JP7449564B2 - オフセット作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、オフセット作業機に関する。特に、走行機体の後部に装着され、走行機体の側方において農作業を行うオフセットタイプの作業機に関する。
従来、農道や荒れ地の雑草を除去するため草刈り作業を行う作業機として草刈り機が知られている。一般的に、草刈り機は、トラクタ等の走行機体に装着され、走行機体と共に移動しながら作業部を動作させることにより草刈り作業を進める。近年は、草刈り作業を行う作業部が走行機体の側方にオフセット移動し、走行機体の側方において草刈り作業を行うオフセットタイプの草刈り機が知られている(特許文献1及び2)。特許文献1及び2に記載された草刈り機は、走行機体に装着される装着部と、草刈りを行う作業部との間に平行リンク機構が設けられ、当該平行リンク機構により作業部の側方へのオフセット移動が可能となっている。
特開2012-39941号公報 特開2012-191864号公報
特許文献1及び2に記載された草刈り機において、走行機体よりも側方に突出したオフセット位置で草刈り作業を行う際、作業部が草の陰に隠れた根石や切り株等の障害物に引っ掛かってしまう場合がある。この場合、作業部のフレームや電動シリンダ等に大きな負荷が掛かり、草刈り機の破損を招くおそれがある。また、走行機体にも負荷が加わるため、走行機体の部品の破損につながる可能性もある。さらに、作業部が障害物に引っ掛かった状態で走行機体が走行を続けると、走行機体が障害物を中心に転回するため進行方向が大きく変わり、事故につながる可能性もある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、作業部が障害物に接触したときに生じる不具合を防止することを課題の一つとする。
本発明の一実施形態におけるオフセット作業機は、走行機体に連結可能な装着部と、前記走行機体から動力を受けて農作業を行う作業部と、前記装着部と前記作業部との間に配置され、前記作業部を左右方向に移動させるオフセット機構部と、を備え、前記オフセット機構部は、前記装着部に対して回動可能に連結された第1リンク部材と、前記装着部に対して回動可能に連結されると共に、前記第1リンク部材と離隔して配置された第2リンク部材と、前記作業部に固定され、前記第1リンク部材及び前記第2リンク部材の端部に対して回動可能に連結された第3リンク部材と、を有し、前記第2リンク部材は、作業部に対する前方側からの負荷に応じて伸縮する伸縮機構を含む。
前記伸縮機構は、前記装着部及び前記第3リンク部材それぞれとの連結部を結ぶ軸上に、相対的にスライドする少なくとも2つの部材を有していてもよい。
前記第2リンク部材は、筒状部材、前記筒状部材に対して相対的に移動可能に挿入された棒状部材、及び、前記筒状部材と前記棒状部材との重畳部分の変化に伴い伸縮する弾性部材を含んでいてもよい。
前記第2リンク部材は、前記第1リンク部材に対し、前記作業部がオフセット移動する方向とは反対側に配置され、前記弾性部材は、重畳部分の増加に伴い圧縮されるものであってもよい。
前記弾性部材は、圧縮コイルばねであってもよい。
前記筒状部材は、長手方向に長穴を有し、前記第2リンク部材は、前記長穴に挿通され、前記棒状部材と一体に移動可能なピン部材をさらに含み、前記長穴の縁部に前記ピン部材が当接することにより、前記筒状部材に対する前記棒状部材の移動が制限される構成であってもよい。
前記弾性部材は、圧縮コイルばねであってもよく、前記ピン部材は、前記圧縮コイルばねが圧縮限界に到達する前に前記長穴の縁部に当接してもよい。
前記第2リンク部材は、前記伸縮機構の伸縮量を検知するセンサをさらに含んでもよい。
前記装着部から前記作業部に対して前記動力を伝達する動力伝達部をさらに含み、前記動力伝達部は、一対のスプロケットの間に巻き掛けられたローラーチェーンを含んでもよい。
本発明の一実施形態におけるオフセット作業機は、作業部が障害物に接触したときに生じる不具合を防止することができる。
第1実施形態のオフセット作業機の構成を示す図であり、(A)は、平面図であり、(B)は、左側面図である。 第1実施形態のオフセット作業機のオフセット機構部の構成を示す拡大図である。 第1実施形態のオフセット作業機における第2リンク部材の構成を示す図であり、(A)は、圧縮前の平面図であり、(B)は、圧縮前の側面図であり、(C)は、圧縮後の平面図であり、(D)は、圧縮後の側面図である。 第1実施形態のオフセット作業機において、作業部が障害物に接触する直前の状態を示す図である。 第1実施形態のオフセット作業機において、作業部が障害物に接触した直後の状態を示す図である。 第2実施形態のオフセット作業機における第2リンク部材の構成を示す図であり、(A)は、圧縮前の平面図であり、(B)は、圧縮前の側面図であり、(C)は、圧縮後の平面図であり、(D)は、圧縮後の側面図である。 第3実施形態のオフセット作業機における第2リンク部材の構成を示す図であり、(A)は、圧縮前の平面図であり、(B)は、圧縮前の側面図であり、(C)は、圧縮後の平面図であり、(D)は、圧縮後の側面図である。 第4実施形態のオフセット作業機のオフセット機構部の構成を示す拡大図である。 第4実施形態のオフセット作業機における第2リンク部材の構成を示す図であり、(A)は、伸張前の平面図であり、(B)は、伸張前の側面図であり、(C)は、伸張後の平面図であり、(D)は、伸張後の側面図である。 第4実施形態のオフセット作業機において、作業部が障害物に接触する直前の状態を示す図である。 第4実施形態のオフセット作業機において、作業部が障害物に接触した直後の状態を示す図である。
以下、図面を参照して本発明のオフセット作業機の実施形態について説明する。但し、本発明のオフセット作業機は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
また、説明の便宜上、「上」、「下」、「前」、「後」、「右」、「左」といった方向を示す語句を用いるが、本発明のオフセット作業機に対して、重力の働く方向が「下」であり、その逆が「上」である。また、走行機体の進行する方向が「前」であり、その逆が「後」である。さらに、「前」に向かって、右側が「右」であり、左側が「左」である。また、オフセット作業機の中心線に近い側を「内」と呼び、遠い側を「外」と呼ぶ。
〈第1実施形態〉
[オフセット作業機の構成]
以下、第1実施形態におけるオフセット作業機100の概略の構成について、図1を用いて説明する。図1は、第1実施形態のオフセット作業機100の構成を示す図である。具体的には、図1(A)は、オフセット作業機100の平面図であり、図1(B)は、オフセット作業機100の左側面図である。本実施形態では、オフセット作業機100の一例として、オフセット型の草刈り機を例示する。ただし、オフセット作業機100は、草刈り機に限らず、畦塗り機など他のオフセット型の作業機であってもよい。
本実施形態におけるオフセット作業機100は、装着部10、オフセット機構部20、動力伝達部30、及び作業部40を備えている。具体的には、オフセット作業機100は、トラクタ等の走行機体(図示せず)に対して装着部10により連結される。装着部10と作業部40とは、オフセット機構部20及び動力伝達部30を介して連結される。これにより、走行機体の走行に伴ってオフセット作業機100が移動しながら作業部40が動作し、草刈り作業が行われる。
装着部10は、トラクタ等の走行機体に設けられた三点リンク機構に対して連結されるヒッチフレーム11、走行機体から動力を受ける入力軸12、及び入力軸12から伝達された動力を変速するギヤボックス13を含む。ヒッチフレーム11は、左右方向に延在し、走行機体の後部に設けられた三点リンク機構に連結可能に構成されている。ギヤボックス13は、ヒッチフレーム11の中央下部に設けられ、ギヤボックス13に対して入力軸12が設けられている。
オフセット機構部20は、作業部40を左右方向に移動させるための機構である。具体的には、オフセット機構部20は、作業部40を、走行機体の進行方向に対して側方にオフセットした位置に移動(オフセット移動)させることができる。本実施形態のオフセット機構部20は、第1リンク部材21、第2リンク部材22、第3リンク部材23及び伸縮部材24を有する。なお、オフセット機構部20を構成する第1リンク部材21、第2リンク部材22及び第3リンク部材23の詳細については、後述する。
伸縮部材24は、オフセット機構部20を駆動させる動力源(アクチュエータ)であり、例えば電動シリンダ、油圧シリンダ等で構成される。伸縮部材24の(前方側の)一端は、ヒッチフレーム11と一体に構成された連結部を介してヒッチフレーム11に連結され、(後方側の)他端は、第1リンク部材21の後方側(例えば、第1リンク部材21と一体に構成された連結部)に連結される。伸縮部材24の伸縮により、オフセット機構部20が駆動され、作業部40のオフセット量(オフセット方向への移動量)を制御することができる。
動力伝達部30は、装着部10の入力軸12を介して走行機体から伝達された動力を、作業部40側に伝達するための機構である。本実施形態のオフセット作業機100は、動力伝達部30として、従来のユニバーサルジョイントではなく、チェーン駆動機構を用いる。具体的には、動力伝達部30は、少なくとも駆動スプロケット31、従動スプロケット32及びローラーチェーン33を有する。ローラーチェーン33は、一対のスプロケット(駆動スプロケット31及び従動スプロケット32)の間に巻き掛けられた構成となっている。
駆動スプロケット31は、入力軸12から受けた動力によって能動的に回転する歯車である。従動スプロケット32は、駆動スプロケット31からローラーチェーン33を介して伝達された回転動力によって受動的に回転する歯車である。ローラーチェーン33は、動力などを張力として伝達する機械要素である。なお、動力伝達部30は、チェーン駆動機構に限らず、一対のプーリ及びベルトを用いたベルト駆動機構であってもよい。
作業部40は、草刈り作業を行う部位であり、作業ロータ41、ローターカバー42、2枚の側板43及び刈刃駆動部44を有する。作業部40は、刈刃駆動部44が、動力伝達部30より伝達された動力を受けて作業ロータ41を駆動することにより草刈り作業を行う。
作業ロータ41は、側板43の間に配置された爪軸41a及び爪軸41aに放射状に複数設けられた刈刃41bを含む。爪軸41aは、走行機体の進行方向に対して略直交するように左右方向に延在する。作業ロータ41は、爪軸41aと共に複数の刈刃41bを回転させることにより雑草等を刈り取る。
ローターカバー42は、作業ロータ41を覆って配置されるカバー部材である。ローターカバー42は、刈刃41bによって刈り取られた雑草、雑草に付着する土、作業面(地表面)に落ちている小石などの飛散を防止すると共に、刈り取られた雑草を再び刈刃41bに戻し、細かく破砕する効果を有する。
側板43は、ボールベアリング等を介して爪軸41aを回転可能に支持すると共に、ローターカバー42を支持する。本実施形態では、左方の側板43に対して刈刃駆動部44が設けられている。
刈刃駆動部44は、走行機体から動力伝達部30を介して伝達された回転動力を、作業ロータ41の爪軸41aに伝達する。図1(B)に示すように、刈刃駆動部44は、駆動プーリ44a、従動プーリ44b、及び駆動プーリ44aと従動プーリ44bとの間に巻き掛けられたベルト44c等を含む。刈刃駆動部44では、駆動プーリ44aが動力伝達部30から伝達された回転動力により回転し、ベルト44cを介して従動プーリ44bへ回転動力を伝達する。従動プーリ44bは、駆動プーリ44aから与えられた回転動力を爪軸41aに伝達し、作業ロータ41を駆動する。
(オフセット機構部の構成)
本実施形態のオフセット作業機100のオフセット機構部20の構成について説明する。図2は、第1実施形態のオフセット作業機100のオフセット機構部20の構成を示す拡大図である。図2においては、説明の便宜上、動力伝達部30及び伸縮部材24の図示を省略している。図2に示すように、オフセット機構部20は、第1リンク部材21、第2リンク部材22及び第3リンク部材23を有する。
第1リンク部材21は、長尺の中空状部材で構成され、動力伝達部30の下方に配置される。第1リンク部材21の一端は、装着部10のヒッチフレーム11に対して軸201を中心にして回動可能に連結される。第1リンク部材21の他端は、後述の第3リンク部材23の軸202を介し、作業部40に対して軸202を中心にして回動可能に連結される。
第2リンク部材22は、伸縮可能に構成された長尺の部材であり、通常状態において第1リンク部材21と同程度の長さを有する。第2リンク部材22の一端は、伸縮部材24の前方側の一端が固定された連結部に、軸203を中心にして回動可能に連結されており、連結部を介しヒッチフレーム11に対して回動可能に構成されている。第2リンク部材22の他端は、第3リンク部材23に対して軸204を中心にして回動可能に連結される。第1リンク部材21と第2リンク部材22とは、互いに離隔した位置に略平行に配置される。
本実施形態において、第2リンク部材22は、第1リンク部材21に対し、作業部40がオフセット移動する方向(図2では、オフセット作業機100の進行方向に対して右方向)とは反対側(すなわち、左側)に配置される。このような配置とすることにより、後述するオフセット機構部20における逃げ機構を機能させることができる。
第3リンク部材23は、第1リンク部材21及び第2リンク部材22よりも短尺の部材で構成され、ヒッチフレーム11に対して略平行に配置されると共に、第1リンク部材21と第2リンク部材22とを相互に連結する。具体的には、第1リンク部材21と連結される第3リンク部材23の一端は、作業部40に対して固定されており、第3リンク部材23と作業部40との位置関係が変わらないようになっている。また、第3リンク部材23の一端には、第1リンク部材21の後端部と回動可能に連結するための軸202が設けられている。第3リンク部材23の他端は、第2リンク部材22の後端部に対して軸204を中心にして回動可能に連結される。なお、本実施形態では、図1(B)に示すように、第3リンク部材23の他端(第2リンク部材22に連結される側の端部)は作業部40から離隔し、作業部40には直接固定されていないが、この他端をローターカバー42等の作業部40を構成する部材に直接固定する構成とすることも可能である。
以上の構成により、ヒッチフレーム11、第1リンク部材21、第2リンク部材22及び第3リンク部材23は、それぞれを各辺とする四辺形のリンク機構を構成する。このリンク機構により、オフセット機構部20は、左右方向に対して略平行となるように作業部40の姿勢を維持しつつ、作業部40を左右方向に対してオフセット移動させることができる。
本実施形態のオフセット作業機100における第2リンク部材22は、長手方向に一定の負荷がかかると、全長が変化する構成を有している。具体的には、第2リンク部材22は、筒状部材221、筒状部材221の内部に一部が挿入された棒状部材222、及び棒状部材222の外側に配置された圧縮コイルばねを含む。この場合、第2リンク部材22をカバーで覆う構成としてもよい。
図3は、第1実施形態のオフセット作業機100における第2リンク部材22の構成を示す図である。具体的には、図3(A)は、第2リンク部材22の圧縮前の平面図であり、図3(B)は、第2リンク部材22の圧縮前の側面図である。また、図3(C)は、第2リンク部材22の圧縮後の平面図であり、図3(D)は、第2リンク部材22の圧縮後の側面図である。
図3(A)及び図3(B)に示すように、筒状部材221の内部には、棒状部材222の一部が挿入される。本実施形態では、棒状部材222も筒状の部材で構成された例を示すが、この例に限られるものではなく、筒状部材221に対して相対的に移動可能な棒状(ロッド状)の部材であればよい。棒状部材222のうち、筒状部材221の内部に挿入された部分を重畳部分222aと呼ぶ。本実施形態では、棒状部材222は、重畳部分222aを増減させながら、筒状部材221の内部を摺動する。
棒状部材222は、圧縮コイルばね223に挿通された状態で筒状部材221に挿入される。圧縮コイルばね223は、棒状部材222の外面に固定された環状部材224と筒状部材221における軸204側の縁部との間に配置される。つまり、圧縮コイルばね223の端部の移動は、筒状部材221の縁部と環状部材224との両方で制限(規制)される。圧縮コイルばね223における軸204側の端部は、環状部材224に固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。つまり、環状部材224は、圧縮コイルばね223の軸204側への移動を制限する規制部材として機能すればよい。同様に、圧縮コイルばね223の軸203側の端部は、筒状部材221の縁部に固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。
図3(A)及び図3(B)は、第2リンク部材22が通常状態(長手方向に過負荷がかかっていない状態)である場合を示している。このとき、第2リンク部材22の全長は、長さL1であり、圧縮コイルばね223は、長さX1に保持されている。図2に示した第2リンク部材22は、図3(A)及び図3(B)に示した状態にある。つまり、通常状態における第2リンク部材22の長さL1は、第1リンク部材21の長さに略等しい。
なお、圧縮コイルばね223の長さX1は、自由長よりも若干縮んだ長さに保持されている。図3(A)に示すように、棒状部材222の軸203側の端部には、ボルト225によってザガネ226が装着されている。ザガネ226の外径は、棒状部材222の外径よりも大きい。また、筒状部材221の一部の内径は、ザガネ226の外径よりも小さくなっている。そして、本実施形態では、ザガネ226の軸204側への移動が制限された状態において、圧縮コイルばね223が、長さX1で保持されるように構成されている。これにより、棒状部材222には、常に圧縮コイルばね223から軸204側への付勢力が加わるため、通常状態において、第2リンク部材22は、長さL1の単一の棒状部材のように機能する。これにより、オフセット作業機100は、通常の草刈り作業時に作業部40の姿勢を保持することが可能となっている。
図3(C)及び図3(D)は、第2リンク部材22が縮小状態(長手方向に過負荷がかかった状態)である場合を示している。具体的には、棒状部材222を筒状部材221内へ押し込む方向に負荷がかかっている状態を示している。このとき、第2リンク部材22の全長は、長さL2であり、圧縮コイルばね223の長さX2は、長さX1よりも短い。つまり、図3(C)及び図3(D)に示す状態では、圧縮コイルばね223が圧縮された分だけ棒状部材222が筒状部材221の奥へと押し込まれ(重畳部分222aが増加し)、第2リンク部材22の長さL2が、通常状態の長さL1よりも短くなっている。なお、本実施形態の場合、圧縮コイルばね223の長さX2は、圧縮限界のときの長さに相当する。ここで、圧縮限界とは、圧縮コイルばねがそれ以上圧縮できない状態を指す。
以上のように、本実施形態の第2リンク部材22は、長手方向に負荷がかかると、圧縮コイルばね223の弾性力に逆らって棒状部材222が筒状部材221に押し込まれ、全長が元の長さL1よりも短くなる、すなわち、第2リンク部材22は、負荷に応じて全長が縮小する構造を有している。また、長手方向にかかった負荷が無くなる(もしくは弱まる)と、圧縮コイルばね223の弾性力によって棒状部材222が軸204の位置する方向(重畳部分222aが減少する方向)に向かって移動するため、第2リンク部材22の全長は、最終的に元の長さL1に戻ろうとする。
(オフセット機構部の逃げ機構の説明)
図4は、第1実施形態のオフセット作業機100において、作業部40が、障害物300に接触する直前の状態を示す図である。この状態では、第2リンク部材22の長手方向に負荷がかかっていないため、第2リンク部材22の全長は、L1であり、オフセット機構部20が平行リンクを構成している。そのため、作業部40は、左右方向に対して略平行な姿勢を維持したまま草刈り作業を行うことができる。
図5は、第1実施形態のオフセット作業機100において、作業部40が障害物300に接触した直後の状態を示す図である。この状態では、作業部40の前縁部に障害物300が接触することにより、作業部40に対して軸202を中心として時計回りの力が加わる。そのため、作業部40に一端が固定された第3リンク部材23に対しても軸202を中心として時計回りの力が加わり、第2リンク部材22の長手方向(第2リンク部材22を縮める方向)に対して大きな負荷が加わる。そのため、図3(C)及び図3(D)に示したように、第2リンク部材22の全長は、圧縮コイルばね223が圧縮されることにより縮小する(圧縮限界に到達するまで縮小されるかどうかは負荷の大きさに依存する。)。その結果、オフセット機構部20の平行リンクが崩れ、オフセット機構部20は、作業部40の姿勢を維持できなくなる。これにより、図5に示すように、作業部40は、外側の端部が後退し、障害物300から逃げる姿勢となる。したがって、作業部40は、障害物300に対して真正面からぶつかり続けることがなく、障害物300から受ける衝撃を緩和することができる
仮に、作業部40が障害物300に接触した際にオフセット機構部20の平行リンクが変形することなく形を維持すると、作業部40は、真正面から衝撃を受けることになる。この場合、作業部40の受けた衝撃がオフセット機構部20(特に、第1リンク部材21や伸縮部材24)を破損させる要因となり得る。しかしながら、本実施形態のオフセット作業機100は、オフセット機構部20の第2リンク部材22が伸縮可能な構造を有しているため、作業部40が根石や切り株等の障害物300に接触しても、自発的に平行リンクを崩して作業部40を障害物300から逃がすことができる。
以上のように、本実施形態のオフセット作業機100は、オフセット機構部20が逃げ機構を備えており、草刈り作業時に作業部40が障害物300などに接触した場合において、作業部40が受ける衝撃を緩和することが可能である。また、作業部40と障害物300との接触位置付近を中心として走行機体の進行方向が変わってしまうという不具合を回避することができ、事故に繋がる可能性を低減することができる。このように、本実施形態のオフセット作業機100は、作業部40が障害物300などに接触したときに生じる不具合を防止したり、衝撃によるダメージを低減したりすることが可能である。
さらに、本実施形態のオフセット作業機100は、オフセット機構部20に対して伸縮可能な第2リンク部材22を設けるといった簡易な構造を採用しているため、安価な製造コストで、オフセット機構部20に対して作業部40の逃げ機構を付加することが可能である。
なお、前述のとおり、本実施形態のオフセット作業機100は、動力伝達部30として、一対のスプロケット(駆動スプロケット31及び従動スプロケット32)の間にローラーチェーン33を巻き掛けた構造を採用している。この構造は、従来のユニバーサルジョイント方式によって動力を伝達する構造に比べて、オフセット機構部20の逃げ機構を機能させる上で有利である。
仮に、装着部10と作業部40との間の動力の伝達を従来のユニバーサルジョイント方式で行ったとすると、その構造上、作業部40を外側にオフセット移動させた際に、動力の入力軸及び出力軸とジョイント部とがなす角(折れ角)が非常に大きくなる。そのため、オフセット機構部20の逃げ機構が働いて、図5に示すように作業部40が傾いた場合、前述の折れ角がさらに大きくなるため、ユニバーサルジョイントに非常に大きな負荷がかかり、ジョイント部が破損するおそれがある。これに対し、本実施形態のオフセット作業機100は、動力伝達部30が、作業部40に対する回動角度に関して自由度が高いため、ユニバーサルジョイント方式のような不具合を生じることがない。このように、本実施形態の動力伝達部30は、オフセット機構部20の逃げ機構を機能させる上で好ましい構造であると言える。
(変形例)
本実施形態では、棒状部材222を圧縮コイルばね223に挿通させ、棒状部材222の移動に伴い、筒状部材221の端部と環状部材224との間で圧縮コイルばね223を圧縮させる構成を例示したが、この例に限られるものではない。例えば、筒状部材221の内部に圧縮コイルばねを配置し、棒状部材222が筒状部材221の奥に押し込まれるに従い、内部に配置された圧縮コイルばねが圧縮される構造としてもよい。
また、上記構造において、圧縮コイルばねに代えて、ゴム部材などの弾性部材を配置したり、窒素ガス等を封入したガス室を設けたりして、棒状部材222に対して弾性力を働かせる構成としてもよい。いずれにしても、本実施形態の第2リンク部材22は、筒状部材221と棒状部材222との重畳部分22aの増加に伴い圧縮される弾性部材を有していればよい。
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、第1実施形態とは異なる構成の第2リンク部材を用いたオフセット作業機について説明する。具体的には、本実施形態の第2リンク部材62は、圧縮コイルばね623が圧縮限界まで圧縮されない構成となっている。なお、本実施形態では、第1実施形態のオフセット作業機100との構成上の差異に注目して説明を行い、同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図6は、第2実施形態のオフセット作業機における第2リンク部材62の構成を示す図である。具体的には、図6(A)は、第2リンク部材62の圧縮前の平面図であり、図6(B)は、第2リンク部材62の圧縮前の側面図である。また、図6(C)は、第2リンク部材62の圧縮後の平面図であり、図6(D)は、第2リンク部材62の圧縮後の側面図である。
本実施形態の第2リンク部材62は、筒状部材621、棒状部材622及び圧縮コイルばね623を有する。第2リンク部材62は、第1実施形態の第2リンク部材22と同様に、筒状部材621の内部に、棒状部材622の一部が挿入された構造を有する。また、棒状部材622に固定された環状部材624と筒状部材621との間には、圧縮コイルばね623が配置されている。
本実施形態の第2リンク部材62は、筒状部材621が長手方向に長穴621aを有する。図6(A)及び図6(B)に示すように、長穴621aは、筒状部材621の外面に互いに向かい合うように2箇所設けられている。また、本実施形態の第2リンク部材62は、棒状部材622が、軸203側の端部に貫通穴622bを有する。そして、これらの長穴621a及び貫通穴622bに対して、ピン部材625が挿通されている。ピン部材625は、対向する2つの長穴621aに架け渡されるように挿通され、図示しない抜け止めピンなどによって脱落しないように支持される。
本実施形態の第2リンク部材62は、長手方向に負荷がかかると、第1実施形態と同様に、圧縮コイルばね623が圧縮されて全長が縮小する。すなわち、棒状部材622が、重畳部分622aを増加させつつ、筒状部材621の内部に押し込まれる。このとき、棒状部材622が筒状部材621の内部を移動すると、ピン部材625が棒状部材622と一体となって長穴621aに沿って移動する。
上述のピン部材625は、両端が筒状部材621の外部に突出した構造となっているため、ピン部材625が長穴621aの縁部に当接した時点でピン部材625の移動、すなわち、棒状部材622の移動が制限される。つまり、図6(C)及び図6(D)に示すように、ピン部材625が、長穴621aにおける軸203側の縁部に当接した時点で棒状部材622の移動が止まり、圧縮コイルばね623の圧縮も止まる。このとき、本実施形態では、圧縮コイルばね623の圧縮量が圧縮限界に到達しないように、長穴621aの位置が調整されている。
一般的に、圧縮コイルばねは、圧縮限界まで圧縮させる動作を繰り返すと、特性が劣化したり破損したりすることが知られている。したがって、圧縮コイルばねは、圧縮限界まで到達しない範囲の圧縮量で使用することが望ましい。本実施形態では、筒状部材621の長穴621aの位置(具体的には、長穴621aにおける軸203側の縁部の位置)を調整することにより、圧縮コイルばね623が圧縮限界に到達する前に、棒状部材622の移動が制限され、圧縮コイルばね623の圧縮量が制限される。したがって、本実施形態によれば、圧縮コイルばね623の特性の劣化や破損を防ぎ、信頼性の高いオフセット作業機を実現することができる。
なお、第1実施形態と同様に、通常状態において、圧縮コイルばね623は、自由長よりも若干縮んだ長さに保持されている。本実施形態では、ピン部材625が長穴621aの軸204側の縁部に当接することにより、圧縮コイルばね623の伸長が制限される構成となっている。
また、本実施形態では、筒状部材621の外面に2箇所の長穴621aを設けた例を示したが、この例に限られるものではなく、長穴621aは、1箇所だけ設けられていてもよい。この場合、例えば、棒状部材622における軸203側の端部に、外部に向かって突出するピン部材を設け、そのピン部材が長穴621aの内側を長穴621aに沿って移動するように構成すればよい。
〈第3実施形態〉
第3実施形態では、第1実施形態とは異なる構成の第2リンク部材を用いたオフセット作業機について説明する。具体的には、本実施形態の第2リンク部材72は、圧縮コイルばね723の圧縮量を検知することができる構成となっている。なお、本実施形態では、第1実施形態のオフセット作業機100との構成上の差異に注目して説明を行い、同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図7は、第3実施形態のオフセット作業機における第2リンク部材72の構成を示す図である。具体的には、図7(A)は、第2リンク部材72の圧縮前の平面図であり、図7(B)は、第2リンク部材72の圧縮前の側面図である。また、図7(C)は、第2リンク部材72の圧縮後の平面図であり、図7(D)は、第2リンク部材72の圧縮後の側面図である。
本実施形態の第2リンク部材72は、筒状部材721、棒状部材722及び圧縮コイルばね723を有する。第2リンク部材72は、第1実施形態の第2リンク部材22と同様に、筒状部材721の内部に、棒状部材722の一部が挿入された構造を有する。また、棒状部材722に固定された環状部材724と筒状部材721との間には、圧縮コイルばね723が配置されている。圧縮コイルばね723は、第2実施形態と同様の構成により、自由長よりも若干縮んだ長さに保持される。
また、本実施形態の第2リンク部材72は、第2実施形態と同様に、筒状部材721の長手方向に長穴721aが設けられ、棒状部材722の端部に貫通穴722bが設けられている。また、長穴721a及び貫通穴722bに対して、ピン部材725が挿通されている。ピン部材725は、対向する2つの長穴721aに架け渡されるように挿通され、図示しない抜け止めピンなどによって脱落しないように支持される。
さらに、本実施形態の第2リンク部材72は、圧縮コイルばね723の圧縮量を検知するセンサ726を有する。具体的には、センサ726は、棒状部材722の移動に伴うピン部材725の移動量を検知することにより、間接的に圧縮コイルばね723の圧縮量を検知する。図7(B)に示すように、ピン部材725とセンサ726とは、連結アーム727によって連結される。これにより、図7(B)及び図7(D)に示すように、棒状部材722の移動(すなわち、ピン部材725の移動)に伴い、連結アーム727が軸205を中心に回動する。センサ726は、ピン部材725の移動に伴う連結アーム727の軸205まわりの回動量(回動角度)を検知する。
センサ726によって検知された検知信号(回動角度を示す信号)は、オフセット作業機に設けられた制御部(図示せず)に送信される。制御部(具体的には、制御部が有する演算装置)は、受信した検知信号に基づいて、棒状部材722の移動量、すなわち、圧縮コイルばね723の圧縮量を計算して求める。このように、本実施形態の第2リンク部材72は、センサ726を用いて圧縮コイルばね723の圧縮量を検知することができる。
本実施形態によれば、図5に示したように、作業部40が障害物300に接触して圧縮コイルばね723が圧縮された場合に、圧縮コイルばね723がどの程度まで圧縮されたかを容易に検知することができる。本実施形態のオフセット作業機は、検知された圧縮コイルばね723の圧縮量を利用して、様々な制御を行うことが可能である。
例えば、作業部40が破損するおそれがある圧縮量を予め閾値として制御部(具体的には、制御部が有する記憶装置)に記憶しておく。そして、制御部において、検知された圧縮量と予め記憶した閾値とを比較し、圧縮量が閾値を超えた場合に、ブザーを鳴らしたりランプを点灯させたりして作業者に報知することが可能である。これにより、走行機体の停止などを含む危険回避行動を作業者に促すことができる。また、他の例として、圧縮コイルばね723の圧縮量が前述の閾値を超えた場合に、自動的に伸縮部材24(図1参照)を縮小させて作業部40を内側にオフセット移動させることにより、障害物300を回避するよう制御することが可能である。
〈第4実施形態〉
第4実施形態では、第1実施形態とは異なる構成のオフセット機構部20a備えたオフセット作業機100aについて説明する。具体的には、本実施形態のオフセット作業機100aは、引張コイルばね823を有する第2リンク部材82を用いてオフセット機構部20aを構成している。なお、本実施形態では、第1実施形態のオフセット作業機100との構成上の差異に注目して説明を行い、同じ構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態のオフセット作業機100aのオフセット機構部20aの構成について説明する。図8は、第4実施形態のオフセット作業機100aのオフセット機構部20aの構成を示す拡大図である。図8においては、説明の便宜上、動力伝達部30及び伸縮部材24の図示を省略している。図8に示すように、オフセット機構部20aは、第1リンク部材21、第2リンク部材82及び第3リンク部材23を有する。
第1リンク部材21及び第3リンク部材23の構成については、第1実施形態で説明したとおりである。ただし、本実施形態では、第1リンク部材21と第2リンク部材82との位置関係が、第1実施形態におけるそれらの位置関係とは逆になっている。すなわち、本実施形態では、第2リンク部材82は、第1リンク部材21に対し、作業部40がオフセット移動する方向(図8では、オフセット作業機100aの進行方向に対して右方向)に配置される。これにより、オフセット機構部20aの逃げ機構を機能させることができる。
本実施形態の第2リンク部材82は、伸縮可能に構成された長尺の部材であり、通常状態において第1リンク部材21と同程度の長さを有する。第2リンク部材82の一端は、ヒッチフレーム11に設けられたブラケットに、軸203を中心にして回動可能に連結されており、ヒッチフレーム11に対して回動可能に構成されている。第2リンク部材82の他端は、第3リンク部材23に対して軸204を中心にして回動可能に連結される。第1リンク部材21と第2リンク部材82とは、互いに離隔した位置に略平行に配置される。
第1実施形態と同様に、ヒッチフレーム11、第1リンク部材21、第2リンク部材82及び第3リンク部材23は、それぞれを各辺とする四辺形のリンク機構を構成する。このリンク機構により、オフセット機構部20aは、左右方向に対して略平行となるように作業部40の姿勢を維持しつつ、作業部40を左右方向に対してオフセット移動させることができる。
オフセット作業機100aの第2リンク部材82は、第1実施形態の第2リンク部材22と同様に、長手方向に一定の負荷がかかると、全長が変化する構成を有している。具体的には、第2リンク部材82は、筒状部材821、筒状部材821の内部に一部が挿入された棒状部材822、及び、筒状部材821と棒状部材822とに跨って配置された引張コイルばね823を含む。第2リンク部材82は、カバーで覆われていてもよい。
図9は、第4実施形態のオフセット作業機100aにおける第2リンク部材82の構成を示す図である。具体的には、図9(A)は、第2リンク部材82の伸張前の平面図であり、図9(B)は、第2リンク部材82の伸張前の側面図である。また、図9(C)は、第2リンク部材82の伸張後の平面図であり、図9(D)は、第2リンク部材82の伸張後の側面図である。
図9(A)及び図9(B)に示すように、筒状部材821の内部には、棒状部材822の一部が挿入される。棒状部材822のうち、筒状部材821の内部に挿入された部分を重畳部分822aと呼ぶ。本実施形態では、棒状部材822は、重畳部分822aを増減させながら、筒状部材821の内部を摺動する。
図9(B)に示すように、筒状部材821と棒状部材822との間には、引張コイルばね823が架け渡される。具体的には、引張コイルばね823における一方のフック部823aは、筒状部材821に固定されたブラケット824aに支持されたピン824bに係止され、他方のフック部823bが、棒状部材822に固定されたブラケット825aに支持されたピン825bに係止されている。つまり、棒状部材822に対して筒状部材821から引き抜く方向に力が加わると、引張コイルばね823が伸張する構成となっている。
図9(A)及び図9(B)は、第2リンク部材82が通常状態(長手方向に過負荷がかかっていない状態)である場合を示している。このとき、第2リンク部材82の全長は、長さL1であり、引張コイルばね823は、長さX1に保持されている。図8に示した第2リンク部材82は、図9(A)及び図9(B)に示した状態にある。つまり、通常状態における第2リンク部材82の長さL1は、第1リンク部材21の長さに略等しい。
ここで、引張コイルばね823の長さX1は、自由長よりも若干伸びた長さに保持されている。図9(A)及び図9(B)に示すように、棒状部材822の外面には、環状部材826が固定されている。環状部材826の外径は、筒状部材821の内径よりも大きいため、環状部材826が筒状部材821の内部に入ることはない。すなわち、環状部材826は、棒状部材822の軸203側への移動を規制する部材として機能する。そして、本実施形態では、環状部材826が筒状部材821の縁に当接した状態において、引張コイルばね823が長さX1で保持されるように構成されている。これにより、棒状部材822には、常に引張コイルばね823によって軸203側への付勢力が加わるため、通常状態において、第2リンク部材82は、長さL1の単一の棒状部材のように機能する。これにより、オフセット作業機100aは、通常の草刈り作業時に作業部40の姿勢を保持することが可能となっている。
さらに、図9(A)及び図9(B)に示すように、棒状部材822の軸203側の端部には、ボルト827によってザガネ828が装着されている。ザガネ828の外径は、棒状部材822の外径よりも大きい。また、筒状部材821の一部の内径は、ザガネ828の外径よりも小さくなっている。そのため、棒状部材822が軸204側に移動した場合において、ザガネ828は、筒状部材821の内壁に当接することにより、棒状部材822の軸204側への移動を規制する部材として機能する。つまり、ザガネ828が設けられることによって、棒状部材822が筒状部材821から完全に抜けてしまうことを防ぐことができる。また、棒状部材822の軸204側への移動を規制することにより、引張コイルばね823が、限界値以上に伸びて破損することを防ぐことができる。
図9(C)及び図9(D)は、第2リンク部材82が伸張状態(長手方向に過負荷がかかった状態)である場合を示している。具体的には、棒状部材222を筒状部材221内から引き出す方向に負荷がかかっている状態を示している。このとき、第2リンク部材82の全長は、長さL2であり、引張コイルばね823の長さX2は、長さX1よりも長い。つまり、図9(C)及び図9(D)に示す状態では、引張コイルばね823が伸張された分だけ棒状部材822が筒状部材821の外へと引き出され(重畳部分822aが減少し)、第2リンク部材82の長さL2が、通常状態の長さL1よりも長くなっている。
以上のように、本実施形態の第2リンク部材82は、長手方向に負荷がかかると、引張コイルばね823の弾性力に逆らって棒状部材822が筒状部材821から引き出され、全長が元の長さL1よりも長くなる、すなわち、第2リンク部材82は、負荷に応じて全長が伸張する構造を有している。また、長手方向にかかった負荷が無くなる(もしくは弱まる)と、引張コイルばね823の弾性力によって棒状部材822が軸203の位置する方向(重畳部分822aが増加する方向)に向かって移動するため、第2リンク部材82の全長は、最終的に元の長さL1に戻ろうとする。
(オフセット機構部の逃げ機構の説明)
図10は、第4実施形態のオフセット作業機100aにおいて、作業部40が、障害物300に接触する直前の状態を示す図である。この状態では、第2リンク部材82の長手方向に負荷がかかっていないため、第2リンク部材82の全長は、L1であり、オフセット機構部20aが平行リンクを構成している。そのため、作業部40は、左右方向に対して略平行な姿勢を維持したまま草刈り作業を行うことができる。
図11は、第4実施形態のオフセット作業機100aにおいて、作業部40が障害物300に接触した直後の状態を示す図である。この状態では、作業部40の前縁部が障害物300に接触することにより、作業部40に対して軸202を中心として時計回りの力が加わる。そのため、作業部40に一端が固定された第3リンク部材23に対しても軸202を中心として時計回りの力が加わり、第2リンク部材82の長手方向(第2リンク部材82を伸ばす方向)に対して大きな負荷が加わる。そのため、図9(C)及び図9(D)に示したように、第2リンク部材82の全長は、引張コイルばね823の伸張を伴いつつ伸ばされる。その結果、オフセット機構部20aの平行リンクが崩れ、オフセット機構部20aは、作業部40の姿勢を維持できなくなる。これにより、図11に示すように、作業部40は、外側の端部が後退し、障害物300から逃げる姿勢となる。したがって、作業部40は、障害物300に対して真正面からぶつかることなく、障害物300から受ける衝撃を緩和することができる。このように、本実施形態のオフセット作業機100aは、オフセット機構部20aの第2リンク部材82が伸縮可能な構造を有しているため、作業部40が根石や切り株等の障害物300に接触しても、自発的に平行リンクを崩して作業部40を障害物300から逃がすことができる。
以上のように、本実施形態のオフセット作業機100aは、オフセット機構部20aが逃げ機構を備えており、草刈り作業時に作業部40が障害物300などに接触した場合において、作業部40が受ける衝撃を緩和することが可能である。また、作業部40と障害物300との接触位置付近を中心として走行機体の進行方向が変わってしまうという不具合を回避することができ、事故に繋がる可能性を低減することができる。このように、本実施形態のオフセット作業機100aは、作業部40が障害物300などに接触したときに生じる不具合を防止したり、衝撃によるダメージを低減したりすることが可能である。
さらに、本実施形態のオフセット作業機100aは、オフセット機構部20aに対して伸縮可能な第2リンク部材82を設けるといった簡易な構造を採用しているため、安価な製造コストで、オフセット機構部20aに対して作業部40の逃げ機構を付加することが可能である。
なお、本実施形態のオフセット作業機100aは、第2実施形態及び第3実施形態と組み合わせて実施することが可能である。例えば、第2リンク部材82は、第2実施形態の第2リンク部材62と同様に、筒状部材821に長穴を設けると共に棒状部材822にピン部材を固定し、ピン部材を棒状部材822の移動を規制する部材として用いてもよい。また、第2リンク部材82は、第3実施形態の第2リンク部材72と同様に、引張コイルばね823の引張量を検知するセンサを備えていてもよい。
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は前述の各実施形態(変形例も含む)に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、前述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
前述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
10…装着部、11…ヒッチフレーム、12…入力軸、13…ギヤボックス、20、20a…オフセット機構部、21…第1リンク部材、22、62、72、82…第2リンク部材、222a…重畳部分、23…第3リンク部材、24…伸縮部材、30…動力伝達部、31…駆動スプロケット、32…従動スプロケット、33…ローラーチェーン、40…作業部、41…作業ロータ、41a…爪軸、41b…刈刃、42…ローターカバー、43…側板、44…刈刃駆動部、44a…駆動プーリ、44b…従動プーリ、44c…ベルト、62、72…第2リンク部材、100、100a…オフセット作業機、201~205…軸、221…筒状部材、222…棒状部材、222a…重畳部分、223…圧縮コイルばね、224…環状部材、225…ボルト、226…ザガネ、300…障害物、621…筒状部材、621a…長穴、622…棒状部材、622a…重畳部分、622b…貫通穴、624…環状部材、625…ピン部材、721…筒状部材、721a…長穴、722…棒状部材、722b…貫通穴、724…環状部材、725…ピン部材、726…センサ、727…連結アーム、821…筒状部材、822…棒状部材、822a…重畳部分、823…引張コイルばね、824a、825a…ブラケット、824b、825b…ピン、826…環状部材、827…ボルト、828…ザガネ

Claims (9)

  1. 走行機体に連結可能な装着部と、
    前記走行機体から動力を受けて農作業を行う作業部と、
    前記装着部と前記作業部との間に配置され、前記作業部を左右方向に移動させるオフセット機構部と、を備え、
    前記オフセット機構部は、前記装着部に対して回動可能に連結された第1リンク部材と、前記装着部に対して回動可能に連結されると共に、前記第1リンク部材と離隔して配置された第2リンク部材と、を含む平行リンク機構を有し、
    前記第2リンク部材は、作業部に対する前方側からの負荷に応じて伸縮する伸縮機構を含む、オフセット作業機。
  2. 前記伸縮機構は、前記第2リンク部材の長手方向に沿う軸上に、相対的にスライドする少なくとも2つの部材を有する、請求項1に記載のオフセット作業機。
  3. 前記第2リンク部材は、筒状部材、前記筒状部材に対して相対的に移動可能に挿入された棒状部材、及び、前記筒状部材と前記棒状部材との重畳部分の変化に伴い伸縮する弾性部材を含む、請求項1又は2に記載のオフセット作業機。
  4. 前記第2リンク部材は、前記第1リンク部材に対し、前記作業部がオフセット移動する方向とは反対側に配置され、
    前記弾性部材は、重畳部分の増加に伴い圧縮される、請求項3に記載のオフセット作業機。
  5. 前記弾性部材は、圧縮コイルばねである、請求項4に記載のオフセット作業機。
  6. 前記筒状部材は、長手方向に長穴を有し、
    前記第2リンク部材は、前記長穴に挿通され、前記棒状部材と一体に移動可能なピン部材をさらに含み、
    前記長穴の縁部に前記ピン部材が当接することにより、前記筒状部材に対する前記棒状部材の移動が制限される、請求項3乃至5のいずれか一項に記載のオフセット作業機。
  7. 前記弾性部材は、圧縮コイルばねであり、
    前記ピン部材は、前記圧縮コイルばねが圧縮限界に到達する前に前記長穴の縁部に当接する、請求項6に記載のオフセット作業機。
  8. 前記第2リンク部材は、前記伸縮機構の伸縮量を検知するセンサをさらに含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のオフセット作業機。
  9. 前記装着部から前記作業部に対して前記動力を伝達する動力伝達部をさらに含み、
    前記動力伝達部は、一対のスプロケットの間に巻き掛けられたローラーチェーンを含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のオフセット作業機。
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