JP7450144B2 - 液体微細化装置の止水方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水を微細化し、吸い込んだ空気にその微細化した水を含ませて吹き出す液体微細化装置の止水方法に関する。
従来より、水を微細化し、吸い込んだ空気にその微細化した水を含ませて吹き出す液体微細化装置がある(例えば、特許文献1)。このような従来の液体微細化装置では、空気を吸い込む吸込口と吸い込んだ空気を吹き出す吹出口との間の風路内に、水を微細化する液体微細化室が設けられている。液体微細化室は、回転モータの回転軸に固定された揚水管を備えている。揚水管が回転モータによって回転されることで、貯水部に貯水された水が揚水管により揚水され、揚水された水が遠心方向に放射される。この放射された水が衝突壁に衝突することで、水が微細化される。
また、従来の液体微細化装置では、室内湿度(吸い込む空気の湿度)を元にフィードバック制御を行いながら加湿運転を実行するため、室内湿度が目標湿度に足りない場合に加湿運転を実行し、室内湿度が目標湿度を超えている場合に加湿運転を停止することになる。
特許第6476422号公報
一方、従来の液体微細化装置では、揚水管の回転によって、貯水部に貯水された水を排水するための排水管(排水口)と揚水管(揚水口)との間に空隙を形成し、揚水管の回転中に貯水部の水が排水管(排水口)から排水されることを抑制している。つまり、従来の液体微細化装置では、揚水管の回転の有無によって、貯水部の水の止水と排水を制御している。このため、従来の液体微細化装置では、加湿運転の際に、目標湿度を上回る状態と下回る状態とを繰り返していると、揚水管の回転の実行と停止とを繰り返すことになり、結果として貯水部の水の排水と貯水部への水の給水が繰り返し実行されることになる。つまり、従来の液体微細化装置では、加湿運転における加湿量のフィードバック制御を行う場合には、水の使用量(排水量)が増加することが懸念される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、加湿運転における加湿量のフィードバック制御を行う場合において、水の使用量を削減することが可能な液体微細化装置による止水方法を提供するものである。
この目的を達成するために、本発明の液体微細化装置の止水方法は、鉛直方向下方に揚水口を有し、回転軸の回転に合わせて揚水口より揚水した水を遠心方向に放出する筒状の揚水管と、揚水管の鉛直方向下方に設けられ、揚水口より揚水される水を貯水する貯水部と、貯水部の底面において水を排水する排水口と、を備え、吸込口より吸い込んだ空気に微細化された水を含ませて吹出口より吹き出す液体微細化装置の止水方法であって、水の微細化動作の際には、回転軸の回転によって揚水管の内部における貯水部の水に渦を発生させ、その渦中心において揚水口と排水口との間を連通する空隙を形成して貯水部の水が前記排水口から排水されることを止水している。そして、第二回転数での回転軸の回転に
よる微細化動作中に吸込口より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度を超えていると判定した場合には、第二回転数よりも回転数の少ない、貯水部の水を止水可能な第一回転数にて揚水管を回転させることを特徴とするものである。
本発明によれば、加湿運転における加湿量のフィードバック制御を行う場合において、水の使用量を削減することが可能な液体微細化装置による止水方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置の概略斜視図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置の内部構成を示す概略断面図である。 図3は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置における排水管と揚水管とによる貯水部の止水機構を説明するための図である。 図4は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置を備えた熱交換気装置の概略斜視図である。 図5は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置における加湿制御部の構成を示すブロック図である。 図6は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置による加湿処理手順を示すフローチャートである。 図7は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置による加湿処理手順を示すフローチャートである。 図8は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置による給水処理手順を示すフローチャートである。 図9は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置による水の微細化処理手順を示すフローチャートである。 図10は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置による排水処理手順を示すフローチャートである。
本発明の液体微細化装置は、吸込口より吸い込んだ空気に微細化された水を含ませて吹出口より吹き出す液体微細化装置である。液体微細化装置は、鉛直方向下方に揚水口を有し、回転軸の回転に伴って揚水口より揚水した水を遠心方向に放出する筒状の揚水管と、揚水管から放出された水が衝突することにより、その水を微細化する衝突壁と、揚水管の鉛直方向下方に設けられ、揚水口より揚水される水を貯水する貯水部と、貯水部の底面において水を排水する排水口と、液体微細化装置における水の微細化動作を制御する制御部とを備える。吸込口は、湿度回収部を有する送風装置と連通されている。揚水管は、微細化動作の際に、第一回転数から第一回転数よりも回転数の多い第二回転数までの範囲の回転によって揚水管の内部における貯水部の水に渦を発生させ、その渦中心において揚水口と排水口との間を連通する空隙を形成して貯水部の水を止水している。そして、制御部は、吸込口より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度を超えていると判定した場合に、第一回転数にて揚水管を回転させることを特徴とする。
こうした構成によれば、制御部は、加湿運転(水の微細化動作)の際に、吸込口より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度を超えていると判定した場合であっても、第一回転数にて揚水管を回転させているので、貯水部の水の排水を抑制させることができる。このため、制御部は、目標湿度を上回る状態と下回る状態とを繰り返すような状況でも貯水部の水を確実に止水させ、水の排水量を削減させることができる。つまり、加湿運転における加湿量のフィードバック制御を行う場合において、水の使用量を削減することが可能な液体微
細化装置とすることができる。
また、本発明の液体微細化装置では、制御部は、吸込口より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度に足りない場合に、第一回転数から第二回転数までの範囲における第三回転数にて揚水管を回転させている。このようにすることで、制御部は、加湿量のフィードバック制御において、吸込口より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度に足りない場合に、目標湿度に向けて必要な加湿量の加湿を行うことができる。
また、本発明の液体微細化装置では、制御部は、吸込口より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度を超えているか否かの判定を第一期間ごとに行うようにしている。このようにすることで、加湿運転における加湿量のフィードバック制御を行う場合、加湿量の調整が第一期間ごとに行われるので、何らかの要因(例えば、浴室利用)によって吸込口より吸い込む空気の湿度が急激に変化しても、目標湿度に向けた加湿量の調整を効果的に行うことができる。
また、本発明の液体微細化装置では、制御部は、吸込口より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度を超えていると判定した状態が、第一期間よりも長い第二期間継続した場合に、揚水管の回転を停止させることが好ましい。このようにすることで、室内の空気が目標湿度に達している状況が第二期間継続した場合には、吸込口より吸い込んだ空気への加湿が停止される。つまり、加湿が停止されてから加湿が再開されるまでの期間において、第一回転数での回転による加湿によって消費される水量(加湿量)分の水の使用量を削減することができる。
また、本発明の液体微細化装置では、制御部は、吸込口より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度を超えていると判定した場合であって、且つ、吸込口より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度よりも高い第一湿度となった場合に、揚水管の回転を停止させることが好ましい。このようにすることで、制御部は、吸込口より吸い込んだ空気に対する過剰となる加湿を抑制することができるので、より適切に室内の湿度コントロールすることができる。
また、本発明の液体微細化装置では、送風装置は、湿度回収部により湿度を回収された空気を吸込口に流入させるように構成されている。このようにすることで、湿度回収された後の空気が液体微細化装置(吸込口)に流入するので、より適切に室内の湿度コントロールすることができる。
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。(実施の形態1)
まず、図1、図2を参照して、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置1の概略構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置の概略斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置の内部構成を示す概略断面図である。
図1に示すように、液体微細化装置1は、空気を吸い込む吸込口2と、吸込口2より吸い込まれた空気を吹き出す吹出口3とを備えている。吸込口2は、液体微細化装置1の側面に設けられている。吹出口3は、液体微細化装置1の上方に設けられている。
図2に示すように、液体微細化装置1内には、吸込口2から吹出口3に至る風路4~風路6が形成されている。また、液体微細化装置1は、その風路4~風路6内に設けられた液体微細化室7を備えており、吸込口2と液体微細化室7と吹出口3とが連通している。
液体微細化室7は、液体微細化装置1の主要部であり、水の微細化を行うところである。液体微細化装置1では、吸込口2から取り込んだ空気が、風路4を経由して液体微細化室7へ送られる。そして、液体微細化装置1は、風路4を通る空気に、液体微細化室7にて微細化された水を含ませて、その水を含んだ空気を、風路5、風路6の順に経由して吹出口3より吹き出すように構成されている。ここで、風路5は、水を含んだ空気を、液体微細化室7の鉛直方向下方に流れる向きから、その外周において鉛直方向上方に流れる向きに変わるように構成されている。風路6は、風路5を経由した空気を、そのまま鉛直方向上方に流して吹出口3より吹き出すように構成されている。
液体微細化室7には、上方及び下方が開口された筒状の衝突壁8が設けられている。衝突壁8は、液体微細化室7内に固定されている。また、液体微細化室7には、衝突壁8に囲まれた内側に、回転しながら水を汲み上げる(揚水する)筒状の揚水管9が備えられている。揚水管9は、逆円錐形の中空構造となっており、下方に円形状の揚水口9aを備える。また、揚水管9は、揚水管9の上方であって逆円錐形の天面中心に、鉛直方向に向けて配置された回転軸10が固定されている。回転軸10が、液体微細化室7の外面に備えられた回転モータ11と接続されることで、回転モータ11の回転運動が回転軸10を通じて揚水管9に伝導され、揚水管9が回転する。なお、回転モータ11は、後述する加湿制御部30からの制御信号に基づいて、回転運動を実行するように構成されている。
揚水管9は、逆円錐形の天面側に、揚水管9の外面から外側に突出するように形成された複数の回転板12を備えている。複数の回転板12は、上下で隣接する回転板12との間に、回転軸10の軸方向に所定間隔を設けて、揚水管9の外面から外側に突出するように形成されている。回転板12は、揚水管9とともに回転するため、回転軸10と同軸の水平な円盤形状が好ましい。なお、回転板12の枚数は、目標とする性能あるいは揚水管9の寸法に合わせて適宜設定されるものである。
また、揚水管9の壁面には、揚水管9の壁面を貫通する複数の開口13が設けられている。複数の開口13のそれぞれは、揚水管9の内部と、揚水管9の外面から外側に突出するように形成された回転板12の上面とを連通する位置に設けられている。
液体微細化室7の下部には、揚水管9の鉛直方向下方に、揚水管9が揚水口9aより揚水する水を貯水する貯水部14が設けられている。貯水部14の深さは、揚水管9の下部の一部、例えば揚水管9の円錐高さの三分の一から百分の一程度の長さが浸るような深さに設計されている。この深さは、必要な揚水量に合わせて設計できる。また、貯水部14の底面は、揚水口9aに向けてすり鉢状に形成されている(図3参照)。
貯水部14への水の供給は、給水部15により行われる。給水部15には、給水管15aが接続されており、例えば水道から水圧調整弁(給水弁15b:図示せず)を通じて、給水管15aにより直接給水される。給水部15は、貯水部14の底面よりも鉛直方向上方に設けられている。また、給水部15は、貯水部14の底面だけでなく、貯水部14の上面(貯水部14に貯水され得る最大水位の面)よりも鉛直方向上方に設けられるのが好ましい。なお、給水部15は、あらかじめ液体微細化室7外に備えられた水タンクからサイフォンの原理で必要な水量のみ汲みあげて、貯水部14へ水を供給するように構成されてもよい。
また、液体微細化装置1には、貯水部14の水位を検知する水位検知部18が設けられている。水位検知部18は、フロートスイッチ18aを有している。フロートスイッチ18aは、貯水部14内の水が一定の水位(満水状態)に達していない場合はオフとなり、貯水部14内の水が一定の水位(満水状態)に達した場合にオンとなる。つまり、水位検知部18は、フロートスイッチ18aによって貯水部14の水が一定の水位(満水状態)か否かを検知する。そして、水位検知部18は、フロートスイッチ18aのオンまたはオフに関する情報を加湿制御部30に出力する。詳細は後述するが、加湿制御部30は、フロートスイッチ18aがオフとなり、オフの状態が所定時間(第一時間T1)継続した場合には、給水部15より貯水部14へ水が供給されるように制御し、フロートスイッチ18aがオンの場合には、給水部15から貯水部14への水の供給が停止されるように制御する。ここで、第一時間T1は、貯水部14内の水が加湿処理によって揚水できない水量まで減少させない時間に設定され、本実施の形態では、一定時間(例えば、30分)としている。
貯水部14の底面には、排水管16が接続されている。排水管16が接続される位置に設けられた円形状の排水口16aは、すり鉢状に形成された貯水部14の底面の最も低い位置に設けられている。排水管16による止水及び排水は、揚水管9の回転によって実現される。即ち、排水管16と揚水管9とで、貯水部14の止水機構及び揚水機構を構成する。なお、排水管16と揚水管9とによる貯水部14の止水機構及び排水機構の詳細については、図3を参照して後述する。
また、衝突壁8の下方(衝突壁8と貯水部14との間の空間)には、液体微細化室7の内外を隔てるように配置され、微細化された水滴の一部を捕集する円筒状のエリミネータ17が設けられている。また、エリミネータ17は、空気が流通可能な多孔体で構成されている。エリミネータ17は、衝突壁8の下部に接続されたエリミネータホルダ19に内包されるように固定されている。具体的には、エリミネータホルダ19は、天面板19cと、天面板19cから鉛直方向下方に延びる第一保持部19aと、第一保持部19aよりも内側(揚水管9側)において、天面板19cから鉛直方向下方に延びる第二保持部19bとを有して構成されている。エリミネータ17は、エリミネータホルダ19の第一保持部19aと第二保持部19bとで挟持されて固定されている。なお、エリミネータホルダ19の第二保持部19bには、水流制御板20の支持部22が接続されている。
エリミネータ17は、風路5内に配置され、エリミネータ17内を流通することによって、液体微細化室7を通過する空気に含められた水のうち水滴を捕集する。これにより、風路5を流れた空気は、気化された水のみが含まれるようになる。
水流制御板20は、貯水部14を覆うように、貯水部14の上方に設けられている。具体的には、水流制御板20は、外径が貯水部14の内壁径よりも小さく形成され、エリミネータ17で囲まれた空間内の下方において、貯水部14の上方を覆うように設けられている。水流制御板20は、略円板状の形状であり、中央部に揚水管9が水流制御板20を貫通できる直径に開口した開口部(図示せず)が形成されている。また、水流制御板20は、外周部(外縁)の上面側に複数の支持部22を有し、この支持部22を介してエリミネータホルダ19の第二保持部19bと固定されている。なお、水流制御板20は、揚水管9の回転に伴う水流の気泡発生による騒音上昇を防いでいる。
さらに、液体微細化装置1には、加湿制御部30が設けられている。加湿制御部30は、液体微細化装置1の運転動作を制御することで、加湿処理における加湿動作(水の微細化処理における水の微細化動作)を制御する。また、加湿制御部30は、加湿動作中に貯水部14への水の給水回数が所定回数となった場合に貯水部の水を排水する排水動作(第一処理)と、加湿動作が所定時間(第二時間T2)継続した場合に貯水部の水を排水する
排水動作(第二処理)とを制御する。ここで、第二期間T2は、一定時間(例えば、24時間)としている。さらに、加湿制御部30は、液体微細化装置1の運転動作を停止する際に行う乾燥処理における乾燥動作を制御する。
なお、液体微細化装置1は、加湿制御部30を備えず、熱交換気装置60を制御する制御部60a(図5参照)によって加湿動作(水の微細化動作)、排水動作(第一処理、第二処理)、及び乾燥動作が制御される構成であってもよい。
次に、図2を参照して、液体微細化装置1における加湿(水の微細化)の動作原理を説明する。
まず、外部からの空気の送風(吸込口2からの空気の吸い込み)が開始される。そして、貯水部14に水がない状態で、回転モータ11により回転軸10を第一回転数R1(例えば、2000rpm)で回転させ、それに合わせて揚水管9を回転させる。そして、給水部15から貯水部14に水を供給する。この際、貯水部14では、揚水管9の回転によって生じる遠心力により、貯水部14に供給された水が揚水管9によって汲み上げられるとともに、貯水部14に供給された水は排水口16aから排水されることなく止水される。その結果、給水部15から供給される水が貯水部14に貯水されていく。そして、貯水部14の満水後、給水部15から貯水部14への水の供給を停止する。なお、止水機構及び排水機構については、後述する。
続いて、回転モータ11により回転軸10を第二回転数R2で回転させ、それに合わせて揚水管9を回転させると、その回転によって生じる遠心力により、貯水部14に貯水された水が揚水管9によって汲み上げられる。ここで、回転モータ11(揚水管9)の第二回転数R2は、空気への加湿量に応じて、2000-4000rpmの間に設定される。揚水管9は、逆円錐形の中空構造となっているため、回転によって汲み上げられた水は、揚水管9の内壁を伝って上部へ揚水される。そして、揚水された水は、揚水管9の開口13から回転板12を伝って遠心方向に放出され、水滴として飛散する。
回転板12から飛散した水滴は、衝突壁8に囲まれた空間(液体微細化室7)を飛翔し、衝突壁8に衝突し、微細化される。一方、液体微細化室7を通過する空気は、衝突壁8の上方から衝突壁8の内部へ移動し、衝突壁8によって破砕(微細化)された水滴を含みながら下方から衝突壁8の外部へ移動する。そして、水滴を含んだ空気は、エリミネータ17を通過する。これにより、液体微細化装置1は、吸込口2より吸い込んだ空気に対して加湿を行い、吹出口3より加湿された空気を吹き出すことができる。
なお、微細化される液体は水以外でもよく、例えば、殺菌性あるいは消臭性を備えた次亜塩素酸水等の液体であってもよい。微細化された次亜塩素酸水を液体微細化装置1の吸込口2より吸い込まれた空気に含ませ、その空気を吹出口3より吹き出すことで、液体微細化装置1が置かれた空間の殺菌あるいは消臭を行うことができる。
次いで、図3を参照して、排水管16と揚水管9とによる貯水部14の止水機構及び排水機構の詳細について説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置における排水管と揚水管とによる貯水部の止水機構を説明するための図である。
図3に示すように、液体微細化装置1では、加湿動作が開始され、回転モータ11(揚水管9)が第一回転数R1(例えば、2000rpm)で回転されると、その回転の遠心力によって、揚水管9の内部で貯水部14の水に渦24が発生する。そして、揚水管9は、その回転によって発生する渦中心において、揚水口9aと排水口16aとの間を連通する空隙25を形成する。これにより、空隙25が排水口16aを塞ぐ状態となり、貯水部
14の水が排水口16aに流れ込むのが抑制される。つまり、液体微細化装置1では、加湿動作中(回転モータ11が第二回転数R2で回転動作中)に、貯水部14の水が排水口16aから排水されることを抑制することができる。
一方、回転モータ11(揚水管9)の回転が停止されると、渦24とともに空隙25がなくなり、排水口16aに貯水部14の水が流れ込む。つまり、液体微細化装置1では、加湿動作(回転モータ11の回転動作)を停止することにより、貯水部14の水を排水口16aから排水することができる。
このように、液体微細化装置1は、排水管16に排水弁を用いなくても、加湿動作中は、貯水部14の水が排水口16aから排水されることを抑制(止水)でき、加湿動作の停止後は、貯水部14の水を排水口16aから排水できる。
次に、図4を参照して、本実施の形態1に係る液体微細化装置1を備えた熱交換気装置60について説明する。図4は、本実施の形態1に係る液体微細化装置を備えた熱交換気装置の概略斜視図である。
図4に示すように、熱交換気装置60は、液体微細化装置1と、湿度回収部65と、送風機67とを備えて構成される。熱交換気装置60は、外気吸込口63から吸い込んだ外気(湿度回収部65を通過して湿度が回収された空気)を、接続ダクト66を介して液体微細化装置1の吸込口2(図1参照)に送風する。液体微細化装置1は、吸込口2から吸い込んだ空気に対して加湿処理を行い、加湿した空気を吹出口3(図1参照)から吹き出し、給気口64を介して室内に供給する。ここで、湿度回収部65および送風機67は、請求項の「湿度回収部を有する送風装置」に相当する。
熱交換気装置60は、箱型の本体ケース50を有し、例えば、床に置かれた状態で使用される。本体ケース50の天面(液体微細化装置1が搭載される面)には、内気吸込口61と、排気口62と、外気吸込口63と、給気口64とが設けられている。また、本体ケース50の天面には、液体微細化装置1が設置されている。そして、本体ケース50の内部には、湿度回収部65と、送風機67とが設けられている。
内気吸込口61は、建物内の空気(内気)を熱交換気装置60の内部に吸い込む吸込口である。具体的には、内気吸込口61は、建物内の各空間の天井面または壁面まで延在するダクト(図示せず)を介して内気を吸い込む室内排気口と連通して接続される。
排気口62は、内気を熱交換気装置60から屋外に送風する吐出口である。具体的には、排気口62は、建物外壁面まで延在するダクト(図示せず)を介して内気を吹き出す室外排気口と連通して接続される。
外気吸込口63は、建物外の空気(外気)を熱交換気装置60の内部に吸い込む吸込口である。具体的には、外気吸込口63は、建物外壁面まで延在するダクト(図示せず)を介して外気を吸い込む室外給気口と連通して接続される。
給気口64は、外気を熱交換気装置60から液体微細化装置1を介して室内に送風する吐出口である。具体的には、給気口64は、建物内の各空間の天井面または壁面まで延在するダクト(図示せず)を介して外気を吹き出す室内給気口と連通して接続される。
湿度回収部65は、本体ケース50内において、送風機67の上流側に位置して設けられている。湿度回収部65は、送風機67が動作することにより吸い込まれ、熱交換気装置60の内部(特に、給気風路)を通過する空気の湿度を回収(交換)する湿度回収(湿
度交換)の機能を有している。湿度回収部65は、例えば、デシカント式あるいはヒートポンプ式の熱交換器などである。
給気風路は、特に図示していないが、新鮮な室外の空気(外気)を、外気吸込口63から吸い込み、湿度回収部65、送風機67、接続ダクト66、及び液体微細化装置1の順に通過させて、給気口64から室内に供給する風路である。
接続ダクト66は、送風機67と吸込口2とを接続して連通させるダクトである。また、接続ダクト66には、接続ダクト66の吸込口2側に温湿度センサ34が設置されている。なお、温湿度センサ34は、給気風路を流通する空気(吸込口2に吸い込まれる空気)の温度と湿度を感知するセンサである。
送風機67は、外気吸込口63から給気口64へと外気を送風するための装置である。送風機67は、送風することによって、湿度回収部65の内部に外気を流通させる。送風機67としては、例えば、クロスフローファンあるいはブロアファンが挙げられる。なお、送風機67は、熱交換気装置60を制御する制御部60a(図5参照)からの制御信号に基づいて、送風動作を実行するように構成されている。
また、熱交換気装置60には、給排水配管51が設けられている。そして、液体微細化装置1への水の供給及び排水は、給排水配管51によって行われる。具体的には、給排水配管51の一端は、液体微細化装置1の給水管15a(図2参照)と排水管16(図2参照)とそれぞれ接続されている。また、給排水配管51の他端は、住宅あるいは施設の給水設備と排水設備とにそれぞれ接続されている。
さらに、熱交換気装置60は、送風機67の送風動作の制御を行う制御部60a(図5参照)を有している。また、制御部60aは、液体微細化装置1の加湿制御部30と電気的に接続され、加湿制御部30からの制御信号を受けて、送風機67と液体微細化装置1とを連動させて制御するように構成されている。
以上のように、熱交換気装置60では、換気の際に屋外へ排出する水分を室内に給気する空気に回収しつつ、さらに湿度回収部65で水分を回収しきれなかった場合には、液体微細化装置1を通過させる際に補填もしくはそれ以上に上乗せすることができるので、室内を加湿および快適な湿度範囲に維持させることができる。
次に、図5を参照して、液体微細化装置1の加湿制御部30について説明する。図5は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置における加湿制御部の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、加湿制御部30は、入力部30aと、記憶部30bと、計時部30cと、処理部30dと、出力部30eとを備える。
入力部30aは、操作パネル31からの運転開始指示または運転停止指示に関する第一情報と、温湿度センサ32からの室内空気の温度と湿度に関する第二情報と、温度センサ33からの室外空気の温度に関する第三情報と、温湿度センサ34からの加湿前の空気(吸込口2に吸い込まれる空気)の温度と湿度に関する第四情報と、水位検知部18からのフロートスイッチ18aのオンまたはオフに関する第五情報とを受け付ける。入力部30aは、受け付けた第一情報~第五情報を処理部30dに出力する。
ここで、操作パネル31は、ユーザが液体微細化装置1および熱交換気装置60に関するユーザ入力情報(例えば、風量、加湿量、吹き出し温度、等)を入力する端末であり、
無線または有線により加湿制御部30と通信可能に接続されている。なお、第一情報には、ユーザ入力情報も含まれる。また、温湿度センサ32は、内気吸込口61から取り込まれた直後の室内空気の温度と湿度を感知するセンサである。また、温度センサ33は、外気吸込口63から取り込まれた直後の室外空気の温度を感知するセンサである。
記憶部30bは、加湿動作における加湿設定に関する第六情報と、排水動作(第一処理、第二処理)における排水設定に関する第七情報と、乾燥動作における乾燥設定に関する第八情報と、ユーザ入力情報に対応する設定情報に関する第九情報とを記憶する。記憶部30bは、記憶した第六情報~第九情報を処理部30dに出力する。
計時部30cは、現在時刻に関する第十情報を処理部30dに出力する。
処理部30dは、入力部30aからの第一情報~第五情報と、記憶部30bからの第六情報~第九情報と、計時部30cからの第十情報とを受け付ける。処理部30dは、受け付けた第一情報~第十情報を用いて、加湿設定に基づく加湿動作、排水設定に基づく排水動作(第一処理、第二処理)、及び乾燥設定における乾燥動作に関する制御情報を特定する。処理部30dは、特定した制御情報を出力部30eに出力する。
出力部30eは、処理部30dからの制御情報を受け付ける。出力部30eは、熱交換気装置60(制御部60a、送風機67)と、回転モータ11と、給水弁15bと電気的に接続される。そして、出力部30eは、受け付けた制御情報に基づいて、送風機67の送風動作と、液体微細化室7での加湿動作(回転モータ11の回転動作)と、給水弁15bの開閉動作とを制御する信号(制御信号)を出力する。
そして、熱交換気装置60(制御部60a、送風機67)は、出力部30eからの信号を受け付け、制御部60aは、受け付けた信号に基づいて送風機67の制御を実行する。また、回転モータ11と給水弁15bとは、出力部30eからの信号をそれぞれ受け付け、受け付けた信号に基づいてそれぞれの制御を実行する。
以上のようにして、加湿制御部30は、加湿処理における加湿動作の制御、第一処理または第二処理における排水動作の制御、及び乾燥処理における乾燥動作の制御をそれぞれ実行させる。
次に、図6~図10を参照して、液体微細化装置1による加湿動作における処理手順について説明する。図6、図7は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置による加湿処理手順を示すフローチャートである。図8は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置による給水処理手順を示すフローチャートである。図9は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置による水の微細化処理手順を示すフローチャートである。図10は、本発明の実施の形態1に係る液体微細化装置による排水処理手順を示すフローチャートである。なお、以下では、送風機67が、制御部60aからの制御信号ではなく、加湿制御部30からの制御信号によって送風動作を実行しているものとして説明する。
加湿制御部30に液体微細化装置1の加湿処理の運転開始に関する制御信号が入力されると、図6に示すように、まず、加湿制御部30は、送風機67を作動させ、送風機67からの送風を開始させる(ステップS01)。これにより、液体微細化装置1(液体微細化室7)内に空気が流通するようになる。そして、加湿制御部30は、水位検知カウンタNをリセットし、水位検知カウンタNを「0」とする(ステップS02)。ここで、水位検知カウンタNは、貯水部14への水の給水回数(貯水部14が満水状態となるまでの給水を行った回数)を示す値である。そして、加湿制御部30は、貯水部14への水の給水処理を実行させる(ステップS03)。
給水処理では、図8に示すように、加湿制御部30は、回転モータ11を第一回転数R1(例えば、2000rpm)で作動させ、止水機構が機能する状態とする(ステップS20)。次に、加湿制御部30は、給水部15の給水弁15bを開弁させ、貯水部14への水の供給を開始させる(ステップS21)。そして、加湿制御部30は、水位検知部18からの第五情報に基づいて、貯水部14の水位が満水状態となったか否かを判断する(ステップS22)。その結果、貯水部14の水が満水状態となっていない場合(ステップS22のNo)には、加湿制御部30は、貯水部14への水の供給をそのまま継続させる(ステップS22に戻る)。一方、貯水部14の水が満水状態となった場合(ステップS22のYes)には、加湿制御部30は、給水弁15bを閉弁させ、貯水部14への水の供給を停止させる(ステップS23)。そして、加湿制御部30は、水位検知カウンタNに「1」を加算する(ステップS24)。以上の各ステップにより、貯水部14への水の給水処理が終了する。但し、給水処理は、回転モータ11を第一回転数R1で回転させた状態で終了する。図6に戻る。
貯水部14への水の給水処理(ステップS03)が終了すると、加湿制御部30は、加湿処理における加湿動作として、水の微細化処理を実行させる(ステップS04)。
水の微細化処理では、図9に示すように、加湿制御部30は、操作パネル31からの第一情報および温湿度センサ34からの第四情報に基づいて、加湿(水の微細化)が必要か否かを判断する(ステップS30)。その結果、加湿が必要である場合(ステップS30のYes)には、加湿制御部30は、回転モータ11を第二回転数R2で回転させ、加湿設定に基づいた加湿動作(水の微細化動作)を開始させる(ステップS31)。ここで、第二回転数R2は、加湿条件(例えば、目標湿度に向けた加湿量)によって決められる回転数であり、少なくとも第一回転数R1以上の回転数が設定される。そして、ステップS31での回転モータ11の作動時点を開始時間として計時される時間が所定時間(第五時間T5)を経過したか否かの判定を行う(ステップS32)。その結果、第五時間T5が経過していない場合(ステップS32のNo)には、加湿制御部30は、水の微細化動作をそのまま継続させる(ステップS32に戻る)。一方、第五時間T5が経過した場合(ステップS32のYes)には、加湿制御部30は、水の微細化動作をそのまま継続させた状態で、次のステップ(ステップS05)に進む。ここで、第五時間T5は、加湿のフィードバック制御のための間隔時間であり、例えば、5分に設定される。
一方、ステップS30での判定の結果、加湿が必要でない場合(ステップS30のNo)には、加湿制御部30は、回転モータ11を第四回転数R4(例えば、2000rpm)で作動させ、少なくとも止水機構が機能する状態とする(ステップS33)。なお、回転モータ11が第四回転数R4で既に回転している場合には、第四回転数R4を維持する。そして、ステップS33での回転モータ11の作動時点または作動維持時点を開始時間として計時される時間が、所定時間(第六時間T6)を経過したか否かの判定を行う(ステップS34)。その結果、第六時間T6が経過していない場合(ステップS34のNo)には、加湿制御部30は、止水状態をそのまま継続させる(ステップS34に戻る)。一方、第六時間T6が経過した場合(ステップS34のYes)には、加湿制御部30は、次のステップ(ステップS35)に進む。ここで、第六時間T6は、加湿のフィードバック制御のための間隔時間であり、例えば、5分に設定される。なお、第五時間T5(より正確には、ステップS06での給水に要する時間を第五時間T5に加算した時間)または第六時間T6は、請求項の「第一期間」に相当する。
次に、ステップS33での回転モータ11の作動時点を開始時間として計時される時間が、所定時間(第七時間T7)を経過したか否かの判断を行う(ステップS35)。その結果、第七時間T7が経過していない場合(ステップS35のNo)には、加湿制御部3
0は、回転モータ11を第四回転数R4で回転させた状態でステップS30に戻り、再び加湿の要否の判断を行う。一方、第七時間T7が経過した場合(ステップS35のYes)には、加湿制御部30は、回転モータ11を停止させる(ステップS36)。そして、加湿制御部30は、ステップS02に戻り、液体微細化装置1の加湿処理の運転を再び開始させる。ここで、第七時間T7は、例えば、2時間に設定される。また、第七時間T7は、請求項の「第二期間」に相当する。図6に戻る。
水の微細化処理(ステップS04)が終了すると、水の微細化動作をそのまま継続させた状態で、ステップS31での回転モータ11の作動時点を開始時間として計時される時間が、所定時間(第一時間T1)を経過したか否かの判断を行う(ステップS05)。その結果、第一時間T1が経過した場合(ステップS05のYes)には、加湿制御部30は、貯水部14への水の給水処理(図8参照)を実行させ、貯水部14を満水状態とする(ステップS06)。一方、第一時間T1が経過していない場合(ステップS05のNo)には、加湿制御部30は、水の微細化動作をそのまま継続させる(ステップS05に戻る)。ここで、第一時間T1は、加湿動作によって減少する貯水部14の水の減少量を見込んで設定される時間であり、例えば、30分に設定される。
続いて、加湿制御部30は、ステップS02を起点とした所定時間(第二時間T2)が経過した場合(ステップS07のYes)には、ステップS10(図7参照)以降の処理を実行する。ここで、第二時間T2は、ステップS02での水位検知カウンタNのリセット時点を開始時間として計時される時間であり、例えば、24時間に設定される。なお、第二時間T2は、液体微細化装置1が起動してからの時間あるいは前回乾燥運転を行ってからの時間にであってもよい。一方、第二時間T2が経過していない場合(ステップS07のNo)には、加湿制御部30は、水位検知カウンタNに基づいて、満水状態とする給水回数がM回(例えば、10回)を超えたか否かを判断する(ステップS08)。その結果、水位検知カウンタNがM回を超えていない場合(ステップS08のNo)には、ステップS04に戻り、加湿制御部30は、加湿動作を繰り返し実行させる。一方、水位検知カウンタNがM回を超えている場合(ステップS08のYes)には、加湿制御部30は、貯水部14の水の排水処理を実行させる(ステップS09)。ここで、ステップS08とステップS09での処理が、第一処理に対応する排水動作となる。
排水処理では、図10に示すように、加湿制御部30は、回転モータ11を停止させ、止水機構が機能しない状態とする(ステップS40)。これにより、貯水部14の水の排水が開始される。そして、ステップS40での回転モータ11の停止時点を開始時間として計時される時間が、所定時間(第八時間T8)を経過したか否かの判断を行う(ステップS41)。その結果、第八時間T8が経過していない場合(ステップS41のNo)には、加湿制御部30は、排水状態をそのまま継続させる(ステップS41に戻る)。一方、第八時間T8が経過した場合(ステップS41のYes)には、加湿制御部30は、貯水部14の水が排水されたと見なし、貯水部14の水の排水処理を終了させる。ここで、第八時間T8は、貯水部14の水が確実に排水される時間(満水状態であっても排水される時間)であり、例えば、1分に設定される。図6に戻る。
貯水部14の水の排水処理(ステップS09)が終了すると、加湿制御部30は、ステップS02に戻り、その後の各ステップを繰り返して実行させる。
引き続き、図7を参照して、第二時間T2が経過した場合に行うステップS10以降の処理について説明する。
第二時間T2が経過した場合(ステップS07のYes)には、図7に示すように、加湿制御部30は、貯水部14の水の排水処理(図10参照)を実行させる(ステップS1
0)。ここで、ステップS07とステップS10での処理が、第二処理に対応する排水動作となる。そして、貯水部14の水の排水処理(ステップS10)が終了すると、加湿制御部30は、回転モータ11を第三回転数R3(例えば、2000rpm)で回転させ、第一乾燥運転(貯水部14に水がない状態での微細化動作)を開始させる(ステップS11)。そして、第一乾燥運転を開始してから所定時間(第三時間T3)が経過した場合(ステップS12のYes)には、加湿制御部30は、回転モータ11を停止させる(ステップS13)。一方、第三時間T3が経過していない場合(ステップS12のNo)には、加湿制御部30は、第一乾燥運転をそのまま継続させる(ステップS12に戻る)。つまり、第一乾燥運転では、貯水部14に水がない状態で揚水管9の回転動作が行われ、揚水管9等に付着して残存する水滴の除去がなされる。なお、第三時間T3は、揚水管9の回転による水滴の除去時間であり、例えば、30秒に設定される。
第一乾燥運転が終了すると、微細化動作が停止した状態で、液体微細化装置1(液体微細化室7)内に空気を流通させる第二乾燥運転となる。そして、第二乾燥運転を開始してから所定時間(第四時間T4)が経過していない場合(ステップS14のNo)には、加湿制御部30は、第二乾燥運転をそのまま継続させる(ステップS14に戻る)。つまり、第二乾燥運転では、液体微細化装置1(液体微細化室7)内への通風動作が行われ、装置内の乾燥(装置内に残存する水分の除去)がなされる。なお、第四時間T4は、装置内への通風による乾燥時間であり、例えば、1時間に設定される。一方、第四時間T4が経過した場合(ステップS14のYes)には、加湿制御部30は、液体微細化装置1の加湿処理の運転停止に関する制御信号が入力されているか否かを判断する(ステップS15)。その結果、加湿処理の運転停止に関する制御信号が入力されていない場合(ステップS15のNo)には、加湿制御部30は、ステップS02に戻り、液体微細化装置1の加湿処理の運転を再び開始させる。一方、加湿処理の運転停止に関する制御信号が入力されている場合(ステップS15のYes)には、加湿制御部30は、送風機67を停止させる(ステップS16)。そして、加湿制御部30は、液体微細化装置1の加湿処理の運転を終了させる。これにより、液体微細化装置1は、操作パネル31からの運転開始指示待ちの状態となる。
ここで、第一乾燥運転(ステップS11~ステップS13)と第二乾燥運転(ステップS13~ステップS14)での処理が乾燥動作となる。
また、第一回転数R1、第二回転数R2(回転数範囲のうち最小の2000rpm)、第三回転数R3、及び第四回転数R4は、請求項の「第一回転数」に相当する。第二回転数R2(回転数範囲のうち最大の4000rpm)は、請求項の「第二回転数」に相当する。第二回転数R2(回転数範囲の2000-4000rpm)は、請求項の「第三回転数」に相当する。
以上のようにして、熱交換気装置60では、液体微細化装置1による加湿動作における各処理が実行される。
以上、本実施の形態1に係る液体微細化装置1によれば、以下の効果を享受することができる。
(1)液体微細化装置1では、加湿制御部30は、吸込口2より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度(目標湿度に向けた加湿量)を超えていると判定した場合に、第四回転数R4(2000rpm)にて揚水管9を回転させるように制御した。これにより、液体微細化装置1は、加湿動作(水の微細化動作)の際に、吸込口2より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度を超えていると判定した場合であっても、第四回転数R4にて揚水管9を回転させているので、貯水部14の水の排水を抑制させることができる。このため、液体微細化装
置1は、目標湿度を上回る状態と下回る状態とを繰り返すような状況でも貯水部14の水を確実に止水させ、水の排水量を削減させることができる。つまり、加湿動作における加湿量のフィードバック制御を行う場合において、水の使用量を削減することが可能な液体微細化装置1とすることができる。
(2)液体微細化装置1では、加湿制御部30は、吸込口2より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度に足りない場合に、第二回転数R2(2000-4000rpm)にて揚水管9を回転させるように制御した。これにより、液体微細化装置1は、加湿量のフィードバック制御において、吸込口2より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度に足りない場合に、目標湿度に向けて必要な加湿量の加湿を行うことができる。
(3)液体微細化装置1では、加湿制御部30は、吸込口2より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度を超えているか否かの判定を所定期間(第五時間T5または第六時間T6)ごとに行うように制御した。これにより、加湿動作における加湿量のフィードバック制御を行う場合、加湿量の調整が所定期間ごとに行われるので、何らかの要因(例えば、浴室利用)によって吸込口2より吸い込む空気の湿度が急激に変化しても、目標湿度に向けた加湿量の調整を効果的に行うことができる。
(4)液体微細化装置1では、加湿制御部30は、吸込口2より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度を超えていると判定した状態が、第七時間T7継続した場合に、揚水管9(回転モータ11)の回転を停止させるように制御した。これにより、室内の空気が目標湿度に達している状況が第七時間T7継続した場合には、吸込口2より吸い込んだ空気への加湿が停止される。つまり、加湿が停止されてから加湿が再開されるまでの期間において、第四回転数R4(2000rpm)での回転による加湿によって消費される水量(加湿量)分の水の使用量を削減することができる。
(5)熱交換気装置60では、湿度回収部65を、液体微細化装置1および湿度回収部65を通過する空気の流れにおいて、液体微細化装置1より上流側に配置した。つまり、液体微細化装置1では、湿度回収部65は、湿度回収部65により湿度を回収された空気を吸込口2に流入させるように配置される。これにより、湿度回収部65で湿度回収された後の空気が液体微細化装置1(吸込口2)に流入するので、より適切に室内の湿度コントロールすることができる。また、湿度回収部65と液体微細化装置1の2箇所で湿度制御を行うことで、湿度回収部65あるいは液体微細化装置1にヒータ等を設置していない場合でも、十分な加湿量を確保することができる。また、加湿量を確保するためのヒータが不要になることで、省エネルギーを実現できる。
(6)液体微細化装置1は、加湿動作(微細化動作)中に貯水部14への水の給水回数が所定回数(M回超)となった場合に、貯水部14の水を排水する第一処理を実行させるように構成した。第一処理では、貯水部14への水の給水回数が所定回数ごとに貯水部14の水を排水するので、毎回排水する場合に比べて、水の使用量を削減することができる。
(7)液体微細化装置1では、加湿動作(微細化動作)中に貯水部14への水の給水回数が所定回数(M回超)となった場合に、貯水部14の水を排水する第一処理を実行させるように構成した。これにより、加湿動作中に貯水部14への水の給水回数が所定回数(M回超)となった場合には、第一処理の実行によって、貯水部14の水(スケール成分が濃縮された状態の水)が排水されて除去される。このため、貯水部14内の水のスケール成分の濃度上昇を抑制することができる。
(8)液体微細化装置1では、加湿動作(微細化動作)を所定時間(第二時間T2)継
続した場合に、貯水部14の水を排水する第二処理を実行させるように構成した。これにより、加湿動作を所定時間(第二時間T2)継続した場合にも、第二処理の実行によって、貯水部14の水(スケール成分が濃縮された状態の水)が排水されて除去される。つまり、液体微細化装置1では、第一処理または第二処理によって、貯水部14内の水のスケール成分の濃度上昇を確実に抑制することができる。
(9)液体微細化装置1では、第二処理の終了後に、貯水部14に水がない状態で加湿動作(微細化動作)を行うとともに、送風機67からの送風を行う乾燥処理を実行させるように構成した。これにより、装置内を乾燥させることができるので、液体微細化装置1の停止状態を長期間維持する場合に、装置内でのカビあるいは雑菌等の繁殖を抑制することができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
本実施の形態1に係る熱交換気装置60では、湿度回収部65は、湿度だけでなく温度を回収(交換)する機能を有するように構成してもよい。具体的には、湿度回収部65を全熱交換素子とするとともに、本体ケース50の内部に排気送風機を設け、排気風路を構成する。排気風路は、排気送風機によって内気吸込口61から室内空気を吸い込み、湿度回収部65を通って排気口62から外部に排気する風路である。この際、湿度回収部65は、排気風路と給気風路が交わる位置に配置される。そして、湿度回収部65は、排気風路を通過する空気と給気風路を通過する空気との間で熱交換とともに湿度交換を行う。これにより、より快適な空気を室内に供給することが可能となる。
また、本実施の形態1に係る熱交換気装置60では、湿度回収部65によって湿度回収された後の空気が液体微細化装置1を流通しないように、液体微細化装置1をバイパスして室内に供給されるように構成してもよい。これにより、液体微細化装置1は運転せず、熱交換気のみで運転するような場合に、湿度回収された後の空気を効率よく室内に供給することができる。また、液体微細化装置1に起因した圧力損失の上昇が抑制されるので、年間を通じての省エネルギーでの運転も実現することができる。
また、本実施の形態1に係る熱交換気装置60では、送風機67からの送風停止を、送風機67の運転を停止することによって行ったが、これに限らない。例えば、上記したバイパスへの切り替えによって液体微細化装置1への送風がなされないようにしてもよい。これにより、室内への給気を実行しつつ、独立した状態で乾燥処理における乾燥動作を実行することができる。
また、本実施の形態1に係る液体微細化装置1では、加湿制御部30は、給水部15から貯水部14への水の供給に関して、水位検知部18でのオフの状態が所定時間(第一時間T1)継続した場合に、貯水部14に水が供給されるように制御したが、これに限られない。例えば、加湿制御部30は、加湿動作によって減少する貯水部14の水の減少量が所定水量Vに達する場合に、貯水部14への水の供給を実行するように制御してもよい。この場合、所定水量Vに達するか否かは、一定時間(例えば、1分)ごとに、加湿動作の際の加湿条件(加湿量、換気風量)に対応して減少する見込み水量を算出して、それらを積算して判断される。これにより、貯水部14の水量(または残量)の管理精度を向上させることができるので、不要な給水(貯水部14の水が減っていない状態での給水)を抑制することができる。
また、本実施の形態1に係る液体微細化装置1では、加湿制御部30は、吸込口2より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度を超えていると判定した場合であって、且つ、吸込口2より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度よりも高い第一湿度となった場合に、揚水管9(回転モータ11)の回転を停止させるように制御してもよい。ここで、第一湿度は、例えば、目標湿度の120%に設定される。このようにすることで、加湿制御部30は、吸込口2より吸い込んだ空気に対する過剰となる加湿を抑制することができるので、より適切に室内の湿度コントロールすることができる。
また、本実施の形態1に係る液体微細化装置1では、加湿制御部30は、操作パネル31からの第一情報および温湿度センサ34からの第四情報に基づいて、加湿(水の微細化)が必要か否かを判断するとしたが、具体的には、以下の通りである。
まず、加湿制御部30は、操作パネル31からの第一情報(目標湿度、換気風量)および温湿度センサ34からの第四情報(吸込口2に吸い込まれる空気の温湿度)に基づいて、目標湿度に到達させるのに必要な加湿量を算出する。そして、加湿制御部30は、算出された加湿量を実現する際の回転モータ11の回転数を算出する。その結果、加湿制御部30は、算出された回転モータ11の回転数が、2000rpm未満であれば加湿の必要はなしと判定し、2000rpm以上であれば加湿の必要ありと判定する。そして、加湿制御部30は、算出された回転数が2000-4000rpmの範囲であれば、算出された回転数を第二回転数R2として設定する。一方、算出された回転数が4000rpmを超える場合には、4000rpmを第二回転数R2として設定する。なお、水の微細化動作の開始後に、算出された回転数が2000rpm未満となる場合には、すべて第四回転数R4(止水機構が機能する回転数)に設定されることになる。
本発明に係る液体微細化装置は、加湿目的での水気化装置、及び殺菌あるいは消臭目的での次亜塩素酸気化装置といった液体を気化させる装置に適用可能である。また、熱交換気装置、空気清浄機又は空気調和機において、その機能の一つとして組み込まれた水気化装置あるいは次亜塩素酸気化装置等に、本発明に係る液体微細化装置は適用可能である。
1 液体微細化装置
2 吸込口
3 吹出口
4 風路
5 風路
6 風路
7 液体微細化室
8 衝突壁
9 揚水管
9a 揚水口
10 回転軸
11 回転モータ
12 回転板
13 開口
14 貯水部
15 給水部
15a 給水管
15b 給水弁
16 排水管
16a 排水口
17 エリミネータ
18 水位検知部
18a フロートスイッチ
19 エリミネータホルダ
19a 第一保持部
19b 第二保持部
19c 天面板
20 水流制御板
22 支持部
24 渦
25 空隙
30 加湿制御部
30a 入力部
30b 記憶部
30c 計時部
30d 処理部
30e 出力部
31 操作パネル
32 温湿度センサ
33 温度センサ
34 温湿度センサ
50 本体ケース
51 給排水配管
60 熱交換気装置
60a 制御部
61 内気吸込口
62 排気口
63 外気吸込口
64 給気口
65 湿度回収部
66 接続ダクト
67 送風機

Claims (4)

  1. 鉛直方向下方に揚水口を有し、回転軸の回転に合わせて前記揚水口より揚水した水を遠心方向に放出する筒状の揚水管と、前記揚水管の鉛直方向下方に設けられ、前記揚水口より揚水される水を貯水する貯水部と、前記貯水部の底面において水を排水する排水口と、を備え、吸込口より吸い込んだ空気に微細化された水を含ませて吹出口より吹き出す液体微細化装置の止水方法であって、
    水の微細化動作の際には、前記回転軸の回転によって前記揚水管の内部における前記貯水部の水に渦を発生させ、その渦中心において前記揚水口と前記排水口との間を連通する空隙を形成して前記貯水部の水が前記排水口から排水されることを止水しており、
    第二回転数での前記回転軸の回転による前記微細化動作中に前記吸込口より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度を超えていると判定した場合には、前記第二回転数よりも回転数の少ない、前記貯水部の水を止水可能な第一回転数にて前記揚水管を回転させることを特徴とする液体微細化装置の止水方法。
  2. 前記吸込口より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度を超えているか否かの判定を第一期間ごとに行うことを特徴とする請求項1に記載の液体微細化装置の止水方法。
  3. 前記吸込口より吸い込んだ空気の湿度が目標湿度を超えていると判定した状態が、前記第一期間よりも長い第二期間継続した場合に、前記揚水管の回転を停止させることを特徴とする請求項2に記載の液体微細化装置の止水方法。
  4. 前記水は、次亜塩素酸水であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の液体微細化装置の止水方法。
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