JP7450223B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、直流電力を別の電圧の直流電力に変換する電力変換装置に関する。
太陽光発電システムやV2H(Vehicle to Home)システムに使用されるパワーコンディショナは、高効率な電力変換が求められる。V2Hシステムは、EV/PHEVに搭載された蓄電池と、家庭内の電源/負荷との間で充放電することができる。例えば、家庭用の太陽光発電システムで発電した電力をEV/PHEVに充電することができる。また、EV/PHEVに搭載された蓄電池を、家庭内の負荷のピークシフトやバックアップ用途に利用することができる。V2Hシステムで使用されるDC/DCコンバータには高効率であることに加え、広範囲の電圧レンジと絶縁型であることが求められる。これらの要求を満たすDC/DCコンバータの一つに、DAB(Dual Active Bridge)コンバータがある。
DABコンバータにおいて、スイッチング素子の特性バラツキ、スイッチング素子のスイッチングタイミングのバラツキ、電源電圧の急激な変化等により、意図せずにトランスに直流電圧が印加され、トランスの励磁電流に直流電流成分が重畳されることがある。この直流電流成分の重畳により、トランスが直流偏磁して磁気飽和すると、トランスの励磁インダクタンスが急激に減少し、励磁電流が急激に増加する。励磁電流の増加は、損失増加、過電流保護停止、機器故障等につながるため、偏磁現象が起きないように回路を動作させる必要がある。
偏磁対策として、トランスに直列にコンデンサを接続して、当該コンデンサにより直流電流をカットする方法が提案されている(例えば、特許文献1の図4参照)。
特開2018-26961号公報
しかしながら、トランスに直列にコンデンサを接続したLLCコンバータでは、電圧及び電力が大きいアプリケーションになると、高耐圧・高電流耐量のコンデンサを使用する必要がある。その場合、回路の大型化及び高コスト化につながる。
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、偏磁抑制が可能な、小型・低コスト・高効率な絶縁型のDC/DCコンバータを提供することにある。
上記課題を解決するために、本開示のある態様の電力変換装置は、一次側の直流電圧を交流電圧に変換する第1ブリッジ回路と、二次側の直流電圧を交流電圧に変換する第2ブリッジ回路と、前記第1ブリッジ回路の交流端子と、前記第2ブリッジ回路の交流端子との間に接続されるトランスと、前記第1ブリッジ回路の交流端子と前記トランスの一次巻線の間に、直列に接続または形成された第1インダクタンスと、前記第2ブリッジ回路の交流端子と前記トランスの二次巻線の間に、直列に接続または形成された第2インダクタンスと、前記トランスの一次巻線に流れる電流を検出する第1電流センサと、前記トランスの二次巻線に流れる電流を検出する第2電流センサと、前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路に含まれる複数のスイッチング素子を制御する制御回路と、を備える。前記制御回路は、前記第1ブリッジ回路の直流端子に接続された一次側の直流部から、前記第2ブリッジ回路の直流端子に接続された二次側の直流部へ降圧または昇圧して電力を伝送する場合、前記第1電流センサにより検出される前記トランスに流れる電流の直流成分を打ち消すように、前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路に含まれる複数のスイッチング素子の少なくとも一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率を制御する。
本開示によれば、偏磁抑制が可能な、小型・低コスト・高効率な絶縁型のDC/DCコンバータを実現できる。
実施の形態に係る電力変換装置の構成を説明するための図である。 実施例(降圧モード)に係る、第1スイッチング素子-第8スイッチング素子のスイッチングタイミング1を示す図である。 図3(a)-(d)は、電力変換装置の実施例(降圧モード)に係る動作を説明するための図である(その1)。 図4(a)-(d)は、電力変換装置の実施例(降圧モード)に係る動作を説明するための図である(その2)。 実施例(降圧モード)に係る、第1スイッチング素子-第8スイッチング素子のスイッチングタイミング2を示す図である。 実施例(昇圧モード)に係る、第1スイッチング素子-第8スイッチング素子のスイッチングタイミング1を示す図である。 図7(a)-(c)は、電力変換装置の実施例(昇圧モード)に係る動作を説明するための図である(その1)。 図8(a)-(c)は、電力変換装置の実施例(昇圧モード)に係る動作を説明するための図である(その2)。 実施例(昇圧モード)に係る、第1スイッチング素子-第8スイッチング素子のスイッチングタイミング2を示す図である。 制御回路の構成例を示す図である。 図10の駆動信号生成部の構成例を示す図である。 PWM制御部の動作モードをまとめた図である。
図1は、実施の形態に係る電力変換装置1の構成を説明するための図である。電力変換装置1は絶縁型の双方向DC/DCコンバータ(DABコンバータ)であり、第1直流電源E1から供給される直流電力を変換して第2直流電源E2に伝送する。また電力変換装置1は、第2直流電源E2から供給される直流電力を変換して第1直流電源E1に伝送する。電力変換装置1は降圧して電力伝送することも、昇圧して電力伝送することも可能である。
第1直流電源E1は例えば、EVに搭載された蓄電池や電気二重層コンデンサ、又は定置型の蓄電池や電気二重層コンデンサが該当する。第2直流電源E2は例えば、インバータを介して商用電力系統に接続された直流バスが該当する。当該直流バスには、他のDC/DCコンバータを介して他の蓄電池、太陽電池、燃料電池等が接続されていてもよい。
電力変換装置1は、一次側コンデンサCa、第1ブリッジ回路11、第1インダクタンスL1、絶縁トランスTR1、第2インダクタンスL2、第2ブリッジ回路12、二次側コンデンサCb、及び制御回路13を備える。
第1直流電源E1と並列に一次側コンデンサCaが接続される。第2直流電源E2と並列に二次側コンデンサCbが接続される。一次側コンデンサCa及び二次側コンデンサCbには例えば、電解コンデンサが使用される。本明細書では、第1直流電源E1と一次側コンデンサCaを総称して第1直流部と呼び、第2直流電源E2と二次側コンデンサCbを総称して第2直流部と呼ぶ。
第1ブリッジ回路11は、第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2が直列接続された第1レグと、第3スイッチング素子Q3と第4スイッチング素子Q4が直列接続された第2レグが並列接続されて構成されるフルブリッジ回路である。第1ブリッジ回路11は第1直流部と並列接続され、第1レグの中点と第2レグの中点が、絶縁トランスTR1の一次巻線n1の両端にそれぞれ接続される。第1ブリッジ回路11は、第1直流部から供給される一次側の直流電圧を交流電圧に変換して、絶縁トランスTR1の一次巻線n1に出力することができる。また第1ブリッジ回路11は、絶縁トランスTR1の一次巻線n1から供給される交流電圧を直流電圧に変換して、第1直流部に出力することができる。
第2ブリッジ回路12は、第5スイッチング素子Q5と第6スイッチング素子Q6が直列接続された第3レグと、第7スイッチング素子Q7と第8スイッチング素子Q8が直列接続された第4レグが並列接続されて構成されるフルブリッジ回路である。第2ブリッジ回路12は第2直流部と並列接続され、第3レグの中点と第4レグの中点が、絶縁トランスTR1の二次巻線n2の両端にそれぞれ接続される。第2ブリッジ回路12は、第2直流部から供給される二次側の直流電圧を交流電圧に変換して、絶縁トランスTR1の二次巻線n2に出力することができる。また第2ブリッジ回路12は、絶縁トランスTR1の二次巻線n2から供給される交流電圧を直流電圧に変換して、第2直流部に出力することができる。
第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8にはそれぞれ、第1ダイオードD1-第8ダイオードD8が逆並列に接続または形成される。また、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8にはそれぞれ、第1容量C1-第8容量C8が並列に接続または形成される。
第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8には例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)を使用できる。IGBTが使用される場合、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のエミッタ・コレクタ間に外付けのダイオード素子を第1ダイオードD1-第8ダイオードD8としてそれぞれ接続する。また、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のコレクタ・エミッタ間に外付けのコンデンサを第1容量C1-第8容量C8としてそれぞれ接続するか、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のコレクタ・エミッタ間にそれぞれ形成される寄生容量を第1容量C1-第8容量C8として使用する。MOSFETが使用される場合、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のソース・ドレイン間にそれぞれ形成される寄生ダイオードを第1ダイオードD1-第8ダイオードD8として使用するか、外付けのダイオード素子を第1ダイオードD1-第8ダイオードD8としてそれぞれ接続する。また、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のソース・ドレイン間にそれぞれ形成される寄生容量を第1容量C1-第8容量C8として使用するか、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のソース・ドレイン間に外付けのコンデンサを第1容量C1-第8容量C8としてそれぞれ接続する。
第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8にそれぞれ並列に接続または形成される第1容量C1-第8容量C8の容量値は全て対応している。即ち、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のエミッタ・コレクタ間またはソース・ドレイン間の容量値は実質的に等しい。同様に、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8にそれぞれ逆並列に接続または形成される第1ダイオードD1-第8ダイオードD8の抵抗値も全て対応している。このように、第1レグ-第4レグの構成は全て対応しており、製造コストと回路面積の低減に寄与している。また、どのようなスイッチングパターンにも柔軟に対応することができる。
絶縁トランスTR1は、第1ブリッジ回路11の交流端子と第2ブリッジ回路12の交流端子との間に接続される。絶縁トランスTR1は、一次巻線n1に接続される第1ブリッジ回路11の出力電圧を、一次巻線n1と二次巻線n2の巻数比に応じて変換し、二次巻線n2に接続される第2ブリッジ回路12に出力する。また絶縁トランスTR1は、二次巻線n2に接続される第2ブリッジ回路12の出力電圧を、二次巻線n2と一次巻線n1の巻数比に応じて変換し、一次巻線n1に接続される第1ブリッジ回路11に出力する。
第1インダクタンスL1は、第1ブリッジ回路11の交流端子と絶縁トランスTR1の一次巻線n1の間に、直列に接続または形成される。第2インダクタンスL2は、第2ブリッジ回路12の交流端子と絶縁トランスTR1の二次巻線n2の間に、直列に接続または形成される。図1に示す例では、第1インダクタンスL1は、第1ブリッジ回路11の第1レグの中点と絶縁トランスTR1の一次巻線n1との間に接続されたリアクトル素子で構成されている。第2インダクタンスL2は、第2ブリッジ回路12の第3レグの中点と絶縁トランスTR1の二次巻線n2との間に接続されたリアクトル素子で構成されている。
なお、第1インダクタンスL1は、第1ブリッジ回路11の第1レグの中点と、絶縁トランスTR1の一次巻線n1との間に形成される一次巻線n1の漏れインダクタンスで構成されてもよい。第2インダクタンスL2は、第2ブリッジ回路12の第3レグの中点と、絶縁トランスTR1の二次巻線n2との間に形成される二次巻線n2の漏れインダクタンスで構成されてもよい。
一次側出力電流センサ14cは、第1直流電源E1のプラス側端子と一次側コンデンサCaのプラス側端子との間の電流経路に挿入される。なお、当該電流経路上にリアクトルが接続されていてもよい。一次側コンバータ電流センサ14dは、一次側コンデンサCaのプラス側端子と第1ブリッジ回路11との間の電流経路に挿入される。一次側出力電流センサ14c及び一次側コンバータ電流センサ14dは、それぞれの電流検出値を制御回路13に出力する。
図1には示していないが、第1直流部の両端電圧を検出する第1電圧センサ、及び第2直流部の両端電圧を検出する第2電圧センサが設けられる。第1電圧センサ及び第2電圧センサは、それぞれの電圧検出値を制御回路13に出力する。
一次側トランス電流センサ14aは、第1ブリッジ回路11の交流端子と絶縁トランスTR1の一次巻線n1との間の電流経路に挿入され、一次巻線n1に流れる電流を検出する。二次側トランス電流センサ14bは、第2ブリッジ回路12の交流端子と絶縁トランスTR1の二次巻線n2との間の電流経路に挿入され、二次巻線n2に流れる電流を検出する。一次側トランス電流センサ14a及び二次側トランス電流センサ14bは、それぞれの電流検出値を制御回路13に出力する。
制御回路13は、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のゲート端子に駆動信号(PWM(Pulse Width Modulation)信号)を供給することにより、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8を制御する。制御回路13の構成は、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、又はハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源としてアナログ素子、マイクロコンピュータ、DSP、ROM、RAM、ASIC、FPGA、その他のLSIを利用できる。ソフトウェア資源としてファームウェア等のプログラムを利用できる。
制御回路13は基本制御として以下の制御を実行する。制御回路13は、第1直流部から第2直流部へ電力伝送する際(第1直流電源E1から放電する際)、一次側出力電流センサ14cにより検出される電流値が電流指令値を維持するように、又は第1電圧センサにより検出される電圧値が電圧指令値を維持するように第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8を制御する。なお、二次側にも出力電流センサを設け、二次側の出力電流センサにより検出される電流値を制御してもよいし、第2電圧センサにより検出される二次側の電圧値を制御してもよい。また制御回路13は、第2直流部から第1直流部へ電力伝送する際(第1直流電源E1に充電する際)、一次側出力電流センサ14cにより検出される電流値が電流指令値を維持するように、又は第1電圧センサにより検出される電圧値が電圧指令値を維持するように第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8を制御する。
制御回路13は、第1直流部から第2直流部へ電力伝送する際、一次側トランス電流センサ14aにより検出される電流値に基づき、絶縁トランスTR1に流れる直流電流成分を特定する。制御回路13は、特定した直流電流成分を打ち消すように、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8の少なくとも一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率(デューティ比)を制御する。
また制御回路13は、第2直流部から第1直流部へ電力伝送する際、二次側トランス電流センサ14bにより検出される電流値に基づき、絶縁トランスTR1に流れる直流電流成分を特定する。制御回路13は、特定した直流電流成分を打ち消すように、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8の少なくとも一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率を制御する。
このようにDABコンバータは、一次側と二次側の基本構成が対称な構成であり、双方向に電力伝送することができる。以下、電力変換装置1の動作を説明する。
(実施例(降圧モード))
図2は、実施例(降圧モード)に係る、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のスイッチングタイミング1を示す図である。図3(a)-(c)は、電力変換装置1の実施例(降圧モード)に係る動作を説明するための図である(その1)。図4(a)-(c)は、電力変換装置1の実施例(降圧モード)に係る動作を説明するための図である(その2)。第1直流部から第2直流部へ電力伝送する際、第1直流電源E1の電圧が第2直流電源E2の電圧より高い場合、降圧モードになる。
図3(a)に示す第1状態では、制御回路13は、第1スイッチング素子Q1及び第4スイッチング素子Q4をオン状態、残りのスイッチング素子(第2スイッチング素子Q2、第3スイッチング素子Q3、第5スイッチング素子Q5、第6スイッチング素子Q6、第7スイッチング素子Q7及び第8スイッチング素子Q8)をオフ状態に制御する(第1スイッチングパターンP1(図2参照))。
第1状態では、第1直流電源E1と絶縁トランスTR1の一次巻線n1が導通している。また、二次側の第5スイッチング素子Q5-第8スイッチング素子Q8が全てオフ状態であるため、第2ブリッジ回路12はダイオードブリッジ回路になっており、第5ダイオードD5及び第8ダイオードD8を介して整流している。第1状態では、第1直流電源E1は、第1インダクタンスL1及び第2インダクタンスL2に電力を充電しながら、第5ダイオードD5及び第8ダイオードD8を介して第2直流電源E2に電力を伝送する。
図3(b)に示す第2状態では、制御回路13は、第4スイッチング素子Q4及び第8スイッチング素子Q8をオン状態、残りのスイッチング素子(第1スイッチング素子Q1、第2スイッチング素子Q2、第3スイッチング素子Q3、第5スイッチング素子Q5、第6スイッチング素子Q6及び第7スイッチング素子Q7)をオフ状態に制御する(第2スイッチングパターンP2(図2参照))。
第2状態では、絶縁トランスTR1の一次巻線n1の両端が第1ブリッジ回路11内で短絡し、第1インダクタンスL1、絶縁トランスTR1及び第2インダクタンスL2が第1直流電源E1から電気的に遮断される。また、二次側の第8スイッチング素子Q8がオン状態であり、第5ダイオードD5及び第8スイッチング素子Q8を介して整流している。第8スイッチング素子Q8はダイオード整流又は同期整流している。同期整流はダイオード整流より損失が少ないため、第8スイッチング素子Q8がオフ状態で第8ダイオードD8を電流が通過する場合と比較して、二次側の損失が低減される。また、第5スイッチング素子Q5がオフ状態で第5ダイオードD5を電流が通過することにより、二次側に流れる電流の向きが反転することを防止することができる。第2状態では、第1インダクタンスL1に蓄積された電力と、第2インダクタンスL2に蓄積された電力が、第2直流電源E2に伝送される。
図3(c)に示す第3状態では、制御回路13は、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8を全てオフ状態に制御する(デッドタイムTd(図2参照))。デッドタイムTdにおいて、第1インダクタンスL1に電力が残留している場合、第1インダクタンスL1から、第3ダイオードD3及び第2ダイオードD2を介して第1直流電源E1に電流が流れる。同様に、第2インダクタンスL2に電力が残留している場合、第2インダクタンスL2から、第5ダイオードD5及び第8ダイオードD8を介して第2直流電源E2に電流が流れる。
図4(a)に示す第4状態では、制御回路13は、第2スイッチング素子Q2及び第3スイッチング素子Q3をオン状態、残りのスイッチング素子(第1スイッチング素子Q1、第4スイッチング素子Q4、第5スイッチング素子Q5、第6スイッチング素子Q6、第7スイッチング素子Q7及び第8スイッチング素子Q8)をオフ状態に制御する(第3スイッチングパターンP3(図2参照))。
第4状態では、第1直流電源E1と絶縁トランスTR1の一次巻線n1が導通している。また、二次側の第5スイッチング素子Q5-第8スイッチング素子Q8が全てオフ状態であるため、第2ブリッジ回路12はダイオードブリッジ回路になっており、第7ダイオードD7及び第6ダイオードD6を介して整流している。第4状態では、第1直流電源E1は、第1インダクタンスL1及び第2インダクタンスL2に電力を充電しながら、第7ダイオードD7及び第6ダイオードD6を介して第2直流電源E2に電力を伝送する。
図4(b)に示す第5状態では、制御回路13は、第3スイッチング素子Q3及び第7スイッチング素子Q7をオン状態、残りのスイッチング素子(第1スイッチング素子Q1、第2スイッチング素子Q2、第4スイッチング素子Q4、第5スイッチング素子Q5、第6スイッチング素子Q6及び第8スイッチング素子Q8)をオフ状態に制御する(第4スイッチングパターンP4(図2参照))。
第5状態では、絶縁トランスTR1の一次巻線n1の両端が第1ブリッジ回路11内で短絡し、第1インダクタンスL1、絶縁トランスTR1及び第2インダクタンスL2が第1直流電源E1から電気的に遮断される。また、二次側の第7スイッチング素子Q7がオン状態であり、第7スイッチング素子Q7及び第6ダイオードD6を介して整流している。第7スイッチング素子Q7はダイオード整流又は同期整流している。同期整流はダイオード整流より損失が少ないため、第7スイッチング素子Q7がオフ状態で第7ダイオードD7を電流が通過する場合と比較して、二次側の損失が低減される。また、第6スイッチング素子Q6がオフ状態で第6ダイオードD6を電流が通過することにより、二次側に流れる電流の向きが反転することを防止することができる。第5状態では、第1インダクタンスL1に蓄積された電力と、第2インダクタンスL2に蓄積された電力が、第2直流電源E2に伝送される。
図4(c)に示す第6状態では、制御回路13は、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8を全てオフ状態に制御する(デッドタイムTd(図2参照))。デッドタイムTdにおいて、第1インダクタンスL1に電力が残留している場合、第1インダクタンスL1から、第1ダイオードD1及び第4ダイオードD4を介して第1直流電源E1に電流が流れる。同様に、第2インダクタンスL2に電力が残留している場合、第2インダクタンスL2から、第7ダイオードD7及び第6ダイオードD6を介して第2直流電源E2に電流が流れる。
本実施例(降圧モード)では、制御回路13は、第1スイッチング素子Q1又は第2スイッチング素子Q2に供給する駆動信号のデューティ比を調整することで、第1直流部から第2直流部へ供給する電力の電圧または電流を制御する。第1スイッチング素子Q1又は第2スイッチング素子Q2に供給する駆動信号のオン時間が長くなるほど(デューティ比が大きくなるほど)、第1直流部から第2直流部へ伝送する電力量が増加する。制御回路13は、第3スイッチング素子Q3と第4スイッチング素子Q4を交互に、スイッチング周期fswの半分の時間(デッドタイムTdを除く)、オン状態に制御する。このように本実施例(降圧モード)では、PWM方式で第1直流部から第2直流部へ電力伝送する。
図2に示す例では、絶縁トランスTR1の一次巻線n1に流れる電流に、正の直流電流成分が重畳されている。これにより、絶縁トランスTR1に直流偏磁が発生している。図2に示すように第2スイッチングパターンP2の期間において、絶縁トランスTR1の一次巻線n1に流れる電流が増加している。具体的には、実線と点線の間の面積に相当する電流成分が直流電流成分として上乗せされている。
この絶縁トランスTR1に流れる直流電流成分を打ち消すために、制御回路13は、第1ブリッジ回路11に含まれる一つのスイッチング素子(図2に示す例では、第1スイッチング素子Q1)に供給する駆動信号のデューティ比を調整する。具体的には第1スイッチング素子Q1のオン時間を減らすことにより、当該直流電流成分を相殺することができる。なお、制御回路13は、第2スイッチング素子Q2のオン時間を増やすことにより、当該直流電流成分を相殺してもよい。なお、絶縁トランスTR1の一次巻線n1に流れる電流に、負の直流電流成分が重畳されている場合、制御回路13は、第1スイッチング素子Q1のオン時間を増やすことにより、当該直流電流成分を相殺することができる。なお、制御回路13は、第2スイッチング素子Q2のオン時間を減らすことにより、当該直流電流成分を相殺してもよい。
図2に示す例では、制御回路13は、第1ブリッジ回路11に含まれる一つのスイッチング素子(図2に示す例では、第1スイッチング素子Q1)に供給する駆動信号のデューティ比とともに、第2ブリッジ回路12に含まれる一つのスイッチング素子(図2に示す例では、第8スイッチング素子Q8)に供給する駆動信号のデューティ比を調整している。さらに制御回路13は、第1スイッチング素子Q1に供給する駆動信号のオン時間と、第8スイッチング素子Q8に供給する駆動信号のオン時間と、デッドタイムTdの合計時間が、第1ブリッジ回路11及び第2ブリッジ回路12のスイッチング周期fswの半分の時間になるように、第1スイッチング素子Q1及び第8スイッチング素子Q8を制御している。これにより、第8スイッチング素子Q8の同期整流期間を最大化することができ、第8スイッチング素子Q8の同期整流による損失低減効果を最大化することができる。
なお、制御回路13は第7スイッチング素子Q7及び第8スイッチング素子Q8も、第5スイッチング素子Q5及び第6スイッチング素子Q6と同様に、常時オフ状態に制御してもよい。その場合、制御回路13は、第1ブリッジ回路11に含まれる一つのスイッチング素子(第1スイッチング素子Q1又は第2スイッチング素子Q2)に供給する駆動信号のデューティ比の調整のみで、絶縁トランスTR1に流れる直流電流成分を打ち消す。この場合、一つのスイッチング素子のみで偏磁抑制制御が可能となるため、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8の駆動制御を簡易化することができる。
図5は、実施例(降圧モード)に係る、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のスイッチングタイミング2を示す図である。図2に示した第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のスイッチングタイミング1では、第1直流部から第2直流部へ降圧して電力を供給する例を説明した。この点、第2直流部から第1直流部へ降圧して電力を供給することも可能である。第2直流部から第1直流部へ電力伝送する際、第2直流電源E2の電圧が第1直流電源E1の電圧より高い場合、降圧モードになる。この場合、図5に示すように、制御回路13は、第1スイッチング素子Q1-第4スイッチング素子Q4に供給する駆動信号と、第5スイッチング素子Q5-第8スイッチング素子Q8に供給する駆動信号を入れ替えればよい。第2直流部から第1直流部へ降圧して電力伝送する場合、制御回路13は、二次側トランス電流センサ14bにより検出される電流値の直流成分がゼロになるように第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8を制御する。
(実施例(昇圧モード))
図6は、実施例(昇圧モード)に係る、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のスイッチングタイミング1を示す図である。図7(a)-(c)は、電力変換装置1の実施例(昇圧モード)に係る動作を説明するための図である(その1)。図8(a)-(c)は、電力変換装置1の実施例(昇圧モード)に係る動作を説明するための図である(その2)。第1直流部から第2直流部へ電力伝送する際、第1直流電源E1の電圧が第2直流電源E2の電圧以下の場合、昇圧モードになる。
図7(a)に示す第1状態では、制御回路13は、第1スイッチング素子Q1、第4スイッチング素子Q4及び第6スイッチング素子Q6をオン状態、第2スイッチング素子Q2、第3スイッチング素子Q3、第5スイッチング素子Q5、第7スイッチング素子Q7及び第8スイッチング素子Q8をオフ状態に制御する(第5スイッチングパターンP5(図6参照))。
第1状態では、第1直流電源E1と絶縁トランスTR1の一次巻線n1が導通している。また、絶縁トランスTR1の二次巻線n2の両端が第2ブリッジ回路12内で短絡し、第1インダクタンスL1、絶縁トランスTR1及び第2インダクタンスL2が第2直流電源E2から電気的に遮断される。第1状態では、第1直流電源E1は、第1インダクタンスL1及び第2インダクタンスL2に電力を充電する。
図7(b)に示す第2状態では、制御回路13は、第1スイッチング素子Q1、第4スイッチング素子Q4及び第8スイッチング素子Q8をオン状態、第2スイッチング素子Q2、第3スイッチング素子Q3、第5スイッチング素子Q5、第6スイッチング素子Q6及び第7スイッチング素子Q7をオフ状態に制御する(第6スイッチングパターンP6(図6参照))。
第2状態では、第1直流電源E1と絶縁トランスTR1の一次巻線n1が導通している。また、二次側の第8スイッチング素子Q8がオン状態であり、第5ダイオードD5及び第8スイッチング素子Q8を介して整流している。第8スイッチング素子Q8はダイオード整流又は同期整流している。整流状態では絶縁トランスTR1の二次巻線n2と第2直流電源E2が導通する。同期整流はダイオード整流より損失が少ないため、第8スイッチング素子Q8がオフ状態で第8ダイオードD8を電流が通過する場合と比較して、二次側の損失が低減される。また、第5スイッチング素子Q5がオフ状態で第5ダイオードD5を電流が通過することにより、二次側に流れる電流の向きが反転することを防止することができる。第2状態では、第1直流電源E1の電力と、第1インダクタンスL1に蓄積された電力と、第2インダクタンスL2に蓄積された電力が、第2直流電源E2に伝送される。
図7(c)に示す第3状態では、制御回路13は、第5スイッチング素子Q5をオン状態、第1スイッチング素子Q1、第2スイッチング素子Q2、第3スイッチング素子Q3、第4スイッチング素子Q4、第6スイッチング素子Q6、第7スイッチング素子Q7及び第8スイッチング素子Q8をオフ状態に制御する(第1の一次側デッドタイムTd’(図6参照))。
第1の一次側デッドタイムTd’において、第1インダクタンスL1に電力が残留している場合、第1インダクタンスL1から、第3ダイオードD3及び第2ダイオードD2を介して第1直流電源E1に電流が流れる。また、二次側の第5スイッチング素子Q5がオン状態であり、第5スイッチング素子Q5及び第8ダイオードD8を介して整流している。第5スイッチング素子Q5はダイオード整流又は同期整流している。同期整流はダイオード整流より損失が少ないため、第5スイッチング素子Q5がオフ状態で第5ダイオードD5を電流が通過する場合と比較して、二次側の損失が低減される。また、第7スイッチングパターンP7の区間の開始タイミングで第5スイッチング素子Q5をターンオンするより、第1の一次側デッドタイムTd’の開始タイミングで第5スイッチング素子Q5をターンオンするほうが、ZVS(ゼロ電圧スイッチング)によりスイッチング損失を低減できる。また、第8スイッチング素子Q8がオフ状態で第8ダイオードD8を電流が通過することにより、二次側に流れる電流の向きが反転することを防止することができる。
図8(a)に示す第4状態では、制御回路13は、第2スイッチング素子Q2、第3スイッチング素子Q3及び第5スイッチング素子Q5をオン状態、第1スイッチング素子Q1、第4スイッチング素子Q4、第6スイッチング素子Q6、第7スイッチング素子Q7及び第8スイッチング素子Q8をオフ状態に制御する(第7スイッチングパターンP7(図6参照))。
第4状態では、第1直流電源E1と絶縁トランスTR1の一次巻線n1が導通している。また、絶縁トランスTR1の二次巻線n2の両端が第2ブリッジ回路12内で短絡し、第1インダクタンスL1、絶縁トランスTR1及び第2インダクタンスL2が第2直流電源E2から電気的に遮断される。第4状態では、第1直流電源E1は、第1インダクタンスL1及び第2インダクタンスL2に電力を充電する。
図8(b)に示す第5状態では、制御回路13は、第2スイッチング素子Q2、第3スイッチング素子Q3及び第7スイッチング素子Q7をオン状態、第1スイッチング素子Q1、第4スイッチング素子Q4、第5スイッチング素子Q5、第6スイッチング素子Q6及び第8スイッチング素子Q8をオフ状態に制御する(第8スイッチングパターンP8(図6参照))。
第5状態では、第1直流電源E1と絶縁トランスTR1の一次巻線n1が導通している。また、二次側の第7スイッチング素子Q7がオン状態であり、第7スイッチング素子Q7及び第6ダイオードD6を介して整流している。整流状態では絶縁トランスTR1の二次巻線n2と第2直流電源E2が導通する。整流状態では絶縁トランスTR1の二次巻線n2と第2直流電源E2が導通する。第7スイッチング素子Q7はダイオード整流又は同期整流している。同期整流はダイオード整流より損失が少ないため、第7スイッチング素子Q7がオフ状態で第7ダイオードD7を電流が通過する場合と比較して、二次側の損失が低減される。また、第6スイッチング素子Q6がオフ状態で第6ダイオードD6を電流が通過することにより、二次側に流れる電流の向きが反転することを防止することができる。第5状態では、第1直流電源E1の電力と、第1インダクタンスL1に蓄積された電力と、第2インダクタンスL2に蓄積された電力が、第2直流電源E2に伝送される。
図8(c)に示す第6状態では、制御回路13は、第6スイッチング素子Q6をオン状態、第1スイッチング素子Q1、第2スイッチング素子Q2、第3スイッチング素子Q3、第4スイッチング素子Q4、第5スイッチング素子Q5、第7スイッチング素子Q7及び第8スイッチング素子Q8をオフ状態に制御する(第2の一次側デッドタイムTd’(図6参照))。
第2の一次側デッドタイムTd’において、第1インダクタンスL1に電力が残留している場合、第1インダクタンスL1から、第1ダイオードD1及び第4ダイオードD4を介して第1直流電源E1に電流が流れる。また、二次側の第6スイッチング素子Q6がオン状態であり、第7ダイオードD7及び第6スイッチング素子Q6を介して整流している。第6スイッチング素子Q6はダイオード整流又は同期整流している。同期整流はダイオード整流より損失が少ないため、第6スイッチング素子Q6がオフ状態で第6ダイオードD6を電流が通過する場合と比較して、二次側の損失が低減される。また、第5スイッチングパターンP5の区間の開始タイミングで第6スイッチング素子Q6をターンオンするより、第2の一次側デッドタイムTd’の開始タイミングで第6スイッチング素子Q6をターンオンするほうが、ZVS(ゼロ電圧スイッチング)によりスイッチング損失を低減できる。また、第7スイッチング素子Q7がオフ状態で第7ダイオードD7を電流が通過することにより、二次側に流れる電流の向きが反転することを防止することができる。
本実施例(昇圧モード)では、制御回路13は、第1レグと第2レグ間の位相差を固定する。具体的には制御回路13は、第1レグの第1スイッチング素子Q1と第2レグの第4スイッチング素子Q4の位相差と、第1レグの第2スイッチング素子Q2と第2レグの第3スイッチング素子Q3の位相差を0°に固定する。この場合、第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2、及び第3スイッチング素子Q3と第4スイッチング素子Q4に貫通電流が流れることを防止しつつ、第1直流部から第2直流部への電力伝送期間を最大限に確保することができる。このように、制御回路13は、一次側デッドタイムTd’を除き、第1直流電源E1と絶縁トランスTR1の一次巻線n1が導通するように第1スイッチング素子Q1-第4スイッチング素子Q4を制御している。
制御回路13は、第5スイッチング素子Q5又は第6スイッチング素子Q6に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率で、第1直流部から第2直流部へ供給する電力の電圧または電流を制御する。このように、本実施例(昇圧モード)では、PWM方式で第1直流部から第2直流部へ電力伝送する。
制御回路13は、第5スイッチング素子Q5のオン時間と第8スイッチング素子Q8のオン時間の合計時間(デッドタイムを含まず)が、スイッチング周期fswの半分の時間になるように、第5スイッチング素子Q5と第8スイッチング素子Q8を制御する。また制御回路13は、第6スイッチング素子Q6のオン時間と第7スイッチング素子Q7のオン時間の合計時間(デッドタイムを含まず)が、スイッチング周期fswの半分の時間になるように、第6スイッチング素子Q6と第7スイッチング素子Q7を制御する。
図6に示す例では、絶縁トランスTR1の一次巻線n1に流れる電流に、正の直流電流成分が重畳されている。これにより、絶縁トランスTR1に直流偏磁が発生している。図6に示すように第6スイッチングパターンP6の期間において、絶縁トランスTR1の一次巻線n1に流れる電流が増加している。具体的には、実線と点線の間の面積に相当する電流成分が直流電流成分として上乗せされている。
この絶縁トランスTR1に流れる直流電流成分を打ち消すために、制御回路13は、第2ブリッジ回路12に含まれる一つのスイッチング素子(図6に示す例では、第6スイッチング素子Q6)に供給する駆動信号のデューティ比を調整する。具体的には第6スイッチング素子Q6のオン時間を減らすことにより、当該直流電流成分を相殺することができる。なお、制御回路13は、第5スイッチング素子Q5のオン時間を増やすことにより、当該直流電流成分を相殺してもよい。なお、絶縁トランスTR1の一次巻線n1に流れる電流に、負の直流電流成分が重畳されている場合、制御回路13は、第6スイッチング素子Q6のオン時間を増やすことにより、当該直流電流成分を相殺することができる。なお、制御回路13は、第5スイッチング素子Q5のオン時間を減らすことにより、当該直流電流成分を相殺してもよい。
図6に示す例では、制御回路13は、第2ブリッジ回路12に含まれる第6スイッチング素子Q6に供給する駆動信号のデューティ比とともに、第8スイッチング素子Q8に供給する駆動信号のデューティ比を調整している。即ち、制御回路13は、第2ブリッジ回路12に含まれるローサイドの第8スイッチング素子Q8と第6スイッチング素子Q6に供給する駆動信号のデューティ比を調整している。
さらに制御回路13は、ローサイドの第8スイッチング素子Q8と第6スイッチング素子Q6にそれぞれ供給する駆動信号のオン時間の合計時間が、第1ブリッジ回路11及び第2ブリッジ回路12のスイッチング周期fswの半分の時間になるように、第8スイッチング素子Q8と第6スイッチング素子Q6を制御している。これにより、第8スイッチング素子Q8の同期整流期間を最大化することができ、第8スイッチング素子Q8の同期整流による損失低減効果を最大化することができる。
なお、絶縁トランスTR1に流れる直流電流成分を第5スイッチング素子Q5のオン時間で制御する場合、制御回路13は、第2ブリッジ回路12に含まれる第5スイッチング素子Q5に供給する駆動信号のデューティ比とともに、第7スイッチング素子Q7に供給する駆動信号のデューティ比を調整する。即ち、制御回路13は、第2ブリッジ回路12に含まれるハイサイドの第7スイッチング素子Q7と第5スイッチング素子Q5に供給する駆動信号のデューティ比を調整する。
さらに制御回路13は、ハイサイドの第7スイッチング素子Q7と第5スイッチング素子Q5にそれぞれ供給する駆動信号のオン時間の合計時間が、第1ブリッジ回路11及び第2ブリッジ回路12のスイッチング周期fswの半分の時間になるように、第7スイッチング素子Q7と第5スイッチング素子Q5を制御する。これにより、第7スイッチング素子Q7の同期整流期間を最大化することができ、第7スイッチング素子Q7の同期整流による損失低減効果を最大化することができる。
なお、制御回路13は第7スイッチング素子Q7及び第8スイッチング素子Q8を、常時オフ状態に制御してもよい。この場合、制御回路13は、第2ブリッジ回路12に含まれる一つのスイッチング素子(第6スイッチング素子Q6又は第5スイッチング素子Q5)に供給する駆動信号のデューティ比の調整のみで、絶縁トランスTR1に流れる直流電流成分を打ち消す。この場合、一つのスイッチング素子のみで偏磁抑制制御が可能となるため、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8の駆動制御を簡易化することができる。
図9は、実施例(昇圧モード)に係る、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のスイッチングタイミング2を示す図である。図6に示した第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のスイッチングタイミング1では、第1直流部から第2直流部へ昇圧して電力を供給する例を説明した。この点、第2直流部から第1直流部へ昇圧して電力を供給することも可能である。第2直流部から第1直流部へ電力伝送する際、第2直流電源E2の電圧が第1直流電源E1の電圧以下の場合、昇圧モードになる。この場合、図9に示すように、制御回路13は、第1スイッチング素子Q1-第4スイッチング素子Q4に供給する駆動信号と、第5スイッチング素子Q5-第8スイッチング素子Q8に供給する駆動信号を入れ替えればよい。第2直流部から第1直流部へ昇圧して電力伝送する場合、制御回路13は、二次側トランス電流センサ14bにより検出される電流値の直流成分がゼロになるように第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8を制御する。
図10は、制御回路13の構成例を示す図である。制御回路13は、伝送電力制御部131、駆動信号生成部132及び偏磁抑制制御部133を含む。伝送電力制御部131は、一次側から二次側へ伝送する電力、又は二次側から一次側へ伝送する電力を制御するための主デューティ値を生成する。偏磁抑制制御部133は、絶縁トランスTR1に流れる直流電流成分を打ち消すための補正デューティ値と、主デューティ値を加算して合成デューティ値を生成する。駆動信号生成部132は、主デューティ値と合成デューティ値を用いて、第1ブリッジ回路11及び第2ブリッジ回路12に含まれる第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8にそれぞれ供給する駆動信号を生成する。
伝送電力制御部131は、出力電流制御部131a、加算部131b及びコンバータ電流制御部131cを含む。偏磁抑制制御部133は、減算部133a、PI制御部133b、加算部133c、リミッタ部133d、スイッチ部133e及び判定部133fを含む。出力電流制御部131a及びコンバータ電流制御部131cには、PI制御などのフィードバック制御を含む。
第1ローパスフィルタ回路134a-第4ローパスフィルタ回路134dは、一次側トランス電流センサ14a、二次側トランス電流センサ14b、一次側出力電流センサ14c及び一次側コンバータ電流センサ14dにより検出された電流値の高域成分を減衰させる。
第1ローパスフィルタ回路134a-第4ローパスフィルタ回路134dは、抵抗とコンデンサを使用したRCフィルタで構成される。第1ローパスフィルタ回路134a、第2ローパスフィルタ回路134b及び第4ローパスフィルタ回路134dのカットオフ周波数は、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のスイッチング周波数より低く設定される。これにより、検出された電流値の交流成分がカットされ、直流成分を抽出できるようになる。本実施例では、絶縁トランスTR1に流れる直流電流成分をもとに偏磁抑制制御を行うため、絶縁トランスTR1に流れる直流電流成分を高精度に計測する必要がある。
第1サンプル・ホールド回路135a-第4サンプル・ホールド回路135dは、第1ローパスフィルタ回路134a-第4ローパスフィルタ回路134dによりそれぞれ減衰されたアナログ信号を、所定の周期でサンプリングし、サンプリングしたアナログ信号をデジタル値に変換し、出力する。
伝送電力制御部131の出力電流制御部131aは、設定された出力電流指令値(目標電流値)と、一次側出力電流センサ14cにより検出された電流値の直流成分との差分をもとに、コンデンサ補償電流指令値を生成する。加算部131bは、フィードフォワード用の出力電流指令値と、コンデンサ補償電流指令値を加算する。コンバータ電流制御部131cは、コンデンサ補償電流指令値と、一次側コンバータ電流センサ14dにより検出された電流値の直流成分との差分をもとに、主デューティ値を生成する。主デューティ値は、駆動信号生成部132と偏磁抑制制御部133に出力される。本実施例では主デューティ値の範囲は、-1.0~+1.0に設定される。
偏磁抑制制御部133の判定部133fは、主デューティ値が0以上であるか否か判定する。0以上である場合、スイッチ部133eは、第2サンプル・ホールド回路135bの出力値(二次側トランス電流センサ14bにより検出された電流値の直流成分)を選択して減算部133aに出力する。0未満である場合、スイッチ部133eは、第1サンプル・ホールド回路135aの出力値(一次側トランス電流センサ14aにより検出された電流値の直流成分)を選択して減算部133aに出力する。
減算部133aは、設定されたトランス直流電流指令値(通常、ゼロに設定される)から、一次側トランス電流センサ14a又は二次側トランス電流センサ14bにより検出された電流値の直流成分を減算して、両者の偏差を算出する。PI制御部133bは、当該偏差をもとに補正デューティ値を生成する。なお、PI制御の代わりに、P制御又はPID制御を用いてもよい。P制御では比例項を制御でき、I制御では積分項を制御でき、D制御では微分項を制御できる。
加算部133cは、補正デューティ値と、伝送電力制御部131により生成された主デューティ値を加算して合成デューティ値を生成する。リミッタ部133dは、合成デューティ値を-1.0~+1.0の範囲に制限する。例えば、合成デューティ値が-1.0より小さい場合、リミッタ部133dは合成デューティ値を-1に補正する。合成デューティ値が+1.0より大きい場合、リミッタ部133dは合成デューティ値を+1に補正する。リミッタ部133dを通過した合成デューティ値は、駆動信号生成部132に出力される。
図11は、図10の駆動信号生成部132の構成例を示す図である。駆動信号生成部132は、モード判定部132a及びPWM制御部132bを含む。PWM制御部132bには、主デューティ値、0%固定デューティ値、50%固定デューティ値、合成デューティ値が入力される。モード判定部132aは、主デューティ値をもとに動作モードを判定し、判定した動作モードをPWM制御部132bに出力する。
図12は、PWM制御部132bの動作モードをまとめた図である。動作モード(1)は、二次側から一次側へ昇圧して電力を伝送するモードである(図9のタイミングチャート参照)。動作モード(2)は、二次側から一次側へ降圧して電力を伝送するモードである(図5のタイミングチャート参照)。動作モード(3)は、一次側から二次側へ降圧して電力を伝送するモードである(図2のタイミングチャート参照)。動作モード(4)は、一次側から二次側へ昇圧して電力を伝送するモードである(図6のタイミングチャート参照)。
主デューティ値が、1.0以下で、(0.5-デッドタイム×スイッチング周波数)の値以上である場合、モード判定部132aは動作モード(1)と判定する。
主デューティ値が、(0.5-デッドタイム×スイッチング周波数)の値未満で、0以上である場合、モード判定部132aは動作モード(2)と判定する。
主デューティ値が、0未満で、(-0.5-デッドタイム×スイッチング周波数)の値より大きい場合、モード判定部132aは動作モード(3)と判定する。
主デューティ値が、(-0.5-デッドタイム×スイッチング周波数)未満で、-1.0以上である場合、モード判定部132aは動作モード(4)と判定する。
動作モード(1)と判定された場合、PWM制御部132bは、第1スイッチング素子Q1のデューティ値を主デューティ値に設定し、第2スイッチング素子Q2のデューティ値を合成デューティ値に設定し、第3スイッチング素子Q3のデューティ値を(50%固定デューティ値-主デューティ値)に設定し、第4スイッチング素子Q4のデューティ値を(50%固定デューティ値-合成デューティ値)に設定し、第5スイッチング素子Q5-第8スイッチング素子Q8のデューティ値を50%固定デューティ値に設定する。
動作モード(2)と判定された場合、PWM制御部132bは、第1スイッチング素子Q1及び第2スイッチング素子Q2のデューティ値を0%固定デューティ値に設定し、第3スイッチング素子Q3のデューティ値を(50%固定デューティ値-主デューティ値)に設定し、第4スイッチング素子Q4のデューティ値を(50%固定デューティ値-合成デューティ値)に設定し、第5スイッチング素子Q5のデューティ値を合成デューティ値に設定し、第6スイッチング素子Q6のデューティ値を主デューティ値に設定し、第7スイッチング素子Q7及び第8スイッチング素子Q8のデューティ値を50%固定デューティ値に設定する。
動作モード(3)と判定された場合、PWM制御部132bは、第1スイッチング素子Q1のデューティ値を合成デューティ値に設定し、第2スイッチング素子Q2のデューティ値を主デューティ値に設定し、第3スイッチング素子Q3及び第4スイッチング素子Q4のデューティ値を50%固定デューティ値に設定し、第5スイッチング素子Q5及び第6スイッチング素子Q6のデューティ値を0%固定デューティ値に設定し、第7スイッチング素子Q7のデューティ値を(50%固定デューティ値-主デューティ値)に設定し、第8スイッチング素子Q8のデューティ値を(50%固定デューティ値-合成デューティ値)に設定する。
動作モード(4)と判定された場合、PWM制御部132bは、第1スイッチング素子Q1-第4スイッチング素子Q4のデューティ値を50%固定デューティ値に設定し、第5スイッチング素子Q5のデューティ値を主デューティ値に設定し、第6スイッチング素子Q6のデューティ値を合成デューティ値に設定し、第7スイッチング素子Q7のデューティ値を(50%固定デューティ値-主デューティ値)に設定し、第8スイッチング素子Q8のデューティ値を(50%固定デューティ値-合成デューティ値)に設定する。
PWM制御部132bは、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のデューティ値とキャリア波の比較結果をもとに、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8に供給するPWM信号を生成する。キャリア波として通常、三角波または矩形波が使用される。
図10に示した偏磁抑制制御部133は、主デューティ値が0以上の場合、二次側トランス電流センサ14bにより検出された電流値の直流成分をもとに補正デューティ値を生成し、主デューティ値が0未満の場合、一次側トランス電流センサ14aにより検出された電流値の直流成分をもとに補正デューティ値を生成した。この場合、主デューティ値が0以上で二次側から一次側への電力伝送、主デューティ値が0未満で一次側から二次側への電力伝送になる。
この点、主デューティ値の正負の関係を逆に設計してもよい。即ち、偏磁抑制制御部133は、主デューティ値が0以上の場合、一次側トランス電流センサ14aにより検出された電流値の直流成分をもとに補正デューティ値を生成し、主デューティ値が0未満の場合、二次側トランス電流センサ14bにより検出された電流値の直流成分をもとに補正デューティ値を生成してもよい。この場合、主デューティ値が0以上で一次側から二次側への電力伝送、主デューティ値が0未満で二次側から一次側への電力伝送になる。
図10において、伝送電力制御部131及び偏磁抑制制御部133は、マイクロコンピュータによるソフトウェア処理で実現されてもよい。駆動信号生成部132は、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のデューティ値の決定までは、マイクロコンピュータによるソフトウェア処理で実現され、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8のデューティ値とキャリア波との比較処理はコンパレータでハードウェア的に実現されてもよい。
第1ローパスフィルタ回路134a-第4ローパスフィルタ回路134dはアナログ素子で構成されることが好ましい。理論的には、マイクロコンピュータによる電流値の積分演算でも実現可能であるが、サンプリング周波数を高速化する必要があり、設計コストが増大する。ローパスフィルタをアナログ素子で構成すれば、サンプリング周波数を高速化する必要がなく、第1サンプル・ホールド回路135a-第4サンプル・ホールド回路135dとマイクロコンピュータのコストの増大を抑制することができる。
一次側トランス電流センサ14aにより検出された電流値の直流成分、及び二次側トランス電流センサ14bにより検出された電流値の直流成分の少なくとも一方が、設定された閾値を超えた場合、第1ブリッジ回路11及び第2ブリッジ回路12のスイッチング動作が緊急停止する仕組みが導入されていてもよい。
例えば、偏磁抑制制御部133は、絶縁トランスTR1に流れる電流の直流成分が閾値を超えた場合、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8を全オフ状態に制御することを指示する緊急停止信号をPWM制御部132bに出力する。また、第1ローパスフィルタ回路134a及び第2ローパスフィルタ回路134bと、第1サンプル・ホールド回路135a及び第2サンプル・ホールド回路135bとの間に過電流検出回路(不図示)を設けてもよい。この場合、過電流検出回路は、閾値を超える過電流を検出した場合、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8を全オフ状態に制御することを指示する緊急停止信号をPWM制御部132bに出力する。
PWM制御部132bは緊急停止信号を受信すると、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8を全オフ状態に制御して、電力変換装置1の動作を強制的に停止させる。電力変換装置1が強制停止すると、制御回路13は、アラームを鳴らす、又はアラートランプを点灯させることにより、強制停止をユーザに通知する。
以上説明したように本実施の形態によれば、絶縁トランスTR1の偏磁を抑制することができ、偏磁による損失増加、過電流保護停止、機器故障等を防止することができる。絶縁トランスTR1に対して直列に、偏磁抑制用のコンデンサを接続する必要がないため、回路の大型化及び高コスト化を抑制することができる。
以上、本開示を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記実施の形態では、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8にIGBTまたはMOSFETを使用する例を想定した。この点、第1スイッチング素子Q1-第8スイッチング素子Q8に、炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga2O3)、ダイヤモンド(C)等を使用したワイドバンドギャップ半導体で構成されたスイッチング素子を使用してもよい。
なお、実施の形態は、以下の項目によって特定されてもよい。
[項目1]
一次側の直流電圧を交流電圧に変換する第1ブリッジ回路(11)と、
二次側の直流電圧を交流電圧に変換する第2ブリッジ回路(12)と、
前記第1ブリッジ回路(11)の交流端子と、前記第2ブリッジ回路(12)の交流端子との間に接続されるトランス(TR1)と、
前記第1ブリッジ回路(11)の交流端子と前記トランス(TR1)の一次巻線(n1)の間に、直列に接続または形成された第1インダクタンス(L1)と、
前記第2ブリッジ回路(12)の交流端子と前記トランス(TR1)の二次巻線(n2)の間に、直列に接続または形成された第2インダクタンス(L2)と、
前記トランス(TR1)の一次巻線(n1)に流れる電流を検出する第1電流センサ(14a)と、
前記トランス(TR1)の二次巻線(n2)に流れる電流を検出する第2電流センサ(14b)と、
前記第1ブリッジ回路(11)及び前記第2ブリッジ回路(12)に含まれる複数のスイッチング素子(Q1-Q8)を制御する制御回路(13)と、を備え、
前記制御回路(13)は、
前記第1ブリッジ回路(11)の直流端子に接続された一次側の直流部(E1、Ca)から、前記第2ブリッジ回路(12)の直流端子に接続された二次側の直流部(E2、Cb)へ降圧または昇圧して電力を伝送する場合、前記第1電流センサ(14a)により検出される前記トランス(TR1)に流れる電流の直流成分を打ち消すように、前記第1ブリッジ回路(11)及び前記第2ブリッジ回路(12)に含まれる複数のスイッチング素子(Q1-Q8)の少なくとも一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率を制御することを特徴とする電力変換装置(1)。
これによれば、電流センサ(14a、14b)とスイッチング素子(Q1-Q8)の制御で偏磁を抑制でき、コスト及び回路面積を増大させずに偏磁を抑制することができる。
[項目2]
前記制御回路(13)は、
前記一次側の直流部(E1、Ca)から前記二次側の直流部(E2、Cb)へ降圧して電力を伝送する場合、前記トランス(TR1)に流れる電流の直流成分を打ち消すように、前記第1ブリッジ回路(11)に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率を制御することを特徴とする項目1に記載の電力変換装置(1)。
これによれば、一つのスイッチング素子の制御で、偏磁抑制を簡易に実現することができる。
[項目3]
前記制御回路(13)は、
前記一次側の直流部(E1、Ca)から前記二次側の直流部(E2、Cb)へ降圧して電力を伝送する場合、前記トランス(TR1)に流れる電流の直流成分を打ち消すように、前記第1ブリッジ回路(11)に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率と、前記第2ブリッジ回路(12)に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率を制御することを特徴とする項目1に記載の電力変換装置(1)。
これによれば、同期整流を行いつつ、一次側の一つのスイッチング素子と二次側の一つのスイッチング素子の制御で、偏磁抑制を実現することができる。
[項目4]
前記制御回路(13)は、
前記第1ブリッジ回路(11)に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間と、前記第2ブリッジ回路(12)に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間と、デッドタイムの合計時間が、前記第1ブリッジ回路(11)及び前記第2ブリッジ回路(12)のスイッチング周期の半分の時間になるように、前記第1ブリッジ回路(11)に含まれる一つのスイッチング素子と前記第2ブリッジ回路(12)に含まれる一つのスイッチング素子を制御することを特徴とする項目3に記載の電力変換装置(1)。
これによれば、同期整流による損失低減効果を最大化しつつ、一次側の一つのスイッチング素子と二次側の一つのスイッチング素子の制御で、偏磁抑制を実現することができる。
[項目5]
前記制御回路(13)は、
前記一次側の直流部(E1、Ca)から前記二次側の直流部(E2、Cb)へ昇圧して電力を伝送する場合、前記トランス(TR1)に流れる電流の直流成分を打ち消すように、前記第2ブリッジ回路(12)に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率を制御することを特徴とする項目1に記載の電力変換装置(1)。
これによれば、一つのスイッチング素子の制御で、偏磁抑制を簡易に実現することができる。
[項目6]
前記制御回路(13)は、
前記一次側の直流部(E1、Ca)から前記二次側の直流部(E2、Cb)へ昇圧して電力を伝送する場合、前記トランス(TR1)に流れる電流の直流成分を打ち消すように、前記第2ブリッジ回路(12)のハイサイド又はローサイドの二つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率を制御することを特徴とする項目1に記載の電力変換装置(1)。
これによれば、同期整流を行いつつ、二次側のハイサイド又はローサイドの二つのスイッチング素子の制御で、偏磁抑制を実現することができる。
[項目7]
前記制御回路(13)は、
前記第2ブリッジ回路(12)のハイサイド又はローサイドの二つのスイッチング素子にそれぞれ供給する駆動信号のオン時間の合計時間が、前記第1ブリッジ回路(11)及び前記第2ブリッジ回路(12)のスイッチング周期の半分の時間になるように、前記第2ブリッジ回路(12)のハイサイド又はローサイドの二つのスイッチング素子を制御することを特徴とする項目6に記載の電力変換装置(1)。
これによれば、同期整流による損失低減効果を最大化しつつ、二次側のハイサイド又はローサイドの二つのスイッチング素子の制御で、偏磁抑制を実現することができる。
[項目8]
前記制御回路(13)は、
前記二次側の直流部(E2、Cb)から前記一次側の直流部(E1、Ca)へ降圧または昇圧して電力を伝送する場合、前記第2電流センサ(14b)により検出される前記トランス(TR1)に流れる電流の直流成分を打ち消すように、前記第1ブリッジ回路(11)及び前記第2ブリッジ回路(12)に含まれる複数のスイッチング素子の少なくとも一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率を制御することを特徴とする項目1から7のいずれか1項に記載の電力変換装置(1)。
これによれば、双方向動作のいずれにおいても、偏磁を抑制することができる。
[項目9]
前記制御回路(13)は、
伝送する電力を制御するための主デューティ値を生成する第1制御部(131)と、
前記トランス(TR1)に流れる電流の直流成分を打ち消すための補正デューティ値と、前記主デューティ値を加算した合成デューティ値を生成する第2制御部(133)と、
前記主デューティ値と前記合成デューティ値を用いて、前記第1ブリッジ回路(11)及び前記第2ブリッジ回路(12)に含まれる複数のスイッチング素子(Q1-Q8)にそれぞれ供給する駆動信号を生成する駆動信号生成部(132)と、
を含むことを特徴とする項目1から8のいずれか1項に記載の電力変換装置(1)。
これによれば、主デューティ値を生成する第1制御部(131)と、合成デューティ値を生成する第2制御部(133)を独立に構築することで、偏磁抑制機能をシンプルに実装することができる。
[項目10]
前記第2制御部(133)は、
前記主デューティ値がゼロ以上の場合、前記第1電流センサ(14a)により検出された電流値の直流成分をもとに前記補正デューティ値を生成し、前記主デューティ値がゼロ未満の場合、前記第2電流センサ(14b)により検出された電流値の直流成分をもとに前記補正デューティ値を生成する、
又は、前記主デューティ値がゼロ以上の場合は、前記第2電流センサ(14b)により検出された電流値の直流成分をもとに前記補正デューティ値を生成し、前記主デューティ値がゼロ未満の場合は、前記第1電流センサ(14a)により検出された電流値の直流成分をもとに前記補正デューティ値を生成することを特徴とする項目9に記載の電力変換装置(1)。
これによれば、第1電流センサ(14a)と第2電流センサ(14b)の検出値を切り替えて使用することで、双方向動作が可能となる。
[項目11]
前記制御回路(13)は、
前記第1電流センサ(14a)により検出された電流値の高域成分を減衰させる第1ローパスフィルタ(134a)と、
前記第2電流センサ(14b)により検出された電流値の高域成分を減衰させる第2ローパスフィルタ(134b)と、をさらに含み、
前記第1ローパスフィルタ(134a)及び前記第2ローパスフィルタ(134b)のカットオフ周波数は、前記第1ブリッジ回路(11)及び前記第2ブリッジ回路(12)に含まれる複数のスイッチング素子(Q1-Q8)のスイッチング周波数より低く設定されることを特徴とする項目10に記載の電力変換装置(1)。
これによれば、トランス(TR1)に流れる電流の交流成分をカットし、直流成分を抽出することができる。
[項目12]
前記第1電流センサ(14a)により検出された電流値の直流成分、及び前記第2電流センサ(14b)により検出された電流値の直流成分の少なくとも一方が、設定された閾値を超えた場合、前記第1ブリッジ回路(11)及び前記第2ブリッジ回路(12)のスイッチング動作が停止することを特徴とする項目1から11のいずれか1項に記載の電力変換装置(1)。
これによれば、偏磁抑制制御でも直流成分を抑制できない場合は運転停止することで、回路故障を防止することができる。
E1 第1直流電源、 E2 第2直流電源、 1 電力変換装置、 11 第1ブリッジ回路、 12 第2ブリッジ回路、 13 制御回路、 14a 一次側トランス電流センサ、 14b 二次側トランス電流センサ、 14c 一次側出力電流センサ、 14d 一次側コンバータ電流センサ、 Q1-Q8 スイッチング素子、 D1-D8 ダイオード、 C1-C8 容量、 L1 第1インダクタンス、 L2 第2インダクタンス、 TR1 絶縁トランス、 n1 一次巻線、 n2 二次巻線、 Ca 一次側コンデンサ、 Cb 二次側コンデンサ、 131 伝送電力制御部、 131a 出力電流制御部、 131b 加算部、 131c コンバータ電流制御部、 132 駆動信号生成部、 132a モード判定部、 132b PWM制御部、 133 偏磁抑制制御部、 133a 減算部、 133b PI制御部、 133c 加算部、 133d リミッタ部、 133e スイッチ部、 133f 判定部、 134a-134d ローパスフィルタ回路、 135a-135d サンプル・ホールド回路。

Claims (12)

  1. 一次側の直流電圧を交流電圧に変換する第1ブリッジ回路と、
    二次側の直流電圧を交流電圧に変換する第2ブリッジ回路と、
    前記第1ブリッジ回路の交流端子と、前記第2ブリッジ回路の交流端子との間に接続されるトランスと、
    前記第1ブリッジ回路の交流端子と前記トランスの一次巻線の間に、直列に接続または形成された第1インダクタンスと、
    前記第2ブリッジ回路の交流端子と前記トランスの二次巻線の間に、直列に接続または形成された第2インダクタンスと、
    前記トランスの一次巻線に流れる電流を検出する第1電流センサと、
    前記トランスの二次巻線に流れる電流を検出する第2電流センサと、
    前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路に含まれる複数のスイッチング素子を制御する制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、
    前記第1ブリッジ回路の直流端子に接続された一次側の直流部から、前記第2ブリッジ回路の直流端子に接続された二次側の直流部へ、前記一次側の直流部と前記トランスの一次巻線が導通している状態と、前記トランスの一次巻線の両端が前記第1ブリッジ回路内で短絡する状態を交互に繰り返し、前記第2ブリッジ回路を整流状態とすることで降圧する、または前記一次側の直流部と前記トランスの一次巻線を導通状態とし、前記トランスの二次巻線の両端が前記第2ブリッジ回路内で短絡する状態と、前記第2ブリッジ回路を整流状態とする状態を交互に繰り返すことで昇圧して電力を伝送する場合、前記第1電流センサにより検出される前記トランスに流れる電流の直流成分を打ち消すように、前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路に含まれる複数のスイッチング素子の少なくとも一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率を制御することを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記制御回路は、
    前記一次側の直流部から前記二次側の直流部へ降圧して電力を伝送する場合、前記トランスに流れる電流の直流成分を打ち消すように、前記第1ブリッジ回路に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率を制御することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記制御回路は、
    前記一次側の直流部から前記二次側の直流部へ降圧して電力を伝送する場合、前記トランスに流れる電流の直流成分を打ち消すように、前記第1ブリッジ回路に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率と、前記第2ブリッジ回路に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率を制御することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  4. 一次側の直流電圧を交流電圧に変換する第1ブリッジ回路と、
    二次側の直流電圧を交流電圧に変換する第2ブリッジ回路と、
    前記第1ブリッジ回路の交流端子と、前記第2ブリッジ回路の交流端子との間に接続されるトランスと、
    前記第1ブリッジ回路の交流端子と前記トランスの一次巻線の間に、直列に接続または形成された第1インダクタンスと、
    前記第2ブリッジ回路の交流端子と前記トランスの二次巻線の間に、直列に接続または形成された第2インダクタンスと、
    前記トランスの一次巻線に流れる電流を検出する第1電流センサと、
    前記トランスの二次巻線に流れる電流を検出する第2電流センサと、
    前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路に含まれる複数のスイッチング素子を制御する制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、
    前記第1ブリッジ回路の直流端子に接続された一次側の直流部から、前記第2ブリッジ回路の直流端子に接続された二次側の直流部へ降圧して電力を伝送する場合、前記第1電流センサにより検出される前記トランスに流れる電流の直流成分を打ち消すように、前記第1ブリッジ回路に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率と、前記第2ブリッジ回路に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率を制御し、
    前記制御回路は、
    前記第1ブリッジ回路に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間と、前記第2ブリッジ回路に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間と、デッドタイムの合計時間が、前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路のスイッチング周期の半分の時間になるように、前記第1ブリッジ回路に含まれる一つのスイッチング素子と前記第2ブリッジ回路に含まれる一つのスイッチング素子を制御することを特徴とする電力変換装置。
  5. 前記制御回路は、
    前記一次側の直流部から前記二次側の直流部へ昇圧して電力を伝送する場合、前記トランスに流れる電流の直流成分を打ち消すように、前記第2ブリッジ回路に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率を制御することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  6. 前記制御回路は、
    前記一次側の直流部から前記二次側の直流部へ昇圧して電力を伝送する場合、前記トランスに流れる電流の直流成分を打ち消すように、前記第2ブリッジ回路のハイサイド又はローサイドの二つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率を制御することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  7. 一次側の直流電圧を交流電圧に変換する第1ブリッジ回路と、
    二次側の直流電圧を交流電圧に変換する第2ブリッジ回路と、
    前記第1ブリッジ回路の交流端子と、前記第2ブリッジ回路の交流端子との間に接続されるトランスと、
    前記第1ブリッジ回路の交流端子と前記トランスの一次巻線の間に、直列に接続または形成された第1インダクタンスと、
    前記第2ブリッジ回路の交流端子と前記トランスの二次巻線の間に、直列に接続または形成された第2インダクタンスと、
    前記トランスの一次巻線に流れる電流を検出する第1電流センサと、
    前記トランスの二次巻線に流れる電流を検出する第2電流センサと、
    前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路に含まれる複数のスイッチング素子を制御する制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、
    前記第1ブリッジ回路の直流端子に接続された一次側の直流部から、前記第2ブリッジ回路の直流端子に接続された二次側の直流部へ降圧して電力を伝送する場合、前記第1電流センサにより検出される前記トランスに流れる電流の直流成分を打ち消すように、前記第1ブリッジ回路に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率と、前記第2ブリッジ回路に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率を制御し、
    前記制御回路は、
    前記第2ブリッジ回路のハイサイド又はローサイドの二つのスイッチング素子にそれぞれ供給する駆動信号のオン時間の合計時間が、前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路のスイッチング周期の半分の時間になるように、前記第2ブリッジ回路のハイサイド又はローサイドの二つのスイッチング素子を制御することを特徴とする電力変換装置。
  8. 前記制御回路は、
    前記二次側の直流部から前記一次側の直流部へ降圧または昇圧して電力を伝送する場合、前記第2電流センサにより検出される前記トランスに流れる電流の直流成分を打ち消すように、前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路に含まれる複数のスイッチング素子の少なくとも一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率を制御することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  9. 前記制御回路は、
    伝送する電力を制御するための主デューティ値を生成する第1制御部と、
    前記トランスに流れる電流の直流成分を打ち消すための補正デューティ値と、前記主デューティ値を加算した合成デューティ値を生成する第2制御部と、
    前記主デューティ値と前記合成デューティ値を用いて、前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路に含まれる複数のスイッチング素子にそれぞれ供給する駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  10. 一次側の直流電圧を交流電圧に変換する第1ブリッジ回路と、
    二次側の直流電圧を交流電圧に変換する第2ブリッジ回路と、
    前記第1ブリッジ回路の交流端子と、前記第2ブリッジ回路の交流端子との間に接続されるトランスと、
    前記第1ブリッジ回路の交流端子と前記トランスの一次巻線の間に、直列に接続または形成された第1インダクタンスと、
    前記第2ブリッジ回路の交流端子と前記トランスの二次巻線の間に、直列に接続または形成された第2インダクタンスと、
    前記トランスの一次巻線に流れる電流を検出する第1電流センサと、
    前記トランスの二次巻線に流れる電流を検出する第2電流センサと、
    前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路に含まれる複数のスイッチング素子を制御する制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、
    前記第1ブリッジ回路の直流端子に接続された一次側の直流部から、前記第2ブリッジ回路の直流端子に接続された二次側の直流部へ降圧して電力を伝送する場合、前記第1電流センサにより検出される前記トランスに流れる電流の直流成分を打ち消すように、前記第1ブリッジ回路に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率と、前記第2ブリッジ回路に含まれる一つのスイッチング素子に供給する駆動信号のオン時間とオフ時間の比率を制御し、
    前記制御回路は、
    伝送する電力を制御するための主デューティ値を生成する第1制御部と、
    前記トランスに流れる電流の直流成分を打ち消すための補正デューティ値と、前記主デューティ値を加算した合成デューティ値を生成する第2制御部と、
    前記主デューティ値と前記合成デューティ値を用いて、前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路に含まれる複数のスイッチング素子にそれぞれ供給する駆動信号を生成する駆動信号生成部と、を含み、
    前記第2制御部は、
    前記主デューティ値がゼロ以上の場合、前記第1電流センサにより検出された電流値の直流成分をもとに前記補正デューティ値を生成し、前記主デューティ値がゼロ未満の場合、前記第2電流センサにより検出された電流値の直流成分をもとに前記補正デューティ値を生成する、
    又は、前記主デューティ値がゼロ以上の場合は、前記第2電流センサにより検出された電流値の直流成分をもとに前記補正デューティ値を生成し、前記主デューティ値がゼロ未満の場合は、前記第1電流センサにより検出された電流値の直流成分をもとに前記補正デューティ値を生成することを特徴とする電力変換装置。
  11. 前記制御回路は、
    前記第1電流センサにより検出された電流値の高域成分を減衰させる第1ローパスフィルタと、
    前記第2電流センサにより検出された電流値の高域成分を減衰させる第2ローパスフィルタと、をさらに含み、
    前記第1ローパスフィルタ及び前記第2ローパスフィルタのカットオフ周波数は、前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路に含まれる複数のスイッチング素子のスイッチング周波数より低く設定されることを特徴とする請求項10に記載の電力変換装置。
  12. 前記第1電流センサにより検出された電流値の直流成分、及び前記第2電流センサにより検出された電流値の直流成分の少なくとも一方が、設定された閾値を超えた場合、前記第1ブリッジ回路及び前記第2ブリッジ回路のスイッチング動作が停止することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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