JP7448823B2 - 評価装置及び評価プログラム - Google Patents

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本開示は、評価対象物の寿命特性を評価するための評価装置及び評価プログラムに関する。
従来、機械や構造物が使用中に意図せず破損するのを防止するため、これらを構成する各部品の寿命特性の評価が実施されている。寿命特性の評価とは、一般に、評価対象物が使用される環境の厳しさと、評価対象物の寿命との関係を評価することをいう。
例えば、評価対象物が金属材料からなる場合、当該金属材料で形成された試料を複数準備し、これらの試料の疲労試験を実施する。疲労試験では、各試料で応力比を一定に保持し、試料ごとに応力振幅を変えて繰返し応力を発生させる。応力比とは、最小負荷応力を最大負荷応力で除した値であり、応力振幅とは、最大負荷応力から最小負荷応力を減じた値の半分の値である。疲労試験において各試料に発生する応力の指標、例えば応力振幅や最大応力、応力範囲等を使用環境の厳しさとし、各試料が破断するまでの応力繰返し数を寿命として、評価対象物の疲労寿命特性が評価される。
また、例えば、評価対象物が金属材料からなる場合、当該金属材料で形成された試料を複数準備し、これらの試料のクリープ破断試験を実施する。クリープ破断試験では、各試料に対し、高温下で荷重が負荷される。この荷重によって各試料に発生する応力を使用環境の厳しさとし、各試料が破断するまでの時間を寿命として、評価対象物のクリープ破断寿命特性が評価される。
その他、評価対象物がゴム材料からなる場合、例えば、当該ゴム材料からなる各試料が晒される温度を使用環境の厳しさとし、各試料の硬化反応速度を寿命として、評価対象物の耐久寿命特性が評価される。評価対象物が電子部品である場合、例えば、温度又は投入電流耐量を使用環境の厳しさとし、電子部品が破損するまでの時間又は通電時間を寿命として、評価対象物の寿命特性が評価される。
寿命特性の評価を行う場合、一般に、評価対象物が使用される環境の厳しさと、評価対象物の寿命との関係を表す線図が求められる。より具体的には、評価対象物の使用期間を第1軸とし、評価対象物の使用環境の厳しさを第2軸とする平面座標系において、評価対象物が寿命に到達する領域と、評価対象物が寿命に到達しない領域とに区分する境界線を求め、この境界線を用いて寿命特性の評価が行われる。当該境界線は、例えば、所定の寿命試験を実際に実施して得られた実試験情報の近似線である。よって、境界線を求めるためには、複数の使用環境の水準ごとにそれぞれ1つ以上の試料を準備し、全ての試料に対して所定の試験を実施する必要がある。通常、試料それぞれの試験には長時間を要するため、全ての試料の試験を完了させて寿命特性の評価を実施するには、多大な期間が必要となる。
これに対して、特許文献1には、試料に超音波振動を与えて疲労試験を行う技術が開示されている。特許文献1では、超音波振動子によって試料を共振させ、試料に応力を発生させる。この場合、試料に発生する応力の繰り返し速度が大きくなり、各試料の疲労試験の時間が短縮されると考えられる。
特許文献2にも、試料に超音波振動を与えて疲労試験を行う技術が開示されている。特許文献2では、試料に対し、共振による曲げ変形を繰り返し与えることにより、応力振幅一定の高速な疲労試験が行われる。
特許文献3には、疲労試験において、試料に繰返し応力を発生させながら、初期温度に対する温度変化量を取得する技術が開示されている。特許文献3では、1つの試料に対し、発生させる応力を変化させつつ温度変化量の取得を繰り返し、複数の応力それぞれについて得られた温度変化量に基づいて試料の疲労限度を推定する。特許文献3には、試料が破断するまで繰返し応力を発生させる必要はないため、単一の試料を疲労試験に使用することができ、短時間で疲労限度を推定することができると記載されている。
特開2018-048889号公報 特許第6142074号公報 特許第6483568号公報
特許文献1及び2では、超音波振動を利用することにより、試料に発生する応力の繰返し速度(負荷周波数)が大きくなり、個々の試料の試験時間が短縮される。しかしながら、特許文献1及び2のように、試料に対する負荷周波数を増大させる技術では、試験の結果に影響が生じる可能性がある。例えば、試験時間自体が評価対象物の寿命に影響する場合、負荷周波数の増大によって個々の試料の試験時間を短縮することはできない。そのため、評価対象物の寿命特性を短期間で評価できないことがある。
特許文献3では、試料の温度変化量に基づいて疲労限度を推定することにより、評価対象物の寿命特性の評価を行っている。しかしながら、特許文献3では、寿命特性の評価に際し、試料が破断するまでの応力繰返し数(寿命)が直接的に測定されていない。そのため、特許文献3のような技術では、寿命特性の評価結果の誤差が大きくなるおそれがある。
本開示は、短期間で精度よく評価対象物の寿命特性を評価することができる評価装置を提供することを課題とする。
本開示に係る評価装置は、評価対象物の寿命特性を評価するための評価装置である。評価装置は、予測試験情報生成部と、境界線取得部と、を備える。予測試験情報生成部は、評価対象物に相当する試料の寿命試験を実際に行って得られた複数の実試験情報の各々に基づき、複数の予測試験情報を生成する。境界線取得部は、複数の予測試験情報に基づき、境界線を取得する。境界線は、評価対象物の使用期間を示す第1軸と、評価対象物の使用環境の厳しさを示す第2軸とを有する平面座標系を、評価対象物が寿命に到達する領域と、評価対象物が寿命に到達しない領域とに区分する。実試験情報の各々は、試験期間情報と、試験環境情報と、実寿命判定情報と、を含む。試験期間情報は、寿命試験の期間を示す。試験環境情報は、寿命試験において試料に与えられた環境を示す。実寿命判定情報は、寿命試験において試料が寿命に到達したか否かを示す。
予測試験情報生成部は、実試験情報変換部と、仮想試験情報生成部と、寿命判定情報割当部と、を含む。実試験情報変換部は、実試験情報ごとに、試験期間情報を第1軸のパラメータ値である第1パラメータ値に変換するとともに、試験環境情報を第2軸のパラメータ値である第2パラメータ値に変換する。仮想試験情報生成部は、実試験情報ごとに、第1軸のパラメータ値である第1パラメータ値と、第2軸のパラメータ値である第2パラメータ値と、を各々含む複数の仮想試験情報を生成する。寿命判定情報割当部は、実試験情報の各々について、実寿命判定情報が寿命到達を示すか否かを判定する。寿命判定情報割当部は、実寿命判定情報が寿命到達を示す場合、複数の仮想試験情報のうち、実試験情報における第1パラメータ値以下の第1パラメータ値を有し、且つ実試験情報における第2パラメータ値よりも小さい第2パラメータ値を有する仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報を割り当てる。寿命判定情報割当部は、実寿命判定情報が寿命到達を示す場合、複数の仮想試験情報のうち、実試験情報における第1パラメータ値よりも小さい第1パラメータ値を有し、且つ実試験情報における第2パラメータ値以下の第2パラメータ値を有する仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報を割り当てる。寿命判定情報割当部は、実寿命判定情報が寿命到達を示す場合、複数の仮想試験情報のうち、実試験情報における第1パラメータ値以上の第1パラメータ値を有し、且つ実試験情報における第2パラメータ値以上の第2パラメータ値を有する仮想試験情報に対し、寿命到達を示す寿命判定情報を割り当てる。これにより、寿命判定情報割当部は、複数の仮想試験情報から複数の予測試験情報を生成する。
本開示に係る評価装置によれば、短期間で精度よく評価対象物の寿命特性を評価することができる。
図1は、実施形態に係る評価装置の機能ブロック図である。 図2は、実施形態に係る評価装置として機能するコンピュータのハードウェア構成図である。 図3Aは、実施形態に係る評価装置が行う処理を示すフローチャートである。 図3Bは、実施形態に係る評価装置が行う処理を示すフローチャートである。 図4は、実施形態に係る評価装置によって取得した境界線を利用して寿命特性の評価を行う手順を示すフローチャートである。 図5は、実施形態に係る評価装置により、実試験情報に基づいて予測される予測試験情報を説明するための模式図である。 図6は、実施形態に係る評価装置により、実試験情報に基づいて予測される予測試験情報を説明するための模式図である。 図7は、各実施例における実試験情報、及び仮想試験情報となる格子点を模式的に示す図である。 図8は、破断繰返し数が5万回のときの応力振幅について、第1実施例で得られた近似式から算出した値と、第1従来例で得られた近似式から算出した値との誤差を示す図である。 図9は、破断繰返し数が200万回のときの応力振幅について、第1実施例で得られた近似式から算出した値と、第1従来例で得られた近似式から算出した値との誤差を示す図である。 図10は、破断繰返し数が5万回のときに、第2実施例及び第2従来例S-N線の近似式から求まる応力振幅と、第1従来例で得られた近似式から求まる応力振幅との誤差の頻度の確率分布を示す図である。 図11は、破断繰返し数が200万回のときに、第2実施例及び第2従来例S-N線の近似式から求まる応力振幅と、第1従来例で得られた近似式から求まる応力振幅との誤差の頻度の確率分布を示す図である。 図12は、第3実施例及び第3従来例のそれぞれで得られたS-N線を示す図である。 図13は、第4実施例及び第4従来例のそれぞれで得られたS-N線を示す図である。
第1の構成に係る評価装置は、評価対象物の寿命特性を評価するための評価装置である。評価装置は、予測試験情報生成部と、境界線取得部と、を備える。予測試験情報生成部は、評価対象物に相当する試料の寿命試験を実際に行って得られた複数の実試験情報の各々に基づき、複数の予測試験情報を生成する。境界線取得部は、複数の予測試験情報に基づき、境界線を取得する。境界線は、評価対象物の使用期間を示す第1軸と、評価対象物の使用環境の厳しさを示す第2軸とを有する平面座標系を、評価対象物が寿命に到達する領域と、評価対象物が寿命に到達しない領域とに区分する。実試験情報の各々は、試験期間情報と、試験環境情報と、実寿命判定情報と、を含む。試験期間情報は、寿命試験の期間を示す。試験環境情報は、寿命試験において試料に与えられた環境を示す。実寿命判定情報は、寿命試験において試料が寿命に到達したか否かを示す。
第1の構成に係る評価装置において、予測試験情報生成部は、実試験情報変換部と、仮想試験情報生成部と、寿命判定情報割当部と、を含む。実試験情報変換部は、実試験情報ごとに、試験期間情報を第1軸のパラメータ値である第1パラメータ値に変換するとともに、試験環境情報を第2軸のパラメータ値である第2パラメータ値に変換する。仮想試験情報生成部は、実試験情報ごとに、第1軸のパラメータ値である第1パラメータ値と、第2軸のパラメータ値である第2パラメータ値と、を各々含む複数の仮想試験情報を生成する。寿命判定情報割当部は、実試験情報の各々について、実寿命判定情報が寿命到達を示すか否かを判定する。寿命判定情報割当部は、実寿命判定情報が寿命到達を示す場合、複数の仮想試験情報のうち、実試験情報における第1パラメータ値以下の第1パラメータ値を有し、且つ実試験情報における第2パラメータ値よりも小さい第2パラメータ値を有する仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報を割り当てる。寿命判定情報割当部は、実寿命判定情報が寿命到達を示す場合、複数の仮想試験情報のうち、実試験情報における第1パラメータ値よりも小さい第1パラメータ値を有し、且つ実試験情報における第2パラメータ値以下の第2パラメータ値を有する仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報を割り当てる。寿命判定情報割当部は、実寿命判定情報が寿命到達を示す場合、複数の仮想試験情報のうち、実試験情報における第1パラメータ値以上の第1パラメータ値を有し、且つ実試験情報における第2パラメータ値以上の第2パラメータ値を有する仮想試験情報に対し、寿命到達を示す寿命判定情報を割り当てる。これにより、寿命判定情報割当部は、複数の仮想試験情報から複数の予測試験情報を生成する。
第2の構成に係る評価装置は、評価対象物の寿命特性を評価するための評価装置である。評価装置は、予測試験情報生成部と、境界線取得部と、を備える。予測試験情報生成部は、評価対象物に相当する試料の寿命試験を実際に行って得られた複数の実試験情報の各々に基づき、複数の予測試験情報を生成する。境界線取得部は、複数の予測試験情報に基づき、境界線を取得する。境界線は、評価対象物の使用期間を示す第1軸と、評価対象物の使用環境の厳しさを示す第2軸とを有する平面座標系を、評価対象物が寿命に到達する領域と、評価対象物が寿命に到達しない領域とに区分する。実試験情報の各々は、試験期間情報と、試験環境情報と、実寿命判定情報と、を含む。試験期間情報は、寿命試験の期間を示す。試験環境情報は、寿命試験において試料に与えられた環境を示す。実寿命判定情報は、寿命試験において試料が寿命に到達したか否かを示す。
第2の構成に係る評価装置において、予測試験情報生成部は、実試験情報変換部と、仮想試験情報生成部と、寿命判定情報割当部と、を含む。実試験情報変換部は、実試験情報ごとに、試験期間情報を第1軸のパラメータ値である第1パラメータ値に変換するとともに、試験環境情報を第2軸のパラメータ値である第2パラメータ値に変換する。仮想試験情報生成部は、実試験情報ごとに、第1軸のパラメータ値である第1パラメータ値と、第2軸のパラメータ値である第2パラメータ値と、を各々含む複数の仮想試験情報を生成する。寿命判定情報割当部は、実試験情報の各々について、実寿命判定情報が寿命到達を示すか否かを判定する。寿命判定情報割当部は、実寿命判定情報が寿命未達を示す場合、複数の仮想試験情報のうち、実試験情報における第1パラメータ値以下の第1パラメータ値を有し、且つ実試験情報における第2パラメータ値以下の第2パラメータ値を有する仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報を割り当てる。これにより、寿命判定情報割当部は、複数の仮想試験情報から複数の予測試験情報を生成する。
第3の構成に係る評価装置は、評価対象物の寿命特性を評価するための評価装置である。評価装置は、予測試験情報生成部と、境界線取得部と、を備える。予測試験情報生成部は、評価対象物に相当する試料の寿命試験を実際に行って得られた複数の実試験情報の各々に基づき、複数の予測試験情報を生成する。境界線取得部は、複数の予測試験情報に基づき、境界線を取得する。境界線は、評価対象物の使用期間を示す第1軸と、評価対象物の使用環境の厳しさを示す第2軸とを有する平面座標系を、評価対象物が寿命に到達する領域と、評価対象物が寿命に到達しない領域とに区分する。実試験情報の各々は、試験期間情報と、試験環境情報と、実寿命判定情報と、を含む。試験期間情報は、寿命試験の期間を示す。試験環境情報は、寿命試験において試料に与えられた環境を示す。実寿命判定情報は、寿命試験において試料が寿命に到達したか否かを示す。
第3の構成に係る評価装置において、予測試験情報生成部は、実試験情報変換部と、仮想試験情報生成部と、寿命判定情報割当部と、を含む。実試験情報変換部は、実試験情報ごとに、試験期間情報を第1軸のパラメータ値である第1パラメータ値に変換するとともに、試験環境情報を第2軸のパラメータ値である第2パラメータ値に変換する。仮想試験情報生成部は、実試験情報ごとに、第1軸のパラメータ値である第1パラメータ値と、第2軸のパラメータ値である第2パラメータ値と、を各々含む複数の仮想試験情報を生成する。寿命判定情報割当部は、実試験情報の各々について、実寿命判定情報が寿命到達を示すか否かを判定する。寿命判定情報割当部は、実寿命判定情報が寿命到達を示す場合、複数の仮想試験情報のうち、実試験情報における第1パラメータ値以下の第1パラメータ値を有し、且つ実試験情報における第2パラメータ値よりも小さい第2パラメータ値を有する仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報を割り当てる。寿命判定情報割当部は、実寿命判定情報が寿命到達を示す場合、複数の仮想試験情報のうち、実試験情報における第1パラメータ値よりも小さい第1パラメータ値を有し、且つ実試験情報における第2パラメータ値以下の第2パラメータ値を有する仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報を割り当てる。寿命判定情報割当部は、実寿命判定情報が寿命到達を示す場合、複数の仮想試験情報のうち、実試験情報における第1パラメータ値以上の第1パラメータ値を有し、且つ実試験情報における第2パラメータ値以上の第2パラメータ値を有する仮想試験情報に対し、寿命到達を示す寿命判定情報を割り当てる。また、寿命判定情報割当部は、実寿命判定情報が寿命未達を示す場合、複数の仮想試験情報のうち、実試験情報における第1パラメータ値以下の第1パラメータ値を有し、且つ実試験情報における第2パラメータ値以下の第2パラメータ値を有する仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報を割り当てる。これにより、寿命判定情報割当部は、複数の仮想試験情報から複数の予測試験情報を生成する。
第1から第3の構成に係る評価装置によれば、試料の寿命試験を実際に行って得られた実試験情報の各々に基づいて複数の予測試験情報が生成され、これらの予測試験情報に基づいて境界線が取得される。当該境界線により、評価対象物の使用期間を示す第1軸と、評価対象物の使用環境の厳しさを示す第2軸とを有する平面座標系において、評価対象物が寿命に到達する領域と、評価対象物が寿命に到達しない領域とが区分される。両領域を区分する境界線は、使用環境の厳しさと寿命との関係を表すものである。そのため、この境界線を用いて、評価対象物の寿命を評価することができる。
ここで、第1から第3の構成に係る評価装置では、境界線の取得に際し、寿命試験を実際に実施して得られた各実試験情報に基づいて複数の予測試験情報が生成される。すなわち、実試験情報から、境界線取得に利用可能な試験情報を増加させることができる。そのため、境界線の取得に際して準備する実試験情報の数を従来よりも少なくすることができる。よって、寿命試験に費やす時間を減少させることができ、評価対象物の寿命特性をより短期間で評価することができる。
第1及び第3の構成に係る評価装置では、実試験において試料が寿命に到達した場合、試験期間の終点よりも前には試料が寿命に未達であった一方、試験期間の終点以後は試料が寿命に到達して回復することがなく、また、試験環境よりも厳しい環境では試験期間の終点までに試料が寿命に到達し、試験環境よりも緩やかな環境では試験期間の終点においても試料が寿命に到達しないはずであるという合理的な考え方に基づき、実試験情報から予測試験情報が生成される。すなわち、実試験情報の実寿命判定情報が寿命到達を示す場合、予測試験情報の候補として生成された複数の仮想試験情報のうち、使用期間を示す第1軸のパラメータ値(第1パラメータ値)が実試験情報のもの以下であり、且つ、使用環境の厳しさを示す第2軸のパラメータ値(第2パラメータ値)が実試験情報のものよりも小さい仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報が割り当てられる。また、実試験情報の実寿命判定情報が寿命到達を示す場合、予測試験情報の候補として生成された複数の仮想試験情報のうち、第1パラメータ値が実試験情報のものよりも小さく、且つ、第2パラメータ値が実試験情報のもの以下である仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報が割り当てられる。さらに、実試験情報の実寿命判定情報が寿命到達を示す場合、複数の仮想試験情報のうち、第1及び第2パラメータ値がそれぞれ実試験情報のもの以上である仮想試験情報に対し、寿命到達を示す寿命判定情報を割り当てられる。このように、試料の寿命試験を実際に実施して得られた実試験情報を使用し、予測試験情報を合理的に生成することにより、予測試験情報に基づいて取得される境界線の精度を確保することができる。よって、評価対象物の寿命特性を精度よく評価することができる。
第2及び第3の構成に係る評価装置では、実試験において試料が寿命に到達しなかった場合、試験期間の終点よりも前であって、試験環境よりも緩やかな環境では試料が寿命に到達しないという合理的な予測に基づき、実試験情報から予測試験情報が生成される。すなわち、実試験情報の実寿命判定情報が寿命未達を示す場合、予測試験情報の候補として生成された複数の仮想試験情報のうち、使用期間を示す第1軸のパラメータ値(第1パラメータ値)が実試験情報のもの以下であり、且つ、使用環境の厳しさを示す第2軸のパラメータ値(第2パラメータ値)が実試験情報のもの以下である仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報が割り当てられる。このように、試料の寿命試験を実際に実施して得られた実試験情報を使用し、予測試験情報を合理的に生成することにより、予測試験情報に基づいて取得される境界線の精度を確保することができる。よって、評価対象物の寿命特性を精度よく評価することができる。
上記評価装置において、境界線取得部は、実試験情報及び予測試験情報に基づき、境界線を取得してもよい。
上記評価装置によって寿命特性を評価する評価対象物は、金属材料からなるものであってもよい。
上記各評価装置は、コンピュータであってもよい。すなわち、評価対象物の寿命特性を評価するための評価プログラムにより、コンピュータを上記評価装置として機能させることができる。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各図において同一又は相当の構成については同一符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
[評価装置の構成]
図1は、本実施形態に係る評価装置10の機能ブロック図である。評価装置10は、評価対象物の寿命特性を評価するために用いられる。評価対象物は、機械もしくは構造物、又はそれらを構成する部品であり、例えば金属材料からなる。評価対象物が金属材料からなる場合、評価される寿命特性は、例えば、疲労寿命特性又はクリープ破断寿命特性である。本実施形態では、金属材料からなる評価対象物の疲労寿命特性を評価する評価装置10の例について説明する。
図1に示すように、評価装置10は、予測試験情報生成部1と、境界線取得部2とを備えている。予測試験情報生成部1は、実試験情報変換部11と、仮想試験情報生成部12と、寿命判定情報割当部13とを含む。評価装置10の各部の機能については後述する。
評価装置10は、典型的にはコンピュータであり、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット、スマートフォン等といったユーザ端末である。図2は、評価装置10として機能するコンピュータ3のハードウェア構成図である。コンピュータ3は、中央演算処理装置(CPU)31、主記憶装置32、補助記憶装置33、入力装置34、及び出力装置35等を備えている。
CPU31は、補助記憶装置33から主記憶装置32にロードされた各種プログラムを実行し、情報の演算を行う。主記憶装置32は、CPU31が実行する各種プログラムや、CPU31が使用する情報、CPU31による演算結果等を一時的に保持する作業領域として使用される。補助記憶装置33は、例えば、HDD、フラッシュメモリ、又はROM等である。入力装置34は、ユーザが入力操作を行うための装置であり、マウス、タッチパネル等といったポインティングデバイスや、キーボード等を含む。出力装置35は、CPU31の処理結果等を出力するための装置であり、ディスプレイ等を含む。
コンピュータ3は、補助記憶装置33に格納された評価プログラムをCPU31が実行することにより、評価装置10として機能する。すなわち、CPU31によって評価プログラムが実行されることにより、評価装置10の各部の機能が実現される。
[寿命特性の評価方法]
図3A及び図3Bは、評価装置10が行う処理を示すフローチャートである。図3A及び図3Bを参照して、評価装置10は、予測試験情報生成部1により、複数の実試験情報の各々に基づき、複数の予測試験情報を生成する(ステップS11~ステップS16)。また、評価装置10は、境界線取得部2により、少なくとも予測試験情報に基づき、評価対象物が寿命に到達する領域と寿命に到達しない領域とに所定の平面座標系を区分する境界線を取得する(ステップS17)。
予測試験情報生成部1が予測試験情報の生成に使用する各実試験情報は、評価対象物に相当する試料の寿命試験を実際に行って得られた試験情報である。評価対象物に相当する試料とは、評価対象物の寿命を評価するのに適した試料である。当該試料は、評価対象物である機械、構造物、又は部品自体であってもよいし、これらと同じ材料からなる試験片等であってもよい。本実施形態のように、金属材料からなる評価対象物の疲労寿命特性を評価する場合、例えば、評価対象物と同じ金属材料で形成された試験片が試料として寿命試験に供される。本実施形態の例における寿命試験は、各試料に繰返し応力を発生させて破断又は破損させる疲労試験である。以下では、破損も含めて破断と表記する。
各実試験情報は、寿命試験(疲労試験)の期間を示す試験期間情報として、応力繰返し数Nを含む。また、各実試験情報は、寿命試験において試料に与えられた環境を示す試験環境情報として、応力振幅σを含む。さらに、各実試験情報は、寿命試験において試料が寿命に到達したか否かを示す実寿命判定情報を含んでいる。本実施形態では、実寿命判定情報として、破断フラグtを導入する。各実試験情報において、破断フラグt=0の場合、寿命試験で試料が破断しなかったこと(寿命未達)を示し、破断フラグt=1の場合、寿命試験で試料が破断したこと(寿命到達)を示す。
境界線取得部2が取得する境界線は、所定の平面座標系上に描画される。この平面座標系は、評価対象物の使用期間を示す第1軸と、評価対象物の使用環境の厳しさを示す第2軸とを有する。本実施形態の例では、金属材料からなる評価対象物の疲労寿命特性を評価するため、応力繰返し数に関するパラメータを第1軸(x軸)にとり、応力振幅に関するパラメータを第2軸(y軸)にとった平面座標系を使用する。例えば、応力繰返し数の常用対数を第1軸とし、応力振幅又はその常用対数を第2軸とすることができる。この平面座標系を寿命到達領域(破断領域)と寿命未達領域(未破断領域)とに区分する境界線は、材料の疲労特性を表すS-N線である。
以下、予測試験情報生成部1及び境界線取得部2によって行われる処理を具体的に説明する。図3Aに示すように、疲労寿命特性の評価に際し、予測試験情報生成部1は、まず、複数の実試験情報を取得する(ステップS11)。予測試験情報生成部1は、少なくとも2つ、好ましくは3つ以上の実試験情報を取得する。実試験情報は、評価開始前に評価装置10にまとめて入力されてもよいし、疲労試験装置から定期的、不定期、又はリアルタイムに入力されていてもよい。
予測試験情報生成部1は、実試験情報変換部11により、各実試験情報の変換処理を行う。実試験情報変換部11は、以下の式(1)及び(2)に基づき、実試験情報の各々について、応力繰返し数Nを上述した平面座標系の第1軸のパラメータ値Xに変換し、応力振幅σを第2軸のパラメータ値Yに変換する(ステップS12)。以下、N個の実試験情報のうち(N≧2)、i番目の実試験情報における応力繰返し数N及び応力振幅σをそれぞれ応力繰返し数Nfi及び応力振幅σaiと表記し、これに対応するパラメータ値X及びYをそれぞれパラメータ値X及びYと表記する(i=1~N)。
Figure 0007448823000001
次に、予測試験情報生成部1は、仮想試験情報生成部12により、複数の仮想試験情報を生成する(ステップS13)。仮想試験情報生成部12は、実試験情報ごとに、複数の仮想試験情報を生成する。本実施形態では、仮想試験情報生成部12は、全ての実試験情報について仮想試験情報を生成する。ただし、仮想試験情報生成部12は、一部の実試験情報についてのみ、仮想試験情報を生成してもよい。
仮想試験情報の各々は、第1軸のパラメータ値であるαと、第2軸のパラメータ値であるβとを含む。以下、i番目の実試験情報について生成されたM個の仮想試験情報のうち(M≧2)、j番目の仮想試験情報のパラメータ値α及びβをそれぞれパラメータ値αji及びβjiと表記する(j=1~M)。
予測試験情報生成部1は、寿命判定情報割当部13により、生成された仮想試験情報への寿命判定情報の割り当てを行う。図3Bに示すように、寿命判定情報割当部13は、実試験情報の各々について、まず、実寿命判定情報が寿命到達を示すか否かを判定する(ステップS14)。
i番目の実試験情報の実寿命判定情報が寿命到達を示す場合(ステップS14でYES)、すなわち破断フラグt=1である場合、寿命判定情報割当部13は、この実試験情報に対応する複数の仮想試験情報のうち、実試験情報におけるパラメータ値X以下のパラメータ値αjiを有し、且つ実試験情報におけるパラメータ値Yよりも小さいパラメータ値βjiを有する仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報を割り当てる(ステップS15)。寿命判定情報割当部13は、実寿命判定情報が寿命到達を示す場合、この実試験情報に対応する複数の仮想試験情報のうち、実試験情報におけるパラメータ値Xよりも小さいパラメータ値αjiを有し、且つ実試験情報におけるパラメータ値Y以下のパラメータ値βjiを有する仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報を割り当てる(ステップS15)。つまり、パラメータ値αji,βjiの組み合わせを有する仮想試験情報が以下の式(3)又は式(4)を満たすとき、当該仮想試験情報に対し、破断フラグtji=0が与えられる。
Figure 0007448823000002
また、i番目の実試験情報の実寿命判定情報が寿命到達を示す場合(ステップS14でYES)、寿命判定情報割当部13は、この実試験情報に対応する複数の仮想試験情報のうち、実試験情報におけるパラメータ値X以上のパラメータ値αjiを有し、且つ実試験情報におけるパラメータ値Y以上のパラメータ値βjiを有する仮想試験情報に対し、寿命到達を示す寿命判定情報を割り当てる(ステップS15)。寿命判定情報割当部13は、実試験情報における第1パラメータ値Xと同等の第1パラメータ値αjiを有し、且つ実試験情報における第2パラメータ値Yと同等の第2パラメータ値βjiを有する仮想試験情報が存在する場合、当該仮想試験情報にも寿命到達を示す寿命判定情報を割り当てる。つまり、パラメータ値αji,βjiの組み合わせを有する仮想試験情報が以下の式(5)を満たすとき、当該仮想試験情報に対し、破断フラグtji=1が与えられる。
Figure 0007448823000003
i番目の実試験情報の実寿命判定情報が寿命到達を示す場合(ステップS14でYES)であって、パラメータ値αji,βjiの組み合わせを有する仮想試験情報が式(3)~(5)のいずれも満たさない場合、寿命判定情報割当部13は、当該仮想試験情報には寿命判定情報を割り当てない。
一方、i番目の実試験情報の実寿命判定情報が寿命未達を示す場合(ステップS14でNO)、すなわち破断フラグt=0である場合、寿命判定情報割当部13は、この実試験情報に対応する複数の仮想試験情報のうち、実試験情報におけるパラメータ値X以下のパラメータ値αjiを有し、且つ実試験情報におけるパラメータ値Y以下のパラメータ値βjiを有する仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報を割り当てる(ステップS16)。つまり、パラメータ値αji,βjiの組み合わせを有する仮想試験情報が以下の式(6)を満たすとき、当該仮想試験情報に対し、破断フラグtji=0が与えられる。
Figure 0007448823000004
i番目の実試験情報の実寿命判定情報が寿命未達を示す場合(ステップS14でNO)であって、パラメータ値αji,βjiの組み合わせを有する仮想試験情報が式(6)を満たさない場合、寿命判定情報割当部13は、当該仮想試験情報には寿命判定情報を割り当てない。
ステップS15及びステップS16で寿命判定情報が割り当てられた仮想試験情報は、予測試験情報となる。全ての実試験情報についてステップS15及びステップS16の処理が終了すると、境界線取得部2により、境界線(S-N線)が取得される(ステップS17)。本実施形態において、境界線取得部2は、実試験情報と、ステップS15及びステップS16によって生成された複数の予測試験情報とに基づき、境界線を算出する。ただし、境界線取得部2は、予測試験情報だけを使用して境界線を算出することもできる。境界線取得部2は、全ての予測試験情報を使用して境界線を算出してよいし、一部の予測試験情報を使用して境界線を算出してもよい。
本実施形態の例における境界線は、連続低下型と称されるS-N線である。このS-N線は、応力繰返し数に関するパラメータを第1軸(x軸)にとり、応力振幅に関するパラメータを第2軸(y軸)にとった平面座標系において、寿命到達領域(破断領域)と寿命未達領域(未破断領域)とを分割する右下がりの直線である。境界線取得部2は、公知の機械学習の分類アルゴリズムを用いて、連続低下型S-N線を求める。分類アルゴリズムは、特に限定されるものではないが、例えば、ロジスティック回帰、パーセプトロン、サポートベクターマシン、プロビット回帰等である。本実施形態では、ロジスティック回帰によって境界線を求める例について説明する。
例えば、実試験情報のパラメータ値(X,Y)、及び予測試験情報のパラメータ値(αji,βji)を合わせて試験情報(x,y)とするとき、応力繰返し数に関するパラメータを第1軸(x軸)にとり、応力振幅に関するパラメータを第2軸(y軸)にとった平面座標系において、試験情報(x,y)を寿命到達(破断フラグt=1)と寿命未達(破断フラグt=0)とに50%の確率で分類する直線は、以下の式(7)で表される。この直線と試験情報(x,y)との差は、以下の式(8)で表すことができる。
Figure 0007448823000005
Figure 0007448823000006
ここで、後の計算の便宜上、以下の式(9)によってΔYを定義しておく。
Figure 0007448823000007
Δy又はΔYの値が大きいほど、試験情報(x,y)が寿命到達(破断フラグt=1)に分類される確率は単調に高くなる。試験情報(x,y)が寿命到達に分類される確率zは、ロジスティック関数を使用して、以下の式(10)によって表される。
Figure 0007448823000008
ここで、試験情報(x,y)が寿命未達(破断フラグt=0)に分類される確率が1-zであることを利用すると、確率変数をTとして、分類確率pを以下の式(11)で表すことができる。この分類確率pを最大化するパラメータwの値を求めることで、連続低下型S-N線、すなわち境界線の近似式を求めることができる。
Figure 0007448823000009
以下、分類確率pを最大化するパラメータwの値を求める方法について説明する。
分類確率pをパラメータwの関数とみなした尤度関数は、以下の式(12)で表される。
Figure 0007448823000010
上記尤度関数の自然対数をとって符号を逆転させることにより、以下の式(13)で表される負の対数尤度関数E(w)が得られる。分類確率pの最大化問題は、このE(w)の最小化問題に帰着する。
Figure 0007448823000011
負の対数尤度関数E(w)を最小とするパラメータwの解は、例えば、確率的勾配降下法によって求めることができる。確率的勾配降下法を利用する場合、各試験情報(x,y)に対して逐次E(w)を求める。E(w)の勾配は以下の式(14)で表されるため、学習効率をηとすると、パラメータwをk回目からk+1回目に更新する式は、以下の式(15)の通りとなる。
Figure 0007448823000012
Figure 0007448823000013
境界線取得部2は、例えば、全試験情報(x,y)に対して式(15)によるパラメータwの最適化を行い、パラメータwの最適化が試験情報(x,y)を一巡するごとに学習効率ηを減少させる。境界線取得部2は、例えば、パラメータwの最適化の回数が予め定められた回数に到達した時点や、学習効率ηが予め定められた値を下回った時点で、パラメータwの最適化処理を停止することができる。境界線取得部2は、最終的なパラメータa,bの値を以下の式(16)より求め、連続低下型S-N線の近似式(7)を得る。なお、パラメータw及び学習効率ηの初期値、並びに学習効率ηの減少量(減少率)には、適当な値を設定することができる。
Figure 0007448823000014
境界線取得部2は、本実施形態における境界線であるS-N線の近似式を出力装置35に出力(画面表示)することができる。境界線取得部2は、応力繰返し数に関するパラメータを第1軸にとり、応力振幅に関するパラメータを第2軸にとった平面座標系において、取得したS-N線を描画し、出力装置35に出力することもできる。得られたS-N線は、例えば、機械もしくは構造物、又はそれらを構成する部品である評価対象物の設計段階において、疲労寿命特性の評価に利用される。
図4は、境界線を利用して疲労寿命特性の評価を行う手順を示すフローチャートである。寿命特性の評価は、例えば、評価装置10として機能するコンピュータ3を用い、境界線の取得に続いて行われる。ただし、評価装置10とは別のコンピュータを用いて、境界線を用いた寿命特性の評価を行ってもよい。本実施形態では、評価装置10として機能するコンピュータ3を用い、寿命特性の評価を行う例について説明する。
図4を参照して、ユーザは、入力装置34を使用し、設計条件を評価装置10に入力する。設計条件は、少なくとも、使用環境の厳しさを示す情報を含む。本実施形態の例では、使用環境の厳しさを示す情報として、応力振幅σがユーザによって入力される。評価装置10は、ユーザによる設計条件の入力を受け付ける(ステップS21)。
評価装置10は、上記式(2)により、ユーザによって入力された応力振幅σを第2軸のパラメータ値Yに変換する(ステップS22)。
次に、評価装置10は、図3BのステップS17で取得した境界線(S-N線)の近似式を使用し、ステップS22で得た第2軸のパラメータ値Yに対応する第1軸のパラメータ値Xを求める(ステップS23)。
続いて、評価装置10は、上記式(1)に基づき、ステップS23で得た第1軸のパラメータ値Xを、使用環境情報としての応力繰返し数Nに変換する(ステップS24)。評価装置10は、例えば、得られた応力繰返し数Nを出力装置35に出力(画面表示)する。これにより、ユーザは、入力した応力振幅σについて、評価対象物が寿命に到達(破断)するまでの応力繰返し数Nを知ることができる。
[効果]
本実施形態に係る評価装置10によれば、疲労試験を実際に行って得られた実試験情報の各々に基づき、複数の予測試験情報が生成される。評価装置10は、実試験情報及び予測試験情報に基づき、使用環境の厳しさと使用期間(寿命)との関係、すなわち、金属材料に発生する応力振幅と、金属材料が破断するまでの応力繰返し数との関係であるS-N線を取得する。このS-N線を用いて、金属材料からなる評価対象物の疲労寿命特性を評価することができる。
本実施形態に係る評価装置10では、実試験情報に基づき、S-N線の取得に用いる予測試験情報が生成される。すなわち、実試験情報を基に、S-N線取得用の試験情報を増加させることができる。そのため、S-N線の取得に際して準備する実試験情報の数を従来よりも少なくすることができる。よって、実試験情報を得るために疲労試験に費やす時間を減少させることができ、評価対象物の疲労寿命特性をより短期間で評価することができる。
本実施形態において、予測試験情報は、実試験情報から合理的に予測される情報である。この点に関し、図5及び図6を参照して具体的に説明する。
図5に示すように、ある実試験情報の実寿命判定情報が寿命到達を示す場合、すなわち疲労試験で試料が破断した場合、疲労試験における応力振幅以下の応力振幅であれば、疲労試験において試料が破断した応力繰返し数(破断繰返し数)未満の応力繰返し数では、試料の破断が生じないと予測できる。また、疲労試験における応力振幅未満の応力振幅であれば、疲労試験における破断繰返し数以下の応力繰返し数では、試料の破断が生じないと予測できる。一方、疲労試験で試料が破断した場合において、疲労試験における応力振幅以上の応力振幅であれば、疲労試験における破断繰返し数以上の応力繰返し数では、試料の破断が生じると予測できる。
図6に示すように、ある実試験情報の実寿命判定情報が寿命未達を示す場合、すなわち疲労試験で試料が破断しなかった場合、疲労試験における応力振幅以下の応力振幅であれば、疲労試験における破断繰返し数以下の応力繰返し数では、試料の破断が生じないと予測できる。
このような合理的な予測に基づき、本実施形態に係る評価装置10は、実試験情報の実寿命判定情報に応じ、予測試験情報の候補として生成された複数の仮想試験情報に寿命判定情報を割り当てる。
評価装置10は、ある実試験情報の実寿命判定情報が寿命到達を示す場合(破断フラグt=1)、当該実試験情報について生成された複数の仮想試験情報のうち、応力繰返し数に対応するパラメータ値αjiが実試験情報のパラメータ値X以下であり、且つ応力振幅に対応するパラメータ値βjiが実試験情報のパラメータ値Yよりも小さい仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報(破断フラグtji=0)を割り当てる。また、評価装置10は、ある実試験情報の実寿命判定情報が寿命到達を示す場合(破断フラグt=1)、当該実試験情報について生成された複数の仮想試験情報のうち、応力繰返し数に対応するパラメータ値αjiが実試験情報のパラメータ値Xよりも小さく、且つ応力振幅に対応するパラメータ値βjiが実試験情報のパラメータ値Y以下である仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報(破断フラグtji=0)を割り当てる。さらに、評価装置10は、ある実試験情報の実寿命判定情報が寿命到達を示す場合(破断フラグt=1)、当該実試験情報について生成された複数の仮想試験情報のうち、応力繰返し数に対応するパラメータ値αjiが実試験情報のパラメータ値X以上であり、且つ応力振幅に対応するパラメータ値βjiが実試験情報のパラメータ値Y以上である仮想試験情報に対し、寿命到達を示す寿命判定情報(破断フラグtji=1)を割り当てる。このとき、評価装置10は、応力繰返し数に対応するパラメータ値αjiが実試験情報のパラメータ値Xと同等であり、且つ応力振幅に対応するパラメータ値βjiが実試験情報のパラメータ値Yと同等である仮想試験情報にも、寿命到達を示す寿命判定情報(破断フラグtji=1)を割り当てる。
評価装置10は、ある実試験情報の実寿命判定情報が寿命未達を示す場合(破断フラグt=0)、当該実試験情報について生成された複数の仮想試験情報のうち、応力繰返し数に対応するパラメータ値αjiが実試験情報のパラメータ値X以下であり、且つ応力振幅に対応するパラメータ値βjiが実試験情報のパラメータ値Y以下である仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報(破断フラグtji=0)を割り当てる。
寿命判定情報が割り当てられた各仮想試験情報は、予測試験情報となる。予測試験情報は、上述した合理的な予測に基づいて実試験情報から生成されたものであるため、試験情報としての信頼性を有する。そのため、実試験情報及び予測試験情報に基づいてS-N線を取得したとき、このS-N線の精度を確保することができる。よって、評価対象物の疲労寿命特性を精度よく評価することができる。
以上、本開示に係る実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態では、実試験情報の実寿命判定情報が寿命到達を示す場合、寿命未達を示す場合の双方において、仮想試験情報への寿命判定情報の割り当てを実施している(図3BのステップS15及びステップS16)。しかしながら、実試験情報の実寿命判定情報が寿命到達を示す場合(図3BのステップS14でYES)にのみ、仮想試験情報への寿命判定情報の割り当てを実施してもよいし(図3BのステップS15)、実試験情報の実寿命判定情報が寿命未達を示す場合(図3BのステップS14でNO)にのみ、仮想試験情報への寿命判定情報の割り当てを実施してもよい(図3BのステップS16)。
上記実施形態では、金属材料からなる評価対象物の疲労寿命特性を評価する例について説明した。しかしながら、上記実施形態に係る評価装置10及び評価プログラムは、様々な寿命特性評価に適用することができる。例えば、評価装置10及び評価プログラムは、金属材料からなる評価対象物のクリープ破断寿命特性を評価するものであってもよいし、非金属材料からなる評価対象物の寿命特性を評価するものであってもよい。上記実施形態に係る評価装置10及び評価プログラムは、所定の平面座標系において寿命到達領域(破断領域)と寿命未達領域(未破断領域)とを区分する境界線を取得する寿命評価であれば、どのようなものにも応用することができる。本実施形態においては、境界線は、右下がりの直線形状を有しているが、境界線の形状はこれに限定されるものではない。境界線の形状は、実施する寿命評価の内容に応じ、適宜定めることができる。
以下、実施例によって本開示をさらに詳しく説明する。ただし、本開示は、以下の実施例に限定されるものではない。
本開示の効果を確認するため、上記実施形態に係る手法と同様の手法(本実施例に係る手法)により、具体的な数値を用いて境界線(S-N線)の計算を実施した。後述する実施例のいずれにおいても、計算方法は同じである。本実施例に係る手法では、S-N線を描画する平面座標系において、第1軸(x軸)方向及び第2軸(y軸)方向に13点ずつの格子点をとり、実試験情報の各々に対して、これらの格子点を仮想試験情報(予測試験情報の候補)とした。実試験情報、及び仮想試験情報となる格子点を図7に模式的に示す。本実施例に係る手法により、実試験情報ごとに、仮想試験情報への寿命判定情報の割り当てを行って予測試験情報を生成した。
各実施例では、上記実施形態と同様、S-N線を得るための機械学習の分類アルゴリズムとして、ロジスティック回帰を採用した。確率的勾配降下法において、パラメータwの初期値をランダムに設定し、学習効率ηを0.1から開始させた。パラメータwの最適化が試験情報(試験情報及び予測試験情報)を一巡するごとに学習効率ηを0.9倍し,全50回(50巡回)の最適化を実施してS-N線を求めた。S-N線を求める評価プログラムは、Pythonで実装した。
[第1実施例]
第1実施例として、本実施例に係る手法により、表1に示す実試験情報からS-N線を求めた。第1従来例として、日本材料学会標準:(JSMS-SD-6-04)金属材料疲労信頼性評価標準「S-N曲線回帰法」に付属の解析ソフトウェアを使用し、従来手法によって表1に示す実試験情報からS-N線を求めた。
Figure 0007448823000015
第1従来例によって求められたS-N線の近似式は、以下の通りである。
Figure 0007448823000016
第1実施例で得たS-N線の近似式は、第1従来例で得たS-N線の近似式(17)とほぼ同等となった。破断繰返し数Nが5万回及び200万回のときの各応力振幅σについて、第1実施例で得られた近似式から算出した値と、第1従来例で得られた近似式(17)から算出した値との誤差を図8及び図9に示す。図8及び図9では、本実施例に係る手法を100回実行したときの誤差の頻度を示している。
図8より、破断繰返し数Nが5万回のときには、第1実施例との第1従来例との間に最大1MPa程度の誤差が発生する。しかしながら、図9に示すように、破断繰返し数Nが200万回になると、第1実施例との第1従来例との誤差は小さくなる。全体として、第1実施例との第1従来例との誤差は許容可能な程度に小さい。そのため、本実施例に係る手法によれば、十分な実試験情報数(8点)からS-N線を求めた第1従来例と同等の精度でS-N線を求めることができるといえる。
[第2実施例]
第2実施例として、表1に示す実試験情報から任意の2点を選択し、本実施例に係る手法によってS-N線を求めることを100回実行した。第2従来例として、第1従来例と同じ解析ソフトウェアを使用し、表1に示す実試験情報から選択した2点の組み合わせ各々について、S-N線を求めた。第2実施例及び第2従来例のケースごとに、破断繰返し数Nが5万回及び200万回のときにS-N線の近似式から求まる各応力振幅σについて、第1従来例で得た近似式(17)から求まる応力振幅σとの誤差を求めた。誤差の頻度の確率分布を図10及び図11に示す。
図11に示すように、破断繰返し数Nが200万回の場合,第1従来例で得た近似式(17)から求まる応力振幅σに対する誤差は、第2実施例と第2従来例との間であまり違いがない。しかしながら、図10に示すように、破断繰返し数Nが5万回の場合には、第2実施例よりも第2従来例の方が、第1従来例で得た近似式(17)から求まる応力振幅σに対する誤差が大きくなる傾向が見られる。すなわち、実試験情報の数が少ない場合、本実施例の手法の方が、従来手法よりも精度よくS-N線を求めることができる。
[第3実施例]
第3実施例として、本実施例に係る手法により、表2に示す実試験情報からS-N線を求めた。第3従来例として、第1従来例と同じ解析ソフトウェアを使用し、表2に示す実試験情報からS-N線を求めた。表2に示す実試験情報には、実寿命判定情報が寿命未達(未破断)を示すものも含まれている。
Figure 0007448823000017
第3実施例で得たS-N線及び第3従来例で得たS-N線を図12に示す。従来手法では番号9~11の実試験情報を寿命到達(破断)とみなして整理するのに対し、本実施例に係る手法では、番号9~11の実試験情報を寿命未達(未破断)のまま取り扱うため、第3従来例のS-N線は、第3実施例のS-N線と比較して、疲労寿命特性を低めに評価したものとなっている。例えば、表2に示す実試験情報に関しては、番号8~11の実試験情報を考慮して、応力振幅σが360MPa~374MPaの間に、応力繰返し数Nが200万回のときの疲労強度があると推定するのが通常である。しかしながら、図12より、第3従来例のS-N線では、応力繰返し数Nが200万回付近の疲労強度が低く評価されている。よって、寿命未達(未破断)の実寿命判定情報を有する実試験情報がある場合、本実施例の手法の方が、従来手法よりも精度よくS-N線を求めることができるといえる。
[第4実施例]
第4実施例として、本実施例に係る手法により、表3に示す実試験情報からS-N線を求めた。第4従来例として、第1従来例と同じ解析ソフトウェアを使用し、表3に示す実試験情報からS-N線を求めた。表3に示す実試験情報には、試験途中である状況(意図しない試験の停止も含む)を想定し、実寿命判定情報が寿命未達(未破断)を示すものも含まれている。
Figure 0007448823000018
第4実施例で得たS-N線及び第4従来例で得たS-N線を図13に示す。従来手法では番号5,6の実試験情報を寿命到達(破断)とみなして整理するのに対し、本実施例に係る手法では、番号5,6の実試験情報を寿命未達(未破断)のまま取り扱うため、第4従来例のS-N線は、第4実施例のS-N線と比較して、疲労寿命特性を低めに評価したものとなっている。よって、試験途中の実試験情報がある場合も、本実施例の手法の方が、従来手法よりも精度よくS-N線を求められることがわかる。
10:評価装置
1:予測試験情報生成部
11:実試験情報変換部
12:仮想試験情報生成部
13:寿命判定情報割当部
2:境界線取得部

Claims (6)

  1. 評価対象物の寿命特性を評価するための評価装置であって、
    前記評価対象物に相当する試料の寿命試験を実際に行って得られた複数の実試験情報の各々に基づき、複数の予測試験情報を生成する予測試験情報生成部と、
    前記複数の予測試験情報に基づき、前記評価対象物の使用期間を示す第1軸と、前記評価対象物の使用環境の厳しさを示す第2軸とを有する平面座標系を、前記評価対象物が寿命に到達する領域と、前記評価対象物が寿命に到達しない領域とに区分する境界線を取得する境界線取得部と、
    を備え、
    前記実試験情報の各々は、前記寿命試験の期間を示す試験期間情報と、前記寿命試験において前記試料に与えられた環境を示す試験環境情報と、前記寿命試験において前記試料が寿命に到達したか否かを示す実寿命判定情報と、を含み、
    前記予測試験情報生成部は、
    前記実試験情報ごとに、前記試験期間情報を前記第1軸のパラメータ値である第1パラメータ値に変換するとともに、前記試験環境情報を前記第2軸のパラメータ値である第2パラメータ値に変換する実試験情報変換部と、
    前記実試験情報ごとに、前記第1軸のパラメータ値である第1パラメータ値と、前記第2軸のパラメータ値である第2パラメータ値と、を各々含む複数の仮想試験情報を生成する仮想試験情報生成部と、
    前記実試験情報の各々について、前記実寿命判定情報が寿命到達を示すか否かを判定し、前記実寿命判定情報が寿命到達を示す場合、前記複数の仮想試験情報のうち、前記実試験情報における第1パラメータ値以下の第1パラメータ値を有し、且つ前記実試験情報における第2パラメータ値よりも小さい第2パラメータ値を有するか、あるいは、前記実試験情報における第1パラメータ値よりも小さい第1パラメータ値を有し、且つ前記実試験情報における第2パラメータ値以下の第2パラメータ値を有する仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報を割り当てるとともに、前記実試験情報における第1パラメータ値以上の第1パラメータ値を有し、且つ前記実試験情報における第2パラメータ値以上の第2パラメータ値を有する仮想試験情報に対し、寿命到達を示す寿命判定情報を割り当てることにより、前記複数の仮想試験情報から前記複数の予測試験情報を生成する寿命判定情報割当部と、
    を含む、評価装置。
  2. 評価対象物の寿命特性を評価するための評価装置であって、
    前記評価対象物に相当する試料の寿命試験を実際に行って得られた複数の実試験情報の各々に基づき、複数の予測試験情報を生成する予測試験情報生成部と、
    前記複数の予測試験情報に基づき、前記評価対象物の使用期間を示す第1軸と、前記評価対象物の使用環境の厳しさを示す第2軸とを有する平面座標系を、前記評価対象物が寿命に到達する領域と、前記評価対象物が寿命に到達しない領域とに区分する境界線を取得する境界線取得部と、
    を備え、
    前記実試験情報の各々は、前記寿命試験の期間を示す試験期間情報と、前記寿命試験において前記試料に与えられた環境を示す試験環境情報と、前記寿命試験において前記試料が寿命に到達したか否かを示す実寿命判定情報と、を含み、
    前記予測試験情報生成部は、
    前記実試験情報ごとに、前記試験期間情報を前記第1軸のパラメータ値である第1パラメータ値に変換するとともに、前記試験環境情報を前記第2軸のパラメータ値である第2パラメータ値に変換する実試験情報変換部と、
    前記実試験情報ごとに、前記第1軸のパラメータ値である第1パラメータ値と、前記第2軸のパラメータ値である第2パラメータ値と、を各々含む複数の仮想試験情報を生成する仮想試験情報生成部と、
    前記実試験情報の各々について、前記実寿命判定情報が寿命到達を示すか否かを判定し、前記実寿命判定情報が寿命未達を示す場合、前記複数の仮想試験情報のうち、前記実試験情報における第1パラメータ値以下の第1パラメータ値を有し、且つ前記実試験情報における第2パラメータ値以下の第2パラメータ値を有する仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報を割り当てることにより、前記複数の仮想試験情報から前記複数の予測試験情報を生成する寿命判定情報割当部と、
    を含む、評価装置。
  3. 評価対象物の寿命特性を評価するための評価装置であって、
    前記評価対象物に相当する試料の寿命試験を実際に行って得られた複数の実試験情報の各々に基づき、複数の予測試験情報を生成する予測試験情報生成部と、
    前記複数の予測試験情報に基づき、前記評価対象物の使用期間を示す第1軸と、前記評価対象物の使用環境の厳しさを示す第2軸とを有する平面座標系を、前記評価対象物が寿命に到達する領域と、前記評価対象物が寿命に到達しない領域とに区分する境界線を取得する境界線取得部と、
    を備え、
    前記実試験情報の各々は、前記寿命試験の期間を示す試験期間情報と、前記寿命試験において前記試料に与えられた環境を示す試験環境情報と、前記寿命試験において前記試料が寿命に到達したか否かを示す実寿命判定情報と、を含み、
    前記予測試験情報生成部は、
    前記実試験情報ごとに、前記試験期間情報を前記第1軸のパラメータ値である第1パラメータ値に変換するとともに、前記試験環境情報を前記第2軸のパラメータ値である第2パラメータ値に変換する実試験情報変換部と、
    前記実試験情報ごとに、前記第1軸のパラメータ値である第1パラメータ値と、前記第2軸のパラメータ値である第2パラメータ値と、を各々含む複数の仮想試験情報を生成する仮想試験情報生成部と、
    前記実試験情報の各々について、前記実寿命判定情報が寿命到達を示すか否かを判定し、前記実寿命判定情報が寿命到達を示す場合、前記複数の仮想試験情報のうち、前記実試験情報における第1パラメータ値以下の第1パラメータ値を有し、且つ前記実試験情報における第2パラメータ値よりも小さい第2パラメータ値を有するか、あるいは、前記実試験情報における第1パラメータ値よりも小さい第1パラメータ値を有し、且つ前記実試験情報における第2パラメータ値以下の第2パラメータ値を有する仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報を割り当てるとともに、前記実試験情報における第1パラメータ値以上の第1パラメータ値を有し、且つ前記実試験情報における第2パラメータ値以上の第2パラメータ値を有する仮想試験情報に対し、寿命到達を示す寿命判定情報を割り当て、前記実寿命判定情報が寿命未達を示す場合、前記複数の仮想試験情報のうち、前記実試験情報における第1パラメータ値以下の第1パラメータ値を有し、且つ前記実試験情報における第2パラメータ値以下の第2パラメータ値を有する仮想試験情報に対し、寿命未達を示す寿命判定情報を割り当てることにより、前記複数の仮想試験情報から前記複数の予測試験情報を生成する寿命判定情報割当部と、
    を含む、評価装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の評価装置であって、
    前記境界線取得部は、前記実試験情報及び前記予測試験情報に基づき、前記境界線を取得する、評価装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の評価装置であって、
    前記評価対象物は、金属材料からなる、評価装置。
  6. 評価対象物の寿命特性を評価するための評価プログラムであって、
    コンピュータを、請求項1から5のいずれか1項に記載の評価装置として機能させる、評価プログラム。
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