JP7452489B2 - 高炉徐冷スラグの製造方法、コンクリート用粗骨材の製造方法、道路用路盤材の製造方法及び高炉徐冷スラグ - Google Patents

高炉徐冷スラグの製造方法、コンクリート用粗骨材の製造方法、道路用路盤材の製造方法及び高炉徐冷スラグ Download PDF

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Description

本発明は、高炉徐冷スラグの製造方法、コンクリート用粗骨材の製造方法、道路用路盤材の製造方法及び高炉徐冷スラグに関する。
高炉にて生成されるスラグは、冷却条件によってガラス質の高炉水砕スラグと結晶質の高炉徐冷スラグに分けられる。このうち、高炉徐冷スラグは、溶融状態のスラグを冷却ヤードに流し、自然放冷と適度の散水により徐冷処理が行われる。その後、破砕・篩い分け処理が行われ、必要に応じてエージング処理をした後、道路用路盤材やコンクリート用粗骨材として使用される。
また近年では、高炉操業に使われる高品位原料の枯渇の影響もあり、品質の劣る劣質原料を使用せざるを得ない状況となっている。原料の成分によっては、高炉の操業にて生成されるスラグ中のセレン含有量が増加することとなり、このため、徐冷されたスラグからのセレンの溶出量も増えることもある。
先に述べた通り、高炉徐冷スラグのその後の用途として、道路用路盤材やコンクリート用粗骨材としての用途が求められるものの、これらの用途として使用する場合には、日本工業規格「JIS K 0058-1 スラグ類の化学物質試験方法」や「環境庁告示第46号」によるセレンの溶出試験の基準値を満足する必要がある。
ここで、高炉徐冷スラグからのセレンの溶出対策として、例えば特許文献1には鉄鋼スラグを水の存在下で酸性ガスと接触させることによりセレンの溶出を抑制する方法が開示されている。また、特許文献2には、湿式処理によりスラグからセレンを除去する方法が開示されている。
特開2013-234111号公報 特開2019-162610号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示された技術は、冷却された徐冷スラグを対象として処理を施す方法であり、スラグ処理工程が増えてしまうという課題があった。
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたもので、溶融スラグの徐冷条件を制御することにより、徐冷後のスラグの処理工程の増加を抑制しながら、徐冷後のスラグからのセレンの溶出量の低減を実現することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は以下のとおりである。
[1]溶融状態の高炉スラグを冷却ヤードへ流出させてスラグ堆積物を形成させる堆積工程と、前記堆積工程で形成された前記スラグ堆積物の表面に、スラグ1トンあたり50L以上の水を散水する散水工程と、を有する高炉徐冷スラグの製造方法。
[2]前記散水工程の散水を停止した後、前記スラグ堆積物の表面が乾燥するまで放置する乾燥工程を更に有する[1]に記載の高炉徐冷スラグの製造方法。
[3]前記乾燥工程の後に更に前記堆積工程、前記散水工程を行い、前記乾燥工程、前記堆積工程、前記散水工程を1サイクルとして、前記サイクルを1回以上繰り返し、層状のスラグ堆積物を形成する[2]に記載の高炉徐冷スラグの製造方法。
[4][1]~[3]のいずれか1つに記載の高炉徐冷スラグの製造方法により製造した高炉徐冷スラグを破砕し篩い分けするコンクリート用粗骨材の製造方法。
[5][1]~[3]のいずれか1つに記載の高炉徐冷スラグの製造方法により製造した高炉徐冷スラグを破砕処理し、更にエージング処理をすることにより製造する道路用路盤材の製造方法。
[6]空隙面積が4.5%以下である高炉徐冷スラグ。
本発明に係る高炉徐冷スラグの製造方法を用いることで、溶融状態の高炉スラグの徐冷条件が最適化され、徐冷スラグからのセレンの溶出量の低減及び徐冷スラグのその後の処理工程の増加を抑制できる。その結果、道路用路盤材やコンクリート用粗骨材として使用することができる。また、吸水率が低い高品質な骨材が得られるという効果も奏する。
スラグの空隙面積とセレン溶出量との関係を示すグラフである。 スラグ内部に発生する空隙の状態を示す模式図である。 冷却ヤードにおけるスラグ堆積物の徐冷方法を示す模式図である。 空冷時間と空隙面積との関係を示すグラフである。 画像解析を用いた発明例と比較例との比較結果の一例を示す図である。
本発明者らは、溶融状態の高炉スラグの徐冷条件が、徐冷後の高炉スラグからのセレンの溶出に影響することを見出して本発明を完成させた。以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明する。
図1は、スラグの空隙面積とセレン溶出量との関係を示すグラフである。図1の横軸は、スラグの空隙面積(%)である。スラグの空隙面積(%)とは所定のスラグの断面積内に存在する面積(空隙面積/スラグ面積×100)をいう。この空隙面積の画像上の具体例は後述の実施例にて説明する。図1の縦軸は、セレンの溶出量(mg/L)であり、環境庁告示46号法に準じて測定される溶出量である。図1に示すように、スラグの空隙面積が小さいほど、スラグからのセレンの溶出量が少なくなる。
スラグ内における空隙は硫黄系ガスの発生により形成される。スラグの状態が液相と固相との混合状態ではスラグの見かけ粘度が高いため、内部にて発生したガスが外部に抜けにくく、徐冷後は、空隙として存在することとなる。したがって、スラグ内の空隙を小さくするには、液相と固相との混合状態が維持される温度域を速く徐冷すること、すなわち液相と固相との混合状態の温度域で硫黄系ガスの発生量を少なくすることが有効である。また高炉スラグにおいて、液相と固相との混合状態が維持される温度域は、おおよそ1200℃から1350℃である。
次に、高炉徐冷スラグにおけるセレンの溶出状況について、図2を用いて説明する。図2は、スラグ内部に発生する空隙の状態を示す模式図である。図2(a)はスラグの内部における空隙(図中の凹部)が小さい(少ない)状態を示し、図2(b)は空隙が大きい(多い)状態をそれぞれ示す。図2に示すように、スラグ表面とその周囲の水との接触面積は、空隙の小さい(少ない)方が小さくなり、空隙の大きい(多い)方が大きくなる。
セレンの溶出は、周囲に存在する水を介してスラグの外部に溶出するので、水との接触面積が小さくなれば水を介して外部に溶出するセレンの量が少なくなる。更に、スラグ内部の空隙を少なくすることで、吸水率の低い高品質な徐冷スラグとなる。そして、空隙が小さい(少ない)状態であれば、空隙表面におけるセレンの濃化の影響が小さくなるため、セレンの溶出が抑制される。
次に、本実施形態に係るスラグの徐冷方法について、図3を用いて説明する。図3(a)~(b)は従来のスラグ徐冷方法を、図3(c)~(e)は本発明に係るスラグ徐冷方法を、それぞれ簡易的な模式図として示す。
まず従来のスラグ徐冷方法は、図3(a)~(b)に示す通り、冷却ヤード1に溶融状態のスラグを数日間(例えば、3~30日間)にわたって、高炉から排出される度に流し込むことでスラグ堆積物2を積層(図3(a)参照)し、その後、図3(b)に示す通り、約1.2mの高さに積層されたスラグ堆積物(例えば、約1500トン)の最上層の上方から、放水銃等の水供給装置3から放出された冷却水4を流すことで、全てのスラグ堆積物を一度に徐冷する方法を採っていた。
これに対し、本実施形態に係るスラグの徐冷方法は、図3(c)に示す通り、溶融状態の高炉スラグを冷却ヤード1に流してスラグ堆積物2を形成した後に、スラグ1トンあたり50L以上の冷却水4を散水する。
スラグの堆積工程は、溶融スラグを複数回に分けて流してもよい。高炉から冷却ヤード1までスラグを搬送する際には、高炉の一回の出銑で排出される数十tから数百tのスラグが複数のスラグ鍋などに分けて搬送される。そして、それらのスラグ鍋から順番に冷却ヤード1へ流されるため、スラグ鍋を入れ替える間にスラグの流出が途切れて空冷状態の期間が生じる。この空冷状態の期間も含めて堆積工程とする。さらには、高炉での一回の出銑に限らず、複数回の出銑で排出されるスラグを堆積する期間を堆積工程としてもよい。
堆積工程は、最後のスラグが流されたスラグ堆積物2の表面が固まった時点までとする。溶融状態のスラグを冷却ヤード1に流した直後、つまりスラグ堆積物2の表面が未だ流動している間はスラグ層の表面が固まりきっていないため、その状態で散水を開始すると、散水された水が溶融スラグ層の内部に入り込み、水蒸気爆発の危険を生じるため好ましくない。スラグ堆積物2の表面が固まり散水を開始できるまでの時間は、冷却ヤード1に流されるスラグの温度によるものの、通常は、流し終わってから15分程度経過すれば散水を開始できる。
このため本実施形態では、冷却ヤード1にスラグを流出させてから少なくとも15分以上空冷し、スラグ堆積物2の表面を固化させてから、散水を開始する。なお、48時間を超えて空冷すると、スラグの内部の固化が進行し、1200℃から1350℃の温度域の徐冷測度を制御する効果が低減してしまう。空冷の好ましい時間は、30分から24時間である。
図4は、空冷時間と空隙面積との関係を示すグラフである。本実施形態では空冷時間の下限を15分以上としており、これは先述した通り、15分未満の空冷時間ではスラグ層の表面から内部に散水が入り込み、水蒸気爆発の発生の恐れがあるためである。また本実施形態では空冷時間の上限を48時間以下としており、図4に示される通り、48時間を超えた空冷を実施することでスラグ内の空隙面積が大きく(グラフ内の傾きが大きく)なり、多くのセレンが溶出する恐れがあるためである。
また散水量をスラグ1トンあたり50L以上としたのは、50L未満ではセレンの溶出低減に十分な効果が得られないためである。そして、散水時間については特に限定するものではないものの1時間以上とすることが好ましく、3時間以上とすることがより好ましい。
スラグの徐冷時における温度については、おおよそ1200℃から1350℃の温度域でできる限り多くの水を散水することが重要である。したがって、この温度域でスラグ1トンあたり50L以上散水することが好ましい。ただし、水と接触するスラグの表面は温度が下がりやすい一方、スラグの内部の温度は下がりにくいため、スラグの表面の温度が1200℃に下がった後でも散水を続けることが好ましい。
さらに本実施形態では、スラグの表面への散水が停止された後、所定時間放置することで、スラグの堆積物の表面は内部の熱により乾燥(乾燥工程)させることができる。
本実施形態では、溶融状態の高炉スラグを冷却ヤードに流し、15分以上空冷することによりスラグ層の表面を固化させる。このときスラグ層の内部は、液相のみの状態、又は液相と固相の両相が存在した状態となる。この状態でスラグ1トンあたり50L以上の水を散水することにより、徐冷後のスラグからのセレンの溶出を低減させることができる。
更に本実施形態では、図3(d)~(e)に示す通り、冷却ヤード1へ流出させたスラグ堆積物2の徐冷(図3(c)参照)の後に、スラグ堆積物2の表面を乾燥させてもよい。また、表面が乾燥した当該スラグ堆積物2の上に、さらに溶融スラグを流出させて新たなスラグ堆積物を積層させたスラグの堆積物としてもよい。
具体的には、溶融状態の高炉スラグの冷却ヤードへの流出によるスラグ堆積物の「堆積工程」、スラグ堆積物へ水を散水する「散水工程」を経たスラグ堆積物の表面を乾燥させる「乾燥工程」を実施し、この表面が乾燥したスラグ堆積物の上に更に「堆積工程」及び「散水工程」を施し、この「乾燥工程」、「堆積工程」、「散水工程」の3工程を1サイクルとし、このサイクルを1回以上繰り返して層状のスラグ堆積物を積層することにより、その都度形成されるスラグ堆積物に対し、液相と固相の混合状態の温度域にて速く徐冷することができるだけでなく、冷却ヤードを効率的に運用することができる。
また徐冷後のスラグ堆積物は、ショベル等により冷却ヤードから移動させる作業が必要となるため、1層毎にショベル等により移動することとなると多くのヤードが必要となる。これに対し本発明では、少ない冷却ヤードで効率的に運用することが可能となる。
そして敷地面積の制限を受ける冷却ヤードにて効率的に本発明を運用するためには、スラグ堆積物の厚みを0.3~3mとすることが好ましい。0.3m以下では前述したようにショベル等により移動する頻度が増えてしまい、また3mを超えるとショベル等により移動する頻度が少ないものの、ショベル等での作業がしにくく効率が低下することになり好ましくない。
本実施形態における空冷時間は、堆積工程において溶融状態の高炉スラグを冷却ヤードに最初に流し始めた時間から散水開始までの時間のことを意味する。例えば、ある日の6時に1回目の溶融スラグを流し始めた後、12時に2回目を流し始め、15時から散水を開始した場合の空冷時間は9時間となる。「乾燥工程」、「堆積工程」及び「散水工程」のサイクルを繰り返す場合は、各サイクル毎の高炉スラグを流出し始めた時間から散水開始までの時間のことを意味する。
本実施形態に係る徐冷スラグの製造方法を施した高炉スラグを破砕・篩い分けすることにより、「JIS A 5011-1 コンクリート用スラグ骨材 第1部:高炉スラグ骨材」のうち、高炉スラグ粗骨材(コンクリート用粗骨材)を製造することができる。具体的には、高炉スラグ粗骨材の吸水率は、区分Lが6.0%以下、区分Nが4.0%以下と規定されており、本発明に係る方法により製造した徐冷スラグは、空隙が少ない、即ち吸水率が低い良好な骨材となる。
そして、本実施形態に係る方法により徐冷した高炉スラグを破砕処理し、必要に応じて篩い分け等により粒度調整をし、さらにエージング処理をすることにより「JIS 5015 道路用鉄鋼スラグ」に関する道路用路盤材を製造することができる。
以上説明したように、本発明に係る高炉徐冷スラグの製造方法では、溶融状態の高炉スラグを冷却ヤードに流出させることでスラグ堆積物を形成し、15分以上又は48時間以下空冷した後、スラグ1トンあたり50L以上の水を散水することにより、セレンの溶出量を低減するとともに吸水率が低い緻密なスラグを製造することができる。
以下、本実施形態に係るスラグの製造方法を用いてスラグを製造した実施例を説明する。
本実施例では、徐冷スラグの製造時におけるサイクル数、スラグ堆積物の厚み、空冷時間、散水量を変えて高炉徐冷スラグを製造した。サイクルは前述したように溶融状態のスラグに対する「乾燥工程」、「堆積工程」及び「散水工程」の3工程を1サイクルとし、これを所定回数繰り返して実施した。空冷時間及び散水量の値については、2サイクル以上実施した場合にはその平均値を採用した。
徐冷後のスラグは、冷却ヤードからショベルで移動させた後、破砕処理し試料とした。試料は、環境庁告示46号法によるセレンの溶出試験に基づきセレン溶出量を測定した。また、樹脂埋め及び研磨を施し、顕微鏡観察における画像解析により空隙面積を求めた。更に、破砕後のスラグに対して20~5mmの篩い分けを行い、「JIS A 1110 粗骨材の密度及び吸水率試験方法」により吸水率を測定した。
画像解析は、次の1~4の方法により実施した。
1.破砕後の粒径5~15mmを樹脂に埋め込む。
2.顕微鏡観察ができるよう研磨を実施。
3.約100倍(おおよそ縦0.075×横0.1mm)で写真撮影。
4.画像解析ソフトウェアにより空隙面積を算出。
空隙面積の算出については、各冷却条件について5つのスラグ粒子の空隙面積を算出し、そのうち最大と最小の値を除いた3つのスラグ粒子の平均値で空隙面積を表した。
また本実施例において空隙面積の算出は、上記の方法にて撮影された写真面積に対する空隙箇所の合計面積の割合(%)として算出した。高炉徐冷スラグの製造条件、空隙面積、セレン溶出量、粗骨材の吸水率を表1に示す。
Figure 0007452489000001
図5(a)に示す画像は、表1における発明例6の画像解析結果を示すものであり、発明例6における徐冷条件は空冷時間が0.25h、散水量が200L/t-スラグとなっている。その結果、空隙面積が0.5%、セレン溶出量が0.003mg/Lとなっている。
また図5(b)に示す画像は、表1における比較例4の画像解析結果を示すものであり、比較例4における徐冷条件は空冷時間が0.25h、散水量が10L/t-スラグとなっている。その結果、空隙面積が7.9%、セレン溶出量が0.017mg/Lとなっている。
つまり高炉スラグの徐冷条件、特に散水量の違いに起因して、空隙の面積(図面中の黒い空隙部分)に大きな差異が生じ、この結果、セレン溶出量についても差が生じたことが確認できた。
次に、表1に示す発明例-1~発明例-15、比較例-1~比較例-6に係る実施例について説明する。
発明例-1~発明例-3は、サイクル数1回、スラグ堆積物の厚み1m、散水量200L/t-スラグとし、空冷時間を3~48時間の範囲で変えたものである。セレン溶出量は0.004mg/L~0.007mg/Lであり、何れも土壌環境基準値の0.01mg/L以下を満足した。ただし、空冷時間が短いほどセレン溶出量が低下した。この結果から、空冷時間は短い方が好ましいことが確認された。
発明例-1、発明例-4、発明例-5は、散水量を50L/t-スラグ~200L/t-スラグの範囲で変えたものである。セレン溶出量は何れも0.01mg/L以下を満足した。また、散水量が多いほど溶出量が低い傾向がみられた。この結果から、散水量は多い方が好ましいことが確認された。
発明例-6~発明例-8は、スラグ堆積物の厚みや空冷時間、散水量を変えたものである。セレン溶出量は何れも0.01mg/L以下であった。
発明例-9~発明例-15は、サイクル数を2回から7回とし、その他の条件を変えたものである。セレン溶出量は何れも0.01mg/L以下であった。
一方、比較例-1~比較例-3は、空冷時間が48時間を超えたものであり、セレン溶出量は何れも0.01mg/Lを超えている。比較例-4~比較例-6は、散水量が50L/t-スラグ未満のものであり、セレン溶出量は何れも0.01mg/Lを超えている。また、粗骨材の吸水率も本発明例と比較し高い値となった。
以上から、本実施例である溶融状態の高炉スラグを冷却ヤードに流し、15分以上48時間以下空冷した後、スラグ1トンあたり50L以上の水を散水することにより、セレン溶出量が0.01mg/L以下となる高炉徐冷スラグが製造できることが確認された。
また、各発明例の粗骨材の吸水率は3.9%以下であり、「JIS A 5011-1 コンクリート用スラグ骨材 第1部:高炉スラグ骨材」の区分Nを満足する良質な粗骨材が得られた。さらに、破砕・粒度調整後に3か月間大気中でエージング処理をしたスラグは、「JIS 5015 道路用鉄鋼スラグ」に記載の粒度調整鉄鋼スラグMS-25およびクラッシャラン鉄鋼スラグCS-40の全ての規格を満足した。
更に、製造されたスラグは、空隙面積が4.5%以下であればセレン溶出量が0.01mg/L以下となり、空隙面積が4.5%以下のスラグはセレン溶出量が0.01mg/L以下に抑制できるスラグになることが確認された。
1 冷却ヤード
2 スラグ堆積物
3 水供給装置
4 冷却水

Claims (5)

  1. 溶融状態の高炉スラグを冷却ヤードへ流出させてスラグ堆積物を形成させる堆積工程と、
    前記堆積工程で形成された前記スラグ堆積物に対して15分以上48時間以下の空冷を行う工程と、
    前記堆積工程で形成された前記スラグ堆積物の表面に、スラグ1トンあたり50L以上200L以下の水を散水する散水工程と、
    を有する高炉徐冷スラグの製造方法。
  2. 前記散水工程の散水を停止した後、前記スラグ堆積物の表面が乾燥するまで放置する乾燥工程を更に有する請求項1に記載の高炉徐冷スラグの製造方法。
  3. 前記乾燥工程の後に更に前記堆積工程、前記散水工程を行い、前記乾燥工程、前記堆積工程、前記散水工程を1サイクルとして、前記サイクルを1回以上繰り返し、層状のスラグ堆積物を形成する請求項2に記載の高炉徐冷スラグの製造方法。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の高炉徐冷スラグの製造方法により製造した高炉徐冷スラグを破砕し篩い分けするコンクリート用粗骨材の製造方法。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載の高炉徐冷スラグの製造方法により製造した高炉徐冷スラグを破砕処理し、更にエージング処理をすることにより製造する道路用路盤材の製造方法。
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當房博幸,「鉄鋼スラグを有効活用するための密度および形状を制御する冷却凝固プロセスの開発に関する研究」,日本,大阪大学,2014年01月,第31~76ページ

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