JP7446772B2 - 避難支援システム及び避難支援方法 - Google Patents

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Description

この発明の実施形態は、避難支援システム及び避難支援方法に関する。
従来の防災情報システムでは、各住民に対しての防災情報提供方法として、避難勧告・避難指示等の防災情報を様々な手段で配信している。しかしながら、実際には、その防災情報を受信した住民側の心理等の原因により、避難行動に繋がらないことが散見されている。その後、災害状況が悪化し、自治体職員等による声掛けが必要になる場合や、逃げ遅れが原因で命を落とすケースも少なくない。
そこで、住民の危機意識を向上させ、災害発生時の避難行動を効果的に支援するためには、単なる情報配信や避難誘導だけではなく、より災害が目前に迫っていることを自分事として具体的にイメージできるような仕組み作りが課題となっている。
特開2011-237917号公報 特開2003-323683号公報 特開2015-195030号公報 特開2006-215942号公報
以上のように、従来より、住民の危機意識を向上させ、災害発生時の避難行動を効果的に支援するために、情報配信や避難誘導に加えて、災害が目前に迫っていることを具体的にイメージできるような仕組みづくりが課題となっている。
この発明の実施形態の課題は、災害情報配信や避難誘導に加えて、災害が目前に迫っていることを具体的にイメージさせ、住民の危機意識を煽って避難行動に繋げることのできる避難支援システム及び避難支援方法を提供することにある。
実施形態によれば、避難支援システムは、情報管理サーバと、避難所端末と、支援先端末とを備える。前記情報管理サーバは、災害情報を提供する災害情報システムと連携し、管轄エリア内の登録された複数の避難対象者及び複数の避難所それぞれの状況情報を管理する。避難所端末は、前記複数の避難所それぞれに設置され、前記情報管理サーバとの間で通信を行う。前記避難先端末は、前記複数の避難対象者それぞれが携帯し、前記情報管理サーバとの間で通信を行う。前記情報管理サーバは、前記複数の避難対象者それぞれの避難先の要望事項を登録し、前記避難所端末を通じて前記複数の避難所それぞれの状況に関する避難所情報を登録し、前記管轄エリアの複数の避難対象者を複数のグループに分割し、グループ単位で決定した避難管理者の登録を受け付け、災害発生時に、前記災害情報に基づいて避難の呼びかけと前記避難所情報を前記支援先端末に前記避難先の要望事項に沿って通知すると共に、前記避難管理者に前記グループの未避難状況を通知し、未避難者への前記避難の呼びかけを促す
図1は、第1の実施形態に係る避難支援システムの構成を示すブロック図である。 図2は、図1に示す情報管理サーバに登録される分類推奨ファイルの一例を示す図である。 図3は、図2に示す分類推奨ファイルの班長推奨度を求める推奨処理手順を示すフローチャートである。 図4は、図1に示す情報管理サーバに登録される避難所区画エリア分類の例を示す見取り図である。 図5は、図1に示す情報管理サーバから提供される避難所選定考慮事項の入力画面(班員向け)の例を示す図である。 図6は、図1に示す情報管理サーバに登録される避難所選定考慮事項ファイルの要支援者(車椅子不使用)エリア希望者の例を示す図である。 図7は、図1に示す情報管理サーバから提供される班別避難ステータス画面(班員向け)の例を示す図である。 図8は、図1に示す情報管理サーバから提供される市内避難状況画面(職員向け)の例を示す図である。 図9は、図1に示す情報管理サーバから提供される避難所満空ファイルの例を示す図である。 図10は、図1に示す情報管理サーバから提供される避難所状況ファイルの例を示す図である。 図11は、図1に示す情報管理サーバで、推奨避難所を判定する処理手順を示すフローチャートである。 図12は、図1に示す情報管理サーバから提供される推奨避難所ファイル(ある避難者(班員)への推奨状況)の例を示す図である。 図13は、図1に示す情報管理サーバから提供される推奨避難所画面の例を示す図である。 図14は、第2の実施形態に係る避難支援システムの構成を示すブロック図である。 図15は、図14に示す情報管理サーバに登録される避難再通知処理テーブルを示す図である。 図16は、図14に示す情報管理サーバから提供される避難再通知表示画面の例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本実施形態について説明する。
本実施形態に係る避難支援システムは、防災情報システムに連携して、住民の危機意識を向上させ、避難行動に繋げるために、以下の点を考慮している。
まず、顔見知りの人の避難動向を把握することができ、かつ近所の班長自らの声掛けなど、普段から身近な存在である近隣住民とのコミュニケーションを通じて避難行動を促すことができれば、災害やそれに伴う被害の可能性を自分事として捉えることができ、避難意識の向上に貢献できると考えられる。
また、単なる避難人数のみならず、避難所の区画満空情報を一目で俯瞰できるように表示することにより、避難所での自身の生活イメージを膨らませることができ、避難場所への興味や到着が遅れることへの焦りから、避難行動を早く開始するモチベーションの向上に寄与するものと考えられる。
本実施形態に係る避難支援システムは、上記の点を踏まえ、以下の(1)~(7)の機能を備えるものとする。
(1)各住民が携帯するスマートホン等の情報通信携帯端末(以下、情報端末)により、避難所の収容人数のみならず、収容許容可能残人数、館内区画満空情報、避難所状況画像を閲覧し、遠隔から避難所の状況を把握できる機能。
(2)各世帯で異なる避難所選定時の考慮事項について、住民が事前に情報端末で優先度を登録することにより、推奨避難所を選定し住民に提供する機能。また、その情報を元に避難予定の避難所区画を先に予約することができる機能。
(3)各世帯の避難状況(未実施/準備中/避難中/完了/外出のため避難不要)を班員間で閲覧共有する機能。また、地図上に災害状況や各世帯の避難状況(色分け)をリアルタイムに表示し、班員の情報端末で共有できる機能。
(4)避難のステータスが一定時間変化しない班員に対し、自動で再度避難を促す機能。
(5)約20世帯ごとに班分けされた班員の中から、世帯情報(世帯内年齢構成、要援護者の有無、立候補の有無、学校等による面識)に基づいて班長に適した住民を自動で推奨する機能。
(6)避難が完了(避難所到着)した避難者がスマホのQRコード(登録商標)を避難所端末にかざすことにより個人を特定し、避難所の収容人数把握や住民の安否把握に役立てるための避難完了者特定機能。
(7)事前に登録している避難意識の低い住民に対しては、住民の親族(非同居)や知人にも避難状況を共有し、直接電話やメール、訪問等により避難を促し説得してもらうための機能。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る避難支援システムの構成を示すブロック図である。図1において、情報管理サーバ1は、班長推奨や避難所選定を行う判定部2と、避難所状況や班員情報等を外部から収集する取得部3と、班員/職員に画面配信を行う配信部4と、各種データを保存する各種DB(データベース)5と、班員情報閲覧時に使用する個人情報DB6で構成される。
上記情報管理サーバ1は、事前に防災避難行動計画を支援するための別システムであるタイムライン支援システム7や自治体庁舎内にある自治体職員PC(パーソナルコンピュータ)8とそれぞれ連携している。
上記情報管理サーバ1内の取得部3は、自治体NW(ネットワーク)自営網9を介して、避難所情報端末10から避難所の満空情報等を取得し、避難所カメラ11から避難所館内画像を取得する。また、インターネット12を介して河川等の監視カメラ13から被害状況画像を受信する。
さらに、上記情報管理サーバ1内の配信部4は、インターネット12及びキャリア回線14を介して職員が市内避難状況を把握するための職員情報端末(スマホ)15と、班長が班員の避難ステータスを把握するための班長情報端末(スマホ)16と、班員が自身の避難状況や推奨避難所選定に必要な考慮事項等の入力のための班員情報端末(スマホ)17との間で通信を行う。それぞれの情報端末15~17には、予め本実施形態に係るシステムに対応した避難支援アプリケーション(以下、避難支援アプリ)がインストールされており、この避難支援アプリを通じて、災害対応の避難行動を促す情報を提供する。
(災害発生前準備:各班の班長選定)
図2は、図1に示す情報管理サーバに登録される分類推奨ファイルの一例を示す図である。図2に示す分類推奨ファイルは、災害発生前の準備作業として、対象区域を複数の班に分割し、各班で世帯ごとに班員番号を付与し、班員番号ごとに世帯情報(世帯ごとの住所、世帯内年齢構成、要援護者の有無)と、それを基に判定した班長推奨度(A/B/C)、さらに班長に立候補する意志の有無、班長履歴(最新任期)に関するデータである。本データは情報管理サーバ1の個人情報DB6に保存する。
図3は、図2に示す分類推奨ファイルの班長推奨度を求める推奨処理手順を示すフローチャートである。ここでは、約20世帯ごとに分けられた班員の中から、各班の班長(持ち回り)を選定するための自動判定フローを示している。
図3において、まず、分類推奨ファイルの班員番号i=1~nそれぞれの班員情報を収集し(ステップS1)、班長履歴で昇順ソートをかける(ステップS2)。ここで、i=1~nを順に指定してi行目(班員番号i)は立候補世帯か否かを判定し(ステップS3)、立候補世帯ならば(YES)、そのi番目の世帯を班長に推奨する(ステップS4)。立候補世帯がなければ(NO)、i=1~nを順に指定してi行目は班長推奨度Aか判定し(ステップS5)、班長推奨度がAならば(YES)、そのi番目の世帯を班長に推奨する(ステップS6)。班長推奨度がAでなければ(NO)、i=1~nを順に指定してi行目は班長推奨度Bか判定し(ステップS7)、班長推奨度がBならば(YES)、そのi番目の世帯を班長に推奨する(ステップS8)。班長推奨度がBでなければ(NO)、班内に班長候補がいないため、自治体職員を推奨する(ステップS9)。上記ステップS4,S6,S8,S9の判定結果に基づいて、情報管理サーバ1の個人情報DB6に、推奨された世帯または自治体職員を班長情報に登録する(ステップS10)。
以上のように、上記情報管理サーバ1の判定部2で、図2の分類推奨ファイルに基づいて図3の手順で判定された班長情報は、情報管理サーバ1の個人情報DB6に保存される。この際、学校等の繋がりによる面識の有無等も考慮に入れて班分けをしてもよい。
(平常時:避難所区画エリア分類)
図4は、図1に示す情報管理サーバ1に登録される避難所区画エリア分類の例を示す見取り図で、避難所全体を世帯属性ごとに大まかに区画エリアを分類(一般、要支援者(車椅子不使用)、要支援者(車椅子使用)、乳児・妊婦、乳幼児・幼児混合、幼児)したレイアウトを示している。
上記見取り図のデータは、事前に情報管理サーバ1の各種DB5に保存しておく。避難所開設時に、自治体職員が職員情報端末(スマホやタブレット)15で各種DB5に保存されている見取り図を閲覧し、参考にしながら区画(パーテーション)を作ることができる。また、後に説明する住民(避難希望者)も、避難所区画の予約時に閲覧可能である。
(平常時:避難所選定考慮事項登録)
図5は、図1に示す情報管理サーバ1から提供される避難所の選定考慮事項の入力画面(班員向け)の例を示す図である。この例では、住民が避難所を選択する際に必要である避難所環境の考慮事項について、班員情報端末17から事前に登録してもらうための入力画面を示している。
まず、各世帯が図4に示した該当する区画エリアの分類をプルダウン形式の表示項目(一般、要支援者(車椅子不使用)、要支援者(車椅子使用)、乳児・妊婦、乳幼児・幼児混合、幼児)の中から選択入力する。次に、優先度1~7の項目について、優先したい事項から順にプルダウン形式で入力する。入力完了後、登録内容確認ボタンB1を押下する。ここで、上記入力結果に合致する推奨避難所を検索したい場合には、推奨避難所検索開始ボタンB2を押下する。
図6は、図1に示す情報管理サーバ1に登録される避難所選定考慮事項ファイルの要支援者(車椅子不使用)エリア希望者の例を示す図である。すなわち、各世帯が図5で班員情報端末(スマホ)17に入力した考慮事項の優先度情報を登録したファイルであり、各種DB5に保存される。また、班員が入力した優先度(図5の例:1~6)の項目に対し、優先度の高いものから順位高得点(例:6~1)を定義し保存する。
(災害発生前後:班別避難ステータス共有)
図7は、図1に示す情報管理サーバ1から提供される班別避難ステータス画面(班員向け)の例を示す図で、各班員が各自の避難ステータス(避難未実施/避難準備中/避難中/避難完了)を班員情報端末(スマホ)17から選択するための入力画面を示している。さらに、該当する班員の避難状況(世帯名、避難ステータス、避難先)を表と地図(避難ステータスを色で識別)で閲覧共有するための画面でもある。地図は、平常時にハザードマップ等に基づいて実施する防災訓練やワークショップで住民自ら危険箇所を書き込んだりして見慣れている手書き地図を用いてもよい。各班員の避難ステータスや地図は各種DB5に保存され、リアルタイムで更新される。
表示画面には、[あなたの避難状況]、[5班(21世帯)]避難状況、[5班(21世帯)]避難先情報がスクロールにより順次表示できる。[あなたの避難状況]には、避難未実施、避難準備中、避難中、避難完了、避難不要(外出中)の避難状況の入力ボタンB3~B7を備え、いずれかのボタンを選択し押下した後、避難状況変更登録ボタンB8を押下することで、最新の避難状況が登録される。登録されたボタンは、どのボタンが登録されているかがわかるように、ボタンの押下時にそのボタンの表示色が未登録のボタンとは異なる色に変更されて識別表示される。再度、避難状況を変更したい場合には、避難状況入力ボタンB3~B7を選択操作して、避難状況変更登録ボタンB8を押下すればよい。ここで、推奨避難所を検索したい場合には、推奨避難所検索開始ボタンB9を押下する。これにより、図5に示した画面に変更される。これにより、避難所選定考慮事項の確認後、推奨避難所の検索開始に移行することができる。上記避難状況入力ボタンB3~B7の操作結果は、該当する班の避難状況、避難先情報に反映される。
ここで、避難状況を間違いなく判別可能とするために、それぞれの状況を色分け表示する。例えば、避難完了は緑色、避難中は黄色、避難準備中は橙色、避難未実施は赤色とする。これらの色は、地図に示す各班員の自宅の色に反映させるようにしてもよい。
図8は、図1に示す情報管理サーバ1から提供される市内避難状況画面(職員向け)の例を示す図である。すなわち、自治体職員が市内の避難状況を把握するために、各班の避難状況情報(人数のみ)を職員情報端末(スマホまたはタブレットまたはPC等)15で閲覧するための画面である。図中では「避難完了世帯数」のみ表示されているが、自治体の方針等により必要に応じて「避難未実施世帯数」も表示可能とする。
(災害発生前後:推奨避難所選定・区画予約)
図9は、図1に示す情報管理サーバ1から提供される避難所満空ファイルの例を示す図である。この避難所満空ファイルは、各種DBで一括管理され、区画分類されるエリア毎に、エリア内の区画それぞれの満空情報、エリア別の区画空き数がリアルタイムに更新される。
図10は、図1に示す情報管理サーバ1から提供される避難所状況ファイルの例を示す図である。この避難所状況ファイルには、各避難所の現在地からの距離(GPSを利用した目的地自動設定により端末側で半径m計測)、区画エリア別空き数(世帯分)、区画選定考慮事項に関する対応可能な区画(世帯外の介助者利用、ベッド利用、椅子利用、入口やトイレから近い、夜間のトイレ利用、寒さ対策、大型医療機器の設置、入浴時の解除利用)の有無に関する情報が書き込まれている。
図11は、図1に示す情報管理サーバ1で、推奨避難所を判定する処理手順を示すフローチャートである。図11において、班員の情報端末から推奨避難所の要求があると、まず、その情報端末を所持する班員を特定し(ステップS11)、避難所選定考慮事項ファイル(図6)、避難所満空ファイル(図9)、避難所状況ファイル(図10)を収集し(ステップS12)、該当する区画分類の空席が1以上の避難所を検索する(ステップS13)。続いて、図10に示した避難所状況ファイルに示される「あり」の考慮事項それぞれの得点(図6)を基に避難所ごとの合計得点を求め(ステップS14)、得点の多い避難所から順に、推奨避難所ファイルに登録し、順位を明示する(ステップS15)。このとき、同得点の場合は現在地からの距離が近い方を優先する。作成した推奨避難所ファイルを要求元の班員情報端末に送信し(ステップS16)、一連の処理を終了する。
図12は、図1に示す情報管理サーバ1から提供される推奨避難所ファイル(ある避難者(班員)への推奨状況)の例を示す図である。図12に示す順位は、図11に示した処理手順によって決定される。ファイルには、検索を実行した日時情報を付与しておく。端末側で、例えば5分単位で更新を促すようにしておくとよい。推奨数は、固定でもよいが、ユーザ設定値としてもよい。
なお、図10では、避難所状況ファイルの提供エリアを全域として作成する例を示したが、班別推奨避難所の列を追加して、図11の処理手順で複数の避難所が同得点で、かつ位置情報が取得できず、現在地からの処理が不明な場合には、「班別推奨避難所」が推奨順位の最上位となるように設定するとよい。
図13は、図1に示す情報管理サーバ1から提供される推奨避難所画面の例を示す図である。この例では、住民が避難先を検討する際、図5に示した避難所の選定考慮事項の入力画面を再度閲覧し、入力内容に間違いがないか確認した後に「推奨避難所検索開始」ボタンを押下した際の画面である。
図13において、推奨避難所は、推奨順に表示され、スクロールにより推奨順の推奨避難所が順次表示されるものとし、避難所の推奨順に、避難所名・建屋内見取り図と共に、区画満空情報を識別表示する。また、考慮事項対応区画の有無(図12の表)を閲覧する閲覧指示ボタンB10-1,B10-2、避難所内カメラ画像の表示指示ボタンB11-1,B11-2を表示し、そのボタン操作によりそれぞれの機能を実行する。
さらに、図13において、建屋内見取り図の空表示されている区画については、希望する区画を選択操作することにより、その区画を予約する機能を用意する。この場合、一定時間ステータスに変化がない場合は、予約した区画は自動でキャンセルされるように設定する。これにより、避難者が避難所に着く前に希望を把握できるため、満席の避難所に赴くという無駄足を回避できると共に、避難開始の早い段階で満席の数が増えるため、避難未開始の人を焦らせる効果も期待できる。さらに、自治体職員はこの情報をもとに避難者数を予測することができ、物資等の体制準備にも役立つ。
図13において、また、「避難所カメラ画像」ボタンを押下することにより避難所内上空に設置された避難所カメラ11による画像(マスクあり)を閲覧可能とする。避難所情報を管理する各種DB5は、図9の区画満空情報はリアルタイムに、図13の避難所カメラ画像は一定時間おきに更新されるものとする。これにより、避難検討中の住民に対して適切な避難先決定を支援すると共に、特に「避難未開始」のステータスの住民に避難所のイメージを具体的に与え、避難意識を促進させることに寄与するものと考えられる。
(災害発生前後:避難所人数把握)
避難所に到着した避難者は、避難所入口で所持している情報端末に設定されているQRコードを避難所端末10にかざす。また、情報端末を所持していない避難者は、個人情報(生年月日、町名を選択すると名前が表示される)を入力して避難完了の操作を行う。本情報は各種DB5に保存され、これにより、避難者の避難完了を管理者、家族、知人に通知することができる。
(第2の実施形態)
図14は、第2の実施形態に係る避難支援システムの構成を示すブロック図である。なお、図14において、図1と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは異なる部分を説明する。
図14において、情報管理サーバ1は、定期的に班員の避難ステータスを確認する再依頼部19を持つ。また、避難未実施のまま避難ステータスが変化せず、親族/知人等が班員に避難させるよう説得できるようにするため、情報管理サーバ1から親族/知人情報端末(スマホ)18にキャリア回線14、インターネット12を介して避難説得を依頼する機能を持たせる。これにより、親族/知人は避難説得依頼のプッシュ通知を受けて、直ちに避難未実施の班員にメールまたは電話による避難説得を行うことができ、合わせて状況を情報管理サーバ1に通知することができる。
(災害発生前後:避難再通知)
図15は、図14に示す情報管理サーバ1に登録される避難再通知処理テーブルを示す図である。この避難再通知処理テーブルは、第1の実施形態における避難の過程において、避難ステータスが一定時間変化しない(順調に避難が進んでいない)住民(班員)に対し、各ステータスと時間経過に応じて避難を催促する管理方法を示している。
上記避難再通知処理テーブルは各種DB5に保存され、再依頼部19が各種DB5と共に5分間隔でアクセスして、住民にプッシュ通知(避難依頼通知、状況確認通知)や事前に登録してある親族/知人に自動で依頼、または直接訪問すべく班長の所持する端末に要請する仕組みになっている。個人情報DB6には、単身世帯や高齢者、要援護者に加えて、避難意識の低い人(以前の災害で避難しなかった、家族から見て頑固)等について、事前に非同居の親族や知人等の連絡先情報も保存されている。
上記処理テーブルによれば、「避難未実施」のステータスが15分間変化なしの場合には、自動でその連絡先に問い合わせ依頼メールが送信される。依頼メールを受けた親族/知人は、遠隔地から電話などで説得するか、現地に赴いて直接説得する。これにより、避難未実施者の避難意識を向上させることができる。班員情報端末(スマホ)17をはじめとする多様な手段(電話、メール、SNS(Social Networking Service)等)で「避難完了」になるまで5分おきに何度も再通知を行う(15経過後も続ける)。
図16は、図14に示す情報管理サーバ1から班員情報端末(スマホ)17に提供される避難再通知の表示画面の例を示す図である。
すなわち、図16に示す表示画面は、図15の処理テーブルに従って5分間隔で自動通知される避難再通知である。画面には、前回登録した避難状況(前回登録時刻を表示)が提示され、現在の避難状況を通知するための「避難準備中」、「避難中」、「避難完了」の選択ボタンB12,B13,B14が提示され、いずれかの選択ボタンを押下し、避難状況変更登録のボタンB15を押下操作することで避難状況の変更登録を行うことができる。これにより、各避難ステータスの変化の有無を5分間隔で問い合わせることができるため、避難の進行度が確認できる。
また、上記避難再通知画面には、「避難準備中」や「避難中」の過程で何らかの問題が生じている場合を考慮し、援助や救助を求める「救助求む」ボタンB16が提示される。このボタンB16を押下操作することで、直ちに現在地を含む救援情報が発信され、これにより迅速な救援活動を促すことができる。
以上のように、本実施形態に係る避難支援システムよれば、災害発生前後で、顔見知りの人の避難動向を容易に把握することができ、かつ近所の班長自らの声掛けなど、普段から身近な存在である近隣住民とのコミュニケーションを通じて避難行動を促すことができ、災害やそれに伴う被害の可能性を自分事として捉えることができ、避難意識の向上に貢献することができる。
また、単なる避難人数のみならず、避難所の区画満空情報を一目で俯瞰できるように表示することができ、避難所での自身の生活イメージを膨らませることができ、避難場所への興味や到着が遅れることへの焦りを煽って避難行動を早く開始するモチベーションの向上に寄与することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…情報管理サーバ、2…判定部、3…取得部、4…配信部、5…各種DB、6…個人情報DB、7…タイムライン支援システム、8…自治体職員PC、9…自治体NW自営網、10…避難所情報端末、11…避難所カメラ、12…インターネット、13…監視カメラ、14…キャリア回線、15…職員情報端末(スマホ)、16…班長情報端末(スマホ)、17…班員情報端末(スマホ)、18…親族/知人情報端末(スマホ)、19…再依頼部。

Claims (10)

  1. 災害情報を提供する災害情報システムと連携し、管轄エリア内の登録された複数の避難対象者及び複数の避難所それぞれの状況情報を管理する情報管理サーバと、
    前記複数の避難所それぞれに設置され、前記情報管理サーバとの間で通信を行う避難所端末と、
    前記複数の避難対象者それぞれが携帯し、前記情報管理サーバとの間で通信を行う避難支援アプリケーションがインストールされる支援先端末と
    を具備し、
    前記情報管理サーバは、
    前記複数の避難対象者それぞれの避難先の要望事項を登録し、
    前記避難所端末を通じて前記複数の避難所それぞれの状況に関する避難所情報を登録し、
    前記管轄エリアの複数の避難対象者を複数のグループに分割し、グループ単位で決定した避難管理者の登録を受け付け、
    災害発生時に、前記災害情報に基づいて避難の呼びかけと前記避難所情報を前記支援先端末に前記避難先の要望事項に沿って通知すると共に、前記避難管理者に前記グループの未避難状況を通知し、未避難者への前記避難の呼びかけを促す
    避難支援システム。
  2. 前記情報管理サーバは、
    前記グループに所属する避難対象者間で前記支援先端末を通じて互いの避難状況の閲覧を共有する手段を備える
    請求項1に記載の避難支援システム。
  3. 前記情報管理サーバは、
    前記支援先端末に、グループ内の避難対象者の災害状況、避難状況を地図上にリアルタイムに表示させる手段を備える
    請求項2に記載の避難支援システム。
  4. 災害情報を提供する災害情報システムと連携し、管轄エリア内の登録された複数の避難対象者及び複数の避難所それぞれの状況情報を管理する情報管理サーバと、
    前記複数の避難所それぞれに設置され、前記情報管理サーバとの間で通信を行う避難所端末と、
    前記複数の避難対象者それぞれが携帯し、前記情報管理サーバとの間で通信を行う避難支援アプリケーションがインストールされる支援先端末と
    を具備し、
    前記情報管理サーバは、
    前記複数の避難対象者それぞれの避難先の要望事項を登録し、
    前記避難所端末を通じて前記複数の避難所それぞれの状況に関する避難所情報を登録し、
    災害発生時に、前記災害情報に基づいて避難の呼びかけと前記避難所情報を前記支援先端末に前記避難先の要望事項に沿って通知し、
    前記支援先端末は、
    前記避難所情報の通知を受けてその情報を基に避難予定の避難所と避難先の予約区画を前記情報管理サーバに通知し、
    前記情報管理サーバは、
    前記支援先端末からの前記避難予定の避難所と予約区画の情報を受けて前記避難予定の避難所の避難所端末に予約区画を通知する
    避難支援システム。
  5. 前記情報管理サーバは、
    前記避難所情報に基づいて、避難所それぞれの収容人数、収容許容可能残人数、館内区画満空情報、避難所状況画像の少なくともいずれかを前記支援先端末に通知する
    請求項1または4に記載の避難支援システム。
  6. 前記情報管理サーバは、
    前記避難先の要望事項に沿った優先度を登録し、前記避難所情報の通知に際して、前記優先度に従って前記複数の避難所の中から推奨避難所を選定してその区画状況情報を提供する
    請求項1または4に記載の避難支援システム。
  7. 前記情報管理サーバは、
    避難のステータスが一定時間変化しない避難対象者に対し、自動で再度避難を促す手段を備える
    請求項1または4に記載の避難支援システム。
  8. 前記情報管理サーバは、
    事前に自発的な避難が困難な避難対象者と当該避難対象者に避難を促す援助者を登録し、災害発生時に前記援助者に対応する避難対象者に避難を促すように指示する手段を備える
    請求項1または4に記載の避難支援システム。
  9. 災害情報を提供する災害情報システムと連携し、管轄エリア内の登録された複数の避難対象者及び複数の避難所それぞれの状況情報を管理する情報管理サーバと、
    前記複数の避難所それぞれに設置され、前記情報管理サーバとの間で通信を行う避難所端末と、
    前記複数の避難対象者それぞれが携帯し、前記情報管理サーバとの間で通信を行う避難支援アプリケーションがインストールされる支援先端末と
    を具備する避難支援システムに用いられ、
    前記複数の避難対象者それぞれの避難先の要望事項を前記情報管理サーバに登録し、
    前記避難所端末を通じて前記複数の避難所それぞれの状況に関する避難所情報を前記情報管理サーバに登録し、
    前記情報管理サーバで前記管轄エリアの複数の避難対象者を複数のグループに分割し、グループ単位で決定した避難管理者を前記情報管理サーバに登録し、
    災害発生時に、前記情報管理サーバから前記災害情報に基づいて避難の呼びかけと前記避難所情報を前記支援先端末に前記避難先の要望事項に沿って通知すると共に、前記避難管理者に前記グループの未避難状況を通知し、未避難者への前記避難の呼びかけを促す
    避難支援方法。
  10. 災害情報を提供する災害情報システムと連携し、管轄エリア内の登録された複数の避難対象者及び複数の避難所それぞれの状況情報を管理する情報管理サーバと、
    前記複数の避難所それぞれに設置され、前記情報管理サーバとの間で通信を行う避難所端末と、
    前記複数の避難対象者それぞれが携帯し、前記情報管理サーバとの間で通信を行う避難支援アプリケーションがインストールされる支援先端末と
    を具備する避難支援システムに用いられ、
    前記複数の避難対象者それぞれの避難先の要望事項を前記情報管理サーバに登録し、
    前記避難所端末を通じて前記複数の避難所それぞれの状況に関する避難所情報を前記情報管理サーバに登録し、
    災害発生時に、前記情報管理サーバが、前記災害情報に基づいて避難の呼びかけと前記避難所情報を前記支援先端末に前記避難先の要望事項に沿って通知し、
    前記支援先端末が、前記避難所情報の通知を受けてその情報を基に避難予定の避難所と避難先の予約区画を前記情報管理サーバに通知し、
    前記情報管理サーバが、前記支援先端末からの前記避難予定の避難所と予約区画の情報を受けて前記避難予定の避難所の避難所端末に予約区画を通知する
    避難支援方法。
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