認証要求部303は、サーバ装置20に対して面前の避難者に関する認証を要求する手段である。認証要求部303は、取得した顔画像と避難所IDを含む認証要求を生成し、サーバ装置20に向けて送信する。
なお、避難所IDは任意の手段により受付端末10とサーバ装置20の間で共有される。例えば、システム管理者(管理センターの職員)が、各避難所に避難所IDを割り当て、当該割り当てた避難所IDを受付端末10に設定すればよい。
認証要求部303は、認証要求に対するサーバ装置20からの応答(認証成功、認証失敗)を受信する。
認証要求部303は、認証結果が「認証失敗」であれば、その旨を避難者(認証失敗者;認証結果が失敗である被認証者)に通知する。例えば、認証要求部303は、「サーバに情報が登録されていません。職員と相談して下さい。」といったメッセージを通知する。例えば、認証要求部303は、液晶パネル等の表示デバイスやスピーカー等の音響デバイスを使って上記メッセージを避難者に通知する。
認証要求部303は、認証結果が「認証成功」であれば、サーバ装置20から取得した収容エリアを避難者(認証成功者)に通知する。
記憶部304は、受付端末10の動作に必要な情報を記憶する手段である。
[避難所管理システムの動作]
次に、第1の実施形態に係る避難所管理システムの動作について説明する。
図14は、第1の実施形態に係る避難所管理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。なお、図14は、住民が避難所を訪れた場合のシステム動作の一例を示すシーケンス図である。図14の動作に先立ち、住民登録は予め行われているものとする。
避難者が受付端末10の面前に位置すると、受付端末10は、当該避難者の顔画像を取得する。受付端末10は、顔画像を含む認証要求をサーバ装置20に送信する(ステップS01)。
サーバ装置20は、取得した顔画像を用いた認証処理(住民情報データベースに登録された特徴量を用いた照合処理)を実行する(ステップS02)。
認証結果が認証失敗の場合(ステップS03、No分岐)、サーバ装置20は、ステップS06の処理を実行する。
認証結果が認証成功の場合(ステップS03、Yes分岐)、サーバ装置20は、避難者(認証成功者)の収容エリアを決定する(ステップS04)。
その後、サーバ装置20は、当該避難者に関する情報を避難者リストに追加して避難者リストを更新する(ステップS05)。
サーバ装置20は、認証結果(認証成功、認証失敗)を受付端末10に送信する(ステップS06)。認証結果が認証成功の場合には、サーバ装置20は、避難者の収容エリアを含む応答を受付端末10に送信する。
受付端末10は、認証結果に応じたメッセージを出力する(ステップS07)。認証成功を受信した場合には、受付端末10は、収容先(移動先)を避難者に案内する。認証失敗を受信した場合には、受付端末10は、避難者と職員が相談するように案内する。
<第1の実施形態の変形例>
上記説明では、住民の身元を確認せずに住民登録をする場合について説明した。しかし、サーバ装置20は、身元の確認が取れた住民に関して登録を行ってもよい。この場合、住民情報取得部211は、身分証明書(例えば、免許証、パスポート、マイナンバーカード等)の提出を求める。なお、本願開示では、IC(Integrated Circuit)チップが搭載された身分証明書を用いることができる。ICチップには、身分証明書の発行を受けた住民の顔画像又は顔画像に関する情報(例えば、特徴量)が格納されている。
住民は、カードリーダ等を用いて上記身分証明書に搭載されたICチップから情報を取り出し、サーバ装置20に送信する。以降の説明では、ICチップから取り出した情報を「ICチップ情報」と表記する。
住民情報取得部211は、住民自身が撮影した顔画像(以下、撮影顔画像と表記する)とICチップ情報から得られる顔画像(以下、チップ顔画像と表記する)が実質的に一致する場合に、当該住民の登録を許可する。
具体的には、住民情報取得部211は、2枚の顔画像の類似度を計算し、当該類似度が所定の値以上の場合に、2枚の顔画像は同一人物の顔画像と判定する。即ち、住民情報取得部211は、2枚の顔画像を用いた1対1照合を実行し、その結果に応じて住民登録を許可するか否かを定める。
以上のように、第1の実施形態に係る避難所管理システムでは、サーバ装置20は、住民の生体情報等を予め取得し、記憶する。災害が発生し、住民が避難所に避難を開始すると、受付端末10が避難者の顔画像を取得し、サーバ装置20に認証を要求する。サーバ装置20は、生体認証により避難者が事前に登録された住民か否かを判定し、事前登録された住民であれば避難所への入場を許可する。また、サーバ装置20は、入場を許可した住民(認証に成功した住民)を避難者リストに基づいて管理する。その際、サーバ装置20は、事前登録された住民の個人情報等を用いることで避難者を管理するための避難者リストを容易に作成することができる。
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
第1の実施形態では、避難所に訪れる住民は事前に住民登録を済ましていることを前提としている。しかし、実際には、事前に住民登録をすることなく避難所を訪れる住民も存在する。第2の実施形態では、事前に住民登録をしていない避難者の受け入れについて説明する。
第2の実施形態に係る避難所管理システムの概略構成は第1の実施形態の構成と同一とすることができるのでその説明を省略する。
以下、第1及び第2の実施形態の相違点について説明する。
図15は、第2の実施形態に係る受付端末10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図15を参照すると、第1の実施形態に係る受付端末10の構成に身分証明書読取部305が追加されている。
図16は、第2の実施形態に係るサーバ装置20の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図16を参照すると、第1の実施形態に係るサーバ装置20の構成に身元確認部206が追加されている。
受付端末10の認証要求部303は、サーバ装置20から認証失敗を受信すると、その旨を身分証明書読取部305に通知する。なお、認証に失敗した被認証者は、事前に住民登録を行っていない住民と取り扱うことができる。
当該通知に応じて、身分証明書読取部305は、避難者(認証失敗者)に対して、身分証明書の提示を求める。例えば、身分証明書読取部305は、図17に示すようなGUIを用いて、身分証明書のICチップ情報を取得する。
身分証明書読取部305は、カードリーダを制御し、身分証明書のICチップから顔画像(チップ顔画像)、個人情報(氏名、性別等)を取得する。身分証明書読取部305は、取得したチップ顔画像、個人情報を認証要求部303に引き渡す。
認証要求部303は、避難所ID、2枚の顔画像(撮影顔画像、チップ顔画像)、個人情報を含む「避難者登録要求」をサーバ装置20に送信する。
なお、身分証明書読取部305は、避難者の認証に失敗した際(図17に示すようなGUIを表示した際)、顔画像取得部302に対して避難者(認証失敗者)の顔画像の取得を指示してもよい。身分証明書読取部305は、顔画像取得部302から得られた撮影顔画像をチップ顔画像等と共に認証要求部303に引き渡してもよい。
サーバ装置20の身元確認部206は、避難所を訪れた避難者の身元を確認する手段である。身元確認部206は、生体認証の認証失敗者が受付端末10に提示する身分証明書から得られる情報を取得し、当該取得された情報に基づき認証失敗者の身元確認を行う。具体的には、身元確認部206は、受付端末10から取得した避難者登録要求を処理する。
身元確認部206は、身分証明書に搭載されたICチップから得られる情報を用いて認証失敗者の身元確認を行う。身元確認部206は、受付端末10から取得した認証失敗者の撮影顔画像と、ICチップに記録されたチップ顔画像を用いて認証失敗者の身元確認を行う。
より具体的には、身元確認部206は、避難者登録要求に含まれる2枚の顔画像を用いた照合処理(1対1照合)を実行する。身元確認部206は、2枚の顔画像の類似度を計算し、当該計算された類似度が所定の値以上であれば、避難者の身元確認(本人確認)に成功したと判断する。身元確認部206は、上記類似度が所定の値よりも小さい場合には、身元確認に失敗したと判断する。
身元確認に失敗した場合には、身元確認部206は、その旨を受付端末10に通知する。
身元確認に成功した場合には、身元確認部206は、避難者登録要求に含まれる避難所ID、2枚の顔画像のうち少なくとも1枚の顔画像、照合処理に用いた特徴量、個人情報(氏名、性別等)を避難者管理部204に引き渡す。
避難者管理部204は、身元が確認された避難者を事前に住民登録した住民と同様に扱う。具体的には、避難者管理部204は、身元確認に成功した認証失敗者を避難所に受け入れられた避難者として、避難者リストを用いて管理する。
避難者管理部204は、身元が確認された避難者の収容エリアを決定する。避難者管理部204は、当該避難者の情報を避難者リストに追加する。その際、避難者管理部204は、取得した顔画像、個人情報(氏名、性別等)を用いて避難者リストを更新する。このように、避難者管理部204は、避難所の収容エリアのなかから認証成功者又は身元確認に成功した認証失敗者の収容先を決定する。また、身元確認に成功した認証失敗者に関する避難者リストの更新時に、避難者管理部204は、当該身元確認に成功した認証失敗者の個人情報(氏名等;身分証明書から得られる情報)を避難者リストに記載する。
図18は、第2の実施形態に係る避難所管理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。なお、サーバ装置20が住民登録されていない避難者の認証失敗を送信するまでの動作は第1の実施形態と同一とすることができるので、その説明を省略する。
受付端末10は、サーバ装置20から認証失敗に係る応答を受信する(ステップS11)。
受付端末10は、避難者が提示する身分証明書の情報(ICチップに格納された情報;ICチップ情報)を取得する(ステップS12)。このように、受付端末10は、生体認証の失敗の通知を受信したことに応じて、認証失敗者に対し身分証明書の提示を要求する。
受付端末10は、2枚の顔画像、個人情報を含む「避難者登録要求」をサーバ装置20に送信する(ステップS13)。
サーバ装置20は、取得した2枚の顔画像を用いた身元確認処理(本人確認処理)を実行する(ステップS14)。
身元確認に失敗した場合(ステップS15、No分岐)、サーバ装置20は、ステップS18の処理を実行する。
身元確認に成功した場合(ステップS15、Yes分岐)、サーバ装置20は、避難者の収容エリアを決定すると共に、避難者リストを更新する(ステップS16、S17)。
サーバ装置20は、受付端末10から取得した避難者登録要求に対する応答を送信する(ステップS18)。
本人確認に失敗した場合には、サーバ装置20は、当該避難者の受け入れを判断することができない。そこで、サーバ装置20は、避難者登録要求に対して否定応答(避難者受け入れ拒否)を送信する。
本人確認に成功した場合には、サーバ装置20は、当該避難者を避難所に受け入れる。サーバ装置20は、避難者登録要求に対して肯定応答(避難者受け入れ承諾)を送信する。当該応答には、避難者の収容エリアが含まれる。
受付端末10は、避難者登録要求に対する応答に応じたメッセージを出力する(ステップS19)。
避難者登録要求に対する応答が否定応答である場合には、受付端末10は、避難者と職員の相談を促すようなメッセージを出力する。また、受付端末10は、避難者が身分証明書を所持していない場合(図17の不所持ボタンが押下された場合)にも、同様のメッセージを出力する。このように、受付端末10は、身元確認に失敗した避難者又は身分証明書の提示ができない避難者に対して、予め定めた所定のメッセージを通知する。
避難者登録要求に対する応答が肯定応答である場合には、受付端末10は、当該避難者の収容エリアを表示する。即ち、サーバ装置20は、身元確認に成功した認証失敗者の収容先を受付端末10に通知する。受付端末10は、通知された収容先に関するメッセージを出力する。
このように、受付端末10は、身分証明書に搭載されたICチップから得られる情報(チップ顔画像、氏名等の個人情報)を含む避難者登録要求をサーバ装置20に送信する。サーバ装置20は、避難者登録要求に含まれる情報を用いて認証失敗者の身元確認を行う。即ち、避難者登録要求は、認証失敗者の生体情報(撮影顔画像)と身分証明書の発行を受けた住民の生体情報(チップ顔画像)を含む。サーバ装置20は、これらの生体情報を用いた照合処理(1対1照合)により事前に住民登録をしていない避難者(認証失敗者)の身元確認を行う。
<第2の実施形態の変形例>
第2の実施形態では、事前に住民登録していない避難者に関し、本人確認に成功した避難者を避難所に受け入れる場合について説明した。しかし、避難所管理システムは、本人確認を行わずに避難者を受け入れてもよい。
例えば、住民登録していない避難者は、受付端末10を操作して、氏名、住所等を入力する。受付端末10は、当該避難者の顔画像を取得する。受付端末10は、取得した個人情報(氏名等)及び顔画像をサーバ装置20に送信する。サーバ装置20は、取得した個人情報、顔画像を避難者リストに追加する。その際、サーバ装置20は、本人確認を実行していない避難者と、他の避難者(事前に住民登録した避難者、本人確認に成功した避難者)と、を区別可能なように管理する。例えば、サーバ装置20は、本人確認を実行していない避難者を「フラグ」等を用いて管理する。
サーバ装置20は、職員等の要求に従い、本人確認を実行していない避難者の情報(氏名、顔画像)を当該職員に提供する。職員は、提供された情報に基づき、身元の確認が取れない避難者の聞き取り等の適切な対応を行う。
以上のように、第2の実施形態に係る避難所管理システムでは、サーバ装置20は、事前に住民登録をしていない避難者であっても正しい身分証明書を提示する避難者に関しては避難所への受け入れを許可する。即ち、サーバ装置20は、身元が確認された避難者に関しては地域の住民と同様に扱い避難所の利用を許可する。その結果、旅行中に被災した旅行者や外国人であっても避難所を利用することができる。
[第3の実施形態]
続いて、第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
第3の実施形態では、避難者の健康状態を確認し、その結果に応じた適切な対処をする場合について説明する。第3の実施形態では、避難所における複数の地点、複数の機会で避難者の健康状態を確認し、その結果に応じた対応を行う。
第3の実施形態に係るサーバ装置20の処理構成は第1の実施形態と同様とすることができるので、その説明を省略する。
以下、第1乃至第3の実施形態の相違点について説明する。
図19は、第3の実施形態に係る避難所管理システムの概略構成の一例を示す図である。図19に示すように、第3の実施形態では、支給端末30が避難所に設置されている。
支給端末30は、避難者に食料等の物品を支給する際のインターフェイスとなる端末である。支給端末30は、面前の避難者の顔画像(生体情報)を取得する。支給端末30は、当該取得された顔画像等を含む認証要求をサーバ装置20に送信する。
サーバ装置20は、取得した顔画像を用いた生体認証により避難者を特定し、当該特定した避難者に支給した物品等の管理を行う。
第3の実施形態に係る受付端末10及び支給端末30は、被認証者の生命情報(バイタルデータ、バイタルサインとも称される)を取得可能に構成されている。例えば、受付端末10、支給端末30は、避難者の体表面温度を取得可能なサーモグラフィ等を備えている。
図20は、第3の実施形態に係る受付端末10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図20を参照すると、第1の実施形態に係る受付端末10の構成に生命情報取得部306が追加されている。
図21は、第3の実施形態に係る支給端末30の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。支給端末30の処理構成は受付端末10の処理構成と同一とすることもできるので、詳細な説明を省略する。即ち、受付端末10と支給端末30それぞれの対応する処理モジュールの基本的な動作は同一とすることができる。
受付端末10と支給端末30は、サーバ装置20から認証要求に対する応答を受信した際に出力するメッセージが異なる。
受付端末10の顔画像取得部302は、避難者の顔画像を取得すると、その旨を生命情報取得部306に通知する。
生命情報取得部306は、避難者の生命情報を取得する手段である。例えば、生命情報取得部306は、避難者の体表面温度を取得する。生命情報取得部306は、サーモグラフィを制御して避難者の体表面温度を取得する。
なお、生命情報取得部306は、体表面温度に替えて又は加えて、他の生命情報を取得してもよい。例えば、生命情報取得部306は、血圧、脈拍等を取得してもよい。
生命情報取得部306は、取得した生命情報を認証要求部303に引き渡す。
認証要求部303は、避難所ID、端末ID、顔画像(撮影顔画像)、生命情報を含む認証要求をサーバ装置20に送信する。
なお、端末IDは、同じ避難所内に設置された端末(受付端末10、支給端末30)を識別するための識別情報である。端末IDは、避難所の端末(受付端末10、支給端末30)とサーバ装置20の間で共有される。端末IDには、受付端末10、支給端末30のIP(Internet Protocol)アドレス、MAC(Media Access Control)アドレス等を用いることができる。
サーバ装置20は、認証情報の送信元の端末(受付端末10、支給端末30)に応じて処理を変える。サーバ装置20は、認証要求に含まれる端末IDに基づいて認証要求の送信元端末の種別を判定する。以下、受付端末10から認証要求を取得した場合と支給端末30から認証要求を受信した場合のそれぞれについて説明する。
<受付端末10から認証要求を受信>
認証部203は、認証要求から抽出した生命情報に基づいて被認証者の体調を判定する。例えば、認証部203は、生命情報(バイタルデータ、バイタルサイン)に対して閾値処理を実行し、その結果に応じて被認証者の体調を判定する。生命情報として体表面温度を取得した場合、認証部203は、当該温度が所定の値以上の被認証者については「体調不良」、当該温度が所定の値よりも低い被認証者については「体調良好」とそれぞれ判定する。
認証結果が「認証失敗」の場合には、認証部203は、認証失敗の事実と被認証者の体調(体調良好、体調不良)を受付端末10に通知する。認証部203は、認証失敗に係る認証結果と生命情報により判定された被認証者の体調(体調判定結果)を含む応答を受付端末10に送信する。
認証結果が「認証成功」の場合には、認証部203は、認証処理(照合処理)により特定された認証成功者の住民情報、避難所ID、端末ID、認証成功者の生命情報、体調判定結果を避難者管理部204に引き渡す。
避難者管理部204は、生体認証の認証成功者(避難所に収容された避難者)の生体情報、生命情報及び体調判定結果を対応付けて避難者リストに記載する。
避難者管理部204は、避難所IDを用いて対応する避難者リストを特定する。また、避難者管理部204は、端末IDに基づいて受付端末10用の処理を実行する。
避難者管理部204は、避難者(認証成功者)の収容先を決定する。その際、避難者管理部204は、避難者の体調を優先的に考慮し、収容エリアを決定する。避難者管理部204は、避難者の体調判定結果に基づいて当該避難者の収容先を決定する。
具体的には、避難者が「体調不良」である場合には、避難者管理部204は、当該避難者に関しては通常の収容エリアとは異なる収容エリア(体調不良者を収容するエリア;隔離エリア)に収容する。
例えば、図19に示すように、避難所には6つの収容エリアが含まれ、そのうちの1つ(例えば、エリアF)が体調不良者の収容に割り当てられた隔離エリアとする。この場合、避難者管理部204は、受付端末10の面前に立つ避難者が体調不良であれば、当該体調不良者の収容先をエリアFと決定する。
隔離エリアには、医師等の医療スタッフが常駐していることもある。医療スタッフは、体調不良の避難者に対して適切な処置を行う。
避難者の体調が「体調良好」であれば、避難者管理部204は、第1の実施形態にて説明した方法等を用いて避難者の収容エリアを決定する。このように、避難者管理部204は、体調良好者の収容先を第1の収容エリアとし、体調不良者の収容先を第1の収容エリアとは異なる第2の収容エリアとする。
避難者管理部204は、避難者の収容先を決定すると、当該収容先を受付端末10に通知する。避難者管理部204は、避難者の収容エリアを含む肯定応答を受付端末10に送信する。
避難者管理部204は、認証部203から取得した情報を用いて避難者リストを更新する。避難者管理部204は、各避難者の生命情報(体表面温度)及び体調を住民情報等と対応付けて記憶する(図22参照)。
受付端末10から認証要求を受信した場合のサーバ装置20の動作をまとめると図23に示すフローチャートのとおりとなる。
サーバ装置20は、受付端末10から認証要求を受信する(ステップS101)。
サーバ装置20は、認証要求に含まれる生命情報を用いて被認証者の体調を判定する(ステップS102)。
サーバ装置20は、取得した顔画像と住民情報データベースに登録された特徴量を用いて認証処理を実行する(ステップS103)。
認証に失敗した場合(ステップS104、No分岐)、サーバ装置20は、認証失敗者の体調判定結果(体調良好、体調不良)を含む応答(認証失敗を通知する否定応答)を受付端末10に送信する(ステップS105)。
認証に成功した場合(ステップS104、Yes分岐)、サーバ装置20は、認証成功者の体調を確認する(ステップS106)。
認証成功者が体調不良者の場合(ステップS106、Yes分岐)、サーバ装置20は当該体調不良者の収容先を隔離エリアに決定する(ステップS107)。
認証成功者が体調良好者の場合(ステップS106、No分岐)、サーバ装置20は当該体調良好者の収容エリアを決定する(ステップS108)。
認証成功者の収容先を決定すると、サーバ装置20は、避難者リストを更新する(ステップS109)。
サーバ装置20は、認証成功者の収容エリアを含む応答(認証成功を通知する肯定応答)を受付端末10に送信する(ステップS110)。
受付端末10は、サーバ装置20から取得した応答の内容に応じて避難者(被認証者)に通知するメッセージを変更する。とりわけ、認証失敗に係る応答を受信した場合、受付端末10は、認証失敗者の体調に応じたメッセージを出力する。
認証失敗を取得し、且つ、被認証者の体調が良好であった場合、受付端末10は図24(a)に示すようなメッセージを出力する。この場合、避難者は事前に住民登録を行っていないので、受付端末10は、避難者と職員の相談を促すような案内を行う。
認証失敗を取得し、且つ、被認証者の体調が不良であった場合、受付端末10は図24(b)に示すようなメッセージを出力する。この場合、避難者は事前に住民登録を行っておらず、且つ、体調が悪いので、受付端末10は、避難者と職員の相談を促しつつ自身の体調不良を伝えるような案内を行う。
認証成功を受信した場合には、受付端末10は通知された収容エリアを避難者に案内すればよい。受付端末10は、体調不良ではない避難者には通常の収容エリアを案内する(図24(c)参照)。受付端末10は、体調不良の避難者には隔離エリアを案内する(図24(d)参照)。
なお、図24を含む図面において、灰色に着色された人物は体調不良者を示す。
<支給端末30から認証要求を受信>
支給端末30から認証要求を受信した場合は、認証部203は、住民情報データベースに記憶された生体情報に替えて避難者リストに記憶された生体情報を用いて認証処理(1対N照合)を行う。避難所に収容された収容者の生体情報及び生命情報を支給端末30から取得した場合、認証部203は、取得した収容者の生体情報と避難者リストに記載された生体情報を用いた照合処理により支給端末30が生体情報及び生命情報を取得した収容者を特定する。
認証部203は、認証要求に含まれる避難所IDに基づいて対応する避難者リストを特定する。認証部203は、照合処理により避難者リストに登録された避難者のうち支給端末30の前に立つ避難者(避難所に収容された収容者)を特定する。
認証部203は、受付端末10から認証要求を受信した場合と同様に、取得した生命情報に基づいて被認証者の体調を判定する。
支給端末30から認証要求を受信した場合、被認証者は避難者リストに記憶されているため、認証部203による認証処理は成功する。仮に認証に失敗した場合には、認証部203は、認証失敗の事実と被認証者の体調(体調良好、体調不良)を支給端末30に通知する。この場合、支給端末30は、避難者と職員の相談を促すようなメッセージを出力する。
認証結果が「認証成功」の場合には、認証部203は、認証処理(照合処理)により特定された認証成功者の住民ID、避難所ID、端末ID、認証成功者の生命情報、体調判定結果を避難者管理部204に引き渡す。
避難者管理部204は、認証部203の照合処理により特定された避難者のエントリ(避難者リストのエントリ)を更新する。避難者管理部204は、避難所IDを用いて対応する避難者リストを特定し、住民IDを用いて避難者のエントリを特定する。避難者管理部204は、認証部203から取得した生命情報、体調判定結果を用いて認証成功者の生命情報フィールドや体調フィールドを更新する。
また、避難者管理部204は、上記エントリの更新に加え、端末IDに基づいて支給端末30用の処理を実行する。具体的には、避難者管理部204は、当該避難者(認証成功者)に対する物品支給の管理を行う。避難者管理部204は、住民IDを用いて避難者リストに登録された避難者であって支給端末30の前に立つ避難者を特定する。
避難者管理部204は、特定した避難者の「物品支給フィールド」を用いて物品支給の状況を管理する。物品支給フィールドがブランクであれば、避難者管理部204は、当該避難者には物品の支給は完了していないと判断する。物品支給フィールドに「済」が設定されていれば、避難者管理部204は、当該避難者には物品の支給は完了していると判断する。避難者に対する物品支給が完了していなければ、避難者管理部204は、当該避難者に対する物品支給を許可する。避難者に対する物品支給が完了していれば、避難者管理部204は、当該避難者に対する物品支給を拒否する。避難者に対する物品支給を許可した場合には、避難者管理部204は、対応する物品支給フィールドを更新する。
避難者管理部204は、支給端末30から取得した認証要求に対する応答(肯定応答)に認証成功者の体調判定結果と物品支給に関する情報(物品支給許可、物品支給不許可)を含める。
支給端末30から認証要求を受信した場合のサーバ装置20の動作をまとめると図25に示すフローチャートのとおりとなる。なお、図25に記載されたステップS201~S205の処理は、図23に示すステップS101~S105の処理と同一とすることができるので、その説明を省略する。ステップS201~S205の処理は、図23に示すステップS101~S105の説明において「受付端末10」を「支給端末30」と読み替えればよい。また、ステップS203にて使用される認証情報は、避難者リストに登録された生体情報(特徴量)である。即ち、第1及び第3の実施形態では、ステップS203にて用いられる認証情報が、避難者リストである点で異なる。
避難者の認証に成功すると(ステップS204、Yes分岐)、サーバ装置20は、認証成功者の体調判定結果、物品支給状況等を用いて避難者リストを更新する(ステップS206)。
サーバ装置20は、物品支給に関する情報と認証成功者の体調判定結果を含む応答(認証成功を通知する肯定応答)を支給端末30に送信する(ステップS207)。
支給端末30は、サーバ装置20から取得した応答の内容に応じて避難者(被認証者)に通知するメッセージを変更する。
認証結果が認証成功であり、認証成功者の体調が良好であれば、支給端末30は、物品支給に関する情報(物品支給許可、物品支給不許可)に応じたメッセージを出力する(図26(a)、図26(b)参照)。なお、図26(a)は物品支給許可に応じたメッセージの一例を示し、図26(b)は物品支給不許可に応じたメッセージの一例を示す。
認証結果が認証成功であり、認証成功者の体調が不良であれば、支給端末30は、避難者に自身の体調不良を職員に伝えさせるような案内を行う(図26(c)参照)。あるいは、支給端末30は、認証成功者が体調不良であれば、当該避難者を隔離エリアに向かわせるようなメッセージを出力してもよい。この場合、サーバ装置20は、認証要求に対する応答に隔離エリアの情報を含めればよい。
なお、支給端末30から送信された認証要求の結果が「認証失敗」となることは基本的に想定されないので、その説明を省略する。
<第3の実施形態に係る変形例>
第3の実施形態では、物品支給に使用される端末において避難者の生命情報を取得する場合について説明した。しかし、避難者の生命情報は、ポータブル型の端末により取得されてもよい。とりわけ、隔離エリアに収容されている避難者の生命情報は、職員等により定期的に取得されてもよい。具体的には、職員は、カメラとサーモグラフィを備える健康観察端末を所持して隔離エリアを訪れ、当該エリアに収容されている避難者の生体情報、生命情報を取得してもよい。サーバ装置20は、健康観察端末により取得された生体情報を用いて被認証者を特定し、生命情報に基づいて体調を判定する。サーバ装置20は、取得した生命情報(例えば、体表面温度)、体調判定結果を用いて避難者リストを更新する。
即ち、上記第3の実施形態では、避難所に収容された収容者の生命情報を取得するための端末として支給端末30を例にとり説明したが、生命情報等を取得する端末は支給端末30に限定されず、職員が持ち歩く健康観察端末であってもよい。サーバ装置20は、避難所で用いられる任意の端末から収容者の生命情報を取得し、当該生命情報から収容者の体調を判定することができる。
以上のように、第3の実施形態では、サーバ装置20は、避難所に設置された受付端末10から避難者の生体情報及び生命情報を取得する。サーバ装置20は、取得された生体情報と住民情報データベースに記憶された生体情報を用いた生体認証を行うと共に、生命情報に基づき被認証者の体調を判定する。受付端末10やサーバ装置20では、被認証者の体調に応じた適切な処理を行う。具体的には、受付端末10は、認証に失敗した避難者の体調が悪ければ、職員にその旨を伝えるように指示をする。また、サーバ装置20は、認証に成功した避難者の体調が悪ければ、当該体調不良者を隔離する。
また、第3の実施形態では、避難者に物品を支給する際や職員の見回りの際に、避難者の生体情報と生命情報が取得され、これらの情報がリアルタイムに避難者リストに反映される。そのため、避難所に収容された時点では体調が良好であっても、その後に体調が悪化した避難者は迅速に発見される。
さらに、第3の実施形態では、避難者に対する物品の支給状況を管理するので、同じ避難者に何度も物品を渡してしまうことを防止できる。
[第4の実施形態]
続いて、第4の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
第4の実施形態では、サーバ装置20が、各避難所における必要物資等を自動的に算出する場合について説明する。
第4の実施形態に係る避難所管理システムの概略構成は第1の実施形態の構成と同一とすることができるのでその説明を省略する。第4の実施形態に係る受付端末10の処理構成は第1の実施形態と同様とすることができるので、その説明を省略する。
以下、第1乃至第4の実施形態の相違点について説明する。
図27は、第4の実施形態に係るサーバ装置20の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図27を参照すると、第1の実施形態に係るサーバ装置20の構成に物品リスト生成部207が追加されている。
物品リスト生成部207は、避難所において必要とされる物品に関する情報を算出する手段である。具体的には、物品リスト生成部207は、避難者リストに記載された避難者の数に基づいて、各避難所において必要とされる物品に関する物品リストを生成する。
例えば、物品リスト生成部207は、避難所にて必要な物品(食料、日用生活品)の必要数を算出する。より具体的には、物品リスト生成部207は、避難所ごとに必要物品数を計算する。例えば、物品リスト生成部207は、各避難所の避難者数に所定の係数(日数や1日の消費量等により定まる係数)を乗算して食料や日用生活品(歯ブラシ等)の必要数を算出する。
物品リスト生成部207は、避難者リストに記載された避難者の健康情報に基づいて特定の避難者に必要な物品数を算出してもよい。例えば、物品リスト生成部207は、避難者の常用薬についての必要数を算出する。
物品リスト生成部207は、物品情報を用いて特定の避難者に必要な物品数を算出してもよい。例えば、物品リスト生成部207は、各避難所の避難者リストに含まれる物品情報を参照する。物品リスト生成部207は、物品情報に記載された物品ごとに必要数を算出する。例えば、物品リスト生成部207は、ミルクが必要と書かれた避難者の数に所定の係数を乗算することで各避難所におけるミルクの必要数(避難所に届けるミルクの数量)を計算する。
物品リスト生成部207は、避難者の生年月日に基づき避難者の年齢を算出し、当該算出された年齢に基づいて必要物品の数を算出してもよい。例えば、物品リスト生成部207は、各避難所に収容されている幼児の数を計算し、必要な物品(ミルク、オムツ等)の数量を計算してもよい。
物品リスト生成部207は、各避難所の避難者リストに基づいて算出された物品名とその数をまとめたリストを生成する。例えば、物品リスト生成部207は、図28に示すような物品リストを生成する。
物品リスト生成部207は、生成した物品リストを管理センターの職員等に提供する。例えば、物品リスト生成部207は、物品リストを印刷する、画面に表示する、職員のメールアドレスに送信する等の対応を行う。職員は、サーバ装置20から提供された物品リストに基づいて必要な物品の手配を行う。
以上のように、第4の実施形態に係るサーバ装置20は、避難所ごとに生成された避難者リストを用いて各避難所にて必要とされる物品やその数を自動的、且つ、正確に算出する。管理センターの職員等は、サーバ装置20が生成した物品リストに従い物品を避難所に届ければよく、効率的な避難所の運営が実現できる。また、避難者の生活に欠かすことのできない常用薬等が確実に手配されることになるので、避難者の不安やストレスが軽減される。
[第5の実施形態]
続いて、第5の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
第5の実施形態では、サーバ装置20が避難者リスト等を解析し、管理センターの職員や住民にとって有益な情報を提供する場合について説明する。
第5の実施形態に係る避難所管理システムの概略構成は第1の実施形態の構成と同一とすることができるのでその説明を省略する。第5の実施形態に係る受付端末10の処理構成は第1の実施形態と同様とすることができるので、その説明を省略する。
以下、第1乃至第5の実施形態の相違点について説明する。
図29は、第5の実施形態に係るサーバ装置20の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図29を参照すると、第1の実施形態に係るサーバ装置20の構成にリスト解析部208が追加されている。
リスト解析部208は、住民情報データベースと避難者リストを解析し、避難をしておらず自宅等に留まっていると想定される住民を特定する。リスト解析部208は、住民情報データベースに登録された住民のうち各避難所の避難者リストのいずれにも登録されていない住民を特定する。
このように、リスト解析部208は、住民情報データベースに記憶された複数の住民のうち避難者リストに記載されていない住民を特定し、当該特定された住民のリストを生成する。リスト解析部208は、生成したリストを「非避難者リスト」として管理センターの職員等に提供してもよい。
リスト解析部208は、各避難所の避難者リストを解析し、避難者に関する統計情報を生成してもよい。例えば、リスト解析部208は、各避難者リストの「避難日時」に基づいて1日あたりの避難者増加率や平均値等を算出してもよい。
リスト解析部208は、上記計算した統計値を「避難者統計情報」として管理センターの職員等に提供してもよい。
あるいは、リスト解析部208は、各避難所の避難人数等をリアルタイムに管理センターの職員等に通知してもよい。
なお、リスト解析部208による情報提供先は、管理センターに限定されない。例えば、リスト解析部208は、各避難所の状況(例えば、避難人数等)を住民が把握可能なように自治体のホームページ等に表示してもよい。あるいは、リスト解析部208は、事前に登録した住民の連絡先(メールアドレス等)に上記情報を通知してもよい。このような通知等により、住民は近所に住む他人の避難状況等を的確に把握することができ、避難が遅れることを防止できる。
第3の実施形態で説明したように、サーバ装置20は、避難者の生命情報や体調を避難者リストにより管理することもできる。サーバ装置20は、このような避難者リストを解析することで、管理センター等に有益な情報を提供することもできる。例えば、サーバ装置20は、避難者リストに記載された生命情報に基づいた解析を行うことで有益な情報を管理センター等に提供できる。
例えば、サーバ装置20は、避難者の生命情報(体表面温度)の履歴を避難者リストで管理する。例えば、サーバ装置20は、支給端末30を介して、一日の中で避難者を複数回認証する(例えば、朝昼晩と避難者を認証する)。その際、サーバ装置20は、避難者の生命情報(体表面温度)を取得するので各避難者に関する生命情報の履歴が生成される。リスト解析部208は、定期的又は予め定めたタイミングにおいて避難所ごとの平均体表面温度を計算し、当該平均体表面温度の上昇が確認できた場合にはその旨を管理センターの職員等に通知する。具体的には、リスト解析部208は、平均体表面温度が所定の値以上であれば、避難所における感染症の蔓延を管理センターに通知する。管理センターの職員等は、当該通知に従い適切な対応を講じる。
以上のように、第5の実施形態に係るサーバ装置20は、避難者リストを解析することで、管理センターの職員や地域の住民に対して有益な情報を提供できる。
続いて、避難所管理システムを構成する各装置のハードウェアについて説明する。図30は、サーバ装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。
サーバ装置20は、情報処理装置(所謂、コンピュータ)により構成可能であり、図30に例示する構成を備える。例えば、サーバ装置20は、プロセッサ311、メモリ312、入出力インターフェイス313及び通信インターフェイス314等を備える。上記プロセッサ311等の構成要素は内部バス等により接続され、相互に通信が可能となるように構成されている。
但し、図30に示す構成は、サーバ装置20のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。サーバ装置20は、図示しないハードウェアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インターフェイス313を備えていなくともよい。また、サーバ装置20に含まれるプロセッサ311等の数も図30の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ311がサーバ装置20に含まれていてもよい。
プロセッサ311は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルなデバイスである。あるいは、プロセッサ311は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスであってもよい。プロセッサ311は、オペレーティングシステム(OS;Operating System)を含む各種プログラムを実行する。
メモリ312は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。メモリ312は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、各種データを格納する。
入出力インターフェイス313は、図示しない表示装置や入力装置のインターフェイスである。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受け付ける装置である。
通信インターフェイス314は、他の装置と通信を行う回路、モジュール等である。例えば、通信インターフェイス314は、NIC(Network Interface Card)等を備える。
サーバ装置20の機能は、各種処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ312に格納されたプログラムをプロセッサ311が実行することで実現される。また、当該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transitory)なものとすることができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。また、上記プログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。
なお、受付端末10や支給端末30等もサーバ装置20と同様に情報処理装置により構成可能であり、その基本的なハードウェア構成はサーバ装置20と相違する点はないので説明を省略する。例えば、受付端末10は、カメラ装置を備えていればよい。また、受付端末10は、必要に応じてサーモグラフィを備えていればよい。
サーバ装置20は、コンピュータを搭載し、当該コンピュータにプログラムを実行させることでサーバ装置20の機能が実現できる。また、サーバ装置20は、当該プログラムによりサーバ装置の制御方法を実行する。
[変形例]
なお、上記実施形態にて説明した避難所管理システムの構成、動作等は例示であって、システムの構成等を限定する趣旨ではない。
例えば、サーバ装置20の機能は複数の装置により実現されてもよい。例えば、サーバ装置20が有する「認証機能」は他の装置にて実現されていてもよい。
サーバ装置20は、住民登録の際に家族以外の人物の連絡先を登録可能としてもよい。例えば、サーバ装置20は、要介護の住民について、災害発生時に当該住民をサポート(避難を支援)する人物の連絡先を記憶する。上記住民をサポートする人物には、住民の居住地域を管轄する自治会等の責任者等が該当する。住民登録部202は、要介護の住民に関する住民情報として支援者の連絡先を登録する。この場合、サーバ装置20は、支援要請部209を備える(図31参照)。支援要請部209は、災害発生時に、要介護者と共に事前登録された連絡先に、当該要介護者の避難を要請する。支援要請部209は、要介護者の状況(ステータス)を管理する。具体的には、支援要請部209は、上記要請を発したことで要介護者のステータスを「避難前」から「避難中」に設定する。支援要請部209は、当該要介護者が避難所に到着すると、生体認証により当該要介護者を特定し、ステータスを「避難完了」に設定する。サーバ装置20の支援要請部209は、要介護者の氏名とステータス(避難前、避難中、避難完了)の一覧を管理センターに提供してもよい。管理センターでは、提供された一覧情報により要介護者の状況をリアルタイムに把握でき、必要な支援、対策を迅速に講じることができる。
サーバ装置20は、家族が収容されている避難所、収容エリアに関する検索を実現するインターフェイスを住民に提供してもよい。この場合、サーバ装置20は、家族検索部210を備える(図32参照)。家族検索部210は、検索したい家族の氏名等を入力するGUIを検索者の端末に表示する。家族検索部210は、取得した氏名をキーとして避難者リストを検索する。家族検索部210は、当該検索にヒットした避難者リストの避難場所、収容エリアに関する情報を検索者の端末に送信する。
サーバ装置20は、家族が避難所に避難したという事実を住民に通知してもよい。この場合、サーバ装置20は、家族情報に記載する家族の氏名に加え、当該家族の連絡先(メールアドレス等)も登録する。避難者管理部204は、新規避難者の情報を取得すると、対応する家族情報を確認する。家族の氏名と共に連絡先が登録されていれば、避難者管理部204は、登録された連絡先に家族が避難した旨の通知を行う。
サーバ装置20に登録された情報の一部は最新の情報でなければ災害時に無意味な情報となる可能性がある。例えば、要介護や常用薬等に関する情報は最新の情報でなければ利用価値が低い。そこで、サーバ装置20は、定期的又は所定のタイミングで登録された住民情報の更新を住民に促してもよい。具体的には、住民登録部202は、住民登録をした住民の連絡先に対し情報更新の必要性等を記載した文章等を送信する。当該文章の送信等により、住民情報データベースに登録された内容が更新される。即ち、サーバ装置20が住民情報の更新を住民に促すことで、住民情報データベースは定期的又は所定のタイミングで更新されることになる。
サーバ装置20は、避難者に対して自宅周辺の画像データ(静止画、動画)を提供してもよい。この場合、サーバ装置20は、画像再生部220を備える(図33参照)。管理センターの職員等は、被災地を車両等で移動し、被災地を撮影することで画像データを収集する。職員等は、取得した画像データと当該画像の取得地(住所)を対応付けてサーバ装置20に記憶する。画像再生部220は、住民が住所等を入力するためのGUIを端末(住民が所持する端末、あるいは、避難所に設置された端末)に表示する。画像再生部220は、GUIにより取得した住所に対応付けて記憶された画像データを上記端末で再生する。あるいは、画像再生部220は、端末の前に立つ避難者を生体認証により特定し、当該特性された避難者の住所に対応付けられた画像データを再生してもよい。なお、管理センターの職員等が画像データを収集する場合に限らず、地域に設置された防犯カメラ等の画像データがサーバ装置20に登録されてもよい。上記のような対応により、サーバ装置20は、被災者(避難者)の自宅近辺の様子を提供することができる。
サーバ装置20は、被災者による罹災証明書の申請をサポートしてもよい。この場合、サーバ装置20は、被災者支援部221を備える(図34参照)。上述のように、サーバ装置20は、住民の登録をする際、身分証明書により当該住民の身元を確認することができる。身元が確認された住民の住民情報が登録されている場合、被災者支援部221は、避難所等に設置された端末から罹災証明書の申請者の生体情報を取得する。被災者支援部221は、申請者の生体認証に成功すると、申請者の身元を証明するような書類を出力(印刷)する。被災者は、当該書類を身元証明書の代わりとして用いて罹災証明書の発行を申請すればよい。
上記実施形態では、受付端末10からサーバ装置20に「顔画像」に係る生体情報が送信される場合について説明した。しかし、受付端末10等からサーバ装置20に「顔画像から生成された特徴量」に係る生体情報が送信されてもよい。サーバ装置20は、取得した特徴量(特徴ベクトル)を用いて住民情報データベースに登録された特徴量との間で照合処理を実行してもよい。
上記実施形態では、サーバ装置20の内部に住民情報データベースや避難者リストが構成される場合について説明したが、これらのデータベース等は外部のデータベースサーバ等に構築されてもよい。即ち、サーバ装置20の一部の機能は別のサーバに実装されていてもよい。
上記実施形態では、住民情報データベースとは異なる避難者リストを用いて避難者を管理することを説明した。しかし、避難者の管理は住民情報データベースを用いて行われてもよい。具体的には、住民情報データベースは、避難者の避難場所や収容エリアに関するフィールドを有していればよい。サーバ装置20は、住民情報データベースの避難場所フィールド等を用いて避難者の管理を行ってもよい。
上記実施形態では、受付端末10等がサーバ装置20から取得した情報に基づいて避難者(被認証者)に通知するメッセージを変更する場合について説明した。しかし、サーバ装置20が認証処理の結果や避難者の収容先、体調等に応じたメッセージを生成し、当該メッセージを受付端末10等に送信してもよい。即ち、受付端末10をはじめとした避難所で用いられる端末は、カメラ機能、メッセージ出力機能等を有するシンプルな構成であってもよい。
サーバ装置20は、受付端末10等から取得した顔画像を生体認証とは異なる用途に利用してもよい。例えば、サーバ装置20は、取得した顔画像を解析し、被認証者がマスクを着用しているか否かを判定する。サーバ装置20は、判定結果を避難者リスト等で管理する。サーバ装置20は、避難者リストに記憶されたマスク着用判定の結果を解析し、マスク着用率を算出してもよい。また、サーバ装置20は、算出されたマスク着用率に基づいて各避難所に配布するマスクの数等を算出してもよい。
なお、マスク着用率は、避難者の収容先の決定に用いられてもよい。サーバ装置20は、収容エリアごとのマスク着用率を計算し、当該マスク着用率に応じて避難者の収容先を決定してもよい。例えば、サーバ装置20は、マスク着用率が高い収容エリアを優先的に収容先として選択してもよい。即ち、収容エリアの密度が高くてもマスク着用率が高い収容エリアであれば感染症の蔓延リスクは相対的に低いと考えられるので、サーバ装置20は、当該収容エリアを避難者の収容先として選択してもよい。
第2の実施形態において、認証失敗者の身元を確認する際には、サーバ装置20は、認証失敗者の生体情報(顔画像、特徴量)を一時的に保持してもよい。この場合、サーバ装置20は、一時的に保持した生体情報と受付端末10から取得した生体情報(チップ顔画像)を用いた照合処理を実行してもよい。
第3の実施形態では、1つの生命情報(体表面温度)を用いて被認証者の体調を判定することを説明した。しかし、被認証者の体調は、複数の生命情報を用いて総合的に判定されてもよい。例えば、生命情報(複数の生命情報の組み合わせ)に体調に関するラベルが付与された教師データを用いた機械学習により学習モデルを用意する。サーバ装置20は、当該学習モデルに被認証者の生命情報を入力することで、体調を取得してもよい。なお、学習モデルの生成には、サポートベクタマシン、ブースティングやニューラルネットワーク等の任意のアルゴリズムを用いることができる。なお、上記サポートベクタマシン等のアルゴリズムは公知の技術を使用することができるので、その説明を省略する。
上記実施形態では、サーバ装置20が、複数の収容エリアから1つの収容エリアを選択し、避難者に通知する場合を説明した。しかし、サーバ装置20は、受付端末10に対し、避難者を収容可能な収容エリアのリストを送信し、避難者が収容エリアを選択可能としてもよい。例えば、受付端末10は、避難所を模したマップ情報に収容エリアを表示し、避難者が収容エリアを選択可能とするようなGUIを表示してもよい。受付端末10は、避難者が選択した収容エリアをサーバ装置20に送信する。サーバ装置20は、取得した収容エリアを用いて避難者の収容先を管理する。
第2の実施形態等では、避難者の身元を確認する際、身分証明書のICチップから読み出された顔画像(チップ顔画像)が用いられる場合について説明した。しかし、チップ顔画像に替えて、身分証明書に記載された顔写真が身元確認に用いられてもよい。当該顔写真は、スキャナ等により取得されてもよい。
サーバ装置20は、事前登録をして避難所に収容された住民と、事前登録をせず避難所で身分証明書を提示することで避難所に収容された住民と、を区別して管理、記憶してもよい。また、サーバ装置20は、当該情報(事前登録して収容、事前登録せずに収容)を解析し、事前登録をする住民、事前登録をしない住民の傾向、特徴等を示すデータを生成してもよい。例えば、サーバ装置20は、年代別、地域別等で事前登録をする住民、しない住民の割合等を生成してもよい。サーバ装置20は、生成したデータ(統計情報)を管理センターの職員(自治体)等に提供してもよい。
サーバ装置20からの情報提供に関し、サーバ装置20は、1つの避難所の管理に有益な情報提供をしてもよい。例えば、サーバ装置20は、体調不良者(発熱者)が収容されている収容エリアをフロアマップ上で強調して表示してもよい(図35参照)。あるいは、サーバ装置20は、体調不良者を特定できるようマップ上にマーカー等を表示したりしてもよい。あるいは、サーバ装置20は、複数の避難所の管理に有益な情報提供をしてもよい。例えば、サーバ装置20は、体調不良者が数多く収容されている避難所をマップ上で強調するような表示を行ってもよい(図36参照)。
上記説明で用いた流れ図(フローチャート、シーケンス図)では、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。実施形態では、例えば各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
上記の実施形態は本願開示の理解を容易にするために詳細に説明したものであり、上記説明したすべての構成が必要であることを意図したものではない。また、複数の実施形態について説明した場合には、各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。例えば、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることや、実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、実施形態の構成の一部について他の構成の追加、削除、置換が可能である。
上記の説明により、本発明の産業上の利用可能性は明らかであるが、本発明は、自治体等に構築される避難所管理システムなどに好適に適用可能である。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
避難所に設置された受付端末から避難者の生体情報を取得し、前記取得された生体情報と予め記憶された複数の住民それぞれの生体情報を用いて生体認証を行う、認証部と、
前記生体認証に成功したことに応じて前記避難所に受け入れられた避難者を避難者リストにより管理する、管理部と、
前記生体認証の認証失敗者が前記受付端末に提示する身分証明書から得られる情報を取得し、前記取得された情報に基づき前記認証失敗者の身元確認を行う、確認部と、
を備え、
前記管理部は、前記身元確認に成功した認証失敗者を前記避難所に受け入れられた避難者として、前記避難者リストを用いて管理する、サーバ装置。
[付記2]
前記確認部は、前記身分証明書に搭載されたICチップから得られる情報を用いて前記認証失敗者の身元確認を行う、付記1に記載のサーバ装置。
[付記3]
前記確認部は、前記受付端末から取得した前記認証失敗者の生体情報と、前記ICチップに記録された生体情報を用いて前記認証失敗者の身元確認を行う、付記2に記載のサーバ装置。
[付記4]
前記管理部は、前記避難所における少なくとも1以上の収容エリアのなかから前記生体認証に成功した認証成功者又は前記身元確認に成功した認証失敗者の収容先を決定する、付記1乃至3のいずれか一に記載のサーバ装置。
[付記5]
前記生体情報は、顔画像又は前記顔画像から生成された特徴量である、付記1乃至4のいずれか一に記載のサーバ装置。
[付記6]
前記複数の住民それぞれの生体情報を記憶する、住民情報データベースをさらに備え、
前記住民情報データベースは定期的又は所定のタイミングで更新される、付記1乃至5のいずれか一に記載のサーバ装置。
[付記7]
避難所に設置された受付端末と、
前記受付端末と接続されたサーバ装置と、
を含み、
前記サーバ装置は、
前記受付端末から避難者の生体情報を取得し、前記取得された生体情報と予め記憶された複数の住民それぞれの生体情報を用いて生体認証を行う、認証部と、
前記生体認証に成功したことに応じて前記避難所に受け入れられた避難者を避難者リストにより管理する、管理部と、
前記生体認証の認証失敗者が前記受付端末に提示する身分証明書から得られる情報を取得し、前記取得された情報に基づき前記認証失敗者の身元確認を行う、確認部と、
を備え、
前記管理部は、前記身元確認に成功した認証失敗者を前記避難所に受け入れられた避難者として、前記避難者リストを用いて管理する、避難所管理システム。
[付記8]
前記認証部は、前記避難者の生体認証に失敗したことを前記受付端末に通知し、
前記受付端末は、前記生体認証の失敗の通知を受信したことに応じて、前記認証失敗者に対し身分証明書の提示を要求する、付記7に記載の避難所管理システム。
[付記9]
前記受付端末は、前記身分証明書に搭載されたICチップから得られる情報を含む避難者登録要求を前記サーバ装置に送信し、
前記確認部は、前記避難者登録要求に含まれる情報を用いて前記認証失敗者の身元確認を行う、付記8に記載の避難所管理システム。
[付記10]
前記避難者登録要求は、前記認証失敗者の生体情報と、前記身分証明書の発行を受けた住民の生体情報と、を含み、
前記確認部は、前記認証失敗者の生体情報と前記身分証明書の発行を受けた住民の生体情報を用いた照合処理により前記身元確認を行う、付記9に記載の避難所管理システム。
[付記11]
前記管理部は、前記避難所における少なくとも1以上の収容エリアのなかから前記生体認証に成功した認証成功者又は前記身元確認に成功した認証失敗者の収容先を決定すると共に、前記決定された収容先を前記受付端末に通知し、
前記受付端末は、前記通知された収容先に関するメッセージを出力する、付記7乃至10のいずれか一に記載の避難所管理システム。
[付記12]
前記受付端末は、前記身元確認に失敗した避難者又は前記身分証明書の提示ができない避難者に対して、所定のメッセージを通知する、付記7乃至11のいずれか一に記載の避難所管理システム。
[付記13]
前記避難者登録要求は、前記身分証明書の発行を受けた住民の個人情報を含み、
前記管理部は、前記身元確認に成功した認証失敗者の前記個人情報を前記避難者リストに記載する、付記10に記載の避難所管理システム。
[付記14]
サーバ装置において、
避難所に設置された受付端末から避難者の生体情報を取得し、前記取得された生体情報と予め記憶された複数の住民それぞれの生体情報を用いて生体認証を行い、
前記生体認証に成功したことに応じて前記避難所に受け入れられた避難者を避難者リストにより管理し、
前記生体認証の認証失敗者が前記受付端末に提示する身分証明書から得られる情報を取得し、前記取得された情報に基づき前記認証失敗者の身元確認を行い、
前記身元確認に成功した認証失敗者を前記避難所に受け入れられた避難者として、前記避難者リストを用いて管理する、サーバ装置の制御方法。
[付記15]
サーバ装置に搭載されたコンピュータに、
避難所に設置された受付端末から避難者の生体情報を取得し、前記取得された生体情報と予め記憶された複数の住民それぞれの生体情報を用いて生体認証を行う処理と、
前記生体認証に成功したことに応じて前記避難所に受け入れられた避難者を避難者リストにより管理する処理と、
前記生体認証の認証失敗者が前記受付端末に提示する身分証明書から得られる情報を取得し、前記取得された情報に基づき前記認証失敗者の身元確認を行う処理と、
前記身元確認に成功した認証失敗者を前記避難所に受け入れられた避難者として、前記避難者リストを用いて管理する処理と、
を実行させるためのプログラムを記憶する、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
なお、引用した上記の先行技術文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。即ち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得る各種変形、修正を含むことは勿論である。