JP7451770B2 - たばこ香味液の製造方法、たばこ香味液、たばこ添加物、および香味吸引器 - Google Patents

たばこ香味液の製造方法、たばこ香味液、たばこ添加物、および香味吸引器 Download PDF

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Description

本発明は、たばこ香味液の製造方法、たばこ香味液、たばこ添加物、および香味吸引器に関する。
たばこ植物の葉は、収穫された後、農家での乾燥工程、その後の原料工場での1年ないし数年の長期熟成工程、およびその後の製造工場でのブレンドおよび裁刻など種々の加工処理を経た後に、シガレットなどの香味吸引器の製造に使用される。これら種々の加工処理工程を経ることにより、たばこ植物の葉は、香り豊かなたばこ材料となる。かかるたばこ材料は、たばこ植物の葉と区別して、「葉たばこ」と呼ばれる。葉たばこは、それ自体を香味吸引器の香味源として使用してもよいし、葉たばこからたばこ香味成分を抽出し、得られたたばこ抽出液を香味吸引器の香味源として使用してもよい。
葉たばこには種々の香味成分が含まれているが、葉たばこやたばこ抽出液に対して、香味成分を増加させるための化学的処理や生物学的処理を行うことが知られている。例えば、特許文献1は、たばこ粒子から、加香された再構成たばこを調製する方法を開示し、この方法では、たばこ粒子を水で抽出して抽出液と残渣とを得て、その後、得られた抽出液を酵母で発酵させて発酵液を調製し、得られた残渣から再構成たばこを調製し、発酵液を再構成たばこに添加して、加香された再構成たばこを調製する。
米国特許第4895175号
本発明は、香味成分などの有用成分を増強したたばこ抽出液に関する技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、たばこ抽出液中で酵母を培養して、酵母に有用成分を生産させた場合、有用成分の多くが酵母の菌体内にとどまり、たばこ抽出液に十分に放出されないことに着目し、この点を改良して本発明を完成させるに至った。
すなわち、1つの側面によれば、
たばこ材料から前記たばこ材料に含まれる水溶性成分を水性溶媒で抽出して、たばこ抽出液を得ることと、
酵母を前記たばこ抽出液中で培養して、酵母含有培養液を得ることと、
前記酵母含有培養液に含有される前記酵母から、有機溶媒を含む溶出溶媒を用いて、前記酵母の菌体内に含まれる有用成分の溶出を行って、前記有用成分と、培養後の前記たばこ抽出液とを含むたばこ香味液を得ることと
を含む、たばこ香味液の製造方法が提供される。
別の側面によれば、前述の方法により製造されるたばこ香味液が提供される。
更に別の側面によれば、
前述の方法により製造されるたばこ香味液と、
前述の方法においてたばこ抽出液を得る際に得られるたばこ残渣と
を含むたばこ添加物が提供される。
更に別の側面によれば、前述のたばこ香味液または前述のたばこ添加物を含む香味吸引器が提供される。
本発明によれば、香味成分などの有用成分を増強したたばこ抽出液に関する技術が提供される。
図1は、たばこ香味液の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図2は、たばこ香味液の製造方法の別の例を示すフローチャートである。 図3は、燃焼型香味吸引器の一例を示す断面図である。 図4は、加熱型香味吸引器の一例を示す斜視図である。 図5は、たばこスティックの内部構造を示す図である。 図6は、エアロゾル生成装置の内部構造を示す図である。 図7は、第1実施形態の方法の溶出工程(S4)における酵母の様子を示す顕微鏡画像である。 図8は、たばこ香味液中の脂肪酸の濃度を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明を説明することを目的とし、本発明を限定することを意図しない。
<1.たばこ香味液の製造方法>
たばこ香味液の製造方法は、
たばこ材料から前記たばこ材料に含まれる水溶性成分を水性溶媒で抽出して、たばこ抽出液を得ることと、
酵母を前記たばこ抽出液中で培養して、酵母含有培養液を得ることと、
前記酵母含有培養液に含有される前記酵母から、有機溶媒を含む溶出溶媒を用いて、前記酵母の菌体内に含まれる有用成分の溶出を行って、前記有用成分と、培養後の前記たばこ抽出液とを含むたばこ香味液を得ることと
を含む。
この方法では、酵母が生産した有用成分をたばこ抽出液に溶出させるため、「有用成分を増強したたばこ抽出液」が得られる。本明細書では、「香味成分などの有用成分を増強したたばこ抽出液」を「たばこ香味液」と呼ぶ。
上記方法の第1実施形態において、たばこ香味液を得ることは、
前記酵母含有培養液と、有機溶媒を含む溶出溶媒とを混合し、得られた混合物に含有される前記酵母から、前記酵母の菌体内に含まれる有用成分を、前記混合物の液体部分に溶出させて、有用成分溶出液を得ることと、
必要ならば、前記有用成分溶出液から前記酵母を除去して、酵母フリーの有用成分溶出液を得ること
により行うことができる。第1実施形態では、酵母を含有する「有用成分溶出液」および「酵母フリーの有用成分溶出液」のそれぞれが、たばこ香味液に相当する。第1実施形態に係る方法は、以下の<1-1.第1実施形態>の欄で詳細に説明する。
上記方法の第2実施形態において、たばこ香味液を得ることは、
前記酵母含有培養液を、前記酵母と前記たばこ抽出液とに分離することと、
分離された前記酵母と、有機溶媒を含む溶出溶媒とを混合し、得られた混合物に含有される前記酵母から、前記酵母の菌体内に含まれる有用成分を、前記混合物の液体部分に溶出させて、有用成分溶出液を得ることと、
必要ならば、前記有用成分溶出液から前記酵母を除去して、酵母フリーの有用成分溶出液を得ることと、
前記有用成分溶出液または前記酵母フリーの有用成分溶出液と、分離された前記たばこ抽出液とを混合して、有用成分含有液を得ること
により行うことができる。第2実施形態では、有用成分溶出液から酵母を除去する工程を経ることなく調製された「有用成分含有液」および有用成分溶出液から酵母を除去する工程を経て調製された「有用成分含有液」のそれぞれが、たばこ香味液に相当する。第2実施形態に係る方法は、以下の<1-2.第2実施形態>の欄で詳細に説明する。
<1-1.第1実施形態>
第1実施形態によれば、たばこ香味液の製造方法は、
(S1)たばこ材料から前記たばこ材料に含まれる水溶性成分を水性溶媒で抽出して、たばこ抽出液を得ることと、
(S2)酵母を前記たばこ抽出液中で培養して、酵母含有培養液を得ることと、
(S4)前記酵母含有培養液と、有機溶媒を含む溶出溶媒とを混合し、得られた混合物に含有される前記酵母から、前記酵母の菌体内に含まれる有用成分を、前記混合物の液体部分に溶出させて、有用成分溶出液を得ることと、
(S5)必要ならば、前記有用成分溶出液から前記酵母を除去して、酵母フリーの有用成分溶出液を得ることと
を含む。
第1実施形態に係る方法を図1に示す。以下、第1実施形態に係る方法を、図1を参照しながら(S1)、(S2)、(S4)および(S5)の工程順に説明する。上述のとおり、酵母除去工程(S5)は、行ってもよいし行わなくてもよい。すなわち、酵母除去工程(S5)で得られた「酵母フリーの有用成分溶出液」をたばこ香味液として使用してもよいし、溶出工程(S4)で得られた「有用成分溶出液」を、酵母が残存したままの状態でたばこ香味液として使用してもよい。
[抽出工程(S1)]
抽出工程(S1)では、たばこ材料からたばこ材料に含まれる水溶性成分を水性溶媒で抽出して、たばこ抽出液を得る。抽出工程(S1)では、たばこ抽出液が得られるのと同時にたばこ残渣も得られる(図1参照)。
たばこ材料は、燃焼型または加熱型の香味吸引器などのたばこ製品に配合される準備が整ったたばこ刻を使用することができる。「たばこ製品に配合される準備が整ったたばこ刻」とは、農家での乾燥工程、その後の原料工場での1年ないし数年の長期熟成工程、およびその後の製造工場でのブレンドおよび裁刻など種々の加工処理を経て、たばこ製品に配合される準備が整ったたばこ刻を指す。
たばこ刻は、葉たばこの裁刻物である。たばこ刻は、除骨葉の刻、中骨の刻、再生たばこ(すなわち、工場の作業工程で生じる葉屑、刻み屑、中骨屑、細粉などを再使用可能な形状に加工したたばこ材料)の刻、またはこれらの混合物のいずれであってもよい。たばこ刻は、抽出効率を高めるために粉砕し、得られた粉砕物を抽出のために使用してもよい。
たばこ刻は、任意の品種のものを使用することができ、たとえば黄色種、バーレー種、オリエント種などのものを使用することができる。たばこ刻は、単一品種のものを使用してもよいし、異なる品種の混合物を使用してもよい。
水性溶媒としては、水または含水エタノールを使用することができる。含水エタノールとしては、例えば、エタノールと水との体積比1:1の混合物を使用することができる。水性溶媒は、一般的には水であり、好ましくは室温(例えば、約20℃)~70℃の水である。水性溶媒は、例えば、たばこ材料に対して500~5000質量%の量で使用することができる。
抽出は、例えば、たばこ材料を40~60℃の温水中で30~180分間浸漬するか、あるいは、たばこ材料を40~60℃の温水中で30~180分間振盪(例えば200rpm)することにより行うことができる。
また、抽出は、複数回の抽出操作を繰り返すことにより行ってもよい。具体的には、たばこ材料からたばこ材料に含まれる水溶性成分を水性溶媒で抽出し、その後、得られたたばこ残渣を新たな水性溶媒に入れて2回目の抽出操作を行い、更に必要に応じて、新たな水性溶媒での抽出操作を繰り返すことにより、抽出を行ってもよい。
抽出により、たばこ残渣とたばこ抽出液との混合物が得られる。たばこ抽出液は、たばこ材料に含まれる水溶性成分を含有する。「たばこ材料に含まれる水溶性成分」として、例えば、酵母の栄養源となる成分(例えば、糖類、アミノ酸、タンパク質、栄養塩類)や、たばこ香味に寄与する成分(例えば、有機酸、葉面樹脂、テルペノイド、ポリフェノール類)などが挙げられる。
抽出の後、たばこ残渣とたばこ抽出液とは分離され、たばこ抽出液は、たばこ香味液を得るための原料として使用される。一方、たばこ残渣は、最終的に得られたたばこ香味液と混合し、得られた混合物を適宜加工して、たばこ充填材を作製するために使用することができる。例えば、たばこ残渣は、最終的に得られたたばこ香味液と混合し、得られた混合物からシートたばこなどのたばこ成形体を作製するために使用してもよい。あるいは、たばこ残渣は、最終的に得られたたばこ香味液と混合し、得られた混合物を乾燥させ粉砕してたばこパウダーを作製するために使用してもよい。
[培養工程(S2)]
培養工程(S2)では、抽出工程(S1)で得られたたばこ抽出液中で酵母を培養して、酵母含有培養液を得る(図1参照)。
酵母は、たばこ抽出液中で培養した際に有用成分を生産することができれば、任意の種類の酵母を使用することができる。
本明細書において、「有用成分」は、最終的に得られるたばこ香味液にとって有用な成分を指す。有用成分は、例えば、たばこ香味液の香味に寄与する成分(以下、香味寄与成分という)であってもよいし、たばこ香味液を着色する成分(以下、着色成分という)であってもよいし、たばこ香味液の腐敗や発酵を防ぐ成分(以下、防腐成分という)であってもよい。
有用成分は、好ましくは香味寄与成分である。「香味寄与成分」は、香味を放出する香味成分であってもよいし、香味吸引器で加熱または燃焼されたときに香味成分に変換される前駆体であってもよい。
香味寄与成分としては、例えば、カロテノイド、脂肪酸、中性脂肪(すなわち、脂肪酸のグリセリンエステル)、酢酸エステル、脂肪酸エステル、有機酸、高級アルコール(例えば、炭素数8~22のアルコール)などが挙げられる。着色成分としては、例えば、カロテノイドが挙げられる。防腐成分としては、例えば、乳酸、脂肪酸配糖体、安息香酸などが挙げられる。
したがって、上述の有用成分を生産することが知られている酵母を、本発明の方法で使用することができる。
カロテノイドを生産する酵母としては、Rhodotorula属の酵母、例えばRhodotorula alborubescens、Rhodotorula araucariae、Rhodotorula babjevae、Rhodotorula dairenensis、Rhodotorula diobovata、Rhodotorula evergladensis、Rhodotorula glutinis、Rhodotorula graminis、Rhodotorula kratochvilovae、Rhodotorula mucilaginosa、Rhodotorula ngohengohe、Rhodotorula pacifica、Rhodotorula paludigena、Rhodotorula sinensis、Rhodotorula sphaerocarpa、Rhodotorula taiwanensis、Rhodotorula toruloides;Xanthophyllomyces属の酵母、例えばXanthophyllomyces australis、Xanthophyllomyces rhodozyma、Xanthophyllomyces tasmanicaが挙げられる。
脂肪酸を生産する酵母としては、Yarrowia属の酵母、例えばYarrowia alimentaria、Yarrowia bubula、Yarrowia deformans、Yarrowia divulgata、Yarrowia galli、Yarrowia hollandica、Yarrowia keelungensis、Yarrowia lipolytica、Yarrowia osloensis、Yarrowia parophoni、Yarrowia phangngaensis、Yarrowia porcina、Yarrowia yakushimensis;Lipomyces属の酵母、例えばLipomyces anomalus、Lipomyces arxii、Lipomyces chichibuensis、Lipomyces doorenjongii、Lipomyces japonicus、Lipomyces kockii、Lipomyces kononenkoae、Lipomyces lipofer、Lipomyces mesembrius、Lipomyces okinawensis、Lipomyces oligophaga、Lipomyces orientalis、Lipomyces smithiae、Lipomyces spencermartinsiae、Lipomyces starkeyiが挙げられる。
酢酸エステル、脂肪酸エステル、または高級アルコールを生産する酵母としては、Saccharomyces属の酵母、例えばSaccharomyces cerevisiae、Saccharomyces paradoxus、Saccharomyces bayanus、Saccharomyces uvarum、Saccharomyces arboricola;Cyberlindnera属の酵母、例えばCyberlindnera jadinii、Cyberlindnera saturnus、Cyberlindnera fabianii、Cyberlindnera suaveolens、Cyberlindnera americana、Cyberlindnera xylosilytyca;Wickerhamomyces属の酵母、例えばWickerhamomyces anomalus、Wickerhamomyces ciferri、Wickerhamomyces canadensisが挙げられる。
1種類の酵母がたばこ抽出液中で培養されてもよいし、2種類以上の酵母がたばこ抽出液中で培養されてもよい。また、酵母は、有用成分の生産量を増加するように遺伝的に改変された遺伝子組換え酵母であってもよい。
酵母の培養条件は、特に限定されず、使用する酵母の生育および有用成分の生産に適した条件を適宜選択することができる。培養に先立って、酵母は、たばこ抽出液に、例えば10~108細胞/mLの濃度で添加することができる。培養は、例えば10~40℃で、例えば5~168時間にわたって行うことができる。
たばこ抽出液は、酵母の栄養源となる成分や有用成分の原料となる成分が含まれており、酵母の生育および有用成分の生産に適した環境を提供することができる。このため、たばこ抽出液に追加の成分を添加する必要はない。ただし、本発明の方法は、たばこ抽出液に追加の成分を添加することを除外しない。
酵母をたばこ抽出液中で培養した後に得られる、酵母とたばこ抽出液との混合物を、本明細書では「酵母含有培養液」と呼ぶ。酵母含有培養液は、「培養前の酵母とたばこ抽出液の混合物」と比べると、酵母が生産した有用成分の量が増加している。また、酵母含有培養液は、「培養前の酵母とたばこ抽出液の混合物」と比べると、酵母が生育や有用成分の生産のために消費した物質の量が減少している。
[溶出工程(S4)]
溶出工程(S4)では、培養工程(S2)で得られた酵母含有培養液と、有機溶媒を含む溶出溶媒とを混合し、得られた混合物に含有される酵母から、酵母の菌体内に含まれる有用成分を、混合物の液体部分に溶出させる。これにより、有用成分溶出液を得る(図1参照)。
本明細書では、溶出工程を終えた後に得られる、酵母と溶出溶媒とを含有する混合物を「有用成分溶出液」と呼ぶ。
溶出溶媒としては、有機溶媒を含む溶出溶媒を使用することができる。溶出溶媒は、有機溶媒それ自体であってもよいし、有機溶媒と水との混合物であってもよい。溶出溶媒は、好ましくは、水と混和性を有する有機溶媒を含む溶出溶媒であり、より好ましくは、水と混和性を有するアルコールを含む溶出溶媒である。すなわち、好ましい溶出溶媒は、水と混和性を有するアルコール、またはその含水アルコールである。
溶出溶媒に含まれる有機溶媒は、好ましくは、10~14.5のSP値を有する有機溶媒であり、より好ましくは、10~14.5のSP値を有するアルコールである。溶出溶媒に含まれる有機溶媒の例として、エタノール、イソプロパノール、メタノール、またはブタノールが挙げられる。溶出溶媒に含まれる有機溶媒は、より好ましくは、エタノールまたはイソプロパノールであり、最も好ましくはエタノールである。すなわち、最も好ましい溶出溶媒は、エタノールまたは含水エタノールである。
SP値は、Hildebrand溶解度パラメータの値を指す。溶媒のSP値が高いほど、水との混和性が高いことを表す。SP値は、種々の溶媒で公知であり、例えば、エタノールのSP値は12.7、イソプロパノールのSP値は11.5、メタノールのSP値は14.5、ブタノールのSP値は11.4である。
溶出溶媒に含まれる有機溶媒は、1種類が使用されてもよいし、2種類以上が混合されて使用されてもよい。
溶出溶媒は、酵母含有培養液と溶出溶媒との混合液中の有機溶媒の濃度が、例えば50体積%以上、好ましくは50~95体積%、より好ましくは60~95体積%になる量で、酵母含有培養液に添加することができる。有機溶媒の濃度は、有用成分の溶出効率を考えて適宜調整することができる。本明細書において、「酵母含有培養液と溶出溶媒との混合液(mixed solution)」の用語は、酵母含有培養液の液体部分(すなわち、培養後のたばこ抽出液)と溶出溶媒との混合液を指し、酵母を含まない。
また、溶出溶媒は、酵母含有培養液に対して、例えば100~900体積%の量で添加することができる。溶出溶媒の添加量は、有用成分の溶出効率を考えて適宜調整することができる。
例えば、溶出溶媒としてエタノールまたは含水エタノールを使用し、有用成分として脂肪酸を溶出させたい場合、エタノールは、酵母含有培養液と溶出溶媒との混合液中のエタノールの濃度が、例えば50体積%以上、好ましくは50~90体積%、より好ましくは60~90体積%、更に好ましくは60~80体積%、最も好ましくは70体積%になる量で、酵母含有培養液に添加することができる。
例えば、溶出溶媒としてエタノールまたは含水エタノールを使用し、有用成分としてカロテノイドを溶出させたい場合、エタノールは、酵母含有培養液と溶出溶媒との混合液中のエタノールの濃度が、例えば50体積%以上、好ましくは50~90体積%、より好ましくは60~90体積%、更に好ましくは70~90体積%、更に好ましくは80~90体積%、最も好ましくは90体積%になる量で、酵母含有培養液に添加することができる。
溶出工程(S4)では、酵母含有培養液と溶出溶媒とを混合した後、得られた混合物に含有される酵母から、酵母の菌体内に含まれる有用成分を、混合物の液体部分に溶出させる。溶出は、酵母含有培養液と溶出溶媒との混合物を、必要であれば加熱しながら、所定期間にわたって撹拌することにより行うことができる。
溶出は、有用成分の溶出効率の観点で、混合物を撹拌しながら行うことが好ましいが、混合物を静置しながら行ってもよい。混合物を撹拌する場合、撹拌速度は、例えば60~300rpmとすることができる。
また、加熱により有用成分の溶出が促進される場合、溶出は、加熱しながら行ってもよいし、加熱による溶出の促進効果がみられない場合、溶出は、加熱することなく室温(例えば15~25℃)で行ってもよい。
溶出温度および溶出時間は、有用成分の溶出効率を考えて適宜調整することができる。
例えば、溶出溶媒としてエタノールまたは含水エタノールを使用し、有用成分として脂肪酸を溶出させたい場合、溶出は、混合物を室温(例えば15~25℃)で5~60分間にわたって撹拌することにより行うことができる。
例えば、溶出溶媒としてエタノールまたは含水エタノールを使用し、有用成分としてカロテノイドを溶出させたい場合、溶出は、混合物を80~95℃に加熱しながら、15~60分間にわたって撹拌することにより行うことができる。
[酵母除去工程(S5)]
酵母除去工程(S5)では、溶出工程(S4)で得られた有用成分溶出液から酵母を除去して、酵母フリーの有用成分溶出液を得ることができる(図1参照)。上述のとおり、酵母除去工程(S5)は、行ってもよいし、行わなくてもよい。
酵母の除去は、加圧濾過、減圧濾過、自然濾過、遠心分離、デカンテーションなどの一般的な方法により行うことができる。酵母を有用成分溶出液から除去した場合、酵母の代謝によりたばこ香味液の組成が変化する可能性をなくすことができ、たばこ香味液の品質安定性の点で好ましい。
酵母除去工程(S5)を行った場合、得られた「酵母フリーの有用成分溶出液」が、たばこ香味液に相当する。一方、酵母除去工程(S5)を行わなかった場合、「有用成分溶出液」が、たばこ香味液に相当し、酵母が残存している。
上述の方法は、たばこ香味液を得た後、たばこ香味液から有機溶媒を除去することを更に含んでいてもよい。有機溶媒の除去は、減圧濃縮、常圧濃縮、噴霧乾燥などの一般的な方法により行うことができる。
第1実施形態の方法は、溶出工程(S4)において酵母が容易に沈殿するため、酵母除去工程(S5)において酵母を容易に除去することができる点で優れている。この優れた効果は、後述の実施例1で実証されている。以下、この優れた効果を具体的に説明する。すなわち、溶出工程(S4)で、酵母含有培養液に、有機溶媒を含む溶出溶媒を添加すると、酵母含有培養液の液体部分(すなわち、培養後のたばこ抽出液)の極性が変わり、たばこ抽出液に溶解していた水溶性タンパク質が不溶化する。不溶化したタンパク質の存在により、たばこ抽出液に含まれる微生物(添加した酵母およびもともとたばこ抽出液に含まれている酵母やカビ等)の凝集が促進される。この凝集現象は、微生物の菌体のみが存在する条件下でも起こるが、微生物がタンパク質と共存する条件下において、より顕著に起こる。したがって、第1実施形態の方法では、凝集した微生物とタンパク質の複合体は、質量の増加により容易に沈殿してペレットを形成することができる。このように、第1実施形態の方法では、たばこ抽出液に含まれる水溶性タンパク質のおかげで、添加した酵母がペレットを形成し易く、当該ペレットを除去することにより、たばこ抽出液から酵母を容易に除去することができる。
<1-2.第2実施形態>
第1実施形態では、酵母をたばこ抽出液中で培養し、得られた酵母含有培養液を溶出溶媒と混合して有用成分の溶出を行うが、酵母含有培養液から酵母を分離し、分離された酵母を溶出溶媒と混合して有用成分の溶出を行うこともできる。
すなわち、第2実施形態によれば、たばこ香味液の製造方法は、
(S1)たばこ材料から前記たばこ材料に含まれる水溶性成分を水性溶媒で抽出して、たばこ抽出液を得ることと、
(S2)酵母を前記たばこ抽出液中で培養して、酵母含有培養液を得ることと、
(S3)前記酵母含有培養液を、前記酵母と前記たばこ抽出液とに分離することと、
(S4)分離された前記酵母と、有機溶媒を含む溶出溶媒とを混合し、得られた混合物に含有される前記酵母から、前記酵母の菌体内に含まれる有用成分を、前記混合物の液体部分に溶出させて、有用成分溶出液を得ることと、
(S5)必要ならば、前記有用成分溶出液から前記酵母を除去して、酵母フリーの有用成分溶出液を得ることと、
(S6)前記有用成分溶出液または前記酵母フリーの有用成分溶出液と、分離された前記たばこ抽出液とを混合して、有用成分含有液を得ることと
を含む。
第2実施形態に係る方法を図2に示す。以下、第2実施形態に係る方法を、図2を参照しながら(S1)~(S6)の工程順に説明する。以下の説明では、第1実施形態に係る方法と重複する部分についての説明は省略し、第1実施形態に係る方法と異なる部分を中心に説明する。
上述のとおり、酵母除去工程(S5)は、行ってもよいし行わなくてもよい。すなわち、酵母除去工程(S5)を行った場合には、混合工程(S6)で、「酵母フリーの有用成分溶出液」と「分離されたたばこ抽出液」とを混合して、「酵母フリーの有用成分含有液」が得られるため、かかる「酵母フリーの有用成分含有液」をたばこ香味液として使用することができる。一方、酵母除去工程(S5)を行わなかった場合には、混合工程(S6)で、「有用成分溶出液」と「分離されたたばこ抽出液」とを混合して、酵母が残存したままの状態で「有用成分含有液」が得られるため、かかる「有用成分含有液」をたばこ香味液として使用することができる。
[抽出工程(S1)]
抽出工程(S1)では、たばこ材料からたばこ材料に含まれる水溶性成分を水性溶媒で抽出して、たばこ抽出液を得る。抽出工程(S1)では、たばこ抽出液が得られるのと同時にたばこ残渣も得られる(図2参照)。抽出工程(S1)は、第1実施形態の方法で説明した抽出工程(S1)と同様に実施することができる。
[培養工程(S2)]
培養工程(S2)では、抽出工程(S1)で得られたたばこ抽出液中で酵母を培養して、酵母含有培養液を得る(図2参照)。培養工程(S2)は、第1実施形態の方法で説明した培養工程(S2)と同様に実施することができる。
[分離工程(S3)]
培養工程(S2)が完了したら、酵母含有培養液を、酵母とたばこ抽出液とに分離する(図2参照)。分離工程(S3)は、加圧濾過、減圧濾過、自然濾過、遠心分離、デカンテーションなどの一般的な方法により行うことができる。
[溶出工程(S4)]
溶出工程(S4)では、分離工程(S3)で分離された酵母と、有機溶媒を含む溶出溶媒とを混合し、得られた混合物に含有される酵母から、酵母の菌体内に含まれる有用成分を、混合物の液体部分に溶出させて、有用成分溶出液を得る(図2参照)。
溶出溶媒は、第1実施形態の方法で説明した溶出溶媒と同様のものを使用することができる。第1実施形態では、分離工程(S3)を含まないため、溶出溶媒は、酵母含有培養液(液体)と混合する。一方、第2実施形態では、溶出溶媒は、酵母(固体)と混合する。したがって、第2実施形態では、溶出溶媒中の有機溶媒の濃度は、溶出溶媒を酵母と混合した後も、希釈されることなくそのまま維持される。
第2実施形態において、溶出溶媒中の有機溶媒の濃度は、例えば50体積%以上、好ましくは50~100体積%、より好ましくは60~100体積%である。酵母と溶出溶媒との混合物中の有機溶媒の濃度も同様に、例えば50体積%以上、好ましくは50~100体積%、より好ましくは60~100体積%である。有機溶媒の濃度は、有用成分の溶出効率を考えて適宜調整することができる。
また、溶出溶媒は、酵母が由来する酵母含有培養液の量に対して、例えば35~100体積%の量で、分離された酵母に添加することができる。溶出溶媒の添加量は、有用成分の溶出効率を考えて適宜調整することができる。
例えば、溶出溶媒としてエタノールまたは含水エタノールを使用し、有用成分として脂肪酸を溶出させたい場合、溶出溶媒中のエタノールの濃度(すなわち、酵母と溶出溶媒との混合物中のエタノールの濃度)は、例えば50体積%以上、好ましくは50~100体積%、より好ましくは60~90体積%、更に好ましくは60~80体積%、最も好ましくは70体積%である。
例えば、溶出溶媒としてエタノールまたは含水エタノールを使用し、有用成分としてカロテノイドを溶出させたい場合、溶出溶媒中のエタノールの濃度(すなわち、酵母と溶出溶媒との混合物中のエタノールの濃度)は、例えば50体積%以上、好ましくは50~100体積%、より好ましくは60~100体積%、更に好ましくは70~100体積%、更に好ましくは80~100体積%、最も好ましくは90~100体積%である。
その他の溶出条件は、第1実施形態の方法で説明した溶出条件と同様の条件を採用することができる。
[酵母除去工程(S5)]
酵母除去工程(S5)では、溶出工程(S4)で得られた有用成分溶出液から酵母を除去して、酵母フリーの有用成分溶出液を得ることができる(図2参照)。上述のとおり、酵母除去工程(S5)は、行ってもよいし、行わなくてもよい。酵母除去工程(S5)は、第1実施形態の方法で説明した酵母除去工程(S5)と同様に実施することができる。
[混合工程(S6)]
酵母除去工程(S5)を行った場合、酵母除去工程(S5)で得られた酵母フリーの有用成分溶出液と、分離工程(S3)で分離されたたばこ抽出液とを混合して、酵母フリーの有用成分含有液を得る(図2参照)。得られた「酵母フリーの有用成分含有液」が、たばこ香味液に相当する。
一方、酵母除去工程(S5)を行わなかった場合、溶出工程(S4)で得られた有用成分溶出液と、分離工程(S3)で分離されたたばこ抽出液とを混合して、有用成分含有液を得る。得られた「有用成分含有液」が、たばこ香味液に相当し、酵母が残存している。
上述の方法は、第1実施形態の方法と同様、たばこ香味液を得た後、たばこ香味液から有機溶媒を除去することを更に含んでいてもよい。
<1-3.効果>
本発明に従って、たばこ抽出液中で酵母を培養し、酵母の菌体から香味成分などの有用成分をたばこ抽出液に溶出させると、香味成分などの有用成分を増強したたばこ抽出液(本明細書では、たばこ香味液という)を製造することができる。
本発明の方法は、酵母の菌体内に含まれる有用成分をたばこ抽出液に溶出させる工程を含むため、最終的に得られるたばこ香味液は、多量の有用成分を含むことができる。また、本発明の方法は、酵母の菌体を破砕することなく、酵母の菌体内に含まれる有用成分の溶出を行うことができるため、簡便な方法である。
<2.たばこ香味液>
別の側面によれば、上述の「たばこ香味液の製造方法」により製造されるたばこ香味液が提供される。
上述のとおり、たばこ香味液は、以下の何れであってもよい:
(i)第1実施形態の方法の溶出工程(S4)で得られる「有用成分溶出液」;
(ii)第1実施形態の方法の酵母除去工程(S5)で得られる「酵母フリーの有用成分溶出液」;
(iii)第2実施形態の方法で酵母除去工程(S5)を行うことなく混合工程(S6)を行った場合に得られる「有用成分含有液」;および
(iv)第2実施形態の方法で酵母除去工程(S5)を行った後に混合工程(S6)を行った場合に得られる「酵母フリーの有用成分含有液」。
したがって、上述の「たばこ香味液の製造方法」により製造されるたばこ香味液は、上記4種類の生成物を具体例として包含する。
上述のとおり、たばこ香味液は、上述の「たばこ香味液の製造方法」により製造されるため、多量の有用成分を含むことができる。したがって、かかるたばこ香味液を香味吸引器に組み込んだ場合、香味吸引器において有用成分の効果を顕著に発揮することができる。例えば、有用成分が香味寄与成分である場合、たばこ香味液は、多量の香味寄与成分を含むことができるため、香味吸引器などのたばこ製品に組み込んだ場合、増強した香味をユーザに提供することができる。
上述の「たばこ香味液の製造方法」により製造されるたばこ香味液は、公知技術に従って、香味吸引器などのたばこ製品に組み込むことができる。以下に、たばこ香味液の使用例を説明する。
例えば、たばこ香味液は、たばこ材料(例えば、除骨葉や葉たばこ)に添加し、得られた混合物を乾燥させることにより、使用することができる。
あるいは、たばこ香味液は、上述の抽出工程(S1)で得られたたばこ残渣に添加し、得られた混合物から、シートたばこやたばこ顆粒などのたばこ成形体を作製し、たばこ成形体をたばこ製品のたばこ香味源として使用することができる。
あるいは、たばこ香味液は、上述の抽出工程(S1)で得られたたばこ残渣に添加し、得られた混合物を乾燥させ粉砕してたばこパウダーを作製し、たばこパウダーをたばこ材料(例えば、除骨葉や葉たばこ)に添加することにより、使用することができる。
あるいは、たばこ香味液は、上述の抽出工程(S1)で得られたたばこ残渣に添加し、得られた混合物を乾燥させ粉砕してたばこパウダーを作製し、たばこパウダーを水に懸濁してたばこスラリーを調製し、たばこスラリーをたばこ材料(例えば、除骨葉や葉たばこ)に添加することにより、使用することができる。
あるいは、たばこ香味液は、公知技術に従ってカプセル化し、得られた香料カプセルをたばこ製品のフィルタ部分に組み込むことができる。
<3.たばこ添加物>
上述のとおり、たばこ香味液は、上述の抽出工程(S1)で得られたたばこ残渣と組み合わせて使用してもよい。したがって、別の側面によれば、
上述の「たばこ香味液の製造方法」により製造されるたばこ香味液と、
上述の「たばこ香味液の製造方法」においてたばこ抽出液を得る際に得られるたばこ残渣と
を含むたばこ添加物が提供される。
以下に、たばこ添加物の具体例を説明する。
例えば、たばこ添加物は、たばこ香味液と、抽出工程(S1)で得られたたばこ残渣との混合物を乾燥させることにより得られた生成物であってもよい。この生成物は、たばこ製品のたばこ香味源として使用することができる。
あるいは、たばこ添加物は、たばこ香味液と、抽出工程(S1)で得られたたばこ残渣との混合物を、シート形状や顆粒形状などの特定形状に成形することにより得られたたばこ成形体であってもよい。たばこ成形体は、たばこ製品のたばこ香味源として使用することができる。
あるいは、たばこ添加物は、たばこ香味液と、抽出工程(S1)で得られたたばこ残渣との混合物を、乾燥させ、パウダー状に粉砕することにより得られたたばこパウダーであってもよい。たばこパウダーは、たばこ材料(例えば、除骨葉や葉たばこ)に添加することにより、たばこ材料の香味を増強することができる。
あるいは、たばこ添加物は、たばこ香味液と、抽出工程(S1)で得られたたばこ残渣との混合物を、乾燥させ、パウダー状に粉砕し、得られたパウダーを水に懸濁させることにより得られたたばこスラリーであってもよい。たばこスラリーは、たばこ材料(例えば、除骨葉や葉たばこ)に添加することにより、たばこ材料の香味を増強することができる。
たばこ添加物は、必要に応じて、バインダー、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤などの添加剤を含んでいてもよい。
<4.香味吸引器>
上述の「たばこ香味液」または上述の「たばこ添加物」は、任意のたばこ製品に組み込むことができる。典型的な例として、上述の「たばこ香味液」または上述の「たばこ添加物」は、燃焼型香味吸引器や加熱型香味吸引器などの香味吸引器に組み込むことができる。すなわち、別の側面によれば、上述の「たばこ香味液」または上述の「たばこ添加物」を含む香味吸引器が提供される。
上述の「たばこ香味液」または上述の「たばこ添加物」は、たばこ製品をユーザが使用した際に、増強した香味を味わうことができれば、たばこ製品の任意の位置に組み込むことができる。
燃焼型香味吸引器の例として、シガレット、パイプ、キセル、葉巻、またはシガリロなどが挙げられる。燃焼型香味吸引器の一例、すなわち典型的な構成のシガレットを、図3に示す。
図3に示す燃焼型香味吸引器1は、
たばこ充填材2aとたばこ充填材2aの周囲を巻装するたばこ巻紙2bとを含むたばこロッド2と、
濾材3aと濾材3aの周囲に巻かれたプラグラッパー3bとを含むフィルタ3と、
たばこロッド2とフィルタ3とを接続するようにたばこロッド2とフィルタ3上に巻かれたチップペーパー4と
を含む。
たばこロッド2は、たばこ刻やたばこ成形体などのたばこ充填材2aを含む。たばこロッドは、通常のシガレットと同様、例えば、5~10mmの直径および40~80mmの長さを有することができる。
フィルタ3は、単一の濾材3aからなるフィルタ、いわゆるプレーンフィルタである。濾材3aは、通常のシガレットと同様、アセテートトウなどの濾材により構成することができる。フィルタ3は、たばこロッド2とほぼ同じ直径を有し、長さは、通常のシガレットと同様、例えば15~40mmであり得る。プラグラッパー3bは、10~100μmの厚さであり得、その通気性の有無は問わないが、通気性を有する紙を使用するのが一般的である。
チップペーパー4は、プラグラッパー3bの全体とたばこ巻紙2bの一部とを覆うように、接着剤で接着されている。チップペーパー4は、例えば、たばこロッドの軸方向の長さ(幅)が20~50mm、厚さが10~100μmであり得る。通常のシガレットと同様、チップペーパー4には、通気用の小開孔(ベンチレーション孔)がシガレットの円周方向に沿って一列、複数列若しくは不規則に多数穿設されていてもよい。
図3に示す燃焼型香味吸引器1の場合、上述の「たばこ香味液」や上述の「たばこ添加物」は、例えば、たばこ充填材2aまたは濾材3aに組み込むことができる。
次に、加熱型香味吸引器の例について説明する。加熱型香味吸引器の例として、
炭素熱源の燃焼熱でたばこ充填材を加熱する炭素熱源型吸引器(例えばWO2006/073065を参照);
たばこ充填材を含むたばこスティックと、たばこスティックを電気加熱するための加熱デバイスとを備えた電気加熱型吸引器(例えばWO2010/110226を参照);または
液状のエアロゾル源をヒータにより加熱してエアロゾルを発生させ、エアロゾルとともにたばこ充填材由来の香味を吸引する液体霧化型吸引器(例えばWO2015/046385を参照)
などが挙げられる。
以下に、加熱型香味吸引器の一例を、図4~6を参照して説明する。図4は、加熱型香味吸引器の一例を示す斜視図である。図5は、たばこスティックの内部構造を示す図である。図6は、エアロゾル生成装置の内部構造を示す図である。
図4に示すとおり、加熱型香味吸引器100は、
たばこ充填材とエアロゾル源とを含むたばこスティック110と、
たばこスティック110を着脱可能に装着するエアロゾル生成装置120であって、たばこスティック110を加熱してエアロゾル源からエアロゾルを発生させるとともに、エアロゾルの作用によりたばこ充填材から香味成分を放出させるエアロゾル生成装置120と
を有する。
たばこスティック110は、交換可能なカートリッジであり、長手方向に沿って延びる柱状形状を有する。たばこスティック110は、エアロゾル生成装置120に挿入された状態で加熱されることによってエアロゾルおよび香味成分を発生するように構成されている。
図5に示すとおり、たばこスティック110は、充填物111と、充填物111を巻装する第1巻紙112とを含む基材部11Aと、基材部11Aとは反対側の端部を形成する吸口部11Bとを有する。基材部11Aと吸口部11Bは、第2巻紙113によって連結されている。
吸口部11Bは、紙管部114と、フィルタ部115と、紙管部114とフィルタ部115との間に配置された中空セグメント部116とを有する。紙管部114は、紙を円筒形に巻いて形成された紙管であり、内側は空洞である。フィルタ部115は、アセテートトウなどの濾材を含む。中空セグメント部116は、1つ又は複数の中空チャネルを有する充填層を含む。フィルタ部115の濾材と中空セグメント部116の充填層とは、プラグラッパー117で覆うことにより連結されている。充填層は、繊維から構成され、繊維の充填密度が高いため、吸引時は、空気やエアロゾルは中空チャンネルのみを流れることになり、充填層内はほとんど流れない。たばこスティック110において、フィルタ部115でのエアロゾル成分の濾過による減少を少なくしたいときに、フィルタ部115の長さを短くして中空セグメント部116で置き換えることはエアロゾルのデリバリー量を増大させるために有効である。
吸口部11Bは3つのセグメントから構成されているが、吸口部11Bは1つ又は2つのセグメントから構成されていてもよいし、4つ又はそれ以上のセグメントから構成されていてもよい。例えば、中空セグメント部116を省略し、紙管部114とフィルタ部115を互いに隣接配置して吸口部11Bを形成することもできる。
たばこスティック110の長手方向の長さは、40~90mmであることが好ましく、50~75mmであることがより好ましく、50~60mmであることがさらに好ましい。たばこスティック110の円周は15~25mmであることが好ましく、17~24mmであることがより好ましく、20~23mmであることがさらに好ましい。また、たばこスティック110の長手方向において、基材部11Aの長さは20mm、紙管部114の長さは20mm、中空セグメント部116の長さは8mm、フィルタ部115の長さは7mmであってよいが、これら個々のセグメントの長さは、製造適性、要求品質等に応じて、適宜変更できる。
充填物111は、たばこ充填材とエアロゾル源とを含む。エアロゾル源は、所定温度で加熱されてエアロゾルを発生する。エアロゾル源として、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、トリアセチン、1,3-ブタンジオール、及びこれらの混合物を挙げることができる。充填物111中のエアロゾル源の含有量は、特に限定されず、十分な量のエアロゾルの発生と、良好な香喫味の付与の観点から、通常5質量%以上であり、好ましくは10質量%以上であり、また、通常50質量%以下であり、好ましくは20質量%以下である。
たばこ充填材は、上記で説明したとおり、例えば、たばこ刻の形態またはたばこ成形体の形態を有する。たばこ充填材は、たばこ刻の形態を有する場合、葉たばこ(すなわち熟成済たばこ葉)を、例えば0.8~1.2mmの幅に刻むことにより得られたたばこ刻の形態を有していてもよい。あるいは、たばこ充填材は、シートたばこの形態を有する場合、シートたばこを、例えば0.8~1.2mmの幅に刻むことにより得られた細長いシートたばこの形態を有していてもよいし、あるいは、シートたばこを刻まずにギャザー加工することにより得られた波形のシートたばこの形態を有していてもよい。
たばこスティック110における充填物111の含有量は、基材部11Aが円周22mm、長さ20mmの場合、例えば、200~400mgであり、250~320mgであることが好ましい。充填物111の水分含有量は、例えば、8~18質量%であり、10~16質量%であることが好ましい。このような水分含有量であると、巻染みの発生を抑制し、基材部11Aの製造時の巻上適性を良好にする。
第1巻紙112、第2巻紙113、およびプラグラッパー117は、それぞれ、シガレットで使用されるたばこ巻紙、チップペーパー、およびプラグラッパーと同じものを使用することができる。
図5に示すたばこスティック110の場合、上述の「たばこ香味液」や上述の「たばこ添加物」は、例えば、充填物111またはフィルタ部115の濾材に組み込むことができる。
図6に示すとおり、エアロゾル生成装置120は、たばこスティック110を挿入可能な挿入孔130を有する。すなわち、エアロゾル生成装置120は、挿入孔130を構成する内側筒部材132を有する。内側筒部材132は、例えばアルミニウムやステンレス(SUS)のような熱伝導部材によって構成されていてよい。
また、エアロゾル生成装置120は、挿入孔130を塞ぐ蓋部140を有していてよい。蓋部140は、挿入孔130を塞いだ状態と、挿入孔130を露出させた状態(図4参照)との間をスライド可能に構成されている。
エアロゾル生成装置120は、挿入孔130に連通する空気流路160を有していてよい。空気流路160の一端は、挿入孔130に連結されており、空気流路160の他端は、挿入孔130とは別のところでエアロゾル生成装置120の外部(外気)に連通している。
エアロゾル生成装置120は、空気流路160の、外気に連通する側の端部を覆う蓋部170を有していてよい。蓋部170は、空気流路160の、外気に連通する側の端部を覆った状態にすることもできるし、あるいは、空気流路160を露出させた状態にすることもできる。
蓋部170は、空気流路160を覆った状態であっても空気流路160に気密に閉塞することはない。すなわち、蓋部170が空気流路160を覆った状態であっても、蓋部170付近を介して空気流路160内に外気が流入可能に構成されている。
ユーザは、エアロゾル生成装置120にたばこスティック110を挿入した状態で、たばこスティック110の一端部、具体的には、図5に示される吸口部11Bを咥え、吸引動作を行う。ユーザの吸引動作により、空気流路160に外気が流入する。空気流路160内に流入した空気は、挿入孔130内のたばこスティック110を通って、ユーザの口腔内に導かれる。
エアロゾル生成装置120は、空気流路160内又は空気流路160を構成する壁部の外面に、温度センサを有していてよい。温度センサは、例えば、サーミスタや熱電対等であってよい。ユーザがたばこスティック110の吸口部11Bを吸引すると、空気流路160内を蓋部170側からヒータ30側に向かって流れる空気の影響で、空気流路160の内部温度又は空気流路160を構成する壁部の温度が低下する。温度センサは、この温度低下を測定することによってユーザの吸引動作を検知することができる。
エアロゾル生成装置120は、バッテリ10と、制御ユニット20と、ヒータ30と、を有する。バッテリ10は、エアロゾル生成装置120で用いる電力を蓄積する。バッテリ10は、充放電可能な二次電池であってよい。バッテリ10は、例えばリチウムイオン電池であってよい。
ヒータ30は、内側筒部材132の周りに設けられていてよい。ヒータ30を収容する空間と、バッテリ10を収容する空間は、隔壁180によって互いに分離されていてよい。これにより、ヒータ30により加熱された空気が、バッテリ10を収容する空間内に流入することを抑制することができる。したがって、バッテリ10の温度上昇を抑制することができる。
ヒータ30は、柱状のたばこスティック110の外周を加熱可能な筒形状であることが好ましい。ヒータ30は、例えばフィルムヒータであってよい。フィルムヒータは、一対のフィルム状の基板と、一対の基板の間に挟まれた抵抗発熱体とを有していてよい。フィルム状の基板は、耐熱性及び電気絶縁性に優れた材料から作られることが好ましく、典型的には、ポリイミドから作られる。抵抗発熱体は、銅、ニッケル合金、クロム合金、ステンレス、白金ロジウム等の金属材料の1つ又は2つ以上から作られることが好ましく、例えば、ステンレス製の基材によって形成され得る。さらに、抵抗発熱体はフレキシブルプリント回路(FPC)によって電源と接続するために接続部位及びそのリード部に銅メッキを施してもよい。
好ましくは、熱収縮チューブが、ヒータ30の外側に設けられていてよい。熱収縮チューブは、熱により半径方向に収縮するチューブであり、例えば熱可塑性エラストマによって構成されている。熱収縮チューブの収縮作用により、ヒータ30が内側筒部材132に押し付けられる。これにより、ヒータ30と内側筒部材132の密着性が高まるので、ヒータ30からたばこスティック110への内側筒部材132を介した熱の伝導性が高まる。
エアロゾル生成装置120は、ヒータ30の半径方向の外側、好ましくは熱収縮チューブの外側に、筒状の断熱材を有していてもよい。断熱材は、ヒータ30の熱を遮断することによって、エアロゾル生成装置120の筐体外面が過度な高温に達するのを防止する役割を果たし得る。断熱材は、例えば、シリカエアロゲル、カーボンエアロゲル、アルミナエアロゲル等のエアロゲルから作られることができる。断熱材としてのエアロゲルは、典型的には、断熱性能が高くかつ製造コストが比較的低いシリ力エアロゲルであってよい。ただし、断熱材は、グラスウールやロックウール等の繊維系断熱材であってもよいし、ウレタンフォームやフェノールフォームの発泡系断熱材であってもよい。或いは、断熱材は真空断熱材であってもよい。
断熱材は、たばこスティック110に面する内側筒部材132と、断熱材の外側の外側筒部材134との間に設けられていてよい。外側筒部材134は、例えばアルミニウムやステンレス(SUS)のような熱伝導部材によって構成されていてよい。断熱材は、密閉された空間内に設けられることが好ましい。
制御ユニット20は、制御基板、CPU、及びメモリ等を含んでいてよい。また、エアロゾル生成装置120は、制御ユニット20による制御の下でユーザに各種情報を報知するための通知部を有していてもよい。通知部は、例えばLEDのような発光素子もしくは振動素子、又はこれらの組み合わせであってよい。
制御ユニット20は、ユーザの起動要求を検知したら、バッテリ10からヒータ30への電力供給を開始する。ユーザの起動要求は、例えば、ユーザによる押しボタンやスライド式スイッチの操作や、ユーザの吸引動作によって為される。ユーザの起動要求は、押しボタン150の押下によって為されてもよい。より具体的には、ユーザの起動要求は、蓋部140が開いた状態での押しボタン150の押下によって為されてもよい。或いは、ユーザの起動要求は、ユーザの吸引動作の検知によって為されてもよい。ユーザの吸引動作は、例えば前述したような温度センサによって検知できる。
<5.好ましい実施形態>
以下に、好ましい実施形態をまとめて示す。
[A1] たばこ材料から前記たばこ材料に含まれる水溶性成分を水性溶媒で抽出して、たばこ抽出液を得ることと、
酵母を前記たばこ抽出液中で培養して、酵母含有培養液を得ることと、
前記酵母含有培養液に含有される前記酵母から、有機溶媒を含む溶出溶媒を用いて、前記酵母の菌体内に含まれる有用成分の溶出を行って、前記有用成分と、培養後の前記たばこ抽出液とを含むたばこ香味液を得ることと
を含む、たばこ香味液の製造方法。
[A2] 前記たばこ香味液を得ることが、
前記酵母含有培養液と、有機溶媒を含む溶出溶媒とを混合し、得られた混合物に含有される前記酵母から、前記酵母の菌体内に含まれる有用成分を、前記混合物の液体部分に溶出させて、有用成分溶出液を得ること
により行われる[A1]に記載の方法。
[A3] 前記たばこ香味液を得ることが、
前記酵母含有培養液と、有機溶媒を含む溶出溶媒とを混合し、得られた混合物に含有される前記酵母から、前記酵母の菌体内に含まれる有用成分を、前記混合物の液体部分に溶出させて、有用成分溶出液を得ることと、
前記有用成分溶出液から前記酵母を除去して、酵母フリーの有用成分溶出液を得ること
により行われる[A1]に記載の方法。
[A4] 前記たばこ香味液を得ることが、
前記酵母含有培養液を、前記酵母と前記たばこ抽出液とに分離することと、
分離された前記酵母と、有機溶媒を含む溶出溶媒とを混合し、得られた混合物に含有される前記酵母から、前記酵母の菌体内に含まれる有用成分を、前記混合物の液体部分に溶出させて、有用成分溶出液を得ることと、
前記有用成分溶出液と、分離された前記たばこ抽出液とを混合して、有用成分含有液を得ること
により行われる[A1]に記載の方法。
[A5] 前記たばこ香味液を得ることが、
前記酵母含有培養液を、前記酵母と前記たばこ抽出液とに分離することと、
分離された前記酵母と、有機溶媒を含む溶出溶媒とを混合し、得られた混合物に含有される前記酵母から、前記酵母の菌体内に含まれる有用成分を、前記混合物の液体部分に溶出させて、有用成分溶出液を得ることと、
前記有用成分溶出液から前記酵母を除去して、酵母フリーの有用成分溶出液を得ることと、
前記酵母フリーの有用成分溶出液と、分離された前記たばこ抽出液とを混合して、酵母フリーの有用成分含有液を得ること
により行われる[A1]に記載の方法。
[A6] 前記溶出が、前記酵母含有培養液と前記溶出溶媒との混合物を撹拌することにより行われる[A2]または[A3]に記載の方法。
[A7] 前記溶出が、前記酵母含有培養液と前記溶出溶媒との混合物を加熱することにより行われる[A2]または[A3]に記載の方法。
[A8] 前記溶出溶媒は、前記酵母含有培養液と前記溶出溶媒との混合液中の前記有機溶媒の濃度が、50体積%以上、好ましくは50~95体積%、より好ましくは60~95体積%になる量で、前記酵母含有培養液に添加される[A2]、[A3]、[A6]または[A7]に記載の方法。
[A9] 前記溶出が、前記酵母と前記溶出溶媒との混合物を撹拌することにより行われる[A4]または[A5]に記載の方法。
[A10] 前記溶出が、前記酵母と前記溶出溶媒との混合物を加熱することにより行われる[A4]または[A5]に記載の方法。
[A11] 前記溶出溶媒は、前記酵母と前記溶出溶媒との混合物中の前記有機溶媒の濃度が、50体積%以上、好ましくは50~100体積%、より好ましくは60~100体積%になる量で、前記酵母に添加される[A4]、[A5]、[A9]または[A10]に記載の方法。
[A12] 前記たばこ材料がたばこ刻である[A1]~[A11]の何れか1に記載の方法。
[A13] 前記水性溶媒が、水または含水エタノール、好ましくは水、より好ましくは20~70℃の水である[A1]~[A12]の何れか1に記載の方法。
[A14] 前記酵母が、ロドトルラ(Rhodotorula)属の酵母、キサントフィロマイセス(Xanthophyllomyces)属の酵母、ヤロウィア(Yarrowia)属の酵母、リポマイセス(Lipomyces)属の酵母、サッカロマイセス(Saccharomyces)属の酵母、サイバーリンドネラ(Cyberlindnera)属の酵母、およびウィッカーハモマイセス(Wickerhamomyces)属の酵母からなる群より選択される少なくとも1種類の酵母である[A1]~[A13]の何れか1に記載の方法。
[A15] 前記溶出溶媒が、有機溶媒、または有機溶媒と水との混合物である[A1]~[A14]の何れか1に記載の方法。
[A16] 前記有機溶媒が、水と混和性を有する有機溶媒、好ましくは水と混和性を有するアルコールである[A1]~[A15]の何れか1に記載の方法。
[A17] 前記溶出溶媒が、水と混和性を有するアルコール、またはその含水アルコールである[A1]~[A16]の何れか1に記載の方法。
[A18] 前記有機溶媒が、10~14.5のSP値を有する有機溶媒、好ましくは、10~14.5のSP値を有するアルコール、より好ましくは、エタノール、イソプロパノール、メタノールまたはブタノール、更に好ましくは、エタノールまたはイソプロパノール、最も好ましくはエタノールである[A1]~[A17]の何れか1に記載の方法。
[A19] 前記溶出溶媒が、エタノールまたは含水エタノールである[A1]~[A18]の何れか1に記載の方法。
[A20] 前記たばこ香味液から前記有機溶媒を除去することを更に含む[A1]~[A19]の何れか1に記載の方法。
[A21] 前記有用成分が、香味寄与成分である[A1]~[A20]の何れか1に記載の方法。
[A22] 前記香味寄与成分が、カロテノイド、脂肪酸、中性脂肪(すなわち、脂肪酸のグリセリンエステル)、酢酸エステル、脂肪酸エステル、有機酸、および高級アルコール(例えば、炭素数8~22のアルコール)からなる群より選択される少なくとも1種類の成分である[A1]~[A21]の何れか1に記載の方法。
[B1] [A1]~[A22]の何れか1に記載の方法により製造されるたばこ香味液。
[B2] 前記たばこ香味液が、[A2]に記載される有用成分溶出液である[B1]に記載のたばこ香味液。
[B3] 前記たばこ香味液が、[A3]に記載される酵母フリーの有用成分溶出液である[B1]に記載のたばこ香味液。
[B4] 前記たばこ香味液が、[A4]に記載される有用成分含有液である[B1]に記載のたばこ香味液。
[B5] 前記たばこ香味液が、[A5]に記載される酵母フリーの有用成分含有液である[B1]に記載のたばこ香味液。
[C1] [A1]~[A22]の何れか1に記載の方法により製造されるたばこ香味液と、
[A1]~[A22]の何れか1に記載の方法において前記たばこ抽出液を得る際に得られるたばこ残渣と
を含むたばこ添加物。
[C2] [A1]~[A22]の何れか1に記載の方法により製造されるたばこ香味液と、
[A1]~[A22]の何れか1に記載の方法において前記たばこ抽出液を得る際に得られるたばこ残渣と
の混合物を乾燥させることにより得られる生成物である[C1]に記載のたばこ添加物。
[C3] [A1]~[A22]の何れか1に記載の方法により製造されるたばこ香味液と、
[A1]~[A22]の何れか1に記載の方法において前記たばこ抽出液を得る際に得られるたばこ残渣と
の混合物を成形することにより得られるたばこ成形体である[C1]に記載のたばこ添加物。
[C4] [A1]~[A22]の何れか1に記載の方法により製造されるたばこ香味液と、
[A1]~[A22]の何れか1に記載の方法において前記たばこ抽出液を得る際に得られるたばこ残渣と
の混合物を、乾燥させ、パウダー状に粉砕することにより得られるたばこパウダーである[C1]に記載のたばこ添加物。
[C5] [A1]~[A22]の何れか1に記載の方法により製造されるたばこ香味液と、
[A1]~[A22]の何れか1に記載の方法において前記たばこ抽出液を得る際に得られるたばこ残渣と
の混合物を、乾燥させ、パウダー状に粉砕し、得られたパウダーを水に懸濁させることにより得られるたばこスラリーである[C1]に記載のたばこ添加物。
[D1] [B1]~[B5]の何れか1に記載のたばこ香味液を含む香味吸引器。
[D2] [C1]~[C5]の何れか1に記載のたばこ添加物を含む香味吸引器。
[D3] 前記香味吸引器が燃焼型香味吸引器である[D1]または[D2]に記載の香味吸引器。
[D4] 前記香味吸引器が加熱型香味吸引器である[D1]または[D2]に記載の香味吸引器。
[実施例1]
実施例1では、第1実施形態の方法の溶出工程(S4)において酵母が沈殿することを確認した。
1-1.方法
第1実施形態の方法に従って、抽出工程(S1)、培養工程(S2)、および溶出工程(S4)の溶出溶媒の添加を行った。
抽出工程(S1)
黄色種の葉たばこを粉砕し、「たばこ材料」として使用した。黄色種の葉たばこの刻(100g)を粉砕器で100μm以下のサイズまで粉砕し、60℃の水600mLを加え、振盪(200rpm・2時間)した。これにより、葉たばこに含まれる水溶性成分を抽出した。その後、ろ過により固液分離した。これにより、たばこ抽出液およびたばこ残渣を得た。
培養工程(S2)
得られたたばこ抽出液3mLに、Yarrowia属の酵母(Yarrowia lipolytica)を105 細胞/mLの濃度になるように添加し、酵母をたばこ抽出液中で培養した。培養は、好気条件下において、28℃で24時間にわたって、振盪培養(240rpm)により行った。培養後に得られた「酵母とたばこ抽出液との混合物」を「酵母含有培養液」と呼ぶ。
溶出工程(S4)の溶出溶媒の添加
培養開始から24時間後、酵母含有培養液3mLに、溶出溶媒としてエタノール7mLを添加した。具体的には、エタノールは、酵母含有培養液とエタノールとの混合液中のエタノールの濃度が70体積%になる量で添加した。
比較例として、通常の酵母生育培地中の酵母に、溶出溶媒としてエタノールを添加した。具体的には、溶出溶媒は、酵母生育培地とエタノールとの混合液中のエタノールの濃度が70体積%になる量で添加した。
1-2.結果
溶出溶媒の添加後の酵母の様子を図7に示す。図7において、右側の写真は本発明の例を示し、左側の写真は比較例を示す。本発明の例では、たばこ抽出液中の水溶性タンパク質が不溶化し、これにより、不溶化タンパク質と酵母の凝集沈殿物が形成され、沈殿物がペレット化した。一方、比較例では、酵母は凝集沈殿物を形成しなかった。
これらの結果から、第1実施形態の方法は、酵母細胞が、溶出工程(S4)で不溶化タンパク質と一緒に凝集沈殿物を形成するため、その後の酵母除去工程(S5)でたばこ抽出液から酵母を容易に除去できることが分かる。
[実施例2]
実施例2では、第1実施形態の方法に従って、脂肪酸生産酵母を用いてたばこ香味液を調製し、たばこ香味液中の脂肪酸の量が増加していることを確認した。
2-1.方法
抽出工程(S1)
実施例1に記載の抽出工程(S1)と同じ方法に従って、たばこ抽出液およびたばこ残渣を得た。
培養工程(S2)
得られたたばこ抽出液3mLに、Yarrowia属の酵母(Yarrowia lipolytica)を105 細胞/mLの濃度になるように添加し、酵母をたばこ抽出液中で培養した。培養は、好気条件下において、28℃で48時間にわたって、振盪培養(240rpm)により行った。培養後に得られた「酵母とたばこ抽出液との混合物」を「酵母含有培養液」と呼ぶ。
溶出工程(S4)
培養開始から48時間後、酵母含有培養液3mLに、溶出溶媒として、エタノール、含水エタノール、または水の何れかを添加した。具体的には、溶出溶媒は、酵母含有培養液と溶出溶媒との混合液中のエタノールの濃度が0体積%、50体積%、70体積%、または85体積%になる量で添加した。
得られた混合物を、室温(25℃)で30分間にわたって攪拌した(120rpm)。これにより、酵母が生産した脂肪酸を混合物の液体部分に溶出させて、「有用成分溶出液」を得た。
酵母除去工程(S5)
得られた有用成分溶出液から酵母を除去して、「酵母フリーの有用成分溶出液」、すなわちたばこ香味液を得た。
脂肪酸の測定
得られたたばこ香味液中の脂肪酸の濃度をGC-MSDを用いて測定した。一方、コントロール1として、たばこ抽出液で培養する前の酵母について、脂肪酸の濃度を同様に測定した。コントロール2として、溶出工程(S4)の代わりに、酵母をビーズ式ホモジナイザーで破砕し、酵母の菌体に含有される脂肪酸を溶出し、溶出された脂肪酸の濃度を同様に測定した。
2-2.結果
脂肪酸濃度の測定結果を図8に示す。図8の結果から、本発明の方法に従って、たばこ抽出液中で脂肪酸生産酵母を培養し、酵母の菌体から脂肪酸成分をたばこ抽出液に溶出させると、脂肪酸成分を増強したたばこ抽出液(すなわち、たばこ香味液)を製造できることが分かる。
酵母が生産した脂肪酸を分析したところ、オレイン酸およびリノール酸が多かった。また、溶出溶媒のエタノール濃度は50体積%以上であると、脂肪酸の溶出効率が高く、溶出溶媒のエタノール濃度が70体積%の場合に、脂肪酸の溶出効率が最も高かった。
また、本発明の方法に従って得られたたばこ香味液に含まれる脂肪酸の濃度は、コントロール2(ビーズ破砕)で測定された脂肪酸の濃度と同等であった。この結果は、本発明の方法が、酵母の菌体を破砕することなく、簡便な方法で、酵母の菌体内に含まれる脂肪酸を溶出できることを示す。
[実施例3]
実施例3では、第2実施形態の方法に従って、カロテノイド生産酵母を用いてたばこ香味液を調製し、たばこ香味液中のカロテノイドの量が増加していることを確認した。
3-1.方法
抽出工程(S1)
実施例1に記載の抽出工程(S1)と同じ方法に従って、たばこ抽出液およびたばこ残渣を得た。
培養工程(S2)
得られたたばこ抽出液100mLに、Rhodotorula属の酵母(Rhodotorula toruloides)を105 細胞/mLの濃度になるように添加し、酵母をたばこ抽出液中で培養した。培養は、好気条件下において、28℃で144時間にわたって、振盪培養(240rpm)により行った。培養後に得られた「酵母とたばこ抽出液との混合物」を「酵母含有培養液」と呼ぶ。
分離工程(S3)
培養開始から144時間後、酵母含有培養液を、遠心分離によりたばこ抽出液と酵母の沈殿物とに分離した。
溶出工程(S4)
酵母含有培養液8mLから分離した酵母の沈殿物に、溶出溶媒として、エタノール、含水エタノール、または水の何れかを4mL添加した。添加したエタノールの濃度は、0体積%、70体積%、または100体積%であった。
得られた混合物を、90℃で1時間にわたって加熱した。これにより、酵母が生産したカロテノイドを混合物の液体部分に溶出させて、「有用成分溶出液」を得た。
酵母除去工程(S5)
得られた有用成分溶出液から酵母を除去して、「酵母フリーの有用成分溶出液」を得た。
混合工程(S6)
得られた酵母フリーの有用成分溶出液と、分離工程(S3)で分離されたたばこ抽出液とを混合して、「酵母フリーの有用成分含有液」、すなわちたばこ香味液を得た。
カロテノイドの検出
得られたたばこ香味液中のカロテノイドを、薄膜クロマトグラフィーにより検出した。具体的には、たばこ香味液を濃縮し、得られた濃縮液をアセトンとヘキサンの混合液(アセトン:ヘキサン=3:7(v/v))に溶かし、得られたサンプルを薄膜クロマトグラフィーで分析した。
一方、コントロールとして、たばこ抽出液で培養する前の酵母について、カロテノイドを同様に検出した。
3-2.結果
エタノールを含む溶出溶媒を用いて溶出工程を行った場合、得られたたばこ香味液は、酵母が生産したカロテノイドの存在により、黄色ないしオレンジ色を示した。一方、エタノールを含まない溶出溶媒を用いて溶出工程を行った場合、得られたたばこ香味液は、無色であった。
また、薄膜クロマトグラフィーの結果によると、コントロールの場合やエタノールを含まない溶出溶媒を用いて溶出工程を行った場合、カロテノイドを検出できなかったのに対し、エタノールを含む溶出溶媒を用いて溶出工程を行った場合、カロテノイドとして、トルラロジン、キサントフィル、トルレン、およびβ-カロテンを検出することができた。
溶出溶媒のエタノール濃度は70体積%以上であると、カロテノイドの溶出効率が高かった。また、溶出は、90℃で1時間かけて行った以外に、80℃で1時間かけて行った。80℃の溶出温度の場合も、90℃の溶出温度の場合と同様に、カロテノイドを検出することができた。
これらの結果から、本発明の方法に従って、たばこ抽出液中でカロテノイド生産酵母を培養し、酵母の菌体からカロテノイド成分をたばこ抽出液に溶出させると、カロテノイド成分を増強したたばこ抽出液(すなわち、たばこ香味液)を製造できることが分かる。
また、これらの結果から、得られたたばこ香味液が、カロテノイドを十分な量で含んでいることが分かる。カロテノイドは、香味寄与成分であるだけでなく、着色成分でもある。したがって、かかるたばこ香味液は、香味吸引器などのたばこ製品で使用した際に、増強した香味をユーザに提供することができる。また、かかるたばこ香味液は、着色されたたばこ抽出液としても有用である。
[実施例4]
実施例4では、実施例2で調製されたたばこ香味液をシガレットに組み込み、官能評価を行った。
4-1.方法
シガレットの作製
実施例2で調製された「たばこ香味液」を、実施例2の抽出工程(S1)で得られた「たばこ残渣」と混合した。得られた混合物を乾燥機でパウダー状になるまで乾燥させて、たばこパウダーを得た。次に、たばこパウダーを6倍重量の水に懸濁して、たばこスラリーを得た。
たばこスラリーを、「たばこ製品に配合される準備が整ったたばこ刻(以下、たばこ刻という)」に添加した。具体的には、たばこスラリー中のたばこパウダーが、たばこ刻に対して2重量%の量で添加されるように、たばこスラリーをたばこ刻に添加した。たばこスラリーにより加香されたたばこ刻を、22℃および60%RHの条件下で2日間調和した。
加香されたたばこ刻をたばこ充填材として用いて、図3に示すシガレット(シガレットAという)を作製した。コントロールとして、加香していないたばこ刻を用いて、同様にシガレット(シガレットBという)を作製した。
評価方法
専門評価パネル7名が、2種類のシガレットを喫煙した。
4-2.結果
シガレットAは、シガレットBと比べて、煙質にとろみがあり差別化され、全体としてニュートラルな印象があり、とろみはあるが煙質が穏やかであった。この結果は、本発明のたばこ香味液が、香味吸引器に組み込まれると、たばこ香味に寄与し、増強した香味をユーザに提供できることを示す。

Claims (9)

  1. たばこ材料から前記たばこ材料に含まれる水溶性成分を水性溶媒で抽出して、たばこ抽出液を得ることと、
    酵母を前記たばこ抽出液中で培養して、酵母含有培養液を得ることと、
    前記酵母含有培養液と、有機溶媒を含む溶出溶媒とを混合し、得られた混合物に含有される前記酵母から、前記酵母の菌体内に含まれる有用成分を、前記混合物の液体部分に溶出させて、有用成分溶出液を得ることと、
    前記有用成分溶出液から前記酵母を除去して、酵母フリーの有用成分溶出液を得ること
    を含む、たばこ香味液の製造方法
  2. たばこ材料から前記たばこ材料に含まれる水溶性成分を水性溶媒で抽出して、たばこ抽出液を得ることと、
    酵母を前記たばこ抽出液中で培養して、酵母含有培養液を得ることと、
    前記酵母含有培養液を、前記酵母と前記たばこ抽出液とに分離することと、
    分離された前記酵母と、有機溶媒を含む溶出溶媒とを混合し、得られた混合物に含有される前記酵母から、前記酵母の菌体内に含まれる有用成分を、前記混合物の液体部分に溶出させて、有用成分溶出液を得ることと、
    前記有用成分溶出液と、分離された前記たばこ抽出液とを混合して、有用成分含有液を得ること
    を含む、たばこ香味液の製造方法
  3. たばこ材料から前記たばこ材料に含まれる水溶性成分を水性溶媒で抽出して、たばこ抽出液を得ることと、
    酵母を前記たばこ抽出液中で培養して、酵母含有培養液を得ることと、
    前記酵母含有培養液を、前記酵母と前記たばこ抽出液とに分離することと、
    分離された前記酵母と、有機溶媒を含む溶出溶媒とを混合し、得られた混合物に含有される前記酵母から、前記酵母の菌体内に含まれる有用成分を、前記混合物の液体部分に溶出させて、有用成分溶出液を得ることと、
    前記有用成分溶出液から前記酵母を除去して、酵母フリーの有用成分溶出液を得ることと、
    前記酵母フリーの有用成分溶出液と、分離された前記たばこ抽出液とを混合して、酵母フリーの有用成分含有液を得ること
    を含む、たばこ香味液の製造方法
  4. 前記有機溶媒が、水と混和性を有する有機溶媒である請求項1~の何れか1項に記載の方法。
  5. 前記たばこ香味液から前記有機溶媒を除去することを更に含む請求項1~の何れか1項に記載の方法。
  6. 前記有用成分が、香味寄与成分である請求項1~の何れか1項に記載の方法。
  7. 請求項1~の何れか1項に記載の方法により製造されるたばこ香味液。
  8. 請求項1~の何れか1項に記載の方法により製造されるたばこ香味液と、
    請求項1~の何れか1項に記載の方法において前記たばこ抽出液を得る際に得られるたばこ残渣と
    を含むたばこ添加物。
  9. 請求項に記載のたばこ香味液または請求項に記載のたばこ添加物を含む香味吸引器。
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