JP7450582B2 - 作業車 - Google Patents
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Description
車両本体と、
複数の車輪と、
前記車両本体に対して前記車輪を支持させる複数の支持脚と、が備えられ、
複数の前記支持脚の夫々に、前記車両本体に対して左右方向に沿う横軸心回りで揺動可能に一端部が連結された第一リンクと、その第一リンクの他端部に備えた関節部と、前記関節部を介して前記第一リンクに連結される第二リンクと、が備えられ、
前記車輪が、前記関節部と、前記第二リンクの前記関節部に連結された側とは反対側の端部と、に設けられ、
前記車両本体に対して前記第一リンクを揺動駆動可能な第一駆動機構と、前記第一リンクに対して前記第二リンクを揺動駆動可能な第二駆動機構と、が備えられ、
前記第一駆動機構及び前記第二駆動機構を各別に駆動して前記支持脚の姿勢を制御する支持脚姿勢制御手段が備えられ、
前記支持脚姿勢制御手段は、前記車両本体の前部に支持されている前記支持脚に備えた前記車輪のうち、進行方向での前方に位置する前記車輪が接地して後方に位置する前記車輪が浮上するとともに、前記車両本体の後部に支持されている前記支持脚に備えた前記車輪のうち、進行方向での後方に位置する前記車輪が接地して前方に位置する前記車輪が浮上する第一接地モードと、
前記車両本体の前部及び後部に支持されている前記支持脚に備えた前記車輪のうち、進行方向での後方に位置する前記車輪が接地して前方に位置する前記車輪が浮上する第二接地モードと、
前記車両本体の前部及び後部に支持されている前記支持脚に備えた前記車輪のうち、進行方向での前方に位置する前記車輪が接地して後方に位置する前記車輪が浮上する第三接地モードと、に制御モードを切り換え可能に構成されており、
前記車輪に対する前進方向における走行抵抗を検出する走行抵抗検出センサが備えられ、
前記走行抵抗検出センサは、前記車輪を支持する軸受け部に生じた歪みに基づいて前記走行抵抗を検出することを特徴とする。
つまり、接地状態で段差に突き当たって、その段差を乗り越えることができない状態にあった車輪を、接地位置から浮上する方向へ移動させて段差を乗り越えさせることが可能となる。そして、段差を乗り越えた車輪を上の段の踏面に接地させ、引き続いて乗り越え手前位置にある後続の車輪を浮上させて段差を乗り越えさせることができる。このように、段差に突き当たった位置ある車輪を順次浮上させながら段差を乗り越えさせることができるので、階段などの段差がある不整地を走行させることが可能となる。
本発明において、前記走行抵抗検出センサは、前記軸受け部に設けられていると好適である。
本発明において、前記走行抵抗検出センサの検出結果に基づいて、前進方向における走行抵抗が所定値以上である前記車輪を所定高さまで浮上させるように構成されていると好適である。
本構成によれば、前進方向における走行抵抗が所定値以上である車輪を所定高さまで浮上させて、走行抵抗の低減する位置に移動させ、段差のある不整地での走行を行い易くできる。
図1及び図2に示されるように、作業車は、略矩形枠状の車両本体1と、走行駆動用の複数の車輪2と、車両本体1に対して車輪2を支持させる複数の支持機構Aと、制御装置Cと、を備える。
図1、図2に示されるように、車両本体1は、矩形枠状の車体フレーム7、油圧供給源8、支持台10、収納ケース11を備える。収納ケース11に、ECU5、弁機構9、及び車両本体1の外部に備えた走行指令用の送信機からの信号を受信してECU5に入力するための走行指令入力部12が内装されている。
上述の通り、支持機構Aは、屈折リンク機構によって構成された支持脚3、及びその支持脚3の姿勢を制御する支持脚姿勢制御手段4を備えている。
支持脚3は、車両本体1の前部における左右両側、及び後部における左右両側、の計4箇所に設けられている。夫々の支持脚3には、車両本体1に対して左右方向に沿う横軸心x1回りで揺動可能に一端部が連結された第一リンク30と、その第一リンク30の他端部に備えた関節部31と、関節部31を介して第一リンク30に連結される第二リンク32と、が備えられている。関節部31には、前記横軸心x1と平行な横軸心x2が備えられており、この横軸心x2回りで第二リンク32が第一リンク30に対して揺動可能に連結されている。
支持脚姿勢制御手段4は、第一駆動機構4A及び第二駆動機構4Bを備えている。
したがって、第一油圧シリンダ41を伸縮作動させることにより、第一リンク30を上方の横軸心x1回りで揺動作動させることができる。
したがって、第一油圧シリンダ41を伸縮作動させることにより、第二リンク32を下方の横軸心x2回りで揺動作動させることができる。
この作業車は種々のセンサを備える。具体的には、図1及び図3に示されるように、4つの第二油圧シリンダ42の夫々に、ヘッド側圧力センサS1及びキャップ側圧力センサS2を備える。ヘッド側圧力センサS1は、第二油圧シリンダ42のヘッド側室の油圧を検出する。キャップ側圧力センサS2は、第二油圧シリンダ42のキャップ側室の油圧を検出する。各圧力センサS1,S2の検出結果はECU5に入力される。
さらに作業車には、操舵用油圧シリンダ40の伸縮操作量を検出可能なストロークセンサS5が備えられている。このストロークセンサS5によって駆動輪20の上下軸心y1回りでの操舵角度を検出することができる。ストロークセンサS5の検出結果はECU5に入力される。
各圧力センサS1,S2は、対応するキャップ側室又はヘッド側室の油圧を検出(推定)可能であればよく、弁機構9から対応するキャップ側室又はヘッド側室の間の配管に設けられてもよい。
この走行抵抗検出センサS6は、車両本体1の前進または後進作動中に、駆動輪20や遊転輪21が、段差の大きい階段の蹴上げ部分に当接して階段を乗り越えられない状態となったことを検出するものである。つまり、走行抵抗検出センサS6は、蹴上げ部分に当接した走行中の駆動輪20や遊転輪21の車軸を支持する軸受部に生じた歪みを走行抵抗として電気的に検出するものであり、歪みゲージ等によって構成されている。
この走行抵抗の検出結果がECU5の段差制御部53に伝えられ、段差制御部53から支持脚姿勢制御手段4に制御信号が出力される。支持脚姿勢制御手段4からの指令に基づいて、いずれかの支持脚3における第一油圧シリンダ41及び第二油圧シリンダ42が作動され、駆動輪20を浮上させるのか、下降させるのか、遊転輪21を浮上させるのか、下降させるのか、の各制御が行われることになる。
上記の走行抵抗検出センサS6やストロークセンサS3、その走行抵抗検出センサS6やストロークセンサS3の検出結果に基づく指令を受けて作動する弁機構9内の油圧制御弁等も支持脚姿勢制御手段4として機能するものである。
図4に示されるように、ECU5は、状態取得部50、走行制御部51、姿勢制御部52、及び段差制御部53を備えている。ECU5は、機能部に対応するプログラムを記憶する不揮発性メモリ(EEPROMなど。図示省略)と、当該プログラムを実行するCPU(図示省略)と、を備えている。
また、状態取得部50は、各センサの出力を監視し、当該出力に基づいて走行方向前側の支持機構Aの状態を取得する。例えば、状態取得部50は、ヘッド側圧力センサS1及びキャップ側圧力センサS2の出力に基づいて、車輪2及び支持機構Aが路面から受ける力(路面反力)を取得する。状態取得部50は、ストロークセンサS3の出力に基づいて、支持機構Aの姿勢(車両本体1に対する第一リンク30の角度、第一リンク30に対する第二リンク32の角度)を取得する。状態取得部50は、ストロークセンサS5の出力に基づいて、駆動輪20の操舵角度の情報を取得する。さらに、状態取得部50は、走行抵抗検出センサS6の出力に基づいて、駆動輪20又は遊転輪21に作用する走行抵抗の発生情報を取得する。
この走行抵抗の発生情報に基づいて、蹴上げ部に当接している車輪を浮上する方向へ移動させながら段差を乗り越えるように、弁機構9の作動を制御し、支持脚姿勢制御手段4による階段昇降制御が行われる。
段差制御部53からの指令による支持脚姿勢制御手段4の作動を、図5乃至図8の記載に基づいて説明する。
図5には、水平な地面を走行してきた車両本体1に備えた駆動輪20及び遊転輪21のうち、前後両端部の駆動輪20が地面に接して、中間の遊転輪21が地面よりも上方に浮上して走行している状態が実線で示されている。この状態が支持脚姿勢制御手段4による第一接地モードである。
この状態では、車両本体1が前進状態で蹴上げ部に当接していることにより、駆動輪20の軸受け部に設けてある走行抵抗検出センサS6が、駆動輪20の前進に対して所定値以上の走行抵抗が働いていることを検出する。
この状態においても、車両本体1が前進状態で蹴上げ部に当接しているので、前端の駆動輪20の軸受け部に設けてある走行抵抗検出センサS6が、駆動輪20の前進に対して所定以上の走行抵抗が働いていることを検出する。この検出情報が状態取得部50を経て段差制御部53に伝えられると、第二接地モードのままで、同図に仮想線で示すように駆動輪20の前進方向における走行抵抗が所定値よりも小さくなる位置にまで駆動輪20を浮上させる。なお、上述したように、走行抵抗の検出方法は、駆動輪20の軸受け部に設けた走行抵抗検出センサS6で検出する方法に限らず、他の方法で検出してもよい。
このようにして、駆動輪20が二段目の階段の踏み面に達すると、車両本体1をさらに前進させることができる。このようにして、順次、車両本体1の前部に支持された支持脚3に備えた駆動輪20の高さを変更しながら階段を昇ることができる。
この状態では、車両本体1の前部に支持された支持脚3に備えた車輪2のうちの遊転輪21が前進状態で蹴上げ部に当接しているので、遊転輪21の軸受け部に設けてある走行抵抗検出センサS6が、遊転輪21の前進に対して所定以上の走行抵抗が働いていることを検出する。この検出情報が状態取得部50を経て段差制御部53に伝えられると、同図に仮想線で示すように、車両本体1の前部及び後部に支持されている支持脚3に備えた車輪2のうち、進行方向での前方に位置する車輪2(車両本体1の前部の支持脚3部分では駆動輪20)が接地して後方に位置する車輪2(車両本体1の前部の支持脚3部分では遊転輪21)が浮上する第三接地モードとなる。
この状態では、車両本体1の後部に支持された支持脚3に備えた車輪2のうちの駆動輪20が前進状態で蹴上げ部に当接しているので、その駆動輪20の軸受け部に設けてある走行抵抗検出センサS6が、駆動輪20の前進に対して所定以上の走行抵抗が働いていることを検出する。この検出情報が状態取得部50を経て段差制御部53に伝えられると、同図に仮想線で示すように、車両本体1の前部及び後部に支持されている支持脚3に備えた車輪2のうち、進行方向での前方に位置する車輪2(車両本体1の後部の支持脚3部分では遊転輪21)が接地して後方に位置する車輪2(車両本体1の後部の支持脚3部分では駆動輪20)が浮上する第三接地モードとなる。
以下に、別実施形態を示す。下記の各別実施形態は、矛盾が生じない限り、複数組み合わせて用いてもよい。なお、本発明の範囲は、これら実施形態の内容に限定されるものではない。
例えば、支持脚3として、3つ以上のリンクを備える機構であってもよい。この場合、支持脚姿勢制御手段4においても、リンク数に対応した駆動機構や制御形態を備えるようにするとよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
例えば、関節部31と第二リンク32の端部との両方に駆動輪20を設けた構造のものであってもよい。
また、駆動輪20の駆動源として油圧モータ6を用いたものに限らず、電動モータを用いたものや、エンジン等により駆動されるものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
例えば、第一駆動機構4Aや第二駆動機構4Bとして、電動シリンダ等の電動で駆動されるアクチュエータを用いたり、軽量であれば空気圧シリンダを用いたものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
例えば、車輪2が段差部に近接したことを検出する接触センサや、超音波センサ、あるいはミリ波レーダー等であっても良く、カメラで検出した映像からAIが判断するようにしたものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
例えば、走行抵抗検出センサS6を用いるのではなく、車両本体1に走行指令を行う送信機に、走行抵抗検出センサS6に代えて、支持脚姿勢制御手段4の第一駆動機構4A及び第二駆動機構4Bの動作をコントロールするための昇降指令を出力するためのモード切換操作部(図示せず)を設け、走行抵抗が発生したか否かに関わらず、人為操作によって任意のタイミングで第一駆動機構4A及び第二駆動機構4Bを作動させて、階段の乗り越えを行えるようにしてもよい。
この場合、送信機から車両本体1側の段差制御部53への指令を無線によって送信するものに限らず、車両本体1側の受信部と送信機側のモード切換操作部とを有線で接続したものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
2 :車輪
3 :支持脚
4 :支持脚姿勢制御手段
4A :第一駆動機構
4B :第二駆動機構
20 :駆動輪
21 :遊転輪
30 :第一リンク
31 :関節部
32 :第二リンク
41 :第一油圧シリンダ
42 :第二油圧シリンダ
x1 :横軸心
S6 :走行抵抗検出センサ
Claims (7)
- 車両本体と、
複数の車輪と、
前記車両本体に対して前記車輪を支持させる複数の支持脚と、が備えられ、
複数の前記支持脚の夫々に、前記車両本体に対して左右方向に沿う横軸心回りで揺動可能に一端部が連結された第一リンクと、その第一リンクの他端部に備えた関節部と、前記関節部を介して前記第一リンクに連結される第二リンクと、が備えられ、
前記車輪が、前記関節部と、前記第二リンクの前記関節部に連結された側とは反対側の端部と、に設けられ、
前記車両本体に対して前記第一リンクを揺動駆動可能な第一駆動機構と、前記第一リンクに対して前記第二リンクを揺動駆動可能な第二駆動機構と、が備えられ、
前記第一駆動機構及び前記第二駆動機構を各別に駆動して前記支持脚の姿勢を制御する支持脚姿勢制御手段が備えられ、
前記支持脚姿勢制御手段は、前記車両本体の前部に支持されている前記支持脚に備えた前記車輪のうち、進行方向での前方に位置する前記車輪が接地して後方に位置する前記車輪が浮上するとともに、前記車両本体の後部に支持されている前記支持脚に備えた前記車輪のうち、進行方向での後方に位置する前記車輪が接地して前方に位置する前記車輪が浮上する第一接地モードと、
前記車両本体の前部及び後部に支持されている前記支持脚に備えた前記車輪のうち、進行方向での後方に位置する前記車輪が接地して前方に位置する前記車輪が浮上する第二接地モードと、
前記車両本体の前部及び後部に支持されている前記支持脚に備えた前記車輪のうち、進行方向での前方に位置する前記車輪が接地して後方に位置する前記車輪が浮上する第三接地モードと、に制御モードを切り換え可能に構成されており、
前記車輪に対する前進方向における走行抵抗を検出する走行抵抗検出センサが備えられ、
前記走行抵抗検出センサは、前記車輪を支持する軸受け部に生じた歪みに基づいて前記走行抵抗を検出する作業車。 - 前記走行抵抗検出センサは、前記軸受け部に設けられている請求項1に記載の作業車。
- 前記走行抵抗検出センサの検出結果に基づいて、前進方向における走行抵抗が所定値以上である前記車輪を所定高さまで浮上させるように構成されている請求項1または2に記載の作業車。
- 前記第一駆動機構は、前記車両本体に対する前記第一リンクの揺動姿勢を変更可能な第一油圧シリンダを備え、前記第二駆動機構は、前記第一リンクに対する前記第二リンクの揺動姿勢を変更可能な第二油圧シリンダを備えている請求項1に記載の作業車。
- 前記第一油圧シリンダ及び前記第二油圧シリンダは、前記第一リンクの長手方向に伸縮方向を沿わせて配設されている請求項4に記載の作業車。
- 前記支持脚に設けられる前記車輪のうち、前記関節部よりも前記車両本体から遠い側の端部に設けられる前記車輪が駆動輪であり、前記関節部に設けられる前記車輪が遊転輪である請求項1~5のいずれか一項に記載の作業車。
- 前記支持脚姿勢制御手段における前記制御モードの切換操作を、人為的に行うためのモード切換操作部が備えられている請求項1~6のいずれか一項に記載の作業車。
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